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【安価】探偵剣士「一目惚れをしたら冒険が始まった」
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270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/15(土) 20:58:28.04 ID:NhrcLFyq0
名前 ガーロ
年齢 58歳
性格 外道。我利私欲
容姿 胸元が開いた服。成金趣味身を思わせる装飾を付けた黒人
備考 高利の金貸しで、武器売りや奴隷売りなどをしている完全に"黒"の人物。
人呼んで「黒金のガーロ」(黒い金ばかり金の手元にあるから)
「金で買えないものはねぇ」という考えを持ち、信頼や人も金で買おうとする。
ほしいものはどんな手を使っても買おうとしている。遊び好きで女好きでもある。
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/15(土) 21:03:56.27 ID:NhrcLFyq0
>>270
に容姿に「意外とガタイはいい。金色の趣味が悪いサングラスをかけている」と備考に「不動産もしている(どれも悪徳なものだが)」も追加で
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/17(月) 00:41:53.78 ID:SJ8GbQbB0
>>265
の土曜日に更新とは何だったのか……
名前:エリス・カーバイン
年齢:15歳
性格:大人しくドジッ子。ただし、自分を意見を通すときははっきりとモノを言う
容姿:魔女らしい黒い三角帽・黒マントの服装をしており、髪色は緑で薄い緑目。眼鏡で三つ編み
備考:昔から続く魔女の家系に生まれた少女。魔女の血を引く魔法使い。
ただし、昔から大切にされた来たので大人しいの少女。このままではいかないという祖母の考えより旅に出される。
基本的に箱入り娘でトラブルが起きることが多い。だが、意外もタフであり前向きな所もある。
得意魔法は「風」「土」。他に植物魔法や回復魔法が得意であり、魔法を使うために親に持たされた魔導書を使って魔法を安定させる。
おばあちゃん(もちろん魔女)子で魔法の師匠でもある。両親との関係は良好…というか親が過保護すぎるというレベル(旅のために色々渡しすぎている)
特技は魔法以外だと触媒の発掘と趣味は読書。読書は王道系の恋愛小説が好きだとか……(いつか自分もこういう恋愛したいという憧れもあるようだ)
名前 ラミィ
容姿 兎に似ている生物。
備考 エリスが旅前に祖母が渡した魔法生物(魔法で作られた人工生物)。耐久性は普通の生物と同じぐらい。
体に魔翌力を蓄積していて、最悪この子を使った魔法を使うことができる。
意識もあり、最悪エリスを守るために戦うように作られている。
普通の生物のように生きているように見える。エネルギーは周りの魔翌力から微弱に吸い取っている。
273 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:00:16.77 ID:mfJ5f+H3o
更新予定を守れず申し訳ないです
ちょっとやり直しをしていました
274 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:01:53.00 ID:mfJ5f+H3o
〜???の町の宿のテラス〜
この町に到着したその夜、宿のテラスでイヴはただずんでいた
今の彼女はあの立派なドレスではなくフランさんに分けてもらった服を纏い、相変わらず僕の帽子を被っている
流石にあのドレスをこの先も着続けているのは一緒に行動する身としては恐れ多い
(フラン「申し訳ありません、あまりふわふわした服は得意ではなくてこのくらいしかないのです」)
と渡してきたスーツは、言っちゃ悪いが本当に地味な色だったが、イヴは文句も言わずに着こなしている。
――そう、着こなしているのだ。もともとすらっとしたスタイルなおかげなのか、帽子からはみ出た髪が夜風にたなびかせられている様はなんと褒めるべきなのかすら分からない。
ロット(ああ、こんな助手が欲しい…)
スーツに鹿内帽、まさに探偵姿だ。そうでなくとも凄腕の仕事人に見える。
ロット(――いけないいけない、このまま凝視していたのがばれたら、どう思われるか)
耐えきれず話しかけることにした
ロット「何を眺めているんだい?」
イヴ「いえ、夜風が気持ちよくて――やっと、静かだなって少しぼうっとしていたのですわ」
275 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:04:33.71 ID:mfJ5f+H3o
ロット「そうかい」
なるほど、スタット街は真夜中でも騒がしい場所だった
それだけじゃなく彼女の話が本当なら誘拐されてきた身、落ち着ける時間なんてなかっただろう
とはいえここも、そこそこに血気盛んな町だ
昼間の騒がしさはスタット街と比べても引けをとらない
イヴ「――そういえば、やっと落ち着いてお話できますね」
ロット「え?」
少し見回してみる
ロット「ああ、そうだね」
キリュウはまた勝手にどこかへ行ってしまった
やつが茶々を入れてくることはとりあえずないが
ロット「え、えっと、なにか話したいことはあるかな?」
イヴ「え?いえ、ロットさんこそ、聞きたいことがあるのでは?」
ロット(そうか、なにか質問すればよかったのか)
突然二人きりだったという状況に戸惑った故、何を話せばいいのか全く思いつかなかった
しか、現時点で彼女の素性についてをこれ以上問いただす気は元々なかった
じゃあどうする?趣味とか聞けばいいのだろうか?
いやそれはいきなり踏み込みすぎだろうか?
276 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:07:53.45 ID:mfJ5f+H3o
ロット(ええと、ええと)
イヴ「??」
心なしか冷や汗をかきはじめた気がする
ロット(いけない、これ以上沈黙を続けては変に思われるじゃないか――そうだ!)
ロット「いや、今は特に君に質問する気はないよ、せっかく君も久々に心を休められる状況なんだしね」
ロット(うん、ごく自然に沈黙を破れたぞ)
イヴ「はい、お気遣いありがとうございます。確かに、私も今何をお答えするべきかまだ判断がついていないのです」
ロット「気に病む必要はないさ、隠しごとの一つや二つ慣れているからね」
イヴ「ふふ、ご職業柄ですか?」
ロット「まぁね――そうだ、それなら僕にも何か聞きたいことはないかい?」
聞いてばっかりいるより、僕の事を話してみるのも信頼を得る意味では建設的だ
イヴ「あ、えっとでは、なぜこの町に?」
ロット「この町?」
意外にもすぐに質問が返ってきたのはいいものの、それは僕に関することじゃなかった
277 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:19:52.85 ID:mfJ5f+H3o
イヴ「はい、たまたま近かったからここに来たとは思えなかったので」
求めていた答えとは違うが、気になるのは分かる
ロット「なるほど、いい質問だね」
ロット「もちろんこの『ツカーテ』を訪れたのにも理由はあるよ」
そう、僕たちはタニアさん達御一行にこの町「ツカーテ」の付近まで乗せてきてもらったのだ
この町に既に追手来ていないことを確認したうえで入り、この宿をとったわけで
ロット「この町は別段大きな町ではないけれど、職人と冒険者の町って言われている。独自のギルドという自治体があって、ギルドの支援の元、この町の商業はスタット街とはまた違う発展の仕方をしているんだ」
ロット「そのおかげか、まずなんでも揃う。物価は少々高いけどね」
だがボッタくりな物は見たことがない、高かろう良かろうというか、この町で出回る売り物の品質の信頼度は随一と言える
イヴ「なるほど、先ほどお見かけした雑貨屋の品揃えには、わたくしも驚愕いたしましたわ!できれば後で行ってみたいのですが」
ロット「もちろん構わないさ、明日行ってみようか」
女性は買い物好きと言うイメージがあるが、イヴもその例に漏れず少し楽しみそうだ
イヴ「ありがとうございます!!――あ、もちろん見るだけです!この後に及んでなにかをねだるなど…」//
ロット「まあそこまで深く考えなくてもいいさ、必要なものがあったら気軽に言ってくれたまえ。必要経費かどうかは僕が判断するよ」
イヴ「うっ…申し訳ありません」
そりゃ必要なものはあるだろう、なにしろ彼女はほぼ丸腰なのだから
イヴ「――つまり、ロットさんもなにかお求めなのですか?」
ロット「あ、いや――ま、強いて言うなら僕のレイピアにひびが入ってるから、安物の武器があれば取り替えたいけど」
ロット「どちらかというと、もう一つの理由がポイントなんだ」
278 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:21:20.73 ID:mfJ5f+H3o
イヴ「それは?」
ロット「うん、どういうわけかこの町の住人は基本的に騎士団の事を良く思っていないみたいなんだ」
イヴ「そうなのですか?」
ロット「ギルドが組織してる自警団があるんだけど、ほら今もそこで見回りをしてる人がいるだろう?」
僕はちょうどテラスから見える、屈強な人影を指さした
イヴ「あの槍を持った方がそうなのですか?」
ロット「ああ、自警団の腕章を付けてるね。ここの住人かもしれないし、たまたま立ち寄った旅の人がギルドからの報酬目当てでパトロールをしてたりするんだけど」
ロット「とにかく、この町でギルドの自警団である彼らと、何かに付け込んで立ち入ろうとする騎士達とのけんか騒ぎは日常茶飯事だ」
イヴ「ふふ、聞いただけだと治安が良いのか悪いのか…」
とイヴは苦笑いを浮かべる
279 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:23:06.12 ID:mfJ5f+H3o
ロット「いや、その点は安心していいと思うよ。ギルドもなかなか悪事は見逃さないから」
僕からみても、ギルドという組織は上手く機能しているように見える
頼まれて調査をしたことがあったけど、特に裏も無いようだった
イヴ「でしたら、むしろ親近感が湧いてきますわ!」
ロット(おっと)
今までイヴは比較的上流階級にいる人物そうに見えてたけど、やはり先入観に過ぎないのだろうか?
