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みほ「第2回フリースタイルMCバトル!」
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137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:38:37.31 ID:EqKCwBbEo
役人「では判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、ボコファイターズが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「……後攻、ライム戦隊カリレンジャーが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「まずはライム戦隊カリレンジャーが1ポイント先取です」
桂利奈(やった!)グッ
愛里寿「っ……」
役人「次は審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『ボコファイターズ』」
理事長「『ライム戦隊カリレンジャー』」
香音「『ボコファイターズ』」
新三郎「『ボコファイターズ』」
浅井「『ライム戦隊カリレンジャー』」
ワァァァァ!
役人「3対2でボコファイターズ!延長戦です!」
ワァァァァ!!
桂利奈(うぅ……勝ったと思ったのに……)
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:41:43.58 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
千代「はぁぁぁー……」
しほ「緊張しすぎだ。もう少し冷静になれ」
千代「え、ええ、そうね……」
しほ「今の試合はよくわからない単語が多かったが……試合内容と合わせて説明してくれないか?」
千代「え?これから延長が始まるのよ?」
しほ「だから手短に」
千代「……まず愛里寿はロサ・カリーナというMCネームに付いて言及。小説『マリア様がみてる』に登場する薔薇様と呼ばれるお姉さま方は『ロサ・キネンシス』など、頭に『ロサ』の付く愛称で呼ばれるの」
千代「それを真似たMCネームに対して攻撃したわけ。今野先生というのは作者のこと」
しほ「なるほど」
千代「あとは少年ジャンプのテーマである友情・努力・勝利を入れ替えてライミングしたり、それに対してアズミさんが『ジャンプ』、『空砲ですか?』、『チャンプルー』、『食う方ですか?』とライミングしているのだけれど、この『マガジンがない』、つまり銃に弾がないのと、ジャンプの話ばかり、という2つの意味なのでしょうけど、はじめの一歩は少年マガジンで連載されているので意味が通じなくなっている。知らずに口に出てしまったのか、言い間違えたのかはわからないけれど、カルパッチョさんに『はじめの一歩は少年マガジン 空砲は空想 有象無象 重症』と手痛いアンサーを受けてしまったわね」
しほ「それでも審査員の判定ではボコファイターズが勝ったが……?」
千代「両者ともビートの元ネタであるエヴァンゲリオンの要素を入れながら戦っているのだけど、それが相手への攻撃に直結していないと効果は薄いわ。『感激を』と『エヴァンゲリオン』で踏んでいるのは上手だけれど、相手にダメージは無いわ。もちろん、自分のスキルを見せつける効果はあるけれどね」
千代「それは愛里寿にも言える。『少年よ 神話になれ』を『猛然と 韻吐き出せ』とライミングしながら歌ったところも、上手いし面白い試みだけれど、韻に関してはカルパッチョさんがかなり踏んでいるのは誰でもわかるわ。だから韻を踏んでいる相手にはさほどダメージを与えることにならない。むしろそれを受けてさらにライミングを連発されてカウンターを受けた形ね」
しほ「ふむ……言われてみれば確かにな」
千代「でもこれも審査員の判定基準によって評価は変わるけれどね。スキルを見るかアンサーを見るか。ロサ・カリーナさんの『魂揺すぶらん』は劇場版エヴァンゲリオンのエンディング曲である『魂のルフラン』をかけたもので、しかも魂を揺さぶられない、と相手へのディスになっていて見事。それに締めも良かったわ。ライム戦隊カリレンジャーを挙げる審査員がいるのも全く疑問ではないわ」
しほ「ちよきちが審査員ならどちらに入れていた?」
千代「……ひいき目抜きでも……ボコファイターズかしらね。愛里寿がロサ・カリーナさんの『幕ノ内一歩』を拾い『あんたが 一歩幕之内? なら私は華麗に ビートアプローチ』は即興性も高くてかなり上手い。さらに『切断する アンビリカルケーブル バトル中 短気になる生物』のラインはエヴァンゲリオンの用語を使いつつ、自らを生物と表現し、そのあとに『こっち進化したね』というのは、リリン……つまり人類からさらに進化したというパンチラインになっているわ」
しほ「深読みの気もするが……だがそう思わせる余地のある言葉ということか」
千代「そうね」
【ステージ】
役人「それでは延長戦に入ります!先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポン
愛里寿「……先攻で」
役人「OK!では延長戦、先攻、ボコファイターズ!後攻、ライム戦隊カリレンジャー!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルル
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:45:59.07 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=Br_K7bkM588
2:15
<準決勝 第2試合 先攻 [ボコファイターズ]愛里寿、アズミ VS 後攻 [ライム戦隊カリレンジャー]ロサ・カリーナ、カルパッチョ 延長戦>
愛里寿「またも高速なビート ヒート」
愛里寿「人ひとりで 人々ヒット」ワァァァ!
愛里寿「BとGでBガール 瞳閉じ」ワァァ!
愛里寿「真の進歩 により 韻を仕込み」ワァァァァ!
愛里寿「ボコはボコられても 立ち上がる系」
愛里寿「幕之内一歩より マジやばくね?」ワァァ!
愛里寿「蒸し返すけど ロサ・カリーナ」
愛里寿「MCネーム トサカにきた」ワアァァ!!
桂利奈「まだ言ってるの? そりゃないなぁ!」
桂利奈「カンナネタですか 小林さぁん!」
カルパッチョ「ゴスロリ着て 粋がるBガール」ワァ!
カルパッチョ「ノリだけで発言 必死さ武器になる」ワァァ
桂利奈「トサカに来ちゃった ニワトリさん」
桂利奈「説教タイムですか? 今の時間」ワァァ!
カルパッチョ「立ち上がる系より 沸き上がる名声」ワァァ!
カルパッチョ「たぎる生命で ぶった切る形勢」ワァァ
アズミ「教えてほしい 形勢の切り方」
アズミ「韻を踏む以外での使い方」ワァァァ!
アズミ「見積もりを あてにするのが間違い」
アズミ「バトルは 計算を越えた 果し合い」ワァァァ!
アズミ「格好無関係 中身がBガール」
アズミ「固定観念 邪魔になります」ワァァ!
アズミ「口調や服装に騙されず気付け」
アズミ「ノリでの発言 慎めと締める」ワァァァ!
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:47:38.00 ID:EqKCwBbEo
カルパッチョ「慎めつつ示す 逃げずに蹴る」
カルパッチョ「やたらと茶々 入れず見てる」ワアァ!
カルパッチョ「イレズミですか ってくらいに色濃く」
カルパッチョ「韻落とす 紐解(ひもと)く 勝ち残る」ワァァァ!
桂利奈「幕之内一歩なんて 殴られても倒れない」
桂利奈「ボコボコにされて 腫れて顔デカイ」ワァァ!
桂利奈「状態でも戦う ファイトスタイル」
桂利奈「うちらも 絶対 敗北しないっす!」ワァ!
愛里寿「と言いつつ2分後 ガイコツがいる」ワァァァ!
愛里寿「そんな話を 知り合いとスカイプ」ワァァァ!
愛里寿「倒れなくても 顔腫れてたら負け」
愛里寿「そんなザマじゃ バイトすら行く のも無理」ワァァァ!
愛里寿「韻を落としてから踏む 二度手間」
愛里寿「片手間で いなせる キミのデマ」ワァァァ!
愛里寿「負けない戦い方? 悟る手口」
愛里寿「私ら 勝ちに行く バトルMC」ワァァァ!
カルパッチョ「保つセクシー そして フレームイン」ワァァ!
カルパッチョ「ライムで気分を上に 運ぶテクニック」ワァァァ!
桂利奈「バイトしてたのは 短期間」
桂利奈「適当言ってるアンチさん」ワァァ!
カルパッチョ「何時間でも 賛否あっても戦う」ワァァ!
カルパッチョ「韻の固さ 高さ ヤバさを語らう」ワァァ!
桂利奈「総合力 ハンパない次元だ」
桂利奈「それが ライム戦隊カリレンジャー」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァアァ!
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:48:32.89 ID:EqKCwBbEo
役人「延長戦が終わりました!それでは判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、ボコファイターズが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「……後攻、ライム戦隊カリレンジャーが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずはボコファイターズが1ポイント先取です!」
桂利奈(うぅ……でもまだ審査員さんたちがこっちを選んでくれれば……)
役人「では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『ボコファイターズ』」
理事長「『ボコファイターズ』」
香音「『ボコファイターズ』」
新三郎「『ボコファイターズ』」
浅井「『ライム戦隊カリレンジャー』」
役人「勝者!ボコファイターズ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
桂利奈「あうぅ……」ガクッ
カルパッチョ「……負けちゃいましたか……」
愛里寿「…………」ホッ
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:58:12.32 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
梓・優季・あゆみ・あや「ああ〜………」
紗希「……………………」
梓「負けちゃったね……」
あや「うん……」
あゆみ「頑張ってたのにな……」
沙織「で、でもさ!準決勝まで勝ち上がったし、すごいと思うよ!」
華「ええ。初出場であそこまで堂々としているなんて素晴らしいと思います」
沙織「うんうん!だからみんなも落ち込まな…」
あゆみ「今夜はお疲れ様会をやろう!パーッと!」
優季「賛成〜♪」
梓「うん。すっごく頑張ってたもんね。色んな料理を用意してみんなで食べよう」
紗希「………………」
あや「紗希も大賛成みたい!」
優花里「さすがウサギさんチーム……阪口殿も、これほど明るく迎えられたら、負けた悔しさや悲しみも和らぐでしょうねぇ」
沙織「そだね。一緒に悲しんでくれるのも嬉しかったりするけど、こういうのもいいよね」
華「……そのお疲れ様会にはハンバーグは出ますか?出るのなら少しお邪魔したいのですが……」
梓「大歓迎です」ニコ
華「ありがとうございます。わたくし、7個半ほど食べると思いますのでよろしくお願いします」ペコリ
あゆみ「な、7個半……!?」
あや「数よりも半分残されるのが気になる……」
しほ「……決着、か。判定は4対1だったな」
千代「そうね。延長に関しては、ボコファイターズの攻撃が的確なダメージを与えていた印象ね。愛里寿の3バース目がかなり良かったわね。相手の『ファイトスタイル』を拾い、『ガイコツがいる』、『(知り)合いとスカイプ』、『バイトすら行く』と連続で決めたライミングは高得点。ライム戦隊カリレンジャーはライミングは高いレベルで安定していたけれど、それが相手へのダメージになっていなかったのが敗因だわ」
しほ「ふむ」
千代「これまでの試合を観てもそうだけれど、ライム戦隊カリレンジャーはあまりディスをしない印象があるわね。ところどころでは入れているけれど、それ以上にライミングへの比重が非常に高い。そういうスタイルだからこそのチーム名なのでしょうけど」
しほ「それも強みではないのか?ディスだけではない戦い方というのも」
千代「ええ、もちろん。攻撃すればいいというわけではないわ。ただフリースタイル”バトル”である以上、攻撃せずに勝つのは難しいでしょうね」
千代「この点で言えばカルパッチョさんが顕著ね。相手の言葉を拾ってライミングするのは非常に上手い。でもそれが出来てしまうだけに、相手を攻撃するよりもどうライミングするかに囚われてしまう」
しほ「ふむ」
千代「それが彼女の長所であり短所でもあるわね。ただある程度ライミングを減らして攻撃に重みを置けばさらに強いMCになるでしょうね」
しほ「ロサ・カリーナはどうだ?」
千代「彼女もライミング上手ね。アニメや漫画ネタに強いけれど、延長に関して言えば、その知識が仇になっていたわ。愛里寿の『マジやばくね?』に即座に反応し、『カンナネタですか 小林さん』と上手く返しているけれど、小林さんちのメイドラゴンを知らないお客さんと審査員にとってはワケがわからなかったでしょうから…」
千代「ロサ・カリーナさんの場合、アニメなどのネタは武器になるけれど、それ以外でも充分に戦えるスキルを持っていると思うわ。だから時と場合によって使い分ける判断力を磨けば、さらに強くなれる」
しほ「いい声をしているしな……あ、そうだ。アニメと言えば」
千代「?」
しほ「ちよきちの娘はアニメが好きなのか?詳しそうだったが」
千代「……そういうわけではないと思うのだけれど…………あ、でも最近…」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:58:41.74 ID:EqKCwBbEo
【舞台袖】
アズミ「隊長があんなにアニメとか知ってるとは思いませんでした。マリア様がなんとかって言うのも私知らなくって。さすが隊長、博識ですね!」
愛里寿「……マリみては……」
アズミ「?はい」
愛里寿「この前みほさんの家に遊びに行った時、貸してくれて……小説とDVDを全部観て、面白かったから知ってた」
アズミ「そうなんですか」ヘェー
愛里寿「他にも『けいおん』とか『Candy boy』とか『ゆるゆり』とか『未確認で進行形』とか。あと『桜trick』もそうだし、色々貸してくれた」
アズミ「なるほどー」
アズミ(全然知らないのばっかりだわ。ジャンルすらわからない)
愛里寿「……とにかく、これでやっとみほさんと戦える」
アズミ「隊長……」
愛里寿「楽しみ……」ソワソワ
アズミ「くっ……!」
アズミ(西住みほのことになると隊長がいつもにも増して可愛くなる……!悔しい!でも……可愛い!)
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 03:59:22.92 ID:EqKCwBbEo
【トーナメント】
――――
│―――
.―――― │
..│―――
―――― .│ │
│――― ..│
―――― ...│
│────
..―――― │ |
│――― .│ |
..―――― .│ ..│ .|
.│――― .|
.―――― │ ...|
│――― ...|
MIH×O×RENGE .―――― ...|
..|────!!優勝!!
.―――― ...│
│――― .│
.―――― │ .│
..│――― ...│
.―――― ..│ │ ...│
│――― .| .│
..―――― .│ ...|
│――――
―――― ..│
│――― │
―――― │ |
.│───
ボコファイターズ ..―――― │
│―――
..――――
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:01:32.41 ID:EqKCwBbEo
みほ「……阪口さん、惜しかった……」
オレンジペコ「はい。延長までもつれましたから……それにしても島田愛里寿さんもアズミさんもかなりの強敵ですね」
みほ「愛里寿さん主体で1ターンごとに交互っていうリズムは徹底してますよね」
オレンジペコ「アズミさんは大学生ですから、高校生中心の大会では一歩引こうということでしょうか。でも、順番が一定ということは対抗しやすくもありますね」
みほ「愛里寿さん、アズミさん、愛里寿さんって順番は決まってるけど……対抗しやすいですか?」
オレンジペコ「私的には愛里寿さんとは相性いい気がします。なので決勝では私と愛里寿さんがぶつかるような感じでお願いできますか?」
みほ「私たちも完全にターンごとに分けるってことですか?」
オレンジペコ「はい。その方式自体をアンサーとして戦いましょう。そっちと同じ戦い方した上で勝つ、という感じですね。愛里寿さんを攻めるのは私で、みほさんはアズミさんを攻撃するようにしましょう」
みほ「わかりました。私も愛里寿さんよりアズミさんの方がディスしやすいし…」
オレンジペコ「ではそういう作戦で。絶対優勝しましょう」
みほ「!………はい!」コクリ
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:08:24.45 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「……いよいよ…………いよいよ決勝戦です!」
ワァァァァァァァ!!!
役人「様々な強者が集う中、激戦に次ぐ激戦を勝ち進んできた両チーム……一体どちらが勝つのか……それがこの一戦で決まります!」
ワァァァァ!
役人「では登場してもらいましょう!まずはMIH×O×RENGE!!」
ワァァァァ!!!
オレンジペコ「…………」ザッ!
みほ「…………」ザッ..
役人「……そして……ボコファイターズ!」
ワァァァァ!!!
愛里寿「…………」ザッ!
アズミ「…………」ザッ!
オレンジペコ「………………」
オレンジペコ(声援は同じくらい。お客さんの支持にさほどの差はないようですね)ホッ
みほ(……愛里寿さん、ずっと私のこと見てる?)
愛里寿「みほさん」
みほ「?なぁに?」
愛里寿「ずっとこの時を待ってた」
みほ「え」
愛里寿「こないだの大会を見てから、みほさんと戦うことだけを考えて練習してきた。だから……戦えるっていうだけですごくワクワクしてる」
みほ「愛里寿さん……」
愛里寿「でも勝負は勝負。勝つつもりで戦う」
みほ「……うん、もちろん」
みほ(愛里寿さん、すごく純粋な気持ちで私と戦いたがってる……でも作戦だと私は愛里寿さんを相手せずにアズミさんを攻撃する手はず……)チラ
オレンジペコ「……気持ちはわかりますが、作戦通り行きましょう。優勝が第一ですから」ヒソヒソ
みほ「…………わかりました」
みほ(ごめんね、愛里寿さん)
役人「それでは早速決勝戦を始めたいと思います!みなさん準備はいいですか!?」
ワァァァァァァ!
役人「……出来ているようですね。では行きましょう。決勝戦も今までと同じ8小節3ターンです。両チーム、先攻後攻じゃんけんをお願いします」
みほ「」
愛里寿「」
みほ(出来れば後攻をとりたい)
ジャンケンポン!
みほ「!後攻でお願いします」
役人「OK!先攻、ボコファイターズ!後攻、MIH×O×RENGE!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルルッ!
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:11:27.64 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=qNhRjV5Kbq4
4:05
<決勝 先攻 [ボコファイターズ]愛里寿、アズミ VS 後攻 [MIH×O×RENGE]MIHO、オレンジペコ>
愛里寿「前回大会の優勝者 所詮偶像だ 撃破する 造作も無い」ワァァ!
愛里寿「当然容赦しない リスペクトはしてる けどなんか オーラも無い」ワァァァ!
愛里寿「会場中が気付いてる 風化してるよ MIHOの王者の風格」ワァァ!
愛里寿「私の嗅覚に無反応 無味乾燥 こんなもんなの重圧」ワァァァ!
愛里寿「初登場のルーキーがやる気 出しただけで制覇する」
愛里寿「発する気合い 理解せずとも感じさせる フロウテク、知性、ハッスル」ワァァ!
愛里寿「物笑い のタネになる 聖グロと 大洗女子」
愛里寿「決勝で負傷 大会後 すぐ着替える 今日は介護士」ワァァァ!
オレンジペコ「なんか意味不明なこと急に言い出した ネタみたいな詞だ」ワァァ!
オレンジペコ「オーラが無いんじゃなくて あなたの見る目が無いだけの話だ」ワァァァ!
オレンジペコ「ルーキーが勇気出して無理矢理な口ぶりでディスり」ワァァ!
オレンジペコ「ゴスロリ着て介護? 動きづらいでしょ 矛盾が特盛」ワァァァア!
