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日菜「あたしのお姉ちゃん」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/07(水) 15:50:17.93 ID:6DSH4UOv0
BanG Dream!(バンドリ!)ガールズバンドパーティ!
氷川姉妹のSSです。
2ちゃんねる書き込むのは初めてですがよろしくお願いしますm(_ _)m
pixivにあらかじめ投稿してるものを添削しながら投下していきます。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1496818217
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 15:53:17.15 ID:6DSH4UOv0
あたしには大好きなお姉ちゃんがいるんだーっ!
お姉ちゃんのどこが好きってー?
んー、全部っ♪
あー、いやいや、別にテキトー言ってる訳じゃないよ?
でもそうだなぁ……物心つく前から大好きだったから、改めて訊かれるとわかんないやっ♪
あっ、じゃあひとつ昔話をしてもいいかなー?
あたしがお姉ちゃんのことをもっともーっと好きになった、あたし達がまだ小学校の頃のハナシ♪
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 15:57:15.05 ID:6DSH4UOv0
それはあたしたちが小学校3年生に上がったばかりのこと‥。
あたしたちの学校では、双子の生徒は1〜3年までは同じクラスで、4〜6年では別々のクラスになるという決まりがある。
4年生に上がるときには、お姉ちゃんと別々になると聞かされて、そういえばめちゃくちゃ駄々をこねたなぁー‥笑
話を戻すと、小学校低学年までのあたしたちは、幼稚園からずーっと同じクラス。
何をするにもお姉ちゃんと一緒だった。
常に一緒にいるから遊ぶ友達は同じだし、家にいるときも部屋が同じだったので、別々になることはほとんどなかった。
(夜トイレに行くときは怖いから、よくお姉ちゃんについてきてもらってたのは内緒‥)
そんな冗談?はさて置き、本当にいつも一緒が当たり前だったんだけど、ちょうどその頃‥小学3年生くらいになってからは、あたしは女の子の友達よりも男の子に混ざって遊ぶことが多くなっていた。
(だって女の子の遊びってちょっと退屈なんだもーん‥)
男子と混じってサッカーや鬼ごっこをして遊ぶ方が、あたしには性に合っていたのだ。
そんなこんなであたしとお姉ちゃんは、家と学校にいるとき以外は別々で遊ぶことが多くなっていった。
それでも、家では一緒にお風呂に入ったり、遊んだときの出来事をお姉ちゃんに聞いてもらったりと、それまでとあまり変わらない生活が続いていたのだった♪
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:11:13.40 ID:6DSH4UOv0
たったったったったったったっ‥
ガチャッ『ただいまーっ♪』
お母さん「あらお帰りなさい♪早いわね〜」
日菜ちゃん8ちゃい「えへへ〜っ♪ お姉ちゃんとかけっこしてきたんだ〜っ あたしの勝ち〜♪」
紗夜ちゃん8ちゃい「こら日菜っ! あなた信号無視したでしょっ! 危ないからダメよってあれ程…っ」
お母さん「あらあら二人とも元気ね〜♪」
「じゃあそんな二人には と・く・べ・つ に……じゃーんっ ご褒美をあげましょう♪」
日菜「……!! プリンだーっ!」パァ-ッ
お母さん「ちゃ〜んと手を洗ってから食べるのよ〜♪」
「紗夜、日菜をお願いね♪」
紗夜「うんっ♪ありがとうお母さんっ♪」
日菜・紗夜『いっただっきま〜す♪』
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:15:17.37 ID:6DSH4UOv0
日菜・紗夜『ごちそうさまでしたーっ』
日菜「じゃああたし、遊びに行ってくるねーっ♪」
「日菜ーっ 宿題はちゃんとやったの?」
「あとでやるーっ いってきまーすっ♪」ガチャ
バタンッ
お母さん「もう日菜ったら…ふふっ」
紗夜「お母さん、はいこれっ♪」
「ああ、紗夜ありがとう♪ 流しにつけておいてもらえるかしらっ♪」
紗夜「うんっ」
紗夜「じゃあ…私は宿題やってきます‥」
「……? 紗夜は遊びに行かなくていいの?」
紗夜「私は…宿題やってから行くからっ♪」
「…あらそう? 紗夜はしっかり者で偉いわね〜っ♪」
紗夜「……♪ ありがとうっ♪ それじゃっ♪」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:18:51.68 ID:6DSH4UOv0
次の日の学校
先生「はーい!それじゃあ宿題を集めまーす!」
日菜「あっ!!」
友達「日菜ちゃんどうしたの?」
日菜「宿題やるの忘れた……どうしよう‥」シュン
紗夜「(日菜、日菜っ!)」
日菜「(お姉ちゃん?)」
