北方「イコ! チェイス!」チェイス「ああ」貴虎「2スレ目だ」

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1 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/05/23(火) 11:55:56.22 ID:lETm05lZ0
前スレ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442316855/



あらすじ


大体蛮野のせい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495508156
2 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/05/23(火) 11:56:38.38 ID:lETm05lZ0
書き溜め出来次第投下します、待っててね
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 02:50:59.69 ID:x59FnLixO
前スレでの斬月の新形態は『メロンアームズorメロンエナジーアームズのイメージを盛り込んだカチドキアームズ』的な解釈でいいのかな?
4 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/05/28(日) 15:35:39.85 ID:HST5EnyS0
>>3さん 大体合ってます、メロンEがカチドキっぽくなりつつエナジーのパイプが金色になってたり、前立てが変わってたりくらいかな

必要ないだろうけどやりたかった登場人物紹介



チェイス

 主人公であり仮面ライダーチェイサー変身者。蛮野打倒に大きく貢献しその功績を認められ生き残り、全国を旅していた。その途中で北方棲姫を拾い、成り行きで彼女の保護者に。慣れない子育てや海軍とのゴタゴタを乗り越え、人類を護るため深海棲艦と戦うことを決意、呉鎮守府に正式に所属した。

 が、ボディを敵に破壊されて死にかけ、一時期2頭身になったりしたが親友達や凌馬たちの協力で新たな体と力を得て何とか復帰。己の心のうちにある闇とも対話を果たし、人類と北方棲姫を護りきると覚悟を決め最終決戦に臨む。





北方棲姫


 ヒロイン。蛮野に利用され捨てられて、どこかの海岸に流れ着いたところをチェイスに拾われる。捨てられた際ショックで記憶をなくし深海棲艦としての力すらもなくしていたが、

自身の心の拠り所であるチェイスのピンチに凌馬の作ったオモチャ、DXホッポガンナーをガチの艤装へと変化させ、彼のバイラルコアたちとともにチェイスのピンチを救う。それ以来少しずつ深海の力と記憶を取り戻し、チェイスと自分の家である鎮守府を護るため鎮守府の防衛につく。




呉島貴虎


 呉鎮守府提督兼最強のアーマードライダー。ユグドラシルの残党狩など撒いた種をなんとか処理し終わった直後、その実力を認められ海軍にスカウトされ提督となる。ゴタゴタの反省を生かし、色々と苦心しつつも呉鎮守府を海軍でも指折りの実力をもつ鎮守府へと育て上げた。

同じ仮面ライダーであるチェイスの実力を認め、正式に軍属するよう働きかけた。北方棲姫を匿うことを容認したり、やらかした天龍を食事抜きで済ませるなど身内に甘いのは治っていないが、部下には恵まれたようでそれが仇となったことはない。最終決戦では自ら戦線に立ち、現場で指示を出しながら着々と轟沈数を稼いでいるホントに人間かコイツ




戦極 凌馬


 いわずと知れたMr「大体こいつのせい」。メガヘクス事件のとき貴虎にトドメを差されたが、バックアップを残しており懲りずにまた復活。復活後妖精さんの技術に興味を示し、妖精さんボディを作り紛れ込む。そして技術を学ぼうとしたところ工廠長と呼ばれるベテラン妖精さんにシバきゲフンゲフン根性を叩きなおされ、ちょっとだけ性格がマシになった。

以来艦娘を娘のように想う心が芽生え、ブラ鎮の殲滅に乗り出す。貴虎たちと和解後ブラ鎮を壊滅させ、開いた各鎮守府提督の席に仮面ライダーを斡旋する、艦娘のための新技術開発など割と頑張っている。現在「大体こいつのせい」後輩である蛮野と交戦中。



5 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/05/28(日) 15:41:41.76 ID:HST5EnyS0



天龍


 天龍型1番艦娘。なかなか出撃させてもらえずストレスがたまり、貴虎の命令を無視してチェイスにケンカを売る、貴虎にケンカを売るなど色々荒れていたが、敗北を知り自分の力の程を知る。沢芽市を訪れた際謎のバナry青年に助言をもらい、熟していない果実を託される。

レ級襲撃の際自らの心と仲間を護りたいという思いが爆発、果実をドラゴンフルーツロックシードに成熟させ新たなるアーマードライダー「仮面ライダー龍月」に覚醒する。ライダー達との特訓のかいあってか現在では第一部隊に所属できるほどになった。現在貴虎の供回りとして隣で轟沈数を稼ぎまくっている




愛宕鈴谷龍驤


重巡洋艦娘とまないry軽空母の大中小3人組(身長←重要)。普段はチェイス不在時北方棲姫のお守りなどをしているが、その実呉鎮守府トップ3をはる実力者達。北方棲姫が仮に暴走した際に止める役割を担っている。龍驤の関西弁が若干キツイのは鎮守府のある県が関西圏だから。……たぶん




バイラルコアs

チェイスの武装バイラルコアであるスパイダー、バット、コブラが凌馬の予備ボディ改造品に入った姿。見た目がなんかどっかの蒼いクンカーとかエヘ顔Wピースとか超オールマイティとかに似ているが、全部凌馬の趣味のせい。丁度いい塩梅でにぎやかしてくれるので重宝するキャラ。



港湾棲姫(?)


