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海未「二つの光に導かれて」
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241 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:17:38.33 ID:hUOeONTF0
海未(これ以上起きててもいいことはないので寝ようと思った時でした)
コンッコンッ
海未「!!」
海未(突然真横の壁から音がきこえました)
コンッコンッ
海未「こっちの壁は…花陽さんですか…?」
コンッコンッ
海未「………」
コンコンッ
海未(私もなんとなく壁を優しく叩いてみる)
242 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:18:42.81 ID:hUOeONTF0
コンッコンッコンッ
コンコンコンッ
コンッコンッコンッコンッ
コンコンコンコンッ
海未「…ふふふっ」
海未(この壁の叩き合いは2分ほど続きました)
海未(そして2分するとまったく鳴らなくなり飽きたのかなと思い目を瞑りました)
トンットンッ
海未「!!」
「入ってもいいですか?」
243 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:20:05.58 ID:hUOeONTF0
海未「ど、どうぞ」
ガチャッ
花陽「えへへ…」
海未「どうかしましたか?」
花陽「一緒に…寝てもいいですか?」
海未「…!」
海未(可愛らしいパジャマで入ってきたのは花陽さんでした)
海未「はい、いいですよ」フフッ
花陽「!」パアアア
花陽「は、はいりますね」
海未「はい」
バサッ
244 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:21:30.38 ID:hUOeONTF0
花陽「………」
海未「………」
花陽「手…握ってもいいですか?」
海未「いいですよ」
ギュッ
花陽「温かい…」
海未「…急にどうしたんですか?」
花陽「最初に会って優しくしてもらった時から…一度だけでも甘えたいなって…」デレデレ
海未「…ふふっそうでしたか」クスッ
花陽「わ、笑わないでください!」
245 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:23:14.75 ID:hUOeONTF0
海未「す、すいません…つい…」クスクス
花陽「も、もう…」
海未「…ことりには甘えないんですか?」
花陽「お姉ちゃんは…もう散々甘えちゃってもう甘えれないから…こんな歳だし…」
海未「そうですか、でもことりもきっと花陽さんが甘えてくれたら喜びますよ、今日花陽さんが振り向いてくれないってことりがいってましたもの」
花陽「そ、そうなんですか?!」
海未「はい、ことりはただ鈍感だったみたいですね」クスクス
花陽「もう…お姉ちゃんそんなこといって…」
花陽「…後、花陽さんじゃなくて花陽って呼んでくれませんか?」
海未「…分かりました」
246 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:24:33.51 ID:hUOeONTF0
花陽「……」ニコニコ
海未「…?なんですか?」
花陽「言ってくれないんですか?」
海未「あ、あーすいません、花陽」
花陽「はいっ♪」
海未「………」
海未(この姉妹はあんまり似てないって思ってましたがそれはどうやら勘違いだったようです)
海未(ものすごい似てる…!)
