みほ「フリースタイルバトル?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/29(月) 22:08:01.85 ID:G0buF1h80
スマホでスレ立て
次からPCで書き込みます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496063281
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:09:19.74 ID:dhZtfbkHo

ガルパンSSです

※キャラ崩壊注意

※これガルパンでやる必要なくね?注意

※百合要素あり注意

なので苦手な方は注意です

呼称とか変な部分があったら脳内補完お願いします


↓前に書いたSSです

みほ「会長のだいしゅきホールドの腰の感触が忘れられない」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468845015/

みほ「聖グロリアーナが選ぶベスト百合カップルランキング?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471268351/

ダージリン「ペコの下剋上。つまりペ剋上ね」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472484921/

みほ「お姉ちゃんは天然ジゴロ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476542161/

ローズヒップ「ペパロニさんと片想い同盟結成ですわー!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477488166/

しほ「裏西住流によって他校を制圧する」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482840135/
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:11:10.38 ID:dhZtfbkHo

【文部科学省学園館教育局】

理事長(戦車道連盟)「…………」

理事長(大学選抜と大洗の件はすでに済んだはず……この急な呼び出しは一体なんなのだ)

理事長(2年後の戦車道世界大会について何かしら相談でもあるのだろうか?いや、それならば戦車道連盟を通さずに私に直接連絡はしないはず……)

理事長(……今考えても仕方あるまい。とりあえず話を聞いてからにするとしよう)コンコン

役人「どうぞ」

理事長「失礼します」ガチャ..バタン..

理事長「……お疲れ様です。急なご連絡で驚きました。どのような……」

役人「うぇいよー!」

理事長「………………は?」

役人「♪YO!私は役人 国家公務員 事務的トーク かなりDope Shit」

理事長「………………」

役人「♪メガネはもちろん高級ブランド 高給取りで余裕で豪遊!」

理事長「………………」

役人「♪それが役人 辻廉太 理解したら今すぐput your hands up!イエー!」

理事長「………………」

役人「…………………」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:15:07.43 ID:dhZtfbkHo

理事長「……………………あの、ご用件は……」

役人「フリースタイルダンジョンというテレビ番組をご存知ですか?音にノリながらラップで言い合いをする、俗に言う『MCバトル』ですね」

理事長「え?あ、ええ。存じておりますが」

役人「それならば話は早い。今回ご足労いただきましたのはフリースタイルバトルについてなのです」

理事長「……は、はあ…………何故そのような話を私に?」

役人「私がある日、ふと何気なくテレビを付けた時に偶然あの番組が放送されていましてね。最初は内容もよくわからず流し見していたのですが……」

役人「スキルだけではなく生き様や駆け引き、音楽的センスなど諸々を含んだ彼らの熱いバトルにいつの間にか引き込まれ、そのバチバチなバイブスにアガってしまいましてね。今やレペゼン文部科学省学園館教育局ですよ」

理事長「は、はあ……なるほど。それは結構なことですな。しかし、何故私が呼ばれたので…」

役人「文部科学省学園館教育局に勤めるブラザーとチル(リラックス)してた時にフリースタイルの話になりまして、ブラザーから理事長のお名前が出たのですよ。なんでも、昔フリースタイルをかじっていたとか」

理事長「……!」

役人「フリースタイルと戦車道を秤にかけ、結果戦車道を選び現在に至る……確かKODAMAと名乗っておられましたか。いやはや、意外すぎて驚きましたよ」

理事長「……隠していたわけではないのですが」

役人「他にも調査をした結果、この国にはフリースタイルロード……通称FSRというものがあったというじゃありませんか。今では連盟は解体し、その名を聞くことすらありませんが」

理事長「剣道や戦車道のように健全な精神を培う目的意識をもった競技ではありませんから……あ、いえ、この言い方では語弊がありますな。フリースタイルを勉強の枠内に入れることがナンセンスという意味です」

役人「わかります。ラップの基礎を講師に教わるのが悪いとは言わないものの、誰かに習うよりも自分自身や仲間と向き合いながらラップをしていく方が自然、ということでしょう?」

理事長「はい。クローズアップされるのは喜ばしいことですが、どん底から這い上がるようなハングリー精神に満ちた匂いが消えてしまうのはHIPHOPの良さを薄めてしまいかねません」

役人「その気持ちもわかります。しかし!」

理事長「?」

役人「……その考えが、すでに前時代的だと私は思います」

理事長「え?」

役人「フリースタイルバトルをあの番組による一時のブームで終わらせないためにも、ラップをする環境を設ける必要があるとは思いませんか?」

理事長「それは……」

役人「人の顔色を窺い、空気を読むことが重視される昨今、フリースタイルバトルで相手のコアをディスし合える環境があるということが重要です」

理事長(さっきから口調にちょくちょくスラングが混じっている……堅い人だと思っていたがずいぶん染まったものだ)

役人「場所さえ用意すれば、人は十人十色。それぞれが個性をビートに乗せてラップして熱いバトルを繰り広げてくれるでしょう」ウンウン

理事長「確かに。しかしHIPHOPは別に路上の片隅でもどこでも人間さえいればできるものでして、わざわざ第三者が場所を提供…」

役人「うぇいよー!」

理事長「っ!」ビクン!

役人「細かい話はやめにしましょう……今から通達するのは確定事項ですのでよく聞いてください」

理事長「え?あのしかし……」

役人「うぇいよー!よく聞いてください」

理事長「…………はい」

理事長(うぇいよーで誤魔化されてしまった……)
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:18:41.52 ID:dhZtfbkHo

役人「文部科学省学園館教育局の許可が下りましたので、FSRの復活が正式に決定しました」

理事長「…………え!?」

役人「それに伴い、大々的に宣伝するため、戦車道履修校の協力の元、フリースタイルバトル大会の開催が決定。日程は未定ですが、遅くても3ヶ月以内の予定です」

理事長「ちょ、ちょっと待ってください!何故そこで戦車道が出てくるのです!?私が昔ラップをしていたと言っても、彼女たちには関係ないでしょう!?」

役人「理事長の過去とは無関係です。2年後の世界大会やプロリーグなど、戦車道は注目を集めていますので、彼女たちに依頼するのがベストと判断しました」

理事長「いやいやいや……」

役人「当然、プロとして活動しているラッパーを集めたイベントであれば盛り上がるのは確実ですが、それよりも戦車道の子たちがラップをする方が意外性があります。FSR連盟の復活には若い力が必要とされていますしね」

理事長「であれば高校生ラッパーでもいいのではないでしょうか?レベルの高い人は数多くおります。わざわざラップの素人である彼女たちを無理矢理引っ張り込むのは……」

役人「彼女たちが女性であるからこそ意味があると言えます。今現在フィメールラッパー(女性ラッパー)はあまり多くありませんが、FSRが存在していた時代は男性とほぼ変わらない人数だったらしいではないですか」※ガルパン世界でのおはなし

理事長「……確かに、熱い時代でした」

役人「であれば女性がFSRに参加しやすい状況を作るにはもってこいの人選だと思います。それにFSR連盟と復活を支援する企業各社から寄付金などが寄せられています。その中からイベント開催費用の一部を優勝賞金とすれば、優勝校はなかなかの額の資金が得られます。そうなれば戦車の購入とまではいかなくとも、パーツ代や戦車の修理費用など、使い道は充分にあるでしょう。もちろん、寄付していただいた各社からの了承は得ています」

理事長「しかし、高校生が賞金を巡ってバトルするというのはイメージが良くないと思いますが……」

役人「…………確かに。では寄付金は戦車道連盟へとしましょう。賞金が無いからといって適当にやる子たちでもないでしょうし」

理事長「ほう……意外と言ったら失礼ですが、彼女たちを認めてくれてはいるのですな」

役人「……あくまでも客観的意見です。それはともかく、私が理事長をお呼び立てしたのは、大会についてお知らせするのともう1つ、審査員をお願いしたかったからなのです」

理事長「審査員……」

役人「ええ。他の方数名にもお声かけしております。司会は私が務めますが、審査はやはり経験があり信頼のおける方でなければいけませんから。その点、理事長は完璧に条件を満たしていますから。一緒にフリースタイルバトルを最高に盛り上げましょう」

理事長「辻さん……」

役人「RENTA THE FUTUREで構いません。今この時から、私たちはドーグ(仲の良い友達)です」

理事長「……いえ、やはり戦車道の子たちにやらせるのは難しいのでは?イベントは失敗するわけにはいきないでしょう?素人が3ヶ月間の練習だけで客前に出てまともなバトルができるようになるとは思え…」

役人「うぇいよー!」

理事長「っ!」ビクン!

役人「確定事項ですので何を言われてもうぇいよーです。ここに誓約書を用意しました。ご協力いただける旨、記載をお願いします。口約束は約束ではありませんので」

理事長「しかし…」

役人「うぇいよー願います!」キラリ!

理事長「う…………」

理事長「………………わかりました……」

理事長(勢いで押されてしまった……一体どうなるのだ……)サラサラ..
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:22:04.18 ID:dhZtfbkHo

【大洗女子学園 体育館】

みほ「ふ、フリースタイルバトル?」

杏「そ。うちも出場するから早いとこ強くなんなきゃねー」

優花里「急すぎて何がなんだかわかりません!」

麻子「寝耳に水……」

沙織「麻子が寝すぎだからだよ!起きてたら水入らないもん!」

華「沙織さん、そういうことわざですので……それに水が無ければ花を生けれません」

麻子「人の耳に生けないでくれ」

桂利奈「私知ってるー!テレビでやってるやつだよね!」

スズキ「んー、観たことあるようなないような……」

典子「バレー部は復活しないのにFSRは復活するのか……理不尽な世の中だ!」クッ

そど子「なんで私たちがラップなんてしなきゃいけないのよ。断ればいいじゃない」

柚子「別に強制参加ではないみたいだけど…」

桃「戦車道連盟が関わっているからな。戦車道履修校は参加した方がいいだろう」

杏「実際、全国大会に出てたチームもほとんど参戦するみたいだし。ほら、これ参加校一覧のプリント」

あゆみ「あ、やっぱりサンダースは出るんですね。ラップってアメリカって気がするもん」

梓「アンツィオも参加するみたい。お祭り騒ぎがしたいだけって感じがするけど」

ねこにゃー「く、黒森峰も出るんだ……」

みほ「あ、ほんとだ。さすがにお姉ちゃんはこういうの参加しないだろうけど」

杏「というわけで大洗も参加することになったからねー。で、練習は明日からすぐやるよー♪今日はルールとかをざっと説明するから。小山よろしくぅ」

優花里「なんかとんとん拍子で話が進んでいきますね」

華「大人に振り回されている感じがアクティブです」ニコニコ

麻子「いや、受動的だから非アクティブだろう」

柚子「では説明を始めます。まずフリースタイルバトルのルールだけど、各校メンバーはレギュラーが3人。試合では1対1の戦いになります」

妙子「1人ずつなんだぁ。コンビネーションを見せるチャンスがないよー」

忍「ほとんどが素人だから1人の方が安定するんじゃない?」

柚子「バトルは8小節の3ターン」

みほ「え、ええと……?8小節はなんとなくわかるんですけど、3ターンってどういう意味なんですか?」

杏「例えば、西住ちゃんと私がバトルするとしたら、西住ちゃんが8小節をラップしたら、次は私が8小節やる。これが1ターン。それを3回繰り返したら終了ってことね」

みほ「あ、なるほど……3往復という意味なんですね」

柚子「8小節3ターンが1ラウンドになります。ラウンド数は最大3つ。そしてラウンド毎に5人の審査員による審査でどちらが勝ったかを判定。もちろん、数の多い方の勝利です」

桂利奈「じゃあ1ラウンド目で5人全員に選ばれたら超有利なんですね!」

柚子「あ、ううん。そこはちょっと違うの。判定の数は次のラウンドに持ち越せなくて、ラウンド毎の勝ち負けで決めるんだ。ようするに、3ラウンドのうち2ラウンド獲った方が勝ち」

