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少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」
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461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:11:05.69 ID:IiVBuModo
友人『……いや、我、今日の朝はちと所用がありますのでwww』
友人『今のうちに、コスプレに関して、何か手伝えるコトがないかとwwwwww』
男「お前、コスプレの用意まであるのか……。ホント全方位だな」
男「だが。ソレも必要無くなった」
男「コスプレする当人がいないんだからな」
友人『…………』
男「本来なら俺から断りを入れるべきだが」
男「お前さえ良ければ、黒ずくめさんに伝えてくれないか」
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:11:34.60 ID:IiVBuModo
男「少女がいなくなったから、コスプレは出来ない」
男「俺も、三日目は、行く気は無い」
男「……って」
友人『…………』
男「理にかなってはいないんだろうが」
男「……それだけのために会うのも、バツが悪くてな」
友人『……わかりましたぞ』
友人『ですがwww男氏はソレで、いいのですかなwww』
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:12:02.83 ID:IiVBuModo
男「……? どういう意味だ」
友人『んんwww文字通りの意味www』
友人『男氏はソレで後悔は無いのですかなwwwwww』
男「…………」
友人『……んん、では我はまだ今日のサークルチェックが終わっていないwww』
友人『それではこれにてwwwぺゃっwwwwww』
プチ
ツー ツー ツー…
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:12:29.97 ID:IiVBuModo
男「…………」
男「言いたい放題、言いやがって……」
男「…………」
男「だけど俺は、アイツの保護者でも何でもないんだぞ……」
男「何の権利があって、何の責任がある……」
男「…………」
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:12:58.04 ID:IiVBuModo
男「…………」
男「……ちょっと、外の空気でも吸うか」
ガチャ
――アパートの外廊下
ヒュウウウウウウ…
カタカタカタ
男「…………」
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:13:25.99 ID:IiVBuModo
男「……月がまぶしいな」
男「相変わらず、ボロっちいアパートだ」ギシ
男「風呂設置する余裕があるなら」
男「リフォームの一つでもしやがれっての」
大家「いやー、すみませんね。そんなお金無くって……」
男「……!」
男「な……。……、な……」
大家「私が出店した稼いだお金で、少しでも男さんたちに還元できればいいんですけどね」
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:13:53.13 ID:IiVBuModo
大家「というのは冗談ですが」
男「冗談なんですか。断固リフォームする気は無いというコトですね」
大家「ええ。そんなコトしても、私に一銭のトクもありませんので」
男「コッチはコッチで、現金なヒトだ」
大家「……で。男さん」
大家「こんな朝早く、いや夜遅くに、いったいどうしました?」
男「…………」
男「……それは、コチラのセリフですよ」
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:14:20.62 ID:IiVBuModo
大家「え? 私ですか?」
大家「私はホラ、大家として、アパートの掃除なんかもしなきゃいけないのでー」サッサッ
男「…………」
大家「で、どうしましたか」
大家「もしやとは思いますが、……少女ちゃん案件ですか?」
男「……!」
男「…………」
大家「ふふっ、その顔は、アタリって顔ですねー」
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:14:48.85 ID:IiVBuModo
男「……どうして」
大家「え? だって私、会いましたもん」
大家「少し前、男さんの部屋を出ていく、少女ちゃんと」
男「……!!」
男「お、おい! アイツは! アイツはどこへ行った!?」
大家「…………」クス
大家「気になりますか?」
470 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:15:17.89 ID:IiVBuModo
男「……!」
男「……いや。べ、別に」
大家「ふっ、ふっ、ふっ。男さん、面白いなあ」
大家「そこまで取り乱しておいて、真逆のウソつくんですか?」
男「……ちっ」
大家「もう。オトコのヒトって、ほんとメンドクサイですねえ」
大家「心配だから、行き先を知りたい」
大家「気になるから、追いかける」
大家「それでいいじゃないですか」
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:15:46.30 ID:IiVBuModo
男「…………」
大家「…………」
大家「だーっ、もう。ホントにスナオじゃないんだから……」
大家「……じゃあ。コレは私のヒトリゴトです」
大家「聞くも聞かないも、動くも動かないも、男さんの自由です」
大家「それに関して私は何も思いませんし、何も言いません」
大家「ソレでいいですね?」
男「…………」
472 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:16:15.50 ID:IiVBuModo
大家「ヘンジが無いってコトは、承諾と捉えますよ」
大家「……そうですね。少女ちゃん、荷物を持って向こうの道に走っていきました」
大家「方角でいえば西。ちょうど太陽の沈む、夜明けとは逆の方向ですね」
大家「もっとも、今はまだ、朝焼けの時間には早いですが」
大家「あと少女ちゃん、なんでどこか行くのかって私が尋ねたら、こうも言ってました」
大家「『私はもう、ココにいちゃいけないから。ココにいる資格は無いから』」
大家「『男さんのメイワクになりますから』……」
大家「って」
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:16:43.07 ID:IiVBuModo
男「…………」
男「……アイツめ」
男「勝手なコトを……!!」ダッ
大家「ちょ、ちょっと! どこへ行くんですか!!」
大家「まさか本当に少女ちゃんを追いかけるつもりですか!?」
大家「西ってコト以外何もわからないんですよっ!?」
男「そんなコト、知ったことか!!」
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:17:09.98 ID:IiVBuModo
男「ココにいる資格は無い? 俺のメイワクになる!?」
男「そんなコト、一方的に聞かされて、黙ってられるかっ!!」
大家「…………」
男「……大家さん。情報ありがとう」
男「アテはある。だから、あとは俺一人で探します」
男「それでは」ダッ
大家「……待ってください」
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:17:39.90 ID:IiVBuModo
男「……?」
大家「…………」キュポ
無線『……繰り返します。お嬢、目的の少女、発見しました』
無線『どうやら高雄山に向かっているもよう。タクシーを使用しています……』
男「……、そ、それは……」
大家「もしかするとこういう事態になるかと思って、組のヒトに尾行してもらっていました」
大家「私のこまやかな心遣いに感謝してくださいね?」
男「…………」
476 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:18:09.55 ID:IiVBuModo
