【安価】探偵剣士「一目惚れをしたら冒険が始まった」

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352 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/23(水) 20:24:04.89 ID:82HbZJsA0
リゼ「アンタ、戦えるのかい??」

ロット「ええ、このレイピアは飾りじゃないので」

リゼ「そういや、さっきのならず者相手にも怯えた様子は見せなかったね、お手並み拝見と行こうか」

ロット「ご期待に添えるかはわからないけど」

リゼ「エリス、アタシは一応鍛冶屋の前を離れないけど一応しっかり隠れてなよ!」

エリス「ええ、手当ての準備はしておきます」

イヴ「ロットさん、あんまり無茶しないでくださいね?」

ロット「心配には及ばないよ、そこまで強くないなりには引き際はわきまえてるしね」
353 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/23(水) 20:29:25.30 ID:82HbZJsA0
〜鍛冶屋の外〜

さて、町の広場にあった人混みはなりを潜め
襲撃者達とそれに立ち向かうエルヴィンさんやその他腕に自信のある旅人達、防衛者の真っ二つに分かれていた

防衛に手を貸せば報酬が支払われることからこちらの戦力も充実するわけだ

ならず者リーダー「聞いて驚くなよ?俺たちゃ、3つほど村を潰した事があるんだぜ??」

エルヴィン「はぁ…」

ならず者リーダー「………おい、なんとか言いやがれ」

エルヴィン「悪いな、こちらもそろそろ飽きてるものでね」

ならず者リーダー「っち、野郎どもやれぇ!!」

ウォォォ!!!

かくして戦闘は始まった
354 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/23(水) 20:31:51.63 ID:82HbZJsA0
一旦ここまで
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 20:32:07.03 ID:cn3AoUB90
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 23:18:36.00 ID:lQLGDb/70
名前:コウ
年齢:不明(見た目は11〜13あたり)
性格:生意気で皮肉屋。ただ子供らしいぽい所もあり
容姿:銀髪で銀目の少年。身長は153cmとやや低め
備考:賞金稼ぎとして生計を立てている少年。
親に捨てられたためか大人にはきつい言葉言う所あり。苗字は捨てられたときに捨てた
スケボーが好きで大体それで移動している。風魔法が使え、スケボーと併用することで空を自由に移動することができる。
武器は、改造ヨーヨー。普通のヨーヨー違い外側から針が出たり、針を飛ばしたりする特別製。他に色々ギミックあり。
子供には色々いいながらも優しいが大人には基本的に毒舌。ただ、優しそうな女性や大人の女性には素直な方(それでも完全に心を許したわけではない)
相手の挑発につい乗ったり、甘いものが好きなど子供らしい所は結構見られる。

名前:ビーク
年齢:15(当時、人間時)
性格:あまり喋らないが細かいことに気が利く。落ち着いている。
容姿:豚の獣人。 ある程度体を守る防具を着て、鎌槍を武器として使う
備考:元々は人間だったが、人間の頃からタラコ唇で[ピザ]だったためみんなからいじめられていた。15歳時にいじめられっ子に無理やり村の魔物の森に行かされて、それが原因で魔物になってしまった。
それ以外、村から拒絶されられて、彼は村を出て行った。
それ以来、元の姿を取り戻すために冒険を続けている。ただ、見た目が魔物であるため色々苦労が絶えない。
冒険途中で人を助ける。本人は元々あまり喋らない人間で勘違いされることもあるが彼の優しさはわかる人にはわかる。
魔物になったことで身体能力が向上しており、魔物と会話できるという利点がある。
いじめられっ子に対しては「恨んでいないと言ったら噓になる」ということだが、復讐しようとは思っていない。
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/24(木) 03:35:47.06 ID:V/aIu/Wp0
名前:ヴァン・イェーガー
年齢:38歳
性格:豪快で小さいことは気にしない。気分屋。非情
容姿:ドレットヘアーの赤い鉢巻を巻いたオッサン。よく言って三枚目。ちょっと色黒い。
備考:トレジャーハンターであると同時に場合によっては賊に入る男…それが彼である。
社交的で初めて相手でさえすぐに仲良くなることができる能力を持っている。
目的のためには手段を選ばなく、味方だった相手にも簡単に殺すことができるほど非道になる。ただし、気分屋であるため殺すかその時の気分である。
好きなもの:女、酒、財宝、自分にとって価値があるもの。嫌いなもの:その時に自分にとって「ムカツク奴」。
トレジャーハンターしているための色々な魔法道具を手にしており、それを使って戦う。
主力武器はその時の気分しだいだが、最近は鉄球(アメリカンクラッカーに似たもので先のボールが鉄球になっている)を武器にしている。
ナイフも使い中々の腕を持つ(奥の手として一般的に珍しい銃を使う)

名前:レイン・イェーガー
年齢:34歳
性格:クール
容姿:髪の色はグレーの長身のイケメン。二枚目。
備考:苗字で分かるがヴァンの弟(ただし似ていないため「兄弟の契りを交わした仲」だと思われる)
ヴァンのことを「兄者」と言って慕う。ただ、ヴァンの行動などに怒る時もあり、決して彼を持ち上げてばっかりではない。
ヴァンからも信頼しており、自分で決められなかったことは彼に任せている(単にめんどくさいことを押し付けているともとれる…)
性格はクールで真面目でヴァンに振り回されることも多々あり。女性には紳士的な態度で対応し、モテるが異性に興味はない(同性愛者でもない)
好きなもの(こと):鍛錬、刀の手入れ、兄者。嫌いなもの(こと):自分達の邪魔をするもの。
東にあるとある島国いたことがあるのか、彼の武器は日本刀である。熟練者なのか斬撃を出すことができ、得意な技は居合である。
日本刀はいつも腰にさげていて、いつでも使えるように手入れている。
ヴァンとは何で兄弟になったのか、過去に何があったのか、どこ出身なのか全て謎に包まれている。
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 23:09:00.71 ID:V/aIu/Wp0
名前:アイル・ウォルス
年齢:不明(結構長生き)
性格:紳士。おせっかい焼き。
容姿:黒い紳士服の着た、猫(茶トラ猫)の獣人。
備考:猫の獣人で「案内人」という仕事をしている。
紳士的な男で人間や魔物関係なく優しく接する。紳士なので特に女性に優しい。
いくつもの魔法が使えるようで、いつも持っている杖に魔法石がはめられており、場合よって変えていく(道案内できるのもそういう魔法があるためだと思われる)
神出鬼没で場合には人間姿で現れたりする(その姿はダンディなおっさん的な感じ)
自分で言うくらいのおせっかい焼き。
棒術にも心得があるようで持っている杖でそこら辺の盗賊を倒すなんて朝飯前。

案内屋:名の通りに道案内をするのが主だが、場合によっては人生の悩みやこれからのことなどのアドバイスするアドバイザーの役割も兼ねている。
どこかの街や村で腰を落としている者もいるが、神出鬼没もいたりと様々。
戦闘能力もちまちまだが、少なくてもサーチ系や精神系の魔法を使えるものは多い。
359 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 17:54:35.75 ID:IovC9HCy0
レイピアをいつでも抜けるような状態にしておきながら少し周りを見渡しながら走ってみる

戦っているのはエルヴィンさん率いる少しきっちりとした服を着たギルドの人
どこから出てきたのか、この町で「冒険者」と呼称される旅の人

雇われパトロールにあたっていた人は意外にも後方に構えていた
なるほどこれでバックアップは万全ということか
確かに守らなきゃいけない民家や店がこの町には多い
防衛戦術をしっかりと練ってある事がわかる

一方「賊」側の人間を見てみる
不思議なものでどれも悪そうな顔をしているが、それ以外にはこれといって共通点は感じない
町を歩いていた時に見た顔もあるので、当然最初から何人かは既に潜入していたのだろう
いや、もしくは偶然居合わせた悪い冒険者が騒ぎに乗じてそちら側についているのだろうか?
360 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 18:18:22.28 ID:IovC9HCy0
ロット(おっと、あの3人組…)

騒ぎの裏をこそこそと足早に移動している3人組を見つけた

ロット(よし、ここは一つ僕はあの3人を対処しに行こう)





賊A「おい、どこかに手頃なガキでもいねえか?」
賊B「ちっ、民家は完全にガードされてやがる」
賊C「鍛冶屋に女がいただろ?あっちに行った奴らはどうしたんだよ?」

ロット「さぁ、どうなっただろうね?例えばハンマーで潰されてるとか」

心配ないとは思うが鍛冶屋には早めに戻った方がいいかもしれない

賊A「おい、ガキ。ちょうどいい、ちょいとこっちに来てくれや」

ロット「なるほど、正攻法で行っても勝てないから、人質を確保しようと企んでいたんだね」

賊C「なんだこいつ」

ロット「でも人質に取るには僕よりもっと小さな子を狙うべきだと思うがね?僕15だし」

賊B「は!いいか?ここの人間ってのはな、誰であれ若人には寛大なんだよ。てめえのような雑魚そうなガキには特にな!!」

慣れてはいるものの僕はそんなに弱々しそうに見えるだろうか?
あ、でもリゼさんにも同じことを言われたっけ
361 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 18:44:46.67 ID:IovC9HCy0
ロット「ところで何しに来たんだい君達は、幻の名刀?海図?」

