VAVA「誰かの好きに動いてやるつもりはない……ないよな?【艦これ×VAKAX】

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359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 15:50:32.17 ID:sNvMFu/l0
あくまで全員受け入れるvavaさんは提督の鑑
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 00:41:59.76 ID:ertnrD2v0
ヒャッハー更新だァ!
こんな状態のVAVAを見てイレギュラーだと判定できるものがいるだろうか(反語)
361 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/04(日) 10:58:57.12 ID:4Y2gIIVD0



しばらくして…



VAVA「すまんな、大淀」



大淀「いいえ……みんな良い子ですから。所で、イオナさんから聞きましたよ。また無茶をしたそうですね」



VAVA「まぁな」



大淀「提督には高速修理も女神のチカラも働かないんですから、もっと自重してください」



VAVA「わかってる」



VAVA『確かに危うい』



大淀「この鎮守府は提督一人のお力でここまで大きくなりました。しかし、逆を言えば提督のいなくなった鎮守府は……」



VAVA「脆い……か」



イオナ「そのとおり」ヌッ…



大淀「イオナさん」



VAVA「いたのか」



イオナ「皆、提督に頼り過ぎてる。強大な敵が現れても、最後には提督が何とかしてくれる。そんな甘い考えの子がほとんど」



大淀「……そうですね」



VAVA「しかし、艦娘たちが傷ついていく姿を、俺に黙って見ていろと?」



イオナ「そう」

362 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/04(日) 10:59:38.96 ID:4Y2gIIVD0


VAVA「わからん。俺が出ればそれで済む話だろ」



イオナ「ちょっと、まじめに話す……経験は、時に苦痛を伴うもの。提督も、たくさん傷ついて強くなってきたはず」



VAVA「…」



イオナ「わたしも、あんまり厳しいこと言いたくない。けど、みんな楽観的」



VAVA「忠告として、受け止めよう」



イオナ「それがいい。犠牲者が出てからでは遅い」



大淀「私からも、あまり提督には頼らないよう皆に注意しましょう」



イオナ「うんうん」



VAVA「…それが、あいつらの為になるなら、仕方ない……な」


363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 14:47:16.07 ID:bsZL2+Q50
戦艦棲姫以外はVAVAが何とかしてきたし頼りきりになるのもしょうがないか。北上隊と川内型姉妹、特訓中の叢雲あたりは大丈夫そうだけど。
364 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/06(火) 06:04:27.57 ID:LOJeVVUT0
天龍の部屋



二人で戦争映画鑑賞



天龍「なるほどなぁ〜」



VAVA「どう思う?」



天龍「確かに、何人かはお前におんぶにだっこかも知れねーな」



VAVA「そう…か」



天龍「お前の気持ちもわかるよ。お前、頼られんの大好きだもんな」



VAVA「…」むっ…



天龍「怒るなよ。俺の意見が聞きたくてこんな時間に来たんだろ?明日非番だからさ。徹夜で遊ぶつもりだったんだ。付き合ってやるよ」



VAVA「あぁ…」



天龍「…お前も苦労してんだな。やっぱ、チカラは強くても色々困ることとかあんのか?」



VAVA「そうだな。昔は気にも留めなかったんだが、今は周りの状況に合わせて行動している」



天龍「へー昔か、お前のことだ。特殊部隊とか、傭兵経験とかあるんだろ?嫌なら言わなくてもいいけど……」



VAVA「いや……軍属はこれっきりだ」



天龍「んじゃあ公安組織?まさか、テロリストってことはないよな。お前って謎が多いからな。気になるんだ」つんつん



VAVA「…」

365 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/06(火) 06:05:30.90 ID:LOJeVVUT0

天龍「俺は、お前がどんな過去をもってようが気にしないぞ。俺は今、目の前にいるお前を見てる」



VAVA「公安組織…が一番前職に近い気がするな」



天龍「へぇ〜!お前が公安ねぇ。意外だな」



VAVA「そうでもない。暴力を振りかざす者に、さらなる暴力で更生を強いる組織だったからな。俺のような乱暴者が必要だったんだろう」



天龍「えぇ…」



VAVA「昔の事だ。若い時は、そこでの地位に固執した時もあったな」



天龍「お前が!?」



VAVA「今となっては、どうでもいいことだ。俺の居場所はここにある」



天龍「俺の部屋!?」かぁ…///



VAVA「ち、違う。ここだ。横須賀鎮守府だ」



天龍「あぁ、そっか……そだ、あれ、霧の艦隊はどうするんだよ?」



VAVA「大淀が言うには、上層部はやつらの存在を認めていないらしい。目下、深海棲艦の対処に勤めろとよ」



天龍「け、まるで他人事だよな。実際に襲われるこっちの身にもなれってんだ」



VAVA「まったくだ」



天龍「おうよ」



VAVA「だがな、近い内にやつらとは決着をつけなければならない。俺が思うに、やつらは深海の姫と同等か、それ以上の危険度だ。放置は無い」



天龍「夜戦にいくなら、俺を外すなよ」



VAVA「頼りにしている」



天龍「まっかせろい!」にかっ!
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 07:28:32.09 ID:zO0jx0Tz0
公安組織所属だったけどテロリストでもあったからな。VAVAの相談相手と言えば天龍か北上だからな。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 07:44:49.05 ID:2pEYlKqCO
でもぶっちゃけ他の艦娘もVAVAに頼りすぎてるって分かってそうだけどな
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 11:59:39.25 ID:Qvprh0BlO
ハンター時代はVAVAを認めてくれる個人がいなかったから組織での地位に固執せざるを得なかったけど
ここでは頼ってもらえるから地位とか気にしなくなったのかな
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 12:01:28.34 ID:uFyRCrquO
戦う理由も艦娘に対して俺が唯一できることで存在意義つってたしな
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 13:40:17.86 ID:kqsFALcL0
あっちの世界輪はシグマやらゼロやらVAVAと互角以上の実力者を筆頭に
皆がこぞってB級のエックスばかり期待してた反面
VAVAはイレギュラー紛いと言われて批判され実際に拘束されることもしばしばだったしグレますわこんなん

カメリーオみたいに内心ではVAVAのやり方に反感持ってないような例外もそれなりにいたかもしれんが
結局それが表出することはなく終始孤独だったんだよな
371 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 17:36:56.48 ID:AHzLStXg0


天龍「あ、映画終わっちまったな。次は何すっか」



VAVA「そうだな……ん?おい天龍。これは何だ?」カチャ…



天龍「めざといな。そいつは今流行のヘッドマウントディスプレイってやつだ。すごいぞ。こう、ゲームと接続して、かぶれば目の前に仮想現実が広がるって訳だ」



VAVA「ほう……バーチャルリアリティか」



天龍「興味あるのか?ゲーム」



VAVA「うむ。いいアイディアだ。よし、次のトレーニングマシーンはこれだな」



天龍「?」



VAVA「ちょうどいい。イオナにも手伝わせよう」
372 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 17:56:03.78 ID:AHzLStXg0

