アルパカ「ふわああぁ!いらっしゃぁい!よぉこそぉ!アルパカフェへ〜!」

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29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 17:41:43.83 ID:m4QXpnkOo
かばん「ありがとうございます、アルパカさん」

アルパカ「ゆっくりしていってにぇ、ご主人様ぁ」

かばん「は、はい」

トキ「もえ、もっと必要かしら」

オオコノハズク「まだもえが十分ではないのです」

ワシミミズク「では、もっともえを注入するのです」

トキ「この紅茶にもえをいれるのです」

かばん「な、なにをいれるんですか? もえってなんですか?」

トキ「ここは私に任せて。もえもえの歌、ちゃんと作ってきたから」

オオコノハズク「任せるのです、トキ」

ワシミミズク「中途半端なもえでは何も意味がないのです」

トキ「分かっているわ。それじゃあ、歌うわね」

トキ「もぉぉ〜えぇぇ〜あぁ〜めいども〜え〜!!もえぇぇぇ〜!! もえるめぇぇいどぉぉ〜!!!」

トキ「もえっ!!!!」ビシッ

かばん「……!?」ビクッ
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 17:45:17.50 ID:m4QXpnkOo
>>29
トキ「この紅茶にもえをいれるのです」

オオコノハズク「この紅茶にもえをいれるのです」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 17:50:27.24 ID:m4QXpnkOo
トキ「飲んでみて。沢山のもえが入ったはずだから」

かばん「は、はぁ……。いただきます」ズズッ

オオコノハズク「どうですか、ご主人様」

ワシミミズク「もえるですか、もえないですか」

かばん「ええと……。もえ、てるんじゃないですか? たぶん」

オオコノハズク「成功ですね、助手」

ワシミミズク「成功です、博士」

トキ「心の底からもえが湧いてくる感じかしら」

かばん「あるいはそうかもしれませんね。トキさんの歌は相変わらず力強いですし、元気になりますよ」

トキ「あら、それってアンコールってことね? では、2曲目、行くわね」

かばん「あ、はい」

トキ「あぁ〜!! もえ〜!!! めいど、もぉえぇぇ〜!!! もえるぅぅ〜めいどがもえるぅぅ〜!!」

ワシミミズク「もえっ、もえっ、もえっ」ピョンピョン

オオコノハズク「もえー! もえー! もえー!」ピョンピョン

かばん「ぼ、ぼくを取り囲むのはやめてくださーい……」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:03:17.88 ID:m4QXpnkOo
アルパカ「……」

かばん(アルパカさん……?)

トキ「ご主人様、もっともえるといいわ」

ワシミミズク「満足いくまでもえるといいのです」

オオコノハズク「もえるのです、ご主人様」

かばん「あの、もう十分だと思うんですけど」

トキ「そうなの?」

かばん「きっと……」

トキ「どうする?」

オオコノハズク「本人が十分だというのなら、ここまででいいのです」

ワシミミズク「かばん、ここに通いたいと思えたですか?」

かばん「え!? ええと、そ、そうですね……。個性的なカフェだなっておもいます」

トキ「ぬふ。嬉しいわ。それじゃあ、ここからスペシャルタイムね」

オオコノハズク「我々めいどの力をみせてやるのです」

ワシミミズク「さいごの力です」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:11:40.49 ID:m4QXpnkOo
かばん「一体、何を……?」

トキ「行くわよ。もえもえもえもえ……」

オオコノハズク「もえもえもえもえ……」

ワシミミズク「もえもえもえもえもえ……」

かばん「こ、こわいんですけどー!?」

トキ「怖いの?」

オオコノハズク「怖いはもえとは違うのです」

ワシミミズク「あまりのもえりょくにかばんが耐えきれなかったのでは?」

オオコノハズク「それは考えられるのです。我々はモエ、なので」

ワシミミズク「ええ、我々は歩くモエ、なので」

トキ「明日もまたこんな感じで持て成すわね」

かばん「あ、明日もですか……」

トキ「嫌なの……?」

かばん「お、お気持ちは嬉しいんですけど、毎日は流石に疲れると思いますよ」

トキ「そうかしら。私たちならできる気もするわ」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 18:13:37.85 ID:ZMX9tYERO
マーゲイにプロデュースさせれば…ワンチャン…
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:19:17.00 ID:m4QXpnkOo
かばん「あの、アルパカさん」

