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【ミリマス】琴葉「私とあなたと二人で」
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178 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/23(月) 01:06:30.14 ID:GURv0BmWO
P「こんばんは歌織さん、お早いですね?まだ一時間前ですよ」
歌織「プロデューサーさんこそ、私より早く着いていますよ?」
P「…はは」
歌織「ふふ」
お互いが一時間も早く来てしまったのがおかしくて、思わず笑ってしまう
俺も楽しみにしていたけど、歌織さんも楽しみにしていてくれたんだろうな
P「それじゃあ行きましょうか」
歌織「はい」
179 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/23(月) 01:12:51.09 ID:GURv0BmWO
琴葉「…」
綺麗な人だ、確かに綺麗な人
女の私でも思わず見とれてしまいそうな、そんな綺麗な女性だった
清楚で母性的で胸が大きい
…とてつもない強敵だ
琴葉「…どうしよう」
あんな強敵を相手に、私はどうすれば兄さんを振り向かせられるのだろうか?
わからない
…だけど私は、諦めない
ずっと胸に秘めていたこの想いは、誰にだって負けない
…桜守歌織さん、あなたには、負けませんから
心の中で一方的な宣戦布告をする
琴葉「…あっ」
気が付けば兄さんと歌織さんを見失ってしまい、肩を落としながら私は帰路に着いた
180 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/04/23(月) 01:13:50.98 ID:GURv0BmWO
一旦ここまで
181 :
◆bncJ1ovdPY
[saga]:2018/04/23(月) 01:53:07.05 ID:BpcWYLns0
すっぱり諦めるなんて琴葉はいい娘だなぁ(真顔)
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/23(月) 11:15:53.00 ID:LHy/VJdao
おつ 主に胸部に危機感を抱いてそう
183 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/28(月) 22:40:59.57 ID:HqttgrVno
P「ふう…」
ディナーを食べ、少しだけバーに寄って酒を飲んだ後、歌織さんを家まで送っていったら思ったより遅くなってしまった
まあ主要因は歌織さんの自宅前で話し込んでしまったからなのだが、凄く有意義な時間が過ごせたと思う
ただ帰り際に見せた歌織さんの寂しそうな顔だけが少し気になったが…まあ、週明けにでも聞いてみるとしよう
家の鍵を開け、部屋に入る
そのままベッドに倒れ込もうとしたのだが、ベッドには先客がいた
184 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/28(月) 22:51:50.88 ID:HqttgrVno
琴葉「んん…」
P「琴葉…」
出かけた時の服のまま、掛け布団の上で眠る琴葉
いくら暖かくなってきたとはいえこんな寝方をしていたら風邪を引くだろう
P「仕方ないな…」
眠る琴葉を起こさないよう、ゆっくりと抱き上げる
…思っていた以上に軽い
P「全く、成長しない奴だな」
中学の頃から何時もそうだった
しょっちゅう俺のベッドで寝落ちして、こうやって運んでたな
185 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/28(月) 23:00:19.41 ID:HqttgrVno
昔と変わらない琴葉の寝顔を見る
…いや、昔とは少し違うか
身体は成長したからか、少し色っぽいような…
P「…」
…いやいや、気のせいだ、気のせい
凄くさらさらした髪に触れたから勝手に色気を感じただけ
頭を振って邪念を払う
とりあえずいつまでも抱いたままではいられないので一度琴葉をソファに運び、ベッドを整えてから琴葉に布団をかける
P「…」
何度も見ている寝顔に再びドキドキしてしまい、俺は慌ててソファに寝転がった
これはきっとアルコールのせいだ
そうに違いない
念仏のようにアルコールのせいだと言い聞かせながら、俺は眠りについた
186 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/05/28(月) 23:13:56.70 ID:HqttgrVno
一旦ここまで
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 23:37:11.15 ID:cV2n5glX0
待ってた
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/29(火) 01:02:55.85 ID:T9i8FkpGO
蘭子「混沌電波第170幕!(ちゃおラジ第170回)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527503737/
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/08(金) 08:55:40.03 ID:Mb3desZNO
おつ とてもよいです
190 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/08(金) 23:33:30.23 ID:xPUjez4uo
結局日曜日は特にどこも行かずに琴葉とだらだらと過ごした
そして週が明けた月曜日
琴葉「おはようございます兄さん、すぐにお弁当を用意しますね」
P「その事なんだが琴葉」
琴葉「?」
P「今日は急遽昼を外で済ますことが決まってな、だから悪いけど今日は作らなくて大丈夫だ」
琴葉「そうですか…わかりました」
少し…いや、目に見えるくらいしょぼくれる琴葉
本当は外で食べる用事なんか無い
だが琴葉の弁当を断るには一番角が立たない断り方だ
琴葉の弁当は美味いので悪いとは思う
でも仕方ない、何せ今日は歌織さんが弁当を作ってきてくれるのだから
191 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/09(土) 23:09:36.76 ID:LbsIhJexo
朝の支度を済ませ、一足先に家を出ることにした
P「それじゃあ琴葉、行って来る」
琴葉「はい、いってらっしゃい、兄さん」
琴葉に見送られ、俺は家を出た
…なんだろう、いってらっしゃいって言われるのは何か良いな
出勤後、いつものように仕事をしていると昼休みのベルが鳴る
P「もう昼休みか…時間が経つのは早いな」
仕事を中断し、伸びをしていると
歌織「プロデューサーさん」
P「ああ歌織さん、おはようございます」
歌織さんがやってきた
192 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/09(土) 23:43:35.43 ID:LbsIhJexo
歌織「ちょうどお昼ですよね?約束通りお弁当を作ってきました」
P「ありがとうございます歌織さん!」
歌織さんが弁当箱を差し出してくる
小さな弁当箱だが、それもまた良い物だ
歌織「お口に合うと良いんですが…」
P「大丈夫ですよ、ちゃんと味わって食べますね」
歌織「はい!…ふふ」
歌織さんは鼻歌を歌いながら去って行った
…よし、今日は天気も良いし外のベンチで食べるか
193 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/09(土) 23:52:26.64 ID:LbsIhJexo
ベンチに腰掛け、弁当箱を開ける
鮮やかな色のから揚げや野菜が入っていて、見た目はとても華やかだ
…なぜから揚げが赤い色をしていのかは…まあ、良いか
とりあえず食べてみよう
P「いただきます」
から揚げをつまみ、口に入れた
酸っぱい辛い甘い苦い痛い
俺の意識は、ここで途絶えた
194 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/09(土) 23:55:49.64 ID:LbsIhJexo
一旦ここまで
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/10(日) 11:07:35.27 ID:3b2jB97no
乙
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/10(日) 14:04:03.11 ID:/JjNzWKdo
おつ
やっぱり兄さ…プロデューサーのお弁当を毎日作るのは琴葉さんじゃないとダメですね
197 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 00:34:13.57 ID:gfyFiLcDo
P「はっ!」
目を覚ますと、視界に入るのは青い空
どうやら何故か俺は地面に寝そべっていたようだ
体を起こすとベンチの上に置かれた空の弁当が目に入る
弁当を食べ終わって寝落ちしたのだろうか?
