みほ「第2回フリースタイルMCバトル!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/19(土) 20:10:19.19 ID:thzr7fju0
スマホでスレ立て
次からPCで書き込みます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503141018
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:12:34.12 ID:cJ5bRHheo

みほ「フリースタイルバトル?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496063281/

の続編になります



ガルパンSSです

※キャラ崩壊あり

※これガルパンでやる必要なくね? あり

※百合要素あり

なので苦手な方は注意です

呼称とか変な部分があったら脳内補完お願いします


↓前に書いたSSです

みほ「会長のだいしゅきホールドの腰の感触が忘れられない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468845015/

みほ「聖グロリアーナが選ぶベスト百合カップルランキング?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471268351/

ダージリン「ペコの下剋上。つまりペ剋上ね」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472484921/

みほ「お姉ちゃんは天然ジゴロ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476542161/

ローズヒップ「ペパロニさんと片想い同盟結成ですわー!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477488166/

しほ「裏西住流によって他校を制圧する」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482840135/
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:15:01.10 ID:cJ5bRHheo

【大洗女子学園 体育館】

桂利奈「出たい!!」

みほ「え?」

桂利奈「出たーーーい!!!」

麻子「どうしたんだ急に叫び出して」

華「……阪口さん、気持ちはわかります。ですが公衆の面前でお通じの話なんて、はしたないですよ?」

沙織「絶対違うよ!なに言ってるの!?」

杏「もしそうだとしたら『出したい』って言うだろうしね〜」

優花里「阪口殿、出たいとはどういう意味ですか?」

桂利奈「私もフリースタイルMCバトルに出たい!」

みほ「あー……」

麻子「確かに、この前の大会では補欠だったが出場機会が無かったからな」

桂利奈「私もラップしたかったーー!」

桃「仕方あるまい。だがチーム内で欠場者が出ずにすんだのは御の字だろう」

柚子「優勝もできたしね」

桂利奈「そうなんですけど……それ以外にも不満があります!」

みほ「他にもあるの?」

華「わかります。お通じが悪いと些細なことでも気になり出すものですから」

沙織「だから違うって!」

麻子「バトルに参加できなかった以外の不満とはなんだ?」

桂利奈「……私、後半全然喋ってなかった」

みほ・沙織・華・優花里・麻子「…………………………」

梓「え?桂利奈ちゃん、私たちと試合観てる時にいっぱい喋ってたでしょ?」

桂利奈「うん。でも喋ってないみたいな感じになってた」

桃「どういう意味だ」

桂利奈「……なんていうか……会場にいないんじゃないかってくらい存在感がなかった。補欠のシステム自体無かったかのようだったもん」

あゆみ「そ、そんなことないんじゃないかな?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:16:04.62 ID:cJ5bRHheo

杏「んー、ようするに、さかぐっちゃんはバトルがしたいってことでいいんだよね?」

桂利奈「はい!」

杏「じゃあさ、今度の大会出よっか」

桂利奈「…………え?」

みほ「今度って……」

優花里「また大会があるのですか?」

杏「あるよん。小山、説明」

柚子「はい会長。では説明します。前回の大会が好評だったため、すでに第2回大会の開催が決定しています」

麻子「やけに早いな」

桂利奈「やったーー!!私も出られますか!?」

杏「もちのろん」

あや「『もちのろん』!?なにそれ!?もちのろん!?」

優季「なんか楽しそ〜♪『れっつらごー』みた〜い♪」

桂利奈・あや・優季・あゆみ「もっちのろん♪もっちのろん♪」ワイワイキャッキャ

梓「ちょ、ちょっとみんな、まだ小山先輩が説明中…」

みほ「あはは……相変わらずウサギさんチームのみんなは元気だね」

沙織「はしゃぐ3人をなだめる梓ちゃん。そして安定の……」チラ

紗希「……………………………………」

沙織「冷静すぎる紗希ちゃん」

優花里「……斜め上をじーっと見てますね」

華「あれでは交通量調査のお仕事は出来なそうですね……あのカチカチという機械を使う瞬間を見逃しそうです」

麻子「限定的だな。やる機会の方が少ないだろう」

左衛門佐「何台通ろうとも適当に押しておけばいい」

おりょう「なっ……!卑怯な!」

左衛門佐「武力だけで戦国時代は生き抜けない。策謀は致し方の無いことよ……」

エルヴィン「くっ!否定できない……!」

カエサル「ブルータスこの野郎!」

柚子「……話が進まないからみんな静かにね?」ニッコリ

ねこにゃー「え、笑顔だけどなんか怖い……」

ももがー「目が笑ってないナリ」

ぴよたん「こんな時、非リア充は気配を消すのみ。慣れてるっちゃ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:27:33.10 ID:cJ5bRHheo

柚子「それで大会の話だけど、前回とちょっと方式が違うの」

みほ「方式が違う?」

柚子「うん。前は3人で1チームだけど、バトル自体は1対1だったでしょ?でも今回は1チームのメンバー数は2人。そしてバトルは2対2で行われるわ」

優花里「2人と2人で戦うんですかぁ!?」

麻子「それはかなり勝手が違うな」

華「シンプルなカレーと、大盛りカツカレーぐらいの差でしょうか?」

沙織「多分違うかな」

華「それでは大盛りのシンプルなカレーと…」

沙織「そっちも違う気がする。華、とりあえず今は静かにする時間にしよ?人の声だけ聞こう?」

華「わかりました」

優花里「小山殿。なぜ1対1ではなくなったのですか?」

柚子「うーん、特に理由説明は無かったかな。たぶん色々試してみたい時期なんだと思う。1対1だけでもいいけど、2対2でのバトルも盛り上がるなら採用する。その分大会の参加人数も増えるし」

杏「そーなれば、実力があっても出場機会のない子が目に留まる可能性も上がる。FSR(フリースタイルロード)人口の増加に繋がるってわけ」

桃「現実的な話をすれば、参加するラッパーの人数を増やすことによって、集客力のアップにもなる」

杏「ま、他にも色々メリットもあるってわけだよ。で、今回も大洗は出場することになってるから」

麻子「一応、前大会の優勝校だから当然か」

桂利奈「で、でも……」

杏「ん?」

桂利奈「1チーム3人で出られなかったのに、2人になっちゃったら、私は出られないんじゃ……」

杏「ふっふっふ……ところがどっこい、さかぐっちゃんも参加出来るんだな〜」ニヒヒ

桂利奈「ほ、本当ですか!?でもどうして……?」

そど子「わかった!謎は全て解けたわ!」

パゾ美「そど子?」

そど子「今回は2チーム出場出来るのよ!だから合計4人!そうでしょう!?」

杏「いや、違うけど。今回も参加は基本的に1校につき1チームだけだよ」

そど子「ちょっと冷泉さん!恥かいちゃったじゃないの!どうしてくれるのよもうっ…///」

麻子「何故私のせいなんだ」ニヤニヤ

ゴモヨ「八つ当たりはダメだよ、そど子…」

麻子「的外れな推理で私を楽しませてくれた上に不正解で赤面してて可愛いそど子の代わりに聞くが、2対2で阪口さんが参加出来るのはどうしてだ?」

杏「それはね……――――」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:29:52.99 ID:cJ5bRHheo

数日後

【大洗女子学園 体育館】

カチューシャ「来てあげたわよ!この私!カチューシャが!大洗まで!」バァァーン!

