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姫川友紀「かおる´sキッチン」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:39:32.39 ID:WUXyJIQ00
【事務所】
姫川友紀「スポーツ欄スポーツ欄っと…」
友紀「さてさて…昨日のキャッツの大勝利は、どんな記事になってるのかなぁ♪」
ガチャ
龍崎薫「おっはようございまー!」
友紀「…おっ、薫ちゃん!おはよう!」
薫「友紀ちゃんだ!おはようございまー!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1498225172
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:40:27.91 ID:WUXyJIQ00
友紀「今日も元気だね〜。さすがは、我らがひまわりエースだ!」
薫「えへへ!大きいこえであいさつしようねって、ママといつも言ってるんだ!」
友紀「うんうん、元気なのは良いことだよ!」
薫「友紀ちゃんも元気いっぱい!はなまるだね!」
友紀「おぉっ、嬉しいなぁ。ありがと!」
薫「へへー」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:42:15.34 ID:WUXyJIQ00
薫「友紀ちゃん、なにしてたのー?」
友紀「あたし?あたしは…事務所のお留守番!」
薫「おるすばん?」
友紀「うん。暇だったから、遊びに来たんだよね」
薫「あそびに!」
友紀「今日のレッスンは夕方からなんだけど…家に居てもやることなくってさー」
薫「うんうん」
友紀「テレビつけてぼーっとしてるだけなのもなんか嫌だから、事務所に来てみたんだけど」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:43:06.25 ID:WUXyJIQ00
友紀「…でもやっぱりやることないから、とりあえず新聞読んでた」
薫「しんぶん!?すごーい!オトナだー!」
友紀「でしょー?へへへ」
薫「かおるね、まだしんぶん読めないや…」
友紀「ふんふむ」
薫「わからない漢字がたっくさんあるんだぁ」
友紀「あー…難しい漢字、多いよねぇ。わかるわかる」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:44:00.55 ID:WUXyJIQ00
薫「たとえばね…これ、なんて読むの?」
友紀「んー?どれどれ」
[頭部死球]
友紀「これはね、"とうぶしきゅう"。頭にボールがぶつかっちゃうことだよ」
薫「おぉー!じゃあ…この字は?」
[あわや乱闘!]
友紀「"らんとう"だね。まぁ…喧嘩することかな」
薫「すごーい!友紀ちゃん、学校の先生みたい!」
友紀「どやぁ!」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:44:28.67 ID:WUXyJIQ00
薫「かおるも友紀ちゃんみたいに、しんぶん読めるようになるかなぁ…」
友紀「なれるなれる!国語のお勉強、頑張ろうね!」
薫「…はーい!」
友紀「学校でいっぱい勉強して…あれ?」
薫「?」
友紀「…うん?勉強?」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:46:15.48 ID:WUXyJIQ00
友紀「そういえば、今日って平日だよね?学校は…?」
薫「あっ、そうだ!えっとね、今日ね!かおるの学校、"かいこーきねんび"なんだって!」
友紀「あぁ〜、なるほど…開校記念日」
薫「だから、お休みなの!」
友紀「あったなぁ、そんなイベント…」
薫「それでね。せんせぇいるかなぁって思って、あそびに来たんだ!」
友紀「なるほど!じゃあ、あたしと同じだね!」
薫「おんなじー!」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:46:57.06 ID:WUXyJIQ00
友紀「…でも、残念だけど。プロデューサー、今いないんだよ」
薫「え?」
友紀「イベントの打ち合せあるからって、さっき出掛けちゃったの」
薫「えぇー!」
友紀「ちひろさんも用事で今日は出張だし…『丁度良いや、留守番頼むぞユッキ』なんて言ってね」
薫「…そっかぁ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:48:16.70 ID:WUXyJIQ00
友紀「『もし電話きた時は、午後には戻るから、後で折り返しますって伝えといて』とか言い残してさぁー」
薫「…」
友紀「折角あたしが会いに来てやったってのに、酷くない?」
薫「せんせぇ、いないんだぁ」
友紀「…っとと。こんなこと、薫ちゃんに言っても仕方ないか…」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:49:09.24 ID:WUXyJIQ00
友紀「なんかごめんね?」