大家「さて、高雄山といいましたか」
大家「けっして近くはない場所ですが、クルマかっ飛ばせば、まだ間に合います」
大家「さすがに朝のタクシーは巡回していない時間帯ですので」
大家「深夜勤務のタクシーのケツを叩く、というコトになりそうですが」
大家「……どうしますか?」
男「そんなの、考えるまでもない」
男「少女を追います」
大家「…………」フフ
男「ありがとう、大家さん。やっぱり優しいですね」
477 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:18:36.70 ID:IiVBuModo
大家「ふふ。カタギのヒトに良い印象与えるのも、大切なシゴトなのでー」
大家「あんまりカン違いしないでくださいねー?」
男「わかってますよ」
男「それでは、俺はこれで……!」ダッ
大家「ええ! 思う存分、やっちゃってきてくださーい!!」
大家「……さて」
大家「組員さん。高雄山に向かうとおぼしきヒトは、本当に少女ちゃんだけですか?」
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:19:09.44 ID:IiVBuModo
無線『いえ。少女さんと同時に、いえ、少女さんを追うようにして……』
無線『数台のナンバープレートの無い車も高雄山に向かっています』
大家「……なるほど。私の直感も、捨てたモンじゃないですね」
大家「コチラ側ではないにしろ、尋常ではないのも確かでしたか」
大家「―――では皆さん。この夏、大一番のシノギです」
大家「組長には私から伝えます。組員の皆さんは、いつでも“動ける”態勢で、山へ」
大家「有事の場合は、現場判断での介入も許可します」
無線『了解です。お嬢』
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/29(火) 18:19:36.56 ID:IiVBuModo
大家「ええ。お互い、頑張りましょう」ピッ
大家「……今日はCOMIKEの、三日目でしたか」
大家「まったく。どこのシマの人間だか知りませんが」
大家「カタギのヒトが楽しむお祭の日をジャマするのは、いただけませんね」
大家「さーてと。東狂、救っちゃいますか!」
480 :
◆mclKiA7ceM
[saga]:2017/08/29(火) 18:20:12.36 ID:IiVBuModo
最終章 前編は以上になります。
最終章 中編は、明日18時ごろの開始を予定しています。
481 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 18:32:39.13 ID:mQNEKt+so
おつ
482 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 19:00:53.74 ID:F0JrUj/Uo
おつんつん
483 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/30(水) 03:50:03.37 ID:hRLlOjlhO
乙
484 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/30(水) 09:14:13.54 ID:vZZooRDzo
しかしこの男落ち着きすぎというか老け過ぎてて三十代後半くらいにしか思えん
大学生はないわ
485 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/30(水) 16:52:52.84 ID:ul3bUiA0O
絶対に「〜コポォ」とか語尾についてるはこの大学生たった数回でここまで詳しいとか怪しすぎる
友人とかにだまって絶対何度も足運んでる歴戦の戦士やんか
486 :
◆mclKiA7ceM
[saga]:2017/08/30(水) 18:00:12.28 ID:d5mh3pIZo
それでは、最終章 中編を開始します。
今回は100レスほどの予定です。
487 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:00:56.63 ID:d5mh3pIZo
――高雄山 頂上
ヒュウウウウウウ…
少女「…………」
少女「さすがに、夏でも、晴れてても」
少女「標高の高いところの夜は、寒いなあ」
ヒュウウウウウウ…
488 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:01:24.17 ID:d5mh3pIZo
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`゙''ー-、 ''"'"~''' ゙''、,, `゙''ー-、|l::;...;;.;.;ii:illl":;;;: : ;
489 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:01:51.56 ID:d5mh3pIZo
少女「…………」
少女「真夜中なのに、あんなに煌々とネオンが輝いている」
少女「この世界は、あんなにもたくさんの人が暮らしてて……」
少女「そして、その人々には」
少女「それぞれ一人一人に、目的が、嗜好が、人生がある……」
少女「かぁ」
少女「…………」グス
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:02:20.85 ID:d5mh3pIZo
少女「あはは、なんで泣いてるんだろ」
少女「おじいちゃんにはたくさんメイワクかけちゃったなあ……」
少女「でも」
少女「ホテルのバイキングで、魚のカブトやお肉ばっか取って怒られたり」
少女「カップ麺に一緒にお湯をそそいだり」
少女「スーパーで食材買ってきて、一緒に料理作ったり」
少女「お寿司の出前でイチバン高いヤツ頼んじゃったり……」
少女「小っちゃいころみたいで、楽しかったなぁ」
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:02:49.00 ID:d5mh3pIZo
少女「って、食べるコトばっかりだ」
少女「あはは。他には……」
少女「…………」
少女「COMIKEかぁ」
少女「ありえないくらい、いっぱい人がいて……」
少女「ふふ。えっちな本やアクセサリーなんかも、いっぱい買って」
少女「……タイヘンなコトもいっぱいあったけど」
少女「想像通りの。いや、想像以上のお祭だった」
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:03:16.44 ID:d5mh3pIZo
少女「でも」
少女「あのお祭は、集まった数十万人という人々が」
少女「あんなに色んなヒトがいるのに」
少女「皆。少しずつルールを守って」
少女「絶妙な自由と秩序のバランスの上で成り立っている」
少女「だから」
少女「私みたいなヤツが、いちゃいけないんだ……」
493 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:03:42.86 ID:d5mh3pIZo
少女「私みたいな、心の汚れたヤツが……」
少女「…………」グス
少女「おじいちゃん。ごめんね……」
男「ココにいたか」ザッ
少女「……!」
少女「……お。…………男、さん……」
494 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:04:09.55 ID:d5mh3pIZo
男「…………」
少女「…………」
男「…………」
男「……まあ、その、なんだ」
男「別れのアイサツのヒトコトくらい、しておくべきかと思ってな」
少女「…………」
少女「……どうして、ココがわかったんですか?」
男「あー……」
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:04:37.07 ID:d5mh3pIZo
男「一つは、情報のタレコミ」
男「プライバシーに配慮して名前は伏せるが。お前を心配してくれている、ヒトがいた」
少女「…………」
男「そして、高雄山でも、頂上にいると思ったのは」
男「東狂の海のハナシしてたろう。眩い海、瞬く星……」
男「海でも空でもないが、山でそれらにイチバン近い場所といえば」
