【咲-saki-】京太郎「 K & M」

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177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 12:05:21.28 ID:7N/zI+rcO
自分が満足するの間違いだろうが
主語を大きくして自分の主張を正当化するなよ
お前の妄言に作者と読者を巻き込むな
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 12:06:20.34 ID:SO9GYi3A0
>>174
何をもって「明らか」なのかさっぱり分かりませんなぁ
全く根拠無く「明らかにDQNっぽい」って言いがかりにも程があるだろ、描写でもなんでもいいから根拠を示せよ

逆に劇中で重かろうとちゃんと雀卓やPCを運んだり、敗退時に「清澄の顔に泥を〜」なんて台詞が出てくる辺り真面目な人間って評価ができる根拠はあるぞ
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 12:09:42.84 ID:SO9GYi3A0
>>176
掲示板でそうやってがなりたてて荒らすのもネチケットが無いですよ(笑)
書いてる内容に関わらずね
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 12:39:49.29 ID:g6wDA7w0o
荒らしに構うなよ
作者さんに迷惑だろ
181 :再開でっす ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:10:12.59 ID:CzxHEKlCO

リーチ、一発、ツモ。麻雀における基本的な役の一つであり

初心者、上級者問わずにお世話になる役の一つである。


京太郎「ツモ。リーチ、一発、ツモで2000点オール」


……決して、ゴロの良さで多用をしているわけではない。


「――予選終了!」

「これで4名の本戦出場の皆さんが決まりました!」

「落ちた皆さんは残念。受かった皆さんは麻雀部を目指して最後の試験を頑張って下さい!」


京太郎「……おや、いつの間にか実況が?」



優希「………………」

和「勝ってしまいましたね。彼」

優希「ハッ!まぐれ、まぐれ」

優希「あんなので勝ち続けられるほど、麻雀は甘くはないじぇ!」


和「……でも、あんなに思い切った戦法は中々取れませんよ」

優希「バカの一つ覚え!」


ペラッ

京太郎「……………」


久「では、最後の試験の説明をします」

久「今度はあなた達4人を二つに分けて――」


ペラッ

京太郎「………………」


久「ちょっと聞いているの?」

久「そこの金髪の……!」


京太郎「……『平和とは』」

京太郎「『面子が全て順子で、雀頭が役牌でなく、待ちが両面待ちになっている場合に成立する 』」


ペラッ

京太郎「………か」

京太郎「よし」


久「……………」

久「それでは、最後の試験は――!」
182 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:10:46.28 ID:CzxHEKlCO


『K & M 第八話』


『最後の試験』
183 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:11:19.13 ID:CzxHEKlCO

ゾロゾロ

「ふぇーん、負けちまったよ」

「そりゃそうだよ。経験者でも、たった一回の半荘。」

「それで1位を取れってんだから」


「……そして1位を取ったとしても――」


「………………」

「……いいよなぁ」


「ああ」


「「俺も原村 和と打ちたかったぁ……」」


ゾロゾロ


久「……一生ネト麻でもしてろ」



優希「部長、次の試験は本気なのか!?」

久「本気よ。その為にあなた達を呼んだのだから」

和「……でも、何も私達と打てせなくても」

久「私とまこも入るから許してよ」

久「それに東風一回だけだから、ね?」



和「……東風一回、持ち点25000点」

和「それで麻雀部部員のどちらかを上回れば合格。」


久「優しいでしょ?」

久「1位を取れってんじゃないのだから」

久「上手く行けば彼ら4人、全員合格できるわ」


和「本気でやっていいのですか?」

久「ええ、お願い。お荷物は抱えたくないでしょ?」

久「お互いにね」



和「……はい」

優希「よーし、コテンパンにしてやるじぇ!」

優希「あの生意気な金髪を!!」


久「……ああ」

久「それ何だけど――」

184 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:12:32.45 ID:CzxHEKlCO


タッタタタ……。


ヌッ

「どこにいくのかな〜〜??」


京太郎「逃げるんだよ。あそこから」

みなも「………何で?」

京太郎「何でって、そりゃ――!」



京太郎「……負けるから」


みなも「何だ、何だ。試験を受ける前から諦めムードか」

京太郎「……受かると思うか?」

京太郎「アイツ等を相手に勝つんだぜ」


京太郎「小学校、中学校、高校と麻雀をやってきた人に少し本を読んだだけで勝てるほど甘くねえだろ」


みなも「なら、しっかりと勉強したら勝てるの?」

京太郎「勝てるさ」




京太郎「俺が10年間しっかり勉強して、アイツ等がまだ5歳の時にタイムスリップすればな」


………………。


ピタッ

京太郎「うひゃ!冷てえ!!」

京太郎「触んな!お前の手、冷てぇんだから!!」



みなも「……よし、ならこうしよう」

みなも「選手交代だ」


京太郎「………は?」


みなも「良かったね、夕方で」


京太郎「…………ひ?」


みなも「大丈夫、ちょっと体を借りるだけだから」


京太郎「………ふ?」


「へ?」


「ほ?」
185 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:13:01.60 ID:CzxHEKlCO

ダッダダダ!!!


京太郎「ば、バカやめろ!!」

京太郎「人の体を勝手に動かすな!!」


ダッダダダ!!!


みなも「今は私の体だからね」


ダッダダダ!!!


京太郎「ど根性○エルじゃねえんだぞ!?」


みなも「何それ?」

みなも「そんな服にへばり付いてそうな カエルと一緒にしないでよ」

京太郎「知ってんじゃねえか!!」


ダッダダダ!!!


みなも「………………」

みなも「久しぶりに走ったな」


ダッダダダ!!!


京太郎「聞こえねえよ!」

京太郎「この『ダッダダダ!!!』がうるさくて!」


ダッダダダ!!!


みなも「麻雀部に入るよ」

みなも「このまま」


京太郎「だから――!!」


186 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:13:42.89 ID:CzxHEKlCO

まこ「……トイレに行くと言ったきり戻ってこんの」

まこ「さては逃げたか」


久「……………」


優希「所詮、金髪の腰抜け。待っても時間の無駄だじぇ、部長」

和「……そうですね」


久「……………… 」

久「……仕方ない、こっちは三麻で――」



ガラッ!!

京太郎「勝手に決めんじゃねえ!!」

京太郎「つってんだろ!!」


……………………。


京太郎「あ」


久「……へぇ」

久「やっぱり、いい度胸してるじゃない」


京太郎「…」


まこ「わしら相手に宮本武蔵気取りか。やりおるのぉ」


京太郎「……」


みなも「大物だね。初心者の癖に」

京太郎「………っ」


久「とにかく時間とスレが勿体無いからはやくやるわよ」


バンッ!!

京太郎「黙れよ、このクソ幽霊!!」


久「……………」


京太郎「あ、あはは、なんちゃって」テヘヘ


久「……………」


187 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:14:36.22 ID:CzxHEKlCO


京太郎「じ、実は最近、幽霊に付きまとわれてまして……」

京太郎「そいつが時々イタズラするんですよ」

京太郎「会長なら信じてくれますよね?」


久「……ええ、モチロン。」

久「タチの悪い幽霊ね」


京太郎「そうなんです!これがタチの悪い幽霊でして――!」

久「ええ、本当に」


久「おもし霊」



京太郎「え?」

京太郎「あ、ダジャレですか」

京太郎「アッハハ!上手い!うま――!」


久「え、何々?」

久「もしコイツが負けたら、右手で思いっきり殴霊」


京太郎「……え?」


久「言ったでしょ?私も霊感があるって」

久「そう言ってるのよ、その幽霊が」


京太郎「………………」チラッ

みなも「因みに今の私は、あんたの体の中にいるからこの人でも見えてないよ」

みなも「もちろん、声も聞こえてない」



京太郎「言ってないですよ!多分、絶対!」


久「いいから早くやるわよ。もうスレが無くなるんだから」


京太郎「まだ800以上残ってますよ!」

京太郎「何なら次スレも立てましょう!」


久「……私は無駄なスレと口先だけの男が大キライなの」



京太郎「あっはは、こりゃ一本取られたなぁ……」


188 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:15:18.24 ID:CzxHEKlCO

久「そっちの二人は優希と和の卓ね」

久「金髪と――」


「……テヘへ」


久「この『特徴のない男』は私とまこが相手をするわ」


特徴のない男「よ、よろしくお願いします」


まこ「……ま、ええか」


…………………。


京太郎「大丈夫なのかよ。この人たち強そうだぞ」ヒソヒソ

京太郎「麻雀も喧嘩も」ヒソヒソ


みなも「心配しなさんな。私は小3の頃から手にマメすらできていない」

みなも「ニワカは相手にならんよ」


京太郎「……………」

京太郎「(あ、ダメだこりゃ)」


「原村さんって趣味はありますか?」

和「そうですね……。可愛い物集めでしょうか?」

「おお奇遇ですね!僕も可愛い物と可愛い人に目がなくて!」

和「そうなんですね」

「どうです?今度、お食事にでも――」


久「はい。そこも脈のないナンパは後にしてね」

久「時間がないんだから」


優希「……………」



みなも「……麻雀打つのも久しぶりだなぁ」

京太郎「なんか言ったか?」


みなも「なにもー」
189 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:15:47.94 ID:CzxHEKlCO