オレンジペコ「決勝前の奇抜な感じが抜けてて 超オーソドックス」
オレンジペコ「でも聴きやすい ちょうどポップスって具合 得られないけどねプロップス」ワァッァ! ※プロップス・・・評価。同業者であるラッパーや身内、仲間などからの意味合いが強い
オレンジペコ「準決のエヴァもそうだし 人の歌を歌うのが好きそうですねぇ」
オレンジペコ「これからも頑張ってくださいよ せいぜい 目指せ May J.」ワァァァ!
アズミ「歌うようにフロウ出来ない 凡人が嫉妬」
アズミ「本人がきっと 一番わかってる 悲しい子」ワァァァ!
アズミ「MIHOを後ろに回して 出しゃばるオレンジペコ」
アズミ「本命より目立つ脇役とか マジ最悪 勘弁してよ」ワァァ!
アズミ「何べんも言わなくてもわかるよね? 最低限 空気読め」
アズミ「先生に書かれるかも 『周りの子と上手くやれてません』って 通知表へ」ワアァ!
アズミ「オレンジペコは脇役 居酒屋のお通し」ワァァァ!
アズミ「アンジーからユーモア削った劣化版 ただの模造品」ワァァァ!
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:14:16.16 ID:EqKCwBbEo
みほ「模造品? こっちの人も見る目が無い 途方に暮れる」
みほ「もう喋れないよう 無理矢理ノドに お雑煮詰める」ワァァァ!
みほ「この人こそ脇役 1人だけじゃ3ターン分は 多分もたず」
みほ「言葉も軽い 年齢のわりに さあアラサーへの カウントダウン」ワァァァ!
みほ「あんたはラップより 外見が劣化 手入れ怠れば 大変な結果」ワァッァ!
みほ「胸も垂れる一方 焦る吉報 きっと来ない 叫ぶちくしょう」ワァァ!
みほ「発言が普通すぎる一般人 この人は 面白味が無い」ワァァァ!
みほ「ユーモアも無いと気付かない 鈍感力 ま、誇り持ちなさい」ワァァァァ!
愛里寿「試合前に言った 『MIHOさんと戦うために来た』って」
愛里寿「でもアズミ狙いで私無視って MCとして情けなくない!?」ワァァァァ!
愛里寿「MIHOは立ち位置的には チャンピオンのはず 現に勝者」
愛里寿「前回制覇したのに 全開では 戦わず 雰囲気は ベンチウォーマー」ワァァァ!
愛里寿「それじゃ MIHOの方こそ 面白味も無い ホント人情味も無い」ワァァ!
愛里寿「優勝目前 足元すくわれる まるで本能寺の二の舞」ワァァァァァ!!
愛里寿「愛を焦がす ほど願うよ MIHOのアンサーが欲しい 最後のバース」ワァァァ!
愛里寿「ここで立ちはだかる のをやめるなら 私がチャンピオンに 立場変わる!」ワァァァ!
オレンジペコ「そうは問屋が卸さない 勝負受けないこと 別に悪かない」
オレンジペコ「そっちに人のチームのバース分け 決める資格はない」ワァ!
オレンジペコ「やりたいからってだけで やれるなら苦労しないよね 男子諸君!」ワァァァ!
オレンジペコ「人に都合を 押し付けるな アピールして 媚び売ってるなぁ」ワァァ!
オレンジペコ「そっちこそ私は眼中無し? だとしたら気分は不愉快」
オレンジペコ「自分のやりたいことだけ言う 程度の低い学級会」ワァァァ!
オレンジペコ「愛里寿も大したことない 居酒屋のお通しの漬物」
オレンジペコ「本能寺より前に 勝負決まってるよ うつけ者」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
愛里寿「っ……!」
みほ「………………」
みほ(確かにオレンジペコさんは愛里寿さんと相性が良さそう。作戦は成功だと思うけど、愛里寿さんの寂しそうな顔……)
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:14:45.06 ID:EqKCwBbEo
役人「では判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、ボコファイターズが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「……後攻、MIH×O×RENGEが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
みほ・オレンジペコ「!」
役人「まずはボコファイターズが1ポイント先取です!」
みほ(1ポイント取られた……)
オレンジペコ「っ……!」
役人「……これで優勝が決まるかもしれません………………では審査員のみなさん、ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『MIH×O×RENGE』」
理事長「『MIH×O×RENGE』」
香音「『MIH×O×RENGE』」
新三郎「『ボコファイターズ』」
浅井「『ボコファイターズ』」
役人「おおっと!審査員は3対2でMIH×O×RENGE!延長戦に突入です!」
ワァァァァ!!
みほ「………………」ホッ
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:22:34.38 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「あっぶなかったぁぁぁ…………心臓止まるかと思ったよおぉ」
華「ええ。心臓が止まるのは危険ですから」
優花里「あの……危ないのは西住殿が負けるかもしれないという意味で、心臓が止まりそうで危ないというわけでは……」
しほ「客がボコファイターズを支持した理由はなんとなくわかるが…」
千代「そうね。両チームとも高いレベルの戦いをしているし、愛里寿に対するオレンジペコさんのアンサーはかなり有効だったわ。でも愛里寿の挑戦をみほさんが受けなかったことを『逃げた』と捉えた人がボコファイターズに声を上げたのでしょうね」
しほ「……気持ちはわかる。しかし2ON2である以上、そういった作戦を立てるのも勝負の内だ。仕方のないことではないか?」
千代「そうだけれど、やっぱり期待してしまうものよ。ただ、愛里寿は1バース目に『みほさんと戦うために…』云々を言わなかった。これはミスね。下手すると3バース目の言葉は苦し紛れのものだと思われて作戦負けする可能性は充分にあったから」
【ステージ】
オレンジペコ「……予想通り、私と愛里寿さんの相性は良かったですけど……」
みほ「私たちが勝負を逃げてるように見えて、お客さんがあっちを応援する空気になっちゃいましたね」
オレンジペコ「いえ、厳密に言えばまだ完全にその空気にはなっていません。でも……」
みほ「うん……次も同じ戦い方をしたらよほど差を付けない限り負けちゃいますね」
オレンジペコ「…………すみません」
みほ「え?なんで謝るんですか?」
オレンジペコ「私が作戦立案しましたから。最初から普通に戦っていれば……」
みほ「それは違います。オレンジペコさんの優勝したいっていう強い気持ちはすっごく感じたし、それに作戦も良かったと思います」
オレンジペコ「……ありがとうございます」
みほ「でも……次は今みたいにバースを分けないで、いつも通りの戦い方にしませんか?」
オレンジペコ「はい。私もそれがいいと思います」
みほ「よかった」ホッ
みほ(これで愛里寿さんの想いにも応えられる。それに……)チラ
オレンジペコ「よし…」グッ
みほ(オレンジペコさんと2人でここまで勝ち上がってきたんだもん。そのやり方で優勝したい!)
役人「それでは延長戦です!先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
みほ「…………」
愛里寿「…………」
ジャンケンポン!
愛里寿「先攻」
役人「OK!では先攻、ボコファイターズ!後攻、MIH×O×RENGE!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルルッ!
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:26:11.70 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=-vhblDqWvGE
2:21(4ターン終了時)
<決勝 先攻 [ボコファイターズ]愛里寿、アズミ VS 後攻 [MIH×O×RENGE]MIHO、オレンジペコ 延長戦>
愛里寿「お願い 神様 MIHOがちゃんと勝負」
愛里寿「してくれる呪文を教えてくれ」ワァァアッァ!
愛里寿「挑戦状に どうも戦々恐々」
愛里寿「延々逃亡で 全然堂々してない」ワァァァァ!
愛里寿「そんなやり方 神様は味方はしないな」ワァァ
愛里寿「貴様らに 確かな明日(あした)は無いから」ワァァァ!
愛里寿「ボコファイターズの 勝利固いはず」
愛里寿「ごちそうさま 優勝いただきます」ワァァァ!
みほ「呪文 より唱えとけ 念仏」ワァァ!
みほ「優勝?片腹痛い お前らは 片頭痛」ワァァァ!
みほ「この目の前に立ちはだかるガキが苦痛」
みほ「受ける間 唱えてろ 南無阿弥陀仏」ワァァァ!
オレンジペコ「確かな明日なんて 誰にも無いと思うけど?」ワァァァ
オレンジペコ「人生は行動次第で どうとでも転ぶでしょ?」ワァァ!
オレンジペコ「ボコって 最後負けるのがお決まり」
オレンジペコ「持ち味 生かすなら 負けるべきですよー!?」ワァァァ!
アズミ「チーム名は あくまで チーム名」
アズミ「一発勝負で負けられない これはリーグ戦 じゃない」ワァァ
アズミ「名前に縛られて 頭固すぎ」
アズミ「脳内クリーンアップしましょう まるでダスキン」ワァ!
アズミ「それともワクチン? こんな風に湧く韻」ワァァ!
アズミ「ワックには刺激的一撃で奇跡で未知的」ワァァァ!
アズミ「嫌味な紅茶と 過激なアンコウ」
アズミ「仕留めるライム 射撃は完了」ワァァァ!!
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:27:45.42 ID:EqKCwBbEo
みほ「射撃は未完了 何故今に何個も」ワァァァ!
みほ「ライミング? あっためたネタ 放ったってか?」ワァァァァ!
オレンジペコ「暗記グセ抜けてないんですか? 受験戦争」
オレンジペコ「ネタばっかで勝ったって 不完全燃焼」ワァァァ!
みほ「嫌味な紅茶 と言わず抑えて イライラをさ」ワアァ!
みほ「被害者オーラ 出すより腕 磨いた方が いい」ワァァァ!
オレンジペコ「韻に固執するより 肌の保湿したら?」ワァァ!
オレンジペコ「結局勝率は下がって負けて 今日死ぬ!」ワァァァ!
愛里寿「MIH×O×RENGE(ミホレンジ)の方が 調子沈んでるけど?」ワァァァ!
愛里寿「言葉の端々から 超にじんでるエゴ」ワァァァ!
愛里寿「唱える必要ない 南無阿弥陀仏」
愛里寿「ただここにいるだけで タフな詞が降る」ワァァァ!
愛里寿「被害者オーラ 出さず 周りは 理解者の輪」ワァァァ!
愛里寿「あんたらに渡すよ 支配下の座」ワァァァ!
愛里寿「この場で大事なのは 肌よりもノドと言葉!」ワアァァ!
愛里寿「くだらないこと言ってるのどこの子だ?」ワァァ!
みほ「ノドよりも大事なのは 魂の鼓動だ」ワァァァァ!
みほ「子供は下がれ 歩いてろ トコトコとな」ワァァァ!
オレンジペコ「そこそこ調和 とれてる程度」ワァァァ
オレンジペコ「コンビとしては 知れてる精度」ワァァ!
オレンジペコ「1バース交互 2ON2と別でしょ」
みほ「戦い方の端々から 見えてるエゴ」ワァァァァ!
みほ「こっちはお互い自転車 立ち漕ぎをしつつ」
みほ「進み 行き付く先は 神のみぞ知る」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァァ!
みほ「…………」
愛里寿「…………」
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:28:14.86 ID:EqKCwBbEo
役人「判定に入りたいと思います!」
役人「……先攻ボコファイターズが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「……後攻、MIH×O×RENGEが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
みほ・オレンジペコ「!」
役人「まずはボコファイターズが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『MIH×O×RENGE』」
理事長「『ボコファイターズ』」
香音「『MIH×O×RENGE』」
新三郎「『ボコファイターズ』」
浅井「『MIH×O×RENGE』」
役人「審査員は3対2でMIH×O×RENGE!再延長に入ります!」
ワァァァァァ!!
みほ「………………」
愛里寿「……………」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:29:28.66 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「ええーっ!?みぽりんたちの方がいっぱいお客さん沸いてた気がしたけど!?」
華「花を生ける時の耳の感じでもそう聞こえました」
優花里「身びいき無しに私も同感です。これは……」チラ
千代「……おそらく、初戦でMIH×O×RENGEが愛里寿を避けるような戦い方をした影響が残っているせいだと思うわ」
しほ「どういうことだ?」
千代「この延長で愛里寿が先攻をとり、ビートとは関係が無いけれどPSGの『かみさま』という曲の歌詞をサンプリングして『お願い 神様 MIHOがちゃんと勝負してくれる呪文を教えてくれ』と、みほさんと正面から戦いたいという想いがそれだけ切実だというアピールをした。それを聴いたからか最初から決めてたからかはわからないけれど、MIH×O×RENGEは今まで通りの戦い方で愛里寿と真っ向からぶつかった」
沙織「それならみぽりんたちは挑戦をちゃんと受けたことになるんじゃ…」
千代「そうね。でもMIH×O×RENGEと正面から戦えるようになったことで、愛里寿も調子を上げてきた。だからお客さんはもう1試合観たいという気持ちになったのかもしれないわ」
千代「私が審査員だったなら、アンサーとライミング共に優れていたMIH×O×RENGEに上げたでしょうね」
沙織「じゃあ最初から普通に戦ってたら勝ってたのかなぁ……」
千代「さあどうかしら?両チームに明確な力の差は無いわ。それこそ神のみぞ知る、としか言えないわね」クス
千代「………………」チラ
愛里寿「」
千代(愛里寿……あなたが待ち望んだこの勝負……これが最後のつもりで全力を尽くしなさい)
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:30:22.96 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「…………再度延長となりました!先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポン!
みほ(!勝った……選ぶなら……)チラ
愛里寿「…………」ジィッ..
みほ「………………」
みほ(愛里寿さんは最初から一貫して勝負をしたがってる。だったら……)
みほ「…………先攻でお願いします」
愛里寿「!」
みほ「オレンジペコさん、ごめんなさい」ヒソヒソ
オレンジペコ「いえ、私も同じ気持ちでしたから」ニコリ
役人「OK!先攻、MIH×O×RENGE!後攻、ボコファイターズ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルルッ!
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:35:28.60 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=Pf6p4ulix8s
2:41
♪人間発電所
<決勝 後攻 [MIH×O×RENGE]MIHO、オレンジペコ VS 後攻 [ボコファイターズ]愛里寿、アズミ 再延長戦>
みほ「最後にふさわしい 人間発電所」
みほ「脳天に食らわす 真剣 吐く言語」ワァァア!
オレンジペコ「ボコボコにしてやる トラ・トラ・トラ」ワァァ
オレンジペコ「祝杯なら 紅茶とか・コカ・コーラ」ワァァァァ!
みほ「タフな詞とか言うけど アニメネタやマンガだけ」
みほ「不満だらけ 話し相手探しな まんだらけ」ワァァァァ!
みほ「相手するの 飽きたから 行けばいいよ 秋葉原 それか」ワァァァ!
みほ「乙女ロード 勝ち求めようと うちらを止めようと も無駄」ワァァァァ1
愛里寿「殴られても観る とら・ドラ・とか」ワァァァ!
愛里寿「そんなディスは ノーダメージ 出るよため息」ワァァ!
愛里寿「マンガ・アニメにも 人生の 旨み濃密に」
愛里寿「味わえる作品がある スタジオジブリ」ワァァァ!
愛里寿「最後にふさわしい 人間発電所」
愛里寿「MIHOの吐く言葉 陰険な無礼もん」ワァァァ!
愛里寿「炭酸抜けたコーラのような 質の無さ」
愛里寿「優勝への夢も 水の泡」ワァァァ!
オレンジペコ「水の泡になっても 復活何度もする」
オレンジペコ「ビートはもちろん ブッダブランド」ワァァァ!
みほ「13歳が語る 人生の旨み」
みほ「悟り世代ですか? しらける 元の木阿弥(もとのもくあみ)」ワァァァ! 元の木阿弥・・・一時よくなったものが再びもとのつまらない状態に帰ること
オレンジペコ「もうどうもお悔やみ 申し上げます」ワァァ
オレンジペコ「ラストスパートかける もう仕上げます」ワァァァァ!
みほ「ディスへのアンサーが ため息、CO2(シーオーツー)?」
みほ「しょぼい反撃で 息を 派手に引き取る」ワァァァァ!
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:40:49.90 ID:EqKCwBbEo
アズミ「最初 愛里寿隊長 から逃げてた 弱者」
アズミ「一転 総攻撃 主義 めちゃくちゃ」ワァァ!
アズミ「一本芯 の通った 日本人(にっぽんじん)じゃない」
アズミ「MIHOじゃ 漆黒になる HIPHOPシーン」ワァァァ!
アズミ「2ターン目でラストスパートとか 大げさ」
アズミ「もうデマは やめなさい でないといずれ 大怪我」ワァァァ!
アズミ「バトルに飽きたなら 逃げ帰りなさい 大洗」
アズミ「私らが優勝 プロップス 総ざらい」ワァァァ!
みほ「逃げるは恥だが役に立つ」ワァ
みほ「だから 明日(あす)からやる気出す」ワァァ!
みほ「いや、先攻とって 立場が逆になる」ワァァァ!
みほ「そして正面突破で主役になる!!」ワァァァァァ!
オレンジペコ「MIHOが今帰っても もう手遅れ」
オレンジペコ「現時点で大差だから 大手を振れる」ワァァァ!
みほ「愛里寿さんいわく私 陰険な無礼もん」
みほ「なら見せてあげる そんな人が 人生勝つ現象!」ワァァァア!
愛里寿「役に立つのかは 勝ってから決まる」
愛里寿「だってまだ 私ら立ってんだ間違うな!」ワァァ!
愛里寿「勝ち上がり磨いてきた スキルは不動!」ワァァ!
愛里寿「手遅れとか どうでもいい MIHO振り向かすよ!」ワァ!
愛里寿「決勝戦 懸想相手を前に 血相変えつつも絶好調!」ワァァァ!
愛里寿「決闘だ 関係は無い 親や流派、血統も!」ワァァァ!
愛里寿「力貸してくれた アズミと共に!」
愛里寿「優勝する この場 心にある真の誇り!!」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァァァ!!
みほ「……………」
愛里寿「はぁ……はぁ……!」
オレンジペコ(クールさを保ってきた愛里寿さん……ですが最後の最後でかなりのバイブスを出してきましたね)
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:45:10.01 ID:EqKCwBbEo
役人「……これが最後になるのでしょうか?再延長の判定に入りたいと思います!」
ワァァァァ!
役人「……………………審査員の判定が決まりました!それではお客さんに聞きます!先攻、MIH×O×RENGEが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァァ!
役人「……後攻、ボコファイターズが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「わずかな差ですが、MIH×O×RENGEに1ポイントが入ります!」
みほ・オレンジペコ「!」
愛里寿・アズミ「!」
ワァァァァァ!
ザワザワ..
役人「……では審査員の判定結果を見てみましょう!お願いします!」
ババン!
亜美「『MIH×O×RENGE』」
理事長「『ボコファイターズ』」
香音「『MIH×O×RENGE』」
新三郎「『ボコファイターズ』」
浅井「『MIH×O×RENGE』」
みほ・オレンジペコ「!!」
愛里寿・アズミ「!!」
役人「3対2でMIH×O×RENGEの勝利です!ということは…」
役人「2ON2フリースタイルMCバトル大会、優勝チームは……」
役人「MIH×O×RENGE〜〜〜〜〜〜!!!!!」
ワァァァァァァァ!!!
