【艦これ】加賀「あなたが好き」 瑞鶴「」

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213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/31(水) 00:19:06.32 ID:kKiQoscb0
加賀「最後に瑞鶴とデートできてよかった」

加賀「色んな場所に行って、楽しく会話して」

加賀「こんな美しい景色を眺めることができて、よかった」

瑞鶴「……」

加賀「本当にありがとう。私のワガママを最後まで聞いてくれて」

瑞鶴「ワガママ?」

加賀「恋人ごっこに付き合ってくれたでしょう」

瑞鶴「それは……もともと私が原因でこうなったんだし」

加賀「……瑞鶴にとっては罪滅ぼしかもしれないけど」

加賀「それでも、夢のような時間だったわ」ニコッ

瑞鶴「……」


瑞鶴(その通り)

瑞鶴(全ては私が悪い。こんなことになった原因は私)

瑞鶴(恋人ごっこに付き合ったのも、後ろめたい気持ちがあったからだし)
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 00:20:05.05 ID:kKiQoscb0
ここまでで
また明日に投下します
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 00:25:10.86 ID:hwL0dxD3o
青葉の影が夕闇に紛れて二人に近づく
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 01:54:42.44 ID:+Chr4JPqo
青葉ワレェ…
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 09:34:58.46 ID:e/7KnSTN0
敵はまだこっちに気づいてないよ!
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 11:46:48.33 ID:k7gGK1BPo
夕日を見るのに夢中になっていた俺は
背後から近づく青葉に気が付かなかった!
俺は青葉に毒薬を飲まされ目が覚めたら

体が縮んでしまっていた!
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 12:50:24.69 ID:rQ4hpUBBO
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 00:02:56.20 ID:dJL2nXTB0
瑞鶴(……でも)

瑞鶴(恋人として一緒に過ごしてるうちに、気持ちがどんどん……)

加賀「涼しい風ね。カモメも気持ちよさそうに飛んでる」

瑞鶴「そうだね」

瑞鶴(最初は気のせいだと思ったけど、あのキスが頭から離れなくなって。ずっと悩んで)

瑞鶴(モヤモヤをはっきりさせようって、加賀さんをデートに誘って)

瑞鶴(そしたら……時間を忘れるくらい楽しかった)

瑞鶴(もっと近づきたくなって、色んなこと話して)

加賀「夕日が沈んでいくわ」

瑞鶴「うん」

瑞鶴(加賀さんを見るたび、胸がキュッってなって)

瑞鶴(……これ、そういうことだよね……?)

瑞鶴(認めなきゃいけないのかな……私……)


瑞鶴(……か、加賀さんのことが……)
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:05:49.66 ID:dJL2nXTB0
加賀「瑞鶴」

瑞鶴「何?」

加賀「……今なら、誰も見てないわね」

加賀「最後のお願いがあるの」

瑞鶴「……」

加賀「あなたを抱きしめたい。この気持ちが無くなってしまう前に、もう一度だけ」

瑞鶴「……」

瑞鶴「……いいよ」

加賀「ありがとう」


ギュッ


瑞鶴「……」ドキドキ

加賀「……」ギュー
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:08:12.25 ID:dJL2nXTB0
瑞鶴「……」ドキドキドキ

瑞鶴「加賀さん」

加賀「?」

瑞鶴「私ね……私……もしかしたら……」

瑞鶴「加賀さんのこと……っ」


スタスタ


加賀「!! 誰か来るわ」ササッ

瑞鶴「あ……」

男「おー! すげー綺麗!」

女「ね? 言ったでしょ?」

男「来てよかった!」

瑞鶴「……」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:10:48.77 ID:dJL2nXTB0
加賀「ごめんなさい。それで、何?」

瑞鶴「……ううん、何でもない。それよりそろそろ帰らないとね」

加賀「? そうね」


――――――――

――――――

――――


――鎮守府・工廠――


明石「こんなことしなくてもいいのにー」ニコニコ

瑞鶴「だって、ただでさえ仕事が忙しいのに私のお願いを聞いてもらって悪いし」

明石「まあ忙しいには忙しいけど、惚れ薬なんてロマンのある物を研究開発するのは」

明石「私の趣味でもあるからね」

瑞鶴「じゃあいらない?」

明石「そんなことないそんなことない! ありがたくもらっとく」アセアセ
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:13:46.79 ID:dJL2nXTB0
明石「にしても、あなたたち……」

瑞鶴・加賀「?」

明石「仲が良くなったとか、街へ行ってさらに仲を深めてるとか、鎮守府で噂になってるけどいいの?」

瑞鶴「気にしないよ」

明石「いいんだ。一体どういう心境の変化?」

瑞鶴「べ、別に……」

加賀「建前でも仲良くした方が、出撃の時に連携で良い結果を産むことになるかもしれないから」

加賀「というのが、私と一緒にいる時の理由に使えるのよ」

加賀「そうよね瑞鶴?」

瑞鶴「……うん」

明石「なるほどね。でも加賀さんが元に戻ったらどうするの?」

瑞鶴「あっ、そのことで聞きたいんだけど」

瑞鶴「元に戻ったら、この3日間の記憶はどうなるの? 無くなっちゃう?」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:18:14.17 ID:dJL2nXTB0
明石「……」

瑞鶴「?」

明石「あー……そうだよね」

明石「ごめん、どうなるか私にも分からない」

瑞鶴「えっ?」

明石「相手を惚れさせる効果だけを意識して作ってたから」

明石「効果が切れたらどうなるかとか考えてなかった」

瑞鶴「無くならない可能性はあるの?」

明石「まあどちらかといえば、そっちの方が高いと思うけど」

瑞鶴「……そっか」

明石「けど、記憶が無くなれば元の加賀さんに戻っても事無きことを得るんだけどね」

明石「記憶があるままだったら、どうなるんだろう」


加賀「何も変わらない」

瑞鶴「!」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 00:21:12.97 ID:dJL2nXTB0
加賀「と、信じたいわ」

