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モノクマ「オマエラにはノナリーゲームをしてもらいます!」
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80 :
◆UZpiB8bc8Q
[sage saga]:2017/08/27(日) 16:21:11.69 ID:UWyNib5H0
>>79
あります
そこは原作通りと思っていただければ
ひとつのEDを迎えたりした時にどの安価の場所に戻るか安価するみたいな感じで
続きはまた後で
81 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 18:51:00.65 ID:KAuLqKU90
日向「五月雨! K! 【青の扉】だ!」
五月雨「わかったよ!」
K「! しかし……」
日向「いいから早く来い!」
日向(俺が扉を選んで叫ぶと、他の連中もそれぞれの扉へとわかれて中へと入っていく)
日向(Kは俺の選択に何か言いたげではあったが、その様子を見るとすぐに俺と五月雨について青の扉へと寄り……そして俺たちはその扉の先へと進んだ)
日向(道に沿って歩いていくと、そこには……)
日向「扉が三枚あるぞ?」
K「全てロックされているようですね」
五月雨「まさか行き止まりなの?」
日向「ん……なんだこれ? レバーみたいな装置がある」
五月雨「これ……【9】扉の横にも同じようなのがあった気がする」
K「そのレバー、下げられますか?」
日向「やってみるか」
ガチャン
ウィーン
日向(俺がそのレバーを下すと右手側にあった扉があっさりと開いた。だが……)
五月雨「右の扉しか開かないんだね」
K「ここに入れという事でしょうか」
日向「他の扉はどうすれば開くんだ?」
K「他に操作出来そうな装置は見当たりませんから、わからないですね」
五月雨「とりあえず、進める方に進んでみようよ」
日向「そうだな。よし行こう」
――
82 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 18:54:16.46 ID:KAuLqKU90
日向「この部屋は……なんだ?」
五月雨「扉には【娯楽室】って書いてあったよ?
日向(娯楽室か……前のエリアは学校にありそうな施設が続いていたのに、今回はそうでもないな)
日向(いや。もしここが希望ヶ峰学園だとするのなら【才能】を磨く為にこういった施設を用意していてもおかしくはないのだろうか……?)
K「娯楽……なんとも皮肉なものですね。今の我々の状況からすると程遠い存在です」
日向「しかし、ビリヤードにダーツなんかはわかるが、あれはなんだ?」
K「甲冑ですね。四体も並んでいますし……その甲冑が手にしている斧や槍も本物なのではないでしょうか」
五月雨「あっちにある遊具も異様じゃない?」
日向「本当だ……これはモノクマの形の……」
K「乗り物……ですか?」
五月雨「コインを入れると動く遊具だよね。子供の頃に乗った事あるよ」
日向「こんなものがあるってことは、ここに子供がいたってことなのか……?」
五月雨「ただのコレクション――趣味じゃないのかな?」
K「悪趣味ですね」
五月雨「けど、娯楽室なんてものがあるだなんて……まるで長期滞在を想定しているような印象があるよね」
K「食堂で料理も出来るし、保健室の設備ならちょっとしたケガや病気も治療可能……」
K「娯楽設備も長期間の滞在で退屈しないように……閉鎖的な環境には必要な設備ですね」
日向「外に出なくても生活出来るように作られた施設か。好きなだけここに滞在しろってことか? 冗談じゃない」
五月雨「同感。さっさと【月のカードキー】ってやつを見つけて外に出ようよ」
K「あそこに扉がありますね」
日向「……ダメだ。ロックがかかっていて開かない」
K「という事は、ここに【月のカードキー】が隠されているのでしょう」
K「おそらくは……扉の近くにある、この金庫の中だと思われますが」
日向「この金庫……さっきFDルームのカードキーを手に入れた時と同じ金庫だよな?」
日向「よし、それならこの金庫を開く手がかり――パスワードを探してみよう」
