【咲-saki-】京太郎「 K & M」

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217 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:50:46.45 ID:+tNfwwpYO





『目指せ!両国国技館!!』

『須賀 京太郎』



京太郎「……何かおかしくねえか?」

みなも「アンタの頭ほどじゃないよ」

京太郎「うぅん……」ポリポリ


京太郎「ま、いっか」

218 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:51:43.40 ID:+tNfwwpYO

ここまでのあらすじ



15歳になった俺は――


美しく、そしてナイスバディーになった幼なじみ。


咲「京ちゃーん」ブルンブルン


よく気の利くクラスメート


優希「おーい、京太郎!」

優希「タコス食うかぁ?」

和「紅茶もありますよ」


そして、気さくで優しい先輩たち


まこ「お?やっと来たかぁ」

久「ったく、トロいんだから」


京太郎「いやー、すいません」テヘヘ


……と共に、始まった青春を謳歌するのであった。



みなも「ダメだよ。あらすじはちゃんとしないと」

みなも「読者が混乱しちゃうよ」


京太郎「……………」

219 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:52:11.43 ID:+tNfwwpYO


『K & M 第10話』


『オオカミが出たゾォ』

220 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:52:58.12 ID:+tNfwwpYO


ピンポンパンポーン


『ただいま、1 - B組で女子生徒が体育の為に着替えています』

『男子生徒の諸君は近づかないで下さい。』



京太郎「ん?あそこにいるのは―― 」


タッタタタ……。


優希「……………」


京太郎「よう」

京太郎「こんなとこで、何してんだ?」


優希「……チョイチョイ」

京太郎「あ?」

優希「お前、これなんて読む?」

京太郎「『1 - B組』だろ?」

京太郎「それが――」


優希「そうか、そうか」ニコニコ

優希「そこを動くなよ」ニコニコ


京太郎「はぁ?」


――ガラッ!!


「キャーーー!!」


「覗きよーー!!」

「先生、先生に連絡!連絡して!!」

「そこにいる金髪がっ――!!」


京太郎「……え」


『繰り返します。』

『ただいま、1 - B組で女子生徒が体育の為に着替えています』

『男子生徒の諸君は近づかないで下さい』
221 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:53:43.21 ID:+tNfwwpYO

麻雀部


久「うぅん……」ポリポリ

まこ「何を悩んどるんじゃ?」

久「カレの扱い方よ」

まこ「『カレ』?」


まこ「……ああ、須賀 京太郎か」

まこ「確かに変なヤツじゃの」

久「あの後に打った麻雀では、素人同然の打ち方だったし」

久「本当に――……」


久「…………。」


まこ「……まぁ、何にせよ」

まこ「しばらくはネト麻で様子見じゃな」

久「ええ、そうね」

久「でも、少し試したいこともあるのよね」


まこ「……試したいこと?」
222 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:54:45.95 ID:+tNfwwpYO

屋上


京太郎「……あー、ひどい目にあった」


ワイワイ、ガヤガヤ

モブ男1「お、京太郎じゃねえか! 」

モブ男2「聞いたぜ。隠れもせずに女子の着替えを覗いたんだって?」


京太郎「…………」


モブ男3「お前も度胸あるよな。着替えてる最中のドアをガラッと開けるなんて」

モブ男4「そーそ。お前にそんな度胸があるなんて知らなかったよ」


京太郎「……覗いたんじゃねえよ、覗かされたんだよ」


モブ男1「まぁ、まぁ。いいから、いいから」ニコニコ


京太郎「ウソじゃねえよ!」

京太郎「原村 和にハメられたんだよ!!」


「「「「…………………」」」」


モブ男2「……京太郎」

ポンッ

京太郎「んだよ?」


モブ男3「いいか、京太郎。俺たちはお前を責めているわけじゃない」

モブ男4「だが、嘘はよくない。原村がそんなことをするわけがないだろ」


京太郎「俺の言うことが信じられないのか!?」



「「「「…………………」」」」



京太郎「……オオカミが出たぞー」ボソッ

223 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:55:24.01 ID:+tNfwwpYO


須賀家


須賀母「あら!いやだわ!」

須賀母「田中さんったら本当に!!」

須賀母「カジキはスズキ科でマグロとは関係ないわよ!」


須賀母「オッホホ!!」



須賀母「――ハッ!いけない!」

須賀母「鍋の火が付けっぱだった!!」


ダッダダダ!!


須賀母「……あれ?」

須賀母「何だ、ちゃんと消してあるじゃない」

須賀母「私ったら、しっかり者なんだから」


須賀母「オッホホ!!」


オッホホ!!


みなも「………………」


須賀母「――ハッ!!」

須賀母「アイロンかけっぱだった!!」


ダッダダダ!!


須賀母「……おや」

須賀母「なんだ、こっちもちゃんと消してあるじゃない」


須賀母「やるー。流石、専業主婦の鏡」


須賀母「オッホホ!!」



みなも「……長生きしなよ、お母さん」

224 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:55:53.28 ID:+tNfwwpYO


そんなこんなやっている間に舞台は放課後へ。


キーンコーンカーンコーン


ワイワイ、ガヤガヤ

「やっと終わったぁ」

「てゆーか、カラオケいかない?」

「いいね!いくいく!」



優希「おーし!終わったぁ!」

優希「早く部活に行こうじぇ! 」

和「……彼に声はかけていかないのですか?」

優希「いーの、いーの!」

優希「あんな変態の覗き魔なんて!」



ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「……勝手に言ってろ」

咲「なにが?」

京太郎「…………」

咲「……どうしたの?」


京太郎「オオカミが出たぞォ!!」


咲「ふーん」ペラッ


京太郎「…………」


咲「?」

225 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:56:53.63 ID:+tNfwwpYO

麻雀部



優希「麻雀教室?」


久「そ、今日から開くわよ」

和「……この前言ってることと、矛盾している気がしますが」

久「まぁまぁ。過去には囚われない」

久「じゃ、頑張ってね」

優希「……はぁ?」


久「『片岡麻雀教室』」


優希「…………」

和「……生徒は誰ですか?」


久「そんなの決まってるでしょ」


――ガラッ

京太郎「お疲れ様でーす」


久 「いいとこに来た。紹介するわ」

久「今日からのアナタの先生よ」


京太郎「……はぁ?」


優希「……………」

和「……………」
226 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:57:38.62 ID:+tNfwwpYO


――トンッ


優希「バカッ!何で、そんな危険牌を捨てるんだ!」

京太郎「おお、怖い、怖い」

京太郎「……でも通ったぜ?」

優希「もっと状況をよく見ろ!! 」

優希「そんなのが何回も通用すると――!」


和「……お茶ですよ」


……コトッ。

京太郎「おお。悪いな、片岡」

和「……片岡?」

優希「呑気に茶なんか飲んでる場合か!」


ギャーギャー、ワイワイ


まこ「何で優希のヤツなんじゃ?」

久「うーん。そうねぇ……」

久「女の勘かしら」キラーン

まこ「……アテにはならんのぉ」

久「あら?結構、当たるのよ」

久「私の勘は」


――トンッ

『ロン』


優希「ほらみろ!言わんこっちゃない!」

京太郎「おお、怖い、怖い」

京太郎「怖いと言ったら、今度は饅頭が怖いなぁ」

京太郎「なぁ、片岡?」

和「…………」

優希「落語をやってんじゃないんだぞ!!」


ギャーギャー、ワイワイ


まこ「……なーんか、デジャヴじゃなぁ」

まこ「この状況」

久「まぁまぁ、よいではないか」
227 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:58:28.63 ID:+tNfwwpYO