アルパカ「はい? なになに? おかわりかなぁ?」

かばん「いえ、その、外に行きませんか?」

アルパカ「いいよぉ?」

かばん「すみません」

オオコノハズク「かばん、あとでとても大切な話があるのです」

ワシミミズク「とても、とても重要なことなのです。じゅるり」

かばん「あ、はい。なんとなく、わかりました」

アルパカ「外でなにするのぉ? あたし、もえってよくわかんないけど、いいのぉ?」

かばん「いいですよ。それよりカフェの雰囲気、すっごく変わりましたね」

アルパカ「うん。トキがね、ここを流行らせたいっていうの。あたしも、色んなフレンズに来てほしいしにぇ」

かばん「それで博士たちも協力を?」

アルパカ「博士たちはかばんちゃんの料理が目当てみたいだよぉ」

かばん「あはは。やっぱり。つまりここで僕が料理を作るわけですか」

アルパカ「かばんちゃんさえ良ければにぇ」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:26:41.41 ID:m4QXpnkOo
かばん「僕は構いませんよ。毎日だって来たいぐらいですし」

アルパカ「ほんとぉ!? うれしいなぁ! それじゃあ、あのね、カレーっていう料理をにぇ!」

かばん「本当にいいんですか?」

アルパカ「へぇ?」

かばん「……」

アルパカ「な、なにいってるのぉ? さっきもいったけどぉ、あたしだってこのカフェのこと色んな子に知ってほしいんだよぉ」

かばん「そこを疑っているわけじゃありません。アルパカさんは以前、とても嬉しそうに紅茶を淹れてくれました」

かばん「僕もアルパカさんの淹れる紅茶は美味しいと思います。色んなフレンズさんに知ってほしいとも思います」

かばん「ただ、このままの雰囲気でカフェをしていくのかなって……」

アルパカ「そうしなきゃ、お客さんがこないなら……」

かばん「いいんですか?」

アルパカ「……」

かばん「アルパカさん……」

アルパカ「今日は、もう閉店でいいかなぁ? 紅茶の材料がもうなくてにぇ。ごめんねぇ」

かばん「……はい」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:33:09.20 ID:m4QXpnkOo
ワシミミズク「閉店、なのですか」

アルパカ「うん。ありがとねぇ。でも、材料がなくてねぇ」

オオコノハズク「そうですか。材料がないなら仕方ないのです」

トキ「……」

オオコノハズク「かばん、みなとまで送っていくのです」

ワシミミズク「送迎するのです」

かばん「あ、いえ。今日はここを下りて、ジャガーさんかカワウソさんのところでお泊りしようかなって。サーバルちゃんたちも向かってきてくれているかもしれませんし」

オオコノハズク「わかりました。では、我々も近くで一夜を過ごすのです」

かばん「え?」

ワシミミズク「我々が提案したことなのです。最後まで見届けるのが義務なのですよ」

かばん「そうですか」

トキ「明日も来てくれるかしら」

かばん「はいっ。勿論です」

オオコノハズク「それでは、また明日ですね」

アルパカ「ありがとにぇー!」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:37:16.63 ID:m4QXpnkOo
店前

オオコノハズク「何があったのですか、かばん」

ワシミミズク「アルパカの様子がおかしかったのです」

かばん「……」

オオコノハズク「我々、何か余計なことをしてしまったのですか」

ワシミミズク「我々が何か粗相を犯したのですか」

オオコノハズク「確かにかばんの料理が食べたいがために企画したことではあるのです」

ワシミミズク「そこが気に入らなかったのですか」

オオコノハズク「明日、謝るほうがいいのですね」

ワシミミズク「賛成なのです、博士」

かばん「ラッキーさん」

ラッキービースト『ナニカナ?』

かばん「調べたいことがあるんですけど」

ラッキービースト『ナンデモ イッテネ』

かばん「あのですね……」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:43:16.78 ID:m4QXpnkOo
店内

