千歌「念能力…」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 22:50:52.69 ID:vH7Bktpv0
内浦、海岸


千歌「…」

ザザーン


千歌「『あなたたちのやってることはスクールアイドルへの侮辱です』、か」

千歌「…」はぁ…


千歌(初めはただの憧れだった…私もあんな風に輝きたいって思ってた)


千歌(結局私はスクールアイドルになれればそれで良かったのかな)


千歌「それじゃあ本気でやってる人たちからしたら舐めてるって思われても仕方ないよね」

千歌「…」ぽろぽろ


千歌「何やってるんだろ…私」


ザザーン


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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493387452
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/28(金) 22:52:17.30 ID:xzG/N4Ij0
千歌は普通に強化系かな?
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 22:53:26.78 ID:vH7Bktpv0
果南「結局、こうなったんだね」

ダイヤ「…ええ」


果南「あの『壁』に当たったらもう…諦めるか、乗り越えるしかない」

果南「でもあの『壁』は高すぎるよ、今の千歌たちには…」

ダイヤ「…」

ダイヤ「…私が止めるべきでした」

果南「ダイヤは悪くないよ。ごめん、そういうつもりじゃなかった」

ダイヤ「いえ、止めようはいくらでもありました。今まで1番近くで見てきたのは私ですから」

果南「…」

ダイヤ「…もしかしたら、彼女達に身勝手な期待を押し付けていたのかもしれません」

果南「ダイヤ…」

ダイヤ(ごめんなさい。結局、私たちと同じ目に合わせてしまいましたね)

鞠莉「ねぇ?」

ーーーー?!


鞠莉「仲間はずれは酷いんじゃない?」にやり
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 22:54:45.90 ID:vH7Bktpv0
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ーー
ザザーン

『千歌ちゃんは…、悔しくないの?』


悔しい、かあ

悔しいってなんだろ

そういえば私、今まで悔しいって思ったことあったかな

悔しさを感じるほど譲れない事もなかった

むしろ何かあったら他の人に譲ってきた

2人のお姉ちゃんに囲まれて育ってきた私は、昔から敵わない事だらけだったから

悔しい思いをしないように、そういう癖を作っちゃったのかもしれないね


でも、別にそれでも良かったんだ

だって、譲れない事も別になかったし

でも、どうしてだろ

千歌「うっ…うっ…」ポロポロ

どうして涙が止まらないんだろう


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5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 22:56:18.23 ID:vH7Bktpv0
ザザーン


梨子「千歌ちゃーん?」

千歌(あっどうしよう梨子ちゃんだ…!)

千歌(こっちに来る…)

泣いてるなんて知れたら大変だ…!

私が、リーダーなのに

梨子「ねぇ千歌ちゃーん!」

ザッザッザッ

千歌(あ〜まずいよ、どうしよ)バッ

タタタタ

梨子「え」

バッシャーン

梨子「きゃああああ千歌ちゃん?!」


ーーーーーー
ーー
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 22:58:39.30 ID:vH7Bktpv0
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ーー

ダイヤ「…鞠莉さん」

果南「アンタ、いつから…?」

鞠莉「だってほら、私たちは一緒でしょ?」

果南「…答えになってないよ」

鞠莉「まあ2人が考えることはだいたい分かるからね〜♡」ズズズ

ダイヤ「…嫌ですね、それ」

鞠莉「うふふ♫」

果南「アンタ…なんで千歌たちを東京に行かせたの?」

鞠莉「彼女達が行きたいっていうから、私は理事長として生徒の自主性を重んじただけよ♫」

果南「こうなるとこを分かりきってたはずだよ。よりにもよっていきなり東京なんて…。千歌達はまだラブライブに出るって決めた訳でもないのに…!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 22:59:59.76 ID:vH7Bktpv0
鞠莉「…果南」

果南「…何?」

鞠莉「憧れてしまったのよ、彼女たちは」

鞠莉「そしたらもう、高みを目指さずにはいられない」

果南(…!)

鞠莉「私達と同じようにね」くすっ

果南、ダイヤ「…」

鞠莉「あの子達は絶対に立ち向かうわ、あの『壁』に」

果南、ダイヤ「…」


鞠莉「彼女達の出す答えをゆっくり待ちましょう♫」



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8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:00:59.15 ID:vH7Bktpv0
梨子「なんで急に海に飛び込むのよ」ぐっしょり

千歌「私も何か見つからないかな〜って思って」えへへ

梨子「…何よ、その理由」はぁ…

千歌「それを梨子ちゃんが言うんだ」ボソ

梨子「あ、あれは別にいいでしょ!あの時はどうしても海の音が聴きたかったの!」

千歌「私もどうしても見つけたいものがあったんだよ」

梨子「はいはい。でもあなたの後ろ姿ね、まるで身投げしようとしてるようにしかみえなかったんだから」

千歌「だから〜、それを梨子ちゃんが言うの?」あはは

梨子「もぅ!、茶化さないでよ」

千歌「うーん、塩水は目にしみるな〜」ごしごし

梨子「…」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:02:09.25 ID:vH7Bktpv0
梨子「…確かに」

