【咲-saki-】京太郎「 K & M」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

257 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:26:45.15 ID:ejU2E6JtO


ワイワイ、ガヤガヤ

「やっと終わったぁ。」

「帰りどこいくー?」

「カラオケ!」


和「与太郎さん」


京太郎「……誰が与太郎だってぇ?」

和「違うのですか?」

京太郎「あったりまえだ!俺は須賀 京太郎ってんだ! 」

和「そうなのですね。では、須賀くん」

京太郎「……何だよ。原村 和くん」

和「……なぜフルネームで呼ぶのですか」

京太郎「うるせぇ!お前のせいでなぁ!」


京太郎「俺は先週の土曜日――!!」


和「先週の土曜日……?」

京太郎「……………」

京太郎「……要件を聞こう」


……………。


京太郎「『人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉……』」

京太郎「何これ?」

和「部活の買い出しらしいです」

京太郎「ハッハ、まるでカレー作るみたいだな」

和「では、伝えましたよ」


京太郎「ハッハ……ハ?」



和「部長から須賀くんに、だそうです」

京太郎「買ってこいってか!」

和「そこまでは知りませんよ」

和「『今朝の借り』だそうです」

京太郎「……………」
258 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:27:48.17 ID:ejU2E6JtO

スーパーマーケット ツ○ヤ


「ありがとうございました〜」


京太郎「なにが悲しくて、高校生がスーパーで主婦の真似事をするんだよ」

京太郎「……本当に部活で使うのか?」



咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「誰が与ちゃんだ!」

咲「……え」

京太郎「あ、何でもなかです」
259 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:28:34.83 ID:ejU2E6JtO


「偶然だな。 長野県一帯に展開する食品スーパーマーケット ツル○で会うなんて」

「安くて品揃えも充実してて、お土産まで置いてあるからね、○ルヤは」


タッタタタ……。


京太郎「誰だぁ?あいつら」

咲「私が知るわけないじゃん」

咲「京ちゃんこそ何やってんの?ツ○ヤにエロ本は置いてないよ」

京太郎「……買い出しだよ、部活のな」

咲「ふーん」

咲「……結局、何部に入ったの?」

京太郎「見りゃわかんだろ」


咲「『 人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉 ……』」

咲「……料理研究会?」

京太郎「そうそう!私、最近料理にハマっておりまして――」ニコニコ



京太郎「ってか!」

――グイッ!

咲「痛い……痛いよぉ。つねらないでよ!」

咲「私が何したってのさ!」


京太郎「麻雀部だよ」

咲「麻雀部が人参使うの?」

京太郎「そうそう!人参をリー棒代わりにしてな」ニコニコ



京太郎「ってか!」

――グイッ!

咲「痛い……痛いってば!」

咲「もう怒るよ!」


パッ
260 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:29:16.55 ID:ejU2E6JtO

京太郎「咲は麻雀やらねえのか?」


咲「やらないよ」

『でも、咲に関わった以上、麻雀からは逃げられないよ』

咲「麻雀。あんまり好きじゃないんだ」


『あんたも……そして咲も――』


京太郎「……咲は逃げ出した。」

京太郎「しかし回り込まれてしまった」


咲「え?」


京太郎「この世には逃げ出したくても、逃げられないモノもあるってさ」

咲「誰が言ったの?」

京太郎「お前の従姉だよ 」

咲「私の……?」


京太郎「じゃあな。俺はこれから麻雀部に人参を届けるんだ」

京太郎「リーチがかけられなくて困ってるだろうからな」


トッタタタ……。


咲「……変な京ちゃん」
261 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:29:51.36 ID:ejU2E6JtO


