【咲-saki-】京太郎「 K & M」

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290 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:08:28.28 ID:Apjb3cDmO


黒猫「にゃーお」


スタタタタ……。


カラス「かぁー、かぁー」


京太郎「…………」


俺は神様や占いなんてもんは信じない。


ただ――



――ブブー!!

「あぶねえな!!どこ見てやがる!!」


京太郎「……………」


暗示にはかかりやすい。


『K & M 第14話』

『神様のお告げ』
291 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:09:22.43 ID:Apjb3cDmO

学校

高久田「おっす。京太郎」ニコッ


京太郎「俺に近づくなぁ!!」


高久田「……あん?」

京太郎「あ、いや……」

京太郎「今日は朝からツイてなくてな 」


京太郎「トラックに水をかけられる、野良犬のシッポを踏んで追いかけられる」

京太郎「挙句の果てに犬のウンコも踏むし……」

高久田「……………」


――ススス

京太郎「逃げんなよ、ちゃんと洗ったぜ」


………。


久「あら、須賀くん。ちょうどいいところに」

京太郎「……………」


――ススス

久「ちょっと、何で逃げんのよ」

京太郎「何だか雑用を押し付けられる気がしたから」アハハ

久「あら。分かっているなら話は早いわ」

京太郎「……………」

久「これのコピーをとって、議会室まで運んできてね」

京太郎「……なんスかこれ?」

久「ウチの文化祭の資料よ。7月へむけてのね」

京太郎「へー、いっちょ前に文化祭なんてあるんですね」

久「そうなのよ。出店もあるから安全面に関する書類も多くて 」

久「特に火災よね注意しなきゃいけないのは」

京太郎「ああ、火を使いますからね」

久「『文化祭』で『火災』なんて起きたらシャレにならないわ」

京太郎「……………」

久「……笑えよ」ボソッ


京太郎「アッハハ!流石、部長!」

京太郎「上手い、上手い!!」パチパチ

京太郎「アッハハ――!!」


久「じゃ、よろしくね」

久「500部ほどあれば足りるから」

京太郎「500部……?」


タッタタタ……。

京太郎「…………」

京太郎「……環境と部員にはもう少し優しくしよう」
292 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:09:56.70 ID:Apjb3cDmO

コピー室


――ウィンウィン


京太郎「……あー、面倒くせえ。500部もいらねえだろ」

京太郎「国会で配るわけでもあるめえ 」

京太郎「これもそれも全部――」


『咲を麻雀部に入れろ…… 。咲を麻雀部に入れるんじゃ……』


京太郎「……………」


ヒュー、ドロドロ……

「何をやっているのかな〜〜??」


京太郎「コピーとってんだよ」

みなも「まーた雑用頼まれてるのか。情けない男だなぁ」

みなも「女にこき使われて恥ずかしくないのか」

京太郎「あっちは先輩。こっちは後輩」

京太郎「先輩の言うことは絶対だって中学で習ったろ 」

みなも「その前に死んだから分からん」ニコッ

京太郎「……………」


――ウィンウィン


京太郎「……おい」

みなも「何だ?」

京太郎「なんで咲は麻雀が嫌いなんだ?」

みなも「…………」



みなも「やっぱり私のせいなのかな」


京太郎「あん?」


――ウィンウィン


みなも「それを語るには聞くも涙、語るも涙の事情がありまして」

みなも「それをこの80行あまりでまとめるのは難しいですが……」


みなも「聞きたいか?」


京太郎「…………」


――ウィンウィ……


京太郎「残念、印刷が終わっちまった」

京太郎「またの機会だな」

みなも「チェ」
293 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:10:36.59 ID:Apjb3cDmO

京太郎「オイショ、オイショ……」

京太郎「あー、重てぇ」

京太郎「お前も少しは持てよ」

みなも「紙が勝手に浮くっていう新たな七不思議ができてもいいなら」

京太郎「クソ……」



咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「…………」

咲「…どうしたの?」


京太郎「お前、それしか登場パターンないのか」


咲「え?」


………。


咲「また先輩に雑用頼まれたの?」

京太郎「まぁね。後輩なもんで」

咲「ふ〜ん……」


咲「重そうだね。少し持ってあげようか」

京太郎「バカ、やめろ!」

京太郎「お前に持たせると昔からロクなことにならん!」

咲「……いいから持つよ」

京太郎「こら!余計なことをする――」


――ズルッ!