83 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 18:55:26.91 ID:KAuLqKU90
五月雨「ねえ、ここに冷蔵庫があるんだけどさ」
日向「ん? 喉がかわいたのか?」
五月雨「いや、中には飲み物は入ってなくて緑色の布の切れ端とルミノール試薬のスプレーが入ってるんだよね」
日向「なんでまたそんなものが……」
五月雨「わからないけど、これを使う場所が何処かにあるのかも。ちょっとこれ持って探してみるね」
――
84 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 18:57:02.86 ID:KAuLqKU90
K「ふむ……」
日向「Kは何を見ているんだ?」
K「ここにあるダーツの機械の説明書が貼られているんですよ」
日向「どれどれ……一番外周に数字が書いてあって、真ん中の円には100……」
日向「100に一番近い円の範囲から順に×3、×2、×1って書いてあるが」
K「おそらく点数の計算式を表しているのかと。たとえば、外周に20と書いてある個所の100に一番近い円の範囲、×3の部分に矢を刺すと20×3で60点になるんです」
日向「ふぅん。ダーツってそういうルールなのか?」
K「僕も詳しくはないので……」
日向「実際の機械の方を見てみると、ホールケーキが切り分けられたように区切られて、円の範囲とその区切られた場所毎に赤・青・緑の色で更に範囲が分かれてるみたいだな」
K「これもおそらくパズルのうちのひとつなのでしょうが、ダーツをする為の矢がありません」
日向「じゃあ、まずその矢を探すか」
――
85 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 18:59:27.96 ID:KAuLqKU90
日向「この遊具……モノクマの形をしているのに、コインを入れる口はライオンの顔なんだな」
五月雨「その口のところが空洞になってるから多分ここにコインを入れるんじゃない?」
日向「そのコインは……」
K「ああ、そうだ。さきほどこのような物を手に入れたのです」
日向「それって、このライオンの顔がついてる四角い箱にある穴の鍵じゃないのか?」
K「ええ、ですからこれをこうして……」ガチャン
日向「開いたな。中は、と」
五月雨「わ、メダルがいっぱい!」
K「通貨としての価値は無いでしょうが、ここに入っていたという事はこの遊具に使えるものなのではないでしょうか」
日向「なるほど。試しに動かしてみるか」チャリン
日向「……って、K!?」
K「……」ガコンガコンガコンガコン
日向(Kが何時の間にかモノクマの遊具に鎮座して揺られている……)
K「……」ガコンガコンガコンガコン
日向(何を思ってそんな事をしたのかはわからないが、黙って揺られ続けているだけなのでそれはわからないし、なんだか不気味だ……)
五月雨「なんか……見てはいけないものを見てしまったような気がする……」
日向「そうだな……」
――
日向(こうして三人で娯楽室内のパズルとギミックを解き明かし、俺たちはついに金庫のパスワードを手に入れ、その扉を開いた――)
86 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:00:48.56 ID:KAuLqKU90
五月雨「やったね!」
日向「よし! じゃあ、中身をあらためるとしようか」
K「中には……マップと小さな鍵、それから」
日向「【月のマークのカードキー】が三枚あるな。Kが一枚持っているといい」
K「そうですね。では……」
五月雨「それ以外の目ぼしいものは無いみたい」
日向(これ以上情報になりそうなものはない、か……)
五月雨「その小さい鍵がおそらくあのロックのかかっている扉の鍵だよね?」
日向「そうだろうな。早いところここから出よう」
K「そうしましょう」
――
87 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:02:45.82 ID:KAuLqKU90
日向「ここは……なんだ? また体育館にきたぞ? 元の場所に戻ってきちまったのか?」