薫「…ううん。友紀ちゃんいたから、かおるはへいきだよ?」
友紀「薫ちゃん…!」
薫「かおる、せんせぇ来るまで待ってる!」
友紀「…よし、一緒に待ってよっか!」
薫「うん!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:49:51.41 ID:WUXyJIQ00
グーー
友紀「…?」
薫「あー!友紀ちゃん、おなかなったでしょー?」
友紀「いや、あたしじゃ…」
友紀「…」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:50:33.66 ID:WUXyJIQ00
友紀「…あ、あはは。そうそう、お腹空いちゃってさ」
薫「朝ごはん食べてないの?」
友紀「んー…朝は、パンだけだったなぁ」
薫「だめだよ!ごはんはちゃんと食べなきゃ!」
友紀「…薫ちゃん。大人になるとね、今日は食べなくて良いや、っていう朝もあってさ…」
薫「食べなきゃだめー!」
友紀「は、はい…ごめんなさい…」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:51:36.23 ID:WUXyJIQ00
薫「あっ!じゃあ、かおるがお昼ごはん、作ってあげる!」
友紀「へ?薫ちゃんが?」
薫「うん!かおる、お料理じょうずなんだ!」
友紀「う、うん…それは、知ってるけど」
薫「ママのお手伝いもしてるんだよ?」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:52:43.45 ID:WUXyJIQ00
友紀「いやぁ…あたしはコンビニとかで良いよ…」
薫「でも、ちゃんと食べなきゃ…」
友紀「気持ちは嬉しいけどね?」
薫「…だめ?」
友紀「うーん…ほら、料理って、火とか使うんでしょ?危なくないかなぁ…」
薫「…そっかぁ。火は1人で使っちゃダメよ、って…ママにも言われてるんだった…」
友紀「んー…」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:53:39.61 ID:WUXyJIQ00
薫「からあげ教えてもらったのに…」ショボーン
友紀「…唐揚げ」ピク
薫「せんせぇとか友紀ちゃんにも、いつか作ってあげたかったんだけどなぁ…」ショボボ
友紀「…」
友紀「……」
友紀「………」
友紀「唐揚げ……」
友紀「………………」ムムム
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:54:53.89 ID:WUXyJIQ00
友紀「…よし!薫ちゃん!」
薫「?」
友紀「お腹空いたから、ご飯作ってくれる?」
薫「…良いの?」
友紀「うん。あたしも見てるからさ!保護者がいるから、まぁ大丈夫でしょ」
薫「やったぁ!」
友紀「どうせならいっぱい作って、プロデューサーとかみんなにも食べてもらお?」
薫「わぁ…!かおる、ごはん作りまー!」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:56:01.93 ID:WUXyJIQ00
友紀「今10時半ぐらいでしょ?」
薫「うんっ」
友紀「お話しながらゆっくり作れば、お昼には丁度良いんじゃないかな」
薫「え?ゆっくりって、どのくらい?」
友紀「んっと…1時間とか?」
薫「そんなにかからないよ?」
友紀「あれっ」
薫「それに、てきぱきやらなきゃ冷めちゃう!おいしくないよぉ」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:57:52.69 ID:WUXyJIQ00
友紀「…あれ?もしかして、あたしより相当料理上手だったりする…?」
薫「ママに"あいさいべんとう"教えてもらってるもん!とくいだよ!」
友紀「…じゃあ、今日は薫ちゃんが先生だね!」
薫「!かおる、料理の先生?」
友紀「うん!しっかり教えてね、せんせ!」
薫「わーい!かおるがせんせぇだ!」
友紀「ふふ」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:58:46.63 ID:WUXyJIQ00
友紀「…さて、」
薫「さて?」
友紀「んー、どうせならみんなで作りたいなぁ、って」
薫「みんな?」
友紀「ちょっと待っててね…」
薫「?友紀ちゃん、せんせぇの机、どうかしたの?」
友紀「良いから良いから♪」ゴソゴソ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 22:59:27.95 ID:WUXyJIQ00
友紀「よいしょっと」スポン
「フヒャ?!?!」
薫「わぁ!?」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:00:22.41 ID:WUXyJIQ00
薫「ビックリしたぁ…!輝子ちゃんだ!」
星輝子「ゃ、やぁ…どうも…」プラーン
友紀「輝子ちゃん、一本釣り打法!ってね」
薫「せんせぇの机から、輝子ちゃんが生えてきたの!?」