トキ「これ、片付けておくわね」

アルパカ「うん……」

トキ「何かあった?」

アルパカ「……」

トキ「なんでも言ってほしいわ」

アルパカ「こうしなきゃ、いけないのかなぁ」

トキ「え?」

アルパカ「こうしてたほうが楽しいかもしれないけど、こうしてたらお客さん、喜ぶのかもしれないけど」

アルパカ「こうしなきゃ、いけないのかなぁって、段々思っちゃって……」

トキ「私も博士たちもこのお店を流行らせたいのよ。だから、時間をかけてここまで準備したんじゃない」

アルパカ「わかってる。わかってるよぉ。けど、なんか、ちがうっていうか……」

トキ「何が違うの」

アルパカ「こんなことしなくても、お客さんはきてくれるんじゃないかなぁ?」

トキ「……来なかったでしょ?」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:48:52.43 ID:m4QXpnkOo
アルパカ「うっ……」

トキ「何か気に入らないの?」

アルパカ「かばんちゃんをみてるとにぇ……その紅茶の味がわからないんじゃないかって……」

トキ「どうして?」

アルパカ「あんなにたくさんの店員に囲まれてたら落ち着けない子も出てくるんじゃない?」

トキ「それじゃあ、今まで通りにアルパカだけで紅茶を淹れるお店でいいの?」

アルパカ「……」

トキ「お客さんは私とショウジョウトキだけになるわよ?」

アルパカ「……」

トキ「私は、嫌」

アルパカ「トキ……?」

トキ「私は、ここに沢山のフレンズを呼びたい。連れてくるんじゃなくて、自然とみんなが足を運んでくれるカフェになってほしいの」

トキ「ここが大好きだから」

アルパカ「私もここが大好きだよぉ。でも、でも……こんなに変えなくても……きっといつか……みんなはきてくれるとおもうんだぁ……」

トキ「そう。なら、そうしたら?」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 18:55:18.11 ID:m4QXpnkOo
アルパカ「え……」

トキ「変えなきゃいけないこともあると思うけど、アルパカが変えたくないって思ったならそうしたらいいわ」

トキ「ここは、私のカフェじゃないから」

アルパカ「トキ、待って、あの……」

トキ「それじゃあ」

アルパカ「あ……」

バタンッ

アルパカ「ちがうよぉ……そうじゃないんだよぉ……」

アルパカ「ただ……ただ……」

アルパカ「ここが素敵な場所だって……変えなくなって伝わるって……信じてみたくなっただけで……」

アルパカ「トキにも博士たちにも感謝してるよぉ……」

アルパカ「わたしだって……おきゃくさんがきてくれるなら……なんだって……するつもりで……いたんだぁ……」

アルパカ「こうちゃ……いれるの……だいすきだし……」

アルパカ「おいしい……って、いって、もらいたいだけだし……」

アルパカ「それだけ……なのになぁ……どうして……うまくいかないのかなぁ……」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:00:45.93 ID:m4QXpnkOo
店前

トキ「……」

オオコノハズク「トキ、どうしたのですか」

トキ「なんでもないわ」

ワシミミズク「アルパカ、怒っていたのですか?」

トキ「いいえ。寧ろ、感謝していたわ。でも、やっぱり変えたくないんですって」

オオコノハズク「変えたくない?」

トキ「私が提案しちゃったから、言い出しにくかったのかもね」

ワシミミズク「そうですか」

トキ「……アルパカには悪いこと、しちゃったわね。もっと早く気が付いていればよかったのに」

オオコノハズク「それは我々も同罪なのです」

ワシミミズク「明日、謝罪するのですよ」

トキ「うん。そうしましょう。きっとアルパカは静かなカフェのほうがよかったのね」

ワシミミズク「こんな場所でカフェをしたいと言い出すのですから、当然のことだったかもしれないのです」

オオコノハズク「鳥のフレンズたちでさえ、殆ど気が付かない場所ですからね。よく見つけたものです」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:10:36.28 ID:m4QXpnkOo
トキ「そういえばそうね。アルパカは偶然、ここを見つけたって言ってたけど」