ダージリン「久しぶりねカチューシャ。でもあなたが一番最後よ?」

ケイ「遅刻ギリギリなのに余裕たっぷりなのがナイスよね!カチューシャらしくていいわ!」

アンチョビ「うんうん。あの啖呵は威勢がいい!見習わなくっちゃなぁ!」

まほ「……これで全員か」

杏「そだね」

カチューシャ「あっ!アンズーシャ!この前の大会ではよくもやってくれたわね……いつかコテンパンにしてあげるわ!」

杏「楽しみにしとくー」

桂利奈「す、すごい……こないだの大会に出場した人たちがいっぱい集まってる」ドキドキ

優花里「黒森峰、プラウダ、聖グロリアーナ、サンダース、アンツィオ……それぞれがチームメンバーを連れてきてくれてますぅ!なんて豪華なんですかぁ!」

華「まるでココイチのトッピング全部のせカレーのようですね」

沙織「いや、カレーで例え…」

まほ「なるほど……その通りかもしれんな」

沙織「えええっ!?」

まほ「ん?どうした?全部のせのすごさを知らないのか?」

沙織「あ、いえ、なんでもありません……」

まほ「?」

みほ「お姉ちゃん、カレー好きだから」ヒソヒソ

沙織「な、なるほど」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:32:05.05 ID:cJ5bRHheo

麻子「ん?プラウダだけ4人いるな。控えメンバーか」

ニーナ「」

優花里「あの方は……お人よしそうですがバトル出来るのでしょうか……」

そど子「BC自由学園の人たちが来てないわよ?もしかして遅刻?風紀が乱れてるんじゃないの!?」

杏「や、あの子たちは連絡ついた時の学園艦の位置的にちょい遠かったのと、趣旨を説明したら断られちゃったんだよねー」

そど子「事前に連絡は来てるわけですね。それなら風紀的にセーフだわ」フゥ

アッサム「BC自由学園の方々には事前に説明されていたのですか?私たちは何も聞いていませんのに」

杏「まぁまぁ。あの子たちはそんなに付き合いがあるわけじゃないからさ。無理に来させておいてとんぼ返りになっちゃ悪いからねぇ」

オレンジペコ「……すぐ帰る可能性のある用件なのでしょうか……」

ダージリン「さあどうかしら?聞いてから判断すればいいという話よ」ウフフ

カチューシャ「……知波単の子たちはまだなの?カチューシャより遅いなんて、しゅくせーした上にくんじょうしょうどくしてやらなきゃ……」

柚子「知波単の人たちにも声をかけたんですけど、今大会には不参加のようです。西さんから理由を聞いたのですが、『らっぷは我が知波単にとって難解!よって、ひっぷほっぷに対し、我々は後ろに突撃する形をとらせていただきます!』だそうです。あ、参加する私たちには『健闘を祈ります』とも言っていました」

カチューシャ「ふん。仕方ないわね。そこまでカチューシャのことを褒めたたえるなら、許したげるわ」フフン

華「え?まったく褒めていな…」

沙織「しっ!スルーして華!」

華「……カチューシャさんを褒めている様子はまったくありませんでしたよ?」

沙織「私をスルーしてって意味じゃないよ!」

カチューシャ「な、なによ!私にたてつく気!?あんたいい根性…」

桃「落ち着け。そろそろみなを集めた理由を説明したい」

カチューシャ「……ふん」プイ

杏「……さて。収集をかけたメンバーは全員集まったことだし、始めよっか」

ツチヤ「始まるって……何が始まるんだ?」

ナカジマ「さー?誰も教えてくんなかったから」

ホシノ「いきなりここでフリースタイルバトルを始めるとか?」

スズキ「それはないでしょ。考えられるとすれば……」

典子「バレーだ!みんなでバレーをするんだ!」

あけび「えっ………それは……」

妙子「さんせーい!」

忍「魅力的な提案だ!」

典子「そうと決まればボールを取りに行くぞー!」

妙子・忍「おー!」

桃「行かんでいい!」ガラガラガラ

典子「ん?その台に載っているのはなんですか?バレーボール……じゃないですよね?」

桃「違う!抽選箱だ。球体と真四角で全然違うじゃないか!」

そど子「抽選箱?どういうことなのよ!抽選って、あの抽選のことだとでも言うの!?」

ゴモヨ「怒鳴るところじゃないよそど子…」

みほ「あ、会長が説明してくれるみたいですよ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:33:23.44 ID:cJ5bRHheo

杏「えー、大洗のみんなも、急に呼び出された他校の人たちも色々と戸惑ってると思う。なんつったって何をするのかも聞かされてないからねぃ」

沙織「……そんな状態で来てくれるなんて、みんないい人すぎだよホント」

麻子「フリースタイルバトル関係の話とだけは伝えてあるんだろう。でなければさすがに大洗まで学園艦ごと来やしない」

アンチョビ「ん?この面子……あっ!?もしかしてフリースタイルバトルにまつわる話だったのか!」

沙織「…………ねぇ、麻子。アンチョビさんって…」

麻子「何も言うな。ノリだけで来てくれるいい人と思っておこう」

ダージリン「うふふふ。わたくしは大体どのような用件か、見当は付いているけれどね」

オレンジペコ「そうなんですか?でしたら教えてください」

ダージリン「間違えてたら嫌だから教えません」ウフフ

オレンジペコ「…………けち」

アッサム「というよりハッタリでは?」

カチューシャ「……ダージリン、あんたひどい言われようね」

ダージリン「ええ。でも慣れちゃった」ウフフ

杏「ま、なんとなく気付いてるかもしれないけど、今度やる2ON2のフリースタイルバトル大会の話をしようと思って呼び出したんだよねぃ」

優花里「つーおんつー……?」

華「どういう意味でしょう?」

沙織「ONは『なになにの上に…』だったよね?」

優花里「はっ!?わ、私が……西住殿の上に…///」モジモジ

みほ「乗らないでね」

麻子「ONは『なにかの表面にくっつく』っていう意味だ。バスケットを例にとると、1人に1人がマークに付くから1ON1と呼ぶ。それが2組で2ON2。つまり2対2ということだな」

華「なるほど。アクティブですわ」

沙織「バスケの部分だけ見ればね」

杏「んで、呼び出した理由は…………これ!抽選〜!」

まほ「抽選?」

カチューシャ「?なにかいいものくれるっていうわけ?ねぇ、ダージリン、どう思う?」

ダージリン「うふふ」

カチューシャ「うふふ禁止。どう思う?」

ダージリン「えへへ」

カチューシャ「えへへも禁止!もう!」

オレンジペコ「――――!!!」ズキューン!!

オレンジペコ(今まで見たことのない笑い方!ダージリン様かわいい!!)
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:36:34.99 ID:cJ5bRHheo

杏「や、ダージリンに聞かなくても私が説明するって。抽選っていうのは、大会に出場するメンバー決めの抽選」

みほ「え?」

まほ「む?」

エリカ「……一体どういうことよ。もったいぶらないでちゃんと説明して!」

杏「おっけ。まずさ、ここにいる人たちは今度の大会に参加する予定なわけ。で、おそらくというか間違いなくこないだのメンバー3人……いや、控えを含めて4人から2人を選ぶって流れだよね?」

ケイ「そりゃあね。大会に参加出来るのは1校につき1チームだけ。これって俗になんて言うんだっけ?オレンジペコさん」

オレンジペコ「…………けち」

ケイ「そう!正解!」アッハハハ!

杏「でもね、大会の運営側も出来るだけ人数は集めたい。でも制限無しだとチームを多く出した学校による八百長なんて可能性もある」

アンチョビ「考え過ぎじゃないか?だとしても1校につき2チームにしておけば解決だろ」

杏「スキルの差で捨てチームが生まれるのを避けたいとか、決勝が同じ学校同士になり得るとか、ある程度のレベルの人が4人いない場合、あるいは1チームしか出せない学校は不利になるとかあるんじゃないの?」

アッサム「最後の課題は今後の成長次第でクリアできそうではありますけどね」

杏「まぁね。でも今回参加出来るのは、基本的に1校につき1チームってわけ」

まほ「その『基本的に』というのが引っかかるな」

杏「にっひひ。でしょ?つまり、運営側は盛り上げたい。でも参加条件は1校につき1チームに決まった。そう聞いた私はある提案をしたんだよね」

典子「……参加条件、とは?」

沙織「そこは『ある提案とは?』でしょ!?条件言ったばっか!」

杏「その提案というのは…………『違う学校の人間と組んだら別枠扱いにしてくれませんか』ってこと!」

みほ「あっ……」

まほ「なるほどな。同じ学校の2人で組んだ場合のみ1チームとして勘定するということか」

杏「そ。単純な話、別に学校同士で争わなくてもいいじゃん。戦車道なら保有戦車とかチームとしての練度とか、もろ団体競技だけど、フリースタイルはそうでもない。学校対抗戦は白熱するけどね」

カチューシャ「当然よ!むしろこないだのリベンジで打倒大洗のつもりなんだから!」

杏「うん、その気持ちもわかる。それに同じ学校の子の方がチームワークもあるし。でも…」

ダージリン「学校の垣根を越えたコンビによる化学反応を狙う、というわけね」ウフフ

杏「そう。で、運営側にそれを伝えたらOKが出た。正式にルールとして認められたってわけ」

アンチョビ「おお!確かにごちゃ混ぜってのは楽しそうだもんな!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:38:48.75 ID:cJ5bRHheo

杏「それに……他にも楽しみはあるよー?」

アンチョビ「楽しみ?」

杏「例えば…」チラ

みほ・麻子「?」

杏「同じ学校の子とも戦える、とかね」ニヒヒ

みほ「!」

麻子「普段練習で当たってるが…………本番は別物か」

ペパロニ「マジっすかー……ドゥーチェとはやりにくいっすよー」

アンチョビ「確かにな」

杏「…ま、それはそれとして。どうかな?呼び出しといて今さらだけど、別に強制じゃないから断ってもいいよ?」

ケイ「私は全っ然オッケーよ!お祭りみたいで楽しそう!」

アンチョビ「お祭りと言ったら屋台が欠かせない!料理はアンツィオに任せておけ!」

カルパッチョ「あの、そういう話ではないと思いますが…」

まほ「その提案、私も異論は無い」

カチューシャ「うー……リベンジに燃えてたのにー」ムムム..