梨子「あれはおかしかったね」

千歌「…え?」

梨子「あの時は、正直追い詰められてから」

千歌「梨子ちゃん?」

梨子「追い詰められてて、1人じゃどうしようもできかった。とても不安だった」

千歌「…梨子ちゃん」

梨子「でもあの時、千歌ちゃんは一緒に飛び込んでくれた」

梨子「見ず知らずの私に、同じ目線で一緒に話をしてくれたし、聞いてくれた」

千歌「…そう、だったっけ…」

梨子「正直あの時は訳分からなかったよ、いきなりスクールアイドルの話始めたりして」

千歌「あ、あはは…」

梨子「ねぇ千歌ちゃん」

梨子「そんなに強がる必要ある?」

千歌「え」

梨子「リーダーだからって、無理する必要あるのかなって」

千歌「…そんな、無理なんてしてないよ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:03:18.52 ID:vH7Bktpv0
梨子「確かに周りをグイグイ引っ張って行くリーダーなら、みんな安心して付いていけるよ。でも、みんなと一緒に悩んで、同じ目線で話してくれるリーダーも素敵だと思うの」

千歌「…でも、そんな頼りない私のせいでみんなに辛い思いをさせちゃったんだよ」

梨子「1番辛いのは、千歌ちゃんでしょ?」

千歌「…!」

梨子「千歌ちゃんが、1番やりたがってた事じゃない。今まで千歌ちゃんが必死に頑張ってきたの、私知ってるもん」

千歌(私が…やりたがってた…)

千歌(そうだ。スクールアイドルは私の…)

梨子「もう、無理しなくていいよ…千歌ちゃん」

千歌「梨子、ちゃん…」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:04:09.79 ID:vH7Bktpv0
曜「千歌ちゃんは肝心な所で弱みをみせないからね」

ーー!?

千歌「よ、曜ちゃん…!?どうしてここに」

曜「2人と一緒、やっぱ眠れなくてね。みんなもそうみたい」

千歌(ーーみんな!?)

ルビィ「千歌先輩、わたし達話し合ったんです!やっぱり諦めたくないって…」

花丸「わたし達もっともっと練習頑張りますっ!だから…」

善子「こんなところで諦めるなんて言わないでしょ、リーダー?」

千歌「…みんな」

曜「…だってさ」

梨子「千歌ちゃんは、どうしたいの?」にこっ

わたしは…

そうだ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:05:11.46 ID:vH7Bktpv0
千歌「曜ちゃん」

曜「…ん?」

千歌「私ね、悔しい。」

千歌「悔しいんだよ、曜ちゃん」

曜「…うん」にこ

千歌「私ね…、私なんかが悔しいなんて思うのおかしいって思ってた…!」ぽろぽろ

千歌「だって…、だって悔しいって思う権利がある人は、ちゃんと努力した人…譲れないものがある人だからっ…!」グスッ

千歌「なんの取り柄もない私が…、何もない私が悔しがるなんて…そんなの…おかしいじゃん」

曜「…」

千歌「でもね、どうしてもやっぱり悔しいんだよ…!!」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:06:07.01 ID:vH7Bktpv0
千歌「…私、スクールアイドルだけは譲れないみたい…」

千歌「これだけは…譲れない、譲りたくない…!!」グスッ

曜「…そっか」よしよし

千歌「うぅぅ…」


千歌「うわあああん、悔しいよおお」ボロボロ

千歌「悔しいよおうわあああん」

曜「うん…うん…」

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ーーー
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:07:21.94 ID:vH7Bktpv0
翌日、理事長室

鞠莉「お帰りなさい、お疲れ様ね♫」

千歌「…いえ」

鞠莉「何か得るものはあった?」

千歌「やっぱり…東京はレベルが全然違いました。私たちじゃ手も足も出なかったです」

鞠莉「そう、考えの甘さに気付けたかしら?」

千歌「はい。私は馬鹿だったんだなって、そう思い知らされました」

鞠莉「そう」

千歌「でも」

鞠莉「ん?」

千歌「私、改めてスクールアイドルは凄いなって思ったんです…!みんな精一杯輝こうとしてて…、改めて惹きこまれました!私たちも負けたくないって、上を目指そうって…!」

千歌「そう決めたんです、みんなで!」

鞠莉「…」

千歌「私達は、ラブライブを目指そうと思ってます…!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:08:08.20 ID:vH7Bktpv0
鞠莉「…」ふふっ

鞠莉(いい顔してるわね、みんな)

鞠莉「いい事ね。でもそれは…無理よ」

千歌「え?」

鞠莉「あなた達じゃラブライブには出られない」

曜「ど、どうして?!」

鞠莉「今のあなた達じゃ『壁』を超えられないから♡」

花丸(壁…?)

善子「だ、だから…今からたくさん練習して…」

鞠莉「いい心がけね。でも」

鞠莉「それだけじゃ、だ・め・な・の♡」ズズズ

ーーー!?

鞠莉「さて、私は今何をしているでしょう?」ニヤリ

ーーーーーー
ーーー
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:09:19.54 ID:vH7Bktpv0
梨子「な、何って」

善子「何もしてないでしょ!?」

鞠莉「うーん、残念。あなたには見えないのね」

善子「?!、み、見えるわよ!」

花丸「善子ちゃん何がみえてるずら?」

善子「え、えーと…そう!!漆黒の翼が…!」

鞠莉「はずれ♫」

善子「なんでよ!私だって見えるんだからぁ」

曜「なんか」

鞠莉「…?」

曜「気のせいかもしれないんですけど、理事長の雰囲気が変わったような…」

鞠莉(…ふーん、なるほど。この娘はいい線いってるわね)

鞠莉「タイムアップ。残念〜、ここまでよ♡」

鞠莉「今、私は『念』をつかってまーす」ズズズ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:13:29.84 ID:vH7Bktpv0
曜「念…?」

善子(何言ってんの、この人…)