花陽「えへへ…海未お姉ちゃん♪」ギュギュッ
海未「く、苦しいですよ」
花陽「ごめんなさい、でも私はこっちがいいから…」
247 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:26:11.37 ID:hUOeONTF0
海未「は、はぁ…」
海未(とても強引なやりかたでしたがこれがあの二人の特徴なのでしょう)
海未(…この二人はすごく強い人たちですが見方を変えればとても弱い人です)
ことり『私…お姉ちゃんにも海未ちゃんを引っ張る先導者にも向いてないのかな…?』ウルッ
理事長『ああいう子なのよ、迷惑かけるのがイヤだからなんでもかんでも自分のいいように済ませちゃって』
海未(そうですね…だからこの二人はつい守ってあげたくなる二人なのかもしれません)
海未(私が守れるかは別の話ですけど…)
花陽「おやすみ、海未お姉ちゃん」ギュッ
海未「はい、おやすみなさい」ナデナデ
248 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:27:58.65 ID:hUOeONTF0
〜次の日、学校
ことり「……」プクー
海未「あ、あのことり」
ことり「もーことり一人残してかよちゃんと寝るなんて…」ムスッ
海未「す、すいません…花陽が一緒に寝ようといってきたもので…」
ことり「ことりは海未ちゃんが迷惑かなと思って海未ちゃんの部屋に行かなかったのに…いいならいってよ!」
海未「す、すいません…」
249 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:29:17.62 ID:hUOeONTF0
穂乃果「海未ちゃん海未ちゃーん!」
ギューッ
海未「わぁ?!」
ドサッ
海未「うっいったぁ…」
穂乃果「あはは…ごめんね」
海未「なんですか穂乃果…」
穂乃果「なんですかじゃないよ!誰のところにいくの?!」
ことり「!」
ことり「そ、そうだよ海未ちゃん!誰のところにいくの?!」
250 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:30:16.24 ID:hUOeONTF0
穂乃果「ん?」
ことり「ん?」
ことほの「海未ちゃんこの子は?」
海未「お、お世話になったところの娘さんですよ…」
ことり「そうなんだ、南ことりですっよろしくね♪」
穂乃果「高坂穂乃果だよっ!よろしくね!」
海未「…じゃあいきましょうか」
穂乃果「いやいやまだ話は終わってないよ!」グイーッ
海未「うわぁ?!」ズイッ
251 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:31:11.71 ID:hUOeONTF0
穂乃果「誰のところにいくの!」
ことり「そうだよ!」
海未「それは……」
穂乃果「それは?」
ことり「それは…?」
海未「まだ…決めてません…」
ことほの「えー…」
海未「し、仕方ないじゃないですか!」
海未「とにかくこの話はタブーです、今後やめてくださいよ?」
穂乃果「なにそれ…」
ことり「…」コクコク
252 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:32:07.86 ID:hUOeONTF0
キーンコーンカーンコーン
海未「ほら早く席につく!」
穂乃果「はーい…」
ことり「…まぁ最後まで分からないほうがいいよねっ」ボソッ
ことり(その方が選ばれなくても少しの間はまだがっかりしないで済むから…)
海未「………」
海未(私は迷っていました)
海未(本当の最初、つまり一軒目を終えた時は絶対に穂乃果と凛のところに行こうと思ってました)
253 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:33:34.15 ID:hUOeONTF0
海未(ですが私が巡り合った二人組には色々な想いがありました)
254 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:34:33.65 ID:hUOeONTF0
凛『凛たちのことを選んでくれないかな…?』
穂乃果『行かないでよ…』
穂乃果『私たちの傍にいてよ…ずっと…』
海未(私を傍においておきたい人たち)
255 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:35:29.07 ID:hUOeONTF0
希『年上なんかじゃなくてもいい!ウチは絶対に海未ちゃんを放なさい!』
絵里『私だって海未をお持ち帰りできるならそうしたいわよ!!』
絵里『でも海未にも未来があるの!そんな未来を希が汚すの?!希が海未の未来を縛り付けるの?!』
海未(私を放したくない人たち)