国に逆らう町の話を聞いて、価値観の違いを訴えたり、困惑する様子もない
イヴ「国に縛られず己が道を行く町…勇ましい感じがいたします!」
ロット(というか、本気で惚れ惚れしてるように見えるなぁ)
イヴ「――あれ?ところでロットさんがここを選んだ理由は?」
ロット「ん?ああ、だから僕たちに追手の騎士たちが迫ってきても、騎士が来るだけで騒ぎになるからすぐに分かるし、最悪この町にいればなんとかなったりもするだろうからね。この状況で一時身を置くなら打ってつけの場所なんだ」
イヴ「そこまで考えてこの町に」
ロット「まあできるだけ早く出発したいから、明日中には準備完了させるつもりだけどね」
280 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:26:51.38 ID:mfJ5f+H3o
ところで、僕は今、そこまで手持ちに余裕がないのを話すべきかを迷っている
元々スタット街から帰るだけのところだったし、イヴには悪いが宿代が倍増した事と
キリュウの生意気なおねだりを聞いてしまったのも手痛いものだった
ロット(うーん、できれば馬を一頭借りていきたいぐらいなんだけどなぁ)
最悪ギルドですぐに済む仕事を見つけて、少し稼ぐ必要があることも頭に入れておかねばならない
それとも誰かちょうど良く、この探偵を頼ってはこないだろうか?
イヴ「ところで、あのご婦人方はあの後どうするご予定でいらしたんですか?」
ロット「いや詳しくは聞いてないけれど、タニアさん達の向かった方角的には、『ノーソン』あたりを訪れるんじゃないのかな?近くに『ゴールデン・クレセント』もあるけど、まさかそっちに向かうとは思えないしね」
イヴ「ノーソン…ゴールデン・クレセント…ですか」
イヴはどこか釈然としていないようだった
というかピンと来ていないというべきだろうか?
これもまた憶測に過ぎないが、いかに箱入り娘だったとしても
ノーソンはともかく、あの問題だらけのクレセントを知らないとは思えない
いやいや、そろそろ彼女について事細かに分析するのは控えよう
しばらくは僕の事務所に向かうことを重要視しなければ
281 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/18(火) 01:27:28.09 ID:mfJ5f+H3o
とりあえず、ここまで〜
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 01:28:37.44 ID:6oC/2ArI0
結局、ノーソン採用したのか……都市と書いてあるけどいいの?
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 01:32:45.94 ID:pO13dCqG0
乙
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/18(火) 01:39:02.53 ID:mfJ5f+H30
>>282
ええ、もともとあまり条件を細かくするつもりはありませんし、都市について統一された定義付けはありませんから町のようなものでしょう
それ以外にも挙げられた設定は例外なく全部記録してるので
後々使うかもしれません
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 01:40:54.54 ID:6oC/2ArI0
>>284
把握。できたらミスっている所や変な所は修復やそっちの都合で少しの設定変更は許されると思う
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 13:23:28.34 ID:pO13dCqG0
名前:エルヴィン・レックスファング
年齢:54
性格:男気に溢れるが、血の気の頑固親父
容姿:筋骨粒々で50代とは思えない若々しさを持つが、紫色の髪に所々白髪が生えている。立派な髭を生やしており、胸に刀傷と火傷の痕がある。背中には身の丈ほどの大剣を背負っている。
備考:「ツカーテ」のギルドの元締め。部下や住民からは「ボス」と慕われており、その男気に溢れる性格を慕われている。
レックスファング家は代々ギルドの元締めであり、その昔騎士団内による陰謀により追いやられた一族。昔から続く因縁と騎士団の腐敗した現状に対する敵対心が強い。
騎士団のニーナは実の娘(妻の旧姓がホリーロック)であり、ニーナが騎士団上層部に嫌われているのはこの為。現在は勘当状態であり親子仲は最悪だが、ひとかどに親心はある。
念のため言っておきますと「ニーナ」と「ツカーテ」を考えたものです。娘設定とかは
>>1
にお任せします。
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 13:34:31.51 ID:jCG2AQof0
ロットがところどころ少年らしいな
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 19:03:26.09 ID:6oC/2ArI0
>>197
は「ツカーテ」にあいそうなのでキャラに困るときは
それぞれ名前は「ギラン」と「エリア」で(元の名前は被っているのがいたので)
名前:トロンボ・ファクシー
年齢:26(詐称の可能性あり)
性格:クズ。小物
容姿:出っ歯でとがった赤っ鼻。にきびがあり、髪の色はオレンジ。
備考:「ゴールデン・クレセント」にあるカジノのオーナー。
自分より立場が部下など立場の下のものには威張るが逆に立場が高かったりお得意様には媚びるという救いような男
オネェ語でしゃべる
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 19:15:07.25 ID:6oC/2ArI0
ごめんなさい🙇。途中送信してしまった
備考の完成版
備考:「ゴールデン・クレセント」にある高級宿のオーナー。
自分より立場が部下など立場の下のものには威張るが逆に立場が高かったりお得意様には媚びる
しかも同業の客を取ったり、あることないことを噂にしたり、部下を使って営業妨害するなど救いようがない男
騎士や政治家に賄賂を渡しており、色々助けてもらっている。最近には薬物にも手を出している……という噂。
成長する前のクレセントにいたらしいが今のようになったのは謎。夢は政治家になることに
オネェ語でしゃべるが、好きなは年頃の女子(15〜18歳あたり)一人称は「アタシ」「ボクチン」
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 13:12:44.65 ID:kijX40UNO
名前:ジャック・テンペル
年齢:30
性格:飄々として捉え所がないおっさん
容姿:無精髭を生やした細マッチョの偉丈夫
備考:「ツカーテ」の自警団のリーダー。普段は酒と女を愛する飄々としたおっさんだが、実はかなり聡明で槍の腕も立つ元勇騎士。仲間思いの人柄から部下からの人気が高い。
昔は将来を嘱望されていたが、上司の作戦失敗の責任を取らされ騎士を辞職。家族からも縁を切られ浮浪していた所を拾われ、晴れて自警団のリーダーとなった。その経歴から誰よりも騎士を憎んでいる。
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 21:02:03.45 ID:AI5btJ8m0
名前:ミルカ・テンペル
年齢:10
性格:しっかりもの。
容姿:栗色髪の少し古着を着ている
備考:
>>290
のジャック・テンペルの娘。ただし、実の娘ではなく拾い子。ボロボロだった所を拾われた。
親に捨てられて、行く当てがない旅をしている所でジャックに拾われた。
それ以降、ジャックを「おとうさん」と言って慕っている。ジャックが酒や女にだらしない時は叱るなど自警団からは「娘より嫁だな」と茶化される。
自警団にはリーダーのジャックのサポートしている。元の親のことは嫌っており、顔も思い出したくないほど
>>290
じゃないけど娘を作ってみた。
>>1
が良いなら使って
あと名前が他のキャラと被ったら
>>1
の判断で変えてほしい所
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 01:50:29.88 ID:PJvc5CMy0
町の名前:水の都市「ベルマール」
潟「アマーレ」の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都。
(元ネタはイタリアのヴェネツィア)
水上バスなどが使われており、これで市街など移動することある。
この街では海上輸送が盛んであり、いろんな船が外交に来ていたりする。
またこの街で見られる力を使った水中サーカスというものも存在する。
水の都市と考えたけど上手く書けなく適当になってしまった
もし使うとなる場合は色々追加や変更していいかも
293 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/20(木) 23:07:09.52 ID:j4n5adjHo
「ロットさん、私…あの時本当はロットさんの事を…」
ロット「イ、イヴ?」
何だか物々しい雰囲気が立ち込めている
ここはどこだ?
なんだか微妙に意識がはっきりせず、状況が呑み込めない
彼女は顔を赤らめ、何かを恥ずかし気に躊躇して打ち明けようとしているように見える
ロット(ん?待て…なんだこの状況は)//
「ロットさん、お願いします。一度目を瞑っていただけませんか?」
ロット「え、あ、ああ、分かったよ」
素直に目を瞑…
いややはり何かがおかしい、何も見えないはずなのに不思議と次の彼女の行動が映し出される
そして何故か目を瞑っている僕の姿も
誰の視点だこれは?