それからしばらくして……。


久「そろそろ暗くなってきたし、帰りましょうか」

まこ「戸締まりはやっとくから、アンタら気いつけて帰りんさい」

京太郎「はーい。お疲れ様でした」

京太郎「……原村に片岡も」

京太郎「今日はありがとな」

優希「――ケッ!」

和「……お疲れ様でした」ペコッ


タッタタタ……。


優希「ぜーんぜん、練習できなかったじぇ!」

和「いいじゃないですか。人に教えるのも立派な練習ですよ」

優希「アイツが素直に人の教えを聞くかぁ!?」

和「結構、聞いてるように見えましたけどね」

優希「……………」

優希「……タコス」

和「え?」


優希「タコスが食べたーい!」

和「はいはい」

和「帰りに寄りましょうか」

優希「うん!」



まこ「……ええのぉ」

まこ「青春じゃの、青春じゃの」

久「アンタはジジイか」

久「…………」

久「……あと1人」

まこ「……ああ。あと1人じゃな」


「大会に出場するには」


228 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:59:07.70 ID:+tNfwwpYO


高久田「よう、京太郎」

高久田「今帰りか?」

京太郎「……まぁな」

高久田「結局、何部にしたんだ?」

京太郎「今流行のモンだよ」

高久田「…………」

高久田「……わかった!」


グイッ

京太郎「つまんねえ、ギャグはいらねえぞ」

高久田「……麻雀部?」

京太郎「おう」

高久田「そうか、片岡 優希がいるからか」

京太郎「……あのな!」

京太郎「俺は――!!」

高久田「そうそう。今度の土曜日開けとけよ」

京太郎「俺は……」


高久田「愛しの片岡 優希とデートだ」ニシシ


京太郎「俺は……?」
229 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:59:48.49 ID:+tNfwwpYO

高久田「中学が同じヤツに頼んでな」

高久田「口利きしてもらったんだ」

京太郎「…………」

高久田「しかし、知らなかったぜ。お前にあんなロリコン趣味があったなんて―― 」

京太郎「……高久田」

ポンッ

高久田「なんだ?」



京太郎「オオカミが出たゾォ!!」

ビクッ!

高久田「ええ!?」

高久田「マジか!はやく逃げようぜ!!」


…………………。



京太郎「俺たち親友だな」

高久田「今更何言ってんだ?」

230 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 22:02:21.87 ID:+tNfwwpYO

……以上。9話、10話オシマイ!


すっかり遅くなり申し訳ないです。

次は……次こそはもっと早く更新しますので
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 00:01:32.05 ID:fui38b2xo

あっちも佳境で面白いからしょがない
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 01:31:07.81 ID:vnRMoYENo
面白い
更新まってます!
233 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:25:05.20 ID:jO55xV5+O

京太郎の部屋


京太郎「……よし」


『土曜日の10時に駅前の喫茶店だからな』

『忘れんなよ』ニコッ


京太郎「よし」グッ


ヒュー、ドロドロ……

「どこに行くのかな〜〜?」


京太郎「出かけんだよ」

みなも「どこさ?」



京太郎「……ついてくんなよ」

みなも「デートか。」

京太郎「土曜日の朝に出かけるからって、デートとは限らねえだろ」

みなも「なんだ違うのか。寂しい男よのぉ」

京太郎「……………」


『愛しの片岡 優希とデートだ 』



京太郎「……フフフ」

みなも「何笑ってんのさ、気色悪い」

京太郎「………………」
234 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:25:36.72 ID:jO55xV5+O


カランコロン


「いらっしゃいませ〜 」


雰囲気のよい駅前の喫茶店。

そして――


『今日は父さんも母さんもいないから、夕飯代置いとくね』

『明日の夜には帰ってくるから』


親からの気前のいいおこづかい。


京太郎「よし。バッチリだな」


京太郎「……………」

京太郎「……何がバッチリなんだ?」


チラッ


時計「9時33分」


腕のいい美容師にカットして貰った髪型。

見立てのいい服屋の店員に選んで貰った、 Tシャツ。


だからといって、別に張り切っているわけではない。


京太郎「高久田の顔を立てる為にな」

京太郎「そうそう。仕方なく、仕方なくだ」


カランコロン

「いらっしゃいませ〜」


京太郎「……………」

京太郎「……30分前は早すぎたな」


『入り口から数えて3番目の窓際の席――』


京太郎 「……アイツ、知ってんのかな」

京太郎「今日の相手が俺ってこと」
235 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:26:04.50 ID:jO55xV5+O

カランコロン

「いらっしゃいませ〜」


タッタタタ……。


こっちに向かってくる足音。

ほのかに香る香水の匂い。


京太郎「……来た」


そう顔を見上げるとそこには――


優希「……………」


確かに『片岡 優希』がそこにいた。
236 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:26:32.48 ID:jO55xV5+O


京太郎「よう。こんなとこで会うなんて偶然だな」

優希「……ああ、凄い偶然だな」


「待ち合わせか?」

「まぁな……、窓際、3番目の席で」

「へぇ。」


………………。


京太郎「……窓際、3番目の席?」


優希「だから早くどけ」

優希「私が使うんだ、そこは」


京太郎「…………」チラッ


時計「10時01分」


京太郎「……………」

優希「……………」

京太郎「……つかぬ事を聞くがぁ、今日の予定は?」

優希「……私に会いたい奴がいるらしい」

『しかし、知らなかったよ――』

優希「のどちゃんじゃなくて、私なんて物好きな奴だじぇ」

『お前に、あんなロリコン趣味があったなんて』


京太郎「…………」


優希「……まさか」


「「あーーーーッ!!!」」

237 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:27:02.76 ID:jO55xV5+O


『K & M 第11話』


『あーーーーッ!!!』


238 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:27:32.94 ID:jO55xV5+O


カランコロン


「コーヒーのおかわりはいかがですか?」


京太郎「あ、お願いします」


「はい、かしこまりました」


優希「……………」ブツブツ

京太郎「……………」ズズズ

優希「……………」ブツブツ

京太郎「……………」ズズズ


ブツブツ


ズズズ
239 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:28:05.09 ID:jO55xV5+O

京太郎「……ええい、いい加減にしろ!!」


京太郎「タイトルから何行使ってると思ってやがる!!」

京太郎「いい加減に喋れ!!」


優希「……お前、知ってたのか?」

京太郎「ああん!?」


優希「今日の相手が私だってことを」


京太郎「知ってたらくるかい!!」


優希「……そうか」


ピンポーン

「はい、お呼びでしょうか?」

優希「雑巾とコーヒーのおかわりを」


京太郎「……何言ってんだ?」

京太郎「お前、まだコーヒー残ってるだろ」

優希「……………」


――バシャ!!

京太郎「アッツ!!」


優希「雑巾とコーヒーのおかわりを」

「は、はい……」


京太郎「……………」ポタポタ


見立てのいい店員に選んでもらった服は、見事コーヒー色に染まった。
240 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:28:33.95 ID:jO55xV5+O

優希「っで、どうする?」

京太郎「まずはお前の一レス前の行動について議論しようか」

優希「せっかくの休日なのに、何でこんな……」ブツブツ


ブツブツ


京太郎「……お前は知ってたのか?」

京太郎「今日の相手が俺だってことを」


優希「知ってたらくるか!!」


京太郎「ああ、そうかい!!」

京太郎「そいつは気が合うね!!」


優希「――ったく!」



京太郎「……何で帰んねえんだよ」

優希「お前が帰れ」

京太郎「…………」

優希「……………」

優希「……私は電車だからな」

優希「それまでここで暇潰してるじぇ」

京太郎「……ああ、そうかい」


カランコロン

「いらっしゃいませ〜」


「まったく。電車が事故で遅延だってよ」

「復旧に3時間以上もかかるなんてツイてないねぇ」

「それまで、この雰囲気のいい喫茶店で時間を潰そうか」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「………………」

優希「……………」
241 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:29:18.14 ID:jO55xV5+O

「とりあえず出ようぜ」

「このままじゃ、店内がコーヒー色に染まっちまう」


カランコロン


……ポツ、ポツ。


優希「…………」ブツブツ

京太郎「あー、クソ雨降ってきやがった」

京太郎「天気予報じゃ晴れだったのに」

京太郎「福島じゃ21日連続の降雨らしいぜ」


優希「……………」ブツブツ


京太郎「じゃあな」


優希「あー!!本当雨だな!」

優希「でも、こんだけ雨降ってたらお百姓さんはきっと困っちゃうじぇ!!」


京太郎「……いいか!」

京太郎「電車は遅延!そして、お互いの友達の顔を立てる為に少しだけデートする!」

京太郎「さっき決めたことだろ!」


優希「ああ!バスで帰っても定期代がもったいないしな!」

京太郎「……じゃあ、行くぞ!」

優希「ドンと来い!」
242 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:29:48.89 ID:jO55xV5+O

京太郎「何で麻雀なんかやってんだ?」

優希「『なんか』で悪かったな」

優希「好きだからに決まってるだろ」

京太郎「……そりゃそっか」


土曜の昼時。待ちゆく人々は家族連れ、カップル、休日出勤のくたびれたサラリーマンで賑わっていた。


優希「どこに行くつもりだ?」

京太郎「さぁ?」

優希「普通、こういうのは男がリードするもんだろ」

京太郎「誰が決めたんだよ」

優希「……自慢じゃないが、私はデートなんか初めてだからな」

京太郎「ああ、ホント。自慢じゃねえな」

優希「のどちゃんにはたくさんの男が寄ってきたけど、私には……」

京太郎「……………」


優希「それがなんでお前みたいな……」


京太郎「おおぅ?」


………………………。


カキーン!

