NOA TAKAMINE  〜 見惚れるほどの復讐 〜

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:07:54.55 ID:JoYpG4Xc0



《翌朝・白井教会》



クラリス「主に祈りなさい…その祈りは必ず主の元に届きます……神の選択は必ず真摯な者の元に…」



カツ、カツ、カツ…




のあ「………」



クラリス「…あら?こちらには初めですか?」




のあ「ええ、そんな所よ」ババッ!ジャキンッ!!



ガードマン1「!」バッ!

ガードマン2「!」バッ!



ダダァァン!!


ガードマン1「」ドサッ

ガードマン2「」ドサッ


クラリス「あ、あわわわ…」ガタガタ



ガードマン3「…」チャキンッ!


のあ「隠し金庫に案内しなさい」タァン!



ガードマン3「」ドサッ



クラリス「わ、私達のボスが誰か知っているんですか…?」ガタガタプルプル






のあ「…ええ、よく知ってるわ」


60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:09:32.01 ID:JoYpG4Xc0



《地下・隠し金庫》



ダダダァァン!!


ドササッ!


コツ、コツ、コツ…


のあ「………ここね」


クラリス「こ、こんな事してただで済むと思っているのですか…?」



のあ「(…金庫の鍵はかかってる。当たり前か)」ガチャガチャ…


のあ「…開けなさい」ジャキン


クラリス「あ、開けたら殺されてしまいます…」ガタガタガタ…


のあ「開けたらすぐに逃げればいい」


クラリス「に、逃げられるわけ…」




のあ「…主も祈る願い全て叶えるわけではなく、選択を持って答える」


のあ「貴女も選びなさい……開けるか、死ぬか」チャキッ





クラリス「…………あ……開け、ます……」


61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:10:41.75 ID:JoYpG4Xc0



ガチャチャッ……ギィィ…




のあ「………」スタスタスタ…


クラリス「あ、あの…これを全部盗むのですか…?」



のあ「……いいえ」チャラッ



ゴトゴトゴトッ


クラリス「え?え?え?」


のあ「焼夷手榴弾よ」



シュゥゥゥゥ…ボォォォォォゥ!!!!



メラメラメラメラ




クラリス「は、はわわ……!」ダダッ!



のあ「………」クルッ


スタスタスタ……



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:11:18.36 ID:JoYpG4Xc0



《白井教会前》



黒井「燃やされただと!?」


幹部1「ガードマンが全員殺され、シスターも行方不明と…」


黒井「…あの金庫の中は金だけではない…それ以上の物も入っていたんだぞ!!」


幹部2「社長、いかがいたしましょう…」



黒井「…おい」


幹部1「はっ」


黒井「全員に伝えろ。シスターは見つけ次第…処分だ」


幹部1「分かりま…」



タタァン!



幹部1「」ドサッ


黒井「!」

幹部2「!」バッ!




のあ「……」ジャキン!


63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:11:47.21 ID:JoYpG4Xc0


黒井「殺せぇ!奴を殺せぇ!!」


幹部2「高峯のあを発見。射殺せよ」タタァン!


ダダダダ…ズダァァン!!



のあ「……」ダッ!!



タタタタタァァン!!!


ダンダンッ!!



幹部3「グウッ!」ドサッ


幹部4「ガハッ!」ドサッ



幹部2「敵は一人だ、消耗戦に持ち込め」ダダァン!


幹部5「し、しかし!こうも車に囲まれていると…」


タタァン!!


幹部5「」ドサッ


幹部2「チッ!」サッ!


64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:12:59.80 ID:JoYpG4Xc0


幹部2「(このままだとさすがに……ん?)」ピクッ


幹部2「(…車……それなら)」ニヤッ




のあ「……」チャキッ



ダンダンッ!!


のあ「!」クルッ



ドカァァァァァァァァン!!!