彼女の顔がどんどん、ロットン少年に近づいてゆく
ロット(いや、ちょっと待ってそれ以上近づいたらまずい事になるじゃないか!!)//
慌てて、その場から足を引こうとするが…
ロット(ええい、なぜ動かないんだ僕は!)
そろそろカウントダウン開始といったところか
5…4…3・・2・・1・・
294 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/20(木) 23:12:54.34 ID:j4n5adjHo
バシーン!!
ロット「んん?」
キリュウ「いい加減起きろヨ!!寝坊なんて珍しい」
顔に妙な衝撃を受けて、目を開けると、目の前にキリュウがいて
後方には宿の天井の、控えめな花柄模様が写る
どうやらネコパンチで叩き起こされたようだ
ロット「……」
キリュウ「飯だせヨ」
ロット「……」
キリュウ「??――おい、ロト坊?」
ロット「年頃の少年か僕は!!!」
キリュウ(ビクゥ!!
なんてベタでどうしようもない夢を見てるんだ僕は…
恥ずかしくてしょうがない
キリュウ「…いや、お前は年頃の少年だろうがヨ」
295 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/20(木) 23:28:19.42 ID:j4n5adjHo
〜食事処〜
イヴ「話に聞いた通り、ここも賑やかですわね」
ロット「うん、こっちの方がスタット街よりも忙しい街じゃないかな」
僕たちは宿の食事処で朝食を取っていた
彼女はきちんとスーツに着替えている
早朝でもアピアランスに抜かりはないようだ
この場所は宿の中ではあるものの、あまりゆっくりと落ち着いて食べるには向かない場所かもしれない
というのも、僕たち以外にも屈強な冒険者や少しイカツイ職人達が周りにいて
行儀の悪い事に大声で本日の予定などを語り合いながらガツガツと食べているのだ
ここは宴会場かと少々突っ込みたくなる
イヴ「今日はどうされるんですか?」
ロット「ああ、昨日も話した通りここを立つ準備をするよ。この町を回ってね」
イヴ「では今日はご一緒させてもらってもよろしいですか?」
ロット「もちろん構わないよ、例の雑貨屋も行くわけだしね」
イヴ「まあ!」
296 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/20(木) 23:44:16.62 ID:j4n5adjHo
ロット「あ、あとギルドの方で手ごろな仕事があれば、やってみようと思ってる」
イヴ「お仕事…あ、探偵業でしょうか!」
ロット「まあ情報集めや探し物があればそれが一番理想的なんだけど、多分雑用、ちょっとしたお手伝いとかが大半じゃないだろうか…」
ちなみに、そういった仕事の報酬は大したものじゃないことがほとんどだ、小遣い稼ぎ程度にはなるだろうけど
もっとしっかりした見返りを求めるなら、やはり魔物退治や、少なくともこの町の外でやる仕事になってくる
別にそれをやること自体は吝かでもないのだが、短時間では終わらないから、先を急ぎたい身としてはちょっと都合が悪い
イヴ「あ、その…申し訳ありません、やはり金銭的な負担は増えますよね…」
ロット「いやいや!…まあ、そうだね。仕方ないことさ、だから簡単な仕事があったら手伝ってくれないかね?」
変に、ごまかすよりもこの方がやりやすいだろう
イヴ「はい、もちろんです!なんでもやりますわ!」
キリュウ「ロト坊…」
ここはうるさくてかなわんとばかりに、気だるげなキリュウが何かを訴えてくる
ロット「ああ、食べ終わったらすぐに行動しようか。モーニングコーヒーも飲む気になれないしね」
297 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/07/20(木) 23:48:17.60 ID:j4n5adjHo
↓1〜3自由行動選抜
※なんでもありです。誰かに出会うでも、戦闘イベントでも、買い物でも。詳しく書いてもらっても簡単に書いてもらっても構いません。これからこの自由行動系の安価を増やそうと思います
パーティメンバー
◎ロットン
・イヴ
・キリュウ
>>257
より 職人と冒険者の町【ツカーテ】
冒険者や職人を支援するギルドを中心とした町。
石造りの家屋と市場に集う屋台。絶えず響く鍛冶屋の鎚の音が印象的。
二つの大きな街道の交差点に位置し、東側には海に向かう大河が流れており、交通の要所としても有名。
宿、商店、鍛冶屋などなど、「ツカーテに来て揃わぬものなし」と言われるほど商業が発達していると同時に、多くの情報が集うため情報屋の激戦区でもある。
町全体を通して自立意識が高く、ギルドの組織している自警団は騎士団や国とのいさかいを起こすことが多い。その為国とは仲が悪いが、多くの冒険者や商人達を味方につけているため国としても手を出しづらい町である。
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/20(木) 23:52:54.86 ID:PJvc5CMy0
ロットン、新しい武器を探しに色んな武器屋を回る
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/21(金) 00:13:15.44 ID:o3k7hzfr0
イヴがガラの悪い相手に絡まれそうな時に
>>266
のロゼッタが助けて、その縁で一緒に街を回る
キリュウは
>>45
のアリアと出会い飯を貰う。猫のキリュウに色々話しかけるアリア。
最終的にキリュウとイヴは合流する(同行者と共に)
長すぎて無理なら前半のイヴの部分だけで
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 01:14:05.40 ID:tomPCjQIO
仕事を探すために掲示板を見に行ったらみすぼらしい格好の男がいて...
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 01:40:38.60 ID:tomPCjQIO
あ、男は
>>35
のことです、念のために
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 21:43:26.53 ID:o3k7hzfr0
名前:トーマ・アクゼリット
年齢:18歳
性格:お調子者。女好きだが情に熱い。
容姿:赤いバンダナを額に巻いている茶髪の青年。
備考:何でも屋兼モンスター使い。何でも屋を名乗っており、場合によってはトレジャーハンターなどをして生計を立てている。
極度の女好きで美女にあったら速攻で口説くほど。勿論、男に対しての態度は冷めている。(ただし、ロリNO。美少女、熟女OKという基準)
顔は悪くないが軽い性格と第一印象が良くないのが多いため、基本的に女性から好かれない。子供と(ある程度、知力がある)魔物にはなぜか好かれる。
女性相手に調子に乗ってあることないこと言ったリ、美女からのお願いなら報酬など後先考えずに受けたりしてしまう。
本人は「依頼人とあわよくばいい関係に…」と甘い考えをする(大抵、その目論見は失敗する)
そんな彼だが、無害なのに人間に親を殺された魔物や行く当てがない魔物などをほっとけずについ仲間にしてしまう場面がある。
魔物を外に残して自分だけ町の宿に泊まったり、依頼に失敗したら攻めたりする時もあるが本質的には彼は仲間の魔物に対しては思いやりがある方で信頼している。舎弟みたいなもの(普通の魔物使いは魔物を道具や奴隷など同じように使うのが普通)
戦闘はモンスター達と共に戦うスタイルで武器は手のガントレッド(爆薬が仕込んであるなど色々ギミックがある)。
魔法は使えないが、その分色んなものを使って戦う。相手によってビビって逃げ出すことも…(それでも仲間ほっときはしない)
1人称は「オレ」調子に乗っている時は「トーマ様」。願いは「ハーレムを作ること」
無駄に長くなってしまった。魔物は
>>1
に任すけど、無理ならこちらから何か考える。
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 13:59:10.77 ID:NsR0S9Pk0
名前:ガッツ・ビックマン
年齢:40
性格:剛毅にして豪快、面倒見がよい兄貴分
容姿:褐色肌で筋骨隆々の巨漢。鉄の軽鎧に革のガントレットにグリーブを装着した冒険者らしい格好。首に黄色い鉱石のネックレスをつけている。
備考:ツカーテを頻繁に訪れるベテラン冒険者。気前がよく新米冒険者に指導をしたり仲間に気前よく奢ったりしているため、その人柄を含め冒険者に人気がある。細かいことを考えることは苦手で、何かと精神論になることが多いが指導そのものは分かりやすいらしい。
武器はフレイル型のモーニングスターでゴリ押しを好む。勿論素手の戦闘でも強く、土魔法も扱うことができる(媒体は黄色い鉱石のネックレス)。また、ベテランなだけあり戦闘時の直感はかなり優れている。
名前:アニ・リーメル
年齢:15
性格:サバサバしており常にマイペース
容姿:茶髪碧眼、ロングポニーテール。スレンダーな体格で美脚美尻。異国の民族衣装である蒼の「アオザイ」を着用しており、常に鉄棍を持ち歩く。
備考:ガッツと行動を共にする新米冒険者。元は孤児であり、15歳になったのをきにガッツに弟子入りして冒険者となった。戦闘スタイルは天性のスピードを生かした鉄棍術。魔法は水魔法を使用できるが苦手らしい。