タッタタタ……。


高久田「…………」


彼は走り続けた。

雨が降ろうが、雪が降ろうが、槍が降ろうが


タッタタタ……。


彼は走り続けた。

風が吹こうが、ホラを吹こうが、鍋が吹こうが


ストイックに走り続けた。


そう彼の名前は――


ヒソヒソ

「ねぇ、知ってる?」

「アイツ、ボクシング部なのに小学生の女の子にボコボコにされたんだよ」

「うわー、マジで?ダッサ!」


タッタタタ……。


高久田「……………」


「おい、そこのノッポ」


高久田「……誰がノッポだぁ?」

高久田「俺をボクシング部の高久田 誠と知ってんのか?」


よくいる感じの不良19「ここに竹井 久ってのがいるよな」

よくいる感じの不良20「連れてこい」



高久田「あ、はい!」

高久田「今すぐ!」ニコッ


タッタタタ……。

262 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:30:49.75 ID:ejU2E6JtO

麻雀部


高久田「ってことがあったんですよ!」


まこ「……長い!」

まこ「前半いらんじゃろ!」


高久田「今すぐ警察に連絡しましょう!」


久「……今朝の奴らか」

まこ「あんたぁ、まーた懲りずに喧嘩なんかしとんのか」

久「殴っただけよ」

まこ「それを世間じゃ喧嘩と言うんじゃ」


高久田「のんきに会話してる場合ですか!」

高久田「ああいう連中はね、警察にしょっ引いてもらった方が世の為なんですよ!」


久「ったく。しゃーないわね」

高久田「早く119に電話しましょう!」

久「……そうね。『119』に電話しときましょうか」


ガタッ


まこ「どこへ行くんじゃ?」

久「殴りにいくのよ」

高久田「相手は20人ですよ!」

久「10人も20人も変わらないでしょ」



高久田「…てーへんだ、てーへんだ」

263 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:31:28.23 ID:ejU2E6JtO

河川敷


京太郎「…てーへんだ、てーへんだ」

京太郎「会長、囲まれてんじゃねえか」


京太郎「119、119……」


ヒュー、ドロドロ……

「何をやっているのかな〜〜?」


京太郎「警察に通報すんだよ!」

みなも「ついに自首すんのか」

京太郎「違げぇよ!見りゃわかんだろ!」


みなも「……………」

みなも「……ありゃりゃ」

みなも「女一人に20人か」


京太郎「いくら10人の男を病院送りに出来るからって、20人は不味いだろ!」

みなも「そうだね。せめて10人だよね」

京太郎「クソ!こういう時に限って、携帯が見つからねぇ!」

みなも「半々にわけようか」


みなも「行くぞ、金髪」

京太郎「行くってどこに!?」

みなも「決まってるでしょ」

みなも「夕方でよかったね」


京太郎「……は?」
264 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:31:55.77 ID:ejU2E6JtO


「わぁ!こら、バカ!」

「人の体を勝手に動かすな!」

「だから――!」



不良1「卑怯だなんて思うなよ」

久「別にぃ……。どうせ目が覚めたら、病院のベットの上でしょうから」

不良2「ほほぅ、諦めがいいな 」

不良3「いくぞ、お前ら!!」


不良1〜20「「「オーーーー!!!」」」



京太郎「やめろってんだよ!!」

ドンッ!


不良1〜20「「「…………………」」」


久「……へぇ」


京太郎「あ」


久「やるわよ」


京太郎「いったい、何をですか……?」テヘヘ


久「……………」


あ、いや……。そんな『後ろは任せた』って顔されてもですね。
265 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:32:59.04 ID:ejU2E6JtO


不良1〜20「「「キュウ……」」」


京太郎「大丈夫なんですか……?」

久「目が覚めたらベットの上でしょうけどね」

京太郎「……………」


みなも「アチョー!チョァー!」

みなも「何だ、もう終わりか」


京太郎「…………」


久「不思議な人ね、あなた」クスッ


あ、だから……。そんな『お前も中々やるじゃん』って顔されてもですね。



京太郎「……これ」

久「ああ。買い出しの物ね」

久「後は私が持つわ」

京太郎「本当に使うんですか?」

久「使うわよ」

久「私の家でね」

京太郎「あ、やっぱり」テヘヘ


久「助かったわ、ありがとう」


タッタタタ……。


京太郎「…………」

京太郎「……『借りが出来ちまったわね』って顔されてもですね」


京太郎「そういうSSじゃないんで、コレ」ポリポリ
266 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:37:14.00 ID:ejU2E6JtO
>>250
一応、>>236で自分の勘違いに気づいています。

ここらへんの描写は足りなかったですね。すいません。


徐々に、徐々にストーリーは進んでる……はず。

次もなるべく早く投稿します。

では、それまで。
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 19:36:44.06 ID:SshpfMi9o

読み解き損ねていたようだ こちらこそ申し訳ない
268 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:53:27.98 ID:BXEy4Wy0O

麻雀部


久「最近、出るらしいのよねぇ」


トンッ


和「……何がですか?」

久「下着泥棒。」


京太郎「……この世界に下着ってあったんスか?」

まこ「あるに決まっとろうが。ワシらみんなノーパンか」

京太郎「あ、そうですよね」テヘヘ


トンッ


久「ウチの学校の生徒も被害に合ってるって噂だし」

久「何か心当たりはないかしら?」

久「須賀くん」

京太郎「……どういう意味ですか?」


トンッ


優希「だいたい下着ドロなんてモテない男がやるもんだじぇ」

優希「情けないったら、ありゃしない」

久「『モテない男』ねぇ……」

久「何か心当たりはないかしら?」

久「須賀くん」

京太郎「だから、どういう意味ですか?」


トンッ


優希「のどちゃんも気をつけた方がいいじぇ。最近何かと物騒だからな」

京太郎「お前の場合は大丈夫だろ」

京太郎「パンツに写真でも貼り付けたらな」

ガタッ!