五月雨「ううん、違うと思う。さっきのマップを見てみたけど、娯楽室のあるのはBフロアってところなんだ」
K「エレベータを使ってここまで下りてきたわけで、マップをあらためてみてみるとその上がAフロアと記されていますね」
五月雨「うん。つまり最初にいた体育館はAフロアにあったってこと。けど、娯楽室を抜けてから私たちは再び上にのぼったりはしていないから……」
日向「つまり、Bフロアにももうひとつ体育館があるってことか」
K「! あそこを見てください」
日向「扉があるな。けど……白く光ってる? これもCDなのか?」
五月雨「三枚とも白い扉だね。ロックもかかってるみたい。ロックの装置を見る限りはやっぱりCDなんだと思う」
日向「次はここが開くってことか。急いでみんなに知らせよう」
五月雨「そうだね」
日向(そのときふと、Kがあたりを見回しながら首をひねっているのに気が付いた)
日向「K、どうかしたのか?」
K「いえ……なんだか以前、この体育館を見たことがあるような気がして」
日向「まさか、ここに来たことがあるのか!?」
K「わかりません。似たような場所だったのかも……」
五月雨「それ、Aフロアの体育館じゃないの?」
K「そうかもしれません。……ですが……」
88 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:05:39.76 ID:KAuLqKU90
モノクマ『FDゲートが解放されました! 投票の締め切りまで残り45分です!』
日向「は!? おい、どういうことだ――!?」
K「他のチームがFDゲートを開けてしまったのでしょうか」
五月雨「まだ私たちが戻ってないのに!?」
K「他の人間のことなどどうでもいい。そういうことでは?」
日向「くそっ……俺たちも急いで戻ろう!」
――
【Aフロア 体育館】
狛枝「日向クン、おかえり」
日向「狛枝……! 苗木たちは!? まだ戻ってないのか!?」
狛枝「うん。ボクたちが一番だった」
五月雨「だったら、FDゲートを開けるのはもう少し待っててくれても……」
霧切「私も止めたのよ、お姉様。けれど、モナカさんが……」
モナカ「ゲートをいつ開こうと勝負には関係ないんだからいいんじゃない?」
五月雨「いいわけないよ!」
K「モナカさんたちのチームは、ずいぶんと戻ってくるのが早かったんですね。探索は順調に進んだんですか?」
モナカ「うん、そうだよ」
日向「お前たちは何処の部屋を通ったんだ?」
モナカ「【治療室】ってところ」
日向「治療室? 保健室とは違うのか?」
モナカ「治療室には【治療用のポッド】ってやつが置いてあって……まあ、百聞は一見にしかずだよ。詳しいことはあとであの部屋に行って、自分の目で確かめてみて」
日向「……?」
霧切「そういえば、モナカさん。治療室を出る時に何か隠したでしょう?」
モナカ「えー? なんのこと?」
狛枝「ボクも見たよ。金庫を開いたとき、中に入ってたものをポケットに入れていたよね?」
狛枝「ほら、これ」
モナカ「っ……!?」
日向(狛枝の手にはいつの間にか何かが握られていた。それは……)
日向「注射銃、か……? 装填されたビンのラベルには……【ステログミン】って書いてあるが、なんの薬だ?」
霧切「ステログミン……? それって確か……」
モナカ「かーえーしーてー! それはモナカが見つけたからモナカのものなのー!」
狛枝「あ」
霧切「ちょっと、あなた……」
日向(モナカは狛枝の手から素早く薬を奪い返していて……霧切が文句を言おうとした、そのとき――)
89 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:08:09.02 ID:KAuLqKU90
苗木「ひ、日向クン!」
七海「みんな一緒!?」
日向「苗木! 七海も一緒だな! よかった、戻ってきて……」
苗木「こまるを……こまるを見なかった!?」
日向「こまる? こまるが……どうかしたのか?」
七海「【赤の扉】の先には【食糧庫】があったんだけど……そこを出て、通路をしばらく進んでいったら、突然姿が見えなくなっちゃって……」
苗木「行けるところは全て探したんだけど、見つからないんだよ!」
日向「まさか、迷ってるのか?」
モナカ「ふぅん。そんな呑気な話なのかなぁ?」