ガッツの事を「師匠」と呼び慕っている。また、男ばかりの所で育った為か羞恥心がかなり薄い。
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 17:41:32.54 ID:ad8pCPZ80
名前:ジェネリック・ノーベイン
年齢:32
性格:真面目で几帳面
容姿:金髪ロングの眼鏡をかけたにーちゃん。見た目は26くらいに見える。
備考::「ツカーテ」のギルドのボスの右腕。こちらは冷静にギルドを仕切る。仲間内や親しい仲では「ジェネ」と呼ばれている
ボス一人だけではまとまらないこともあり、彼は中間管理職(例:財産管理など)として毎日、色々奔走している。
ギルドの金の無駄使いや問題などを起こすと彼から制裁を受ける(ただし、祝いの場などで多少の無駄使いは許すぐらいは、頭は柔らかい)
過去は詳しくは不明だが、幼い頃にギルドにボスに拾われたらしい。ボスの娘とはまるで兄妹のように仲良くやっていたようだ(彼女とは今でもひそかに手紙で連絡を取っている模様)
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 20:57:30.94 ID:Ykds8akK0
名前:ライ
年齢:12
性格:ハングリー精神、仲間思い
容姿:みすぼらしい服装をしている茶髪の少年。
備考:「ゴールデン・クレセント」に住むスラムの少年。
スラムにあるグループのリーダー的な少年で活発。
生まれたころからスラム育ちで親の顔を知らない。元々は一人で行動していたが住む家や食べ物に困っていた子供を満つてることができるグループを作る。
どんなに貧困でも希望を忘れずに生きていく少年。
名前:ルナ(本名:ルーナ・H・アルドナイツ)
年齢:13
性格:少し気が強い、素直でない(若干ツンデレ)
容姿:紫色のハイブリット・ツインテールの少女。服は他のスラムの子供達よりは立派
備考:「ゴールデン・クレセント」に住むスラムの少女。ライ達のグループに所属。
数か月前にスラムで襲われている所を助けて、そのままライ達の仲間になった。
最初は我儘な所があったが順応していった。
グループではお姉ちゃん的な存在で子供たちに勉強を教えていたりする。
ライとはよく喧嘩するが、それは「喧嘩するほど仲が良い」という関係で本当に仲悪くはない。ライに対してツンデレな所がある(根はいい子であり、自分が悪いと思ったら謝ろうとはする)
実は、お嬢様で自分のことを周りが決めていく生活に嫌気がさしてスラムに来た。教養はよくたまにお嬢様らしいところが出たりする。
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/25(火) 02:42:11.39 ID:T4XH/Mq/0
魔法都市:シュトルベルン
住んでいるものすべてが魔法を使える…もとい魔法使いの都市。
日常でも魔法使っていて、魔法に関する本や道具などが普通に売っていたりする。
魔法学校という魔法を学ぶべき施設があるなど色々安定している。
観光や商業などに来たものはいいが、この都市に住む者は魔法が使えないと人間扱いされないなど黒い部分なども存在する。
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/26(水) 21:37:32.18 ID:rOZ0xRyn0
名前:ロベルト・カッツ
年齢:90歳
性格:お茶目で温厚で優しい人
容姿:麦わら帽子を被った農業服の白髪の爺さん。顎髭がチームポイント
備考: 大農園都市「ノーソン」の農業者の1人。
どこにもいそうな農家のおじさんらしさを漂わせており、ワザとボケて相手をからかうお茶目な一面も。
実は「黄金小麦」を作り出した張本人だが、騒ぎ立てられるのが嫌いで一般人のフリやボケたフリをしている。
90歳なのにエネルギッシュでまだまだ元気そうである。今でも自分で黄金小麦を栽培している。
「ノーソン」を農業都市にするまで何をしていたかは一切不明。噂だと冒険家をしていて荒稼ぎしていたらしい……
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/27(木) 12:28:47.15 ID:HVL5nr6e0
科学都市:ツクローゼ
科学が発展した都市。
見た目はただの板に見えるが遠くのものと連絡が取れる機器や「写真」という景色などを一定に収める事ができる機械など機械関係レベルがこの世界ではありえないほどの発展している
(ここで挙げられているのは日常レベル程度で詳しく所ではもっとすごいものが作られている)
最近では、どこかでは「超能力」という魔法と違うモノも研究されているというが詳細は不明
秘密保持のために出入りの検査は厳しく、違反した者には厳しい罰則が科される。
ギャンブル街:バルカラ(仮)
名の通りに街全体がギャブルする場所であふれている街。
黄金色の建物が多く、客も成金や金持ちなどが多い。
色々なカジノがあり、ここで一攫千金を狙うものも多い。
だが、実は裏では金を払えないものや借金しているものが重労働で死ぬまで働かせられている。
賄賂などは当たり前でそれで騎士団から目をつられていない。
自分の説明だと何か足りない所があるかもしれないから使うときは設定を追加をお願いします。
>>1
バルカラは仮なのでいいので思いついたらそっちに変更で
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/27(木) 22:50:25.25 ID:UVli3EJm0
名前:ローミリア・レナンシェル
年齢:不明(見た目年齢は20代前半)
性格:真面目。ミステリアスで感情が乏しい。
容姿:普段は眼鏡をかけているきりっとした女性。黒髪ロング。175cm程度
備考:真面目でまさに「仕事女」というイメージを持たせる女性。
真面目で冗談を言われてもそれを冗談とわからないタイプ。物静かで普段何を考えているかわからない。
その正体は魔物の「ラミア」。行き場を失ったラミアが人間に擬態して人間社会に紛れていた。
眼鏡は伊達で本来の姿では半人半蛇(色は紫色)で鉱石なしで魔法を使っても負担がないなど色々謎の所が多い。
本人は人間に敵意は無く、寧ろ人間社会に興味があるようだ。好きな食べ物は甘いもの。
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 11:22:37.12 ID:iGlJKid+0
マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/10(木) 11:28:21.83 ID:0cShytTF0
せめて、生存報告だけでもしてほしい
312 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 15:56:31.41 ID:Os00isueo
またまた間が空いてしまい申し訳ありません
書き手としての信用は減るばかりですが再開していきます
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 16:02:31.10 ID:5sVGmO/N0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
314 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 16:12:12.14 ID:Os00isueo
「はーい、よってらっしゃーい!」
「うちの商品は余すことなく全部極上の一品だ!!」
「あんちゃん!盾が欲しけりゃ寄ってかないか?良いもん用意してるぞ」
ロット「悪いね、生憎盾は使わないんだ」
怒号のような呼び込みの中、防具屋か何かの商人が話しかけてくる
軽く断りを入れると、商人は大人しく引き下がってくれた
それもそのはず、この町では押し売りは厳禁されている
破ろうものなら然るべき集団から鉄槌が下されるのだ
…噂で聞いただけだが
イヴ「こ、ここの方達は売り込みに気合が入ってますわね」
ロット「ああ、いつ来ても驚かされるよ。経済が回るわけだ」
キリュウ「ハ、うるさいだけだヨ」
ロット「そういえばキリュウ、昨日の夜どこをほっつき歩いてたんだ?」
キリュウ「別に、モグラに会ってきただけだヨ」
ロット「モグラ?」
そんな話をしながらとりあえずギルドの役所に向かっていた
簡単な仕事があるか確認しておきたかったし
あわよくば、僕たちの追手の情報も聞けるかもしれない
315 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 16:27:15.66 ID:Os00isueo
ドンッ!
イヴ「キャッ!」
ロット「ん?」
なにか鈍い音とともに、イヴの小さな悲鳴が漏れる
ガラ悪「おいおい、譲ちゃん痛いじゃねえか、え?」
ガラ悪2「前見て歩けや!」
イヴ「も、申し訳ありません…」
ロット(はぁ…)
迂闊だった、もっと周りを見ておけばこんな事態には
人が多いとこういう連中も少なからずいるものだな
まったく嘆かわしい
ロット「やぁ、すまなかったね君たち。しかしこう人も密集する場所の中だ」
僕はイヴの前に押し入る
ロット「勘弁しては貰えないだろうか」
ガラ悪「うるせぇ!関係ねえ奴はすっこんでろ」ブン!!
