P「アイドルマスターと」あやめ「シンデレラガール」

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74 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/25(日) 21:04:03.37 ID:uuobZfLo0
>>73



P「...とりあえず、今の段階じゃどうすればいいのかわからないし、Pから聞き出す必要があるみたいだね」

の部分の名前は凛ですね。訂正します。
75 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/25(日) 21:20:01.56 ID:uuobZfLo0
あやめ「...PaP殿とCoP殿も来ていたのですね」


CoP「ああ、話はありすから聞いている」


PaP「ごめんな、俺があいつを誘っちまったから...」


あやめ「いえ...PaP殿のせいではないと思います」


凛「...いずれはこうなってたでしょ、Pがあのままだったら」


ちひろ「こんなに集まって...そんなに深刻な話なの?」


あやめ「...お話ししますね」


わたくしは姉上に事の顛末をお話しします。すると...


ちひろ「そんなことが...」


あやめ「はい...」


未央「ちひろさんはPさんのお姉さんなんだよね?何か知ってることないかな?」


ちひろ「...一つだけあります」


その言葉に、この場にいる全員が息をのみます。


ありす「...教えてくれませんか?」


ちひろ「ええ、私もよくは知らないけど、教えましょう」


そう言って姉上は話し始めました。


ちひろ「あれは、確かPが中学2年の頃よ、あやめちゃん。あなたの学校で事件があったわね?」


P殿が中学2年の時...わたくしは記憶の糸をたどります。すると一つの事にたどり着きます。


あやめ「...わたくしの学校で、自殺した者がでました」


卯月「...それって...」


ちひろ「その子の名前は先輩っていうんだけどね...Pはね、その子と仲が良かったの」


姉上はとても苦しそうな表情になります。


ちひろ「そしてPは...先輩くんの自殺の目撃者よ」


姉上の言葉に誰もが固まります。
P殿が...目撃者?


PaP「じゃ、じゃあ、Pはそいつが死ぬ瞬間を...?」


ちひろ「ええ、見たんだと、思います」


ありす「思いますって...」


ちひろ「私にもわからないわ...Pは話してくれなかったから」
76 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/25(日) 21:35:10.80 ID:uuobZfLo0
ちひろ「Pはその後ふさぎ込んでた...でも少したってまた学校へと通うようにもなったし、立ち直ったのかと思ったのだけど...」


CoP「それが、尾を引いているという事か...」


ありす「あの人に、そんな過去が...」


凛「でもなんで先輩って人は自殺なんか...Pが追い詰めたってこと?」


ありす「Pさんはそんな事はしないと思います。...ですよね、あやめさん?」


あやめ「はい...P殿はそんな事はしないです。絶対に」


あやめ「わたくしにあそこまで気を使ってくれる優しいP殿がそんな事するわけないです...」


凛「そうだよね...」


卯月「ならどうして...」


未央「先輩さんを追い詰めた別の何かがあるのかな...」


未央「ちひろさんはそれについては何か知らないの?」


ちひろ「ごめんなさい、私もそこまでは...」


PaP「そっか...」


そこまで話したその時。
事務所の扉を開ける音が聞こえました。
みなさんはその音がした方へと振り向きます。


P「おはよう...ございます...」


そこには、今にも死んでしまいそうな表情で無理やり笑顔を作り挨拶をするP殿の姿がありました。
そしてP殿はそのまま...倒れてしまいます。


あやめ「P殿っ!!」


わたくしはP殿のもとへと駆け寄ります。


CoP「...救急車を...!」


P「待ってください!」


P「...大丈夫です。少し休めば問題ないですから...」


CoP「だが、そうはいっても...!」


P「いいんです!俺に、構わないでください...」


そう言ってP殿は仮眠室へと入っていきました...
77 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/25(日) 21:53:14.01 ID:uuobZfLo0
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俺は、この前あやめと来た夕日の綺麗な丘に立っていた。

...なぜ、こんなところに?

ふと、俺は崖になっている方へと目を向けた。
そこには、あやめが立っていた。


P「あやめ...?」


俺があやめに近づくと、あやめは俺の方を振り向いた。
あやめは、とても悲し気な表情をしていた。


あやめ「P殿...」


あやめ「さよなら」


あやめは崖下へと身を投じる。
俺は急いで手を伸ばしたが、どれだけ手を伸ばしても届かない。


P「あやめっ!!」


ついに俺の手は、あやめを掴むことができなかった。


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P「......はぁッ!!!?」


P「...はぁ、はぁ......」


...夢か。
......気持ち悪い。体中が汗塗れだ。時間は...五時か。
十分しか寝られなかったのか。...目が覚めたな。
俺はベッドから出て机へと向かう。
...仕事がない。そうか、寝る前にすべて終わらせていたんだっけ...