加賀「私はきっと、瑞鶴のことを好きでい続けてる」

明石「今の加賀さんだからそうやって言いますけどね……」

瑞鶴「……」

加賀「あ……ごめんなさい。こういう考え方、瑞鶴に迷惑よね」

瑞鶴「え。いや……」


ガチャ

赤城「加賀さーん! ここにいますか?」

明石「!」

加賀「赤城さん、どうしたの?」


赤城「よかった。実は手伝って欲しいことがあって」

加賀「……今じゃなきゃダメかしら」

赤城「はい、明日の演習の準備なんです」

加賀「……」

瑞鶴「何してるの? 早く行けばいいじゃない」

加賀「!」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:22:12.12 ID:dJL2nXTB0
ここまでで
読んでくださってありがとうございます
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:23:52.41 ID:CDP1AfrpO
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 02:28:00.63 ID:2G+diM3mo
もんもん
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 22:34:06.90 ID:dJL2nXTB0
すみません、2時くらいの投下になりそうです
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 23:02:50.74 ID:TAk/Shheo
ええんやで
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/02(金) 01:59:58.39 ID:NJA3h1gE0
加賀「でもあなたと過ごす時間が……」ヒソヒソ

瑞鶴「演習の準備は大事でしょ。いいから手伝ってあげて」ヒソヒソ

加賀「……分かったわ、終わったらすぐに戻る」ヒソヒソ

赤城「加賀さん?」

加賀「待って、今行く」スタスタ


瑞鶴「……」

明石「瑞鶴、なんかあなた加賀さんに優しくなってない? あんなに嫌がってたのに」

瑞鶴「……明石さん、ちょっといいかな」

明石「ん?」

瑞鶴「お願いがあるんだけど」

――――

明石「無効化の薬を飲ませるのを待って欲しい?」

瑞鶴「うん」

明石「まあ飲ませるかどうかは瑞鶴次第だけど……いや」

明石「ダメ。加賀さん自身のことを考えたら、少しでも早く元通りにしてあげないと」

瑞鶴「それはそうだけど」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:01:39.13 ID:NJA3h1gE0
瑞鶴「せめてあと1週間だけでも」

明石「本当にどうしちゃったの。一昨日とはすごい違い」

瑞鶴「……」

明石「理由があるの? 教えて」

瑞鶴「……じ、実はね」モジモジ

瑞鶴「驚かないでね」

明石「内容による」

瑞鶴「ああ、じゃあ驚くと思う」

瑞鶴「実は私……加賀さんのこと、気になってるの」

明石「……」

瑞鶴「ごめん、ややこしくない言い方すると」

瑞鶴「加賀さんを、恋愛対象として……意識してるの」

明石「……」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:03:56.51 ID:NJA3h1gE0
明石「……は?」

明石「はぁぁぁぁぁぁ!?」

瑞鶴「そうなるよね。自分でも戸惑ってるんだけどさ」

明石「いや! っていうか、え!? 何!? もう一度言って!」

瑞鶴「落ち着いて……」

明石「無理でしょ! あの瑞鶴が加賀さんに……! そもそも女同士なのに……!?」

明石「冷静に考えてみて、それ本当に恋心なの? 別の感情でしょ?」

瑞鶴「私も最初そう考えたよ」

瑞鶴「でも加賀さんといると、提督と一緒にいる時と同じ気持ちになるんだ」

瑞鶴「ドキドキして……幸せで……ずっと一緒に居たいって……」モジモジ

明石(お、乙女の顔……!!)

瑞鶴「提督と会う機会もあったんだけど、その時あんまりドキドキしなくて」

明石「勘違いじゃないの」

瑞鶴「それは……分かんない」
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:06:36.03 ID:NJA3h1gE0
明石「……3日間よ」

明石「たった3日間で、好きだった人を何とも思わなくなって」

明石「嫌いだった人を好きになったって?」

瑞鶴「別に嫌いでは無かったけど」

明石「あなたと加賀さんの間に一体何があったの」

瑞鶴「そ、それは……」カァァ

明石「!!」

明石「ま、まさか……!」ワナワナ


明石「しちゃったの?」

瑞鶴「は?」

明石「セック…」

瑞鶴「ばっ!? してないって!!」カァァ

明石「耐えられなくなった加賀さんに無理やり……」

瑞鶴「……襲われそうにはなった」

明石「襲われたの!?」ガーン
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:09:31.57 ID:NJA3h1gE0
瑞鶴「でも一線は越えてない! これは断言できるから!」

明石「そ、そう」

瑞鶴「ただアクシデントがあってキスはしちゃったけど」

明石「キスしたの!?」ガガーン

瑞鶴「アクシデントだから!!」

明石「はー……結構踏み込んでたのね……」

瑞鶴「……」

明石「……もしかして」

明石「薬を飲ませるのを待って欲しいのは、今の加賀さんと一緒にいたいから?」

瑞鶴「あと、自分の気持ちを確かめたいから」

明石「確かめてどうするの」

瑞鶴「……」

明石「待って、コーヒー飲んでちょっと落ち着く」ゴクゴク

瑞鶴「私も飲んでいい?」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:12:26.01 ID:NJA3h1gE0
明石「ふぅ、どうぞ」トクトクトク