そんなに疲れてはいなかったはずなんだが…
とりあえず服の汚れを払って立ち上がる
P「っと…」
立ち上がった瞬間妙な立ちくらみがした
…やっぱり疲れてるのか?
198 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 00:39:34.17 ID:gfyFiLcDo
寝落ちしたからか歌織さんの作ってくれた弁当の味をあまり覚えていないのが残念で仕方ない
妙に刺激的な味がしたような記憶があるが…まあ、気のせいだろう
時計を確認すると昼休みが後数分で終わりそうだった
早く戻らないとな
気持ち早足になりながら、俺は劇場に戻るのだった
199 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 00:46:32.73 ID:gfyFiLcDo
莉緒「ねえねえプロデューサーくん、今日暇?」
夕方に差し掛かるころ、莉緒ねえ…莉緒が声をかけてきた
P「忙しい」
莉緒「ノータイムの返事は流石にちょっと悲しいわ…今日暇なら飲みに行かない?」
P「莉緒、正気か?今日は月曜日、週初めだぞ」
莉緒「だってプロデューサーくん土曜日にメール送ったのに返事くれなかったじゃない」
P「メール…?」
そんなもん来てたっけと思いながらスマホを確認すると
P「あっ」
1件だけあった未読メール…確かに莉緒からのメールだった
200 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 00:52:00.01 ID:gfyFiLcDo
P「ごめん気付いてなかった」
莉緒「やっぱり!プロデューサーくんいっつも私のメール無視するもの」
P「別に無視してるわけじゃ無いんだよ」
何故かメールの存在に気付かないだけだ
莉緒「まあ良いけど…で、今日は暇?」
P「暇といえば暇だが飲みに行くのはちょっとな」
莉緒「別にお酒じゃなくても良いじゃない?ご飯とか、一緒に食べましょ」
P「食事か、まあそれくらいなら」
201 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 00:58:13.80 ID:gfyFiLcDo
たまには莉緒と2人で食事をするのも悪くないかもしれない
莉緒と約束を取り付け、仕事に戻ろうとしたタイミングで
琴葉「おはようございます」
琴葉が劇場にやってきた
P「おはよう琴葉、早いな」
琴葉「はい、急いできましたから…あれ、プロデューサー、その人は…」
琴葉が俺の隣にいた莉緒に気付く
P「ああ琴葉、実は」
琴葉「もしかして…莉緒姉さん、ですか?」
莉緒「え?もしかして、琴葉ちゃん?」
琴葉「莉緒姉さん!」
202 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 01:03:00.31 ID:gfyFiLcDo
琴葉が莉緒に飛び付く
莉緒「も、もう琴葉ちゃん、いきなり」
莉緒は困惑しながらも琴葉を抱き止めた
琴葉「莉緒姉さんお久しぶりです!会いたかったです!」
莉緒「久しぶり、ふふっ琴葉ちゃんは相変わらず甘えん坊ね」
琴葉の頭を撫でる莉緒
髪の色は違えど本当の姉妹のように育ってきた2人の仲は変わらないようだ
琴葉「兄さんは知ってたんですか?莉緒姉さんがアイドルだって」
P「もちろんだ、あとプロデューサーな」
203 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 01:24:35.54 ID:gfyFiLcDo
莉緒「プロデューサーくん、なんで琴葉ちゃんがアイドルになったって隠してたのよ〜」
P「いきなり鉢合わせた方が面白いかなって」
莉緒「確かにびっくりしたけど…あっ、そうだ、琴葉ちゃん今日は暇?」
琴葉「今日ですか?えっと…」
P「一応今日の予定はレッスンだけだ、その後は琴葉次第だな」
琴葉「はい、空いてます」
莉緒「それなら今日プロデューサーくんとご飯に行くんだけど、琴葉ちゃんもどう?」
琴葉「良いんですか?」
莉緒「もちろんよ、ねえプロデューサーくん?」
P「ああ、構わないぞ」
琴葉「やった!ありがとうございます兄さん、莉緒姉さん!」
204 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/24(日) 01:25:08.53 ID:gfyFiLcDo
一旦ここまで
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/30(土) 23:06:28.01 ID:vb0LGyNpo
歌織のバストに 舌打ちが出る
控え室で野球は やってはいかん
兄さん結婚しましょう
兄さん 兄さん 兄さん
765 765 765プロダクション
206 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/30(土) 23:38:39.81 ID:3Pvt3cw6o
P「はは、その辺りはやっぱりまだ子どもだな、あとプロデューサーな」
莉緒「それじゃあどこか予約とる?プロデューサーくん」
P「そうだな…莉緒、その辺りは任せて良いか?」
莉緒「良いわよ、お姉さんに任せなさい!…こ、琴葉ちゃん暑いからそろそろ離れて?」
そう言って店を検索する莉緒
こっちは任せておくとしよう
P「それじゃあ琴葉はレッスンだ、終わったら事務室に来てくれ」
琴葉「はい、わかりました、今日のレッスンは何ですか?」
P「今日のレッスンは…桜守歌織さんと歌のレッスンだな」
琴葉「…!」
207 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/06/30(土) 23:48:43.50 ID:3Pvt3cw6o
一瞬、琴葉の顔が強張る
