モバP「時々、事務所のアイドルが怖くなる時がありまして……」

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82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/20(水) 01:23:47.04 ID:eWNVmSTo0

「それから、もう一点――事故があった現場には目撃者が誰もいなかったんですよ」

P「……? どういう意味ですか」

「……そのままの言葉で受け取ってください。事故の通りには歩行者も監視カメラもなかったんです」

「おかしいと思いませんか。深夜だったとは言え、まるでそのタイミングを狙ったかのような状況だったわけですから」

P「……たしかに、少し不可解ですね」

P(電話主が言うようにあまりに出来すぎた状況だと、俺もそう思う)

P(まるで、この事故の裏に何かが隠されているかのような――そんな気味の悪さがじっとりと纏わりついている予感がする……)

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/20(水) 01:57:46.92 ID:eWNVmSTo0

P「あの、すいません。まだ頭の整理が追い付いていないんですが……」

P「あなたの口ぶりからすると――そのプロデューサーの死因が他殺であったと言いたいように聞こえるのですが……」

「……ええ。その通りです」

P「……やはり、そうなんですね」


「もっと言えば、私は346プロダクション内にこの事件の関係者が紛れ込んでいるのではないかと考えています」


P「……プロダクション内に?」

「……ええ。どんなことでも結構です。この件に関して、何か心当たりはありませんか?」

P「……心当たり、ですか」


P(――ない、と断言することは俺には出来ない)

P(今まで感じていたアイドル達の不審な言動、態度)

P(信じたくはない。だが、もしも……もしも彼女たちがこの事件と関わっているとしたら)

P(だとしたら、俺はどうするって言うんだ……?)

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/20(水) 01:59:24.67 ID:eWNVmSTo0

P「……心当たりは、なさそうです」


P(そうだ、今の俺にそんなことが出来るはずもない)

P(……俺はまだ心の中で、彼女たちのことを最後まで信じていたいと思っている)

P(――たとえ、それが真実から目を背ける結末であったとしても……)



「……そうですか」

P「お力になれなくて、すいません」

「……いえ、お気になさらずに」

P「……」

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/20(水) 02:04:14.73 ID:eWNVmSTo0

「ああ……そういえば。先ほど聞きそびれましたが」

P「……?」

「……あなたは被害者の後任に就いたプロデューサーの方ですね?」

P「ええ、その通りですが……それが何か?」

「……ふふ。もしかすると、あなたも気を付けた方がいいかもしれませんよ」

P「それは、どういうことですか?」

「……後日、そちらの事務所宛てに封筒を一通送ります」

P「あの、さっきの返事は――」

「……それでは」



ガチャ

ツーツーツーツー


P「……切れてる」

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 05:42:21.75 ID:Pk/yVHaEo
大石ポジか
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 00:32:47.59 ID:eBCw8A3O0

P「たしか……封筒が送られてくるって言ってたか」

P(……その中身が何かまでは教えられなかったが)

P(だが、あの言い方からすると事故に関する内容を知ることができるんだろうか?)


P「…………はあ」ガタリ


P(……前任のプロデューサーは、亡くなっていたのか)

P(あれだけ知りたかったことだったのに、それを聞いて余計に頭がこんがらがってきたな……)

P(電話主は、他殺だと言っていたが……それもまだ断言できない)

P(どうして事故が起きたのか、そしてどうして前任が死んでしまったのか、俺はまだ何も知らないままだ)

P(……それに、本当に、彼女達との間に何かがあったって言うのか?)

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 00:59:10.44 ID:eBCw8A3O0

P「……」

P(そもそも、あの電話も疑わしいもんだ)

P(突然かけてきたあの女の言うことをどこまで信じられたもんか……)

P(ただ、気がかりだとすれば……)


『……ふふ。あなたも、もしかすると気を付けた方がいいかもしれませんよ』


P(あれは、いったい何を言いたかったんだろうか)

P(……まるで、俺の身に何かが降りかかるとでも言いたいような口ぶりだったが)

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 01:02:19.17 ID:eBCw8A3O0

P「結局、分からないことばかりだな……」

P「はあ……あんまりこればかり考えていても、意味がないよな」

P「……今日は、もう帰るか」


P(ったく、あの電話のせいで今日は日をまたぎそうだ)

P(ノイズばっかりで声を聞こえづらかったし、心なしか耳鳴りもさっきからやまないしなあ)

P(……ん? 声?)