ロット「うっ!」
僕はあっさりと殴り飛ばされた
316 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 16:35:37.56 ID:Os00isueo
ロット「いててて…」
キリュウ「おい大丈夫かヨ、ロト坊」
ロット「ああ、大したことないよ」
キリュウ「にゃろう氷漬けに…」
ロット「騒ぎが大きくなるからやめてくれ」
肩に乗っていたキリュウは上手く受け身を取ったようだ
イヴ「ロットさん!」
ガラ悪「おい、譲ちゃん。落とし前、どうつけるつもりだ?」
ガラ悪2「へへ、上玉だなこいつは」
ロット(随分悪質な奴らだなぁ…)
ロット「随分古典的な手でレディに詰め寄るんだね君たち、とても紳士の行いとは言えないけれど」
僕は少し大きな声でそう語りかける
ガラ悪「ああ?」
ロット「その趣味の悪い防具のクリーニング代でも欲しいのかい?」
ガラ悪「んだとてめえ?」
ガラ悪2「二度と喋れなくしてやろうか?」
狙い通り標的が変わったようだ
お約束すぎる鈍器を構えて僕に、ズガズガと詰め寄ってくる
イヴ「あ、あのあまり乱暴事は…」
ロット「まいったな、こんなところで剣を抜きたくはなかったんだけど」
キリュウ「挑発しといてよく言うヨ」
僕がレイピアを抜こうとすると
317 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 16:54:27.71 ID:Os00isueo
「待ちな、アンタたち」
ロット「ん?」
ガラ悪「ああ?」
赤い紙の女性が大きなハンマーを手に向かってくる
凄い気迫だ
女性「このツカーテで、荒れ事を起こそうたぁ、舐めてくれたねえ?」
ガラ悪2「おいおい、女が何しに来たか知らねえが、次々と部外者が…ぬぐっ」
詰め寄っていった男の胸倉をいともたやすく掴むと低い声で言った
女性「部外者?誰の事を言ってるんだいアンタ?このアタシの目をみて同じことを言ってみるんだね」
ガラ悪2「え、えぇ?」
キリュウ(誰だヨ、あのハンマー)
外野からはいくつか「姐御」とか「姉さん」といったワードが飛び交っている事に気が付いた
ロット(そう言えば前に聞いたことがあるぞ、この町には若くして「姐御」と呼ばれ慕われてる人物がいるとか)
名前は確か…
318 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 17:05:43.19 ID:Os00isueo
ロット「リゼッタ、だったかな?」
ガラ悪「な…に…?リゼッタ!?」
ガラ悪2「ヒェ!!」
男二人から極めて高い悲鳴のような声が漏れるのが分かった
リゼッタ「へぇ、坊やアタシの事を知っているみたいだねぇ。それでいて喧嘩しようとしてたのかい?」
リゼッタさんが僕を睨んできた
あれ?誤解されてる?
イヴ「あの、違うんです。私があの方達にぶつかってしまったのが発端で…その」
リゼッタ「…うーん?」
ガラ悪2「ああ、あのそろそろ話していただけるとその、幸いと言いますか?アハハッ」
リゼッタ「黙りな盆暗、それで先に吹っかけて来たのはどっちなんだい?」
ガラ悪「そりゃもちろんその坊主だ!!俺の防具の趣味が悪ぃだのなんだの…侮辱してきやがったんだ!!」
キリュウ「あ、こいつきたねえ!」
リゼッタ「本当かい?坊や、貧弱そうな割には随分言うじゃないか」
貧弱とは失敬な、まあ強くはないけど
とはいえ、詭弁だけど安い挑発をしたのが僕なのは事実だった
だけど、この場合状況証拠が僕の助けになる
ロット「いえいえ、お姉さん」
319 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 17:12:49.98 ID:Os00isueo
ロット「僕はまだ、剣を抜いてませんよ?」
ガラ悪「…な」
ガラ悪2(そろそろ首が苦しい…)
リゼッタ「うんうん、確かにそうさね。覚悟は良いんだろうね盆暗ども?」
リゼッタさんは空いた右手でハンマーを地に叩きつけ
ずし―――ん!!
ロット(えぇ、そんな音するの!?)
ガラ悪「ひっ…許してくれえええ!!」ドタドタドタ
稀に見る、見苦しい逃走劇だ
ガラ悪2「ああ、逃げるなんてズルいやズルいや!!」
リゼッタ「情けないねまったく…ほらアンタも」
ガラ悪2「へっ」
掴まれていた男は少し宙に浮くと
リゼッタ「一緒に」
ガラ悪2「ま、待って」
リゼッタさんは大きなハンマーを振り被り
320 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/14(月) 17:16:03.80 ID:Os00isueo
リゼッタ「帰っちまいな!!」
男を叩き飛ばした
ガラ悪2「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ……
ガツンッ
ロット「」
キリュウ「んなバカな」
イヴ「す、凄い…逃げた方に命中ですわ」
リゼッタ「んー、久しぶりに良い打ち心地だったねぇ!!」
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 19:07:05.61 ID:5sVGmO/N0
終わりにする時は一声言ってほしい
322 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 00:20:04.65 ID:INNZOixg0
リゼッタ「さて…と、気をつけな、ここはよそ者だらけだからああいう奴もいるんだよ」
イヴ「あの、ありがとうございます!私が不注意だったばかりに…」
リゼッタ「いいさいいさ、アンタみたいな娘さんよりもそっちの坊やに言ったのさ」
リゼッタ「アンタ、お嬢さんを連れてるんだ。もっとしゃっきりしなさいな」
ロット「いやぁ、面目ないです。あまり団体行動は慣れていないもので、以後気をつけます」
キリュウ「まったく情けねえ奴だヨ」
ロット「なんだよ手厳しいな」
リゼッタ「へぇ、喋る猫ときた…珍しいねこりゃ」
ロット「えっと、僕はロットン・グラスバレーと申します。探偵です。その子はイヴ、こっちの猫はキリュウって言います」
イヴのラストネームはあえて言わないでおいた
名乗るかどうかは彼女の判断に任せている
ちなみにスタット街で彼女のことを調べた時は逆にイヴの名を挙げず、あくまで「ブラット=レイ」というラストネームを元に収集しようと試みていた。
323 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 00:30:17.64 ID:INNZOixg0
リゼッタ「うんうん、アタシはリゼッタ・ローゼス。周りにはリゼって呼ばれてるよ。まだピチピチの23歳だけど、残念な事に彼氏は募集してないよ、へへ」
うん、別に聞いていない
イヴ「え、そんな。勿体無いですわ!美人ですのに!」
リゼッタ「う、うん?珍しい反応するね、アンタ」
両手を前でぎゅっと握りながらそう返すイヴに少し引き気味になるリゼッタさん、いやリゼさんでいいんだろうか?
リゼッタ「あ、そう言えばアタシの事は知ってたみたいだね」
ロット「いえ、噂に聞いた程度です。僕は初めて訪れたわけではないので」
リゼッタ「なんだそうなのかい?」
おっと、この町について探った事があるのを知られるのは良くない
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 00:31:45.29 ID:9p53Erj60
仕方がないけど、幼馴染は出せなかったか……
まあ、リゼの方が不自然じゃないから別にいいか
イヴと正反対と言うべき幼馴染はいつか出してほしいな
325 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 00:43:14.92 ID:INNZOixg0
ロット「でも、こうして町中を巡るのは初めてなんです。だから油断していたというのもあるのですが…」
キリュウ(初めて…ねぇ?)
ロット(キリュウ、こんなところで気まぐれないでくれよ?)
ないとは思うが、間違ってもあのハンマーで叩かれたりするのはゴメンだ
リゼッタ「ふんふん、ならアタシが案内してやるよ。ちょうど見回りしてたところなんだ」
イヴ「本当ですか、心強いですわ!」
ロット「実は明日には立つ予定なので、次の目的地まで旅の支度がしたい程度なんですが」
リゼッタ「なんだそんな事かい、だったら酒場の隣のある雑貨屋やよろず屋紛いのことをやってる店があるよ。大抵はそこで揃うだろうねぇ」
ロット「でも、その前に手持ちにそんなに余裕がなくて、簡単な仕事でもあれば見てみたいんですが」
リゼッタ「仕事……そういえば、坊やは探偵なんだっけね?うん、じゃあ親方のとこに来てくれないかい?少し話を聞いてやってほしい事があるんだけどさ」
ロット「……親方?」
326 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 00:44:00.34 ID:INNZOixg0
>>324
あ、すいません
実は後に出す予定があるので今は控えてます
327 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 01:00:12.56 ID:INNZOixg0
リゼ「いやちょうど良かったよ、アタシは頭でごちゃごちゃ考えるのは苦手でね、親方の相談を聞きたいのは山々なんだけどねぇ」
僕達はリゼさんについて歩いていた
助けてもらった上に、仕事の紹介とあっちゃ話を聞くこともせず断る訳にもいかない
いかに気が進まなくとも
なぜこんなに後ろ向きなのかというとそれは…
イヴ(あの、ロットさん顔色が少し悪そうですが、大丈夫ですか?)