そんなこんなで対局開始。


公平なるルールに乗っ取り、席順は――


パチッ

京太郎「リーチ」



まこ「(五巡目の親リー……)」

まこ「当たったら事故じゃな」


パチッ


久「(東風は安くても速さが大事)」

久「でも、リーチ、一発、ツモだけなら手も点数も限られてくる」

久「それだけで勝てるほど――」


パチッ……


「ロン」


久「え」


京太郎「リーチ、一発、七対子、断公九」

京太郎「……裏ドラ乗らず」


京太郎「12000点です」


京太郎→まこ→久→特徴のない男となった


……………。


京太郎「これ本当にアガってんの?」

みなも「後でちゃんと勉強しときな」

みなも「今は黙って私の後に続いて喋ればいい」


京太郎「……なんだかなぁ」ポリポリ
190 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:16:50.38 ID:CzxHEKlCO


久「……何がリーチ、一発、ツモしか知らないよ」


京太郎「あはは……」


久「ここまで計算に入れた、盛大なブラフだったってことね」

久「中々やるじゃない」ニコッ


京太郎「……あっはは」

京太郎「(これ勝っても、タダじゃすまない気がする)」


そして、2本場。


パチッ

京太郎「……………」

京太郎「綺麗な手だな」

三四[五]六七ABCGG234


優希「(2mで上がれば満貫手)」

優希「さっきのロンといい……」

優希「まるで別人みたいだじぇ」


和「ゆーきのツモ順ですよ」


優希「え、ああ、わかってる!」


「原村さんと打てるなんて幸せだなぁ……」デヘヘ

「もう俺、死んでもいいや」グヘヘ


優希「………………」

和「ゆーき?」


優希「分かってるじぇ!!」

優希「ツモればいいんだろ!ツモれば!!」


和「……ゆーき?」
191 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:17:45.23 ID:CzxHEKlCO

トンッ

まこ「……………」


タンッ

久「……………」

久「(この子まさか)」


特徴のない男「えぇーと、これでいいかな……」

タンッ

『二』


京太郎「あ、それ……」

みなも「黙って」


特徴のない男「ま、まさか振り込みました?」



京太郎「こ、これ二萬って読むんだぜ!」

京太郎「マンって少し卑猥な響きだよな!」

京太郎「あっはは!!」


特徴のない男「……………」

久「…………」

まこ「……はよツモれ」



京太郎「……ははは」


みなも「ないわー。中学生じゃないんだから」


京太郎「……………」

黙れ、小学生。

192 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:18:42.59 ID:CzxHEKlCO

京太郎「さっきのアガりだろ?」

みなも「へぇ、待ちくらいは知ってんだ」

京太郎「あのな――!!」


まこ「……オッホン!」


京太郎「あの名、この名、お母さんと一緒……」ボソボソ


トンッ


まこ「(こいつ……、本当に素人なんか?)」


まこ「……1位にならなくても、麻雀部部員のどちらかを上回ればいい」

まこ「確かそんなルールやったのぉ」


タンッ


久「ええ。そうよ」

久「だから――」

『試して見ましょう』


タンッ


『八』


京太郎「ロン」

京太郎「断公九ドラ1平和」

京太郎「5800です」


まこ「な!?」

久「……やっぱり」


久「元からトップを取る気はサラサラなし」

久「私と張り合おうってわけか」


久「……ホント、いい度胸してるわね」


…………………。


京太郎「………………」チラッ

みなも「出来れば1位。それでなくても2位。」

みなも「最悪、あの人を最下位に落とせばなんの問題もなし」


みなも「そういうルールだよね」


京太郎「あ、はい。そうなんスけど……」


久「いいわ。付き合ってあげるわ」

久「徹底的にね」



京太郎「……狙う相手、間違ってませんか?」
193 : ◆Crh8.oXlyE [saga]:2017/08/05(土) 20:23:05.68 ID:CzxHEKlCO

以上、8話終了でっす。


憑依している、みなも(仮名)ちゃんは『ど根性ガエ○』をイメージして下さい。

普段は空にプカプカ浮いてます。


それでは、また次回。

近いうちに投稿します。




194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 20:26:54.28 ID:m+esoywsO

面白い展開になっているねぃ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 20:27:05.07 ID:QXDECsyto

黄色いんですね
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 20:29:32.56 ID:2hXG12tNo
乙です
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 22:03:45.03 ID:tFMM68y10
乙です、京太郎へのヘイトが順調に貯まっていって草生える。全てはみなも(仮名)ちゃんの所為なのにww

そういやこの状況で原作通りに咲ちゃん連れて来たら絶対面白いことになりそうだなww
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/07(月) 00:13:51.62 ID:Cq56UCjX0
霞「日本は侵略国国家なの」

初美「そうなんですかー?」

霞「ええ。韓国や中国を侵略し富を奪取していったわ」

霞「でも、日本国民が可哀想だわ。軍部の暴走で勝ち目のない無謀な侵略戦争に駆り出されたもの」

初美「ふんふむ」

霞「軍部は東南アジア各地で非道を働き。連合国軍の捕虜は取らなかった」

初美「捕虜を取らないですか?良いことじゃないですかー」

霞「それは違うわ。捕虜を取らない=虐殺という意味よ」

初美「ええっ!?でも高校の教科書では…」

霞「はあ…。日本政府はね…昔と変わらないの…不都合な真実は国民に隠してるの」

霞「戦争は悲惨だわ。二度と戦争が起こらないように憲法を堅持し韓国や中国二度謝罪と賠償をして罪を償って行く事が大事」

初美「えっ?一生ですかー?日本は既に賠償は終えているじゃあ…」

霞「ドイツを見習いなさい。永遠に償い続けないと傷は癒ないの
お金払って誤りしたすみませんー。って言ったあとに戦争を」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 14:51:40.71 ID:sl9NrwXdO

なにこれ、普通におもしろい
続き期待してます!
200 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:34:46.48 ID:+tNfwwpYO


宮永家


界「あーー、クソまた煮詰まっちまった」

咲「……そんなに煮詰まるならホラー小説に拘らなくてもいいのに」

界「バカ者。ホラー小説は偉大なんだぞ」


界「人間の根底にある恐怖、それを文章によって得られるのは一つの芸術とも言える」

界「そして何より、大抵の矛盾や急展開は『幽霊』だからで済まされる!」


界「これは作者にとって非常にありがたい!」


咲「……………」

『売れるといいな、お父さん』

咲「……期待しないで待ってるよ」

界「なんか言ったか?」

咲「私の今月のおこづかいはまだかなって」



界「……やっぱ登場人物のインパクトが弱いんだよなぁ」

界「いっそのこと超能力とかを持たせても」ブツブツ

ブツブツ

咲「……………」
201 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:35:13.24 ID:+tNfwwpYO

界「ああ、そうだ。」

界「今月の麻雀雑誌に載ってたぞ、姉ちゃん」

咲「……そうなんだ」

界「相変わらず勝ってるみたいだな」

界「インハイチャンピオンは」

咲「………うん」

界「……………」


界「さーてと、一服したら再開すっか」

咲「禁煙してるんじゃないの?」


界「おっといかん。幽霊のせいだな」

界「幽霊の」
202 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:35:40.20 ID:+tNfwwpYO


『K & M 第9話』

『……イカサマだよ』
203 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:37:33.54 ID:+tNfwwpYO

まこ「ツモ。1000-2000の2本場で1200-2200」


京太郎「おい、上がられたぞ」

京太郎「こういう事もあるって?」


京太郎「……まぁ、確かにな」


まこ「……点棒!」

京太郎「あ、はい」テヘヘ


まこ「(……変なやつじゃけぇ)」


…………………。


優希「ドーン!親ッパネ!」

和「6000点ですね。はい、どうぞ」


ワイワイ、ガヤガヤ

「ああ、何かいい匂いがする……」

「どうぞ、原村さん。点棒です」

和「ありがとうございます」

優希「……………」

和「はい、ゆーき。彼らからの点棒です」

優希「……………」

和「ゆーき?」


優希「……絶対に潰してやるじぇ」ゴゴ


和「?」


204 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:38:17.32 ID:+tNfwwpYO

まこ「(さてさて、わしの親番)」

まこ「(そしてこの手牌……)」


まこ手牌:44456789s4m6p中中中白


まこ「あんたら二人には何も恨みもありゃせんが……」

まこ「久の手前、手を抜くわけにもいかんか」

バッ!