のあ「クッ…!」ズサァァ…



タッタッタッ…




幹部2「車ごと吹き飛ばされるのは考えてなかったか?」



のあ「ッ………」ガクッ



幹部2「頭でも打って意識を失ったか…そのまま眠りな」チャキッ





黒井「待て」



幹部2「社長…」



黒井「…話がしたい。縛り上げて連行しろ」


幹部2「…はっ」グイッ



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:14:29.21 ID:JoYpG4Xc0



《白井教会・倉庫》



のあ「……!」パチッ



黒井「おはよう、高峯のあ」



のあ「…………」




黒井「君が敵に回ったらただでは済まない…分かっていたつもりだった」


黒井「精鋭と言われた部下の死…息子の護衛の暗殺」


黒井「この辺りはまだ予想していた通りの事だった」



黒井「だが君は、私の予想を遥かに超える損害をもたらしてくれたよ」



のあ「………」



黒井「君が燃やした隠し金庫…あれに何が入っていたか知っているかね?」



黒井「あそこには表から裏、全ての重要な人物の不正や弱味の証拠が保管されていた」


黒井「あれさえあれば誰も私に逆らえない…そう、逆らうことのできない物だったんだ!」


黒井「それをお前は!金庫の中身全てを燃やしてしまった!!」


黒井「これがどれだけの損失か…理解出来ないわけではあるまい!!!」







のあ「…素敵な花火だったわ。心が洗われるくらいに」



黒井「…ははっ!そうかそうか……フハハハハハ!!!」スッ…



バキッ!!



のあ「ッ……」ポタタッ…


66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:15:30.27 ID:JoYpG4Xc0


黒井「……高峯のあ。君はこの世界から逃げられないのだよ」


黒井「闇に手を染めた者がどんなに洗い清めたとしても…それが落ちることはない」


黒井「特に君みたいな闇に好かれている人間は尚更だ」


黒井「だから天は、君から旦那と言う君の安らぎを奪った」



黒井「分かるかっ!?君はもう、この世界から離れることは出来ない!!」


黒井「君は殺しの中でしか安らぎを覚えられない人間なのだよ!!!」






のあ「………そうかも、しれないわね」



黒井「…ほぅ、認めたか」


黒井「ハハハッ!ようやく君と分かりあえた気がするよ!!」




のあ「ここに来るまでの間、いろんな人に聞かれたわ…“戻ってきたのか”って」



のあ「あの時はまだしっかりと言えなかった……だけど、今なら言えるわ」





のあ「私は、戻ってきたと」


67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:16:10.93 ID:JoYpG4Xc0


黒井「…では、帰還の祝いに交渉に入ろうか」


黒井「私の息子の所業を許し、再び私の元に来い」


黒井「そうすれば、金庫の件も含む全ての損害損失を無かったことにしよう」



のあ「……ええ、とてもいい条件ね」



黒井「よし、ならば…」


のあ「さらにもう1つ、私からも条件があるわ」


黒井「ほぅ、なんだね?」












のあ「貴方の息子を差し出しなさい」


68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:17:01.96 ID:JoYpG4Xc0



黒井「……たかが車だろ!!たかが犬一匹だろ!!」




のあ「……私は、彼と会うまでは闇の中にいたわ」


のあ「暗く深い、闇の底……」


のあ「だけど…それを彼が振り払い、私に光を与えてくれた……」



のあ「彼が死んだ時、私は再び…世界が闇に閉ざされる感覚に陥ったわ」


のあ「そんな私のために彼が残した最後の宝物……それがハナコだった」




のあ「それを無惨に殺したのが貴方の息子よ」



黒井「…………」



のあ「これ以上息子を庇い立てするのなら…息子共々貴方も地獄の底に叩き落とすわ」


黒井「…交渉決裂だな」

黒井「殺せ、ただし銃は使うな。ゆっくり首を絞め…金庫の罪を償ってもらう」クルッ


幹部2「はっ」


のあ「…ッ!!」ガタタッ!!




黒井「さようなら、高峯のあ…私の古き親友」


コツ、コツ、コツ…


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:17:41.16 ID:JoYpG4Xc0



幹部2「後ろに回れ」


幹部6「はっ」ササッ


グルグルッ、グイッ!


のあ「ッカァ…アァ…!!」ギシギシギシッ!


幹部2「私は紳士だからな…すぐに終わらせてやる。しっかり押さえろ」ググッ!


