翔太郎「学園艦?」フィリップ「ゾクゾクするね」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 05:53:55.99 ID:z5jdHHQLo
・ガルパンと仮面ライダーW
・どちらか未見でもわかるように書くつもり

このスレは
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1499868857/
の内容を修正したものです

それではパンツァーフォー!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502484835
2 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:55:29.14 ID:z5jdHHQLo
俺は左翔太郎。
極めてハードボイルドな探偵だ。
そしてここは風都、大小の風車がところどころで回る、風の街。
俺はいい風が吹くこの街が好きだ。
だがその日の風は、どこか違う匂いを運んできた。
3 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:56:03.94 ID:z5jdHHQLo
フィリップ「ねえ翔太郎、学園艦っていう船のこと、知らないだろう?」

その日も相棒のフィリップは唐突だった。
こいつもいろいろなことを経験してだいぶ人間らしくなったが、『検索』にハマると以前と少しも変わらなくなっちまう。
新しく知ったことを俺が知らないもんだと決めつけるところも、変わらない。

翔太郎「久々だなあそれ、知ってるぞ。ほらー、アレだ! でっかくてー、甲板の上に街がある」

亜樹子「私の小学校の時の友達も、学園艦に乗った子いたなあ」

鳴海、もとい照井亜樹子、遺憾ながら俺の雇い主で、それなりに有能な所長サマ。
数々の事件を共に乗り越えて、俺達とは深い絆でつながれている。
まあ、喧嘩はするけど……
4 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:56:55.21 ID:z5jdHHQLo
フィリップ「わざわざ巨大な船を作ってその上で生活する非合理性、とても興味深い!」

翔太郎「あーあー、こうなったフィリップは止まらねえんだよなあ」

亜樹子「良いじゃない、最近はガイアメモリの事件も減ってきてるし」

翔太郎「おい亜樹子。俺達の仕事はガイアメモリだけじゃないんだぞ」

亜樹子「はいはい、それじゃペット探し、行ってみよう!」

こうして、俺は事務所の定収入源になっているペット探しに出かけることになった。
ったく、ハードボイルドにはほど遠いぜ。
5 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:58:01.87 ID:z5jdHHQLo
翔太郎「ペット探しなんてハードボイルドじゃねえよなあ」

街を歩きながらぼやく俺の頭に、柔らかいと固いの中間くらいの物体が振り下ろされる。

翔太郎「痛てっ!」

振り返ると亜樹子が緑色のスリッパを振り抜いて、鬼の形相をしていた。
スリッパに書かれた文字は『得意分野じゃろ!』
残念なことに否定できない。

亜樹子「文句言わない! 立派な収入源なんですからね!」

翔太郎「わぁってるよ、探せば良いんだろ探せば……っと、悪い」

??「あ、こちらこそすみません」

よそ見をしていた俺は、肩口に軽い衝撃を感じて立ち止まる。
そこには見慣れない制服を着た女子学生の姿があった。
肩口で切りそろえた茶髪はさらさらと風に揺れて、憂いを帯びた瞳は下がった目尻から零れ落ちてしまいそうだった。
6 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:58:37.17 ID:z5jdHHQLo
翔太郎「! いいんですよお嬢さん、見たところこの街にはない学校の制服を着ているようだが……」

緑色のラインが入った純白のセーラー服は、俺の見立てでは風都どころか近隣の学校でもない。

翔太郎「なにかお困りの際はこの私。私立探偵、左(ひだり)翔太郎にお申し付けください」

??「あ、はい……」

亜樹子「鼻の下伸ばしちゃってまぁ」

翔太郎「伸ばしてませんー」

??「あ、あの、一つお尋ねしても良いでしょうか」

翔太郎「なんでしょう?」

西住みほ「風都ホテルってどこにあるんでしょう……?」

この少女との出会いが風都を巻き込む大事件に発展していくとは、この時の俺は夢にも思わなかったのだ。
7 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:59:13.83 ID:z5jdHHQLo
♪WBX W-Boiled Extreme

仮面ライダーW CROSSOVER GuP/これが友情の電撃戦です!
8 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 05:59:41.10 ID:z5jdHHQLo
翔太郎「ここが風都ホテルですよ。お嬢さん」

みほ「本当に、ありがとうございました! あの、依頼料とか」

亜樹子「いーのいーの! 道案内なんてこの街の人間なら誰でもすることだからね!」

みほ「……はい!」

異邦の女学生は頭を下げるとホテルに駆け込んでいった。
ホテルには『歓迎 大洗女子学園御一行様』の立て看板。
修学旅行か、楽しんでいってほしいもんだ。
9 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:00:18.93 ID:z5jdHHQLo
翔太郎「美しい子だった」

