ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:34:55.59 ID:10MDNQqu0

「わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ」

「……」

「……」

「―――」

「……漸くだね。永劫とも感じた時は終わりを告げ」
















「春風と共に、君に会いに行くよ―――」






























「―――キョン」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496727295
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:38:37.88 ID:10MDNQqu0

部室


キョン「…………」ウトウト

ハルヒ「―――というわけで、ってキョン!! ちゃんと聞いてた今の話?」

キョン「ん? 聞いてた聞いてた。バッチリ聞こえてたぞ」

ハルヒ「じゃあ復唱してみなさい!」

キョン「『ちょっとお母さん! 目分量で入れちゃダメって何回言えば―――!』」

朝比奈「ほぇ?」

古泉「おや?」

長門「……」ペラ

ハルヒ「〜〜〜っ! なにを復唱してるのよあんたぁああぁああ!!!!」バチンッ!!

キョン「あづぁ!?」ドッタン!

朝比奈「ひえぇっ!!」

ハルヒ「見てた!? 見てたのねこのど変態ストーカー!! 団長のプライベートを侵害するとはいい度胸じゃない……っ!」ワナワナ

キョン「違う、見てたわけじゃない。お前を見ただけで分かってしまうんだ。だって俺は」

キョン・ハルヒ「「メンタリストだから」」

ハルヒ「……通じるとでも?」ニコッ

キョン「……ホントなのに」

ハルヒ「なら頭に新しい情報を叩きこんだげるわ!! 春休み最終日はフリマに行くから予定を空けておくこと以上うぅうううぅう!!!」メリッッ!!

キョン「いぎゃぁああぁああああ!!! 頭がぁああああああああ!!!!」バッタン!

朝比奈「は、はわわ……大丈夫ですか?」

古泉「余計なことは、口走るものじゃありませんね」ンッフ

長門「……」ペラ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:42:58.45 ID:10MDNQqu0

ハルヒ「まったく……どこぞのアホが春眠暁を覚えないせいで同じことを二回も言わなくちゃいけないなんて」

朝比奈「しゅん、みん……?」

古泉「春眠暁を覚えず。春の陽気に当てられて朝になっても眠っている様のことですよ」

朝比奈「あ、そういえば授業で聞いたことあります。古文書ですよね??」

古泉「古文書……?」

キョン「失礼な。俺は寝てなんかいないZzz……」

朝比奈・古泉「「言ってる途中で!!?!?」」ガーン!

ハルヒ「コラ!」ゴチン!

キョン「いてぇ」

ハルヒ「もっかい言ったげるから耳の穴かっぽじってちゃぁーんと聞いてなさい!」

ハルヒ「春休み最終日、フリマに行きます! 本当は出品する側に回りたかったんだけど、申し込みの時間がなかったのよ」

ハルヒ「で、今度やるときは是非出品したいから現地の下見と、おもしろいものがあったらジャンジャン買いましょ!」

キョン「要するにお買い物に行くわけだろ」

ハルヒ「下見が重要なのよ!! 下見が!! あ、それと各々今の内から家でいらないものを集めときなさい!」

キョン「ゴミ箱でも漁ればいいのか?」

ハルヒ「いらないものでいて、価値がありそうなものよ!! ただのゴミなんかもってきたら承知しないんだから!」 

キョン「そいつは参ったな。フリマに行った時にいらないものを買うとしよう」

古泉「ただの転売ですね……」

ハルヒ「みくるちゃんも一目惚れして買ったけど結局そんなに使ってない服や雑貨の整理を済ましておくこと!」

朝比奈「ひゃっ!? す、すいませんー!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:46:50.40 ID:10MDNQqu0

ハルヒ「有希は何かある? フリマで売って価値が出そうなもの!」

長門「価値…………」

長門「朝倉涼子?」

ハルヒ・朝比奈「「人身売買っっ!!!!」」ガーン!










古泉「僕も、家で手つかずのボードゲームの整頓を行いましょうかね」

キョン「誰も買わんだろ、そんなコアなボードゲーム」

古泉「コアだからだこそ、ですよ。どんな界隈にもマニアと呼ばれる人種は存在します。僕のようなね」

キョン「そのマニアが手放すレベルものなんだろ」

古泉「対戦相手がいないもので」ハハッ

キョン「……橘にでも相手してもらえ」

古泉「おや……あなたから橘京子の名が聞けるとは思えませんでしたよ」

キョン「このタイミングで俺が話題に出す意味……もちろん分かるよな?」

古泉「……橘京子を含む、敵対勢力の消息が不明……あなたでも掴めていないのですか?」

キョン「雲隠れしやがった。もとのアジトはもぬけの殻さ」

古泉「このタイミングでの拠点を変更する意味は……」

キョン「奇襲とか」

古泉「んっふ。それは困りましたね。こちらとしてはなんの対策もできていないというのに」

キョン「嘘つけ。コソコソ何やら仕込んでんのはバレてんだよ」

古泉「あなたにバレていても、敵方に情報が渡らなければいいんですよ」

キョン「やれやれ……どいつにもこいつにも。慌ただしい春の訪れ、か」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:51:24.69 ID:10MDNQqu0

コンコン


ハルヒ「誰かしら? はいどうぞー!」

朝倉「こんにちわ。長門さんいるかしら」

キョン・ハルヒ「「なんだ朝倉(さん)か……」」フゥ

朝倉「そこ、なに露骨にがっかりしてるのよ。失礼が過ぎるわよ」

朝比奈「噂をすれば朝倉さんですね」クスッ

長門「何か用?」

朝倉「あ、長門さん。実は今日買い物に付き合って欲しくてお願いに来たんだけど……」

キョン「ふっ、朝倉よ。どうやらお前も向かうようだな……『スーパー平安時代!!』へ」

朝倉「ふふっ、当然よ。なんせ今日は……全品半額セールなんだから!!!(1000円以下の商品に限る)」ゴオォ!