ノンナ「……どうしますかカチューシャ。聞き分けの無い子供のように駄々をこねて突っぱねますか?」

カチューシャ「そっ、そんなわけないでしょ!私は大人だもの!まったく、ぜんっぜん、いってんのくもりもないみたいなアレだわ!」

ノンナ「そうですか」クス

クラーラ「……いいのですかノンナ様。カチューシャ様とペアを組み、恋人に発展するというシナリオが潰えてしまいますが……(ロシア語)」

ノンナ「問題ありません。ゴールは同じです。あえて戦い、仲間からライバル。そして恋人へ―――という流れに変わるだけ……いえ、それどころか、1工程増やしたことで絆がさらに増すでしょう(ロシア語)」

クラーラ「あぁっ!?そこまで考えが至りませんでした。さすがノンナ様。でも……(ロシア語)」

ノンナ「言わずともわかっています。カチューシャは私たちの共有財産ですから、その時が来れば同志クラーラも同じベッドに…(ロシア語)」

クラーラ「感謝します、ノンナ様……(ロシア語)」

カチューシャ「?ねえ、今なんて言ったの?」

華「アクティブな提案ですね、と」

カチューシャ「あんたに聞いてないわよ!」

杏「おっけおっけ。各校の代表は了解みたいだけど、異論ある人はいるかなー?」

典子「はい!それよりもバレー部を復活…もごもご」

あけび「今は静かにしてましょうキャプテン!」グイィィ!

杏「どう?」

シーーーン...

杏「んじゃ決まり!かぁしま!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:40:23.18 ID:cJ5bRHheo

桃「はい!では各自、この抽選箱から…」

まほ「待った」

桃「ん?」

まほ「一緒に組みたい相手を指名するのはダメか?相手が了承すればその時点でタッグ確定とする方法は」

杏「その決め方も考えたんだけどね。ドラフト制みたいなのとか。でも後の方まで余っちゃった人の精神的ダメージと、収拾がつかなくなりそうってことでやめたんだよね」

まほ「……確かにそうか。抽選ならば仕方ないと思えるが、指名を蹴られ続けた末に組んだ相手だとネガティブな空気が生まれそうだ」

杏「……ちょっと気になるからよかったら教えてほしいんだけど、誰と組みたかったの?」

みほ「…………」ソワソワ サッサッ

沙織「あ、みぽりんが落ち着きない動きしてる」

麻子「髪の毛を整え出したぞ、乙女か」

みほ「そ、そんなことないよ……//」

沙織「……みぽりん、なんかポーッとしてて……まるで恋してるみたいな…」

優花里「!!」

みほ「ち、違うってばぁ〜!でもお姉ちゃん、結局私のこと選んじゃう気がするし……///」モジモジ

優花里「あーーーー聞こえない聞こえない」

華「では背中に指で文字を書きますね」デモ オネエチャン ケッキョク ワタシ ノ コト エランジャウ キガ スルシ..

優花里「ぎゃあああ!無慈悲なあああ!」

沙織「書き終わるまでじっとしてるゆかりんもゆかりんだよ」

麻子「律儀だ」

まほ「私が組みたかったのは……」

みほ「ん、こほん!」スッ

まほ「……カチューシャだ」

みほ・カチューシャ「えっ!?」

杏「ほうほう。それはまたどーして?」

まほ「精神面に不安定さはあるがスキルは申し分ない。それに私の低音寄りのフロウと違い高音で響きがいい」

杏「む、確かに」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:43:50.92 ID:cJ5bRHheo

まほ「それに……」

杏「?」

まほ「……大学選抜戦のミーティングの時もそうだったが、怖がられている気がするのでな。仲良くなるきっかけにしたい」

カチューシャ「は、はあ!?な、なに言っちゃってるのよ……///」

みほ「………………」

まほ「私のことは嫌いか?」

カチューシャ「そ、そんなわけないじゃない……でも、なんか目つきとか鋭いし……肩車とかしてくれなそうだもの」

まほ「ああ、確かに肩車はしないな」

カチューシャ「……でしょうね」

まほ「私はあくまでもカチューシャを自分と同等の存在だと考えている。だから必要以上に誇示するための肩車はしたくない」

カチューシャ「え」

まほ「カチューシャはそのままで充分立派だと思う。だから肩車するよりも隣にいて……そうだな、手を繋ぐ方が望ましい」

カチューシャ「っ……///」カァァ!

まほ「身長だけでカチューシャを侮る輩など、私が蹴散らしてやる。だから一緒に組まないか?と提案したかったのだが……抽選では仕方ない」

カチューシャ「あ、あたりまえじゃない……そんな風に褒められても……ぜ、ぜんぜん嬉しくないし……///」

まほ「それは残念だ」

カチューシャ「で、でも……そう、よね。肩車って確かに子供っぽいかもしれないわ。それに対して……その、て、手を繋ぐなら……うん、大人でもするし…………あ、あんたと手を繋ぐのも悪くないとか……思うかも。あ!ちょ、ちょっとだけよ!ほんのちょっと!」

まほ「そうか。ありがとう」フフ

カチューシャ「う、うん……///」モジモジ

みほ「…………」ムー

沙織「あれ?みぽりん怒ってる?」

みほ「怒ってないよ?」ニコニコ

沙織「う……そ、そっか」

沙織(目が全然笑ってない。どころかみぽりんの背後から炎が見えるような……)ゴクリ

ノンナ・クラーラ「………………」

ノンナ(こんなところに意外な伏兵が存在したとは……今後、注意する必要がありそうですね)

クラーラ「どうしましょうノンナ様。これからは肩車はやめた方がカチューシャ様に好かれるのでしょうか(ロシア語)」

ノンナ「……いえ、それはありえません(ロシア語)」

クラーラ「何故ですか?(ロシア語)」

ノンナ「私の首があの感触を忘れられないからです。長い期間肩車をしなければ首にブツブツが出来てしまいます。虹色の、ね(ロシア語)」

クラーラ「なんたる愛……!見習わなくてはいけませんね(ロシア語)」

優季「なんかロシア語ってかっこいい〜♪」

あや「ね!どんな話してるのかなー?」

紗希「…………ちょうちょ」

梓「あんなに真剣な顔で蝶々の話題をするとは思えないけど……」

杏「いい話が聞けたところで、早速抽選しよっか!じゃんけんで勝った人から順番に引いてって」

麻子「その場合、会長が最初に引くことになるが……」

杏「うん。そう言われると思ったから私は最後に引くよー」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:51:12.88 ID:cJ5bRHheo

麻子「そうか。最初に引いたから有利でもないだろうが……いや、会長の場合は一発でいいのを引きそうだ」

杏「あっははは!それはどうかなー?」

桂利奈「………………」

あや「どうしたの桂利奈ちゃん。ずっと黙っちゃって。紗希の真似?」

桂利奈「違うよ!」

優季「じゃあなんでじーっとしてたの〜?」

桂利奈「…………会長、優しいなって」

あゆみ「なんで?」

桂利奈「だって今回のこの他の学校の人と組むやり方って、普通に1校1チームだけって決まりを守ったら、私が出られないからやってくれてるんだよね?」

あや「えー、そうかな?」

桂利奈「うん。大洗から2人選ぶってなったら私は出られないもん。実力的にね。でもだからって私を出すために誰かが辞退するのもやだし…」

梓「私も桂利奈ちゃんの言う通りだと思う。ルール通りだと桂利奈ちゃんは出られない。だから他の学校の人と組むことを考えてくれたんだろうなって。面白そうってだけで提案するのも会長っぽいけど…」

梓「これだけのメンバーをわざわざ集めたのは直接会って説得するためのような気がするし、そもそもこのメンバー全員が集まれるようにスケジュールを立てるのも大変だったはず。いくら会長でも面白そうだからってだけでそこまでしないと思う。会長は桂利奈ちゃんのために提案してくれたんじゃないかな?」

あや「……確かに、他の学校の子からしたら別に自分たちだけで組んだっていいんだもんね。なんだかんだ理由付けて他の人たちを巻き込んだ感じ?」

優季「会長やさし〜♪」

桂利奈「……ということは…………会長、私のことを次期生徒会長の素質があると期待して…」

梓・あゆみ・優季・あや・「それはない」

桂利奈「えーー!!」

桃「そこ!騒いでるんじゃない!バレー部並にうるさいぞ!」

典子「!私たちはバレーでも、うるささでも負けるつもりはありません!みんな、もっとうるさくいこう!勝つぞ!」

桃「やかましい!とにかく静かにしろ!それと阪口、早くじゃんけんしてこい!」

桂利奈「あ、あいー!!」タタタッ!