P「ど、どうした琴葉?」
琴葉「い、いえ、大丈夫です」
大丈夫、とは言うもののやはり気になる
P「琴葉って歌とか苦手だったか?」
琴葉「あまり経験が無いだけで、苦手では無いです」
P「だよな?まあたとえ苦手でも大丈夫だ、歌織さんは教え方が上手いしすぐに上達するぞ」
琴葉「…」
208 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/01(日) 23:26:49.33 ID:PZDhWAmAo
琴葉「…それでは、行ってきます」
P「おう、レッスン頑張ってな」
琴葉「はい」
どこか覚悟を決めたような雰囲気を纏う琴葉が出て行くのを見送った後、俺は仕事に戻った
レッスン着に着替え、私はレッスンルームの前で深呼吸する
…この中に、私にとって最大のライバルがいる
全身全霊でやらないと、足元にも及ばないかもしれない
気合いを入れ直し、私はレッスンルームに入った
そして
聞こえてきたとても素敵な歌声に
私は心が挫けそうになった
209 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/01(日) 23:31:30.16 ID:PZDhWAmAo
歌織「〜〜♪」
すごく、すごく素敵な歌を歌う人だ
声に透明感があって、良く通って…
私はこの人に勝てるのだろうか?胸も大きいし
歌織「…あら?」
歌織さんが、入室してきた私に気付く
歌織「えっと…田中琴葉ちゃん?」
琴葉「…はい、田中琴葉です」
歌織「初めまして、桜守歌織です、今日のレッスンはよろしくね」
琴葉「は、はい」
210 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/01(日) 23:40:25.46 ID:PZDhWAmAo
歌織「琴葉ちゃんの事はプロデューサーさんから聞いてるわ」
琴葉「兄さ…プロデューサーから?」
なんだろう、凄く気になる
歌織「凄く良い子だって」
琴葉「兄さん…そんな、良い子だなんて…ふふ」
凄く照れる
琴葉「わ、私も、プロデューサーから、歌織さんの事を凄く綺麗で素敵な人だと聞いていました」
歌織「まあ、プロデューサーさんったら♪うふふ♪」
顔を赤くしてすごく嬉しそうな歌織さん
211 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 00:58:40.62 ID:8YVEaWoHo
歌織「ほ、他には?他には何か…」
琴葉「えっと…歌が上手で教え方も上手だと」
歌織「ふふ♪」
目の前の歌織さんはすごくご機嫌だ
歌織「実は私も、琴葉ちゃんがすごく優秀で、頼りになる子だって聞いてるわ」
歌織「あと料理が上手で美味しかったって」
琴葉「も、もう、兄さん褒めすぎ…♪」
それからしばらくお互いに褒めあい、レッスンが始まったのは1時間後のことだった
212 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 01:08:47.82 ID:8YVEaWoHo
歌織「一旦休憩しましょうか」
琴葉「はい」
歌織さんの教え方が上手なおかげで夢中になってレッスンしていたからか、結構な時間が経っていた
歌織「琴葉ちゃん、腹式呼吸が上手だったわね、何か経験が?」
琴葉「経験、というわけでは無いですが中学高校と演劇部に所属していました」
歌織「演劇、確かに舞台に立つなら声量を出すために腹式呼吸は練習するわね」
琴葉「はい、特に私にとっては観に来てくれる人のために常に全力でしたから」
歌織「観に来てくれる人…それってきっとプロデューサーさんのことよね」
琴葉「はい」
213 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 01:11:34.00 ID:8YVEaWoHo
歌織「…琴葉ちゃんは、昔のプロデューサーさんを知っているのよね?」
琴葉「はい、幼なじみですから」
歌織「良いな…私は、今のプロデューサーさんしか知らないから…もっとあの人の事を知りたいのに」
琴葉「…」
歌織さんの真剣な想いが、私にも伝わってくる
だからだろうか
琴葉「あの…歌織さんさえ良ければ、昔のプロデューサー…いえ、兄さんのこと、お話しましょうか?」
こんな塩を送るような真似をしたのは
214 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 01:12:24.54 ID:8YVEaWoHo
一旦ここまで
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/02(月) 01:32:35.77 ID:8GfglGPFo
おつ
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/02(月) 10:18:37.19 ID:xcYYYu8cO
更新頻度上がってていいぞ〜
217 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 23:39:03.45 ID:8YVEaWoHo
昔の兄さんの話を、歌織さんは興味深そうに聞いていた
時には笑い、時には目を輝かせ…それは、昔の私が兄さんの話を聞いている時と同じだった
…
琴葉「…それで、その時に兄さんが褒めてくれて、とても嬉しかったんです」
歌織「そうだったの…プロデューサーさん、今も昔も変わらずに優しい人だったのね」
琴葉「はい、優しくて、頼りになって…ちょっと、いや、かなり鈍感ですけど」
歌織「あ、そうね…琴葉ちゃんは昔からプロデューサーさんの傍に居たからずっとそういう苦労をしてきたのよね」
琴葉「はい…」
好きになってから10数年…ずっとあの鈍感さには苦労させられた
…今でもその苦労は変わらないけど!