鞠莉「念ていうのは誰もが持ってる潜在能力みたいなものね、ざっくり言うと」

善子(私にも…そんな力があるのかしら…♫)わくわく

花丸(…)シラー

梨子「あ、あの、話が見えないんですが…」

鞠莉「うーん、じゃあそうね。千歌っちがスクールアイドルに憧れた理由ってなんだっけ?」

千歌「え?えーっと…秋葉原でμ'sの映像を見て…それが凄い輝いて見えて…憧れたからです」

鞠莉「グレイト!いってしまえばあなたはμ'sのオーラに惹かれたって訳ね」

千歌「μ'sの…オーラ…?」

鞠莉「オーラは人を惹きつける。程度の差こそあれ世間で活躍するアーティストや実業家はそれを使っていると言われているわ。それを意識しているかは別としてね」

梨子「…てことは」

鞠莉「昨今のスクールアイドルブームは、彼女たちの持つオーラがそうさせてるって事♡」

全員「…!?」

鞠莉「ラブライブの上位に入るスクールアイドルにもなれば、全員それを『意識して』使っているの」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:17:04.74 ID:vH7Bktpv0
梨子「…そんな」

花丸「じゃあ…ラブライブで上を目指すためにはオーラが使えることが前提ってことになるんですか…?」

鞠莉「イエス♡いわゆる裏の条件て奴ね。ラブライブは初代と二代目の優勝者があまりにも偉大だったせいで、当初想定してたパフォーマンスレベルを遥かに超える事になってしまったの。スクールアイドルの技術自体は当時と比べ物にならないほど進化した。でも未だに彼女たちは夢見る少女を惹き続けている…。一体どれほどの念能力者だったのかしら…♫」


全員「…」


19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:23:54.70 ID:vH7Bktpv0
鞠莉「ペラペラ喋ったけど早い話、ラブライブは念能力が使えないようじゃ通用しないってこと」

千歌「念能力…」

鞠莉「ええ、人を惹きつけると言われているオーラを念能力にまで昇華させる程の使い手になれれば取り敢えず勝負の舞台には立てるわね♫。そこから先になってやっとパフォーマンスの勝負ってところかしら。これで練習云々は2の次だって分かったでしょ?」

善子「じゃあ、早く念能力ってのを身につけなくちゃじゃない…!」

鞠莉「うーん、それは無理ね」

善子「ええー、なんでよ!」

鞠莉「言っとくけど念能力は1日、2日でなんとかなるものじゃ無いの。とても長い時間が必要よ?ラブライブ選考は9月から始まる、どう考えても間に合わないわ」

梨子「そんな…」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:32:03.06 ID:vH7Bktpv0
曜「鞠莉さんはそれ、どれくらいでものにしたんですか?」

鞠莉「うーん、だいたい3ヶ月ね。でもそれはただ使えるっていう状態よ。ものにしたって意味じゃ1年はかかったわ」

ルビィ「もう2ヶ月しかないのに…1年…」

鞠莉「残念だけどね。そこであなた達に提案があるの」

千歌「?」

鞠莉「今回のラブライブエントリーは、私達旧aqoursに譲ってくれないかしら」

全員『ーーー?!』

ーーーーーー
ーーー
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:36:03.41 ID:vH7Bktpv0
千歌「旧aqours…」

曜「まさか果南ちゃんや生徒会長もスクールアイドルをやっていたなんて…」

ルビィ「お姉ちゃん…」

鞠莉「私達も2年前東京に行った。結果はあなた達と同じよ。今言った見えない壁に行く手を阻まれた」

鞠莉「私の留学もあって活動は有耶無耶になってしまったけど、私達は諦めたわけじゃ無い。この2年間、わたしはずっと念能力を磨いてきた。他の2人もそうよ。私達3人なら、ラブライブでも戦えるわ。」

善子「だから譲れと…?!」

鞠莉「あなた達はまだ来年があるじゃない。私達はこれが最後なの。」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:37:04.33 ID:vH7Bktpv0
曜「そ、それは」

鞠莉「もちろんこっちの勝手な都合です。そうね、じゃああなた達は名前を捨ててエントリーするのはどう?まぁ、あなた達が万が一地区予選まで残っていたとしてもそこで私達に負けるんでしょうけど」

千歌「そんな…!名前は…捨てられないです。この名前を呼んで、応援してきてくれた人達もたくさんいるから…!」

鞠莉「なら、今年は力を磨きなさい」

千歌「あ、あの…私達、一緒のグループでやっていく事はできないんですか…?」

鞠莉(…)

鞠莉「…無理ね。今のあなた達じゃ私達からしたらただの足枷よ。言っておくけど名前を捨てられないのはこっちも同じ。これは大切な名前だからね。ラブライブは私達の夢だから、絶対に譲れないわ」

千歌(…!)
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:39:31.00 ID:vH7Bktpv0
譲れない…、そうだよ
それなら…私だって…!