幹部6「はい!」ギギッ!








ヒュッ……パリィィィン!!


幹部6「」ドサッ


幹部2「銃撃だとッ!?」サッ!


のあ「!」ガガッ!



ギギッ…ブチッ!!

ダッ!!


幹部2「しまっ…」


のあ「さようなら、素敵な紳士さん」ガシッ!



ゴキリッ!!



幹部2「」ドサッ



のあ「………」パンパンッ



のあ「……」チラッ


70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:18:44.02 ID:JoYpG4Xc0



《隣接ビル・屋上》




冬馬「〜♪」カチャッ…コトッ



71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:19:14.96 ID:JoYpG4Xc0




のあ「……」ダッ!!






−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:20:57.02 ID:JoYpG4Xc0



《裏道・車内》



ブォォォォォン!!




幹部7「社長、これからいかがいたしましょう」


黒井「あの女が死んだのなら後はどうにかなる。しばらくは海外の別荘に…」



ダダァァン!!!ズガァァァァァン!!!



幹部7「な、なんだぁっ!?」


黒井「おいおい……そんなバカな…」







コツ、コツ、コツ……




のあ「……」ジャコン!



幹部7「け、KSG…!?」


黒井「ハッハッハッ!!いつの間にそんなショットガンを用意していたんだ!?」



ダァァン!!ドカカァァァァン!!!






のあ「……」ガシャコン

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:21:34.09 ID:JoYpG4Xc0


ガチャッ…


黒井「待て…待て、のあ!!」


黒井「降参だ、お前には負けたよ!!」



のあ「………」


黒井「……息子の場所を教える」



のあ「…私にかかってる賞金も取り下げなさい」



黒井「…だ、だがすぐになど……」




ズダァァン!!



のあ「……」ガシャコン


黒井「分かった!すぐに中止する!!」






黒井「…場所はお前も使った事のある郊外の黒井ペンションだ」


黒井「警備は厳重だぞ」






のあ「分かってるわ…守っても無駄よ」クルッ



スタスタスタ……






黒井「………」ギリッ…



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:22:17.80 ID:JoYpG4Xc0



《美城ホテル》



北斗「………ッ!」ガクンッ!


武内「目を覚まされましたか?」


北斗「……椅子に後ろ手で拘束されたらまともに動けないじやないか」ジャラッ


武内「申し訳ありませんが、それを解くことはできません」


武内「それに…もうすぐ“ルームサービス”が来ます、それまでは我慢してください」



北斗「………」ゴソッ…



武内「貴方はこのホテルのルールを破りました…ホテル内で仕事をしてはいけないという、絶対のルールを」



北斗「………」…コキッ



武内「その行いを、オーナーが許すことはないでしょう」







北斗「……生憎だけど、そんなルール知ったこっちゃないんでね」ジャラッ!


75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:22:46.21 ID:JoYpG4Xc0


武内「なっ…!」バッ!ジャキッ!


北斗「反応が遅いよっ!」ブォンッ!


ガッ!!


武内「しまっ、銃を…」


北斗「親指の関節を外せば、手錠くらいすぐ抜けるのさ」パシッ!



バンバンッ!!





武内「」ズルッ…ドサッ




北斗「“ルームサービス”によろしく……チャオ♪」ポイッ



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:23:30.93 ID:JoYpG4Xc0



《郊外・黒井ペンション》



翔太「…………」


部下1「こちら室内、異常なし」ガガッ


『こちら屋上、異常なし』ガガッ



部下3「大丈夫だって翔太、奴には賞金が200万もかかってるんだ…すぐに始末されるさ」


翔太「ああ……そうだよな…」



『こちら3階、異常なし』ガガッ



部下3「もうちょっと落ち着けって…な?」


翔太「……ああ」



『…こちら屋上、トイレに行きたいから代わりをよこしてほしい』ガガッ!


部下1「先に行っとけバカ野郎!…俺が行く、それまで待ってろ」ガッ!