桂利奈「なんだー……残念」

柚子「そうでもないよ?5対0で勝った場合、クリティカルヒットとしてその時点で試合に勝ったことになるよ」

桂利奈「ええっ!?すごい!クリティカルヒットってすごい!なんか響きが!」

沙織「…えっと、例えば1ラウンドを3対2で勝ったとしても、2ラウンドに0対5で負けたらおしまいってことですか?」

柚子「うん、そうなるね」

沙織「ええー!油断できなくて超怖いじゃん!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:26:33.09 ID:dhZtfbkHo

エルヴィン「逆に言えば、戦闘を長引かせないよう迅速に仕留めるのも可能か。電撃戦なら任せろ」

おりょう「二の太刀いらず……示現流ぜよ」

ホシノ「ただロケットスタートで決めにかかったもののオーバーテイク出来なかった、なんて展開になると後半息切れするかもしれないな」

左衛門佐「兵糧攻めか!」

カエサル「おのれ姑息な!」

麻子「それはただの自滅だろう……だがその辺りは相手や自分のコンディションやらを考慮する必要がありそうだ」

柚子「うん。このルール自体はあの番組と同じというかパクリなんだけど、1つ違うのが勝ち抜き戦ってことなの。相手チーム全員倒さないといけない」

妙子「えーーっ!?」

紗希「………………」

あや「紗希もすごくビックリしてる!」

ももがー「そ、そうは見えないナリ」

優花里「戦車道で言う殲滅戦のようなものですか……ではワンマンチームでも勝ち上がれる可能性があるというわけですね!」

みほ「でも、プロでもないのにそんなに続けて戦えるかな……」

杏「確かにね。素人の私たちじゃ引き出しもそんなないし。だからストックと即興のバランスが重要ってことだね」

華「なるほど。事前にラップの内容を準備するにしても、用意周到すぎるとネタ切れ時の落差が露わになってしまうというわけですね」

ナカジマ「じゃあ逆に何も考えない方がいいのかな?って、それだとグダグダになっちゃうか……難しいところだね」

杏「まー、その辺はおいおい考えよーよ。小山、続きおねがーい」

柚子「はい。次はバトルでは何が重要かについて説明します……って、これも例外があるというかいくつもの要素が混じり合ってるから一概には言えないんですけど……」

杏「だろうねー」

柚子「パンチライン、フロウ、ライム、バイブス、キャラクター、ワードセンス、アンサー、ディス……この辺りが重要、と思います」

優花里「ぱ、パンチラ!?に、西住殿のパンチラ……///」

みほ「な、なんで私なの!?」

柚子「うん、ベタベタだけどそうなると思った。パンチラじゃなくてパンチラインね。ジョークの混じった気の利いた決め台詞のような?うーん、説明難しい」

杏「例えば『負けるためによく来たな』に対するアンサーで『そういうでかいクチ叩くヤツが負けた時の顔を来たんだ』みたいな感じ?」

桂利奈「わかんなーい」

杏「相手の言葉に対して気の利いた言い回しをするいうか……アメリカンジョーク的な感じ?かなぁ」

あゆみ「あ、でもちょっとわかるかも。映画とかでありがちなウィットに富んだセリフみたいな?」

優季「そうなんだ〜?例えばどういうの?」

あゆみ「例えは…………ちょっと1個も出てこないけど」

優季「あはは。ダメダメだ〜♪」

柚子「フロウはラップのアプローチの仕方。声の高低、強弱、スピード、リズムに乗ったりちょっとズラしたり、喋るようにとか歌うようにとかだね」

杏「フロウはちょー重要だけど……まぁ、上手く伝わらないからねぇ」

柚子「……会長のおっしゃる意味がよくわかりません」

杏「いや、聴けば『おおー』ってなるとしてもまぁ………ねぇ……」

柚子「………………」

杏「…………………」

柚子「……次はライムですね。言葉の母音を合わせること。韻を踏むという意味です」

優花里「に、西住殿に踏まれるなんてぇ……///」モジモジ

みほ「そっち!?母音の方じゃないんだ!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:29:07.58 ID:dhZtfbkHo

そど子「ぼ、母音を合わせるってどういうことよ!校則違反なんじゃないの!?」

パゾ美「絶対ならないよそど子。落ち着いて」

麻子「『回転』と『採点』がそうか。『aien』で一緒だ」

柚子「さすが冷泉さん!その通りよ!」

優花里「ち、ちなみに小山殿。バイブスの説明だけ西住殿に代わっていただけないでしょうか…//」ハァ..ハァ..

みほ「それ、ひどいセクハラだからね優花里さん」

柚子「ごめんね秋山さん。西住さんも知らないと思うから私が説明するよ」

優花里「そうですか……」シュン

華「ドンマイですよ優花里さん。諦めずチャレンジを続けましょう!」

沙織「いや、反省させるべきだと思う」

柚子「バイブスの意味は、『ノリ』とか『テンション』、『フィーリング』、『雰囲気』、『気合い』とまぁ……色々な意味で使われる言葉で、簡単に言うと『場を盛り上げる』とか『熱量を高める』……説明が難しいけど、熱い感情をぶつけるようなラップだったり、テクニックとかでお客さんを盛り上げることがバイブスによる評価に繋がる……という感じかな?」

優花里「難しいですね……この……ば、ば…………なんでしたっけ?西住殿」チラ

みほ「他の要素はどういう意味なんですか?」

優花里「うぅ……目もくれないとはこのこと……」ガクッ

杏「残りのはもうそのままの意味だねぇ。ワードセンス、キャラクターとか。で、アンサーは相手のラップに対する返答。このアンサーがかなり大事だね。即興性の証明にもなるから的確な返しが出来ると盛り上がるし、審査員のポイントも高いよ」

華「あのー『でぃす』とはなんなのでしょうか?ディスカウントの略でしょうか?」

杏「んー、違うねー」

柚子「ディスはディスリスペクトの略で、他人をけなすことだよ」

麻子「そど子が日常的にやっているな」

そど子「やってないわよ!人聞きの悪いこと言わないで!」

優花里「そ、そんなぁ……西住殿にメスブタなんて言われたら私……どうにかなっちゃいますぅ///」

みほ「言わないからどうにもならないままでいてね」

杏「ま、説明はここまで。このあとはあのメガネ役人がハマったっていう番組の鑑賞会するから、それ観てイメージを掴もう」


〜鑑賞後〜


みほ「こ、これは大変だよ……」

沙織「う、うん」

杏「んー、やっぱりラップの時は『だぜ』とか『どきな』とか、男言葉の方が良さげだね。使い勝手がいいし、聴く方もしっくりくる」

柚子「や、やっぱりそうですよね……『○○じゃないの?』より『○○だろ?』の方がコンパクトですし。あ、このですます調でディスも迫力欠けますもんね」

杏「キャラにもよるけどね」

柚子「でも……うぅ、抵抗あるなぁ……桃ちゃんみたいな喋り方するの」

桃「どういう意味だ!」

麻子「ふむ……ライムというのは面白いな。面白い……このひどい、園みどり、子の祈り……こういう踏み方もアリか」

そど子「何を祈ればいいのよ!教えなさいよ!」

ゴモヨ「いちいち真面目に返すよねそど子は」

杏「このDVDは視聴覚室に置いとくから観返したかったらいつでも言ってね〜。んじゃあこれから早速バトルしよっか。とにかく数こなしてスキルを上げてかないとね」

ぴよたん「さ、早速バトル……会長が本気っちゃ」ゴクリ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:30:55.16 ID:dhZtfbkHo

1ヶ月後

【体育館】

杏「これから大会に出るメンバーを発表するんだけど………みんなよく頑張ったねー。特に西住ちゃん。ディスとか苦手っぽいのにさ」

みほ「ふぇ!?あ、は、はい。でもその……割り切ってズバッて言うのが結構その……気持ちよかったので……///」

華「ここ最近のみほさんのディスは容赦なかったですものね」

沙織「……私、みぽりんに『散々バカやらかしたお前の三段腹にメガネ挟んでやる』って言われた時、ショックでマイク落としちゃったよ……」

みほ「ご、ごめんね沙織さん!悪気はないの!」

桃「しかし……意外となんとかなるものというか……みんな大分上手くなったな。最初の頃が嘘のようだ」

優季「だって楽しいんだも〜ん♪」

桂利奈「ちょー熱中しちゃったよね!」

あや「というか桃ちゃん先輩が下手すぎ……」

桃「なんだと!」

杏「これなら大会でも戦える……と思う。相手がどれだけスキルがあるかわかんないからあくまで希望的観測だけど」

優花里「申し訳ありません……偵察を試みたのですが……どこの学校もガードが固くて……」

杏「しゃーないよ」

優花里「でも……///」

杏「ん?」

優花里「偵察失敗後の西住殿とのバトルで『3秒待機することも出来ないくらい痛めつけてから放り出す お前なんか産業廃棄物』ってディスられて……あぁぁ〜///」トローン

みほ「ご、ごめんなさい!でも微塵も思ってないことなの!」

沙織「でもなんかグサッとくるよね……」

麻子「相当ストレス溜まっているのか?」

華「みほさんは意外とドライな一面がありますよ?会長が思い出話をしていたら『いや、思い出話はいいですから』とバッサリ切り捨てられたと聞きました」

沙織「ええっ!?みぽりん……」

みほ「ま、待って!そこだけ切り取られたら本当に私が嫌な感じになっちゃう!」

杏「……さて、んじゃあメンバー発表といこうか。かぁしま」

桃「はい!ではメンバーを発表する」

全員「………………」ゴクリ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:32:53.36 ID:dhZtfbkHo

桃「まずは会長!」

杏「ん」

桃「次に冷泉!」

麻子「…………」コクリ

桃「そして……西住!」

みほ「は、はい!」

桃「この3人がレギュラーメンバーだが、体調不良等で出場できない選手が出た時のための補欠が1人必要になる。その補欠選手は……」

全員「…………」ゴクリ..

桃「……阪口!」

桂利奈「えっ!?は、はいー!?わ、私!?」

桃「そうだ」

梓「やったね桂利奈ちゃん!」

桂利奈「な、なんで私なんですか?」

杏「アニメとか漫画ネタの知識量では圧倒的で、意外とハートも強かったからね。リズム感もいいし」

麻子「確かに……バトルの時、アニメネタに対するアンサーは意外と難しかった。苦戦した憶えがある」

柚子「でも反省会でその議題が上がったあとに開催した、アニメと漫画知識の共有会でみんなかなり鍛えられたよね」

みほ「はい……でもあの鑑賞会は辛かったなぁ」

沙織「そうだね……桂利奈ちゃんの早口解説付きの名作アニメ一挙全話とか……」

優花里「ええ……解説はわかりやすいのですが、その声を受けつつ、時短のために再生速度を上げているアニメの内容もちゃんと聞いていないといけませんでしたから……」

麻子「眠気が一番の敵だった」

杏「まーまー。みんな知ってる作品はお客さんのレスポンスも得やすいから観ておいて損はないよ」

桃「実際、作中のセリフ回しや構成などから学ぶこともたくさんあったはずだしな」

みほ「それは……」

麻子「確かに」

桃「……というわけで大会に出場するメンバーが決まったわけだが、不満のある者はいるか?」

全員「……………………」

桃「……いないようだな」

柚子「うん。みんな納得できる人選だと思う。会長の総合力は頭一つ抜けてるし、西住さんのディスと返しは抜群。ライムでは冷泉さんに誰も勝てない」

桃「よし!では今日からは代表メンバーを徹底的に鍛えていく!だが他のメンバーも仕事はあるぞ!対戦相手を務めるのはもちろん、様々なサポートに従事してもらうぞ!」

全員「はい!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:33:48.57 ID:dhZtfbkHo

1ヶ月後

【フリースタイルバトル会場】

みほ(ライブハウスなんて初めてだから緊張するなぁ……)ドキドキ

ギィ..