特徴、金髪、金の角、通常よりも小さい、どっかの天才オニギリババロアスキーみたいな割と盛りすぎな気もする存在。凌馬が解析したものの、凌馬が助走つけて全力さじをブン投げるほどわけがわからない存在。正体は水ポチャしたあと行方不明になっていたライノスーパーバイラルだった。現在ボディが破壊されてしまったためバイラルコアとして北方棲姫のホッポガンナーに装てんされ、北方棲姫の力となっている


6 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/05/28(日) 15:44:05.57 ID:HST5EnyS0


詩島 剛


 チェイスの親友兼追跡撲滅いずれもマッハなライダー。イッテイーヨした後はアメリカでハーレー博士の助手として深海棲艦と戦いながら彼女達を調査していた。そのとき島風と出会い懐かれる。とりあえず島風をチェイスの就職先に連れて行こうとしたら今度は出会った卯月に懐かれる。

両手にロリぶら下げながらもチェイスを戦闘でもメンタルでも助けた。現在チェイス達と共に最前線でシグナルをスポットライトにしつつ蛮野をバッカンバッカン耕している



島風


 島風型駆逐艦。史上最速の艦娘。ドロップ艦としてその辺をフラフラしていたら深海棲艦に襲われ、やられそうになったところを剛に助けられた。以来剛を師匠として慕い、一緒に鍛えたり戦ったりしている。

ハーレー博士の(魔)改造によってネクストシステム化された艤装を使い、剛たちと共に追いつかせないマッハなスピードで戦場をかき回す。



卯月


 駆逐艦睦月型4番艦。あ^〜心がぴょんぴょんry。島風と同じくドロップ艦としてフラフラしていたら、からかいがいのありそうな剛と遭遇しそのままついてきた。剛をロリコンと呼んだり、剛にイタズラしたりとイタズラのベクトルは主に剛に向かっている。だがレ級遭遇時に一矢報い、さらに生き残るというしれっと快挙も成し遂げている。

現在剛たちと共に未だ未体験のショック(イタズラ)を蛮野たちにブチかましまくっている




呉島光実


 貴虎の弟で同じくアーマードライダーで、兄と同じく色々と整理し終わった後研究機関で深海棲艦について調査していた。沢芽市海岸に現れたツ級をザックと共に撃退、ツ級の中から出てきた艦娘龍田を呉鎮守府に連れてきたが、実は龍田は蛮野が差し向けたスパイだった。

蛮野の洗脳で正気を失い暴れる龍田を撃退し必ず助けると誓い、現在龍田を連れて聖都大学附属病院にいる


龍田


天龍型2番艦娘。蛮野の洗脳と改造を受け沢芽市海岸を単騎で襲撃したが、光実とザックに退けられ正気を取り戻し呉鎮守府へつれて来られる。が、蛮野の意思が心の奥にインストールされており、目的はスパイとして鎮守府にもぐりこむことだった。だが龍田本人の心が命令に抵抗、ロクに成果が出せないと見限られ鎮守府内でひたすら暴れるようにツ級へと強制変身させられ暴れた。

 が、龍玄が彼女を止め、現在心の奥に棲み付く蛮野ウィルスを取り除くため聖都大学附属病院に入院している



7 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/05/28(日) 15:45:42.05 ID:HST5EnyS0
大体この辺りかな、アニキとか3色パンツはまた今度ってことで本当に申し訳ない
8 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/09(金) 22:06:38.10 ID:JoppRrl+0
明日投下します。今までちょこちょこ出てらした方たちとかが出撃するようです。
9 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:24:31.88 ID:TajjnWIp0
トウカ!スルーヨ!
10 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:30:24.96 ID:TajjnWIp0





「へぇ〜え、いいじゃないのこのデカい剣。なぜかスゲーしっくりくる。なんつーか、これ担いで化け物相手に戦って……ウッ、アタマガイタイ」

「メダジャリバーを伊達さん用に改良したものです。従来品と同じようにセルメダルを込めることで瞬間的に凄まじいパワーを発揮できます。あと、コレも。
改良型のバースドライバーです。そのメダジャリバー主軸として戦うこと前提で調整されているので、使える武装はバースバスターとブレストキャノンのみに絞られてます」

