【艦これ】 長門さんは困ってる

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:02:24.45 ID:niCIFacE0
やまなし、おちなし、ゆっくりです


お時間よろしければお読み下さい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495465343
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:02:58.10 ID:niCIFacE0


第一回「長門、教導を頼まれる」

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:03:51.86 ID:niCIFacE0


長門「困ったな。」


占守「教官よろしくお願いするっす!」


国後「お願いするわ。」


択捉「宜しくお願いします!」


長門は改めて手元の書類を見返す




長門に海艦達の教導を命じる


駆逐艦くらい仕留めることが出来る様にお願いします。 


提督(可愛らしい手書きイラスト)




長門「ふぅ、命令とあれば仕方有るまい。覚悟を決めるか。」


占守「よろしくお願いするっす!」

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:04:34.84 ID:niCIFacE0


海防艦は対潜に関しては右に出るものがいない


択捉に至っては装備にも寄るが驚きのLv3から先制が可能だ


しかし、その代償に通常戦闘での戦闘能力は著しく低いのだ


長門「つまり、一人で身を守れるように鍛錬をつけろという提督の意思なのだろう。」


長門「よし、とりあえず自分達、私を攻撃してみろ。」


占守「えぇ!?いいんっすか!?」


国後「いいの?痛いかもしれないわよ?」


択捉「覚悟!」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:05:18.77 ID:niCIFacE0


長門 がおー



ポコポコ


ワー


ポコポコ


ワー



長門「うん、自分達物凄く非力だな。」


占守「っす。」ゼエゼエ


国後「……、固い。」ゼエゼエ


択捉「」ゼエゼエ


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:07:47.66 ID:niCIFacE0


執務室


執務室から見える演習場で長門が海防艦の娘達を相手に何かをやっているのを見た叢雲が提督に話しかける。


叢雲「よかったの?」


提督「ん?」


叢雲「戦艦が海防艦に教えられることなんてあるの?」


提督「長門ならこっちの意図が分かるよ。」


提督「だって、あいつやればできるもん。」


叢雲「そう。」フン


7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:08:26.33 ID:niCIFacE0


長門「よし、とりあえず、今日はこれで終了だ。」


長門「みんな疲れてないか?」


占守「大丈夫っす!また明日も宜しくお願いするっす!」


国後「えぇ、大丈夫よ。」


択捉「大丈夫です!お気遣いに感謝します!」


こうして1日目は終了した。


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:09:20.72 ID:niCIFacE0


1週目の2日目


長門「おはよう諸君!基礎から始める長門ブートキャンプへようこそ!」E:サングラス


陸奥「助手の陸奥よ、宜しくね。」E:サングラス


長門「体力作りの為に陸奥が乗ったタイヤを三人で引っ張って走ってくれ!」


占守「すっ!」E:体操服(ブルマ)


国後「分かったわ。」E:体操服(ブルマ)


択捉「了解です!」E:体操服(カボチャパンツ)


ズルズルズル


国後「流石戦艦、おも……、排水量がすごいわね。」


長門「最近出番がなくて太っ……。」


陸奥「第三砲塔バーニングファイヤー!」バゴーン


長門「ぐわぁぁぁ!?」


こうして1週目は終始体力作りに時間が割かれた。


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:10:57.45 ID:niCIFacE0


2週目


鎮守府近海海上演習場


長門「みんなおはよう!今日から実戦訓練に移るぞ!」


陸奥「しっかりごはんは食べたかしら?」


長門「自分達の主兵装はこういってはなんだが非力だ。」


長門「占守、ちょっとあの標的を撃ってくれ。」


占守「了解っす!」



ボーン!



