【安価】勇者「姫様が魔王に拉致されたって?」

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33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 20:05:14.03 ID:IzibUXJQ0
身分を偽る
34 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 20:20:02.74 ID:Bur55UY40
トンヌラ「身分を偽るってもこの格好じゃ奴隷だとバレてしまうし……そうだ!」

トンヌラは近くに落ちていたレンガを拾って、後ろから現場監督の頭を強かに殴りつけた。
現場監督は血を流しながら地面に倒れた。

トンヌラ「よし! これで現場監督の鎧と兜と槍を手に入れたぞ。身分を偽って逃げることができる!」スタスタ

警備兵「現場監督!」

トンヌラ「うッ……バレたか?」ビクッ

警備兵「お勤め、ご苦労であります!」

トンヌラ「はは……ありがとう。私は疲れたから、後は任せたぞ」ダッ

警備兵「現場監督!」

トンヌラ「な、なんだ。二回も呼び止めて。私は急いでいるのだ」

警備兵「>>35
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 20:24:14.99 ID:IzibUXJQ0
…今まですみません、これを お金と地図を渡す
36 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 20:36:25.51 ID:Bur55UY40
警備兵「……今まですみません。これをお受け取りください」サッ

トンヌラ(僕のこと、ひょっとしてバレてない?)ホッ

トンヌラ「なぜ謝る。おい、その巾着袋からチャリンチャリンと金貨の音がするぞ。そんなものはいらん」

警備兵「いえ、ぜひ受け取ってください。実は私、現場監督の奥方と枕を交わしていたのです」

トンヌラ「おい、それは」

警備兵「金で解決できるとは思っておりません! しかし、腹を切るわけにもゆかず……。このお金と地図で、どうか勘弁して頂けないでしょうか」

トンヌラ「金で揉み消すというのか。なんて最低な奴だ。君みたいな人間を、匹夫というんだよ」

警備兵「申し訳ございません。好きなだけ匹夫と罵りくだされ」

トンヌラ「いや、もうよい。興が冷めた。金と地図は貰っておくから、早くどこへなりと消えろ」

警備兵「はッ!」ササッ

トンヌラ「……ふう」

トンヌラ「すごいな、お金と地図を一気に手に入れちゃった。ようし、魔王討伐に向けての第一歩だ!」

トンヌラ「>>37に行こう」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 20:39:28.93 ID:0P73RIYC0
武器屋
38 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 20:48:28.65 ID:Bur55UY40
トンヌラ「そうそう、まずは武器だよね。丸腰で魔王城に突っ込むのはどうしようもないアホのすることだからね」

トンヌラは最初の勇者よりもいくらか頭が良かった。
渓流の作業場で馬を借りて、城下町まで走る。
武器屋の看板を見つけて、その扉を叩いた。

武器屋「あら、いらっしゃい。その歳で武器を求めに来たってことは……。ハハーン、あんた勇者志望だね?」

トンヌラ「その通りです。お姫様を助けるために、一刻も早く僕は強くならなければいけないんだ」

武器屋「フッ、青いねぇ……。アタシも昔はあんたみたいに、純粋な強さを求めてたよ。でも、子供を産んで母になって思ったね。今ある身近な平和を守ることこそ重要だって」

トンヌラ「あなたの身の上話に興味はありません。金はあります。オススメの武器を教えてください」

武器屋「そうだねぇ。>>39とかいいんじゃないか? ちょっと値が張るけどね」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 20:51:13.76 ID:cTffkiiuO
対魔の短剣
40 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 20:59:00.78 ID:Bur55UY40
トンヌラ「対魔? 退魔ではなくて、対魔物用の短剣ってことですか?」

武器屋「ああもう、一々細かいね。対魔の短剣は魔物のみを斬り裂く短剣さ。つまり竜は倒せるが、酔っ払いやごろつきは斬り殺せない」

トンヌラ「便利なのかそうでないのか、ちょっとわかりにくいですね」

武器屋「通り魔防止のために仕方なかったんだよ。ほら、最近ここらも物騒になってきてるしね。道端で決闘なんざ、ザラさ」

トンヌラ「はぁー……本当は人間で斬れ味を試してみたかったんですが、我慢しますよ。じゃ、対魔の短剣買います」

武器屋「まいどありィ! ……武器は正しく使うんだよ、坊や」

トンヌラは魔族にのみ効果を発揮する、対魔の短剣を手に入れた!

トンヌラ「武器は揃った。次は>>41だ」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 21:06:15.00 ID:YSwv/tq90
魔王の弱点を調べる為に図書館で読書する
42 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 23:02:22.24 ID:Bur55UY40
〜王立図書館〜

トンヌラ「魔王にだって弱点の一つや二つはあるはずだ。そこを突けば、レベルが低くても倒せるかもしれない」

魔王に関する古代文献を数冊手に取ったトンヌラは、窓際の席に腰を落ち着けた。
目が滑る滑る。何と書いてあるのかさっぱり分からない。

トンヌラ「そう言えば僕、読み書きができないんだった……」

トンヌラ「まぁそりゃ、ずっと奴隷暮らしだったんだからリテラシーが無いのは普通だよ」

トンヌラ「でも、これじゃあ魔王の弱点が分からないままだ。ここは酒場に行って、僧侶か魔法使いを捕まえてこよう」

〜酒場〜

酒場の主人「へい、いらっしゃい! お仲間をお探しかね?」

トンヌラ「はい。強くて読み書き能力があって、優しくて、僕に一切逆らわない仲間を紹介できますか?」

酒場の主人「フムン……ならば>>43はどうですかい?」




43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 23:04:03.80 ID:nhZxz9Vco
なんかやけにおどおどしている魔法使い
44 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 23:20:01.10 ID:Bur55UY40
魔法使い「あ、あの、そ、その、よろしくお願いします」オドオド

トンヌラ「よろしくお願いします。そんなに畏まらなくていいですよ。見た感じ、歳も同じくらいですし」

魔法使い「お、男の人、怖くて……」

トンヌラ「どうして怖いのですか?」

魔法使い「父さんが、父さんが……」グスッ

トンヌラ(きっと、父親に何か酷いことをされたんだろうな。確かに、こんな可憐な少女を男が放っておくわけない)

トンヌラ「安心してください。僕はあなたに危害を加えません。給料も支払います。その代わり、魔王討伐の旅に同行して頂きたいのです」

契約金として、金貨10枚をテーブルの上に置いた。
金貨が10枚あれば、一週間は生活に困らない。
読み書きのできる魔法使いは、それだけの大枚をはたく価値がある。

魔法使い「つ、ついていきます。お、お名前は……」

トンヌラ「トンヌラ。トンちゃんと呼んでもらっても構いません。ところでおたく、想い人とかおりますか?」

魔法使い「そ、そんな、変な話しないでください///」カァアアッ

トンヌラ(いるのかよ……)