カキーン!


『○○バッティングセンター』


優希「……何でバッセン?」

京太郎「他に思いつかねえんだよ。たかたが、3時間のデートじゃな」

優希「野球部だったのか?」

京太郎「んにゃ、ハンドボール部」

京太郎「野球部じゃなくても、バッティングセンターくらい来るだろ」

優希「……そりゃそうか」
243 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:30:19.85 ID:jO55xV5+O

京太郎「カミカゼ!」

京太郎「タカ タナカ!!」


カキーン!!

カキーン!!

カキーン!!


優希「無駄に上手いな」

京太郎「これでもハンドボールで県大会決勝にいった運動神経ですから」

優希「なら、大人しくハンドボール部に行けばよかったんだじぇ」


京太郎「ああ」

京太郎「――まったくだ」


カキーン!!

カキーン!!

カキーン!!


京太郎「昔から何をやらせてもそこそこ」

京太郎「大きな失敗も挫折もないまま、ここまで大きくなりました。」

優希「なんの自慢にならんじぇ」

京太郎「本当にな」
244 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:30:48.63 ID:jO55xV5+O

京太郎「お前も打ってみるか?」

優希「私は生まれてこのかた、バットを握ったこともないじぇ」

京太郎「『挑戦なくして、成長なし』」

京太郎「……そうだろ?」ニコッ

優希「……………」


ギィィ


京太郎「嫌な奴をボールに重ねて打つと気持ちいいぜ」


優希「……ようし」


ビッ!!


優希「(嫌な奴……嫌な……)」


優希「――嫌な金髪!!」


――キーン!!


京太郎「おお」


優希「……本当だ。気持ちいいじぇ」

京太郎「だろ?」

京太郎「ところで――」


京太郎「嫌な金髪って誰だ?」


優希「……………」


京太郎「……こっちみんなよ」
245 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:31:19.00 ID:jO55xV5+O

京太郎「腹減ったなぁ」

優希「もうお昼だしな」

京太郎「普通、こういう時は女子がお弁当作ってくるんだけどな」

優希「誰が決めたんだ?」



京太郎「……腹減ったぁ。 」

優希「……………」


…………………………。


公園


京太郎「……なんで公園に来たんだよ」

優希「腹減ったんだろ?」

京太郎「公園で草でも食えってか?」

優希「水もあるじぇ」


京太郎「……わー!嬉しいなぁ!! 」

京太郎「最高の昼飯になるよ!」

優希「…………」


「oh!タコスガール!」

「Buenas tardes! 」


優希「おお、ゲンさん。ブエナス タルデス。」

優希「いつもの2つ」


「 ¡Vale! 」



京太郎「……誰?」

優希「メキシコ人のゲンさん」

京太郎「メキシコ人なのにゲンさん?」


「 Mmmmm〜♪ 」
246 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:31:48.05 ID:jO55xV5+O

「今日ハ、デートデスか?」

優希「土曜の昼に一緒に出歩いてるからってデートとは限らないじぇ」

「Lo siento……。残念デス 」

京太郎「残念?」

「 Sí 。ソコの看板にカップルの写真を貼ろうト思っていたノデスが……」

「デートじゃないなら仕方アリマセンネ」

京太郎「へぇー、そいつは実に残念だ」



「撮らせてくれたカップルには、タコスを無料にしているのデスが……イマイチ集まりが悪クテ……」



京太郎「……………」

優希「………………」
247 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:32:30.14 ID:jO55xV5+O


「ハーイ、もっと近づいて下サイ。 」

「ソシテ、笑顔デス、笑顔」


京太郎「……………」

優希「……………」



――ザザッ


「ノウノウ。逆デス、『近づく』」

「クローズです、クローズ」



――ザザッ


「ノウノウ」

「ソレでは、フレームに入りませんヨ」



――ザザッ


「………………」



――ザザッ

248 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:33:12.06 ID:jO55xV5+O



みなも「……何この写真?」

京太郎「今日の思い出の写真だよ」

みなも「ふーん」




みなも「『木』しか写ってないよ」

京太郎「……………」

京太郎「……『気』のせいだよ」
249 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:36:13.72 ID:jO55xV5+O

おーし、ここまで。

一応、原作に沿ったストーリーにするつもりですが変わるとこは変わります。


次回も近いうちに。

……やれたらなぁ。
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 20:13:41.49 ID:GfIHkbdmo

いつ勘違いに気づくんだww
251 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:22:59.05 ID:ejU2E6JtO


ガタンゴトン、ガタンゴトン


よくいる感じの不良1「よう兄ちゃん」

京太郎「え?」

よくいる感じの不良2「『ガード下』って知ってるか?」

京太郎「え?」


『ガード下とは』

『電車、高速道路などのガード(高架橋の橋桁。ガーダー girder)の下のこと』


京太郎「へー、なるほど」


よくいる感じの不良3「つまり、今俺たちがいるところだ」

京太郎「あ、そうなんスね」テヘヘ

よくいる感じの不良4「そこで質問。」


よくいる感じの不良5「そのガード下で、こんな連中に絡まれたらどうする?」

よくいる感じの不良6「ゲーム代を貸してくれってな 」


京太郎「……てへへ 」


よくいる感じの不良7「お前は鈍いようだから説明すると、こういう連中の貸してくれって言葉は――」


よくいる感じの不良8「返しませんよって意味だからな。そこんとこよろしく」


京太郎「よろしくって言われても……」


よくいる感じの不良9「嫌ならそれでもいいんだぜ。こっちもゲームセンターに行く手間が省けるってもんだ」


京太郎「どういう意味ですか?」テヘッ


よくいる感じの不良10「つまり―― 」

よくいる感じの不良10「ここでリアルバトルが始まるのよ!!」


ガンッ!

「ぐわっ!」


ドカッ

「うわっ!」


バキッ

「ぬわっ!」


……………………。


京太郎「……一応、説明すると俺が殴ったわけでも、殴られたわけでもない」

京太郎「殴ったのは―― 」


よくいる感じの不良たち「「「だ、誰だテメエ!!」」」

252 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:23:25.67 ID:ejU2E6JtO

久「……情けない」

久「この程度の人数に何やってんのよ」


よくいる感じの不良1「女一人だと?」

よくいる感じの不良2「構うこたねぇ、やっちまえ!」



よくいる感じの不良3「待て!コイツ……竹井 久か!?」

よくいる感じの不良4「なに!?あの中学時代『ヴァグラピートの凶星』と恐れられた――」



京太郎「そうなんスか?」

久「知るか」

久「とりあえず、怪我したくなければ下がってなさい」

京太郎「あ、はい……」



ガンッ!

「ぐわっ!」


ドカッ

「うわっ!」


バキッ

「ぬわっ!」


京太郎「……麻雀部の部長が暴力振るっていいんスか?」


久「野球部だろうとサッカー部だろうと暴力振るっていい部活なんてないわよ」


バキッ!

「グワッ!」


ドカッ!

「ドフッ!」


京太郎「言ってる事とやってる事が別ですよ」


久「バレなきゃ平気よ」


バシッ!

