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モバP「時々、事務所のアイドルが怖くなる時がありまして……」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:23:06.21 ID:5EH2RbQB0
ちひろ「はあ、なにかやらかしたりしたんですか?」
P「いや、別にそういうわけではないんですけど……」
P「なんというか、こう、たまに距離があるような感覚に陥るときがあるんですよ」
ちひろ「気のせいだと思いますけどねー。仕事でもみんな、プロデューサーさんにべったりじゃないですか」
P「う〜ん、やっぱり気のせいなんですかね?」
ちひろ「春から赴任してきて心配になってるだけですよ、きっと」
P「仕事には慣れたんですけどねー、まだまだ前任のプロデューサーほど懐かれてないんですかね」
P「――あっ、やばい。そろそろ仕事の時間なので、これで失礼します」ペコリ
ガチャ
ちひろ「……」
ちひろ「……前任、ね」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1503152585
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:25:03.69 ID:5EH2RbQB0
◇
みりあ「あっ、プロデューサーだーっ」ガシッ
P「お! みりあ、今日も元気がいいな。学校終わったのか?」
みりあ「うん! プロデューサーは今からお仕事?」
P「ああ。今日はまゆの撮影が入ってるんだ」
みりあ「そうなんだー、いいなあ。みりあも写真撮ってもらいたいなあ」
P「そうだなあ。そういえば最近、子ども向けの雑誌に載せる女の子を紹介してほしいってお得意さんから言われてたっけ」
みりあ「わあーっ、それみりあも選ばれるかな?」
P「一応、俺から薦めとくよ。まあもともと、みりあにやってもらおうと思ってたんだがな」
みりあ「わーい! ……あ、そういえばこれからレッスンあるんだった!」
P「おー、急がないとトレーナーさんに怒られるぞ」
みりあ「うん、それじゃあねーっ!」
タッタッタ
P「……」
P「やっぱり、気にしすぎだったのかな……?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:26:41.34 ID:5EH2RbQB0
まゆ「プロデューサーさん、おそいですよぉ」
P「悪い悪い、スタッフさんに挨拶してたら少し遅くなった」
まゆ「うふっ。それよりも衣装どうですか? かわいいですか?」
P「よく似合ってるよ。さすが読モやっていただけに見栄えが良いな」
まゆ「ありがとうございます。この胸元のリボン、衣装合わせの時にお願いしてつけてもらったんですよ」
P「そうなのか? うーん。でも、全体のバランスを見るとリボンはなくてもいいような気がするけど――」
まゆ「……」
P「ん? どうかしたか?」
まゆ「うふふ、いえなんでもありませんよ」
サツエイハイリマース
まゆ「それじゃあ、行ってきますね」
P「あ、ああ」
P(……今、心なしかまゆに睨まれた気がしたような)
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:27:56.96 ID:5EH2RbQB0
P「……」
「オッケー、まゆちゃん。次は別の角度でいってみようか」
まゆ「分かりましたぁ」
P(さっきのは一体何だったんだろうか)
P(もしかしてリボンをいらないって言ったのがマズかったのかな)
P(……だとしたら、後でまゆに謝っておかないとな)
まゆ「プロデューサーさん、どうかしましたか?」
P「……あれ、もう休憩の時間か。はい、コレ飲み物買っておいたから」
まゆ「ありがとうございます。隣、失礼しますね」ポスリ
P「撮影、順調そうだな。特に何か言われることもないし」
まゆ「うふっ、プロデューサーさんのおかげですよ」
P「……なあ、まゆ。さっきのことなんだけどさ」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:30:29.82 ID:5EH2RbQB0
まゆ「さっき、ですか?」
P「ああ。ほら、撮影前にリボン取った方が良いんじゃないかって言ったじゃないか」
まゆ「……ああ、そうでしたね」
P「やっぱり、俺が間違ってみたいだな。スタッフからも可愛いって好評だし、あはは、女の子の衣装についてもっと勉強しないとダメみたいだ」
まゆ「……」
P「気を悪くしたのなら謝るよ。ごめんな」
まゆ「……いえ、いいですよ。ちゃんと謝ってくれるなら」
P(やっぱり、気にしてたのか。謝っておいてよかったな……)
まゆ「――あの人なら、たぶん謝ってくれなかったでしょうから」
P「あの人?」
まゆ「うふっ、なんでもありませんよ。それじゃあ、撮影に戻りますね」