スッ

瑞鶴「ありがと」

明石「……瑞鶴」

明石「仮にあなたが、加賀さんのことを好きになってしまったとする」

明石「でも、あなたが好きなのは今の加賀さんであって、以前の加賀さんじゃない」

瑞鶴「……」

明石「今の加賀さんは幻だから忘れなさい」

明石「それと、あなたが原因で加賀さんに迷惑をかけたのに、それを長引かせるなんて」

明石「やってはいけないこと」

瑞鶴「……」

明石「分かってるでしょ?」

瑞鶴「……うん」

明石「薬、明日の朝に完成できるから。一緒に来てね」
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:15:24.83 ID:NJA3h1gE0
瑞鶴「……」

明石「返事は?」

瑞鶴「……はい」

明石「よし」

瑞鶴「……」ゴクゴク

瑞鶴「コーヒーありがと」スッ

瑞鶴「それじゃ……」スタスタ

ガチャ

パタン

明石「はぁ……」

明石「まさかこんなことになるなんて……」



青葉「なるほど、そういうことだったんですね」

明石「!」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/02(金) 02:19:59.80 ID:NJA3h1gE0
明石「青葉ちゃん!? 今の会話……!」

青葉「ええ聞いてました。それどころか」

青葉「一昨日から瑞鶴さんと加賀さんの様子がおかしいと感じ取り、尾行をしてました」ニヤリ

明石「さ、さすがね……」

明石「……まさか、この事を記事に……?」

青葉「うーんそうですねー。どうしよっかなー」

明石「お願いやめて! 明るみに出たら、元に戻った加賀さんや提督に怒られちゃう!」ガタガタ

青葉「提督? 怒りますかね?」

明石「無駄にお金を使うなって。前に発明でやらかしたことがあって、今度変なもの作ったら必要な分のお金しか回さないって」ブルブル

青葉「自業自得じゃないですか……」

青葉「まあ安心してください。記事にはしませんから」

明石「本当!?」

青葉「瑞鶴さんと加賀さんが本当に恋人の関係になった、とかだったら考えますけど」

青葉「薬の効果で一時的なものなんて……いや、1つの事件として公開するならいける?」

明石「青葉様!! お願いいたします!! どうかご慈悲を!!」ペコリ
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:21:06.72 ID:NJA3h1gE0
ここまでで
今日から22時の予定です
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:29:56.53 ID:w5Z8nrsUo
強請屋青葉
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:44:43.09 ID:fTCFjHbno
青葉にも良心というものがあるだろう?
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 06:15:53.11 ID:zX1F6rt4O
明石「なんでもしまかぜ!」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 06:39:01.79 ID:KtH4y6dSO
提督「じゃあネジ無しで改修してもらえるかな?」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 17:41:41.03 ID:dy+G/1Axo
提督なら憲兵と突き合ってるよ
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 19:44:41.19 ID:We+ygA+zo
肛門性交か拳か
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 21:44:37.29 ID:NJA3h1gE0
0時になります、すみません
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 00:10:06.12 ID:wshR34350
青葉「わ、分かりましたよ! 頭を上げてください。明石さんにはお世話になってますし」

明石「ありがとうございます!」

青葉「敬語もやめてください……」

青葉「でも、なんか切ないですよね」

明石「切ない?」

青葉「瑞鶴さんと加賀さんですよ。相思相愛なのに」

明石「いや、薬の効果だし、瑞鶴自身が蒔いた種だからね」

青葉「それはそうですけど」

青葉「ラブラブなお2人、これからも見ていたいなぁ」

明石「……そういう趣味が?」

青葉「趣味というか、お互い好きなのに結ばれない恋って、なんか胸に来ませんか?」

明石「来ない。っていうか、どうせネタ目的でしょ」

青葉「いえいえ、幸せになって欲しいという願いもありますよ!」

明石(も?)

青葉「おっと、もうこんな時間ですか」

青葉「実は私、これからやらねばならないことがあるので……これで失礼します」スタスタ
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:11:27.33 ID:wshR34350
明石「待って! 今回のことは本当に…」

青葉「分かってますよ、一度した約束は守りますから!」ニコッ

ガチャ

パタン

明石「大丈夫かなぁ」



―夜・食堂――


瑞鶴「はぁ……」

瑞鶴(結局来なかったな。工廠の前で待ってたのに)

翔鶴「瑞鶴、加賀さんとのお買い物は楽しかった?」

瑞鶴「うん、まあそこそこ」

翔鶴「良かった! 仲は深まったみたいね」ニコニコ

瑞鶴「それは分からないけど」

翔鶴「またまたー」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:13:09.89 ID:wshR34350

スタスタ

赤城「ここの席、空いてますか?」

翔鶴「はい! どうぞ!」

加賀「……」

翔鶴「加賀さんもどうぞ」

加賀「ええ」スタスタ

加賀「ここ、座るわね」スッ

瑞鶴「……」

翔鶴「ふふ、自然に瑞鶴の隣に座るなんて」

赤城「以前の加賀さんじゃ考えられませんね」

加賀「いちいち触れないでもらえるかしら……」

赤城「恥ずかしがらなくてもいいですよ」

加賀「……何を言っても無駄ね」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:14:52.87 ID:wshR34350

スッ

加賀「ごめんなさい瑞鶴。準備が長引いてしまったの」ヒソヒソ

瑞鶴「仕方ないよ、気にしないで」ヒソヒソ

瑞鶴「それより後で話があるんだ。演習場に来てくれる? 大事な話だから」

加賀「分かったわ」



――演習場――


加賀「どうしてこんなところで?」

瑞鶴「2人きりでいても、訓練してたって言い訳できるでしょ」

瑞鶴「……」

加賀「話って、何かしら」

瑞鶴「あのね。無効化の薬、明日の朝に完成するんだって」

加賀「そう、予定通りね」

加賀「できればもっと一緒にいたかったけど」

瑞鶴「……」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:16:43.16 ID:wshR34350
加賀「ただ、あなたにとっては『ようやく』ね」