オオコノハズク「相談を受けたときも驚いたのです。まさかここをアルパカが見つけるなんて、と」

ワシミミズク「いくら山の上り下りが得意だといっても、ここを見つける確率は相当低いのです」

トキ「隣の山から見つけたって言ってたわね」

オオコノハズク「尚の事、よく発見できたのです」

ワシミミズク「何かを感じ取りでもしなければ、誰も気が付かないのですよ」

トキ「そうよね……。だからこそ、お客さんだってこないんだし」

オオコノハズク「紅茶を淹れたいだけなら他のジャパリカフェがあるのに、ここに拘る理由もよくわからないのです」

ワシミミズク「ここを通るフレンズがどれほどいるのか、わからないのです」

オオコノハズク「かなりの少数のはずなのです」

トキ「ここに何かあるのかしら」

ワシミミズク「見当もつかないのです」

ジャガー「よっと、ついたー」

オオコノハズク「おや、どうしたのですか」

ジャガー「かばんを連れてきたんだ。ろーぷうぇーで登るの大変だろうからね」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:19:36.21 ID:m4QXpnkOo
かばん「ありがとうございます、ジャガーさん」

ジャガー「気にしなくてもいいよ」

トキ「かばん、まだいたのね。ところで、その抱いているのは……」

かばん「このカフェ周辺を管理してるラッキーさんです」

オオコノハズク「何故、ラッキービーストを持ってきたのですか?」

かばん「知っているかもしれないって思って」

ワシミミズク「知っている……?」

ラッキービースト『ボクはどうしたらいいのかな?』

かばん「みなさん、一緒に来てください。見てもらいたいものがあるんです」

トキ「見せたいもの……」

ワシミミズク「気になるのです」

オオコノハズク「何を見つけてきたのですか」

ジャガー「一緒に行ってもいいの?」

かばん「はいっ」

ラッキービースト『なんでもいってね』
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:24:12.18 ID:m4QXpnkOo
店内

アルパカ「……」

アルパカ「ペッ!!」

アルパカ「はぁ……」

カラーン

アルパカ「ごめんにぇ、今日はへいて……ん……」

かばん「どうも」

ジャガー「へえー、こんな風になってたのかぁ」

アルパカ「みんなぁ? どうかしたのぉ?」

トキ「見せたいものがあるってかばんが言っているのよ」

オオコノハズク「早く見たいのです」

ワシミミズク「見せてほしいのです」

かばん「ラッキービーストさん、当時の映像を見せてもらえますか? ジャパリカフェの宣伝を兼ねて」

ラッキービースト『わかったよ。再生するね』

アルパカ「ぅん? なにか映って……」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:33:59.47 ID:m4QXpnkOo
『ここジャパリカフェこうざん店は、他のカフェでは味わえないものがあります!』

『それはこの雄大な自然を見ながら、美味しい紅茶を飲むことができるのです!』

『見てください。開店してからまだ間もないですが、こんなにも多くの人とフレンズがここで休憩しています!』

アルパカ「……」

トキ「ヒトがたくさん……フレンズも……」

ジャガー「な、なんだこれ!? どうなってるんだ!? ぜんぜん、わからんっ!」

『店内も店外もお客さんで一杯です!』

オオコノハズク「昔はここにこれほどのお客が足を運んでいたのですね」

ワシミミズク「みんな楽しそうなのです」

かばん「疑問だったんです」

アルパカ「なにがぁ?」

かばん「こんな場所にカフェを建てた理由です。この辺りには山が多いですし、みんながこの山を通って別のちほーに行くとは限りません」

かばん「なのに、カフェはここだけにしかなかった。アルパカさんは、それを見つけ出した。本当に偶然だったんでしょうか」

アルパカ「偶然だよぉ? だって、山を越えるときにたまたま……」

かばん「隣の山からここを見つけたんですよね。休憩していたからとはいえ、目に入るでしょうか? いえ、入ったとしてもそれを偶然で片づけていいのかなって、思ったんです」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:42:06.09 ID:m4QXpnkOo
トキ「どういうこと?」