ハルヒ「毎度毎度セールやってるけど……よく潰れないわねあのスーパー」

朝比奈「わたしはあの人ごみで潰れちゃいそうです……」

朝倉「で、お一人様一品限りの商品とかあるから長門さんにお手伝いを頼もうかと思って」

長門「……分かった」

朝倉「ありがと、長門さん」

ハルヒ「まったく。華の女子高生がよくもまぁそこまで主婦感を出せるものね、朝倉さん」

朝倉「あら。あなたから『華の女子高生』なんて言葉が聞けるなんて思いもしなかったわ、涼宮さん」

ハルヒ「あたしはちゃーんとSOS団という場所で青春を送ってるもの!! ね、みんな!!」クルッ!

長門「……」

朝比奈「……え、と?」

古泉「……」ニコッ

キョン「カヒュー……カヒュー……」

ハルヒ「応答なし!!!? キョンにいたっては何!? そんなになる悪環境だとでもいいたいわけ!!?」ガーーン!!
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:56:51.27 ID:10MDNQqu0

朝倉「まぁ、そういうわけだから長門さんは今日少し早く帰ってもいいかしら?」

ハルヒ「他ならぬ母倉さんの頼みじゃ仕方ないわね。いいわよ」

朝倉「誰が母倉さんよ!」

ハルヒ「あ、そうだわ! 朝倉さんにも言っとかないと!」

朝倉「なにかあたしに言うことが?」

キョン「は、ハルヒ! お前まさか本気で朝倉をフリマの商品に……!」ガタガタ!

朝比奈「ひ、ひえぇ……!」

古泉「それはいかがかと……」

長門「惨い」

ハルヒ「違うわよ!!! 普通に一緒に回る誘いをしようとしただけっ!!!」

朝倉「フリマ……あぁ、春休みの最終日に開催されるやつね。みんなで行くの?」

ハルヒ「そっ! 掘り出し物があったら買うし、今度またフリマが開催されたら出品者側に回りたいからその下見も!!!」

朝倉「なるほど。この団が好きそうなイベントだこと……了解、予定を空けておくわ」

朝倉「それじゃ、長門さん。あたしも委員会が終わる頃にまた来るから、買い物付き合ってね」

長門「分かった」

朝倉「じゃあ、失礼するわ」バタン

ハルヒ「朝倉さんも一緒に行けるみたいだし、これは行動の幅が大いに広がったわね!」

古泉「そろそろ、朝倉さんにもそれ相応のポストを用意するべきでは?」

キョン「ちょっと待てい。その前に平団員兼雑用の俺の昇格をだな―――」

ハルヒ「古泉くんナイスアイデアだわ!! 何か考えとくわ!! 名誉顧問は鶴ちゃんだから……」

キョン「おい」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 14:59:20.43 ID:10MDNQqu0

「それじゃあ、行ってくるよ」

「お、お気をつけて……」

「……」

「ああ、キミたちも己が信じることをすればいい。僕はキミたちを信じているよ。そうだろう、藤原くん?」

「…………ああ、分かっているとも」

「頼もしいね。では、また後程」

「良い土産話を持って帰るよ―――」

「……行っちゃいましたね」

「……行ったな」

「……始まるんですか? ついに」

「……いや、始まりなどしない」

「―――終わらせるの」

「く、九曜さん……いたんですか」

「いるわよ―――ずっと――――――……どこにだって」

「……ハァ、橘。僕も準備の最終段階に取り掛かる。お前も、自分のすべきことをしろ」

「それが、僕たちがここにいる理由……利害の一致だろう」

「……はい」

「―――」

「…………佐々木さん」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/06(火) 15:03:17.93 ID:10MDNQqu0

ここまでー


前スレ

ハルヒ「キョンTUEEEE!!!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440765266/

ハルヒ「キョンTUEEEEE!!!!!」 キョン「退屈しないだろ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441618557/

ハルヒ「キョンTUEEEEEE!!!!!!」 キョン「暴走するなよ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444835920/

ハルヒ「キョンTUEEEEEEE!!!!!!!」 キョン「消失してるぞ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446966133/

ハルヒ「キョンTUEEEEEEEE!!!!!!!!」キョン「動揺してるな?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450521607/

ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEE!!!!!!!!!」 キョン「憂鬱入ってるよなぁ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455258389/

ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」 キョン「陰謀だろうな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462708290/

ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」 キョン「憤慨してみたり」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482558156/l50


9スレ目です。あと数える程ですが、よろしくどうぞ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 15:10:01.05 ID:GOrC6n2Yo
おつ!待ってた!
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 15:16:00.17 ID:W5hpk/8xo
乙!
今回も期待してる
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 15:46:36.55 ID:jkwNKiUjO
きゃっほーい!待ってたかいあるぜ!
12 :全知全能の神未来を知る金髪王子様の須賀京太郎様 :2017/06/06(火) 16:56:28.95 ID:NhIRqCYh0
今ワンパンマン全話見終わってソールイーター全話みて長門有希ちゃんの消失全話見る予定ですオススメの終わったアニメ在りませんか
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 18:31:15.85 ID:pb276mwd0
>ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」
キョンはいつも分裂してるじゃんww
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 18:55:59.46 ID:0PL+LbarO
>>13
キョン・キョン子「「そうだっけ?」」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 19:02:52.32 ID:aDQZsIysO
>>13
キョン1「そうだっけ?」

キョン2「そんなことないよな?」

キョン3「そうだぞ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:18:11.14 ID:+8kTd2k7o
原作を分裂まで読んでないのについにこのスレに追いつかれてしまった……あ、立て乙。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:19:10.43 ID:qWqluxQXo
分裂よりすげぇことしてんだろお前
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:25:55.74 ID:CIr4BmUA0
キョンにとっての分裂は六道ナルトが影分身するくらい大した事ないな。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:26:51.23 ID:aki/JxO+0
待ってましたぁ!
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 17:32:41.12 ID:MjRPhRdY0
18時から投下しますー
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 17:39:25.55 ID:9kBbPlmnO
りょうかい
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 17:56:29.60 ID:MjRPhRdY0
とうかー
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 17:58:57.12 ID:MjRPhRdY0

キョン「……Zzz」

キョン妹「……」ジリジリ

キョン「……z」ピクッ

キョン妹「……!」バッ!!