陸奥「外れね。」


長門「まぁ、そうなるな。」


占守「申し訳ないっす。」ショボン


長門「なに、謝ることではない。」


長門「陸奥、ちょっとすまないがその場に居て貰えるか?」


陸奥「えぇ、いいわよ。」


長門「いいか?的に当たらないならば当たる距離まで近づけばいいんだ。」


こう ←陸奥を担ぐ


陸奥「えっ。」


こうだ! ←投げた


長門「こういう感じで敵の懐に入ってしまえば自分達は体格が小さい分、敵も対処しにくい。」


択捉「格好いいです!」キラキラ


占守「すげぇっす!」


国後「まぁ、控えめにいって格好いいんじゃない?」


長門 ムフー(ドヤ顔)


陸奥 プカプカ ←海にうつ伏せで浮かんでいます。


こうして2週目は海上の足場が悪いところでのCQC訓練となった。


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:12:06.79 ID:niCIFacE0


そんな2週目も終わりが近づいた頃。


或る日の食堂、海防艦の娘達が依然として続く訓練に不満を述べていた。


占守「出撃したいっす!」


国後「そうね。訓練ばっかりってつまらないわ。」


択捉「長門さんにはきっと何か考えがおありなのではないでしょうか。」


提督「ごっはん〜♪ ごっはん〜♪」


占守「 ! 」


国後「あっ。」


択捉「司令!」


少し相談中


提督「なるほど、うーん、出撃の時期については長門に一任してるからなぁ。」


提督「長門に聞きにいってみるか。」


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:12:44.99 ID:niCIFacE0


長門と陸奥の部屋前


提督「おっ、中に居るようだぞ。」


占守「えっ、いきなりはいるっすか!?」


国後「ちょっと、様子を伺ってから……。」


提督「会話してるみたいだから聞き耳を立ててみるか?」


択捉「はい!」


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:14:35.53 ID:niCIFacE0


扉の向こう側


陸奥「ねぇ、長門。あの娘達に随分と過保護なんじゃない?」


長門「過保護……、か。」


陸奥「そうよ、もう実戦に出しても問題ないんじゃないの?」


長門「なぁ、陸奥よ。私達はなんだ?」


陸奥「何って、艦娘じゃない。」


何をいまさら、とでもいいたげな顔をして長門を見る陸奥。


長門「そう、艦娘さ。過去の軍艦の記憶を持った兵器。提督は兵器ではないと否定するがな。」


長門「提督は折に触れて全てが終わった時のことも考えておけと言うだろ?」


陸奥「そうね、何と言うかそういう所は私も嫌いじゃないわ。」


長門「私達は私達が必要とされなくなる未来を作るために戦っている。」


陸奥「……。」


長門「私はそれも良しと思うのだよ。軍人が暇で或る時程、世の中は太平だという事だからな。」


長門「終戦を迎えたときに提督に頭を下げられずとも希望解体を願い出ようと思っているくらいだ。」


長門「過去に、その志半ばで出来なかった国を護る役目を果たした訳だ、最高じゃないか。」


陸奥「長門……。」

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:15:52.19 ID:niCIFacE0


長門「だが、最低限の備えというのは残さなければならないものだ。」


長門「そうなったとき私達のような大火力を持った過剰な兵力ではなく、彼女達の様な。」


長門「それこそ、近海哨戒に特化した娘達がこれからを担っていくと思うんだ。」


長門「その時がいつになるかは分からない、だから。」


陸奥「あれだけ熱心に指導をしているのね。」


長門「こういうのは可笑しな話かもしれないが、生き残って欲しいのさ。」


長門「次代を担う彼女らの教導、疎かにする訳にはいくまい?」


長門「提督も恐らくそれだけ先を見据えて私に教導を託したんだろうさ。」


陸奥「うふふ。分かったわ、気の済むようにやりなさい。私はあなたが行き過ぎたときに止める役をさせてもらうわね。」


長門「陸奥はいい女だなぁ。」


陸奥「いまさらよ。」アラアラ


フフフ


ウフフフ




14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:17:10.61 ID:niCIFacE0


占守「自分、一生長門さんについていくっしゅ!」涙ドバー


国後「私、長門さんの事、ただの訓練好きな人だと思ってた!」涙ドバー


択捉「長門さん!」ウワーン


提督「帰ろっか。」目カラ汗ガ


一同「「「はい!」」」


そして、3週目


潜水艦の娘達を交えた本格的な対潜訓練


占守「くらえっしゅ!」


ゴーヤ「ひぃぃぃ!天敵が増えたでち〜!」


ボーン!