218 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 23:45:52.70 ID:8YVEaWoHo
琴葉「あ、せっかくですし私の兄さん寝顔コレクションを見ますか?」
歌織「寝顔コレクション?ぷ、プロデューサーさんの?」
琴葉「はい」
歌織「…ちょっと待っててね」
そう言って歌織さんは立ち上がると
カチャリ
レッスンルームの鍵をかけた
歌織「はい、お願いします」
219 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/02(月) 23:55:08.08 ID:8YVEaWoHo
P「へっくしょん!」
美咲「プロデューサーさん、風邪引いちゃいましたか?」
P「いや、そんなはずは…噂でもされてるかな」
美咲「今日は暖かくして寝てくださいね〜えへへ〜」
P「ありがとう青羽さん」
美咲「いえいえ!それじゃあ今日もあと少し、頑張りましょう!」
220 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/03(火) 01:03:03.00 ID:dfVio8Eeo
歌織「こ、これが小学生の頃のプロデューサーさん…可愛い」
琴葉「ですよね?私はこの頃幼稚園だったんですが、こんな可愛い弟が欲しかった…」
歌織「あ、中学生になると顔付きが凛々しくなって…でも、やっぱり今の寝顔とそんなに変わらないなぁ…」
琴葉「え”っ」
歌織「?琴葉ちゃん、どうしたの?」
琴葉「歌織さん、今、兄さんの寝顔って…」
歌織「うん…プロデューサーさん、たまに事務室で疲れて寝ちゃうことがあるから見る機会もあって…」
琴葉「あ、そ、そうなんですね…」
その後も兄さんの話で盛り上がる
221 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/03(火) 01:14:37.44 ID:dfVio8Eeo
…よし
琴葉「歌織さん」
歌織「?」
琴葉「その…これからも、兄さんの話をしませんか?」
歌織「プロデューサーさんの?」
琴葉「はい、今日は私の知る兄さんを話しました、でもこっちに来てからの兄さんのこと、私は何も知らないんです、だから…」
歌織「琴葉ちゃん」
琴葉「は、はい」
歌織「もっと私に、プロデューサーさんのこと、教えてね」
琴葉「!は、はい!」
歌織さんが差し出した手を固く握る
確信した
歌織さんはライバルではあっても敵じゃない
同好の士だと
222 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/03(火) 01:15:31.00 ID:dfVio8Eeo
一旦ここまで
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/03(火) 01:21:43.24 ID:vE5uQIIwo
おつ 同好の士沢山いそう
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/03(火) 02:24:41.88 ID:+xfAh9L1o
楽しそう
225 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/03(火) 23:44:58.23 ID:dfVio8Eeo
その後レッスンを再開し、キリが良いところまでやった後、レッスンは終了となった
歌織「琴葉ちゃん、お疲れ様」
琴葉「お疲れ様です、歌織さん」
歌織「今日は凄く有意義なレッスンが出来たと思うの、きっと琴葉ちゃんのおかげね」
琴葉「そんな、私の方こそ」
歌織「それでね、琴葉ちゃん、その…一つお願いがあって…」
琴葉「お願い?」
歌織「その、プロデューサーさんの寝顔コレクションのコピーを貰えないかなって…」
琴葉「兄さん寝顔コレクションのコピーを…ですか」
私は顎に手を当てて少し考える
あまりライバルに塩を送りすぎるのもどうかと思うのだけど…
琴葉「わかりました、差し上げます」
歌織「ほんと!?ありがとう琴葉ちゃん!」
せっかくの同志で語りたいことも沢山ある、だから私は、歌織さんに寝顔コレクションのデータを渡すことにした
226 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/03(火) 23:51:09.35 ID:dfVio8Eeo
歌織「ありがとう琴葉ちゃん、大切にするわね」
琴葉「はい」
歌織さんと連絡先を交換し、私はレッスンルームを後にする
そして私服に着替え、事務室へと向かった
琴葉「ただいま戻りました」
P「お、お疲れ様琴葉、歌織さんとのレッスンはどうだった?」
琴葉「はい、とても有意義な時間でした」
本当に有意義だった
P「それなら良かった」
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/04(水) 00:40:33.11 ID:kd99dtymO
あっ
228 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 00:14:56.87 ID:vtm43xeEo
莉緒「ただいま、あら、琴葉ちゃんもうレッスン終わってたのね」
さっきまでいなかった莉緒姉さんが事務室に戻ってくる
P「おかえり莉緒、よし、それじゃあ行くとするか」
琴葉「はい」
兄さんがPCを落として立ち上がる
私と莉緒姉さんは、兄さんの後ろに着いていった
229 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 00:24:27.82 ID:vtm43xeEo
P「莉緒、どの店を予約したんだ?たるき亭か?」
莉緒「前に今度二人で飲みに行こうって言ってた焼き鳥屋があったでしょ?あの店よ」
P「ああ、あそこか」
琴葉「…」
兄さんと莉緒姉さんが私の知らない話で盛り上がってる
…ずるい
私もお酒が飲める年齢なら…
兄さんを酔い潰して好き放題するのに
P「…?」ゾクッ
莉緒「プロデューサーくん、どうしたの?」
P「い、いや、何でも無い」
230 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 00:31:11.09 ID:vtm43xeEo
目的の焼き鳥屋さんに到着し、席に案内される
ひとまず飲み物を注文し、来るのを待つことにした
P「琴葉、今日は好きなものを食べて良いからな?莉緒の奢りだし」
莉緒「えっ」
琴葉「じゃあ…私はまずはこのしじみ汁を」