《屋上》



ビュォォォォ……






部下5「」




のあ《変声機》「…ああ、すまない」ガガッ


77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:24:10.47 ID:JoYpG4Xc0





タッタッタッ…ガチャ、ギィィィ…




部下1「…?待ってろって言ったのに先に行きやがったな」



ピチャッ



部下1「…血痕?」


部下1「…!!?」バッ!!



ビビビッ!!


部下3「どうした、お前もトイレか?」


『屋上のやつが死んでる!!奴だ!!奴が来やがった!!』


部下3「はぁっ!?他の階の奴は何してやがった!!」


『分からん!ここにいないって事はそっちに向かってるはずだ!!すぐにそこから…』



ダァァン!


…ドサッ




部下3「お…おい!どうした!?」







『残るは貴方達だけよ』



部下3「!!」ゾクッ!


78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:24:46.71 ID:JoYpG4Xc0



のあ「………」ポイッ











部下3「に、逃げるぞ!!」ガバッ!


翔太「あ、ああ!」ダダッ!



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:25:58.27 ID:JoYpG4Xc0



《車庫》



部下3「翔太こっちだ!早く車に乗れ!」ガチャッ、バタン!


翔太「はぁ……はぁ……」タタタッ!






ピッ!




ドカカァァァァァァァンッ!!!





部下3「」ドサッ!メラメラメラメラ



翔太「ひ、ヒィィィ!!」ドサッ!


80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:27:04.71 ID:JoYpG4Xc0



メラメラメラメラメラ…ゴォォォゥ!!!



翔太「クソッ…車の火が……!!」






コツ、コツ、コツ…







のあ「車を爆破させるなら、乗った時を狙うべきね」チャキッ



翔太「うわぁ!?」ババッ!

翔太「嘘だろ!?たかが犬」






タァァン!








翔太「」ズルッ…ドサッ







のあ「…」クルッ




コツ、コツ、コツ……



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:29:35.26 ID:JoYpG4Xc0



《黒井ビル》



ジリリリリ……ジリリリリ……


カチャッ



黒井「………ああ、分かった」


ガチャッ






黒井「…………」



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:30:21.04 ID:JoYpG4Xc0



《美城ホテル・ロビー》



のあ「世話になったわね」ジャラッ


ちひろ「いえ、また会えることを楽しみにしております」ニコッ


のあ「…会えるといいわね」



ちひろ「あ、のあ様。支配人から贈り物です」スッ…


ジャラッ



のあ「…車の鍵?」


ちひろ「2011年式ダッジ・チャージャー……昨晩のお詫びとの事です」


のあ「…オーナーにもよろしくね」クルッ


ちひろ「はい。御利用、ありがとうございました」ペコッ




−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:31:25.54 ID:JoYpG4Xc0



《海岸》



ザザァァァン……ザザァァァァン………





冬馬「…これで助けるのは何度目だ?」


のあ「…感謝してるわ」


冬馬「ったく、昔っからいつもそうだ」



冬馬「…で、復帰するのか?」


のあ「いいえ、もう…終わったわ」


冬馬「本気か?」


のあ「……………」



冬馬「…ま、それなら静かに暮らしな」


のあ「……ありがとう、冬馬」


冬馬「へっ、惚れたか?」ニヤッ


のあ「そうね……世界で二番目に素敵な男性だと思うわ」フッ…



冬馬「…世界一は難しそうだ」フフッ



冬馬「助けた礼はちゃんと返せよ」クルッ


のあ「ええ…今度、星の見える綺麗な場所を紹介するわ」



冬馬「天体観測か……悪くない」











北斗「……へぇー」



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:32:51.02 ID:JoYpG4Xc0



《冬馬宅・玄関前》



冬馬「………」ガチャッ、ギィィ…





男1「動くな」チャキッ




冬馬「…俺に用か?」


男1「…そのまま家に入れ」



ゾロゾロ…



冬馬「……男6人でパーティーか?趣向を疑うぜ」


男1「さっさと入れ」カチャ


冬馬「…はいよ」




ギィィィィ……バタン







ガサゴソ…パサッ、カチャッ



冬馬「…持ってる物は全て出した。そろそろ目的を言ってくれてもいいんじゃないのか?」






「言わなくても分かるだろ?天ヶ瀬冬馬」



冬馬「!?」バッ!