イムヤ「ひえぇぇ!?」


ボーン!


駆逐艦の娘相手の訓練


子日「ごめんなさい!ごめんなさい!」ドゲザ


国後「いや、本当に気にしてないから!?ねっ!?」


子日「悪気はなかったんです!」ヒラアヤマリ


国後「大丈夫だから!」


長門「択捉、何が起きたのだ?」


択捉「子日さんの主砲が国後さんの尻に刺さって……。」


長門「なるほど国尻になってしまったのか。」ムフゥ


陸奥「何、上手い事いったって顔してんのよ。」

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:18:33.80 ID:niCIFacE0


そして


長門「提督から任務を預かってきた。編成についても一任されていてな。」


長門「三人の初出撃になる。不安があるかもしれないが私も同行するから安心してもらいたい。」


占守「初出撃っす!ワクワクしてきたっす!」ワクワク


国後「いんじゃない、で、どんな任務なのかしら?」


長門「海上護衛体制の強化に努めよ!と書いて有るな。ふむ、自分ら以外は編成が自由なようだな。」


隼鷹「へぇ、鎮守府周辺かい?いつ出発する?あたしも同行するよ。」


長門「熟練制空要員!」


隼鷹「上手い事まとめたねぇ。」


長門「ふっ、マリアナの件以来の付き合いだからな。お前の考えている事ぐらい分かるさ。」


長門「頼めるか?」


隼鷹「もちろんよぅ。南西諸島防衛線かぁ。久しぶりだねぇ。」


陸奥「もちろん、最後の一人は私よね。」


長門「あぁ、頼む。」


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:19:59.00 ID:niCIFacE0


そして、艦隊は出撃した



勝利S



『 艦隊が帰投しました! 』


提督「なんでお前が大破してんだよ!馬鹿野郎、この野郎!」


長門「はっはっは。」大破


隼鷹「まぁ、あんだけ庇ってちゃ仕方ないわねぇ。」ゲラゲラ


陸奥「もう、仕方ないんだから。」アラアラ


占守「司令、怒らないで欲しいっす!自分達を守っての被弾なんす!」


国後「姉の言うように私達を庇っての被弾なの!」


択捉「司令!怒らないで下さい!」


提督「もうぅぅ……。」ハァ


提督「長門、これもって工廠行って来い。こう言うのもなんだが丁度良かったわ。」


つ 茶封筒


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 00:21:51.53 ID:niCIFacE0


工廠


明石「いらっしゃい、そろそろ来る頃だと思ってましたよ。」ニコニコ


長門「提督にこれを渡されたのだが?」


明石「 Let’s 改修ターイム!」


長門「んんん!?」


明石「お客さん、ちょっと肩こってますねー。」モミモミ


明石「そして、破けた制服はこうだ!」ビリビリ


長門 ひゃぁあぁん ///


明石「ぐへへへ、大人しく改造されろぉー!」


長門 キャァァアァン ///



30分後



長門改二「これは、いいものだな。」


長門改二「ふ、改装されたこの長門、まだまだ新入りには負けないさ。さっ、行くぞ!」


占守「かっこいいっしゅ!一生ついていくっす!」


国後「素敵だわ。」


択捉「これが連合艦隊旗艦!」


提督「盛り上がってる所悪いけど鎮守府近海対潜哨戒と鎮守府近海航路はルートの関係上でれないからね。」


長門「なぬぅ!?」


長門「ぐぬぬ、ちょっと羅針盤妖精に相談に……。」


提督「行くなよ!」


男前な長門さんが羅針盤妖精さんの所に行くも如何し様もないですと言われちょっぴり落ち込んでしまったのはまた別なお話。


18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/23(火) 00:25:12.99 ID:niCIFacE0
今回の分はこれで一旦終了


