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『らき☆すた』がスポ根作品だったら【私の血はバルサミコ酢の味がする】
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1 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 17:26:52.35 ID:krQUfC+G0
キャラ崩壊注意。
元ネタはピンポン。
間違いがあったらすみません。
それでは始まるザマスよ。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1497860812
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/19(月) 17:32:56.25 ID:AyWx8+hEO
いくでガンス
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/19(月) 17:40:06.37 ID:QTj19kPOO
フンガー!
4 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 18:51:22.31 ID:krQUfC+G0
バルサミコ酢の味がする…。
ピンチの時には必ずヒーローが現れる。
バルサミコ酢の味がする…。
私の血はバルサミコ酢の味がする……。
ーーーー【部室】
つかさ「え?私が言うの?」
同級生「あんたら友達じゃん」
同級生「そうよ。幼馴染みなんでしょ?」
つかさ「そんなの関係ないよ」
つかさ「こなちゃんが部活をサボるのは、こなちゃん自身の問題だし……」
同級生「四の五のはいいのよ。柊」
同級生「だいたいあんたの言う事しか聞かないじゃん。泉は」
つかさ「……」
先輩「1年!早く外に集まれ!3年もう来てるよ!!」
同級生「はいっ」
同級生「はい!」
つかさ「はーい」
私の血はバルサミコ酢の味がする。
5 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 19:03:58.71 ID:krQUfC+G0
ーーーー【泉宅】
こなた「ロボットと言ったらやっぱり戦闘だよねー。お母さん」
こなた「エロとか萌え要素も多少ならいいんだけど、そっちをメインするのはなんか違うって思わない?」
かなた「そんなこと言ってないで、ちゃんと学校に行きなさい?」
こなた「素因数分解が実生活に応用できる?」
かなた「そういう問題じゃありません!」
こなた「私、高校卒業したらヨーロッパ行くんだー」
こなた「テニスでテッペン取るんだから、勉強する必要なんてないよね〜」
かなた「そういうのはね、こなた。なってから言うものよ」
6 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 19:24:15.48 ID:krQUfC+G0
ーーーー【陵桜高校】【テニスコート】
パコ!
コ!
パコン!
黒井「おい」
部長「なんですか?」
黒井「あのちっこい1年がおらへんけど」
部長「泉ならサボりましたよ。黒井先生からも何か言ってくださいよ」
黒井「練習がヤなら辞めてもらってもええんやけど」
部長「そうはいきませんよ。あれでもウチのエースなんですから……」
黒井「あ?柊がおるやんけ」
つかさ「……っ!!」パコッ!!
部長「確かに柊も伸びてきてますけど。まだまだ泉の相手じゃないです」
黒井「……」
つかさ「とっ!」バコンッ!!
黒井「んー……」
つかさ「はっ!!」パコッ!!
黒井「んーー」
7 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 19:40:54.23 ID:krQUfC+G0
キーンコーンカーンコーン
ーーーー【通学路】
つかさ「……」
パコンッ!!
つかさ「……あ」
こなた「はっはっはぁ」
男「くそっ!くそぉ!」
こなた「3世紀早まったねー。私に挑戦するの」
男「うるせぇ!」
つかさ「こなちゃん」
こなた「あっ、つかさ!」
つさか「こんなところで打ってたの?相手、誰?」
こなた「ここで打ってた高校2年生。大会で結果残したーとか言ってたけど所詮はお遊びテニスだよ〜」
つかさ「ふーん」
8 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 19:54:25.98 ID:krQUfC+G0
つかさ「そういえば。ちゃんと部活来なよ?」
こなた「あー」
つかさ「言うように頼まれたから。一応」
こなた「あれ帰るの?打ってこうよ〜」
つかさ「ごめんね今日は帰る。また明日打と?」
こなた「そだね。じゃあねーつかさー」
つかさ「……」バイバイ
9 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 20:03:42.42 ID:krQUfC+G0
タ タ タ……
ピンチの時には必ずヒーローが現れる。
つかさ「……ふん♪ふん♪」
つかさ「……」
ーーねぇ知ってる?つかさ
ーー血ってバルサミコ酢みたいな
ーー味がするんだよ〜?