キョン「っ……はいっ!」ガシッ!

キョン妹「あははー! キョンくん起きた―!! 目―さめたー?」

キョン「ああ、一瞬で醒めたよ。やれやれ、春休み最終日だって言うのに朝から騒がしいな」

キョン妹「今日は、フリ、フリ……ふりかけ?」

キョン「フリマ。フリーマーケットな。なにか面白そうなモンがあったら土産に持って帰ってきてやるよ」

キョン妹「わーーい!! お土産だー!」ピョンピョーン!

キョン「ふぅ……さて、準備するか」

キョン「(…………ん? なんだ?)」ザワッ

キョン「……『佐々木』か?」

キョン「…………いや、まさかな」




























「♪〜」

「いつぶりになるんだろうね。去年? 1年? はたまた半世紀か……なんにせよ」

「心躍るのは、キミが僕の『親友』であるからなのかな? くつくつ」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:04:11.36 ID:MjRPhRdY0

キョン妹「いってらっしゃーい!」ブンブン!

キョン「行ってきー」シュン!






キョン「こんちはー」シュン!

古泉「おや、こんにちは」

朝比奈「あっ、キョンくん。こんにちはぁ」

長門「……」

朝倉「こんにちは。ホントにみんな集まるのが早いわね。今日は長門さんと一緒に来たんだけど……」

キョン「直にハルヒも来るだろうから、実質、集合時間1時間前には活動開始って感じだな」

朝倉「集合時間の設定の無意味さよね……」

ハルヒ「おーい!」タタッ!

古泉「いらっしゃいましたよ」

ハルヒ「おまたせっ!」

朝比奈「こんにちはぁ、涼宮さん」

朝倉「こんにちは」

ハルヒ「うんうん! みんな揃ってるわね! それじゃいつもの喫茶店移動して作戦会議よ!!」

キョン「…………」

長門「……どうかした?」

キョン「ん? あぁ、いや……大したことないさ」

長門「…………そう」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:08:20.92 ID:MjRPhRdY0

キョン「新入団員だぁ?」

朝比奈「えっ?」

ハルヒ「そうよ!! まだ言う前だったけど!! 新入団員!!」

朝倉「新入団員って……もしかして新入生から探すってこと?」

ハルヒ「朝倉さん! 10ポイント!! 正解よ正解!」

朝倉「どこで使えるポイントなのかしら。『スーパー平安時代!!』で使えればいいんだけど……」

古泉「涼宮さんはSOS団の増員をお考えで?」

ハルヒ「当然っ、恒久的にSOS団が存在していくためには後継者が必要不可欠だわ!」

キョン「後継者か……」

ハルヒ「いずれあたしたちが卒業しちゃう時に、SOS団を継いでくれる人材を今の内から探しておくのよ!」

朝比奈「あー……卒業かぁ」

古泉「ということは、仮入部受付兼部活説明会に参加するということですね」

ハルヒ「そうよ! ただSOS団で宣伝しちゃうとあの陰険会長がすっ飛んできそうだから、文芸部名義で参加するわ!」

キョン「普通に文芸部に入りたいやつもいるんじゃないか?」

ハルヒ「それは普通に入れてあげればいいじゃない。ねえ有希?」

長門「……」コクリ

キョン「いや、部室……」

ハルヒ「未来ある有能な若者を決して他の部活に取られちゃダメよ!! なんとしてでも有能な新人を見つけるのよ!!」

朝比奈「が、がんばりまぁす!」

古泉「仰せのままに」

キョン子「いっそ新入団員として入部したら……」パッ!

ハルヒ「キョン子!!」ガタッ!

朝倉「そんな何の気なしに出てこないでよ!!!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:12:20.53 ID:MjRPhRdY0

ハルヒ「さっ、出発しゅっぱーつ!!」

朝比奈「何買おうかなぁ……かわいいお茶セットとかあればいいなぁ」

古泉「レトロゲームの収集が捗ればいいのですが」

キョン「次のフリマで売るものを買ってるだけじゃねえか」

朝倉「長門さんは何か欲しいものの目星でもあるの?」

長門「…………」

長門「鮭」

朝倉「なんでっ!!?!?」ガーン!

キョン「…………?」

古泉「どうかされましたか?」

キョン「えっ、あぁいや、なんでもない」

古泉「……そうですか」

キョン「(……なんだってんだ? 一体)」ザワッ

キョン「(消失事件の際にも感じたこの胸騒ぎ……何が起きようというんだ?)」

キョン「(……こんな時に限ってろくに未来も見えやしねぇし)」

キョン「………………誰なんだよ」





























「―――おっと、もうそろそろかな?」

「目新しいものにうつつを抜かしている場合ではないね。しかし、これは九曜さんへのお土産としよう」

「先に随分と楽しんでしまったが、本当のお楽しみはこれからだ」

「待ち侘びたよ、キョン」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:17:11.85 ID:MjRPhRdY0