酒屋の主人「へっへっへ、なかなかデキあがってるじゃありませんか」

トンヌラ「そんなんじゃないッ!」

酒屋の主人「前のお客さんはねぇ、先代魔王の力で裸のまま魔王城に突っ込んでったみたいでさ。そうならずに済みそうで、安心しやした」

トンヌラ「>>45



45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 23:26:41.79 ID:qnjanA7ao
その先代魔王は今どこに?
46 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 23:34:38.76 ID:Bur55UY40
トンヌラ「その先代魔王は今どこにいるのですか?」

酒屋の主人「先代魔王さんなら、ここで吞んだくれていますよ」

先代魔王「ぐうぅ……本当は、私が魔族の王だったのに……畜生……究極最強破壊神アルティメットデストロイめ……」ゴガァ

酒屋の主人「転移魔法で体力を消耗したみたいですし、そっとしておいてやれませんかね?」

トンヌラ「そんなこと言われましても、先代の魔王なんて魔王城の内部に絶対精通しているじゃないですか」

魔法使い「ト、トンヌラさん。仲間、あと二人ほど集めましょう」

仲間A>>47
仲間B>>48
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 23:36:28.65 ID:Qgz+MZoDO
男の娘な僧侶
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 23:40:22.36 ID:XWKaSF/Io
真っ直ぐで陽気な盗賊
49 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/19(水) 23:59:14.80 ID:Bur55UY40
丸テーブルに四人の冒険者が座った。
奴隷あがりの少年剣士、挙動不審な魔法使い、白いローブを羽織った女僧侶、常に笑顔を絶やさないギョロ目のバンダナ男。
以上の四名で魔王討伐に向かうことになる。

魔法使い「あッ! す、す、すみません! コーヒーこぼしちゃいました」

盗賊「ドンマイドンマイ! 服なんていくらでも盗んで調達できるっしょ!」ハハハ

女僧侶「あのぉ……そのぉ……なんつーかぁ……ボクゥ……」ポヤーン

トンヌラ(くそ、酷いメンバーだな。このままじゃグループがバラバラになってしまう。僕が強く出るべきなんだ)

トンヌラ「おい!」

三人「はいッ」ビクゥ

トンヌラ「君達は僕の従者だ! 従者は従者らしく静かにしろ! 誰もバタバタしろなんて命じてないぞ!」

女僧侶「あのさぁ……その従者っつーヤツ……? ウザいからやめてくんない……? 誰もキミの下にさぁ……ついた覚えないんだけどォ……」

魔法使い「も、もしかして私、騙されたんですか?」グスッ

盗賊「二人とも落ち着けって。トンちゃんも何か思うことがあるんだろう。仲良くやっていこうぜ!」

トンヌラ「よし、今から姫を助けに行くわけだけど、魔王の弱点を知ってる人はいるかい? それとも、誰か魔王と闘ったことのある人は?」

シーン

トンヌラ「なんで黙ってんだよ! 真面目な話をする時に限って君達は黙り込むよな! 君達を雇うのにいくらかかったか分かる? 金貨50枚だよ! 金貨50枚! 一ヶ月は楽して暮らせるよ! 金貨50枚の重みを分かってふざけた態度を取るなら、僕はもう許さないぞ!」

次に起こったこと>>50





50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 00:01:42.43 ID:4hjCa4sZ0
いきなり魔物が飛び込んでくる

つまりはチュートリアルだ!
51 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 08:52:32.29 ID:SlZx3+YwO
酒屋の主人「わーッ! 魔物だ!」

客A「助けてーッ! 死にたくない!」

客B「神様……私をお守りください。ひいぃ」

コボルト兄「グフフ、人間が我らを恐れておるぞ」

コボルト弟「やったッスね、兄貴! 全員皆殺しにするッス!」

コボルト兄「待て、まずは金庫から金を得るのが先だ」

コボルト弟「じゃあ、俺っちは人間を監視してるッス!」

コボルト兄「勝手に人間を殺したりするなよ」

コボルト弟「うッス!」
52 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 09:01:38.32 ID:SlZx3+YwO
コボルト弟「兄貴から止められたとはいえ、我慢するの苦手なんスよ。ギェヒヒ、誰から殺そうかなぁ〜」

トンヌラは倒れたテーブルを盾にして、三人の仲間と話し合っていた。

トンヌラ「あのコボルト、三人でかかれば倒せるかな?」

盗賊「二匹いるってのが気になるが、まぁそこらへんはノリでなんとかなるっしょ! ハイハーイ! オイラ一番で行きまーす!」

女僧侶「ボクわァ……後ろでェ……なんやかんやしてるよ……」

魔法使い「せ、精一杯、が、頑張ります!」

トンヌラ「役割分担はできたようだね。では各々、武器を持て!」

トンヌラ「行くぞ!」

盗賊の行動>>52
男の娘僧侶の行動>>53
魔法使いの行動>>54
53 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 09:02:23.09 ID:SlZx3+YwO
盗賊>>54
女僧侶>>55
魔法使い>>56
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 09:04:41.13 ID:guKixfpjo
背後から不意打ち
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 09:09:07.28 ID:4hjCa4sZ0
色仕掛け(笑)
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 09:10:05.33 ID:GrrFqYOYo
特攻してコボルトに殺される
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 09:10:09.00 ID:g4asiC2EO
パルプンテ
58 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 09:30:58.57 ID:SlZx3+YwO
トンヌラ「でりゃああああ!」

コボルト弟「おッ! 反抗的な人間が襲いかかってきたッス! 兄貴、これは殺しても構わないッスよね!?」

コボルト兄「おう、やれ!」

コボルト弟「フヒッ! それでは遠慮なく。ドラァ!」

コボルト弟の投げた鎖がトンヌラの両脚に絡みついた。
膝をついたトンヌラの顔面を、思い切り蹴り上げる。

トンヌラ「うぐぁ!」

盗賊「あとはオイラに任せろ!」

トンヌラと入れ違いに駆け出したのは、陽気なバンダナ男。
天井に吊り下げられた燭台に飛びつくと、勢いに任せコボルト弟の背中に飛び移り、左肩にダガーを突き刺さした。

盗賊「クリティカルヒット!」

コボルト弟「痛ェーッ! 何をしやがんだ、テメェ!」

振り落とされた盗賊は、すぐ走り去り追撃を免れた。
59 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 09:48:16.45 ID:SlZx3+YwO
コボルト弟「殺す! 殺す! 全員殺す!」

トンヌラ「ダメだ、怒りで我を忘れてる」

盗賊「今攻撃をしかけたら、手も足も出ず倒されちまうな。トンちゃん、何か良い策はあるかい?」

トンヌラ「ないよ、そんなもの! コボルトくらいなら、ゴリ押しで勝てると思ったんだ。まさか、ここまで苦戦するなんて予想できるわけないじゃないか!」

盗賊「困ったねぇー。ダガーを投げることはできるけど、火に油を注ぎそうで怖いよ」

女僧侶「策ならァ……ある」

トンヌラ「女僧侶さん、あの化け物を封じ込める方法を知っているんだね。では僕達にその方法を教えてくれ!」

女僧侶「これわ……ボクにしか……できない……」

女僧侶はコボルト弟の前に進み出ると、胸元をはだけた。

女僧侶「あっふ〜ん(棒)」

コボルト弟「テメェ舐めてんのか!」

女僧侶「え」

コボルト弟「そんな棒読みの色気で興奮できるかってんだよ! それに匂いで分かんだ。テメェ、男だろ!」

女僧侶「あ……バレたみたい……」

コボルト弟「女装なんかしやがって、キメェんだよ! 決めたッス、テメェから殺してやる!」

女僧侶「ひ……」

魔法使い「あ、危ない!」

グジャッ






60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 10:44:06.77 ID:SlZx3+YwO
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 10:49:39.12 ID:4hjCa4sZ0
どうした>>1
62 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 12:25:28.40 ID:SlZx3+YwO
ぽたり、ぽたり。
血の滴り落ちる音。
一瞬、酒場を静寂が支配した。