「いいねぇ、キライじゃないよ、そういう尖った装備って言うの? 俺は後藤ちゃんみたいに色々使って戦うのは苦手だし」


 鴻上ファウンデーション社長秘書、里中から渡された身長ほどもありそうな巨大な剣を肩に担ぎ、仮面ライダーバース初代装着者伊達は笑った。話は数週間前に遡る







11 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:32:48.03 ID:TajjnWIp0







『やぁッッ!!! 元気そうだね伊達君ッッ!!!』


戦うドクター伊達明の耳朶を激しく打ちつけたのはいつものあの大声である。深海棲艦による攻撃の被災地をまわり、並んでいた最後の怪我人に治療を施し終わった後のこと、見計らったかのように自身の携帯が鳴り響いたのだ。電話に出たと思ったら耳元で全力で銅鑼を鳴らしたような声がしたわけだ



「久しぶり会長、んでもって声のボリューム下げて鼓膜破れる」

『おぉ、それはすまない! なんせ里中君が休暇中でね! いつものテレビ電話が出来なかったんだよ!!』

「おっかしいなぁ、深海棲艦の影響で国内除いて電話ってすごいかけづらい状況になって『それはそうとだねッッ!!!!』 」キーン


『君には新しい仕事をやってもらいたくて電話したのだよ。無論報酬は弾もう!! とりあえずそうだね……(ガシャガシャガシャ チーン!)円。手付金としてコレくらいでどうだね』

「詳しく聞きましょうか」


決して報酬に釣られたわけではない。決してだ










「さぁ〜て……避難状況と敵の位置はどうなってんの? 里中ちゃん」

「避難は9割方終了、敵は1分ほどでコンタクトです。どうやらあちこちに兵隊を仕込んだポッドのようなものをあらかじめ仕込んでいたようですね。感知次第バースのモニターに表示されます」

「オーライ、そんじゃ、久々この3人でやりますか! 後藤ちゃん、里中ちゃん!」

「はい、伊達さん!」







「変身!」ピーン パシッ ギイッギイッ カポン!

「変身!」ピン ギイイッ! カポン!

「(定時まであと数時間……やり仕舞いだから早く終わらないかなぁ)」ジャカコッ




『『『『『『『『『『人類、及び仮面ライダー発見、排除、開始』』』』』』』』』』





12 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:34:43.78 ID:TajjnWIp0
チェイスたちが居る場所とはまた別の海域






「火野提督、全部隊出撃準備完了しました」

「よし、それじゃ俺たちも出撃しようか」


水平線の向こうを見据えながら映司は未だ慣れない出撃命令を出す。抵抗はあったが、彼女達の強さを信じ命令を下す。腰に巻かれたオーズドライバーにはシャチ、ウナギ、タコメダルが装填されている。その両隣を腰にゲネシスドライバーを巻いた妙高と摩耶が固めている。と、摩耶がなにやら言いたげな雰囲気で映司を呼ぶ


「………おう提督」

「なにかな摩耶ちゃん」

「ちゃん付けはよせって。なんつーか、その……」

「?」

13 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:36:41.43 ID:TajjnWIp0

「(頑張って摩耶ちゃん)」クスクス

「……っだー! これからお前のこと、映司って呼ばせてもらうからな!! あと戦いが終わったら間宮おごれよ!」

「へ? あ、あぁうん。構わないけど」

「ッ! と、ともかく、そういうことだからな!!」///////

「えぇ……? なんで急に耳まで赤くなってるの? それにそっぽまで向かなくてもいいじゃない」

「あ、赤くなってねーよ!!」

「(この二人、中学生カップルみたいで可愛いですねぇ。片思いみたいですけど。最初はあれだけ反発してたのに、ねぇ)」クスクス

「ちょっと、私達差し置いてイイ雰囲気にならないでもらえるかしら?」スルッ ダキッ

「ヲ!」スルッ ダキッ



 摩耶との間にヲ級、妙高との間にメズール(ヲ級擬態)が割り込む。映司は両腕をガッチリ二人に絡め取られてしまった。摩耶の表情が目に見えて曇る



14 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:38:20.93 ID:TajjnWIp0



「出たなクラゲにシャウタ」

「弾ける波飛沫! キュアメズール!」

「華麗ニ舞ウ艦載機! キュアヲキュー!」

「「二人は海キュア!」」

「ナニイテンダフジャケルナ!」

「あー……のさ二人とも。これから出撃だから鎮守府に戻ってて欲しいんだけど」

「私達がいないうちにウワキされちゃ困るもの。ね、ヲーちゃん?」

「ヲ!」コクコク

「な、何言ってんだお前ら!! こ、この摩耶さまとえ、映司がそんな……」//////////

「あら、別にアナタのことを言ったわけじゃないけど。というかいつの間に坊やを呼び捨てに? これはもしかして、由々しき事態ってことかしら?」

「ヲ〜……」

「??」



 映司を挟んで会議を始める二人。間の映司は何がなにやらといった感じだ。鈍さは相変わらず治っていないらしい。なぜか映司の脳裏に知り合い全員からため息をつかれるビジョンが浮かんだ