どうやら青ざめているらしいな僕の顔
ロット(ああ、少し事情があってね…大丈夫だよ多分)
キリュウ「親方ってのはどういう奴なんだヨ?」
リゼ「んー?アタシのいる鍛冶屋の長のことさ、頑固な人だよ」
うん?ギルドのトップかと思ったら鍛冶屋の人か
良かった、心配事は杞憂に過ぎなかったみたいだ
328 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 01:11:34.21 ID:INNZOixg0
〜グラン鍛冶屋〜
リゼ「親方ァ、面白い奴を連れて来たよ」
彼女は建物に入るなり大きな声で呼びかけた
イヴ「それで、何か心配事があったのでしょう?」
ロット「うん、僕はこの町について調査した事があるんだけど」
イヴ「調査ですか?」
ロット(うん、裏があるとかないとかそういう調査だよ。何しろ騎士団と対立してる町だからね
キリュウ(そん時ロト坊は身分を隠して、ギルドの長を口車に乗せて色々聞きだしたんだヨ)
ロット(ああ、調査が完了して裏がない健全な町だって事がわかったのはいいんだけど。その後僕が秘密裏に調査に踏み込んでた事がギルドに知れ渡り、トップの方は大層ご立腹だったらしい)
イヴ(あらまあ…)
キリュウ(でもお前偽名使ってたんじゃないのかヨ)
ロット(そうだけど、変装も控えめだったし流石にまた本人と面を向かわすわけにもいかないだろう?)
329 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 01:25:49.35 ID:INNZOixg0
リゼ「なぁに、こそこそしてんだい?」
イヴ「キャッ!」
キリュウ(ビクッ
リゼ「へえ、お前も猫らしくビビるんだねぇ」
キリュウ「ビ、ビビっちゃいないヨ!ワレ様を誰だと思ってるんだよ」
リゼ「へへ、待たせたね。鍛冶屋の長でアタシの親代わり」
奥から作業着を着て、帽子を被った老年の方が歩いてくる
リゼ「でもってツカーテのギルドの長でもある」
ロット「へ?」
グラン「ああそうだ俺がグラン・ハンツだが?なんだ?面白い奴ってのはお前達のことか?いやに若えな」
ロット(ってご本人!?)
キリュウ(あーあ)
そういえばギルドのトップも凄腕の職人だとは聞いていた
330 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 01:46:08.06 ID:INNZOixg0
リゼ「まあそう言わないでおくれよ、親方。なんでもこの坊や、探偵をやってるんだってさ」
グラン「探偵だぁ?あのいけ好かねえ奴を思い出すなおい」
ロット(絶対僕の事だ…)
そうだ先に名乗ってしまおう、リゼさんがいるから本名以外は使えないし
ポーカーフェイスだポーカーフェイス
ロット「お初にお目にかかります。ロットン・グラスバレーと申します。先ほどリゼさんに助けて貰った者でして、お役に立てる事があれば是非お聞きしたいと思っています」
イヴ「私は……助手のイヴ・ブラット=レイと申します。こっちの猫ちゃんはキリュウちゃんです」
キリュウ「猫ちゃんとか言うんじゃねえヨ!!」
イヴ「え?でも猫じゃないですか」
キリュウ「そーじゃねえヨ、言い方の問題だヨ」
僕はそのどうでもいいキリュウの肩書きや、イヴが突然助手を騙った事に対してすら気にする余裕はなかった
331 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 01:59:48.57 ID:INNZOixg0
グラン(じーーー
明らかに目の前のお方の目つきが変わってらっしゃるのだ
リゼ「なんだ、イヴちゃん助手やってたのかい?」
イヴ「は、はい!今なりました!」
リゼ「へぇ????」
グラン「ほぉう?まだガキなのに生意気にも肝が座っている目をしてやがる。誰かを思い出すな?」
ロット「そうでしょうか?いえ僕などまだまだ若輩者ですよ。あ、ロットとお呼びください親方様」
表情を崩すな僕、1ミリたりとも
グラン「お前、ロン・スクヤードって作家の若者を知っちゃいねえか?」
ロット(はい僕のことでーす)
ロン・スクヤードという作家は僕がこの町を調査した時に作った架空の人物だ
ちなみにラストネームはヒュードさんから勝手に借りた
ああ、イヴに渡した帽子を被ってしまいたい
ロット「い、いえどちら様でしょうか?もしかしてその人物を探し出して欲しいとかでしょうか?」
まずい、初めて噛んだ
グラン「おう、そいつはいい提案だな……だが、まあいい」
ふう、助かった
いやもしかしたらバレているかもしれない
332 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 16:36:05.98 ID:INNZOixg0
グラン「リゼの奴が連れてきたんだ、ロクでなしだとしても話くらいは聞かせてやる。おいリゼ、茶入れろ」
グランはそこにあるソファーにどしんと腰を下ろし
そう構えた
リゼッタ「あいよ、じゃあちょっと聞いてやってくれよロットくん」
ロット「はい、それじゃあお伺いします」
グラン「さてな…俺がこの町のドンであるわけだ。ツカーテの事情は誰よりも知っている。そう自負しているつもりだが、同じだけ面倒事も入ってくるってもんだ」
イヴ「さっきみたいに、その、あまり良い人とは言えない人達がやはりいるのでしょうね…」
キリュウ「あんなのは可愛いもんだろヨ、まあ何かと色々あるだろうヨな、ここ」
ロット「こらキリュウ」
グラン「ああそいつの言う通りだ、だがまあ大抵の事はなんとかなる。この町にゃ腕っ節のある旅の輩は常に多くいるし、リゼがあの得物をぶん回してりゃ、小物のロクでなしはケチョンケチョンだ」
つまりさっきの可哀想な荒くれ者のような光景は珍しくないと…
グラン「そんじょそこらのロクでなしぐらいなら、俺だって一捻りにしてやるさ、なぁ坊主?」(ボキッ、ゴキッ!
そういいながら彼はなぜか僕のことを睨みつけ、手の指や首を回し、おっかない音を出す
ロット「ええ、ごもっともです。関節鳴らすのやめてもらえますか?怖いので」
333 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 16:38:03.48 ID:INNZOixg0
グラン「だが、最近ちょっと厄介な事になっててな…」
ロット「と言うと?」
さっきの前振りの内容から考えると
きっと力技でなんとかできない問題が起こってるんだろう
ギルドのドン、グランが困っている事とは?↓3まで選抜(なんでも構いませんが、内容は多少弄るかもしれません、出なければこちらで考えた展開を展開します)
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/16(水) 16:43:03.56 ID:9p53Erj60
期限はいつまで?
安価は「大切な孫娘が悪い奴らに捕まってしまった。そいつらの要求で昔、グランが作ったと言われる幻の名刀を渡せと言われているが、そんなものは存在しないためどうすればいいか困っている」で
孫娘も一緒に作られたのに出てこないので
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 17:02:47.50 ID:/Olv1j1R0
なんとなく最近荒くれ者や盗賊団が襲撃してくる回数が明らかに多い
誰かの差し金ではないか?といった内容
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 17:13:17.14 ID:Ptd3g0l+0
最近自警団と騎士団の対立が一層激しくなってきた。最近は騎士達の差し金とも思える嫌がらせも多くなってきて商売にならない。
最近はボス(
>>286
)もピリピリしてる。
337 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/16(水) 17:22:11.48 ID:INNZOixg0
ああ、いらっしゃいましたか元締めの方!!