ジャンケンポン!ジャンケンポン!ジャンケンポン........

みほ「!勝った!」

杏「おー、やるねぇ西住ちゃん!」

みほ「はい!じゃあお姉ちゃんでお願いします!」

杏「や。指名じゃないから。勢いで誤魔化してもダメ〜」

みほ「………………」

杏「はい。引いてね〜。あ、ちなみに同じ学校の人同士がペアにならないように、引く人の所属してる学校のメンバーの札は直前に抜くからね」

みほ(ということは……ここにいる参加者は20人で、そのうち大洗は私を入れて4人だから、お姉ちゃんを引く確率は16分の1……でも姉妹の絆がそれを3分の1くらいに高めてくれるはず!)ガサゴソ

杏「あ、引いたら見ないで私にちょーだいね」

みほ「はい」スッ

杏「ふむふむ……なるほど。あ、結果は最後に発表するから次の人どぞ〜……――――」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:53:36.11 ID:cJ5bRHheo


杏「――――はいこれで抽選が全部終わりましたー」

麻子(くじを引く番を飛ばされたということは、誰かが先に私を引いたのか。それがカルパッチョだったら最高だが……)

杏「……んじゃ、今から発表するね」

みほ(SSRことお姉ちゃん来て!)グッ!

杏「まず……西住まほさんと…」

みほ(私!)

杏「……ふふっ、カチューシャ」

みほ「!!!」

まほ「ん!それはいい。私の望み通りだ。まさか引けるとは」クス

カチューシャ「ふ、ふん……何よ、たまたまじゃない///」

みほ「………………」

優花里「に、西住殿。気を落とさずに。私に出来ることならなんでもします!言ってください!」

みほ「じゃあ私がお姉ちゃんを引いた世界に移りたいかな?」

優花里「ぱ、パラレルワールドへの移動ですか?わ、わかりました。方法が無いか探しに…」

沙織「無理だから!」

華「いえ、諦めたらそこで終わりです」

沙織「そういう次元じゃないよ!本当に次元が違うから!ってゆーかみぽりん、どうしてお姉さんにそんな固執するの?」

みほ「それは……」

沙織「前はそこまで仲良しじゃなかったんじゃないの?」

みほ「……ううん、小さい頃から仲は良かったよ。去年の件があってからは距離が開いちゃってたけど、戦車道全国大会とか大学選抜との試合でその距離は大分元通りになったし、この前のフリースタイルバトル大会で思いっきり言い合ってからは、もうぴったんこ」

沙織「ぴったんこ……」

みほ「うん!いっぱいメールも送るし、電話もいっぱいするようになったんだ。返信はあんまり来ないし、折り返し電話じゃなくてメールで短めの文面だったりするのも照れ屋なお姉ちゃんっぽくてもう……ぴったんこ!」

華「それは若干煙たがられているのでは?」

沙織「華!?なんでこんな時だけまともなこと言うの!?」

みほ「?とにかく、お姉ちゃんとは小さい頃よりもっと仲良くなったんだぁ。だからこれからはもっともっと仲良くなれると思うの!前のバトルでお互いの気持ちが通じ合ったっていうか、もう2人で1人みたいな感じ?えへへ……///」

優花里「ぐ……ぎぎ……」ギュゥッゥゥ!

麻子「秋山さん。悔し紛れなんだろうが、自分の二の腕を全力でつねるのはやめた方がいい。何の得も無いぞ」

沙織「………………」

沙織(ちょっと前にみぽりんの部屋に遊びに行った時、本棚に女の子同士が抱き合ってる漫画とかDVDがいっぱい置いてあったけど……………うん、考えないようにしよう)
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:55:03.91 ID:cJ5bRHheo

杏「次は〜〜〜、ナオミさんと…………チョビ子!」

アンチョビ「チョビ子って言うな!」

ナオミ「ほう」



杏「クラーラさんと…………赤星さん!」

クラーラ「カチューシャ様と組めない以上、誰が相手でも構いません……(ロシア語)」

小梅「な、なんか悲しそうな表情……私でごめんなさい!」



杏「さかぐっちゃんと…………カルパッチョ!」

桂利奈「おおおお!韻の人だーーーー!」

カルパッチョ「……たかちゃんではないのね……」ズーン

アンチョビ「いや、その子参加しないだろ」

麻子(カルパッチョと組みたかったが……仕方ない)



杏「ノンナさんと………………アッサムさん!」

アッサム「あら。よろしくお願いします」

ノンナ「こちらこそ」

アッサム「大会では是非、優雅な戦い…」

ノンナ「相手を徹底的に叩き潰しましょう。粉みじんになるほどに」ゴゴゴゴ..

アッサム「え……あ、は、はい……」タジッ



杏「それで〜……アリサさんと組むのは…………ニーナさん!」

アリサ「ニーナ?あぁ、プラウダの子ね」

ニーナ「よ、よろしくおねげぇします。プラウダの補欠だけんど、一生懸命ラップしますだ」



杏「次は……おケイ!」

ケイ「やっと私ね!待ちくたびれたわ!」

杏「おケイが組むのは……ペパロニさん!」

ペパロニ「私っすか?」

ケイ「OH!アンジーに勝ったペパロニとなんて最高ね!よろしく!」

ペパロニ「こちらこそよろしく!特技はパスタっす!」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:56:07.58 ID:cJ5bRHheo

杏「私と組むのは〜…………ダージリン!」

ダージリン「あら」

杏「ふつつかな娘ですがどうぞよろしくぅ」

ダージリン「こちらこそ。よろしくお願いしますわ」ウフフ



杏「さて、残るは……西住ちゃん、冷泉ちゃん、逸見さん、オレンジペコさんだね」

沙織「同じ学校では組まないから、逸見さんかオレンジペコさんか……みぽりんの相手はどっちになるんだろね?」

みほ「ううん、それでもお姉ちゃんが勝者復活で来る可能性は捨てきれない……」

沙織「捨てなよもう。傷付くだけだから」



杏「…………じゃあ最後の2組は一気に発表するね」

杏「最後の2組は………………」

杏「………………」

杏「冷泉ちゃんと逸見さん!西住ちゃんとオレンジペコさん!」

オォォ...

麻子「ふむ」チラ

麻子(相性的には悪くない。この子のバイブスはかなりのものだしな)

エリカ「…あによ。不満なわけ?」ムス

麻子「そんなことはない。そっちこそどうなんだ?西住さんとの方が良かったか?」

エリカ「いいえ、別に」

麻子「そうか」

エリカ「こないだのリベンジが出来ないのは残念だけどね」

麻子「……わだかまりが残りそうなら大会前に本気でバトルするか?」

エリカ「…………やめとくわ。それで勝っても負けても次の大会にプラスになりそうにないもの」

麻子「わかった」

麻子(苛烈な性格と思いきや、案外冷静だな。しかしバトルでは熱い。その切り替えは参考になる)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:56:51.27 ID:cJ5bRHheo

オレンジペコ「あの……みほさん、よろしくお願いします」

みほ「………………」

オレンジペコ「?」

みほ(最後の希望の火は消えちゃった……お姉ちゃんと組みたかったなぁ……)

オレンジペコ「あのー……」

みほ(って、落ち込んでる場合じゃないよね、うん。くじで選んだんだから……みんな平等だし……)

オレンジペコ「………………腐ったオレンジの声は聞こえませんか?」ニッコリ

みほ「へ?」

オレンジペコ「掃き溜めに落ちた毛程度しか価値が無い私とペアではご不満のようですねぇ」ニッコリ

みほ「そ、そ、そんなわけないです!考え事してただけで無視するつもりなんて全然!すみません!」ペコペコ!!