優希「なんだと!?」

京太郎「やるか、タコス娘!!」

優希「飼い主にむかってなんだ!その口のききかたは!?」

京太郎「誰が飼い主だ!!」

まこ「……喧嘩は止めんか!」


ギャーギャー、ワーワー!


和「……下着泥棒、ですか」
269 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:53:55.11 ID:BXEy4Wy0O

『K & M 第13話』

『下着泥棒』
270 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:54:24.36 ID:BXEy4Wy0O

次の日、学校。


優希「アッハハ!!どうだ、盗まれてやったじぇ!!」


優希「アッハハ!!」



京太郎「……どうしたんだ、アイツ?」

和「下着泥棒にあったそうです」

京太郎「ふーん」


優希「アッハハ!!」


京太郎「なんであんなに嬉しそうなんだ?」

和「さぁ……?」


………。


ワイワイ、ガヤガヤ

「ねぇねぇ、聞いた?」

「また下着泥棒が出たらしいよ」

「私、盗まれましたー!」

「あ、私も盗まれましたー!」

「私も私も!!」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「大丈夫なのか?」

京太郎「この学校。」

271 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:54:54.00 ID:BXEy4Wy0O

麻雀部


久「また出たらしいわね」

久「下着泥棒。」


優希「へっへーん!」ニヤニヤ



まこ「なんで優希のヤツは嬉しそうなんじゃ?」

京太郎「下着を盗まれたらしいです」

まこ「……は?」


トンッ


久「でも、このまま被害が広がると学生議会でも何か対策を考えないといけなくなるわね」

京太郎「……先輩たちは大丈夫なんですか?」

久「ほら、 私とまこはノーパンだから」ニコッ


京太郎「…………」ゴクッ

まこ「嘘じゃぞ、嘘」


トンッ


久「優希が盗まれたなら、次は和あたりね」

久「気をつけなさいよ。あなた、のんびりとしたとこあるから」

和「お母さんですか 」

優希「のどちゃんなら大丈夫!」

優希「あんな豪邸にわざわざ忍び込んでパンツなんか盗む奴いないじぇ!」

和「…………」

優希「な、のどちゃん!」

和「…………」

優希「のどちゃん……?」

和「…………」

優希「ま、まさか……」

和「え、ええ……」


バンッ!

京太郎「盗まれたのか!?」

京太郎「ど、どんな『ヤツ』だ!?」


まこ「…………」

久「…………」

和「…………」


京太郎「あ、いや、ほんと……」

京太郎「どんな『ヤツ』なんでしょうね、下着泥棒って」アハハ


優希「…………ッ」
272 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:55:22.20 ID:BXEy4Wy0O




優希「こんの、エロ犬!!」

京太郎「誰が犬だ!!」

まこ「……エロは認めるんじゃな」


優希「私の時は聞きもしなかった癖に!」

京太郎「聞いてほしいならそう言え!」

優希「誰が教えるか!!」

京太郎「ああ!?」


ワーワー、ギャーギャー


まこ「止めんでええのか?」

久「いいのよ。見てて面白いじゃない」ニコッ

まこ「そうかぁ……?」



京太郎「――ったく!! 」


京太郎「で、どんなヤツだ!?」

和「…………」
273 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:56:06.47 ID:BXEy4Wy0O

須賀家


須賀母「それじゃ、カピー」

須賀母「買い物に行ってくるからお留守番頼んだよ」

須賀母「最近、何かと物騒だからよろしくね」

カピー「オン?」


………。


みなも「暇だなぁー」

みなも「幽霊って、盆と肝試し以外に出番ないもんな」

みなも「……………」

みなも「いっそのこと成仏しよっか。やり方分かんないけど」



ピンポーン

みなも「はいはい。中には誰もいませんよー」

ピンポーン

みなも「だから、鳴らしても誰もいないって」

ピンポーン

みなも「……しつこいなぁ!」



ガチャ

「誰もいないんですかぁ〜? 」

「いけませんよ。最近何かと物騒なんですから」

「しっかり鍵は閉めないと」


みなも「……………」

みなも「遊び相手みっけ」
274 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:56:35.75 ID:BXEy4Wy0O



「ひぇーー!!出たぁーー!!」



ダッダダダダ!!