輝子「ち、ちが…生えてるのは、キノコだけだヨ…」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/23(金) 23:00:55.74 ID:UcmGiIVho
きのこ……唐翌揚げ……あっ
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:01:34.05 ID:WUXyJIQ00
薫「輝子ちゃんいたの、かおるわからなかったー!」
輝子「あ、はい…。実は、いました…フヒ…」
友紀「あたしが来た時から、もう机の下に居たよね」
輝子「き、気づかれてた…」
友紀「キノコノコーって時々聞こえてくるからさ。あぁ、居るんだなーって!」
輝子「ぁうぅ…口からも、漏れてたのか…。は、恥ずかしい……」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:02:33.46 ID:WUXyJIQ00
薫「輝子ちゃんも、かいこーきねんび?」
輝子「ぁ…いや、私は違うぞ…」
友紀「…言われてみれば確かに。学校休み?」
輝子「あの…午後から、お仕事で…。準備の都合もあって…今日は、欠席なんだ…」
薫「そうなんだ!」
輝子「家でやることも済んだから…机の下のマイフレンズたちの、お世話をしようと思って…」
友紀「じゃあ、あたしたちとお同じだねっ!」
薫「おんなじー!」
輝子「そう、か…?フ、フフ…そうだな…仲間、だ…フヒ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:03:18.06 ID:WUXyJIQ00
友紀「ご飯のことも、聞いてた?」
輝子「あ…うん。聞こえてた…けど」
友紀「じゃあ話が早い!」
薫「いっしょにお料理しまー!」
輝子「いや…わ、私は、いいよ…」
薫「えぇー!」
友紀「ありゃ」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:04:40.63 ID:WUXyJIQ00
薫「…輝子ちゃん、お料理きらいなの?」
輝子「き、嫌い、とかではない、けど…」
友紀「けど?」
輝子「その…みんなで、台所とか…ちょ、調理実習を、思い出して…うぅ…」
薫「ちょーりじっしゅー?」
友紀「あー…」
輝子「ひとり、余ったからって…よく知らない子たちのグループに入れられて…」
輝子「エプロンとか…三角巾とか、褒め合うんだ…あいつらは…」
輝子「『カワイー!』なんてな…フヒ…」
薫「う、うん…」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:05:47.91 ID:WUXyJIQ00
輝子「なのに…私には、ノータッチ…フフ…知ってた…」
輝子「それで、いざ始まっても…やっぱり、やることが、ないんだ…。みんな、他の子がやっちゃうから…」
輝子「『卵割っといてー』とか、些細なことしか頼まれない…!レシピを決めてた時、私はそこに、いなかったから…!」
輝子「私は、ただ、数合わせなだけの…食べて、皿を拭くダケの子……」
輝子「…卵?…フ、フフフ…」
輝子「フ…、フ……」
友紀「(あ、やばい)」
輝子「フ ザ け ん なァ!!!」バーン
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:06:43.97 ID:WUXyJIQ00
薫「うわー!ばくはつしたー!」
輝子「なぁにが卵割ってだ!てめえらの頭をカチ割ってやろうかぁ!!アァ!?」
輝子「いっつもそうだ!日陰者だからって、触れず近寄らず微妙な扱いしやがってェ!!」
輝子「人並みに料理だってできるんだよォ!!指示さえあれば良いモノを!」
輝子「欲しいのは卵じゃねえ!キノコだ!!キノコを寄越しやがれェー!!!」
輝子「ヒィーーやっ」
友紀「はーい輝子ちゃんストップ〜」ユサユサ
輝子「ハァぅううぅぅ…」グワングワン
薫「おさまった!すごーい!」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:07:23.14 ID:WUXyJIQ00
――
―
輝子「す、すまん…取り乱した…」
薫「輝子ちゃんも、お料理できるんだね!」
輝子「う…うん、まぁ、キノコの調理なら、だいたいは…」
友紀「なら、手伝ってくれる?」
輝子「い、いや…そんな、大したことは、できないんだ、ぞ…?」
薫「かおる、輝子ちゃんの料理も食べたーい!」
友紀「あたしもー!」
輝子「でも…」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/23(金) 23:09:00.67 ID:WUXyJIQ00
グー
輝子「あぅ」
薫「あ!輝子ちゃんも、おなかなったね♪」
輝子「…うぅ、恥ずかしい、な…」
友紀「お腹、空いてるんでしょ」
輝子「う、うん…。トモダチのお世話をしてたら…自分が食べるの、忘れてて…」
友紀「あー、分かる分かる。ご飯中、キャッツの試合に見入っててうっかり冷めちゃうとか、あたしもよくあるなぁ」
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