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:34:50.10 ID:JoYpG4Xc0


《車内》



ブォォォォォン……





のあ「…………」



ピリリリリッ…ピリリリリッ…


のあ「……」チラッ




携帯【天ヶ瀬冬馬】




のあ「……?」ピッ!


のあ「何か…」




『やあ、のあ。私の息子は即死だったそうじゃないか。感謝するよ、苦しませずに殺してくれた事を』


のあ「!」


86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:35:44.51 ID:JoYpG4Xc0


『ああ、運転中だろうから手短に話そうか』


『この携帯の持ち主は私を裏切った…私からの依頼を受けながら君を助け、見逃した』



『例え誰であろうと裏切りは許さない…それが古くからの付き合いである人間だったとしてもだ』



『……ん?まだ息があったか…ちょうどいい、お前をここまで追い込んだ女に最後の恨みでも伝えてやれ』



のあ「……冬、馬…?」







『…悪ぃ、星は…見れそうにない……』



タァァン!!



『死体が見たいなら彼の家に来るがいい…では、さようなら』


ブツッ…ツー、ツー、ツー…




のあ「ッ…!」ガチャチャッ!!



キキィィィィッ!!ブォォォォォォン!!!




−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:36:40.05 ID:JoYpG4Xc0



《冬馬宅前》



キッキィィィィッ!!!ガチャ、バタンッ!!


タッタッタッ!!



ガチャ…








北斗「さて、家に入ったのも確認したし…」チャキッ



北斗「依頼を最後まで果たさせてもらうよ…子猫ちゃん」コツ、コツ、コツ…




ピリリリリ…ピリリリリ…



北斗「…?」ピッ!



『御多忙の所申し訳ありません、北斗様』



北斗「君は受付の…」


『美城オーナーが貴方に忘れ物をお渡ししたいとの事ですので、申し訳ありませんが…』


北斗「(…いや、仕事は未遂だしあの男を殺した事もバレていないはず……)」


北斗「(最悪、あの女程度なら殺して終わらせれるか……)」



北斗「…分かりました、すぐに御伺いします」ピッ!


88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:37:23.05 ID:JoYpG4Xc0



《冬馬宅・室内》


タッタッタッ!!



のあ「冬馬……ッ!!」バッ!!













のあ「………冬、馬……?」






−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:38:06.11 ID:JoYpG4Xc0



《車内》



ブォォォォォン……



黒井「……今頃、のあは冬馬の惨殺死体を見て放心しているだろう」


幹部8「その間に我々は…」


黒井「港からヘリを使い、国外に逃げる…なに、奴も国外のどこにいるかまでは分かるまい」


幹部8「その前に北斗から吉報が来れば…」


黒井「不意を打てば…まぁ、期待せずに待てばいい」




−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:38:40.84 ID:JoYpG4Xc0



《美城ホテル・バルコニー》




北斗「………」コツ、コツ、コツ…



北斗「(…ここで待ち合わせのはずだが……)」










黒服1「………」スッ…


黒服2「………」スッ…


黒服3「………」スッ…


黒服4「………」スッ…



北斗「!!?」バッ!!


北斗「(バカな…囲まれた?気配すら感じなかったぞ!?)」ゾクッ!!


91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:40:00.79 ID:JoYpG4Xc0




コツ、コツ、コツ…


美城「伊集院北斗君」



北斗「み、美城…オーナー……」



美城「君はホテルのルールに反した……よって、君からはホテルの利用権利を剥奪、永久停止をさせてもらう」


北斗「ご、誤解です!そんなこと…」


美城「電話で伝えた忘れ物だ、受け取りたまえ」スッ


北斗「……ッ!!」



美城「のあの部屋に落ちてた君の銃だ。随分暴れたそうだな」スタスタ…


北斗「お、オーナー!!」



黒服's『………』ジャキッ


92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:40:36.63 ID:JoYpG4Xc0





美城「…ああ、君風に言うなら……」






美城「チャオ、伊集院北斗」




パパパパァァァン!!!