亜樹子「やらしー」

翔太郎「そういうんじゃねえよ!」

亜樹子「今のうちに竜くんに、ロリコン性犯罪者がいますって連絡しておこうかしら」

翔太郎「てめ、洒落にならねえからやめろ!」

竜くんというのは照井竜という、風都警察署の刑事だ。
階級は警視正、年は俺と変わらないくらいだが……ま、エリートってやつだな。
名字で察したかも知れないが亜樹子の旦那で、俺達とはただの探偵と警察以上の協力関係にある。
だがとんでもないカタブツなのでロリコン性犯罪者などと伝えれば最後、勘違いだとわかるまで取調室にぶち込まれることは想像に難くない。
10 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:14:33.84 ID:z5jdHHQLo
翔太郎たちが去った後、風都ホテルでは二人の少女が西住みほを待ち構えていた。

沙織「あ、みぽりん! どこ行ってたの! 心配したんだからね」

武部沙織、社交的なイマドキの女子高生である。
料理と美容の事ばかり考えている一方で『戦車道』のポジションは通信手。
アマチュア無線の免許を取った努力家でもある。

みほ「沙織さん、ごめんなさい。ケータイの電池切れちゃって地図も見れなくて」

沙織「そうだったの! 無事に着けてよかったよぉ」

みほ「うん。親切な探偵さんに案内してもらえたから」

みほは翔太郎に渡された名刺を差し出した。

沙織「探偵? なになに、鳴海探偵事務所、左翔太郎。なんかすごそうだね!」

麻子「おい沙織、そのへんにしてやれ。西住さん困ってるだろ」

冷泉麻子、常に眠そうにしているが学年主席の天才である。
物覚えがよく『戦車道』のポジションは操縦手。
どんな戦車もマニュアルを読んだだけで動かせる脅威のドライブテクニックを有する。

沙織「麻子! わかったわよ。じゃ部屋に行こっ」

みほ「うん。修学旅行かあ、どんなお部屋かなあ」

麻子「特に変わったところのないちょっとばかし高級なホテルの部屋って感じだ」

沙織「麻子!」

みほ「あはは……」
11 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:26:17.13 ID:z5jdHHQLo
翔太郎「ただいまー」

俺と亜樹子は道案内を終えてからペット探しもきちんと行い、事務所へと帰ってきた。
足を踏み入れるなり相棒のフィリップが、口角を釣り上げた笑顔で近寄ってくる。

フィリップ「遅かったね翔太郎。学園艦と言うのは本当にすごいよ! これを考えた人間は天才か悪魔のどちらかだね」

翔太郎「またずっと『検索』してたのかよ。しょうがねえなあ」

フィリップは脳内に『地球の本棚』というデータベースを持っている。
この『本棚』には地球の記憶、つまり地球上で起きたことならば歴史的な事実から個人的な悩みまですべてが記録されている、らしい。
しかしすべての情報をフィリップが把握しているわけではないので、知りたいことがある時はその都度『検索』をかける必要があるわけだ。
インターネットと一緒だな。
そしてフィリップには、一度検索を始めると関連することを調べ尽くすまで止まらない悪癖があるのだ。

亜樹子「なんだかこのやり取りも懐かしいね」

翔太郎「……ああ、そうだな」

フィリップ「ところで翔太郎。今学園艦が風都に来ているみたいだから、見に行かないか」

翔太郎「ああ?」
12 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:27:12.25 ID:z5jdHHQLo
それは意外な誘いだった。
以前のフィリップは脳内で検索するとそれで満足し、興味を失ってしまうことが多かったからだ。
俺たちは愛用のバイク、ハードボイルダーに相乗りして風都の港湾部へと向かう。
少し生臭い、塩を含んだ風が体にまとわりつくようだった。

翔太郎「ほぉー、こいつはすげえな」

学園艦は想像以上のスケールだった。

フィリップ「この大きさ、作るだけでも大変だ。それを維持し、生活の基盤にしているんだから驚愕に値するよ」

翔太郎「でも、何だって二隻も来てるんだ?」

フィリップ「閲覧したデータによるとこちらの小さいほうが県立大洗女子学園。向こうの大きい方が黒森峰女学園」

翔太郎「ほうほう……あ、さっきの子」
13 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:29:05.15 ID:z5jdHHQLo
俺は風都ホテルの入り口に立てかけられた看板を思い出していた。

