佐野満「えっ?強くてニューゲーム?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/23(日) 23:51:15.50 ID:p+cBhhHk0
 このssは仮面ライダー龍騎の仮面ライダーインペラーである佐野満を

主役とした、いわば仮面ライダー龍騎の再構成ものです。

 人によって好みが分かれる作品となっています。

 舞台はタイムベントでやり直された龍騎のとある世界です。

 無残な最後を遂げた彼が、城戸真司と同じ位の時期に神崎士郎から

インペラーのカードデッキを渡された設定で物語が始まります。
 
 話の展開上、佐野君の性格やら頭を色々と良くしてあります。

 二次創作なので、オリジナルのカードや本編に出てこなかった

ライダーとかも出します。

 ご都合主義だろ!と思うような展開が一部ありますが、そこは二次創作

ということでさらりと流して下さい。

 以上のことを踏まえて、拙作を読んで頂ければ幸いです。  

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492959075
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/23(日) 23:52:08.70 ID:p+cBhhHk0
第一部 一話 戦いの始まり


 東京 某所

「はぁーあ、今日もまたコンビニ弁当かぁ...」 
 
 ビルの警備員の夜勤のバイトを終えた一人の青年が眠い目を擦りながら

タイムカードを押し、職場から退勤する。

「ったく、人生の選択肢ってのはやり直しが利かないから嫌だね〜」

 雲一つない爽快な朝に似つかわしくない独り言を呟きながら、とぼとぼと

ボロアパートへの道を歩くのは、佐野満という成年だった。

 彼は自分の事を、人より特別優れたことはない凡庸な人間であると自認

していた。何かにつけて楽をして良い暮らしをしたいどこにでもいそうな、

一言で言えば全てが並の、ただ幸せになりたかっただけの男である。

「いらっしゃいませ〜!」 

 近くにあったコンビニへとふらりと足を運ぶ。

 このコンビニは満のお気に入りだった。

 台風の日も、大雨の日も、近くで強盗殺人事件が起きても決まった日には

必ずお気に入りの週刊少年漫画雑誌を入荷して、陳列しているからだ。

 眠い目を擦りながら、ペラペラとページをめくる。

(おっ...なんだよ、また次回に引き延ばしかよ〜)

 漫画の半分を読み進めた辺りからだろうか?

 なにか微かな音が聞こえてきた。

 キィィィィ....ン、キィィィィ....ン。と、途切れ途切れの金属に

なにか振動するものを置いて震わせるような音は徐々に弱まっていった。

(気のせいかな...まぁいいや。早く帰って寝よう)

 バサッ。

 雑誌を下に置いた満は先程の音を頭の中から閉め出し、チキンカツ

弁当とカップ味噌汁を購入した後、コンビニを後にしたのだった。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/23(日) 23:52:47.91 ID:p+cBhhHk0
ボロアパート

「んあ〜!疲れたー!」

 清潔とは言いがたい6畳1間の万年床に身を横たえた満はそのまま

グウグウといびきをかいて夢の世界へと旅立っていった。

 後悔先に立たずという言葉がお似合いの半生だった。

 やり始めたことを最後まで自分の意思でやりきったという実感を

得ないまま肉体だけが大人になってしまった子供。それが一人の人間として

お前を見たときに出た言葉だよ、それが父から最後に親として言われた

言葉だった。

 幼い頃に離婚して、物心ついたときには仕事で家に帰ってこない父親と

虚しい義務感だけの家族ごっこをしていた。

 母親や父親に頭を撫でられるそれなりに仲の良い友達や、誰からも

慕われる人の良い先輩になろうと、そうした連中の後をついてまわった

小中学校時代は、結局何も得ることが出来ずに都合の良いイエスマンに

徹することで終わりを告げてしまった。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/23(日) 23:53:25.53 ID:p+cBhhHk0
誰でも良いから認めて欲しかった。

 だけど現実は誰からも認められず、誰からも相手にされない自分が

こうして一人で眠っているだけでしかない。

「くっ...」

 ポロポロと涙がこぼれて、汗と垢まみれの枕にしみこんでいく。

(俺だって、俺だって...自分を変えたかったよ!)

(人にへいこらしないで、自分で主役張って頑張りたかったんだよ!)

(でも誰も教えてくれなかったじゃねぇか!方法を!やりかたを!)

「クソッ!」

 何も変えられなかった苛立ちを自分にぶつけることしかできない。

「クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!チクショオオオオオ!!!」 

 何も掴めなかった拳を握りしめる。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/23(日) 23:54:06.13 ID:p+cBhhHk0
 漫画に出てくる主人公は拳を握りしめたら、まるで天からの恵みのように

摩訶不思議な力を授かっていた。

 現実だってそうだ。

 なにかに愛された人間が実現不可能な奇跡を手に入れ、今までの苦境を

跳ね返して大逆転なんて話は決して珍しくない。

 それにすら選ばれない人生の落伍者に自分はなってしまった。

「変えたい...こんなの...いやだ...」

 その時、先程聞こえて来た微かな金属音のような音がより明瞭に

満の耳の中に飛び込んできた。

「欲しいか?お前の人生を変える力を」 

「欲しい!...って、あれ?」

 現実<まえ>を見ることなく伏せていた顔を上げた時、満の身体は

得体の知れない力によって、目の前の鏡へと引っ張り込まれたのだった。
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