瑞鶴「え……?」

加賀「明日の朝になれば、私と仲良くしないで済むわ」

瑞鶴「そ、そんな言い方……!」


明石『あなたが好きなのは今の加賀さんであって、以前の加賀さんじゃない』

明石『今の加賀さんは幻だから忘れなさい』


瑞鶴「……そうだね」

瑞鶴「明日からはいつもの関係に戻る。喧嘩ばっかする、いつもの関係に」

加賀「……」

瑞鶴「あれ? ちょっと違うかな」

瑞鶴「もし加賀さんの記憶が残ってたら、みんなに『仲を深めてる』ってこと思い出して」

瑞鶴「少しだけ仲良くなるかな?」

加賀「どうなるのかしら」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:17:53.25 ID:wshR34350
瑞鶴「あー、でも結局怒られて仲が悪くなるかも。私のせいでこうなったんだし」

瑞鶴「記憶が無くなるなら私が事後処理できるけどね」

瑞鶴「んー……まあ後で考えればいいや」

加賀「……」


加賀「瑞鶴、最後にもう一度だけ……」ボソッ

瑞鶴「ん?」


加賀「……何でもないわ」

加賀「それで、話は終わりかしら」

瑞鶴「うん、これだけ伝えたかったの」

瑞鶴「明日の8時くらいに工廠集合ね」

加賀「分かった」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 00:19:24.50 ID:wshR34350
瑞鶴「じゃ、またね」スタスタ

加賀「ええ……」

瑞鶴「……」スタスタ

ピタッ

瑞鶴「加賀さん」

加賀「何かしら」

瑞鶴「……何でもない。ごめんね」

スタスタ

加賀「……」


瑞鶴(……伝えればよかったかな……私の気持ち……)

瑞鶴(ううん、これでいい。だってあの加賀さんは幻なんだから)

瑞鶴(……)
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:21:03.83 ID:wshR34350
ここまでで
土日は多めに投下したい…
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:55:38.07 ID:VPa7Cil6o
乙乙。結末が気になるところ
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 22:57:00.33 ID:wshR34350


――翌朝・工廠前――


瑞鶴「……」

瑞鶴(あんまり眠れなかった)

ガチャ

明石「あれ……? 瑞鶴、もう来たの……?」ズーン

瑞鶴「おはよう。加賀さんももうすぐ……って、なんか暗くない?」

明石「……」

瑞鶴「何かあったの?」

明石「気づいちゃったの」

瑞鶴「何を?」

明石「よく考えれば分かることだったんだけど」

明石「加賀さんが元に戻って、もし記憶が残ってたら」

明石「謝罪する余地もなく怒られる気がする……」

瑞鶴「ああ……うん」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 22:58:26.97 ID:wshR34350
明石「怖い」

瑞鶴「だね。ごめんね、私のせいで」

明石「もう許したよ。パーツプレゼントしてくれたし」

明石「ところで加賀さんは?」

瑞鶴「8時にここで集合って伝えたから、そろそろ来ると思う」

明石「……よし、覚悟を決めるか」ハァ…

瑞鶴「完成したんだよね」

明石「バッチリね」

瑞鶴「……」


――10分後――


明石「……」

瑞鶴「……」


――20分後――


明石「……」

瑞鶴「……」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:00:19.02 ID:wshR34350


――30分後――


明石「来ない」

瑞鶴「おかしいな、もうとっくに時間過ぎてるのに」

明石「ちゃんと伝えたの?」

瑞鶴「8時に工廠前って言ったよ」

明石「夜の8時と間違えたとか?」

瑞鶴「それはないと思う。明日の朝に薬が完成するって言ったし」

明石「じゃあどうしたんだろう」

瑞鶴「……ちょっと見てくるね」

スタタタッ

――――

コンコン

瑞鶴「加賀さん? いる?」

瑞鶴「返事がない……いないのかな」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:02:18.01 ID:wshR34350
翔鶴「瑞鶴? 加賀さんの部屋の前で、どうしたの?」

瑞鶴「翔鶴姉! 加賀さん見なかった?」

翔鶴「えっ! あなた……ついに加賀さんを、さん付けして呼ぶようになったのね!」

瑞鶴(あ、しまった!)

瑞鶴「違う違う! 翔鶴姉につられちゃっただけ」アセアセ

瑞鶴「それより見てない? 用があって探してるんだけど」

翔鶴「どこにいるか知ってるわよ」

瑞鶴「ホント!?」

翔鶴「ええ、弓道場で赤城さんと訓練していたわ」

瑞鶴「弓道場?」

瑞鶴(何でそんなところに……約束忘れてる?)

瑞鶴「ありがとう!」スタタタッ

翔鶴「ふふ」ニコニコ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 23:03:49.10 ID:wshR34350


――弓道場――


スタタタッ

瑞鶴「はぁ、はぁ……!」

赤城「あら? ずいぶん急いでますけど、どうしたんです?」

瑞鶴「赤城さん……加賀さ…」

瑞鶴「か、加賀はどこに?」

赤城「休憩所にいますけど」

瑞鶴「ありがとうございます!」スタタタッ

赤城「……?」

――――

加賀「ふぅ……」

瑞鶴「いた! 加賀さん!」スタタタッ

加賀「?」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:06:11.61 ID:wshR34350
瑞鶴「探したんだよ? まさか弓道場にいるなんて」