千歌「譲れないのは…私達も同じです…」

曜(千歌ちゃん…)

鞠莉「…(ふふ」

鞠莉「困ったわねぇ。じゃこうするのはどうかしら♡まだ予選までは2ヶ月あります。そこまでにどちらが出場にふさわしいか勝負しない?どちらも折れないのなら、相手を折ってでも進むしかない…そうでしょ?これなら分かりやすくて良いと思うんだけど♫」

千歌「勝負…?」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/28(金) 23:40:41.63 ID:vH7Bktpv0
鞠莉「もちろんカラオケバトルだとか、ダンスバトルだとか、男坂階段駆け上がり競争だとかじゃ無いわ。念能力を使った勝負。念とは言ってしまえば『その人の力そのもの』。才能、努力、気持ちーー全てがそこに集約される」

鞠莉「決着に相応しいと思わない?」うふふ

曜「そんな…理事長言ったじゃないですか、今日知って明日できるものじゃ無いって!」


鞠莉「フェアな勝負じゃないと?でもラブライブには暗黙のルールとして念の習得があるんだし、勝負の条件としては妥当じゃ無いかしら?もちろんハンデはつけるわ。勝負はこちら3人と、あなた達6人。単純計算で2対1。これでどう?私達に2人がかりで勝てないようなら、どちらにせよあなた達に先はない。」

鞠莉「…譲れないっていうなら、奪われないような『力』が必要だと思う。どうかしら…?」

千歌「…」

ーーーーーー
ーーー
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 23:46:14.77 ID:vH7Bktpvo
すいません今日はここまでで
連休中には完結させたい。。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 01:06:37.09 ID:1L54dHHiO
ラ板で見たやつや
待ってる
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/29(土) 17:08:09.81 ID:CLioHJkR0
浦女、屋上


ルビィ「…ど、どうしましょうか…」

千歌「…」

花丸「…3年生は今年が最後なんだよね」

みんな「…」

善子「…じゃあ今回は、先輩達に譲るってこと?」

花丸「いや…そういう訳じゃ…」

みんな「…」

千歌「…やだ」

梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「…そんなの先輩達の勝手だよ、ワガママだよ」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 17:09:25.79 ID:CLioHJkR0
曜「それはそうだけど…」

千歌「向こうがワガママいうなら私もワガママ言ってもいいよね」

千歌「…私は、ラブライブに出たい…!」

全員「…!」

千歌「私あの勝負、受けようって思うんだ」

千歌「って…ごめん。1人で熱くなっちゃった」あはは

梨子(…うふふ)

梨子「…いいよ、"リーダー"。やりましょ!」

千歌「梨子ちゃん…?」

ルビィ「私も…、ここまで来て譲るなんてできないです…!」

花丸「マルも、ルビィちゃんと同じズラ…!」

善子「楽勝よ。既に私は闇の力に目覚めているしね」

曜「だってさ。私も付き合うよ、千歌ちゃん♫」

千歌「ありがとう…ありがとう、みんな…!」

曜(千歌ちゃんも変わったね)
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/29(土) 17:11:07.42 ID:CLioHJkR0
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ダイヤ「それで、あの子達はなんと?」

鞠莉「ふふ、乗って来たわよ。散々煽ったしね〜♫」

果南「前に進むって決めたんだね」

鞠莉「だからマリーの言った通りだったでしょ〜?」

果南「はいはい」

鞠莉「果南は素直じゃないんだから♡」

ダイヤ「それより、むしろ大変なのはここからですわね。念の習得といってももう2ヶ月しかありませんのよ」

鞠莉「ラブライブを目指すって言ったんだから、それくらいはやって貰わないとねえ…♫」

ダイヤ「努力でどうこうできる世界でもありませんが…」

鞠莉「ダーイーヤー?確かにあの子達は未熟だけど持ってるわよ、スクールアイドルに必要な『何か』を」

果南「うん…鞠莉の言う通りかもしれないね。体育館でのライブも、その後の動画のパフォーマンスでも…何か惹かれるものがあったよ、あの子たちには」

鞠莉「今度は素直になった♡」

果南「うっさいなぁ」

ダイヤ「じゃあ鞠莉さん、…本当にいいんですね?」

鞠莉「ええ…。いいわよ、2人もそう決めたんでしょ」

果南「…うん」

鞠莉「なら私達に出来ることはただ1つ、そうでしょ?」

ダイヤ「…ええ」

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 17:13:58.84 ID:CLioHJkR0
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千歌「夏休みに、合宿をします…!」

ーーー

回想

千歌『さっきのお話…受けようと思います』

鞠莉⦅…♡⦆

鞠莉『千歌っちはもっとおっとりとした子だと思ってたのにな〜。先輩を立ててくれるような♡』

千歌『そう見えていたのなら…それは私が空っぽだったからです。でも今はもう、違う。』

鞠莉『…ふーん♪』

鞠莉『ok〜、分かったわ。それならまだ日を決てなかったわね。9月手前、夏休み最後の日。この日に決着をつけるのでどうかしら?その後のことを考えるならこの日あたりが限度よ。』

千歌『…分かりました』

鞠莉『うふふ、健闘を祈るわ。でも諦めるなら早く言ってね〜、私たちも忙しいんだから。無理っていう’見当’は早めに付けることよ…♡』なんちゃって

千歌『あ、あはは…失礼します』

鞠莉『言っておくけどね…千歌』

千歌『はい…?』


鞠莉『手加減は、しないから』

今までに聞いたことのない、とても冷たい声だった


ーーー
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 17:29:53.99 ID:CLioHJkR0
千歌「…ということで向こうから提示された期日は夏休み最終日です…!」

千歌「夏休み最後の日までにここにいる全員に念能力を取得して貰います…」

全員「…」

千歌「…そして、勝つ。私達が、絶対に」

梨子「…うん!」

曜「そうだね!」

ルビィ「はい…!」

善子「当然よ…!」

花丸「ズラ…!」


千歌「これからが本当の始まりだよ…!私たちaquorsの!!」


千歌「私たちは絶対にラブライブに行く!アクアーーー!」


みんな『サンシャイン!!!』
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 18:30:36.04 ID:CLioHJkR0
―――その夜、黒澤家

