モバP「いや〜楽しいっすね楓さん!あ、俺んち来ます?是非!」楓「……」

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1 : ◆3UO.XRpYJ2 [saga ]:2017/06/02(金) 13:41:22.09 ID:aKaeZq+60

酒は飲んでも飲まれるな、とはよく言ったものだ。

今日の俺に関しては進んで飲まれにいった感は否めない。良い所を見せようとハイペースで飲み続けて、いつもほろ酔いで済ませているラインを大きく飛び越してしまったようだった。

因果応報? いや、この場合は自業自得の方が正しいのか。

結果として、酔いがさめてからは滝のように出てきた汗をひたすらぬぐう作業を続ける羽目になっている。

「へえ、ここがプロデューサーのお部屋なんですね」

授業前、宿題を家に忘れてきたことに気が付いた少年のような、そんな苦々しい表情をしている俺とは対照的に、彼女は興味津々といった感じに目線を四方にばら撒いていた。

「やっぱり帰りましょう、楓さん」

えー、と彼女――高垣楓さんから声が上がる。こちらを振り向いた彼女の頬は少し紅潮していたが、その表情は実に楽しげで、ふらついていたり、目が据わっていたりということもなくて。つまり、そんなに酔っぱらってないのだろう。

まあ、なんていうか。

俺の期待が間違っていなければ、自覚をもって俺に誘われたんであって。

正直、その点はたまらないのであった。

「折角来たのに?」

「いやあのですね、折角とかそういう問題ではないというか、なんというかですね……」

「他でもない、プロデューサーがここに連れてきたのに?」

「……」

「プロデューサーが来るかって言ったから来たのに、私、帰らされちゃうんでしょうか?」

うまい返しが思い浮かばず閉口する。それと同時に、理性を飛ばして下心を丸出しにしていた少し前の自分をぶん殴ってやりたくなった。

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