加賀「……」

瑞鶴「昨日、工廠前に集合って言ったよね。何で来なかったの?」

瑞鶴「何か理由がある? 夜の8時と間違えちゃったとか」

加賀「……」

瑞鶴「黙ってないで何か言ってよ」

加賀「……」


加賀「あなた、さっきから何を言ってるのかしら」

瑞鶴「へ?」


赤城「加賀さん! そろそろ演習場に行きませんか?」

加賀「そうね、行きましょう」スッ

スタスタ

瑞鶴「……」ポカーン
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:07:42.68 ID:wshR34350
瑞鶴「ちょ……ちょっと待ってよ!」ガシッ

加賀「! 何をするの」

赤城「どうかしました?」ヒョコ

瑞鶴「あ、赤城さん! ちょっと加賀と話があるんで待っててもらえますか!」グイグイ

赤城「? はい」スッ

加賀「……」

瑞鶴「何をするの、じゃないでしょ。薬が完成したんだよ」

瑞鶴「明石さんのところに行ってすぐにでも飲まなきゃ」

加賀「薬?」

瑞鶴「無効化の薬。忘れたわけじゃないよね?」

加賀「……。意味が分からないわ」

瑞鶴「え……」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:10:11.41 ID:wshR34350
瑞鶴「意味が分からないって……何が?」

加賀「あなたがさっきから言ってること全てよ」

加賀「突然ここに来たかと思えばよく分からないことを喋って」

瑞鶴「……」

加賀「それに慣れ慣れしいのは何故? 悪巧みでもするつもりかしら」

瑞鶴「……」

加賀「……」

瑞鶴「……」


赤城「加賀さん! もうすぐ始まっちゃいますよ!」

加賀「今行く」

加賀「それじゃあ演習だから。あなたも次でしょう、準備しておきなさい」スタスタ

瑞鶴「……待って!」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:14:40.85 ID:wshR34350
瑞鶴「か……加賀さん……」

加賀「……? さん付けなんて、やっぱり何か企んでいるのね」

加賀「1つ言っておく。悪戯をする気なら覚悟をしておきなさい」

スタスタ

瑞鶴「……」

瑞鶴「…………」

瑞鶴(……まさか……)


――工廠――


瑞鶴「……」トボトボ

明石「瑞鶴、加賀さんは?」

瑞鶴「……」

明石「……瑞鶴?」

瑞鶴「……」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/03(土) 23:16:11.56 ID:wshR34350
瑞鶴「明石さん」

明石「?」

瑞鶴「確か、惚れ薬の効き目……いつ切れるか分かんないって言ってたよね」

明石「え、ええ」

瑞鶴「3日くらいで切れる可能性もあったんだよね」

明石「あったわね」

瑞鶴「……」

明石「……」

明石「……え? まさか……」

瑞鶴「うん。多分だけど、加賀さん元に戻ってる」

瑞鶴「いつもみたいにクールな感じだったよ、無効化の薬が完成したって伝えたら」

瑞鶴「意味が分からないって言われたし」

明石「……本当なの?」

瑞鶴「うん」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:16:54.53 ID:wshR34350
ここまでで
来週中には終われそう
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:27:21.73 ID:hwIIBAtyo
あっ、ふーん…
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:47:57.37 ID:RSgZ6saVo

切ないのう
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 00:53:30.32 ID:iCDuJxiTo
これを読まないと一日が終わらない
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 01:55:17.62 ID:XZXBXMlI0
あっ・・・これは・・・
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 03:56:00.35 ID:2YBoppcoO
そこまでなのか
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/04(日) 23:32:42.64 ID:i2TIcKY60
明石「本当の本当?」

瑞鶴「明らかに態度が冷たかったし」

瑞鶴「実際に見れば分かる。私たちがよく知ってる加賀さんだったよ」

明石「……そう」

明石「で、この3日間のことは覚えてた?」

瑞鶴「詳しく聞いてないから分かんないけど、覚えてないと思う」

瑞鶴「覚えてたら、真っ先にここに来て怒るでしょ」

明石「それもそうか」

明石「ふー……よかったぁぁぁ! これで提督にも叱られずに済む!」

明石「瑞鶴も一安心ね!」

瑞鶴「……」

明石「……加賀さんのこと、まだ踏ん切りつかないの?」

瑞鶴「そ、そんなことないよ」

明石「浮かない顔してるじゃない」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:35:10.46 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「それは……気のせいだよ! ちゃんと気持ちの整理はできたもん」ニコッ

明石「ならいいんだけど」

瑞鶴「加賀さんの記憶は消えて、何もかも丸く収まった。一件落着だね!」

明石「……」

瑞鶴「あ、でも……せっかく薬を作ってくれたのに無駄になっちゃったね」

明石「いいの。解決すればそれで良しだから」

瑞鶴「だけど何か悪いな……今度鳳翔さんのお店で奢らせてよ」

瑞鶴「空いてる時間ある?」

明石「……じゃあ、明後日の夜で」

瑞鶴「オッケー!」

瑞鶴「って、そろそろ演習の時間だ。行かなきゃ」

明石「頑張ってね」

瑞鶴「うん! それじゃ!」スタタタッ

ガチャ

パタン
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:37:41.86 ID:i2TIcKY60
明石「……はぁ」

明石「気持ちの切り替えができてるなら、呼び方も変えなきゃダメでしょ」


青葉「……」



――演習――

ドン! ドーン!

瑞鶴「攻める!」バシュバシュ

翔鶴「瑞鶴、張り切ってるわね!」

瑞鶴「まあね! 一航戦になんか負けてられないし!」

瑞鶴「攻めて攻めて攻めまくる!」バシュバシュ

ヒューーン

翔鶴「危ないわ!!」

瑞鶴「え?」


ドーーーン!!