念能力は精孔を開けることから始まる

ダイヤ(まずは精孔を開かないことにははじまりませんわよ)

精孔とは、オーラがあふれ出す穴のことで、通常の場合は閉じている
オーラ自体は誰もが持つものなので、非能力者は精孔から微弱なオーラが漏れている状態なのだが、まれに内在するオーラを精孔を閉じながらにあふれ出させいるものもいる

それがいわゆる「何故か気になる人」だとか、「原石」と呼ばれる人種である
昨今のブームで人を魅了し続けるスクールアイドル達もまたそんな存在だ

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:46:58.73 ID:CX2oTcyO0
ルビィ「た、ただいま帰りました…」

ダイヤ「おかえりなさい、ルビィ」

ルビィ「…!お、お姉ちゃん…、ただいま…」

ダイヤ「…」

ルビィ「…あの」

ルビィ「鞠莉さんに聞いたよ…お姉ちゃんスクールアイドルやってたんだってね…」

ダイヤ「…ええ。それがどうかしましたか」

ルビィ「な、なんでルビィに教えてくれなかったの…!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:48:01.29 ID:CX2oTcyO0
ダイヤ「あなたに教える必要があるのですか?」

ルビィ「…!」

ダイヤ「あなたには関係ないことです…が、もうそういう訳でもないのですね。いまや私たちは敵と味方」

ルビィ「そんな言い方って…!」

ダイヤ「私が勝負に出るという意味、あなたなら分るでしょう。敗北はないということです。内浦で小さく活動してればよかったものを」

ルビィ「だからあんなに東京に行くの反対してたの…?」

ダイヤ「…ええ、そうですわ」

ルビィ「ルビィは…お姉ちゃんと歌って踊ることが夢だったんだよ…?」

ダイヤ「…。私に妥協をしろと?それは無理な話です。夢を語るには力と覚悟が必要なのですよ、ルビィ。あなたにはそのどちらも欠落している…」

ルビィ「…!」

ダイヤ「夕飯は先にいただきました。私は部屋に戻ります。ちゃんとあたためて食べるのですよ」



ルビィ(わ、私だって…)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:48:59.68 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーーー
ーーー


帰り道、海沿いの通り

千歌「すっかり遅くなっちゃったな」てくてく

夏休みまでの2週間は、自分たちの中に眠るオーラを起こす事から始めることにした


千歌(オーラ、か)


千歌はオーラの存在を既に知っていた
「理解」はしていない
自らを「普通」の人間だと思いこむということは、相手を「特別」だと思うからにに他ならず、
それはつまり千歌が相手の持つオーラに敏感であるということを意味した


だからこそ千歌のもとには「普通」ではないメンバーが集まった
全員が高い潜在能力を有している
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:50:48.65 ID:CX2oTcyO0
昔から人気者だった曜、素晴らしいピアノの才能を持つ梨子、一目見た時から気になっていた花丸とルビィ、普通ではない個性を持つ善子…

千歌(じゃあ私はどうなんだろう…)


鞠莉の言葉がよみがえる

鞠莉『念なんて、誰でもマスターは出来るわよ。ただね、そういうものこそーーーー』

――――才能の差がモロに出る♡


千歌(私はーーー)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:06:15.72 ID:CX2oTcyO0
果南「やっほ、千歌。今帰り?」

千歌「果南ちゃん…?!」

ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーー


果南「びっくりしたでしょ、私がスクールアイドルやってたなんて。」

千歌「うん…まあ」あはは

果南「柄じゃないしね」

千歌「そんなことないよ…!果南ちゃんはかわいいよ!」

果南「あはは、ありがと」

果南「…鞠莉から聞いたよ、私たちと闘り合うんだってね」

千歌「…!えーと、まあ…」あせあせ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:07:18.59 ID:CX2oTcyO0
果南「千歌にも大切なものができたんだね」

千歌「…うん!」

果南「で、どう?調子は」

千歌「…正直まだ何とも言えない。自分にそんな力があるなんてイメージ沸かないし」

でも負けたくはない

果南「そんなもんだよ、最初は」

千歌「果南ちゃんもそうだったの…?」

果南「まあね。ねえ千歌、今から実際に念ってものを見せてあげるよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:09:03.71 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーー

千歌「え…、いいのそんなことして…?」

果南「相手に能力知られるのは悪手中の悪手らしいけどね。でも油断とか手加減してるつもりはないよ」


果南「…今見せておけば、次会ったときは最初から全力で行けるからね」


ズズズズズ


千歌「ーーー?!」ぞっ


果南「言うなれば、気が済むからだよ。だからこれはただの、一方的な私の」

スッ


果南「厚意(行為)−−−−−」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:20:12.34 ID:CX2oTcyO0
果南の姿は既に目前ない。
しかしそれは、消えたーーという訳ではなかった
千歌は、自身の横を果南が過ぎていくの目視できていた

しかし、目視できていただけに過ぎない
…反応が、まったくできなかった

果南はどうやら千歌の遥か後方にいるらしい

千歌「」へなへな


気が付くと、目前にポールが立っていた
錆びた、鉄の、いかにも重そうなポールが、である
果南もそこにいた

ズンッーーーー
千歌が膝を付いたのと同時に、ポールが地に突き刺さる音が聞こえた
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:21:11.05 ID:CX2oTcyO0
【人魚雷(リトル・マーメイド)】
強化系能力。日ごろダイビング等で鍛えた最大酸素摂取量を極限まで高め効率よくエネルギーを摂取することで、持ち前の身体能力を120%発揮する。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:22:39.96 ID:CX2oTcyO0
千歌「あ…」