ハルヒ「電車がゆーれーるー、みくるちゃんをのーせーてー♪」ドナドナドナ

朝比奈「うふふ、面白い歌ですね。童謡ですか?」

朝倉「本当は悲しい歌なんです。朝比奈先輩……」

キョン「…………」

長門「……」

古泉「……」

朝倉「……そっちはそっちで。三者三様、随分考え込んでるみたいだけど?」

ハルヒ「む、そうよ三人とも! これから楽しい楽しいフリマが待ってるってのになによその浮かない顔は!!」

キョン「……」フワフワ

ハルヒ「こらーっ!!! 体だけ浮いてもしかたないでしょーが!!!」

朝倉「(やると思った……)」

キョン「ったく……電車の中ぐらい静かにしろっての」

ハルヒ「わきまえてるわよ。どっちかと言えばあんたの方が迷惑じゃないの」

古泉「……いやはや。フリーマーケットでどのような商品を購入しようと真剣に考慮していたもので……」

ハルヒ「そうだったのね! それはとてもいいことよ古泉くん! 慧眼は常日頃から鍛えるものだもの!」

キョン「俺も実はそうだったんだよ。一体どんな古墳が売られているのかと思うとな」

ハルヒ「古墳は多分扱われてないと思うけど!!?!?!?」ガーン!

朝比奈「こ、ふん……こふん? こふん!」

長門「…………」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:21:57.22 ID:MjRPhRdY0

ハルヒ「ついたーーーっ!!!」バンッ!

キョン「ついてしまったか……」

朝倉「なんでちょっと嫌そうなのよ」

ハルヒ「さーて片っ端から物色していくわよ!! みんな何か珍しいものあったらすぐ報告ちょうだい!!」

朝比奈「あ」

ハルヒ「どしたのみくるちゃん!!? さっそく何か見つけた!!?」バッ!

朝比奈「えっと、はい。あの……珍しいと言えば珍しい」

ハルヒ「うんうん!! なになに!!?」

国木田「やあ。みんなおそろいで、団活中かな?」

ハルヒ「……」

朝比奈「国木田くんが……いました」

キョン「おぉ国木田か。変な偶然だな」

朝倉「あらホント。なんとなく珍しいわね、こんなところにいるのは」

ハルヒ「…………絶妙に反応しづらいわーーーーっっっ!!!!!」ビシッ!

朝比奈「ふええっ!!?」

国木田「あははっ。ご期待に添えていないようで逆に安心したよ。ごめんね涼宮さん」

ハルヒ「あ、いや、国木田くんが悪いわけじゃ……谷河!!! 谷河はどこっ!!?」

国木田「谷口? 谷口なら今日は一緒じゃないよ。僕一人で来たんだ」

ハルヒ「ふぐぐっ……!」

キョン「怒りともいえぬモヤモヤを谷辺にぶつけるつもりだったなコイツ」ハッ

古泉「谷口さんです」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:22:46.83 ID:MjRPhRdY0















「あ、いたいた―――」














30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:26:26.51 ID:MjRPhRdY0

キョン「で、なんでお前は1人でこんなとこにいるんだよ?」

国木田「勉強の気分転換がてらにね。少し珍しいものでも見ようかと―――」

「やあ、キョンじゃないか。それに国木田くんまで」

キョン「ん?」

ハルヒ「えっ?」

国木田「わぁ……」

「どこかで見た顔と思えば……随分と久しいじゃないか」

古泉「……」ピクッ

キョン「おーっ!! なんだなんだ、1年ぶりか? 久しぶりじゃねえか!」

朝比奈「キョンくんのお知りあい、ですかね……? あれ?」

ハルヒ「……みたいね。国木田くんも知ってるみたいだし、中学の知り合いっぽいわね」

国木田「僕も会うのは久しぶりだね。元気にしてた?」

「おかげ様で息災さ。国木田くんも元気そうで何より。しかし全国模試の会場で目にしたのはキミではなかったのかな?」

国木田「なんだ、やっぱり気づいてたんだ。さすがだね」

朝倉「…………え? あれ?」

長門「……」

キョン「いやー懐かしいな本当に」

「くつくつ、とんだ偶然というほかないね」

古泉「…………っ?」

ハルヒ「……結構仲良さそうね」

朝比奈「……みたい、ですね」

キョン「お前から何の音沙汰もないもんだからよ」

「連絡を寄越さなかったのはキミの方も同じだろう?」

キョン「ん、そういやそうか。いやしかし、本当に久しぶりだな」ハハッ

朝倉「待って……っ! キョンくん! その人―――っ!!」

キョン「ああ、紹介しよう。こいつは俺の中学時代の友人でな」

古泉「……っ!?」

キョン「名を――――――」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:27:20.18 ID:MjRPhRdY0



















佐々木「佐々木と申します。以後―――お見知りおきを」


























キョン「―――――――――――――――あ?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:27:52.97 ID:MjRPhRdY0
ここまでーー
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 19:35:24.84 ID:p6uKpXKHO
いいところで…ぐぬぬ乙
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 20:31:24.32 ID:FwBMulNHo

なるほどな
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 20:32:04.12 ID:e+c89XaZ0
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 22:13:58.16 ID:V3eDWghw0
これは…乙
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 22:52:29.05 ID:hhxK86Gvo

…キョン大丈夫か?
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 08:39:11.80 ID:I7sccLwD0
俺の嫁が降臨した
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 11:55:15.95 ID:OqUd7CXEO
>>38
キョン子「照れるぜ」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 12:58:27.53 ID:I7sccLwD0
>>39 キョン子は愛人
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 15:32:40.11 ID:MAxNIo2QO
>>38
古泉「んっふ。照れますね。」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 17:24:59.07 ID:YqCqtS1Y0

>>38
長門は俺の嫁

18時より投下しますー
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 17:25:01.38 ID:zdOXEQGaO
国木田かな?
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:01:27.84 ID:YqCqtS1Y0
とうかー
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:05:05.63 ID:YqCqtS1Y0