莉緒「ほんと琴葉ちゃんって昔から良くしじみ汁飲むわね」
琴葉「好きなんだもん…」
美味しいし健康に良いし
231 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 00:37:45.87 ID:vtm43xeEo
タブレットで食べたいものの注文を済ませた頃、ちょうど飲み物がやってきた
P「よし、飲み物はちゃんとあるな?それじゃあ琴葉」
琴葉「え?」
莉緒「琴葉ちゃん、765プロにようこそ!乾杯!」
二人で私が765プロに入ったことを歓迎してくれる
琴葉「あっ…ありがとう兄さん、莉緒姉さん!」
それがとても嬉しかった
近くて遠い存在だった二人が、今はとても近くに感じられる気がした
232 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 00:43:41.69 ID:vtm43xeEo
そして私は今、チキンかつ丼を食べていた
P「このぼんじり美味いな」
莉緒「あら、ねぎまもいけるわよ、食べてみる?」
P「じゃあ貰おうかな」
莉緒「はい、あーん」
P「あーん」
琴葉「!!!!!!」
莉緒姉さんの差し出したねぎま串に兄さんが齧りつく
P「ん、ほんとに美味いなこれ」
莉緒「でしょ?ねえねえ、代わりにプロデューサーくんのぼんじりもちょうだい?」
P「良いぞ、ほら」
莉緒「あーん」
琴葉「!!!!!!」
233 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 00:49:02.17 ID:vtm43xeEo
琴葉「に、兄さん!!」
P「お、おう、どうした琴葉」
琴葉「私のチキンかつ丼も美味しいですよ!」
P「そ、そうか、良かったじゃないか」
琴葉「あ、味、味は気になりませんか!?」
P「まあ多少は気になるけど」
琴葉「でしたらその…一口どうぞ」
私はチキンかつを箸で掴み、兄さんに差し出す
琴葉「あ、あーん…」
P「あー…ん」
P「…うん、チキンかつも美味いな」
琴葉「それなら良かったです」
私も兄さんにあーんが出来て役得だ
234 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 01:06:10.42 ID:vtm43xeEo
その後も兄さんに食べさせて貰ったり、色々とあった
琴葉「ご馳走さまでした」
P「美味かったな、ここ」
莉緒「当たりだったわね」
P「今度は歌織さんやこのみさん辺りも誘って来るとするか」
莉緒「そうね、その時は飲みましょ?」
P「ああ」
兄さんはさっと伝票を持つとさっさとレジに向かって代金を支払っていた
莉緒「あら、別に奢ってあげても良かったのに」
P「女性に払わせる気は無い、それが俺のみみっちい男のプライドってやつだ」
莉緒「あらあら格好つけちゃって、でもありがと、ご馳走さま」
235 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 01:13:50.55 ID:vtm43xeEo
P「よし、それじゃあ帰るか」
琴葉「はい」
莉緒「そう言えば琴葉ちゃんはプロデューサーくんのマンションの隣の部屋だったわね」
琴葉「莉緒姉さん、知ってたんですか?」
莉緒「プロデューサーくんがお弁当を持ってきた日にちょっとね」
琴葉「中々良い部屋で、住み心地が良いですよ」
莉緒「良いわね、私もそろそろ引っ越そうかしら…ねえねえプロデューサーくん」
P「ん?」
莉緒「プロデューサーくんは私が引っ越すなら、どんな部屋が良いと思う?」
236 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/05(木) 01:14:43.31 ID:vtm43xeEo
一旦ここまで
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/05(木) 08:11:15.33 ID:iJyuii2SO
盗作者◆Jzh9fG75HA(ちゃおラジの作者)を語るスレ
245:名無しNIPPER[sage]
2018/07/05(木) 00:14:39.95 ID:3xRqK4+HO
>>240
とりあえず君が頭悪いのは理解出来た
カス(orクズ)をkasとかやってる時点で一生懸命覚えたんだなーと思えた
でもね?カスもクズもkasとは書かないんだよ可哀想だね
250:名無しNIPPER[sage]
2018/07/05(木) 00:27:36.24 ID:l9FJPpqzO
>>248
そんな人いたの?俺ここ2、3年くらいからの住民だから
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/05(木) 09:23:45.32 ID:zS52NDNSo
おつ これはまたフラグ立ったのか
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/11(水) 16:25:56.76 ID:sdPSsy2OO
むしろ莉緒も元からフラグ立ってた説
240 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/22(日) 20:22:35.58 ID:YzqOqA5oo
P「莉緒の部屋ねぇ…まあ、このみさんや風花、歌織さん辺りは間違いなく飲みに来るだろうし、高確率で泊まるだろうから今のワンルームよりは広めの方が良いだろうな」
莉緒「あら、プロデューサー君も自由に泊まりに来て良いのよ?」
P「馬鹿言うな」
莉緒「つれないわね」
P「ひとり暮らしの女のところに泊まりに行けるかっての」
莉緒「あら、私は別にいつでも歓迎よ?」
P「あのなぁ…」
琴葉「に、兄さん!私もいつでも歓迎ですから!」
P「落ち着け琴葉」
241 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/22(日) 23:49:01.23 ID:YzqOqA5oo
相変わらず無防備な莉緒の無邪気な誘いを断る
…どうもまだ自分の魅力に気付いていないようだ
学生時代、俺に何度も相談しにきた友人達の苦労が忍ばれる
P「とにかく、部屋選びは人に聞くよりは自分が住みやすい環境を自分で見つける方が良いぞ」
P「他人にとって住みやすい環境でも自分が住みやすいとは限らないからな」
莉緒「まーそうよね〜せっかく引っ越しても住みにくかったら意味ないし」
莉緒「あ、何ならプロデューサーくんや琴葉ちゃんと同じマンションにでも行こうかしら?」