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:46:10.17 ID:EqKCwBbEo
みほ「勝……った?」
オレンジペコ「はい!勝ちましたよ!」ニッコリ
愛里寿「………………」
アズミ「隊長……すみません。私が…」
愛里寿「違う。私たち2人があの2人に負けただけ」
アズミ「隊長……」
愛里寿「……大会に出たいって急に言い出した私に付き合ってくれて……その………………ありがとう//」
アズミ「〜〜〜〜っ!!」
アズミ(バトル後で上気した顔で上目遣いとか可愛すぎる!!もうこの顔を見られただけで幸せ……)キュン!
愛里寿「…………みほさん」クルッ
みほ「!……」
愛里寿「……試合、楽しかった。負けちゃったのは残念だけど……」
みほ「……うん、私も楽しかったよ」
愛里寿「…………よかった」ニコ
みほ「ふふっ」ニコ
愛里寿「……オレンジペコさん」
オレンジペコ「へ?は、はい、なんでしょう?」
愛里寿「あなたがみほさんのチームメイトで良かった。みほさんをここまで連れてきてくれてありがとう」ペコリ
オレンジペコ「い、いえいえ!そんなこと!私の方こそみほさんのおかげで…」
愛里寿「ううん、チームとして完成度が高かった。息もピッタリ合ってた。正直、悔しいくらい……」
オレンジペコ「は、はあ……ありがとうございます……」
愛里寿「……だからこそ、素直に負けを認められる。優勝、おめでとう」スッ
みほ「愛里寿さん……ありがとう!」ガシッ
オレンジペコ「ありがとうございます」ガシッ
アズミ「……強かったわよあなたたち。おめでとう」スッ
みほ「ありがとうございます」ガシッ
アズミ「忠告通り、肌の手入れは怠らないようにするわね」ニコリ..
みほ「ひっ……あの……あれは言葉のあやで……」アセアセ
アズミ「きちんと保湿もするわ」スッ
オレンジペコ「そ、そうですね。大事ですものね」ガシッ
役人「それではみなさん!優勝したMIH×O×RENGEにもう一度盛大な拍手を〜!」
ワァァァァァァァ!
パチパチパチパチ!
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:48:56.30 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「すごーい!優勝したよみぽりんたちー!」
華「これはもう祝勝会はハンバーグですね」
沙織「まだ言ってるの!?作ってあげるけどさ」
優花里「さすが西住殿ですぅ!オレンジペコさんも相変わらずの毒舌でしたぁ!」
桃「大したやつだ、西住は。大人しそうに見えてあれだけのパフォーマンスを見せるのだからな」
柚子「うんうん。人は見かけによらないよね。桃ちゃんと一緒」
桃「……褒めている、んだよな?」ウーム
あや「っていうか大洗すごくない!?」
あゆみ「だよね!桂利奈もいいところまで行ったし!」
梓「会長さんも麻子先輩も活躍したよね!」
紗希「………………………………」
優季「うんうん!紗希の思ってる通りだよ〜♪」
しほ「……再延長はどうだった?」
千代「愛里寿が可愛かったわ」
しほ「おい」
千代「冗談よ。いい勝負だったと思うわ。まず…」
千代「みほさんの『アニメやマンガだけ』から『不満だらけ』、『まんだらけ』と続くライミングは上手だったけれど、この決勝では愛里寿はアニメやマンガについて言っていない分、威力が落ちてしまったわ。ただそこをオレンジペコさんが、ビートである人間発電所の歌詞にある『トラ・トラ・トラ』を絡めて『紅茶とか・コカ・コーラ』でフォローした」
千代「でもそれを受けた愛里寿が『とら・ドラ・とか』と、あえてアニメにもなった『とらドラ』を引き合いに出してアンサーした。これはみほさんとオレンジペコさん両方に対するアンサーでかなり良かったわね。それと、アズミさんもブッダブランド繋がりで『大怪我』というワードを使ったり、工夫していた」
しほ「む。そうだったのか……なるほど」
千代「ただ、これまで決勝戦で焦点になっていた、『みほさんが愛里寿の挑戦を避けた』という印象に対して『逃げるは恥だが役に立つ』とドラマのタイトルを用いるというワードチョイスによって、『逃げた』という印象を柔らかくして認めた上で、『先攻とって 立場が逆になる』、『正面突破で主役になる』とライミングしつつアンサーを決め、パンチラインの威力と説得力が増す結果になった」
千代「それにオレンジペコさんがこれまでと違って脚韻や頭韻を固めてきたことも大きな要因ね。この再延長で決着を付けに来ているという空気が生まれたもの」
千代「最後の最後で愛里寿はバイブスを最大限にまで高めたけれど、届かなかった………私の判定でもMIH×O×RENGEの勝利ね」
しほ「そうか……しかし13歳にしてあれだけ出来れば大したものだろう」
千代「……うふふ、慰めてくれているの?」
しほ「ば、ばか!そんなはずがないでしょう//」
千代「うふふふ」
桃「……それにしても妙だな」
柚子「桃ちゃんの振る舞いが?」
桃「違うっ!会長や冷泉、阪口がここに来ないことがだ!会長たちのバトルが終わってもうずいぶん経つが、一向に姿を見せない」
柚子「そういえば……敗退してしまった場合は戻ってきて一緒に観戦すると思ってたけど」
そど子「……それについては私が説明するわ」ザッ
柚子「そど子さん?冷泉さんとイチャイチャしてたんじゃ…」
そど子「し、してないわよ!そんなの……あれぐらいは……別に普通なはずだわ……///」ブツブツ..
桃「で?何を説明してくれるんだ?」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:51:42.52 ID:EqKCwBbEo
そど子「あ、そうだったわ!実は…………この会場の使用時間がかなり余っているのよ!」
柚子「え……?あっ、言われてみれば……パンフレットに書いてある時間まで結構あるね」
桃「何故そのような事態になっているんだ?」
そど子「……あのメガネ役人が会場を押さえる時に時間を間違えたらしいのよ」
柚子「凡ミスもいいところだね」チラ
桃「何故私を見る!メガネに罪は無い!」
柚子「でもそれと会長、冷泉さんと阪口さんが戻って来ないことがどう繋がるの?」
そど子「それは……」
役人「うぇいよー!!!」
そど子「………………」ハァ..
桃・柚子「?」
役人「まだまだ盛り上がりが止まらないこの会場!ここで提案があります!」
ザワザワ..
役人「……大会に出場した選手たちで…………シングル戦によるトーナメントを行いたいと思います!」
ワァァァァァァ!!
役人「条件はたった1つ!参加選手は各校2名までに限るというだけです!」
桃「……なるほど。時間を埋めるため、急きょシングルマッチを行うことにしたのか」
そど子「そう。だから冷泉さんも会長も阪口さんも、舞台袖で待機してもらうよう言われてたの」
柚子「じゃあそど子さん、みんながいる中で冷泉さんとイチャイチャしてたんだ……」
そど子「だからしてないわよ!」カァァ..
華「……話は全て聞かせていただきました」ズイ
柚子「五十鈴さん……!?」
華「………………」
柚子「………………えっと……なに?」
華「?聞いていたと伝えただけですが」
桃「だったら思わせぶりに入ってくるな!」
優花里「あのぅ……私も聞いていたのですが……各校2名だけ出場ということは、優勝した西住殿ともう1人しか出られないというわけです。しかし冷泉殿も会長も阪口殿も戻って来ないのは何故でしょう?」
そど子「確かにそうよね……まだ誰が出るか決まってないからじゃないかしら?」
桃「今大会の実績で言えば阪口が順当か?」
沙織「でも会長は卒業を控えてるから……麻子も桂利奈ちゃんも遠慮するかも」
あや「じゃんけんで決めるなら会長になるよね」
あゆみ「確かに。絶対勝てない」ウンウン
桃「……でも」
柚子「会長はきっと…」
杏「私はきっと?」
桃・柚子「会長!?」
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:59:10.85 ID:EqKCwBbEo
梓「会長さんがここにいるということは……」
杏「私はシングル戦出ないよ?」
優季「えー?じゃあ誰が出るんですかぁ?」
杏「冷泉ちゃんとさかぐっちゃんがじゃんけんして…」
桂利奈「私、負けちゃいましたー!」
あゆみ「あ!桂利奈!よくやったよー!頑張ってたの観てたー!」
桂利奈「ありがとー!」エヘヘ!
紗希「…………………………」
桂利奈「紗希もありがとー!」
桃「では出場者は西住と冷泉か」
杏「西住ちゃんは最初じゃんけんするっつってたんだけどね。優勝チームの一員が不参加じゃ盛り上がりに欠けるって説得したよぅ。真面目ないい子だよねー」アッハハ
柚子「……その分、内に溜め込んでいるのか、ディスは強烈ですが……」
杏「確かにね」
桃「しかし……良かったのですか会長。今年で我々は卒業ですし、優先させてもらうことだって…」
柚子「」ウンウン
杏「……だからだよ」
桃・柚子「え?」
杏「こういう大会に大洗の生徒として参加するのも最後。だったら選手として出るより……かぁしまと小山と一緒に観たいと思ってさ」ボソッ
桃・柚子「会長……ッ!」ウルウル..
杏「な、なんつってね……//」ポリポリ
柚子「あの……抱きしめてもいいですか?」ワキワキ
杏「や、やだよ//」
ワァァァァァ!!
沙織「な、なになに?この歓声?」
華「食事休憩の合図なのでは?」
優花里「絶対違いますよ五十鈴殿……」
そど子「シングル戦のトーナメントの組み合わせが決まったのよ!でも早く決まり過ぎよ!速度超過は風紀違反だわ!」
杏「どれどれ?」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 04:59:39.76 ID:EqKCwBbEo
続きはまた夜に書きます
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:24:50.53 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
ノンナ ―――― │
│―――
ミカ ―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
ナオミ ―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
ミッコ ―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
アッサム ―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
オレンジペコ ―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:29:39.74 ID:EqKCwBbEo
杏「なかなか面白そうな組合わせだねぇ」
沙織「あれ?ボコファイターズのアズミさんとか、BC自由学園とかヨーグルトのマーチとかナカスリベンジャーズの人たちが見当たらないけど…」
杏「本人たちが参加を断ったみたいだよ。大体さ、16チーム参加してたんだから、シングル戦なら32人出場でいいはずなのに、わざわざ1校2人までって決めたのは、シングル戦に出ないかと声をかけた人たちに結構断られたからみたいなんだよね」
桃「なるほどアズミさんは大学生だから遠慮したのかもしれませんね。それは島田愛里寿も同じですが13歳……年齢を考えればむしろ不利と言えます」
杏「年齢とスキルが一致するわけじゃないっていういい例だけどね」アハハ
沙織「ダージリンさん、出ないんだね。出たがりっぽいのに」
ダージリン「実力的にはペコとアッサムの方が上だもの」ウフフ
沙織「うわあ!?」ビクン!
ダージリン「一緒に観戦してもいいかしら?」
沙織「も、もちろんです!」
沙織(よかった。出たがりって言ったの聞こえてなかったみたい)ホッ
華「出場しなくてもよかったのですか?沙織さんいわく、ダージリンさんは出たがりと言っていましたが」
沙織「華ァ!!」
ダージリン「………そう思われていたとはね。でもわたくしは別に自己主張の強い方ではなくてよ」ウフフ
優花里「そ、その通りですよねぇ!紅茶や格言も聖グロの校風ですぅ!ダージリンさんは良識のある常識人でしかありません!」
沙織「も、もちろんです!憧れすぎて言い間違っちゃいました!」アハハ..
ダージリン「あら。褒められちゃった」ウフフ
華「その表情……嘘を吐いている時の沙織さ……もごご」
梓「こ、この話題はもうやめましょう。ね?」ガッシリ
杏「あっははは」
あや「ん?トーナメント表の最後の『???』って誰だろう?」
梓「わざわざ秘密にするってことはもしかして……大会に出てない人、とか?」
あゆみ「それかまだ決まってないのかもね」
柚子「会長は知ってます?」
杏「知らない。ただキリのいい16人にしようとしたけど、各校2人までだと参加希望者は15人だった。あと1人はどうするんだろうとは思ったけどね」
ダージリン「1校だけ3人出場可能とすると不公平ですものね」
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:31:03.53 ID:EqKCwBbEo
優季「えー、じゃあどうなるんだろー♪」
紗希「……………………敗者復活?」
桂利奈「!そ、それだー!」
優花里「だとしたら西住殿にとっては…………いえ、トーナメント表を見る限り、どなたが出てきても強敵ですぅ」
杏「そだね」
役人「それでは早速シングル戦を始めたいと思います!」
ワァァァァァ!
麻子「…………」ザッ!
ノンナ「…………」ザッ!
沙織「最初は麻子からだ!頑張れー!麻子ー!」
そど子「か、勝ちなさいよー……//」
パゾ美「それじゃ聞こえないよ」
ゴモヨ「照れそど子……」
そど子「う、うるさいわね!」
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:31:35.26 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「まず最初にシングル戦のルールを説明します。判定方法は2ON2と同じです。お客さんと審査員による判定で決まり、引き分けの場合は延長戦を行います。先攻後攻は、その都度じゃんけんで決めてもらいます。これも同じですね」
役人「違う点は1つです。1回戦と2回戦は8小節の2ターンでの戦いとなります。準決勝は8小節3ターン。そして決勝は8小節4ターンとします!」
麻子(1、2回戦は短くするのか)フム
ノンナ(決勝は4ターン……であればチーム戦も決勝はそうするべきだったのでは?今さら言っても仕方ないことですが)
役人「それでは1回戦 第1試合を始めます!REZE対ノンナ!」
ワァァッァア!
麻子(……前大会でプラウダと当たったが、会長が3人抜きをしたから私はこの人と戦っていない。攻撃的なスタイルだとわかっているが、実際に当たるとどうなるか……さて)
ノンナ(ライミングでは到底太刀打ちできませんね。しかしそれだけで勝負が決まるわけではありません)ギラリ
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
ノンナ「先攻で」
麻子「!」
役人「OK!先攻、ノンナ!後攻、REZE!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルッ!
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:36:51.47 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=z2xn_MMZHpE
2:43
<1回戦 第1試合 先攻 ノンナ VS 後攻 REZE>
ノンナ「韻だけのREZE 気に入らねぇぜ」
ノンナ「メッセージ性ねぇ 冷戦状態」ワァァ!
ノンナ「誰に何を言われても 『どう踏もうか』」
ノンナ「馬鹿の一つ覚えだな 不毛だ!」ワァァァ!
ノンナ「私は 適当な言葉を 吐かない」
ノンナ「韻に縛られたままでは 儚い」ワァァ!
ノンナ「ひたすら 相手の言葉 拾うだけ」
ノンナ「正直 みっともねぇ まるで乞食」ワァァ!
麻子「捨てる神あれば拾う神あり」
麻子「難易度で言えば こっちが神なり」ワァァ!
麻子「拾う価値無し のワードチョイス披露」
麻子「漂う疲労感を 救うヒーロー参上」ワァァァ!
麻子「不毛で結構 大洗に羽毛は不要だ」ワァァ!
麻子「客を熱くさせる ライムの活動家」ワァァァァ!
麻子「ノンナ 寒いだけのブリザード」
麻子「火を点けようか ポケモン リザードン」ワァァ!
ノンナ「客を熱くとか クチだけで表情が不一致」
ノンナ「根っこはクールなREZE 下手なスキンシップ」ワァァ!
ノンナ「難易度関係ない 捨ててやってんだ」
ノンナ「捨てる神が上だ ふてぶてしいカスが!」ワァ!
ノンナ「ブリザード オーラゼロのお前 凍らせよう」ワァアァ!
ノンナ「じゃないとクチうるさくて しょうがねぇよ!」ワァ!
ノンナ「大体声量が無い 後ろの方 聴こえてますか!?」
ノンナ「どっちにせよ そろそろ 仕留めてやるか!」ワァァ!
麻子「声量が無い オーラゼロ なのに ほっとけない」
麻子「ブリザードのわりに 心はホットで愛 がある」ワァァァ!
麻子「スキンシップの極端なツンデレ? ツンドラ?」ワァァ!
麻子「素直になれなくて ガツンと殴んのか?」ワァァァ!
麻子「後ろー!声は聴こえてるかー!?」ウォォォォ!
麻子「……ちゃんと聴こえてるってさ」ワァァ
麻子「2小節 捨てたって 必勝です」ワァ!
麻子「『1回戦突破した』 そんな書き出しの 私小説」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!!
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:37:19.09 ID:EqKCwBbEo
役人「では判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、ノンナが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、REZEが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「まずはREZEが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『ノンナ』」
理事長「『REZE』」
香音「『REZE』」
新三郎「『REZE』」
浅井「『REZE』」
役人「勝者!REZE〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
ノンナ「っ……!」
麻子(よし)フゥ..
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:37:54.05 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
ミカ ―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
ナオミ ―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
ミッコ ―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
アッサム ―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
オレンジペコ ―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:39:39.85 ID:EqKCwBbEo
【舞台袖】
カチューシャ「………………」
カチューシャ(次は私の試合……相手は継続高校のミカ……2ON2で負けた相手)ギリッ..
まほ「……カチューシャ」
カチューシャ「……なによ」
まほ「大丈夫か?緊張しているなら抱きしめるが」
カチューシャ「ばっ……//」
カチューシャ「バカなこと言ってんじゃないわよ!あの時は……確かに弱気になってたけど、もう吹っ切ったわ!」
まほ「……そうか。さすがだな」フッ
カチューシャ「ったく……///」プイ
カチューシャ「………………」
ミカ『ねぇ富豪さん 解雇したら? 隣の執事か秘書』
ミッコ『西住まほは 相方として ババ引いたようなもんだ』
カチューシャ(………………マホーシャの足を引っ張った存在だなんて思われたまま終われないわ!)
【ステージ】
役人「それでは第2試合を始めます!ミカ対カチューシャ!準々決勝で当たったチーム同士の戦いとなります」
ワァァァァ!
カチューシャ「………………」
ミカ「………………」
ミカ(ずいぶん気合いが入っているようだね……だが私も負ける気は無い。西住みほとオレンジペコ、どちらが勝ち上がるかはわからないが、借りは今日のうちに返しておきたいからね)
役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
ミカ「……後攻かな」
役人「OK!先攻、カチューシャ!後攻、ミカ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルッ!
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:47:51.43 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=eCriZ-G9Rog
4:14
<1回戦 第2試合 先攻カチューシャ VS 後攻ミカ>
カチューシャ「早くもリベンジ 即巻き返し びた一文 まけず上げる 期待値!」ワァァ!
カチューシャ「さっきは好き勝手 言ってくれてありがとう 返すのは刀! アタマ カラダ」ワァァァ!