京太郎「……メガネを取った?」



久「(まこが本気だした……。)」


久「(そして、現状は私がダントツの最下位。彼から勝つには直撃を取るか、親で連荘するしかない)」

久「(流石に二回振り込んだのは痛かったなぁ……。)」


久「………………」


久「まったく。悪い状況じゃないの……」ニコッ
205 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:39:02.37 ID:+tNfwwpYO

特徴のない男「……えぇと、これでいいか」


トンッ


まこ「ロン。」

まこ「12000の一本場で12300」


特徴のない男「……うへっ」

まこ「普通、振り込むかぁ?染めちょるの分かるじゃろ」

特徴にない男「えへへ、もう少しでテンパイだったもんで」


まこ「……ま、ええか」



みなも「上家の彼。振り込みはしたものの、何とかアガろうと手を進める姿は好感持てるね」

みなも「佳作に入れとこうか」

京太郎「……新人コミック大賞やってんじゃねえんだぞ!!」

京太郎「こんな連続で上がられて大丈夫なのかよ!」


久「…………」ジッ


京太郎「……大丈夫なのかよ」ボソボソ

みなも「大丈夫、大丈夫。こっちが振り込まない限りはね」

みなも「いくらあのメガネの人がロンやツモでアガっても、1位か2位になればいいんだから」


みなも「問題は――……」

206 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:40:10.22 ID:+tNfwwpYO

東二局 一本場


7順目


まこ「(親ではやくもテンパイ……)」


1234567s1p北北南南南 ツモ:9s


まこ「無駄にツイとるなぁ……」

まこ「こりゃ、気持ちのええ麻雀が打てそうじゃ」


まこ「リーチ!」


――トンッ


久「ロン。2600の1本場は2900」


まこ「んな!?」


久「あら?誰もコンビ打ちをするなんて言ったつもりはないけど?」

まこ「そりゃそうじゃが…… 」

久「それにあんまり待たせたら申し訳ないじゃない」チラッ



優希「よっしゃー!!飛ばしてやったじぇ!」

ワイワイ、ガヤガヤ

「ああ、何で楽しい時間はこんなにも無情に過ぎるのだろう……」

「原村さん。最後に写真を1枚よろしいでしょうか?」

和「……まぁ、写真くらいなら」


――パシャ


「ありがとうございます!一生の宝物にします!!」

「なら僕とは握手して下さい!!」

和「……まぁ、握手くらいなら」


ワイワイ、ガヤガヤ


優希「……………」



みなも「……さぁ、来たよ」

みなも「この人の親さえ乗り切ればこっちの勝ち。」

京太郎「何か策はあるのか?」


みなも「フッフ、お見せしよう」

みなも「王者の打ち筋を!」


京太郎「……………」

京太郎「(ダメだこりゃ )」
207 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:40:42.24 ID:+tNfwwpYO

東三局 ドラ 七萬


京太郎:42100

まこ:37700

久:9400

名前のない男:11700


京太郎「この点差だったら普通に打ってても、2位以上にはなれそうだな」

みなも「まぁね。『普通』ならね」

京太郎「…………」

みなも「オーラスを考えると、1万以上差は残しときたいな」

京太郎「……弱気だねぇ」

みなも「幽霊は成長しないからね」



久「(親満ぶつけて、下家の彼を飛ばしたんじゃ話にならない )」

久「(まこから直撃を取っても、意味はない)」

久「まくるには――……」

久「…………」

久「こんなとき、あのプロならどうするかしらね」
208 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:41:24.97 ID:+tNfwwpYO


久「…………」


――トンッ


久捨て牌:南北1p9s2p中1s3m發4m發


みなも「……この人、テンパった? 」

京太郎「何で分かるんだ?」

みなも「幽霊だからね。気配には敏感なんだ」

京太郎「ふーん」


みなも「(發のトイツ落としがあるから、タンピン系かな)」

みなも「(そうなると、三萬と四萬があるからって、二萬と五萬も安全じゃない)」


名前のない男「えぇと……」


――トンッ

『二萬』


みなも「……考え過ぎかな 」

京太郎「あん?」

みなも「言っても分かんないから内緒」

京太郎「最近の小学生って頭いいんだな」

みなも「アンタが使って無さすぎなのさ」

京太郎「おおん?」


みなも「(……まぁ、安牌もないし翻牌でいいよね)」


――トン

『西』

209 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:42:28.14 ID:+tNfwwpYO

久「………」ニヤッ


みなも「……ゲッ」


久「ロン」

1m1m7m7m8m8m3p3p5p5p9s9s西西

久「七対子、ドラドラ。9600」



京太郎「それ本当にアガってんですか?」

久「>>189を見たら?」

京太郎「わー、ホントだ。アガってらぁ」


みなも「……………」

まこ「……………」

久「……最後までとぼけた麻雀を打つというのなら、少しは褒めてあげても良かったんだけどね」

久「浅知恵働かせて勝てる相手だと思わないでよ」


京太郎「……だってさ」

みなも「まいったね、どうも」

210 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:43:51.88 ID:+tNfwwpYO

優希「これで染谷先輩がトップへ」

優希「部長も一回直撃をとれば、十分に2位に躍り出れる点差」

和「……安手で流すというのもありますが」

優希「そいつは無理だじぇ。なんせ流れが部長にいってるからな」

和「オカルトですね」


でも、事実だった。


京太郎「ポン」

『中中中』


まこ「(……特急券!)」

まこ「つーか、やっぱ鳴けたんか」


――トンッ


久「ツモ」

久「1300オールの一本場は1400オール」


京太郎「……!」

みなも「型に囚われない、予想のできない待ちでど肝を抜かされるね」

みなも「大賞もんだよ」

京太郎「だからなァ――!」

みなも「……悔しいけど、私より上手いよ」

京太郎「…………」

京太郎「……別に負けてもいいぜ。ちょっと痛い目を見るだけだからな」

みなも「……………」

チラッ

みなも「……何とかアガろうと手を進める姿が好印象の上家の彼か」

京太郎「何言ってんだ?」

211 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:44:41.00 ID:+tNfwwpYO


名前のない男「チ、チー!」


『四五六』


久「……今度はこっちか」

久「(確かに親番も残ってるしアガりたいわよね)」


みなも「……よくぞ、チーした」

京太郎「?」



名前のない男「ポンッ!」


『白白白』


まこ「(ホンイツか?)」

まこ「(いや……)」


名前のない男「ポン!」


『HHH』


まこ「……違う」

久「…………」


名前のない男「ポン!」


『222』


まこ「まさか――」

まこ「鳴かせてるんか?」


まこ「この金髪わざと」

212 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:45:49.90 ID:+tNfwwpYO

京太郎「……ほい」

――トンッ


名前のない男「それロンです!」

名前のない男「1000点の2本場で1600!」



和「……差し込んだ?」

優希「いやいや。あんな正確に鳴かせて、差し込むのは無理だじぇ」

優希「牌が見えでもしてなくちゃな」

和「……………」

『でも、もし見えているとしたら――』

和「……それこそオカルトですね」



久「………………」

久「(女の子の影が――)」


京太郎「……何したんだ?」

京太郎「おまえ」

みなも「……………」

213 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:46:26.27 ID:+tNfwwpYO

そして、オーラス


名前のない男「よーし。焼き鳥も回避したし、頑張るぞー」


トンッ


みなも「……文字通りタネも仕掛けもない」

みなも「対面の会長に見えないように、上家の彼の牌をチラッと」


タンッ


京太郎「おいおい。それって――」


トンッ


みなも「うん」

みなも「……イカサマだよ」



――タンッ


214 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:48:01.81 ID:+tNfwwpYO


「対局終了――!!」


京太郎「………………」


みなも「……………」


結局あの後は、また同じことを繰り返したらしい。

今度は全員の、対面の会長にバレないように、こっそりと

俺の体から抜け出して、相手の牌を見て。


牌が見えてたら振り込まないし、アガるのも格段に簡単になる

……らしい。


和「彼が最後にアガって終わりですか」

優希「…………」


それでも、あの会長よりも早くアガれたのは、単純に運がよかったからなのか

それとも――


久「……明日から来なさい」

久「じゃあ、まこ。戸締まりよろしくね」

まこ「はいはい」


タッタタタ……。


京太郎「……………」

まこ「明日からよろしくってな」

まこ「嫌がらせみたいな入部試験じゃったが、受かったからには同じ麻雀部員じゃ 」


京太郎「…………」

まこ「……聞いとんのか?」


それとも、この幽霊の実力なのかは俺には分からない


みなも「…………… 」
215 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:48:55.07 ID:+tNfwwpYO