みほ(今のって、前の大会で私が言ったディスだよね?もしかして本気で怒って…?)

オレンジペコ「……ふふっ、冗談です」

みほ「………え?」

オレンジペコ「みほさんがお返事してくれなかったので拗ねただけです」クス

みほ「あ、そ、そうなんだ……よかった……」ホッ

オレンジペコ「今度の大会、頑張りましょうね」キュッ(みほの手を取り、両手で包み込む)

みほ「あっ……は、はい……」

みほ(オレンジペコさんってこんなスキンシップするんだ……な、なんか意外……)

オレンジペコ「………………」チラ


ダージリン「……………………」ジーーーーー..
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:58:02.03 ID:cJ5bRHheo

オレンジペコ「……みほさんの手、すべすべで気持ちいいですね」ナデナデ

みほ「そ、そんなことないと思います、けど」

オレンジペコ「でもほら…………こんなに滑らかです」ツツーッ..

みほ「あの……くすぐったいです」

オレンジペコ「」チラ


ダージリン「!………………」ムムム..


オレンジペコ「」ニヤァァ..


アッサム「…………」ハァ..ヤレヤレ..



杏「………………」

杏(聖グロは色々とややこしいんだねぇ……それに引き換え、うちなんて全然…)チラ



優花里「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛…………!」

沙織「ゆかりんやめて!髪の毛をまぶたの裏に挟んで眼球を塞ごうとしてもダメだよ!現実を見て!というか普通に危ないから!」

華「いいですか宇津木さん。こういった緊急時でも心を凪のように落ち着かせていられるのが大人の女性というものなのです」

優季「なるほど〜♪」

沙織「いや一緒にゆかりん止めてよ!ただの薄情な子だよそれ!」



杏「………………」

杏(うちも結構ややこしかったかー。ま、いいや)
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 20:59:51.59 ID:cJ5bRHheo

ダージリン「……さて、ペア分けはすんだけれど、このあとはどうするのかしら?それとペコ、こちらに戻ってきなさいな」

オレンジペコ「はい」

杏「んー、とりあえず……ペア毎に相談してチーム名を決めてもらって、それで用件はおしまいだね」

エリカ「……そんなのわざわざ集まらなくても出来たじゃないの。連絡の取りようなんていくらでもあるんだから」

まほ「いや、こうして顔を合わせることに意義があるんだ。ペア決めでは自らの手でくじを引いただろう?そこには抽選に参加したという意思が残る。そして周囲の目があることで、抽選結果の公正さを証明できる。不正をするつもりがなくても全てネット越しに行われては猜疑心が残らないとも言い切れないからな」

小梅「あの……そんな難しい話ではなく、皆さんと同じ空間を共有したいから呼び出したのではないでしょうか?」

まほ「……そうなのか……ふむ」

エリカ「……その気持ちはわからないでもないわ。でも私たちは学園艦ごと遠くから来てくじ引いてチーム名決めて解散ってのはなんか納得いかないわね。ヘリで来ないように言われていたし…」

桃「その点については当然考慮してある。遠路はるばる来てもらったのだからな」

柚子「もうすでに各学園には通達がされていると思いますが、今日から1ヶ月ちょっとの間、みなさんの学園艦は大洗に停泊します」

カチューシャ「え!?そ、そうなの!?連絡なんて全然……………じゃなくて!し、知ってたけど知らないふりしちゃったわ!」

まほ「私は知らなかったよ。カチューシャは知ってたんだな。偉いぞ」ナデナデ

カチューシャ「ふぇっ!?あ、ぅ……な、撫でないでよ……もう…っ……///」

まほ「……嫌か?」

カチューシャ「い、嫌…じゃ……ないけど……///」

ノンナ「…………クラーラ、メリケンサックを貸してください(ロシア語)」

クラーラ「申し訳ありませんノンナ様。リュックに入れたまま自室に置いてきてしまいました(ロシア語)」

小梅「あ、あの!西住隊長!なんか空気が不穏な気がします。撫でるのはそろそろ……」

まほ「そうか?わかった。それと、『元』隊長だぞ?」フフ

小梅「す、すみません」

ナオミ「1ヶ月間、存分に練習が出来るってわけか」

ケイ「2ON2はペアの息を合わせるのが難しそうだももの。そういう部分をトレーニングしなきゃね」

桂利奈「カルパッチョさん!1ヶ月間、一緒の部屋で暮らしませんか!?」

カルパッチョ「ええっ!?」

桂利奈「エヴァでシンジとアスカが息をピッタリ合わせるために同居してました!それをやりましょう!」

カルパッチョ「あの…」

桂利奈「アスカはカルパッチョさんに譲ります!私がシンジです!」

カルパッチョ「そういう問題じゃなくて……」チラ

桂利奈「……アスカより冬月先生の方が好きでした?」

カルパッチョ「全然好きじゃないです。そうではなくて…」

桂利奈「?」

カエサル「えーと……阪口さん」

桂利奈「あ……ゼルエル先輩」

カエサル「カエサル!白いパタパタみたいなのとか無いし!使徒じゃない!」

桂利奈「はい。使徒じゃないのは知ってますけど……」??
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 21:01:12.68 ID:cJ5bRHheo

カエサル「あー……ひなちゃ……カルパッチョさんを強引に誘うのはちょっとダメだよ?カルパッチョさんはアンツィオの方で寝泊まりしたいんじゃないかな?阪口さんも普段行かない場所で急に暮らそうって言われたら戸惑うよね?」

桂利奈「いえ!すっごく楽しそー!」

カエサル「…………うん、そういう人もいる。でもカルパッチョさんは違うと思うんだ。アンツィオの方がいいよね?」

カルパッチョ「私は……たかちゃんのところがいいな……///」

カエサル「ぅええっ!?」

カルパッチョ「そうすれば阪口さんと練習する時にすぐ集まれるし」

カエサル「し、しかし……///」

カルパッチョ「…………」ジー

カエサル「う……///」

桂利奈「」ジー

カエサル「う、うちはダメだ。なんと言っても同居人が3人いるからな!」

左衛門佐「その心配は無用だ」

カエサル「え?」

おりょう「大会までの期間、停泊してる学園艦で空いている部屋を自由に使っていいとのお達しぜよ」

エルヴィン「私は黒森峰に行くつもりだ。おりょう、左衛門佐も別の学園で泊まる。異文化交流が捗るな」

カエサル「ぶ、ブルータス!何度目だ!しつこいぞ!」

おりょう「別に裏切ってないぜよ」

エルヴィン「というかむしろ気を遣ってくれたと感謝するべきだろう」

左衛門佐「うむ。知行を与えられても不思議ではないな」

エルヴィン・おりょう「それだー!」

カエサル「いやいやいや……頼むよ。ちょっと色々問題があるんだよ」ヒソヒソ

おりょう「ブルータスに頼んでも意味ないぜよ」

カエサル「失言だ。謝るから。まだ心の準備が出来てないというか……いや、別に変な意味は無いんだが……」

カルパッチョ「……ふふっ、冗談よ」

カエサル「…………え?」

カルパッチョ「私はアンツィオに戻るから。でも今度遊びに行くね」

カエサル「う、うん」

カルパッチョ「あ、ドゥーチェが呼んでる。阪口さん、ちょっと待っててね」タタタ

桂利奈「あ、はい……」

カエサル「………………」

カエサル(ああいう風にあっさり去られるのも、それはそれでちょっとショックかもしれない……)

エルヴィン・左衛門佐・おりょう「………………」

桂利奈「…………あの……カエサル先輩」

カエサル「ん?」

桂利奈「私と1ヶ月住みます?」

エルヴィン・左衛門佐・おりょう「それだー!」

カエサル「なんでだよ!」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 21:03:11.94 ID:cJ5bRHheo