カチューシャ「叩き切る! 舐められたまま終われない プラウダのプライド」
カチューシャ「背負ってる 個人的恨みもある あんたのとぼけた ツラを砕き折る」ワァァァ!
カチューシャ「カンテレの演奏者 マイク持ってちゃ出来ない 二重奏は」
カチューシャ「とにかくぶち倒す 理由とか ありまくるから 機銃掃射!」ワァァァ!
カチューシャ「粉々にする カチューシャは勇者 勝利が従者!」ワァァァ!
カチューシャ「継続させない 敗北の味! いや逆に味わわせてやる あんたに!!」ワァァァ!
ミカ「声量は充分 みたいだね マイクチェックオーケー」ワァァァ!
ミカ「こっちは 冷静 上手い 具合に 消す王手」ワァァァ!
ミカ「ゲームオーバー 清涼感 風の流れ 浮かび上がったリビドー」
ミカ「憤り 邪念捨て 生き残り 歩む道のり 私は 旅人」ワァァ!
ミカ「不必要 無秩序 な乱射は 当たらんさ」ワァァ!
ミカ「刀と 銃 それと マイク? なんという 三刀流」ワァァァ!
ミカ「勢いのみ無駄に熱いだけ 真夏の車のボンネット」
ミカ「負けを恐れ ホメオスタシスが生んだパワー でも敗退 ボーンヘッド」ワァァ! ※ホメオスタシス・・・「生体恒常性」とも言われる。体を一定の状態に保つ働き。寒い時に筋肉を震わせて熱を作って体を冷やさない、など
カチューシャ「体を揺らして 楽しそうね その余裕が導くわよ死亡へ!」ワァァァア!
カチューシャ「わかる? それがボーンヘッド! 気付きなさいよ あんたすでに ウォンテッド!!」ワァァアァァァ!!
カチューシャ「三刀流 その通り 今の私は進化した 宮本武蔵」ワァ
カチューシャ「この瞬間も成長し続ける! あんたらに負けたのも 今思うと昔!」ワァァァァ!
カチューシャ「旅人? だったら罪びと、咎人(とがびと)になろうと 懐に ボディブロー!」ワァァァ!
カチューシャ「あんたは 血みどろ ホメオスタシス? 関係ない 追撃の ロメロスペシャル!!」ワァァァァ!
カチューシャ「2回戦で 終わった2ON2 だからこのシングル戦に賭けてる!」ワァァ!
カチューシャ「私は全部勝って 決勝でマホーシャ倒すぐらいの気持ちがあんのよ!」ワァァァァァ!!
ミカ「早口 ぎゅうぎゅう パンパン 音符と 言葉がケンカ そんな事件だ」ワァァァ!
ミカ「やり方、形はみな それぞれ キミはカチューシャ 私はミカ」ワァァァ!
ミカ「ロメロスペシャル 届くのかな手が? 孤独を抱くベガ」ワァアァ!
ミカ「星の輝き は私の元に ある から旅 を続ける」ワァァ
ミカ「勝敗は 怒鳴る だけで どうなる モノかな? 愚かな ことだなぁ」ワァァァ
ミカ「もっと落ち着いていよう ゆったり間 とったりさ」ワァァ!
ミカ「どっかり と浸かり 勝敗 追う そして栄光を 頬張り放題」ワァァァァ!
ミカ「キミは 震え 続け 腑抜け 脅え てるね 野ウサギ状態」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」ワァァァァァ!!
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:48:53.13 ID:EqKCwBbEo
カチューシャ「はぁ……はぁ……」
ミカ「ふー……」
役人「それでは判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、カチューシャが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「……後攻、ミカが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
ミカ「!……」
カチューシャ「っ!」グッ
役人「まずはカチューシャが1ポイント先取です」
役人「……では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『カチューシャ』」
理事長「『カチューシャ』」
香音「『ミカ』」
新三郎「『ミカ』」
浅井「『カチューシャ』」
カチューシャ「!!」
ミカ「…………」
役人「3対2で勝者は!カチューシャ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
カチューシャ「勝っ…………た……?」
ミカ「…………」フゥー..
ミカ「……そうだね。私の負けさ」フフ
カチューシャ「何を笑って……!あんたまさか手を抜い…」
ミカ「違う」ギラリ
カチューシャ「っ……」
カチューシャ(なに、今の鋭い目……こいつがこんな目をするなんて……)ゴクリ
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:49:29.81 ID:EqKCwBbEo
ミカ「私は全力を尽くした。キミが自分に自信を持てないのは勝手だけれど、その思考に人を巻き込まないでくれるかな?」
カチューシャ「……ふん!嫌味な言い方しなくてもわかったわよ!あんたは全力を出した!そして結果私が勝った!」
ミカ「……その通り」
カチューシャ「あははは!リベンジ成功!いい気味よ!」
ミカ「そうかい」
カチューシャ「…………ャ」
ミカ「ん?」
カチューシャ「でも……まだ1勝1敗なんだから!次もっかい勝ってリードするからね!覚悟しなさいよ!その…………ミカーシャ!」
ミカ「!……その呼び方は……」
カチューシャ「っ……べ、別になんでもないわよっ……//」
ミカ「…………ふふっ」
カチューシャ「な、なに笑ってるのよ!」
ミカ「親しくなれて嬉しいと思ってね」
カチューシャ「ふ、ふん……//」
ミカ「これでKV−1は正式にうちの車両ということでいいのかな?」クス
カチューシャ「なんでそうなるのよ!っていうかホントに返しなさいよね!」
ミカ「ふふっ……さあどうかな?」
カチューシャ「ぬぐぐぐ……」
ミカ「…………では、またいつか会おう。カチューシャ」ニコッ
カチューシャ「っ……!そ、その時にKV−1を返しなさいよね……//」
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:51:05.54 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「わー……なんかこの距離で見ててもカチューシャさんってチョロそう」
華「沙織さんクラスですね」ニッコリ
沙織「本人に言う!?」
華「あっ……ごめんなさい。今後は陰で言うことにします」ペコリ
沙織「それもっとヤダ!」
しほ「……今の試合、ちよきちはどう思う?」
千代「…………カチューシャさんは今までは固めのライミングと早口のフロウで安定した力を発揮していたわ。でもこの試合では圧倒的なバイブスを乗せたフロウを全面に出してきた」
千代「ライミングも『宮本武蔵』、『今思うと昔』と、強引にねじ込んで決めたと思ったら、『旅人、罪びと、咎人、懐、ボディブロー、血みどろ』といった辺りは、語尾を『o(お)』で踏んでいるけれど、文字数的には2文字程度。でもこの絶妙な踏み外しが聴いていて心地いい。『ホメオスタシス』と『ロメロスペシャル』もそうね。少し外れてるけれど気持ちよく聴こえる」
しほ「む、確かに……しかし継続の子は変則的なフロウが面白く、さらに韻の固さもあった。アンサーも的確だったと思ったが」
千代「そうね。フロウテクはカチューシャさんよりも上ね。今の試合では特にその部分が協調されていたわ。微妙にテンポをズラしたり、速度を上げたり落としたり、声色を変えたり。抑揚を効かせたかと思えば次の瞬間には平坦になっている、などと言った風にね。2ON2の時には見せなかった……いえ、若干変則的で特徴のあるフロウを見せてはいたけれど、コンビネーションを優先し、オーソドックスに寄せていたのでしょう、本来のミカさんはこの試合で見せたスタイルだと思うわ」
しほ「私的にはコンビの時よりも新鮮で面白かったが……結果は敗北か……」
千代「ええ……ミカさんのそういった技術や特徴を、カチューシャさんのバイブスが全てを吹き飛ばした。これが一番わかりやすい解説かも知れないわね。『カチューシャは勇者 勝利が従者』なんて表現もカチューシャさんらしくていい」
千代「それと熱い言葉をぶつけてくるカチューシャさんに対し、『勝敗は 怒鳴るだけで どうなるモノかな? 愚かなことだなぁ もっと落ち着いていよう』と、なだめるような諭すようなアンサーをした。これも時に有効だとは思うのだけれど、今回は裏目に出たというか……今回はカチューシャさんがバチバチに立ち向かってきているのをはぐらかしているという、良くない印象を与えてしまったわね」
千代「でも最終的な決め手はカチューシャさんの『私は全部勝って 決勝でマホーシャ倒すぐらいの気持ちがあんのよ!』というパンチラインかしらね。リベンジだけじゃなく、その先を見ているという強い意志が身体中から発せられているようだったもの」
しほ「なるほど…………しかしフリースタイルバトルとは難しいものだな。真正面から来る相手を翻弄させるのは戦法として間違いではないというのに」
千代「ええ。だから本当に難しいのよ。戦うことも、判定をすることもね」
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:51:36.41 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
ナオミ ―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
ミッコ ―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
アッサム ―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
オレンジペコ ―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:52:43.16 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「1回戦 第3試合です!」
ナオミ「…………」ザッ
アンチョビ「…………」ザッ!
役人「ツインテールショートヘアのチーム内対決となりました!」
ワァァァ
ナオミ「悪いけど、勝たせてもらうよ」
アンチョビ「ああ、そのつもりで来い。迎え撃つからな」ニッカリ
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
アンチョビ「……後攻を選ぶ!」
役人「OK!先攻、ナオミ!後攻、アンチョビ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュララ
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:55:34.41 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=trnOBLGCEeU
3:26
<1回戦 第3試合 先攻 ナオミ VS 後攻 アンチョビ>
ナオミ「後攻の方が 得だからって 迷わず選ぶ ドゥーチェ」
ナオミ「相変わらず貧乏性 甘い考え まるでフルーチェ」ワアァァ!
ナオミ「アンチョビ 盛り上げ上手 でも実力まで盛りすぎ」
ナオミ「ノリだけで突っ切るのは無理があるよリスキー」ワァァァ!
ナオミ「チームワークは抜群だった ツインテールショートヘア」
ナオミ「でも勝負なら手加減抜き 1回戦でとっとと消えな!」ワァ!
ナオミ「アンツィオはパスタ サンダースはポテト 美味しい上に低価格」
ナオミ「でも食材もお客さんも 私がアゲて 勝利をいただく!」ワァァァ!
アンチョビ「その調理する手に巻き付くパスタ 揚げ足でもとりますか」ワァァ!
アンチョビ「低価格というより体たらく 私が勝利をいただく!」ワァァァァ!
アンチョビ「後攻が得? たった今先攻で勝ったぞ カチューシャ」ワァァ!
アンチョビ「そんな計算も出来ないなら ケイより遥か格下」ワァァァ!
アンチョビ「貧乏性より 浪費癖ある金持ち校の方が 見通しが甘い」ワァ
アンチョビ「チームワークは確かに良かったけど 愛おしさは無い」ワァァァ!
アンチョビ「とそれは言い過ぎた でもB’zみたいな 高音でこのビートの」ワァァ
アンチョビ「ココってとこで ノリながら ナオミを速攻で沈めるぞ!」ワァァ
ナオミ「手に巻き付くパスタ? 食べ物を粗末にするんじゃねぇ」
ナオミ「一般的に後攻が得なのに 今の1試合の部分だけ」ワァァ
ナオミ「で判断 だんだん憐れに思えたんだが 算数習ったか?」ワァァァ!
ナオミ「仕方ない 教えてやる イーアルサンスーわかったか?」ワァァァァ!
ナオミ「ところでB’zだったら 好きなのは BLOWIN」
ナオミ「アンツィオ 金のやりくり大変らしいな 苦労人」ワァァ!
ナオミ「でもサンダースが金持ちだからって 決め付けるなよ 浪費癖」
ナオミ「無駄金 使ってたら強豪でいられねぇだろうが もう気付け」ワァァ!
アンチョビ「違うな! 無駄金は使ってる 施設内にトイレ 1000人分」ワァァァ!
アンチョビ「アンツィオで そんな真似しようものなら 全員Boo!」ワァァァァ!
アンチョビ「数の数え方は 知ってるに決まってるだろ いちにーさんしー」
アンチョビ「アンサーのようでちょっとズレてる 行き違い」ワァァァァ!
アンチョビ「苦労人だから頭使って 戦ってきたんだから勝ってる」ワァァ!
アンチョビ「ましてやマイクでの勝負なら余裕だ ヘイヘイ からかってく」ワァァ!
アンチョビ「ちなみに使ったパスタは再利用 もったいない精神」
アンチョビ「そして実力を見せつけてやるぞ このっ大会制し!」ワァァッァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 19:56:12.48 ID:EqKCwBbEo
役人「……早速判定に入ります!まずはお客さん!今の勝負、先攻ナオミが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、アンチョビが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずは後攻アンチョビが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『アンチョビ』」
理事長「『アンチョビ』」
香音「『ナオミ』」
新三郎「『アンチョビ』」
浅井「『ナオミ』」
役人「3対2!勝者!アンチョビ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
アンチョビ「!勝っ…………っと、いかん」
ナオミ「…………」
アンチョビ「………………」チラ
ナオミ「ははっ、なんで申し訳なさそうな顔してるんだ?」
アンチョビ「いや、なんか、ナオミの前で大喜びするのも違うだろ……」
ナオミ「確かにな。1回戦で勝ったくらいで大喜びされるのは違うね」
アンチョビ「え」
ナオミ「でもチームを組んでいたからと言って、私に遠慮して感情を抑えるのも違う。素直になりなよ」
アンチョビ「…………勝ってすごくうれしい」
ナオミ「なら喜べばいい」
アンチョビ「………………いいのか?」
ナオミ「もちろん」ニコリ
アンチョビ「そ、それじゃ……」コホン
アンチョビ「やったーー!勝ったぞぉーーーー!」ワーイ!
ナオミ「大喜びしてるじゃないか」クスッ
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:00:44.78 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
ダージリン「アンチョビさんはフロウが上手ですわね。やはり積極的に指示を飛ばすタイプの方はクチがよく回るのかしら」
杏「あー、なんかそれわかるかも」モグモグ
柚子「カチューシャさんも似たタイプですもんね」
桃「サンダースの隊長もだな。というか指揮官は大体がそうじゃないか?」
ダージリン「わたくしは早口はあまり得意ではないけれど」
杏「ダージリンは呆れるほどマイペースだかんね」
ダージリン「あら、ありがとう」ウフフ
杏「褒めたことになっちった」アッハハ
しほ「いい勝負だったが延長にはならなかったか」
千代「パンチラインの数でアンチョビさんが上回ったという印象ね」
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:01:56.19 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
ミッコ ―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
アッサム ―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
オレンジペコ ―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:02:53.05 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「ではどんどん行きましょう!次はミッコ対愛里寿のバトルです!」
ワァァァ!
ミッコ「へへっ、1回戦で当たるとはラッキーだ。ここで倒してやる」ギラリ
愛里寿「そうですか」
役人「では、先攻後攻のじゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポン
愛里寿「後攻で」
ミッコ「ふふん、私に恐れをなしたか」
愛里寿「……特にあなたに言いたいことがないので」
ミッコ「なにおう!」
役人「先攻後攻が決まったところで……先攻、ミッコ!後攻、愛里寿!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ」シュババッ!
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:07:28.00 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=U02VVVZ00lw
<1回戦 第4試合 先攻 ミッコ VS 後攻 愛里寿>
ミッコ「ここまでの試合 みんな早口じゃね?」
ミッコ「うちらは もっとゆったりバトルしたくね?」
ミッコ「ひたすら喋りまくって ご乱心ですか?」
ミッコ「て感じで言葉詰め込み過ぎて 満員電車」ワァァ!
ミッコ「よりもゆったりとディスり合いの 取っ組み合い」
ミッコ「BPM関係なく 私はとっくにハイ」ワァァ!
ミッコ「ゴスロリで喋りまくるのは 滑稽だぜ?」
ミッコ「しょっぺーだけ このテンポで行こう オッケーだね?」ワァァァ!
愛里寿「あんたのラップ 最初からBPMどうこう」
愛里寿「言わずとも つまらないねスローモーション」ワァァァ!
愛里寿「大したパンチライン無いのに 手数犠牲にする」
愛里寿「カッコだけの横綱相撲 楽な相手 露骨な無能」ワアァァァ!
愛里寿「低レベルで余裕ぶるのは 愚の滑稽だ」
愛里寿「力をあとにとっとこうか それともあえての特攻か」
愛里寿「岐路は行き止まり 延長狙いの 引き延ばしか?」
愛里寿「身の程知らず 蜘蛛の子散らす ように弾き飛ばした 客」ワァァァァ!
ミッコ「言葉遣い注意しろ 中1を ようやく過ぎた頃だろ?」ワァ
ミッコ「無能とか軽々しく使うんじゃねぇよ このアホ!」ワァァ!
ミッコ「舐めるなよ 継続とミッコのこと」
ミッコ「社会勉強のために怖いとこ 見せようか いっそのこと」ワァァァ!
ミッコ「横綱相撲は おめぇの方じゃねぇか!負けたくせによ!」
ミッコ「ファイナリストが偉いわけじゃねぇ てかまず挨拶しろ!」ワァァ!
ミッコ「上下関係わかんねぇと大学で苦労するぞ クソガキ」
ミッコ「せいぜい卒業まで無事でいられるように願掛けで食っとけ 太巻き!」ワァァァ!
愛里寿「1バースだけみたい ゆったりタイム終了」ワァァ!
愛里寿「脳に負担? 勝率なんか 下がる一方で だいぶ苦痛と」ワァァァ!
愛里寿「判断したらしいけど 恥ずかしい 言い出しっぺ」
愛里寿「前言撤回なら出せ両腕 左か右かしっぺ」ワァァァ!
愛里寿「罰ゲーム逃げて隠れる ブレること言いバックレる」
愛里寿「社会勉強 大丈夫 見てないよ 甘い幻想」ワァァァ!
愛里寿「ミッコ ダサい迷走 破壊、清掃 忙しい」ワァァァ!
愛里寿「1人じゃ辛いか? モロ弱体化 いとおかし」ワァァァア!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:08:12.23 ID:EqKCwBbEo
ミッコ「くっ……!」
愛里寿「………………」
役人「では判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、ミッコが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、愛里寿が勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「まずは愛里寿が1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『愛里寿』」
理事長「『愛里寿』」
香音「『愛里寿』」
新三郎「『愛里寿』」
浅井「『愛里寿』」
役人「勝者!後攻、愛里寿〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!!
ミッコ「やっぱりか!くっそー!」
愛里寿「………………」
愛里寿(負けるわけには行かない。決勝でみほさんと戦うんだ)ギラッ
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:08:53.91 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「……愛里寿ちゃんはミッコさんの誘いに乗らずにマイペースを貫いた感じでしたね」
杏「ゆっくりでも戦えないことないんだろうけどね。でも普通のスタイルで相手の提案を崩すことで優位性のアピールになったね」
ダージリン「2バース目のミッコさんは明らかに1バース目の余裕が失われていたものね」
優花里「相手の土俵に乗らず、むしろ引っ張り込んだ形ですか……奥が深いですねぇ!」
しほ「やはり強いなちよきちの娘は……」チラ
シーン..