みほ「うわ、すごい人だかり……200人くらいいるのかな?」

沙織「2階席もあるしもっといるんじゃないかな?それにしてもお客さんが戦車道の時とはちょっと違うね。服装とか」

華「HIPHOP好きの方と戦車道好きの方が混じり合っている感じでしょうか?」

麻子「しかし2階席があるとはいえそれほど広くはないんだな。会場に来られるメンバーを抽選で決めたのはそういうわけか」

杏「そ。みんな連れてきたかったんだけどね」

みほ「あ……ステージの上にいるのって……」

沙織「?」

役人「声上げてけ!SAY HO〜!」

ho〜!

役人「SAY HO〜!」

ho〜!

役人「うぇいよー!さわげー!」

ウォォォォォ!!

優花里「…………誰ですかあの人は」

桃「スーツにメガネはしているから……役人だろうな」

杏「ドハマりしたにしてもさー……ああまで変わるもんかね」

華「あら!?」

みほ「どうしたの華さん」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:35:27.86 ID:dhZtfbkHo

華「審査員席に……新三郎がいます」

みほ「新三郎さんって……あの鼻水の?」

麻子「不名誉な覚え方はやめてやれ」

桃「なんでも昔ラッパーとして活動していたらしい。『Shin−Zabrow』という名前でな」

沙織「意外〜!でも元ラッパーで人力車操るとかってちょっとカッコいいかも」

麻子「そうか?」

柚子「割と名の通った人みたい。だから審査員に選ばれたんじゃないかな?」

華「知っていれば練習中に助言をもらえたのに……残念です」

桃「いや、元々審査員に選ばれた時点で参加校への技術提供等は禁じられているから無理だ」

華「あら。そうなのですか。それはそれで残念ですわ」

みほ「それもそれだから同じなんだけどね……」

桂利奈「あっ!島田愛里寿のお母さんもいるよ!?」

あゆみ「ちょっと!転入はなくなったんだから呼び捨てはダメだって」

あや「なんであの人が審査するんだろう?」

ねこにゃー「し、島田千代さんは島田流戦車道を世界中に広める活動の時にコミュニケーションの一環として現地の人とフリースタイルとかサイファーしてたって」

優花里「そうなのですか!?何故ねこにゃー殿がご存じなのですか!?」

ねこにゃー「ね、ネットに出てた。ソースも確かだから、ま、間違いない」

沙織「サイファーってなんだったっけ?」

みほ「何人かで輪になってフリースタイルラップすることだよ」

麻子「意外な過去を持っているんだな……あとの3人も似たようなものか?」

柚子「審査員は『新三郎さん』、『島田千代さん』、『蝶野教官』、『戦車道連盟理事長』、『篠川香音さん』……篠川さんは戦車道の審判員で主審を務めてた人ね」

杏「蝶野教官は数々のバトルで優勝してるんだってさ。それが撃墜率120%の要員の1つっぽいね。理事長も昔やってたらしい。篠川さんは大学でHIPHOPのサークルを掛け持ちしてたってさ」

華「名前に『し』が入ってる人が多いですね」

みほ「うん、あんまり関係ないけどね」

麻子「それに『戦車道連盟理事長』の『し』は名前じゃないしな」

杏「本名は児玉七郎だから『し』入ってるよん」

華「まあ!素晴らしいですわ!ね?みほさん!」ニコニコ

みほ「いや、入ってても別に……ううん、なんでもない」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:36:50.25 ID:dhZtfbkHo

あや「あ!あそこのディスプレイにトーナメントの組み合わせが映ってます!」

みほ「本当だ。うわぁ、戦車道の全国大会と変わらないくらい出場チームが多い……」

優花里「ですねぇ……むしろ増えてるのでは?大洗はどの辺りに…………あ!一番最初の試合ですぅ!」

華「それに1回戦の相手は…………」

ダージリン「お久しぶりね」ザッ!

麻子「聖グロリアーナ……」

ダージリン「まさかこのような形で再会だなんて、運命かしら?」クス

みほ「ダージリンさんもメンバーとして出場されるのですか?」

ダージリン「さあ?どうかしらね?」

麻子「キャラ的にこういうのには参加しないと思っていたが」

ダージリン「戦車道での借りはフリースタイルバトルで返す……優雅だと思わない?」

みほ「え?いや、意味がまったくわかりませんけど……」

ダージリン「うふふ、今のはジョークよ。わたくしたちが参加を決めた理由は簡単。ただ戦車道をするだけが戦車道では無い、それだけのことよ」

みほ「??」

オレンジペコ「とりあえずわからない時は笑顔で頷いてください。私はそうしてます」

みほ「は、はい」コクコク

アッサム「ダージリン、オレンジペコ、そろそろ準備しましょう」

ダージリン「そうね。ではわたくしたちは行きますわ。ステージでお会いしましょう」ザッ

オレンジペコ「失礼します」ペコリ

みほ「あ、はい……」

華「……今のセリフでダージリンさんが出場すると暗に示してしまっていますね」

沙織「うん。わざとなのか天然なのか、わかりづらいよねあの人」

みほ「………聖グロリアーナが相手、かぁ……」

杏「西住ちゃ〜ん」ポンポン

みほ「ふぇ?」

杏「戦車道の試合では2回負けてるけどさ、フリースタイルバトルは別物だかんね。気負わない気負わない。それとも緊張してる?」

みほ「え?それは…………はい。やっぱりこれだけのお客さんの前でステージに上がるのは緊張します……」

杏「だったら……えいっ!ほっぺぐりぐり〜♪」グイグイグイ

みほ「あうっ!?ふぁ、ふぁいひょう!?その……///」

杏「いっひひ。練習通りやればだいじょぶだって」

スタッフ「大洗女子のみなさん、スタンバイお願いします」

杏「はい」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:38:47.90 ID:dhZtfbkHo

【大洗 1回戦 オーダー】

先鋒:冷泉麻子(MCネーム REZE) ※MC・・・master of ceremonyの略。ラッパーやマイクを持った司会者

次鋒:西住みほ(MCネーム MIHO)

大将:角谷杏(MCネーム アンジー)



沙織「麻子!頑張って!私たちは2階席で応援してるから!」

麻子「ああ」

そど子「べ、別に冷泉さん個人を応援するわけじゃないわ。大洗を応援するんだからね!」

麻子「そうか……一番手のプレッシャーはキツイんだけどな。そど子の個人的応援が無いと負けるかもしれない……」

そど子「え!?そ、そうなの!?だ、だったら仕方がないわね……その…………れ、冷泉さん……勝って?」チラ

麻子「おおおお〜……上目遣いが可愛いぞそど子ぉ〜」ダキッ

そど子「だ、抱きつかないでよ!ま、周りの人に付き合ってるとか思われるじゃない!」

杏「……私が先鋒ゃなくてよかったの?一番最初って結構ムズそうだよ?」

麻子「いや、大丈夫だ。そど子の応援もあるしな」

杏「そっか。っていうかむしろ抱きつきたいがために一番手に立候補したんじゃ」

麻子「さあな」

スタッフ「それではもうまもなく始まります」

みほ「麻子さん、頑張って!」

沙織「麻子、落ち着いてね!」

ガンバッテー レイゼイサーン ワイワイガヤガヤ

麻子「ん。じゃあ行ってくるぞ、そど子」

そど子「え、ええ……//」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:41:23.70 ID:dhZtfbkHo

【ステージ上】

役人「みんな待たせたな!準備はいいか〜!?これから熱いバトルが始まるぞ〜!?」

ワァァァァァ!!!

役人「OK!それじゃあ1回戦第1試合行ってみようか!選手はこいつらだ!」

麻子「………………」ザッ!

アッサム「…………」ザッ!

役人「両者中央へ」

麻子(……アッサムさんだったか。さて、どう攻めるか)

役人「先攻、後攻をじゃんけんで決めてください」

麻子(……この役人、妙に生き生きしてるな)ジャンケンポイ

アッサム「私の勝ちね。後攻で」

麻子(やはりか。基本後攻の方が戦いやすいからな)

役人「勝負は8小節3ターンです。それではDJ ルミ、ビートを聴かせてください」

ルミ「」コクリ

♪〜 ※以後、ビート確認は省略します

麻子(大学選抜の人……DJやっていたのか?人は見かけによらないな)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:42:07.44 ID:dhZtfbkHo

◇◇◇◇◇◇このSSにおけるフリースタイルバトルの説明◇◇◇◇◇


ビートは↑にあるようにYoutubeのリンク先の動画です

試合前に、PCの人は別タブ、スマホの人はバックグラウンドで再生してもらうなどしながら読んでもらえると、より楽しめると思います

バトル中のセリフは全てラップになってます(セリフ口調もありますが)



麻子「○○○○○○○○○○○○」 この1行で1小節になっています。文字数によって早口だったりゆっくりだったりします

麻子「○○○○○○○○○○○○」×8でターン終了。スクラッチきっかけで、次は相手のターンになり、3ターンで1ラウンド終了です

役人の「終了ーーー!」がラウンド終了の合図になります


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
17 :>16 訂正します。正しくは↓ [saga]:2017/05/29(月) 22:44:58.54 ID:dhZtfbkHo

◇◇◇◇◇◇このSSにおけるフリースタイルバトルの説明◇◇◇◇◇


ビートはYoutubeのリンク先の動画です。ラウンド毎にリンクを貼っています

試合前に、PCの人は別タブ、スマホの人はバックグラウンドで再生してもらうなどしながら読んでもらえると、より楽しめると思います

バトル中のセリフは全てラップになってます(セリフ口調もありますが)



麻子「○○○○○○○○○○○○」 この1行で1小節になっています。文字数によって早口だったりゆっくりだったりします

麻子「○○○○○○○○○○○○」×8でターン終了。スクラッチきっかけで、次は相手のターンになり、3ターンで1ラウンド終了です

役人の「終了ーーー!」がラウンド終了の合図になります
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:45:45.14 ID:dhZtfbkHo

役人「……それではいよいよ始めましょう!」ワァァァ!

麻子「………………」

アッサム「…………」

役人「先攻REZE、後攻アッサム……DJルミ、かまーせー!」

ルミ「ッ!」キュルッ!
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:46:54.10 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=GtDtvnQAzJQ

♪真っ向勝負 / KEN THE 390

<先攻REZE VS 後攻アッサム ラウンド1>

麻子「最初のお相手 紅茶好き軍団」

麻子「私に勝てる その確率は」ワァ!

麻子「0.0000000……」

麻子「つまり不可能 アッサム a.k.a 生命線ねぇ」ワァァア! ※a.k.a・・・「also known as」の略。「またの名を」、「〜で知られてる」

麻子「底辺で這いつくばる 穴があればあいつ埋まる」ワァァ

麻子「聖グロ 出させてやるぜエクトプラズム スクラム」ワァァ!

麻子「組んで夢膨らむ?いや、行き先は刑務所」

麻子「動揺か?ステージ上の高揚感はすぐ去る」ワァァ!



アッサム「私、実は生命線の長さが自慢ですの」

アッサム「楽勝で優勝できますわ 手相コンテスト」ワァァ!

アッサム「手の平も見ずに決め付ける あなた独裁者ですか?」

アッサム「視力か脳に異常? お客様の中にドクターいませんか?」ワァア!

アッサム「いないなら完治しません あ、勘違いしないでくださる?」

アッサム「私は心配してない 関知する気ないという感じ」ワァァァ!

アッサム「勝手に名前をいじるREZE a.k.a とか知りません」

アッサム「こちらの心配よりも せいぜい気にしなさいな世間体」ワァァ



麻子「世間体 てんで 気にしないけど 今後の君次第で」

麻子「変わるかも 軽い言葉 レベル この位置にないね」ワァァァア!

麻子「日々鍛えてきた この数ヶ月間 つーか血管」

麻子「切れそうなほどラップしてきた 大洗の連中ナメんな」ワァァァ!!

麻子「ガラにもなく 熱くトークすると ソウルフル」

麻子「こうなるとウルウル 涙目になってしまう でも仕方ない」

麻子「大洗の先駆け 絶対に負けらんねぇ」

麻子「ガチなんで だからこのバトル 勝ってランウェイ!」ワァァ!
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:48:39.20 ID:dhZtfbkHo

アッサム「落ち着いてくださいな そんな早口でまくしたてず」

アッサム「でも確かに先攻ですものね まず仕掛ける」ワァァ!