紗夜「(これっ‥あなたの分もやっといてあげたから‥あなた字も私とそっくりに書けるんだから、バレないでしょ!)」
日菜「(!!‥うんっ‥お姉ちゃんありがとうー‥)」グスン
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:21:41.24 ID:6DSH4UOv0
その夜
お母さん「日菜〜あなた昨日宿題やってなかったでしょう〜?」
日菜「うぅ…ごめんなさい…」
紗夜「まったく日菜は……私がいなかったら先生に怒られてたわよっ」
お母さん「もう紗夜も……本当はイケナイことなのよ?」
紗夜・日菜『エヘヘっ♪』
お母さん「そうだわ!じゃあこうしましょう♪」
「次のテストで100点をとったら、二人の好きなものを買ってあげる♪」
『ホントにっ!?』
「ええっ♪ た・だ・し 100点のときだけよ?」
『やったーっ!!』
日菜「お姉ちゃん頑張ろうねっ♪」
紗夜「ええっ♪ でも日菜は宿題忘れないようにねっ」
日菜「?っ、気をつけマス‥」
(西゚∀゚)アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:26:52.77 ID:6DSH4UOv0
最後の日菜ちゃんの台詞文字化けしてますね
う゛って言ってますすみませんm(_ _)m
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:30:16.27 ID:6DSH4UOv0
そうしてそれから、あたしとお姉ちゃんは真面目に勉強に励んだ。
(あたしは実は、ちょっぴりサボって遊びに行ったりもしたんだけど‥笑)
まあ結果オーライ♪
晴れて二人でお揃いの靴を買ってもらうことができたっ
それでねっ、どっちの靴か見分けがつくように‥二人でマジックで「ひな」「さよ」って名前を書いたんだーっ♪
でもそのあと、実はちょーっとした事件があったんだよね〜‥苦笑
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 16:39:02.69 ID:6DSH4UOv0
校門前
「先生おはようございますっ」
内山田教頭「はい、おはよう♪」
「お姉ちゃん早く早くっ!!」
「ちょっと待ちなさい日菜っ!買ったばかりの靴で走ると靴擦れするわよっ!!」
友達「あっ、日菜ちゃんおはよう〜♪」
日菜「あっ、マミコちゃんおはようっ♪」
マミコ「今日はなんだかご機嫌だねっ」
マミコ「あっ、それもしかして新しい靴?」
日菜「えっへへ〜っ♪ テストで頑張ったご褒美にって、お母さんに買ってもらったんだーっ♪ お姉ちゃんとお揃いなんだよっ♪」
マミコ「へえ〜♪ 日菜ちゃんこの間のテスト凄かったもんね〜♪」
そんな、新しいクツ以外は、何の変哲も無い一日の始まりだった。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:07:52.18 ID:6DSH4UOv0
その日は午後から体育の授業があり、体育館で跳び箱の練習をした。
ピッ
ダッダッダッダッダッダッダッダッ‥
ガコンッ
シュタッ
『おお〜〜!!』
「氷川スゲ〜!!8段はっべーよ、マジっべーわ」
「お前も跳んでみろよ」「ぜってー無理っ」
「日菜ちゃんすご〜い♪」
「どうやったらあんなに跳べるのー??」
日菜「えーっ これくらい楽勝だよーっ♪」
ホームルームが終わり、いつも遊んでいる男子たちと教室に残って少し戯れてから、上履きを履き替えに下駄箱へ向かった。
「……あれ‥」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:13:23.10 ID:6DSH4UOv0
下駄箱に置いてある筈のあたしの靴が無かった。
昼休みに校庭で遊んだとき……いや今日は体操服に着替えて体育館で遊んでいた‥。
「どこ?!なんで??あたしの靴‥っ」
結局校舎中を探し回っても靴は見つからなかった。
上履きのまま泣きながら帰った。
「せっかく…お母さんに買ってもらったのに…」グスン
あたしは普段から忘れ物が多く、持ち物を無くしてしまうことがあった。
買ってもらったばかりの靴を、新品同然で無くしてしまったという現実が、子ども心に重たくのしかかったのだった。
(お母さん…きっと怒るよね? …帰りたくないな‥)
いつも遊んでいる公園の前を通りかかったとき、今日はたまたま誰もいなかったので、“あの場所”に行こうと思った。
かくれんぼをしているときに見つけた、あたしとお姉ちゃんしか知らない秘密の隠れ処があったのだ。
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:16:29.83 ID:6DSH4UOv0
どれくらいの間、泣いていたであろうか。
気付いたときには、辺りはもうすっかり暗くなっていた。
辺りは不気味なほど静かで、普段は気にも留めない虫たちの声が五月蝿く響いていた。
(そろそろ帰らないと…)
そのとき、
ガサガサッ
(近くで物音がした)
ザクッ
(誰かが近づいてくる!)