「全身」から鳥肌が立つような感覚

果南「これが、私の念能力」

この感じ、知ってる
私がはじめてμ’sを見た時と同じ
これが…


念−−−−


果南「次会ったときは初っ端からこれでいくからね。」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 06:26:59.89 ID:4uDdwhbSO
はよ
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:26:52.68 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーーー

鞠莉「怖いお姉さんね〜、千歌っち腰抜かしてたじゃない」

果南「分かるんだよ妹みたいなもんだし、あの子なら大丈夫。のんびり屋さんの千歌にはいい刺激になったんじゃないかな。」

鞠莉「あれだけのオーラを生身に当てられちゃあね」

果南「てか見んなし」

鞠莉「私が見てること知ってて能力使ったんでしょ?成長してるのは体だけじゃなさそうね、この見せたがり屋さん♪」

果南「うっさいな」

鞠莉「でもさすがね、前見た時とは全然違う。オーラの総量も能力の練度も」

果南「そりゃどうも」

鞠莉(あらら、照れちゃって♡)

鞠莉「でもこれで向こうは果南の能力を把握したってことね。ハメられないよう気を付けてよ。向こうも果南の能力に合わせた念能力を開発してくる可能性が高いから…」

果南「大丈夫、私の能力は見られたからどうって能力じゃないから。単純ゆえの強みって奴」

鞠莉「そ♡、まあ果南ならそこらへんも上手くやるんでしょうね」


ーーーーーーーーー
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:28:09.87 ID:CX2oTcyO0
千歌「…」ゾクゾク

布団に入っても、未だに鳥肌が収まらない
まるで、自分の中で「何か」が暴れているようなーーー
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:28:35.41 ID:CX2oTcyO0
ーーー翌日、放課後


ルビィ「…」

花丸(ルビィちゃん…?)

梨子「それでどうだった、花丸ちゃん?」

花丸「あっはい!…えーとですね…やっぱりなかったです」

梨子「そっか…」

花丸「色々探してみたんですが、念に関しての本はいわゆる検閲にあっているんだと思います。使い方によってはいくらでも悪用できるものですし…」

善子「…ネットでもダメだったわ。どうやら自力でたどり着けってことみたいね…」

梨子(…)

曜「そのくらいやってのけるようじゃなきゃラブライブ上位にはいけないってことだろうね」

曜(3年生は、一体どれだけのーーーー)
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/30(日) 20:41:41.21 ID:CX2oTcyO0
千歌「…」

曜「そういえばどうしたの、千歌ちゃん。さっきからずっと黙ってるけど」

千歌「う、うん。昨日ちょっと眠れなくてね」

善子「まさか、言い出しっぺがしり込みしたんじゃないでしょうね〜!」

千歌「ち、違うもん…!」

あのことは、まだ皆には言わない方がいい

善子「ならいいケド」

曜「まあまずは基礎的なことから始めるしかないね。その中で適宜情報を収集していくと」

花丸「…はい」

曜「じゃあ今日は基礎体力をつけようか」


『おー!』
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:43:16.17 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーー

休憩時間@

花丸「う〜疲れたずら…」

ルビィ「そうだね…」


花丸「…ルビィちゃん、ダイヤさんとなんかあったでしょ。」

ルビィ「花丸ちゃん…」

花丸「分かるよ。マルはルビィちゃんの親友だからね、よかったら話して」

ーーーーー
ーー
ーー
ーーーーー


花丸「そんなこと言われちゃったんだ」

ルビィ「…私は、ただ…お姉ちゃんと…」ぐすっ

花丸「…よしよし」

ルビィ「うっ…うっ…ありがとう…花丸ちゃん」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:50:01.10 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーー

花丸「それで、ルビィちゃんはどうしたいの?」

ルビィ「私は…」

『あなたには、力も覚悟もありませんわ』

ルビィ「スクールアイドルが好きなの…」

『今のあなた達じゃただの足枷よ』

ルビィ「大好きなの…!」

花丸「…うん」

ある日を境にスクールアイドルの話をしなくなったダイヤ
スクールアイドルを始める際、そんな姉への遠慮は勿論あった

でも結局私はスクールアイドルを始めた
だって、スクールアイドルが大好きだから

ルビィ「…今はそれだけでいいんだ、私。」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:52:21.38 ID:CX2oTcyO0
私のアイドル活動とお姉ちゃんは、関係ない
私は私がやりたいからラブライブを目指すんだ


花丸「…そっか」にこ

ルビィ「聞いてくれてありがとね…花丸ちゃん」えへへ

花丸「どういたしましてずら♪」

善子「…。」

善子「はー、あんたたちこんな所にいたのね!もう練習始めるそうよ」

花丸「あっもうそんな時間ずら?!、ありがとう、善子ちゃん!ルビィちゃん、行こっ!」

ルビィ「うんっ…!」

善子「善子ゆーな!」

ルビィ「あははは」


ーーー私はラブライブに出る

もう迷わない
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 00:08:25.67 ID:jzVODbKi0
ーーーーーーーーーー