P「……待てよ」


P「――そういえばあの声、どこかで聞いた覚えがあるような……?」


90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 01:20:11.04 ID:eBCw8A3O0




P「……」

ちひろ「プロデューサーさん、どうかされました?」

P「えっ、ああ。いえ、なんでもないですよ。ははは」

ちひろ「そうですか? 何か考え込んでいたような気がしたので……」

P「んー。ちょっと、気が抜けてるんですかね。給湯室でコーヒーいれてきます」

ちひろ「あっ、それくらいなら私がやりますよ!」

P「いや、大丈夫ですよ。気分転換に歩いてきます」



ガチャ  バタン

91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 01:23:08.42 ID:eBCw8A3O0

P「……」

P(結局、昨日は色々と考えていたせいであんまり寝れなかったな)

P(仕事にも影響してるし、はやいとこ頭を切り替えないと――)


「……だってさ……でも……」

「そう……たぶんあれは……」


P「……ん?」

P(向こうから誰かの声がするけど……給湯室で話しているのか?)


P「……?」チラッ

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 01:32:41.58 ID:eBCw8A3O0

加蓮「……だから、今度の20日が集会になったんだね」

凛「うん。響子が伝達役だったって未央から聞いた」

加蓮「まあ、そっちの件はみくちゃんが悪いんだけどさ〜」

凛「加蓮の言いたいことも分かるよ。……やっぱり、ちょっと気が滅入るよね」

加蓮「……うん。ほら、前の集会のときもアタシ気分悪くなっちゃったし……」

凛「でも、みんなで決めたことだから……」

加蓮「それは、分かってる……つもり」

凛「だったらいいけど……万一、加蓮が集会の対象にでもなったら――」

加蓮「やめてよ。縁起でもない……」

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/21(木) 01:50:00.00 ID:eBCw8A3O0

P(……集会? あいつら、何の話をしてるんだ?)


加蓮「今度のも、いつもと同じ時間から?」

凛「そうみたい。夜の9時からレッスン場でだって」

加蓮「……そっか。うん、わかった」

凛「私は仕事で行けないかもしれないけど、大丈夫?」

加蓮「……何かあったら奈緒に頼るよ」

凛「……そうだね」

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 03:09:25.80 ID:huYZMWvp0
おつ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 08:29:11.20 ID:5HhpLHHAO
おつ たのしみにしてるよ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 21:55:02.74 ID:rTaiUr0U0
>>86
大石って泉の事かと思ったら
そういうことか
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 22:47:20.33 ID:We1t2wunO
大石といえばムーンボレー
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 02:06:11.09 ID:VA2k1yU6o
俺も同じこと考えていた
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/26(火) 01:50:37.62 ID:nGq6eXB50

P(何かの集まりがあるみたいだが……いったい何の話をしてるんだ?)

P(くそ、よく聞こえないな……)


ガタッ



凛「……誰?」

加蓮「なに、どうかしたの?」

凛「うん。今、入り口の方から音がしたから」

加蓮「……やめてよ、そういうの」

凛「ちょっと見てくる」

加蓮「……うん、わかった」



スタスタスタ

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 12:17:58.43 ID:fZdcehFyO
期待
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/02(月) 02:23:29.77 ID:P+B0IQL90

凛「……」

加蓮「……凛? どうだった?」

凛「ごめん、気のせいだったみたい」

加蓮「そっか、なら良かったね」




P(……まずいな)

P(凛が急にきたもんだから、とっさに近くにあったロッカーの中に隠れてしまったけど……)

P(これじゃあ、普通に話しかけた方がよかったかもしれないな……)

P(……とにかく、ふたりがどこかに行くまでここで黙っているしかないか)

P(ロッカーの隙間から姿が見えてしまわないように気を付けないと……)

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/02(月) 02:44:39.50 ID:P+B0IQL90

加蓮「もしもさっきの話がプロデューサーに聞かれてたらマズいよね」

凛「うん。下手したら集会に呼ばれるかも」

加蓮「前から思ってたけどあっちの派閥の子たちはさ、みんなちょっとやり方が過激だよね……」

加蓮「すこし前に、美波ちゃんが色々と言いにいったらしいんだけどさ」

凛「どうなったの?」

加蓮「ぜんぜん相手にしてもらえなかったって。中立派の意見は聞き入れないの一点張り」



P(……派閥、そういえばそんな話をみくも言ってたな)

P(アイドル達の中には、何かのグループがあるってことなんだろうが……)

103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/02(月) 03:01:56.36 ID:P+B0IQL90

加蓮「正直なところ、私たちもどっちつかずだもんねー」

凛「加蓮はどっちに肩入れもしないの?」

加蓮「どっちかと言われたらそりゃ中立派の方にいくと思うけど……」

凛「私は、もしかするとあっちに行くかもしれない」

加蓮「……もしかして、卯月ちゃん?」

凛「うん、やっぱり心配だからさ」

加蓮「あれから結構経つけど、卯月ちゃんもあっちにいたからね……」

凛「今も夜は電話するんだけどさ。電話越しにね、いつもすすり泣く声が聞こえるんだ」

凛「……助けて、って私の名前を呼んでくるんだよ。それも死んでしまいそうな声でさ……」

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/02(月) 03:16:16.20 ID:P+B0IQL90