翌日



工廠



トンカントンカン!ジジジ……



イオナ「朝から重労働。間宮食券10日分を要求するー」



VAVA「後で発行してやるから働け」



イオナ「りょーかい。……ナノマテリアルをこんなことに使うなんて。ナイスアイディア」



VAVA「だろう?これでお前が言った経験不足とやらも、俺の懸念も同時に解消できる」



明石「これまた大掛かりな装置ですねぇ」



夕張「やぁ〜、やりがいありますよ」



瑞鳳「えっと、提督。ここはどうしましょう?」



VAVA「あぁ、待て。ここの溶接は慎重にな、ゆっくりとやるんだ……」



瑞鳳「は、はい…」ぽっ…



VAVA「こうだ、いいな?」



瑞鳳「はい、ありがとうございます!」

373 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 17:58:19.26 ID:AHzLStXg0

明石「……提督ーここ、わかりませーん」



VAVA「どれ、貸してみろ」



明石「それじゃ分かりづらいですね。こう、私に覆いかぶさるように、後ろから手をこう…」



VAVA「こうか?」



明石「はい、良いです。すごく分かりやすい」



夕張「提督、ここの底部から回路をつなぐんですか?」



VAVA「あぁ、そうだ」



夕張「すみませんね、もう一度お手本を見せてくれませんか?」



VAVA「仕方ないな。よく見てろよ」



夕張「はい、見てますよー」スリスリ



イオナ「てーとく」



VAVA「今度は何だ?」



イオナ「なんでもない……それっぽい建前が無かった。むねん」



VAVA「…」
374 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:07:55.98 ID:AHzLStXg0

数時間後…



明石「できました!」



「できたー!」


「わーい!」


「なんだかわかんないけどおめでとー!」



キャー!キャー!



VAVA「礼を言うぞ、お前たち。想像以上のスピードで完成した。これで、俺達の戦力はより磐石なものとなるだろう」



イオナ「とはいっても、まだ1台だけ。最低12台。スペア込みで30台はつくろー」




「「「おーーー!」」」



VAVA「すまん、システムの調整をしておきたくてな。悪いが残りのカプセル製作の指揮は任せたぞ、イオナ」



イオナ「おまかせー」

375 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:14:51.76 ID:AHzLStXg0

VAVA「暇そうなやつはいないか……お」



VAVA「おい、加古ー!」



トコトコ…



加古「ふわぁ……あたしを呼んだかい、提督」



VAVA「今、新型マシンのテスト中なんだ。お前さえよければ試してみてくれないか?」



加古「へぇ〜新しいマシン?おもしろそうだねぇ。やるー!」



VAVA「よしよし。特別手当ても出してやるからな」



加古「マジで!?らっきぃ〜〜〜!」



VAVA「ついてこい」



加古「ほいほーい」

376 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:25:39.53 ID:AHzLStXg0

工廠



加古「あの……これ、マジで大丈夫なの?怖くなってきたんだけど!」カプセル内



VAVA「俺の設計だ。狂いは無い」



加古「……で?あたしをこんな物に閉じ込めてどうしようってのさ。なんの訓練なの?」



VAVA「今に分かる。ではいくぞ」ポチ…



ウィーン…



加古「うへぇ、なんか降りてきたよ〜」



VAVA「そのままじっとしていろ」



加古「へぇーい」



VAVA「バーチャルミッション開始。時間無制限。勝利条件は目標の無力化。敗北条件は自身の轟沈だ」



加古「え?え?」



VAVA「フィールドは……よし、世にも珍しい艦娘の市街戦といこう。使用装備に制限は無し。好きなものを使え」



加古「あわわ…」



VAVA「俺が常にオペレートしている。安心しろ。さぁ、ロードが終わったぞ。ゲーム開始だ」



ピカァ…!



加古「まぶしっ…!」

377 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:47:56.58 ID:AHzLStXg0

荒廃した街



加古「んっ……あれ、ここどこ?」



VAVA『無事、プラグインできたようだな』



加古「提督?どこ??」



VAVA『姿は見えないが、お前のことを見守っている。キリキリいくぞ。ここから使いたい武器を選べ』



フォン…



加古「うーんと……じゃあ、普通に、主砲、主砲、電探、偵察機で」



VAVA『うむ。リアルな夢を見ていると思えばいい。これは、体を傷つけることなく実戦経験を積む事ができる仮想現実マシンなのだ』



加古「なるほどー!そいつはいい。ところで……」ぺちぺち…



ぎゅ……つねり…



加古「いでででで!夢なのに痛いよぉ!!」



VAVA『リアルな夢だからな。痛みが無きゃ訓練にならないだろう』



加古「痛いのやだよぉ」



VAVA『しかし、あまりに強い痛みの場合は、精神への影響も加味して自動で痛覚をシャットアウトできるようにしてある』



VAVA『もしそうなった場合、轟沈扱いと言うことでプレーヤー側の敗北が決定する。そろそろ敵が現れるぞ。用心しろ』



加古「あんまり理解できてないけど、とりあえず敵を倒せばいいんだね!よし、どいつがあたしのあいてだぁー!」



ピカ……フワァーン…

378 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/07(水) 18:52:14.84 ID:AHzLStXg0


コツコツ…



古鷹「…」



加古「えぇ!?古鷹ぁ!なんで古鷹……」



VAVA『気をつけろ!それは古鷹の再現データだ。本物の古鷹のように優しくは無いぞ。本気でお前を沈めにかかってくる』



加古「データって言っても……やりづらいなぁ。どこからみても古鷹だよ」



古鷹「訓練開始します。重巡加古、速やかに撃破します」



加古「うわぁ!めっちゃこわい!こりゃ、本気でやんなきゃなんないね!いくよ!!古鷹!!!」ガシャ…!



ドォンッ!



379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/07(水) 23:04:20.60 ID:cw7G1Xrm0
VAVAは気付いてないけど静かに女の戦いが発生しているな。トレーニングマシンの動作チェックしているVAVAが心なしかイキイキしてるように見える。
380 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 16:30:49.92 ID:Ez10Bhgm0

戦闘後



加古「はぁ…はぁ……か、勝った…………なんとか」ボロボロ…



VAVA『任務完了、お前の勝利だ』



加古「ありがと……古鷹ってあんなに強かったんだねぇ」



VAVA『いいや、所詮は再現データだ。本物には及ばない』



加古「そんなもんかね」



VAVA『システムの調整は完了した。これで今まで戦った敵や、この鎮守府に所属している艦娘全員と自由に戦う事ができるぞ』



加古「敵って言うと……」



VAVA『姫タイプの事だ。だが、戦艦棲姫のデータだけはインプットしていない』



加古「ひっ…」



VAVA『だと思ってな。肉体にダメージは無いが、精神には現実と同じくダメージが蓄積される。戦艦棲姫のデータは、あらゆる意味で危険だと判断した』



加古「それがいいよ、名前だって聞きたくない」



VAVA『訓練、ご苦労だった。プラグアウト、と言ってみろ』



加古「ぷらぐあうと……?」



ピカッ…!