男「この頂上だと思ってな」
少女「…………」
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:05:04.61 ID:d5mh3pIZo
男「俺の推理は以上だ」
男「だけど、なんでお前がココに来たのか、そんなコトはセンサクせん」
少女「…………」
男「…………」
男「だけど、ゴカイは解いておきたい」
少女「……?」
男「お前、俺のメイワクになるから帰る、とか言ったらしいな」
少女「え……!」
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:05:32.11 ID:d5mh3pIZo
男「あー。タレコミ元、バレちまったか……」
男「まあいいや。大家さんも共犯ってコトだ」
男「あのヒトも、あのヒトなりにお前のコト、心配してたぞ」
少女「……そうですか」
男「とにかく。お前が自分のコト、俺のメイワクになるとか思ってるなら」
男「ソレはマチガイだ」
男「お前のコトをメイワクだなんて、一度も思ったコトは無い」
少女「男さん……」
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:05:58.77 ID:d5mh3pIZo
男「それよりもな。この二日間……。いや、出会った日も含めれば、三日間か」
男「俺はお前と一緒にいて、楽しかった」
男「そりゃあ人の多いCOMIKEは苦行のヒトコトだったが……」
男「それでも、お前と行くCOMIKEは、楽しかった」
男「ガラにもなく、今日も行ってやろうか、なんて一瞬思ったくらいだ」
男「お前がいないんなら、行く意味も無いけどな」
少女「…………」グス
男「少なくとも、この三日間、俺は娘が出来たみたいで楽しかった」
男「だから……」
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:06:25.41 ID:d5mh3pIZo
男「俺のメイワクになるとか、言わないでくれよ」
ギュッ
少女「……!」
男「こんな明るい子に、そんな風に自分を責められたら……」
男「哀しくなるだろ……」
少女「……男さん…………」
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:06:52.86 ID:d5mh3pIZo
男「お前はメイワクなんかじゃない。俺が断言する」
男「お前さえ良ければ、来週も、来月も、いつまでも……」
男「俺と一緒にいてほしい」
少女「男さん……」
少女「……うぅ。私も、私だって……」
少女「男さんと一緒にいたいですよぉ……!!」
男「…………」
少女「うっうっ。うぅ、うわぁぁぁ――――ん…………」
501 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:07:19.77 ID:d5mh3pIZo
男「……落ち着いたか?」
少女「……ハイ」
男「なら、戻ろう」グッ
少女「…………」
少女「それは、出来ないんです」
男「どうして」
少女「…………」
502 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:07:46.44 ID:d5mh3pIZo
少女「……私が、この街にいられるのは、あと一日」
少女「今日にはもう、帰らなくちゃいけませんから」
男「だったら、今日一日だけでも」
男「今日一日だけでも、一緒にいるコトは出来るだろう」
少女「…………」
少女「だけど」
少女「私なんかが、戻っていいんでしょうか」
少女「戦士の戦利品を盗もうとした、私なんかが……」
503 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:08:13.34 ID:d5mh3pIZo
男「…………」
男「……そうだな」
男「窃盗未遂でも、窃盗は窃盗」
男「見つかれば許されるハナシじゃあないだろう」
少女「…………」
男「でも」
男「集まった数十万人だって、全員が全員根っからの善人じゃない」
男「ちょっとくらい心に後ろ暗いところだってある。人間なんだから」
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:08:41.50 ID:d5mh3pIZo
少女「…………」
男「……ナットクいかないって顔だな」
男「…………上を見ろ」
少女「上……?」
男「夏の夜明けは早いが、まだ日は昇っていない」
男「空を見てみろ。黒い夜の空を」
少女「空……」
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:09:08.27 ID:d5mh3pIZo
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506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:09:36.58 ID:d5mh3pIZo
少女「…………」
少女「きれい」
男「だろう。ココは、東狂で最も空に近い場所の一つ」
男「最も星がよく見える場所の一つだ」
少女「こんな星空が、本当にあるなんて……」
少女「まるで天然のプラネタリウムだなぁ」
男「なんじゃそりゃ」
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:10:03.96 ID:d5mh3pIZo
男「……これでも、夏は空気中の水分が多いから、冬のほうがよく見える」
男「街の光が届くこんなところより、内陸の山のほうが、もっと星はよく見えるぞ」
男「自然は限りなく広い」
男「お前の目に見えている部分なんて、ほんの一部なんだ」
少女「…………」
男「って、大学生風情が何を、ってハナシだがな」
男「だけど。ヒトも、同じコトだ」
男「見てみろ、星を」
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:10:30.71 ID:d5mh3pIZo
男「様々な大きさ、様々な色、様々な輝きをする星が、無数にある」
男「俺たちの目に見える太陽系の星から、銀河の果てまで、限りなく」
男「そして、無窮に瞬く星々……」
男「とはいうが、永遠に輝きつづける星なんて、この世には存在しない」
男「すべてが等しく有限で。すべてには等しく終わりがあり」
男「だからこそ、こうして今を、きらめくんだ」
少女「…………」
男「人間だって、色んなヤツがたくさんいて、色んな考えを持ち、ソレを表現している」
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:10:57.58 ID:d5mh3pIZo
男「だからこそ。俺も、お前も」
男「COMIKEっていう、デカいお祭に、心惹かれるんじゃないか?」
少女「…………」
男「そして、俺もお前も、その一員だ」
男「スタッフも、サークル参加者も、一般参加者も」
男「それは店と客の関係じゃなく、等しく皆が同じ“参加者”」
男「……それが、COMIKEの理念の一つだ」
少女「参加者……、ですか」
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:11:24.71 ID:d5mh3pIZo
男「そうだ。だから、悔やむ意味はあっても、恥じる必要はない」
男「幸いにも、表現する手段は、黒ずくめさんや友人が用意してくれている」
男「だから」
男「あと一日だけ、COMIKEに戻って、悔いの無いように参加しても」
男「いいんじゃないかと、俺は思うがな」
少女「…………」
少女「ふふっ」
男「む。何がおかしい」
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:11:52.23 ID:d5mh3pIZo
少女「いえ。オカシクはありませんが」
少女「男さんは、いつでも、同じコトを言うんだなって」
男「はぁ? こんな……、ハズカシイことっ、言ったのはコレが初めてだと思うが」
少女「ふふ。目は口程に物を言う」
少女「というワケではありませんが、いつも心に思ってるコトは」
少女「ふとした時に口をついて出るモノですよ」
男「そうか。……用心しなければな」ムム
少女「ふふふ」