杏「で、注意点が1つ。この場にいない他の参加者より有利になるような情報交換とかは無しの方向でねー」

柚子「大会のルールでは学校の垣根を越えてのチーム組みは構わないと記載されていますけど、やっぱり…」

杏「こっちが徒党を組んで自分たちを有利にしようとしてる風に思われるのは癪だからね。ま、よそでも集まってチーム作りしてるみたいだけどさ」

桃「とにかく、何か希望があれば我々大洗生徒会に連絡してくれ。チームで同居を希望するならば寮の空き部屋も提供可能だ」

杏「あ、もいっこ注意点。チーム内でバトルの練習は全然いいけど、参加する他のチームとのバトルは禁止。2ON2の練習がしたいなら、大会に出ない子たちとやってね」

まほ「そうだな。最初から手の内を知っていれば有利だが、それでは面白味も無い」

カチューシャ「何も知らなくったって勝つのが私たちだもの!」

まほ「その通りだ。さすがカチューシャ」ナデナデ

カチューシャ「っ……あ、当たり前のことゆっただけだもん///」



その後、各自で話し合った結果、チーム名が決定した――――


・『MIH×O×RENGE(ミホレンジ)』・・・みほ、オレンジペコ

・『チンピライマーズ』・・・麻子、エリカ

・『干し芋ティータイム』・・・杏、ダージリン

・『ライム戦隊カリレンジャー』・・・桂利奈、カルパッチョ

・『アリサ&ニーナ』・・・アリサ、ニーナ

・『レッドブルーズ』・・・クラーラ、レッドスター

・『アノコをトワに支え隊』・・・ノンナ、アッサム

・『まほカチュ』・・・まほ、カチューシャ

・『ペパロニ&ケイと世界中の美味しい物』・・・ケイ、ペパロニ

・『ツインテールショートヘア』・・・ナオミ、アンチョビ
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 21:04:27.64 ID:cJ5bRHheo

桃「全チーム名が決まったな」

杏「うーん、いやはや…………みんなもれなくダッサイねぇ〜」

柚子「か、会長!そこは『個性的』や『斬新』と言った言葉で濁さないと!」

みほ「かっこいいチーム名って思い付かないもんだね」

アンチョビ「ペパロニ。お前のチーム名はなんなんだ?ペパロニ&ケイはわかる。だが『世界中の美味しい物』ってなんだ?」

ペパロニ「好きなんす!美味しい物!」

アンチョビ「……うん、わかる。しかしチーム名は…」

ケイ「私も大好き!世界中の美味しい物!美味しい飲み物もあるから『食べ物』にはしなかったのよ!」

ペパロニ「そこに気が付くのがサンダースの隊長らしさっすよね〜!」

ケイ「でっしょ〜?」

アンチョビ「…………そうか。まぁ、いい」

オレンジペコ「アノコをトワに支え隊……?」ジトー

アッサム「私ではなくて100%ノンナさんの意志よ。ダージリンを永遠に支える意味は含まれていないわ。だから疑惑の目を向けるのをやめなさい」

杏「さってと、チーム名も決まったことだし。んじゃ、あとは各自大会まで好きに過ごしてね〜」

桃「では解散!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 21:05:12.68 ID:cJ5bRHheo

1ヶ月後――――

【ライブハウス】

役人「うぇいよー!」

ワァァッァ!!!

役人「今日は第2回フリースタイルバトル大会改め、第2回フリースタイルMCバトル大会だぜ〜!」

ワァァァァァ!!!



桃「いよいよ始まるな」

柚子「うん。今日は前回以上に人が入ってるね」

桃「ああ。2階席があるが、連れて来れるメンバーがかなり限られてしまった」

杏「生徒会とあんこうチームとウサギさんチームだけだもんね。来れない子たちのためにちゃんと動画撮っておかないと。頼んだよ小山」

柚子「はい。任せてください」

桃「私が撮った方がいい気もするがな」

柚子「桃ちゃんはズボラだから素手でレンズベタベタ触るでしょ?指紋って画面越しに見ると気持ち悪いから……」

桃「そんなことするか!レンズには人一倍気を遣うぞ!メガネかけてるんだから!」

柚子「でもトイレ行っても手を洗わない」

桃「洗うよ柚子ちゃぁあん……」グス..

柚子「ふふ、大丈夫。どんな桃ちゃんでも私がそばにいるから」ニッコリ

桃「はぁぁぁああぁぁ……ゆずちゃぁぁあん…………///」

杏「小山。マインドコントロールはその辺にして、組み合わせを見よう」

柚子「はい」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:12:16.15 ID:cJ5bRHheo


【トーナメント表】

ナカスリベンジャ―ズ              ――――
                                │―――
まほカチュ                    .――――     │
                                     ..│―――
継続                        ――――     .│    │
                                │―――     ..│
レッドブルーズ                  ――――          ...│
                                           │────
チンピライマーズ                ..――――           │       |
                                │―――     .│      |
BC自由                     ..――――     .│    ..│      .|
                                     .│―――       .|
ペパロニ&ケイと世界中の美味しい物   .――――     │           ...|
                                │―――             ...|
MIH×O×RENGE              .――――                  ...|
                                                  ..|────!!優勝!!
ライム戦隊カリレンジャー           .――――                 ...│
                                │―――            .│
アリサ&ニーナ                 .――――     │           .│
                                     ..│―――      ...│
青師団アルマ                  .――――     ..│    │     ...│
                                │―――      .|      .│
ツインテールショートヘア           ..――――           .│      ...|
                                           │――――
ヨーグルトのマーチ               ――――          ..│
                                │―――     │
干し芋ティータイム               ――――     │     |
                                     .│───
ボコファイターズ                ..――――     │
                                │―――
アノコをトワに支え隊             ..――――     
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:17:13.33 ID:cJ5bRHheo
トーナメント表が上手く書き込めない…
かなり雑ですがこのまま進めます
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:26:37.93 ID:cJ5bRHheo

麻子「チーム名だけでも判断が付くチームもあるな」

エリカ「『ヨーグルトのマーチ』はヨーグルト学園とコアラの森学園のメンバーでしょうね。前回も出てました」

カルパッチョ「BC自由と継続はそのまま高校名ですね。学内で組んだチームなのでしょう」

アンチョビ「ナカスリベンジャーズってのはわからんな」

まほ「恐らくベルウォール学園の中須賀エミのチームだろう」

カチューシャ「ふーん。ナカスガのナカスを『泣かす』とかけてるつもりなんでしょうね」

まほ「だろうな」

カチューシャ「それにしても1回戦でマホーシャと私に当たるなんてラッキーね!前回負けたからリベンジしたがってる相手だもの!でもかわいそうに!私とマホ―シャは最強!泣くのはあっちの方よ!」

???「最強のチームなんてものは存在しない」

カチューシャ「え?あ、あんたは……」

愛里寿「…………」

カチューシャ「島田愛里寿!なんであんたがここに!」

愛里寿「私も参加者だから」

カチューシャ「なんですって!?」

愛里寿「……『ボコファイターズ』としてアズミと参加する」

まほ「最強のチームが存在しないと言ったな。その理由は?」

愛里寿「…………あなたたちは強い。でも私たちと戦えば私たちが勝つ。だから最強じゃないという意味」

まほ「…………そうか」

愛里寿「………………」

まほ「…………………」

まほ「今の言葉、証明できるといいな」

愛里寿「…………」スッ..テクテク..

杏「いやー、島田愛里寿まで参加してるとはねー。ま、参加資格は戦車道関係者で在学中であることぐらいだから、大学生でも問題ないけど」

柚子「でも大半が高校生ですから、基本的に大学生は出場しない向きがあるのですが……」

杏「まーね。でも大学生って言っても島田愛里寿は13歳。相方が普通の大学生だから、チームとしての平均年齢は高校生くらいだし、ちょうどいいくらいじゃん?」

カルパッチョ「…………それにしても」ハァ

桂利奈「?どうしたの?」

カルパッチョ「また……たかちゃんが観に来てくれてない……」シュン

桂利奈「う……だ、だいじょぶ!カルパッチョさんがすごかったっていっっっぱい言っとくから!」

カルパッチョ「本当!?お願いね!」

みほ「………………」

みほ(初戦の相手はケイさんとペパロニさんかぁ……ケイさんは私が負けた相手で、ペパロニさんは会長が負けた……ちょっと怖い相手だなぁ)

オレンジペコ「……大丈夫」

みほ「え?」

オレンジペコ「私たちならきっと勝てますよ」ニコリ

みほ「オレンジペコさん…………うん、ありがとう」ニコリ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:28:22.71 ID:cJ5bRHheo

ケイ「お。今回も継続高校は出場するのね」

アリサ「前回はラップにすらなってなかったですけどね」フゥ

ポロロン..