253 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:23:54.88 ID:ejU2E6JtO


『K & M 第12話』


『熱血麻雀SS』
254 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:24:37.00 ID:ejU2E6JtO


よくいる感じの不良たち「「「キュウ…………」」」


京太郎「……大丈夫ですか?」


よくいる感じの不良たち「「「アンド エー……全六巻好評発売中……。」」」


京太郎「……………」


高久田「相変わらずのお助けられキャラだな」

京太郎「……テメェ!隠れてやがったな!」

高久田「ちゃんと助ける気だったぜ」

高久田「いざとなればな」

京太郎「どーだか!」



高久田「そういや、片岡 優希とのデート。成功したらしいな」

高久田「公園で仲睦まじくタコスを食べてたって噂だぜ」

京太郎「……噂でいいなら、お前は実は喧嘩が弱いってのもあるぜ」

高久田「バカ野郎。俺は『無敵の誠ちゃん』ってあだ名だったんだぜ 」

京太郎「へー、初耳だな」

高久田「小学の頃の話だからな」

高久田「とある女子に負けるまでの――な」


京太郎「……………」

京太郎「女子に殴り合いの喧嘩で負けたのか!?」

京太郎「ダッセぇ!!」ケラケラ


よくいる感じの不良たち「何だと……テメェ……」


京太郎「…………」ポリポリ
255 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:25:26.59 ID:ejU2E6JtO

高久田「俺だってビックリしたんだよ」

高久田「いきなり『私の従妹をいじめんな』って」


京太郎「いじめなんかしてたのか!」

京太郎「ダッセぇ!!」ケラケラ


高久田「いじめてねえよ!」

高久田「ただ、ずっと本を読んでる女の子がいたから『そんなに本ばっか読んでて面白いか?』」

高久田「って聞いたら、そいつ泣き出しちまってよ」

京太郎「ああ、お前顔怖いもんな」


高久田「……それ以来だ」

高久田「俺が喧嘩をする度に、思い出すのは」

高久田「あの時の恐怖が俺の体を蝕んで、俺は未だに拳も握れねえ。」


京太郎「……………」


高久田「それを克服する為に俺はボクシング部に入ったんだ」

高久田「あの時の女に勝つために――」

京太郎「……高久田。」



ポンッ

京太郎「『熱血麻雀SS』」

高久田「あん?」
256 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:26:02.10 ID:ejU2E6JtO

教室


先生「『 無益の事を行じて徒(いたずら)に時を失うなかれ』」

先生「これは、かの有名な曹洞宗宗祖 道元禅師の教えであり」

先生「〆切を守らずにゲームばっかりしている漫画家に向けられた言葉である」


京太郎「ふわぁ……」


『しかし不思議なもんだよな』

『なにが?』

『あんだけ喧嘩の強い女なら今頃、もっと噂になってるはずなのに、全く音沙汰なしだ』

『……そいつ、死んだんじゃねえのか?』

『バーカ。人がそんな簡単に死ぬかよ』



京太郎「……どーだかな」


先生「なんか言ったか、京太郎?」


京太郎「あ、なにも」テヘヘ


先生「『 無益の事を行じて徒(いたずら)に時を失うなかれ』」

先生「誰の言葉だ言ってみろ。」

先生「ヒントは『ド』から始まる人だ」


京太郎「……泥棒?」



先生「……お前は与太郎か」

京太郎「誰それ?」

先生「少しは落語でも聞け!!」


キーンコーンカーンコーン

257 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:26:45.15 ID:ejU2E6JtO


ワイワイ、ガヤガヤ

「やっと終わったぁ。」

「帰りどこいくー?」

「カラオケ!」


和「与太郎さん」


京太郎「……誰が与太郎だってぇ?」

和「違うのですか?」

京太郎「あったりまえだ!俺は須賀 京太郎ってんだ! 」

和「そうなのですね。では、須賀くん」

京太郎「……何だよ。原村 和くん」

和「……なぜフルネームで呼ぶのですか」

京太郎「うるせぇ!お前のせいでなぁ!」


京太郎「俺は先週の土曜日――!!」


和「先週の土曜日……?」

京太郎「……………」

京太郎「……要件を聞こう」


……………。


京太郎「『人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉……』」

京太郎「何これ?」

和「部活の買い出しらしいです」

京太郎「ハッハ、まるでカレー作るみたいだな」

和「では、伝えましたよ」


京太郎「ハッハ……ハ?」



和「部長から須賀くんに、だそうです」

京太郎「買ってこいってか!」

和「そこまでは知りませんよ」

和「『今朝の借り』だそうです」

京太郎「……………」
258 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:27:48.17 ID:ejU2E6JtO

スーパーマーケット ツ○ヤ


「ありがとうございました〜」


京太郎「なにが悲しくて、高校生がスーパーで主婦の真似事をするんだよ」

京太郎「……本当に部活で使うのか?」



咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「誰が与ちゃんだ!」

咲「……え」

京太郎「あ、何でもなかです」
259 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:28:34.83 ID:ejU2E6JtO


「偶然だな。 長野県一帯に展開する食品スーパーマーケット ツル○で会うなんて」

「安くて品揃えも充実してて、お土産まで置いてあるからね、○ルヤは」


タッタタタ……。


京太郎「誰だぁ?あいつら」

咲「私が知るわけないじゃん」

咲「京ちゃんこそ何やってんの?ツ○ヤにエロ本は置いてないよ」

京太郎「……買い出しだよ、部活のな」

咲「ふーん」

咲「……結局、何部に入ったの?」

京太郎「見りゃわかんだろ」


咲「『 人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉 ……』」

咲「……料理研究会?」

京太郎「そうそう!私、最近料理にハマっておりまして――」ニコニコ



京太郎「ってか!」

――グイッ!

咲「痛い……痛いよぉ。つねらないでよ!」

咲「私が何したってのさ!」


京太郎「麻雀部だよ」

咲「麻雀部が人参使うの?」

京太郎「そうそう!人参をリー棒代わりにしてな」ニコニコ



京太郎「ってか!」

――グイッ!

咲「痛い……痛いってば!」

咲「もう怒るよ!」


パッ
260 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:29:16.55 ID:ejU2E6JtO

京太郎「咲は麻雀やらねえのか?」


咲「やらないよ」

『でも、咲に関わった以上、麻雀からは逃げられないよ』

咲「麻雀。あんまり好きじゃないんだ」


『あんたも……そして咲も――』


京太郎「……咲は逃げ出した。」

京太郎「しかし回り込まれてしまった」


咲「え?」


京太郎「この世には逃げ出したくても、逃げられないモノもあるってさ」

咲「誰が言ったの?」

京太郎「お前の従姉だよ 」

咲「私の……?」


京太郎「じゃあな。俺はこれから麻雀部に人参を届けるんだ」

京太郎「リーチがかけられなくて困ってるだろうからな」


トッタタタ……。


咲「……変な京ちゃん」
261 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:29:51.36 ID:ejU2E6JtO


タッタタタ……。


高久田「…………」


彼は走り続けた。

雨が降ろうが、雪が降ろうが、槍が降ろうが


タッタタタ……。


彼は走り続けた。

風が吹こうが、ホラを吹こうが、鍋が吹こうが


ストイックに走り続けた。


そう彼の名前は――


ヒソヒソ

「ねぇ、知ってる?」

「アイツ、ボクシング部なのに小学生の女の子にボコボコにされたんだよ」

「うわー、マジで?ダッサ!」


タッタタタ……。


高久田「……………」


「おい、そこのノッポ」


高久田「……誰がノッポだぁ?」

高久田「俺をボクシング部の高久田 誠と知ってんのか?」


よくいる感じの不良19「ここに竹井 久ってのがいるよな」

よくいる感じの不良20「連れてこい」



高久田「あ、はい!」

高久田「今すぐ!」ニコッ


タッタタタ……。

262 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:30:49.75 ID:ejU2E6JtO

麻雀部


高久田「ってことがあったんですよ!」


まこ「……長い!」

まこ「前半いらんじゃろ!」


高久田「今すぐ警察に連絡しましょう!」


久「……今朝の奴らか」

まこ「あんたぁ、まーた懲りずに喧嘩なんかしとんのか」

久「殴っただけよ」

まこ「それを世間じゃ喧嘩と言うんじゃ」


高久田「のんきに会話してる場合ですか!」

高久田「ああいう連中はね、警察にしょっ引いてもらった方が世の為なんですよ!」


久「ったく。しゃーないわね」

高久田「早く119に電話しましょう!」

久「……そうね。『119』に電話しときましょうか」


ガタッ


まこ「どこへ行くんじゃ?」

久「殴りにいくのよ」

高久田「相手は20人ですよ!」

久「10人も20人も変わらないでしょ」



高久田「…てーへんだ、てーへんだ」

263 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:31:28.23 ID:ejU2E6JtO

河川敷


京太郎「…てーへんだ、てーへんだ」

京太郎「会長、囲まれてんじゃねえか」


京太郎「119、119……」


ヒュー、ドロドロ……

「何をやっているのかな〜〜?」


京太郎「警察に通報すんだよ!」

みなも「ついに自首すんのか」

京太郎「違げぇよ!見りゃわかんだろ!」


みなも「……………」

みなも「……ありゃりゃ」

みなも「女一人に20人か」


京太郎「いくら10人の男を病院送りに出来るからって、20人は不味いだろ!」

みなも「そうだね。せめて10人だよね」

京太郎「クソ!こういう時に限って、携帯が見つからねぇ!」

みなも「半々にわけようか」


みなも「行くぞ、金髪」

京太郎「行くってどこに!?」

みなも「決まってるでしょ」

みなも「夕方でよかったね」


京太郎「……は?」
264 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:31:55.77 ID:ejU2E6JtO