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:12:19.25 ID:d5mh3pIZo
男「で、どうする。それでもなお行くというのであれば、止めはしないが」
少女「……いいえ。戻りますよ、私は」
少女「今年の夏のCOMIKEの、最終日」
少女「二人で。いや、みんなで」
少女「悔いの無いように楽しみましょう」
男「…………」
男「そうだな」
ザワ…
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:12:46.34 ID:d5mh3pIZo
少女「あ……」
男「朝日が……」
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514 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:13:13.35 ID:d5mh3pIZo
少女「きれいですね……」
サワ…
少女「朝日とともに、光も、風も、鳥も、一緒に動き出して……」
男「…………」
男「太陽が昇れば、小さな光は消えていく」
男「いや……。太陽という大きな光に、集まっていく」
男「行こう。俺たちも、俺たちの場所に集まっていく時間だ」
少女「はい!!」
ザッ
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:13:40.63 ID:d5mh3pIZo
男「……?」
チャキ チャキ チャキ チャキ
特殊部隊「動くな!!」
男「……!!」
少女「……、……」
ザッザッザッザッ ザッザッザッザッ
チャキ チャキ チャキ
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:14:08.04 ID:d5mh3pIZo
男「……おい。何のマネだ、これは?」
特殊部隊「動くなと言っている」チャキ
特殊部隊「…………」チャキ
特殊部隊「…………」チャキ
特殊部隊「…………」チャキ
男(拳銃を構えた迷彩服が、6,7……、およそ十人足らず)
男(COMIKEのコスプレ……、というワケではなさそうだな)
男「おい、少女」
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:14:35.03 ID:d5mh3pIZo
少女「…………」
男「なんだ、コレは。お前の友達か?」
少女「……いえ」
少女「こんな悪そうな友達がいたら、怒られちゃいますから」
男「…………」タラ
男(……サッパリ意味がわからんが)
男(ヘタに動けば、明日のお天道様は拝めないコトはわかる)
男(まずはコイツらの目的がハッキリしないと……)
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:15:09.45 ID:d5mh3pIZo
少女「わかっているぞ。目的は私だろう?」
男「……!」
特殊部隊「そうだ。スナオじゃないか」
少女「いやー、見慣れた顔だからな」
少女「おおかた。私がココに戻るのを、この数日、ずっと待ってたんだろう」
少女「暑い中、雨の降る中。ご苦労ってモンだ」
特殊部隊「それ以上喋るな」チャキ
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:15:36.49 ID:d5mh3pIZo
特殊部隊「“ブツ”のある場所に、案内してもらおうか」
少女「…………」
男「…………」
少女「……すいません、男さん」
男「……?」
少女「残念ですけど、ココでお別れみたいです」
男「な……!」
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:16:04.55 ID:d5mh3pIZo
少女「さすがに。一人、二人ならまだしも」
少女「十人近くが相手では、さしもの私も、手も足も出ません」
少女「おい! このヒトは関係無い。解放してやれ」
特殊部隊「ふん……。いいだろう」
男「…………」
少女「男さん。少しの間だったけど、楽しかったです」
少女「この数日間は、私の短い人生の中でも、イチバン輝いていたと思います」
男「おい! そんな言い方……」
521 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:16:31.69 ID:d5mh3pIZo
少女「行ってください」
少女「これは、私の戦い」
少女「あなたを巻き込むワケには、いきませんから」
男「…………」
特殊部隊「……ハナシは決まったようだな」
特殊部隊「それでは、“ブツ”を見せてもらおうか」
少女「ええ。それなら、こ……」
ヒュルルルルルル…
522 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:16:58.76 ID:d5mh3pIZo
男「……ん?」
男「なんだ、この音…………」
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523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:17:27.04 ID:d5mh3pIZo
ズガァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!
特殊部隊「ッ!!?」
特殊部隊「総員、伏せろォォォッッ!!!!」
男「な……、な……!?」
少女「なんですか、コレ……!」
ヒュルルルルルル…
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:17:54.67 ID:d5mh3pIZo
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<7 )ミ/三::. ..:::`ミv彡::.:.. )三:::... ..::::゙ミ、:.. ..::-=彡三=三ミミ:v'´
_ノ三|三:::::... ∵ ..:.::=il=::.. ⌒ヾミ=-:/=::... ..:.::゙ミ:=-=彡'::.. ..::::=三|!l
´⌒):..ヾミ=-.::; ..-彡ミ:::.. . )ミ/三::. ..:::`ミv彡:::.:.. .::-=彡ノム _
ヽ∧ヘ、ヘ人从ヽ∧ヘヘ从ヽ_ノ三|三:::::... ∵ ..:.::=il=::. ・..:.::三ミ:、て ̄
´⌒):.ヾミ=-.::; ..-彡ミ:::... . ..::::ノソ⌒` 、
ヽ∧ヘ、ヘ人从ヽ∧ヘヘ从ヽ∧ヘ、ヘノ(
525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:18:22.40 ID:d5mh3pIZo
特殊部隊「ぐわああああああッッッ!!!」
特殊部隊「敵襲、敵襲! いったいどこに……!?」
男「おい、少女! お前の手引きか!?」
少女「知りませんよ! こんな超火力出せる重火器持ち込んでませんし!!」
組員「男さん、少女さんですね」ヌッ
男「……!? どうおわぁぁぁぁっっっ!!!」
少女「黒服のヒトたち……。いったいどちら様です?」
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:18:52.30 ID:d5mh3pIZo
組員「私どもは貴方がたの味方です」
組員「それとも……。お嬢の部下、と申し上げたほうが通りが良いでしょうか」
男「ああ、大家さんの……!」
少女「えぇ? 大家さんがお嬢で、部下って……、えぇ!?」
組員「細かい説明は後で」
組員「あの特殊部隊は、我が組の精鋭が抑えています」
組員「お二人はコチラへ」
組員「友人さんから連絡を受けたという“有志”の方が、お待ちです」
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:19:32.81 ID:d5mh3pIZo
男「え、友人の奴が……? いったい誰を……」
___00 __ ∩ ∩
└‐┐l ___n_ ___n_ ___n_└┘/7 ∪ ∪
(ノ フl.「 フl.「 フl.「 <ノ ○ ○
,、-,、
´,,r'´,,、'⌒'ヽ, ` .、
〃/〃,r'⌒`ヾ ` .、
!il! i,l',l'i, ,-─- 、 ,'´",, ` .、
i l i!i 〃'⌒`' 、`ヽ、∵'` ` .、 ,,.