ナオミ「ん?この音色は」

ミカ「やあ、風に吹かれて来たよ」

アリサ「出た……ジャージと帽子と楽器の女」

ミカ「ファッションと持ち物だけで呼ばないでくれるかな。私の名前はミカだよ」フフッ

ナオミ「今回も参加するんだね。継続高校にしては珍しく積極的だ」

ミカ「フリースタイルバトルには人生で必要なものが全て含まれていると気付いたからね」

ナオミ「……そう、か?」

アキ「もうおかげで大変だったんですよー!ただでさえお金が無いのに勉強用にフリースタイルバトルのDVDを買ったり……」

ミッコ「レンタルで無いんだもんなー!」

ケイ「あっはは!うちに言ってくれれば貸したのに〜、って、大会前にはそうゆーのダメだったっけ?」

ナオミ「とにかく、やる気になっているならいいことだ」

アキ「それはそうなんですけどねぇ……はぁ……練習に付き合うのも疲れた……」

ミカ「その苦労も人生に必要なものさ。人生に必要なものがフリースタイルバトル周りにもポロポロ落ちている。拾うといいよ」

アキ「はいはい」

ミッコ「そんじゃ失礼しまっす」

ケイ「じゃあね〜♪ばいばーい!」

スタッフ「出場者の皆さま、そろそろ舞台裏の方でスタンバイをお願いします」

みほ「は、はい」

ニーナ「プラウダの裏は怖えけんど、こったら場所の裏なら安心だべ」テクテク

ゾロゾロゾロ..
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:28:51.58 ID:cJ5bRHheo

エミ「………………」

音子「西住まほに一発カマし入れとかなくていいのか?」 ※山守 音子(やまもり ねこ)・・・リトルアーミー2に登場。ベルウォール学園の戦車道チーム所属。かなりクチが悪い上に喧嘩っ早い。ヤンキー風。一人称は俺。

エミ「い、入れるわけないでしょ!そんなこと出来ないわよ!」

音子「あっそ。けどよー、西住まほを倒す気は満々なんだろ?」ニヤ

エミ「…………ええ。リベンジを果たした後、みほにも勝って優勝するつもりよ」

音子「……へっ!いい顔してるな。さすがマネージャー。っと、モタモタしてっとやっべえな。最初の試合だった」タタッ!

エミ「あ、ちょっと!いきなりなんだから……ったく」タタタ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:32:55.57 ID:cJ5bRHheo


◇◇◇◇◇◇このSSにおけるフリースタイルバトルの説明◇◇◇◇◇


バトル中のセリフは全てラップですので、実際に声に出してラップも出来るようになっています

バトルは8小節毎で交代のターン制です

1小節とは「いち、にー、さん、しー」の4拍のことです。4拍×8回で8小節になります。8小節でスクラッチが入り、相手とターンが替わります

バトルを見る前に、PCの人は別タブ、スマホの人はバックグラウンドで再生してもらうなどしながら読んでもらえると、より楽しめると思います

ちなみに、このSSをまとめサイトで読む場合、スマホの方はPC用のサイトで見ると読みやすいと思います。スマホ用ページの場合、ページ切り替え時に動画が止まってしまうので(まとめてもらえるかはわかりませんが)


ビートはYoutubeのリンク先の動画です。ラウンド毎にリンクを貼っています

リンク先の動画が削除された時のため、URLの横に動画の時間を記載します。もしリンク先が削除されていたら、同じくらいの時間のビート用動画で代用できます

動画の時間は基本的に『8小節4本』ですので、4本以上ある動画の場合、同じくらいの時間でもテンポが合わない(早い)のでご注意ください



★バトル時★

みほ「○○○○○○○○○○○○」 この1行で1小節になっています。文字数によって早口だったりゆっくりだったりします

みほ「○○○○○○○○○○○○」×8で1バース終了。スクラッチきっかけで、次は相手のバースになります。基本、3ターン(往復)で終了です


この大会における2ON2のルールですが、特別なものはありません。小節の割り振り方は自由です。1小節、2小節ごと交互でもOK。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 22:37:21.54 ID:cJ5bRHheo

【ステージ】

役人「選手入場の前に、今回の審査員を紹介しましょう!」ワァァァ!!

役人「撃墜率120%!ラップで女性を口説き落とす陸上自衛隊のグッジョブ教官こと蝶野亜美さん!」

亜美「よろしくー!」ワァァァア!

役人「そして、知る人ぞ知るラッパー、KODAMAこと児玉七郎さん!戦車道連盟の理事長です!!」

理事長「ど、どうも」ワァァァ!

役人「……戦車道の試合で審判を務めるかたわら、大学ではフリースタイル漬けの日々を送っていた……篠川香音さん!」

香音「よ、よろしくお願いします」ワァァァ!

役人「この方を知っている人はいるでしょうか?今は活動をしていませんが、実力派と高い評価を受けていたラッパー、Shin−Zabrowさん!」

新三郎「よろしくお願いしやす!」ワァァァ!

役人「……えー、前回はもう1人、島田千代さんが審査員をしてくださったのですが、今回は身内が出場するということで辞退されました」

役人「しかしこの方もある意味でレジェンド!昔はラッパーとして活躍し、ここでは言えないような危ない橋を渡ったり、様々な武勇伝をお持ちのギャングスタ!今はせんしゃ倶楽部本店の店主をしておられます、浅井さん!」

浅井「どうも……」ワァァァ! ※リボンの武者2巻に登場。せんしゃ倶楽部本店の店主として戦車道連盟のパーツ等を取り扱いながら、強襲戦車競技(タンカスロン)用品を地下で販売、カスタム等を行っている

役人「そして今回は、勝敗の判定方法が前回と変わっています!前回は審査員5名による判定、そして全員一致の場合はクリティカルで勝利となりましたが……今回はお客さんも審査に参加してもらいます!」

ワァァァァ!!

役人「まず試合終了後、どちらが勝ったと思うか、お客さんは声を上げながら片手を挙げてください。その歓声が大きく、挙がった手の数が多い方がまず1ポイント獲得し、そしてその後の審査員による判定での勝者にはまた1ポイント入る、というシステムになります」

役人「2ポイント……つまり両者の支持を獲得した方が勝者となり、試合終了です。前回はラウンド毎に勝敗を決め、2ラウンドをとったら勝ちでしたが、今回は一発勝負のスリリングなバトルとなっています!」ワァァァ

役人「ただし!お客さんと審査員の判定が割れた場合は延長戦として再試合を行います!そして審査員が全員一致したとしてもクリティカルはありません。あくまでお客さんと審査員の判定結果は対等となっています!」ワアッァァ!

役人「最後にもう1つ。審査員の判定は公正を期すため、お客さんに判定を聞く前に、どちらの勝ちかを決めてもらいます。事前に赤と青の2本の旗を渡してありますが、勝者だと思う方の旗のみを手に持ち、余った旗はスタッフが一旦回収します。そしてお客さんの判定後に、審査員に旗を上げてもらうようにします。ですので、お客さんの歓声や空気によって判定を変えるといった不正はありません。ご安心ください」ワァァ..

役人「……長くなりましたが、説明は以上です。よろしいでしょうか?判定の時は大いに盛り上がってくださいね?日頃の嫌なことを忘れてしまいましょう!」ワァァ!

役人「そう、いつ終わるともしれない書類整理や関係者各位への対応、メガネの度が合わなくなってきたりする日常のストレスは全てここで捨てましょう!」

役人「では!早速いきましょう!第2回フリースタイルMCバトル大会!始めるぞーーー!!!」

ワァァァァァァ!!
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 23:05:27.62 ID:cJ5bRHheo

【2階席】

沙織「前から不思議だったんだけど……」

華「?はい」

沙織「審査員を務める人たちって、どういう基準で選んでるのかな?」

華「……想像ですが、まず審査員を務める人を決める人は誰がいいかを審査する人を誰にするかを審査する人を…」

沙織「ストップ。小山先輩、知ってますか?」

柚子「単純にHIPHOPにまつわる人たちが選ばれたって聞いたよ?新三郎さんとか理事長は元ラッパーだし。ただ……」

沙織「ただ?」

柚子「参加校の関係者じゃない人を中心に選出してるみたい。篠川さんは戦車道の審判で公正な判断が出来るだろうし、理事長も特定の学校と密接な関わり合いは無い。せんしゃ倶楽部の浅井さんも同じだね。蝶野さんはうちの練習を手伝ってくれたけど、他の学校にも行ってるから問題無し」

沙織「なるほど……あれ?でもそれだと……」

柚子「そうだね。新三郎さんは大洗の人だから、うちが出場する時は審査員にしない方がいいんじゃないかって意見も出たみたい」

沙織「ですよね?」

柚子「ただ、他に審査員を務めてくれそうな人がなかなかいないんだって。そこで、元ラッパーの新三郎さんならフリースタイルバトルの判定で身内びいきはしないだろうってことで選ばれた」

沙織「そっかぁ……確かに自分が判定される立場を経験してたら、身内だからって有利にする審判なんて許せない!ってなる……自分は絶対そういう判定はしないぞーって思いますもんね!」

柚子「そういうこと」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 23:09:41.19 ID:cJ5bRHheo

【ステージ】

役人「今大会の開幕試合!選手、入場してください!」ワァァァァ!!