朝比奈・朝倉「「……っ!!?」」

ハルヒ「みくるちゃん? どうかした?」

国木田「佐々木……? えっと……」

佐々木「ああ、動揺させてすまないね。家庭の事情ってやつだよ。できればこれからは佐々木と、そう呼んでもらえるとありがたいね」

国木田「へー……そうだったんだ。佐々木さんだね。分かった」

古泉「…………改めまして、古泉一樹と申します。よろしく」ニコッ

佐々木「こちらこそ、佐々木と申します。よろしく」ニコッ

佐々木「そちらの方たちも、ご紹介いただけるとありがたいのですが……涼宮さん」

ハルヒ「えっ? あたし? ってなんであたしのこと知って……」

佐々木「ご友人を紹介いただいてもよろしいですか?」

ハルヒ「……まぁ、いいけど。簡単に、そっちのかわいいのがみくるちゃん、あっちのかわいいのが有希で、こっちが朝倉さん」

朝比奈「あ、ど、どうも」

長門「……」

朝倉「……どう、って涼宮さんその紹介はなんか不服だわ」

佐々木「……初めまして」ニコッ

朝倉「……っ」

佐々木「キョンの友人と交友を深めたいと思ったのですが、生憎、時間の都合上そうもいかないようです」

ハルヒ「え、ええ。こっちも残念だわ」

佐々木「わたしはここで失礼します。それじゃあキョン。また会おう」クルッ

キョン「………………」

朝倉「……っ、キョンくん! しっかりして!!」ボソッ!

キョン「―――っ!」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:09:26.32 ID:YqCqtS1Y0

『くつくつ、君も、面白い力を持つようだね』






『やあ、やはりまた会えたね。輪廻転生を凌駕してる? そんな大層なモノじゃないさ』






『久しぶり。また見つけてもらえてよかったよ。キミは随分僕に熱をあげて……冗談だよ』






『おや、キョンじゃないか。見てくれないか? どうだい? 着物を新調した。似合うかい?』






『―――キョン、ひょっとすればもう次は…………けどねキョン、だからこそ言わせてもらうよ』


















『またね―――親友』

ハルヒ「キョン? なにボーっとしてんの?」

キョン「っ―――!!」ドクン!
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:13:31.63 ID:YqCqtS1Y0

キョン「……ま、待てっ!」

佐々木「……」ピタッ

キョン「……い、つ……からだ?」

ハルヒ「? 何言ってんのキョン?」

佐々木「いつ、か。さあね? 気づけば僕は『佐々木』になっていた、とでも言えばいいのかな?」

佐々木「元々の潜在的な何かが、ふとした拍子に顕在化した。尤も、それがいつだったのかは記憶にないが」

佐々木「キミもよく知る僕のお仲間が言うには、それはごく最近、去年の冬頃覚醒したと言ってはいたが……」

佐々木「もしかすれば、あの中学3年生の時点で、僕が『僕』であった可能性も、等しく存在するんだよ」

古泉「……」

長門「……」

朝倉「……っ!」

ハルヒ「……不思議な人ね、みくるちゃん」

朝比奈「ふえっ!? あぁ、そ、そうです、ね……」

キョン「…………」

佐々木「……くつくつ。まぁ、僕が今日この場に現れたのはサプライズ、アクシデント……ドッキリというべきかな?」

佐々木「ともかく、近々。今度は僕が紹介したい友人を連れてくるよ」

佐々木「詳細は……また、その時にでも、ね。それじゃあね―――」

佐々木「『親友』」スタスタ

ハルヒ「親友…………」

キョン「…………っ、ハァ……ハァ」

国木田「苗字は変わったみたいだけど、性格自体は何も変わっていなかったね……キョン? どうしたの?」

ハルヒ「ちょっと、キョン? 大丈夫? 久しぶりに友達と会ってビックリしたのは分かるけど……大丈夫?」

朝倉「……涼宮さん」

古泉「……少し、休憩しましょうか。彼も移動の疲れがあったのかもしれませんしね」

ハルヒ「ん……そうね! もっかい見て回るところの確認でもしましょ!」

古泉「よければ、国木田さんもご一緒に」ニコッ

国木田「え? 僕も?」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:17:19.31 ID:YqCqtS1Y0

ハルヒ「まずは新入生を歓迎するとき用に新しい衣装を探したいからー……みくるちゃん、聞いてる?」

朝比奈「……ふえぁっ!? き、聞いてますよぉ。うーん……」





国木田「彼女? さっき会った、あー……佐々木さんのことかな?」

古泉「ええ、非常にミステリアスな方であったため、どのような方なのか気になりましてね」

国木田「いいよ、僕の知る範囲でよければ教えるよ。キョンも言ってた通り彼女は僕たちの中学3年生の時のクラスメイトでね」

国木田「とりわけキョンと仲が良かったんだ。ああ、僕の見る限りではね」

古泉「へえ……」

長門「…………」

国木田「特徴的な話し方をしているけど、彼女は頭も要領も良いし、おそらく性格もいいと思うよ」

国木田「つまりはほとんど一般的な、一中学生女子だったって印象だね」

古泉「なるほど……では、彼女が彼のことを親友と呼んでいたのは?」

国木田「単純に距離感の話じゃないかな? 二人の関係性はそう呼んでも過言じゃないように思えたしね」

朝倉「親友なのに1年間連絡を取ってなかったってこと?」

国木田「みたいだね。その理由は……まぁ、キョンしかしらないよね」

朝倉「だよね。そこのところどうなの? キョンくん」

キョン「…………」

朝倉「おーい。応答せよーキョンくーん」

キョン「…………」

朝倉「……あらら」

国木田「どうしたんだいキョンさっきから? 本当に体調でも悪くなったのかい?」

古泉「(……彼が話すのを待った方が良いかもしれませんね。僕たちよりも遥かに状況を理解しているはずでしょうし)」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:21:55.66 ID:YqCqtS1Y0