276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:39:48.52 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「うぅ……けほけほ……!」

翔鶴「大丈夫瑞鶴?」

瑞鶴「あはは……張り切りすぎちゃった」


加賀「何をしているのかしら」スイー

瑞鶴「!」


加賀「あんな周りが見えていない攻め方をして、勝てるとでも思っているの?」

瑞鶴「……」

赤城「ま、まあまあ、瑞鶴さんもやる気が見えていいじゃないですか」スイー

加賀「赤城さんは甘すぎです。やる気だけで戦果を上げられるなら苦労はしません」

加賀「ハッキリ言っておくけど、今のような戦い方をするなら」

加賀「仲間にとって邪魔にしかならないわ」

瑞鶴「……!」

赤城「加賀さん、言い過ぎでは……」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:42:15.10 ID:i2TIcKY60
翔鶴「そうです。もっと柔らかく…」

瑞鶴「いいんだよ翔鶴姉。これは自分の命にも、みんなの命にも関わることなんだから」

瑞鶴「確かにその通りだね。もっと慎重にならないとダメだった」

瑞鶴「ごめんなさい」

加賀「……」

スイー

赤城「加賀さん!」

瑞鶴「はは……無視か」

翔鶴「いいえ、あれは加賀さんなりの『次は頑張って』という返事よ」

瑞鶴「無理があるでしょ」フフ

瑞鶴「……」

――――

赤城「お疲れ様です加賀さん」

加賀「お疲れ様です」

赤城「私はこれから用事があるので、お先に失礼しますね」スタスタ

加賀「はい」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/04(日) 23:44:18.45 ID:i2TIcKY60
加賀「……」

瑞鶴「……」ジー

加賀「……」

瑞鶴「……」ジー

加賀「それで隠れてるつもりかしら」

瑞鶴「!」ビクッ

加賀「私に一体何の用?」

瑞鶴「……えっと」スッ

瑞鶴「さっきはムチャクチャな戦い方して、謝りたくて」

加賀「不要よ。謝罪よりも次の演習のことを考えなさい」

瑞鶴「う、うん……そうする」

加賀「……」

瑞鶴「……」

加賀「……今朝から思っていたのだけれど」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:47:14.92 ID:i2TIcKY60
加賀「あなた様子がおかしいわ。いつもなら牙をむき出しにして飛びかかって来るのに」

瑞鶴「そんなことしてないし」

加賀「比喩よ」

加賀「なのに、今のあなたは……やけに大人しいわね」

加賀「気味が悪いわ」

瑞鶴「っ……!」ズキッ

瑞鶴「わ、私はただ……加賀さんに……」

加賀「そのさん付けもやめてくれるかしら。調子が狂うから」

瑞鶴「……」


瑞鶴「……ふ、ふん! せっかく敬意を払って後輩らしく振舞ってみたのに」

瑞鶴「そんな反応されるなら、もう気を遣うのはやめる!」

加賀「……」

瑞鶴「そう、気を遣ったの! この私が! 気味が悪いって? 自分でもそう思う!」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:50:47.84 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「ホントバカみたいだよね。あんたに対して下手に出るとかさ」

瑞鶴「もうこんなバカバカしいこと考えないから、安心して」

加賀「……」

加賀「やっとスッキリしたわ」

瑞鶴「は?」

加賀「スッキリした。これが私とあなたの距離感よ」


加賀「ベタベタしてくるあなた、気持ち悪いもの」

瑞鶴「!! ……」


加賀「さて、私はもう行くわ」スッ

加賀「明日の演習では、今日みたいな腹立たしい動きをしないでね」スタスタ

ガチャ

パタン
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:53:30.91 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「……」

瑞鶴「……」

瑞鶴「……、」グスッ

瑞鶴「っ……」ポロポロ


青葉「……」


――――

翔鶴「お昼いらないって、具合が悪いの?」

瑞鶴「うん」

翔鶴「……鳳翔さんに言っておくわね」

瑞鶴「うん」

翔鶴「……」ガチャ

パタン
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/04(日) 23:56:22.51 ID:i2TIcKY60
瑞鶴「……」

瑞鶴(もうあの加賀さんはいない)

瑞鶴(あれは幻、そう割り切ったはずなのに)

瑞鶴(って、またさん付けしてるし)ハハ…

瑞鶴「……」


――食堂――


赤城「風邪ですか?」

翔鶴「分かりません。でも具合が悪いらしいんです」

赤城「心配ですね」

加賀「……軟弱ね」

赤城「えっ」

加賀「規則正しい生活に、日々の訓練を欠かさず行っていれば」

加賀「体調は常に万全のはずよ」

翔鶴「さすがにそれは……」

赤城「どんなに健康的な生活を送っていても、具合が悪くなってしまうことはありますよ」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:57:30.64 ID:i2TIcKY60
ここまでで
読んでくださってありがとうございます
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 02:18:19.88 ID:jHtdNwRbo
え、ここで完結?マジか…
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 05:29:05.05 ID:NDVqkWFU0
>>284
まだ続きます、すみません
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 14:32:31.68 ID:ZQU64tWMo
完結したかと思ってびっくりした
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 19:24:12.42 ID:xDg6qiMn0
加賀・・・まさか・・・
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 22:05:13.00 ID:NDVqkWFU0
誤解を招くような発言すみません…
更新していきます
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/05(月) 22:06:08.10 ID:NDVqkWFU0
加賀「……」パクッ モグモグ

赤城「加賀さん、どうしたんです? 瑞鶴さんと何かあったんですか」

加賀「いいえ」

赤城「でも明らかに、瑞鶴さんに厳しくなってますよね」

加賀「あの娘に厳しいのはいつも通りだと思うのだけれど」

翔鶴「ここ数日は仲が良かったじゃないですか。昨日だって一緒にお買い物に行って、仲を深めたのでは?」

加賀「買い物……? 知らないわね」

翔鶴「知らないって……」

加賀「知らないものは知らない。記憶にないわ」

赤城・翔鶴「……?」


青葉「……」

290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 22:07:52.30 ID:NDVqkWFU0

