クレナイ・ガイ「惑星侵略連合の星人達が女の子の姿になってる!?」

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1 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:19:17.73 ID:W4d1Zgqm0
大空大地「サイバーカードの絵柄が女の子の絵になってる!?」https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458905678/

を書いた者です。続編ではありませんのであしからず


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495286357
2 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:26:43.92 ID:W4d1Zgqm0

〜 某日、宇宙船内 〜


メフィラス星人ノストラ「………」



ジャグラ ス・ジャグラー(以下ジャグラー)『あなたのやり方は人間の心の善悪を問う昔ながらのやり方だ』

ジャグラー『時代はもっと進んでるんです』



メフィラス星人ノストラ(時代はもっと進んでいる、か…
        ……ならば今の時代に即した新たな侵略の方法とは、一体何なのだ…?)


メフィラス星人ノストラ「……メトロン星人タルデよ」

メトロン星人タルデ「はっ、いかがなさいましたか? 偉大なるドン・ノストラ」ツカツカ

メフィラス星人ノストラ「……タルデよ、お前はどう思う?」

メトロン星人タルデ「……と、言いますと?」

メフィラス星人ノストラ「我々の地球侵略の方法についてだ。
        ……先日、あのジャグラス・ジャグラーが口にした言葉を覚えているか?」

メトロン星人タルデ「……ええ、我々のやり方を“昔ながら”と揶揄したあの事ですね…」
3 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:28:53.73 ID:W4d1Zgqm0

ナックル星人ナグス「けっ!あんな奴の言った戯れ言などいちいち気にする必要ねェぜッ!」ツカツカ

メフィラス星人ノストラ「………」

メトロン星人タルデ「……いや、あの男が言った事にも一理ある」

ナックル星人ナグス「あっ?」

メトロン星人タルデ「科学技術の発展による生活水準の向上や、絶えず変化する地球環境の様相は、ここ数十年の内に地球人の倫理観にも大きな影響を与えている。
       過去の倫理観に沿って地球人の精神を掌握しようなどというのは、ジャグラーの言う通り時代錯誤な古いやり方なのかもしれん…」

メフィラス星人ノストラ「……ならば今日日の地球人に対し、最も有効な侵略方法とは一体何だというのだ?」

メトロン星人タルデ「それは…そうですねぇ…」

メトロン星人タルデ(今時の侵略方法……今時……はっ!)ピコーン!

メトロン星人タルデ「偉大なるドン・ノストラ。ひとつ、良い方法を思い付きました…!」

ナックル星人ナグス「あぁ? 良い方法だぁ?」

メフィラス星人ノストラ「ほう? 聞かせてみろ」

4 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:31:36.69 ID:W4d1Zgqm0
――――


メトロン星人タルデ「まずはこれを御覧下さい」ポチッ

ヴンッ


『 https://youtu.be/E5rQmGFS2dk 』


ナックル星人ナグス「…… 何だァ? この映像…」

メフィラス星人ノストラ「……メトロン星人、説明しろ」

メトロン星人タルデ「はっ。これは只今地球人共の間で流行しているアニメーション作品の一つです。
       怪獣達の力をその身に宿した美少女キャラクター達が活躍するという…まぁ、俗に言う“萌え擬人化モノ”のアニメです」

ナックル星人ナグス「怪獣達を擬人化ァ? 全く地球人共のやる事は頭のネジがトンでるぜ…」

メフィラス星人ノストラ「……それで、このアニメがお前の考える侵略作戦にどう絡んでくるというのだ?」

メトロン星人タルデ「はっ。つまりはこのアニメが示す通り、地球人共は“かわいいモノには目がない”ということなのです。
       もし…このアニメと同じように地球人の美少女風に姿を変えた怪獣が現れたとしたら、一体どうなりましょう?
       目の前にいるそれは醜い獣ではなく、か弱い少女なのです。地球人共は攻撃を行うことを躊躇ってしまうに違いありません」