......駄目だ、こんなんじゃ。あやめをトップアイドルになんてできない。
また俺は、守れないのか?俺には何の力もないのか?


P「...そうだ、俺は何もできない...だから...」


だから、俺は、今まで拒絶してきたんだ。でも...俺はそれからも逃げた。


P「最低な奴だよな...」
78 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/25(日) 22:13:09.82 ID:uuobZfLo0
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...結局、あれから一睡もできなかったな。
時間は七時か。898プロに行こう。あそこに行けば仕事が見つかる。


P父「P?...おい、どこに?」


ああ、なんだ五月蠅いな。スーツなんだから898プロに決まってるだろ?


P父「おい!」


行ってきます。


...目が霞むな。体も思うように動かない。
でも、俺は行かなくちゃいけない。俺みたいなゴミ屑な人間は死んでも誰かの役に立たなきゃいけないんだ...
震える手で898プロの事務所の扉を開ける。ここまでどうやって来たかなど、もはや覚えていない。

...みんなが見える。みんなが、あやめが遅れた俺を非難している。
挨拶しなきゃな。


P「おはよう...ございます」


笑顔作らなきゃ。......あれ、地面を見てる?
...ああ、転んだのか。全く使えねぇなぁこいつは。
ふと顔を上げると誰かが何かを言っていた。


「やはり...こいつは、もう使えないな」


...嫌だ、どんなに死に体でも、これだけは諦めたくない...!


P「待ってください!」


P「大丈夫です。少し休めば問題ないですから...」


「だが、そうはいっても...!」


P「いいんです!俺に構わないで下さい...」


もう、自分でも何を言っているかわからない。支離滅裂だ。
でも呪言の様に頭に俺を責める声が聞こえてくる...
嫌だ。死んで、ここから逃げたい。
でもそれは許されない。先輩に申し訳が立たない。

...俺はまだ、何もできてないのだから。
79 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/25(日) 22:27:21.77 ID:uuobZfLo0
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ありす「...Pさんは?」


あやめ「...寝ています。ですが、とても苦しそうで...」


凛「...本人を見ると、強烈だね。初めて会った時とは大違い」


PaP「...これからどうするんだ?」


ありす「Pさんは今は寝かせておいた方がいいでしょうし...」


あやめ「...わたくしはこれから、P殿のご友人のもとに向かいます」


未央「Pさんの友達?」


あやめ「ええ、あの方なら何か知っているかもしれません...」


ありす「じゃあ、私たちはここでPさんの様子を見ていますね」


あやめ「...はい、お願いします」


わたくしは扉を開けます。


卯月「あ、あやめちゃん!」


あやめ「...なんでしょうか?」


卯月「こんな時に言うのもダメなのかもしれないけど...笑顔を忘れちゃだめだよ!」


あやめ「...はい」


...そうですね。わたくしも最近笑っていませんでした。ですが、P殿はわたくしの笑顔が好きみたいですから、
笑ってないといけないですよね。
...P殿の真実を知っても、私はP殿のだけのしのびです。


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友「珍しいね。あやめちゃんが用がある、なんて...」


今、わたくしは友殿にメールをし、898プロの公用休憩所に呼び出しました。


あやめ「友殿...P殿のご友人が自殺した事件について、何か知っていることはないですか?」


その言葉を聞いた友殿は目を見開いて驚いたようです。


友「その話を聞くってことは...あいつ、何かあったんだな」


あやめ「はい...」


友「...わかった、話すよ。俺の知ってること。あの事件についてね」
80 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 20:02:33.82 ID:bkOazruL0
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あやめちゃんは知らないだろうけど、あいつ、学校では孤立してたんだよ。
わざと周りを苛つかせる態度をとってな。だから、虐められてた。
でも、そんなあいつに構い続ける人がいた...それが、先輩だよ。
当時先輩の子分みたいだった俺も反対したけど、先輩はそれでも話しかけ続けた。

まぁ、そのうちに俺も気付いたんだよな...Pが、誰よりも優しくて、誰よりも他人の事を心配して、思いやる事ができる人間だって。まぁ不器用だからから回ることも多かったんだけどな。