国木田「いやいや。ちゃんと何度も確認したよ? でも決まって二人共言うんだ」

朝倉「『付き合ってるわけじゃない』……ね」

国木田「そうそう。どこからどうみたってそうにしか見えないのにね。っと」

国木田「ごめん、そろそろ帰るよ。僕の予定では自習の時間がまだ控えてるからね」

古泉「これはこれは、お時間を御取りして申し訳ありませんでした。貴重なお話をありがとうございます」

朝倉「ごめんね国木田くん。ありがとう」

国木田「いやいや、いいよ。また面白そうなことするなら誘ってね。ついでに谷口も呼んどくからさ。それじゃ」

古泉「……」

朝倉「……で?」

キョン「……」

朝倉「あたしたちはもう結構、落ち着いたうえで焦ってるんだけど……古泉くん」

古泉「そうは言いますが、やはり彼の受けた衝撃は我々とは比べ物にはならないでしょう」

朝倉「だからって……いつまでもこんな―――っ!」

キョン「……分かった」

朝倉「―――え?」

古泉「なにが……分かったのですか?」

キョン「今日はフリマで国債を買う。うん、そうする!」ドーン!

朝倉・古泉「「……は!?」」

ハルヒ「みんなーっ! あ、キョンも元気になってるじゃない! よしよし! てわけで!」

ハルヒ「動き出すわよーっ!! SOS団出陣!!」オーッ!

キョン「おぉおぉおお!!!」

朝倉「……おぉう!!?」

古泉「ちょっと……えぇ……!?」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:25:21.53 ID:YqCqtS1Y0

「ただいま」

「あっ、佐々木さん! おかえりなさい」

「無事帰ってきたよ。はい、橘さんこれはあなたへのお土産です」

「え、ど、どうも……?」

「はい、九曜さんにはこれ。藤原くんにはこれを差し上げよう」

「―――ふっ―――そう」

「…………それで、どうだった?」

「うん。いい買い物もできたし、まぁ、久しぶりに彼に出会えてよかったよ、というのが個人的な感想」

「……」

「それと組織的な結果としては、うん。大丈夫、良くて半々ぐらいの確率はあるよ。なんとなくそう感じた」

「良くて半々……ですか? それになんとなくって……」

「…………ふっ、ならば問題はないな」

「ああ、なんの問題もないよ。着実に目標へ向かって前進している」

「半々……半々かぁ……」

「―――彼女の―――感想は?」

「彼女? あぁ、涼宮さんのことかい? そうだね……」

「やっぱり相応しいね、彼女は。それに尽きる。そんなところかな」

「―――ふふっ……あ―――はは!」

「ふ、相応しい……? 何がですか? 何のことなんですか?」

「くつくつ。なんでもないよ橘さん。他愛もない―――」

「―――愚痴みたいなものさ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:27:52.30 ID:YqCqtS1Y0
ここまでー
聡明な方々が予想していた通りの展開?になりつつあります
ペースが安定しているのは書き溜めがあるからであり、なくなれば…………です
安定投下を目指して頑張るます
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:30:23.46 ID:fuMbSHt3O
聡明じゃないワイにはわからんな乙
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:49:26.79 ID:C8QIcaXlO
もしやショック受けたのは佐々木に狙ってたいいのを取られたからとか
「いつから」には「いつから狙っていた」ってニュアンスが含まれてる?
いいのを取られたかキョンは次にいいのを狙うために考えていた?
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:52:15.59 ID:MaRUOpaOO
おつおつー
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:53:09.21 ID:ABpI8on9O
あーなるほどねー
聡明だからわかったわーそういうことかー
いやーそうくるとはねー聡明でよかったー
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:58:05.43 ID:gyGTif5Co
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 20:39:25.33 ID:LJta9/Xo0
長門は俺たちの嫁 これで解決
そして乙
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 20:40:28.99 ID:ZYH/4ykdO
オレが……オレたちが長門の旦那だッ!
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 08:52:32.98 ID:3YYysgtSO
キョンが企みを全部台無しにしてくれるのを楽しみにしてる
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:06:42.09 ID:+O8N3K5G0
22時半より投下しますー
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:29:18.65 ID:+O8N3K5G0
とうかー
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:31:47.62 ID:+O8N3K5G0

古泉「…………」

古泉「(結局、あれからフリーマーケット巡りは無難に終わり、彼から『佐々木』さんについて語られることはなかった)」

古泉「(彼が何を知ったのか……その答えについてなにかお話いただけると期待しましたが……)」

古泉「よもや、この空間の相手が先とは……」



オォオオオォオォォオオォオォォォォォオオオォォォオオオォオォォォォオォォオオオォォォオオオォオオオ!!!!!!



古泉「閉鎖空間……このところ涼宮さんが落ち着いていたため、久しぶりに感じますね」

古泉「原因は……まぁ言わずとも分かるでしょう。なので……」

古泉「一仕事終えたら、付き合ってもらいますよ―――いいですよね?」

キョン「さっさと行け」バーンッ!

古泉「了解っ!」ドンッッ!!