フィリップ「何か心当たりが?」

翔太郎「ああ、さっき大洗女子学園の子を風都ホテルまで案内したんだ」

フィリップ「なるほど、だからペット探しにしては帰りが遅かったのかい」

翔太郎「まあな。修学旅行みたいだったから、すぐ送り届けられて良かったよ」

フィリップ「修学旅行? なんだいそれは」

翔太郎「あー、なんていうか、同じ学校の仲間で旅行するんだよ。観光地巡って、夜はマクラ投げてな」

フィリップ「それはおかしい。翔太郎の言葉が本当なら何も学を修めていない」

翔太郎「それは名前だけっつーか」

俺とフィリップが話していると、突然大きな破壊音が聞こえてきた。

フィリップ「翔太郎!」

翔太郎「ああ、ただ事じゃないな。行くぜ!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 06:35:41.33 ID:dSkrKRN7o
期待
15 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:44:11.40 ID:z5jdHHQLo
翔太郎とフィリップが駆け出した頃、大洗女子学園の生徒二人
――秋山優花里と五十鈴華は追い詰められていた。
ホテルで待つことを選んだ沙織と麻子と対象的に、二人は外に出て西住みほを探すことを選んだ。
結構人気のない場所も探した。
その結果がこれなのだから、不幸としか言えない。

秋山優花里「あわわ、五十鈴殿、行き止まりですぅ!」

ドーパント「モウ、逃ゲラレナイ」

五十鈴華「あなたは何者です? どうしてわたくしたちを狙うのです!」

ドーパント「答エテヤル義理ハナイ」

華「指先から火花……?」

優花里「もうダメです、お父さん、お母さん、西住殿、皆さん……」

翔太郎「そこまでだ!」
16 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 06:56:16.45 ID:z5jdHHQLo
フィリップ「やはり、ドーパントだったようだね」

翔太郎「ああ、間一髪ってとこみたいだな。フィリップ!」

切り札のベルト、ダブルドライバーを装着すると、フィリップの腹部にも同じものが出現する。
俺は漆黒のガイアメモリを右手に持ちスイッチを入れる。
メモリに秘められた力が開放され『ジョーカー!』の叫び声が再生された。

フィリップ「ああ、翔太郎」

かたやフィリップは鮮緑色のメモリ、サイクロンのスイッチを左手で起動させた。
『サイクロン!』の音声とともに俺たちは肩を前に出し、メモリを構える。
俺の右腕とフィリップの左腕が、Wの文字を形作った。

「「変身!」」

フィリップがドライバーの右スロットにサイクロンメモリを差し込む。
すると鮮緑色のメモリはフィリップの意識を孕んだまま俺のベルトに転送される。
それを確認した俺はジョーカーメモリを左スロットに差し込んで、ドライバーを起動させた。

『サイクロン! ジョーカー!』

仮面ライダーダブル「さあ、お前の罪を数えろ」
17 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 07:00:45.39 ID:z5jdHHQLo
ここまで
期待ありがとうございます
前スレからは、タイトルの変更と地の文での描写を追加しています

雑談・感想ご自由にお願いします
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 07:23:33.73 ID:jmeERTVA0
乙ー。
やっぱ漫画化が始まってWが戻ってきたって感じで嬉しいよ
ダブルの表記は「W」の方がイケてると思うよ。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 07:35:43.39 ID:zEt/mM1P0
ライダー&ガルパン好きな俺得。
20 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 14:55:17.92 ID:z5jdHHQLo
俺の変身が完了すると同時に、フィリップの体が路面に倒れ込む。
代わりに立ち上がるのは潮風にマフラーをたなびかせる漆黒と鮮緑のライダー、仮面ライダーWだ。
フィリップと俺は今、文字通り一心同体になっている。

ドーパント「ナンダ、オマエラ?」

W「俺達は、二人で一人の仮面ライダーだ」

華「まあ! かっこいいです……」

優花里「五十鈴殿、結構余裕ありますね」
21 : ◆naranciafLZ1 [saga]:2017/08/12(土) 14:55:45.40 ID:z5jdHHQLo
何やら喋っている少女たちに外傷が無いのは見て取れた。
ドライバーに挿入されたのは素早さに優れるサイクロンと格闘戦に特化したジョーカー。
仮面ライダーWの基本フォームであり、俺たちがもっとも得意とするスタイルだ。

W「行くぜ。はぁっ!」

ドーパント「ヌゥン!」

格闘センスと風の力を引き出したハイキックを、謎のドーパントが左前腕で受ける。
その時、俺の半身を痺れるような刺激が襲った。
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