アッサム「ただ普段のやる気のなさも個性ですわよ?」

アッサム「バトルだからといって 自分の持ち味消すなど」

アッサム「論外 ドンマイと言われても取り戻せない」ワァ

アッサム「こう言ったところで伝わらない 今のあなたはどうせハイ」ワァァ

アッサム「そんなあなたに おすすめの紅茶専門店を紹介」

アッサム「プリミアスティー でも飲む前にクリティカルヒット!」ワァァァァ!!



麻子「紅茶?確かに飲みたい 方言で言えば『やったるきん』」

麻子「ぐらい熱くなってるのは確か だが飲むならアッサムティー」ワァァァ!

麻子「お前を飲み干して 恥を知れ とばかりに残りの紅茶も」

麻子「はしごして 私の胃の中で大洗の勝ちを知れ!」ワアァァァァ!

麻子「胃の中のお前も気付けば背後にいて って背後霊?」

麻子「悪いなそんな最期で でもこの結末が大本命」ワァァ!

麻子「そうだろう?一目瞭然 スキルの差」

麻子「一族茫然 愚痴るのさ」ワァァァァァァ!!



アッサム「アッサムティー 飲み干した瞬間にあなたも道連れ」

アッサム「私は猛毒だから やはり必要ドクターが」ワァァァ!

アッサム「ラップは聴くもの 一目瞭然は大間違い」ワァァア!

アッサム「愚痴るというか 朽ちるのは あなたの方なんじゃない?」ワァァァ!

アッサム「背後霊が見えるって 霊能力者? うさんくさいです」

アッサム「まるでスカンク 匂いきついからしますか冷凍即座」ワァァア!

アッサム「胃の中の私というより 井の中の蛙」

アッサム「悲しいREZE 自分がそうであるとわからず」ワアァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァアァァァァア!!!!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:50:13.23 ID:dhZtfbkHo

麻子「っ………」ハァ..ハァ..

アッサム「………………」

麻子(なんだこれは……思った以上に頭も体も熱くなってくる。アドレナリンが出てるのか?過去味わったことのないレベルだ。それにこの人、思った以上に強い)

役人「これより判定に入ります!」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「先攻、後攻……勝ったと思う方の札を上げてください」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:REZE

千代:アッサム

理事長:アッサム

香音:REZE

新三郎:アッサム


役人「先攻2の後攻3!ラウンド1は後攻アッサムの勝利です!!」

麻子「っ……」

アッサム「……ふぅ……」

役人「コメントを聞いてみましょう。では蝶野さん」

亜美「私は先攻のREZEさんに入れたんだけど、ライムが固くて安定してたところを評価したわ」

亜美「アンサーもナイスな具合に返せてたし。それはアッサムさんもそうなんだけど、ライムの手数でREZEさんが上回ってたからね」

役人「ありがとうございます。それではラウンド2に入ります。じゃんけんを」

麻子「」ジャンケンポイ

麻子「!後攻で」

アッサム「…………」

役人「では先攻アッサム、後攻REZE、第2ラウンド……DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:52:20.92 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=YoCx-3mDRx0

♪中盤戦 / KREVA

<先攻アッサム VS 後攻REZE ラウンド2>

アッサム「1本目 打ったのは釘 いわば前フリ」

アッサム「その次 ここで振りかぶる金づち」

アッサム「空振りなんて 絶対しない必中」

アッサム「それが道理 勝利は私の手中」ワァァァ!

アッサム「主従関係は明白 いちいち勘繰られては迷惑」

アッサム「ああだこうだとガタガタ言う輩の方々は征伐」ワァァ

アッサム「その中には見たことのある姿」

アッサム「そう、REZE 気付いたのはあくる朝」ワァァァ!


麻子「主従関係?何の話か知らんけど 丸ごと吸収しちゃうぜ」

麻子「悠々自適に 急襲し敵に 抜け落ちてた釘 打ち込む素敵に」ワアァァ!

麻子「金づちだけで武器になる なのに釘にまず 頼るなんてナンセンス」ワァァ!

麻子「お前が振りかぶって髪の毛振り乱す その隙に出す クリティカル!」ワァァァァ!!!

麻子「というか武器出したところで あんたなんか 素手で対応できる」

麻子「連れて帰ろう いや 埋めて排除 そのあとは 素で寝たいよ」ワアッァ!

麻子「さっきの後攻かなり決まってたけど あんたの実力はわかった」

麻子「ぜってー 決定 能ある鷹じゃないね 爪出た以上」ワァァァァ!!!



アッサム「抜け落ちた釘?見間違い ちゃんと見て真剣に」

アッサム「落ちたのはあなたの錆びた金メッキ」ワァァ!

アッサム「能ある鷹もたまにはライオン」

アッサム「のように爪を出す ライドオン」ワァァ

アッサム「マウントポジション 結果爪が生きる」

アッサム「と見せかけて血管噛み千切る」ワァァ!

アッサム「優雅から獰猛 切り替えるモード」

アッサム「勝利の雄たけびと 共に踊る輪舞曲(ロンド)」ワァァ!
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:55:02.17 ID:dhZtfbkHo

麻子「ゆったりたっぷりのーんびり 余裕綽々なスローテンポっすね」

麻子「ローテンションのままなら あっさり崩そう聖グロトーテムポール」ワァァァ!

麻子「その一番下にいちゃ帰還できない 横から金づちでスコーン」

麻子「あんたらが食べ飽きたスコーンじゃない 真横からデスゾーンへ」ワァァァ!

麻子「ご招待 後生大事にしてたティーカップ 遠くに行っちゃう」

麻子「小さくなって意味なくなって 死期がわかって死にたくなる」ワァァァ!

麻子「視界は真っ暗な ブラックライト」

麻子「バトルで勝つなら これぐらい上手くないと」ワァァァァ!



アッサム「喋った量ごとに ポイント貯まるとお思い?」

アッサム「だとしたら勘違いも甚だしい 相当ひどい」

アッサム「もしも横からスコーンとされても 全く問題ないわ」

アッサム「即リスポーンして復活 トーテムポール リラックス さっきまでとおんなじ会話」ワァァァァ!

アッサム「どんなに大胆に攻めてきても 定位置に戻る形状記憶」

アッサム「どんなに失敗したとしても 最後には上がる経常利益」ワァァ

アッサム「『バトルで勝つなら』なんて 未勝利の人が述べるのかい?」ワァァ!

アッサム「優勝は諦めなさい 紹介するビジネスホテルのバイト」ワァァァ!!



麻子「今さら後半テンポアップ しても遅いよ完成度がグッと」

麻子「落ちてる 初戦飛ばすことも出来ない 所詮度が過ぎたんだあんたには」ワァァァッァア!!!

麻子「ビジネスホテル?意味不明 勝利への道は生きてるのです」ワァァァァァ!

麻子「太いライムで聞き手蠢く それぐらいの美技で仕留める」ワァァァァ!

麻子「踏み外しも時にご愛敬 今度はこっちが逆にライドオン」

麻子「っていうか私とライオンの勝負 必要ないでしょ?トライオン」ワァァァァァ!

麻子「飽きが来てる 勝負は着いた 今後一切動じないよ」

麻子「紅茶もすでに飽きた ステージ降りたら用意する コーヒーサイフォン」ワァァァァァァ!!!



役人「終了ーーーーーーーー!!!!!」

ワァァァァ!!
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:57:18.48 ID:dhZtfbkHo

麻子「…………っ!」

麻子(手応えあり!)

アッサム「…………」

役人「これより判定に入ります!先攻アッサム、後攻REZE……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:REZE

千代:REZE

理事長:REZE

香音:REZE

新三郎:REZE


役人「クリティカルヒット!!ラウンド2で決着〜!!REZEの勝利です!!」

麻子「よしっ!」グッ!

アッサム「っ……!」ガクリ

役人「1敗の状況からのクリティカルヒットが決まりました。審査員に聞いてみましょう。えー、島田さん」

千代「はい、私はラウンド1、アッサムさんに入れてるのですが、実際は僅差で迷った末でした。でも今回は……そうですね、アッサムさんは1勝したことで少し気が緩んだのかもしれませんね」

千代「釘とか金づちとか割と暴力的なワードチョイスが少し相性悪かったのかな、と。そこを違う言葉で攻めてたらラウンド1のように安定したアンサーを返せてた気がします」

役人「ありがとうございました。ではもう1人……新三郎さん」

新三郎「あ、はい!私は大洗の人間ですけど、判定に身内びいきは絶対しないと言いますか、むしろ厳しめに付けるくらいの気持ちで審査に臨んでいますのでその辺のご理解をお願いします!」

新三郎「で、判定ですが……REZEさんがラウンド1の時よりもバイブスが高まっていて、さらにライミングもバシバシ決めてきました。これはもう文句なしということでREZEさんに挙げました」

役人「ありがとうございました。ということで1回戦第1試合の勝者は……大洗女子学園、REZEーーーーー!!!」

麻子「…………」ペコリ
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 22:59:51.62 ID:dhZtfbkHo

役人「2人に大きな拍手を!」

パチパチパチパチ!

アッサム「……負けたわ」

麻子「……ん、あぁ……」

アッサム「でもまだ2人いるんだからね」

麻子「…………」コクリ

ガッシリ(握手)

麻子(……おしとやかな見た目なのに強敵だった)

麻子(でもその相手にクリティカルで勝ったことで会場の空気は大洗に少し傾いたはず。このまま連勝を狙う)

役人「それでは第2試合です!REZEと戦うのはーーーー?」

ザッ!

ダージリン「…………」ウフフ

麻子(!最後じゃないのか)

役人「次鋒、ダージリン!!」

ワァァァァ..

ダージリン「アッサムに勝つなんて、お見事ね」

麻子「…………」

ダージリン「でも勝ち誇るのはまだ早いわ。こんな言葉を知ってる?……………………」

麻子「?」

ダージリン「……いえ、なんでもないわ。ペコがいないなら格言の言い甲斐がないもの」

麻子(……よくわからん)

役人「では先攻後攻ジャンケンをしてください」

ジャンケンポイ

麻子「!後攻で」

ダージリン「あら負けちゃった」ウフフ

麻子(…………というか……)チラ

ダージリン「」ウフフ

麻子(右手にマイクを持つのは普通。ただ左手にティーカップを持ったままバトルするのか?相変わらずと言えばそうだが……)

役人「それでは1回戦第2試合ラウンド1、先攻ダージリン、後攻REZE、DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュッ!
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:01:33.86 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=tf6_rXf9Xqg

♪シド&ナンシー / 餓鬼レンジャー

<先攻ダージリン VS 後攻REZE ラウンド1>

ダージリン「ご機嫌いかがですか?ミスREZE」

ダージリン「バトルですもの 多少失礼で」

ダージリン「あっても 冷静にハンティング、狩り」

ダージリン「しっかりお湯入れたあとの ジャンピング待ち」ワァァ

ダージリン「愛情を込めて 会場の熱量」

ダージリン「アゲて差し上げますわ さもあるべし」

ダージリン「サモワールで淹れるのも乙なモノ」 ※サモワール・・・ロシアで紅茶を飲む際に使用する器具

ダージリン「リング上でわたくしが得るゴールデン・リング」



麻子「言いたいことはそんだけか?紅茶ネタ」ワァ!

麻子「仕込むのはティーバッグの中だけにしてな」ワァァ!

麻子「私の嗅覚は 紅茶じゃ誘惑されない」

麻子「それよりも好きなのは ビートルズや2Pac」ワァァァ!

麻子「英国って異国ネタで挑む」

麻子「ことで築く帝国 定刻で終わらせる」ワァァァ!

麻子「クリティカルだ ダージリン」

麻子「一番罪深い 一番摘み 既視感生み出す」ワァァァ!



ダージリン「ファースト・フレッシュは全然健全よ?」

ダージリン「悪徳で あるはずないわ 罪悪感不要」

ダージリン「当然無罪放免なので」

ダージリン「警察もごめんなさいと謝る」

ダージリン「いえ、まず最初に誤ったのはあなただった」

ダージリン「浅はかだったわね REZE」

ダージリン「踊らされてしまったようねライムに」

ダージリン「偶然だけれど この左手にはライムティー」ワァァ!
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:03:42.69 ID:dhZtfbkHo

麻子「え?左のそれがライムティー?」

麻子「いやいや!匂いが違うぞ!嘘つき嘘つき!」ワァァァ!