そうやってPと俺たちは仲良くなった。で、ある日Pが急に虐められなくなったって言ったんだ。
...そんな急にやむわけはない。そう、あいつらは先輩に標的を変えたんだ。Pと仲良くしてるからってな。
先輩はそれを俺達には教えてくれなかったし、あいつらも手が込んでてな。俺とPが気づかないように色々やってた。
先輩は演劇部だったからな...すっかり騙されてたよ。

そうして一人で抱え込んだ先輩は、耐え切れなくなって、夜の学校に忍び込んで、屋上から飛び降りた...
Pは、丁度その日学校に忘れ物をしたって言って夜に学校に行ってたんだ。だから見ちまったんだろうな。

...先輩が屋上で今にも飛び降りそうな姿を。
それからは俺はわからねぇ。ただ、Pの父さんから聞いた話だと、Pは屋上にいたらしいから...止めようとしたんだろうな。


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友「...まぁ、あの事件であいつが体験した話だ。ちょっと推測も入ってるけどな」


あやめ「...」


友「それで、Pは今どうしてんだ?」


あやめ「...事務所の休憩室で休んでいらっしゃいます」


友「そっか...じゃっ、あやめちゃんは行ってきな!」


あやめ「えっ...?」


友「あやめちゃんは俺から聞いたこの話で、一番Pの事を知ってるようになっただろ?なら、Pの目を覚まさせてやれるのはあやめちゃんしかいない!」


あやめ「ですが...今の話を聞いても、どうしたらいいのか...」


友「...大丈夫、あやめちゃんが思うようにやりゃあいい。...それに、あいつももう少しだと思うんだ」


あやめ「もう少し...?」


友「あいつは今不安定になってる。それは、あいつが過去に向き合おうとしてるって事になるんじゃないかな?」


あやめ「過去に、向き合う...」


友「だから、あやめちゃんもそれを聞いてあげてさ。仲直りしようぜ?...ちょっと小言も言ってさ」


そう友殿はいたずらめいた顔して言います。
...そうですよね、きっとP殿は立ち直ります。


あやめ「...ありがとうございます、行って参ります!」


友「おう、がんばれ」


そう言ってわたくしは再び事務所へと駆け足で戻ります。
...どんなことがあっても、わたくしがP殿を支える。そう決意しました。


友「......さぁP、今こそ、一歩踏み出す時だぞ」
81 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 20:22:59.23 ID:bkOazruL0
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......逃げるな、現実から、自分のやったことから。

...目を開ける。ここは...そうか、休憩所で寝てたのか。
頭が痛い。相変わらず俺を責める声が聞こえる。
とにかく、今は仕事だ...仕事をしていれば、声も気にならない。
そう思い、扉を開ける。そこには、あやめ達がいた。


P「...あやめ?どうして...今日はオフじゃ...」


あやめ「...申し訳ありません。友殿から聞きました。P殿の中学での事」


あやめの言葉を聞いた瞬間、俺は逃げ出そうとする。嫌だ。あやめにも嫌われるのか、俺は。
だが逃げ出そうとした俺の肩を誰かが掴む。そしてそのまま引っ張られ...

バチンッ!

...事務所内に小気味良い音が響いた。


未央「ちょ、ちょっとしぶりん!」


卯月「頬を叩くなんて、そんな...!?」


凛「...少しは目が覚めた?」


P「...凛さん」


凛「...私にはこれぐらいしかあんたにできることはない」


CoP「...だが、お前ならこれだけでも十分だろ?」


PaP「自信を持て、P!」


P「...」


ありす「...Pさん、言いましたよね。裏切られることもあるけど、そうでないことの方が多いと...私たちはその、[そうでないこと]にはなれませんか?」


P「ありす...」


あやめ「...P殿はいつもわたくしを支えてくれました。...だから、P殿もわたくしを頼ってください!...わたくしはP殿を必ず受け入れます。いえ、ここにいる皆さんが、P殿を受け入れます!」


未央「え、私たちも?」


卯月「ちょ、ちょっと、未央ちゃん!」


P「...なんだ、そうか」


こんなに、簡単な事だったのか。
俺は、ずっと人が信じられなかった。だから、人に頼ることをしなかった。
それに、先輩が死んだとき、俺は自分のせいだって追い詰めて。だから死ぬときは誰かの役に立ってから死にたいって思って、今まで頑張ってきた。
でも、それはただ逃げていただけだった。現実に向き合わないまま、死のうと思ってただけだ。
82 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 20:38:50.76 ID:bkOazruL0
P「...ふぅっ」