「わぁ!こら、バカ!」

「人の体を勝手に動かすな!」

「だから――!」



不良1「卑怯だなんて思うなよ」

久「別にぃ……。どうせ目が覚めたら、病院のベットの上でしょうから」

不良2「ほほぅ、諦めがいいな 」

不良3「いくぞ、お前ら!!」


不良1〜20「「「オーーーー!!!」」」



京太郎「やめろってんだよ!!」

ドンッ!


不良1〜20「「「…………………」」」


久「……へぇ」


京太郎「あ」


久「やるわよ」


京太郎「いったい、何をですか……?」テヘヘ


久「……………」


あ、いや……。そんな『後ろは任せた』って顔されてもですね。
265 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:32:59.04 ID:ejU2E6JtO


不良1〜20「「「キュウ……」」」


京太郎「大丈夫なんですか……?」

久「目が覚めたらベットの上でしょうけどね」

京太郎「……………」


みなも「アチョー!チョァー!」

みなも「何だ、もう終わりか」


京太郎「…………」


久「不思議な人ね、あなた」クスッ


あ、だから……。そんな『お前も中々やるじゃん』って顔されてもですね。



京太郎「……これ」

久「ああ。買い出しの物ね」

久「後は私が持つわ」

京太郎「本当に使うんですか?」

久「使うわよ」

久「私の家でね」

京太郎「あ、やっぱり」テヘヘ


久「助かったわ、ありがとう」


タッタタタ……。


京太郎「…………」

京太郎「……『借りが出来ちまったわね』って顔されてもですね」


京太郎「そういうSSじゃないんで、コレ」ポリポリ
266 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:37:14.00 ID:ejU2E6JtO
>>250
一応、>>236で自分の勘違いに気づいています。

ここらへんの描写は足りなかったですね。すいません。


徐々に、徐々にストーリーは進んでる……はず。

次もなるべく早く投稿します。

では、それまで。
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 19:36:44.06 ID:SshpfMi9o

読み解き損ねていたようだ こちらこそ申し訳ない
268 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:53:27.98 ID:BXEy4Wy0O

麻雀部


久「最近、出るらしいのよねぇ」


トンッ


和「……何がですか?」

久「下着泥棒。」


京太郎「……この世界に下着ってあったんスか?」

まこ「あるに決まっとろうが。ワシらみんなノーパンか」

京太郎「あ、そうですよね」テヘヘ


トンッ


久「ウチの学校の生徒も被害に合ってるって噂だし」

久「何か心当たりはないかしら?」

久「須賀くん」

京太郎「……どういう意味ですか?」


トンッ


優希「だいたい下着ドロなんてモテない男がやるもんだじぇ」

優希「情けないったら、ありゃしない」

久「『モテない男』ねぇ……」

久「何か心当たりはないかしら?」

久「須賀くん」

京太郎「だから、どういう意味ですか?」


トンッ


優希「のどちゃんも気をつけた方がいいじぇ。最近何かと物騒だからな」

京太郎「お前の場合は大丈夫だろ」

京太郎「パンツに写真でも貼り付けたらな」

ガタッ!

優希「なんだと!?」

京太郎「やるか、タコス娘!!」

優希「飼い主にむかってなんだ!その口のききかたは!?」

京太郎「誰が飼い主だ!!」

まこ「……喧嘩は止めんか!」


ギャーギャー、ワーワー!


和「……下着泥棒、ですか」
269 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:53:55.11 ID:BXEy4Wy0O

『K & M 第13話』

『下着泥棒』
270 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:54:24.36 ID:BXEy4Wy0O

次の日、学校。


優希「アッハハ!!どうだ、盗まれてやったじぇ!!」


優希「アッハハ!!」



京太郎「……どうしたんだ、アイツ?」

和「下着泥棒にあったそうです」

京太郎「ふーん」


優希「アッハハ!!」


京太郎「なんであんなに嬉しそうなんだ?」

和「さぁ……?」


………。


ワイワイ、ガヤガヤ

「ねぇねぇ、聞いた?」

「また下着泥棒が出たらしいよ」

「私、盗まれましたー!」

「あ、私も盗まれましたー!」

「私も私も!!」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「大丈夫なのか?」

京太郎「この学校。」

271 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:54:54.00 ID:BXEy4Wy0O

麻雀部


久「また出たらしいわね」

久「下着泥棒。」


優希「へっへーん!」ニヤニヤ



まこ「なんで優希のヤツは嬉しそうなんじゃ?」

京太郎「下着を盗まれたらしいです」

まこ「……は?」


トンッ


久「でも、このまま被害が広がると学生議会でも何か対策を考えないといけなくなるわね」

京太郎「……先輩たちは大丈夫なんですか?」

久「ほら、 私とまこはノーパンだから」ニコッ


京太郎「…………」ゴクッ

まこ「嘘じゃぞ、嘘」


トンッ


久「優希が盗まれたなら、次は和あたりね」

久「気をつけなさいよ。あなた、のんびりとしたとこあるから」

和「お母さんですか 」

優希「のどちゃんなら大丈夫!」

優希「あんな豪邸にわざわざ忍び込んでパンツなんか盗む奴いないじぇ!」

和「…………」

優希「な、のどちゃん!」

和「…………」

優希「のどちゃん……?」

和「…………」

優希「ま、まさか……」

和「え、ええ……」


バンッ!

京太郎「盗まれたのか!?」

京太郎「ど、どんな『ヤツ』だ!?」


まこ「…………」

久「…………」

和「…………」


京太郎「あ、いや、ほんと……」

京太郎「どんな『ヤツ』なんでしょうね、下着泥棒って」アハハ


優希「…………ッ」
272 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:55:22.20 ID:BXEy4Wy0O




優希「こんの、エロ犬!!」

京太郎「誰が犬だ!!」

まこ「……エロは認めるんじゃな」


優希「私の時は聞きもしなかった癖に!」

京太郎「聞いてほしいならそう言え!」

優希「誰が教えるか!!」

京太郎「ああ!?」


ワーワー、ギャーギャー


まこ「止めんでええのか?」

久「いいのよ。見てて面白いじゃない」ニコッ

まこ「そうかぁ……?」



京太郎「――ったく!! 」


京太郎「で、どんなヤツだ!?」

和「…………」
273 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:56:06.47 ID:BXEy4Wy0O

須賀家


須賀母「それじゃ、カピー」

須賀母「買い物に行ってくるからお留守番頼んだよ」

須賀母「最近、何かと物騒だからよろしくね」

カピー「オン?」


………。


みなも「暇だなぁー」

みなも「幽霊って、盆と肝試し以外に出番ないもんな」

みなも「……………」

みなも「いっそのこと成仏しよっか。やり方分かんないけど」



ピンポーン

みなも「はいはい。中には誰もいませんよー」

ピンポーン

みなも「だから、鳴らしても誰もいないって」

ピンポーン

みなも「……しつこいなぁ!」



ガチャ

「誰もいないんですかぁ〜? 」

「いけませんよ。最近何かと物騒なんですから」

「しっかり鍵は閉めないと」


みなも「……………」

みなも「遊び相手みっけ」
274 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:56:35.75 ID:BXEy4Wy0O



「ひぇーー!!出たぁーー!!」



ダッダダダダ!!