10 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 20:09:08.90 ID:krQUfC+G0
ーーーー【翌日】【陵桜高校】
“全国屈指の激戦区を制圧する幸星学園。磐石を誇る常勝軍団に対抗馬は存在するのか?”
こなた「やれやれだぜぃ」ペラ
つかさ「こなちゃん。何読んでるの?」
こなた「んー?さっきホームルームで配られた高校のスポーツ新聞」
こなた「そういえば見て見てぇ。ここ」
つかさ「……?」
“名門真白高校。女子テニス部。ジュニアチーム選手を編入生として入学!”
こなた「大会で結果出すためにわざわざ選手雇うなんてビックリだよねぇ」
つかさ「勝つためにわざわざかぁ……。私には分からないなぁ」
11 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 20:21:45.87 ID:krQUfC+G0
ーーーー【テニスコート】
先輩部員「ちょっと柊」
つかさ「なんですか?」
先輩部員「ジュース買ってきてよ。私とあと2人の分」
先輩部員「よろー」
先輩部員「炭酸ならなんでもおけ」
つかさ「えっと……」
先輩部員「え?先輩に金払わせるつもり?」
先輩部員「早くしてよ喉カラカラ〜」
つもり「す、すみません。いま買って来ます……」
12 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 20:30:41.88 ID:krQUfC+G0
こなた「行かなくていいよ。つかさ」
先輩部員「はぁ?」
こなた「先輩。運動中に炭酸飲んだら気持ち悪くなりすよ?水道ならすぐそこにありますしタダですから、そっちでいいんじゃないっすか?」
先輩部員「泉あんたねぇ……!」
黒井「そこぉ!駄弁ってないでちゃんと練習しぃやあ!」
先輩部員「は、はい!」
先輩部員「覚えときなさいよ……!」
こなた「ケロケロ」
13 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 20:37:59.15 ID:krQUfC+G0
こなた「妬いてるんだよ。あの人たち」
こなた「テニスじゃつかさに勝てないから」
つかさ「それはいいんだけど……こなちゃん」チラ
こなた「ん?なにぃ?」
つかさ「その……ブラしてないの?」
こなた「あ、バレちった?いやいやお恥ずかしい。寝ぼけてて忘れちゃったんだよねー」
こなた「パンツも穿いてなかったり」
つかさ「えぇ!?」
つかさ「ユニフォームスカートだし、それはまずいんじゃ……」
こなた「うそうそ。履いてるよ。ホラ」ペラ
つかさ「わぁ!こなちゃんだめだよ!隣で男子も練習してるんだから!!」
こなた「おお……これは失敬」
こなた「アイムソーリーヒゲソーリー。それほどでもぉ」
つかさ「ああ似てる!しんちゃんだぁ!」
14 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 21:22:29.19 ID:krQUfC+G0
ーーーーバンッ!!
こなた「ほっ!」
パコンッ!!
つかさ「く!!」
ポンッ!!
こなた「ふっ」
ゴッ!!!
1年部員「柊が押されてる……」
1年部員「うん」
1年部員「やっぱり上手いね。こなたちゃん」
黒井「……」
黒井「なぁ」
部長「どうしました?」
15 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 21:24:02.20 ID:krQUfC+G0
黒井「柊は今日不調なんか?」
部長「聞いてませんけど……。なぜです?」
黒井「プレイがやけに雑や」
部長「あー。泉が相手じゃ仕方ないですよ」
こなた「はっ!!」
バコーンッ!!!