京太郎の部屋


ピコーン、ピコーン

ドカーン、ドカーン


京太郎「……何やってんだ?」

みなも「シューティングゲーム」

京太郎「幽霊がゲームできんのか?」

みなも「実際できるんだからしょうがない」


京太郎「あ、そ」


ドカーン、ボカーン

アハーン、ウフーン、イヤーン


京太郎「擬音がおかしいぞ」


――ドーン

『ゲームオーバー』


みなも「あーあ、死んじゃった。もう少しだったのに」

京太郎「もう死んでるだろ」

みなも「あ、そうだった」

京太郎「……………」


みなも「あー」

みなも「悔しいなぁ」


みなも「……悔しいよぉ」


京太郎「……………」

216 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:49:45.24 ID:+tNfwwpYO


京太郎「……なぁ、幽霊」

みなも「なにさ」

京太郎「麻雀の全国大会ってどこでやるんだ?」

みなも「…………」



京太郎「お前のそのわけ分からんイカサマのおかげで、麻雀部に入ることになっちまったからな」

京太郎「付き合ってやるよ」

京太郎「この呪いの装備が外れるまでの間」


みなも「……金髪」

217 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:50:46.45 ID:+tNfwwpYO





『目指せ!両国国技館!!』

『須賀 京太郎』



京太郎「……何かおかしくねえか?」

みなも「アンタの頭ほどじゃないよ」

京太郎「うぅん……」ポリポリ


京太郎「ま、いっか」

218 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:51:43.40 ID:+tNfwwpYO

ここまでのあらすじ



15歳になった俺は――


美しく、そしてナイスバディーになった幼なじみ。


咲「京ちゃーん」ブルンブルン


よく気の利くクラスメート


優希「おーい、京太郎!」

優希「タコス食うかぁ?」

和「紅茶もありますよ」


そして、気さくで優しい先輩たち


まこ「お?やっと来たかぁ」

久「ったく、トロいんだから」


京太郎「いやー、すいません」テヘヘ


……と共に、始まった青春を謳歌するのであった。



みなも「ダメだよ。あらすじはちゃんとしないと」

みなも「読者が混乱しちゃうよ」


京太郎「……………」

219 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:52:11.43 ID:+tNfwwpYO


『K & M 第10話』


『オオカミが出たゾォ』

220 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:52:58.12 ID:+tNfwwpYO


ピンポンパンポーン


『ただいま、1 - B組で女子生徒が体育の為に着替えています』

『男子生徒の諸君は近づかないで下さい。』



京太郎「ん?あそこにいるのは―― 」


タッタタタ……。


優希「……………」


京太郎「よう」

京太郎「こんなとこで、何してんだ?」


優希「……チョイチョイ」

京太郎「あ?」

優希「お前、これなんて読む?」

京太郎「『1 - B組』だろ?」

京太郎「それが――」


優希「そうか、そうか」ニコニコ

優希「そこを動くなよ」ニコニコ


京太郎「はぁ?」


――ガラッ!!


「キャーーー!!」


「覗きよーー!!」

「先生、先生に連絡!連絡して!!」

「そこにいる金髪がっ――!!」


京太郎「……え」


『繰り返します。』

『ただいま、1 - B組で女子生徒が体育の為に着替えています』

『男子生徒の諸君は近づかないで下さい』
221 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:53:43.21 ID:+tNfwwpYO

麻雀部


久「うぅん……」ポリポリ

まこ「何を悩んどるんじゃ?」

久「カレの扱い方よ」

まこ「『カレ』?」


まこ「……ああ、須賀 京太郎か」

まこ「確かに変なヤツじゃの」

久「あの後に打った麻雀では、素人同然の打ち方だったし」

久「本当に――……」


久「…………。」


まこ「……まぁ、何にせよ」

まこ「しばらくはネト麻で様子見じゃな」

久「ええ、そうね」

久「でも、少し試したいこともあるのよね」


まこ「……試したいこと?」
222 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:54:45.95 ID:+tNfwwpYO

屋上


京太郎「……あー、ひどい目にあった」


ワイワイ、ガヤガヤ

モブ男1「お、京太郎じゃねえか! 」

モブ男2「聞いたぜ。隠れもせずに女子の着替えを覗いたんだって?」


京太郎「…………」


モブ男3「お前も度胸あるよな。着替えてる最中のドアをガラッと開けるなんて」

モブ男4「そーそ。お前にそんな度胸があるなんて知らなかったよ」


京太郎「……覗いたんじゃねえよ、覗かされたんだよ」


モブ男1「まぁ、まぁ。いいから、いいから」ニコニコ


京太郎「ウソじゃねえよ!」

京太郎「原村 和にハメられたんだよ!!」


「「「「…………………」」」」


モブ男2「……京太郎」

ポンッ

京太郎「んだよ?」


モブ男3「いいか、京太郎。俺たちはお前を責めているわけじゃない」

モブ男4「だが、嘘はよくない。原村がそんなことをするわけがないだろ」


京太郎「俺の言うことが信じられないのか!?」



「「「「…………………」」」」



京太郎「……オオカミが出たぞー」ボソッ

223 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:55:24.01 ID:+tNfwwpYO


須賀家


須賀母「あら!いやだわ!」

須賀母「田中さんったら本当に!!」

須賀母「カジキはスズキ科でマグロとは関係ないわよ!」


須賀母「オッホホ!!」



須賀母「――ハッ!いけない!」

須賀母「鍋の火が付けっぱだった!!」


ダッダダダ!!


須賀母「……あれ?」

須賀母「何だ、ちゃんと消してあるじゃない」

須賀母「私ったら、しっかり者なんだから」


須賀母「オッホホ!!」


オッホホ!!


みなも「………………」


須賀母「――ハッ!!」

須賀母「アイロンかけっぱだった!!」


ダッダダダ!!


須賀母「……おや」

須賀母「なんだ、こっちもちゃんと消してあるじゃない」


須賀母「やるー。流石、専業主婦の鏡」


須賀母「オッホホ!!」



みなも「……長生きしなよ、お母さん」

224 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:55:53.28 ID:+tNfwwpYO


そんなこんなやっている間に舞台は放課後へ。


キーンコーンカーンコーン


ワイワイ、ガヤガヤ

「やっと終わったぁ」

「てゆーか、カラオケいかない?」

「いいね!いくいく!」



優希「おーし!終わったぁ!」

優希「早く部活に行こうじぇ! 」

和「……彼に声はかけていかないのですか?」

優希「いーの、いーの!」

優希「あんな変態の覗き魔なんて!」



ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「……勝手に言ってろ」

咲「なにが?」

京太郎「…………」

咲「……どうしたの?」


京太郎「オオカミが出たぞォ!!」


咲「ふーん」ペラッ


京太郎「…………」


咲「?」

225 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:56:53.63 ID:+tNfwwpYO

麻雀部



優希「麻雀教室?」


久「そ、今日から開くわよ」

和「……この前言ってることと、矛盾している気がしますが」

久「まぁまぁ。過去には囚われない」

久「じゃ、頑張ってね」

優希「……はぁ?」


久「『片岡麻雀教室』」


優希「…………」

和「……生徒は誰ですか?」


久「そんなの決まってるでしょ」


――ガラッ

京太郎「お疲れ様でーす」


久 「いいとこに来た。紹介するわ」

久「今日からのアナタの先生よ」


京太郎「……はぁ?」


優希「……………」

和「……………」
226 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:57:38.62 ID:+tNfwwpYO


――トンッ


優希「バカッ!何で、そんな危険牌を捨てるんだ!」

京太郎「おお、怖い、怖い」

京太郎「……でも通ったぜ?」

優希「もっと状況をよく見ろ!! 」

優希「そんなのが何回も通用すると――!」


和「……お茶ですよ」


……コトッ。

京太郎「おお。悪いな、片岡」

和「……片岡?」

優希「呑気に茶なんか飲んでる場合か!」


ギャーギャー、ワイワイ


まこ「何で優希のヤツなんじゃ?」

久「うーん。そうねぇ……」

久「女の勘かしら」キラーン

まこ「……アテにはならんのぉ」

久「あら?結構、当たるのよ」

久「私の勘は」


――トンッ

『ロン』


優希「ほらみろ!言わんこっちゃない!」

京太郎「おお、怖い、怖い」

京太郎「怖いと言ったら、今度は饅頭が怖いなぁ」

京太郎「なぁ、片岡?」

和「…………」

優希「落語をやってんじゃないんだぞ!!」


ギャーギャー、ワイワイ


まこ「……なーんか、デジャヴじゃなぁ」

まこ「この状況」

久「まぁまぁ、よいではないか」
227 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:58:28.63 ID:+tNfwwpYO

それからしばらくして……。


久「そろそろ暗くなってきたし、帰りましょうか」

まこ「戸締まりはやっとくから、アンタら気いつけて帰りんさい」

京太郎「はーい。お疲れ様でした」

京太郎「……原村に片岡も」

京太郎「今日はありがとな」

優希「――ケッ!」

和「……お疲れ様でした」ペコッ


タッタタタ……。


優希「ぜーんぜん、練習できなかったじぇ!」

和「いいじゃないですか。人に教えるのも立派な練習ですよ」

優希「アイツが素直に人の教えを聞くかぁ!?」

和「結構、聞いてるように見えましたけどね」

優希「……………」

優希「……タコス」

和「え?」


優希「タコスが食べたーい!」

和「はいはい」

和「帰りに寄りましょうか」

優希「うん!」



まこ「……ええのぉ」

まこ「青春じゃの、青春じゃの」

久「アンタはジジイか」

久「…………」

久「……あと1人」

まこ「……ああ。あと1人じゃな」


「大会に出場するには」


228 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:59:07.70 ID:+tNfwwpYO


高久田「よう、京太郎」

高久田「今帰りか?」

京太郎「……まぁな」

高久田「結局、何部にしたんだ?」

京太郎「今流行のモンだよ」

高久田「…………」

高久田「……わかった!」


グイッ

京太郎「つまんねえ、ギャグはいらねえぞ」

高久田「……麻雀部?」

京太郎「おう」

高久田「そうか、片岡 優希がいるからか」

京太郎「……あのな!」

京太郎「俺は――!!」

高久田「そうそう。今度の土曜日開けとけよ」

京太郎「俺は……」


高久田「愛しの片岡 優希とデートだ」ニシシ


京太郎「俺は……?」
229 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 21:59:48.49 ID:+tNfwwpYO

高久田「中学が同じヤツに頼んでな」

高久田「口利きしてもらったんだ」

京太郎「…………」

高久田「しかし、知らなかったぜ。お前にあんなロリコン趣味があったなんて―― 」

京太郎「……高久田」

ポンッ

高久田「なんだ?」



京太郎「オオカミが出たゾォ!!」

ビクッ!