賊B「あぁ?」

ロット「どこの情報に踊らされてここまで来たのかってことさ、きっと嘘っぱちだろうけどね」

すると3人はこそこそと話し始めた
耳をすませば聞こえてくるぐらいの声で

「……なんだ…?」
「…こいつ………知ってるのか…?」

図星を突いたらしい
ついでにもう一つ突こうか

ロット「それで薄々気づいてはいると願いたいけど、多分君達の軍団は勝てないだろうから逃げ帰った方がいいと思うよ?」

ロット「どうせただの寄せ集めだろう?別に通す筋もないじゃないか」

賊C「な!?」

ロット「おっと失礼、君達3人は長い付き合いかもね」

ロット「さっきトップが言った、村を3つ潰した云々がハッタリなのは自明として、共通点もなければ盗賊団としての常套手段すら見えてこないんだ」

ロット「真偽不明の情報を聞いた悪者達がどうやって集まったのかは知らないけど」
362 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 18:51:12.23 ID:IovC9HCy0
賊B「このガキャ生意気にベラベラと…!」

1人が勢いよく襲いかかってくる

賊B「ここまでわざわざ来といて手ぶらで帰ってたまるかってんだ!」ブン

振るわれた拳をサッと避け

ロット「抜剣・俊斬!」

レイピアを抜き切る

賊B「ん…ぐふぅ!!」バタ
賊A「な、なに!?」

363 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 18:56:13.83 ID:IovC9HCy0
ロット(いや本当簡単なお仕事…)ポキン



ん?なんだ今変な音がしなかった?

妙にレイピアを持っていた手が妙に軽い
目を移すと、どういうわけか刀身が短くなったものがそこに……

ロット「……あ」

賊C「ふへ…へへへ…」
賊A「どうしたんだよその情けねぇエモノはよ」

ロット(わ、忘れてたあああ!!!)

賊B「こ、この野郎」ヨロッ

ロット(わぁ、しぶとい…)

ロット「え、えっと…エスケープ!」

踵を返して走りだす
364 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 19:10:12.79 ID:nhQhfpuU0
僕のレイピアはスタット街で、女騎士の手によってヒビを入れられていた
僕はというとそんなことすっかり失念していた

いつだか誰かさんに「武器に愛着を持て」なんて言われた事があるけど、確かに一理ある

賊B「待てこらぁぁぁ!!!」

ロット(えぇ、なんで走れるの…?くそう、何かないか何かないか!?)

僕は走りながらも肩から下げているカバンに手を突っ込む

マッチ、包帯、ポーション(期限切れ)、針金、ルーペ、サングラス

果物ナイフ!

ロット(これでもいいけど、もっと良いものは…お、これは!)


僕は足を止めて向きなおる
365 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 19:19:32.63 ID:nhQhfpuU0
賊C「お、観念したのか??」

僕は格闘家をイメージしてファイティングポーズを取る

「札をちらつかせ勘弁してくださいからの騙しうち作戦」も考えたが、こっちの方が試してみたかった

賊A「おい、なんだそりゃ?」

ロット「僕が武道を心得てないと思う?まあ思うだろうね、試してみなよ」

賊B「今度は全員で滅多打ちだ!」
賊A「だらっしゃああ!!」

今度は3人でかかってくる、1人はナイフを持ってるからそれにだけ注意だ

息を吐きながら、いく数回の攻撃を避け下がる

賊C「!!」

ロット(今だ!)




366 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 19:32:29.19 ID:nhQhfpuU0
ロット「結氷拳!!!」(仮)

そんな言葉を叫びながら手に持っている「ソレ」を賊Cに叩きつけた

賊C「フガッ

カシーン

賊Cは凍った

賊A・B「」

ロット「ふっふっふ、どうだい?何を隠そう僕の本業は氷の格闘家なのさ」(手、冷たい!!)

僕は冷えた手をブラブラしながらそう言った

賊A・B「」

ちょっと効きすぎたな…

ロット「ほら、マッチあげるから炙ってあげなよ、死なないとは思うけどね」

というわけで僕は呆然とする2人にマッチ箱を投げつけ、鍛冶屋にダッシュする
367 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 19:41:34.39 ID:nhQhfpuU0
〜鍛冶屋〜

リゼ「お、来た来た。アンタやるじゃないか、まさか格闘家だったなんてねぇ。どうやったんだい?」

鍛冶屋に戻ると何人か打ちのめした後とみられる汗だくのリゼさんが待っていた
口ぶりからすると見ていたらしい

ここまで来る間にも、伸びていたり、逃げ出している賊の人影が何人か見えたので、そろそろ収束すると思われる

ロット「いえ…はぁはぁ」

少し息を整える

ロット「種明かしをすると大した話じゃないですよ。それっぽい技を叫びながら、ただの綺麗な石を押し付けただけです」

リゼ「石?」

ロット「ええ、ただ氷の魔法が封じ込められてるだけのね」

リゼ「あぁ、魔法ねぇ…なんだ」

あからさまにがっかりされた…

368 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/25(金) 19:42:36.45 ID:nhQhfpuU0
次ロットが使う武器を募集します
鍛冶屋に余ってる、比較的大したものではない武器です

↓3から選抜
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 19:44:17.28 ID:HRwhRmfa0
大小2つのカタナ(打刀と小太刀)
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 19:48:48.85 ID:BzIBaNHE0
チャクラム…と言いたいけど使い慣れていない武器使うのはどうかと思うし、そもそもなくしたら困る。
だから安価は「二刀小太刀(一本の鞘の両端に納め、一本の長刀に見せかけることができる)」で
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 19:52:34.84 ID:xRe5myskO
普通に扱い易そうな量産っぽいレイピアで
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 00:54:48.09 ID:Qmm+MCuc0
名前:アギト・クルセイド
年齢:24歳
性格:傲慢で血の気が多い性格。独善的
容姿:赤髪でオールバックのロングの男。目つきが鋭い
備考:職業は狩人(ハンター)で人間や魔物など全般が対象。
一匹狼で短期のためすぐに喧嘩になる。ただし、実力は本物。
大きく重い大剣を軽々と使い、色んなものを狩ってきた。付いた名が「鮮赤(せんせき)のアギト」。
彼の前には鮮血の赤い血が流れるからこの二つ名が付いた。
彼は本来体術の方が得意で、剣がない方が強かったりする。最も大剣がない分スピードが上がるのもあるようだ。
魔法も使え、媒体になるクリスタルを使い捨てのように使う。
使える魔法は、炎、爆発、雷、熱、強化、加速魔法、活性化etc…など攻撃的や強化系の魔法に偏っている。
過去経歴は不明だが、没落貴族の息子やらどこかの金持ちの息子で家出しているなど言われているがどれも憶測でしかない。
なぜかブラット=レイのことだけではなく、イヴのことを知っているようだが……
373 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/08/26(土) 07:36:30.33 ID:Iru+m+yC0
キャラが多くなって来たので一度キャラ募集を閉めます
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 08:29:35.90 ID:Qmm+MCuc0
>>1が好きにキャラを選べばいいと思ったけど、選ぶのが大変になったか
まあ、今度は特定の村や町のキャラを募集してその中から選ぶ形式でもいいんじゃない?
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 21:23:57.97 ID:wKIp/YOS0
生存報告は欲しいな
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 13:27:55.73 ID:OoNf8lupO
待ってる
377 : ◆YwfwH67PRHMh [sage]:2017/10/02(月) 18:36:05.27 ID:cArRpc2/0
すいません生存してます
今日再開しようとも思ってます
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 00:58:16.00 ID:UukmVdC10
まってる
379 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 16:32:57.00 ID:POTHeo8j0
なんかもういろいろ申し訳ない
書きます
380 : ◆YwfwH67PRHMh :2017/10/15(日) 16:42:38.10 ID:POTHeo8j0
〜あらすじ〜

舞台は政府とはまた違う自治体ギルドより町全体への支援の元、産業が独自の形で発展した職人の町「ツカーテ」。

元々産業や職人、その他価値のある物を目当てにやってくる賊の襲撃が多くあったこの町だが、
町の住民と外の人達の連携による、抜群の防衛力で今までも問題なく解決してきていた。

しかし、ここ最近になって何者かが流す事実無根の噂により、襲撃の頻度が激増。
この町を訪れたロットンとイヴ、ネコのキリュウの滞在中にも賊による襲撃に合う
ロットンは町にいた人達と一緒に賊の撃退に協力したのだった。
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 16:46:05.52 ID:LAyL4nKv0
待ってたよ!
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 16:47:25.56 ID:U+pHMcQj0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
383 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 16:56:27.99 ID:POTHeo8j0
「おら、大人しくしろ」
「くそぅ…」

僕は盗賊の奴らが次々とお縄にかかっていく様子を眺めていた
この分なら特に問題なく収束しそうだ

イヴ「ロットさん、大丈夫でしたか?」

ロット「ああ、とりあえずはね…イヴは平気かい?」

イヴ「ええ、エリスさんとキリュウさんが居てくれましたし、鍛冶屋の前はリゼさんが守ってくださいましたから」

まあ確かにあのハンマーを潜り抜けるのは並みの人間じゃ無理そうだ


グラン「ふーい、終わった終わった」

グランさんは肩を軽く回しながら鍛冶屋に戻ってきた
彼が戻って来れるなら後はもう流れ作業だろう

グラン「おーい、リゼ。ビール」

リゼ「あいよ」

エリス「おじいちゃん、帰ってきて早々それはどうなの?」

グラン「いけねえか?一仕事したら飲むって決めてるんだよ俺ぁ」


ロット「……」

グラン「ん?なんだボウズまだいたのか?」

ロット「ええ、まだ話は途中でしたから」

384 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 17:08:18.83 ID:POTHeo8j0
ロット「今までの襲撃もあの規模で?」

リゼ「まちまちだけどねぇ…どうだったんだい親方?」

グラン「ふん、あんなの屁でもねえよ、いくらでも来いってんだロクでなしども」

ガッハッハと笑う彼は、仕事を終えビールを流し混んでいるせいか上機嫌だ
おかげでイマイチ答えになっていない…

ロット「うーん…」

キリュウ「話にならn…!!