しほ「ん?ちよきち?どこに行った?」
しほ「トイレか?だとしても、中座するのなら一言あってしかるべき……」ハッ
しほ「ということは…………大きい方をするつもりか……!?」ガガーン
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:09:25.61 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
アッサム ―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
オレンジペコ ―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:11:15.30 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「次の試合は……」
アッサム「」ザッ
ケイ「♪」ザッ!
役人「アッサム対ケイのバトルです!」
ワァァァァ!
ケイ「最初はグー!」
アッサム「っ…!?」ジャンケンポン
役人「それでは先攻後攻…」
ケイ「後攻プリーズ!」
役人「あ、もうじゃんけんしたんですね。わ、わかりました……こほん」
役人「1回戦第5試合、先攻、アッサム!後攻、ケイ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルル!
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:21:43.90 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=N6PUE2NrICc
2:00くらい(4ターン終了時)
<1回戦 第5試合 先攻アッサム VS 後攻ケイ>
アッサム「ノリだけのリーダーへのメッセージ」
アッサム「徹底的に勝つ 防御は鉄壁」ワァァ!
アッサム「攻めも守りも 損も得も」
アッサム「関係ない 踊らない あなたのコントロール」ワアァ!
アッサム「コント勝負 のような おちゃらけ」
アッサム「する気もない 勝利こそ定め」ワァァァ!
アッサム「だからケイはおしまい フェイクのまま」
アッサム「聖グロだから 作る メイクドラマ」ワァァァ!
ケイ「韻が固い!やばいやばい!」
ケイ「でもそのメイクドラマ やらせみたい」ワァァ!
ケイ「自信が無いから 守りを固めちゃう」
ケイ「大事なとこですぐ やられちゃう」ワァァァ!
ケイ「フェイクだった時 一度もないよ?」
ケイ「憶測じゃなくてさ ちゃんとしないと」ワァァ!
ケイ「韻たくさん踏んだならば勝ち?」
ケイ「NO! ペコちゃんも言ってたね 『ばかちん!』」ワァァァ!
アッサム「全体的に いい加減 マイペース」
アッサム「いつかクビ狙われる 着なさい ハイネック」ワァァ!
アッサム「I REP フリースタイルバトル」ワァ
アッサム「だから戦い 勝ちを重ねとく」ワァァ
アッサム「落ち着き払った所作で 初戦突破」
アッサム「ドバドバのアドレナリンで酔った」ワァ
アッサム「背負った聖グロの旗印」
アッサム「負けること自体が ギルティ」ワァ!
ケイ「お客さん この子もう言うことないみたい」ワァァァ!
ケイ「フラフラ迷いながらバース消化」ワァァ!
ケイ「でも気にせず 勝負 挑んでく」
ケイ「あなたは やる気もリボンも しぼんでる」ワアァァァ!
ケイ「いつも履いてるのは 黒タイツ」
ケイ「伝線しないようにね グッドラック」ワァァァ!
ケイ「今日も着てるね 紺色のセーター」
ケイ「私はケイ 金色(こんじき)のリーダー!」ワァァァァ!!!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!!
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:24:44.38 ID:EqKCwBbEo
アッサム「…………っ」
ケイ「ふぃー」
役人「では判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、アッサムが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「……後攻、ケイが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「まずはが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『ケイ』」
理事長「『ケイ』」
香音「『ケイ』」
新三郎「『アッサム』」
浅井「『ケイ』」
役人「勝者!ケイ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
ケイ「イエーイ!サンキュー!」
【2階席】
杏「いっひひ。おケイらしい勝ち方だねぇ」
ダージリン「彼女の2ターン目の『この子言うことないみたい』が的を射ているように感じてしまったわね」
杏「だから先攻は難しいんだよねー。攻撃する、あるいは自分の力を誇示したり目的を表明するなりしないと、フワッとした曖昧な印象しか残せない」
ダージリン「…となると相手の攻撃をどうアンサーするかの戦いになってしまう。これでは先攻でありながら1ターン少ない後攻のようなものね」
優花里「なるほど……」
杏「ライミングで攻めてもライミングで反撃しないから、2バース目以降をどう返せばいいか悩ましいよね。冷泉ちゃんは前におケイに勝ってるけど、それはライミングに圧倒的な自信があるからなわけで、そうでもなければ攻め手に欠くよねぃ」
ダージリン「アッサムには聖グロリアーナの代表として頑張ってほしかったけれど……残念だわ」
杏「あ、そういえば次の試合…」
ダージリン「ええ。オレンジペコが出るわ」
杏「……個人的にはさ、オレンジペコちゃん最強クラスのイメージあるんだよね」
ダージリン「あら。最大の賛辞ね」
杏「西住ちゃんとのコンビでもそうだけど、相手の嫌がるところを突くのが上手いし、ライミングもこなせるから」
ダージリン「うふふ、我がことのように嬉しいわ」
杏「……ただ、1回戦の相手が西住ちゃんのおねーさんってのがねぇ」
ダージリン「……そうね。わたくしの見立てでも、ペコが最強クラスであると思うけれど、まほさんも最強クラスであるのは間違いないわ」
杏「優勝した勢いはオレンジペコちゃんにある。お客さんの支持もそう。でも油断できる相手じゃない」
ダージリン「だからこそ、一分の隙も作らず、全力で勝ってくれると信じてるわ」
杏「………………」
杏(準決勝とかもっと先で観たいカードだったけど……さて、一体どうなるのかな)
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:25:18.25 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
オレンジペコ ―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:25:57.40 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「それでは1回戦 第6試合は…………オレンジペコ対西住まほ!」
ワァァァァァ!!
オレンジペコ「…………」
まほ「…………」
オレンジペコ(いきなり嫌な相手とですね……8小節2ターンが功を奏すかあるいは裏目に出るか……)
役人「早速始めましょう!先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポン
まほ「……後攻で」
オレンジペコ(……なるほど。私を侮ってはいない様子ですね。それはこちらも同じ。全力で戦わなければあっさり負ける危険のある相手と捉えています。初っ端から本気で勝ちに行きます)ギラリ
役人「OK!先攻、オレンジペコ!後攻、西住まほ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュリリリ
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:30:09.31 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=gdXiDGICNHg&t=16s
2:57
<1回戦 第6試合 先攻 オレンジペコ VS 後攻 西住まほ>
オレンジペコ「準決前に純潔を散らしちゃった 無冠の女帝さん」ワァァ!
オレンジペコ「ムカつくというか虚無感でしょ 狂っちゃったよ計算」ワァァア!
オレンジペコ「相方のカチューシャさんばかり 敗因にされて可哀想」
オレンジペコ「で自分は精一杯やった感じ それ非常に卑怯じゃないですか?」ワァァァ!
オレンジペコ「しかも途中チームワークが崩壊 強気同士はどうしようもない」
オレンジペコ「折衝役がいないと結局負ける チームで決闘の場合」ワァァ!
オレンジペコ「MIH×O×RENGE 見て したらいいですよ お勉強」
オレンジペコ「先輩方 差し置いて優勝しちゃって ごめんよー」ワァァァ!
まほ「優勝して見た景色が お前をそうさせたのか」
まほ「困惑してしまう 的(まと)と同じように 外せ色眼鏡」ワァァ!
まほ「敗因 人のせいにしてねぇ お前が勝手にそう感じてるんだろうが!」ワァァァ!
まほ「虚無感なんて一生無い 常に先と上を見据えるからな!」ワァァァァ!
まほ「優勝した瞬間 頂上は通過点になる そしてまた走る」ワァァ!
まほ「安堵しながら 一休み気分のお前とは違うんだよ!」ワァァァァ!
まほ「MIH×O×RENGEの勝因を自分の成果と勘違い」
まほ「アドバイスのお礼に 黒い色を付けて叩き返してやるよ」ワァァァ!
オレンジペコ「早口で弁明 それだけ記憶が鮮明なわけですね」ワァァ
オレンジペコ「チームワークの件はノーアンサー ごく自然に使う黙秘権」ワァァ!
オレンジペコ「あのー、私が勝因なんて 一言たりとも言ってませんけど?」
オレンジペコ「あなたが勝手にそう感じてるんでしょうが!」ワァァァ!
オレンジペコ「虚無感が無いんですか それってなんか人間味ない自慢?」
オレンジペコ「『全然寝てなくて〜』みたいな意味不明のダサイ感じ」ワァァ!
オレンジペコ「優勝したことないくせに 頂上が通過点?」
オレンジペコ「予想か想像か妄想か病状か とにかくなんつーか変です」ワァッァア!
まほ「優勝なら経験済み 戦車道で何度もしてる」ワァァァ!
まほ「お前は ここ数年の記憶が曖昧らしいな!」ワァァァ!
まほ「睡眠時間の話なんて 全然関係ねぇ」
まほ「寝てないのはお前だろ ずっと寝ぼけたこと言ってやがる!」ワァァアァア!
まほ「チームワークの話は ほんの些細なミス」
まほ「ミスが1つも許せないのか? 人間味が無いのはどっちだよ!」ワァァァッァ!
まほ「お前は 使っていいよ黙秘権 だがよく聴け」ワァァ
まほ「この会場 判定で耳にする声が お前に下される現実だ!」ワァァァァァア!!!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:31:16.41 ID:EqKCwBbEo
役人「……えー、では判定に入ります!先攻、オレンジペコが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「後攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァァァ!!!
オレンジペコ「っ……」
役人「まずは後攻、西住まほに1ポイントが入ります!では審査員……………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『西住まほ』」
理事長「『西住まほ』」
香音「『西住まほ』」
新三郎「『西住まほ』」
浅井「『西住まほ』」
役人「勝者!西住まほ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
まほ「…………」フゥ
オレンジペコ「………………あの、ありがとうございました」スッ
まほ「ああ、こちらこそありがとう」ガシッ
オレンジペコ(正直、2ON2で優勝出来たし、勢いはこちらにあるから勝てると思ったんですけど……まるで通用しなかった)
オレンジペコ(強いなぁ…………この人……)クス
まほ「?なにか」
オレンジペコ「いえ。このあとも頑張ってください」
まほ「ああ。ありがとう」
オレンジペコ(これで聖グロは全滅……申し訳ありませんダージリン様)
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:34:19.32 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「みぽりんのお姉さんすごい!強い!」
優花里「これは……まさに花を生ける時の力強さですね」
沙織「……ゆかりん?何を華みたいなことを……って!」
優花里「………………」
華「………………」
沙織「…………ゆかりんの後ろにピッタリくっついてゆかりんが言ったみたいにしたわけね」ハァ
華「うふふ。バレては仕方ありませんね」ニッコリ
沙織「何の意味があるのよもー。ゆかりんも付き合わなくていいからね」
優花里「はあ……でも五十鈴殿が『素晴らしいアイデアを思い付きました!』と言われたのでつい……」
杏「ほんとほんと、超魔術みたいなアイデアだったと思うよー?」
華「ほら!」
沙織「……いや、会長適当言ってるだけだから」
杏「あっはは」
ダージリン「それにしても今の試合……正直驚いたわ。負けるとしても延長にもつれこんで、という形だと予想していたけれど……」
杏「オレンジペコさんはかなりいい感じだった。1バース目なんか絶好調で、このままの勢いで勝つんじゃないかって思わせるほどに。でも西住ちゃんのお姉ちゃんの、あの空気を一気に変える感じ……やばいね。おケイに通じるものがあるよ。だからこそ2回戦でその2人が対戦するのが楽しみだけど」
しほ「………………」
しほ(ちよきち……私に何も告げず、メールも置手紙もせずにいなくなる……トイレなのは間違いないだろうが、だとしても一言あってしかるべきだろう)
しほ(それが無いということは……誘拐……いや、まさか……)
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:34:50.71 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
エリカ ―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
??? ――――
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:35:29.46 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「次の試合は〜〜〜!エリカ対カルパッチョ〜〜!」
ワァァッァア!
エリカ「………………」
エリカ(こいつとは初対戦だけど、ライムを連発するスタイルなのはREZEと同じ。だったら対処法は出来てるわ!)ギラリ
カルパッチョ「………………」
カルパッチョ(この人はバイブスが高い上にライミングも上手。厄介な相手ですね)
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン!
エリカ「!後攻よ!」
役人「OK!先攻、カルパッチョ!後攻、エリカ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」シュビビビ!
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:41:12.39 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=sXjxkTQ6p1Y
2:46
<1回戦 第7試合 先攻 カルパッチョ VS 後攻 エリカ>
カルパッチョ「先攻カルパッチョ 韻が先行 みんなセッション」ワァァ
カルパッチョ「進化面倒 がる子 置いて 走り出す 銀河鉄道」ワァァァ
カルパッチョ「軽くウォーミングアップ 押韻、スラング」
カルパッチョ「高みを目指そうキングカズ」ワァァァ!
カルパッチョ「エリカは 大体 オラオラ系」
カルパッチョ「古すぎる マイアヒ 飲ま飲まイェイ」ワァァァ!
カルパッチョ「全然 洗練 されてない流派」
カルパッチョ「足りないのは工夫か? またはIQだ」ワァァァ!
エリカ「何が言いたいの!? ハッキリしなさいよ!」ワァ!
エリカ「ライミングしたいだけで内容に 意味がないの?」ワァァァ!
エリカ「なんでもいいわよ オラオラ系でもガテン系でも」
エリカ「ただ飲ま飲まイェイより私は 俄然Yeah」ワァァァ
エリカ「韻はすごいけど 内容がスカスカ」ワァ
エリカ「なんで突然出てくるの キングカズが」ワァァ!
エリカ「1回戦負け 残念 あんたはここで最終回」
エリカ「カルパッチョに足りないのはバトルIQだ!」ワァァァ!
カルパッチョ「私に足りないのは バトルIQ?」
カルパッチョ「いえいえ、それは国外級」ワァァァ!
カルパッチョ「キングカズぐらい ストイックに スッといく」ワァァァ!
カルパッチョ「スト行くよりもずっと密に 精神性はストリップ」ワァァァァ!
カルパッチョ「さらけ出したまま投げ出しはせずに 優勝まで駆け」
カルパッチョ「You超ダメ 夢遊病者へ 告げるよ 終了だね」ワァァア!
カルパッチョ「エリカもスタイル中途半端だ 有毒なんだか」ワァァ
カルパッチョ「韻踏みたいのか どっちかね? 陳腐に最後は どっちらけ」ワァァァ!
エリカ「どっちらけ? はあ!?それは こっちのセリフ!」
エリカ「韻だけ適当な味付け 意志の薄いエキス」ワァァ!
エリカ「夢遊病者? 突然のワード 理解不能」ワァァ
エリカ「そのくせ 『さらけ出してる』とか 痛いっつーの!」ワァァァ!
エリカ「ちゃらんぽらんな アンツィオが ストイック?」
エリカ「あんたこそ ニセモノの匂いしか感じない クソ陳腐!」ワァァア!
エリカ「こっちは 真剣な想いを ぶつける相手を欲してる!」
エリカ「それが あんたじゃないってことは よく知ってる!」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァア!
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:41:39.08 ID:EqKCwBbEo
役人「では判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、カルパッチョが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「……後攻、エリカが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
エリカ「…………」チッ
役人「まずはカルパッチョが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『エリカ』」
理事長「『エリカ』」
香音「『エリカ』」
新三郎「『カルパッチョ』」
浅井「『エリカ』」
エリカ「っし!」グッ
カルパッチョ「…………っ」
役人「審査員は4対1でエリカを支持!ということで延長戦です!」ワァァァ
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:43:38.63 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「4対1って結構な差じゃん」
華「まさにメガ盛りと小ライス、ですね」
優花里「私はカルパッチョさんが韻をたくさん踏んでいて心地よかったのですけどねぇ」
杏「それが難しいとこなんだよねぃ。韻踏んでりゃーいいわけじゃない。アンサーで言ったら逸見エリカの方が返せてたし」
ダージリン「でもあれだけライミング出来るテクニックは評価されてしかるべきだけれどね」
沙織「…………あれ?」
華「どうしたんですか沙織さん?また体重が増えたと気付いた時のような顔をして」
沙織「そんな顔してないもん!あれ……」
華「?」
しほ「………………」
華「みほさんのお母様ですわね」
沙織「さっきまで一緒に観てたのに、いつの間にかちょっと離れたところにいる……しかも愛里寿ちゃんのお母さんがいないね」
優花里「何故移動したのでしょうかねぇ」
沙織「わかんない……でもなんかすっごい真面目な顔してステージ見てるし、そっとしておいた方がよさそう」
優花里「……確かにそうですねぇ。しかしバトルを観て、西住殿のお母さんがどのように考えているのか……気になりますぅ」
桃「それは私も同感だが、話しかけて邪魔をするのはやめた方がいいだろう」
沙織「ですね」
しほ「………………」
しほ(ちよきちがいなくなってしまった今、1人でとても寂しいわ)
しほ(今まで通り大洗の子たちと一緒にいれば賑やかで楽しそうだけれど……ちよきちがいなくなってしまった今、私だけ混ざるのは危険)
しほ(何故なら、会話をした際に、イマドキの子には通用しないおばさんっぽい言葉遣いをしてしまった場合、みほの今後の学校生活に響くかもしれない)
しほ(いえ……それ以前に、死語を死語と知らずに使ってしまった時の周りの冷めた反応が怖いわ。家元でもその怖さはおんなじ)
しほ(つまり私に出来ることは、こちらからあの子たちに近付かず、なおかつ向こうから話しかけられることの無いように、怖い顔を保ちつつ腕組みをして威圧感を出し、さも何か深いことを考えているであろうと思わせるために、時折意味も無く頷いたり首を横に振ったりするしかないわ)
しほ(並行して試合観戦もしなければいけない。やることは山ほどある。それもこれもちよきちがいなくなったせいね。今度串カツか焼き鳥か……串系のモノをご馳走してもらわないといけないわ)フゥ
【ステージ】
役人「延長戦のじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
カルパッチョ「……後攻にします」
役人「OK!先攻、エリカ!後攻、カルパッチョ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュキュ!
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:47:04.44 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=4QeFdEbd3i4
2:55
<1回戦 第7試合 先攻 エリカ VS 後攻 カルパッチョ 延長戦>
エリカ「今度こそ まともな会話しましょうか!」ワァァ
エリカ「そうでないなら この場で登録抹消だ」ワァァァ!
エリカ「私は悠々と進む 優勝への 道のり」
エリカ「あんたアンツィオのくせに足りない ノリと勢い」ワァァ!
エリカ「意気込み 見えない 勝つ気あるわけ?」
エリカ「こっちは全力全開 差を見せつけるだけ!」ワァァ!
エリカ「ライム戦隊 ちゃんと合わせなさいよ 辻褄」
エリカ「じゃなきゃ 家に帰ってアニメ観てろ プリキュア」ワァァァ!