つかさ「……!」
こなた「よしゃー!」
部長「練習態度はともかく泉はすごく強いですからねぇ」
部長「ストローク、バック、ボレー……、全てにおいて」
黒井「あの2人、長いんか?」
部長「ええ。幼馴染みだと聞いてます」
16 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 21:26:33.96 ID:krQUfC+G0
部長「本当楽しみですよ。今年のインハイ。あの2人がどこまで行くか」
黒井「……」
黒井「井の中の蛙大海を知らず」
部長「なんです?それ」
黒井「上には上がいるゆーことや」
部長「……」
黒井「んーー」
黒井「幼馴染みなぁ……」
17 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 21:34:36.15 ID:krQUfC+G0
ーーーー【真白高校】
あきら「んでぇ?荒れてるの?スレは?」
白石「いや凪に近い状態ですよ、今のところは。まぁでも4レス目に“まともに始めなさいよ!”が来なくてちょっと残念なんですが」
あきら「あ、そっ」
あきら「どうせ共演するならアニメがよかった。映画とかドラマとか……」
白石「ここまできて何言ってるんですか。それにアニメは最後の方出れたでしょう?」
あきら「ふん!あんなんで満足できっかよぉ。バカ、バーカ!」
全国屈指の激戦区を制圧する幸星学園。
磐石を誇る常勝軍団に対抗馬は存在するのか?
ーーーーインターハイが近い。
18 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/19(月) 21:43:30.03 ID:krQUfC+G0
今日はここまでなんです。
終わる気がしなくなってきた。
でも頑張って終わらせたいです。
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/20(火) 11:53:38.64 ID:30ktrvYaO
ピンポン映画しか知らないけど面白い
おつおつ
20 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 12:52:46.47 ID:1lpJd5LnO
ーーーー【翌日】【テニスコート】
黒井「おい、1年!」
1年部員「ハイ?」
黒井「さっきからウチの視界に柊と泉が入らないんやけど、どゆこと?」
1年部員「たしかジュニアチーム選手をスパイするとか言って……」
1年部員「真白高校に行きました」
黒井「あいつらぁ……!」
21 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 14:08:36.91 ID:1lpJd5LnO
ーーーー【電車】
こなた「小神あきらだって。雇われ選手の名前」
つかさ「そうなんだ。男の子みたいな名前かも」
こなた「つかさも大概じゃない?」
つかさ「そうかなぁ?」
こなた「うん」
こなた「……次の駅?」
つかさ「ううん」
つかさ「次の次」
22 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 14:18:16.75 ID:1lpJd5LnO
ーーーー【真白高校】【テニスコート】
パコ!
ポン!
あきら「……」
小神あきらは不機嫌に練習風景を眺めている。
校長「かつては東に真白有りと謡われたものでしたが……」
白石「……」
校長「年々弱小の一途を辿りましてね。ない知恵を働かせて一計を案じました結果」
パコン!
あきら「……」
校長「小神あきらさんのような一流選手を招き、直にその御指導を仰ぐ事こそ最善であるという結論に達した訳でして…」
バコ!
あきら「なにこれフォークダンス?」
校長「……?」
23 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 16:32:37.56 ID:7LSpuGbY0
白石「あー!いえいえ!なんでもないんですよーっ!!」
校長「そ、そうですか?」
白石「ただあきら様もここまでの旅路で疲れてるみたいなんで、練習は明日からで大丈夫ですか?」
校長「あ、はい!もちろんですよ」
部員「はーい。それじゃあランニングー!」
あきら「……けっ」
24 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 16:48:33.56 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【校門】
こなた「ちょ待てよぅ」
つかさ「へ?」
こなた「まさか正面から堂々と入るの?」
つかさ「そうだけど……ダメかな?」
こなた「いや別にダメではないけどさぁ」
つかさ「どこだろテニスコート」
こなた「なんかホワイトベースみたいな校舎だなー。写メ撮っとこ」
パシャパシャ
こなた「お父さんに見せたら喜ぶかも」