トンヌラ「魔法使い、君は……!」

魔法使い「ぐ……うッ……」

彼女の背中から、コボルト弟の持つ曲刀の先端が飛び出している。体力の低い魔法使いにとって、この攻撃は致命的だ。
駆け寄ろうとした仲間を手で制すと、魔法使いはコボルト弟の太い腕を両手

魔法使い「ずっと、一人で生きてきました」

魔法使い「男の人が怖くて、他人と時間を共有するのが怖くて」

魔法使い「ずっと、日陰で生きてきました」

コボルト弟「往生際の悪い人間ッスね〜。兄貴、やっちまっていいッスか!?」

コボルト兄「おう、やれ! こっちもそろそろ終わる!」

魔法使い「でも、こんな私を、あの人が変えてくださったんです」

魔法使い「あの人が……勇者様が!」

トンヌラ「!」

魔法使い「私は負けない! みんなを守ってみせる! 私の最期の奥義……とくと味わいなさい!」

魔法使いの全身が眩いほどに輝き始めた。
光属性の最上級魔法。
一同が瞼を開いた時、二匹のコボルトはことごとく蒸発していた。
63 : ◆vfNQkIbfW2 [sage]:2017/07/20(木) 12:27:19.59 ID:SlZx3+YwO
>>61
wifi規制されてました
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 12:50:23.07 ID:0sMiPWjZO
序盤の敵相手にやる展開じゃねぇ笑
65 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 14:59:46.38 ID:SlZx3+YwO
トンヌラ「魔法使い! 目を覚ませ、魔法使い!」

魔法使い「……」

盗賊「諦めるんだ、トンちゃん。魔法使いは死んだ。今のオイラ達にできるのは、これ以上同じ悲劇が起こらないように、魔王を叩きのめすことだ」

女僧侶「魔法使いもさぁ……冒険に出るからにはさぁ……誰かに殺されることくらい覚悟してるでしょ……」

トンヌラ「貴重な読み書き要員が消えてしまった。どうやって図書館で魔王の弱点を探ればいいんだ」

盗賊「聞いた話によれば、東の山岳地帯に泉があって、住んでるエルフが魔王について何か知ってるらしい」

トンヌラ「ありがとう、盗賊。どこに行けばいいか、目的地ができた。やっと冒険らしい冒険ができる! ところで魔法使いの遺骸はどうしようか」

女僧侶「>>66すればぁ?」


66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 15:16:21.73 ID:guKixfpjo
自分の呪文で復活
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 15:17:59.02 ID:waOz5XFDO
伝説の賢者に渡して甦らせる
68 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 15:35:38.40 ID:SlZx3+YwO
女僧侶「ボクのォ……呪文でェ……魔法使い復活できんだけど……どうする……?」

トンヌラ「へー、回復だけではなくて蘇生もできるんだ」

盗賊「ぜひやってくれ!」

女僧侶「この魔法わァ……魔力消費量が多いからさァ……ボクがヤバめになったら……ちゃんと止めてよね……」

トンヌラ「御託はいいから、さっさとやれよ根暗」

女僧侶「ジグルドブルクハルト……ジグルドブルクハルト……ジグルドブルクハルト……」

女僧侶と魔法使いの足元に、紫色の魔法陣が描かれた。
光と風が一気に吹き出し、女僧侶のローブを激しくはためかせる。しばらくして、復活呪文を唱える彼女の額に脂汗が浮かび始めた。

女僧侶「くッ……! ジグルドブルクハルト……ジグルドブルクハルト……痛ッ……! いだだッ……!」

盗賊「女僧侶が苦しそうだ! トンちゃん、止めに入るべきだと思うぞ、オイラ!」

トンヌラ「待て」

助けを求める視線をトンヌラに寄越したが、彼は腕を組んだまま微動だにしなかった。

女僧侶「トンヌラ……助けてッ! あああッ……! 熱い! 熱い! じ、地獄に引きずり込まれるッ……!」

魔法陣の中から無数の触手が現れ、女僧侶の首や腕や腰に巻きついた。

女僧侶「わ、わあああああああああッ……!」

断末魔と共に、女僧侶は地獄へと堕ちていった。
復活呪文の代償は大きいのである。

魔法使い「あれ、私は……」

トンヌラ「蘇生したんだよ。もちろん、僕の力でね。身体を張って僕らを守ってくれたこと、心から感謝するよ」

魔法使い「僧侶さんは……?」

トンヌラ「彼女……いや、彼はパーティーから抜けた。君が死んで、やる気が削がれちゃったみたいでさ」

魔法使い「そ、そうですか……。僧侶さんには悪いことをしました」

盗賊「……トンちゃん。お前、大した悪党だぜ」


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 15:38:40.92 ID:X+YqUn+no
なんだこのSSエグいぞ…
70 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 16:07:52.10 ID:SlZx3+YwO
トンヌラは二人の仲間を連れて、東の牧場行きの馬車に乗り込んだ。女僧侶を見殺しにしてから、盗賊の自分を見る目つきが明らかに変わった。

トンヌラ「トンヌラは危ない。じきに殺してしまおう」

魔法使い「えっ?」

盗賊「……いきなり何を言ってるんだ、トンちゃん」

トンヌラ「風の囁きで聞こえただけさ。誰かさんの心の声が聞こえるんだよね〜。誰かさんのさぁ〜」

盗賊「オイラがトンちゃんを殺すと思ってんのか!」

トンヌラ「別に盗賊が僕を殺すだなんて言ってないよ? もしかして、本気で殺そうとか考えてた?」

盗賊「こ……こいつッ!!!!!」

魔法使い「や、やめてください! 狭い馬車で殴り合うのはやめて! お願いだから、仲間同士で争うのはやめてェー!」

御者「嬢ちゃん、大変だねぇ」

魔法使い「す、すみません。ご迷惑をおかけします」

御者「気にしない気にしない。嬢ちゃんは悪くないよ。さぁ、そろそろ>>71だ。ちょっと馬を休ませていくよ」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 16:25:18.06 ID:txwKTSYbo
あの世
72 : ◆vfNQkIbfW2 [sage]:2017/07/20(木) 16:40:52.64 ID:SlZx3+YwO
御者「さて、そろそろあの世だ。馬を休ませていくよ」

魔法使い「え!? あの世ってどういう意味ですか……」

御者「なんてことはない。ただの地獄さ」

馬車は道を外れ、断崖絶壁の方へと猛スピードで走り出した。
車輪は火花を散らし、馬はガチガチ歯を鳴らして血泡を吐く。
御者の口は耳まで裂け、頭には捻れた角が生えていた。

魔法使い「いやッ! いやあ! やだやだやだ! 死にたくない! まだ死にたくない!」

盗賊「ここは一時休戦だ。トンちゃん、御者を止めるぞ!」

トンヌラ「合点承知の助りんこ!」

御者は首を回転させると、盗賊に狙いを定めた。

ピピピピピ……

キュウン! ブシイッ!