みなも「ったく、幽霊なめんな」

みなも「……………」チラッ


カピー「グゥ、グゥ」


みなも「……役に立たない番犬だなぁ」

みなも「あ、カピバラだっけか」


ガチャ

京太郎「ただいまー」

京太郎「んだよ、誰もいないのにカギ開けっぱじゃねえか」

みなも「私がいるぞ」

みなも「それにカピバラも」

京太郎「わー、何て頼もしい。きび団子でも持って、鬼ヶ島にいくか……って」

みなも「どうした?」


京太郎「……………」


京太郎「……なぁ、おい」

京太郎「見るからに怪しい風呂敷に包まれたモンがあるぞ」

みなも「アイツめ。ビビッて盗ったもん忘れていきやがった」

京太郎「……『アイツ?』」
275 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:57:02.44 ID:BXEy4Wy0O



京太郎「下着泥棒ォ!?」


みなも「アイツ、下着泥棒だったのか」

みなも「モテなさそうな顔してたもんな」

京太郎「どうすんだよ!アイツの盗ったモンって下着じゃねえか!!」

京太郎「そんなもんがここにあったら俺が疑われちまうよ!」

みなも「交番に届けたら?」

京太郎「尚更、疑われるよ!」


京太郎「『家に下着ドロが迷い込んで、追っ払ったら盗んだ下着を置いていった』なんて誰が信じんだ!?」

みなも「大丈夫、大丈夫」

みなも「駅前の交番のおじさんは疑うこと知らないから」

京太郎「……………」

京太郎「本当かぁ!?」

みなも「幽霊嘘つかない」

京太郎「……本当かぁ!?」
276 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:57:33.41 ID:BXEy4Wy0O

交番


「はい!パンティー30枚にブラジャー30枚ですね!」ニコニコ

「確かに受け取りました!」ニコニコ

「ご協力ありがとうございます!」ニコニコ


京太郎「……………」


…………。





『下着泥棒に注意!!』

『不審者に注意!!』

『エマさんは中尉!!』


京太郎「……大丈夫なのか?」

京太郎「この街。」

咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「……………」

咲「何やってんの?こんなとこで」

京太郎「……交番に届け物をしたんだよ」

咲「へー、えらいね。久しぶりに世の中の役に立ったね」

京太郎「喧嘩売ってんのかな?」


………。


咲「今日も部活だったの?」

京太郎「まぁね。ネットで全国の猛者と勝負してたんだ」

咲「ふーん」

京太郎「お前も……」


京太郎「お前も部活やったら?」

咲「……言ったでしょ。私は麻雀好きじゃないって」

咲「それに家のこともあるし」

京太郎「あらそ。」

京太郎「大変ですね、宮永さん家は」
277 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:58:19.06 ID:BXEy4Wy0O

界「よ、ご両人!」ニコッ

界「何やってんだ?こんなところで」

咲「……こっちのセリフだよ。 」

界「ちょいと古来より伝わる『7』を揃える遊びをな」ニコニコ

咲「…………」



京太郎「交番に届け物をしたんですよ」

界「ほー、感心だな」

界「そんな京ちゃんにはチョコレートをやろう」

京太郎「……高そうなチョコレートですね」

界「ああ。なんたって三万円もするチョコレートだからな」

界「アッハハ!!」


界「はぁ……」


トボトボ……。


京太郎「……大変ですねぇ」

京太郎「宮永さん家は」

咲「……うん」
278 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:59:25.13 ID:BXEy4Wy0O

京太郎「ほら、着いたぞ。お前の家だ」

咲「自分の家くらい帰れるよ」

京太郎「おや?中学の頃、学校からの帰り道で迷子になってたのは?」

咲「いい加減、忘れてよ。昔の話なんだから」

京太郎「……ああ、そうだな」

京太郎「もう昔の話だもんな」


京太郎「じゃあな咲。最近、物騒だから気をつけろよ」

京太郎「ま、咲の下着を盗む、物好きな奴はいないだろうけどな」

京太郎「アハハハ!!」

咲「…………」

京太郎「………ハ」

咲「…………」

京太郎「お前も盗られたのか?」

咲「うん」


……。


京太郎「本当にいたんだな、物好きな奴」

咲「喧嘩売ってんのかな?」

京太郎「っで、どんな『ヤツ』だ?」

咲「え」


京太郎「どんな『ヤツ』ってあれだぞ」

京太郎「下着泥棒のことだからな。誰もお前のパンツになんて興味ないから」

京太郎「だが、お前がどーしても言いたいのなら聞いてやらんこともない」


京太郎「っで、どんな『ヤツ』だ?」ニコッ


咲「…………」
279 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 17:01:24.61 ID:BXEy4Wy0O

次の日、麻雀部。


久「昨日、捕まったらしいわね」

久「下着泥棒。」


京太郎「…………」

まこ「どうした?右の頬が赤いぞ」

京太郎「……何でもありません」


和「確か自首してきたとの噂ですが」

久「そうそう。『下着を盗まれた女の子の声が聞こえる』だかなんだかいって 」

京太郎「…………」

京太郎「(アイツ、何やったんだ?)」


久「ま、とりあえずこれにて一件落着ね」

優希「ぜんぜんよくない!」

優希「私のタコさんがプリントされたパンツが帰ってきてない!」


京太郎「……結局、自分で言うんかい」

優希「何か言ったか!?」

――プルル、プルル

京太郎「携帯、携帯が鳴ってるから」

和「……携帯もってたんですね」

京太郎「話の都合でね」

ピッ

京太郎「はい。はい、そうです」

京太郎「はぁ……そうですか」

京太郎「……え」

京太郎「……分かりました」

ピッ

久「彼女から?」

京太郎「警察ですよ。この前、届けた落とし物の持ち主が現れたって」

久「へぇ、よかったじゃない」

久「1割貰えるわよ」

京太郎「…………」



京太郎「それってパンツの場合でも貰えますかね?」

久「え?」
280 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 17:01:59.90 ID:BXEy4Wy0O

交番

「ご足労いただき、ありがとうございます!」

「落とし主様より1割のお礼とのことで、こちらを持って帰って下さい!」

京太郎「それって――……」


「もちろん、パンツです!」ニコッ


………。


京太郎「どうすんだよ」

京太郎「こんなん貰って」

京太郎「……………」


『タコさんがプリントされた――!』


京太郎「……………」


ガサゴソ、ガサゴソ


あった。


京太郎「……おー」


『……薄いピンク色のですよ』


ガサゴソ、ガサゴソ


あった。


京太郎「おー」


『白と水色の縞々模様』


ガサゴソ、ガサゴソ


あった。


京太郎「おーー!!」



京太郎「おーーーーー!!!!」



ポンッ

「ちょっとキミ、いいかな?」


京太郎「……おー?」


………。


久「遅いわね、須賀くん」

まこ「最近、物騒じゃからな」
281 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 17:05:37.36 ID:BXEy4Wy0O

おかしい……真面目な話を考えていたハズなのに。

『ドラフ島スレ』が終わったので、しばらくはこっちをメインで書いていくので、更新ももう少し早くなると思います。

それでは、また次回。

いい加減に咲さんを麻雀部に入れんと……。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/16(土) 17:24:16.95 ID:MuI8dDShO

この世界に下着があるだと!?
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/16(土) 19:52:21.85 ID:rDs6Z1rno
下着あったんだ……(漫画みながら
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/16(土) 21:34:10.18 ID:iKap6njxo

まじかー 下着あったんだなー
285 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:05:53.65 ID:Apjb3cDmO

麻雀部


『ロン』


京太郎「……………」

優希「お前、ほんと麻雀弱いな」

優希「一ヶ月もたっているのに役もロクに覚えてないし」

京太郎「いやはや」

京太郎「先生の教えの賜物です」ニコッ

ガタッ!