P「ああ分かった……」
P(……あの人って誰のことだろ? まあ、帰りの車で話を聞いてみるか)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:33:00.34 ID:5EH2RbQB0
◇
P「撮影お疲れ様。スタッフさんも予定よりも早く終わって喜んでたよ」
まゆ「そうですか、ありがとうございます」
P「下で車出してくるから、そこで少し待っておいてくれ」
まゆ「……あの」
P「ん? どうかしたか?」
まゆ「私、今日はこの後用事があるんです」
P「でも、もう結構時間も遅いけど……途中まで送っていこうか?」
まゆ「いえ、だいじょうぶですよ。幸子ちゃんとご飯を食べに行くだけなので」
P(……それなら邪魔するのも逆に悪いか)
P「分かったよ。それじゃ、今日はここで」
まゆ「はい、お疲れ様でした」ペコリ
テクテクテク
P「……」
P「……結局、聞きそびれちゃったな」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:35:21.18 ID:5EH2RbQB0
みりあ「あっ、プロデューサーだー!」
莉嘉「つかまえたーっ!」ガシッ
P「わわっ、お前ら。もうレッスン終わったのか?」
みりあ「うんっ、ばっちりだったよー」
莉嘉「プロデューサーはお仕事終わったの?」
P「ああ。さっきまでまゆと一緒だったんだけどな、用事があるって言ってそのまま帰ってったよ」
P「そうだ。二人とも今から帰るんだろ? 家まで送っていこうか」
みりあ「えっ、いいのいいのー?」
莉嘉「えへへ、Pくんやっさし〜」
P「ほらほら、そうやってしがみついてちゃ車出せないだろ」
「「はーい!」」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:36:42.96 ID:5EH2RbQB0
◇
みりあ「それでねー、莉嘉ちゃんがトレーナーさんに怒られてねー」
莉嘉「わわっ、みりあちゃん。それはナシナシ、言わないでっ!」
P「あはは、ふたりともしっかりレッスンやってるみたいだな」
みりあ「うんっ、プロデューサーはお仕事ちゃんとできた?」
P「ああ、まあこれでも少しは板についてきたからな。ばっちりだったよ」
みりあ「えへへ、それじゃあみりあがイイ子イイ子してあげるっ!」ナデナデ
莉嘉「あ、それじゃアタシも!」ナデナデ
P「お、おいおい。今、運転中だっての!」
「「なでなで〜」」
P(……こりゃ、たまらんな)
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:39:51.80 ID:5EH2RbQB0
P「ん、じゃ気をつけてな」
莉嘉「うんっ、ばいばーい☆」
バタン ブロロロロロロ
P「みりあの家まではもう少しかかるから、疲れてるなら寝ててもいいぞ」
みりあ「んー、いいよ。みりあ起きてるからー」
P「そっか、ならいいけど」
ブロロロロロロ
みりあ「……」
P「……」
P(……なんでさっきから黙ってこっち見てるんだろ)
P(……話しかけた方がいいのか?)
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/19(土) 23:50:22.66 ID:5EH2RbQB0
P「……みりあは、アイドル活動はもう慣れたか?」
みりあ「うんっ、すっごく楽しいよー」
P「そっか。さっきはああ言ったけどさ、俺はまだまだ大変だよ」
みりあ「そーなの?」
P「ああ。覚えることもたくさんあるしな、ちひろさんにいつも怒られてばっかりだ」
P(アイドル達との関係も、もっとどうにかしていきたいしな……)
P「みりあ達も俺なんかが春からやって来てびっくりしただろ」
みりあ「……」
P「プロデュースする人間が途中で交代するんだもんな」
P「なあ、前任のプロデューサーってどんな人だったんだ? 結構できる人だったりしたのか?」
みりあ「しらない」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/19(土) 23:53:53.84 ID:zkrqiflno
怖い
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/19(土) 23:54:36.57 ID:B170AL8No
ヒエッ
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 00:05:53.34 ID:gRWRgZtB0
P「……別にどんなことでもいいんだぞ?」
みりあ「ううん。私、ほんとに何も知らないよ」
P「そ、そっか。ならいいんだけど……」
P(やけに強く否定するもんだから思わず引いてしまったけど――)
P(たしか……みりあも前任の人からプロデュースされてたはずだったよな……?)