書き溜め分が出来たらまた更新に来ます


サプライズ改二で慌てて文章を再編成しなおしたのは内緒


長門はより格好良くなっています、そして、凛とした大人な雰囲気がさらに増していい女っぷりが急上昇です


燃費が悪くなりますが正統派強化、設計図に余裕がございましたらどうぞ、改造してやって下さい


ここまでお読みいただきありがとうございました
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/23(火) 00:38:17.49 ID:S1WvRS2h0
バスクリンは出ますか?
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/23(火) 00:54:02.86 ID:Dw5olR0Oo
おつん
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/23(火) 16:30:46.63 ID:dx9oZYsI0
最近変質者じゃないちゃんとした長門が出てくるのが増えて何より
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/24(水) 01:06:19.39 ID:n8wn1a3N0
これはながもんではなくビッグ7
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 20:56:59.59 ID:D3GdtpbO0
いきなりバスクリンは出ますかのコメに驚いた1です


出だしがいつもの感じなのでばれたのかしら?


今までと1回分の更新での文章量が変わっており御迷惑をお掛けします


少しずつ長いのを書けるように頑張っている最中なので生暖かい目で見ていただけると幸いです


バスクリンはいずれ出ます(コメに本当に驚きました)


では、本日分の更新をさせていただきます
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 20:58:04.79 ID:D3GdtpbO0


『 第二回 長門、駆逐艦に教えを請う 』

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 20:59:27.01 ID:D3GdtpbO0


長門「困ったな。」


長門型一番艦長門は困っていた。


その手には一枚の紙片。


長門「どうしたものか。」


改めて紙片を見やる。




長門へ


改二改装によって使用可能になった新兵装を使い慣れている駆逐艦の娘達に使い方を教えて貰って来る事。




長門は自分の新たに改装され強化された項目を思い返した。


そして、昨晩、明石から貰った仕様書を妹の陸奥と一緒に読んだの思い出す。


26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:00:37.25 ID:D3GdtpbO0


長門「ほう、大発が積める様になるのか。」ペラッ


陸奥「あら、秋月ちゃん達の主砲も積めるのね。」アラアラ


長門「おぉ、最速になれるのか!」


陸奥「でも、これだと主砲積めないわよ?」ダメヨ


長門「確かにそうだな。ふふ、とはいえ面白そうだな。」ロマンワクカ


陸奥「うふふ。きっと何かの役に立つわよ。」


長門「となると、まずは大発か。」


長門は更に思い出す、以前に叢雲と遠征について話をした際に大発を積んでいる場合は獲得報酬が多くなるという会話をしたことを。


そして、朝潮型の娘が一番対応している娘が多いということ、搭載可能な種類も多いという事。


長門「確か、朝潮型が大発の搭載可能な種類と娘が多いと聞いたな。」


足は駆逐艦寮へ。


27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:01:59.96 ID:D3GdtpbO0


朝潮型部屋前


長門「頼もうー!」


道場破りの如き一声。


突然の戦艦、それも主力である長門の訪問に朝潮達が慌てた様子で出迎える。


朝潮「どうされました!?敵襲ですか!?」


長門「あっ、すまない、そういう訳ではなく。」


長門は事情を説明する。


朝潮「なるほど、了解しました!朝潮型全員でお手伝いさせていただきます!」


そして、一旦部屋の奥へと消え行く朝潮。


28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:04:12.08 ID:D3GdtpbO0


大潮「朝潮姉さんからお話は伺いました!この大潮、ど〜んとお手伝いしちゃいますよ!」ドーン


なぜかシャドウボクシングをする大潮。


霞「姉さんから聞いたわ、まっ、頑張りなさい。」


朝潮「長門さんに頼られて嬉しいそうです!」


霞「ちょっ ///  ちっ違うわよぅ!?」カオマッカ


朝潮による翻訳が入る。


荒潮「あらあら〜、長門さんに頼られるなんて悪い気しないわねぇ。」アラアラ


長門「宜しくお願いする!」


長門「あっ、これ手土産なんだが。」


つ カステラ


朝潮「この蝙蝠マークは!故郷の!?」フワワ!