優希「……なんだと!?」

京太郎「やるか、タコス娘!!」


ギャーギャー、ワーワー


まこ「……やっぱ優希のヤツに人に教えんのは無理じゃろ?」

久「でも、一ヶ月続いたわね」

久「あの飽きっぽい優希が」


優希「だいたいお前が弱いのは、お前が私の言うことを聞かないからだろ!」

京太郎「ちゃんと聞いてるぜ」

京太郎「だから、今回もビリなんだよ」


優希「……部長!!」


久「はいはい。喧嘩するなら仲良くね」


まこ「そうか……」

まこ「もう一ヶ月も経ったんか」
286 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:06:20.67 ID:Apjb3cDmO

ゴールデンウィークが過ぎ、公園には鈴蘭の花が咲いている頃のお話。


夜・須賀家





「……れろ」


「……入れろ」


京太郎「グゥグゥ」


「……を麻雀部に入れるんじゃ」


京太郎「グゥグゥ?」




「咲を麻雀部に入れろォォォォ!!!」


287 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:06:47.32 ID:Apjb3cDmO

ガバッ!

京太郎「うわぁあぁあぁあ!!!」



京太郎「…………」ハァハァ


京太郎「…………」


みなも「グゥグゥ」


京太郎「……こんの野郎〜」


………。


京太郎「おい、起きろクソ幽霊」


――スカッ

京太郎「……………」

※京太郎はみなもを触れません。


京太郎「……起きろ!クソ幽霊!!」


――ガンガン!!

――ガンガン!!

――ガンガン!!

みなも「……うっさいなぁ」

みなも「いま何時だと思ってるんだ」

京太郎「人の夢枕に立つなんて、どういう了見だ?」

みなも「……なんのこと?」


京太郎「すっとぼけても無駄だ!もうネタは上がってんだ!」

京太郎「『咲を麻雀部に入れろぉ……咲を麻雀部に入れろぉ……』」

京太郎「なんて古臭い手を使いやがって!」

みなも「…………」

京太郎「なんか言ったらどうだ!? 」

みなも「…………」

京太郎「……………」



京太郎「お前じゃないのか?」

みなも「うん」

京太郎「じゃあ、誰なんだよ」

みなも「そりゃアレだな」

みなも「『神からのお告げ』だね」

京太郎「あ?」
288 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:07:14.02 ID:Apjb3cDmO

みなも「だいたい『夢枕に立つ』なんてのは神様や仏様からのお告げって相場が決まってんだよ」

京太郎「神様が咲を麻雀部に入れろってか?」

みなも「そこまでは知らないよ」

みなも「ただ――……」

京太郎「ただ?」


みなも「神様からのお告げを無視すると痛い目に合うぞ〜」


京太郎「…………」


みなも「とある野球選手も神からのお告げによって帰国したくらいだし」

京太郎「……アホくさ」

京太郎「俺は神様や占いなんてもんは信じないんだよ」

みなも「咲に麻雀部入ってほしくないの?」

京太郎「なんでそうなんだよ。第一、俺が決めることでもないだろ」

みなも「そうか、そうか」

みなも「ならせめて、死なないよう気をつけるんだな」

京太郎「…………」

みなも「心配しなさんな。仮に死んでも先輩として幽霊の生き方を教えてやるから」

京太郎「……笑えねえよ」

京太郎「いろんな意味で」
289 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:07:58.84 ID:Apjb3cDmO

朝。


チュンチュン


『ご覧ください!』

『こちらの国立公園では鈴蘭の花が咲いております』

『フランスでは5月1日を鈴蘭の日とするなど、春の訪れ、幸福の再来を知らせてくれる縁起のいいお花としても有名ですね 』


京太郎「いってきまーす」

須賀母「あい、いってらっしゃい」


――ブチッ!

京太郎「…………」

須賀母「どうしたんだい?」

京太郎「……靴紐が切れた」

須賀母「おやまぁ、不吉だね」

須賀母「ところでお前は水瓶座だよね?」

京太郎「ああ、マイペースで自由を求める水瓶座ですけど?」


須賀母「ふんふむ……」ペラッ

京太郎「……何読んでんだ?」

須賀母「占い雑誌。最近、評判なんだよ。よく当たるって」

京太郎「あ、そ」

須賀母「……………」ジー

京太郎「……なんて書かれてんだよ」


須賀母「まぁ、占いなんてもんはアテにならないからねぇ」

須賀母「気にすることはないよ」

京太郎「なんて書かれてあったんだよ」

須賀母「ほら、遅刻するから早く行った行った 」


京太郎「……………」

京太郎「……行ってきます」


ガチャ


須賀母「隕石には気をつけるんだよ!!」


京太郎「だから、なんて書かれてあったんだよ!」
290 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:08:28.28 ID:Apjb3cDmO


黒猫「にゃーお」


スタタタタ……。


カラス「かぁー、かぁー」


京太郎「…………」


俺は神様や占いなんてもんは信じない。


ただ――



――ブブー!!

「あぶねえな!!どこ見てやがる!!」


京太郎「……………」


暗示にはかかりやすい。


『K & M 第14話』

『神様のお告げ』
291 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:09:22.43 ID:Apjb3cDmO

学校

高久田「おっす。京太郎」ニコッ


京太郎「俺に近づくなぁ!!」


高久田「……あん?」

京太郎「あ、いや……」

京太郎「今日は朝からツイてなくてな 」


京太郎「トラックに水をかけられる、野良犬のシッポを踏んで追いかけられる」

京太郎「挙句の果てに犬のウンコも踏むし……」

高久田「……………」


――ススス

京太郎「逃げんなよ、ちゃんと洗ったぜ」


………。


久「あら、須賀くん。ちょうどいいところに」

京太郎「……………」


――ススス

久「ちょっと、何で逃げんのよ」

京太郎「何だか雑用を押し付けられる気がしたから」アハハ

久「あら。分かっているなら話は早いわ」

京太郎「……………」

久「これのコピーをとって、議会室まで運んできてね」

京太郎「……なんスかこれ?」

久「ウチの文化祭の資料よ。7月へむけてのね」

京太郎「へー、いっちょ前に文化祭なんてあるんですね」

久「そうなのよ。出店もあるから安全面に関する書類も多くて 」

久「特に火災よね注意しなきゃいけないのは」

京太郎「ああ、火を使いますからね」

久「『文化祭』で『火災』なんて起きたらシャレにならないわ」

京太郎「……………」

久「……笑えよ」ボソッ


京太郎「アッハハ!流石、部長!」

京太郎「上手い、上手い!!」パチパチ

京太郎「アッハハ――!!」


久「じゃ、よろしくね」

久「500部ほどあれば足りるから」

京太郎「500部……?」


タッタタタ……。

京太郎「…………」

京太郎「……環境と部員にはもう少し優しくしよう」
292 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:09:56.70 ID:Apjb3cDmO

コピー室


――ウィンウィン


京太郎「……あー、面倒くせえ。500部もいらねえだろ」

京太郎「国会で配るわけでもあるめえ 」

京太郎「これもそれも全部――」


『咲を麻雀部に入れろ…… 。咲を麻雀部に入れるんじゃ……』


京太郎「……………」


ヒュー、ドロドロ……

「何をやっているのかな〜〜??」


京太郎「コピーとってんだよ」

みなも「まーた雑用頼まれてるのか。情けない男だなぁ」

みなも「女にこき使われて恥ずかしくないのか」

京太郎「あっちは先輩。こっちは後輩」

京太郎「先輩の言うことは絶対だって中学で習ったろ 」

みなも「その前に死んだから分からん」ニコッ

京太郎「……………」


――ウィンウィン


京太郎「……おい」

みなも「何だ?」

京太郎「なんで咲は麻雀が嫌いなんだ?」

みなも「…………」



みなも「やっぱり私のせいなのかな」


京太郎「あん?」


――ウィンウィン


みなも「それを語るには聞くも涙、語るも涙の事情がありまして」

みなも「それをこの80行あまりでまとめるのは難しいですが……」


みなも「聞きたいか?」


京太郎「…………」


――ウィンウィ……


京太郎「残念、印刷が終わっちまった」

京太郎「またの機会だな」

みなも「チェ」
293 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:10:36.59 ID:Apjb3cDmO

京太郎「オイショ、オイショ……」

京太郎「あー、重てぇ」

京太郎「お前も少しは持てよ」

みなも「紙が勝手に浮くっていう新たな七不思議ができてもいいなら」

京太郎「クソ……」



咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「…………」

咲「…どうしたの?」


京太郎「お前、それしか登場パターンないのか」


咲「え?」


………。


咲「また先輩に雑用頼まれたの?」

京太郎「まぁね。後輩なもんで」

咲「ふ〜ん……」


咲「重そうだね。少し持ってあげようか」

京太郎「バカ、やめろ!」

京太郎「お前に持たせると昔からロクなことにならん!」

咲「……いいから持つよ」

京太郎「こら!余計なことをする――」


――ズルッ!