みなも「ったく、幽霊なめんな」

みなも「……………」チラッ


カピー「グゥ、グゥ」


みなも「……役に立たない番犬だなぁ」

みなも「あ、カピバラだっけか」


ガチャ

京太郎「ただいまー」

京太郎「んだよ、誰もいないのにカギ開けっぱじゃねえか」

みなも「私がいるぞ」

みなも「それにカピバラも」

京太郎「わー、何て頼もしい。きび団子でも持って、鬼ヶ島にいくか……って」

みなも「どうした?」


京太郎「……………」


京太郎「……なぁ、おい」

京太郎「見るからに怪しい風呂敷に包まれたモンがあるぞ」

みなも「アイツめ。ビビッて盗ったもん忘れていきやがった」

京太郎「……『アイツ?』」
275 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:57:02.44 ID:BXEy4Wy0O



京太郎「下着泥棒ォ!?」


みなも「アイツ、下着泥棒だったのか」

みなも「モテなさそうな顔してたもんな」

京太郎「どうすんだよ!アイツの盗ったモンって下着じゃねえか!!」

京太郎「そんなもんがここにあったら俺が疑われちまうよ!」

みなも「交番に届けたら?」

京太郎「尚更、疑われるよ!」


京太郎「『家に下着ドロが迷い込んで、追っ払ったら盗んだ下着を置いていった』なんて誰が信じんだ!?」

みなも「大丈夫、大丈夫」

みなも「駅前の交番のおじさんは疑うこと知らないから」

京太郎「……………」

京太郎「本当かぁ!?」

みなも「幽霊嘘つかない」

京太郎「……本当かぁ!?」
276 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:57:33.41 ID:BXEy4Wy0O

交番


「はい!パンティー30枚にブラジャー30枚ですね!」ニコニコ

「確かに受け取りました!」ニコニコ

「ご協力ありがとうございます!」ニコニコ


京太郎「……………」


…………。





『下着泥棒に注意!!』

『不審者に注意!!』

『エマさんは中尉!!』


京太郎「……大丈夫なのか?」

京太郎「この街。」

咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「……………」

咲「何やってんの?こんなとこで」

京太郎「……交番に届け物をしたんだよ」

咲「へー、えらいね。久しぶりに世の中の役に立ったね」

京太郎「喧嘩売ってんのかな?」


………。


咲「今日も部活だったの?」

京太郎「まぁね。ネットで全国の猛者と勝負してたんだ」

咲「ふーん」

京太郎「お前も……」


京太郎「お前も部活やったら?」

咲「……言ったでしょ。私は麻雀好きじゃないって」

咲「それに家のこともあるし」

京太郎「あらそ。」

京太郎「大変ですね、宮永さん家は」
277 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:58:19.06 ID:BXEy4Wy0O

界「よ、ご両人!」ニコッ

界「何やってんだ?こんなところで」

咲「……こっちのセリフだよ。 」

界「ちょいと古来より伝わる『7』を揃える遊びをな」ニコニコ

咲「…………」



京太郎「交番に届け物をしたんですよ」

界「ほー、感心だな」

界「そんな京ちゃんにはチョコレートをやろう」

京太郎「……高そうなチョコレートですね」

界「ああ。なんたって三万円もするチョコレートだからな」

界「アッハハ!!」


界「はぁ……」


トボトボ……。


京太郎「……大変ですねぇ」

京太郎「宮永さん家は」

咲「……うん」
278 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:59:25.13 ID:BXEy4Wy0O

京太郎「ほら、着いたぞ。お前の家だ」

咲「自分の家くらい帰れるよ」

京太郎「おや?中学の頃、学校からの帰り道で迷子になってたのは?」

咲「いい加減、忘れてよ。昔の話なんだから」

京太郎「……ああ、そうだな」

京太郎「もう昔の話だもんな」


京太郎「じゃあな咲。最近、物騒だから気をつけろよ」

京太郎「ま、咲の下着を盗む、物好きな奴はいないだろうけどな」

京太郎「アハハハ!!」

咲「…………」

京太郎「………ハ」

咲「…………」

京太郎「お前も盗られたのか?」

咲「うん」


……。


京太郎「本当にいたんだな、物好きな奴」

咲「喧嘩売ってんのかな?」

京太郎「っで、どんな『ヤツ』だ?」

咲「え」


京太郎「どんな『ヤツ』ってあれだぞ」

京太郎「下着泥棒のことだからな。誰もお前のパンツになんて興味ないから」

京太郎「だが、お前がどーしても言いたいのなら聞いてやらんこともない」


京太郎「っで、どんな『ヤツ』だ?」ニコッ


咲「…………」
279 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 17:01:24.61 ID:BXEy4Wy0O

次の日、麻雀部。


久「昨日、捕まったらしいわね」

久「下着泥棒。」


京太郎「…………」

まこ「どうした?右の頬が赤いぞ」

京太郎「……何でもありません」


和「確か自首してきたとの噂ですが」

久「そうそう。『下着を盗まれた女の子の声が聞こえる』だかなんだかいって 」

京太郎「…………」

京太郎「(アイツ、何やったんだ?)」


久「ま、とりあえずこれにて一件落着ね」

優希「ぜんぜんよくない!」

優希「私のタコさんがプリントされたパンツが帰ってきてない!」


京太郎「……結局、自分で言うんかい」

優希「何か言ったか!?」

――プルル、プルル

京太郎「携帯、携帯が鳴ってるから」

和「……携帯もってたんですね」

京太郎「話の都合でね」

ピッ

京太郎「はい。はい、そうです」

京太郎「はぁ……そうですか」

京太郎「……え」

京太郎「……分かりました」

ピッ

久「彼女から?」

京太郎「警察ですよ。この前、届けた落とし物の持ち主が現れたって」

久「へぇ、よかったじゃない」

久「1割貰えるわよ」

京太郎「…………」



京太郎「それってパンツの場合でも貰えますかね?」

久「え?」
280 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 17:01:59.90 ID:BXEy4Wy0O