15 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:39:37.76 ID:TajjnWIp0


「もうホラ二人とも。火野提督から離れてください。家を護り、夫の帰りを待つのも妻の役目では?」ボソッ

「「!!!!」」


妙高の言葉に、シャチとクラゲに電流が走る


「そ、そうね……私としたことが、初歩の初歩を失念していたわ…」

「ヲ!」

「そうと決まれば!」

「ヲ!!」


スルリと映司の腕の拘束を解き、今度は映司の手を握る二人


「私達は映司が帰ってくるまでココを護るわ。だから、ネ?」

「ヲ!」


メズールとヲ級がアイコンタクトする。ダイカイガンでもするのかな? と映司が思った瞬間手を下に強く引っ張られる。当然映司はバランスを崩して前傾姿勢になる。と




映司の両頬にマシュマロのような柔らかい感触が触れた。そして小さな小さな水音が耳に入る。


「「絶対に帰って来てね、旦那様♪」」



この言葉を皮切りに映司の周りは一気に騒がしくなった。いや出撃しろよお前ら後リア爆



16 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:42:07.42 ID:TajjnWIp0




「敵、現れたみたいだな」

「…………」


 腰に戦極ドライバーを付けた沢芽市防衛組のザックは城乃内からの通信を隣のペコに伝えた。ペコはといえば緊張した面持ちでマツボックリロックシードを強く握り締めている


「…………」

「……大丈夫か?」

「正直、不安だよ。俺、ザックや戒斗さんみたいに戦えるかな」

「やるしかないさ。大丈夫だ、ここにはたくさんの仲間がいる」

「……うん」


 最前線で戦い続けてきたザックの言葉は、常に戦うものの後ろに居ることしか出来なかったペコの心には響かなかった。彼の心に響く言葉を放てる人物は、もう少し後で参戦することになる。



17 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:45:45.48 ID:TajjnWIp0



「ヤツらが行動を開始したようだ」


黒いスーツの渋い男が回ってきた連絡をその部屋の全員に伝える。と、『二つの玉座』に座っていた片方の男が立ち上がる。座っているほうの男が立ち上がったほうの男を心配そうに見つめる


「……行くの?」

「ああ。俺たちの価値観から見ても、ヤツはこの世に居ていい存在ではない。必ず絶滅させる。お前はこの城を、民を護れ。お前達もだ」

「「「はっ!」」」

「……わかったよ、兄さん。気をつけて」


「貴様ら、誰に向かってモノを言っている?」

「U世」

「……フン」

 どこからか飛んできた血の様に赤いコウモリが吐き捨てるように言葉を放つが、立ち上がった男がコウモリを嗜める。と今度は金色のコウモリが飛んできて赤いコウモリを嗜めた


18 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:47:10.23 ID:TajjnWIp0


「家族として心配してるんだよ。俺も、ワタルも。安心しろって、もし父ちゃんが帰って来なかったら俺が責任を持ってカナコをシンデレラに」

「やかましいこのバカ息子が!! フミカさんをほっとく気か?!」ガン!

「いってぇ!! なにすんだこのアホ親父!! てかキレるポイントそこかよ?!」ゴン!


「「……はぁ」」


 低レベルな親子喧嘩を勃発するコウモリたちを見て二人のキングは嘆息する。



「おい、いつまでもじゃれてないで行くぞU世。侍女(ヴィレッタ)! サガーク!」


ダークキバの継承者、登 大牙が暗がりに向かって呼びかける。と、ベールの向こうから病的なまでに白い肌をした女性がゆらりと現れた。伴って円盤状の生物が女性の横へとついている。女性は優雅な動きで大牙へ近づき、頭をたれて跪く


「オ呼ビデショウカ、キング」

「俺の供回りをしろ。サガークと共に露払いを任せる」

「仰セノママニ、キング」


 優美な動きで女性は立ち上がると、その両頬にはステンドグラスのような模様が浮かんでいた。それに反応しサガークと呼ばれた円盤状の生物が彼女の腰に巻きつく。大牙の手元にはケンカを(強制的に)終わらせたキバットバットU世が掴まれている



19 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:47:41.00 ID:TajjnWIp0



「征くぞ」

「ハイ」



「「変身!」」


ガブリッ! ヘン・シン!