レーザーを食らった盗賊の頭が柘榴のように砕け散る。

魔法使い「いやああああああッ!!! ぎゃあああッ! あアッあアッアッあ!!? アイヤーッアイヤーッアイヤーッ」

トンヌラ「クソッ! どうすれば……」

万事休すと思われたその時、トンヌラは腰に対魔の短剣を身につけていることを思い出した。

トンヌラ「こいつで……! [ピーーー]、魔王の手先めッ!」

結果>>73
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 16:43:09.35 ID:guKixfpjo
結構ダメージを負ったが致命傷には至ってない
74 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 16:57:13.65 ID:SlZx3+YwO
トンヌラは後ろから御者の首を絞め上げ、脳天に対魔の短剣を深々と突き刺さした。ドス黒い血液が噴水のように噴き出す。

御者「ギャース!」

痛みに悶絶する御者が、トンヌラを連れたまま馬車から転がり落ちる。馬の疾駆を止める者がいなくなった馬車は、そのまま断崖絶壁の下へ真っ逆さまに落ちていった。

御者「グ……」

トンヌラ「ハアッハアッ。結構ダメージを負ったけど、歩くことはできる。致命傷じゃない。良かった……」

まだ御者が動いていたので、トンヌラはスイカ大の岩を持ってきて、御者の頭を叩き潰した。

トンヌラ「なんとか、勝った……」

トンヌラ「でもどうしよう、こいつのせいで仲間を全員失ってしまった。はじまりの街に帰ろうにも距離があり過ぎる」

トンヌラ「また振り出しかぁ……」

トンヌラの行動>>74
75 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 16:57:55.26 ID:SlZx3+YwO
トンヌラの行動>>76
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 16:59:33.46 ID:waOz5XFDO
自[ピーーー]る
77 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 17:12:14.22 ID:SlZx3+YwO
トンヌラ「もうダメだ、魔王なんて倒せない。自殺しよう……」

トンヌラは岩に頭をぶつけて憤死した。
その後も魔王を倒す勇者は現れず、王国は闇に包まれた。
もちろん姫が戻ることはなく、彼女は死ぬまで魔族製造機として孕まされ続けた。

そして、1000年後ー

>>78「たあ! とう!」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:14:38.21 ID:txwKTSYbo
最強究極アルティメットデストロイ
79 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 17:24:09.35 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ「たあ! とう!」

破壊仙人「最強究極アルティメットデストロイや。破壊の稽古はそこまでにして、デスソース茶でも飲まんかね」

最強究極アルティメットデストロイ「そうですね! 一汗かいたことですし、頂戴致します!」

彼の名は最強究極アルティメットデストロイ。
魔王の懐刀・究極最強破壊神アルティメットデストロイの弟であり、破壊仙人の弟子でもある。
彼は魔界で最も高い山で、毎晩破壊の練習をしているのだ。

最強究極アルティメットデストロイ「おいしいなぁ、デスソース茶は! 舌が壊れていく感覚が堪らないですね!」

破壊仙人「時に、最強究極アルティメットデストロイや。わしは、お主に伝えねばならんことがある」

最強究極アルティメットデストロイ「はい、何でしょう?」

破壊仙人「>>80
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:28:17.11 ID:w0A4lycmo
破壊魔法を受け付けない敵もいるぞい
81 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 17:36:30.69 ID:SlZx3+YwO
破壊仙人「お主、破壊魔法が絶対だと過信しておるじゃろう」

最強究極アルティメットデストロイ「当たり前でしょう。俺の破壊魔法は即死魔法のようなもの。一撃で相手を壊せます」

破壊仙人「じゃがな……世界には、破壊魔法を受け付けない敵もおるぞい」

最強究極アルティメットデストロイ「な、なんですって!?」

破壊仙人「一つは精霊。こやつらは肉体を持たないので、破壊魔法は通用せん。二つは魔王。陛下は全身を強力な魔防壁で覆っておる。三つは神の加護を受けた勇者じゃ」

最強究極アルティメットデストロイ「ハッ! 人間如きがどうだというのです。神の加護? くだらんね!」

破壊仙人「では、実際に闘ってみるかね?」

最強究極アルティメットデストロイ「はい?」

破壊仙人「ちょうど来たのじゃよ。勇者一行、総勢>>82名が」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:37:50.77 ID:txwKTSYbo
108
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:37:57.57 ID:mdrvXHvLO
35億
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:42:15.91 ID:Om8I+mG+O
考察ありの時は時間があるのをいいことにスナイパー達が狙いを定めていたとよくわかる

やはりコンマはこうやって運ゲーでないと面白くない。コンマ操作してまで俺TUEEEEしたいなら自分で書きなさいなって
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:42:47.12 ID:Om8I+mG+O
あ、誤爆失礼
86 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 17:55:20.88 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ「なんだ、あいつら……」

宋江「我ら梁山泊百八星! 悪徳官吏を征伐しに来た!」

呉用「皆さん、勝手に動いてはなりません。この呉用が皆さんを動かすのです」

公孫勝「また生辰綱の奪取ですか? 飽き飽きしましたよ」

関勝「ちょっと関羽意識してます」

花栄「オレの弓は千里先まで届くッスよ」

林冲「五虎将・林冲、いざ参る!」

魯智深「ハッハッハッ! 仏がどうした、好きに暴れてやるわ!」

武松「魔王さんとやらのツラを拝むまで、俺は死なねぇ」

最強究極アルティメットデストロイ「こんな自己紹介が108も続くのかよ! じれったいな! 破壊魔法!」

108人の群星は捻じ曲げた時空の彼方に飛ばされていった。

破壊仙人「ほほー、腕を上げたようじゃな」

最強究極アルティメットデストロイ「仙人、俺は人間の街に行ってみようと思います。1000年前、一人の変態勇者が魔王城に潜入しました。あの時は兄が退治したおかげで事なきを得ましたが、今はどうか分からない」

破壊仙人「敵を知り、己を知る。よい考えじゃ」

最強究極アルティメットデストロイ「では、>>87に行って参ります!」

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 17:59:21.60 ID:MA1eYr3xO
並行世界、アルティメットハードモードの駆け出しの街
88 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 18:33:41.38 ID:SlZx3+YwO
〜アルティメットハードモード・駆け出しの街〜

最強究極アルティメットデストロイ「うわ、酷い匂いだ! 糞尿の混ざり合った……管理の行き届いていない動物園のような匂い!」

匂いだけではなく、道端のありとあらゆる場所に人糞が打ち捨てられてある。その誰の物とも知れぬ人糞をカラスがつついたり、餓鬼と化した町民が貪っているのだ。彼らの腹は風船のように膨れ上がり、肛門からは常に赤い血便を垂れ流していた。