とりあえずキリュウの口を塞ぐ
口は災いの元と言うが、キリュウはその元だ

イヴ「あれ?エルヴィンさんはどうされたんですか?」

グラン「ヤツの事なんか知らん、帰ったんじゃねえのか?」


エリス「父は多分すぐには戻って来ませんよ。いろいろと後処理があるので」

ロット「後処理?あ、そうか、あの賊の人達どうするんですか?」

エリス「間も無く、連絡しておいた騎士の人達が拘束しに来ると思います」

ロット「え……騎士…?」

キリュウ「んだヨ、結局捕まえるだけかヨ、ツマンネ」

385 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 17:28:07.98 ID:POTHeo8j0
イヴ「……」

イヴに目を移すと気持ち表情がぎこちなくなっている

リゼ「なんだい坊や、やましい事でもあるんかい?」

ロット「いえ、その…ギルドが騎士団と協力していた事に少し驚いたもので」

それは事実だった、ギルドは政府と険悪な仲だ、つまり騎士団との関係も同様
騎士を名乗る者をやすやすと町に入れたりしないと僕は記憶していた

グラン「まあな、こっちもゴタゴタ言ってられねえ状態なんだよ。ロクでなし供を全部捕まえてたら町が賊で埋め立てられちまう」

エリス「騎士団の方もこの件に対しては協力的と父から聞きました」

ロット「な、なるほど」

キリュウ「じゃあ、政府の奴らが悪人どもをけしかけて、この町を潰そうとしてんじゃねえのかヨ」

イヴ「確かにその流れで、盗賊の方達も捕まえられますね」

ロット「どうだろ、もしそれが目的なら協力なんてせずに、耐えかねたギルドが政府に助けを求めてくるのを待ちそうなものだけど…」

キリュウ「……お前意外と発想がエグいヨ」

ロット「なんだい、君の推理を検討しただけじゃないか」

でも確かに、噂を流している張本人の目的が掴めないと解決しない気がするなこれは…
386 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 18:01:22.23 ID:POTHeo8j0
リゼ「あ、例の騎士が来たみたいだね」

リゼさんは窓の外を覗きこんでそう言った
賊達を回収しに来ただけなら、とりあえずここにいれば僕達の存在は見つからずに済みそうだけど

ロット「少し探ってみるか…」

イヴ「ロットさん?」

ロット「イヴ、少しだけ帽子を返してくれるかな?」





エルヴィン「ああ、今日はざっとこのぐらいだ」

騎士「毎度ご苦労様です。いっそ我々も直接警備したいぐらいですが、上の意向でこれ以上の協力は…」

エルヴィン「構わないさ、あんた達が悪いわけじゃないし、この町にはギルドの流儀がある」

騎士「左様ですか、こちら収容所も随分手一杯になって来ました、そろそろ終息して欲しいところですが」


ロット(なるほど、少なくともこの件では友好的な関係が築けているみたいだ)

賊達はどんどん町の外に連れ出されて行く

ロット(さて…あの人かな)

騎士(指揮者)「どうだ、まだいるか?あれらで全部だな、なら満員になった所から収容所に戻ってくれ。…はぁ」

ロット「すみません、少しよろしいですか?」

騎士(指揮者)「はい?」

深く帽子を被った僕は指示出していた騎士に話しかけた

ロット「僕はロン・スクヤードと申します。少しこの件について聞きたいことが」

騎士(指揮者)「なんだい?ジャーナリストか何かかい?」

ロット「ええ、そんな感じです」

キモン「ふーん……、僕はキモンだ。何が聞きたい?」

ロット「いえ、なにぶんたまたま居合わせたもので、状況をあまり把握してないのですが、この襲撃者達はどうされるんですか?」

キモン「どうすると言っても、最寄りの『ヤスクワルト収容所』に収容するんだ、処分は後ほどだ。ツカーテへの襲撃が止んだらまとめて処理するんだろう」

法的措置は後回しか、さっきエルヴィンさんと話していた騎士も手一杯と言っていたが、収容所がいっぱいになってしまっているんだろう

キモン「おかげで、ウチ勤務の騎士達は疲れ果ててるよ。僕も上に応援を頼んじゃいるんだけどね…はぁ」

ロット「頼む…あなたはその収容所の?」

キモン「ああ、所長をやってるよ。と言っても異動して来たばかりだけどね」

ロット「なるほど、それは災難でしたね」

キモン「おっと、それじゃ我々も引き上げないと…ではまた…」

387 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 18:07:54.89 ID:POTHeo8j0
ロット「あ、最後にいいですか?」

キモン「なんだね?」

ロット「最近スタット街で一騒ぎがあったみたいですが、ご存知ですか?」

キモン「ああ、なんか魔物が住み着いてたらしいね。大騒ぎだったらしいけど被害はそこまで出なかったって聞いたよ」

ロット「そうだったんですか、良かった。実はスタット街に友人がいた者で」

キモン「それなら教える事ができて幸いだ、それでは」

ロット「ありがとうございました」

その人を見送った

ロット「ふぅ……」

僕達の事はそんなに騒がれていないのか?
それとも機密扱いで一般人に公表はしないのか
とにかく帽子を被っただけで正体が割れないなら、直ちにどうという事はなさそうだ

そしてヤスクワルト収容所…行ってみたら何かわかるだろうか?
388 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 18:17:18.23 ID:POTHeo8j0
エルヴィン「おう、どうした」

ロット「あ、エルヴィンさん。どうも」

僕は脱帽しながら、振り向いた

ロット「いえ、少し聞き込みを。それにしても驚きました」

エルヴィン「ん?ああ、俺たちが騎士団と上手くやってる事か?あの収容所の連中は話がわかるから今だけ休戦してるんだ」

ロット「お互いよくその気になれましたね?」

エルヴィン「まあ、ある差し金があったからな」

ロット「差し金?」

エルヴィン「おっと、俺は本部に戻ってやる事がある。鍛冶屋に戻るなら娘に早めに戻るよう伝えてくれ」

ロット「あ、はいわかりました。お疲れ様です」


彼はスタスタと去って行く
差し金については分からず終いだ

ロット(妙に話を切り上げられたような気がする…)

389 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/10/15(日) 18:30:23.48 ID:POTHeo8j0
〜鍛冶屋〜

キリュウ「お、戻って来たヨ」

リゼ「おう、おかえり坊や」

ロット「えっと、ただいまです」

そろそろ坊やはやめてほしい

イヴ「どうでしたか?」

ロット「うん、そこまで焦る必要もなさそうだ」

帽子を返しながら答える

イヴ「そうでしたか、安心しましたわ」

ロット「まあ油断は禁物だけどね」

イヴ「もちろんですわ」

そういうと彼女は帽子を被り直した

キリュウ(すっかりその帽子も持ち主が変わったみたいだヨ)

リゼ「なんだい、あんたらやっぱり何かしたのかい?」

エリス「そんな風には見えないですけど……」

ロット(さて、どう言い訳するか)

グラン「……まあ、事情はあるんだろうよ。それより坊主、その腰に刺さってるやつ、まだ使えるのか?」

ロット「え、なんで気づいたんですか?」

僕は折れたシルバーレイピアを見せた

グラン「俺が何年この道でやってると思っとるんだ。そんなナマクラでこれからもやってくつもりなのか?」

390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 12:30:52.13 ID:gfgMXIzWO
待ってるよ
391 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/18(土) 15:58:56.91 ID:jbWa+deco
ロット「いえ、流石にこれをこの先も使っていくわけには…、果物ナイフとしてなら使えるかもしれませんが」

アハハ、と笑いながらそんな返答をしてみる

グラン「はん、バカ言ってんじゃねえ、そんなもんで切ったリンゴが食えるかってんだ。それよりマシなもんなんか、探しゃいくらでもあるぞボウズ」

僕とは対照的にガハハと笑うグランさん

ロット「え、ええ…そりゃごもっともで」

キリュウ「探す必要もねえんじゃねえのかヨ?」

キリュウがそう言うとグランさんは笑い声を止め、ニヤリとした

ロット「ん?」

イヴ「あ、そうですわ!鍛冶屋を営んでらっしゃるんですよね?」

ロット(あ、そうか。ここは鍛冶屋…)