256 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:36:16.23 ID:hUOeONTF0
真姫『もし私たちのところに帰ってきてくれるなら、また歌詞書いてね』
にこ『絶対に帰ってきなさいよね!!』
海未(私を必要としてる人たち)
257 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:37:04.10 ID:hUOeONTF0
ことり『ありがとう海未ちゃん♪海未ちゃんのおかげで写真フォルダが潤ったよぉ〜♪』
花陽『最初に会って優しくしてもらった時から…一度だけでも甘えたいなって…』
海未(私に甘えたい人たち)
258 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:38:18.11 ID:hUOeONTF0
海未(そんなそれぞれの想いを受け取ってたら穂乃果と凛のところにーなんて言ってる場合じゃなく誰のところにいけばいいのか分からなくなってしまいました)
海未(誰を選んでも誰かが傷つくこと、私は知ってたはずなのに…知らないふりをしてたんです)
海未(だから…この確かな時を刻む時間が恋しかったから…)
海未(今日という今日がとても早かった)
259 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:40:07.04 ID:hUOeONTF0
〜昼
希「うーみちゃんっ♪お昼作ったから一緒に食べよー?」
にこ「はいはいストーップ、海未は私たちと食べる?分かった?」
希「なんでや!ウチらの方が早くきたやん!」
にこ「海未は私たちと食べたがってるの、それが分かったらさっさと帰りなさい」シッシッ
希「分からないから帰らないもんねー」ベー
にこ「ぬぁにをぉ?!」
海未「あはは…」
海未(昼はみんな私のところへ来てくれました)
海未(こんなにも私と仲良くしてくれて…でもそれはみんな同じで…)
海未(みんな同じように私と仲良くしてくれるから…余計に誰のところに行けばいいのか分からなくて…)
260 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:41:45.27 ID:hUOeONTF0
凛「海未ちゃんそのおにぎりどう?具は凛の大好きなラーメン!」
海未「お、美味しいですよ!」モグモグ
絵里「希に色々教えてもらってペリメニっていうロシア料理作ったの!どうかしら?」
海未「お、おいひいでふ!」モグモグ
真姫「ほら口に食べ物が溜まってるじゃない、仕方ないからこの私が作ったトマトから出来上がったトマトジュースでも飲みなさい」
海未「ふみまふぇん…」ゴクゴク
花陽「まったくおにぎりの中にラーメンなんておこがましすぎます!」
花陽「ここは私の作った愛情たっぷりのおにぎりを食べてください!」
海未「ふぇ…ふえ〜…」
261 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:42:40.23 ID:hUOeONTF0
海未(堂々巡りをしてるうちに“ここにいる九人全員が家族だったらいいのに”なんていう夢物語を奏でてた)
海未(みんながくれるこの愛情のうち八つ中六つを捨てなければならないなんて残酷すぎて何も答えが見つからなかった)
海未(こんなにもみんな明るく振舞ってくれてるのに、私はこんなにも暗い考えをしてた)
海未(そしてそれは時間が解決してくれる問題じゃなかった)
262 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:44:14.00 ID:hUOeONTF0
キーンコーンカーンコーン
先生「〇〇が〇〇で〜」
海未「……」ボーッ
海未(午後はほとんど授業に集中できませんでした)
海未(中身が空っぽな想像を膨らまして、散々絵空事を育てて)
海未(その時の私に答えを探してる様子はどこにもなかった)
キーンコーンカーンコーン
海未「!!!」
海未(そして気付けば時刻はもう放課後の時間でした)
263 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:45:53.91 ID:hUOeONTF0
穂乃果「海未ちゃーん!一緒にかーえろっ!」
ことり「ことりもことりも!」
海未「す、すいません今日は放課後やることがあるのでまた明日でお願いします」
穂乃果「そ、そっか!分かった!じゃあ“また明日”ね!」
ことり「“また明日”♪」
海未「はい、“また明日”」
スタスタスタ
海未「…はぁ」
海未(穂乃果とことりが放った“また明日”の言葉、神経質な私はこの言葉を深く読み取ってしまった)
海未(私が来ないと分かっていたからまた明日と言ったのでしょうか)
海未(…もし違ってたら私は本当に大馬鹿者ですね)ウルッ