ガチャ


まゆ「……ふたりとも、こんなところで何してるんですかぁ?」

加蓮「ま、まゆちゃん」

凛「べつに、なにもしてないよ。まゆの方こそどうしたの?」

まゆ「……まゆはプロデューサーさんのために、お茶を淹れにきただけですよ」

まゆ「そういえば、プロデューサーさんを見かけませんでしたか?」

加蓮「プロデューサー? ううん、知らないけど……」

まゆ「……おかしいですねぇ。さっきお部屋に伺ったんですけど、不在だったんですよ」

凛「仕事か会議にでも行ったんじゃない?」

まゆ「だったら、いいんですけどねぇ」



P(……)

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/02(月) 03:25:19.73 ID:P+B0IQL90
えらく亀更新ですが気長に待っていてもらえたらうれしいです…
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 05:34:18.34 ID:znXajF4no
続き期待
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 05:34:38.83 ID:e29wENK0O
楽しみに待っとるよ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 04:34:51.12 ID:0JNVArd9O
続いてくれるだけで満足だよ。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 22:40:29.78 ID:TKFA1FP40
待ってまーす
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 20:46:50.78 ID:gsupRqrb0

凛「それよりさ、今度の集会はまゆは参加するの?」

加蓮「ちょっと、凛。やめときなって……」

凛「別にいいでしょ? まゆだって私たちと同じ仲間なんだしさ」

まゆ「……ええ、まゆも参加しますよ」

凛「だったら……今度の集会はどんなことをするのか、教えてよ」

加蓮「凛っ……」

まゆ「……ふふ。加蓮ちゃんも気になりますか?」

加蓮「そんなの、別に……」

111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 20:48:21.30 ID:gsupRqrb0

まゆ「でも、まゆも詳しいことは知らないんですよ」

凛「……本当に?」

まゆ「ええ……本当です」

加蓮「そのへんで、もういいでしょ。ほら凛もそろそろ行かないと……」

凛「……うん、そうだね。それじゃ私たち、この後用事があるから」

加蓮「またね、まゆちゃん」


ガチャ バタン


まゆ「……ええ。また会いましょうね」ニコリ

112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 21:03:26.71 ID:gsupRqrb0




P「……」

ちひろ「気分転換、あんまりできませんでしたか」

P「えっ。今、何かおかしかったですか?」

ちひろ「外から戻って来られてから、余計に元気がなくなってますよ」

P「……ああ。すいません、考えることが多くって」

ちひろ「だから、コーヒー淹れてくるのも忘れてきたんですか?」

P「あっ……」

ちひろ「ふふ、仕方ないですね。私が代わりに行ってきますよ」ガタリ

P「ありがとうございます……」

ちひろ「いえいえ――ああ、そういえばさっき封筒が送られて来てましたよ

P「封筒、ですか」

ちひろ「ええ。そこの机の上に置いてますから、確認しておいてくださいね」



ガチャ バタン



P「……」

113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/22(日) 03:55:42.57 ID:cPRfKQ1Z0
気になる…
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 22:58:37.75 ID:7r40zvr2O
もう書かないの?
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 03:57:44.12 ID:pjMVu73Wo
来ないけど保守
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 22:11:38.52 ID:zORgsarkO
保守
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/19(日) 22:50:02.75 ID:uDOY19FU0
ほしゅ
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 23:25:12.62 ID:GlTmhIcn0

P「封筒か……」チラッ

P(差出人は不明ということから察すると、この前の電話主のものなんだろうか……?)

P(あの話が本当なら、これで死んでしまった前任のことを知れるんだろうが、)

P(……さっきの給湯室でのことを思い出すと、今はあまり見る気にはなれないな)

P(それにしても凛たちの言っていた集会……あれは一体何を意味するんだろうか?)

P(20日の9時にレッスン場、か……)


P「まあいい。これは家に帰ってから見ることにしよう……」スッ

P(たまってる仕事もおわらさないとな、今日も残業になりそうだ……)

119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 23:27:09.97 ID:GlTmhIcn0

―自宅―


P「……ふう、疲れた。結局こんな時間になっちまったな」グッタリ

P「……そうだ、封筒を見るんだったか」


ガサゴソ

P「……これか」

P(ここに事故に関する手がかりが書かれてあるはずなのは間違いない)

P「……」

P(……だが、俺は本当にこれを見るべきなんだろうか)

P(みくの忠告を無視して、あの電話の主の言いなりになって……)

P(それが本当に正しいことなのか……?)