カルパッチョ「辻褄で踏むために 無理くりプリキュア」
カルパッチョ「家に帰るより歌う フニクリ・フニクラ」ワァァァ!
カルパッチョ「こんなライムでお客さん 次々クビ振らす」ワァァァ!
カルパッチョ「ノリノリにさせちゃう スキルに振り向かす」ワァァァァ!
カルパッチョ「それで全力? 息切れの めんどくさい子」
カルパッチョ「支持してくれた審査員に 面目ないよ?」ワァァァ!
カルパッチョ「あんたのスタイル好きなのは ヤンキーのみ」
カルパッチョ「キーキー喚く お猿さん 食べなさい バナナや木の実」ワァァァア!
エリカ「あんたは 私をマジで怒らせた」
エリカ「無駄な抵抗は そこまでだ」ワァァ!
エリカ「原則 減速なんてしない 加速あるのみ」
エリカ「歯向かうつもりなら 早速狩るのみ」ワァァ!
エリカ「『踏むために 無理くり』って あんたが散々やってたでしょうが!」
エリカ「自分の吐いた言葉 思い返してから言ってこいっつんてんだよ!」ワァ!
エリカ「調子乗ってっと顔中に 真っ赤なトマトソース」
エリカ「ぶっかけたみたいな状態にすんぞ 入院コースだオラ!」ワァァ!
カルパッチョ「これ言葉の争い合い まだ理解してない? あらそう意外」ワァァ!
カルパッチョ「なら折り合い つけないと わかるかな相違ない?」ワァァァ!
カルパッチョ「観客からは好感触 ライミング 超感覚」ワァァ!
カルパッチョ「総監督より相談役向き 冗談無く 商談勝つ」ワァァァァ!
カルパッチョ「エリカ 加速しても方向適当 まるで痴呆症」ワァァ
カルパッチョ「丁稚奉公(でっちぼうこう)からやり直してほしい どいて素人」ワァァァ! ※丁稚奉公・・・年少時から、職人や商人などの家に住み込みで働き、雑用に従事すること
カルパッチョ「後半は聞くに堪えない 罵声、罵倒」
カルパッチョ「だせぇアホ 2回戦 行くのは私 渡せ、バトン」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:47:46.03 ID:EqKCwBbEo
エリカ「くっ!」チッ
カルパッチョ「ふー……」
役人「では!延長戦の判定に入ります!」
役人「まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、エリカが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「……後攻、カルパッチョが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「まずはカルパッチョが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『カルパッチョ』」
理事長「『カルパッチョ』」
香音「『カルパッチョ』」
新三郎「『カルパッチョ』」
浅井「『カルパッチョ』」
役人「勝者!カルパッチョ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
カルパッチョ「……よし」
エリカ「……………ちょっとあんた」
カルパッチョ「え?」ビクッ
エリカ「私に勝ったんだから、いいところまでいきなさいよね」
カルパッチョ「は、はい。そのつもり……です」
カルパッチョ(優勝しなさいと言わないのは、私では無理だと思っているからでしょうか?だとしたら…………悔しいですね)
カルパッチョ(今の言葉をいい意味で裏切って、優勝したいという気持ちが強く湧いてきました)グッ..
エリカ「………………」
エリカ(ここで勝ってれば、みほと戦えたかもしれなかったのに……私、何やってんのよ)ハァ..
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:48:28.34 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
沙織「そろそろみぽりんが出てくる頃かなあ?」
華「そうですね。おそら…」
優花里「にしずみどのぉ〜!素敵ですぅーーー!!」ウォォォォォ!!
沙織「ちょ、ちょっとちょっと。まだ出てきてないってば」
優花里「いえ!私にはわかります!ステージ上に西住殿の姿はなくとも、西住殿の匂いはステージに漂っていますぅ!」
沙織「それだとみぽりんが体臭きついみたいに聞こえちゃうからやめたげて」
華「しかし……対戦相手は『はてなはてなはてな』のままですが……一体どなたがみほさんと戦うのでしょうか?」
杏「そういやそーだね。ダージリンは誰だと思う?」
ダージリン「時間が経てば嫌でもわかるはずよ」クスッ
杏「いや、そういうのいいから。ダージリンの予想を聞かせてってば」
ダージリン「……みほさんが驚く相手でしょうね」
杏「漠然としてんね。個人名でハッキリ教えてよ」
ダージリン「………………今のご時世、個人情報はおいそれと出せないわ」
杏「……あっれー?もしかして予想を外すのが怖い〜?」ニヒ
ダージリン「……いいえ」
杏「じゃ言ってよ。ほい」
ダージリン「そう……怖いのは私の予想が外れることではないわ。みほさんの対戦相手が予想の範囲外の人物であった場合、果たしてみほさんは正常な精神状態で戦えるのか……全力を出し切れないのではないかと思うと…………私はそれがとても怖いわ」
杏「………やっぱダージリンめんどくさーい。そしてひきょーものー」
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:49:20.94 ID:EqKCwBbEo
ダージリン「……ふふ、今は卑怯者のレッテルをあえて受けましょう。ですが、試合後には全てが覆さ…」
華「会長はどなただと思いますか?」
杏「んー……なんとなく思い浮かんだのは……」チラ
華「?」チラ
しほ「…………」キリッ
華「みほさんのお母様ですか?花を生け損なったような表情をしている…」
杏「凛々しい感じなのに生け損なってんだ」アハハ
華「あら?でも今この場にいたのではステージに行くまで時間がかかってしまいますが……」
杏「あぁ、違う違う。私の予想は西住ちゃんのお母さんじゃなくて……」
華「?」
杏「……少し前から姿を消してるあの人かなって」
華「…………あっ、なるほど!お笑い芸人さんの…!」
杏「ちげーから。最近テレビ出てないとかじゃなくて、さっきまであそこで一緒に観戦してた人がいるでしょ?」
華「?……あ、島田千代さんですか?」
杏「そ。急にいなくなったんでしょ?変だなと思って」
ダージリン「……うふふ。さすが杏さんね。私の予想と近いわ」
杏「近いってことは一緒じゃないんだ?誰なの?」
ダージリン「今は近いとしか言えないわね」ウフフ
杏「はいはい」
桂利奈「私はここにいる」
あゆみ「わ、急にどうしたの?」
あや「ハルヒに出てくるセリフ?」
桂利奈「……いや、なんかまた前みたいに、この場にいない子扱いされてる気がして……」
優季「そんなことないよ〜?」
梓「うんうん!桂利奈ちゃんすっごい声出してたし、私たちに解説っぽい感じのことしてくれたもん」
桂利奈「……そう?ならよかったー!」
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:50:35.45 ID:EqKCwBbEo
【舞台袖】
みほ「………………」
みほ(もうそろそろ出番だけど、相手がわからないのってすっごい不安だよー)ドキドキ
ザワ..
みほ(?なんかざわついてるけど……?)
役人「で、ではMIHO!入場してください!」
みほ(呼ばれた……何がなんだかわかんないけど、行こう!)タッ
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:51:51.64 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
みほ「………………」
みほ「!!」
みほ(対戦相手が立つべき場所にいるあの人は……!)
千代「………………」
みほ(愛里寿さんのお母さん!?確か昔ラップやってたとは聞いてるけど!)
千代「………………」ジー
みほ「っ……」
みほ(すごい迫力……あの人と戦うの……!?)ゴクリ
役人「え、ええと……?」
千代「マイクを貸してください」
役人「え?は、はい」
千代「……あー、あー。ワンツー。マイクチェックワンツー。ツェー、ハッ!」
役人「………………」
千代「……会場のみなさん、私が何故この場に立っているか、疑問にお思いでしょう。いえ、中にはわかっている方もいるかもしれません。そしてわかっていられない方もいるでしょう。2パターンあるわけですね」
ザワザワ..
みほ(私はわかってない方のパターンに入っちゃってる。どうなるんだろう)ドキドキ
千代「結論から言います」
千代「MIHOさんの対戦相手は………………あなたよ!RENTA THE FUTURE!」ビシィッ!
役人「!!」
みほ「?」
役人「わ、私が……ですか!?」
千代「そうよ」
みほ「ええっ!?」
みほ(この役人さんとバトルするの!?)
千代「私はその間、代役として司会を務めさせていただくわ。みなさん、よろしく!」ワァァァァ!
役人「い、一体どうしてこんなことに……?」
みほ(……この人も聞かされてなかったんだ。サプライズってやつかな)
千代「前回大会後の打ち上げで言っていたらしいじゃない。自分もバトルがしてみたい、と」
役人「それはそうですが……何分、急な話で正常な思考が保てておりません」アセッ
千代「そう……そのようなザマではバトルが成り立たないわよ」
役人「!」
千代「……急なことなのは当然。あなたが会場を押さえる時間を間違えたことで生まれた時間だもの。でもその結果、あなたがバトルに参加するチャンスを得られた」
役人「………………」
千代「あなたがフリースタイルバトルに熱中しただけに留まらず行動したおかげで、このような大会を開催できたのだから、その功労者としての特別枠、という措置ね」
役人「………………」ゴクリ
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 20:54:32.85 ID:EqKCwBbEo
千代「あとはあなたが決めるだけよ。どうするの?」
役人「わ、私は……」
役人(こんな豪華なステージの上で司会が出来るだけでも気分が高揚しているというのに、バトルまで出来るなんて……あまりにも贅沢が過ぎるのでは……?)
千代「……参加しないのであれば、私が代わりに参戦してもいいけれど」
役人「っ!?で、出たいです!バトルをさせてください!お願いいたします!」ペコッ!
千代「………わかりました」フフッ
みほ(戦う私にはなんの拒否権も無いんだ)ホーゥ
千代「MCネームは………RENTA THE FUTUREでいいのかしら?」
役人「…………いえ、RENTA 365(れんた さんろくごー)でお願いします」
千代「わかったわ!それではそろそろ試合を始めます!MIHOさん、準備はいいかしら?」
みほ「あ、はい」
みほ(なんか色々急すぎてついていけない部分はあるけど)
役人「………………」
みほ「………………」
みほ(この人と戦うんだ……)
みほ「……………………そういえば」ボソ
みほ(……大洗が廃校の危機になったのって、この人が廃校にするように動き出したことが大きな原因だったっけ……)
みほ(そう考えると……なんか…………)
役人「まさかバトルが出来るとは……練習しておいてよかった。しかし、もし私がこのまま優勝してしまったら空気がしらけてしまうのではないだろうか。いや、今はそのような気配りよりも集中しなければ……」ブツブツ
みほ「……………………」
みほ(絶対負けたくない気持ちが……すっごく湧いてきた!)ギラリ
千代「よろしい。それでは先攻後攻じゃんけんをしてください!」
ジャンケンポン
役人「!ええと……後攻で様子見をさせていただきます」
千代「OK!それでは1回戦 第8試合、先攻、MIHO!後攻、RENTA 365!DJルミ……やぁっておしまい!」
ルミ「え……?」
千代「…………何をしているの?合図したでしょう?」
ルミ「あ……え……っと?やっておしまいが合図、ですか?」
しほ(ちよきちが何処にいるか、わかったのは良かったが……そう思った矢先!)
しほ(おばさんくさいことを言ったらイマドキの子にのけ者にされるというのに!よりによって公の場で!)
しほ(しかし……ここで私が『それはドロンジョ様の名言。DJルミさん、早く始めないとおしおきするわよ』とでもフォローしようものなら……私までイマドキの子に……)クッ
千代「……いいわ。今までのやり方を踏襲します。では気を取り直して……」コホン
千代「先攻、MIHO!後攻、RENTA 365!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「…………」キュルルッ!
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:02:32.29 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=JWzS3mgpJms
4:00
<1回戦 第8試合 先攻 MIHO VS 後攻 RENTA 365>
みほ「サプライズで登場してきた男 RENTA 365」
みほ「優勝どころかプライズも手にさせない 一生 一勝も無理 変な貫録を」ワァァァ!
みほ「見せようとして 空回りがオチ 頭わりー野郎へ つい 落とす鉄槌」
みほ「出る杭 打とうとして指をトンカチで殴ったくち 消しカスにする へっつい」ワァァァ! ※へっつい・・・かまど
みほ「高校生相手に おとなげない 廃校提案 全く愛情ねーな」ワァァ
みほ「はいそーですか 言えるわけない ムカつく 大体毎回態度デカイ」ワァァァ!
みほ「廃校阻止のため戦車道 メンバーほぼ1から 戦力内外」
みほ「ひっくるめ 必死に優勝したんだ 全国大会! それなのに!」ワァァァァ!
役人「YO!今はバトルだ そんなの関係ないだろ MIHO」
役人「そんないざこざ 聞き飽きた 何度も何度もあったよ過去にも」
役人「こちらは仕事 キミらも自分で自分に責任持ってから言え!」
役人「Yeah! 大人をなめたら痛い目見る 別に腹いせじゃないんだぜ!」
役人「頭悪い野郎とか言ってるが 文科省の局長ですけど!?」ワァァ!
役人「極上のライムを見せて 会場をブチ上げる! それが特上!」ワァ!
役人「プライズはUFOキャッチャーの景品 そう ゲームセンター」
役人「だからどうした? 年上に対する口調が大体無礼だ!」ワァ!
みほ「大体無礼だ バトル 社会で幅とる役人 でもあなたバイプレイヤー」ワァァァ! ※バイプレイヤー・・・脇役
みほ「主役になれず ライムは振り撒けず 客はクビ下げる あなた負ける!」ワァァァ!
みほ「今までバトル見てたくせに口調をつつく このメガネ 度も胸も無い」
みほ「つまり度胸がない 即興じゃないよりはマシだけど ほぼ素で弱い」ワァァア!
みほ「口約束 とか言い 次なる酷 な条件 突き出すオス しかも姑息」ワァァ!
みほ「そんな局長 曲調に合わせられもしない ちょん切るべきかも局部を」ワァアァァ!
みほ「偽(にせ) 誤り 蝕む 偽・誤・蝕(ぎ・ご・しょく) の三国志! 不義で最後は残酷死!」ワァァァァァ!
みほ「昭和生まれのクソメガネ 正月までお風呂で泣け!」ワァァァァァ!
役人「……言いたい放題状態 なんとかしてくれよ兄弟…」
役人「とか言わないぜ RENTA 365!見せつけてやるぜ貫録を!」
役人「監督を!そうつまり野球の監督みたいに視野が広いぜ!」
役人「MIHOが何言おうと気にしない そんなプレッシャー 追い越してく!」
役人「胃が痛いとしても意外じゃないし 理解して 終いには西住姉妹に勝つ!」ワァァ!
役人「カツ丼みたいな卵 そうつまり政治家の卵みたいな感じ」
役人「このステージ上でカマボコみたいな そう 板の上で 戦うMCだぜ!」ワァ
役人「曲調には余裕で そう 猶予ありまくりで言うよ だから注目!」ワァ
千代「おやめなさい!」
ワァァァァ!
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:03:08.35 ID:EqKCwBbEo
みほ「はぁ……はぁ……」
役人「…………ぐふっ」ガクッ
千代「……まだ判定が終わっていないわ。シャキッとしなさい。24時間働ける感じで!」
役人「は、はい!」ビシッ!
千代「よろしい!では判定に入ります!まずはお客さん!先攻、MIHOが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!!
千代「……はい。では後攻、RENTA 365が勝ったと思う人!」
ワァ..
千代「まずはMIHOに1ポイント入ります。それでは審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「『MIHO』」
理事長「『MIHO』」
香音「『MIHO』」
新三郎「『MIHO』」
浅井「『MIHO』」
千代「勝者!MIHO〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
みほ「…………」ホッ
役人「やっぱり……ダメでしたか……」ガックリ
みほ(……本気で落ち込んでる。それだけフリースタイルバトルに強い想いを持ってるんだ)
みほ(大洗を廃校にしようとしたり、メガネが邪魔で眼球がよく見えなかったりしてたけど……もしかしたら意外と純粋な人なのかも)
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:04:16.00 ID:EqKCwBbEo
みほ(……廃校の件は理不尽で嫌な思いをしたけど……)
みほ(それとフリースタイルバトルは……別の話だよね)スッ
役人「…………え?MIHO……さん?」
みほ「あの……試合後の握手を……」
役人「あっ!そ、そうですね!」
みほ「……ありがとうございました」
役人「こちらこそありがとう。全力でぶつかってきてくれて嬉しかったよ」ガシッ
千代「……万々歳ね」フフッ
千代「みなさん!このあとは引き続き、RENTA 365が司会を務めます!短い間でしたが、ありがとうございました!」ペコリ
ワアァァァ!
役人「CHIYO CARLITOさん……」
千代「その名で呼ぶのはやめなさい。あとは任せたわよ」スッ..
役人「はい!」
役人「………………えー、バトルでは負けましたが、このあとも司会を頑張らせてもらいます!まだまだシングル戦は盛り上がっていくぜ!うぇいよー!」
ワァァァァァ!
【2階席】
沙織「みぽりんすごい迫力だったね」
華「無理もありません。大洗に転校してきてからのみほさんは廃校阻止のために大忙しでしたから。それにきっとお腹も空いている頃でしょうから機嫌も良くないはずです」
沙織「お腹減ってるのは華でしょもー」
梓「そういえば、これで1回戦の全試合が終わったんですよね?」
あや「どうなってるどうなってる?」
柚子「ええっと……」
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:05:19.77 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
カチューシャ ―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
――――
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:14:19.19 ID:EqKCwBbEo
柚子「こんな感じね」
桃「大洗は2人とも残っているな。いいぞ」
ダージリン「ペコとアッサムは残念ながら敗れてしまったわね。でも健闘してくれたわ」
杏「2人とも相手が悪かったのかもね」
そど子「ちょっと!2回戦の最初が冷泉さんの試合じゃないの!なんなのよ!」
沙織「応援しましょうね!」
そど子「す、するわけないじゃない!べ、別に冷泉さんのことなんてなんとも思ってないんだからねっ!」
桂利奈「わぁ〜……そど子先輩すごい!見事なツンデレです!」
そど子「つ、ツンデレって何よ!見事ってつく以上、褒められて悪い気はしないけれど……」
パゾ美「まぁまぁ。大洗の生徒だし、私情を挟まずに声援を送ろうよそど子」
そど子「な、なによパゾ美!私と冷泉さんがただ同じ学校っていうだけの関係だって言うの!?そんなのおかしいじゃない!こんなに……ドキドキしてるのに……///」
ゴモヨ「もう放っておこう」
パゾ美「うん……」
杏「冷泉ちゃんの相手はカチューシャかぁ……」
ダージリン「どう思う?」
杏「2ON2で負けてから一皮むけた感じがするね。負けて強くなる典型的な例っぽい」
ダージリン「今までのカチューシャは、冷静で大人であろうとするものの、嫌な部分をつつかれると逆上してしまう向きがあったわ。でも前回と今回の敗北を重ねたことで吹っ切れたのかしら?本来のカチューシャらしさが表面に出ている気がするわ」
杏「そだね。そんなカチューシャと冷泉ちゃんのバトルかー……どう転がるか見物だねぃ」ニヒヒ
【ステージ】
役人「それでは2回戦 第1試合を始めたいと思います!REZE対カチューシャ!」
役人「……ですがその前に、ここで訂正があります!先ほどは1回戦、2回戦は8小節2ターンで行うと言いましたが、この2回戦は、8小節3ターンの勝負となります!」ワァァッァア!