俺は息を吐く。みんなが俺を見てる。でも、それは俺を蔑む目ではなくて、とても優しい目だ。


P「...あやめ」


俺はあやめを呼ぶ。


あやめ「...はい」


P「俺は、今まであやめの為って言いながら、逃げるためだけにプロデューサーをやってた」


P「...ごめん」


あやめ「...ふふっ」


P「まぁ、だからその...あやめ、あのストラップって今持ってるか?」


あやめ「はい、もちろん持ってますよ?」


そう言ってあやめは手裏剣のストラップを取り出す。
それに続き俺も取り出す。


P「...あやめから貰ったこのストラップに誓うよ。俺は、もう逃げない。過去を受け入れて、前に進む。そして...あやめをシンデレラガールにするって」


あやめ「...わたくしも誓います。主君を支える事のできる、しのびになると」


俺たちはストラップを手に持ち、その手を握り合う。


P「...改めてよろしくな。あやめ」


あやめ「...はい!プロデューサー殿!」


P「...ほかの人たちも...すみませんでした。お騒がせして」


PaP「いいんだいいんだ!若い奴の成長を見守るのも大人の役目だからな!」


未央「PaPさんもまだ若いでしょ!」


CoP「...お前には助けられたしな。お互い様だ」


P「そうですね...完璧な人なんて、いないですからね」


CoP「ふっ...そうだな」


P「ありすも、ありがとな」


ありす「...情けないですね。私に偉そうなことを言っておいて」


P「ああ、そうだな...こんな奴だから、これからも色々と助けてくれよ?」


ありす「ええ、任せてください!」
83 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 20:49:58.59 ID:bkOazruL0
P「...凛さん、未央さん、卯月さん」


未央「およ?私たちの名前覚えててくれたの?」


P「そりゃ、人気じゃないですか...あなたたちには、うちのあやめは負けませんからね?」


俺の言葉にあやめが慌てる。


あやめ「P、P殿!?いきなり何をおっしゃっているのですか!」


凛「...それは、宣戦布告ってことでいいのかな」


P「ええ...特に凛さん。あなたには、ビンタの分までお返ししますから...あやめが」


あやめ「P殿!?」


あやめがとても慌てている。その姿を見て、俺は思わず笑う。


凛「ふふっ、あやめから聞いてたのと全然違うね...うん、待ってる」


凛さんはそう言うと未央さんと卯月さんを呼んで事務所から出て行った。
...あれが、強者の余裕ってやつか。


P「あんなこと言ったし、頑張らないとな」


あやめ「...無理はダメですからね!」


P「さぁ、どうだろうな?」


あやめ「P殿!」


P「はははっ...まぁでもそうなったら、あやめが止めてくれるって信じてるから」


あやめ「...P殿...」


P「PaPさん、今日は帰ってもいいですか?仕事もないのに来ていたみたいですからね」


PaP「おう、気を付けて休めよ!」


P「はい!」


P「じゃあ、あやめ、帰ろうか」


あやめ「...えへへ、はい!」


俺たちは手をつないで事務所を出ていく。
84 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 21:03:14.26 ID:bkOazruL0
P「あっ...そうだ」


あやめ「?、どうかしましたか?」


俺は帰る途中、あることを思いだした。


P「少し、寄りたいところがあるんだけど、いいかな?」


あやめ「...ええ、わかりました!」


あやめの了解を取ると、俺は向かう。
......先輩の墓へと。


P「...着いた」


あやめ「......」


俺は墓の間に行き、黙祷をささげる。
あやめは察したのか、同じことをしてくれた。

...先輩、俺やっと前に進めます。もちろん、先輩がこうなってしまったのは俺の責任です。...でも、俺は俺の大切な人を守るって決めたんです。
だから、俺は生き続けます。...ごめんなさい。


俺はそこまで思うと目を開ける。すると、あやめの横に、友がいた。


P「友...」


俺の声に気付き、あやめも友を見る。


あやめ「友殿も、きていらしたんですね」


友「ああ、まぁな。...やっと、お前も進めたのか」


P「...ありがとな」


友「いいって事よ。...それに先輩も、きっと嬉しいさ、お前が立ち直ってくれて」


P「...そうだといいな」


----------------------------------------------


その後、俺はあやめを家に帰した後、俺も自分の家の扉を開ける。


P「ただいまー...」


すると、居間には、父さんがいた。


P父「...早かったな。...大丈夫か?」


P「うん、大丈夫。...すごい眠いけどね」


P父「そうか...」
85 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 21:14:19.25 ID:bkOazruL0
P「...父さん。俺、父さんが反対した理由、わかったよ」