窓を開け放ち、ファンガイアのキングと供回りは深紅の流星となって黄金の狂気を絶滅させに飛翔した





20 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:49:53.80 ID:TajjnWIp0
ココマーデ。あれ、主人公ぜんぜん出てないな次回でるよぜったい
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 21:55:44.91 ID:dCGkdU/Eo
乙です
22 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/26(月) 22:15:59.12 ID:+P4DSwGE0
明日更新。主役とみんな大好き4姉妹が魔改造されたようです
23 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:06:43.85 ID:10pQpHTN0
好き勝手するなら思い切り。というわけでトウカスルーヨ!
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 21:08:31.09 ID:D0fsDszY0
遭遇だ!よっしゃラッキー!
25 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:11:59.27 ID:10pQpHTN0




 水平線に広がる邪悪な黄金の戦士達を見据え、チェイスはブレイクガンナー改を強く握り締める。蛮野が仲間にした仕打ちは今でも脳裏に焼きついて離れない。メディックを利用しブレンを侮蔑しハートを傷つけた。そして今回も人類を自分の身勝手な理想を押し付け絶滅させようとしている。


 さまざまな感情がない交ぜになりつつもチェイスの心境は落ち着いていた。蛮野に一種の憐れみを覚えつつもあった。だが許すわけにはいかない、改心するには彼はもう罪を犯しすぎた。人間であることを捨て、人間の心を捨て、何も生まれぬ破壊を蔓延させる存在。

仲間を護り、不穏分子を粛清する死神が再び動き出した。死神として、最後のターゲットを眼前に見据える。




チェイスの腰部にシンカイドライバーが出現する。外見はドライブドライバーのようだが、白と黒の2色で統一されており細部に深海の意匠が組み込まれている。

かつての仲間との絆の証であるシフトカー『シフトロイミュード』を起動し、腰のドライバーのエンジンキーを捻る


26 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:13:10.30 ID:10pQpHTN0


Fire All core!  Nexus our soul!


 シフトカーの天井部の鏡状の部分が虹色に発光する。起動したシフトカーを自らの艤装であるブレイクガンナー壊に装填



Full Tunning!!



 そしてブレイクガンナーのディストラクションマズルを押し込む



「変身!!」





Rider! Chaser! Type Brave Diver!






紫電が迸り、紫と黒が交じり合った光がチェイスを包む。光がやむと、そこには今までとは全く違う仮面ライダーチェイサーの姿があった。


27 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:14:54.77 ID:10pQpHTN0


 頭部の一部には新たに深海の意匠が施された装 甲が追加されており、右目には青いイ級の目のようなバイザーがモノクルのように装着されている。

 他にも腕や足、肩など全身に黒い装甲が追加され、右胸には紫色の死神マークが刻まれている。ブレイクガンナー壊にも変化があり、変化後の姿はタ級の深海連装砲に似ている。その姿は深海棲艦と仮面ライダーチェイサーのハイブリッドと呼ぶにふさわしい。



「蛮野天十郎。お前は俺が処刑する最後の『ロイミュード』だ。だがリセットは許さない。今度こそ撃滅する」



Tune  chaser deep Valkyries!


 チェイスの体に宿る深海の力を極限まで引き出す、新型武装バイラルコアをブレイクガンナー壊に装填。海水を巻き上げながら死神は粛清対象に向かって全速前進した







「征くぞ」






28 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:17:12.82 ID:10pQpHTN0





『敵対象【仮面ライダーチェイサー】補足、これより仮面ライダーチェイサーの撃滅をかいs(ガギャッ!)  』



 セリフを言い終わらないうちに量産型GDの首が360度回転し千切れとんだ。チェイサーがブレイクガンナーの底部でGDの横面を思い切り殴ったためだ。そして体を回転させ、その回転の勢いも付与した回し蹴りで首のないGDを蹴り飛ばす



Tune Chaser destroyer!




 仲間の体をぶつけられたたらを踏むGD部隊。チェイサーはブレイクガンナーのディストラクションマズルを押し込むと、イ級のような形をした深海駆逐武装が両腕に出現した。慌てているGDたちがいるところへチェイサーは新たに出現させた駆逐艦の武装の魚雷を容赦なく敵の塊へと発射する





「はあぁぁぁぁぁぁ!」ボシュボシュボシュ!



ドガァァァァァン!!!



 と、チェイサーの右目のバイザーに新たな敵影が表示された。敵陣後方にいるGD空母部隊が発艦した艦載機が迫っている。チェイサーは両腕の艤装をいったん解除し再びディストラクションマズルを押し込む



Tune Chaser  aircraft carrie!