役人「他は変更ありません。準決勝は同じく3ターン。そして決勝戦は4ターンです。ということでよろしくお願いします」ワァァァ
麻子「………………」
麻子(3ターンの方が慣れているから都合がいい。それよりも……今回の相手…)チラ
カチューシャ「………………」
麻子(……怒らせれば勝手に崩れる印象だったが……さっきまでのバトルとこの表情を見る限り、もうそういう次元では無さそうだ)
麻子(……いや、もともと私はライミングで戦うだけだ。それが私のスタイルで、私の一番好きなことだからな)
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
麻子(出来れば勝って後攻をとりたい)
ジャンケンポン!
麻子「!……後攻」
役人「OK!では先攻、カチューシャ!後攻、REZE!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」ギュルリリ!
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:18:30.30 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=VQDcAJsVUsg
2:57
<2回戦 第1試合 先攻 カチューシャ VS 後攻 REZE>
カチューシャ「ビート ノッて客を揺らし REZEの脳も揺らす」
カチューシャ「シケた韻は効かない 計り知れない強度」ワァァァ!
カチューシャ「後攻 とれば勝てる? 思い上がり」
カチューシャ「本当 どうしようか この苛立ち」ワァァァ!
カチューシャ「ここで勝てばベスト4 つまり四天王?」
カチューシャ「どうでもいい! 私は優勝を目指してんのよ!」ワアァァァ!
カチューシャ「あんたが どんな返しするのかが見ものだわ!」
カチューシャ「見事なまでにクールぶるんでしょ この色物が!」ワァァァ!
麻子「色物から一言 お前も最初クールぶって四の五の」ワァァ!
麻子「言ってたはず しつけがまず なってない子供」ワァァァ!
麻子「ベスト4になれても お前 四天王で最弱」
麻子「挨拶もされず 舐められて常に 借りパク」ワァァ!
麻子「ハリーアップ バニーガール より強度薄い 防御力」ワァ
麻子「自分大好き勘違い女 最後は 超孤独」ワァァ!
麻子「雷鳴が轟く 暗く脅える 独房の奥」ワァァァ!
麻子「照らすぐらい名作となるライミング 速攻落とす」ワァァァ!
カチューシャ「雷鳴とか独房とか孤独とか 急に文学少女!?」ワァ!
カチューシャ「宣言したなら 名作ライムを見せなきゃ薄情よ!?」ワァァ!
カチューシャ「遺作にならないと いいわねぇ! ライムに すがるパラサイト!」ワァァァ!
カチューシャ「しつけどうこうより ライム特化の位置付けがしつけーわ!」ワァッァア!
カチューシャ「韻踏んでばかりじゃ不公平 たまには踏まれなさい」
カチューシャ「優勝へ弾みつけるために 私の踏み台になれ!!」ワァァァ!
カチューシャ「ライミングだけで遊んでる あんたじゃ優勝は無理だから!」
カチューシャ「優れてる部分も 活かせなきゃ 宝の持ち腐れ!」ワァァ!
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:20:13.06 ID:EqKCwBbEo
麻子「『優れてる』これ失言 そう気付けん 愚かなカチューシャ」ワァァ
麻子「他人に すぐレッテル 貼る病気 必要だ 点滴か注射」ワァァッァア!
麻子「ていうか自分も 脚韻で『かっくぃ〜』て表情」ワアッァ!
麻子「予想以上にダメダメで バレバレだよ 客に」ワァァァ!
麻子「私に当てはまらない 宝の持ち腐れ」
麻子「ライミングの気持ち良さに 脳も 体も憑りつかれ」ワァァァァ!
麻子「活かす持ち味 楽しい気持ちもチャージ」ワァァァ!
麻子「韻は私にとってのシャーシ シャーペンとセットでしょ シャー芯」ワァァッァア!!
カチューシャ「そうやって韻踏んだ先に 何が残るって言うわけ!?」
カチューシャ「あんたの言いたいことは?言葉は どこだ!?」ワァァァ!
カチューシャ「シャーペンとシャー芯は セットだと言うために来たのかしら!?」ワッァア!
カチューシャ「だったら あんたは私の敵じゃないわね! とっとと帰れ!」ワァッァア!
カチューシャ「私はマホーシャと戦うために 今 ここに立ってる!」ワァ!
カチューシャ「そしてここから仕上がって 勝ち上がって行く!」ワァッァア!
カチューシャ「あんたは何のために 何を言いに そこに立ってる!?」
カチューシャ「それを あんたのクチから ハッキリと聞かせなさいよ!」ワァァッァ!!
麻子「出た 西住まほと戦うため お涙ちょうだいか?」
麻子「反応薄いの当然 2度目で もう飽きたようだしな」ワッァァァ!
麻子「ここに立つ理由 そこにある自由 この身が尽きる」ワァァァ
麻子「までライミングし続ける意志 でないと ほろ苦く散る から」ワァァァ!
麻子「あんたは勝利だけに 貪欲つーの? ホント不都合」
麻子「少し頭冷やした方がいい 連れて行こう 本牧ふ頭」ワァァァ!
麻子「あんた 感情的なクセに 理屈がすぐ先行」
麻子「勝手な振る舞いで授業を 私物化する先公 のようだ」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!!
カチューシャ「………………」
麻子「………………」
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:28:03.75 ID:EqKCwBbEo
役人「それでは判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、カチューシャが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「……後攻、REZEが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「……わずかな差ですが……まずはREZEが1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『REZE』」
理事長「『REZE』」
香音「『カチューシャ』」
新三郎「『REZE』」
浅井「『カチューシャ』」
役人「3対2!勝者!REZE〜〜〜〜!!!!」
ワァァァァ!!
カチューシャ「!!」
麻子「………………」ホッ
麻子(……なんとか勝てた、という感じだな。バイブスに飲み込まれそうだった)フゥ..
カチューシャ「負け、た…………?」
麻子「………………」
麻子(勝負だから仕方のないこととはいえ、ああも呆然とされると少し気まずいな)
カチューシャ「………………っ……!」フルフルッ!
カチューシャ「悔しいけど……!納得もいかないけど…………結果は受け止めるしかないわ……!」ウルウル
麻子「…………あー」フィッ
カチューシャ「……ちょっと、なんで目を背けるのよ」
麻子「…………泣き顔を見られたくないだろうと思ったんだが」
カチューシャ「な……っ!」ゴシゴシッ!
カチューシャ「……泣いてないわよ!ほら!」
麻子「…………そう、だな。うん」
カチューシャ「…………悪いけど、今は祝福の言葉を言える気分じゃないわ。とりあえず握手だけ」スッ
麻子「……ああ」ガシッ
カチューシャ「………………じゃあ行くわ」スッ
麻子「………………」
麻子(私も以前負けた時は無性に悔しかったのを覚えている……普段はそれほど熱くならない私ですらそうなんだ。感情の起伏が激しい彼女なら私以上だろう)
麻子「………………」
麻子(……私が彼女にかけてあげられる言葉は何もないが……そうだな)
麻子(彼女を負かしたこのスタイルで優勝することで、少しは慰めになるだろう)
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:34:51.83 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
パゾ美「冷泉さんが勝ったよ!そど子!」
そど子「べ、別に冷泉さんが勝ったからって私にとってそんなに喜ばしいことじゃないわ!問題は山積み!少子高齢化とか深刻だし!」
沙織「そんなこと言ったらほとんどの出来事で喜べないですよ……」
優花里「しかしすごいです冷泉殿!ベスト4ですよぅ!」
しほ「………………」
千代「あら。まだここにいたのね」
しほ「ちよきち……」
千代「大洗の子たちと一緒かと思ったわ」
しほ「……イマドキの子は難しいからね。SNSとかも危険よ」
千代「ふふ。同感。その辺りの感覚は私としぽりんは昔からぴったしカンカンよね」
しほ「……そうね。ところで……」
千代「?」
しほ「今の試合、ちよきちはどう思う?」
千代「………カチューシャさんは前回同様にバイブスが高く、しかも細かいライミングもあって安定して高いレベルを維持していたわ」
千代「この試合では、そんなカチューシャさんに対して、REZEさんが色々な角度から攻撃を与えて、そのバイブスを削りながら勝ったという印象ね」
しほ「ほう」
千代「REZEさんの勝因は、カチューシャさんの『まほさんと戦いたい』のラインに対し、まず『お涙ちょうだいか?』と言い、なおかつ観客の反応がミカさんとの試合の時より小さかったことを受け、『2度目で もう飽きたようだしな』というアンサーをした…」
千代「このパンチラインにより、観客も審査員も、カチューシャさんがまほさんの名前を、勝つため、盛り上げるためのテクニックとして使っているような印象を与えた。相手へのダメージと周囲へのアピールを併せ持った強力なパンチラインね」
しほ「しかも『お涙ちょうだいか?』と『もう飽きたようだしな』で韻を踏んでいるしな」
千代「その部分はフロウでねじ伏せている形の上、ライミングしているように聴こえにくいけれどね」
千代「…それでもREZEさんのライミングはやはり上質で、『雷鳴』と『ぐらい名作』とか『らいめい』で踏んでいたり芸が細かいわ。カチューシャさんが『優れてる部分も 活かせなきゃ 宝の持ち腐れ』と遠回しに褒めているような言い方をしてしまったのも、そのスキルを認めているからでしょうね」
しほ「『何のために ここに立ってる?』という問いかけには『この身が尽きるまでライミングし続ける意志』というアンサーを返した。ただ好きだからライミングにこだわる。というシンプルなアンサー。こう言われるとカチューシャさんのバイブスが、あまりにも勝ちにこだわりすぎているという風に聴こえるからお客さんもREZEさんの方へ気持ちが傾いていった」
しほ「……個人的には、カチューシャさんがまほと戦ったらどうなるのか見てみたい気持ちが強かったけど……」
千代「そうね。その2人の試合は私も興味があったわ。でもきっとここで勝っても叶わなかったでしょうね」
しほ「何故?」
千代「愛里寿に負けるからよ」
しほ「……ふん、親バカね」
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:36:46.00 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
アンチョビ ―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
――――
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 21:37:12.50 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
役人「さあ!次の試合いきましょう!アンチョビ対愛里寿!!」
ワァァァ!
アンチョビ「…………」
愛里寿「………………」
アンチョビ(こうして目の前に立っても、プレッシャーは感じない。でも強いんだよなぁこの子)
愛里寿(みほさんと決勝で戦うため……絶対に負けられない)
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン!
アンチョビ「!」
アンチョビ(勝った!後攻の方が有利だろうが……)
アンチョビ「…………先攻!」
アンチョビ(プレッシャーがないのは私を相手にしてないからだろう。わざとじゃなく無意識にそうしてるんだろうけど、それほどみほに執着があるわけだ。そこを突っついて主導権を握ってやるぞ!)
役人「OK!2回戦 第2試合!先攻 アンチョビ、後攻 愛里寿!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュキュッ
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:02:21.06 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=aadOiDG3m3E
2:38
<2回戦 第2試合 先攻 アンチョビ VS 愛里寿>
アンチョビ「愛里寿が見てるのは MIHOのことだけ」
アンチョビ「意識散漫 油断しすぎてる アホの子だね!」ワァァァ!
アンチョビ「一試合 一試合 必死じゃないと負ける」ワァァ!
アンチョビ「きっちり がっちりと 勝つために叫ぶ」ワァァ!
アンチョビ「私はちゃんと見てる お客さんプラス 一般家庭」
アンチョビ「そして盛り上げる 子供から じっちゃんまで!」ワァァァ!
アンチョビ「この安定感 とノリの良さは さすがっしょ!」
アンチョビ「見てるだろ? 決勝で会おう カルパッチョ!」ワァァァァ!
愛里寿「私が観てるのは 優勝へのビジョン」
愛里寿「叫ぶだけがラップじゃない 落ち着いて 背伸びしよう」ワァァァ!
愛里寿「一試合ごと必死さが必至なのは ひしひしと伝わる」ワァァァ!
愛里寿「でも私は前傾で ひし形より 円形で勝ち上がる」ワァァァァ!
愛里寿「じっちゃんまで盛り上げるなら 滑舌良くゆっくりね」ワァァ
愛里寿「早口で高ぶりを表現しても 聴き取れないなら無理」ワァァァ!
愛里寿「次で 遠慮なく披露してよ スローテンポ」
愛里寿「私は 苦労せんと 自然体 マイペースの言語」ワァァァ!
アンチョビ「じっちゃんのレベルを上げるのが 私のやり方」ワァァ!
アンチョビ「言葉キツキツ だろうと詰め込んで 高める リスニング」ワァァ!
アンチョビ「派手なゴスロリ着てるわりに 言ってること 地味だな」
アンチョビ「私は ひし形じゃなかった 筋の通った生き方!」ワァァァ!
アンチョビ「でも実際 お前のことは気に入ってるんだよ」
アンチョビ「戦車道、フリースタイル 共通言語あるだろ?」
アンチョビ「今からでもアンツィオに 転入したらどうだ?」
アンチョビ「後悔させない学校生活 楽しさが増加」ワァァァ!
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:04:09.79 ID:EqKCwBbEo
愛里寿「『この子 私のお気にだぜ』と言って卒業する」
愛里寿「そのあとどうする? 人を利用するな 置き土産」ワァァ!
愛里寿「それに食べ物が合わない アンチョビ カタクチイワシなんて」 ※アンチョビはカタクチイワシを塩漬けしてオリーブオイルに漬けたもの
愛里寿「ダメ元でも 絶対無理 ただクチに合いません」ワァァァ!
愛里寿「というか似合いません 校風と性格」
愛里寿「だからお断り 終了です 招聘(しょうへい)の計画」ワァァ!
愛里寿「派手なツインテールのわりに 地味な提案」ワァァ!
愛里寿「誰のレベルも上がらないし 意味がねぇなぁ!」ワァァァア!
アンチョビ「意味がなくはない 全然まだまだ」
アンチョビ「戦う気 充分 閉店ガラガラ じゃなかった開店」
アンチョビ「おいおい アンチョビが嫌いって 本気ですの?」
アンチョビ「美味いのになぁ!確実に 人生損してるぞ!」ワァァァ!
アンチョビ「好き嫌いしてるから 伸びない身長!」
アンチョビ「キャラは濃いけど ちっこい印象!」ワァァ!
アンチョビ「好きなんだっけか? ボコられグマ」
アンチョビ「でも愛里寿をバトルでボコったら 怒られるか?」ワァァァ!
愛里寿「急すぎる『ですの』口調 テクマクマヤコン」
愛里寿「テクマクマヤコン お嬢様になあれですか?」
愛里寿「テク無くただ音(おん) で繋ぐなら損」ワァァァァ!
愛里寿「キャラ固めなよ まずは ですますからどう ぞ」ワァァァァ!
愛里寿「身長低いとか 調子こいてる」ワァァ
愛里寿「それに今さら見た目ディス あんたは伸びしろが無い」ワァァ!
愛里寿「オチにしようがない しょうもないドゥーチェ」ワァァ!
愛里寿「そんな印象 拡がる 陸・海・空へ」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:07:33.53 ID:EqKCwBbEo
役人「早速判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、アンチョビが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、愛里寿が勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
アンチョビ「ぐぬ…っ」
役人「まずは愛里寿が1ポイント先取です。では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『愛里寿』」
理事長「『愛里寿』」
香音「『愛里寿』」
新三郎「『愛里寿』」
浅井「『アンチョビ』」
役人「勝者!愛里寿〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
アンチョビ「ぐわーー!負けたぁぁぁ!みんなー!すまーーーん!」
愛里寿「…………」フゥ
【2階席】
しほ「……強いわね」
千代「ええ。我が子ながら安定感がある。バッチグーな出来だったわ」フフ
しほ「決め手は韻?」
千代「……を含めたいくつかね。アンチョビさんも『じっちゃんのレベルを上げるのが私のやり方』など、面白いパンチラインがあった。でも愛里寿は的確にアンサーを返していたわ。フロウではアンチョビさんも良かったけれど、総合的に見れば愛里寿に軍配が上がるわね」
しほ「そうね」
千代「ただ『前傾で ひし形より 円形で勝ち上がる』の部分はわかりづらかったわね。円形を白星の○(マル)と表現したのでしょうけど、ひし形は対比として成立していない……」
しほ「甘いようでなかなか厳しいわね」クス
役人「それでは次の試合です!」
しほ「む……まほの出番ね」
千代「……対戦相手はケイさん。まほさんの苦手なタイプだと思うけれど、さて……どう戦うのかしら」
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:08:07.65 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
―――― |
│――― |
ケイ ―――― │ |
│――― |
―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
――――
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:08:34.30 ID:EqKCwBbEo
【ステージ】
まほ「…………」
ケイ「えっへへへ〜♪バトルするのは初めてよね!よろしくっ!」
まほ「…………ああ」
ケイ(んっふふ。気合充分ってわけね。よろしいよろしい♪)
ケイ(………………そうじゃないと倒し甲斐がないもんね)クス
役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします!」
ジャンケンポン!
ケイ「勝った!後攻にするわ!」エッヘヘヘ
まほ「………………」
役人「OK!では先攻、西住まほ!後攻、ケイ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュッッ!
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:14:41.55 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=gaKvcJPnSqk
2:46
<2回戦 第3試合 先攻 西住まほ VS 後攻 ケイ>
まほ「相変わらず 楽しそうな笑顔だな」
まほ「お前は 周りを明るくする天才だよ」
まほ「でもラップスキル自体は 大したことない」ワァ!
まほ「お前に 向いてるのはラッパーより 司会者の方じゃないか?」ワァァァ!
まほ「ケイ 金色のリーダー 瞳は青色」
まほ「青臭い思考 ガキのような振る舞い 青いケツ」ワァァ!
まほ「金メッキで塗装しても 透けて見えてるぞ」ワァァ!
まほ「優勝なんてさせるわけねぇだろ 燃やすぞ そんな青写真」ワァァァ!
ケイ「火が点いてるのは マホのお尻じゃないの〜?」ワァァァ!
ケイ「てことはマホも周り明るくする天才じゃーん!」ワァァアァ!
ケイ「金メッキに見える? それ間違い金箔でーす」ワァアァ!
ケイ「緊迫感で肩こりそう 上がってるでしょ 心拍数」ワァァァ!