メトロン星人タルデ「それは恐らく光の戦士であるウルトラマンオーブとて同じこと。
       上手くいけば、オーブに精神的ダメージを与える事も見込めます」
5 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:33:45.02 ID:W4d1Zgqm0

メフィラス星人ノストラ「……ほう…」

ナックル星人ナグス(話だけ聞くと間抜けにも程があるが……まぁ確かに少しばかりは効果があるかもな…)

ナックル星人ナグス「…んで、具体的にどうやって怪獣を小娘の姿に変えるってんだ?
       まさか怪獣に整形手術でもさせようってんじゃないだろうなァ…?」

メトロン星人タルデ「その点は心配に及ばん。秘密兵器がある」

ナックル星人ナグス「あぁ?秘密兵器だァ…?」
6 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:35:18.57 ID:W4d1Zgqm0

〜 宇宙船内のとある一室 〜


メトロン星人タルデ「偉大なるドン・ノストラ。こちらを御覧下さい」


デーン!


メフィラス星人ノストラ「……何だこりゃ?」

メフィラス星人ノストラ(……密室空間の中に巨大な装置が設置してあるが、これは一体…?)

メトロン星人タルデ「これは“セルチェンジビーム発生装置”と言って、照射した物体を思い通りの形に変身させる事が可能な特殊な光線を放つ事が出来る装置であります」

メトロン星人タルデ「ババルウ星人の変身能力を解析し開発した装置であり、有機物、無機物問わずどのような物質に対しても効果を発揮します」

ナックル星人ナグス(メトロン星人の野郎…何時の間にこんなモン船内に作りやがったんだ…)

メトロン星人タルデ「今回の作戦ではこの装置を用い、怪獣達を地球人好みの美少女に変身させるつもりです。
       ドン・ノストラの許可さえ頂ければ今すぐにでも実行致しますが、いかがなさいましょうか?」

メフィラス星人ノストラ「……よし、許可しよう。
       メトロン星人タルデよ、速やかに作戦を実行に移すのだ」

メトロン星人タルデ「ははっ!」

ナックル星人ナグス「……別に疑ってる訳じゃねーがよォ…本当にこんな装置一つで上手くいくのかよ?」

メトロン星人タルデ「動物実験の段階では既に成功している。怪獣での実証実験はまだだが……まぁ、大丈夫だろう」

ナックル星人ナグス(大丈夫だろうってコイツ…)

7 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:37:03.81 ID:W4d1Zgqm0

―――


メトロン星人タルデ「今回はこのゴモラのカードにセルチェンジビームを照射し、ゴモラを美少女風の怪獣に転化させます。
       成功すればこのカードは、萌え怪獣擬人化カードとして生まれ変わるでしょう」

メフィラス星人ノストラ「成る程。早速始めるのだ」

メトロン星人タルデ「御意に。セルチェンジビーム、照射開始」ポチッ


ズビー!


バリバリバリバリ~!!


ナックル星人ナグス「おっ!段々とカードの絵柄が変わってきてるぜ!」

メトロン星人タルデ「出力も安定している。このまま行けば…」

メフィラス星人ノストラ「………」



ズビッ……ズビビッ


ナックル星人ナグス「……おい、何か光線の出が悪くなってねーか?」

メトロン星人タルデ「おかしい……実験の段階ではこのような事はなかったのだが……―ッ!?」



バチチ…バチッ…


メフィラス星人ノストラ「どうしたメトロン星人?故障か?」

メトロン星人タルデ(エネルギー増幅炉に異常が発生!? マズイッ!
       このままでは…装置が爆発するッ!)

メトロン星人タルデ「ドン・ノストラ!至急退避をッ!」


ピカー…


メフィラス星人ノストラ「なッ!!?」


ドガーンッ!!