ザッザッザッ‥
(足音はまっすぐこちらに向かってくる!!)
怖くて堪らなかった。
たかだか当時8歳のあたしに、冷静な判断などできるはずもなく、真っ暗闇の中あたしひとりという状況で、何者かが自分に近づいて来るということがたまらなく恐ろしかった。
「(怖いよ‥助けて‥お姉ちゃん‥っ!!)」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:20:31.76 ID:6DSH4UOv0
「日菜‥」
優しい声がした
世界で一番、優しい声だった
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:30:35.89 ID:6DSH4UOv0
お姉ちゃんは、怖くて腰が抜けてしまったあたしを、家までおぶって帰ってくれたそうだ。
あたしは余程安心したのか、帰る途中お姉ちゃんの背中で眠ってしまったらしい。
次の日の学校は、お姉ちゃんと一緒に欠席した。
両親に事情を話すと、お母さんは「あなたが無事に帰ってきてくれたことに比べたら、靴なんて些細な事よ…」と優しく抱きしめてくれた。
次の日の朝、学校へ向かうため玄関を出ようとしたとき‥
(あっ……そっかあたしの靴‥)
紗夜「日菜、私の靴を履いていきなさい‥」
日菜「えっ、でもどうして‥」
紗夜「私はどうせしばらく、その靴を履けないから……」
紗夜「それにあなたの靴なら、多分すぐに戻ってくると思うわ‥」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:36:58.81 ID:6DSH4UOv0
驚いたことに、お姉ちゃんの言った通りになった。
その日の夕方、家にマミコちゃんとそのお母さんが訪ねてきたのだった。
マミコちゃんはその日、学校を休んでいた。
あたしの靴を隠した犯人は、クラスメイトで仲の良かったマミコちゃんだった。
下駄箱からあたしの靴を持ち出し、校庭の隅にある雑木に隠したらしい。
流石にそこまでは見つけられなかったなぁー
動機はこうだった。
マミコちゃん「わたし……跳び箱の授業で4段を跳べなくて……そしたら日菜ちゃんが、どうしてマミコちゃんは跳べないの?って、それで……本当に゛ごめ゛んな゛さい…」グスン
どうやらあたしはマミコちゃんを傷つけてしまったらしい。
しかし、あたしたちが次の日学校を休んだことで、マミコちゃんは気が動転して、次の日学校に行きたくないと両親に漏らしたそうだ。そこから事態の発覚に至ったというわけだった。
靴は無事に帰って来たし、今さらマミコちゃんを責める気にはなれなかったので、(マミコちゃんがご両親からたっぷりとお説教をうけたことは見て取れた。)今回はお互い様ということで、事件は丸く収まったのだった。
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:40:40.94 ID:6DSH4UOv0
紗夜「日菜、良かったわね‥」
日菜「うんっ♪ あっそうだ…お姉ちゃん。はいこれっ!」
紗夜「……? こっちはあなたの靴じゃない?」
日菜「うんっ、でもあたしこっちの方がいい♪」
紗夜「同じ靴じゃない‥それに名前だって‥。ふふっ、まあいいわっ」
それから、あたしとお姉ちゃんは足が小さくなるまで、名前があべこべな靴を履いた。
履けなくなった今でも、その靴は押入れの中に大事にしまってある。
あたしの大切な思い出と一緒に、その靴はあたしの宝物になったのだっ♪
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:41:56.97 ID:6DSH4UOv0
んーっ!やっぱりっ
お姉ちゃんだーい好きっ♪
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 18:45:52.32 ID:6DSH4UOv0
以上で第1部完結です。
全部で第4部まであるんですが、ここで初めて見てくれている人っているんでしょうか?
いればこのまま書き続けたいと思いますm(_ _)m
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/07(水) 19:22:57.56 ID:kY3njlh00
期待してる、支援
http://i.imgur.com/ELhIRKM.jpg
お姉ちゃん大好き努力知らずの天才、
アイドルバンド・Pastel*Palettesのギタリスト、
氷川日菜(奥)
その努力のことごとくを才能で凌駕され続ける複雑な心境の姉、
本格派バンド・Roseliaのギタリスト、
氷川紗夜(手前)
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クオリティの高いサービスを貴方に
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