,i i i!i. {'l〃,、-,、 ヽ,ヽヽ ` .、 ` .., _____,, -'''"´
, i i i!\{i! i'r'~`',ミ ヽ,゙i}i、 _,ィ≦
'i,i .'i, ,i〃´` 'i, ','i i,}, ≠==≦、 ,ィ≦≦≦
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'i, 'i、、 i ! i'} ゞ===' ゝ≦≠"´
:' , 'i、 、`ー''" i ,i'i,i'l} : ,,.. ''"
∵ ,' , .'h、 `-,、,,ノ ,i!l川 ; __,,.. ''" ,,
:'', '. ・ .`-,、,,_,,,ノ斗' { 《≧イ ,,.. ''"
≠彡 \ ( ,,.. ''"
`ー─── "
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:20:03.79 ID:d5mh3pIZo
少女「く、クルマ!?」
男「……ちょっと待て。このタクシーは……!!」
運転手「ええ。お久しぶりです」パカッ
運転手「およそ半日ぶりですな」
男「う、運転手さん……!」
少女「あなたが、一体どうして……」
運転手「いや。今日もいつも通り、日が昇ってから動き出す予定だったのですが」
運転手「息子に呼び出されましてな」
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:20:34.06 ID:d5mh3pIZo
男「え……? 息子って、いったい誰」
運転手「さあ、ウカウカしてるヒマはありませんぞ!」
運転手「この山を脱出します。はやく後部座席に!!」
男「わ。わかりましたけど……」パタン
少女「……そ、その口調。まさか……」
組員「それでは、運転手さん。お二人をお願いします」
運転手「任されましたぞ。走り屋の誇りにかけて」
運転手「目指すは、朝日をその逆三角形に浴びる、ビッグサイト!!」
530 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:21:00.48 ID:d5mh3pIZo
運転手「んん、久方ぶりの全力全開!!」
ギュルルン!! ギュルルン!!
運転手「―――フルスロットル以外はあり得ない!!!」
ブオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:21:27.63 ID:d5mh3pIZo
――首都高速道路
ブオオオオオオオ
少女「……高雄山が、みるみる遠ざかっていく」
男「い、いったいこのクルマ、何キロ出てるんですか!?」
運転手「今、120キロになりましたな」ブオオオオオ
男「ブッ壊れますよ!?」
運転手「私の運転に耐え得る程度の改造は施していますので」
532 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:21:54.81 ID:d5mh3pIZo
男「だいたい、何もこんなに急がなくても……」
男「謎の特殊部隊は、組員のヒトたちが止めてくれてるし……」
ドォォン!!!!!!
少女「あ。また、山のほうで爆発が」
少女「アイツら、ホンモノの仕事人ですよ。大丈夫かな……」
運転手「ほっほ。ご安心を」
運転手「仮に相手がホンモノだとしても」
運転手「彼らもまた、“ホンモノ”なので」
533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:22:21.93 ID:d5mh3pIZo
プァンプァンプァンプァン!! プァンプァンプァンプァン!!
男「……!?」
パトカー『そこの暴走タクシー!! 今すぐ止まれぇぇぇ!!!』プァンプァンプァンプァン
運転手「おっと……。サツの小僧の群れが、何か言っていますな」
男「う、運転手さん? ココの高速道路の制限速度は!?」
運転手「ん……。たしか、通常は60キロでしたかな」
男「ダブルスコア!!」
534 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:22:49.32 ID:d5mh3pIZo
男「俺たち、そこまで急いでませんから! 法定速度内で走りましょう!?」
運転手「残念ながら、一度動き出した“相棒”は」
運転手「私にも止められないのです」
男「うっそだー!!!」
少女「でも……、男さん! 私、燃えてきましたよ!!」
少女「不肖私。カーチェイスは何度か経験がありますが」
少女「こんなにアツい逃走劇は、コレが初めてです!!」
男「君も君で何でカーチェイスの経験なんてあるのかな!」
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:23:17.16 ID:d5mh3pIZo
パトカー『そこの……、暴走タクシー……。今すぐ……、止ま……』プァンプァン…
少女「……みるみる、遠ざかっていきますね」
運転手「既に老いぼれた身ですが、ぺーぺーの若造どもには負けませんぞ」ブオオオオオ
運転手「というか量産型の白黒パンダごときの出力に」
運転手「我が“相棒”が、遅れをとる道理がありませんな」
運転手「なあ、相棒!!」
タクシー「…………」
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:23:43.18 ID:d5mh3pIZo
男「…………」ハハッ
少女「ちょ、ちょっと待ってください!!」
少女「進行方向にETCのレーンが!」
二|≧s。
二|==== ≧s。
二|========|\
二|========|\|
二|========|\|\ .|「う≧s。
二|========|\|\| .|___|__
二|==/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::| __,,|王王王|──|
二|==| |ニニニニニl | .|二二二二二二::|
二|==| |ニニニニニl | |--|--|--|--|--ll| ┌───┐
二|==| |ニニニニニl | /|--|--|--|--|--ll| | _|
二|==| |ニニニニニl | |/|--|--|--|--|--ll| ,ィ⌒ヽ/| ̄ ̄ ̄ ̄ |
二|==| |ニニニニニl | |/|--|--|--|--|--ll| |-_-_| |/| lニニニl | ____
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二|==| |ニニニ,|二| |_,,|‐┬r‐|/|--|--|--|--|--ll| |王|-|-_-_| |/| lニニニl |/|]]]]]|__
二l ̄ ̄ ̄¨|_,|二| |=ニ二二二二二二二二二二_|王|-|-_-_|]|/| lニニニl |/|]]]]]|ニ|
|_,|二| | jI斗-‐''´ ̄/) `ヽ、 -=ニ二ニ=-_ ̄ ̄ ̄二二二ニ=---.|ニ|__
-─  ̄ ̄__|二 -‐‐''゙゙ ̄ 。o</ `ヽ、、  ̄-=ニ二ニ=-_  ̄
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537 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:24:10.43 ID:d5mh3pIZo
運転手「―――む」キキッ
ギュリルルルルララララララララララララ!!!!!!!!!!!!