休憩時間A

千歌「やっぱないな〜」スマホ検索

曜「あはは、あの善子が見つけられなかったんだから私達じゃ見つけられないよ」

千歌「…困ったな〜」

梨子「…ねえ、千歌ちゃん。合宿どこでするかはもう決めた?」

千歌「あー、それもまだなんだよね。夏休み中ずっとってなると結構厳しくてさ」

梨子「東京、なんてどうかな?」

千歌「東京…って、えー!1番初めに候補から外したよ!泊まる場所とか…、お金とか…いろいろ厳しいでしょ…!」

梨子「そこを含めて私に考えがあるの。合宿の件は私に任せてくれないかな」

千歌「…。分かった。梨子ちゃんに任せるよ」

梨子「休憩、まだ時間あるわよね。ちょっと水足してくる」

千歌「うん、いってらっしゃい〜」

てってって


千歌「…」

曜「梨子ちゃんの考えってなんだろ?千歌ちゃんに任せるより全然安心できるけど今回は状況が状況だし…」

千歌「梨子ちゃんがああいってるんだしここは任せてみようよ」


てってって


梨子(…私も覚悟を決めなきゃ、ね)
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 06:38:50.05 ID:jzVODbKi0
ーーその夜


梨子「・・・。」


prrrrrrr…


梨子「もしもし…、『お姉ちゃん』…?」

梨子「うん…私。久しぶりだね。ちょっと声が聞きたくなっちゃって…」

梨子「あはは…そんなことないよ」


梨子「…うん、…うん…」


梨子「…実はちょっと話があって」


ーーーーーーーーー
ーーー
ーーー
ーーーーーーーーー


梨子「ごめんね突然…うん、ありがとう…」


梨子「…うん、忙しいもんね。じゃあ…切るね」

梨子「電話、待ってるから」

pi...


梨子「…」ボフッ



ーーーーーーーーーー
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:15:14.35 ID:jzVODbKi0
ーー時間ばかりが過ぎていく
日々の特訓は、着実に彼女たちを成長させていた

が、扉には未だにたどり着かない
焦りばかりが募ってゆく
夏休みは、あと3日にまで迫っていた


曜「それ、本当なの?善子」

善子「ヨハネよ。それは本当。IP偽装してやっと見れるような掲示板に書き込まれてた。無理やりに精孔を開く方法がね」

千歌「…なんて書いてあったの」

善子「能力者から念による攻撃を受ける事、らしいわ。そういう商売をやってる連中がいるみたい。1人300万円から依頼を受けるって書いてあったわ。正攻法はやっぱり自然と精孔が開くのを待つほかないようよ」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 07:16:42.47 ID:o/2flfBSO
やっぱり果南ちゃんって強キャラなんやなって
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:17:35.85 ID:jzVODbKi0
花丸「…念の攻撃を受ける、もちろん念に目覚めていない人の為の商売だから生身でってことだよね」

ルビィ「それって…」

善子「ええ、とても危険。そこじゃ外道と呼ばれていたわ。適格がない場合命を落とすこともあるから」

花丸「…それに金額も違法だよ」

善子「そこはあえて問題にしない。1人が覚醒に成功したら後はその人が全員にオーラをぶつければ300万円で済む話よ。時間を買うって意味なら今の私たちなら300万円でも安いくらいよ。」

曜「…その方法で精孔は開くんだね?」

善子「ええもうこの方法しかないわ。一応だけど信憑性もある。それに『やりよう』によってはお金もいらなくなるわ」


曜「…3年生か」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:21:36.65 ID:jzVODbKi0
善子「そ、つまり問題はお金じゃない。外道をいく覚悟があるかって事よ。リスクを負う覚悟がね。正攻法は私達にとって余りに時間がない。」

曜「…千歌ちゃんは果南ちゃんの能力を1度見せて貰っているんだよね?」

千歌「…うん、見ただけ。受けてはいないよ。もしあんなのを生身で受けるとしたら…」

曜「…うん。千歌ちゃんの話を聞く限り果南ちゃんの能力は危険だね。やるなら相手はダイヤさんか鞠莉さんに絞ったほうがいいな。知らない相手の能力もしれて一石二鳥だしね」

花丸「ま、待ってください…本気なんですか?!。」


曜「うん。私が行くよ」

千歌「…よ、曜ちゃん?」


曜「私が行く。このままじゃもう時間がないし」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:47:06.25 ID:jzVODbKi0
千歌「…!、だ、ダメだよ、そんなのーー」

曜「心配ないよ、千歌ちゃん!体慣らしならあれからもう十分やったしね。」

善子「私は曜に賛成。今はとにかく時間が欲しい。今1番適性があるのは曜よ。今までの特訓とか見てきた限りね」

曜「そういうこと♫。ここはできる子の曜ちゃんに任せて、千歌ちゃんーーー」


梨子「えっ、本当に!!!!」


ーーー!?ビクッ

梨子「…はい、はい…。本当に…いいの…ありがとう」


千歌「そ、そういえば梨子ちゃん電話で外してたね…」

善子「な、なんか一気に白けたわね」


千歌「…ねぇ、時間がないからって、2人ともちょっと焦りすぎだよ」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:48:57.65 ID:jzVODbKi0
梨子「はい、はい…。お願い、します…」

pi…

たったったった…

千歌「どしたの?大きな声あげてたけど」

曜「あはは、雰囲気ぶち壊しだよ〜」

梨子「え、ごめんね…」

千歌「なんの電話だったの?」

梨子「合宿の話よ」

千歌「目処ついたの!?」

梨子「ええ、今になってやっとだけどね。遅くなってごめんなさい」

千歌「ううん全然。最悪繁盛期以外はうちでやればいいやって思ってたし…。満室になることは滅多にないからね…、あはは。まあ美渡ねえからはいろいろ文句言われそうだけど…。」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:53:55.51 ID:jzVODbKi0