最強究極アルティメットデストロイ「ハ、ハードモード過ぎる……。こんな場所に勇者なぞいるのかな」

最強究極アルティメットデストロイ「あの〜、すみません。この街に魔王討伐を志す勇者は……」

餓鬼「……ヌッ」

声をかけられた餓鬼は最強究極アルティメットデストロイを一瞥すると、指差して絶叫した。

餓鬼「食いモン! 食いモンがいるぞ! 食いモンだーッ!」

すると、どうしたことか。
周りの家々から無数の餓鬼の群れが飛び出してきたではないか。

最強究極アルティメットデストロイ「破壊魔法! 破壊魔法! クソ、数が多い! ここは一旦、宿屋に避難だ!」

〜宿屋〜

最強究極アルティメットデストロイ「ここまで来れば安全か……。無事、振り切ったみたいだ」

>>89「おや」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 18:38:38.55 ID:AMUF30ii0
未来魔王
90 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 19:00:33.03 ID:SlZx3+YwO
未来魔王「やあ、貴殿もこの宿に泊まりに来たのかね」

最強究極アルティメットデストロイ「いいや、外の餓鬼があまりにしつこいんで逃げてきた。あんたは?」

未来魔王「私か? 私は衆生を救いに降臨し、ちょっとだけ絶望したところさ。まー、酷い有様だとね」

最強究極アルティメットデストロイ「あんた、一体何者なんだ?」

未来魔王「未来魔王……人は私を弥勒菩薩と呼ぶ」

最強究極アルティメットデストロイ「弥勒菩薩……だと……?」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 19:04:15.41 ID:zb5C5uV2O
こういう安価は絶対系のスレの殺伐とした感じ嫌いじゃない
92 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 20:05:28.83 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ「今、世界に何が起こっている? どうして阿鼻叫喚の光景が広がっているんだ?」

未来魔王「ここは貴殿の兄、究極最強破壊神アルティメットデストロイが魔王の座についた後の世界……」

最強究極アルティメットデストロイ「あんだって? 俺の兄が魔王の座についた後の世界? 兄は現魔王の懐刀だぞ」

未来魔王「いずれ隙をついて奪取するのだろう。どちらにせよ、貴様が兄と現魔王を倒し、新たな魔王として君臨せねば、世界の均衡は崩れ地獄が幕を開ける」

最強究極アルティメットデストロイ「どうして俺が……」

未来魔王「貴様は究極最強破壊神アルティメットデストロイよりも幾分、優しいからだ。残忍ではないし、道理も弁えておる。君主にふさわしい器だからよ」

最強究極アルティメットデストロイ「なんか照れるなぁ」

未来魔王「さぁゆけ! 魔界の勇者・最強究極アルティメットデストロイよ! 一人だけで心細いならば、私の配下を味方につけてやろう」

仲間A>>93
仲間B>>94
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 20:07:59.68 ID:zb5C5uV2O
世界意思「カオス」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 20:09:28.79 ID:4Yp6QZzXO
うさぎ(Lv5000000)
95 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 20:25:31.20 ID:SlZx3+YwO
天から厳かな声が降ってきた。

カオス「私はカオス。『世界意思』と書きヤハウェ或いはカオスと読む。私は天候を自由に操ることができる。拳大の雹を降らせて屋根を破壊することなど容易い」

最強究極アルティメットデストロイ「肉体を持ってないみたいだが、やっぱりお前に破壊魔法は通用しないんだろ?」

カオス「然り」

最強究極アルティメット「俺の兄がいかにも苦手そうな奴だ。敵だと厄介だが、味方だと頼もしい。そんでこちらは……」

筋骨隆々な全裸ウサギが無言でこちらを見つめている。
僧帽筋、大胸筋、上腕二頭筋、背筋、腹筋。
どれをとっても世界最高峰レベルだ。無駄な脂肪を削ぎ落とした、戦闘特化モデル。筋力だけなら負けてしまうかもしれない。

最強究極アルティメット「えっと、お前は?」

カオス「その者はウサギ。レベルは5000000。戦闘力はその3倍、15000000。松坂牛の肉を好み、野菜は一切摂らない。プロティンスライムを毎日飲み続け、神と闘い、ここまでの強さを手に入れた。ウサギこそ、真の破壊神である」

最強究極アルティメット「弥勒菩薩……いや、未来魔王。俺には二人を使いこなせるか不安だ」

未来魔王「使いこなすのではない。共に闘う仲間だ。いつの時代を見ても、大切な仲間を低く見た者は、みな悲惨な末路を迎えている。貴殿も、せいぜい気をつけるんだな」

最強究極アルティメット「仕方ない……とりあえず>>96すっか!」

96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 20:32:02.08 ID:vo6/9KDeO
それぞれのレベルを確認
97 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 20:42:11.34 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ
Level72
職業 魔界の勇者
装備 なし
スキル 破壊魔法

世界意思(カオス)
Level???
職業 神
装備 なし
スキル 天候変化

ウサギ
Level5000000
職業 ウサギ
装備 血染めの大斧
スキル サマーソルトキック

最強究極アルティメットデストロイ「俺が飛び抜けて弱い……いや、他があまりにチート過ぎるのか」

カオス「魔界の勇者よ、私が火と雲の柱を立てて汝を魔王城へ導かん……」

最強究極アルティメットデストロイ「その前に、元の世界に戻らないとな。破壊仙人に伝えてやらなきゃ」

ワープ先>>98
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 20:43:48.25 ID:pDlrJX3aO
破壊仙人のいる場所
99 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 22:44:44.48 ID:UOcTFV1n0
〜仙人の庵室〜

最強究極アルティメットデストロイ「破壊仙人!」

破壊仙人「戻ったか、我が弟子よ。人間の町で新たな仲間を見つけて来たようじゃな」

最強究極アルティメットデストロイ「その件ですが……」

ウサギ「……」ノソッ

破壊仙人「ふおお、彫像のような肉体を持つ兎じゃ。リンゴを片手で捻り潰しそうじゃな」

カオス「狭い部屋だな。それとカビ臭い。こんな貧しい場所が汝の師の居室なのか?」

破壊仙人「それと見目麗しき猫耳娘……!」

最強究極アルティメットデストロイ「カオス、どうして猫耳娘に姿を変えたんだ? お前は元来、偶像の無い存在だろう?」

カオス「汝の世界に適応するには、人間に姿を変える必要があったからだ。誠に不本意ながらな」フンッ

最強究極アルティメットデストロイ「……とまぁ、こんな感じです」

破壊仙人「>>100
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 22:48:30.13 ID:LkRvkyY+o
立ち話もなんだ、この先は食事をしながら話そう。弟子よ、今日はおまえの好きなオムライスだ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 22:50:30.54 ID:ulcLqUNJO
ウサギで草
102 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 22:59:25.53 ID:UOcTFV1n0
破壊仙人「立ち話もなんだ、この先は食事をしながら話そう。弟子よ、今日はおまえの好きなオムライスだ」