ピンポーン


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 23:41:26.34 ID:GlTmhIcn0
書き始めから二年たっててびっくりしました、ぼちぼち続きをかいていきます…
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 01:43:01.72 ID:+tjRWOHvO
約2年放置してたったこれだけとか草も生えんわ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 16:33:12.00 ID:cAfQVI9C0

ピンポーン


P「誰だよ、もうこんな遅いのに……」



ピンポーン ピンポーン ピンポーン



P(くそっ、鳴りやむ気配もないし、帰ってもらうしかないな)

P(……セールスだったら嫌だし、ドアを開ける前にのぞき穴から見てみるか)

P「どれどれ――」チラリ


響子「……」  ピンポーン ピンポーン

P「き、響子……? なんでここに?」

P(アイドルに俺の自宅がばれてるわけもないのに……だが、このまま放置するのもマズいな)

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 16:35:11.02 ID:cAfQVI9C0

ガチャ


P「どうしたんだ響子、こんな時間に」

響子「あっ、プロデューサーさんもう帰ってたんですね」

P「……ああ、さっき帰ったところだよ。というか、どうして俺の家に来たんだ?」

響子「プロデューサーさんのために、お料理を作ろうと思いまして!」

P「……料理だって?」

響子「はい! ほら、来るまえに材料も買ってきてますから」

P「……ああ、気持ちはうれしいけど」

P(そのためだけに、こんな遅くに家に来たっていうのか? たった一人で……?)

124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 16:38:03.43 ID:cAfQVI9C0

響子「それじゃあお邪魔しますね♪」ガチャ

P「なっ、こら、響子!」

響子「わあ〜、これがプロデューサーさんのお部屋ですかあ。意外ときれいにされてるんですね」

P(素直に感動してる場合じゃないだろ……)

P「なあ響子、こんなところを誰かに見つかったらただじゃ済まないんだぞ。分かってるのか?」

響子「はい、わかってますよ。私も、そのつもりで来てますから」

P「そのつもりでって言われてもな……」

P(未成年を家にあげたなんて知られたら、俺も響子もどうなるか……)

P(――それに、今はあの封筒の中身も気になってるっていうのに……)

125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 16:54:51.07 ID:cAfQVI9C0

響子「プロデューサーさんは、なにが好きですか?」

P「……まあ、好き嫌いは特にしないかな。響子の作るものだったらなんでも食べるよ」

P(とりあえず帰る気になってくれるまで話を合わせるか……)

P「……それにしても響子はエプロン姿で台所に立ってると、すごくしっくりくるな」

響子「えへへ、そんなに褒められると照れちゃいますよ」

P「今度の撮影は、こういう衣装もわるくないな。カメラさんには俺から伝えておくよ」

響子「あ、それなら私、お料理番組にも出演してみたいです!」

P「なるほど、料理番組かー。たしかに、そういう仕事も今後は入れていってもいいなあ」


P(……ってなんで、仕事のはなしをしてるんだ俺は。これが、職業病ってやつか……)



響子「それじゃあ準備もできたので、作り始めますね」トントン

P「なあ響子。ちなみに、なんの料理を作るつもりでいたんだ?」

響子「そうですねー。今日はいいお肉が手に入ったので、ハンバーグを作ろうと思って」

P「おー、ハンバーグかあ」

響子「ふふっ、たくさん食べてくださいね」

126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 17:46:12.64 ID:yD+rbMtDO
何の肉かな?

やはり猫肉かな?(某国が南と北で戦争やってた頃、南を支援するアメリカ軍に猫肉を売り付けた商人がいた話は有名)
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 09:25:51.84 ID:aH2ZlY5Vo
おいやめろ前川さんの安否が不安になるだろ
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/03(火) 00:11:25.87 ID:NVPmGyYX0




響子「お待たせしました〜」

P「……」

響子「どうかしましたか、プロデューサーさん?」

P「いや、なんでもないよ。おいしそうだなと思って」

響子「えへへ、本当ですか? たくさん作ったのでたっぷり食べてくださいね」

P「ああ」パクリ

P「ん、いい味だな」

響子「……」

P「どうした?」


響子「……あの、よかったら、私が食べさせてあげましょうか?」


129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/03(火) 00:11:55.99 ID:NVPmGyYX0

P「え?」

響子「プロデューサーさんが嫌じゃなかったら、ですけど」

P「いや、それはさすがに」

P(こんな状況がそもそもマズいっていうのに……)

響子「ほら、お口あけてください」

P「き、響子……」

響子「あーん」

P「……む」パクリ

響子「どうですか?」

P「……ああ、美味しいよ」

P(すぐ目の前に、スプーンを持った響子がいるのが不思議な気持ちになるな……)


130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 15:42:53.61 ID:2XPdFNWGO
遅筆にもほどがある
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/05(日) 03:07:25.27 ID:bKtAisYno
つれぇわ
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