242 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/22(日) 23:59:03.83 ID:YzqOqA5oo
P「は?」
琴葉「良いと思います!それなら朝や夜、三人で兄さんの部屋でご飯が食べられますし」
P「おい待てい」
何やら勝手に話が進んでいる…というか
P「琴葉…あのな、俺の部屋は溜まり場じゃ」
琴葉「でも、せっかく莉緒姉さんと再会出来ましたし、また昔みたいに三人で一緒に過ごしたくて…」
P「…」
琴葉の言葉に頭を掻く
琴葉の気持ちも分からなくは無いんだが…
P「…とりあえず、住むにせよ住まないにせよ1度確認してみてからだな」
P「それから莉緒が決めてくれ」
頭ごなしに否定するのも良くない、ひとまずは様子を見るとしよう
243 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/23(月) 01:44:27.65 ID:mjNaXvPfo
その後駅まで莉緒を贈った後、帰路に着く
結局莉緒は今週末、マンションの下見に来るらしい
案内を頼まれたので週末を空けておかないと…
琴葉「莉緒姉さん、引っ越して来るかな…」
P「さあな」
琴葉は莉緒に懐いているので同じマンションに住めるかもというのはやはり嬉しいのだろう
P「…ま、本当に引っ越してくるなら歓迎会でもやるか」
琴葉「その時は任せてください、腕によりをかけて美味しい料理を作ります」
P「楽しみにしてるぞ」
琴葉「はい!」
244 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/23(月) 01:47:12.99 ID:mjNaXvPfo
一旦ここまで
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/23(月) 23:40:09.16 ID:oq8fgcqWo
乙
246 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/24(火) 01:07:59.58 ID:GNwUz3Dio
P「っと、そうだ琴葉、明後日は空いてるか?」
琴葉「明後日ですか?はい、大丈夫です」
P「なら良かった、ちょっと付き合って欲しくてさ」
琴葉「付き合うって…ええ!?そ、そんな、兄さん、いきなり凄く大胆です…」
P「うお、こ、琴葉?」
急に顔を真っ赤にした琴葉に思わず怯む
琴葉「そ、その、兄さん、私ウエディングドレスが良いなって思うんです、でも白無垢も着てみたくてえっとその」
P「ウエディング?白無垢?」
もしかしてそういう仕事がしてみたいのだろうか
P「…そうだな、なら近いうちにウエディングドレス、着てみるか?」
247 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/24(火) 01:10:36.62 ID:GNwUz3Dio
琴葉「!!!!!はい!是非!」
凄く嬉しそうな顔で喜ぶ琴葉
まあウエディングドレスは女の子の憧れって言うしな
琴葉もやっぱり興味があるんだろう
琴葉「兄さん、子供は何人欲しいですか?」
P「一体何を言ってるんだ琴葉」
変な方へ暴走を始めた琴葉を何とか現実に戻しながら、俺達は家へ帰ったのだった
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/24(火) 03:16:59.88 ID:U/x6D+LXo
さすがプロデューサー
何を言われてもまったく動じないぜ(
249 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/25(水) 01:12:45.86 ID:HIH4ynkGo
翌日の朝
P「ん…ふあぁ…」
目覚まし時計を止め、のっそりと起き上がる
…今日は琴葉が起こしに来なかったな
そんなことを思いながらリビングに行くと
琴葉「…」
琴葉が台所に立っていた
P「あれ、琴葉来てたのか」
起こしに来ないから来ていないのかと思ったのだが
250 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/25(水) 01:18:17.24 ID:HIH4ynkGo
琴葉「…」
しかし琴葉からの返事は無い
P「…?琴葉、どうしたんだ?」
琴葉が無反応な事が気になり、傍に寄る
そして琴葉の状況を把握した
琴葉は、昨日歌織さんが持ってきてくれた弁当箱を手に、完全に固まっていた
琴葉「………兄さん」
ようやく反応らしい反応を示した琴葉が口を開く
P「どうした?」
琴葉「このお弁当箱…一体誰の物ですか?」
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/25(水) 01:19:16.59 ID:ZctzZqRK0
おっ修羅場か?
252 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/25(水) 01:26:04.81 ID:HIH4ynkGo
正直に言うのは何だか恥ずかしかったので誤魔化すことにしたのだが…
P「え?あ、えっとそれは俺の…」
琴葉「嘘ですね、だって兄さんは昨日の時点ではこんな可愛らしいお弁当箱を持っていませんでしたから」
P「よ、よく知ってるな…」
琴葉「兄さんの事ですから…それで?誰の物ですか?」
P「実は歌織さんの弁当箱なんだよ」
琴葉「歌織さんの…?」
P「以前弁当を作ってきてくれるって約束をしてて、それで作ってくれたんだ」
琴葉「そうですか、歌織さんの…ふーん」
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/25(水) 04:14:18.68 ID:vI3o/wCfo
ふーん
254 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/25(水) 23:56:51.05 ID:HIH4ynkGo
P「こ、琴葉?」
目の前の琴葉からピリピリとした威圧感を感じる
…なんだか良くわからんが、どうにも怒っているらしい
怒らせるようなことをした覚えはないんだが…
仕方ない
P「こ、琴葉、今週の日曜日にでも出掛けないか?」
琴葉「日曜日…2人だけでですか?」
P「ああ、買い物でもしたりなんならアイスくらいなら奢るぞ」
琴葉「…わかりました、行きます」
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/26(木) 17:10:24.04 ID:2EKm/qgxo
ふーん アンタが私の兄さん?