朝潮「全力でお手伝いさせていただきます!」キリッ!


こうして、長門は朝潮達に大発の使用の訓練をしてもらう事となった。


その日の夜、長門達姉妹の部屋


陸奥「ねぇ、長門。隼鷹からもらったカステラ知らない?」


長門「しっ、知らないな。」メソラシ


陸奥「ふぅん、そう。ふぅん。ふぅーーん。」


長門「」汗ダラダラ


陸奥「まぁ、いいわ。今度の非番の日、買い物に付き合って頂戴ね。」


長門「全力で任された!」


29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:07:37.11 ID:D3GdtpbO0


そして、迎えた翌日


長門「なぜ皆、野球の格好なんだ?」


ベースボールキャップにユニフォーム、背中には御丁寧に背番号に名前までプリントされた
揃いのユニフォーム姿で朝潮型がそこには揃っていた。


朝潮「長門さんの分も用意してあります!」


背中にNAGATOの刺繍。


長門「背番号がないな。」


朝潮「あっ、その1にするか7にするかで……。」


長門「そうか、それなら。」


どこからか取り出したマジックで記入した数字は11


朝潮「11ですか?」


長門「あぁ、一時的とは言え朝潮型の皆に世話になる訳だから、朝潮型11番艦長門…でどうだろうか?」


と長門の提案。


朝潮「はい!すっごく、すっごく素敵だと思います!」


と、目を輝かせる朝潮。


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:10:38.04 ID:D3GdtpbO0


霞「随分大きな妹ができたもんね。まぁ、宜しく。」


朝潮「今まで末っ子で妹が居なかったから妹が出来て嬉しいそうです!」


長門「ほう、そうか、では、よろしく指導をお願いする。お姉ちゃん!」フフフ


霞「もう!恥ずかしいったらぁ /// 。お姉ちゃんなんてやめて!」カオマッカ


荒潮「よかったわね、霞ちゃん。」ウフフ


霞「からかうなぁ!」ジタバタ


そして、長門が着替えている間になにやら準備が整ったようだった。


31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:12:29.75 ID:D3GdtpbO0


大潮「では、この大潮がまず最初の手本をおみせしちゃいますよ!」


ザッ


左足が海面から浮き、上半身を大きく捻らせ、駆逐艦の体から放たれたとは思えないほどの勢いで『 大発 』が投げられた。




ズバン!



山雲「ストライク〜。」


その身に不釣合いな重装備のプロテクターとをつけた山雲が
自身の持つキャッチャーミット内に収まった『 大発 』を投げ返しながら言う。


その後ろには姉妹の朝雲、満潮、霰が山雲の体を支えるようにして備えていた。


長門「なんと、大発とは投げるものだったのか……。」

32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:13:36.33 ID:D3GdtpbO0


朝潮「今更な説明かもしれませんが大発は陸上型の敵に対して非常に有効です!」


長門「あっ、はい。」


朝潮「ですが、大発そのもののエンジンスピードでは攻撃に行っている間に沈められてしまいます!」


確かに砲台小鬼や集積地棲姫が攻撃してくる状態で動きが遅い大発が進んでいくのは……。


うん、プライベートライアンの冒頭シーンだな……。


朝潮「ですので私達駆逐艦がカタパルト代わりの役割をするわけです!」


そういうなり構える朝潮。


右足を後ろに引き、戻し、足を一瞬上げて戻すフェイントを挟みアンダースロー。


スバーーン!


山雲「ストライ〜ク。」


朝雲「さっすが朝潮姉!大発の軌道が見えない!」


山雲「ねー。」


霰「うん……、すごい……。」


長門「朝潮よ、ボークをとられないのか?」


朝潮「野球じゃないですよ?」


そうだった。あまりにも野球然としていたため思わず聞いてしまった長門。


33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:14:49.55 ID:D3GdtpbO0


霞「じゃぁ、あんたも投げてみる?」


つ カミ車


霞が渡してきたカミ車を手に投球フォームに入る長門。


ザッ!