『ふわああぁ! いらっしゃぁい! よぉこそぉ! ジャパリカフェへ〜!』

アルパカ「え……」

トキ「あ……これって……」

アルパカ『美味しい紅茶、淹れるよぉ。なにのむぅ? ここには色々あるよぉ。えへへぇ』

アルパカ「……」

オオコノハズク「アルパカ、なのですか」

ワシミミズク「昔のアルパカ、なのですね」

アルパカ『あぁー、今日もお客さんがいっぱいだぁ。大変だけど、たのしいよぉ。店長もやさしいしにぇ』

アルパカ「……」

アルパカ『みんながねぇ、あたしが淹れた紅茶、おいしいっていってくれるのぉ。それがほんとうにうれしいんだぁ』

アルパカ「しらない……こんなの……しらないよぉ……」

トキ「アルパカ……」

アルパカ「みたこと……ない……これはあたしじゃないよぉ……ないのに……なんでかなぁ……なんで……ちょっとかなしいのかなぁ……なんでかなぁ……」

ジャガー「ろーぷうぇーもすっごい動いてるなぁ」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:50:40.35 ID:m4QXpnkOo
アルパカ『追加の注文はいったよぉ! あぁ、ほんと、いそがしいよぉ!』

アルパカ「いいなぁ……たのしそうだなぁ……」

かばん「本当は、最初から知っていたんですよ」

アルパカ『おいしいぃ? ありがとにぇ!』

アルパカ「こんなに……おきゃくさんきてくれたら……きっと……きっと……すっごくたのしいだろうなぁ……」

かばん「アルパカさんは、最初からこのカフェがどれだけ素敵な場所なのか知っていたんです。だから、変えたくなかったのかもしれません」

かばん「お客さんが中々こなくても信じたかったのかもしれません」

アルパカ『ありがとぉー! またきてにぇー!! あははー』

アルパカ「しってたのかな……だから……わたし……いやだったのかな……かわっちゃいそうで……こわくなったのかなぁ……」

トキ「……」

オオコノハズク「謝るのです、アルパカ」

ワシミミズク「我々、こんなに素晴らしい場所を壊そうとしてしまったのです」

アルパカ「ちがう……あやまるのは……あたし……だよぉ……せっかく……いろ、いろ……かんがえて……くれたのにぃ……」

トキ「このままでよかったのね。間違っていたのは、私のほうだったわ。ごめんなさい、アルパカ」

アルパカ『ふわああぁ! いらっしゃぁい! よぉこそぉ! ゆっくりしていってにぇー!』
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 19:55:44.10 ID:m4QXpnkOo
ラッキービースト『以上だよ。他に見たい映像はあるかな?』

かばん「いえ、ありません。ありがとうございました」

ラッキービースト『何かあったら言ってね』

アルパカ「うぅぅ……」

オオコノハズク「我々は外にいるのです」

ワシミミズク「賢いので」

ジャガー「かばん、外で待ってよう」

かばん「はいっ」

トキ「……今日は、帰るわ。また明日ね」

アルパカ「うぅ……ぅ……」

かばん「アルパカさん……」

ラッキービースト『カバン ヤクニタテタカナ』

かばん「うん。ここのラッキーさんを探してくれてありがとうございます」

ラッキービースト『キニシナイデ』

アルパカ「すきだったんだぁ……ずっとまえから……あたし……ここがすきだったんだぁ……しらないけど……おぼえてないけど……すきだったんだぁ……」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 20:00:18.98 ID:m4QXpnkOo
店前

トキ「わたしはぁ〜とぉき〜なかまをさがしてぇ〜るぅ〜」

アルパカ「紅茶、のむぅ?」

トキ「いいの?」

アルパカ「うん。泣いたらすっきりしたよぉ」

トキ「そう」

アルパカ「トキぃ?」

トキ「なぁに?」

アルパカ「やっぱりジャパリカフェのままでいきたいなって思ってるんだけど……」

トキ「私の許可なんていらないわ」

アルパカ「ごめんにぇ。ここまで準備してくれたのに」

トキ「明日、看板を外しましょう。このカフェには相応しくないもの」

アルパカ「お客さん、きてくれるかなぁ」

トキ「来てくれるわ」

アルパカ「うん。そうだにぇ。きっとくるよねぇ。あぁ、待ち遠しいなぁ。えへへ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 20:15:39.52 ID:m4QXpnkOo
アルパカ「明日も朝からお店で紅茶飲むの?」