色々あったせいで、すっかり忘れていたけど、グランさんはここの親方という話だった
なるほどなるほど、この折れたレイピアの話題を持ちかけてくるわけだ

キリュウめ余計なことを…

リゼ「お、坊や何か持ってくかい?自慢の一品だらけだよ、ここの武具は」

ロット「えー、生憎、高品質な武器に見合うほど手持ちが…」

と両手をヒラヒラさせる

グラン「へ、なんだそんなことか、期待しちゃいねえよ」

こっちも期待していなかった返答が返ってくる

リゼ「坊やはさっきの人騒ぎに加勢してくれたからねえ、そういうことだろ親方?」

グラン「おうよ、働き者ってのは見合う報酬があってこそだ、ここは鍛冶屋であって武具屋じゃねえ、なにか考えてやってもいいぞ?」




392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 16:08:44.20 ID:gPui3oPA0
更新待ってたよ!
393 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/18(土) 16:15:41.02 ID:jbWa+deco
ロット「あの、それは大変ありがたい限りなのですが…」


―――――――


イヴ「・・・・・」

キリュウ(あーあ、始まったヨ)

エリス「あの、ロットンさん、なんというか困っているように見えるんですが、何かご事情が?」

ロト坊の態度に違和感を感じたらしい、まあ普通の奴なら願ってもねえ話だろうヨ
こっちの鍛冶屋娘は商売熱心ってわけじゃねえみたいだヨ

イヴ「ええ、私にもわからないのですが…ひょっとしてあのレイピア気に入っていらしたんでしょうか?」

キリュウ「気にいる?とんだ冗談だヨ、あいつが剣を気にいる訳がないだろヨ」

イヴ・エリス「?」


イヴ「えっとつまりは?」

キリュウ「あいつ安もんが好きなんだヨ」

エリス「もちろん私は戦わないからわからないけど…武器って良いものに越したことはないものなんじゃ」

キリュウ「武器だからだヨ」

エリス「どういうことなの?子猫ちゃん?」

キリュウ「あ??」

イヴ「キリュウさん!」

キリュウ「ちっ…あいつの本業はあくまで探偵、戦うことは本職じゃないヨ」

キリュウ「それに、戦闘で何か手に負えないことに直面したときはさっさと撤退する事を念頭に置いてるんだヨ」

394 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/18(土) 16:26:32.52 ID:jbWa+deco
キリュウ「そんな時、例えば剣を弾かれてしまった時なんかに、わざわざ拾いに行きたくなるような武器は欲しくないんだとヨ」

エリス「あー、なるほど…」

イヴ「あんなにお強いのに…」

キリュウ「ワレ様もどうかと思うけどヨ」


キリュウ「あ、ちなみにワレ様が首にかけている魔法媒体は、一級品のラピスラズリだから話は…」


エリス「おじいちゃん!リゼさん!そんな急にお話を持ちかけてもお客さんは困惑しちゃうでしょ!」

リゼ「あー、うん。そうかもねぇ…」しょんぼり

グラン「なんだよ、ありがてぇ話じゃねえか?なぁボウズ」

ロット「いえ、少し考える時間が欲しいと言うか…ほら、まだ剣も見てませんし」

エリス「ほーら」

グラン「うっ…」


キリュウ「話、まだ途中だったのにヨ」

イブ「まぁまぁ!!」

395 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/18(土) 16:39:26.06 ID:jbWa+deco
―――――――

エリスさんが助け舟を出してくれたおかげで、なんとか商売熱心な二人から逃れることは出来そうだ…
どうやらエリスさんには腕っぷしの立つ二人も、弱いみたいだった

ロット「とはいえ…」

僕はもう一度折れたレイピアに目をやる
新しいものを用意しないといけないことには全く反論の余地がない

できればレイピアか細身の剣がいいなぁなんて思いながら、この鍛冶屋を少し見回してみると
気になるものが…

ロット(あれ、もしかしてこれ…)

大きな箱、そこにはさほど価値のなさそうな武器が乱雑に置かれていた
なにより…


リゼ「あれ、なにやってるんだいあいつは?」

エリス「どうか、されましたかロットンさん?そこにあるのは、売り物にならない失敗作や、ここで直接武具を買っていった人達が置いて行ったものなんですけど…」



キリュウ「おい、小娘。荷物をまとめておけヨ」

イヴ「え??」
396 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/18(土) 16:50:11.74 ID:jbWa+deco

グラン「「「出ていけこのロクでなしどもが!!」」」


店から叩きだされたのはそれから、間もなくのことだった

ロット「……なんで??」

イヴ「あたりまえですわ!」

ロット「え?」

イヴ「彼ご自慢のもっといいお品物がたくさん置いてあるなか、たまたま置いてあった使い古しのシルバーレイピアに目を輝かせていれば不機嫌にもなります」

ロット「ああ、なるほど、そういうことか…悪い事したなぁ」


初めてイヴに怒られた気がする
鍛冶屋にはあまり縁がなかったからなぁ…

キリュウ「まったくヨ」

ロット「…まあ、武器はなんとかするさ。まだ全然買い物してないし、ついでに手ごろなものを調達しよう」



今日は一度宿に戻ることにした
旅の支度と、頻発的襲撃事件の調査は明日に持ち込みだ
397 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/18(土) 16:56:46.24 ID:jbWa+deco
更新が途絶えてしまって申し訳ありません


↓1〜3夜自由行動選抜

※なんでもありです。誰かに出会うでも、戦闘イベントでも、買い物でも。詳しく書いてもらっても簡単に書いてもらっても構いません。これからこの自由行動系の安価を増やそうと思います
何もでなかった場合はこちらで進行します

パーティ
・ロットン

>>257より 職人と冒険者の町【ツカーテ】

冒険者や職人を支援するギルドを中心とした町。
石造りの家屋と市場に集う屋台。絶えず響く鍛冶屋の鎚の音が印象的。
二つの大きな街道の交差点に位置し、東側には海に向かう大河が流れており、交通の要所としても有名。
宿、商店、鍛冶屋などなど、「ツカーテに来て揃わぬものなし」と言われるほど商業が発達していると同時に、多くの情報が集うため情報屋の激戦区でもある。
町全体を通して自立意識が高く、ギルドの組織している自警団は騎士団や国とのいさかいを起こすことが多い。その為国とは仲が悪いが、多くの冒険者や商人達を味方につけているため国としても手を出しづらい町である。
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 17:00:13.42 ID:983I8Omw0
ロットンがイヴと夜に2人で街を散策
(キリュウは空気読んでかはいない)
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 17:02:41.18 ID:gPui3oPA0
自警団のリーダーのジャック(≫290)が「手伝ってくれた礼がしたい」と尋ねてくる。
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 17:11:01.78 ID:AmkH+ZfmO
今のうちに情報屋を探しておこうと裏通りへ
そのなかで腐れ縁の情報屋(>>34)と出逢い情報交換することに
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 17:16:03.40 ID:983I8Omw0
個人的には>>1には書かれたキャラ全員使わなくていいと思う。使えるキャラだけ選んで
402 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/20(月) 09:51:10.31 ID:IYSwyNE70
〜宿〜

一騒ぎ終え、僕たちは適当に夕食を取り宿に戻った
まだ暖かい季節なので、日が落ちるまでにはもう少し猶予がある

僕は、メモ帳とペンを片手に考え事をしていた

ロット(ふむ、『ヤスクワルト収容所』と…これで関係図はまとまったかな?収容所については詳細を調べるとして…そういえばエルヴィンが気になることを言ってたような)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>388
ロット「いえ、少し聞き込みを。それにしても驚きました」
エルヴィン「ん?ああ、俺たちが騎士団と上手くやってる事か?あの収容所の連中は話がわかるから今だけ休戦してるんだ」
ロット「お互いよくその気になれましたね?」
エルヴィン「まあ、ある差し金があったからな」
ロット「差し金?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ロット(差し金とは一体…?)