264 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:47:32.52 ID:hUOeONTF0
海未「………」
チクタクチクタク
海未(時を刻む音がする)
海未(このまま時間が止まればいいのに、そしたら私は考えずに済むのに)
海未(幸せなようで不幸な時間が来ることなんてないのに)
海未(…最初は、ことりのお母さんに家族が欲しいって言った時はダメ元でのお願いでした)
海未(引き取り手がいてもやっぱり遺産目当てで愛なんてくれないんだろうって思ってた)
海未(だけど結果は違った)
265 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:49:59.10 ID:hUOeONTF0
海未「はぁ…」
海未(その結果を超えて今や引く手あまたな私がそこにはいた)
海未(全員が充分すぎるほどの愛をくれた)
海未「空…暗いですね…」
海未「帰りたくないです…」
海未「……どこに帰るのでしょう…?」
海未「……ッ」
海未(そんなこんなで時刻はもう正門を閉める頃でした、それまで私は片肘をつきながら外をずっと見てた)
266 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:51:20.30 ID:hUOeONTF0
「あら、まだいたの?」
海未「!!」
理事長「うふふ、こんばんは」
海未「こ、こんばんは…」
理事長「もうほとんどの生徒は帰ったわよ?早く帰らないと」
海未「………」
理事長「…その様子だとどこに帰ればいいか分からない感じかしら?」
海未「は、はい…」
理事長「なるほど…」
267 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:52:53.11 ID:hUOeONTF0
理事長「…あの四日間、どうだった?」
海未「すごく…幸せでした」
海未「あの人たちといるだけでぽっかり空いた心が愛で満たされてこの人たちと一緒ならすごく楽しめるって思いました」
海未「…でもそれは今まで回った四組すべてに言えることだから…決められないんです…」
理事長「ふむ…」
海未「それに…」
理事長「それに?」
海未「私がどこかに帰ったとして喜べるのは帰った先の人たちだけなんですよ、他のみんなは…」
理事長「……そういうこと」
海未「…そういうことです」
268 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:54:51.35 ID:hUOeONTF0
理事長「…案外、みんなサッパリしてるかもよ?」
海未「サッパリ?」
理事長「そりゃあ海未さんが帰ってきてくれたら嬉しいけど帰ってこなくてもそれを受け止める心は持ってると思うわよ?」
海未「どうして…そう思うのですか?」
理事長「だってことりが言ってたもの」
理事長「海未ちゃんと家族になれたら最高だけど友達のままでもすごく嬉しいって」
理事長「悲しいなんて一言も言ってなかったわよ?」
理事長「…まぁ強がってたのかもしれないけど」
海未「ことりが…ですか」
海未(絶対に強がってる、そう思いました)
海未(やはり行かなかったら悲しむんだ、私の中ではそういう絶対的な考えが浮かび上がった)
269 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 02:58:48.30 ID:hUOeONTF0
理事長「まぁみんながことりみたいな気持ちを持ってるわけじゃないと思うけど、多少のことは振り切っていかないと帰る場所、一生見つからないと思うの」
理事長「みんな、海未さんを家族として迎え入れたいからって色々なことしてくれたでしょ?」
海未「…はい」
理事長「要は海未さんの行きたいところの行けばいいの、誰が悲しむとか関係なしに海未さんが一番行きたいところへ行けばいいと思うの」
海未「一番行きたいところ…」
理事長「みんな海未さんのこと愛してくれたんだから、背中を押してくれたんだから海未さんも誰かに応えてあげなきゃ」
海未「誰かに…」
理事長「そう、もう下校時間は過ぎてるのよ?とりあえず考えるなら正門を出てから考えなさい」
理事長「きっとすぐに答えが見つかるから」
海未「どういうことですか?」
理事長「いいから出る出る」
理事長「帰りの挨拶、はいっさようなら」
海未「さ、さようなら」
海未(納得と理解はあまり出来ないものの理事長の言われる通り正門を抜けて学校外に出ました)
270 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:00:42.38 ID:hUOeONTF0
スタスタスタ
海未「……分からない」
海未(やっぱりわからなかった、答えなんて見つからなかった)
海未「………」タッ
タッ…タッタッタッ!