8 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 22:59:37.99 ID:W4d1Zgqm0

―――


ジャグラー「……で、皆さん揃いも揃ってそんな姿になってしまったとwwwwwww」



ナックル星人ナグス(擬人化)「笑ってんじゃねーぞこらぁ!」

http://i.imgur.com/OkRSZCR.png


メフィラス星人ノストラ(擬人化)「………」

http://i.imgur.com/AfRUypT.png


メトロン星人タルデ(擬人化)(ま…まさか爆発のショックで外に漏れ出したエネルギーの影響で、我々の方が美少女の姿になってしまうとは…)

http://i.imgur.com/ifZjvMs.png



9 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:03:12.03 ID:W4d1Zgqm0

メフィラス星人ノストラ「……メトロン星人タルデよ…」

メトロン星人タルデ「はっ!ははぁっ!申し訳ございませんドン・ノストラぁーっ!!」

メフィラス星人ノストラ「……謝罪はいい。我々が元の姿に戻る為の方法を教えろ…」

メトロン星人タルデ「……はい…元の姿に戻る為には、もう一度セルチェンジビームを浴びる他ありません…
       しかし、肝心の装置の方が爆発で大破してしまい…今すぐという訳には…」

メフィラス星人ノストラ「……修復は、可能なのか…?」

メトロン星人タルデ「それが…装置の起動に必要なマテリアルには、ババルウ星人の細胞から抽出したとある物質が必要不可欠でして…
       以前はそれをババルウ星人ババリューの身体から拝借していたのですが……その…ババリューが失踪してしまった今となっては…」

ナックル星人ナグス「なっ!? じゃああの野郎を見つけ出さない限り、俺達はずっとこの姿のままなのかよ!?」

メトロン星人タルデ「我々もババリュー以外のババルウ星人に宛がある訳ではないしな…そういう事になるだろう」

ナックル星人ナグス「なっ!!はあぁーっ!?」

メトロン星人タルデ「他に装置を直す方法がないのだ。致し方あるまい…」

ナックル星人ナグス「しか…!仕方ないじゃねーだろこらーっ!」


メフィラス星人ノストラ「―っ!いいからさっさとババリューの奴を探し出して来ーいっ!!」

メトロン星人タルデ&ナックル星人ナグス「「はっ!ははぁー!」」ビクッ!


ジャグラー「おやおや、そんな可愛らしい姿で怒鳴られても…迫力が全くないですよ?」

メフィラス星人ノストラ「ええい!うるさいうるさい!」プンプン!


メトロン星人タルデ(……ぷんぷん怒るドン・ノストラかわいい…)

10 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:05:00.13 ID:W4d1Zgqm0

〜 地球 都内某所 〜


ナックル星人ナグス「で、どうやってババルウ星人の野郎を探すつもりだ?
       異星人探知機とか秘密道具があるんならとっとと出しやがれよ」

メトロン星人タルデ「……そんな便利な道具などあるものか…
       些か時間は掛かるが、地道に聞き込みをする他あるまい」

ナックル星人ナグス「はぁ!? そんなチマチマした方法であの野郎を見つけるつもりかよ!?」

メトロン星人タルデ「奴はこの地球社会に溶け込む為に、今は地球人の姿に化けている筈だ。
       恐らく、この間の作戦で地球上に潜伏していた時の姿と、同じ姿で生活していると推測される。
       それさえ分かっていれば、聞き込みなりで奴の居場所に関する手掛かりも掴める筈だ」

ナックル星人ナグス「けっ!そんなチンタラやってる内に、ドン・ノストラが痺れを切らさなけりゃ良いがなぁ…!」

メトロン星人タルデ「………」


11 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:08:36.56 ID:W4d1Zgqm0


ザワザワ…


モブ女A「ちょっと…!あの娘達見てよ…」ヒソヒソ

モブ男A「うわ…何てダイタンな格好してんだ…」ヒソヒソ



ナックル星人ナグス「……なぁ…さっきからやたらと地球人共にチラチラ見られてねーか? 俺達…」

メトロン星人タルデ「別に…我々のような宇宙人が好奇の目で見られる事など、特別珍しいことではないだろう?」

ナックル星人ナグス「いや…そりゃあそうだけどよぉ…」

ナックル星人ナグス(何か、今までの感じとは少し違う感じがすンだが…)


モブ男B「………」ジロジロ

ナックル星人ナグス「ちっ!おら!見せもんじゃねーぞこらぁ!」ガルル!