――――

コンコン

提督「瑞鶴? 具合が悪いと聞いたんだが、大丈夫か」

瑞鶴「!」

瑞鶴「……うん、平気」

提督「午後からの演習は出れそうか。無理なら違う艦娘に…」

瑞鶴「ちょっと休んだから、もう大丈夫だよ」

提督「そうか」

提督「……入ってもいいか?」

瑞鶴「え」

瑞鶴「……」

瑞鶴「……」

瑞鶴「……ごめん。もうちょっと横になりたいから」

提督「そうだよな……分かった。お大事に」スタスタ

瑞鶴「……」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/05(月) 22:11:08.67 ID:NDVqkWFU0


――夕方・演習後――


瑞鶴(はぁ……全然集中できなかったな)

瑞鶴(こんなことなら出ない方がマシだったかも。みんなに迷惑かかるし)

翔鶴「瑞鶴!」スタタタッ

瑞鶴「翔鶴姉……」

翔鶴「探したわ。終わったらすぐにいなくなっちゃうんだもの」

瑞鶴「ごめん、散歩したかったんだ」

翔鶴「……」


翔鶴「やっぱり加賀さんと、何かあったんでしょう」

瑞鶴「! ……」


翔鶴「お買い物の時に喧嘩したの?」

瑞鶴「ち、違うよ」

翔鶴「じゃあ何故あなたに元気が無いの? どうして加賀さんはあなたにキツくあたるの?」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 22:14:05.77 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「言ったでしょ、私はただ体調が悪かっただけ」

瑞鶴「それに、あいつが私に厳しいのはいつものことじゃない」

翔鶴「仲良くするんじゃなかったの」

瑞鶴「……そうだね」

瑞鶴「頑張ったんだけど、結局こうなっちゃうみたい」

瑞鶴「きっと反りが合わないんだよ! 表で仲良くしようとしても、お互い息苦しくて我慢できなくなるの」

翔鶴「……」

瑞鶴「だから、もうこれまで! 私たちはずっとこんな感じ!」

瑞鶴「せっかく喜んでくれたのに、ごめんね」ニコッ

翔鶴「……そんな顔で言われても、説得力が無いわ」

瑞鶴「え?」

翔鶴「あなた今、悲しそうな笑顔をしてるわ」

瑞鶴「……!」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 22:17:51.89 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「あ、あはは! そんなわけないじゃない! 開放されて清々しい気分なのに!」

瑞鶴「もう一緒にいるのはウンザリ! できれば顔も合わせたくない!」

翔鶴「……」

瑞鶴「あー、なんか元気出てきたな! お腹も空いてきたなぁ」

瑞鶴「そうだ! 夕食までまだ時間あるし、間宮に寄ろう!」

瑞鶴「ってことで翔鶴姉、また後でね!」

スタタタッ

翔鶴「……瑞鶴……」

――――

間宮「お待ちどうさま、間宮パフェよ」スッ

瑞鶴「ありがとうございます」

スタスタ

瑞鶴「……いただきます」パクッ

瑞鶴「ん、甘くて美味しい」モグモグ

瑞鶴「やっぱり疲れた時には甘い物、か」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 22:20:10.13 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「……」パクッ

瑞鶴「……」モグモグ


加賀『はい』スッ

瑞鶴『なんでアイスを掬ったスプーンをこっちに向けるの』

加賀『食べさせたいの』

瑞鶴『は?』

加賀『あーんして食べさせたいの』


瑞鶴「……」

瑞鶴「……」パクッ


加賀『はい、あーん』

瑞鶴『……アーン』パクッ

加賀『どう、おいしい?』

瑞鶴『うん』モグモグ

加賀『……そう』

加賀『よかった』ニコッ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/05(月) 22:22:52.21 ID:NDVqkWFU0
瑞鶴「……」モグモグ

瑞鶴「……いつまで引きずってるんだろ、私」

瑞鶴「もうあの加賀さんはいないのに」


スタスタ

提督「お、瑞鶴か」

瑞鶴「? 提督、何でここに」

提督「甘味を摂取しに来たんだよ」

瑞鶴「まあそうだよね」

提督「間宮ー! アイスを一つ!」

間宮「はーい」

瑞鶴「……」

提督「ここ座ってもいいか?」

瑞鶴「うん」

提督「ありがとう」スッ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 22:24:39.76 ID:NDVqkWFU0
ここまでで
明日から0時更新です
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 02:16:46.43 ID:9ZenX/cSo
色んな意味で提督が不憫やな
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 06:00:20.50 ID:EON4hLoNo
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 00:13:01.91 ID:YV2dqpWj0
瑞鶴「……」パクッ

提督「好物、パフェに変わったのか」

瑞鶴「……?」モグモグ

提督「クリームあんみつじゃなくて」

瑞鶴「ああ、これは……パフェが食べたい気分だったの」

提督「そうか。まあ好物だからといって毎回頼みはしないよな」

提督「体はもう大丈夫なのか?」

瑞鶴「すっかりね」

提督「それは何よりだ」ニコッ

瑞鶴「……」

瑞鶴「……ねえ、提督」

提督「ん?」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:15:28.38 ID:YV2dqpWj0
瑞鶴「パフェ、一口食べない?」