交番

「ご足労いただき、ありがとうございます!」

「落とし主様より1割のお礼とのことで、こちらを持って帰って下さい!」

京太郎「それって――……」


「もちろん、パンツです!」ニコッ


………。


京太郎「どうすんだよ」

京太郎「こんなん貰って」

京太郎「……………」


『タコさんがプリントされた――!』


京太郎「……………」


ガサゴソ、ガサゴソ


あった。


京太郎「……おー」


『……薄いピンク色のですよ』


ガサゴソ、ガサゴソ


あった。


京太郎「おー」


『白と水色の縞々模様』


ガサゴソ、ガサゴソ


あった。


京太郎「おーー!!」



京太郎「おーーーーー!!!!」



ポンッ

「ちょっとキミ、いいかな?」


京太郎「……おー?」


………。


久「遅いわね、須賀くん」

まこ「最近、物騒じゃからな」
281 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 17:05:37.36 ID:BXEy4Wy0O

おかしい……真面目な話を考えていたハズなのに。

『ドラフ島スレ』が終わったので、しばらくはこっちをメインで書いていくので、更新ももう少し早くなると思います。

それでは、また次回。

いい加減に咲さんを麻雀部に入れんと……。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/16(土) 17:24:16.95 ID:MuI8dDShO

この世界に下着があるだと!?
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/16(土) 19:52:21.85 ID:rDs6Z1rno
下着あったんだ……(漫画みながら
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/16(土) 21:34:10.18 ID:iKap6njxo

まじかー 下着あったんだなー
285 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:05:53.65 ID:Apjb3cDmO

麻雀部


『ロン』


京太郎「……………」

優希「お前、ほんと麻雀弱いな」

優希「一ヶ月もたっているのに役もロクに覚えてないし」

京太郎「いやはや」

京太郎「先生の教えの賜物です」ニコッ

ガタッ!

優希「……なんだと!?」

京太郎「やるか、タコス娘!!」


ギャーギャー、ワーワー


まこ「……やっぱ優希のヤツに人に教えんのは無理じゃろ?」

久「でも、一ヶ月続いたわね」

久「あの飽きっぽい優希が」


優希「だいたいお前が弱いのは、お前が私の言うことを聞かないからだろ!」

京太郎「ちゃんと聞いてるぜ」

京太郎「だから、今回もビリなんだよ」


優希「……部長!!」


久「はいはい。喧嘩するなら仲良くね」


まこ「そうか……」

まこ「もう一ヶ月も経ったんか」
286 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:06:20.67 ID:Apjb3cDmO

ゴールデンウィークが過ぎ、公園には鈴蘭の花が咲いている頃のお話。


夜・須賀家





「……れろ」


「……入れろ」


京太郎「グゥグゥ」


「……を麻雀部に入れるんじゃ」


京太郎「グゥグゥ?」




「咲を麻雀部に入れろォォォォ!!!」


287 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:06:47.32 ID:Apjb3cDmO

ガバッ!

京太郎「うわぁあぁあぁあ!!!」



京太郎「…………」ハァハァ


京太郎「…………」


みなも「グゥグゥ」


京太郎「……こんの野郎〜」


………。


京太郎「おい、起きろクソ幽霊」


――スカッ

京太郎「……………」

※京太郎はみなもを触れません。


京太郎「……起きろ!クソ幽霊!!」


――ガンガン!!

――ガンガン!!

――ガンガン!!

みなも「……うっさいなぁ」

みなも「いま何時だと思ってるんだ」

京太郎「人の夢枕に立つなんて、どういう了見だ?」

みなも「……なんのこと?」


京太郎「すっとぼけても無駄だ!もうネタは上がってんだ!」

京太郎「『咲を麻雀部に入れろぉ……咲を麻雀部に入れろぉ……』」

京太郎「なんて古臭い手を使いやがって!」

みなも「…………」

京太郎「なんか言ったらどうだ!? 」

みなも「…………」

京太郎「……………」



京太郎「お前じゃないのか?」

みなも「うん」

京太郎「じゃあ、誰なんだよ」

みなも「そりゃアレだな」

みなも「『神からのお告げ』だね」

京太郎「あ?」
288 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:07:14.02 ID:Apjb3cDmO