モブ男B「あっ、すいません…」

モブ男B(……か…かわいい…!)キュン


メトロン星人タルデ「………」

メトロン星人タルデ(成る程…確かにこの姿の美貌、本物のようだな)

12 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:11:10.48 ID:W4d1Zgqm0

―――


モブキモ男(グフッ…!カワイイナァアノコタチ…!)盗撮パシャ!…パシャ!


ナックル星人ナグス(……あの野郎…!さっきから俺たちの後を着けて何かやってると思ったら!)


モブキモ男「…グフフッ…!ミエソウミエソウ…!」盗撮パシャ!…パシャ!


ナックル星人ナグス「ちっ!てめー何コソコソ俺らのこと撮ってんだよこらぁ!」ダッ

モブキモ男「エッ!!?」

ナックル星人ナグス「人様のツラを勝手に撮影するたぁイイ度胸してんじゃねーか!あぁん!?」ツカツカ

モブキモ男「ヒッ!…アノ…ソノ…トッ…トッテナイ…デス…」オロオロ

ナックル星人ナグス「嘘つけや!疚しいことしてないってンなら俺に今撮ったもの見せやがれ!」ガシッ!

モブキモ男「ヒッ!ヒイィィ!!」

ナックル星人ナグス(やれやれ…あまり目立った揉め事は起こして欲しくないのだが…)

メトロン星人タルデ「おいナックル星人、その辺にして…」
13 :ミスありました…訂正します  ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:15:12.00 ID:W4d1Zgqm0

―――


モブキモ男(グフッ…!カワイイナァアノコタチ…!)盗撮パシャ!…パシャ!


ナックル星人ナグス(……あの野郎…!さっきから俺たちの後を着けて何かやってると思ったら!)


モブキモ男「…グフフッ…!ミエソウミエソウ…!」盗撮パシャ!…パシャ!


ナックル星人ナグス「ちっ!てめー何コソコソ俺らのこと撮ってんだよこらぁ!」ダッ

モブキモ男「エッ!!?」

ナックル星人ナグス「人様のツラを勝手に撮影するたぁイイ度胸してんじゃねーか!あぁん!?」ツカツカ

モブキモ男「ヒッ!…アノ…ソノ…トッ…トッテナイ…デス…」オロオロ

ナックル星人ナグス「嘘つけや!疚しいことしてないってンなら俺に今撮ったもの見せやがれ!」ガシッ!

モブキモ男「ヒッ!ヒイィィ!!」


メトロン星人タルデ(やれやれ…あまり目立った揉め事は起こして欲しくないのだが…)

メトロン星人タルデ「おいナックル星人、その辺にして…」

14 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:18:20.22 ID:W4d1Zgqm0


渋川「おいおいおい!そこのキミ!」タッタッタッ


ナックル星人ナグス「あぁ?」ギロッ

渋川「止め止め!ストップ!ストップ!
   まさかとは思うが、女の子が男相手にカツアゲか!?」

ナックル星人ナグス「ンなことてめぇには関係な……ってお前はっ!?」

渋川「えっ?」


メトロン星人タルデ「…あっ」

メトロン星人タルデ(この男…何処かで見覚えがあると思ったら、あの時の侵入者か…)(※第6話参照)



スタスタ

ジェッタ「んっ?どうしたの渋川さん?」

シン「何か事件ですか?」


ナックル星人ナグス(なっ!? コイツらまで出て来やがった…!)

メトロン星人タルデ(……この地球人達は…確かあの騒動の時この男と一緒に居た奴らだったな)


渋川「おう、お前らか。いやぁ、別に事件って程のことじゃないんだけどな…」

ジェッタ「いやぁ傍から見れば十分騒ぎだって…うぉッ!?」ビクッ

ジェッタ(何だこの娘達の格好!? 何かのコスプレ…?)

シン(な…何て破廉恥な格好なんでしょうか…!)