京太郎「うわっ!」

咲「きゃっ!」


ドンガラガシャー!!
294 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:11:04.23 ID:Apjb3cDmO


京太郎「アイタタ……」

咲「イタタ……」


京太郎「……ほらみろ!言わんこっちゃない!!」

京太郎「お前が手伝うって言うと、昔から ドジばっかしやがって!」


咲「イタタ……」


京太郎「…………」


咲「イタタ……」


京太郎「お、おい大丈夫か?」

京太郎「どっかぶつけたのか?」

咲「う、ううん。大丈夫だよ」


京太郎「……ほら、立てよ。保健室まで送るから」

咲「大丈夫だって、これくらい」


京太郎「いいから遠慮すんなよ」

咲「あ、ありがとう」


グイッ


京太郎「………… 」

手と手が合う。

咲「…………」

目と目が合う。



みなも「口と口が――……」

京太郎「……なにやってんのかな?」

咲「え?」

みなも「いやいや、心情描写をと」ニコッ
295 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:11:32.66 ID:Apjb3cDmO

教室

先生「高校生活を部活に打ち込み精を出すのは構わないが、諸君らの本業は勉強だということを忘れるな」


先生「特に高校生の学力低下が問題視されている、この時代。」

先生「こんな適当な授業描写で読者とPTAが黙っていると思うなよ」


キーンコーンカーンコーン


ワイワイ、ガヤガヤ

「あー、やっと終わったぁ」

「帰りどこいく?」

「てゆーか、カラオケいかない?」

「いいね!いくいく!!」


先生「いいか!読者とPTAが黙っていると思うなよ!!」


………。


京太郎「ふわぁ……」

京太郎「……今日も図書室にいくのか?」

咲「うん。面白い本が入ったんだ」

京太郎「へー」

『咲を麻雀部に入れろぉ……咲を麻雀部に入れるんじゃ……』

京太郎「……へー」


京太郎「じゃあな、咲」

京太郎「俺は部活があるんで」

咲「うん。またね」


――ブチッ!!

京太郎「…………」

咲「どうしたの?」

京太郎「……靴紐が切れた」
296 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:12:02.69 ID:Apjb3cDmO

麻雀部


『ロン』


京太郎「勝った……。」

優希「どれどれ……」

優希「へぇ、珍しいこともあるもんだな。今日はきっと雨が降るじぇ 」


バンッ!

京太郎「勝っちまったよ!!」

京太郎「どうなってんだ今日は!」


優希「……なに怒ってんだ?」

京太郎「お前の言うとおり、俺はいつも3位かビリなんだよ!トップになることなんて滅多にない!」

京太郎「なのに何で今日に限って……!」

優希「まぁまぁ、どうせマグレだろう――って」

優希「…………」


ガチャ

和「おや?早いですね、二人とも」

優希「のどちゃん……」

優希「この役なんだっけ?」

和「どれどれ」


和「……九蓮宝燈ですね」

京太郎「中華包丁?」

和「アガったら死ぬと噂の」


京太郎「ん?」
297 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:12:58.08 ID:Apjb3cDmO

図書室


咲「…………」ペラッ


みなも「…………」


『泣かないでよ、咲』


『ダメだよ!――ちゃん!』

『死んじゃダメだ!!』


『バカだなぁ、咲は。』

『私が咲よりも先に死ぬわけないでしょ』


『……咲だけに』


『――ちゃん!!』


『それに』

『私が死んだら、誰があんたら姉妹を守ってるのさ』


『……照だけに』


『――ちゃん!!』


ピッ


『……?』


ピッ



ピッーー



みなも「いやぁ、すまん、すまん」ニコッ


咲「…………」ペラッ
298 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:13:24.71 ID:Apjb3cDmO

優希「お前、知っててアガったのか?」

京太郎「知ってるワケねぇだろ!」

京太郎「俺は清一を目指してたらなんかこんな形になって……」

京太郎「なのにアガったら死ぬ!?」


京太郎「冗談じゃねえや!!」


和「ただの都市伝説でオカルトですよ。そんなのあるわけありません」

京太郎「ただのオカルトじゃ困るんだよ!!」

和「……なにムキになっているのですか?」

京太郎「………ッ」


京太郎「帰る!!」


――バンッ!!