チェイサーの左腕に空母ヲ級の被っている帽子のような艤装が、盾のように装着される。そして右腕には黒い杖が出現した。



「深海艦載機、発艦! 撃墜しろ!」


 水平に構えた盾の口から紫と黒の色をした艦載機が出現、チェイサーは敵艦載機へ向けて杖を振る。それに応じ艦載機は敵艦載機を撃墜しに出撃した。その隙に乗じてGDがチェイサーに近接格闘を仕掛ける



「ムダだ!!」



 掴みかかってきたGDを盾で受け、弾き飛ばす。GDが体を大きくのけ反らせた隙にチェイサーは杖をGDの足に絡め、空中へ打ち上げる。



「はあぁっ!!」


無防備な体勢で落下してきたGDにチェイサーは盾で強烈なパンチを叩き込んだ。吹き飛ばされた先でGDは仲間を巻き込んで爆発四散した









29 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:18:53.13 ID:10pQpHTN0







「金剛お姉さま、敵、捕捉しました。後30秒で射程に入ります」

「OK……皆、準備はいいネー?」

「はい! 勝手は! 榛名たちが! 許しません!」

「比叡! 気合!! 入れて!!! 行きます!!!!」



栄光の金剛型艦娘4姉妹が懐から取り出したのは大ぶりなUSBメモリのようなもの二つずつ。メモリにある小さな起動ボタンを押す



HEAT! METAL!

LUNA! TRIGGER!

CYCLONE! JOKER!

ACCEL!  ENGINE!



30 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:20:28.89 ID:10pQpHTN0



 それぞれ2本ずつのメモリを彼女たちは腰部ベルトに新しく増設されたメモリスロットに装填する。凌馬が作り出した新たなる艦娘の力の一つ。艦娘専用ガイアメモリ、『T・R(タイプリョウマ) ガイアメモリ』。



 艦娘たちに新しく増設されたガイアメモリ専用スロットに、起動したメモリを装填することで攻撃にメモリに内封された力が付与される。この金剛型4姉妹は全ての艦娘たちの中で最もガイアメモリと相性が良かったため、2本携行し使用することを許された。






「さぁ! ワタシの渾身のバーニングラヴ、受けてみるネー!」

「榛名! いざ、狙い打ちます!」

「さぁ! 貴方の罪を数えなさいッ!」

「さて。振り切らせてもらいます」



金剛の目が赤と銀色に、榛名は黄色と青色に、比叡は黒と緑に、霧島は赤と灰色に。それぞれ目がオッドアイに変化した。が、変化はそれだけではない


31 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:21:59.05 ID:10pQpHTN0
『排除、開始』




GDが背部に装着した艤装から砲弾をばらまいてくる



「Hey、そんなんじゃTepidネー!」


 金剛の艤装横部の一部が展開、盾のように前面に展開される。同時に金剛はメモリスロットのボタンを押す



HEAT! MAXIMUM DRIVE!!



展 開された装甲が瞬時に燃え上がり、直撃した砲弾を蒸発させた。近くに着弾した砲弾が巻き上げる海水が、盾に触れた途端蒸発していく



「本物のBurning Love!! 見せてあげるネ!」



 炎を纏った盾を展開し、さらに砲撃をしながら敵陣へ突っ込む金剛。GD部隊が危険を察知して下がろうとするが遅かった



「MAXAUM! BURNING LOVE!!!」



 海をかける紅蓮の隕石によるタックルは大量のGDを吹き飛ばし、戦闘不能にした。金剛に最も適合したメモリはヒートとメタル。包み隠さぬ熱い想いと姉妹と想い人を護るという鋼よりも強い想いに共鳴したのだろう。下の妹たちが見る金剛の背中はとても頼もしいものだった






32 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:23:15.83 ID:10pQpHTN0






「榛名が! お相手します!」



榛名も姉の金剛と同じように艤装の一部が展開、彼女は手のような形に展開した。


「幻惑の力、お見せします!」



LUNA! MAXIMUM DRIVE!!



榛名の輪郭がぼやけたと思った瞬間、榛名が複数人に分身した。


「いっけぇぇぇぇ!!」


分身の数体は弾道を不規則に変える砲撃で、その他の分身は展開されたアームを自在に伸ばして打撃を繰り出す。



幻惑にとらわれGD部隊はなすすべなく蹂躙されていった



33 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:24:54.80 ID:10pQpHTN0



比叡も同じく艤装を展開する。比叡は右の艤装に緑色の風を、左には紫に近い黒の炎のようなものを纏わせている


「切り札はいつだって自分! 戦うものに、追い風は吹く! いざ! 比叡!! 行きます!!」



 風を纏った砲弾を発射しながら姉や妹の援護をする比叡。そこへ高速で接近してくるGDがいた。慌てず左の艤装を動かし、迫ってきたGDにブチあてる。すかさずメモリをマキシマムドライブさせる


JOKER!MAXIMUM DRIVE!!


「提督直伝!! ライダァーパァーーンチ!!」



吹き飛ばされたGDは他のGDを巻き込んで大爆発を起こした




34 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:26:21.51 ID:10pQpHTN0



「艤装状態、チェック……OK。振り切らせてもらいます」



 霧島の艤装展開状態はハサミのような装甲が展開される。メモリの作用によって目にも留まらぬ速さで砲弾を連射、敵陣をかき回す。砲弾をリロードしているスキに迫ってきたGDを艤装のハサミで受け止め、切り裂く。


「これだけでは終わりませんよ!」



ACCEL!  MAXIMUM DRIVE!!