みなも「だいたい『夢枕に立つ』なんてのは神様や仏様からのお告げって相場が決まってんだよ」

京太郎「神様が咲を麻雀部に入れろってか?」

みなも「そこまでは知らないよ」

みなも「ただ――……」

京太郎「ただ?」


みなも「神様からのお告げを無視すると痛い目に合うぞ〜」


京太郎「…………」


みなも「とある野球選手も神からのお告げによって帰国したくらいだし」

京太郎「……アホくさ」

京太郎「俺は神様や占いなんてもんは信じないんだよ」

みなも「咲に麻雀部入ってほしくないの?」

京太郎「なんでそうなんだよ。第一、俺が決めることでもないだろ」

みなも「そうか、そうか」

みなも「ならせめて、死なないよう気をつけるんだな」

京太郎「…………」

みなも「心配しなさんな。仮に死んでも先輩として幽霊の生き方を教えてやるから」

京太郎「……笑えねえよ」

京太郎「いろんな意味で」
289 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:07:58.84 ID:Apjb3cDmO

朝。


チュンチュン


『ご覧ください!』

『こちらの国立公園では鈴蘭の花が咲いております』

『フランスでは5月1日を鈴蘭の日とするなど、春の訪れ、幸福の再来を知らせてくれる縁起のいいお花としても有名ですね 』


京太郎「いってきまーす」

須賀母「あい、いってらっしゃい」


――ブチッ!

京太郎「…………」

須賀母「どうしたんだい?」

京太郎「……靴紐が切れた」

須賀母「おやまぁ、不吉だね」

須賀母「ところでお前は水瓶座だよね?」

京太郎「ああ、マイペースで自由を求める水瓶座ですけど?」


須賀母「ふんふむ……」ペラッ

京太郎「……何読んでんだ?」

須賀母「占い雑誌。最近、評判なんだよ。よく当たるって」

京太郎「あ、そ」

須賀母「……………」ジー

京太郎「……なんて書かれてんだよ」


須賀母「まぁ、占いなんてもんはアテにならないからねぇ」

須賀母「気にすることはないよ」

京太郎「なんて書かれてあったんだよ」

須賀母「ほら、遅刻するから早く行った行った 」


京太郎「……………」

京太郎「……行ってきます」


ガチャ


須賀母「隕石には気をつけるんだよ!!」


京太郎「だから、なんて書かれてあったんだよ!」
290 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:08:28.28 ID:Apjb3cDmO


黒猫「にゃーお」


スタタタタ……。


カラス「かぁー、かぁー」


京太郎「…………」


俺は神様や占いなんてもんは信じない。


ただ――



――ブブー!!

「あぶねえな!!どこ見てやがる!!」


京太郎「……………」


暗示にはかかりやすい。


『K & M 第14話』

『神様のお告げ』
291 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:09:22.43 ID:Apjb3cDmO

学校

高久田「おっす。京太郎」ニコッ


京太郎「俺に近づくなぁ!!」


高久田「……あん?」

京太郎「あ、いや……」

京太郎「今日は朝からツイてなくてな 」


京太郎「トラックに水をかけられる、野良犬のシッポを踏んで追いかけられる」

京太郎「挙句の果てに犬のウンコも踏むし……」

高久田「……………」


――ススス

京太郎「逃げんなよ、ちゃんと洗ったぜ」


………。


久「あら、須賀くん。ちょうどいいところに」

京太郎「……………」


――ススス

久「ちょっと、何で逃げんのよ」

京太郎「何だか雑用を押し付けられる気がしたから」アハハ

久「あら。分かっているなら話は早いわ」

京太郎「……………」

久「これのコピーをとって、議会室まで運んできてね」

京太郎「……なんスかこれ?」

久「ウチの文化祭の資料よ。7月へむけてのね」

京太郎「へー、いっちょ前に文化祭なんてあるんですね」

久「そうなのよ。出店もあるから安全面に関する書類も多くて 」

久「特に火災よね注意しなきゃいけないのは」

京太郎「ああ、火を使いますからね」

久「『文化祭』で『火災』なんて起きたらシャレにならないわ」

京太郎「……………」

久「……笑えよ」ボソッ


京太郎「アッハハ!流石、部長!」

京太郎「上手い、上手い!!」パチパチ

京太郎「アッハハ――!!」


久「じゃ、よろしくね」

久「500部ほどあれば足りるから」

京太郎「500部……?」


タッタタタ……。

京太郎「…………」

京太郎「……環境と部員にはもう少し優しくしよう」
292 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:09:56.70 ID:Apjb3cDmO