256 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/26(木) 23:24:22.83 ID:tIbdYXbXo
琴葉から怒りのオーラ力が消えていくのを感じる
…やっぱりこの手に限る
昔から琴葉は俺が買い物などに連れて行ってやるとどんなに怒っていても機嫌が良くなる子供っぽい一面がある
琴葉は割としっかりしているが、その辺りはやっぱりまだまだ子供だ
琴葉「では、朝食とお弁当を用意しますから少し待っていてくださいね」
P「ああ」
すっかりいつも通りに戻った琴葉に食事の準備を任せ、俺は出勤の準備を始めるのだった
257 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/28(土) 23:51:50.90 ID:mpT12lrPo
出勤すると、歌織さんが劇場に来ていた
歌織「おはようございます、プロデューサーさん」
P「おはようございます歌織さん、今日の仕事は夕方からなのに随分早いですね?」
歌織「そ、そうですか?」
P「ええ、仕事までまだ6時間以上ありますよ?」
歌織「それならえっと…プロデューサーさんのお手伝いをします!」
P「手伝い、ですか?」
歌織「は、はい、もしかしたら私の意見がプロデューサーさんの役に立つかも…なんて」
P「なるほど、それは確かに…では、お願いしても良いですか?」
歌織「はい!任せてください!」
258 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/29(日) 00:01:10.20 ID:bVP00+Qzo
P「まあ、手伝ってもらうとは言ったものの」
実際にはあまり手伝って貰うことはほとんど無い
P「すいません歌織さん、暇だったら他のことをしていても大丈夫ですよ」
歌織「いえいえ、プロデューサーさんのお仕事に私、少し興味がありますから」
歌織「むしろ私の方がプロデューサーさんのお邪魔になっていないかが心配で…」
P「そんなことは無いですよ!むしろ歌織さんが居てくれるだけでやる気が出るというものです」
歌織「まあ♪プロデューサーさんったら…うふふ♪」
259 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/29(日) 00:10:19.67 ID:bVP00+Qzo
P「あ、そうだ歌織さん、昨日は弁当ありがとうございました、美味しかったですよ」
歌織「お口に合ったなら、良かったです」
P「歌織さんと結婚する人はきっと幸せですね、こんなに素晴らしい人なんだから」
歌織「プロデューサーさん…私、きっと幸せにしますね」
P「?そうですね」
このみ「はいはい歌織ちゃん、プロデューサー、甘い空気出してるところ悪いんだけど手が止まってるわよ」
P「おっと」
向かいの机で事務作業をしていたこのみさんが微妙にやさぐれながら突っ込みを入れてくる
260 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/29(日) 00:44:10.18 ID:bVP00+Qzo
このみ「別にいちゃつくのは構わないけど、独り身相手に見せ付けるの止めて欲しいわね」
そう言いながら素早くキーボードを叩くこのみさん
流石元は事務員志望だ
ちなみに本当の事務員の青羽さんはというと…
美咲「ふんふん…よし!」
別のデスクで衣装をデザインし、型紙を作り、サンプルを縫っていた
歌織「ぷ、プロデューサーさん!そ、その、私自主練習してきますね!」
恥ずかしい事でもあったのか、顔を赤くした歌織さんはそそくさと部屋から出て行った
261 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/29(日) 01:04:43.07 ID:bVP00+Qzo
P「歌織さん、顔が赤かったけど風邪ですかね?」
このみ「っはぁ〜〜〜〜」
このみさんがこれ見よがしに盛大に溜め息を吐いた
一体何だと言うんだ
このみ「ま、何でも良いけど…」
このみさんの態度に疑問を感じながらも、俺は作業に戻るのだった
262 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/29(日) 01:05:26.25 ID:bVP00+Qzo
一旦ここまで
263 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/16(木) 00:42:51.93 ID:CFlEw8byO
莉緒「おはよ、プロデューサーくん」
P「莉緒か、おはよう」
歌織さんと入れ替わるように、莉緒が事務室に入って来た
莉緒「ねえねえプロデューサーくん、昨日の話なんだけど」
P「ああわかってるよ、ちゃんと部屋選びに付き合ってやるから」
莉緒「さっすがプロデューサーくんね、プロデューサーくんも来るんだからちゃんと良い部屋を選ばないとね」
P「やれやれ」
莉緒と昨日した部屋選びのはなしをしていると
カシャンと、何かを落としたような音が聞こえた
音のした方を振り返ると
歌織「」
歌織さんがまるでこの世の終わりのような顔をして立っていた
264 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/16(木) 01:14:03.10 ID:CFlEw8byO
P「歌織さん、スマホ落としましたよ?」
床の上にあるスマホを見ながらそう伝えるも
歌織「」
歌織さんは微動だにしない
P「歌織さん?」
歌織「…プ、プロデューサーさん…」
ようやく再起動した歌織さんが口を開く
歌織「さっきのお話…本当…なんですか?」
P「さっきの話?」
歌織「莉緒ちゃんとその…お部屋を見に行くって」
265 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/16(木) 01:39:23.63 ID:CFlEw8byO
P「ああその件ですか」
歌織「…もしかして、莉緒ちゃんとプロデューサーさんは…同棲を?」
P「えっ」
莉緒「えっ」
P「ちちち違いますよ歌織さん!?俺が莉緒と同棲なんかするわけ無いじゃないですか!」
莉緒「ちょっと、流石にそんな言い方されると傷付くんだけど?」
P「ああごめん…ってそれどころじゃないんだ、歌織さん、一体何故そんな考えに…?」
歌織「だって、二人でお部屋を選んで、その上プロデューサーさんも来るって…」
P「あ、あー、そういう事ですか…それなら…うーん、そうだな」
P「それなら歌織さんも、一緒に部屋を見に行きませんか?」
歌織「えっ!?」