加古「まぶっ……ぃ!」
381 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 16:43:33.35 ID:Ez10Bhgm0

工廠



プシュー……ウィーン



加古「開いた……不思議だねぇ。あれだけ激しく動いたのに、全然疲れてないや」



古鷹「加古、お疲れ様」



加古「うわぁ!古鷹!?」



VAVA「落ち着け。その古鷹は本物だ」



加古「あ、そっかぁ……ごめんよ。さっきまで、古鷹のデータ?ってのと演習してたんだ」



古鷹「うん、よくがんばったわね。ずっとそこのスクリーンで見てたよ」



加古「おや、こんなものまで用意してたのかい?」



VAVA「ラウンジの巨大スクリーンのスペアを流用したんだ。訓練の様子をリアルタイムで観戦できるようにした」



加古「へぇ〜こりゃあ便利だねぇ。強い人の演習をじっくり見れるわけだ」



ズシン……ズシン…



古鷹「あ、イオナさん。こんにちは」



イオナ「こんちゃ」



VAVA「イオナ、まさか、もう完成したのか?」



イオナ「全部できた。朝飯前。今、ここに全部並べる。待ってて」スト…



VAVA「お前の能力には本当に驚かされる」



イオナ「それはお互い様。よっこらせー」

382 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 17:06:48.19 ID:Ez10Bhgm0

それから数日…



工廠



ワイワイ!



武蔵「提督よ!?これ、お前強すぎないか!?まるで勝てる気がせんぞ!!」



曙「自分だけ強化してるんじゃないでしょうね!」



長門「ダメだ、提督で詰む……」



VAVA「お前達への精神ダメージを考慮して、俺の再現データは分割してある」



北上「ぶんかつ〜?」



VAVA「そうだ。初期段階で挑める俺は、兵装も初期装備だ。つまり、一番弱い状態だ。俺を負かすたびに高難易度が解放されていく。あと三段階用意してあるからな」



霞「か、簡単に言ってくれる……やってやろうじゃないのよ!!」



大井『アァ゛ーー!北上さん!最高です!!さらさらです!ふわふわです!うわぁああああ良い匂い!!』くんかくんか…



北上『はなせぇ!!』



VAVA「い、今は大井がプレイ中なのか」



北上「データとは言え、自分があんなふうにされてるのは、ちょっと恥ずいかな……」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 17:22:12.67 ID:Hq7gxMjPO
プレイ中(意味深)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 17:23:39.94 ID:QvT4zjrMO
大井さん!ナニしてんですか❗
385 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 17:25:24.98 ID:Ez10Bhgm0


プシュー……



叢雲「駄目ね……自分との戦いに負けちゃったわ」



五月雨「すごく惜しかったよ。叢雲ちゃん」



叢雲「あなたもやってみたら?自分と戦うってのも、中々いい勉強になるわよ」



五月雨「私は、とりあえず深海棲艦の駆逐艦からはじめてみようかな」



VAVA『フフフ……システムにちょいと細工がしてあってな。自分自身に戦いを挑んだ時、再現データの能力は、10%増しになるのさ』



叢雲「くやしい……」



VAVA『全力を出した上で、さらにその上を行かねば、自身の再現データを倒すことはできないのだ』



プシュー……



吹雪「ふぅ〜!私ってあんな風に戦ってたんだ。次はあの癖を極力ださないようにしよっと!」



VAVA「吹雪……?お前、自分の再現データに勝ったのか?」



吹雪「はい!自分で言うのも変ですけど……手強い相手でしたが、勝てました!提督が、色々と教えてくださったおかげです。ありがとうございます!」



VAVA『土壇場での爆発力や、成長性が優れているのかも知れんな。吹雪は』
386 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/08(木) 17:49:19.60 ID:Ez10Bhgm0


イオナ「ずずー…」ちょこん…



イオナ「ジュースうまい。ん、てーとく」



VAVA「よう。まさか、ここまで人気になるとはな」



イオナ「いい感じ。資材を消費せず、艦娘達の錬度を上げる事が出来ている……むーん」



VAVA「どうした?」



イオナ「あんなオーバーテクノロジーを驚きもせず、みんな普通に使ってる」



VAVA「俺のせいだろうな。思えば、ここで様々な道具を開発し、あいつらに見せてきた」



イオナ「よかったら……あのマシンで再現できそうな、霧のデータがある。模擬戦、してみる?」



VAVA「そいつはありがたい。あのタカオとも、そろそろ決着をつけようと思っていた所だ」



イオナ「コンゴウ以外のデータなら、ある」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 23:52:47.54 ID:3gDaSzt00
VAVAが引くくらい大井っちが暴走してるし、駆逐艦には見せちゃいけない映像になってそうだな。
確かにオーバーテクノロジーだけどVAVAとイオナに比べたら大したことないんだろうな。
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 01:58:14.04 ID:Z42TlabMo
大井っちの使い方も正解だと思う
俺もそうする
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 06:08:57.71 ID:GLtlcsfA0
>>388
もしもしナイトメアポリスメン?
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 10:37:12.35 ID:GbFee3jWO
つまりどうにかすれば提督にあんなことやこんなことをできるってことだな
チャンスだぞ艦娘達
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 10:04:21.27 ID:vLjVaf/SO
一台くらいパクってヲ級の家に配送しよう
392 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 17:48:21.14 ID:UilEi0OQ0
それからしばらく…



執務室



大淀「……ドイツへの訪問まではまだ余裕があるから、その前にこの海域を攻略して…霧への対処にはこれだけの予算を投入して……」



隼鷹「やれやれ、提督は今日もイオナと仮想訓練かい?」



大淀「そうですよ」



隼鷹「暇だねぇ。せっかくあたしが秘書になったげてんのに。この辺の酒ちょっぴり飲んじゃおうかな」



大淀「だめです」



隼鷹「はいはい、わかってるよ」



ガシュンガシュン……ガチャ…



隼鷹「お、やっと帰ってきた。おつかれ」



VAVA「あぁ…」ヨロヨロ……ギィ…ドサッ!



大淀「提督、体調が優れないのですか…?」



VAVA「訓練をし過ぎたようだ。少し、疲れた」



隼鷹「提督でも疲れるんだねぇ」



VAVA「そりゃあそうだ」

393 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 17:48:58.77 ID:UilEi0OQ0


VAVA『ボディには何の問題も無いが……メンタルダメージはどうしようもない。我ながら、よく出来たトレーニングマシーンだ』



VAVA「1時間ほど休む」



大淀「ごゆっくり」スッ…



隼鷹「…」スッ…



VAVA「いや、出て行かなくていい。ここで作業を続けろ」



大淀「わかりました」スト…



隼鷹「甘えたいのかい?あたしの膝、貸してあげるよ」



大淀「隼鷹さん」



隼鷹「冗談だって」



VAVA「…」リラックス…

394 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:05:28.51 ID:UilEi0OQ0
南方海域 最深部



ズドォオオオオン!!ガガガガガガガッ……!



大和「はぁっ!……でぁあああああああああああああ!!」連打



南方「グヌッ……ウゴゴワァアアアアアアアア!?」ドゴゴゴゴゴ……!



大和「まだ……まだぁ!」飛び後ろ回し蹴り



南方「ツケアガルナ!小娘ガァアアア!!」ジャキンッ!



大和「!?」



南方「シズメッ!」



大和『ここだ…!』



大和「たぁっ!」ヒュッ……パシンッ!



南方「ウッ……!?」グラッ…!



大和「そこっ!」カチ!



コォッ……ガォオオオン!!



南方「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……!!??」ビシィッ……ピキピキピキ…!



カッ……ドカーンッ!