高久田「ええ!?」

高久田「マジか!はやく逃げようぜ!!」


…………………。



京太郎「俺たち親友だな」

高久田「今更何言ってんだ?」

230 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/08/30(水) 22:02:21.87 ID:+tNfwwpYO

……以上。9話、10話オシマイ!


すっかり遅くなり申し訳ないです。

次は……次こそはもっと早く更新しますので
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 00:01:32.05 ID:fui38b2xo

あっちも佳境で面白いからしょがない
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 01:31:07.81 ID:vnRMoYENo
面白い
更新まってます!
233 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:25:05.20 ID:jO55xV5+O

京太郎の部屋


京太郎「……よし」


『土曜日の10時に駅前の喫茶店だからな』

『忘れんなよ』ニコッ


京太郎「よし」グッ


ヒュー、ドロドロ……

「どこに行くのかな〜〜?」


京太郎「出かけんだよ」

みなも「どこさ?」



京太郎「……ついてくんなよ」

みなも「デートか。」

京太郎「土曜日の朝に出かけるからって、デートとは限らねえだろ」

みなも「なんだ違うのか。寂しい男よのぉ」

京太郎「……………」


『愛しの片岡 優希とデートだ 』



京太郎「……フフフ」

みなも「何笑ってんのさ、気色悪い」

京太郎「………………」
234 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:25:36.72 ID:jO55xV5+O


カランコロン


「いらっしゃいませ〜 」


雰囲気のよい駅前の喫茶店。

そして――


『今日は父さんも母さんもいないから、夕飯代置いとくね』

『明日の夜には帰ってくるから』


親からの気前のいいおこづかい。


京太郎「よし。バッチリだな」


京太郎「……………」

京太郎「……何がバッチリなんだ?」


チラッ


時計「9時33分」


腕のいい美容師にカットして貰った髪型。

見立てのいい服屋の店員に選んで貰った、 Tシャツ。


だからといって、別に張り切っているわけではない。


京太郎「高久田の顔を立てる為にな」

京太郎「そうそう。仕方なく、仕方なくだ」


カランコロン

「いらっしゃいませ〜」


京太郎「……………」

京太郎「……30分前は早すぎたな」


『入り口から数えて3番目の窓際の席――』


京太郎 「……アイツ、知ってんのかな」

京太郎「今日の相手が俺ってこと」
235 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:26:04.50 ID:jO55xV5+O

カランコロン

「いらっしゃいませ〜」


タッタタタ……。


こっちに向かってくる足音。

ほのかに香る香水の匂い。


京太郎「……来た」


そう顔を見上げるとそこには――


優希「……………」


確かに『片岡 優希』がそこにいた。
236 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:26:32.48 ID:jO55xV5+O


京太郎「よう。こんなとこで会うなんて偶然だな」

優希「……ああ、凄い偶然だな」


「待ち合わせか?」

「まぁな……、窓際、3番目の席で」

「へぇ。」


………………。


京太郎「……窓際、3番目の席?」


優希「だから早くどけ」

優希「私が使うんだ、そこは」


京太郎「…………」チラッ


時計「10時01分」


京太郎「……………」

優希「……………」

京太郎「……つかぬ事を聞くがぁ、今日の予定は?」

優希「……私に会いたい奴がいるらしい」

『しかし、知らなかったよ――』

優希「のどちゃんじゃなくて、私なんて物好きな奴だじぇ」

『お前に、あんなロリコン趣味があったなんて』


京太郎「…………」


優希「……まさか」


「「あーーーーッ!!!」」

237 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:27:02.76 ID:jO55xV5+O


『K & M 第11話』


『あーーーーッ!!!』


238 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:27:32.94 ID:jO55xV5+O


カランコロン


「コーヒーのおかわりはいかがですか?」


京太郎「あ、お願いします」


「はい、かしこまりました」


優希「……………」ブツブツ

京太郎「……………」ズズズ

優希「……………」ブツブツ

京太郎「……………」ズズズ


ブツブツ


ズズズ
239 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:28:05.09 ID:jO55xV5+O

京太郎「……ええい、いい加減にしろ!!」


京太郎「タイトルから何行使ってると思ってやがる!!」

京太郎「いい加減に喋れ!!」


優希「……お前、知ってたのか?」

京太郎「ああん!?」


優希「今日の相手が私だってことを」


京太郎「知ってたらくるかい!!」


優希「……そうか」


ピンポーン

「はい、お呼びでしょうか?」

優希「雑巾とコーヒーのおかわりを」


京太郎「……何言ってんだ?」

京太郎「お前、まだコーヒー残ってるだろ」

優希「……………」


――バシャ!!

京太郎「アッツ!!」


優希「雑巾とコーヒーのおかわりを」

「は、はい……」


京太郎「……………」ポタポタ


見立てのいい店員に選んでもらった服は、見事コーヒー色に染まった。
240 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:28:33.95 ID:jO55xV5+O

優希「っで、どうする?」

京太郎「まずはお前の一レス前の行動について議論しようか」

優希「せっかくの休日なのに、何でこんな……」ブツブツ


ブツブツ


京太郎「……お前は知ってたのか?」

京太郎「今日の相手が俺だってことを」


優希「知ってたらくるか!!」


京太郎「ああ、そうかい!!」

京太郎「そいつは気が合うね!!」


優希「――ったく!」



京太郎「……何で帰んねえんだよ」

優希「お前が帰れ」

京太郎「…………」

優希「……………」

優希「……私は電車だからな」

優希「それまでここで暇潰してるじぇ」

京太郎「……ああ、そうかい」


カランコロン

「いらっしゃいませ〜」


「まったく。電車が事故で遅延だってよ」

「復旧に3時間以上もかかるなんてツイてないねぇ」

「それまで、この雰囲気のいい喫茶店で時間を潰そうか」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「………………」

優希「……………」
241 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:29:18.14 ID:jO55xV5+O

「とりあえず出ようぜ」

「このままじゃ、店内がコーヒー色に染まっちまう」


カランコロン


……ポツ、ポツ。


優希「…………」ブツブツ

京太郎「あー、クソ雨降ってきやがった」

京太郎「天気予報じゃ晴れだったのに」

京太郎「福島じゃ21日連続の降雨らしいぜ」


優希「……………」ブツブツ


京太郎「じゃあな」


優希「あー!!本当雨だな!」

優希「でも、こんだけ雨降ってたらお百姓さんはきっと困っちゃうじぇ!!」


京太郎「……いいか!」

京太郎「電車は遅延!そして、お互いの友達の顔を立てる為に少しだけデートする!」

京太郎「さっき決めたことだろ!」


優希「ああ!バスで帰っても定期代がもったいないしな!」

京太郎「……じゃあ、行くぞ!」

優希「ドンと来い!」
242 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:29:48.89 ID:jO55xV5+O

京太郎「何で麻雀なんかやってんだ?」

優希「『なんか』で悪かったな」

優希「好きだからに決まってるだろ」

京太郎「……そりゃそっか」


土曜の昼時。待ちゆく人々は家族連れ、カップル、休日出勤のくたびれたサラリーマンで賑わっていた。


優希「どこに行くつもりだ?」

京太郎「さぁ?」

優希「普通、こういうのは男がリードするもんだろ」

京太郎「誰が決めたんだよ」

優希「……自慢じゃないが、私はデートなんか初めてだからな」

京太郎「ああ、ホント。自慢じゃねえな」

優希「のどちゃんにはたくさんの男が寄ってきたけど、私には……」

京太郎「……………」


優希「それがなんでお前みたいな……」


京太郎「おおぅ?」


………………………。


カキーン!

カキーン!