キリュウ「ロト坊、考え事なら口に出さずにやれヨ。うるせーヨ」

ロット「キリュウ、襲撃の時その要素を遠くからずっと見てた奴とかいなかったかい?」

キリュウ「たくさんいたヨ、戦えねえくせに様子は気になる野次馬なのか、単に心配で眺めてるのか」

ロット「ああ、そうかたくさんいるかぁ」

キリュウ「…んで?謎解きの時間かヨ」

キリュウが僕の考えを知りたい時は決まってこう聞いてくる

ロット「いや、まだ何もさ。強いて言うなら、何度もこの街を襲撃させて、その要素を観察」

ロット「この体制の穴を見つけた本命の盗賊団のご登場。とかだろうかね」

キリュウ「でもしっくり来ねえのかヨ」

ロット「まあ無理だと思うから、参加してみてわかったけど、ここの防衛力は凄まじいよ、役割分担もしっかりしてる。穴があったとしても、並の盗賊団じゃ戦力が足りないさ」

ロット「仮にツカーテ自警団が全員休んだって、常に多くいるこの街にやってきた滞在者(戦士たち)だけで事足りるよ」


403 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/20(月) 10:32:59.07 ID:IYSwyNE70
>>402
訂正:
要素→様子
404 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/20(月) 10:46:23.64 ID:IYSwyNE70
ロット「問題なのは滞在者の方だよ。この街にいる人は1日で目まぐるしく変化する。当然戦い方もひとによって様々だ」

キリュウ「例えば?」

ロット「大きな得物を担いで大声を上げながら軍勢を蹴散らしていく戦闘狂のような輩もいれば。僕みたいに誤魔化すのが得意な人もいる」

キリュウ「いやお前みたいのは、他にはいないと思うんだがヨ」

ロット「静かにしたまえ。何人かでパーティを組んでここに訪れている人達だって当然いるんだ。その全体の性質は日によって違うから、そもそも攻略法を立てることが現実的じゃない」

ロット「……まあ、まだ何も分からないんだけどさ」

キリュウ「へー」

ロット(相変わらず問うてきた割には、興味なさそうに聞くなぁ…)

キリュウは僕の話を聞きながら、砥石爪の手入れをしていた
爪でシャキン!と引っ掻いたりとかしない癖に

コン…コン

話がひと段落したいいタイミングで、部屋のドアからノック音

ロット「どちら様ですか?」

イヴ「私です。イヴです」

僕はそれを聞くや否や、少し早足でドアを開けた
405 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/20(月) 14:34:09.28 ID:Y5Rm7HNX0
ロット「や、やぁごきげんよう!」

イヴ「こんばんわ…ひょっとして間が悪かったでしょうか?」

ロット「とんでもない!いつでも歓迎さ」

自分の家でもないくせに歓迎してどうする

ロット「それで、どうしたんだい?」

イヴ「よろしければ、少しお出かけしませんか?」

お出かけ?
正直予想もしていなかった

ロット「構わないけれど、もう日が落ちるところだよ?」

イヴ「ええ、でも部屋に引きこもるにも少し早いかと思いまして。夕食も済んでいますし…その、まだ街のお店もやっていますし、見て回りたいと言いますか…」

確かにそれはある。普段の僕なら、この時間はまだうろついているものだ

つまるところ…暇なのだろう
無理もない、彼女はそこそこ好奇心のある方だと見えるし

ロット「うん、わかったよ。キリュウはどうす…ん?」

さてキリュウはというと窓を開けて外に出ようとしていた

ロット「行かないのかい?」

キリュウ「ワレ様はいけ好かねえモグラに会ってくるヨ、勝手に二人でいけヨ」

そう言ってピョイっと外に出て行った
だから何者なんだそのモグラ

イヴ「昨夜のモグラの方に会っていたみたいですが」

ロット「たまにいるんだよ、変な友達が」
406 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/20(月) 15:43:16.78 ID:Y5Rm7HNX0
〜街中〜

まだ比較的明るい商店街を、僕の探偵としての経験を話しながら歩いた

ロット「ああ、それでそのお爺さんの隠し財産の場所が突き止めることができたんだよ。結局教えなかったんだけどね」

イヴ「ふふ、色んな事件があるんですね」

ロット「何しろ穏やかな世の中じゃないらしくてね。皇帝と愉快な仲間達のお考えはよく分からないし、騎士団にも妙な奴らがいるみたいだし、王国の方から悪い人達が密入してるとかいう噂もあるし」

うーん、そう考えると悪情勢はもうじきピークを迎えそうな気がする

イヴ「………ロットさん」

ロット「何だい?気になるお店でもあったのかね?」

気軽に振り向きながらそう聞くと
立ち止まったイヴは、話を楽しんで聞いてくれていたさっきの雰囲気を一転させていた

至極真剣な顔をしている
やはり美人…ゔぉっほん!!凛々しい表情だ!!

イヴ「あの、ロットさんはなぜ探t…「「おい、あんちゃん!」」

しかしその真剣な声は、不愉快な大声で遮られた

???「おい、あんちゃん。兄ちゃん。お前さんだよお前さん」

繰り返しそう呼びながら、おっさんがだいぶ遠くから上機嫌で駆け寄ってきた

ロット「……やっぱり僕の事ですか」

???「他に誰がいるってんだ」

ロット「たくさんいると思いますが…」

大声だったものだから、すっかり注目を浴びてしまっている
そして話を遮られたイヴは少々むくれている

???「まあ細けえこたぁいいじゃん」

良くない

???「ちょっと面貸してくれや」

できるなら貸したくないが
何もかもを御構い無しに肩を組んでくる

ロット(酒くさ!!)

???「お、嬢ちゃんお連れさんかい?どうだ、嬢ちゃんも一杯やらねえか?」

イヴ「いえ、あの…その…困ってしまいます」


ロット「ええぃ!どちら様ですか!!?というか、本当に僕が誰だかわかって近寄って来たんですか??」

この酔っ払いようだと、僕を友人か何かと勘違いしていてもおかしくはない
当然僕は知らない
407 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/20(月) 20:01:21.67 ID:+9kMQT2z0
???「あぁん?探偵ってのはお前だろぉ?違わねえ筈だぞ?」

残念彼は知っていた
悪寒がする

ロット「どうして知ってるのさ……」

イヴ「お、お知り合いですかロットさん?」

ロット「いや、そんなはずは…」

???「ふぃ、親方がそう言ってたんだよ」

イヴ「親方さん?」

ロット「なるほど、グランさんだ」

合点が行く
僕は余りの酒臭さから、軽い頭痛を憶え
顔に手を当てながらそう言った

どうやらここの住人はみんなグランさんの事を親方と呼ぶらしい事が判明

この酔っ払いは僕達が去った、いや追い出された後にそこ(鍛冶屋)にお邪魔したのだろう
そこで僕の話をするグランさんはビールを飲んでいたはず
で、流れで飲みまくったと…

イヴ「という事はあの鍛冶屋さんの、お弟子さんでしょうか?」

親方と呼ぶくらいだからそう考えるのは当然だ
でも…

ロット「いや、違う。多分グランさんの事を親方と呼ぶ人は他にもたくさんいる筈だよ。非常に信じ難い事だけどこの人…」

僕は空いた手の指を彼の袖に向けた
その指の先には立派な腕章が付いている

ロット「わかるかい?」

イヴ「これ自警団の人達が付けていたものと……いえ、似てるでしょうか??」

イヴは若干離れた場所からその腕章を確認していた

ロット「うん、戦っている時に気づいたんだけど、この腕章、二つの種類に分かれているみたいなんだ」

ロット「一つはここの住民でもある団員、そしてもう一つが短期間雇われた外からの団員、旅人とかだね」

この二つは区別できるようにしてあったのだ

ロット「だけどこの人の腕章はそのどっちとも違う、つまり……!?」

???「ヒック」

この人どんどん体重かけてきてるような…重い!

ロット「はぁ…つまりこの人多分、リーダーなんだよ。自警団の」

イヴ「えぇ!?」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/20(月) 23:18:05.70 ID:8vm4JjEM0
更新乙です。
409 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/21(火) 15:16:09.48 ID:5t5bVmGl0
さてこの呑んだくれはジャック・テンペルという方らしい
なぜ「らしい」なんて曖昧な表現を使うかというと

ジャック「ZZZzzZz……」

ロット「重い…」

僕に肩を預けたまま睡魔に打ち負けたおじさんが誰だか、どこに住んでるかは通りがかりの親切な方が教えてくれたからだ

イヴ「書いてくれた地図通りだとすると、ここがジャックさんのお宅、という事になりますわ」

ロット「う、うん」

リーダーという事だから水準以上の住処を構えているもの…なんて偏見があるが
そうではないにしても、お世辞にも綺麗とは言えない
口には出せないが年季の入ったボロっちい家だった

まあ僕の事務所も似たり寄ったりなんだけれど…

ロット「さて、どうするかな。ジャックさんに起きてもらえれば……」

そんな事を考えているところで、イヴが行動を起こしていた

コン…コン!