大和「はぁ……はぁ…プラグ…アウト」



ヒュン…

395 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:07:37.77 ID:UilEi0OQ0
工廠(特設VRトレーニングルーム)



休憩室



イオナ「やるぅー」ひゅ〜



青葉「すごい剣幕ですね、大和さん」



武蔵「因縁の相手だからな。私達にとっては」



子日「いんねんって?」



武蔵「…」なでなで…



子日「?」わしゃわしゃ…

396 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:14:59.12 ID:UilEi0OQ0


プシュー……フラフラ…



大和「…」



武蔵「見事だ。大和」



大和「…」スタスタ…



武蔵「おい、大和?」



大和「…ぅ」グラッ……



イオナ「ん」ガシッ!



大和「どうも…」



イオナ「お疲れ様」



武蔵「激しい戦いだった。無理も無い」



大和「でも、まだ本物には……及ばないかもしれない」



武蔵「よくやったさ。イオナ、とっさに姉を支えてくれてありがとう。後は、私が部屋までつれていくよ」



イオナ「大金星」



装甲「じー……」ものかげ

397 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:31:09.09 ID:UilEi0OQ0


ある日の夜……



装甲「…」こそこそ…



装甲『一回使ってみたかったのよね。よし、誰も居ない』キョロキョロ…



こっそり……ウィーン…



装甲「わぁ……集積地がこんなの造ってたっけ。でも、あれよりすごく綺麗。本物みたい」



装甲『なるほどね、敵の能力値をグラフで分かりやすくしてるんだ』



装甲『ふんふん、あっ!私だ!!私が選べる!!!すごいわ、艦娘とは比較にならないパラメーターだわ!』わくわく!



装甲『それにこのポーズ……なんてかっこいいの。手を前に突き出して、強気な笑みを浮かべて、いかにも強敵ってかんじ』うっとり



装甲『あとは泊地と南方……飛行場が選べるのね。ゲッ!私だけ勝率が高い…!!みんな私のデータをこんなに倒してるのね……』



装甲「戦ってみようかな……」



装甲「…」



装甲「やめとこ……誰かに見られたら面倒だし」



装甲「…」



装甲「一回だけ…!」



装甲「対戦相手は……もちろんVAVAさん!プラグイン!装甲ー!」ノリノリ♪

398 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/16(金) 18:46:26.10 ID:UilEi0OQ0

鎮守府近海



装甲「……すごい。現実と変わらないわ。日差しも、海風も、潮の香りも……」



パッ……



装甲「ここから武器を…?そうか、私が使うことは想定して無いんだ。じゃあ、艦娘の空母装備を使おう」



装甲「えっ……この艦爆。対空能力無いじゃない!艦戦って……こっちは対空能力だけ!?艦攻も艦爆と同じで攻撃のみ!?」



装甲「なによこれ!こんなロースぺ装備で戦うなんて馬鹿じゃないの!!」ぷんすか!



装甲「……選ばないことには始まらないわね。いいや、わからないから一個ずつもっていきましょう」



装甲「できるだけ強そうなのを……これでいいや」(震電改、天山《村》、彗星《江》、副砲)



ガシュンガシュンガシュン……



VAVA「訓練を開始する。気を引き締めろよ」



装甲「はい!VAVAさん!!」

399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 19:46:50.79 ID:EnP8lEx/0
近い内にドイツにいくのかな。姫である装甲からすれば艦娘の艦載機は弱く感じるよな。
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 20:19:26.15 ID:oJqAcM/D0


装甲空母鬼のスロットに震電改は飛び魚艦爆持ちのエリレくらいのレベルで制空奪取が厳しくなるのでNG
・・・と思ったがVAVAとの戦闘で下半身の艤装を脱いだ時に装甲空母姫になってるんだったか

どっちみち深海棲艦としての能力でプレイしない(できない?)だろうから現実的な搭載数になるとは思うが
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 01:32:28.17 ID:3UerMMcF0
装甲のデータもしっかりと入っているのか
道産子生まれの装甲ちゃんの正体がバレないだろうか
402 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/17(土) 21:07:29.47 ID:Cz6Yff9P0

装甲勝利



VAVA「訓練終了。大したものだ」



装甲「おつかれさまでした」ペコリ…



VAVA「遊ぶのはかまわんがな、ほどほどにしておけよ。装甲」



装甲「へ…?」



VAVA「どうした?訓練は終わった。早く現実に戻れ。合言葉は、プラグアウト。だ」



装甲「私がこの機械をこっそり使うって、わかってたんですか?」



VAVA「お前は好奇心が強いからな。それに、体がなまっていただろう。仮想空間と言えど侮れまい」



装甲「はい……すごく、楽しかったです」



VAVA「よかったな」



装甲「VAVA…さんは、私ともう一度戦って、楽しかったですか……?」



VAVA「悪いな。俺は所詮、VAVAと同じ思考パターンを持ったデータに過ぎん。現実のように何かを感じたりすることはできない」



装甲「あ……」



VAVA「つまり機械だ。こうして話しているのも、お前の言葉に反応しているだけだ。VAVAの意思も感情もない」



装甲「…」うー…



VAVA「VAVAには、結果を報告しろよ」



装甲「はい…ありがとうございました。じゃあ……プラグアウト」



フォン…

403 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/17(土) 21:17:51.77 ID:Cz6Yff9P0

プシュー……



装甲「ふぅ……ん?」



瑞鶴「…」



装甲「わっ!?」



瑞鶴「見てましたよ」



装甲「な、何を…ですか?」



装甲『ややや……やばいやばいやばいやばい!!』



瑞鶴「装甲さん……し、し、しん……」



装甲『バレた…!私が……深海棲艦だと』



装甲『どうしよう!?いまなら誰も見てないし暗殺すれば……いや、できるわけない!今更艦娘を傷つけるなんて、私にはとても……』



装甲「……はい、お察しのとおりです。私は……」



瑞鶴「信じられない!装甲さん、昔は空母艦娘だったんですね!!」



装甲「…うん?」



瑞鶴「どうして引退したんですか!?あんなすごい戦い方、見たこと無い!!」



装甲「その…」



瑞鶴「あの艦載機の使い方、私に教えてください!!」



装甲「えぇ!?」

404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 21:50:12.82 ID:dOe5O6mDO
ロックマンXかと思ったが違ったようだ
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 21:56:36.79 ID:m61nAJzbO
まさかVAVAを最初に倒すのが補給艦だとは艦娘の誰も思いもすまい
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 22:12:58.87 ID:6JjGHYiT0
常時ボーキ補充頼りの頃の慢心があったころとは大違いや
堅実に戦えれば初期VAVA倒せるぐらいには強いんやなって
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 23:55:19.35 ID:8vWR+Adk0
スペックは艦娘を超えてるしな。
慢心がなかったり一対一なら相当強いだろうな
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 00:34:58.60 ID:p8XWRhFp0
慢心とかいうから空母系の姫の攻撃手段がゲートオブバビロン風に思えてならない
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 05:53:16.65 ID:N4Gq9rkc0
元艦娘だと勘違いしてくれるなら深海棲艦だとバレにくいだろうし、ある意味都合が良いな。
VAVAは艦載機を使えないし空母系艦娘に関しては装甲が戦い方を教える方が良さそうかな。
410 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:41:35.91 ID:eoM1EAeX0