……ドサッ







美城「…後は頼む」ジャラッ



響子「はい、オーナー♪」チャリッ



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:41:28.51 ID:JoYpG4Xc0



《冬馬宅》





のあ「……………」




ピリリリリッ!ピリリリリッ!




のあ「………」ピッ



『美城だ。…事情は察している』


のあ「………」



『君の聞きたいことも予想できるし理解できる』


『だが規則により私から君にそれを伝えることはできない』





『ある男が港にヘリを待機させ、それで国外へ逃亡しようとしているなどという事は』





のあ「…………」ピッ!



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:41:56.04 ID:JoYpG4Xc0



《港付近》



ブォォォォォ……



幹部8「もうすぐヘリの場所です」


黒井「そうか…ヘリは来ているのか?」


幹部9「待機してい……ん?なんだあの車…」


幹部10「車?」


幹部9「後ろから来てる車だ……」



ガシャァァァァァンッッ!!!



黒井・幹部's『!!?』ガクンッ!!!



幹部8「な、なんだぁっ!?」


95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:42:27.22 ID:JoYpG4Xc0



ブォォォォォォォン!!!!



のあ「…」カチャッ



幹部9「な、なんでお前が…」


パンパンッ!!



幹部9「」ガクンッ


幹部8「クソッ!」チャキッ!


ギャギャギャギャ!!ブォォォォォン!!!


幹部10「あの女無茶苦茶だぁ!!」


黒井「ハッハッハッハッハッ!!!そうだ!!あの女ならこれくらいするなぁ!!!」


幹部8「港に待機してる者は銃を持て!高峯のあが来た、射殺しろ!!」


幹部10「く、クソッ…!!」




黒井「…まあ、頑張りたまえ。……無理だろうがな」ボソッ





のあ「………」チャキッ



−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:43:14.63 ID:JoYpG4Xc0




ダダダァン!!ダァァン!!


ダンダンッ!!!







黒井「……まさか、組織が2日で壊滅するとはな……」フラッ…フラッ…







コツ、コツ、コツ…



のあ「……」ジャキッ


黒井「…ッ……のあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」チャキッ!!


のあ「…」スッ



パパァァン!!


97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:44:05.64 ID:JoYpG4Xc0




黒井「………ははは……」ズルズルッ…ドサッ





のあ「………」コツ、コツ、コツ…



黒井「……私を敵に回した者は、痛い目を見る……」


黒井「だが……お前を敵に回した者は……痛い目どころでは、ないな………」




のあ「………」コツ、コツ……チャキッ












黒井「………また会おう、のあ」ニッ





のあ「…ええ、また会いましょう」





パァンッ!!




−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−


−−−−


98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:44:42.95 ID:JoYpG4Xc0



《保健所》



ガチャガチャ…バキッ!


ギィィィ……




のあ「………」コツ、コツ、コツ…



ワンワン!ワンワン!ワンワン!