日向「どういう意味だよ……?」
モナカ「こまるさんも今頃どこかで殺されちゃっているのかもしれないねってことだよ」
モナカ「死体がすでに一体発見されてること、忘れたわけじゃないよね?」
苗木「ばっ……馬鹿なこと言わないでよ!」
七海「そうだよ。そんな縁起でもないこと言わないで」
モナカ「モナカは可能性の話をしたまでだよー?」
日向「とにかく、みんなでこまるを探しに行こう!」
苗木「うん、お願いするよ!」
日向(みんなでA階の体育館を出ようとしたとき、ふと、五月雨がひとり、体育館の奥を見つめているのが目の端に映った)
日向(少し気にかかったが、今はこまるを探すのが先決だ)
日向(俺は【紫色の扉】へ駆け込んだ)
――
90 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:10:32.52 ID:KAuLqKU90
【学生寮】
日向「こまる! いないのか!?」
日向(このあたりには来ていないのか……? 仕方ない、Bフロアに行ってみよう)
――
日向(苗木のチームは【赤の扉】の先に進んだはずだ)
日向(そっちはよく探しただろうから【青の扉】の先を確認してみよう)
【娯楽室】
日向「こまる! 何処にいる!」
日向「……。ここもダメか……一体どこに……」
ガチャン
K「日向さん。……どうですか?」
日向「ダメだ。見つからない」
K「そうですか……」
日向「K……おまえのほうは……? って、見つかってたら、すぐに報告してるよな……」
K「ええ……治療室や、Bフロアの体育館に行ってみたのですが、こまるさんの姿はどこにも……」
日向「仕方がない。一度Aフロアの体育館に戻ってみよう」
K「そうですね。もう誰かが見つけたかもしれませんし」
――
【Aフロア 体育館】
苗木「日向クン! K! どうだった!?」
日向「ダメだ……どこにもいない」
苗木「そ、そう……か」
K「戻ってきているのは、苗木さんと狛枝さんと霧切さんだけですか?」
狛枝「うん。他の人たちはまだだよ」
日向「その様子だとそっちも収穫はなかったみたいだな」
霧切「ええ……残念だけど」
狛枝「しかし、解せないね。これだけの人数で探せば、すぐに見つかりそうなものだけど……」
苗木「こまる……」
モナカ「誰か! 誰かいる!?」
日向「モナカ……?」
モナカ「みんな! 早く学生寮の方に!」
日向「どうしたんだ?」
モナカ「とにかく早くするのー!」
――
91 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:11:57.60 ID:KAuLqKU90
【学生寮】
日向(モナカに言われ、急いでその場にいる連中と学生寮までやってきた)
日向(そこには、そこ……には……)
日向(胸から血を流して壁にもたれかかる五月雨と、そのすぐ近くの床の上に倒れる七海の姿があった――)
92 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:13:49.56 ID:KAuLqKU90
霧切「……」
日向「ま、まさか……そんな……」
日向(倒れているふたりの傍らには、ふたりが装着していただろうバングルが外れて転がっている)
日向(モノクマは言っていた……バングルはその人の心臓が止まれば外れるようになっている、と)
日向(俺は茫然としながらゆっくりとふたりに近付いていった)
日向(まずは五月雨の首筋に手を当てる)
日向(温もりは残っているのに……脈はなかった)
日向(それも当然かもしれない)
日向(胸に突き刺さった凶器を中心に、おびただしい量の血液が流れている。生きていられるはずがない――)
日向(俺は震える足を叱咤し、今度は七海に近付いた)
日向(五月雨と違って、一見すると外傷はない)
日向(しかし、首筋に手を当てようとしたとき、あごのあたりに注射を打たれたような跡があるのに気付いた)
日向(目の端に、床に転がった注射銃が映る)
日向(絶望的な予感に答えを出すかのように、七海の鼓動はいくら待っても伝わってこなかった)
93 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:16:05.87 ID:KAuLqKU90