ある日の事…



瑞鶴「翔鶴姉ぇどこかな〜」



翔鶴「…」ペラペラ…♪



瑞鶴「いた!あ……加賀さんだ」



加賀「…」ボソボソ…



瑞鶴「何を話しているのかしら…?ついて行ってみよう」

411 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:43:21.69 ID:eoM1EAeX0

射撃訓練場



加賀「私達は、弓を引くという動作によって艦載機を射出する。よって、弓を扱う技術無くしては艦載機を扱えないわ」



翔鶴「はい」



加賀「あなたも知っているだろうけど、これが基本。後は、射出後の艦載機との連携だけれど」



翔鶴「はい、私、まだ妖精さんたちと心をうまく通わせないみたいで……たまに指示を無視されたりしちゃうんです」ぐすん…



加賀「これだから五航戦は……」



翔鶴「加賀さん、お願いします。私に艦載機のなんたるかを教えてください」ペコリ…



加賀「……いいわ。実際に放ってみなさい。妖精たちを不満にさせることを、あなたが無意識にしているのかも知れない」



翔鶴「はい!流星、お願いね……」スッ…



瑞鶴「翔鶴姉ぇ!!」

412 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:46:28.31 ID:eoM1EAeX0

翔鶴「あっ……瑞鶴」



瑞鶴「そんな人から教わることなんて何も無いわ。私達の方が新型じゃない。旧型に教わっても弱くなるだけよ」



加賀「…」



翔鶴「瑞鶴!なんて事を言うの。加賀さん、ごめんなさい。瑞鶴はまだ幼いんです。どうか許してあげてください」



加賀「別に、気にしていないわ」



翔鶴「加賀さんに謝りなさい」



瑞鶴「はんっ誰が!いくら翔鶴姉ぇのお願いでも、それは聞けない。私は間違ったこといってないもん。私たちがいる今、空母赤城、加賀は艦隊のお荷物よ」



加賀「…」カチン…



翔鶴「な……瑞鶴!!本当に怒るわよ!!あなたは何もわかってない」



瑞鶴「わかってないのは翔鶴姉ぇの方よ!!私のどこに間違いがあったっての?」



加賀「いいわ、教えてあげる。翔鶴、妹を借りるわね」



翔鶴「加賀さん、どうか穏やかに…」



加賀「心配しないで。来なさい、七面鳥」



瑞鶴「しちめんちょうぅううう!?冗談じゃないわ!!果し合いの場所は?時間は?いつでもいいですよ!」



加賀「あなた相手に大事な資材を使うわけにはいかないわ。先日新しく導入された、仮想訓練機による模擬戦で決着をつけましょう」



瑞鶴「いいわよ!やってやろうじゃないの!!見とけおらぁ!!」

413 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 13:01:34.50 ID:eoM1EAeX0


現在……



装甲「で、負けちゃったと……」ぽん…



瑞鶴「うん……」



装甲「それはヘコむよね」



瑞鶴「うぅっ……わ、私は間違ってない……運動性能も搭載数も馬力も、全部私の方が上のはずなのに…どうして」ぐすっ……



装甲『見てて痛々しい……可哀相…』



瑞鶴「こ、怖かった……あんな怖い人どうやって勝てばいいのよ……私には、わからない」



装甲「泣かないで。うん悔しかったね…」なでなで…



瑞鶴「うわぁああああああああああああん!装甲さん……私、あの人に、勝ちたい……」ギュー!



装甲「うんうん…」なでなで…



装甲『あれ……私なに空母みたいなこと言ってんの。バレたらヤバイし、これ以上関わらない方がいいっしょ……』



瑞鶴「私の……師匠になってください」むくっ!



装甲「いや、それはそれ。これはこれ」スッ…



瑞鶴「えぇえええ!?」スカッ!



装甲「大丈夫。スペックで勝ってるんだから次はきっと勝てますよ。じゃあ、あの……もう遅いし、お休みなさ〜い…」ソロソロ…



瑞鶴「待って!私には、あの変幻自在の統率力が必要なの!!教えてください!!!」グッ!



装甲「うわぁー!?ポニーテールつかまないで!!」



瑞鶴「教えてください゛ーーー!!」



装甲「だから嫌なのぉ!私関係ないもーーん!!」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 13:30:19.12 ID:N4Gq9rkc0
人に何かを教えるのは自身の成長にも繋がるし、装甲にはいい機会なんじゃないだろうか。
415 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 15:56:57.92 ID:eoM1EAeX0


それからしばらく…



装甲「こんな早朝から、つきまとわないで下さい……もう、引退した身ですから。私、ただの女ですから」ツカツカ…



瑞鶴「いいじゃないですか、別に教えたって減るもんじゃないんだし」トトトッ!



装甲「駄目です。現役の艦娘さんに教えることなんてできません」



瑞鶴「いいや、あなたはかつて、我が軍のエースだったんでしょ?それで、怪我とか、病気とかして、やむを得ず現役を退いたんですよね?」



装甲「違いますよ。弱いから戦力外通告されたんです〜」



瑞鶴「弱い空母があんな華麗に艦載機を操れるわけが無い!!私の目はごまかせないんだから!!!」



装甲『現に今、欺けてるんだけどなぁ……』



瑞鶴「じゃあこうしましょう。月謝として、私の月給の三分の一を毎月あげますから!!」



装甲「最近VAVAさんが待遇良くしてくれたので、お金は間に合ってるんですよね〜欲しいものも特に無いし」



瑞鶴「なら、何をあげたら教えてくれるんです?」



装甲「いりません。何も。私、これから皆さんの朝ごはんの仕込があるので、失礼します」



瑞鶴「そうか!お仕事が忙しくて、私に割ける時間が無いんですね!!そういうことなら私が装甲さんのお仕事手伝います!!」



装甲「なんでそうなるんですか……それも駄目です。厨房は毎日忙しいんです。慣れてない人を使う暇なんてありません」



瑞鶴「あきらめませんよ!」



装甲「あきらめてよ…」

416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 17:09:26.36 ID:J378uZGS0
あまりにも補給艦として馴染んでたから忘れていたが流石は姫
精神面も鍛えられたし以前より強そう
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:43:44.44 ID:N4Gq9rkc0
待遇が良くなってるってことはVAVAも装甲のことを評価してるんだな。VAVAから頼まれたら装甲も断れないんだろうけど瑞鶴はどうするんだろうか。
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:44:25.02 ID:MvxOp7xNo
この装甲さんみたら優しい空母型の二人はなんて言うんだろ
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 19:38:29.22 ID:qaKyqwvG0
毎日うまい飯3食食べて肉体も精神も健康になってるだろうし
給仕に従事して各艦娘に対応してるうちに情報処理能力も底上げされてそう
420 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:02:23.56 ID:O6r+XosK0

次の日も…



瑞鶴「師匠」



装甲「師匠じゃない」



瑞鶴「教えてくださいよ。さもないと装甲さんは私の心の友だって皆に言いふらしますよ」



装甲「やめて……恥ずかしい」



瑞鶴「じゃあ教えてくださいよ。土日教えてください」



装甲「えぇ〜……週末はVAVAさんとお茶してるからやだ」



瑞鶴「は?あなたもあんな提督がいいんですか?翔鶴姉といい、あのロボットもどきのどこがいいんだか」



グワァシッ!



瑞鶴「あぶっ!?むぐぐ……」



装甲「言葉には 気 ヲ ツケロヨ。小娘……取リ消セ」ギラッ…(駆逐艦程度なら殺せる眼光)



瑞鶴「は……ひゃい」コクコク!