優希「何なんだ?アイツ」

和「さぁ……?」


ガチャ

久「どうしたのよ。さっき須賀くんとすれ違ったらスゴイ顔してたわよ」

久「またイジメたの? 」


優希「イジメたか?私たち」

和「さぁ……?」
299 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:13:51.55 ID:Apjb3cDmO


ヒュー、ドロドロ……。


「どこに行くのかな〜〜?」


京太郎「帰るんだよ」

みなも「部活は? 」

京太郎「今日は日が悪いからやめだ」

みなも「ふーん」

みなも「結局、お告げは無視するのか」


京太郎「……俺は神様や占いなんてもんは信じねえ!!」

みなも「なに怒ってんのさ」

みなも「それに、咲に麻雀部入ってほしくないの?」

京太郎「だから、何でそうなんだよ!」

京太郎「俺は――!」


――ブブーー!!

「あぶねえな!!どこ見てやがる!!」

「死にてえのか!!」


京太郎「…………」

みなも「ダメだよ。ボケッとしながら歩いてたら」

みなも「死んじゃうよ 」


黒猫「にゃーお」

カラス「かぁー、かぁー」


京太郎「……………」


『隕石には気をつけるんだよ』


京太郎「ハッハ、流石に隕石なんて……」

京太郎「隕石なんて……」


ワイワイ、ガヤガヤ

「ねえねえ、聞いたー?」

「隣街に隕石が落ちてきたらしいよ」

「マジでー?ヤバくなーい?」

「ほんと、地球最後の日かもね」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「…………」

京太郎「…………」

京太郎「………さ」
300 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:15:09.09 ID:Apjb3cDmO


京太郎「咲ィィィ!!!」


ダッダダダダ!!!


京太郎「咲ィィィ!!どこだァ!!」


ダッダダダダ!!!


京太郎「咲ィィィィィ!!!」



みなも「…………」


…………。


咲「…………」ペラッ


「……ィィィ!!!」


咲「?」

咲「何か今、聞こえたような……」



ガバッ!

京太郎「咲ィィィィィィ!!!」

咲「ヒィィィッ!!」


京太郎「テメェ!何のんきにこんな所で本なんか読んでやがる!! 」

咲「な、なんでって……」

京太郎「いいから来い!!」

――グイッ!

咲「ちょ、ちょっと引っ張んないでよ!」

咲「どこに連れてくのさ!」


京太郎「うるせぇ!!!」

京太郎「麻雀部に決まってんだろ!!」
301 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:16:01.75 ID:Apjb3cDmO

咲「麻雀部……?」

咲「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」

咲「私、麻雀嫌いだって――」


京太郎「だから、うるせぇつってんだよ!!」

京太郎「俺は神様や占いなんてモンは信じねえ!!」


咲「それとコレ何の関係が……」


でも――

暗示にはかかりやすい。


バンッ!!


京太郎「カモ連れてきたぞーー!!」


302 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:16:33.98 ID:Apjb3cDmO





和「!」

和「お客様……?」


咲「さっきの――」

303 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:19:29.51 ID:Apjb3cDmO



そして、1話へと続く……。



咲と和は同じクラスなのに初対面の設定です。

何でかって?話の都合です。


みなもは照おねーちゃんって呼んでた気がしますが、気にしないで下さい。

話の都合です。


では、また次回。

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 21:31:29.50 ID:o1/4pwpTo

パンツはちゃんとはけよ BPOが黙ってないからな
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 15:00:13.45 ID:kAd2NUvlO
おもしろかった
続きにきたい!
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 13:17:21.79 ID:G5z8li3FO
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