みりあ「どうかしたの?」
P「いや、何でもないよ」
P(でも、みりあが俺に嘘をつくはずもないし……ほんとに何も知らないだけなのかもな)
P(あんまり深く考えないようにしよう……)
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 00:10:24.03 ID:vGbwEzsno
ヤバイよヤバイよ
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 00:21:40.55 ID:gRWRgZtB0
みりあ「送ってくれてありがとう、プロデューサー!」
P「ああ。今日はもう遅いから早めに寝るんだぞ」
みりあ「うんっ、ばいばーい」
ガチャ ブロロロロ
P「……ふう。ようやく今日の仕事も終わりか」
P「結局、最後の方は空気が重たくてうまく話せなかったな……」
P(それにしても、前任の人の話をした途端、みりあの態度が変わったような気がしたけど……)
P「俺の思い違いじゃなかったら、あれはやっぱり何かを隠していたりしたのか……?」
P「だけど、前任の人のことなんて、そんな隠すほどのことなんだろうか?」
P(考えてみれば、春から仕事に手いっぱいで、前任の人のこと何も知らないんだよな)
P(前から興味はあったけど――そうだな。いい機会だし、少し調べてみようか)
P「よーし、明日は少し早めに事務所に行くとするか」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 00:32:40.89 ID:gRWRgZtB0
◇
幸子「フフーン、プロデューサー今日は朝早いんですね!」
P「おお、幸子。いつもこんな時間から事務所にいるのか?」
幸子「そんなの当たり前ですよ。なんてったってボクは特別カワイイですからね」
P「いや、その言い分はよく分からないぞ」
幸子「朝からボクのカワイイ顔を見たいという人が、さぞたくさんいることでしょうからね。そのためにもボクは早起きしてるんですよ!」
P「うーん。幸子は、頭がいいのやら悪いのやら……」
幸子「失礼な! 完璧なボクに欠点なんてあるわけないでしょう」
P「まあ、そういうことにしといてやるよ」ナデナデ
幸子「ふ、フフーン。まあ、まずまずの撫で具合ですね。そのまま続けていいですよ」
P(ちょろい)
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 00:41:36.64 ID:gRWRgZtB0
幸子「それにしても、プロデューサーさん。今朝は何か用事でもあるんですか?」
P「んー。まあ、ちょっとな」
P(たとえ相手が幸子だとしても、昨日のことはあんまり話さない方がいいだろう)
幸子「うーん、なにやら怪しいですね……」チラッ
P「そんなことより、昨日の夜はまゆとご飯行ったんだよな? どんなお店に行ったんだ?」
P(俺は金欠で昨夜はカップラーメンしか食べてないけど……アイドルは普段何を食べてるんだろ)
幸子「へ? まゆさんですか?」
P「ん? ああ。昨日、仕事が終わってから二人でご飯に行ったんだろ?」
幸子「……ボク、行ってないですよ。そもそも、お誘いすら受けてないですし……」
P「……は?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 00:43:50.41 ID:gRWRgZtB0
一旦ここまでになります。たぶん、予想以上に長くなりそうですが最後までおつきあいください…
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 01:06:22.30 ID:rAQ5WjIto
おつー
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 01:24:38.70 ID:sjaxn3R0O
乙
そこはかとなく不穏な空気が…………
大好物です。
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 03:27:12.54 ID:fGjnu+7Ao
つまんね
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 04:00:22.97 ID:y8ajWRYmo
これは気になる
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 04:06:04.53 ID:RtIVG5I5o
おつ
ひぐらしかな?
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 06:35:57.51 ID:ScV5lLI0o
前任者転校ならぬ転勤か転職してそうで草
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 06:38:32.28 ID:h635dUoUo
みりあのところとかひぐらしが鳴いてそう
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 07:23:57.66 ID:Mliei1Hp0
幸子は大丈夫なのかなわかんねえな(´・ω・`)
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 08:34:01.37 ID:kZdx3S9co
久しぶりに先が読めない展開のSS来たな
期待
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 11:11:35.97 ID:FrkSTEAJo
ここまで自演
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 12:16:45.11 ID:gRWRgZtB0
P「いや、俺はたしかにまゆからそう聞いたんだけど……」
幸子「うーん。たしかにそれはおかしいですねえ」
P「……」
P(まゆが嘘をついたのか? ……でも、なんのために?)
幸子「もしかしたら、まゆさんの手違いで連絡できなかっただけかもしれませんね」
P「……手違い」
幸子「ボクを誘おうとして、ついうっかり操作を誤ってしまったんですかねえ。やれやれ……」
P「……ああ。もしかすると、そうかもしれないな」
P(いや、本当にまゆがそんなミスをするのか……? あれが俺の誘いを断るために言ったのだとしたら……)
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/20(日) 12:23:08.38 ID:gRWRgZtB0
幸子「どうかしましたか?」
P「……いや、なんでもないよ」
P(昨日から、みりあとまゆのことがあって頭が混乱してるだけだろう)
P(多感な時期なんだ。二人とも、俺なんかじゃ分からない事情があるんだろうさ)
幸子「具合が悪そうに見えますが……」
P(……幸子にも、俺に何か隠していることがあるんだろうか)
P「なあ、幸子」
幸子「なんでしょうか?」キョトン
P「……」
P「……いや、やっぱいいや」
P(考えすぎ、だよな)
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