装甲「ふん……姉はあんなに礼儀正しいというのに」パッ……シュゥ〜ン…



瑞鶴「ゲホッ……ゲホッ……あの、提督と何を話してるんですか?」



装甲「別に、談笑してるだけ。装備とか、お酒の事とか」ぷいっ!



瑞鶴『今の眼光、気迫、凄み……装甲さん、只者ではない。絶対に弟子になってやるんだから!』

421 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:25:11.44 ID:O6r+XosK0
次の日…



コッ…コッ…コッ…



VAVA「イオナ、執務室でけん玉をやるな。気が散る」さらさら…カキカキ……



イオナ「早く終わらせて、シュミレーションの続きしよ。次はマヤ」



VAVA「わかってる。今終わるから待ってろ」



イオナ「提督業は大変」



VAVA「楽ではないな」



イオナ「えらい」



VAVA「ありがとよ」



ドアバーーーン!



瑞鶴「提督!お願いがあるんだけど」



VAVA「後にしろ」



瑞鶴「駄目、今聞くの!!」



イオナ「まぁまぁ」



VAVA「イオナ茶でも淹れてやれ」



イオナ「粗茶ですが」とぽぽ…



瑞鶴「いらないから。それより、装甲さんの事なんだけど!」



VAVA「装甲…?」ピタ…

422 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:27:44.20 ID:O6r+XosK0



瑞鶴「あの人に、私に艦載機の使い方を指導するように命令してよ。ね、このとーり。お願いこのとーり」



VAVA「あいつから何を学ぶってんだ。あいつはただの雑用だぞ」



瑞鶴「ウソよ!あの人は偉大な空母だったんだわ。ねぇ、私強くなりたいのよ」



VAVA「お前には翔鶴もいるし、赤城や加賀という立派な先輩がいるだろうが。先輩から学べ」



瑞鶴「それじゃあ駄目なのよ!!」



VAVA「なら鳳翔だな。経験豊富な上に、指導も上手い。おまけに俺の1万倍は優しいぞ」



瑞鶴「鳳翔さんも悪くないけど、装甲さんがいいの!」



VAVA「強情な…」



イオナ「問題児」



瑞鶴「エースよ!信じて提督。私があの人に師事したら加賀さんなんてあっという間に追い抜いて見せるわ。この瑞鶴こそが、空母艦娘のニューリーダーよ!」



VAVA「……ふむ、そこまで言うか」



瑞鶴「…」

423 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:28:43.89 ID:O6r+XosK0


VAVA「向こう見ずな馬鹿のようだが、その反骨精神。気に入った」



瑞鶴「!」



VAVA「いいだろう。装甲にはお前の専属教官になるよう命令を与える。これで満足か?」



瑞鶴「期限は?」



VAVA「お前が決めろ」



瑞鶴「ありがとう提督!大満足!!私、あなたの事誤解してたわ。こんなに話がわかる人だったのね」



VAVA「一言余計だ」



瑞鶴「ごめんなさい」ペコリ…



VAVA「所で、お前は妙に加賀につっかかっているようだが、加賀は嫌いか?」



瑞鶴「だいっきらい!あの澄ました態度が気に食わない!!」



VAVA「クッククククク……そうか」



瑞鶴「?」



VAVA「頑張れよ。用が済んだのなら行け」



瑞鶴「はい!」



バタン!ダダダーーー!!

424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 20:32:01.03 ID:7Kg0QBfFO
イーグリードのことでも思い出したか提督
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:24:05.75 ID:CWXtT5yo0
瑞鶴のイレギュラー、今週で7件目だな・・・
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:30:45.16 ID:0M5nM1F+0
ニューリーダー病に感染してたとはな
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 03:00:34.26 ID:wqxyPLw9o
加賀さんが動けなくなる度に
瑞鶴「加賀はたおれた!私が新しい一航戦よ!皆この瑞鶴に続きなさい!」
というのか
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 12:53:38.72 ID:SFFhOgFA0
駆逐艦程度かよ…
もうちょっと頑張って
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 14:57:54.57 ID:MnILPrt10
イオナは鎮守府生活を楽しんでるな。艦娘も妖精さんもVAVAのことを馬鹿にされたら怒りそうだし、瑞鶴の発言は危険な感じがするな。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 16:56:19.11 ID:nxxd+lIj0
最弱だから大目に見てあげて…ゲームでもフラッグシップといい勝負しちゃってる子だから…
431 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/27(火) 05:37:51.06 ID:ar2pjHPx0
執務室



装甲「えぇ…」



VAVA「本人から熱望されてな。しばらく面倒を見てやってくれないか」



装甲「うー……」



VAVA「嫌か?」



装甲「はい…バレたらここに居られなくなるし……VAVAさんにだから言いますけど」



装甲「私も、かなりの数の艦娘を沈めてきましたから……相当恨みを買ってると思うんです」



VAVA「お前がボロを出さなきゃいいだろうが」



装甲「でも!仮想訓練にも、私のデータが入ってたし……見た目で気付く子も出てきちゃうんじゃないかなって…」



VAVA「その点は心配ない。だから、お前のデータを入力したんだからな……やはり使ったな?」



装甲「えへへ…好奇心に負けて。心配ないとはどういうことですか?」



VAVA「あのデータは俺とお前が初めて出会った頃のデータだ」



装甲「私とVAVAさんが……?」

432 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/27(火) 05:40:11.95 ID:ar2pjHPx0


VAVA「無論、外見も当時のままだ。お前、仮想空間での自分の顔をよく見ていないのか?」



装甲「え?いつ見ても美人だなぁと」



VAVA「馬鹿。なら、今見せてやる」ピッ…(モニタ)



装甲「私だ」美人



VAVA「ほら」手鏡



装甲「あれ……こうして比べてみると……顔が全然違う!!」



VAVA「全体的に丸くなった。つり上がった目も、口元から覗いていた鋭い犬歯も今はまん丸だ」



装甲「人間みたい…」



VAVA「血色も良くなっている。相変わらず色白ではあるがな」



装甲「気付きませんでした……」



VAVA「段々と変化していったのだろう。気付くのは難しい」



装甲「……VAVAさん、私が瑞鶴さんに艦載機の使い方を教えたら、褒めてくれますか?」



VAVA「当たり前だろう。もとより、お前は十分役に立っている。間宮はいつもお前を褒めているし、妖精達も艦娘達も、お前の事を信頼している」



装甲「…!」



VAVA「俺も……信頼している。お前になら、瑞鶴を任せられる。あいつは じゃじゃ馬 だが、どうにも他人事だと思えなくてな。協力してやってくれ」



装甲「わかりました。決心がつきました。瑞鶴さんに、空母流より進化を遂げた、装甲流の全てを叩き込みます」



VAVA「宜しく頼む」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 22:41:57.17 ID:PPuc/YBp0
VAVAに頼まれたとはいえ、最終的に自分で教えることを決めたのはいい傾向だな。
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 01:30:55.13 ID:hbADwV180
考えなしに装甲のデータを登録したりはしないか
出会いはあれだったが生まれでなく行動によって信頼を勝ち取れてよかったな装甲
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 18:24:25.03 ID:xBBJiUEA0
決戦仕様イケメン過ぎ
436 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/14(水) 07:54:01.58 ID:gQoAT9db0
翌朝……