『○○バッティングセンター』


優希「……何でバッセン?」

京太郎「他に思いつかねえんだよ。たかたが、3時間のデートじゃな」

優希「野球部だったのか?」

京太郎「んにゃ、ハンドボール部」

京太郎「野球部じゃなくても、バッティングセンターくらい来るだろ」

優希「……そりゃそうか」
243 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:30:19.85 ID:jO55xV5+O

京太郎「カミカゼ!」

京太郎「タカ タナカ!!」


カキーン!!

カキーン!!

カキーン!!


優希「無駄に上手いな」

京太郎「これでもハンドボールで県大会決勝にいった運動神経ですから」

優希「なら、大人しくハンドボール部に行けばよかったんだじぇ」


京太郎「ああ」

京太郎「――まったくだ」


カキーン!!

カキーン!!

カキーン!!


京太郎「昔から何をやらせてもそこそこ」

京太郎「大きな失敗も挫折もないまま、ここまで大きくなりました。」

優希「なんの自慢にならんじぇ」

京太郎「本当にな」
244 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:30:48.63 ID:jO55xV5+O

京太郎「お前も打ってみるか?」

優希「私は生まれてこのかた、バットを握ったこともないじぇ」

京太郎「『挑戦なくして、成長なし』」

京太郎「……そうだろ?」ニコッ

優希「……………」


ギィィ


京太郎「嫌な奴をボールに重ねて打つと気持ちいいぜ」


優希「……ようし」


ビッ!!


優希「(嫌な奴……嫌な……)」


優希「――嫌な金髪!!」


――キーン!!


京太郎「おお」


優希「……本当だ。気持ちいいじぇ」

京太郎「だろ?」

京太郎「ところで――」


京太郎「嫌な金髪って誰だ?」


優希「……………」


京太郎「……こっちみんなよ」
245 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:31:19.00 ID:jO55xV5+O

京太郎「腹減ったなぁ」

優希「もうお昼だしな」

京太郎「普通、こういう時は女子がお弁当作ってくるんだけどな」

優希「誰が決めたんだ?」



京太郎「……腹減ったぁ。 」

優希「……………」


…………………………。


公園


京太郎「……なんで公園に来たんだよ」

優希「腹減ったんだろ?」

京太郎「公園で草でも食えってか?」

優希「水もあるじぇ」


京太郎「……わー!嬉しいなぁ!! 」

京太郎「最高の昼飯になるよ!」

優希「…………」


「oh!タコスガール!」

「Buenas tardes! 」


優希「おお、ゲンさん。ブエナス タルデス。」

優希「いつもの2つ」


「 ¡Vale! 」



京太郎「……誰?」

優希「メキシコ人のゲンさん」

京太郎「メキシコ人なのにゲンさん?」


「 Mmmmm〜♪ 」
246 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:31:48.05 ID:jO55xV5+O

「今日ハ、デートデスか?」

優希「土曜の昼に一緒に出歩いてるからってデートとは限らないじぇ」

「Lo siento……。残念デス 」

京太郎「残念?」

「 Sí 。ソコの看板にカップルの写真を貼ろうト思っていたノデスが……」

「デートじゃないなら仕方アリマセンネ」

京太郎「へぇー、そいつは実に残念だ」



「撮らせてくれたカップルには、タコスを無料にしているのデスが……イマイチ集まりが悪クテ……」



京太郎「……………」

優希「………………」
247 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:32:30.14 ID:jO55xV5+O


「ハーイ、もっと近づいて下サイ。 」

「ソシテ、笑顔デス、笑顔」


京太郎「……………」

優希「……………」



――ザザッ


「ノウノウ。逆デス、『近づく』」

「クローズです、クローズ」



――ザザッ


「ノウノウ」

「ソレでは、フレームに入りませんヨ」



――ザザッ


「………………」



――ザザッ

248 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:33:12.06 ID:jO55xV5+O



みなも「……何この写真?」

京太郎「今日の思い出の写真だよ」

みなも「ふーん」




みなも「『木』しか写ってないよ」

京太郎「……………」

京太郎「……『気』のせいだよ」
249 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/06(水) 17:36:13.72 ID:jO55xV5+O

おーし、ここまで。

一応、原作に沿ったストーリーにするつもりですが変わるとこは変わります。


次回も近いうちに。

……やれたらなぁ。
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 20:13:41.49 ID:GfIHkbdmo

いつ勘違いに気づくんだww
251 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:22:59.05 ID:ejU2E6JtO


ガタンゴトン、ガタンゴトン


よくいる感じの不良1「よう兄ちゃん」

京太郎「え?」

よくいる感じの不良2「『ガード下』って知ってるか?」

京太郎「え?」


『ガード下とは』

『電車、高速道路などのガード(高架橋の橋桁。ガーダー girder)の下のこと』


京太郎「へー、なるほど」


よくいる感じの不良3「つまり、今俺たちがいるところだ」

京太郎「あ、そうなんスね」テヘヘ

よくいる感じの不良4「そこで質問。」


よくいる感じの不良5「そのガード下で、こんな連中に絡まれたらどうする?」

よくいる感じの不良6「ゲーム代を貸してくれってな 」


京太郎「……てへへ 」


よくいる感じの不良7「お前は鈍いようだから説明すると、こういう連中の貸してくれって言葉は――」


よくいる感じの不良8「返しませんよって意味だからな。そこんとこよろしく」


京太郎「よろしくって言われても……」


よくいる感じの不良9「嫌ならそれでもいいんだぜ。こっちもゲームセンターに行く手間が省けるってもんだ」


京太郎「どういう意味ですか?」テヘッ


よくいる感じの不良10「つまり―― 」

よくいる感じの不良10「ここでリアルバトルが始まるのよ!!」


ガンッ!

「ぐわっ!」


ドカッ

「うわっ!」


バキッ

「ぬわっ!」


……………………。


京太郎「……一応、説明すると俺が殴ったわけでも、殴られたわけでもない」

京太郎「殴ったのは―― 」


よくいる感じの不良たち「「「だ、誰だテメエ!!」」」

252 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:23:25.67 ID:ejU2E6JtO

久「……情けない」

久「この程度の人数に何やってんのよ」


よくいる感じの不良1「女一人だと?」

よくいる感じの不良2「構うこたねぇ、やっちまえ!」



よくいる感じの不良3「待て!コイツ……竹井 久か!?」

よくいる感じの不良4「なに!?あの中学時代『ヴァグラピートの凶星』と恐れられた――」



京太郎「そうなんスか?」

久「知るか」

久「とりあえず、怪我したくなければ下がってなさい」

京太郎「あ、はい……」



ガンッ!

「ぐわっ!」


ドカッ

「うわっ!」


バキッ

「ぬわっ!」


京太郎「……麻雀部の部長が暴力振るっていいんスか?」


久「野球部だろうとサッカー部だろうと暴力振るっていい部活なんてないわよ」


バキッ!

「グワッ!」


ドカッ!

「ドフッ!」


京太郎「言ってる事とやってる事が別ですよ」


久「バレなきゃ平気よ」


バシッ!

253 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:23:54.88 ID:ejU2E6JtO


『K & M 第12話』


『熱血麻雀SS』
254 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:24:37.00 ID:ejU2E6JtO


よくいる感じの不良たち「「「キュウ…………」」」


京太郎「……大丈夫ですか?」


よくいる感じの不良たち「「「アンド エー……全六巻好評発売中……。」」」


京太郎「……………」


高久田「相変わらずのお助けられキャラだな」

京太郎「……テメェ!隠れてやがったな!」

高久田「ちゃんと助ける気だったぜ」

高久田「いざとなればな」

京太郎「どーだか!」



高久田「そういや、片岡 優希とのデート。成功したらしいな」

高久田「公園で仲睦まじくタコスを食べてたって噂だぜ」

京太郎「……噂でいいなら、お前は実は喧嘩が弱いってのもあるぜ」

高久田「バカ野郎。俺は『無敵の誠ちゃん』ってあだ名だったんだぜ 」

京太郎「へー、初耳だな」

高久田「小学の頃の話だからな」

高久田「とある女子に負けるまでの――な」


京太郎「……………」

京太郎「女子に殴り合いの喧嘩で負けたのか!?」

京太郎「ダッセぇ!!」ケラケラ


よくいる感じの不良たち「何だと……テメェ……」


京太郎「…………」ポリポリ
255 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:25:26.59 ID:ejU2E6JtO

高久田「俺だってビックリしたんだよ」

高久田「いきなり『私の従妹をいじめんな』って」


京太郎「いじめなんかしてたのか!」

京太郎「ダッセぇ!!」ケラケラ


高久田「いじめてねえよ!」

高久田「ただ、ずっと本を読んでる女の子がいたから『そんなに本ばっか読んでて面白いか?』」

高久田「って聞いたら、そいつ泣き出しちまってよ」

京太郎「ああ、お前顔怖いもんな」


高久田「……それ以来だ」

高久田「俺が喧嘩をする度に、思い出すのは」

高久田「あの時の恐怖が俺の体を蝕んで、俺は未だに拳も握れねえ。」


京太郎「……………」


高久田「それを克服する為に俺はボクシング部に入ったんだ」

高久田「あの時の女に勝つために――」

京太郎「……高久田。」



ポンッ

京太郎「『熱血麻雀SS』」

高久田「あん?」
256 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:26:02.10 ID:ejU2E6JtO