曜「でも東京で夏休み中ずっとなんでしょ…?宿泊費とか大丈夫なの?まさか野宿とかじゃないよね…?」

梨子「まさか。ちゃんと屋根付きだよ。お金も自分たちの生活費分だけでいいって」

花丸「す、すごい…」

善子「一体どんな手使ったのよ…」

梨子「あはは…秘密♡」

千歌「すごいよ、さすが梨子ちゃん♡」

梨子「ありがと。念の疑問に関しては、たぶんそこで解決できると思う。だからどうしても東京じゃなきゃダメだったの」

善子「そ、そんなおいしい話があるなんて…。本当に大丈夫なの…?」

梨子「まあ…そこは信じてとしか…」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:57:13.15 ID:jzVODbKi0
花丸「なんにせよ、これで危険な方法は回避できるずら♪」

千歌「見せ場奪われて残念だったね、曜ちゃん♪」

曜「あはは…」


ルビィ「でもこうなった場合問題になるのは…」

善子「今度こそお金ね」



善子「…!いいこと思いついたわ♪こういうのはどうかしら…!」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:58:36.63 ID:jzVODbKi0
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

ルビィ「あはは、それいい♪」

曜「こ、この後輩共は〜」


千歌「こら〜ダメだよ、後輩には優しくしなくちゃ。1人でかっこつけようとするからこういう目に合うの♪」

曜「ちぇっ、分かりました〜。やればいいんでしょ〜やれば。その代り善子も来ること」

善子「ヨハネよ!ってなんで私まで…!!」

曜「作戦には立案責任てものがあるの。それにわたしが1人で行こうとした時あんたしれっと賛成してたでしょ。勝手に突っ走った連帯責任。」

花丸「いってらっしゃい〜善子ちゃん♪」


善子「善子いうな!あーもーどうしてこうなるのかしら」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:00:55.71 ID:jzVODbKi0
ーーーーーーーーーー
ーーーーー

善子の考えとは、こうである


善子『募金を求めるの♪』


曜『え〜。それはちょっと安易すぎじゃ…』

善子『失礼ね〜。ちゃんと考えてるわよ!。考えてみて、募金はする上で大切なことはいくつもあるんでしょうけど、やっぱりまずは目立たないと始まらないじゃない?」

千歌「…そっか!日々の特訓に成果があるなら、溢れ出るオーラが人を引き付けるってことだね…?!」


善子「そういうこと…♪オーラを利用した募金活動よ。上手くいけば集金効率もよくて、特訓の成果も見ることができるの。まさに一石二鳥よ!」


花丸「善子ちゃん悪知恵はよく働くずら」

善子「善子ゆーな!悪知恵だけって何よ!」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:02:28.82 ID:jzVODbKi0
曜「それじゃあ誰やる?」

善子「え、それは勿論『出来る子の曜ちゃん』しかいないでしょ。オーラに関しては自ら適任だと思ってさっきは立候補したんですよね…?」くすくす

曜「は、はぁ?」

花丸「曜先輩はファンの子からも1番人気があるしね!たくさんお金を集めてくれそうずら♪」

ルビィ「あはは、それいい♪」

ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー


曜「募金お願いしまーす!」

善子「活動にどうしても必要なんですー!」

曜(…こんなことして本当に集まるのかな)はぁ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:06:02.13 ID:jzVODbKi0
…あ、あの

曜「は、はい!」びくっ

女子高生A「もしかしてスクールアイドルの方ですか…?」

善子「そ、そうです…!」

女子高生A「や、やっぱり!頑張ってください…!応援していますっ…!」チャリン

曜、善子「〜っ!!ありがとうございます!!」


女子高生B「す、すいません、写真とってもいいですか?」

曜「もちろん!いですよ…!」にこり

チャリン


女子高生C「じゃあわたしたちと握手を…」

チャリン

女子高生D「サインを…」

チャリンチャリン


ワタシタチトワタシタチトワタシタチト…

チャリンチャリンチャリンチャリン…


曜、善子(う、うわ〜〜〜〜〜!)

ーーーーーーーーー
ーーーー
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:08:13.76 ID:jzVODbKi0
曜「はぁ、はぁ…どうなった、募金の方は…?」

善子「はぁ、はぁ…やっとさばききった…。結構集まったんじゃないかしら…?」

曜「ちょっと確認してみようか…」


…。


曜、善子(ピー円〜〜〜〜〜?!?!?!?)



善子「ちょっとでも足しになればいいかって程の考えだったけど…。これ…あと3日やれば、必要経費ほとんどまかなえるわよ…」


曜「こ、これは…さすが曜ちゃん、てとこかな…?」あはは…


・・・。


曜「これ法的にどーなのよ…」

善子「こ、細かいことはいいのよ。私的利用じゃないんだし」そもそも冒頭時点で決闘罪に抵触してるわ…
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:23:03.26 ID:jzVODbKi0
何はともあれ、特訓の成果はちゃんと出ていることが確認できた
このことは、メンバーに希望を持たせることになった


千歌(私たち、ちょっとずつだけど前に進めてるんだ…!)

私たちならきっとできる…!



曜と善子は
このあと夏休みまでの3日間、無茶苦茶募金活動した



ーーーーそして、夏が始まる
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:28:44.78 ID:jzVODbKi0
とりあえず導入編おしまい。。
次から夏休み編で
読んでくれてありがとう
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 18:46:09.91 ID:sCUsDrk+0
マリーのなんとも言えないヒソカ感
これ念系統の振り分けはイメージ?それともヒソカ式性格判断のやつ?
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