日向「ふたりとも……死んでる」
苗木「そんな……」
K「一体ふたりになにが……」
モナカ「きっとあいつが殺したんだよ」
日向「あいつ……?」
モナカ「あのFDルームの女の人を殺した犯人だよ」
日向「そいつがふたりを同時に殺したと……?」
狛枝「ひとりを殺害している現場を見られて、口封じにもうひとりを殺害したってことかな」
モナカ「あるいは相打ちという可能性もあるよ。七海さんが五月雨さんの胸に凶器を突き立てて、五月雨さんが注射銃を七海さんに……」
霧切「それは考えにくいわ。見て……お姉様の死体、着衣の乱れがまったくないの。もみあった様子はないわ」
日向「じゃあ、ふたりは別の場所で殺害され、ここに運び込まれたというのは……?」
K「いえ、もしそうならば、ここにこんなにも大量の血が残っているはずはないでしょう」
日向「確かにそれもそうか……」
霧切「なんにせよ、今の時点では手がかりがなさすぎて、犯人を推測するのは不可能よ」
霧切「私たちはこまるさんを探すために単独行動をしていた。誰にでも犯行の機会はあったのだから」
日向「俺たちの中に犯人がいるっていうのか?」
霧切「この施設の中に、私たち以外の人間がいると思う?」
日向「それは……」
94 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:18:37.89 ID:KAuLqKU90
モノクマ『投票の締め切りまで、残り10分です! プレイヤーはすみやかに投票を済ませてください!』
モノクマ『所定の時刻まで投票を行わなかった場合、未投票者の投票は【希望】に設定されます!』
日向「未投票者の選択は【希望】に設定……」
日向「七海の投票は【希望】に設定されるってことか」
K「そういうことですね。もしかしたら、それが犯人の狙いでは……?」
日向「【希望】を選ばせるために殺したっていうのか? 七海の対戦相手って……」
苗木「ボクとこまるだよ」
モナカ「チームの中のひとりは行方不明でひとりは死亡かぁ。それって苗木さんが一番あやしいよね?」
苗木「そ、そんな……!」
モナカ「投票を都合よく進めるために殺しちゃったんじゃないの?」
苗木「だったら五月雨さんの件はどうなるの? 五月雨さんの対戦相手はKだったよね?」
K「僕の場合は当てはまりませんよ。五月雨さんがいなくても、ペアの日向さんが投票出来ますから」
狛枝「だから七海さんが死んだりしてね」
狛枝「本来であれば日向クンを殺すつもりが、手違いで七海さんを……」
K「それを言われてはなんとも返す言葉がありませんね」
K「憶測でなら、なんとでも推理できますよ」
日向「……。とにかくそろそろ体育館に戻った方がいいんじゃないか?」
K「でしたら、ふたりのバングルを持っていきましょう」
日向「バングル? いまさらバングルなんて……」
K「バングルがなければこの先のCDが開けられません」
モナカ「こんなときによく冷静でいられるよねー? もしかしてKさんがやっちゃったの?」
K「キリがありませんね。次はなんですか? 仮面を被っているから犯人だ、ですか?」
日向「やめろよ! そんなことで言い争っても意味がないだろ?」
狛枝「同感だね。時間ばかりが過ぎていくだけだよ」
K「……。失礼しました。それでは体育館に戻りましょう」
95 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:20:23.20 ID:KAuLqKU90
霧切「……お姉様」
日向(霧切は五月雨の死体をじっと見つめている)
日向(親しい相手が亡くなったんだ。ショックはきっと俺たちよりも大きいはず……ましてや、霧切は俺たちよりも幼い女の子だ。労わってあげなければならない。だが……)
日向「霧切……お前も辛いと思うが、今は……」
霧切「……ええ。わかっているわ」
霧切「いくら犯人が気になるとはいえ、ここに残って投票を棄権するわけにはいかないもの」
霧切「私は絶対に投票しなければならない。でなければ……」
日向「……?」
霧切「行きましょう」
日向「あ、……ああ」
――
96 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:22:47.53 ID:KAuLqKU90