ギルドのボスを登場させる時に
>>286
の人物のような人がいたような気がして探したんですが、なぜか見つからず
ちょっと設定を考えなおします
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 17:32:40.14 ID:Ptd3g0l+0
乙。
すっかりギルドは複数あって
元締めー各ギルド長ーギルド職員
って感じの上下関係かと思ってた。
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 17:56:55.78 ID:9p53Erj60
乙
何かを探すときはCTRL+Fで検索が出るからそれで探せるよ
最近早くなっているから遅くならないで欲しい(強欲)
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 21:59:57.91 ID:9p53Erj60
あと
>>334
の「存在しない」より「心当たりはない」で
341 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 18:33:07.91 ID:82HbZJsA0
???「盗賊団ならず者山賊とかのつまらねえ奴ら…が来るんだ」
その一言を発したのはグランさんではなく
後ろから現れた男だった
グラン「…おめぇ、どういう風の吹きまわしで入ってきたんだ?えぇ?」
???「アンタこそ、どういう意図があるのか知らないが。町の問題を勝手に漏らさないで欲しいな」
喧嘩が始まりそうな予感…
入ってきたその男とグランさんは存分に睨み合っている
キリュウ「誰だヨ今度は?」
リゼ「あっと、リーダーじゃないか!いらっしゃい」
???「おう、元気かリゼちゃん」
グラン「リゼ、挨拶なんぞいらん、こんな奴追い出してしまえ」
???「おいおい随分な話だな?そんな硬い頭持ってるとそのうち『老害』って言われるぞ?」
グラン「ああ??話の邪魔しに来ただけかと思いきや喧嘩しに来たのか??上等じゃねえか」
イヴ「え、えっととにかく落ち着いてください!!暴力で解決するのは良くありませんわ?」
リゼ「いいっていいってイヴちゃん、あの人達はいつもこうなんだ好きにやらせ……
と荒れる雰囲気よそに僕は考え事にふけっていた
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 18:39:14.20 ID:cn3AoUB90
更新きてた乙
343 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 18:41:15.75 ID:82HbZJsA0
ロット(賊…来るんだと言っていたが…)
全部まとめて「賊」として
この町のある場所であれ流通具合や発展具合をみて、賊が来るのは想像できなくも無い
例えばこの町を占拠して職人達を脅迫し、その技術力を好きにしようなんて考える輩は沢山いそうだ
そこまでしなくてもここには喉から手が出るほど略奪したくなる価値があるものは沢山あるし
騎士団とは違うアプローチの仕方で良質な情報も手に入る
だがそれには大きな問題がある
この町の防衛力だ
ここには強い旅人が何人もいる、常にだ
さらにはもともとこの町に住んでる人だって強い人が多い
リゼさんみたいにいるだけで抑止力になる人材がゴロゴロいる
戦力が多すぎる
つまりこの町で悪事を働こうとするには、どこからやって来てどんな強さを持つのかわからない旅人達や、この町の強者達を一度に相手することになる
グランさんも言っていた
賊がやって来ること自体たいした問題にならない筈なんだ
だが結局グランさんの言っていた困りごとは、「族の襲来」
何かベクトル違う話なんだろう
一体何が…
344 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 18:49:11.77 ID:82HbZJsA0
グラン「よっしゃもう我慢ならん、その性根を叩き直してやる!!」
???「は、アンタに叩き直されるほど性根は腐っちゃいない。そちらこそ大怪我でもして隠居する羽目にならなきゃいいがな」
キリュウ(結局話の続きはどうなったんだヨ)
リゼ「お、楽しくなって来たねぇ!」
イヴ「なってません!!」
ロット(思考中)
イヴ「ってロットさん!」ユサユサ
ロット「うん?」
不意に体を揺らされ、僕は無意識に遮断していた視界を取り戻す
ロット「どうしたの?」
イヴ「えぇ…?…見てくださいよ、お二人が喧嘩しそうなんです!」
ロット「あ、ああそうみたいだね…気は進まないけどそろそろ仲裁しないとか…話の続きも聞かなきゃいけないし」
っと立ち上がろうとした時に新たなる乱入者
345 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 19:00:02.61 ID:82HbZJsA0
女性「お父さん!また何しにここに来たの??」
???「すまないが、こっちは今忙しいんだ。話なら後に…お父さん??」
グラン「ぬぉ!!?エリス!?」
エリス「お爺ちゃんも、仲良くしないならもうお仕事手伝いに来てあげないんだから!」
グラン「うあああ頼むそんな寂しいこと言わないでおくれぇ」
エリス「まったく、なんで親子でここまで仲悪くするの?」
???「ふん、俺は一度だってこの人の事を親父だとは…」
グラン「やかましい、俺だっておめぇの事なんか」
エリス「はぁ…もうこの町出ようかな」
???・グラン「「ごめんなさい仲良くします許してください」」
エリス「分かればよろしい」
エリス「ごめんなさいリゼさん。毎回毎回こんなんで…お客様もいらっしゃるのに」
リゼ「いいよいいよ見てるぶんには楽しいからね!ご苦労様」
346 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 19:08:46.87 ID:82HbZJsA0
イヴ「えっと、なんとかなったのでしょうか?」
ロット「みたいだね」
エリス「ごめんなさいお客様、すぐに父を連れて帰りますので」
そう丁寧に挨拶してきた女性、どうやらエリスと言うらしいが、その子は見た所僕たちと同じくらいの年齢だと思われる
キリュウ(こいつがここの苦労人ポジションだヨな)
ロット「あ、それには及びません」
エリス「え?」
ロット「どうやら君の父からもお話を聞くべきだと思うので」
−−−−−−−−−−
さて、どうやらリゼさんがリーダーと称した彼の正体は「エルヴィン・レックスファング」という人物で「現在」のギルドの元締めをやっているらしい
長と称されたグランさんは元・元締めだったと言う事だ
ちなみに喧嘩を沈めた彼女は「エリス・H・レックスファング」と名乗った
ラストネームは違うがグランさんとエルヴィンさんは列記とした親子でエルヴィンさんの娘であるエリスさんはエルヴィンさんの娘であり、グランさんの孫だと言う事だ
そんなグランさんとエルヴィンさんを見て思う
ロット・イヴ(歳近いなぁ)
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 19:14:00.52 ID:lQLGDb/70
グランの年齢をもっと上にしておくんだった……せめて77とか
スマン、
>>1
348 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 19:16:16.32 ID:82HbZJsA0
ちなみに
イヴ「えっと、グランさんが長とお聞きしましたが」
リゼ「ああそうさ!」
イヴ「でも、エルヴィンさんはリーダーと…」
リゼ「うん、あの人はリーダーだよ!」
キリュウ「いやどっちがトップなんだヨ???」
リゼ「ん?どっちもこの町の頂点に立つ男だろ?アタシはそう思ってるけど?」
エルヴィン「リゼはまだ理解してないのか…」
エリス「あのリゼさん、前にも説明しましたけど…」
キリュウ(どうやらこのハンマー女はあまりオツムがいい方じゃないらしいヨ…)
ロット(筋金入りの体育系ってやつかな?)
こんなやりとりもあったせいで僕達もこのややこしい関係を理解するのに時間がかかった
2人の不仲の原因はギルドの元締めの入れ替わりの時かららしい、なんでも強引な方法でエルヴィンさんがグランさんを下ろしたとか
349 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 19:30:13.36 ID:82HbZJsA0
ロット「さて、話を戻しましょうか?」
先が気になっていた僕が仕切る形になってしまったが
リゼさんが出してきたお茶を一口含んでからこう切り出した
いよいよ本題だ
ロット「賊がやって来る事の…何が問題になっているんですか?」
エルヴィン「ん?君は賊が来る事自体は問題じゃないと思っているのかね?」
ロット「ええ、さっきグランさんが仰っていましたから」
エルヴィン「ああそうなのか。確かに、賊ごときたいした問題じゃないが、こうあっさり言われてしまうのもどうなのかね…」
エルヴィン「問題は回数だ」
リゼ「ああやっぱり気のせいじゃないんだね。最近の襲撃の多さは」
エリス「ええ、ギルドでも対策を練っているみたいなんですが…」
ロット「つまり、襲撃が不自然に多くなってきたと?」
グラン「そうだ。いろんな奴らが来るが、金を出せだの町娘を差し出せだの、技術を洗いざらい吐きやがれだのそんなのは慣れてるもんだが」
イヴ「な、慣れちゃいけない気がしますわ」
キリュウ「人間の世界ってのは、汚ねえ世の中だヨな。くだらねえ」
エルヴィン「猫に言われちゃたまらないな…」
エリス(喋ってる…)
350 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 19:43:22.99 ID:82HbZJsA0
グラン「最近になって、幻の名刀はどこだ。だとか財宝が埋まってるなんて話を聞いて襲撃ついでに大穴を掘ってく奴らとか。あと酷えのだと、海賊が一枚で全域の水路状況がリアルタイムに移る魔法の海図ってのを求めてやってきた事もあったな」
イヴ「そんな凄い物もあるのですか!?」
エルヴィン「お嬢さん、君も訳のわからない情報に踊らされないように気をつけた方がいい」
イヴ「…つまり」
エリス「全部嘘なんです。誰がそんなこと言ったのか知りませんが」
キリュウ「なんだ、鍛冶屋のおっさんが幻の名刀作ったのかと思ったヨ」
リゼ「そうさな、幻レベルの名刀なんざいくらでもあるけど」
ロット(それはもう幻と言わないんじゃ…)
ロット「なるほど、虚偽の情報を流してここを襲わせてる誰かがいると」
エルヴィン「そういうことだ。住人も少しずつだが疲弊し始めているし、ここの治安がこのまま悪化し続けると、立ち寄る人も減っていくだろう」
ロット「町としての弱体化、そこをつくのが目的…?」
エルヴィン「そこまではわからないが…どちらにせよ…
351 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 19:46:55.46 ID:82HbZJsA0
ゴーン…ゴーン!ゴーン…ゴーン!