25 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 16:58:59.84 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【屋上】
ヒュオオオオ
屋上には冷たい風が吹きつけている。
白石「あまり調子に乗らないでください。あきら様」
あきら「……」
白石「自分達がバーターである事を忘れちゃダメですよ」
あきら「勝てば問題ないでしょ」
白石「大した自信ですね……」
あきら「見たでしょ。あの子達の練習ぅ」
あきら「で打っても負けないわよ」
白石「あきら様……」
26 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 17:00:25.90 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【屋上】
ヒュオオオオ
屋上には冷たい風が吹きつけている。
白石「あまり調子に乗らないでください。あきら様」
あきら「……」
白石「自分達がバーターである事を忘れちゃダメですよ」
あきら「勝てば問題ないでしょ」
白石「大した自信ですね……」
あきら「見たでしょ。あの子達の練習ぅ」
あきら「全部バックハンドで打っても負けないわよ」
白石「あきら様……」
27 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 17:04:03.76 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【テニスコート】
こなた「ありゃりゃあ?」
テニコートには誰もいない。
こなた「そして誰もいなくなった?」
つかさ「たぶんランニングだよ」
つかさ「すごいなぁオムニバスコートだよ?」
こなた「オムニコートね」
つかさ「あ、あはは……」
こなた「わっ。これニューモデルのラケットだ」
つかさ「こなちゃん。あきらさんもいないみたいだし帰ろうよ」
ブンッ
こなたは立て掛けてあったラケットで素振りをし始める。
こなた「打とうよ」
つかさ「え!本当に?」
こなた「あきらさんが来るまでの暇潰しだよ」
28 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 17:09:35.04 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【屋上】
ヒュオオオオ
あきら「……」
屋上にいる2人は静かに耳をすましていた。
あきら「聞こえる?」
白石「ええ。腕のいいオールラウンダーですね」
あきら「でも試合はボレーヤーのペース」
白石「ええ。ボレーヤーの方もスピードがあります」
つかさ「はっ」
ポンッ!!
こなた「ふっ」
バコンッ!
あきら「……うん」
あきら「オールラウンダーに比べるとボレーヤーのプレイはかなり雑よ」
白石「けどオールラウンダーも返すので精一杯という感じですね。ボレーヤーの球に伸びがあるからか……」
29 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 17:11:17.67 ID:7LSpuGbY0
風の音とわずかな打球音が混ざり合う。
あきら「いえ。あのボレーヤー、スピードはあるけど逆にスキも多い」
あきら「オールラウンダーはわざと負けてるわね」
白石「なんでそんなこと……?」
あきら「知らないわよ。んなの」
あきら「とにかくテニスコートに行こ」
つかさ「ふっ!」
バコンッ!!!
ヒュオオオオ
あきら「風の音がジャマよ」
30 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 17:13:20.90 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【テニスコート】
あきら「……」
白石「……」
つかさ「んっ!」
バコンッ!!
こなた「とっ!」
パコンッ!
あきら「……」
ポコッ!
パコンッ!!
ザザッ!
バコ!!
タッタッタッ!
バコンッ!
あきら「もういい!やめなさい!!」
怒鳴り声がこなたとつかさのラリーを止めた。
あきら「そういうプレイを続けると癖になるわよ。リボン」
こなた「あー。あきらさんだ〜」
31 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 17:21:37.28 ID:7LSpuGbY0
あきら「コートについて」
つかさ「……」
こなた「なに!打ってくれるの?」
あきら「私の球を返してみなさい」
こなた「わー!やたー!」
あきら「あんたじゃ……」
白石「あきら様っ」
あきら「……ちっ」
つかさ「……」
32 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 18:42:30.72 ID:7LSpuGbY0
ーーーードッ!!
あきらは力強く踏み込んだ。
こなた「!!」
あきら「おらあ!!」
バコンッ!!!
こなた「わああああっ!!」
タッタッタッ!!