イヴ「ごめんくださいませ、どなたかいらっしゃいませんか?」

ロット「イ、イヴ?」

イヴ「あ、申し訳ありません勝手に…でも、起こさずに済むのでしたら、そうしてあげたいですわ」

確かにぐっすりと眠っているし、泥酔していた事も考えると
相当荒々しく起こす事になりそうではあった

ロット「うん、わかったよ」

彼女の気遣いに、僕は素直に感心した
…そろそろ肩が限界だけれど
410 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/21(火) 16:10:41.91 ID:5t5bVmGl0
キィィ…

イヴ「あら、突然すみません。ジャック・テンペル様のお宅はこちらでしょうか?」

???「こんばんはです。はい、確かにここなんですが、リーダーにご用事でしたら、いま不在で……」

中から出て来たのは小さな女の子だった
しかし、来客の対応には慣れているのか、この時間の突然の来訪者相手にも特に物怖じする様子はない

ロット「あ、そのリーダーなんだけど、この人かね?」

ジャック「ZZZ」

???「………ごめんなさい、すぐ戻ります」
と、状況を理解したのか、奥に入っていった
30秒くらいでまた急ぎ足で戻ってくる

???「はぁ…」

ため息を吐きながら戻ってきた彼女の手にはフライ返し

そのまま僕に前まで来ると、そのフライ返しを振り上げた

ロット「え…?いや、ちょ!?」


ベシーーーーン!!!
411 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/21(火) 17:55:42.01 ID:5t5bVmGl0
〜ジャックの家〜

ジャック「痛ってぇ、酔いが覚めちまった」

ミルカ「毎日毎日飽きもせず酔いどれるリーダーがいる??」

ジャック「んなこと言ったら、食いもん扱う道具で大人の事ぶっ叩くガキだっていやしねえよ」

ミルカ「ガキじゃありませんもん」

ジャック「ガキだよガキ、そう見えるとかじゃなくて10歳ぽっちだろうがテメェ」

ミルカ「そう決めてるだけで、本当は12か13ぐらいかもしれないじゃない!」

ジャック「……てぇして変わりゃしねえじゃねえか」

ジャックさんを叩き起こした、その娘ミルカは僕たちの事を家に招き入れてくれた
着々とお茶の準備を進めるミルカさんと、少し小さめなちゃぶ台を挟み、僕達の正面に座るジャックさんはずっとこの調子だ

ロット「あ、あの……」

ジャック「ん、ああ悪ぃな。あんちゃん賊退治に加わってくれたんだろ?礼がしたくてな」

少なくとも僕に用事があった事は確かなようだ

ロット「いえ、それには及びませんよ。僕が無力化したのなんて3人だけですし」

ジャック「3人??何言ってんだ?」

ロット「へ?」
412 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/21(火) 19:24:19.48 ID:5t5bVmGl0
ジャック「お前さんが賊の一人を立派な氷細工に変えたもんだから、それを見たバカな賊の何人かが戦意喪失したんだよ。敵さんの士気に多大な影響を与えたってこった。考えたな兄ちゃん」

ロット(うわ、偶然…あと呼び方統一してくれないかな)

ロット「でもあの程度、魔法都市シュトルベルンとその周辺では日常茶飯事ではないですか。賊に魔法の知識がある人いなかったんですか」

ジャック「ああ、誰もいなかった。今回の襲撃は脳筋ばっかりだったよ」

ミルカ「おとうさんもそうじゃない」

ジャック「う、うるせぇ!」

ミルカ「それにしてもお兄さん魔法使えるんですね!いいなぁ、私も剣とか斧とかは使えないけど、魔法があれば自警団員として戦えるのに……」

413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 22:05:55.79 ID:FTgkdiLK0

明日もくればいいな
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 22:37:19.91 ID:qQeIZeXK0
乙です
415 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/22(水) 10:00:28.52 ID:LE2xJgeI0
ジャック「……」

ジャックさんは、娘のその言葉を聞くと少し複雑な表情を浮かべた
危険を犯してまで戦って欲しくないのか
別の意図があるのかは分からない

あと横にいるイヴが(魔法…魔法ですか)と微かに呟くのが聞こえてきた

ミルカ「もしよければ、魔法を使う上での心得みたいなものを教えてくれませんか?いつか絶対覚えようとは思ってるんですけど、何からやればいいのか分からなくて…」

ロット「ううん、僕、魔法使えないんだよ」

ミルカ「え?」

ジャック「なんだ、じゃあありゃ手品か何かか?」

ロット「えっとジャックさん。あれは僕の…仲間の魔法の力で、実は僕自身は魔法はからっきしダメなんですよ」

ジャック「そういうもんなのか。この町にも魔法なんかを使う奴はそう多くねえから、よく知らなかった」

ロット「ええ、それに魔法を使えてもそれだけで戦っていくには相当極めた人でないと難しいと聞きます」

僕はミルカの方へ視線を移しながら続けた

ロット「魔法を使うっていうのは、武器を振るう事とは違う形で体力と精神力を消耗する。無理をするとそれ以上に体に負担がかかるらしい。極めるのは剣なんかよりも断然難しい」

イヴ「そうなんですか??」

ロット「うん、そして素質も大きく関わってくる。ちょっと見てて?えーと…」

僕は、鞄から小さな石を取り出す

イヴ「そちらは?」

ロット「ソーダライトっていう鉱石さ、キリュウがぶら下げてるラピスラズリの関係者……もう残り少ないな…」




416 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/22(水) 16:28:49.81 ID:FwuYTeNQ0
僕はそれを持った手を突き出し、一回深呼吸した

ロット(よし…)

ロット『凍てつく氷の盾よ!我が身を守…』

バチィィン!!

ミルカ「!?」
イヴ「きゃ!」
ジャック「おっと!」

僕の詠唱は途切れ、代わりに何かが僕の手で弾ける音が響く
3人の驚く声が重なった


ロット「痛てててて……全部言わせてすらしてくれないのか……」

イヴ「お怪我はありませんか!?」

ロット「うん、大丈夫だよ。でもこのソーダライトは…」

ジャック「粉々だな」

ミルカ「それに…さっきまで綺麗な青色だったのに、ただの石になっちゃったみたい」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/22(水) 21:54:57.65 ID:S7ZVJ3J20
乙でした
418 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/23(木) 18:18:58.73 ID:4T7XpFYXo
ロット「一般的に魔法を使うって言うのは、魔力をこういった鉱石や宝石、人の手で作ったものだと、色々書いた魔導書などという『媒体』に一度蓄積させ、それを放つという事らしいです」

ロット「魔法を使えない人が使おうとするとこうなる。僕のソーダライトもただの石ころと化しました。これでは磨いて飾りにすることすらできません」

ジャック「分かっちゃいたが、あれってただ口上を覚えりゃいいってわけじゃないんだな」

ロット「はい、それこそ素質が関わる要素で、こうやって詠唱をしつつ、頭の中で、あらゆることを処理し、計算し、意識し、集中し、…僕らにはよくわからない感覚をつかむ必要があるらしいです」

ロット「素質のある人はその感覚を自然に身に着け、訓練した人では、詠唱なんかしなくても発動できる人だっています」


僕もスタット街で痛い目に合っている


ミルカ「…さっき、お兄さんが使おうとしてた魔法はどんな魔法なんですか?」

ロット「僕が唱えてた魔法は、氷の板を正面に展開して、敵の攻撃から身を守る『アイスシールド』、氷魔法を使う人なら基本中の基本らしい」

イヴ「じゃあ、キリュウさんは使えるのですか?」

ロット「キリュウに至ってはもっとすごい守る手段を何回も使えるから、もはや『アイスシールド』に用事はないよ」

イヴ「そ、そうなのですか」


ミルカ「…でも、努力すれば使えるようになるんですか?」

ロット「もちろん、僕なんかは少しだけしか練習してないからね。努力して覚えた人も数えきれないほどいるよ」

少しだけミルカさんの表情が明るくなるのに気づいた

何年か前に、魔法と言うものに憧れを持ったのは僕だって同じだ
文句を言いつつも付き合ってくれたキリュウを裏切るように
3日で投げだしたのを覚えている

ロット「でも、どれだけかかるかは分からない。シュトルベルンにある学校に通って、結局習得できなかったなんて例もあるからね」

ミルカ「そうですか……」
イヴ「そうですか…」

419 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/23(木) 18:40:13.80 ID:4T7XpFYXo
ロット「イヴ?」

イヴ「あ、いえ、なんでもございませんわ!もしよろしければ私もキリュウさんに教えを乞おうなどとは…」//

多分、奴は教えてくれないだろうけど…


ロット「いいかい二人とも?僕が話したかったのは魔法習得の難しさじゃない」

「二人」と聞いたイヴが少し恥ずかしそうにしている。

ジャック「ああ、そうだなロットン」

ロット「ロットとお呼びください」

ロット「最初に言ったけど、魔法は剣よりも体に負担がかかるものだ、限界が来れば初級魔術すら使えなくなるし、無理をすれば動けなくなってしまう事もある」

ロット「魔法が使えなくなってしまえば下がるしかなくなる、動けなくなってしまえば敵にとっては格好の的だしね」

ロット「過信は禁物なんだよ」


大切なのは魔法以外の攻撃手段を用意しておくことや、他人との連携ができるようになること
と言いたいところだけど

ロット「大切なことは自分にできることを全力でこなすことだよ、戦うこと以外にもたくさんあるんだからさ」

ミルカ「そう、ですね。リゼお姉さんみたいに戦ってみたいって少しは思ってたんですけど…私は今まで通り自警団のサポートを頑張ってみます」

イヴ「自警団のサポート?」

ミルカ「はい、こう見えて私色々…

ピィーーー!!