トキ「いけないかしら」

アルパカ「仲間をさがしてぇ〜って歌ってたから」

トキ「この歌は歌詞が変わったのよ」

アルパカ「え? どういうことぉ」

トキ「わたしはぁ〜とぉき〜なかまをさがしてぇ〜るぅ〜! そぉして、みつけぇたぁのぉ〜だいじぃなぁなかぁまぁ〜」

アルパカ「そっかぁ。みつかったんだぁ」

トキ「ええ。もう探す必要はないわ」

アルパカ「よかったねぇ」

トキ「ホントに」

「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃー!!!!」

アルパカ「なになになに!? お客さんかなぁ!?」

サーバル「かばんちゃーん!!!! どこー!!!! かばんちゃーん!!! あぁー!! トキー!! アルパカー!! かばんちゃん知らなーい!?」

トキ「かばんなら山を下りたわ。ジャガーのところにいるんじゃないかしら」

サーバル「そーなの!? ありがとう!! 行ってみるね!!! うみゃみゃみゃー!!!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 20:25:37.67 ID:m4QXpnkOo
翌日 店前

ワシミミズク「これで撤収は完了なのです」

オオコノハズク「色々とすまなかったのです」

アルパカ「こちらこそ、ごめんにぇ。かばんちゃんも、迷惑かけちゃったねぇ」

かばん「いえ。全然。僕だって昔のジャパリカフェが知れて嬉しかったです」

サーバル「もう、博士! 勝手にかばんちゃんを連れていかないでよね!」

オオコノハズク「反省しているのです」

ワシミミズク「猛省しているのです」

アライグマ「随分とちいさくなってるのだ」

フェネック「なんかあったみたいだけど、聞かない方がいいのかなぁ」

オオコノハズク「みなとまで戻るなら送っていきますが」

かばん「ええと……。サーバルちゃんと歩いて帰ります」

ラッキービースト『カナリ キョリガアルヨ?』

かばん「僕だけ飛んで帰るのも嫌なので。帰りぐらいはサーバルちゃんたちと一緒に行きます」

サーバル「うぅぅー……。かばんちゃーん!!」ギュゥゥ
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 20:30:52.67 ID:m4QXpnkOo
かばん「うわぁ!? ちょっとサーバルちゃん! 急に抱きつかないでよぉ」

サーバル「一緒にかえろー!!」

かばん「うん」

アライグマ「かばんさん、流石なのだー!!」

フェネック「あえて苦しい方を選択するなんてねぇ。アライさんは絶対にしないのに」

アライグマ「何をいっているのだ! アライさんもかばんさんと同じ選択をするのだ!!」

かばん「心配かけちゃったね」

サーバル「いいんだよー。あ、そうだ、きいてきいて。ここまでくるまでにね、ライオンとかスナネコとかにあったんだけど――」

ワシミミズク「それでは我々も戻るのです」

オオコノハズク「それでは、また来るのです」

アルパカ「まってるよぉ」

トキ「またね」

オオコノハズク「カレーはおあずけなのです」バサッバサッ

ワシミミズク「おかわりは延長なのです」バサッバサッ

アルパカ「さぁーて、お店あけないとにぇー」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 20:35:34.92 ID:m4QXpnkOo
店内

トキ「静かね」

アルパカ「これでいいんだよぉ」

トキ「……ちょっと、残念だったけど」

アルパカ「私も、変わることを怖がってたらいけないよねぇ」

トキ「え?」

アルパカ「いつかね。あのめいどかふぇもやりたいよぉ」

トキ「ホントに?」

アルパカ「ほんとだよぉ。えへへ」

トキ「うふふ……」


「ここだ、ここだー。サーバルが言ってた素敵なカフェって。へぇー、いいところだなぁ」

「かばんちゃんもここにいるって言ってたけど、まだいるかな? 流石にもう帰ったのかな?」

「はやく入りましょう。僕、待ちきれないです」

カラーン


アルパカ「ふわああぁ! いらっしゃぁい! よぉこそぉ! ジャパリカフェへ〜!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 21:17:20.74 ID:m4QXpnkOo
おしまい。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 21:21:01.23 ID:xs/DB4Vm0
おつ
けもフレらしい優しい世界
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 22:38:01.23 ID:6TfHv6h2o
自分の間違いを認められるカレーコンビがかしこかった
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 22:46:21.25 ID:m3NuOwpp0
乙乙
みんないい子
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