音楽室



ゴソゴソ…



装甲『誰かに自分の技術を教えるなんて初めてだ…』長良に借りたジャーブル



装甲「うまくできるかな……」



イオナ「…」じー…



装甲「…いつ間にそこへ?」



イオナ「普通にドアから入った」



装甲「あ、そう。イオナさん……でしたっけ。VAVAさんと同じくらい強いんだとか」



イオナ「一応」



装甲「勘違いしないほうがいいですよ。あの人は優しいんです。そして、誰よりも強い」



イオナ「…」じーっ



装甲「なんです…?」



イオナ「そーこーって深海棲艦?」



装甲「は?何をいきなり…」



イオナ「装甲空母鬼でしょ?」



装甲「…」



カッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………
437 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/14(水) 07:56:14.06 ID:gQoAT9db0


装甲「…死んでもらうしかないわね。幸いあなたを嫌ってる艦娘も妖精も多いし、事故死ってことにすれば…」



イオナ「誰にもバラすつもりはない。安心して」



装甲「信用できない。悪いけど殺すわ」



イオナ「私達は似たもの同士」



装甲「何ですって?」



イオナ「本来ここに居てはいけない者同士。仲良くしよ。そもそもあなたでは、私を殺せない」



装甲「あなた…何者なの?艦娘とは明らかに雰囲気が違う」



イオナ「艦娘じゃない。霧の潜水艦。イ401」



装甲「霧……イオナ?まぁいいわ。冷めた顔を見ていたら、攻撃する気も失せた」



装甲『はて……どこかでそんな名前を聞いたような、ないような……どうでもいいか』



イオナ「ありがとう」



装甲「でも、あまり目立つことはしないことね。私が上、あなたが下よ」



イオナ「はい、お姫様」



装甲「……も一回言って」



イオナ「お姫様」

438 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/14(水) 08:00:11.30 ID:gQoAT9db0

装甲「…」じーん…



イオナ「お姫様」



装甲「なんだか、久々にその肩書きで呼ばれた気がする。一年すらたってないのに、とっても懐かしい……感動しちゃった」



イオナ「深海の姫からすると、一年は人間の感覚で三日間程度と聞いた」



装甲「まぁね。伊達に不老不死やってないわよ」



イオナ「不死ではないはず」



装甲「そりゃあ、死にはするけど。そう簡単には死なないし」



イオナ「お姫様、てーとく好き?」



装甲「はぁ?いきなり何よ!…………好きよ、文句ある?邪魔する気なら…」



イオナ「お似合い。応援してる」



装甲「ホント!?」



イオナ「うん。私は尊敬しているけれど、恋愛感情のようなものは沸いてこない。戦友」



装甲「ふぅん」



イオナ「ただ、可哀相……とは感じる」



装甲「?」



イオナ「いざとなれば、あなたはこの鎮守府を守るために戦わなければならない。提督を除けば、あなたが一番強いから」



装甲「…」



イオナ「あなたが戦わなくても良いように、私も最善を尽くす。でも用意はしておいたほうがいい。艦載機も、鎧も、強化しておくことを推奨する」



装甲「忠告ご苦労様。他に用事は?」



イオナ「ない。ツンツン空母の指導、がんばって」



装甲「はぁ…」

439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 18:29:42.12 ID:cTtAHXl7O
人間の感覚で3日程度でVAVAにぞっこんとか
この姫ちょろすぎなのでは?
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/14(水) 19:11:10.14 ID:23lZ7icl0
陸に感化され過ぎて感覚が艦娘になっちゃったんだよきっと。酒匂はもっと凄いぞ。出会って数秒で提督ぅ大好きぃ!!言われた提督がびっくりだわ。
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/16(金) 21:45:45.93 ID:oS7NSTmK0
姫タイプと同格の男なんかいなかっただろうし好きになっちゃうのも仕方ないんだろう。
442 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/28(水) 10:13:05.98 ID:hGUP/3Gq0


運動場



VAVA『そろそろ始めたか……』



VAVA『霧の奴等も厄介だが、育成も大事な仕事だ』



VAVA「…」チラ…



装甲「オラー!サボるな!!もっと早く走れ!遅いと追加するぞー」



瑞鶴「ひぃー!こんなの艦載機とどんな関係が…」



装甲「あるわ!!ひよっこが、つべこべ言わずに言われたことを全力でやるの!!勝ちたいんでしょ!?



瑞鶴「ぐ……か、勝ちたい……!!」タイヤ引き(ON装甲)



装甲「見ろ!!お前の艦載機妖精さんも一緒に走ってんだぞ!!無様な顔見せるな!」



「わ〜い、おにごっこだ〜!」


「はしれはしれー!」


「ずいずいがんばれ!」



瑞鶴「はい!」ダダー!



装甲「艦載機は、己の分身。空母が強くなればなるほど、艦載機も強くなる!」



瑞鶴「はいぃ!!」ダダダー!



装甲「まずはそのひょろっひょろな体を一から叩き直してやるわ!」



VAVA『頑張っているな……そっとしといてやろう』そっ…



VAVA『霧との対決では、瑞鶴は使えんな……俺ならタイヤじゃなく錨を引かせるかな』



VAVA「クハハ…」

443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 15:33:31.22 ID:nvAZFoDoo
なかなかの鬼軍曹だな装甲
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 17:15:58.86 ID:8/ZSlZTA0
メタルアンカーかな?
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 18:19:36.99 ID:Nq7nZKuo0
意外にも熱血指導だな
妖精をさん付けで呼ぶのかわいい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 23:09:01.76 ID:UESjPJus0
特訓で練度を上げるのも大事だけど霧に有効打を与える為に装備も整えないといけないな。トロンに依頼しているライドアーマーは間に合うのかな。
447 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:15:19.20 ID:I74T9CsF0

そこからさらに数日後



執務室



イオナ「……」イライラ…



大淀「提督、お茶です」コト…



若葉「お菓子だ。きっとお茶に良く合うぞ」



VAVA「うむ」ズズ……バリバリ…



大淀「あれは何をしているんですか?」



若葉「不気味だ…」



イオナ「うー…」ビリビリ…



VAVA「あいつが言うには、霧の艦艇の気配が近づくと、体が痺れるらしい」



イオナ「そろそろ、霧が攻めて来そうな気がする」



VAVA「ついにか。お前には霧艦センサーでもついてるのか?」



イオナ「敵も感じているはず。私の気配を」



VAVA「……ほんとか?」



イオナ「ごめんウソ。ほんとはセンサー的なもので探知してる」



VAVA「…」

448 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:18:49.95 ID:I74T9CsF0


大淀「イオナさんから言われた通り、対霧装備の配備は完了しています。艦隊、いつでもいけますよ」



若葉「私もいつでも戦える覚悟だ」



VAVA「迎え撃つのは性に合わん。今度はこっちから攻め込んでやろう。強行偵察作戦を敢行する」



大淀「了解」



VAVA「偵察後、霧の艦艇の居場所をつきとめたら、偵察部隊を撤退させ、主力艦隊を投入するぞ」



イオナ「シンプルでいい作戦」



VAVA「霧は全部で5体。今回は1体でも仕留められれば上出来だ。撤退の自己判断を許可し、有事の際には俺が撤退命令の信号弾を放つ」



大淀「上層部への支援要請は要りませんよね?」



VAVA「うむ」



大淀「だと思いました」



VAVA「偵察部隊は索敵能力と逃げ足の優れたメンバーがいい。主力には、俺とイオナが入る」



イオナ「同伴は対潜能力高めの人がいい」



大淀「わかりました。適正の高い人員をを早急に選定します」



VAVA「頼む。少し早いが、作戦開始は5日後だ」



大淀「はい」



イオナ「限定海域れっつごー」

449 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:37:24.85 ID:I74T9CsF0


空母城(カフェテラス)