ジャック「おっと、やかんか…」

イヴ「いいよ、座っててお父さん」

ジャック「お、おう」
420 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/23(木) 20:19:36.24 ID:4T7XpFYX0
すいません明日はもうちょっと書きます
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 20:33:11.39 ID:1ctulIhWO
乙でした。
422 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/24(金) 11:12:49.57 ID:XpWjYrgY0
イヴ「あの子、見た目よりもずっと立派ですね」

ロット「ミルカさんって、娘さん…何ですか?」

ジャック「お、察しがいいな、どうしてそう思った?」

ロット「さっき10歳と決めてるだけだって、と言ってたので」

イヴ「はい、こちらでは歳を自分で決める文化でもあるのかと思いましたわ?」

ジャック「間違いなくそんな文化はねえが、なるほど、そりゃ変に思うわな」

ジャック「その通り、ミルカはどこのどいつが産んだのかすらわからねえ。そういう奴だよ」

ジャック「そもそも俺には嫁さんがいねえしな、ハッハッハ」

ロット・イヴ「……」

さっきまでの酔っぱらっていた状態のジャックさんを思い出す
まあとてもじゃないが女性は寄り付かなそうだ

ジャック「おい黙るなよ」

ロット「コホン、失礼しました」

ジャック「まあそんな事情もあり、俺が酒と女にだらしないせいか、苦労もかけちまってる。部下やギルド長にはよく、親子というより夫婦みてえだ。とからかわれる日々だ」

イヴ「でもそれだけ仲睦まじく見えてらっしゃるって事ですわよね?」

ジャック「さぁな…ま、これが続けばそれでもいいんだと思うけどな」

423 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/24(金) 11:32:17.07 ID:XpWjYrgY0
ジャック「そういう意味ではあんちゃん。アンタが話してくれた事はありがたかった。これでアイツが無茶な事をする心配が少しは減ったよ」

ロット「いえいえ、そんな」

ジャック「いや俺が言うより余所モンが言った方が聞くんだよこう言うモンはな。こりゃお礼は弾まねえと…な?」

そういえば元々そんな話だったような気もする…

ロット「あの今日の襲撃についてですが、本当にお礼なんてほどの事はしてませんよ?それに僕は自警団契約などしてませんから」

ジャック「だからこうやってわざわざ探し出したんじゃねえか。勝手に加勢するくらいなら、自警団に入っててくれてればもっと円滑に報酬を渡して終わりだったんだよ」

ああ…なるほど
でもそんな僕をわざわざ探し出す辺り、義理堅い組織である事は確かかもしれない

ロット「わざわざ探してくれただけで十分ですよ。ここはお気持ちだけと言う事で…」

ジャック「いいや、アンタにはこれからもっと厄介な事に首突っ込んでもらうんだ。何かしら渡しておかなきゃ気が済まねえ」

ロット「へ?…あの、一体どう言う?」

ジャック「とぼけたちゃいけねえよ。親方から聞いたんだ。よく言ってくれた。てぇしたもんだ」

話がイマイチ飲み込めないが、グランさんが何か言っていたとするなら

イヴ「あの、ひょっとして襲撃についての調査の事ではないでしょうか??」

ロット「うん、多分そうだね。ジャックさん」

ジャックさんは大きく頷く
424 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/24(金) 11:55:44.98 ID:XpWjYrgY0
なるほど、つまりは着手金を渡したいという事だろう
僕が途中で投げ出しにくくなるようにと…

ジャック「とりあえずはここに商店街の割引チケットやら商品チケットをたんまり用意しておいた、役立ててくれ。金が欲しいなら言ってくれればいくらか工面…」

ロット「いえ、結構です」

ジャック「おっと?」

ロット「問題が解決するまで報酬は一切受け取りません。それは僕が探偵として仕事をする上でのポリシーなんです」

ロット「心配しなくても、僕は受けると決めた以上、無責任に放ったらかして消えたりはしませんよ。もしも、本当に手に負えなくなってしまったらその事を正当な理由と共に、正直に打ち明けます」

ジャック「ほーう、なんか兄ちゃんが無責任じゃねえ根拠はあるのか」

ロット「僕、やりたい事しかやらない主義ですから」

ジャック「つまりこの問題に自分から突っ込んでいくってわけか。どうだ嬢ちゃん、こいつは信用に足る人物かい?」

イヴ「え、私の意見でしょうか?」

ジャック「おう」

イヴ「え、えっと…」

彼女は僕にチラッと視線を流す

ロット「好きなように答えてくれ、レディ」

イヴ「……はい、では僭越ながら」


イヴは少し呼吸を整え、そして満を持して切り出す!
425 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/24(金) 12:28:49.94 ID:XpWjYrgY0
イヴ「わかりません」

僕はちゃぶ台に突っ伏した

ミルカ「お茶持ってきましたよ〜。お、お兄さん大丈夫ですか!?」

ジャック「ハハハ、ズコーっていったな、ズコーって」

ロット「イヴさぁん…」

僕史上今世紀最大に情けない声が出る

イヴ「ごめんなさいロットさん、でも…」

ロット「ううん、分かってるよ。むしろ正解」

正直な感想としてはこれが当たり前だ
ただキッパリと言われると色々と来るものがある

ロット「実は僕たち一緒にいますけど、出会って間もなくて…」

ミルカ「そ、そうなんですか!?」

ジャック「全く面白い奴らだな。で、嬢ちゃん、話まだ途中だろ?」

イヴ「はい」

僕はミルカさんが出してきたお茶をずずっと啜りながら続きを聞く

イヴ「信用で言えば、むしろ私の方がそれに足らないと思うのです。私、事情があって素性をほぼ明かせない身でして…だから私の意見など当てになりませんわ」

凄いかわし方だ、嘘は言っていないし、それでいて自分の意見を述べることを巧みに避けている

イヴ「でも、私が彼の事とても頼りにしている事は確かですわ」

よし、もっと頑張ろう

ジャック「まあどこのどいつか分からねえ奴なんかこの町には山程いるから、全く問題にはならねえが。なんだ、アンタらも色々と込み入ってるらしいな」

426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 23:27:07.61 ID:PRVlvYqk0
更新乙です。
427 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 09:22:59.98 ID:kxXrhUxr0
すいません、どういうわけか
>>17
>>251
でロットンが「17歳」となっていますが、正しくは「15歳」です
おそらくレス番号(>>17)から何かの間違いが発生したものと思われます
訂正します
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 09:32:46.32 ID:a8H9yrRa0
えっ…今更?17歳だと都合悪いことでも……?
てか、イヴよりも年下かよ!?
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 10:38:59.80 ID:GtogCnD2O
この段階で修正か
この15歳に何かあるのか、それともただ単に>>1の拘りか気になる所
430 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:15:35.42 ID:t9r16lAw0
ロット「ええ、まあ…あはは…」

ミルカ「お父さん、どうなの?」

ジャック「まあ主観になっちまうが悪いことする奴らには見えないな、他にお仲間さんは?」

ロット「あと猫が一匹います」

ジャック「ハハハ、いいねぇ。じゃ、改めてよろしく頼む。必要なら収容所の騎士にも話を付けとくが…」

ロット「それにも及びません。すでに収容所の隊長らしきキモンさんとはお話しましたので」

もちろん素性を隠してではあるが

ジャック「行動も速えと来たか、ガキのくせにうまくやるもんだ。ん、今いくつなんだ?」
431 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:19:11.83 ID:t9r16lAw0
ロット「僕は15です。僕達を子供扱いするのは構いませんが、ジャックさんもお酒飲んでばかりいると老化の進行が早くなるのでご注意を」

ジャック「げっ」

ミルカ「言われちゃってる」

イヴ「ふふ…」

後はお茶を頂きながら、たわいもない話をし、お茶飲んでけから始まり、風呂ぐらい入ってけ、泊まっていけとエスカレートするお誘いをはねのけてお暇した。
僕達は宿に戻るため夜道を歩く。

ロット「結局お店はたいして回れなかったね」

イヴ「いえいえ、機会はまたありますわ。それに、代わりに貴重な経験もできました」

ロット「貴重な経験ってどんなところが?」
432 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:21:27.53 ID:t9r16lAw0
イヴ「だって今日だけで、この街のギルドのトップ、元ギルドのトップで鍛冶屋の親方さん、それに自警団のリーダーさんまで、3人も凄いお方にお会いしたのですから」

ロット「…うん、たしかに。冷静に考えると凄いかもしれない」

3人とも会う機会自体はあるかもしれないが、一日でまとめてとなるとやっぱり珍しいというのも頷ける。

イヴ「それにしてもロットさん、私より一個下だったんですね。同い歳だと思っていましたわ」

ロット「え?それは…えっと、すみませんイヴさん」

確かに、なんとなく歳上ではないだろうかという疑問は持ちつつも、対等な話し方をしていた僕だが、はっきりしてしまうと少々バツが悪い。
言ってしまえば、むしろ2歳ほど歳上じゃないかと思っていたぐらいだ。
433 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:23:59.37 ID:t9r16lAw0
イヴ「いえ、お気になさらず、どうか今まで通りお話しください。私は誰と話すときもこの話し方ですから」

ロット「えっと、じゃあ……うん。ここでの滞在期間は予定より長くなりそうだけど。付き合ってもらって悪いね。何か不都合はあるかな?」

接し方についてはイヴが良いと言うのだから気にせず行こう、今更だ。

イヴ「いえ、絶対解決させましょうね!この街にも子供が多く見受けられますし」

ロット「うん、全力を尽くすよ」


宿に戻るとキリュウは既に爆睡していたので、僕もそれに倣ってベッドに横になった。どちらかと言えば寝つきは悪い方だけど、今日はすぐに眠れそうだった。

434 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:26:00.39 ID:t9r16lAw0
〜早朝 見張り台〜