15 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:19:43.03 ID:W4d1Zgqm0


メトロン星人タルデ「………」

メトロン星人タルデ(……そういえば…この茶髪の若者はかつて、作戦行動中だったババルウ星人との間に交流があった筈…)


メトロン星人タルデ「………」

メトロン星人タルデ(…閃いた)ニヤッ



16 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:21:24.10 ID:W4d1Zgqm0

メトロン星人タルデ「あの…何か誤解をされているようですが、別に彼女はカツアゲをしていた訳ではありませんよ?」

渋川「えっ!?」

メトロン星人タルデ「実はそこの男性が…」


―――


渋川「いやー面目ない!お嬢ちゃんの威勢があまりにも良かったもんだから、てっきり何か善からぬ事でもしてるのかと!」

ジェッタ「てっきりじゃないよ渋川さん…こんなちっちゃい女の子が白昼堂々カツアゲなんかする訳ないじゃん!」

渋川「ああ、確かに言われてみればそうだよなぁ」


ナックル星人ナグス「ちっちゃ!ちっちゃいだとぉ…!」ワナワナ…

メトロン星人タルデ「抑えなさいナックル星人。今の貴方は彼の言う通りの姿なんですから」

ナックル星人ナグス「ぐぅ…!そもそもはテメェの失敗が原因でこんな事にぃ…!」プルプル

メトロン星人タルデ「はいはい、抑えて抑えて」ポンポン


渋川「いやー悪かったね二人とも。変な疑い掛けちゃって!」

メトロン星人タルデ「いえ、気にしないで下さい。間違いは誰にだってありますよ」ハハハ

ナックル星人ナグス(てめぇ…どの口が言ってやがんだ…!)プルプル



17 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:23:35.90 ID:W4d1Zgqm0


メトロン星人タルデ「あっ、そんな事よりも皆さん。
       少し、お聞きしたい事があるのですが…」スッ

ジェッタ(んっ?)

メトロン星人タルデ「あの、この似顔絵の方について何か知りませんか?」ペラッ


―ババルウ星人ババリュー(の人間態)の似顔絵)



ジェッタ「―ッ!? これって!まさか…馬場先輩!?」

シン「お知り合いの方ですかジェッタくん?」

ジェッタ「知ってる知ってる!間違いなく馬場先輩だよ!」



ナックル星人ナグス「お…おいメトロン星人…!」グイッ

メトロン星人タルデ「うおっ」グラッ

ナックル星人ナグス「テメェ…!奴の似顔絵をよりによってコイツらに見せるなんて、一体どういうつもりだ…!」ヒソヒソ

メトロン星人タルデ「……このチャラチャラした方の男は、ババルウ星人が地球人の姿に扮して作戦を行っていた頃に、奴と交流を持っていた人物の一人だ。
       何かしら、ババルウ星人の所在に繋がる情報を聞き出せるかと思ってな」ヒソヒソ

18 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:26:53.04 ID:W4d1Zgqm0

シン「で、どうして貴女達はその方の事について聞き込みを?」

メトロン星人タルデ「ああ、それはですね…」クルッ

メトロン星人タルデ(……適当に嘘をついて誤魔化すか…)

メトロン星人タルデ「……実は私達、ついこの間悪い宇宙人に連れ去られそうになったんです…」

ジェッタ「えっ!?」

ナックル星人ナグス「はぁ!? お前何言って…」

メトロン星人タルデ「いいから話を合わせろ。これも奴を探し出す為だ」ヒソヒソ

ナックル星人ナグス「……けっ…!」

19 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:28:05.70 ID:W4d1Zgqm0


メトロン星人タルデ「……あの光景は、今でも鮮明に覚えています…
       暗い夜道の中、二人で家路を急いでいたところ…
       白くて、顔の形がコロコロ変わる宇宙人が暗闇の中から突然現れて!私達の後を追いかけて来たんです!」

シン(ほうほう、これは興味深い話ですねぇ!)

