【艦これ】 母は艦娘

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:48:24.29 ID:BKSbAq9r0

イベ入渠中にちまちま書き溜め

それぞれ、別々の鎮守府、パートナーは色々。

読んで下さっている方の御想像にお任せさせていただきます。

子供は息子だったり娘だったり。

親視点だったり子供視点だったり、その他の第三者だったり。

のんびり、まったり、やまなし、おちなし。

不定期更新。

全てに共通、母は強し。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503377303
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:49:19.84 ID:BKSbAq9r0

母は艦娘

母親といえば皆は何を思い浮かべるだろうか?

愛、自己犠牲、包容力、笑顔。

母親で思い浮かべる言葉は人によって様々。

彼女達は皆女性であり、皆、いきいきと毎日を忙しく、そして自由に。

おかん、お母さん、母親、ヤンママ、御尊母、母上、ママ、マミー。

呼び方も様々、色々。

母親だって時にはお休みしたいもの。

子供がいたって誰かに甘えたい時もあるんです。

これはそんな艦娘が母親になったらどんな母親になるか。

そんな、少しばかり普通の家庭とは違う。

だけれど、いや、だからこそ、強くなる絆の。

これは、毎日を奮闘する母親達への賛美歌。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:49:55.86 ID:BKSbAq9r0

一軒目  おかんは艦娘

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:50:37.82 ID:BKSbAq9r0

「おー、お帰りー、終業式だけあっていっぱい持って帰ってきたなぁ。」

「あー、紙袋が破れたかぁ……。男の子は学校に溜めこんでしまうからなぁ。」

「父ちゃんも経験あるとか前に言うてたな、そういえば。」

「仕方ない、気にせんとお昼の用意できてんで。」

「ん?お好み焼きにごはんはおかしい?」

「夏の暑いときに暑くなる物を出すなやて?」

「やかまし!母ちゃんの作るごはんが嫌なら食べんでいいですぅ。」

「あっ、そうそう、分かればええんよ。」

「お母さんなこれからまた任務やねん。」

「あー、そういう顔せんとなー。大丈夫やて。」

「お母さんいつもきちんと帰って来てるやろ?」

「軍規であんまり詳しい事言えなんのやけど軽空母のお母さんでないとあかんのや。」

「何?おかん以外にも軽空母はおるやないかって?」

「まぁ、そうなんやけどな?父ちゃんから頼まれたらな……。」

「父ちゃんがなぁー、お前しかおらん言うねん。」

「父ちゃんからこう頼られてその後のご褒美もなぁー///。」

「はぁ?何が色ボケババアやて?」

「ちょっ、自分、そこ正座!」

「はぁ?父ちゃんが羨ましい?」

「母ちゃんにそんなに愛されてるのがやて?」

「自分何いうてんや。父ちゃんに嫉妬してどうすんねん。」

「ほならな。母ちゃん、いってくるで!」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:51:12.59 ID:BKSbAq9r0



「あーーーー……、今日は本気であかんと思うたわー。」

「でもなぁ、自分の顔を思い出したらここは踏ん張らな!ってなってなぁ。」

「あー、そないな泣き顔せんとなー。」

「なんとか今日も帰って来たで。笑顔で迎えてーなー。なっ。」

「ただいま。今日も無事なんとか帰ってきたで。」



6 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/08/22(火) 13:51:24.40 ID:LwUWnUjX0
須賀京太郎「鳳翔様好き」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:51:40.94 ID:BKSbAq9r0



「おかえりなさい。お母さん。」



8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:52:21.70 ID:BKSbAq9r0


二軒目 母は艦娘だった

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:53:12.85 ID:BKSbAq9r0

母を知る人は表情が分かりにくい人だったと言う。

私にとってこれほど疑問に思う言葉はなかった。

母が居ない時によく話し相手をしてくれたお姉さん達。

翔鶴さんや瑞鶴さんに聞いてもやはり母は感情をあまり表に出すことが無いという。



「今日の肉じゃがどうかしら?」

「お母さんの自信作よ!さっ!もっと食べなさい!」

「ほら、もっとご飯も食べなさい。大きくなれないわよ!」



私と会話するのが、私の食べる顔を見るのが。

これ以上なく楽しい。

そんな表情を全面に出した笑顔を母は私に向ける。

私の記憶の中での母はいつも笑っている顔しかない。



「ほら、ごはんが……。」



ゆっくりと手が伸び、頬についた米粒をとり。



「おべんとうをつけてどこへ行くつもりだったのかしら。」



それを食べながらいたずらっぽい笑顔を向け母は私をからかう。

まったく無表情など誰が言い出したのであろうか。

母の表情は実に様々だ。

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:53:51.74 ID:BKSbAq9r0

国を護るとは愛する家族を護ることと同意である。

敵が陸に上陸し民間人を屠る、それを防ぐ為に家族を護るとは国を護ることでもある。

自分が戦うその先に護らなければならない物が有る。

結果として国を護ることに繋がっているだけなのよ、とは母の言葉。

でも、建前はお国の為にっていう事にしておかないと父に悪いから内緒ね。

と、その本音を少しだけ見せてくれたのはいつだったか。

それは母に見送られ学校へ行っていた時のことだった。

学校へ軍の車がやってきて自分を連れて行く。

いつかはあり得ることと母から覚悟をしておくようにと言われていたから。

なんとはなくすんなりと受け入れることができた。

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:55:01.28 ID:BKSbAq9r0



「ごめんなさい、ごめんなさい。」



泣きじゃくり、謝り続ける翔鶴さんに瑞鶴さん。

母は将来の為を考え戦力として勝る二人を敵から囲まれた窮地から逃がす囮になった。

とは後に聞いた。どうやらその時の私は上の空で何も聞いていなかったようだ。



「貴方達はなんとしても生きて帰らせる。」

「国を護るという事は家族を護るという事。その家族には貴方達も含まれているの。」

「さぁ!行きなさい!」



私にとっての姉2人に向けられたそれが母の最期の言葉だったそうである。

死地に向かいなおも普段通りの涼しい顔、いや、少し笑顔だったとか。

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 13:55:47.96 ID:BKSbAq9r0


「ひゃくまんごぉ―くのー デデデン ほこりよぉ、かぁーーーぁが!みぃさぁーーきぃいーーーーー。」



母が好きだった歌を歌い髪を結う。

髪型はもちろんサイドテール。

写真の中の母はやはり笑顔だ。



「では、お母さん、行ってきます。」

「お母さんほど歌は上手くないね。」



最後まで私が艦娘になることを反対していた瑞鶴さんは言う。



「頭にきました。」



すこしだけ母の口調の真似。

母が護った家族を護る為、私は今日も護ります。

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