のあ「………」コツ、コツ、コツ…




のあ「…」ピタッ




カチャリ、キィィ…




「ワンッ!」






のあ「……帰りましょう、私の家に…」







アッキー「ワンッ!」









終わり


99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:45:09.22 ID:JoYpG4Xc0





《おまけ》




100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:46:11.77 ID:JoYpG4Xc0



《打ち上げ・居酒屋》



冬馬「まさかジュピター全員死ぬとは…」


北斗「だけど楽しい撮影だったから…ね?」


翔太「僕ひたすら悪態吐いて逃げてるだけだったじゃん。しかも黒ちゃんの息子設定だから苗字も変わってたし」


黒井「…………」


翔太「その黒ちゃんは黙って飲んでるし」


冬馬「特別出演で出てくれって言われて出てみたら悪役のボスだもんな…」


北斗「ですが、あれは社長でなければ出来ない役だったかと」


黒井「…フン!まあ今回は私も楽しかったし良しとしよう」グイッ






「最後のやり取りなど、黒井社長でなければ絵になりませんでしたよ」


101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:46:42.71 ID:JoYpG4Xc0



黒井「…どこかのだれかと思えば、346プロの娘さんか。親父さんは元気かね?」


美城「父がよろしくお伝えくださいと」


黒井「アイツは相変わらず海外に出ずっぱりか」


美城「フフッ…よろしければ父と黒井社長のお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか」


美城「どうにも、父は黒井社長の話になると嬉々として語りだすので…」


黒井「…ククッ、あの男も変わらんな」


黒井「いいだろう、ならばあの男が会社を立ち上げる時の話だ。あれは……―――」






翔太「…顔が広いんだね、黒ちゃん」


北斗「そりゃ社長だからね」


冬馬「…あんた達も立ってないで座ったらどうだ?」


武内「…では、失礼します」スッ


ちひろ「失礼しますねー♪」


翔太「うぇ!?いつから!!?」


北斗「常務さんと一緒に来てたよ」


102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:47:25.59 ID:JoYpG4Xc0



冬馬「俺達はともかく社長やそっちの常務、プロデューサーから事務員まで出すなんざ…監督は何考えてんだ?」


北斗「監修監督全て346プロだと聞いていますが、その辺りも関係しているのでしょうか?」


武内「…実は、この映画を撮影する際にイメージする役者がいなかったらしく、通りすがりの私が抜擢され……」


ちひろ「私もそんな感じですかね」ハハハ…


北斗「スカウトする側がスカウトされてどうするんですか」


武内「…返す言葉もありません」


翔太「まあまあ、北斗くんもプロデューサーさん殺しちゃったんだから御相子って事で」


冬馬「…御相子か?」


103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:47:52.80 ID:JoYpG4Xc0



冬馬「ところで主賓とアイドル達はいつ来るんだ?」


北斗「てっきりそちらと一緒に来られると思っていましたが」


翔太「黒ちゃんが隙あらば961プロに勧誘するって言ってたね」







武内・ちひろ『……来て、いないのですか?』









冬馬・北斗・翔太『…………え?』


104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:48:40.75 ID:JoYpG4Xc0



《隣の中華料理屋》



美世「……ここで合ってるんだよね?」


クラリス「地図ではここだと…」


智絵里「ど、どうしよう……もし違ってたら……」オロオロ…


杏「案外隣の居酒屋だったりして」


かな子「プロデューサーに確認してみましょうか?」


響子「プロデューサーさんの連絡先は…」ゴソゴソ


早苗「私隣の居酒屋に行きたーい!」


瑞樹「打ち上げって言ったら普通居酒屋よねー?」


のあ「麻婆豆腐とライス大盛」


ハイヨー!


全員『(のあさん普通に頼んでる…!!)』


105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:49:14.70 ID:JoYpG4Xc0



クラリス「の、のあさん!?もし場所が違ってたらすぐに移動しないといけないのですよ!?」


のあ「麻婆豆腐が私を呼んでいた…それだけの話よ」


杏「うわぁー…さすが今回の主賓」


智絵里「えーと…えーと…」オロオロ


美世「まあまあ。智絵里ちゃん落ち着いて」


響子「プロデューサーさん!今……え!ということは、やっぱり隣の居酒屋だったんですか!!?」


かな子「は、はやく行きましょう!!」


早苗「よっしゃ飲むぞー!!」


瑞樹「ダッシュよ!ダッシュ!!」



ワイワイガヤガヤ…ワイワイガヤガヤ…


106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:49:49.51 ID:JoYpG4Xc0



ハイオマチー!



のあ「………」モグモグ…モグモグ…






ズルズル…ズルル!




のあ「………」チラッ








貴音「………」ズルルル…




のあ「…………」





のあ「………」モグモグ



貴音「………」チラッ








のあ「(今度は麻婆ラーメンを食べてみようかしら)」

貴音「(今度は麻婆ラーメンを食してみましょう)」








終わり


107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/27(火) 22:53:57.77 ID:JoYpG4Xc0




構想を練ってる途中に上位でのあさんが来ててビックリしました。




長文お付き合い、ありがとうございました!


…のあさんボイス付かないかなぁ……



108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/30(金) 20:46:40.11 ID:fbXsMLF50
ジョン・ウィック見たことないけど見てみたくなったわ

のあさん、こういう役似合うねー
82.91 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)