コピー室


――ウィンウィン


京太郎「……あー、面倒くせえ。500部もいらねえだろ」

京太郎「国会で配るわけでもあるめえ 」

京太郎「これもそれも全部――」


『咲を麻雀部に入れろ…… 。咲を麻雀部に入れるんじゃ……』


京太郎「……………」


ヒュー、ドロドロ……

「何をやっているのかな〜〜??」


京太郎「コピーとってんだよ」

みなも「まーた雑用頼まれてるのか。情けない男だなぁ」

みなも「女にこき使われて恥ずかしくないのか」

京太郎「あっちは先輩。こっちは後輩」

京太郎「先輩の言うことは絶対だって中学で習ったろ 」

みなも「その前に死んだから分からん」ニコッ

京太郎「……………」


――ウィンウィン


京太郎「……おい」

みなも「何だ?」

京太郎「なんで咲は麻雀が嫌いなんだ?」

みなも「…………」



みなも「やっぱり私のせいなのかな」


京太郎「あん?」


――ウィンウィン


みなも「それを語るには聞くも涙、語るも涙の事情がありまして」

みなも「それをこの80行あまりでまとめるのは難しいですが……」


みなも「聞きたいか?」


京太郎「…………」


――ウィンウィ……


京太郎「残念、印刷が終わっちまった」

京太郎「またの機会だな」

みなも「チェ」
293 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:10:36.59 ID:Apjb3cDmO

京太郎「オイショ、オイショ……」

京太郎「あー、重てぇ」

京太郎「お前も少しは持てよ」

みなも「紙が勝手に浮くっていう新たな七不思議ができてもいいなら」

京太郎「クソ……」



咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「…………」

咲「…どうしたの?」


京太郎「お前、それしか登場パターンないのか」


咲「え?」


………。


咲「また先輩に雑用頼まれたの?」

京太郎「まぁね。後輩なもんで」

咲「ふ〜ん……」


咲「重そうだね。少し持ってあげようか」

京太郎「バカ、やめろ!」

京太郎「お前に持たせると昔からロクなことにならん!」

咲「……いいから持つよ」

京太郎「こら!余計なことをする――」


――ズルッ!

京太郎「うわっ!」

咲「きゃっ!」


ドンガラガシャー!!
294 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:11:04.23 ID:Apjb3cDmO


京太郎「アイタタ……」

咲「イタタ……」


京太郎「……ほらみろ!言わんこっちゃない!!」

京太郎「お前が手伝うって言うと、昔から ドジばっかしやがって!」


咲「イタタ……」


京太郎「…………」


咲「イタタ……」


京太郎「お、おい大丈夫か?」

京太郎「どっかぶつけたのか?」

咲「う、ううん。大丈夫だよ」


京太郎「……ほら、立てよ。保健室まで送るから」

咲「大丈夫だって、これくらい」


京太郎「いいから遠慮すんなよ」

咲「あ、ありがとう」


グイッ


京太郎「………… 」

手と手が合う。

咲「…………」

目と目が合う。



みなも「口と口が――……」

京太郎「……なにやってんのかな?」

咲「え?」

みなも「いやいや、心情描写をと」ニコッ
295 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:11:32.66 ID:Apjb3cDmO

教室

先生「高校生活を部活に打ち込み精を出すのは構わないが、諸君らの本業は勉強だということを忘れるな」


先生「特に高校生の学力低下が問題視されている、この時代。」

先生「こんな適当な授業描写で読者とPTAが黙っていると思うなよ」


キーンコーンカーンコーン


ワイワイ、ガヤガヤ

「あー、やっと終わったぁ」

「帰りどこいく?」

「てゆーか、カラオケいかない?」

「いいね!いくいく!!」


先生「いいか!読者とPTAが黙っていると思うなよ!!」


………。


京太郎「ふわぁ……」

京太郎「……今日も図書室にいくのか?」

咲「うん。面白い本が入ったんだ」

京太郎「へー」

『咲を麻雀部に入れろぉ……咲を麻雀部に入れるんじゃ……』

京太郎「……へー」


京太郎「じゃあな、咲」

京太郎「俺は部活があるんで」

咲「うん。またね」


――ブチッ!!

京太郎「…………」

咲「どうしたの?」

京太郎「……靴紐が切れた」
296 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:12:02.69 ID:Apjb3cDmO

麻雀部


『ロン』


京太郎「勝った……。」

優希「どれどれ……」

優希「へぇ、珍しいこともあるもんだな。今日はきっと雨が降るじぇ 」


バンッ!