こなたはあきらの打った球を必死においかける。
こなた「あああ……」
ト……
しかし到底間に合うこともなく、こなたはコートにへたれ込んだ。
こなた「はぁはぁっ」
つかさ「……ゲームセット」
こなた「ラブゲームで負けた……」
あきら「……」
こなた「ラ……。ラブゲームで……」
つかさ「こなちゃん。そろそろ他の人たちも来るだろうし……帰ろう?」
こなた「…………うぐぐぐ……」
33 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:04:41.26 ID:7LSpuGbY0
白石「あきら様。あれはやり過ぎですよ……」
あきら「現実を教えてやったのよ」
つかさ「ほら立って……?」
こなた「うん……。うん……」
あきら「待ちなさいよ。リボン」
あきら「私のプレイを見せたんだから。今度はあんたのプレイをみせて頂戴」
つかさ「……」
つかさ「どうせ負けますから」
あきら「あ?どっちがよ?」
白石「……あきら様?」
白石「本気で言ってます?」
34 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:06:20.99 ID:7LSpuGbY0
あきら「?本気に決まってるじゃない」
あきら「あ」
スタコラサッサー
あきら「あんたが話しかけてくるから逃げられたじゃないの!!」
パコンッ!パコンッ!
ズカッ!ズカッ!
白石「すっすみませんん!!」
白石「ていうかあきら様……。あのオールラウンダーを相当評価してるんですね……」
あきら「才能はあるわ」
あきら「けど闘争心がまるでない」
あきら「その事を教える指導者がいないのがカワイソ」
あきら「もっとも。ありもしない才能を信じて続けてる私よりかはマシかもね」
白石「あきら様……」
あきら「さ、練習しましょ」
35 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:26:18.35 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【電車】
つかさ「……ふん♪ふん♪」
こなた「なんだっけ……それ……」
つかさ「昔やってたヒーロー物のアニメソングだよ」
こなた「ああ……あれかぁ」
こなた「……」
こなた「……次の駅?」
つかさ「ううん」
つかさ「次の次」
36 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:29:44.50 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【翌日】【泉宅】
こなた「絶望した……」
こなた「テニスもやめるーー」
かなた「こなた……」
こなた「ラブゲームで負けたぁ」
かなた「相手はジュニアチームのエリートだったんでしょう?なら負けても仕方ないじゃない」
こなた「ラッキーチャンネルでネタにされるんだぁあ」
こなた「死むぅ」
37 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:33:28.79 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【陵桜高校】【テニスコート】
つかさ「…ふ!」バコンッ!!!
黒井「ああ……?」
ザザッ!
つかさ「ふっ!」ポンッ!!
タッタッタッ!!
つかさ「はっ!」バコンッ!!!
黒井「……うん」
つかさ「……!」パァン!!!!
黒井「うんっ」
ーー「見えないよ……。どこにあるの?」
こなた「あきらさんの隙」
こなた「うぅーー」
こなた「どこだろ?どこにあるの?」
38 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:35:34.53 ID:7LSpuGbY0
ーー「自分で捜せばいいんじゃないですか…」
つかさ「こなちゃんなら、たぶん自分の家にいますよ」
先輩部員「そこが分からないから、あんたに聞いてるんでしょ!」
先輩部員「後輩は文句言わないで先輩こ言うことを聞け」
黒井「行くな。柊」
先輩部員「……?」
つかさ「……」
39 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:37:46.38 ID:7LSpuGbY0
黒井「泉とはもう打つな」
つかさ「え?なんでですか?」
黒井「手加減して打つやろ。泉が相手だと」
つかさ「手加減なんてしませんよ」
黒井「ないんか、自覚」
黒井「とにかく柊は明日から毎朝5時にここに来て、ウチとマンツーマンで練習や」
黒井「ウチの作るメニューを消化して、インハイの調整をする」
黒井「勝負への執念に欠けるっちゅう弱点を克服せなあかん」
つかさ「何を……言ってるんですか?」
黒井「プロポーズしてるんやで。にっひっひっ」ニコニコ
つかさ「……」
40 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:39:52.41 ID:7LSpuGbY0