麻子「おったまげながら DOTAMAネタ 打ち出す」ワァァ!!

麻子「紅茶詐称で警察に突き出す」ワァァ!

麻子「てか嘘つくとか 淑女が泣くぞ」

麻子「あんたを慕う全員裏切った ウルトラ悪女」ワァァァ!

麻子「地面に膝 突くのが末路」ワァァァ!

麻子「着地点に落ちてた クズの鼻くそ」ワァァァ!!



ダージリン「下品極まりない 堪忍できません」

ダージリン「タンニンの苦い部分 味わわせたいですわ」

ダージリン「これはライムティー 誓って正真正銘」

ダージリン「嘘ではないわ 騙せないもの後進の目」ワァァ

ダージリン「問題は香りを察せられない嗅覚ね」

ダージリン「風格を付けるためにも留学でもしたらどう?」ワァァ!

ダージリン「要望は聞くわ でもあなたの風貌では中坊と」ワァァァ!

ダージリン「思われてしまってやり直す中学生」ワァァァ!!



麻子「お上品で向上心もおありで」

麻子「将来有望のお方とは思えない Do you know 『中坊』?」ワァァ!

麻子「あんた高嶺の花どころか浅瀬?あ、さーせん」

麻子「買いかぶりがいかついだけかイカ釣り くらいもう興味ない」ワアァァァ!

麻子「大失態 稼いだ信用舞い散った」

麻子「アンサーも微妙で 韻も大したことない」ワァァァァァ!

麻子「最初に言った 既視感が蘇る」ワァァ!

麻子「クリティカルだ 審査員さん 票はこちらです」ワァァァァ!!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァァ..!!
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:05:04.62 ID:dhZtfbkHo

麻子「ふぅ……」

ダージリン「熱いですわね……」

麻子(ライムティーをあらかじめ持ってたことをいじった方がよかったか?それならライムも…)

麻子(用意周到……この20秒……この地球上……掃除するよ……講義注文……お前との二重奏……うん、色々踏めたか)

役人「ではこれより判定に入ります!先攻ダージリン、後攻REZE……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:REZE

千代:REZE

理事長:REZE

香音:REZE

新三郎:REZE


役人「なんとまたもクリティカルヒット!!ラウンド1で決着〜!!REZEの勝利です!!」

麻子「!」グッ

ダージリン「………………」フゥ..

役人「審査員のコメント聞いてみましょう。理事長」

理事長「先攻のダージリンさんですけれども、最初のバースなどはいい具合にリズムキープしていたのですが、REZEさんの早口と押韻につられたのか、だんだんペースが速くなってしまって、自分のスタイルを崩されてしまったんだと思いますが、そこが少し残念でしたね」

役人「ありがとうございました。篠川さんはどうでしたか?」

香音「あ、はい。REZEさんがDOTAMAさんをサンプリングしたりとテクニック面でも上回っていたと思います。ダージリンさんは物腰の柔らかいラップで面白かったんですけど、REZEさんが1試合目の勢いにのっていたのもあってなかなか抑えるのが難しかったのかな、と」※サンプリング・・・引用

役人「ありがとうございました。第2試合の勝者は……大洗女子学園、REZEーーーーー!!!」

ワァァァッァ!

役人「2人に大きな拍手を!!」

パチパチパチパチ!

ダージリン「熱いのね冷泉さん」ガシッ(握手)

麻子「……お互いさまじゃないか?ここに立つとなんかそうなってしまう」ガシッ

ダージリン「確かにね」クスッ..
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:06:24.37 ID:dhZtfbkHo

【舞台袖】

ダージリン「…………」コツコツコツ...

アッサム「お疲れ様ですダージリン」

ダージリン「……やっぱりわたくしではダメね」

アッサム「……向き不向きがありますから。でも全然悪くなかったですよ」

ダージリン「ありがとう」

オレンジペコ「……お疲れ様です」

ダージリン「……ペコ」

オレンジペコ「私がなんとか……してみます」テクテクテク...

ダージリン「……ええ、お願い」ニコリ

アッサム「頑張って」

ダージリン「…………」

アッサム「……心配ですか?」

ダージリン「……少しは。でも無用な心配よね。聖グロリアーナ最強はペコですもの」

アッサム「意外に毒舌ですし、ステージに立つとスイッチが入るタイプですから」

ダージリン(さて、それでもREZEさんに勝てるかどうか……)
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:09:17.29 ID:dhZtfbkHo

【ステージ】

役人「それでは第3試合に入ります!聖グロリアーナは3人目、最後の選手、オレンジペコ〜〜〜!!」

ワァァァ

オレンジペコ「…………」テクテクテク

麻子(…………気合いの入った顔してるな。油断は禁物か)

役人「それでは先攻後攻じゃんけんで決めてください」

ジャンケンポイ

オレンジペコ「……後攻で」

役人「OK!1回戦第3試合ラウンド1、先攻REZE、後攻オレンジペコ、DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュルッ!
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:12:13.95 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=BeXIyOD3w4Q

♪AREA AREA / OZROSAURUS

<先攻REZE VS 後攻オレンジペコ ラウンド1>

麻子「憧れのお姉さまの墓参り?」

麻子「安心しな あんたもすぐ仲間入り」ワァァァ!

麻子「半ば意地だ 頭握って 逆さにして」ワアァ!

麻子「REZE プレゼンツ Sucker(サッカー)退治」ワァァァァァァ! ※sucker・・・下手な、未熟な

麻子「人のこと言えないが お前お子ちゃまサイズ」

麻子「目の前には ライムの殿様がいる!」ワァァァ!

麻子「勝利は確実さ 白日の元に晒す」

麻子「証明する 超Aクラスの確率論」ワァァ



オレンジペコ「……この人 頭良さそうに見えてバカ?」

オレンジペコ「調子に乗ってるのが見え見えでヤダー」ワァァ

オレンジペコ「自分のフィールドをわきまえない」

オレンジペコ「脇が甘い それじゃ明日が無い」ワァァァ!

オレンジペコ「そういう人ほど急転直下」

オレンジペコ「100点満点のテストで9点とった」ワァァァ!

オレンジペコ「みたいに一気に反転 完全に勝利を断念」

オレンジペコ「残念ですねぇ あと殿様は男性ですよ?ふふっ」ワアッァァァ!!



麻子「何言ってるんだ?歴史上いたんだよ女城主」

麻子「そんなドープじゃない浅い情報 5秒で」

麻子「わかるようなソースなのに ヤバい症状」

麻子「なのに笑ってるこいつかなり 情緒不安定」

麻子「読めないんだろ 目次の項目さえ」ワァァ

麻子「理解できない簡単な 用語すらね」ワアァァ!

麻子「わかんないことは先輩である 私に聞け」

麻子「バカでもわかるよう ちゃんと形にしてやる」ワァァァ!
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:14:53.30 ID:dhZtfbkHo

オレンジペコ「私に聞け?あーあー、迷惑だー」

オレンジペコ「説教くさそう あんたK DUB SHINE?」ワァァァァァ!

オレンジペコ「セイブザグロリアーナのつもり?余計なお世話」

オレンジペコ「お下品な言い方しますよ?『そこをどけや』」ワァァァア!

オレンジペコ「韻が誇りなんでしょうけど ジタバタホコリ立てないで」ワァァァ!

オレンジペコ「たった2試合目の時点で 驕り高ぶり」ワァァァ!

オレンジペコ「そこに山積み なのでサッサッとちり取り」ワァァ!

オレンジペコ「意気込みは買いますが いちいちゴミ生まないで」ワァァァァ!!!



麻子「大したディスじゃない先端が丸い」

麻子「非鋭利だから悲鳴にならないし全然効かない」

麻子「真っ直ぐ突き刺しても 無駄無駄無駄」

麻子「ライム臭が強い マスクしないと 臭くなるさ」ワァァァ!

麻子「刺激臭すら襲撃して終劇に」

麻子「持ち込む急激なREZE 大洗の遊撃部隊」ワァァ

麻子「スキルの違い見せつける それがこの舞台上」

麻子「手数と頭の回転の速さは ハヤブサ以上」ワァァァ!



オレンジペコ「ハヤブサの脳みそって何グラム?」

オレンジペコ「人間以下じゃないですか?軽すぎる比較対象」ワァッァア!

オレンジペコ「手数というか手羽?まぁ自画自賛も好きにすれば?」ワァァ!

オレンジペコ「ディスというか忠告 天狗の鼻にレーザーポインター」ワァァ

オレンジペコ「『これこそ韻だー!』 ちゃちな誇大広告」ワァァァァ!

オレンジペコ「ライム臭以上に小物臭が鼻につく」ワァァ

オレンジペコ「人の鼻にまで関与 あなた『ハナ』大好きですね」

オレンジペコ「そういえば大洗女子にもいましたね『華』って人」ワァァァァ!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァ!
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:16:09.65 ID:dhZtfbkHo

麻子(くっ……かなり返された……!会場の空気を持っていかれたか!)チッ

オレンジペコ「…………」

役人「ではこれより判定に入ります!先攻REZE、後攻オレンジペコ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:オレンジペコ

千代:オレンジペコ

理事長:オレンジペコ

香音:オレンジペコ

新三郎:オレンジペコ

ワァァッァア!!

役人「クリティカルヒット!!勝者オレンジペコ!!」

麻子(!マジか……負けはともかくクリティカルか……)

オレンジペコ「」ホッ

役人「REZEの連勝を止めましたオレンジペコ!コメント聞いてみましょう。新三郎さん」

新三郎「いやー、これはもうオレンジペコさんのアンサーが的確でしたね」

新三郎「REZEさんの1バース目の『墓参り』、『仲間入り』とか、入りは最高だったんですけど、そのあとのアンサーで会場全体の空気をモノにしたオレンジペコさんに脱帽ですね」

役人「ありがとうございました。蝶野さんどうですか?」

亜美「ここまでのバトルを見たオーディエンスは、後攻が絶対有利という風に見えたと思うけれど、それは少し違っていて、このラウンドに関しては勢いに乗ってるREZEさんに先攻は味方したはずなのよ」

亜美「でもそれをオレンジペコさんが今までの2人と一風変わった返し方をすることで、オーディエンスを『おや?』と思わせた。皮肉の利いたパンチラインもベリーグッドだったわ」

役人「ありがとうございました。第3試合、勝者は聖グロリアーナ、オレンジペコ!!」

ワァァァァ!!!

麻子(くそ……)
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:18:54.09 ID:dhZtfbkHo

【舞台袖】

みほ「あわわわ……麻子さんが負けちゃった……」

杏「スタイルの相性かねぇ」

麻子「……すまん、3人抜き出来なかった」

みほ「お、お疲れ様!」

杏「だいじょぶだいじょぶ。2人に勝った時点で充分すぎるし、それに……」ナデナデ

みほ「ふぇ?」

杏「西住ちゃんがここで本番に慣れておく方が、後々生きてくるだろうしねぇ」ナデナデ

みほ「あ、あの……か、会長……な、なんで撫でるんですか///」

杏「西住ちゃんが緊張してるから♪」ニヒ

みほ「うー……//」

麻子「……西住さん。ステージに立つとアドレナリンがやばいぞ。冷静でいるのが難しいくらいだ。あまり熱くなりすぎないよう注意した方がいい」

みほ「麻子さん……」

杏「確かにいつもの冷泉ちゃんじゃなかったもんね」

麻子「だが…………気持ち良かったし、楽しかった」

杏「だってさ。西住ちゃんも楽しんできなよ。もし負けても私がいるから安心でしょ?」

みほ「会長……」

みほ「……はいっ!」

杏「じゃ、行ってきな」

みほ「!行ってきます!」タタッ!