朝倉「……昼間」

キョン「……はい」

長門「……」

朝倉「なんの説明もせず帰ったのは、ちゃんと時間と場所を変えて説明するつもりだったと?」

キョン「はい……ちゃんと古泉と朝比奈さんのところにも同時に行っています」

朝倉「どう……それはいいとして。まぁきちんと状況説明してくれるなら文句はないわ。聞かせて頂戴」

長門「……わたしも、聞かせてほしい」

キョン「ああ、そのために来たんだからな」








朝比奈「…………」プスプス

キョン「朝比奈さん!? 朝比奈さん!!? 朝比奈さーん!?」

朝比奈「……うへ、あは? 『佐々木』しゃんがキョンくんの中学の? あえ?」

キョン「正気!! 正気に戻ってください朝比奈さん!! クソッ!」

朝比奈「でも、未来は?? 過去がこうで、あれはあーだから?? あええぇ!?」

キョン「説明しにきたら、既にショートしてパンク寸前の朝比奈さんがいた!? なんだこの状況!?」

朝比奈「うぅ……禁則事項? えぇーっと……なんでしたっけ?? PPAP?」

キョン「朝比奈さーーーーーーーん!!!!!!」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:36:29.16 ID:+O8N3K5G0

古泉「ふぅ……戻りました」シュウゥ

キョン「早いな。残業はなしか?」

古泉「ええ、あとは森さんたちに頼みましたよ。あなたを長く待たせるわけにもいきませんしね」

古泉「まったく、あなたも罪なお方だ。こうも簡単に涼宮さんの心理状態を左右させることができるのですから」

キョン「愚痴はまた今度だ。俺も長く話すつもりはない。この場で簡潔に、分かりやすく、テストに出るトコだけを伝えるからな!」

古泉「はい。余裕を取り戻していただいてホッとしましたよ」

キョン「まず、今日会った佐々木だがあいつは元々―――」






朝倉「ええ、ホントにただのクラスメイトだったってのは国木田くんから聞いたわ」

キョン「当時はな。俺がヤツの『力』に気づいていなかった可能性もなくはないが……」

長門「では、いつから彼女はその『力』を自覚した?」

キョン「ま、佐々木が言ってたように、完全に覚醒したのはごく最近の去年の冬頃と考えるのが妥当かもな」

朝倉「そもそも……どうしてあの佐々木さんに『力』が? 今は涼宮さんが持ってるはずでしょ?」

長門「今代の『器』が涼宮ハルヒであるのは間違いないはず」

キョン「あぁ、そうだ。だがあの佐々木は―――」






朝比奈「ふええっ!!? きょ、今日会った佐々木さんは『佐々木』さんの子孫!!?? ええっ??」プスプス

キョン「あ、朝比奈さん冷静に……煙が出かかってます。鶴屋さんが『佐々木』の子孫であるって話はご存じですよね」

朝比奈「え、ええ……古泉くんから聞いてビックリしましたけど……ということは鶴屋さんと佐々木さんは親戚同士?」

キョン「何代も前に血を分けた遠縁の親戚ですがね」

朝比奈「な、なんで佐々木さんが『佐々木』さんの子孫だって分かったんですか?」

キョン「俺は感覚的に『佐々木』の子孫にあたる人間を理解できます。なので中学時代からあいつが子孫であることは知っていました」

朝比奈「え、ええぇ……?? えええぇ??」

キョン「でも、正直言って『佐々木』の子孫なんて数えりゃ山ほどいるんで特に珍しくはないんです」

朝比奈「そ、そうなんですね……なんか、スケールの大きい話ですね」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:41:22.46 ID:+O8N3K5G0

古泉「しかし、それがなぜ、彼女が『力』を有している理由になるのですか?」






朝倉「鶴屋先輩だって『佐々木』の子孫だけど『力』は持ってないでしょ?」






長門「イレギュラー……ではない。前提条件がイレギュラーそのものだった?」






朝比奈「えーっと……じゃあ『佐々木』さんは本当は―――」












キョン「……まあ、検討はついていただろうが」

キョン「概ね、みんなが思っている通りだよ。やっぱり、ハルヒってのは超特大のイレギュラーなんだ」

キョン「『佐々木』の生まれ変わりっつう属性を持ちながら血の繋がりはなく、本来なら『器』には選ばれることはなかった」

キョン「誰が決めたか、どんなルールに従ったかは知らんが、事実として言えるのは―――」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:42:31.50 ID:+O8N3K5G0
