教室


先生「『 無益の事を行じて徒(いたずら)に時を失うなかれ』」

先生「これは、かの有名な曹洞宗宗祖 道元禅師の教えであり」

先生「〆切を守らずにゲームばっかりしている漫画家に向けられた言葉である」


京太郎「ふわぁ……」


『しかし不思議なもんだよな』

『なにが?』

『あんだけ喧嘩の強い女なら今頃、もっと噂になってるはずなのに、全く音沙汰なしだ』

『……そいつ、死んだんじゃねえのか?』

『バーカ。人がそんな簡単に死ぬかよ』



京太郎「……どーだかな」


先生「なんか言ったか、京太郎?」


京太郎「あ、なにも」テヘヘ


先生「『 無益の事を行じて徒(いたずら)に時を失うなかれ』」

先生「誰の言葉だ言ってみろ。」

先生「ヒントは『ド』から始まる人だ」


京太郎「……泥棒?」



先生「……お前は与太郎か」

京太郎「誰それ?」

先生「少しは落語でも聞け!!」


キーンコーンカーンコーン

257 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:26:45.15 ID:ejU2E6JtO


ワイワイ、ガヤガヤ

「やっと終わったぁ。」

「帰りどこいくー?」

「カラオケ!」


和「与太郎さん」


京太郎「……誰が与太郎だってぇ?」

和「違うのですか?」

京太郎「あったりまえだ!俺は須賀 京太郎ってんだ! 」

和「そうなのですね。では、須賀くん」

京太郎「……何だよ。原村 和くん」

和「……なぜフルネームで呼ぶのですか」

京太郎「うるせぇ!お前のせいでなぁ!」


京太郎「俺は先週の土曜日――!!」


和「先週の土曜日……?」

京太郎「……………」

京太郎「……要件を聞こう」


……………。


京太郎「『人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉……』」

京太郎「何これ?」

和「部活の買い出しらしいです」

京太郎「ハッハ、まるでカレー作るみたいだな」

和「では、伝えましたよ」


京太郎「ハッハ……ハ?」



和「部長から須賀くんに、だそうです」

京太郎「買ってこいってか!」

和「そこまでは知りませんよ」

和「『今朝の借り』だそうです」

京太郎「……………」
258 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:27:48.17 ID:ejU2E6JtO

スーパーマーケット ツ○ヤ


「ありがとうございました〜」


京太郎「なにが悲しくて、高校生がスーパーで主婦の真似事をするんだよ」

京太郎「……本当に部活で使うのか?」



咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「誰が与ちゃんだ!」

咲「……え」

京太郎「あ、何でもなかです」
259 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:28:34.83 ID:ejU2E6JtO


「偶然だな。 長野県一帯に展開する食品スーパーマーケット ツル○で会うなんて」

「安くて品揃えも充実してて、お土産まで置いてあるからね、○ルヤは」


タッタタタ……。


京太郎「誰だぁ?あいつら」

咲「私が知るわけないじゃん」

咲「京ちゃんこそ何やってんの?ツ○ヤにエロ本は置いてないよ」

京太郎「……買い出しだよ、部活のな」

咲「ふーん」

咲「……結局、何部に入ったの?」

京太郎「見りゃわかんだろ」


咲「『 人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉 ……』」

咲「……料理研究会?」

京太郎「そうそう!私、最近料理にハマっておりまして――」ニコニコ



京太郎「ってか!」

――グイッ!

咲「痛い……痛いよぉ。つねらないでよ!」

咲「私が何したってのさ!」


京太郎「麻雀部だよ」

咲「麻雀部が人参使うの?」

京太郎「そうそう!人参をリー棒代わりにしてな」ニコニコ



京太郎「ってか!」

――グイッ!

咲「痛い……痛いってば!」

咲「もう怒るよ!」


パッ
260 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:29:16.55 ID:ejU2E6JtO

京太郎「咲は麻雀やらねえのか?」


咲「やらないよ」

『でも、咲に関わった以上、麻雀からは逃げられないよ』

咲「麻雀。あんまり好きじゃないんだ」


『あんたも……そして咲も――』


京太郎「……咲は逃げ出した。」

京太郎「しかし回り込まれてしまった」


咲「え?」


京太郎「この世には逃げ出したくても、逃げられないモノもあるってさ」

咲「誰が言ったの?」

京太郎「お前の従姉だよ 」

咲「私の……?」


京太郎「じゃあな。俺はこれから麻雀部に人参を届けるんだ」

京太郎「リーチがかけられなくて困ってるだろうからな」


トッタタタ……。


咲「……変な京ちゃん」
261 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:29:51.36 ID:ejU2E6JtO


タッタタタ……。


高久田「…………」


彼は走り続けた。

雨が降ろうが、雪が降ろうが、槍が降ろうが


タッタタタ……。


彼は走り続けた。

風が吹こうが、ホラを吹こうが、鍋が吹こうが


ストイックに走り続けた。


そう彼の名前は――


ヒソヒソ

「ねぇ、知ってる?」

「アイツ、ボクシング部なのに小学生の女の子にボコボコにされたんだよ」

「うわー、マジで?ダッサ!」


タッタタタ……。


高久田「……………」


「おい、そこのノッポ」


高久田「……誰がノッポだぁ?」

高久田「俺をボクシング部の高久田 誠と知ってんのか?」


よくいる感じの不良19「ここに竹井 久ってのがいるよな」

よくいる感じの不良20「連れてこい」



高久田「あ、はい!」

高久田「今すぐ!」ニコッ


タッタタタ……。

262 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:30:49.75 ID:ejU2E6JtO

麻雀部


高久田「ってことがあったんですよ!」


まこ「……長い!」

まこ「前半いらんじゃろ!」


高久田「今すぐ警察に連絡しましょう!」


久「……今朝の奴らか」

まこ「あんたぁ、まーた懲りずに喧嘩なんかしとんのか」

久「殴っただけよ」

まこ「それを世間じゃ喧嘩と言うんじゃ」


高久田「のんきに会話してる場合ですか!」

高久田「ああいう連中はね、警察にしょっ引いてもらった方が世の為なんですよ!」


久「ったく。しゃーないわね」

高久田「早く119に電話しましょう!」

久「……そうね。『119』に電話しときましょうか」


ガタッ


まこ「どこへ行くんじゃ?」

久「殴りにいくのよ」

高久田「相手は20人ですよ!」

久「10人も20人も変わらないでしょ」



高久田「…てーへんだ、てーへんだ」

263 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:31:28.23 ID:ejU2E6JtO

河川敷


京太郎「…てーへんだ、てーへんだ」

京太郎「会長、囲まれてんじゃねえか」


京太郎「119、119……」


ヒュー、ドロドロ……

「何をやっているのかな〜〜?」


京太郎「警察に通報すんだよ!」

みなも「ついに自首すんのか」

京太郎「違げぇよ!見りゃわかんだろ!」


みなも「……………」

みなも「……ありゃりゃ」

みなも「女一人に20人か」


京太郎「いくら10人の男を病院送りに出来るからって、20人は不味いだろ!」

みなも「そうだね。せめて10人だよね」

京太郎「クソ!こういう時に限って、携帯が見つからねぇ!」

みなも「半々にわけようか」


みなも「行くぞ、金髪」

京太郎「行くってどこに!?」

みなも「決まってるでしょ」

みなも「夕方でよかったね」


京太郎「……は?」
264 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:31:55.77 ID:ejU2E6JtO


「わぁ!こら、バカ!」

「人の体を勝手に動かすな!」

「だから――!」



不良1「卑怯だなんて思うなよ」

久「別にぃ……。どうせ目が覚めたら、病院のベットの上でしょうから」

不良2「ほほぅ、諦めがいいな 」

不良3「いくぞ、お前ら!!」


不良1〜20「「「オーーーー!!!」」」



京太郎「やめろってんだよ!!」

ドンッ!