海未(行き先も考えずに夜道を走った)
タッタッタッ…タッ…タッ………
海未(でもすぐに走るのをやめた)
海未(行き先もなく走るなんて意味のない行為が自分の首を絞めていることに気付いたから)
271 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:01:36.10 ID:hUOeONTF0
海未「………」スタスタスタ
海未(私は今どこへ向かってるのでしょう)
海未(街灯が並ぶ道を歩きながら思う)
海未(道端でわざとらしく輝きを放つ光が綺麗だった)
海未(電光掲示板、小さなイルミネーション、街灯)
海未(車のヘッドライトが眩しかった)
272 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:03:20.36 ID:hUOeONTF0
スタスタスタ
海未「あまーいふるーつだんすっだんだんりずーむかーわるっ…♪」
海未「ひーみつのぶーらんこあーなたとゆれながらいーまー…♪」
海未「ずるいよ…ずるいよ…ほんねをかーくしてーるー…♪」
海未「すきだからー…すきですとー…いうだけじゃーたりないのー…♪」
海未「…何の歌でしょう、これ」
海未(無意識のうちに歌ってた、歌)
海未(聞いたこともない謎の歌)
海未(歌を歌いながらも私の足はどこかへ向かってた―――――――行き先もないのに)
海未(そんな時だった)
273 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:04:04.46 ID:hUOeONTF0
ピコンッ♪
海未「!」
『穂乃果』
海未「穂乃果…?」
海未(穂乃果からメールがきた、通知を見た私は恐る恐るメッセージを開いてみた)
274 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:09:13.36 ID:hUOeONTF0
『こんばんは、もう誰かのお家にいるのかな?
もー酷いよ海未ちゃーん、凛ちゃん泣いてたよ?私も泣いちゃったし…
なんてね、冗談だよ
海未ちゃんが私たちを選んでくれなかったのはすごく残念だけど私も凛ちゃんも我慢したから大丈夫
凛ちゃんなんて海未ちゃんの家に遊びにいくって張り切ってるんだよ?
だから今度お泊りさせてね!
そしてありがとう!さいっこうに楽しかったよ、あの時間
また泊まってね、海未ちゃん
待ってるから!』
http://i.imgur.com/YxQB5cn.jpg
275 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:10:17.59 ID:hUOeONTF0
ピコンッ♪
海未「!!」
『希』
海未(穂乃果のメッセージを読み終えた途端、次に希からメールが来ました)
海未(だからまた恐る恐るメッセージを開きました)
276 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:16:30.86 ID:hUOeONTF0
『こんばんは海未ちゃん
今頃ご飯を食べてる時間かな?
あーあーとうとうウチらのところに来なかったなー
待ってたんだけどなーなんて(笑)ウチらは海未ちゃんが幸せならそれでいいんだけどね!
えりちがなー私たちの愛を超えるやつがどんなやつが見たいんだってさー
…………つまりは今度お泊りさせてってこと♪
海未ちゃんがいないのは寂しいけど、学校でいっぱい可愛がってあがるから覚悟しとき?
えりちも可愛がる気満々だからね(笑)
最後にあの最高の時間をありがとう、ウチものすごい幸せだった
だからまた泊まりに来てね?
希、えりちより』
http://i.imgur.com/cOs5Olx.jpg
277 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:17:44.92 ID:hUOeONTF0
海未「………」ウルウル
ピコンッ♪
海未「!!!」
『真姫』
海未「真姫…」
ピッ
278 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:22:45.62 ID:hUOeONTF0
『こんばんは、真姫です
まずは最初に報告です
なんと海未が書いてくれた歌詞で作った歌がライブで超盛り上がってます!
お客さんもすごいノリノリでちょっとだけ知名度が上がったみたい
ありがとう海未、あなたのおかげでまだ音楽続けられそうだわ
そして次に私から個人的なメッセージです
海未がここに来てくれなかったのはすごく悲しい、でも海未が私たちに置いてきてくれたものがあるから私たちは大丈夫
にこちゃん、海未が来なくて泣いてたけど今は元気にしてるわ
余計なお世話かもだけど海未ってとても真面目だから行かなかったところの人たちのこと気にしてるんじゃないかと思って送ったの
だからもう一度言うけど私たちは大丈夫、元気です
そして最後に
あの時の時間、一生忘れないわ
これはきっと私とにこちゃんにとって始まりの時だったから、
この時間を絶対に忘れない
ありがとう、海未
P.S. にこちゃんがまた歌詞を書いてだそうです
もし暇だったら書いてあげてね、強制はしないから』
http://i.imgur.com/HJL573M.jpg
279 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:23:13.21 ID:hUOeONTF0
海未「…ひっく…ぐすっ…」
ピコンッ♪
『ことり』
ピッ
280 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:26:20.69 ID:hUOeONTF0
『こんばんは♪ミナリンスキーこと南ことりです♪
ことりは今、服を作っています
何の服だと思います??