 ハサミを水平に構え、目にもとまらぬ速さで敵に接近、回転切りを食らわせていく。さながらコマのようだ




「敵殲滅までかかった時間、9・8秒、計算通り。上々ですね」



回転を止め、艤装の間から余分な蒸気を放出した瞬間、大量のGDが真っ二つになり大爆発を起こした
35 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:33:57.88 ID:10pQpHTN0
ココマーデ。金剛姉妹については某フィギュアを参考にさせていただきました。正直比叡の艤装にもうちょっとギミックがあれば何とか……なったようなそうでもないような。てかルナメモリ強すぎじゃね? さすが京水ネェさん

艤装の展開状態とメモリと正直ミスマッチなところがありますが見逃してくらさい、描写はこれが限界。
そしてチェイスのあふれ出るレ級感。お決まりのてんこ盛りフォームです

仮面ライダー×艦これ 無双状態!ではまた次回
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 21:36:08.10 ID:tJBffuYro
乙です
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 22:17:17.44 ID:ZiR4LrkBO
さて、重雷ズと武蔵、第6駆逐隊他その他はどうなるのか?
38 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:23:51.17 ID:tgTJS1zC0
トウカ!スルーヨ! ちなみですけどこのスレのホッポちゃんは北方痴女にはなりません、似たようなマントは羽織るかもですけど
39 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:25:13.50 ID:tgTJS1zC0




「どうした? こんなものでは私は墜とせんぞ!」


 修羅のごとく気迫で敵艦隊を次々と轟沈させる戦艦娘武蔵。遠距離には砲撃、近距離に近づいても戦艦の馬力ですさまじい威力の近接格闘。ライダーにならずともこれなのだからすさまじい。その横で武蔵を援護する駆逐艦がいた。


「戦艦じゃなくたって! 仮面ライダーにならなくたって!! 私は戦えるんだぁぁぁぁ!!」



 夕雲型19番艦、清霜。レ級に憑依され体と意思を奪われ、仮面ライダー骸王(ガイオウ)としてチェイスたちと戦ったが、レ級が蛮野に始末された際自分の意志と体を取り戻す。その後地獄憲兵たちに助けられ、傷を癒し戦線に復帰したのだ。

 憑依された時の経験が体に染みついているのか、特に訓練はしていないが砲雷撃戦や近接格闘もこなしている。彼女の隣で戦う武蔵という憧れの存在の影響もあるのだろうか。小回りの利く動きで武蔵を絶妙なタイミングで援護している



「まだいけるな、清霜!」

「全然問題ありません!」



40 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:27:04.61 ID:tgTJS1zC0



「…………………」



 意気揚々と戦果を挙げている彼女たちを見つめる小さな黒い影があった。深海棲艦をシフトカーにしたようなもの。レ級の魂が入ったシフトガイオウである。ドライバーとシフトブレスを媒介に清霜に憑りついていたのだ。


 蛮野に始末されかかって以来、レ級は今までの威勢が嘘のように臆病になっていた。ゆえに彼女は混乱していた。勝ち目のない蛮野との戦いへと身を投じる彼女たち。負けるとわかっていてなぜ?

 特に清霜は自分が体を乗っ取っていたせいで、今まさにとどめを刺されようとしているあの瞬間を見ているはずだ。それなのに。

蛮野は広大な海域全てからすさまじい量の資材を集め、もはや無尽蔵とも思える量のGDを生産している。それどころか……

レ級はリベンジしてやりたいと強く思っていたが、どうしてもあのトラウマが脳裏をよぎり、その一歩を踏み出せずにいた








41 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:29:47.42 ID:tgTJS1zC0





「撃破数通算100体目! トリプルスコア達成ィィ!! 俺はまだ止まらねぇぜぇぇぇーーーー!!」


 アーマードライダーの武装である龍撃丸と自身の愛刀の二刀流で、次々とGDを切り裂いていく仮面ライダー龍月こと天龍。隣の貴虎も次々とGDを撃破していくが、一向に数が減らない。ライダーになれない艦娘たちも入れ替わりながら砲雷撃戦を行っているが、それでも水平線から邪悪な黄金の戦士は湯水のごとく湧いて出てくる


「ク、ヤツはどれほど数をそろえてきたんだ?! ハアッ!! 切っても、倒しても! キリがない!! セヤッ!!! このままではジリ貧だぞ!」



「きゃあっ?!」

「大丈夫?! 一旦下がって……くっ?!」



 海軍ライダー連合艦隊が撃破した数はもう4桁は超えているだろう。だが向こうは撃破数を超える速度で進軍してくる、徐々に海軍側が押され始めた。入れ替わりながらといえど向こうはその僅かな隙に進軍してくる、轟沈した者はいないものの中破レベルでダメージを受けている艦娘は出始めている