【Aフロア 体育館】
モノクマ『投票の締め切りまで、あと5分です!』
日向(気持ちの整理がつかないまま、俺は【月のカードキー】で扉を開けた)
日向(五月雨と七海を殺したのは誰なのか、こまるは何処に行ったのか、疑問はいくつも浮かび上がってくるが、ひとつとして答えは出なかった――)
日向(とてもゲームをするような気分ではなかったが、投票の締め切りは刻一刻と迫っている)
日向(俺はもやもやした気分のまま、部屋の入口へと一歩足を進めた――その時)
K「日向さん。一緒に【希望】に投票しませんか?」
日向「……?」
K「日向さんの現在のBPは【5】――このラウンドでお互いに協力を出せば【2点】が加算されて【7点】になります」
K「そして次回もまた、対戦相手とともに【協力】を出しあえば、さらに【2点】が追加され、【9点】に」
K「逆に、日向さんが今回【絶望】を選んで【3点】が加算されたとしても、合計値は【8】」
K「つまり、いずれにせよ、次回の投票でしか【9点】にはならないということです」
K「であるならば、ここはお互いに歩み寄って確実に【2点】を獲得したほうが賢明でしょう」
日向「それはそうだが……K、お前のBPはいくつだ?」
K「僕ですか?」
日向「確か、1回目の投票でおまえは【絶望】をえらんでいたから……【6点】だったはずだ」
日向「すると、今回の投票で同じように【3点】が加われば……お前のBPは【9点】になる可能性があるじゃないか」
K「それはそうですね。しかし、僕はいち早く脱出したいわけではありません」
日向「けど、最初の投票では【絶望】を選んだんだろう?」
K「あれはあくまでも念のためです。【3点】の状態で【2点】を引かれたら、心もとないでしょう?」
K「その点、今は気が楽なものです」
日向「でも普通なら、早く外に出たいと思うんじゃないか?」
K「もちろん、僕もここから出たいとは思っています。ただ『いち早く』とは考えていないだけです」
日向「なんでだよ?」
K「なんでって……当然でしょう? 僕が脱出したら、残されたみなさんは永久に出られなくなってしまいますので」
日向「永久に? どういう意味だ?」
K「モノクマが言っていたでしょう。【9】の扉はたった一度しか開放できない――と」
日向「誰かが一度開いて脱出したら、その後は誰も……」
モノクマ『投票の締め切りまで、残り1分です!』
K「そろそろ時間のようです。それではよろしくお願いします」
日向「ああ、わかった。お前もたのむぞ」
――
97 :
◆UZpiB8bc8Q
[saga]:2017/08/28(月) 19:24:19.60 ID:KAuLqKU90
日向(Kからは【希望】を選べと言われたが……さて……どうするか)
日向(そもそもKは本当に【希望】を選ぶのか?)
日向(もし俺が【希望】を選んで、Kが【絶望】を選んだら、KのBPは【9】になる)
日向(ただ【9】になっても、ひとりで先に脱出するとは限らないが……)
日向(そこまで信用出来るのか? 顔もわからない相手を?)
モノクマ『投票の締め切りまで残り10秒です!』
モノクマ『9……8……7……6……』
モノクマ『5……4……3……2……』
モノクマ『1――』
日向「……」
選択
A:希望
B:絶望
安価下
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 19:56:52.82 ID:22ooWj0oo
希望
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/09(土) 20:04:25.83 ID:8vLxct4W0
あげ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/27(月) 09:20:16.88 ID:Oc9gzyax0
あげ
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/19(金) 19:29:31.42 ID:BcARGqKM0
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