男「住み込みメイドとな?」 女「なんなりとお申し付けください、ご主人様」

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11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/23(金) 22:11:49.75 ID:VTkQAKNso

結論から言えば映画を最後まで見ることは出来なかった

映画の冒頭の方で、人がエレベーターに挟まれ、上半身が外に出たままエレベーターが急落下するシーンがある
エレベーターと床に挟まれる直前でブラックアウトするが、その後どうなるかは容易に想像ができる

そのシーンだけで彼女のライフはごっそりと持っていかれ、
そしてトドメとなったのが狭く逃げ場がない通路でレーザーが人をズタズタに豆腐のように切り崩すシーンで彼女は限界を迎えた


女「ひっく……もう……いやっ…」

男「あー……なんていうか澪ちゃんにはキツすぎた?」

女「もう二度と怖い映画は見ません…… 夢に出たらどうしてくれるんですか」

男「おもらしすんなよ」

女「……うるさいです」

男「悪かったよ」

女「ひっく…… ぐすん…… 蓮様最低です……」

男「……っ!?」


ドキリとした
己の迂闊さを呪いたくなるほどに

すっかり涙でぐしゃぐしゃになった顔には赤みがかかり、いつものキリッとした無表情からは考えられないほどに崩れた表情が俺の胸を刺す

揺れる焦げ茶色の瞳は、見ているだけで吸い込まれていきそうなほどの魔力を帯びていた
思わず手を伸ばしかけるがグッと堪える

彼女はフラフラとした足取りでトイレへと行き、そのまま自室へと入っていった
それを確認し俺も床へと入るが、先の彼女の表情が瞼に焼き付いていた

距離を近づけようとしたことで彼女を泣かせてしまった。 昔みたいに泣かせて、仲直りすれば昔のように戻れるのではないかと勘違いをしていた
涙の価値は子供と大人では違うことを失念していたことに、今更になって気がつく


彼女の涙で濡れた顔を見た時の、どうしようもない罪悪感は俺を苛み続けた


あぁ、くそっ!


毒づいても眠れないものは眠れない
時間は刻々と過ぎ、気が付けば時計は1時間ほども進んでいた

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