黒井「それじゃあ楽しみにしとるで。明日の5時」
つかさ「む、無理ですよ。5時だなんて」
つかさ「電車もまだ通ってない時間ですし……」
黒井「走ってくればええやん。体力作りにもなる」
黒井「安心せい。センセは尽くすタイプだっちゃ」
つかさ「え?」
先輩部員「尽くすタイプだってよ。柊、よかったじゃん」
先輩部員「末永くお幸せにぃ」
つかさ「ええ〜?」
41 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:41:53.56 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【夕方】
こなた「この漫画もつまんなくなったよねぇ」
こなた「終わり時を完全にスルーしちゃった。編集部の擦れるだけ擦りたい意図が丸見えだよ……」
つかさ「こなちゃんまだ教室にいたの?」
こなた「おーつかさー。部活終わったんだ」
つかさ「うん」
こなた「走らされたでしょ。私サボったから」
つかさ「うん」
こなた「まぁ。それも今日で終わりだよ。私テニスやめるから」
つかさ「うん」
こなた「……」
42 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:43:28.38 ID:7LSpuGbY0
こなた「うん、ってつかさちゃーん」
つかさ「嫌ならやめたほうがいいよ。無理して続ける事ないもん」
こなた「……そっか」
こなた「無理して続ける事ないよねぇ……」
つかさ「……」
こなた「あとどれくらいある?インハイの予選まで」
つかさ「2ヶ月」
こなた「やれやれだぜぃ。落ち込む暇もないのね」
つかさ「うん」
43 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:46:20.17 ID:7LSpuGbY0
つかさ「あんまり好きじゃないんだ。こなちゃんのカッコ悪いところ見るの」
こなた「……」
つかさ「大丈夫!ヒーローは勝つように世の中できてるんだからっ」
こなた「んー……。ヒーローねぇ」
こなた「まっそういう事にしときますか」
ーーーー【翌朝】【陵桜高校】
テニスコートに黒井はポツンと立っていた。
『ラジオ体操第1ーっ。ヨーイ!』
『タンタタ♪タンタタ♪タタタタ♪タラン♪』
黒井「……」
『腕を前から上に上げて背伸びの運動ーっ』
黒井「ふぁーーあ……」
『高ぁーく上げて振り降ろすっ』
黒井「……ハイハイ」
44 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:54:48.95 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【教室】
黒井「今日で四日目やで……」
黒井「センセは1人寂しくテニスコートでラジオ体操しとる」
黒井「何で朝練に来てくれへんねん?柊」
つかさ「……なんで行かなくちゃならないんですか?黒井先生」
黒井「コーチゆう仕事はなぁ。指導する選手がいて初めて成り立つんや」
黒井「柊、センセの選手として自覚あるん?」
つかさ「ないです」
黒井「んー」
黒井「とにかくテニスの事だけ考えて欲しいねん。起きてから寝るまでとにかく常に」
45 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 20:56:03.08 ID:7LSpuGbY0
黒井「ちなみに今何考えとる?」
つかさ「5問目です」
黒井「あのなぁ。はるか昔にあった意味分からん出来事を覚えて何になるんや?」
同級生「ななこちゃんうるさーい」
同級生「気が散ります!」
黒井「ああ、スマンスマン」
つかさ「……暇潰しですよ」
こなた「zzz……」
黒井「何がや」
つかさ「テニスです。世界史の勉強をするのも」
つかさ「どうせただの暇潰しなんですよ」
黒井「んー」
46 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:37:22.31 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【職員室】
黒井「んっんー♪んー♪」
教師「鼻歌ですか?黒井先生。御機嫌ですね」
黒井「ふふっ。私にもやっと訪れたんですよ」
黒井「春が」ニコッ!
47 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:39:42.51 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【テニスコート】
つかさ「……!」パコンッ!!
黒井「もっと変化をつけろやあ!!」
つかさ「……く!」ポンッ!!
黒井「足動かさんか!腰をもっとおとせ!!テイクバックが遅いんや!!」
バコンッ!!
こなた「黒井先生って大会近づくといつもこんななんですか?」
先輩部員「いや。私も初めて見るわ。先生があんな風に吠えるの」
こなた「なんだってつかさを追い回すんだろ」
先輩部員「さぁ?盛ってんじゃない?春だし。先生独身だし」
スパン!!