男「ちょ、ちょっと! 車体がイケナイ声あげてますよ!!」
運転手「―――奔れ! 天馬の如く!!」
ヒヒイイイイイインンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!
少女「ま……、まるで! クルマから出る摩擦音が、馬のいななきのようです!!」
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:24:38.65 ID:d5mh3pIZo
男「というか奇蹄目の鳴き声そのものではァ!!?」
運転手「久方のエキサイトに相棒も悦んでおりますな」
運転手「さあ、ここからですぞ!!」バッ
シュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!
少女「車体が、空気の層を破って……! いや、走りながら取り込んで!!」
少女「いわば風の結界!! インビジブル・アーマーを作りだしています!!」
運転手「数多のライバルと渡り合うためには……。こういった技術も必要だったのですよ」
男「いったいナニと戦ってたんですかぁぁぁ!!?」
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:25:05.71 ID:d5mh3pIZo
ETC係員「ん……? なんだありゃ…………」
ETC係員「ってぇ!? う、うおああああああああああああ!!! 轢かれるぅぅぅ!!!!!!」
/し'7
/´刀 ./ /
/ .yく( {
運転手「どいた、どいたァァ!!」 / _イ l| / /`l
/ / l l| _」 l |刀
/ / l lレ′ _ l |レ'
/ ヽ レ、ゝィ.__.. //-‐''´ヾ=,'
/ ハ ヽ、 / __ /
,r 'j ,r'ゞ, ,r ' ´ `丶、 ,r、 ./ / ヽ { l ,r''7゙/ ./ /
,イ ゞ'´:`イ ,r ' ´ `丶、 `ヾ /:;/ // l / ヽ-' {/ / / ./ /
/ 〈 } (´ ) :`i `ヾ /:;:;:;/ ¨`イ、 . レ′ l / l / ィ.__.. -‐z
_,,イ从 / / _,,、 ,r '´ /:;:;:;:;,/ `ゝ レ′ .レ゙/ _ /
/:;´i (´, ):`i/ ,イ ゝ.::. '' ,,:: ::´ `: (: フ /:;:;:;:;:;:;/ ,.‐( ..:: ,,`ヽ l ,r''7゙// ,'
/:;:;:;:;:;i ゞ,,-‐,ゞ、 /:;:;:;:;/ ヾ, {/ / ∠ノ
/:;:;:;:;:;:;:;:;l `ゞ ,,ノ( ヾ ,.‐( ..:: ::´ `: (:,/:;:;/`‐-‐' .: ) '' ,,:: ;; `;.) / /,r‐r‐z
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,! r≡=、_ ゙ト、 (イ //'' ,,:: ::´ _,,、-‐─ー-‐、 / l. / l / ノ
:;:;:;:;:;:;:;/ ,,-‐ ゞー、 ,,:: ,.‐( ..:\ヾ ,,::⌒、 _,,、-'´:;:;:;:;:;:;:;_,、-‐、:;:;ヽ,ノ( ヾ.,, ..) レ′| ル/乃
,彡イ'´ '' ,,:: :: jソ ⌒ヽ:: ..::. '' ,,:..:) ) ,.イソ´_,、-‐'''"´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,! ::.⌒ヽ:: ゝ、 ." / /
ゝ.::. '' ,,:: ::il 、 /i //:;/i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;// / ゞ / /
、 ' '¨ ,.‐( ..:: ,ノ,l l //:;/ /:;:;:;:;/二/´ ̄:;:;:;:;:;:;,イ ) :` ,,.. j. i /
`丶、 ,.人 .:.: .:⌒ヽ., `i | |::.⌒ヽ:: ,! !:;:;l/:;:;:;:;:;:;:;:;,、rー、-‐ '"ソノ`ゞ ,,ノ( ヾ.,, ..) レ′
_,、-‐ ─‐-t‐r‐-、 _,ィ イ iユ /:;/:;:;ゞ -‐''"´7 ,r‐7 ,、ノノ ..::) )
_,、-‐'' "´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,!イl ji三彳 , /i ,/:;/:;:;.;;::;:;:;:;三彡// ,/ / /
二ゞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,!イl ,!l´ ̄ ゙´ l/ i':;/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,//イ , ! ´``ゞ ,,ノ( ヾ.,, ..)
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:25:47.81 ID:d5mh3pIZo
パラパラ…
ETC係員「あ〜〜〜れぇ〜〜〜!!!」ジャポン
男「……い。ETCが、木端微塵に……」ダラダラ
少女「係員のヒトは海に投げ出されました! いちおう無事です!」
運転手「避けられるか、避けられないかを考える必要は無い……」
運転手「ジャマだと思ったら、とりあえずぶち破ってみる」
運転手「それが、ハードボイルド……」
少女「か、カッコイイ……!!」
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:26:32.00 ID:d5mh3pIZo
運転手「タバコ。よろしいですかな」
男「え、ええ……」
運転手「かたじけない」
シュポ
運転手「ふぅー…………っ」
運転手「やはり走りの最中に吸うシガレットは格別ですな」
男「……あ、あの。あなたは、以前からこんなコトを?」
運転手「東狂という街の日常ですな」
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:26:59.11 ID:d5mh3pIZo
男「本当に、この運転手さん。いったい何者なんだ……」
ギャルルルルルルルルルルルル…
男「……? 今、何か……」
少女「あれは……? 後ろから、何か白いのが……」
少女「このクルマに、超スピードで猛追してきます」
運転手「――――……!!」
運転手「……あ。アレは……」
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:27:26.08 ID:d5mh3pIZo
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从.  ̄ ̄|| ̄ ̄ ┼ュ /′ |レ /′ |レ /′ |レ
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-=ミ:、 / , -==ミ:、`{ f~ jf∧∧ /
)/ム./ /////⌒Vハ j ./::::::::}⌒`¨´
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, -=ミ.. \: : :\/ .___|::|/ ,/::::::::::〈///.‖::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j}///////// `iト .,
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廴_ _>'^.//////∧=-t─i<^|∧ |::::::::::::::::::;_〉//.!::::::::::::::::::rf≦^//////////////////////\
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\ _丿_ .`〉f=<.ム斗く^\ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ >:、///////// /
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∧ }_ ニ=- ''¨ `ヽ_)^>=- < ̄ ̄ ̄
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544 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:27:53.12 ID:d5mh3pIZo
少女「し、白バイです!! しかも改造車!!」
少女「ば、バイクなのにスゴいスピードですよ! このままじゃ追いつかれる!!」
男「チョーシ乗ってるから何かトンデモナイのが出てきちゃったじゃないですかぁぁ!!?」
運転手「……単車で、私の相棒に追いつく警察……」
運転手「まさか……」
運転手「ちょっと、揺れますぞ。どこかに掴まってください」
男「へ!? 揺れるって……」
545 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:28:19.44 ID:d5mh3pIZo
少女「そういえば、今日もある、サイドブレーキ脇のコップ……」
少女「いまだに中身の水が、一滴もこぼれていません」
チャポン
少女「ソレがこぼれるほどの。“何か”を、すると……!?」
男「何かってナニ!!?」
運転手「どうやら、“重り”を外す時が来たようですな……」
運転手「バックタイヤ!! パージ!!」
ポチ
バカァン!!!!!!