キョン「アイツは……佐々木は、本来なら今代の『器』になるはずだった『力』の正当後継者だ」














66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:47:07.60 ID:+O8N3K5G0

古泉「…………」

キョン「むしろ『力』を持ってしかるべきヤツなんだ、アイツは」

古泉「それが……」

キョン「涼宮ハルヒによって正常に受け継がれなかった。俺はハルヒが突然変異で『佐々木』という自我を押し込めたと思ってたが……」

古泉「『佐々木』の自我は受け継がれていた。それも、正当な後継者に……」

キョン「『佐々木』として覚醒するのが随分遅かったがな。おかげであんなドッキリを仕掛けられる羽目になった」

古泉「……では『力』は現在、涼宮さんと佐々木さんのお二方に分裂しているということですか?」

キョン「そうなる。だが力関係で言えば佐々木が圧倒だ。ハルヒは扱いきれていないからな」

古泉「そうですか……」






朝倉「『力』を奪った涼宮さんの方が覚醒が早いなんて……おかしなものね」

キョン「だが今の佐々木の『力』はハルヒと比べるまでもなく強いぞ」

長門「……あなたよりも?」

キョン「それは…………どうだろうな? ハルヒに奪われた分、俺の方がちっとは強いかもな」ハハ

朝倉「女の子にハンデもらうとか……」

キョン「……」

朝倉「あと聞きたかったことなんだけど、キョンくん。今日佐々木さんに会うまで『佐々木』はナンだと思ってたの?」

キョン「ナンだとは思ってないぞ。カレーにつけようだなんてそんな……」

長門「カレー?」ピクッ

朝倉「キョンくん?」ニコッ

キョン「はい、お答えしますとですね―――」キリッ






朝比奈「えっ、じゃあキョンくんは『力』の正当後継者が涼宮さんの他に存在することを知っていたんですか?」

キョン「まあ、憶測や可能性の域を出ない範囲でしたがね。それがあの佐々木だったことがアンビリーバボーだったわけですが……」

キョン「思えばずっと佐々木佐々木言ってたんだよなぁ……あれは『力』のことじゃなくて当人の苗字だったとはなぁ……」

キョン「オホン、とにかく。俺が驚いたのは『佐々木』が佐々木であったこと。ややこしい言い回しですいません」

キョン「『力』を有すべき本来の正当後継者が他にいたとかは正直、想定の範囲内です」

朝比奈「は、はい……ちょっとまだ少し混乱してるんですけど……」

朝比奈「それで……その、佐々木さんが、姿を現したということは……何かが起きる、起こすということです、よね……?」

キョン「はい。そしてその目的は―――」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:52:44.40 ID:+O8N3K5G0












「『力』の統合……涼宮ハルヒが持つ『力』の一端を、アンタの『力』と統合させ、『佐々木』を完成させる」













「……今更だが確認だ。この目的に異を唱える者は?」

「いいえ……」

「―――ないわ―――」

「結構だよ」

「……よし。目的を達成次第、各々自らの行動方針に従い行動する……が」

「アンタに限って言えばこれは当てはまらない。『佐々木』としての『力』を僕たちに供与する義務がある」

「ああ、いいとも。思う存分使ってくれて構わないよ」

「……僕から言うことは以上だ」

「あの……もし、計画が上手くいかなかったら……?」

「心配はいらないさ。今まで幾度なく失敗を重ねた分、その対応については僕たちは玄人を名乗ってもいいだろう」

「は、はぁ……」

「……臨機応変に対応する。それだけだ」

「(大丈夫かな……?)」

「―――くす」

「おや、何か嬉しいことでもあったのかい九曜さん。思わず笑みが零れるぐらいに」

「―――ええ――――――人形劇……踊れ―――踊れ」

「われらは―――天蓋より―――俯瞰する者」クスクス

「九曜さん……こ、壊れた?」

「いいえ橘さん。彼女も楽しみのようだよ」

「僕たちが織り成す、輪舞曲をね」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:55:52.11 ID:+O8N3K5G0

古泉「『力』の統合……ですか」

キョン「ああ」

古泉「……やはりといいますか、我々『機関』が調べ上げた通りの回答です」

キョン「まあな。ここまで来て他の目的があるとは考えづらいだろ」

古泉「具体的にどうやって……と、聞きたいところではありますが……」

キョン「どうとでもなるんだろ。佐々木になら腐るほど手段はあるだろうさ」

古泉「あなたがそうであるように?」

キョン「アイツがそうであるように。俺にだってできることはあるさ」

古泉「さすがです。心底、信頼いたしますよ」

キョン「当然、お前にもあるんだろう?」

古泉「もちろんですよ。涼宮さん及びSOS団は僕にとって全てをかけて守るべき対象ですから」

キョン「頼りにしてるぜ副団長」

古泉「全力を尽くします」

キョン「そんじゃ今日は帰るとする。じゃあな」シュン!

古泉「ええ、また明日……」

古泉「それにしても……」

古泉「………………橘京子、か」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:57:03.58 ID:+O8N3K5G0

古泉「『力』の統合……ですか」

キョン「ああ」

古泉「……やはりといいますか、我々『機関』が調べ上げた通りの回答です」

キョン「まあな。ここまで来て他の目的があるとは考えにくいだろ」

古泉「具体的にどうやって……と、聞きたいところではありますが……」

キョン「どうとでもなるんだろ。佐々木になら腐るほど手段はあるだろうさ」

古泉「あなたがそうであるように?」

キョン「アイツがそうであるように。俺にだってできることはあるさ」

古泉「さすがです。心底、信頼いたしますよ」

キョン「当然、お前にもあるんだろう?」

古泉「もちろんですよ。涼宮さん及びSOS団は僕にとって全てをかけて守るべき対象ですから」

キョン「頼りにしてるぜ副団長」

古泉「全力を尽くします」

キョン「そんじゃ今日は帰るとする。じゃあな」シュン!

古泉「ええ、また明日……」

古泉「それにしても……」

古泉「………………橘京子、か」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:58:08.04 ID:+O8N3K5G0
>>69
連投ミスです
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 23:01:10.34 ID:+O8N3K5G0

キョン「じゃあな―――」シュン!

朝倉「……」

長門「……」

朝倉「……あー! やだやだ! もうホントに手に負えない状況になってきてない!?」

長門「そう?」

朝倉「そう思わない!? 未来人、宇宙人、超能力者に『力』にキョンくんまでいるのよ?」

朝倉「宇宙の中の辺鄙な星での出来事にしちゃちょっと壮大過ぎない? 収まりつくのこれ!?」

長門「……慌てる程じゃない」

朝倉「慌てるわよ!! 観察対象である涼宮さんを堂々と狙うって宣戦布告を受けてるのよ!? しかも敵の大将から!」

長門「そうは言ってない」

朝倉「言ってるようなもんじゃない!! あぁ……自律進化の可能性を探りに来た地でこんなことになるなんて……」

長門「不服?」

朝倉「不ふ……どっちかって言うと」

朝倉「今のこの生活を脅かされてることのほうが不服!! 黙ってやられてやるわけにはいかないわ!」

朝倉「今こそ、敵勢力に対して強行的な対抗策を講じるべきよ!! 相手がキョンくんじゃなきゃまだなんとかなるでしょ!!」

長門「わたしも、そのつもり」

朝倉「……ナイフ砥いどこ!」フンス!

長門「今はナイフより、包丁を砥いでご飯を……」
174.75 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)