黒井「ノータッチで抜かれんなや!!」
48 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:41:47.71 ID:7LSpuGbY0
こなた「でもつかさ怒鳴られるの苦手だからなー。限界間近ですよ?」
先輩部員「うん。だろうね」
つかさ「……!!」ザザッ!
黒井「何で攻めへんねん!!」
黒井「ミスを待つなっ!!」
黒井「行くんや!!そこで!!」
黒井「何回言わせるん!」
黒井「やる気あらへんのか!?」
つかさ「……ふぅ」ピタリ
黒井「?」
つかさ「すみません。今日は帰ります」
黒井「かっ!!えっ!?」
49 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:44:33.93 ID:7LSpuGbY0
黒井「始めたばっかやないか!待たんかい!柊!!」
先輩部員「逃げた」
こなた「仕方ないなぁ。もぅ」
黒井「ああ〜!!もうっ!!」
先輩部員「先生、激おこじゃん」
先輩部員「てか教育者としては問題じゃん。あの態度」
先輩部員「何も柊1人が選手じゃないんだから」
先輩部員「どうせ報われない恋だよ」
先輩部員「ははっ」
部長「……え!?あれって!?」
50 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:45:36.98 ID:7LSpuGbY0
51 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:46:15.09 ID:7LSpuGbY0
「ここが稜桜ですか……」
先輩部員「誰です?あの巨乳」
部長「え!?あんた知らないの!?」
黒井「……高良」
高良「お邪魔します。私は幸星学園テニス部部長、高良みゆきです!」ペコリッ
高良「本日は練習を見学させていただきにまいりましたっ」
黒井「はーん……」
52 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:49:02.64 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【中庭】
どうしてついてくるの?
こなちゃんはあきらさんを倒すんでしょ?
インハイまで時間ないんだし、サボってる場合じゃないよ。
あんな部活出たって意味ないよ。ポンコツばっかりだし。
なんだか最近疲れちゃうの。人間関係とか。テニスにしても……。
どんどん複雑になってく感じで……。だんだん単純じゃなくなっちゃって。
……今年も夏がくるね。
53 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:50:10.06 ID:7LSpuGbY0
ーーーー【テニスコート外側】
黒井「今日、柊はおらへんよ」
みゆき「……」
黒井「お目当ては柊やろ?高良」
みゆき「なぜそう思われますか?」
黒井「あんたみたいなスターがウチにくる理由……。他に探すほうが難しいやん」
みゆき「……ふふ」
54 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:52:00.66 ID:7LSpuGbY0
みゆき「初めて柊さんを見たのは中学最後の県大会です。その試合、彼女は負けてしまいましたが……」
みゆき「コントロール。スピード。ゲームメイク。反射神経。集中力」
みゆき「全てにおいて中学生離れしてました」
みゆき「脅威と感じるほどに」
黒井「でも、負けた……」
みゆき「……」
黒井「で?その時の柊の相手は?」
みゆき「柊かがみ」
みゆき「柊つかささんの双子の姉であり、今は幸星学園の1年生です」
黒井「……なるほどな」
55 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:53:03.96 ID:7LSpuGbY0
こなた「黒井先生はよくやってると思うよ?」
つかさ「んー?」
こなた「そりゃさ。つかさにはちょっと厳し過ぎるとこもあるけど、言ってることは間違ってないじゃん?」
こなた「私、結構好きだよ。黒井先生」
つかさ「違うんだよ。こなちゃん。そういうことじゃないんだよ」
56 :
◆yCfk8BuRZKUq
[saga]:2017/06/20(火) 22:54:38.86 ID:7LSpuGbY0
つかさ「強くなるとか優勝するとか……。そういうテニスしたくないんだ」
つかさ「楽しくできればそれで十分」
つかさ「勝つために何かを犠牲にしちゃったり、誰かをひきずりおろしたりしたくないんだよ」
つかさ「そうやってギクシャクしたくない」
こなた「ふーん」
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