右足は天高く、そして、大きく振りかぶった。


なげられたカミ車は海面スレスレを飛びその軌道上の海面は大きく切れ波が沸き立つ。


そして、朝潮型姉妹、山雲が構え朝雲、満潮、霰の三人が支えるそのミットの中に何とか納まった。


どごん。


音が後から来たとは満潮の証言である。


シュゥゥゥーーーーー。


朝潮「すごい。」


霞「これが、長門改二。」


山雲「やられちゃったの、ねー。」 大破! シュゥー


朝雲「痛ったぁーい。」 大破! バタン


満潮「ストライクー。」 大破! キュゥ


霰「もう……、駄目……。」大破! キュゥ


この後、長門が申し訳ないと全力で土下座していたのは言うまでもない。


34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:15:46.07 ID:D3GdtpbO0


そして、迎えた訓練最終日。


幾つかの投球フォームを学び、いかに敵に手元の大発の軌道を読ませないかというのを長門は習得した。


朝潮「長門さん、朝潮達がお教えできることはもうありません。」


大潮「長門さんは大発マスターです!これからもどーんと頑張って下さいね!」


荒潮「とっても素敵よ〜。」


山雲「あの投げ方が出来れば無敵だと思いますぅ〜。」


朝雲「訓練の内容を踏まえて頑張ってね!」


霞「はい、これ、あんたにあげる。」


霰「被って欲しい。」


霞が差し出すのは煙突のような形をした帽子。


霰や大潮が被っているあの帽子。


35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:16:44.86 ID:D3GdtpbO0


長門「これは……。」


朝潮「はい!妹達と、いえ、霞が特に強く主張したことも有り


   長門さんを朝潮型名誉顧問に任命させていただこうと思います!」


朝潮「その記念品です!」


長門「霞が……か、霞よ、ありがとう!」ダキツキー


霞「なんでばらすのさ!もぉー!!知らないったらぁ!!」カオマッカ


朝潮「受け取ってくれて嬉しいそうです!」


長門「ありがたくいただこう!」


かぽっ。


その帽子のサイズは少し小さく、頭の上に納めるにはちょっと足りない。


例えるなら松風の頭の上のシルクハットの様な、つまりはちょこんと乗ると表現した方が正しい様子。


36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:17:43.35 ID:D3GdtpbO0


長門「どうだろうか。」ムフー


ドヤ顔で意見を求める長門。


朝潮(サイズが間違ってたましたなんて言えない。)


大潮(これはどーんと間違えてました!)


荒潮(あらあら〜。)


霞「………。」


山雲「あー、これはサイズ間違えてたー。」ネー


朝雲「でも、却って可愛いわね。」


満潮「たしかに、可愛い!」


霰「……、有り。」


長門「そうか!?いいか?」ンフー


長門「霞、ありがとう〜。」


朝潮型非改二勢からの言葉に喜ぶ長門、そして、帽子を贈ってくれた霞に抱きつく。


霞「もう!恥ずかしいから、離れなさいったらぁ〜!」カオマッカ


こうして、長門が朝潮型名誉顧問に就任し大発訓練は終了した。


37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/25(木) 21:19:33.24 ID:D3GdtpbO0

その日の晩


長門「朝潮型名誉顧問11番艦長門!抜錨する!よーそろー!」


陸奥「長門、よっぽど嬉しかったのね。」クスクス


長門「陸奥よ、今の……。」


陸奥「最初から見てたわよ。」アラアラ


長門「ぬぁぁあぁ!?」ゴロゴロゴロ


自室の鏡の前で決めポーズをとっていた所を妹に見られ悶絶した長門さんなど居ない。


38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/25(木) 21:21:09.71 ID:D3GdtpbO0
以上で本日分の更新は終了です


次回は秋月三姉妹に教えを請いに行きます


長門さんの明日はどっちだ!?


ここまでお読みいただきありがとうございました
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