「戦線を一旦下げる! 負傷したものを護るように陣を組め! 攻撃の手は休めるな!!」


 指示を出しながら貴虎はゲネシスドライバー改のプレミアムメロンエナジーLSを外し、ソニックアロー改のドライブランチに装填する


『ロック・オン!!! ワン テン ハンドレッド サウザンド! プレミアムメロンエナジーィィーー!!!!』


上空に放たれたエネルギーの弓矢は、巨大なメロンへと姿を変える。次の瞬間メロンが弾け、大量のエネルギーの矢がGDの頭上に降り注いだ






42 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:30:48.16 ID:tgTJS1zC0





「がはっ?! っぐ……」

「脆イモノダナ、戦極 凌馬。ヤハリ天才ハ私ダケトイウコトガココニ照明サレタ。クックククッククク……」



 悠然と立っているGDの眼前。虎の子のELS、さらにはゲネシスドライバーまでも破壊され力なく海上に浮かぶ凌馬の姿があった


「……っくく、悪いけど走馬燈は見飽きたんだ……これ以上は死ねないね! っがはあっ?!」


 瀕死の状態になってもなお軽口をたたく凌馬を容赦なく蹴り飛ばす蛮野。仮面で見えないが、おそらくその表情は歓喜に満ちているのだろう。声も感情の高ぶりから少し上ずっている



「貴様ノ趣味ニ合ワセテヤロウ。辞世ノ句ヲ読メ」

「やはり君は……チンケで陳腐で下らない男だな」

「消エロ」



43 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:32:33.37 ID:tgTJS1zC0



黄金のオーラを纏い、上空に飛び上がるGD。凌馬は懐に隠しておいたザクロロックシードに手をかける。直撃寸前に起爆し少しでも巻き込んで倒す。


「(はは……バックアップの精神は全員戦闘に出撃、オリジナルである僕を除いて全滅。うん、まぁいいか。やるべきことは全部やったし。償いきれたかと聞かれればそうでないけれど。……ごめん、工廠長。ありがとう、おさらばだ)」


カチッ











『嫌だね。そんな世迷言は聞けないな!!』



ドガァァァァァァン!!!!
















「グハァァァァァ?!」

「?!」



凌馬がザクロロックシードを起動した瞬間、周囲に円状のバリアが展開、GDを弾き飛ばした。その形はまるでレモンのようで



「?! な、なにが起こって……」

「すり替えておいたのさ!!」



困惑する凌馬の頭上に深海のタコヤキ艦載機が出現、さらに艦載機から小さな影が舞い降りる。



「勝手に死ぬことは許さない。そう約束したはずだな、愛弟子よ」


「こ、ここ……こここここ?!」










「工廠長?!?!」

「深海から来た妖精! 工廠長!」デッデデーデデデ!



全ての鎮守府の工廠の長、工廠長妖精さんが降り立った
44 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:33:40.18 ID:tgTJS1zC0



「ホウ? アノ時逃ガシテシマッタ妖精ノ頭カ。魚ノ餌ニデモナッタト思ッタガ」

「お前が思うほど私たちや姫様たちは弱くない!」

「ホザケ!!」





「フ、私が本当に一人でここに来たと思っているのか?」

「ナニ?! グハアッ?!」


Tune MAX FLAIR!


『『キシャァァァ!!』』



 先ほど工廠長を運んできたタコヤキ艦載機が突如炎上、高速でGDに炎の体当たりを食らわせた。この艦載機たちはチェイスと北方が出会って間もないころに出会ったタコヤキ艦載機たちである


 鎮守府を防衛している北方性姫のホッポガンナーから、マックスフレアの能力を受け取ることで強化されている。さらに追撃として2機いるうちの一機が炎の機銃で、もう一機が艦爆で追い打ちをかける


「小癪ナァァ!!」


GDがタコヤキたちに翻弄されている間に工廠長は凌馬へと歩み寄る


45 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:34:59.30 ID:tgTJS1zC0


「すまない工廠長……僕はもう割とダメだ……」

「シャキッとしろバカ弟子!! 何のためのソレだと思ってんだ!」パァン!

「イったい?! でももうこのダメージじゃこの体は……」

「何言ってんだ。その体は、お前と、私たちの技術の結晶なんだぞ? そう簡単にあのパクリ野郎に壊されてたまるかってんだ」

「え? あ」






『ちなみにお前の体の予備だが、対深海棲艦用のチューニングしといたぞ』

『なにそれ私聞いてない』

『今言ったからな』







「あれいつの間に僕の体すごい魔改造されてる?!」

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