不良1〜20「「「…………………」」」


久「……へぇ」


京太郎「あ」


久「やるわよ」


京太郎「いったい、何をですか……?」テヘヘ


久「……………」


あ、いや……。そんな『後ろは任せた』って顔されてもですね。
265 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:32:59.04 ID:ejU2E6JtO


不良1〜20「「「キュウ……」」」


京太郎「大丈夫なんですか……?」

久「目が覚めたらベットの上でしょうけどね」

京太郎「……………」


みなも「アチョー!チョァー!」

みなも「何だ、もう終わりか」


京太郎「…………」


久「不思議な人ね、あなた」クスッ


あ、だから……。そんな『お前も中々やるじゃん』って顔されてもですね。



京太郎「……これ」

久「ああ。買い出しの物ね」

久「後は私が持つわ」

京太郎「本当に使うんですか?」

久「使うわよ」

久「私の家でね」

京太郎「あ、やっぱり」テヘヘ


久「助かったわ、ありがとう」


タッタタタ……。


京太郎「…………」

京太郎「……『借りが出来ちまったわね』って顔されてもですね」


京太郎「そういうSSじゃないんで、コレ」ポリポリ
266 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/08(金) 09:37:14.00 ID:ejU2E6JtO
>>250
一応、>>236で自分の勘違いに気づいています。

ここらへんの描写は足りなかったですね。すいません。


徐々に、徐々にストーリーは進んでる……はず。

次もなるべく早く投稿します。

では、それまで。
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 19:36:44.06 ID:SshpfMi9o

読み解き損ねていたようだ こちらこそ申し訳ない
268 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:53:27.98 ID:BXEy4Wy0O

麻雀部


久「最近、出るらしいのよねぇ」


トンッ


和「……何がですか?」

久「下着泥棒。」


京太郎「……この世界に下着ってあったんスか?」

まこ「あるに決まっとろうが。ワシらみんなノーパンか」

京太郎「あ、そうですよね」テヘヘ


トンッ


久「ウチの学校の生徒も被害に合ってるって噂だし」

久「何か心当たりはないかしら?」

久「須賀くん」

京太郎「……どういう意味ですか?」


トンッ


優希「だいたい下着ドロなんてモテない男がやるもんだじぇ」

優希「情けないったら、ありゃしない」

久「『モテない男』ねぇ……」

久「何か心当たりはないかしら?」

久「須賀くん」

京太郎「だから、どういう意味ですか?」


トンッ


優希「のどちゃんも気をつけた方がいいじぇ。最近何かと物騒だからな」

京太郎「お前の場合は大丈夫だろ」

京太郎「パンツに写真でも貼り付けたらな」

ガタッ!

優希「なんだと!?」

京太郎「やるか、タコス娘!!」

優希「飼い主にむかってなんだ!その口のききかたは!?」

京太郎「誰が飼い主だ!!」

まこ「……喧嘩は止めんか!」


ギャーギャー、ワーワー!


和「……下着泥棒、ですか」
269 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:53:55.11 ID:BXEy4Wy0O

『K & M 第13話』

『下着泥棒』
270 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:54:24.36 ID:BXEy4Wy0O

次の日、学校。


優希「アッハハ!!どうだ、盗まれてやったじぇ!!」


優希「アッハハ!!」



京太郎「……どうしたんだ、アイツ?」

和「下着泥棒にあったそうです」

京太郎「ふーん」


優希「アッハハ!!」


京太郎「なんであんなに嬉しそうなんだ?」

和「さぁ……?」


………。


ワイワイ、ガヤガヤ

「ねぇねぇ、聞いた?」

「また下着泥棒が出たらしいよ」

「私、盗まれましたー!」

「あ、私も盗まれましたー!」

「私も私も!!」


ワイワイ、ガヤガヤ


京太郎「大丈夫なのか?」

京太郎「この学校。」

271 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:54:54.00 ID:BXEy4Wy0O

麻雀部


久「また出たらしいわね」

久「下着泥棒。」


優希「へっへーん!」ニヤニヤ



まこ「なんで優希のヤツは嬉しそうなんじゃ?」

京太郎「下着を盗まれたらしいです」

まこ「……は?」


トンッ


久「でも、このまま被害が広がると学生議会でも何か対策を考えないといけなくなるわね」

京太郎「……先輩たちは大丈夫なんですか?」

久「ほら、 私とまこはノーパンだから」ニコッ


京太郎「…………」ゴクッ

まこ「嘘じゃぞ、嘘」


トンッ


久「優希が盗まれたなら、次は和あたりね」

久「気をつけなさいよ。あなた、のんびりとしたとこあるから」

和「お母さんですか 」

優希「のどちゃんなら大丈夫!」

優希「あんな豪邸にわざわざ忍び込んでパンツなんか盗む奴いないじぇ!」

和「…………」

優希「な、のどちゃん!」

和「…………」

優希「のどちゃん……?」

和「…………」

優希「ま、まさか……」

和「え、ええ……」


バンッ!

京太郎「盗まれたのか!?」

京太郎「ど、どんな『ヤツ』だ!?」


まこ「…………」

久「…………」

和「…………」


京太郎「あ、いや、ほんと……」

京太郎「どんな『ヤツ』なんでしょうね、下着泥棒って」アハハ


優希「…………ッ」
272 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:55:22.20 ID:BXEy4Wy0O




優希「こんの、エロ犬!!」

京太郎「誰が犬だ!!」

まこ「……エロは認めるんじゃな」


優希「私の時は聞きもしなかった癖に!」

京太郎「聞いてほしいならそう言え!」

優希「誰が教えるか!!」

京太郎「ああ!?」


ワーワー、ギャーギャー


まこ「止めんでええのか?」

久「いいのよ。見てて面白いじゃない」ニコッ

まこ「そうかぁ……?」



京太郎「――ったく!! 」


京太郎「で、どんなヤツだ!?」

和「…………」
273 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:56:06.47 ID:BXEy4Wy0O

須賀家


須賀母「それじゃ、カピー」

須賀母「買い物に行ってくるからお留守番頼んだよ」

須賀母「最近、何かと物騒だからよろしくね」

カピー「オン?」


………。


みなも「暇だなぁー」

みなも「幽霊って、盆と肝試し以外に出番ないもんな」

みなも「……………」

みなも「いっそのこと成仏しよっか。やり方分かんないけど」



ピンポーン

みなも「はいはい。中には誰もいませんよー」

ピンポーン

みなも「だから、鳴らしても誰もいないって」

ピンポーン

みなも「……しつこいなぁ!」



ガチャ

「誰もいないんですかぁ〜? 」

「いけませんよ。最近何かと物騒なんですから」

「しっかり鍵は閉めないと」


みなも「……………」

みなも「遊び相手みっけ」
274 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:56:35.75 ID:BXEy4Wy0O



「ひぇーー!!出たぁーー!!」



ダッダダダダ!!


みなも「ったく、幽霊なめんな」

みなも「……………」チラッ


カピー「グゥ、グゥ」


みなも「……役に立たない番犬だなぁ」

みなも「あ、カピバラだっけか」


ガチャ

京太郎「ただいまー」

京太郎「んだよ、誰もいないのにカギ開けっぱじゃねえか」

みなも「私がいるぞ」

みなも「それにカピバラも」

京太郎「わー、何て頼もしい。きび団子でも持って、鬼ヶ島にいくか……って」

みなも「どうした?」


京太郎「……………」


京太郎「……なぁ、おい」

京太郎「見るからに怪しい風呂敷に包まれたモンがあるぞ」

みなも「アイツめ。ビビッて盗ったもん忘れていきやがった」

京太郎「……『アイツ?』」
275 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:57:02.44 ID:BXEy4Wy0O



京太郎「下着泥棒ォ!?」


みなも「アイツ、下着泥棒だったのか」

みなも「モテなさそうな顔してたもんな」

京太郎「どうすんだよ!アイツの盗ったモンって下着じゃねえか!!」

京太郎「そんなもんがここにあったら俺が疑われちまうよ!」

みなも「交番に届けたら?」

京太郎「尚更、疑われるよ!」


京太郎「『家に下着ドロが迷い込んで、追っ払ったら盗んだ下着を置いていった』なんて誰が信じんだ!?」

みなも「大丈夫、大丈夫」

みなも「駅前の交番のおじさんは疑うこと知らないから」

京太郎「……………」

京太郎「本当かぁ!?」

みなも「幽霊嘘つかない」

京太郎「……本当かぁ!?」
276 : ◆Crh8.oXlyE [ saga]:2017/09/16(土) 16:57:33.41 ID:BXEy4Wy0O

交番


「はい!パンティー30枚にブラジャー30枚ですね!」ニコニコ

「確かに受け取りました!」ニコニコ

「ご協力ありがとうございます!」ニコニコ


京太郎「……………」


…………。





『下着泥棒に注意!!』

『不審者に注意!!』

『エマさんは中尉!!』


京太郎「……大丈夫なのか?」

京太郎「この街。」

咲「あ、京ちゃんだ」

京太郎「……………」

咲「何やってんの?こんなとこで」

京太郎「……交番に届け物をしたんだよ」

咲「へー、えらいね。久しぶりに世の中の役に立ったね」

京太郎「喧嘩売ってんのかな?」


………。


咲「今日も部活だったの?」

京太郎「まぁね。ネットで全国の猛者と勝負してたんだ」

咲「ふーん」

京太郎「お前も……」


京太郎「お前も部活やったら?」

咲「……言ったでしょ。私は麻雀好きじゃないって」

咲「それに家のこともあるし」

京太郎「あらそ。」

京太郎「大変ですね、宮永さん家は」
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