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:28:45.99 ID:d5mh3pIZo
少女「ああっ、車体の後ろについていたタイヤが外れました!!」
男「そ、そのままバイクのほうに飛んで……!」
白バイ「――――!!」
i
l\ ┌:, ,!'| ` .
! | !ヽ. ,、 |\_|| ’ j i! i ,-、、
! .| l l.|゙i |「`ヽ`i { || / /
l | l |! l └′/,/ :、,ィl! l! {′/ ;/
! ヽ、 ̄ `''' , ` Yl!|: | |. / /
! r 二コ | 、 ゙リN: ; !li└ヽ/ /゙:、
| | }'′ i ;}|! ,/ ,/
``' ,:;:;:,! ''′ ,. !/ _,,.-'' ヽ
(''゛ j! ..:;;:==-:、 ゙''"ィi {ヘ!,l .
〃’ :; {`' ,ィ゛ '′. ) jj」li|liY、⌒}
j∨il!ィ' {’ へヾ;;イ
’ λ' ,j、l! / 、 ., ,il{ ,゙!j!;| :
゙ハ! ;. ゙:、 j| '/'}′ ,
じ:、 i,' ゙:、 ,,., ′彳レ/
丶、v{ ヒ! i!||il. , 八 Z
__ _,ゝ、;_ ゛:|! ゙ ,rカ  ̄
_  ̄`ζ」'(´ ヽ j! ゛ ,ィ彡′_.. -
二 ニ ゙て∠rιク_;.,、_,ー-'^- =ニ_
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:29:12.67 ID:d5mh3pIZo
男「起爆したぁ!? ちょっ、なんてモノ載せてるんですか!!」
男「ていうか何で爆弾なんて使ってるんですかァ!?」
少女「あーあ。ありゃ、あの白バイ、運転手もろとも爆発四散ですねぇ……」
運転手「―――いや」
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548 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:29:39.87 ID:d5mh3pIZo
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: : : : : . .: : : :,.〜 '~ ';;;;;;;;;.';;;;;;;' :" : . y: : : : .y'" . ..,). . : : : 〜 ::::::::::,:' :〜 { :
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y. : : : : : :):y'"~) .:〜'; :〜''”~: ..、. . : : : : : : . .. :ノ ⌒: : .:ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : :
. : : : : : : : : : : :⌒ソ ,. : -ー'"~"'"⌒ . ... :ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : ⌒: : : .y'"⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : :
. : : : : : :::.:: ,,..': :y'"~~ :-、:: . ⌒: : . .,,. - ⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : : ... : : : ::: :):. : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : :
: : : : : : : : : : :,, '": : : : : :'": : : . . .: : :~"'y'´. . ... : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : : :ノ ⌒: : .:ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : :
男「……!!」
少女「爆発の中から、人影が……!?」
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:30:07.86 ID:d5mh3pIZo
ギャルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!!!
少女「あの白バイ!! 爆発をモノともせず、追いかけてきます!!」
運転手「やはりか」
男「……ちょっと、あの白バイ、なんか構えてますよ!!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
./ ヽ ヽ lニゝ!∨ミl、 / /'" _/゙''.'''''ー ..,,_.
/ _,,....、 .ヽヽ, i".,,∠二-、゙'、 /. / / .`'、.
. / , / \ .l lx、│.|.l.;;;;;;;;;゙l.} ! ., ‐_/./ ./、 \
..! ,/ ,.l_| │`'.! `'`-ニ'" .l ._,/゙"_,, イ / l ヽ
.| ./ `''ヽ | |゛ ! ! l l
.ヽ ./ ヽ.! | l ! ,` !
.ヽ. ./ _..-'''゙.! l.'''‐、 .! .|r'"^^^''''ー .._ /
`''.l /´ .|"ーi―‐i''''} .l .! ./ `'‐、 /
\ l ゙'!、 l .! ,! '!、.ヽ l,/ `x /
゙'、,、 ,!  ̄` ! .l ミヽ..,__丿 ./ l /
! .l / ヽ .| .,! .'''''/'i _,_ / l/
,! .ヽ l゙ .ゝ....-- ..,,,| .し,,,,,,ゾx″、ヽ /
l \. .ヽ 、 .`'" / .l、 `'-、 /
/ . \ / .\ ! ./ ,〃 ` .! /
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:30:42.36 ID:d5mh3pIZo
少女「……!! マシンガンです、あれは!!」
少女「当たったらいくら改造車でもハチの巣ですよぉ!?」
男「なんで今日は機関銃とか爆弾とか改造車とかが出てくるんだァ!!?」
運転手「……ふ」
運転手「どうやら相手は、本気で私たちを仕留める気のようですな」
運転手「掴まって! ドリフト旋回のち、防護シールドを展開し、迎撃します!!」キキッ
男「迎撃!!? 何なの、このクルマ!!!」
シュゴオオオオオオオオ!!
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:31:36.17 ID:d5mh3pIZo
白バイ「――――」ニヤ
カシャァン!!