エミ「…………」ザッ!

音子「…………」ザッ!



まほ「…………」ザッ

ワァァァァ!

カチューシャ「…………」トッ..


役人「1回戦、第1試合は、ナカスリベンジャーズ対まほカチュです!」ワァァァァ!!


エミ(っ……やはり西住まほの登場時の歓声がすごい……)ゴクリ

音子「……おい。あんま気負うな」

エミ「え?」

音子「負けたらどうせ俺のせいになるだろうしよ。へっ、気楽にやれよ」

エミ「あんた……」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 23:12:20.87 ID:cJ5bRHheo

カチューシャ「………………」

まほ「?静かだな。緊張してるのか?」

カチューシャ「そ、そんなわけないじゃない。あんたこそ緊張してるんじゃないの?」

まほ「いや、全く」

カチューシャ「…………そう」フン

まほ「カチューシャが一緒だからな」

カチューシャ「え……///」

まほ「負ける気がしない。だって……最強なんだろう?」クスッ

カチューシャ「…………ええ!当たり前よ!」ニカッ!



役人「それでは……始めます。先攻後攻じゃんけんをお願いします」

エミ「」ザッ

まほ「」ザッ

ジャンケンポン

エミ「!後攻で」

まほ「負けた」テクテク

カチューシャ「あんた弱いのよっ」ペシペシ!

まほ「すまない」フフ

エミ(な!?西住まほがお尻を叩かれてる!?どんな関係なの!?)


役人「……DJルミ、ビートをお願いします」

ルミ「………………」キュルッ

♪〜

※今後、ビート確認シーンは省略します

役人「OK!では始めます!フリースタイルバトル、2ON2!」

エミ・音子「………………」

まほ・カチューシャ「………………」

役人「先攻、まほカチュ!後攻、ナカスリベンジャーズ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」キュキュ!
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 23:14:01.71 ID:cJ5bRHheo

http://www.youtube.com/watch?v=lv89jtWftqY 3:41

<1回戦 第1試合 先攻 [まほカチュ] 西住まほ、カチューシャ VS 後攻 [ナカスリベンジャーズ] エミ、音子>

カチューシャ「私とは因縁無い ナカスリベンジャーズ」

カチューシャ「でも私あんたら ぶちのめして 客沸かすしデンジャラス」ワァァ!

まほ「復讐相手と 1回戦で当たる時点で 神に選ばれてねぇ」ワァァ!

まほ「散るか引き立て役か 生贄になるか 自分で選べよ」ワアァァ!

カチューシャ「さあ選択肢 どっち選んでも負け行き あみだくじ」ワァァ!

まほ「そう『Shock!』で言っていたように 今の自分が明日の強敵」ワァァ!

まほ「お前らが強くなった先に さらに強くなった私がいるわけさ」ワッァア!

カチューシャ「仕方ない だって 私たちは そういう星の元に生まれた」ワァァァ!



音子「うるせぇ てめぇ自慢 ちっせぇガキが邪魔すんじゃねぇ」

音子「こちとら はらわた煮えくり返ってんだボケ ぶちかますだけ!」ワァァ!

エミ「わかるわね? 失うものの無い強み アイツより こいつより」ワァ!

エミ「濃いフロウに 怒りと情熱を乗せて 今こそあんたら 見返す時!」ワァァ!

音子「あみだくじごと 燃やして火傷させてやるぜ オラオラ!」

音子「ドタバタ劇 やってろ勝手に こっちは 恨みを晴らすだけだぜぇ!」

エミ「ただふざけてるわけじゃない 不器用すぎるかも でも筋通す」ワァァ!

エミ「もう背中は見えてきている だからこそ ここから真っ向勝負!」ワァァ!



まほ「背中が見えてる?…………それは認める」

まほ「ただ気付いてないだろうけどな お前ら周回遅れ」ワァァァ!

カチューシャ「ホラホラ 追いつくなんて無理 マホーシャの背中には 羽が生えてる」

カチューシャ「一目で わかっちゃうでしょう ねぇ、『一体誰が負けてる?』」ワァァァ!

カチューシャ「越えられない壁 飛べちゃえないわけ おまけ?それは願い下げ」ワァァァ!

カチューシャ「実力差が ありすぎるのに 真っ向勝負って 荒唐無稽!」ワァァ!

まほ「諦め悪さが 美徳な貧乏神 誰かに なすりつける他ない」ワァァ!

まほ「努力は裏切らないが 他の道見ないなら お前が努力を裏切ってる」ワァァ!
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 23:14:58.61 ID:cJ5bRHheo

音子「うるせぇ 裏切ってんのは てめぇらの方だろうが!」

音子「こっちが バチバチにぶつかってんのに 余裕ぶってんじゃねぇよコラァ!」ワァァ

エミ「名誉とか どうでもいい 欲しいのは勝利 つまりヴィクトリー」

エミ「1対1では負けたけど 音子と私なら起きる ケミストリー」ワァァァ!

音子「だからこそ お前らの勝率はゼロ こっちが勝つに決まってんだ!」

音子「なんだ?おい ビビってんのか?今さら謝っても許さねぇからなぁ!」ワァァ

エミ「西住まほ 口の悪い天使 つまり堕天使 私は剣士」ワァァ!

エミ「その羽 叩き切って焼き切ってあげるわ 売るほどあるのよ負けん気」ワァァ!



まほ「さっきまで やけに攻撃的に怒鳴ってた 黒い音子(ねこ)」

まほ「名前と真逆じゃないか エミに従順な犬 うるさく吠える」ワァァァ!

まほ「でも今のバース いきなり自画自賛 立ち位置ガバガバ」ワァァ!

まほ「はっきり言って お前足手まとい 足引きババアだな!」ワァァァァ!

まほ「悪いな音子 私は意外と はっきり言うタチなんでな」ワァァ!

まほ「癪に触って 吐きそうになっても リバースさせねぇぐらいにな」ワァァ!

カチューシャ「雰囲気エンドロール 豪雨が過ぎたあとの 快晴のよう」

カチューシャ「バトル予報士がいたとしたって 絶対言わない 再戦模様」ワァァ!



エミ「再戦希望 話足りない 私が違い 見せて語りたい!」ワァァ!

エミ「音子と混ざり合い 化学反応 起こして 一花咲かしたい」ワァァ!

音子「まだまだ試合は始まったばかりだ!こんなところで終わるわけねぇ!」

音子「おい 何澄ました顔してんだボケ!まだ途中だぞクソ野郎が!」ワァ!

エミ「クソ野郎たちに嘘だろう?ってぐらいの逆転劇 起こす作戦」

エミ「電撃戦で激戦 決着付けるのは延長戦でどう?と尋ねる」ワァ!

音子「こちとらベルウォールの代表だ!負けねぇ気持ちはてめぇら以上!」

音子「戦車道で負けようが マイクで叫んで 声枯らして勝つんだ!!」ワァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!!
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/19(土) 23:15:34.96 ID:cJ5bRHheo

役人「ではまずお客さんに聞いてみましょう!みなさん、いいと思ったチームがコールされたら片手挙げたまま声出してください!」

役人「……いきます!この勝負、まほカチュが勝ったと思った人!」

ワァァァァ!

役人「……ではナカスリベンジャーが勝ったと思った人!」

ワァァ!

役人「まずはまほカチュに1ポイント入ります。では審査員の判定に移ります。勝ったと思う方の旗を上げてください。お願いします!」

亜美「『まほカチュ』」

理事長「『まほカチュ』」

香音「『まほカチュ』」

新三郎「『まほカチュ』」

浅井店主「『まほカチュ』」

役人「全員一致!この試合、まほカチュの勝利です!!」ワァァァッァア!!



音子「くそっ!」

エミ「………………」

音子「すまねぇ。やっぱり足引っ張っちまった」

エミ「何言ってんのよ。それはお互いさま。力負けだもん……うん、仕方ない」

エミ(西住まほ……どのジャンルでも高い壁として存在するのね……凄い人だわまったく……)フフ
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