京太郎「勝っちまったよ!!」

京太郎「どうなってんだ今日は!」


優希「……なに怒ってんだ?」

京太郎「お前の言うとおり、俺はいつも3位かビリなんだよ!トップになることなんて滅多にない!」

京太郎「なのに何で今日に限って……!」

優希「まぁまぁ、どうせマグレだろう――って」

優希「…………」


ガチャ

和「おや?早いですね、二人とも」

優希「のどちゃん……」

優希「この役なんだっけ?」

和「どれどれ」


和「……九蓮宝燈ですね」

京太郎「中華包丁?」

和「アガったら死ぬと噂の」


京太郎「ん?」
297 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:12:58.08 ID:Apjb3cDmO

図書室


咲「…………」ペラッ


みなも「…………」


『泣かないでよ、咲』


『ダメだよ!――ちゃん!』

『死んじゃダメだ!!』


『バカだなぁ、咲は。』

『私が咲よりも先に死ぬわけないでしょ』


『……咲だけに』


『――ちゃん!!』


『それに』

『私が死んだら、誰があんたら姉妹を守ってるのさ』


『……照だけに』


『――ちゃん!!』


ピッ


『……?』


ピッ



ピッーー



みなも「いやぁ、すまん、すまん」ニコッ


咲「…………」ペラッ
298 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:13:24.71 ID:Apjb3cDmO

優希「お前、知っててアガったのか?」

京太郎「知ってるワケねぇだろ!」

京太郎「俺は清一を目指してたらなんかこんな形になって……」

京太郎「なのにアガったら死ぬ!?」


京太郎「冗談じゃねえや!!」


和「ただの都市伝説でオカルトですよ。そんなのあるわけありません」

京太郎「ただのオカルトじゃ困るんだよ!!」

和「……なにムキになっているのですか?」

京太郎「………ッ」


京太郎「帰る!!」


――バンッ!!



優希「何なんだ?アイツ」

和「さぁ……?」


ガチャ

久「どうしたのよ。さっき須賀くんとすれ違ったらスゴイ顔してたわよ」

久「またイジメたの? 」


優希「イジメたか?私たち」

和「さぁ……?」
299 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:13:51.55 ID:Apjb3cDmO


ヒュー、ドロドロ……。


「どこに行くのかな〜〜?」


京太郎「帰るんだよ」

みなも「部活は? 」

京太郎「今日は日が悪いからやめだ」

みなも「ふーん」

みなも「結局、お告げは無視するのか」


京太郎「……俺は神様や占いなんてもんは信じねえ!!」

みなも「なに怒ってんのさ」

みなも「それに、咲に麻雀部入ってほしくないの?」

京太郎「だから、何でそうなんだよ!」

京太郎「俺は――!」


――ブブーー!!

「あぶねえな!!どこ見てやがる!!」

「死にてえのか!!」


京太郎「…………」

みなも「ダメだよ。ボケッとしながら歩いてたら」

みなも「死んじゃうよ 」


黒猫「にゃーお」

カラス「かぁー、かぁー」


京太郎「……………」


『隕石には気をつけるんだよ』


京太郎「ハッハ、流石に隕石なんて……」

京太郎「隕石なんて……」


ワイワイ、ガヤガヤ

「ねえねえ、聞いたー?」

「隣街に隕石が落ちてきたらしいよ」

「マジでー?ヤバくなーい?」

「ほんと、地球最後の日かもね」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「…………」

京太郎「…………」

京太郎「………さ」
300 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:15:09.09 ID:Apjb3cDmO


京太郎「咲ィィィ!!!」


ダッダダダダ!!!


京太郎「咲ィィィ!!どこだァ!!」


ダッダダダダ!!!


京太郎「咲ィィィィィ!!!」



みなも「…………」


…………。


咲「…………」ペラッ


「……ィィィ!!!」


咲「?」

咲「何か今、聞こえたような……」



ガバッ!

京太郎「咲ィィィィィィ!!!」

咲「ヒィィィッ!!」


京太郎「テメェ!何のんきにこんな所で本なんか読んでやがる!! 」

咲「な、なんでって……」

京太郎「いいから来い!!」

――グイッ!

咲「ちょ、ちょっと引っ張んないでよ!」

咲「どこに連れてくのさ!」


京太郎「うるせぇ!!!」

京太郎「麻雀部に決まってんだろ!!」
301 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:16:01.75 ID:Apjb3cDmO

咲「麻雀部……?」

咲「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」

咲「私、麻雀嫌いだって――」


京太郎「だから、うるせぇつってんだよ!!」

京太郎「俺は神様や占いなんてモンは信じねえ!!」


咲「それとコレ何の関係が……」


でも――

暗示にはかかりやすい。


バンッ!!


京太郎「カモ連れてきたぞーー!!」


302 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:16:33.98 ID:Apjb3cDmO





和「!」

和「お客様……?」


咲「さっきの――」

303 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:19:29.51 ID:Apjb3cDmO



そして、1話へと続く……。



咲と和は同じクラスなのに初対面の設定です。

何でかって?話の都合です。


みなもは照おねーちゃんって呼んでた気がしますが、気にしないで下さい。

話の都合です。


では、また次回。

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 21:31:29.50 ID:o1/4pwpTo

パンツはちゃんとはけよ BPOが黙ってないからな
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 15:00:13.45 ID:kAd2NUvlO
おもしろかった
続きにきたい!
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 13:17:21.79 ID:G5z8li3FO
まだ待ってる
208.07 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)