最強究極アルティメットデストロイ「ありがとうございます! まさか用意してくださったとは」

カオス「オムライスとはなんだ」

破壊仙人「卵とケチャップと米をなんやかんやして作る料理のことじゃ。ま、食べてみたら分かるじゃろう」

ウサギ「……」クイクイッ

破壊仙人「なんじゃ」

カオス「ウサギは松坂牛の肉片がオムライスに入っているか聞きたいらしい」

破壊仙人「あるわけないじゃろ。贅沢にもほどがあるわ。清貧こそ至高。清く貧しく全てを壊す」

ウサギは失望した表情で、トボトボと破壊仙人の庵を去っていった。

最強究極アルティメットデストロイ「あっ、おい!」

カオス「心配するな。少し動揺しただけだ。奴はきっと汝の下に戻るであろう。さ、オムライスとやらを食べようぞ」

こうしてささやかな宴が始まった。
103 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 23:30:10.18 ID:UOcTFV1n0
仙人のオムライスは簡素なものだ。
申し訳程度のチキンライスに玉子焼きを乗せただけなのである。
それでも、最強究極アルティメットは仙人の作るオムライスが大好きだった。

最強究極アルティメットデストロイ「美味しいです、師匠!」

カオス「量が少ないな。それに辛い。これなら、まだ羊を屠って丸焼きにしてもらう方が良かった」

破壊仙人「ふぉっふぉっふぉ、そう言うな。これでも破壊成分を控えめにしたのじゃぞ」

最強究極アルティメットデストロイ「ところで仙人、あなたに話したいことがあるのです」

破壊仙人「どうした、改まって。……聞こうか」

最強究極アルティメットデストロイは、アルティメットハードモード・駆け出しの街であったことを詳らかに話した。

破壊仙人「なるほど。お主は地獄で弥勒菩薩と出会い、世界を変えるために現魔王へと闘いを挑むのだな」

最強究極アルティメットデストロイ「そんなところです」

破壊仙人「なんと愚かな真似を……じゃが、わしにお主を止める力は残っていない。それに、心強い味方も得ているようだしの。行くがよい、弟子よ」

破壊仙人は立ち上がると、庵の奥から絹の包みを取ってきた。

破壊仙人「この中には>>104が入っておる」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 23:31:21.55 ID:ulcLqUNJO
松坂牛
105 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/20(木) 23:41:39.81 ID:UOcTFV1n0
破壊仙人「この中には松坂牛が五頭ほど、圧縮されて入っておる。方術とかいうやつじゃ」

ウサギ「!」シュバババババ

最強究極アルティメットデストロイ「なるほど、魔王城への途上で包みを開いて食べろということですね」

破壊仙人「否、これはウサギ専用のものだ」

ウサギ「……///」

破壊仙人「もし、もしお主が絶望的な状況に陥った時、この包みを開いて松坂牛をウサギに食べさせよ」

最強究極アルティメットデストロイ「すると?」

破壊仙人「松坂牛の脂身が、ウサギの潜在能力を100%引き出すであろう」

破壊仙人「つまり、ウサギは神をも超越する力を手に入れる」

カオス「その論だと全知全能の私より強くなるということだが」

破壊仙人「然り! もはや魔王など小粒……ミジンコレベルの存在となる!」

最強究極アルティメットデストロイ「じゃあ、最初から食べさせればいいじゃないですか」

ウサギ「……」ジュルリ

破壊仙人「家畜は恐怖を感じた時、肉の旨味が一層増す話を聞いたことはあるかね?」

最強究極アルティメットデストロイ「そうか! 圧縮されている松坂牛が命の危険を感じた時にのみ、ウサギの潜在能力は100%発揮されるということですね!」

破壊仙人「う〜む、好々」

カオス「>>106

106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/20(木) 23:44:31.06 ID:5VYEXeoGO
しかしこの松坂牛、相当の手練れであるように見受ける
107 : ◆vfNQkIbfW2 [sage]:2017/07/21(金) 00:00:34.63 ID:7++5JJTt0
今日はここまで
108 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/21(金) 09:37:05.94 ID:Cq+/eXASO
カオス「しかしこの松坂牛、相当の手練れであるようにお見受けするが」

破壊仙人「当然じゃ。強者を覚醒させるための肉なのじゃから、牛本体も強いに決まっておろう。ちなみに、此奴はこれまで300人の尊き命を奪ってきた」

右目に傷のある松坂牛「ブルルッ」

最強究極アルティメットデストロイ「なんだか、この松坂牛が魔王に見えてきました。仙人……武者震いが止まりません」

カオス「フッ、ミノタウロスを想起させる奴よ。私も猫耳娘の姿でなければ、存分に神威を発揮できたものを」

ウサギ「……」

破壊仙人「物は試しじゃ。ウォーミングアップも兼ねて、松坂牛を破壊してみるかね?」

最強究極アルティメットデストロイの行動>>109
世界意思の行動>>110
ウサギの行動>>111
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 09:43:41.15 ID:epfR7Qiv0
牛一頭にすら歯がたたない
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 09:45:24.46 ID:/hmc0tEnO
妙に懐かれる
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 09:47:03.73 ID:H8Af20ORO
3匹までなら拮抗
112 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/21(金) 12:32:32.85 ID:OxewYmPmO
最強究極アルティメットデストロイ「はああぁぁ……」

最強究極アルティメットデストロイは深く息を吸い込むと、拳に破壊魔法をまとわせ、地面を蹴った。
のんびりと尻尾を振る松阪牛に肉薄する!

最強究極アルティメットデストロイ「うおおお! くらえ、最強究極アルティメットデストロイアームストロングディザスターカタストロフ限界アポカリプス量子分解アッパー!」

破壊仙人「いきなり必殺技を使いよったか! しかし、いつ聞いても技名が訳わからんのう……」

ガキィン!

最強究極アルティメットデストロイ「な……? 拳が松阪牛に届いていない!? 見えない魔防壁で防がれている!」

右目に傷のある松阪牛「モ〜」

破壊仙人「松阪牛も身の危険を感じたか、無意識の内にATフィールドを張っていたようじゃな。この勝負、分からなくなってきたぞい」

最強究極アルティメットデストロイ「こ、拳が動かない! 魔防壁の中にめり込んでいく……! 松阪牛! これもお前の計算だったのかァ!」

右目に傷のある松阪牛「ブモーッ!」

後ろに下がった松阪牛は猪突猛進、弾丸の如き速さで最強究極アルティメットデストロイを空の彼方へ跳ね飛ばした。

破壊仙人「あの程度の突進も回避できぬとは、まだまだ未熟じゃな。破壊にばかり気を取られ、防御を疎かにした結果よ」

破壊仙人「次! 世界意思!」

カオス「すまない……」

破壊仙人「どうした」

松阪牛A「モ〜///」

松阪牛B「ブフッ///」

カオス「何故だか、懐かれてしまった」

破壊仙人「野性が世界意思に反応したのじゃろう。帰巣本能というのかの。牛達はお主を帰るべき場所と認識しておる」

カオス「そんな……こらッ! 顔を舐めるな! くさいぞ!」




113 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/21(金) 18:14:52.02 ID:OxewYmPmO
ウサギ「……」

ゆっくりとした足取りで、ウサギが松阪牛に歩み寄る。
松阪牛は一目で確信した。この兎は強い。
ATフィールドを以ってしても進撃は止められぬやもしれぬ。

破壊仙人「双方、恐ろしい殺気じゃ。表情には出していないが、手に取るように分かる」

ウサギが四股を踏む。
松阪牛が左眼でギラリと睨みつける。
覇者の間に、言葉はなかった。

静寂。

ウサギ「疾ッ!」

無表情のまま、ウサギが目にも留まらぬ速さで走り出した。
両腕を交互に振り、膝を高く上げ、その双眸は獲物を見据え。
轟、と突風が土を巻き上げる。

右目に傷のある松阪牛「ウモウ!」

松阪牛はしっかりと脚を踏ん張り、目をカッと見開いた。
もうすぐだ、もうすぐ兎と衝突する。
奴の振り上げた腕が見える。拳が見える!