麻子「………………はぁ」ストン

杏「疲れた?」

麻子「……というより、負けたのが結構堪えた」

杏「ありゃ。意外な一面。ま、戦車道でも練習試合以外負けてないからねー」

麻子「…………いや、個人対個人だからだと思う。しかも年下……」

杏「……1回戦突破したらまた頼りにしてるからさ」

麻子「…………ん」

杏「………………」フフ

杏(さて……頭の回転が早くて機転が利き、意外とディスが強烈な西住ちゃん。ライムの手数では冷泉ちゃんに負けるけど一撃の重さはある……本領発揮できればいい勝負になるはずだけど……どうなる?)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:20:07.21 ID:dhZtfbkHo

【ステージ】

役人「それでは第4試合ラウンド1、オレンジペコとMIHOの勝負です」

オレンジペコ「…………」

みほ「………………」キョロキョロ

ワァァァ..

みほ(すごい人、それに熱気……なんだかお腹の底からジワジワ熱くなってくる……)ゴクリ

役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」

みほ「あっ、は、はい!」

ジャンケンポイ

みほ(!負けちゃった)

オレンジペコ「…………先攻で」

みほ(!?わざわざ先攻をとった?そうか、私にプレッシャーを与える気なんだ……それか……侮られてる)

みほ(……だったら最初のバースでオレンジペコさんもお客さんもビックリするぐらいのインパクトを見せてみせる)キリッ!

役人「OK!それでは第4試合ラウンド1、先攻オレンジペコ、後攻MIHO、DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:22:18.02 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=J54caLdNARg

♪最ッ低のMC / 般若

<先攻オレンジペコ VS 後攻MIHO ラウンド1>

オレンジペコ「クリティカルだったけど REZEは強かったですよ大洗女子」

オレンジペコ「でも残り2人のメンバーは お笑い女子」ワァァァ!

オレンジペコ「言葉に詰まったら披露してね あんこう踊り」

オレンジペコ「合いの手ぐらい入れますよ 感情込めずに」ワァァァ!

オレンジペコ「あら?もしかしたら震えてるんじゃない?緊張しいかな?」

オレンジペコ「それとも周りに流されて バトルに便乗した?」ワァァァ!

オレンジペコ「フリースタイルできるんですかあなた 割といいスタイルに顔」

オレンジペコ「だけど実力は伴わない 確定 2人抜きだよー」ワァァァァァ!!



みほ「先攻攻撃が雑 それなんか焦りに似た気持ち」

みほ「震えてて悪い?だってこの勝負 賭けにきた命」ワァァァア!

みほ「相手がそんなんじゃ 全然ヒリヒリした勝負できない」

みほ「黒タイツ伝線させて直々にビリビリに引きちぎってギリギリ」ワァァァ!

みほ「しきりに生き死にを意識させてピチピチの肌ミシミシ」ワァァァァ!

みほ「言うまでニギニギしてビビりにさせようかなー?お嬢さん」ワァァァァ!

みほ「そろそろ紅茶も冷める時間じゃないですか?」

みほ「お湯沸かしに行くフリして 逃げてもいいんですよー!?」ワァァァァア!!



オレンジペコ「普段は元気はつらつじゃないのに やたらいい滑舌」

オレンジペコ「早口で調子に乗った相手倒す気分は格別」ワァァ

オレンジペコ「黒タイツ破るのは腕力 でもあなたの持ち味は跳躍力」

オレンジペコ「それと私、責められるの嫌いじゃないので超役得」ワァァァ!

オレンジペコ「だから今日約束 そして今度会いましょう」

オレンジペコ「黒タイツのくだりを是非実現させましょう」

オレンジペコ「今から楽しみですね〜 秘密の逢引き」

オレンジペコ「…って嘘だよ! 今からミンチにする つまり合い挽き肉」ワァァァ!
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:24:17.62 ID:dhZtfbkHo

みほ「一言忘れてますよ? うっかり屋さんですね」

みほ「ハンバーグ師匠やるなら最後に『ハンバーグ』って言わないと」ワァァァア!

みほ「ていうかハンバーグ師匠やる時点で そっちがお笑い女子」ワァァァ!

みほ「全っ然足りてませんよ 細かいオチ!」ワァァァ!

みほ「『嘘だよ!』ネタのチョイスも そっち系を意識」

みほ「嘘でもタイツ破られフェチでも どっちでもいいし」ワァァァ!

みほ「土下座して頼むなら破くのも ちょっとならいい」

みほ「相手は人間じゃない 腐ったオレンジ ノットバヤリース」ワァァァ!!



オレンジペコ「そうバヤリースじゃない正解 だからこそこうやって」

オレンジペコ「ロゴみたいに横向かずに正対 してフリースタイルしてる」ワァァァ!

オレンジペコ「ちなみにオレンジペコのオレンジは果実じゃないんで」

オレンジペコ「マジだっせーですね 恥100パーセント」ワァァ!

オレンジペコ「上り調子だったのに こういうところ崩れた分」

オレンジペコ「負けてあとで後悔する 自問自答ググレカス」ワァァアァ!

オレンジペコ「はあ……講義の為に使った時間 かなり無駄」

オレンジペコ「でも納得もできる だってあなたの髪色 腐ったミカン」ワァァッァア!



みほ「お笑いに対する アンサーはどこへやら」

みほ「そんなザマじゃこのバースで ワンパンなトドメかな」ワァァァア!

みほ「髪色だけで腐ったミカン?それうがった見方」

みほ「自分も似たような髪色 ブーメラン放っちゃいかん」ワァァァ!

みほ「ダージリンさんの髪型真似してすっかり上機嫌 小物臭の」

みほ「詰まった編み上げ 掃き溜めに落ちた毛程度しか価値がねぇ!」ワァァァアア!

みほ「総括 あなたの吐く言葉って軽いんじゃない?」

みほ「ダージリンさんが いなけりゃ借る威がない!!」ワァァァ!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァッァァァァ!!!
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:25:55.12 ID:dhZtfbkHo

役人「これは……いい勝負だったのではないでしょうか?」

みほ「…………」ハァ..ハァ..ハァ..

みほ(緊張したぁ……それに『価値がねぇ』とか男の人っぽい言葉使うのって未だにドキドキするよぉ)

みほ「」チラ

オレンジペコ「っ……」

みほ(でもイメージしてたより上手くいった。ここで1勝しておきたいけど……)


役人「ではこれより判定に入ります!先攻オレンジペコ、後攻MIHO……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:MIHO

千代:MIHO

理事長:オレンジペコ

香音:MIHO

新三郎:MIHO

ワァァァッァア!

役人「先攻1、後攻4、ラウンド1の勝者はMIHOーーーーー!!」

みほ(やった!)

オレンジペコ「………………」

役人「審査員にコメントを聞いてみましょう。蝶野さん」

亜美「両者ともグッジョブベリーナイスファイトだったんだけど、オレンジペコさんが最初に『お笑い女子』って言っておきながらサイプレス上野さんの『嘘だよ』をサンプリングしたりして、ちょっとブレてしまったかな?」

亜美「そこをMIHOさんが上手く突いた。オレンジペコさん2バース目の『ミンチにする』、『合い挽き肉』という言葉から、お笑い芸人さんのハンバーグ師匠というネタと繋げて『そっちの方がお笑い女子』という返しはファンタスティックスチューデントだったわ!」

役人「ありがとうございました。理事長はどうでしょうか?」

理事長「家元のむす…あ、いえ、MIHOさんのえげつないくらいのディスをよくしのいだという点でオレンジペコさんに入れました」

理事長「それと3バース目のバヤリースに対するアンサーで『ロゴみたいに横向かずに正対』っていうラインに痺れましたね」

理事長「まぁ、細かく言ってしまうと、バヤリースのロゴは段々変わっており、正面を見ていたり顔自体がなかったりしてるんですが、やはり横向きのロゴの印象が強いですから」

役人「なるほど。ありがとうございました。では第4試合ラウンド2に入りたいと思います。先攻後攻じゃんけんで決めてください」

ジャンケンポイ

オレンジペコ「!後攻で」

みほ「っ……」

役人「OK!ではラウンド2いきます!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:27:53.74 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=jjXEiben_rg

♪RGTO / AKLO

<先攻 MIHO VS 後攻 オレンジペコ ラウンド2>

みほ「試合開始してから 紅茶一滴も飲んでないよ?」

みほ「余裕ないの?無表情で まるでポンデライオン」ワアッァァア!

みほ「もはや後無し がけっぷちの1勝0(れい)敗」

みほ「これで負けたら ダージリン教に 一生礼拝できない」ワァァァ!

みほ「流れをキープしたまま勝つ勢い 尋常でない」ワアァァァ!

みほ「人をナメた罰が当たったね 窮鼠猫を噛む」

みほ「ノックアウトで突っ伏した体……」

みほ「今から シュートで転がす!」ワァァァァァ!



オレンジペコ「前時代的な暴力が西住流の本質」

オレンジペコ「門下生たちが たちどころに言う『もうギブ』」ワァァ

オレンジペコ「ただ攻撃は直線的な猪武者 マタドール」

オレンジペコ「みたいにまた上手に避けてからグサリ 血を見るさ」ワァァ!

オレンジペコ「って、猪じゃなくて鼠だった 放り込むミルサー」ワァァ!

オレンジペコ「スイッチオンであっという間に液状化」

オレンジペコ「これは暴力というより行うべき浄化」

オレンジペコ「元の優しいMIHOさんに戻ってね どうか」



みほ「むごたらしい 暗黒な返事のせいで」

みほ「青少年に衝撃 まるで 残酷な天使のテーゼ」ワァァァァァァ!!

みほ「みんな見たくなるのは 神話になる景色」

みほ「使徒を仕留めるように 韻吐き出す敵に」ワァァッァア!!!

みほ「それと例え話でも鼠いじめないで」

みほ「薬打ってるの?ってくらい狂気じみてサイケ」ワァァァァ!

みほ「想像上の鼠もいたわる 私の背後万歳」

みほ「しているのは 動物愛護団体」ワァァァ!
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:28:55.33 ID:dhZtfbkHo

オレンジペコ「万歳三唱 いつの時代ざんしょ?」

オレンジペコ「勝手に鼠になりすましたのはあなたでしょ?ガンショット」ワァァ!

オレンジペコ「このステージ上 人間対人間 最初と変わんない」

オレンジペコ「だからとっとと帰って 動物愛護団体」ワァァ!

オレンジペコ「1対1なら あなたの惨敗」

オレンジペコ「すでに見えてるイメージ 祝勝会で最後乾杯」ワァァァ!

オレンジペコ「ちなみに紅茶飲んでないのは 喉潤ってるから」

オレンジペコ「MIHOじゃ カラカラになるほど圧力ないから」ワァァァ



みほ「ガンショット?突然の銃撃?」

みほ「あれ?撃たれたはずなのに全然呼吸できる」ワァァア

みほ「つまり嘘 張りぼて 粉飾ラップ」

みほ「ここに来て何それ すっごくショック」ワァァ!

みほ「いやペコさんに限ってそれはないか あるいは空砲?」

みほ「または単純に狙い外したヘタクソ?」ワァァァ!!

みほ「腕が無さすぎでしょ この超近距離」

みほ「次は私の番 燃やす押韻の火」ワァァァァァ!



オレンジペコ「押韻 韻を『踏む』ってことは火消しみたいなもの」

オレンジペコ「あべこべ理解不能 先輩アホなの?」

オレンジペコ「ステージ上で 急に強気のあなたの方が粉飾」

オレンジペコ「戦車道で尊敬してた分ショック」ワァァ!

オレンジペコ「韻が好きなのは 大洗の校風?」

オレンジペコ「ワンパターンで 面白味のない型通り」

オレンジペコ「だったら さっきと同じようにかわすマタドール」

オレンジペコ「韻だけに縛られない 私こそがドープ!」ワァ!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァア!!
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:29:51.26 ID:dhZtfbkHo

みほ「……………」ハァ..ハァ..ハァ..

オレンジペコ「………………」フィッ!