メトロン星人タルデ「私達は走ってその宇宙人から逃げたのですが…宇宙人はとても足が早くて、あっという間に追い付かれてしまいました…」

ナックル星人ナグス(……ここまで全部作り話だかんな…)

メトロン星人タルデ「宇宙人は懐から大きな銃のような物を取り出して、私達にそれを向けました…
       ……正直、内心もう駄目かと諦めかけていました……が、正にその時!
       『諦めるなッ!』という雄叫びにも似た声と共に、この似顔絵の男の人が颯爽と現れて、宇宙人を撃退してくれたんです!」

ジェッタ「……す…凄い…!」

ジェッタ(馬場先輩…!俺の知らない所でそんなカッコいい事を…!)

メトロン星人タルデ「私は、その方に感謝の言葉を述べつつ御名前を伺ったのですが…『名乗る程の者ではありません』と、彼はそそくさとその場を後にしたのです…」

ジェッタ(馬場先輩ってば…!きっと照れてたんだな!)

ナックル星人ナグス(……メトロン星人の野郎…よくもまぁこんなスラスラと口から出任せを…)
20 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:30:14.98 ID:W4d1Zgqm0

メトロン星人タルデ「私達、どうしてもその方に御礼がしたいのです。
       些細な情報でも良いので何かこの人について知っている事があったら、私達に教えて頂けないでしょうか?」

ナックル星人ナグス(……ここはメトロン星人の作り話に乗ってやるか…)

ナックル星人ナグス「おr…いや、アタシ達、出来るだけ早くソイツに会いたいんだよ!だからよ…
       ……知ってる事があンならとっとと吐いた方が、身のためだぜ? あんちゃん達…」ギロッ

メトロン星人タルデ「……ナックル星人、貴方それが人にものを頼む態度ですか?」ヒソヒソ

ナックル星人ナグス「うるせー…!俺は謙ったモノの頼み方ってのが大嫌いなんだよ…!」ヒソヒソ

メトロン星人タルデ「はぁ…すいません。この子ちょっと生意気盛りなもので…口が悪くて」

ジェッタ「えっ? あぁ、いいよ別に気にしてないから!
     そっか…キミ達、それで馬場先輩の事を探してるんだね」

メトロン星人タルデ「はい…。どうやら似顔絵を見た時の反応から察するに、貴方はあの方のお知り合いのようですが… 
       もし、彼の今の所在地か連絡先が分かるのなら、教えてもらう事は出来ないでしょうか?」

メトロン星人タルデ(よし…このまま奴の居場所を聞き出すことが出来れば…!)
21 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:31:36.00 ID:W4d1Zgqm0

ジェッタ「えっ!……あっ…あのー、その事なんだけどさ…」

ナックル星人ナグス(んっ?)

ジェッタ「その…ごめん!俺も馬場先輩とはだいぶ前に会ったっきりで、先輩が今何処に居るかとか知らないんだ!」

メトロン星人タルデ「えっ!?」

メトロン星人タルデ(な…何だと!?)ガーン


ナックル星人ナグス「ほら、こんな奴らに話を聞いたところで時間の無駄だぜ…」ヒソヒソ

メトロン星人タルデ「そんな…折角の手掛かりが…」ガクッ


22 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:32:51.32 ID:W4d1Zgqm0

渋川「あーあ…何か分かりやすいくらいのリアクションでショゲちゃったなぁあの娘…」

シン「よっぽどその馬場さんという方に会いたいんでしょうねぇ…」


メトロン星人タルデ「うぅ…」


ジェッタ「あっ!そうだ二人とも!
     何なら、俺達も君らと一緒に馬場先輩のこと探すのを手伝うよ!」

メトロン星人タルデ「えっ!ほ…本当ですか!?」

ジェッタ「ああ!ここで会ったのも何かの縁だしさ!協力するよ!」

ジェッタ(それに…俺も久しぶりに馬場先輩に会いたいし!)