ガキィイイ……ン!!!!

ウサギ「……!」

右目に傷のある松阪牛「ヘッ」

破壊仙人「防いでおる! ウサギの一撃をATフィールドで防ぎよったぞ! やりおるわ、ガッハア!」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 18:18:42.35 ID:wvbqjXwYO
畜生どもがつよすぎる
115 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/21(金) 18:39:18.90 ID:OxewYmPmO
しかし、ウサギもまた尋常の者にあらず。ATフィールドを両手で掴むと、カーテンを引き裂くように容易く破ってしまったのである。

破壊仙人「なんと! あの兎には魔防壁も通用せんのか! こりゃたまげたぞい!」

意外な展開に凍りついた松阪牛の角を握り締め、ウサギは豪快に一本背負い投げを決めた。
低い地響きと共に、角の折れる音。

右目に傷のある松坂牛「グ、グワァア!」

ウサギ「ヌン!」

ウサギは松坂牛の頭を何度も地面に叩きつけた。外傷よりも脳味噌の損傷を狙っての技である。松阪牛が気絶しかけた、その時であった。

松阪牛A「モーッ!」

松阪牛B「ガアアアア!」

カオスに懐いていた二頭の牛が、覇王色の覇気をまとい、捨て身の突進を繰り出したのだ。これには百戦錬磨のウサギもたまらない。回転しながら弾き飛ばされた。

破壊仙人「受け身じゃ! 受け身を取れ!」

ウサギ「……!!」

華麗に着地したウサギの兎唇に、歪んだ笑みが広がる。ただの牛も三頭集まれば戦士となる。ウサギは仲間の危機を救った二頭の松阪牛こそ、真の意味での勇者だと感じた。

勝負の結果>>116
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 18:43:05.79 ID:wvbqjXwYO
引き分け。しかし確かな友情がそこには芽生えた
117 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 14:51:21.63 ID:ARknqKvyO
日没、一羽と三頭の決着はついた。
松阪牛は三頭とも角が折れ、全身痣だらけであった。
しかし、ウサギも無傷までとはゆかず、体力を使い果たし動けない状態だ。引き分けといったところであろう。

右目に傷のある松阪牛(兎よ……小生は認識を改めねばならぬようだ。貴様のことを、ただの筋肉達磨と侮っていた)

ウサギ(ククク……いいってことよ。余も久方ぶりに命の危機を感じた……良き勝負であった)

松阪牛A(またいつか、暇がおありでしたら闘いましょう?)

松阪牛B(アホか、ワイは二度とゴメンやで。ワハハ……)

そう、テレパシーで会話できるほどの奇妙な友情が、彼らの間に芽生えていた。ぐうぅ、とウサギの腹が鳴る。

破壊仙人「日も暮れたことだし、そろそろ夕餉にするかの。これ、そこの松阪牛。来なさい」

右目に傷のある松阪牛「ンモ?」

破壊仙人は右目に傷のある松阪牛を連れて、庵の裏へ行った。

〜その夜〜

最強究極アルティメットデストロイ「おぉ〜今夜は松阪牛のサイコロステーキですか。豪華ですね! パクッ、うめぇ〜ッ!」

カオス「ほっぺたが腐り落ちそうニャ……」

最強究極アルティメットデストロイ「おいおい、ヤハウェのくせに威厳がなくなってるぞ! 世界意思なら、もっと厳かに『善し』とか呟けよ!」

ウサギ「……」

ウサギの行動>>118
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 14:54:44.70 ID:wWJtjCS/o
鬼のように角を生やして
一角ウサギに変身した
119 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 15:17:15.63 ID:ARknqKvyO
ピキ、ピキピキと亀裂の入る音が聞こえた。見れば、ウサギの額に巨大な一本の角が生えているではないか。顔に血管がはっきり浮き出て、眼球はギョロギョロとあらぬ方向を行ったり来たりしている。サイコロステーキを噛んでいた破壊仙人も、この光景には入れ歯を吹き飛ばして尻餅をついた。

破壊仙人「ウサギが、神に近づいておるッ!」

最強究極アルティメットデストロイ「まさか、サイコロステーキの影響によってなのですか!?」

破壊仙人「当たり前じゃろう。ぐぬぬ、つい近くにいた松阪牛をステーキに使ってもうた。これが、ウサギに特殊強化を施すドーピング剤であることを忘れてのう!」

最強究極アルティメットデストロイ「しかし、ウサギが強化されるのは良いことなのでは?」

破壊仙人「時と場合を考えよ! 松阪牛には摂取した者を狂戦士化、つまり混乱させる副作用もあるのじゃ。使うとすれば魔王戦、最終局面! 食卓で使うものではないわい!」

最強究極アルティメットデストロイ「結局、悪いのは全て師匠ではありませんか!」

破壊仙人「やかましい! わしに全責任を押し付けるなーへぶッ!」

ウサギのサマーソルトキックが破壊仙人の顎に炸裂した。
破壊仙人は屋根を突き破り、夜空の彼方へ飛んで行った。

最強究極アルティメットデストロイ「ウサギ、てめぇ! よくも俺のお師匠様を……!」

戦闘態勢に入った最強究極アルティメットデストロイを無視し、庵の外まで歩いていくウサギ。その視線の先は遠影となっている魔王城に向けられていた。

ウサギ「……」

最強究極アルティメットデストロイとカオスを置いて、ウサギは突如走り出した。これより、ウサギと魔王軍の最後の戦いが幕を開ける。

まずウサギが行った場所>>120


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 15:22:41.02 ID:qUA9RiiO0
魔王城2
121 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 15:30:29.57 ID:ARknqKvyO
魔王城には二つの種類がある。
現世の魔王城と、並行世界のアルティメットハードモード魔王城だ。ウサギは山道を下りながら、いつの間にかアルティメットハードモードの世界に迷い込んでいた。