役人「それではこれよりラウンド2の判定に入ります!先攻MIHO、後攻オレンジペコ。勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:MIHO

千代:オレンジペコ

理事長:MIHO

香音:MIHO

新三郎:MIHO


役人「先攻4、後攻1。勝者、MIHOーーーー!!!!」

ワァァァァァァァ!!!

みほ「やった!」グッ

オレンジペコ「っ!」

役人「今の試合、どうでしたか?篠川さん」

香音「MIHOさんの韻が最初から最後まで高水準をキープしていたのが素晴らしかったです。ディスも強烈で……オレンジペコさんはラウンド1のダメージを引きずって本調子を出し切れなかった気がします」

役人「ありがとうございました。えー、島田さんはどうでしょうか?」

千代「MIHOさんのライムはハイレベルで思わずうなりましたけれど、私はオレンジペコさんのアンサー力の方に痺れていて、ラウンド1でのMIHOさんの暴力的な攻撃は受け流したんですけど、ラウンド2ではあえて自分も暴力的なアンサーをするんですね」

千代「でも同時に『こんな風に言われたら嫌でしょ?』っていう意味が込められてる。その後の『元の優しいMIHOさんに戻ってね』が象徴してますよね。その上で『マタドール』っていう攻撃を受け流すスタンスは保っていますし、パンチラインが効いててよかったのでオレンジペコさんに挙げました」

役人「なるほど。ありがとうございました!」

役人「えー、第4試合の勝者はMIHOということで………………大洗女子、1回戦突破です!」

ウォオォォォォォォ!!!

オレンジペコ「……おめでとうございます」

みほ「あっ……あ、ありがとうございます。あの……色々ひどいこと言っちゃって……」

オレンジペコ「それがバトルですよ?」ニコリ

みほ「あ……」

オレンジペコ「優勝目指して頑張ってくださいね。応援しますから」

みほ「……はい!ありがとうございます!」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:31:28.38 ID:dhZtfbkHo

【舞台袖】

杏「おかえりー、西住ちゃん」

麻子「お疲れ」

みほ「た、ただいま戻りました」

杏「やー、バシバシ決まってたねぇ」

麻子「戦車道で相手の弱点や隙を見抜く洞察力は伊達じゃないな」

みほ「い、いえそんな……」

杏「どーだった?楽しかった?」

みほ「………………はい。戦車道をやってる時と同じくらい……気分が高揚して、冷静になるのに必死でした」

杏「ほうほう。冷泉ちゃんが熱くなるくらいだもんね」

麻子「……まぁな」

杏「さて、無事1回戦突破したことだし、客席で観てるみんなのところに顔出したいところだけど……このまま他の学校の試合を見よっか」

麻子「賛成だ。どこが勝ち上がってくるか、そしてどんなスタイルなのかを知っておけばバトルに役立つ」

みほ「しっかり研究しましょう」コクリ



杏「――――お、これからやるのは……継続とプラウダだね」

麻子「勝った方と次戦うのか」

みほ「どんなスタイルなんだろう?」


ミカ「」

ノンナ「」


みほ「ミカさんがトップバッター……」

杏「どっちが勝つんだろねぃ」ニヒヒ

役人「それではDJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュル



ミカ「星は昨日と変わらない 例え私たちがどう過ごそうと 目に映るありのまま以上を世界にもたらす 恩恵と言うのも憚られるけれど美しさから得るものは何も感情を震わせるものだけじゃあない 私たち人間を構成するナニカの一部に組み込まれ……いや、組み込んだと思いたくもなるさ」



麻子「……おい。ラップしてないぞ」

みほ「ただの朗読会みたい……」

杏「リズムとか無視だねぇ……ある意味キャラが立ってるけど」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:32:33.77 ID:dhZtfbkHo

ノンナ「よそでやれ 退屈な朗読会」

ノンナ「やる気のない輩は 総取っ替え」ワァァ!

ノンナ「バラエティ番組のやる気ない番宣俳優か?」ワァァ!

ノンナ「四肢をバラバラにして物語は最終回」ワァァ!



麻子「……ふむ。プラウダの方はかなりまともだな」

杏「残る2人はカチューシャと……クラーラさんかな?」

みほ「………………」

みほ(ノンナさん、クールな表情のまま淡々とラップしてる……お客さんがだんだんその雰囲気に呑まれて、どんどん歓声が増していく……)



ノンナ「お前が行くべきなのは 星を見る会だけ」

ノンナ「戦場に来たのは間違い ここで散る定め」ワァァァァ!!



継続高校VSプラウダ高校戦終了――――



麻子「ノンナさんの3人抜きか……」

杏「安定して強いというかブレないね」

みほ「継続高校はなんというか……」

杏「はっきり言って微妙だったね。それほどやる気じゃなかったのかもね」

麻子「先鋒は論外として、後の2人も聖グロほどのレベルではなかったからな」

杏「お、次はサンダースとワッフル学院だね」


ケイ「」


杏「いきなりおケイか」


役人「DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュル
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:33:18.19 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=-W3UoYkGjic

♪Guess Who’s Back / Rakim

<今回はケイのバースのみ>

ケイ「みんな盛り上がってるー?(ウォォォォ)……オッケー!」ワァァ!

ケイ「ならこっちも全開でいっちゃおうかなー!?」ワァァァ

ケイ「アイムケイ サンダースの特攻隊長」

ケイ「速攻退場 させちゃう 1バースで散弾銃バン!」ワァァ

ケイ「あなたのMCのアカウントごとBAN!」ワァァ!

ケイ「言葉!の弾丸!勝利へのカウントダウン!」ワァァ!

ケイ「ティロリーンってトロフィーゲットするわ フォローミー」ワァァァア!

ケイ「あ〜!本当にビックリするくらい楽し〜!」ワァァァ!



ケイ「ねぇねぇどうしてそんなにケンカ腰?」

ケイ「仲良く戦わないとされちゃうよ えんがちょ」ワァァァ

ケイ「あ、みんなもこれ知ってるんだ?結構古い記憶だけどねー」

ケイ「私って意外と古風なのよ 年末にはちゃんと出す年賀状」ワァァァァァ!

ケイ「変なのー!って顔のお客さんが1、2、3、4…」

ケイ「数えきれないくらい多いねー でもいい感じ」ワァァァ!

ケイ「あなたもリラックスしなよ?ほらほら眉間のしわ」

ケイ「気付いてないの?みんな見てんのになぁ〜」ワァァァァ!



ケイ「もうこれが最後のバース?あっという間ねー」

ケイ「時間って経つの早いよね じゃあ最初からもっかい…」

ケイ「ってそんなの無理よね 一発勝負」

ケイ「クリティカルで私の勝ち だってあなた失策上手」ワァァァ!

ケイ「ノリ悪くていけずなまま自滅していってる」ワァァァ!

ケイ「まさに棚ボタ でも勝ちはすぐ拾うわ 3秒ルール!」ワァァァ!

ケイ「感情クール だからあなた印象薄い 物足りない」

ケイ「だから〜〜……カモーン!ネクストチャレンジャー!」ワァァァァ!!


役人「終了〜〜〜!!!!」

ワァァァァ!


麻子「……完全に観客を味方に付けるスタイルだな」

みほ「うん、相手よりお客さんの方を向いてる時間の方が長かった。それでいてところどころでパンチラインは決めてくる」

杏「フロウもリズムに合わせたり会話風にしたりと器用だし、さすがおケイだねぃ」

麻子「私にとってはやりづらい相手かもしれない」

杏「かもね……ああいうタイプは乗せたら怖いから要注意だね」


その後も、みほたちは試合観戦を続けた――――
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:38:33.21 ID:dhZtfbkHo

杏「とりあえず1回戦は全部終わった。このあと各校が予想通り順当に勝ち上がった場合、うちが当たる可能性があるのは、プラウダ、サンダース、アンツィオ、それと黒森峰かBC自由学園だね」

みほ「サンダースはケイさんの3人抜き。アンツィオは先鋒のペパロニさんがクリティカルで負けちゃったけど、次に出てきたカルパッチョさんが強かった」

麻子「ああ。ライミング重視で共感できた」

杏「それと黒森峰……」

麻子「……逸見エリカか。すごかったな」


http://www.youtube.com/watch?v=Y32qOQDbWok

♪GOLDEN MIC / ZEEBRA

エリカ『このクソビッチ、見た目だけのタンカス女!』

エリカ『根性叩き直せ 行ってこいよタンカスロン!』ワァァァ! ※タンカスロン(強襲戦車競技)。リボンの武者より

エリカ『薄化粧が逆に気持ちわりぃよドブス』

エリカ『男誘う ゲロ臭いフェロモン漂う動物!』

エリカ『戦車道やってるくせに 爪伸ばしてるんじゃねぇよ!』

エリカ『どっちつかずの優柔不断女!載っちまえ戦死者名簿』

エリカ『このマイクでどついて その歯並びガタガタにしてぇ!』

エリカ『道空けろ雑魚 マザーフ○ッカー 死ねェ!』



麻子「……バトルだと割り切っているんだろうが……ああも口汚く人を罵れるものなのだな。それとも普段からああか?まさかな……」

みほ「さ、さすがにあそこまでひどくないよ」

杏「でも意外と小節の最後は堅実に韻踏んでるし、あの声量と勢いは観客を味方につけるよ。サンプリングもあったし、ただのヒステリックじゃないからねー」

麻子「結果3人抜きしたしな。強いのは強い」

みほ「相手の人、完全に呑まれてたね……」

杏「ただ、黒森峰が当たるであろうBC自由学園。知波単が3人抜きで負けたでしょ?ここがかなり強かった」

麻子「……確かに。ムール、ボルドー、アスパラガス。この3人の強さは図抜けている。勝ち上がってくるとしたらBC自由学園の可能性が高いだろうな」

みほ「BC自由学園の強さはどこから来るんでしょうか?」

杏「んー、もともとBC高校と自由学園って別々の学校で校風も違う。それが統合したんだけど、今でも学園艦内は右舷と左舷で両校が分かれてるんだよ」

杏「それでも争い事が多くて大変らしいよ。その解決策の1つとしてフリースタイルバトルをやってたみたいだね。ガス抜きみたいなものかな」

みほ「経験者ってことですか……」

麻子「なるほどな。なかなか厄介だ」

杏「で、最近はタンカスロンっていう競技を通して不仲が解消されたらしいから、チームワークもそこそこ良し」

みほ「煽って不協和音を誘うのも難しいですね」

杏「逸見エリカが絶好調だったとしても………3人抜きは無理かなぁ」

麻子「先鋒のレッドスターだったか?あの人では太刀打ちできないだろうしな……」

スタッフ「大洗女子学園のみなさん、2回戦の準備をお願いします!」

杏「わかりました。今度は……西住ちゃん先鋒、私が次鋒、冷泉ちゃんが大将で行こう」

みほ「わ、私が先鋒ですか?」

杏「そそ。さっきの調子でちゃちゃっとやっちゃってよ」

みほ「は、はい。がんばります……」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:51:11.34 ID:dhZtfbkHo

【ステージ】

役人「それではこれから2回戦を始めます!大洗女子学園対プラウダ高校の戦いだー!」

ワァァッァア!

役人「うぇいよー!盛り上がってきたぜー!それじゃあ第1試合、先鋒の登場だ!」


みほ「」ザッ

ノンナ「」ザッ


ワァァッァア!

みほ(の、ノンナさんが相手か……)

ノンナ「………………」

みほ(う……じっとこっち見たまままったく目を反らさない……怖い……)

役人「先攻後攻、じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポイ

ノンナ「……後攻で」

役人「OK!では大洗女子学園対プラウダ高校、第1試合、ラウンド1……DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュルル!
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:54:12.86 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=Co-WEAxmr1Q

♪一網打尽 / 韻踏合組合

<先攻MIHO VS 後攻ノンナ ラウンド1>

みほ「先手でかます あんこうチーム」

みほ「フロウ、ライム、感情、リズム」ワァァ!

みほ「全て揃えてく プロフェッショナル」

みほ「その威力さながら ロケットアーム」ワァァァ!

みほ「急所を撃ち抜く 一撃KO」

みほ「無駄な動きなく 理知的でしょ?」ワァッァ!