メトロン星人タルデ「あ…ありがとうございます!どうかよろしくお願いします!」ペコッ

ナックル星人ナグス「お…おい…!よりにもよってコイツらの手を借りるつもりかよ!?
       ババルウ星人の居場所知らないんならコイツらと組む必要なんかないだろ!」ヒソヒソ

メトロン星人タルデ「……手掛かりがあまりにも少ないのだ。利用出来るものは四の五の言わずに何でも利用しなければならん…
       それに、コイツらがババルウ星人を匿っているという可能性もゼロではないからな」ヒソヒソ

ナックル星人ナグス「けっ…!ああそうかい…!」ヒソヒソ

23 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:34:37.07 ID:W4d1Zgqm0

シン「……“俺達”とは聞き捨てなりませんがジェッタ君…それって僕にも手伝えという事ですか?」

ジェッタ「良いじゃないのシンさん!これも人助けと思ってさ!」

シン「いえ、協力したいのは山々なのですが…新しい発明品のアイディアが今朝浮かんだばかりでして…
   それの開発の為にも人探しに時間を割いていられるような暇は…」


メトロン星人タルデ「お願いします。シンさん」ギュッ


シン「ほッ!?」

シン(て…ててて手を握って!?)

メトロン星人タルデ「私達も無理に手伝えとは仰いません…
       でも、見るからに聡明そうな貴方の頭脳を借りることが出来れば、私達も心強いのですが…」

シン「えっ…!ええっと…!その…」


メトロン星人タルデ「………」ウルウル…


シン「……ま…まぁ良いでしょう!
   この天才松戸シン博士に掛かれば人探しの一つや二つあっという間に片付きますよ!」

メトロン星人タルデ「ありがとうございます。頼もしい限りです」ニコッ

メトロン星人タルデ(ふっ…地球の男はちょろいな)

ナックル星人ナグス(……メトロン星人…テメェその姿でいること楽しんでねーか?)

24 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:36:38.33 ID:W4d1Zgqm0

ジェッタ「よし、そうと決まれば早速ウチのオフィスに戻って情報収集開始だ!」

シン「キャップにも事情を説明しなければなりませんね」

渋川「そっか、まぁ頑張れよお前ら!俺も応援してるからな!」

シン「……渋川さんは手伝ってくれないんですか?」

渋川「あのなぁ…ビートル隊だって暇してる訳じゃないんだからな?」

ジェッタ「あー!分かってる分かってる!大丈夫だって!馬場先輩は俺達だけで何とか探すから!」

渋川「おっ、そうか」

ジェッタ(……もしビートル隊に馬場先輩が宇宙人だって事がバレたら一大事だもんなぁ…
     正直、渋川さんにはあまり協力させたくないな…)

25 : ◆z6xlohu3JE [saga]:2017/05/20(土) 23:37:43.58 ID:W4d1Zgqm0

シン「あっ、そう言えばまだ御二人には自己紹介をしていませんでしたね?」

メトロン星人タルデ「えっ?」

ジェッタ「俺の事はジェッタって呼んでね!未来のスーパーセレブの名前だから覚えておいて損はないよ!」

シン「未来のノーベル賞受賞者松戸シン博士です!以後お見知り置きを!」

ナックル星人ナグス「はぁ…」

ジェッタ「そうだ!二人は名前、何ていうの?」

ナックル星人ナグス「えっ!? な、名前…?」

メトロン星人タルデ(……名前か…本名である星人の名前を名乗る訳にはいかないしな…)

ナックル星人ナグス「ど…どうすンだよメトロン星人…!」ヒソヒソ

メトロン星人タルデ「……ここはそれっぽいのを即興で決めるぞ、ナックル星人…」ヒソヒソ

ナックル星人ナグス「お…おう…」



メトロン星人タルデ「……め…メロで〜す…」

ナックル星人ナグス「……な…ナナ…だ…」


ジェッタ「メロちゃんにナナちゃんかぁ…!改めてよろしくね!」

メトロン星人タルデ(おぉ…適当に本名を文字って決めた名前だったが、違和感はなかったか…)

メトロン星人タルデ「はい、こちらこそよろしくお願いいたします。ジェッタさん、シンさん」ペコリ

メトロン星人タルデ(……これで、事態が好転すれば良いのだが…)


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