少女「……? 白バイ、マシンガンを捨てました……!」
運転手「なんだと、重火器はフェイク!!」キキキキィ
運転手「では、本命は……!」
白バイ「――――」チャキ
ライフル
運転手「小銃!! 止まったところで、タイヤを撃ち抜く気か……!」
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:32:03.87 ID:d5mh3pIZo
男「もぉ〜〜〜ダメだぁ〜〜〜!」
運転手(読まれた? この私が……)
運転手「だが、ならば!!」パカッ
少女「や、屋根を開けて何をする気ですか!?」
運転手「その素顔、見せてもらおう……!!」スチャ
男「バズーカ!?!!??!??!?! 今あなたコレどっから出したんですか!!?!?」
運転手「深く追究してはいけませんぞ!」
白バイ「――――!!」
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:32:31.33 ID:d5mh3pIZo
(⌒ヽ
{⌒ヽ ヽ
ヽ ヽ_}
/ ヽ ヽ ト__
〈 \  ̄ / l
\ \/ l
=ニ;:;:;:;:;:;:; \ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
三;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\ 〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
‐==;:;:;:;:;:;:;:;: '´ \ \` ,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
ニ三;:;:;:;:;:;:;:' \ 〉 ' 、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
_ ≦三二==─フ  ̄ ̄二丶  ̄ __ _ __________
/ / '´ //三≠  ̄ ̄  ̄ ̄ 〈 ヽ/\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
i 三── //三/ Ξ \ ヽ
| 二二二ミヽ| |三 ≠ r‐' ∧ l
| 三 ̄Ξ=i| |三 ≡= \ { `ー'
乂 三三 ヘヘ乂 ヾ `ー'
_ 三=─- ヘ人≧ ___ ________\\______
三=───≧─三二二ラ'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,:':;:;:;:;:;\\;:;:;:;:;:;≧ ̄ ̄ ̄
=三三三三;:;:;:;:;:;:'、 ,.,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\\;;:;:;:;:ニ─
ニ三;:;:;:;:;:;:;:;:;:` ,, ,,, ;:;:゙:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\\Ξ=‐
=ニ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\\
三 ,:,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:三二\\
=‐ = `ー'
(⌒ ヽ _
\_)/ l
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ゝ─'
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:32:58.43 ID:d5mh3pIZo
|l|lil|l |l|川l|lY|l|l|l|l{
|l| l| |l| l|| l|
|l| l| |l| l|| l|
|l||l|川リ |l川|l|l|l|l|l|l|l l|| l|
|l| |l| l|| l| || || ||
|l| l|l|l|l|l|l|l|l|l|川 |l|l|l|川|l|l|ll|l| || ..|| ||
|l|川リ リ l|| || .|| .||
__...|l| l| l||.. ̄ ̄ ̄ ̄....|l|l|l|l.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄―――|| ||__
_―― ̄ ̄ .|| ||. |l l|| |l |l| || || ̄ ̄――_
_ ̄ .|| || j| l|| |l|l|l|l|l| ||l|l川|{ |l|l|l|l{|l|l|l|{. || ||  ̄
―_ .|| || jl| jリ |l| l| |l l| l| }|l|l|l|l|....|| || _― ̄
―|||| jll jl| 川l|l} |l| l|l|川 l| l| l| |l |l|..... |||―
. |||. l||l|l| jリ |ll| l| リ川l|リ川l| j{ jリ |||
||| jリ l|l l| l| jリ jツ |||
||| l||l|lリ {l|l|l|l| j川{. |||
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... ||| .` . 、 ´ , ′ . 、 " . ´ , . i 、. .` ゛. i , . . " .、. |||
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||il||li .|i ii||il lil|| ||lili ||ii l|il| |llii||| li|iii|lli || ..iil|||lll.|ll llll||illli iiil|iii|||l|i |l|l!liil||lll.|l||
||!|i||ill ..| ||lll|||ii|||lliiiill|lliiilll|||lll||!!lilllii!!!||ll||ill|ll lll|||lll||!!lillliil.l| |lll||!!lillliill| !!||lll|||lll||!!lilllli||||!lll||
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555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:33:25.96 ID:d5mh3pIZo
ブアァァァァァァァァッ
少女「ぐ……。トンデモナイ爆風です……」
運転手「すぐに再発進しますぞ! 掴まって!!」
ブオオオオオオオ
男「こ。公道でコレはイカンでしょ……」
男「はっ、それよりも、あの白バイは!?」
運転手「…………」
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:33:52.36 ID:d5mh3pIZo
カラァン
少女「……あ」
男「ヘルメットが、外れて……!」
運転手「…………」
運転手「お前しかいないと思っていたよ」
運転手「署長」
署長「…………」
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:34:21.75 ID:d5mh3pIZo
署長「……久しぶりだな。運転手」
署長「オレも、朝から首都高を爆走するようなバカは」
署長「お前しかいないと思っていた」
運転手「ふ。署長になっても、真っ先に現場に出るのは変わりなし、か」
署長「否定はせんがな。そのパトロールで、昨日、お前の息子にも会ったぞ」
運転手「……!」
署長「COMIKEで無線傍受をしていたが。……いい面構えをしていた。懐かしいな」
運転手「血は争えんというコトか。ならば代わりに、親の私をナワにかけるか?」
署長「……望むところだ。決着をつけよう。いつかの因縁、いつかの勝負に」
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:34:49.20 ID:d5mh3pIZo
少女「しょ、署長? 署長さんって、あの!?」
男「昨日、COMIKE会場で、出会った……!」
運転手「奴とは、若い頃、ちと因縁がありましてな」
運転手「今はこの付近の警察署の署長なんかに収まっていますが……」
運転手「当時は、それはそれは、激しくぶつかり合ったものです」
署長「……いくぞ!!」
ギャルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!!!
少女「白バイ、再発進します!!」
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:35:17.24 ID:d5mh3pIZo
運転手「ならば我らも逃げるまで」
運転手「……しかし、どうやら、タイムアップが近いようですな」
男「え……? それは、どういう……」
運転手「見てくだされ。左手を」
Fi
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560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/30(水) 18:35:45.52 ID:d5mh3pIZo
男「あれは……、虹の大橋……!! いかにも封鎖されそうな……」
運転手「橋を抜ければ、ビッグサイトはもう間近」
運転手「ココで振り切れなければ、我らの敗北です」
少女「でも、振り切るって、どうやって!?」
少女「初手の分離爆弾はかわされ!」
少女「ドリフトと防護シールドは見切られ!!」
少女「バズーカの砲撃を受けても、なお走り続ける!!!」
少女「あの署長さん、尋常な警察官ではありません!」
少女「そんな相手を……、止めるスベがあるというのですか!?」
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