ケイ「楽しいから笑顔 え?それ普通じゃない?」
ケイ「司会者向いてる でもラッパーも向いてる〜♪」ワァァ
ケイ「勝ったら楽しい でも負けたとしても楽しい」
ケイ「ねぇ 私ってある意味 最強のMCかも!」ワァァ!
まほ「勝ち負け両方楽しいのは 重心が乗ってないからだ」ワァァ!
まほ「興味が無いのと同じ 戦ってる人間への侮辱だ」ワァァァ!
まほ「火だったら 最初から全身に点いてる」ワァァァ!
まほ「青臭いお前より 焦げ臭くて危険な香りだ」ワァァァ!
まほ「楽しいのは最強か だったら前言撤回しよう」
まほ「お前が向いてるのは 司会者よりも観客だ」ワァァァ!!
まほ「負けても楽しいなら 観てるだけでも楽しいだろ?」ワァァァ!
まほ「誰よりも声上げて MCをノらせてやれよ」ワァァァ!
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:15:29.97 ID:EqKCwBbEo
ケイ「女の子だったら 香りはフローラル」
ケイ「焦げ臭いとか 何それ アブノーマル」ワァァァ!
ケイ「それより私って観客も向いてるの?」
ケイ「ラッパー兼 司会者兼 観客 才能ありすぎ!」ワァァァ!
ケイ「マホは私に対して持ってる リスペクト」
ケイ「それが私のハートにも 火点けるゾ☆」ワァァ!
ケイ「燃え上がる炎 役人さんにも飛び火」ワァァ!
ケイ「なんだったら このまま 他のMCも 飛び入りOK?」ワァァ!
まほ「お前のハートに 火が点くことは無い」
まほ「何故なら ハートそのものが存在しなくなる」ワァァ
まほ「わかるか? 火が点いてる私が先攻」
まほ「後攻のお前 飛んで火にいるWACK MC!」ワァァァァアァ!
まほ「金箔も金メッキも 丸ごと焼いて 真っ黒」
まほ「お前から 青を全て奪ってやろうか!」ワァァァァ!
まほ「…いやさすがに それは憐れすぎるな」
まほ「だからせめて 青山霊園に 墓を建ててやるよ」ワァァァァ!
ケイ「あー、やだやだ お墓とか物騒な発想」ワァ!
ケイ「私は元気なので 青山霊園には入りませ〜〜ん」ワァァ!
ケイ「ていうか最初から火点いてるのに マホは燃えないの?」ワァァ!
ケイ「私だけ燃えるとかずるくない? それアリなの?」ワァァ!
ケイ「なんか火、火、言って まるでカラムーチョ」ワァァ
ケイ「辛口発言すると めんどくさいから終了」ワァァ
ケイ「あと 青を奪うことに意味ある?ってのは思う」
ケイ「もし焼かれても 仰向けになって 1つ『あお』残す!」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!!
ケイ「さーて、どうなるかな〜?」
まほ「………………」
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:15:57.17 ID:EqKCwBbEo
役人「……判定に入ります!まずはお客さんに聞いてみましょう!先攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!!
役人「……後攻、ケイが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!!
役人「これは……先攻でしょう。まずは西住まほが1ポイント先取です!」
ケイ「NO〜!」
役人「続きまして審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『ケイ』」
理事長「『西住まほ』」
香音「『西住まほ』」
新三郎「『ケイ』」
浅井「『ケイ』」
ワァァァ!
役人「3対2で後攻ケイ!延長戦です!」
ワァァァァ!
ケイ「イエス!でもあっぶなかったぁ〜!」
まほ「…………」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:17:18.29 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
しほ「延長…」
千代「不服?」
しほ「いや、そうでもないわ。接戦だと思ったから」
千代「ええ。まほさんの『飛んで火にいるWACK MC』のラインは、HILL THE IQの曲名を挙げつつ、先攻の自分が燃え滾っているところに後攻が突っ込んで来たら燃えてしまう、という意味のパンチラインでなかなか決まっていたわ」
千代「ただケイさんのアンサーと華のあるフロウ。そして火を絡めたやりとりからカラムーチョが出てくる発想はユニークで、一貫して崩れない強さが感じられる」
しほ「でもまほも負けてはいないわ。次こそ勝ってくれるはず。まほ、ガンバよ」
千代「…………」
千代(しぽりん……ガンバは古いわ。それではイマドキの子にバカにされてしまう……でもそんな真面目な顔しているしぽりんに指摘できない。みーてーるーだーけー、というやつね……辛いわ。でもそれが人生…)
【ステージ】
役人「延長戦の先攻後攻を決めてください」
ケイ「オッケー!最初はグー!」
ジャンケンポン
まほ「……後攻で」
ケイ「えー!先攻にしなよー!」
役人「……えっと……」
まほ「後攻で」
ケイ「ちぇー」
役人「そ、それでは延長戦を始めます!先攻 ケイ!後攻 西住まほ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュルルル!
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:20:32.46 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=012ztM2-0XQ
2:27
<2回戦 第3試合 先攻 ケイ VS 後攻 西住まほ 延長戦>
ケイ「さあ 始まりました 延長戦」
ケイ「最後まで絶対 遠慮しない」
ケイ「マホ 後攻とった ヘイヘイ ビビってるー!」ワァ!
ケイ「握ってる マイク 震えてるー!?」ワァァ!
ケイ「私はピタッとしてて 超上出来」
ケイ「美味しさ詰まった ショートケーキ」ワァァァ!
ケイ「男子も女子も 大好きになるMC」
ケイ「ビビってる マホは弱虫毛虫〜!」ワァァァ!
まほ「全然ビビッてねぇ 震えてもねぇ」
まほ「お前が震えてるから ブレて見えるんじゃないか?」ワァァァア!
まほ「ショートケーキの てっぺんのイチゴ」
まほ「スパッと切って落としてやるよ!」ワァァァァ!
まほ「ベタな韻踏むスタイルになっちまったな」
まほ「男子も女子も さっきのお前の方が好きだよ」ワァァァ!
まほ「ショートケーキ つまりお前スケールが小さい」
まほ「私はバースデーケーキ ロウソク100本刺せるサイズ」ワァァァァァ!
ケイ「私はさっきも ちょこちょこ踏んでたから」
ケイ「でもマホは 全然踏まないままだなぁ!」ワァァ!
ケイ「バースデーケーキは 確かに大きい」
ケイ「でも 年に何個食べるの〜キミ」ワァァァ!
ケイ「ロウソクとか言って やっぱり火が好き」
ケイ「でも現状 そんなんばっかじゃ すぐ炎上」ワァァ!
ケイ「これは延長 もう火はやめよう?」
ケイ「大体 火は 戦車道には縁起悪いよ〜?」ワァァ!
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:21:20.70 ID:EqKCwBbEo
まほ「バースデーケーキ 食べる回数が少ない」
まほ「それだけ希少価値があるってことだ!」ワァァァ!
まほ「韻踏まない それには理由がある」
まほ「次のカルパッチョの見せ場 残してやるためだよ!」ワァァァァ!
まほ「お前が火を嫌がるのは 別の意味でだろう?」
まほ「勢いが 風前の灯火だと気付いちまうからな!」ワァァァ!
まほ「戦車道に縁起悪くても 一向に構わない」
まほ「元隊長ではなく MCとしてステージに立ってる!」ワァァァァ!
ケイ「カルパッチョさんを 引き合いに出したけど」
ケイ「あそこまで踏めないのに 見栄張っちゃダメよ?」ワァァ!
ケイ「結局 最後までハッタリばっかり」
ケイ「あっさりひっくり返しちゃおうかなぁ パッタリと!」ワァァ!
ケイ「なんか怖い顔して 敵を倒して」ワァァ!
ケイ「嫌々 戦ってるように見えるの直して?」ワァァァ!
ケイ「MCとしてステージに立ってるんだ?」
ケイ「だったら 少しは韻踏んでみてよ 『MC西住』」
まほ「勝手だな 『MC西住』がお題か?」
まほ「のってやる たまには 力入『れずに 息抜き』」ワァァァァ!
まほ「嫌々なわけない 怖い顔は真剣だから」
まほ「ニヤニヤ ヘラヘラ 笑顔のヤツよりな!」ワァァァ!
まほ「『最後まで』とか言ったが 再延長は想定外か?」
まほ「敗北を察してるから 本音が出ちまった!」ワァァァ!
まほ「だったら この延長戦で決着としようか」
まほ「最後は安全確認 きちんと消火」ワァァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:23:00.73 ID:EqKCwBbEo
役人「では!延長戦の判定に入ります!まずはお客さん!先攻、ケイが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「まずは西住まほが1ポイント先取!では審査員のみなさん………………ジャッジお願いします!」
ババン!
亜美「『西住まほ』」
理事長「『西住まほ』」
香音「『西住まほ』」
新三郎「『西住まほ』」
浅井「『ケイ』」
役人「4対1!よって勝者!西住まほ〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
ケイ「…………負けちゃったかー……」
まほ「………………」
ケイ「残念!悔しいけど……うん、それでもやっぱり楽しさもある!それが私!」
まほ「……ふふっ」
ケイ「あー、ちょっと笑わないでよー!」
まほ「いや、あまりにもケイらしいのでな」
ケイ「そう?だったらOK!っと、バトル後の挨拶忘れてたわ!」
まほ「そうだな、握手…」
ケイ「ナイスバトル」ギュッ
まほ「う……っ!」
まほ(ハグ……!いや、確かにサンダースの校風的には不思議ではないが……やはり気恥ずかしい……//)
ケイ「もしまた機会があったらバトルしましょうね♪」
まほ「そ、そうだな……//」
まほ(耳元で囁くな!息が触れてくすぐったい……//)
ケイ「……よし!じゃああとは試合観戦に専念するわ!またね、マホ!」バッ
まほ「あ、ああ……」
役人「2人に大きな拍手を!」
パチパチパチ
ケイ「イエーイ!みんなありがとー!」
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:23:30.37 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
│―――
―――― │
│―――
―――― │ │
│――― │
―――― │
│────
―――― │ |
│――― │ |
―――― │ │ |
│――― |
―――― │ |
│――― |
愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
―――― |
│――― |
―――― │ |
│――― |
―――― │ │ |
│――― │ |
西住まほ ―――― │ |
│────
―――― │
│――― │
カルパッチョ ―――― │ │
│―――
MIHO ―――― │
│―――
――――
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:28:05.70 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
しほ「まほが勝ったわね……」ホッ
千代「延長戦では先攻後攻の違いはあれど、ケイさんが戦いづらそうにしていた印象があるわね」
しほ「先攻は苦手なタイプ?」
千代「というより、強さにムラがある感じかしらね。少しずつ勢いを失っていったわ。もちろん、まほさんの強さがそうさせた側面もあるけれど」
しほ「そう……」
千代「………………」
千代(お客さんを味方に付けるのが得意で、なおかつ相手のペースを乱すことが出来るケイさんに対し、あそこまで真っ直ぐぶつかって勝ちきれる……見事と言う他ない。最後の『安全確認 きちんと消火』というのも、この試合で火や炎上というワードが出てきていたことにかけてあって、見事な締め方。勝ち方を心得ている感じね。しぽりんが調子に乗るでしょうから言わないけれど)
しほ「………………」
しほ(ちよきち……もう少しまほを褒めても罰は当たらないのでは?時間に追われてるわけでもあるまいし。でも娘をもっと褒めてくれと頼むのはイマドキの子以外にも侮られる行為……ここは腕組して凛々しくする他なし……)キリッ
【ステージ】
役人「さあ!いよいよ2回戦もラストとなりました!戦うのはこの2人!」
カルパッチョ「…………」
みほ「…………」
ワァァァァァ!
カルパッチョ(前回大会の覇者、そして2ON2での優勝チームの一員。最強の相手ですね)
みほ(麻子さんと同等のライミング巧者。勢いに乗せたら危険。最初の一戦で倒し切るつもりでかからないと)
役人「では先攻後攻のじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
みほ「!後攻でお願いします」
役人「OK!では2回戦 第4試合!先攻、カルパッチョ!後攻、MIHO!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」キュピキュッ!
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:32:11.32 ID:EqKCwBbEo
http://www.youtube.com/watch?v=jyZmAi4GVQo
2:51
♪WHOOO
<2回戦 第4試合 先攻 カルパッチョ VS 後攻 MIHO >
カルパッチョ「怪物はワンパン でKO バイブスは満タン」ワァァ!
カルパッチョ「固すぎる韻で 採掘 火山岩」ワァァァ!
カルパッチョ「退屈させない このまま飛ばしていく」
カルパッチョ「才能伸ばしテイクオフ 精度増していく」ワァァァ!
カルパッチョ「MIHO 物憂げな顔 でもディスは苛烈」
カルパッチョ「二重人格なのかも脳外科を 紹介する」ワァァァ!
カルパッチョ「このSHOW介する ことで高まるバトル熱」
カルパッチョ「『特別ドープネスな毒舌届くぜ!』」ワァァァァ!
みほ「最後のラインは我リヤ ただ真似をしたがりな子」
みほ「なのにドヤ顔 草生える 芝刈りなよ」ワァァァ!
みほ「脳外科は不要 この場 軽く制しよう」
みほ「健康アピールしておく ダブリュー・エイチ・オー(WHO)」ワァァァァァ!! ※WHO・・・世界保健機関
みほ「紹介できるってことは通ってた? 脳外科に」
みほ「そこで脳を改造された ライム中毒者のお出まし」ワァァァ!
みほ「物憂げな顔なのは 相手が 韻のみだから」ワァ!
みほ「対話出来なそう 死んどきなバカ」ワァァァ!
カルパッチョ「死んどきなバカ しんどい輩」ワァァ!
カルパッチョ「生死を軽々しく扱うMIHOを 私が制しよう」ワァァァ!
カルパッチョ「訂正しておく 脳は未改造 ある自制心」
カルパッチョ「ライム中毒者 褒め言葉として だいぶ究極だ」ワァァァ!
カルパッチョ「対話ならば 今すでに出来てるじゃないか」ワァァ
カルパッチョ「相方がいない 状態でも 愛が足りない ことないさ」ワァァ!
カルパッチョ「その場合は 戦いながら 分かち合う」
カルパッチョ「それらがリアル 私が勝ちます」ワアァ!
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:39:35.77 ID:EqKCwBbEo
みほ「意味繋がってないラップ 時々 ノイズが入る」ワァァ!
みほ「明らかな原因 そいつはライム」ワァァァ!
みほ「犠牲にされてさまよう 言葉たちの行方」
みほ「ライムは盲目 意味軽視 愚かだし総崩れ」ワァァ!
みほ「韻だけでテイクオフするな 意味を従えな」
みほ「勢い任せじゃ 着陸持ち込めない キミの自肩(じかた)では」ワァァァァ!
みほ「文脈がめちゃくちゃ 粉末にして 作り直せ」ワァァ!
みほ「と言っても ライムに夢中で 無理かもね」ワァァァ!
カルパッチョ「セッションどころか 説教されてる現状」ワァァ
カルパッチョ「指摘が 細部にウザい ライムに恨み でもあるの?」ワァァァ!
カルパッチョ「『あいつ憎らしい』とか言われそうだ」
カルパッチョ「もっと穏やかに暮らし 薄めなさいな劣等感」ワァァ!
カルパッチョ「踏めないから強がる 真夏のガール」ワァァ
カルパッチョ「五大都市外の 同い年に 辛くも勝つ」ワァァァ!
カルパッチョ「決勝はREZEで ありますように」
カルパッチョ「その前に あなたの姉 蹴散らす用意」ワァァ
みほ「ここまで踏むと健気で いじらしい」
みほ「説得しようにも どうも意地らしい」ワァァ
みほ「私は じらしもしないし ジェラシーも感じない」ワァァァ
みほ「足元しっかり照らし 高める バトルリテラシー!」ワァァァァ!
みほ「無駄になる お姉ちゃんを 蹴散らす用意」
みほ「きっと妹が姉を超える的なストーリー!」ワァァァァ!
みほ「で帰宅後に 姉妹仲が深まる」ワァァ!
みほ「お呼びでない あっち行け! 敵は向こうに!」ワァァァァ!!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
カルパッチョ「………………」
みほ「………………」
みほ(どう、かな?延長になっちゃう……?)
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:56:33.03 ID:EqKCwBbEo
役人「判定に入りましょう!勝った方が準決勝へコマを進めます!」ワァァァ
役人「まずはお客さん!先攻、カルパッチョが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……はい。では後攻、MIHOが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずはMIHOが1ポイント獲得!」
みほ「」ホッ
役人「では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「『カルパッチョ』」
理事長「『MIHO』」
香音「『カルパッチョ』」
新三郎「『MIHO』」
浅井「『MIHO』」
役人「3対2!勝者!MIHO〜〜〜〜!!!!」ワァァァァ!!
みほ「っ!」
みほ(やった!これで……お姉ちゃんと戦える!)
カルパッチョ「………………」
カルパッチョ(REZEさんと再戦したかったけど……残念)フゥ
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:59:18.51 ID:EqKCwBbEo
【2階席】
華「みほさんが勝ちました!」
沙織「みぽりんすっごーい!」
優花里「さすが西住殿ですぅ!強い上にちょっとエッチな感じもグッドですぅ!」
沙織「え、そんな要素あったかな」
優花里「ありましたよぅ。思いきり罵倒するあの感じ……たまりませぇん!」モジモジ
沙織「……あの、あんこうチームに風紀を乱してる子がいるんですけど……」
そど子「…………」
沙織「?」
ゴモヨ「次、冷泉さんの試合だから緊張してる」ヒソヒソ
沙織「なるほど」
沙織(なんだかんだ言って麻子のこと気にかけてくれてるんだよね)フフ
しほ「みほの勝ち、か。延長に行きそうな雰囲気もあったけれど……」
千代「1バース目のWHOをビートの『WHOOO』とかけながらライミングしたり、数では負けても質はかなり高い。その上で意味を通してるわ。3バース目の『じらし』の辺りは聴いてて心地いい、細かい踏み方も見せた」
千代「さらにカルパッチョさんの『蹴散らす用意』を拾って、連続でライミングを決めたのは見事だったわね。カルパッチョさんもアンサーを返しつつ上手だけれど、確かに文脈が少し変な部分がある。そこを突かれた結果、延長にならずに決着したのでしょうね。先攻後攻が逆であればカルパッチョさんの勝ち目もあったかもしれないけれど」
しほ「確かにカルパッチョさんの1バース目は攻撃というよりテクニックを披露した側面が強かったわね」
千代「言いたいことが明確に無い場合、先攻は難しいのよね。『言うことない』と言ってしまうのも手だけれど、『だったら戦う必要ない』と返されてしまう」
しほ「なるほどね……」
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 22:59:44.50 ID:EqKCwBbEo
<シングル戦 トーナメント表>
REZE ――――
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愛里寿 ―――― |
|────!!優勝!!
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西住まほ ―――― │ |
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MIHO ―――― │
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