266 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/28(火) 23:54:08.47 ID:/g3IHLJHo
歌織「それはその…プロデューサーさんと一緒に過ごすお部屋を…ですか?」
P「そうですね、俺もお邪魔することになるかも知れません」
歌織「そ、それならご一緒します、はい」
顔を赤くしてもじもじしている歌織さん
とても可愛らしい
P「ところで歌織さん、急に戻ってきたみたいですけど何かあったんですか」
歌織「あ、その…バッグを置き忘れていたので取りに来たんです」
P「そうだったんですね」
歌織「それでは、私は自主練習にもどりますね」
P「はい、頑張ってください歌織さん」
歌織「…プロデューサーさん」
P「はい」
歌織「お部屋を見に行くの、楽しみにしていますね♪」
267 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 00:00:00.13 ID:/g3IHLJHo
P「よし、仕事頑張るかぁ!」
歌織さんと楽しく話せてテンションが上がったので気持ち良く仕事が出来そうだ
莉緒「ねえこのみ姉さん」
このみ「なぁに莉緒ちゃん」
莉緒「歌織ちゃんとプロデューサーくん、一瞬で二人だけの世界に入り込んだみたいなんだけど」
このみ「何時もの事よ」
莉緒「良いな〜私ももっとプロデューサーくんに構って欲しいのに」
このみ「これ以上甘い空気は勘弁して…」
268 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 00:12:41.09 ID:iKyKdhXXo
それから数時間後
上機嫌な歌織さんを現場に送り届けた後、劇場に戻る
事務室に向かう途中
海美「あっ、プロデューサー!」
とても元気な声が響く
P「ん?海美か…」
そしてこっちに走ってくる海美の後ろから、琴葉とエレナも走ってきた
P「琴葉とエレナも一緒か?そう言えばダンスレッスンだったな」
海美「うん!今から琴葉にダンスを教えるよ!」
P「海美とエレナが一緒なら安心だな、頼むぞ」
そう言って海美の頭を撫でる
海美「えっへへ〜…うん、頑張る!」
琴葉「…………………………………」
エレナ「こ、コトハ…?」
269 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 00:30:05.23 ID:iKyKdhXXo
P「琴葉も、レッスン頑張れよ、応援してるからな」
琴葉「!は、はい、必ず期待に応えますから」
P「ああ、期待してる」
琴葉「はい!」
P「…エレナ」
俺はエレナに近寄ると耳打ちをする
エレナ「?」
P「…あの二人はたまーに暴走したりブレーキが利かなくなるから…しっかり手綱を握っておいてくれるか?」
エレナ「…うーん、流石にヤクソクは出来ないヨ?」
P「分かってる、でもなるべく頼む」
エレナ「うん、わかったヨ〜」
P「それじゃあ頼んだ」
270 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 00:32:43.46 ID:iKyKdhXXo
一旦ここまで
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/29(水) 01:31:52.52 ID:tkd+9Rugo
読んでるヨー
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/29(水) 07:58:11.81 ID:ZYzD0W/MO
たまーに…たまに?
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/29(水) 08:00:15.76 ID:hqA/uvaZo
このシリーズすき
274 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 21:23:08.85 ID:iKyKdhXXo
琴葉「さあ海美ちゃん、エレナ、レッスン頑張ろう!」
海美「うん!頑張ろ!」
エレナ「コトハすごいやる気だネ」
仲良くレッスンに向かう三人を見送り、俺は事務室へ向かった
P「茜、準備はどうだ?」
茜「お?プロちゃんもしかして進捗知りたい系?」
P「そりゃあ歓迎会は明日だからな」
茜「教えてあげても良いけど〜けど高いで、金二百両!」
P「よし、原作通り足をへし折ってやろう」
茜「冗談!冗談だよプロちゃん!」
275 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 22:31:17.46 ID:iKyKdhXXo
恵美「ん〜大体90%くらいかな〜」
P「恵美、来てたのか」
恵美「ま〜ね〜せっかく琴葉の歓迎会なんだし準備くらいはね」
P「悪いな」
恵美「良いって良いって!新しい仲間の為にアタシが好きでやってるんだからさ」
P「…そっか、ありがとな」
恵美「にゃはは、さあ茜、もうちょい頑張ろ?」
茜「あいあいさー!」
気合いを入れて琴葉の歓迎会の準備をしてくれる恵美と茜
俺はそれに嬉しくなって短い時間ではあるが、歓迎会の準備を手伝った
276 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 22:40:10.60 ID:iKyKdhXXo
そして夜
P「先に帰ってても良かったのに」
琴葉「私は遅くなっても気にしませんから、それに課題も終わらせましたし」
P「俺は気にするんだけどな…しかし課題を終わらせるなんて偉いな、もう家庭教師とかしなくても大丈夫そうだ」
琴葉「…!しまった…!」
P「琴葉?」
琴葉「な、何でも無いです……成績を落としたらまた兄さんに家庭教師を…ぶつぶつ」
P「?」
277 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/08/29(水) 23:50:15.06 ID:iKyKdhXXo
マンションに到着し、家の鍵を開けたところで
P「じゃあ琴葉、また明日」
琴葉「はい兄さん、おやすみなさい」
P「ん、おやすみ」
琴葉と別れて部屋に戻る
P「さて、と」
エレナと海美に伝えられた琴葉のレッスン状況に改めて目を通す
どうやらかなり頑張っているようで、エレナも海美も喜んでいた
ダンスがある程度形になれば次は表現力のレッスンもさせてみよう
琴葉のアイドルとしての高い潜在能力に喜びを感じながら
俺は目を閉じた
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