みほ「フリースタイルバトルを 上手くやろうと」

みほ「したのにてんでダメな プラウダ高校」ワァァァ!



ノンナ「韻はともかくディスの斬れ味全然ない」

ノンナ「もしかして年下にしか威張れないのか?」ワァァ!

ノンナ「年上絶対、年功序列?」

ノンナ「ならお前は 初戦で 健闘終える」ワァッァ!

ノンナ「先攻ドS 火花散らせると思ってた」

ノンナ「それなのに このザマじゃしらける」ワァァ!

ノンナ「牙ないなら勝っても 意味がないわけでは」

ノンナ「ないけどここで死になさい」ワァァァ!



みほ「っ…別に年上年下 関係ない」

みほ「決め付けた罰として 反省会」ワァァ!

みほ「お客さんに聞けばわかる あなた歓声ない」ワァァ!

みほ「っていうか フリースタイルが安定しない」

みほ「年上って言ったってたった 1年差」

みほ「それを ああだこうだぐちぐち いじめんな」ワァ!

みほ「私のスキル見せる 異次元だ」

みほ「滅多打ちにされても くじけんな!」ワァァ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:55:36.19 ID:dhZtfbkHo

ノンナ「ようやく少しかかったエンジン」

ノンナ「でもそれは 馬の鼻先ぶら下がった人参」ワァァァ!

ノンナ「遮二無二なだけで 方向性皆無」

ノンナ「目の前にイレ込んだ 高校生がいる」ワァァァア!

ノンナ「プラウダに 歯向かうのならば 無期限拷問」

ノンナ「その代わり許してやるよ 敵前逃亡」ワァァァ!!

ノンナ「むざむざ怪我したくないなら 逃げなさい」

ノンナ「私も出来ればこの手 穢(けが)したくないから」ワァァァッァア!!



みほ「拷問とか何それ 縄文時代みたい」

みほ「私ならば軽くかわし 生存しハイになる」ワァァ

みほ「時代錯誤な相手 理解が不能」

みほ「このまま耕してく 未開拓の地」ワァァ!

みほ「敵前逃亡なんてしない ご機嫌上々」

みほ「言ってることつまらない あなた落研の子?」ワァァ!

みほ「もちテンションも 上がる一方の先鋒」

みほ「これが大洗の一番手 見違える戦法!」



ノンナ「結局こいつ韻だけ 他はこの程度」

ノンナ「意味も不明、ようはビビッて縮こまったってことでしょ?」ワァァッァア!!!

ノンナ「心は折れて 求めてる救護室 リクエストに」

ノンナ「応え連れて行く プラウダ寮209号室」ワァァァ!!!

ノンナ「仕方ないだろう、所詮ないんだよ覚悟」

ノンナ「悲しいまでに哀れ 敗者の末路」ワァァァ!

ノンナ「戦車がないMIHOは ただのMIHOだ」ワァァァ!

ノンナ「散々に嬲られて 生ゴミと化す」ワァァァァァ!!!!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァ!!
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:57:02.45 ID:dhZtfbkHo

みほ「………………っ」

ノンナ「………………」

みほ(ダメだ……完全にノンナさんの雰囲気に呑まれちゃった……)クッ

ノンナ「………………」


役人「ではこれより判定に入ります!先攻MIHO、後攻ノンナ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:ノンナ

千代:ノンナ

理事長:ノンナ

香音:ノンナ

新三郎:ノンナ

ワァァァァ!

役人「クリティカルヒット〜!勝者!後攻……ノンナ〜〜〜〜!!!」

みほ「っ……!」

役人「このような結果になりましたが……篠川さん、どうでしょうか?」

香音「はい。MIHOさんは前回のバトルでかなりの攻撃性とライミングをバシッと決めていたので、私を含めお客さんも全員がこの試合でも期待を込めて見ていたと思うんです」

香音「でもライムはところどころでちゃんと決めてるんですけど、期待があった分だけ、攻撃に少し物足りなさを感じてしまったのが正直なところです」

香音「そこをノンナさんが『年下にしか威張れないのか?』っていうラインでお客さんと審査員のクエスチョンマークを『なるほど!』に変えて空気をかっさらった感じがありますね。さらに付け入る隙も与えず攻撃しつづける容赦の無さがカッコよかったです」

役人「なるほど……ありがとうございました」

みほ(……ノンナさん相手にディスしにくかったのもあるけど……でもここまで押されるなんて……っ)

役人「バトルを終えた2人に大きな拍手を!」

パチパチパチ!

役人「では第2試合に移ります!」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:57:42.40 ID:dhZtfbkHo

【舞台袖】

麻子「………お疲れ」

みほ「………………すみませんでした」

杏「まーまー、そうゆーこともあるよ」

みほ「はい…………でも悔しいです」

杏「おろ?」

みほ「なんか……自分でもビックリするぐらい悔しいんです」

杏「……そっか」

みほ「だから……次は絶対に勝ちたいです」

麻子「……よくわかる。もう二度と負けたくないというその気持ち」

みほ「麻子さん……」

杏「んじゃま、私も頑張んなきゃねー♪行ってくるよ」テクテク

みほ「……お願いします!」ペコリ

麻子「…………もし負けても問題ない。私が絶対に勝つ」

杏「頼もしいねー♪んじゃ気楽にいこっかな」アッハハ



【ステージ】

役人「それでは第2試合、先攻後攻を決めてください」

ジャンケンポイ

杏「後攻でー」

役人「OK!ではラウンド1を始めます!先攻ノンナ、後攻アンジー。DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュッ!
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/29(月) 23:58:57.61 ID:dhZtfbkHo

http://www.youtube.com/watch?v=abfMiEZ-GDQ

♪Turn Up / KEN THE 390

<先攻ノンナ VS 後攻アンジー ラウンド1>

ノンナ「大洗アンジー 第2の獲物」

ノンナ「ウォーミングアップに ちょうど手頃」ワァァ

ノンナ「若手で充分 片手で充分」ワァァ!

ノンナ「どんどん寿命を 縮めてゆく」ワァ!

ノンナ「そこの 子供 元々 小物」ワァァ

ノンナ「やる気があるなら いたぶるとことん」ワァァ!

ノンナ「戦車道で負けた ヘイト大量」

ノンナ「だから覚悟しなよ 生徒会長」ワァァ!



杏「戦車道とバトル それがリンク?」

杏「なんか反則じゃね?トラベリング」ワァァ!

杏「それはそれ でしょ マジな話」

杏「バカに思われちゃうよ?八つ当たり」ワァァ!

杏「戦い方に出るのは 個性と執念」

杏「思考が老けてるから トメィト食って」ワァァ!

杏「スッとしたならフットワーク」

杏「軽くなってポジティブ案 フッと沸く」ワァァァ!



ノンナ「アンサーに全くなってない」

ノンナ「そんなザマじゃ ここじゃ勝てない」ワァァ!

ノンナ「何一つ お前わかってない」

ノンナ「クリティカル追加 下がってな」ワァァ!

ノンナ「ダジャレとライムを 混同してる」

ノンナ「そんな初心者は どんどん消える」ワァ

ノンナ「プラウダ高校 2回戦突破」

ノンナ「こっぱ微塵にしてやるアンジー」ワァァ
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 00:00:37.18 ID:CoaWBJ6Zo

杏「バラバラにされたら 甚だ迷惑」

杏「だけどその場で くっつく復活」ワァァ

杏「負けないやつが 最後に勝つ」

杏「夢中で攻撃中 背後に立つ」ワァァァ!

杏「この大会きっかけで ラップを始めた」

杏「立場同じなのに 私だけ初心者?」ワァァ

杏「自信あるんだねぇ 自分の才能」

杏「周り見えてないけど 気分は最高?」ワァァァ!



ノンナ「人によって違う成長速度」

ノンナ「とくと感じろ スキルの違いを」ワァァ

ノンナ「理解度に関しちゃ 言うだけ無駄か」

ノンナ「意味不明な言葉を叫ぶバカ」

ノンナ「相手にするだけ 時間の浪費」

ノンナ「私が勝つのは みなさんご存じ」ワァァ

ノンナ「楽勝で達成 2人抜き」

ノンナ「スキルと身長の差 まるでスカイツリー」ワァァア!



杏「スカイツリーと何を比べたの?」

杏「ドバイのブルジュ・ハリファなら私の勝ちだよ?」ワァァァ! ※ブルジュ・ハリファ……ドバイにある、世界一高い超高層ビル

杏「828メートル、ブルジュ・ハリファ」

杏「2人抜きどころか 続くラリーが」ワァァア!

杏「『みなさんご存知』って 調子乗りすぎだー」

杏「興奮わかるけど ちょっち落ち着きなー?」ワァァァァ!!!

杏「この人 無表情だけど『うっひょー』とか思ってるよぜってー!」

杏「家で1人の時は テンション高い 内弁慶〜!」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァ!
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 00:01:43.04 ID:CoaWBJ6Zo

役人「それでは判定に入ります!先攻ノンナ、後攻アンジー!勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「………全員決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:アンジー

千代:ノンナ

理事長:アンジー

香音:アンジー

新三郎:ノンナ

役人「先攻2、後攻3!ラウンド1、勝者は後攻、アンジー!!」ワァッァァ!

杏「よっしゃーい!」ワァァァ!

ノンナ「………………」

役人「蝶野さん、いかがでしたか?」

亜美「2バース目まではノンナさんかなという感じだったけれど、最後で逆転したわね。グランドスラム!」

亜美「個人的には、スカイツリーに対するアンサーでは、日本にあるスカイツリーより高いものの名前を挙げたくなるのね、富士山とか。でもアンジーさんは世界に目を向けたのスケール感と、ブルジュ・ハリファの高さをちゃんとラップに組み込んで、お客さんに理解してもらうっていう細やかさ。抜け目ないわね〜」

亜美「あと所々で『トメィト』だったり、『無表情だ』と『うっひょーとか』のライミングとか、力が抜ける感じのワードセンスもよかったわ。グッジョブベリーナイス!」

役人「ありがとうございました。ではラウンド2に入りましょう。先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポイ

杏「後攻でー」

ノンナ「!」

役人「OK!ではラウンド2に入ります……先攻ノンナ、後攻アンジー。DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュッ!
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 00:04:05.05 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=4dmcGml5jAk

♪com on! / ACE

<先攻ノンナ VS 後攻アンジー ラウンド1>

ノンナ「連続で後攻 まさに臆病もん」

ノンナ「与えてあげましょう 極上の死」ワァァ

ノンナ「ラウンド1 勝てたのはただの幸運」

ノンナ「本腰入れて 額に合わせる照準」ワァァ!

ノンナ「私はプラウダの先鋒にして 最終兵器だ」

ノンナ「逆転への伏線は 回収できた」ワァァア!

ノンナ「今度はクリティカルだちゃんと勝つ」

ノンナ「一撃必殺 魔弾の射手」ワァァァ!



杏「怖い怖〜い 魔弾の射手」

杏「でも私 視力良いから避けちゃう 裸眼のヤツ〜♪」ワァァァア!

杏「忖度(そんたく)を せず全弾回避 最後は弾切れ」

杏「さようならして 帰るよ もう不必要だもんねコンタクト」ワァァァ!

杏「あとさ、最終兵器とか自分で言うのってさあ」ワァァ!

杏「中二病を自白するぐらいしらけるよなぁ」ワァァ!

杏「……うん、でも付き合ってあげよう私も大人だ!」

杏「『さ、最終兵器!?一体どうしたらいいんだぁああ!?』」ワァァァァ!!



ノンナ「まったく付き合いきれない 三文芝居」

ノンナ「そんなラップじゃ 会場内の誰も 感動しない」ワァァ

ノンナ「お客さんも 愛想つかして 去るのみだ」

ノンナ「お前のラップで沸くのは 動物園の猿のみだ」ワァァ

ノンナ「もはや何も言えない 屍にするしか手が無い」

ノンナ「アンジー 大惨事の事件現場 仕立てあげる」

ノンナ「もはや二度と 干し芋は食せない」

ノンナ「チームメイト 生徒 ショック隠せない」ワァァ!
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