京太郎「うわっ!」

咲「きゃっ!」


ドンガラガシャー!!
294 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:11:04.23 ID:Apjb3cDmO


京太郎「アイタタ……」

咲「イタタ……」


京太郎「……ほらみろ!言わんこっちゃない!!」

京太郎「お前が手伝うって言うと、昔から ドジばっかしやがって!」


咲「イタタ……」


京太郎「…………」


咲「イタタ……」


京太郎「お、おい大丈夫か?」

京太郎「どっかぶつけたのか?」

咲「う、ううん。大丈夫だよ」


京太郎「……ほら、立てよ。保健室まで送るから」

咲「大丈夫だって、これくらい」


京太郎「いいから遠慮すんなよ」

咲「あ、ありがとう」


グイッ


京太郎「………… 」

手と手が合う。

咲「…………」

目と目が合う。



みなも「口と口が――……」

京太郎「……なにやってんのかな?」

咲「え?」

みなも「いやいや、心情描写をと」ニコッ
295 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:11:32.66 ID:Apjb3cDmO

教室

先生「高校生活を部活に打ち込み精を出すのは構わないが、諸君らの本業は勉強だということを忘れるな」


先生「特に高校生の学力低下が問題視されている、この時代。」

先生「こんな適当な授業描写で読者とPTAが黙っていると思うなよ」


キーンコーンカーンコーン


ワイワイ、ガヤガヤ

「あー、やっと終わったぁ」

「帰りどこいく?」

「てゆーか、カラオケいかない?」

「いいね!いくいく!!」


先生「いいか!読者とPTAが黙っていると思うなよ!!」


………。


京太郎「ふわぁ……」

京太郎「……今日も図書室にいくのか?」

咲「うん。面白い本が入ったんだ」

京太郎「へー」

『咲を麻雀部に入れろぉ……咲を麻雀部に入れるんじゃ……』

京太郎「……へー」


京太郎「じゃあな、咲」

京太郎「俺は部活があるんで」

咲「うん。またね」


――ブチッ!!

京太郎「…………」

咲「どうしたの?」

京太郎「……靴紐が切れた」
296 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:12:02.69 ID:Apjb3cDmO

麻雀部


『ロン』


京太郎「勝った……。」

優希「どれどれ……」

優希「へぇ、珍しいこともあるもんだな。今日はきっと雨が降るじぇ 」


バンッ!

京太郎「勝っちまったよ!!」

京太郎「どうなってんだ今日は!」


優希「……なに怒ってんだ?」

京太郎「お前の言うとおり、俺はいつも3位かビリなんだよ!トップになることなんて滅多にない!」

京太郎「なのに何で今日に限って……!」

優希「まぁまぁ、どうせマグレだろう――って」

優希「…………」


ガチャ

和「おや?早いですね、二人とも」

優希「のどちゃん……」

優希「この役なんだっけ?」

和「どれどれ」


和「……九蓮宝燈ですね」

京太郎「中華包丁?」

和「アガったら死ぬと噂の」


京太郎「ん?」
297 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:12:58.08 ID:Apjb3cDmO

図書室


咲「…………」ペラッ


みなも「…………」


『泣かないでよ、咲』


『ダメだよ!――ちゃん!』

『死んじゃダメだ!!』


『バカだなぁ、咲は。』

『私が咲よりも先に死ぬわけないでしょ』


『……咲だけに』


『――ちゃん!!』


『それに』

『私が死んだら、誰があんたら姉妹を守ってるのさ』


『……照だけに』


『――ちゃん!!』


ピッ


『……?』


ピッ



ピッーー



みなも「いやぁ、すまん、すまん」ニコッ


咲「…………」ペラッ
298 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:13:24.71 ID:Apjb3cDmO

優希「お前、知っててアガったのか?」

京太郎「知ってるワケねぇだろ!」

京太郎「俺は清一を目指してたらなんかこんな形になって……」

京太郎「なのにアガったら死ぬ!?」


京太郎「冗談じゃねえや!!」


和「ただの都市伝説でオカルトですよ。そんなのあるわけありません」

京太郎「ただのオカルトじゃ困るんだよ!!」

和「……なにムキになっているのですか?」

京太郎「………ッ」


京太郎「帰る!!」


――バンッ!!



優希「何なんだ?アイツ」

和「さぁ……?」


ガチャ

久「どうしたのよ。さっき須賀くんとすれ違ったらスゴイ顔してたわよ」

久「またイジメたの? 」


優希「イジメたか?私たち」

和「さぁ……?」
299 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:13:51.55 ID:Apjb3cDmO


ヒュー、ドロドロ……。


「どこに行くのかな〜〜?」


京太郎「帰るんだよ」

みなも「部活は? 」

京太郎「今日は日が悪いからやめだ」

みなも「ふーん」

みなも「結局、お告げは無視するのか」


京太郎「……俺は神様や占いなんてもんは信じねえ!!」

みなも「なに怒ってんのさ」

みなも「それに、咲に麻雀部入ってほしくないの?」

京太郎「だから、何でそうなんだよ!」

京太郎「俺は――!」


――ブブーー!!

「あぶねえな!!どこ見てやがる!!」

「死にてえのか!!」


京太郎「…………」

みなも「ダメだよ。ボケッとしながら歩いてたら」

みなも「死んじゃうよ 」


黒猫「にゃーお」

カラス「かぁー、かぁー」


京太郎「……………」


『隕石には気をつけるんだよ』


京太郎「ハッハ、流石に隕石なんて……」

京太郎「隕石なんて……」


ワイワイ、ガヤガヤ

「ねえねえ、聞いたー?」

「隣街に隕石が落ちてきたらしいよ」

「マジでー?ヤバくなーい?」

「ほんと、地球最後の日かもね」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「…………」

京太郎「…………」

京太郎「………さ」
300 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:15:09.09 ID:Apjb3cDmO


京太郎「咲ィィィ!!!」


ダッダダダダ!!!


京太郎「咲ィィィ!!どこだァ!!」


ダッダダダダ!!!


京太郎「咲ィィィィィ!!!」



みなも「…………」


…………。


咲「…………」ペラッ


「……ィィィ!!!」


咲「?」

咲「何か今、聞こえたような……」



ガバッ!

京太郎「咲ィィィィィィ!!!」

咲「ヒィィィッ!!」


京太郎「テメェ!何のんきにこんな所で本なんか読んでやがる!! 」

咲「な、なんでって……」

京太郎「いいから来い!!」

――グイッ!

咲「ちょ、ちょっと引っ張んないでよ!」

咲「どこに連れてくのさ!」


京太郎「うるせぇ!!!」

京太郎「麻雀部に決まってんだろ!!」
301 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:16:01.75 ID:Apjb3cDmO

咲「麻雀部……?」

咲「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」

咲「私、麻雀嫌いだって――」


京太郎「だから、うるせぇつってんだよ!!」

京太郎「俺は神様や占いなんてモンは信じねえ!!」


咲「それとコレ何の関係が……」


でも――

暗示にはかかりやすい。


バンッ!!


京太郎「カモ連れてきたぞーー!!」


302 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:16:33.98 ID:Apjb3cDmO





和「!」

和「お客様……?」


咲「さっきの――」

303 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/19(火) 20:19:29.51 ID:Apjb3cDmO



そして、1話へと続く……。



咲と和は同じクラスなのに初対面の設定です。

何でかって?話の都合です。


みなもは照おねーちゃんって呼んでた気がしますが、気にしないで下さい。

話の都合です。


では、また次回。

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 21:31:29.50 ID:o1/4pwpTo

パンツはちゃんとはけよ BPOが黙ってないからな
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 15:00:13.45 ID:kAd2NUvlO
おもしろかった
続きにきたい!
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 13:17:21.79 ID:G5z8li3FO
まだ待ってる
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