ちゃんと考えてから下にスクロールしてよ?
答えはメイド服でした〜♪
え?なんでメイド服かって?
だって海未ちゃんともう一度メイドさんしたいから♪
昨日はお店のでやったけど今度はことり特製のメイド服でやろう?
絶対だからね?
それから海未ちゃん、来なかったね
花陽ちゃんもことりもすごく寂しいけど学校で海未ちゃんと会えるなら全然大丈夫♪
また私が引っ張ってあげるから待っててよね(・8・)ピヨピヨ
後、また私たちの家に泊まりに来てよね
お母さんも待ってるから♪
ことりより』
http://i.imgur.com/eFJ0MYq.jpg
281 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:27:36.77 ID:hUOeONTF0
ポロ…ポロ…
海未「ひぐっ…う、うわああああああああああああ…」ポロポロ
海未(こんなところでもみんなの優しさを感じて思わず涙が出た)
海未(ことりのお母さんの言ってたこと、これだったのかもしれない)
海未(みんな受け入れてくれてた、私だけがズルズルと引きずってた)
タッ…タッ…タッタッタッ!
海未(そうと分かった途端私はどこかへ走り出してた)
海未(その足は止まらなかった)
海未(この動き出した足は行く先が決まってる足だった)
282 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:29:00.52 ID:hUOeONTF0
海未「はっ…はっはっはっは…!」
海未(ひたすら目の前の光を追いかけた)
海未(瞳に宿した二つの光、それずっと追い続けてた)
海未「もうすぐ…もうすぐ…!」
海未(走ってる勢いで髪がずっと靡いてた)
海未(夜だから、外が暗かったからすぐに分かった)
海未(私を照らしてくれる光を)
海未(希望の光を)
キラキラキラ…
283 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:29:45.85 ID:hUOeONTF0
海未「ここ……」
海未(その足は見覚えのある家の地についた)
海未「すー…はー…」
海未「…よし」
海未(覚悟を決めた私は、そのドアを開けた)
284 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:30:47.02 ID:hUOeONTF0
海未「ただいま!」
「…!!」
「お、おかえり!」
285 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:31:20.29 ID:hUOeONTF0
海未「今日から…よろしくお願いします!」
286 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/06/07(水) 03:32:41.97 ID:hUOeONTF0
海未(帰った先にいた二人は輝いてた、とびっきりの笑顔で私にとって眩しすぎる光を放ってた)
海未(そう、だから私はここに来たんだ)
海未(この…)
海未(二人の魅力に誘われて)
海未(二つの笑顔に魅せられて)
海未(二つの光に導かれて――――――――)
END
287 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2017/06/07(水) 03:38:17.53 ID:hUOeONTF0
ということで終わりです
ここまで見てくれたから本当にありがとうございました。
次回もまたよろしくお願いします
http://i.imgur.com/llvbrTZ.jpg
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 15:34:18.60 ID:KdSPcic5o
乙です
すごく読みやすい文章だし絵もうまい心理描写とかもすっと入ってくる感じで読んでて楽しかった
最後家を決めないでローテーションで泊まるとかになるかと思ってたわ
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 23:15:20.99 ID:fLFVNvl/O
乙
すごく面白かった
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 23:53:14.60 ID:IXwsHn3Io
乙
たまたま見つけて読んでみたけど一気に読みきってしまったよ
面白かった
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