P父「...」


P「ありがとう、父さん。俺を守ろうとしてくれて」


P父「...やっと、向き合ったんだな」


P「...うん」


P「だから、改めて、父さんに言いたい」


P父「......」


P「...きっと俺は、これからも過去に囚われることもあるのかもしれない。これはきっと忘れられない。忘れちゃいけない」


P父「......」


P「でも今は、俺は全身全霊で守り抜く。大切な人の、あやめの、未来を。...そう決めた」


P父「...そうか」


P「ああ。だから俺はこれからもプロデューサーを続ける。みんなに...あやめに、支えて貰いながらね」


P父「...勝手にしろ」


P「勝手にするよ...じゃあね」


そう言って俺は居間から離れる。
...寝る前にまず、風呂に入らなきゃな。


-------------------------------------------------------------


P父「...」


「...大丈夫でしたね」


P父「...P母か」


P母「ふふ、だから言ったでしょう?あの子は大丈夫だって」


P父「...ああ」


P母「...あの子たちの条件はどうするんですか?」


P父「...あいつらが言ってくるまでは、変えるつもりはない。...私も、あの子たちならやってくれるって、信じてみたくなったから...な」


P母「ふふっ、そうですね...」
86 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 21:27:45.01 ID:bkOazruL0
---------------------------------------------


ここは、あの丘か。
俺は夕日の綺麗な丘に立っていた。また、あの夢か。
...俺は、崖にたたずむあやめを見つける。


P「あやめ」


そう呼ぶと、あやめは振り向く。その顔は、とても穏やかだった。
俺はあやめの手をそっと掴む。あやめは、何も喋らない。


P「待たせてごめんな。でも、もう...」


この手を、離さないから。


---------------------------------------------


「プロ...デューサー...」


P「ん...」


あやめ「起きてください!プロデューサー!」


P「んあ...おはよう、あやめ」


あやめ「おはようございます!もう七時ですよ!898プロへと行きましょう!」


P「ん、そうだな...」


俺は身支度をし、家を出る。
そして、あやめといつもの道を歩く。


あやめ「...やはり、わたくしには個性が足りないと思うのです!」


P「そうか?」


あやめ「ええ!...なにか、語尾でも考えた方がよいのでは...」


P「...んー、忍者だし、[ござる]とか?」


あやめ「うむむ...それは可愛くないです!」


P「...別に今のままでも個性はあるし、可愛いからいいと思うけどな」


あやめ「...ありがとうございます」


...照れているみたいだな。


P「じゃあ...[ニン]とかは?」


あやめ「ニン、ですか...」


あやめ「...ぷ、プロデューサー殿、おはようございます。ニン!」


あやめは照れながらそういう。
87 : ◆LwyZOMDa4U [saga]:2017/06/26(月) 21:38:13.75 ID:bkOazruL0
あやめ「...うう、やっぱり恥ずかしいですね...」


P「だろ?あやめはやっぱり普段のままが一番かわいいよ」


あやめ「に、ニン...」


ああー、今のニンはすごいキュンと来たけど言わないでおこう。

......こんな感じで、緩く、でも、未来に向かっていく。それが今はいいんだろう。

これからも、色々なことが起こるのだろう。悲しい事、嬉しい事、本当にいろいろなことが。
でも、あやめと一緒なら、どんなことでも乗り越えていける。そう信じてる。
だから、今は...


P「あやめ...」


あやめ「...?なんでしょう?」


P「...大好きだ」


あやめ「...私もですよ、P殿!」


前を向いて歩いて行こう、大切な人と。




終わり
88 : ◆LwyZOMDa4U [sage saga]:2017/06/26(月) 21:41:25.20 ID:bkOazruL0
はい、これで終わりになります。
駄文にお付き合いしてくださった方には御礼申し上げます。
短編集の下書きもあるので、またいつか、書きたいと思います。
その時は、よろしければご覧ください。
それでは、ニン!
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 22:27:34.49 ID:BL5rtuCwO

良かった
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 11:37:30.33 ID:7TGbSS6iO
モバつけろよ
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/09(火) 01:21:25.35 ID:wtZMRvot0
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