提督「いいよ、お前が頼んだ物だし」

瑞鶴「遠慮しなくていいから。すごく美味しいよ」

提督「……なら、いただこうかな」


瑞鶴「はい」スッ

提督「!?」

提督「な、何をしてるんだ」

瑞鶴「せっかくだから食べさせてあげる」

提督「お前な……」

瑞鶴「早く! 溶けちゃうよ」

提督「……」

瑞鶴「一回だけだよ。いいでしょ?」

提督「……はぁ」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:16:45.17 ID:YV2dqpWj0
提督「分かったよ」

瑞鶴「あーん……」

パクッ

提督「……」モグモグ

瑞鶴「どう? 美味しい?」

提督「美味しいが、とてつもなく恥ずかしい」

瑞鶴「ふふ」

瑞鶴「……」

提督「……? どうした、急に暗い顔になったな」

瑞鶴「何でもない」

スタスタ

間宮「お待たせしました、間宮アイスです」

提督「ありがとう」

瑞鶴「……」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:18:23.31 ID:YV2dqpWj0


――夜・食堂――


瑞鶴「……」

赤城「瑞鶴さん、箸が進んでませんね」

翔鶴「少しでも食べないと力がつかないわよ」

瑞鶴「うん……」

加賀「……」パクッ モグモグ

瑞鶴「ちょっと気分が悪くて」

加賀「……」

スッ

赤城「加賀さん、どこに行くんですか?」

加賀「別の席で食事するわ。辛気臭い雰囲気を出されると、せっかくの料理が不味くなってしまうから」

瑞鶴「……」

翔鶴「どうしてそんな酷いことを言うんですか!?」

加賀「事実なのだから仕方ないわ」スタスタ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:19:57.36 ID:YV2dqpWj0
翔鶴「加賀さん!」

瑞鶴「いいんだよ翔鶴姉。私が悪いんだから」

赤城「いえ、今のは加賀さんが悪いです。厳しさではなく悪意を感じる言葉ですから」スッ

赤城「ちょっと注意してきますね」スタスタ

瑞鶴「……」

翔鶴「瑞鶴……お願いよ、私に全部話して? 加賀さんとの間にあったこと」

瑞鶴「……ごめん」スッ

スタタタッ

翔鶴「瑞鶴!」

――――

瑞鶴「鍵をかけてっと」ガチャ

瑞鶴「……もう寝よ」スタスタ

バフッ

瑞鶴「……」

瑞鶴「……苦しい……」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:21:23.21 ID:YV2dqpWj0
瑞鶴「辛い……」グスッ

瑞鶴「……私に大嫌いって言われた時の加賀さんも、こんな気持ちだったのかな……?」

瑞鶴「あの時ホントに酷いこと言っちゃったんだな……」

瑞鶴「……」

――――

赤城「あら? 瑞鶴さんは?」スタスタ

翔鶴「それが、食堂から出て行ってしまって」

赤城「そうですか……やはり2人の間に何かあったことは間違いないですね」


青葉「あのー」

赤城・翔鶴「!」

赤城「青葉さん?」

青葉「お聞きしたいことがあるんですけど、いいでしょうか」

翔鶴「私にですか?」

青葉「お2人にです」

赤城・翔鶴「……?」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 00:23:10.10 ID:YV2dqpWj0

――――――――

――――――

――――


――翌朝――


瑞鶴「……ん」

瑞鶴「いつの間にか眠ってた……今何時?」

瑞鶴「4時か。早く起きちゃったな」

瑞鶴「でも眠くないし……顔洗ってこよう」スッ

スタスタ

―――

ジャバジャバ

瑞鶴「目の腫れ、すぐに治せないかなぁ」

瑞鶴「このままだと、また翔鶴姉に心配かけちゃう」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:24:38.09 ID:YV2dqpWj0
ここまでで
また明日投下します
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:56:12.31 ID:SBr0drcY0
百合がお上手かよ……
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 12:51:57.51 ID:QfmMPl+AO

心苦しい
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 23:04:10.07 ID:7dgSjGDk0
瑞鶴切ないずい...
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 00:03:49.46 ID:WcmaevZ+0
タンッ

瑞鶴「?」

タンッ

瑞鶴(……この音って……)スタスタ



――弓道場――


ヒュッ タンッ

瑞鶴(やっぱり、弓矢の音だ)

瑞鶴(こんな朝早くから、誰が?)チラッ

瑞鶴「!」


加賀「……」ヒュッ

タンッ

瑞鶴(加賀さん……)

瑞鶴(そっか、そういえば前に、朝早くから訓練してるって聞いたことが)

瑞鶴(……)ジー

加賀「……」

瑞鶴(……横顔も素敵……)ドキドキ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 00:07:33.22 ID:WcmaevZ+0
加賀「何かしら」

瑞鶴「!!」ドキッ


加賀「私に何の用?」

瑞鶴「す、すごい。どうして分かったの?」スタスタ

加賀「精神を研ぎ澄ませてたもの。気配を察知することは難しくはないわ」

瑞鶴「達人みたいだね……」

加賀「で、何の用なの」

瑞鶴「え? あ、いや……目が覚めたらこんな時間で」

瑞鶴「顔を洗ってたら、矢が的に当たる音が聞こえてきて、気になって見に来たの」

加賀「そう……じゃあ早く部屋に戻りなさい」

瑞鶴「え……」

加賀「訓練の邪魔よ。お喋りに付き合ってる暇はないの」

瑞鶴「……」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 00:09:09.04 ID:WcmaevZ+0
瑞鶴「あのさ」

瑞鶴「私も一緒に、いいかな」モジモジ

加賀「……」

瑞鶴「ダメ……?」

加賀「好きにしなさい」

瑞鶴「ありがとう」

――――

瑞鶴「……」ヒュッ

タンッ

瑞鶴「……」チラッ

加賀「……」

瑞鶴「……」ジー

加賀「何」

瑞鶴「! な、何でもない!」
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