松阪牛A「大丈夫ですか、ウサギさん!」

松阪牛B「右目キズが屠殺されたみたいやが……ウサギ、お前は無事なようで安心したで!」

ウサギ「貴様ら……何故ここにいる」

松阪牛B「そりゃアンタ、決まっとるやろ! 魔王城2に行くアンタを助けるためや!」

松阪牛A「魔王城2……アルティメットハードモード魔王城はゴブリンでもアルテマを連発する鬼畜難易度。貴方は強い。しかし数で攻められれば、ひとたまりもありません」

松阪牛B「そこを、ワイらが支援するっちゅーわけや」

ウサギ「貴様らを、なんと呼べばよい」

松阪牛A「>>122とお呼びください」

松阪牛B「ワイは>>123や!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 15:38:06.86 ID:qUA9RiiO0
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 15:40:02.17 ID:GiqK/bR9O
124 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 15:52:57.46 ID:ARknqKvyO
松「私は松とお呼びくださいまし。ヒール程度の簡単な呪文でしたら、唱えることができますわ」

阪「ワイは阪や! 三人揃って松阪兎! 松阪兎ってウマいんか? タハーッ! ハッハッハハッハッハー!」

松「お静かにしてくださる? 近くに最強究極アルティメットデストロイが隠れているやもしれませんから」

ウサギ「あの雑魚が、どうかしたか」

松「彼は今、復讐の炎に駆られておりますの。長年付き添ってきた師匠を貴方に殺されてね。もう魔王も未来魔王も彼の心にはありません」

阪「あるのは、お前への憎悪と殺意だけや。厄介なのは、最強究極アルティメットデストロイ陣営に世界意思……カオスがついていることやな」

ウサギ「つまり、神と獣と魔族の三つ巴戦争というわけか。面白い。余が最も望んでいた無秩序な世界……」

松「ウサギさん、現魔王を倒すのです。さすれば魔王陣営の兵は全て貴方の物。いくら全知全能の神といえど、簡単に破壊できます。まるで、いはけなき幼女の腕をねじ伏せるようにね」
125 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 16:14:50.80 ID:ARknqKvyO
ウサギは血染めの大斧を振るい、針葉樹を次々と斬り倒していった。そして、二人乗りの戦車を作り上げたのである。戦車と言っても装甲車のことではなく、松阪牛二頭に牽かせる二輪の馬車もどきであるが。

ウサギ「目指すは魔王城! 走れッ!」

ウサギは飛ぶように戦車を走らせ、アルティメットハードモードの世界から、現世へと戻ってきた。幸いにも、魔王城まではなんの遮蔽物のない、草原が広がっている。

ウサギ「休むか?」

松「なんの! 松阪牛を舐めてもらっては困りますわ!」

阪「戦士はな……事が済むまで休まないもんやで!」

ウサギ「その言葉を聞いて確信した。貴様らこそ、真の勇者である。速度を上げるぞ!」

松・阪「「押忍!!」」

その時、どこからともなく現れた巨大な影が戦車を包み込んだ。

>>126「よう、獣勇者さんよ」

126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 16:28:04.88 ID:d+pERO5q0
佐賀牛
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 17:01:17.43 ID:FXQUXLTto
牛肉ブランドの見本市かよ
128 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 17:11:37.39 ID:ARknqKvyO
松「ンモーッ! 空から大きな牛が落ちてくるわ!」

阪「あれに潰されたら、ひとたまりもないやろなぁ……」

ウサギ「二人とも足を止めろ。余が確認する」

ウサギは戦車を降りると、小山のように大きい牛に近寄った。

ウサギ「貴様は誰だ。余の敵か否か」

佐賀牛「お前、天下の佐賀牛様を知らないとは何処の田舎モンだ? 普通、ここはお前が跪いて挨拶するところだろ」

ウサギ「敵か味方かと聞いている」

佐賀牛「くだらねーな、敵か味方かなんて何の話だよ。俺様は誰にも縛られたりしない。ただ食いたいから食い、暴れたいから暴れる。ほれ、自己紹介は済んだぜ」

ウサギ「貴様は盾役として使えそうだ。よし、余と共に魔王を征伐せよ」

佐賀牛「俺様に指図するってのか? あぁん?」

ウサギ「勝負をしよう。ここから魔王城まで走り、先に城壁に触った方が勝ちだ。敗者は勝者の命令を何でも聞くこと」

佐賀牛「敗者が勝者の命令を何でも聞くだァ? ……その勝負、乗った! 俺様が負けるはずねぇからな」

ウサギ「それでは参るぞ」

佐賀牛「途中棄権ってのはナシだぜ。ギャハハ!」

ウサギ「……」
129 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 18:08:09.10 ID:ARknqKvyO
兎は速い。
野うさぎでも最高速度時速80km、つまりトムソンガゼルや高速道路を走る自動車並みのスピードが出せるのだ。筋力に特化した個体とあらば、その速度は時速200kmを優に超える。チーターなど目ではない。

松「すッ凄いスピードだわ。衝撃波が……モウッ!」

阪「まさに規格外やな。ほな、ワイらも追うで!」

走るウサギ。
世界が繋がって見える。

ウサギ「余の速度に敵う者がいるとは思えんな。ほら、もう随分と引き離してしまった」

佐賀牛「そーかァ?」ビュン

ウサギ「なにッ!?」

思わず飛び退いた。
先程まで遥か後方にいた佐賀牛が、一瞬で距離を詰めたのだ!

ウサギ「どんなカラクリを使った」

佐賀牛「いんや、なにも。ただ俺様がお前より速いだけだぜ」

ウサギ「ぬかせッ!」

腰を低くかがめて前傾姿勢をとったウサギは、さらに速く、音速の壁を突破した状態で駆け続けた。

佐賀牛「>>130

130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 18:10:37.21 ID:S2JzfeIgo
たかがマッハ1とは笑わせる
光速を見せてやる
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 18:12:40.80 ID:panEMJQnO
滅びよ
132 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/22(土) 23:12:20.22 ID:zqgVwxfY0
佐賀牛「たかがマッハ1とは笑わせるぜ。見せてやるよ、光速と音速の越えられない壁って奴をなァ!」

佐賀牛は四肢を深く折り曲げた。彼の脚の筋肉はバネのように伸縮自在なのである。
落ちて来た時に怪我が無かったのも、一瞬でウサギを抜かすほどのスピードを出せたのも、バネの異常な瞬発力がタネだった。

佐賀牛「負けたら何でも言うこと聞くんだよな? ヒヒヒ……楽しみだぜ」グググ

ビリリッ

佐賀牛「な……? 脚が痺れて動かないッ!?」

佐賀牛「クソッ! 麻痺してやがる! なぜだ、動け動けーッ!!」

ウサギ「貴様の脚力が尋常でないことは見抜いていた。だからこそ、角で脚を封じさせてもらった」ダダダダダ

ウサギの角が蒼白い光を帯びている。
この角から微電流を放ち、佐賀牛の脚を麻痺させたのだ。
そして、魔王城の城壁に先に触れたのはウサギとなった。

佐賀牛「うぐぐ……畜生……卑怯だぞ! 麻痺が無ければ、俺様は勝っていた!」

ウサギ「麻痺は反則だと最初に伝えておくべきだったな。貴様の注意不足が招いた敗北だ。大人しくタンクになれ」

こうしてウサギは松阪牛の松と阪、佐賀牛の>>133を味方につけて魔王城へ乗り込んだのであった。




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