「よぉ、見張りご苦労さん。交代だ」

雇われ自警団の男が一人見張り台に登ると、今まで見張りを務めていた男に声をかける。

「ん?あと二人はどうしたんだ?こっちの早朝見張りは3人だろ?」

「別に俺が早く来すぎただけだよ。二人もじきに来るだろう。上がっちまいなよ。集会所の婆ちゃんがコーヒー淹れてくれてるからよ」

「お、いいな。薄着しちまったから思ったより寒かったんだよ」

「じゃ、俺も上がらせてもらうわ。ふぁ〜寝みぃ」

「俺も今日中にベルマールに向けて出発するから、戻って旅支度だぜ…じゃ、あとよろしく」

三人は降りていく、時間にルーズな他の早朝見張り二人はまだ来ないまま、その男は一人になった。
435 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:30:06.25 ID:t9r16lAw0
「お疲れさん…と、とりあえず一服するか」

男は巻きタバコに火を付ける。
見張り台から町の外を見渡し、遠くの方に魔物の群れがちっと見えるなぁなんて考えながら、一度吸い込んだ煙を吐き出した。

「ふぅ…ん?」

魔物が見えた反対側に視線をやった途端に彼は異変に気付く。

「な、なんだ!?あの大軍は!」

大軍、その言葉通り、いやそれ以上かもしれない。
子供だけでなく大人も多くがまだ寝静まっているような朝早くに、明らかに良識を持っていない柄の人間達がこの町に向かってきていた。

言わずもがな例の襲撃だが、その規模は今までと比べ物にならない。

「くそ、やべえ!他の二人はまだかよ!三人とも帰らせるんじゃなかった。早く鐘を……」

しかし、鐘が響くことはなかった。

「が、はぁ……!そん…な…矢が…!あん…な……遠く………がら……」

男は無念にも危険を住人や滞在者に知らせることもできないまま、息絶えた。


436 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/27(月) 15:36:00.55 ID:t9r16lAw0
一旦ここまで、

ところで設定(キャラ、舞台、その他諸々)の募集でスレがいっぱいになってしまう事を恐れて、一度募集を打ち切っていますが。
自分としても何かしら材料は欲しいものですし、設定を書きたい人もいると思います(いればいいなぁ)

なので、こことは別の場所、ツイッターの方で募集するというのはどうなのでしょうか?
賛同者がいればこのスレ用のアカウントを作ります。
こちらのままで良いという事であれば、また募集する機会を設けます。
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 15:43:15.99 ID:Aga4JFQO0

現状でもデータ(特にキャラデータ)たくさんありますし無理に募る必要もないのでは?
個人的にはこのままで何か欲しい設定ができたときに募集する形でいいと思います。
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 16:27:52.68 ID:a8H9yrRa0
>>437に決定。ノーソンのキャラが少ないから困ったら募集すれば?
(Twitterやったことがないからアカウントを作ってないというのは内緒)
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 16:46:13.55 ID:Edyp/MU4O
キャラや設定に関しては別のスレ建てて募集したほうが人も集まると思うけどなぁ
あと自分は編集したことないから分かんないけど、ここのwiki使って設定をまとめたりするのはどう?
具体的な名前は出さないけど、こことは別のSSが設定をまとめるのに利用してたし
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 18:03:33.04 ID:ns6Wm3M40
>>438
決定じゃなくて賛成だろ
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 18:09:50.25 ID:a8H9yrRa0
>>440
スマン…素で間違えた
442 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:16:22.61 ID:Psv+YpN+0
飛び起きた時にはもう既に、外が尋常じゃないほど騒がしくなっていた。
怒号や悲鳴、窓ガラスの割れる音や、銃声、爆発音。少なくともただ事ではない。

ロット「な、何が起きたんだ…?おい、キリュウ!起きてくれ!!」

堪らずキリュウを揺する。

キリュウ「…あぁ?なんだヨ…?」

我が相棒は目を覚ましてくれたものの、みょーんと体を伸ばし、呑気にあくびをかいてなんかいる。

ロット「ああもう!この騒ぎになんとも思わないのかい!?」

キリュウ「分かってるヨ…んでロト坊?なんでこうなったヨ?」

ロット「いや、分からない。また賊かなんかの襲撃なんだろうけど、それにしたって異常事態だ。一度宿の周り、ぐるりと様子を見てきてもらえるかい??」


ドンドンドン!!
443 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:17:50.38 ID:Psv+YpN+0
あ、募集については今まで通りまた募集する機会を設けます。
ツイッターのアカウントも一応作りましたがまあいい活用法が見つかるまでは放置します(多分使いません)
444 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:21:10.77 ID:Psv+YpN+0
部屋のドアから激しいノック音がした。僕は反射的に叫ぶ。

ロット「誰だ!!」

イヴ「私です!イヴです!!」

ロット「入って!鍵は開いてるから!」

イヴは部屋に入ると振り返りもせずにすぐにドアを閉めた。
バタン!!

ロット「ふぅ…」
イヴ「はぁ…」

二人とも大きくため息をつく

イヴ「おはようございますロットさん。何が起きているんです?」

イヴは顔を強張らせながらも挨拶を忘れない。
彼女の顔を無事見れたこともあって、僕はほんの少しだけ気が緩んでしまう
445 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:23:41.88 ID:Psv+YpN+0
ロット「お、おはよう…じゃなくて!」

ロット(気を抜くな僕!)

一度自分の頬をピシャリと叩き気合いを入れる。

ロット「僕も気がついたらこの状況だったんだ。キリュウ!」

キリュウを掴み上げ窓を開ける、外には火の手すら見え始めていた。

キリュウ「オーケイオーケイ、行ってくるヨ。……ったく、とんだ目覚めだヨ…」

それを返事として受け取り、窓の外に放り投げた。

イヴ「ロットさん、どうされるのですか?」

ロット「さぁ、まだ何とも言えないけど……嫌な予感がする」

騒音は止む気配がない。
この短時間で様々な音を聞いたけれど、その中でも一番耳を劈いた音は、悲鳴でも怒号でも、物音でもない。

恐らく敵と思われる人の声だった。
446 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:25:19.05 ID:Psv+YpN+0
ロット「じっとしてるわけにはいかないか、行こう」

イヴ「キリュウさんは!?」

ロット「大丈夫」
僕はバックから銀貨を一枚取り出した。

ロット「緊急時の合図でね、面はその場で待機、裏側は後で合流の意味なんだ」

窓の側に裏側を上に向けて置く、これでよし!

ロット「行こう!」

イヴの手を掴み駆け出した。

イヴ「は、はい!」
447 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:27:22.49 ID:Psv+YpN+0
〜エントランス〜

玄関扉が軋む音がする。

給仕「あれま、どうしましょどうしましょ!」

ロット「給仕さん!宿にいた他の人達はどうしたんですか?」

給仕「みんな出て行っちまったよ、戦いに行ったのか逃げたのか知らないけど…」

ガタガタ!!

イヴ「ロットさん!玄関扉がもう壊れそうですわ!」

鍵はかかっているのだろうけど、いつ破られるか分かったもんじゃなかった。

ロット(くそぅ、レイピアもないのに!)

僕は仕方なく扉を抑える。

ロット「給仕さん、フライパンを火にかけてください!思いっきり強火で!」
448 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:29:48.26 ID:Psv+YpN+0
給仕「え?フライパン?ええ?」

ロット「いいから早く!」

給仕「あ、あい分かったよ!」

給仕さんはアタフタしながら厨房へ走って行った。
灯油が無いとか言わないでくれて本当に良かった。

ガタガタ、ダンッ!ダンッ!

「「オラ、開けろオラァ!!」」
「往生際が悪ぃぞオイ!!!ウヒヒヒ」

イメージ通りの怒鳴り声、最後の下品な笑い声はなんだ。

ロット「開ける…わけ…ないだろ!」

イヴ「ロットさん!これを取っ手に!」

しめた!閂にちょうどいいモップを取ってきてくれた。

ロット「ありがとう、助かるよ!」

素早く取っ手にモップを通すと、抑えなくてもとりあえずは開かないらしい
449 : ◆YwfwH67PRHMh [saga]:2017/11/28(火) 20:31:18.67 ID:Psv+YpN+0
が、この一本の木製の棒がいつまで持つかわからないのには変わりない。

ロット「よし、今のうちに……」



ミシミシ…バキ!

いよいよ扉が破られた。
斧を手に持つ屈強で悪そうな人が何人かなだれ込んで来きそうだ。

「ヒャッハー!ガキと女は来…」
ロット「大火傷にご注意くださーい!」

威勢の良い文言を言い終わるのなど待たずに、僕は火にかけてあったフライパンで思い切り殴りつけた。

ガーン!!スキンヘッドに命中

「痛!!!アチィィィイイ!!」
450 : ◆YwfwH67PRHMh [saga&]:2017/11/28(火) 20:31:47.54 ID:Psv+YpN+0
一旦ここまで
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 20:36:27.45 ID:FOunb+DG0
乙。
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