空母「ウーム、VAVA……VAVAカ」



空母「…」クイッ(ブラックコーヒー)



コンゴウ「…」コト…(ミルクティー)



ヒュ〜…



空母「風向キ ガ 変ワッタナ……」



コンゴウ「愚かにも、敵は先制攻撃を仕掛けるつもりのようです」



空母「行クカ?コンゴウ」



コンゴウ「はい。許可を頂けるのでしたら、我々が片付けましょう」



空母「オマエ ト 戦水 トノ 関係 ハ、私ニハ 関係無イガ」



コンゴウ「…」



空母「アレハ マダ 若イ。ドウカ 道ヲ 外サヌヨウ、見守ッテ ヤッテ欲シイ」



コンゴウ「ご安心を……我々は深海棲艦を敵に回すつもりはありません」



空母「私モダ。オマエ ハ 良キ友ダカラ」



コンゴウ「ありがとうございます…」ペコ…



空母「死ヌナヨ。VAVAトヤラ、カナリ ノ 強者ラシイ。私ノ 保有スル 基地 ノ ヒトツ ヲ 貸ソウ。武運ヲ祈ル」



コンゴウ「はっ、行ってまいります」

450 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:50:23.97 ID:I74T9CsF0

コツコツ…



キリシマ「出撃か?」



コンゴウ「あぁ、ここを出るぞ」



キリシマ「補給も修理も万全だ」



コンゴウ「そうでなくては困る」



キリシマ「タカオの事なんだが」



コンゴウ「タカオがどうした」



キリシマ「気をつけたほうがいい。精神が不安定だからな」



コンゴウ「軟弱な……」



キリシマ「今のタカオで、イ401を倒せるだろうか」



コンゴウ「安心しろ。策はうつさ」



キリシマ「策?」



コンゴウ「物は使いようさ…」



キリシマ「あ?あぁ…」

451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/30(金) 23:44:37.97 ID:ihozXEyP0
コンゴウ言う策に嫌な予感しかしないし、タカオは碌な目に合わないんだろうな。
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 00:04:07.51 ID:xtk67dBtO
コンゴウ「私にいい考えがある」
453 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:26:55.96 ID:ntGqBsY90

5日後…



横須賀鎮守府



VAVA「準備はいいか」



長良「はいっ!司令官」



VAVA「今回は、足の速いメンバーを選出した。危険を感じたら戻って来い」



若葉「やれやれ。強行偵察とはいえ、4人だけとはな……敵と遭遇したら痛い目に遭いそうだが……」



VAVA「大淀の選出だ。間違いは無いだろう。人数が少ないほうが敵に感知されにくいんだよ。ボーナス出してやるから頑張れ」



若葉「痛い目……悪くない」ごくり…



VAVA「お、おう」



阿武隈「これは特別な任務……頑張らなきゃ」ガチガチ…!



VAVA「阿武隈、肩の力を抜け。お前ならできる」ポン…



阿武隈「は、はい!精一杯頑張ります!!」



VAVA「阿武隈は逃げ足が速いと北上大井のお墨付きだ。期待しているぞ」



阿武隈「あの2人…ッ!」イラッ…



長良「阿武隈、落ち着いて。2人はあなたの事を期待しているのよ。期待には応えなきゃね!」ニコッ…



阿武隈「はい…長良お姉ちゃん……」



阿武隈『姉のまっすぐさを、羨ましくも疎ましくも感じてしまぅ…』
454 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:28:52.03 ID:ntGqBsY90


VAVA「うん?おい初霜、お前また……」



ゴソゴソ…



初霜「て、提督?……ああ、魚雷管の角度を直してくれてるんですね。いつも、すみません」



クイッ……ギュッ!



初霜「んっ……」



VAVA「これでいい」



初霜「ありがとうございます」



阿武隈『セクハラじゃないの……?』



若葉『セクハラだ……良いな』



長良『司令官は優しいなあ!』

455 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:30:06.21 ID:ntGqBsY90

VAVA「改めて目標を確認するぞ」



長良「はい」



VAVA「少々強引だが。お前たちには、深海棲艦と同盟関係にあるであろう、霧の艦隊を補足してもらいたい」



若葉「今回の装備は面白いな」



VAVA「こんなこともあろうかと、俺と明石が作成しておいた。その名もキャプチャーキャノン」



阿武隈「きゃぷちゃーきゃのん?」



VAVA「普段の主砲のように使えばいい。引き金を引くと写真を撮れる。引き続ければ動画として撮影できる」



若葉「どうして右肩に装着するんだ?」



VAVA「仕様だ」



長良「もし、夜になってしまったら、どこを押せばライトがつくのでしょうか?」



VAVA「ライトは必要ない。さぁ、装備してみろ」



ガチャガチャ…



VAVA「全員、よく似合ってるじゃないか」

456 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:33:01.75 ID:ntGqBsY90


長良「これは…!?」



初霜「うわぁ〜この片メガネ、とても見やすいですね」



若葉「なるほど……ここを押せば赤外線、ここで暗視……ここでズームイン、ズームアウト…とりあえずオートモードとやらにしてみよう」



VAVA「お前たちがそのバイザーで見た光景を、肩のキャノンが自動追尾するというわけだ。お前たちはただシャッターを押すだけでいい」



阿武隈「はー…すごいハイテクですね」



VAVA「行ってこい。作戦の間は、俺が常時オペレートしている。俺と話したくなったら、いつでもスタートボタンを押してくれ」



若葉「わかった。スタートボタンを押して、通信を選べばいいんだな…」



阿武隈「???」



初霜「心強いわ……感謝します。提督」



長良「司令官、素晴らしい装備をありがとうございます!では、長良小隊行ってまいります!!」
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 06:13:30.50 ID:GVfyvC4H0
初霜が好きだからこの人選は嬉しいな。必要な行為とはいえリコリスに言われるまで艦娘に意味もなく触るのを避けていたVAVAがセクハラ紛いのことを出来る位まで成長したんだな、VAVAと初霜にそんな意識はないだろうけど。
458 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 01:54:03.53 ID:4Cbtn3lh0


執務室



VAVA「……よし、今の所は戦闘は無いようだな。極力戦闘を避けて進むんだ」



長良(はーい!)



イオナ「私ならカメラいらないのに」



VAVA「お前は一度の出撃で資材を食いすぎなんだ」



イオナ「トラウマ?」



VAVA「にもなるだろ。潜水艦の燃費じゃない」



イオナ「わたし、金のかかる女」



ピピッ…



VAVA「冗談になっていない……あぁ、すまん。どうした若葉」



若葉(いや、声が聞きたかっただけだ。別に問題は無い)



VAVA「そうか。いくらでもかけてきていいぞ」



若葉(わかった)

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