エリス「大変!」
イヴ「大きな鐘の音…この音ってもしかして」
グラン「ほらな、噂をすればなんとやらだ」
エルヴィン「ったく、3日程はゆっくりできてたのにな。今度はどちらの団体様が遊びに来たのやら」
2人は立ち上がって流れるように外に出ていく
ロット「リゼさん、襲撃の合図ですか?」
リゼ「みたいだねぇ」ボキッゴキッ
ロット「キリュウ、僕も行くから、イヴとエリスさんの事をお願いできる?」
キリュウ「ワレ様なしで大丈夫なのかヨ?」
ロット「まあ強い人はいっぱいいるし、様子を見ないと」
キリュウ「じゃあ仕事は受けるってことかヨ?」
ロット「愚問だよ。この謎、解かないと」
352 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 20:24:04.89 ID:82HbZJsA0
リゼ「アンタ、戦えるのかい??」
ロット「ええ、このレイピアは飾りじゃないので」
リゼ「そういや、さっきのならず者相手にも怯えた様子は見せなかったね、お手並み拝見と行こうか」
ロット「ご期待に添えるかはわからないけど」
リゼ「エリス、アタシは一応鍛冶屋の前を離れないけど一応しっかり隠れてなよ!」
エリス「ええ、手当ての準備はしておきます」
イヴ「ロットさん、あんまり無茶しないでくださいね?」
ロット「心配には及ばないよ、そこまで強くないなりには引き際はわきまえてるしね」
353 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 20:29:25.30 ID:82HbZJsA0
〜鍛冶屋の外〜
さて、町の広場にあった人混みはなりを潜め
襲撃者達とそれに立ち向かうエルヴィンさんやその他腕に自信のある旅人達、防衛者の真っ二つに分かれていた
防衛に手を貸せば報酬が支払われることからこちらの戦力も充実するわけだ
ならず者リーダー「聞いて驚くなよ?俺たちゃ、3つほど村を潰した事があるんだぜ??」
エルヴィン「はぁ…」
ならず者リーダー「………おい、なんとか言いやがれ」
エルヴィン「悪いな、こちらもそろそろ飽きてるものでね」
ならず者リーダー「っち、野郎どもやれぇ!!」
ウォォォ!!!
かくして戦闘は始まった
354 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/23(水) 20:31:51.63 ID:82HbZJsA0
一旦ここまで
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 20:32:07.03 ID:cn3AoUB90
乙
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 23:18:36.00 ID:lQLGDb/70
名前:コウ
年齢:不明(見た目は11〜13あたり)
性格:生意気で皮肉屋。ただ子供らしいぽい所もあり
容姿:銀髪で銀目の少年。身長は153cmとやや低め
備考:賞金稼ぎとして生計を立てている少年。
親に捨てられたためか大人にはきつい言葉言う所あり。苗字は捨てられたときに捨てた
スケボーが好きで大体それで移動している。風魔法が使え、スケボーと併用することで空を自由に移動することができる。
武器は、改造ヨーヨー。普通のヨーヨー違い外側から針が出たり、針を飛ばしたりする特別製。他に色々ギミックあり。
子供には色々いいながらも優しいが大人には基本的に毒舌。ただ、優しそうな女性や大人の女性には素直な方(それでも完全に心を許したわけではない)
相手の挑発につい乗ったり、甘いものが好きなど子供らしい所は結構見られる。
名前:ビーク
年齢:15(当時、人間時)
性格:あまり喋らないが細かいことに気が利く。落ち着いている。
容姿:豚の獣人。 ある程度体を守る防具を着て、鎌槍を武器として使う
備考:元々は人間だったが、人間の頃からタラコ唇で[
ピザ
]だったためみんなからいじめられていた。15歳時にいじめられっ子に無理やり村の魔物の森に行かされて、それが原因で魔物になってしまった。
それ以外、村から拒絶されられて、彼は村を出て行った。
それ以来、元の姿を取り戻すために冒険を続けている。ただ、見た目が魔物であるため色々苦労が絶えない。
冒険途中で人を助ける。本人は元々あまり喋らない人間で勘違いされることもあるが彼の優しさはわかる人にはわかる。
魔物になったことで身体能力が向上しており、魔物と会話できるという利点がある。
いじめられっ子に対しては「恨んでいないと言ったら噓になる」ということだが、復讐しようとは思っていない。
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/24(木) 03:35:47.06 ID:V/aIu/Wp0
名前:ヴァン・イェーガー
年齢:38歳
性格:豪快で小さいことは気にしない。気分屋。非情
容姿:ドレットヘアーの赤い鉢巻を巻いたオッサン。よく言って三枚目。ちょっと色黒い。
備考:トレジャーハンターであると同時に場合によっては賊に入る男…それが彼である。
社交的で初めて相手でさえすぐに仲良くなることができる能力を持っている。
目的のためには手段を選ばなく、味方だった相手にも簡単に殺すことができるほど非道になる。ただし、気分屋であるため殺すかその時の気分である。
好きなもの:女、酒、財宝、自分にとって価値があるもの。嫌いなもの:その時に自分にとって「ムカツク奴」。
トレジャーハンターしているための色々な魔法道具を手にしており、それを使って戦う。
主力武器はその時の気分しだいだが、最近は鉄球(アメリカンクラッカーに似たもので先のボールが鉄球になっている)を武器にしている。
ナイフも使い中々の腕を持つ(奥の手として一般的に珍しい銃を使う)
名前:レイン・イェーガー
年齢:34歳
性格:クール
容姿:髪の色はグレーの長身のイケメン。二枚目。
備考:苗字で分かるがヴァンの弟(ただし似ていないため「兄弟の契りを交わした仲」だと思われる)
ヴァンのことを「兄者」と言って慕う。ただ、ヴァンの行動などに怒る時もあり、決して彼を持ち上げてばっかりではない。
ヴァンからも信頼しており、自分で決められなかったことは彼に任せている(単にめんどくさいことを押し付けているともとれる…)
性格はクールで真面目でヴァンに振り回されることも多々あり。女性には紳士的な態度で対応し、モテるが異性に興味はない(同性愛者でもない)
好きなもの(こと):鍛錬、刀の手入れ、兄者。嫌いなもの(こと):自分達の邪魔をするもの。
東にあるとある島国いたことがあるのか、彼の武器は日本刀である。熟練者なのか斬撃を出すことができ、得意な技は居合である。
日本刀はいつも腰にさげていて、いつでも使えるように手入れている。
ヴァンとは何で兄弟になったのか、過去に何があったのか、どこ出身なのか全て謎に包まれている。
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 23:09:00.71 ID:V/aIu/Wp0
名前:アイル・ウォルス
年齢:不明(結構長生き)
性格:紳士。おせっかい焼き。
容姿:黒い紳士服の着た、猫(茶トラ猫)の獣人。
備考:猫の獣人で「案内人」という仕事をしている。
紳士的な男で人間や魔物関係なく優しく接する。紳士なので特に女性に優しい。
いくつもの魔法が使えるようで、いつも持っている杖に魔法石がはめられており、場合よって変えていく(道案内できるのもそういう魔法があるためだと思われる)
神出鬼没で場合には人間姿で現れたりする(その姿はダンディなおっさん的な感じ)
自分で言うくらいのおせっかい焼き。
棒術にも心得があるようで持っている杖でそこら辺の盗賊を倒すなんて朝飯前。
案内屋:名の通りに道案内をするのが主だが、場合によっては人生の悩みやこれからのことなどのアドバイスするアドバイザーの役割も兼ねている。
どこかの街や村で腰を落としている者もいるが、神出鬼没もいたりと様々。
戦闘能力もちまちまだが、少なくてもサーチ系や精神系の魔法を使えるものは多い。
359 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 17:54:35.75 ID:IovC9HCy0
レイピアをいつでも抜けるような状態にしておきながら少し周りを見渡しながら走ってみる
戦っているのはエルヴィンさん率いる少しきっちりとした服を着たギルドの人
どこから出てきたのか、この町で「冒険者」と呼称される旅の人
雇われパトロールにあたっていた人は意外にも後方に構えていた
なるほどこれでバックアップは万全ということか
確かに守らなきゃいけない民家や店がこの町には多い
防衛戦術をしっかりと練ってある事がわかる
一方「賊」側の人間を見てみる
不思議なものでどれも悪そうな顔をしているが、それ以外にはこれといって共通点は感じない
町を歩いていた時に見た顔もあるので、当然最初から何人かは既に潜入していたのだろう
いや、もしくは偶然居合わせた悪い冒険者が騒ぎに乗じてそちら側についているのだろうか?
360 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 18:18:22.28 ID:IovC9HCy0
ロット(おっと、あの3人組…)
騒ぎの裏をこそこそと足早に移動している3人組を見つけた
ロット(よし、ここは一つ僕はあの3人を対処しに行こう)
・
・
・
賊A「おい、どこかに手頃なガキでもいねえか?」
賊B「ちっ、民家は完全にガードされてやがる」
賊C「鍛冶屋に女がいただろ?あっちに行った奴らはどうしたんだよ?」
ロット「さぁ、どうなっただろうね?例えばハンマーで潰されてるとか」
心配ないとは思うが鍛冶屋には早めに戻った方がいいかもしれない
賊A「おい、ガキ。ちょうどいい、ちょいとこっちに来てくれや」
ロット「なるほど、正攻法で行っても勝てないから、人質を確保しようと企んでいたんだね」
賊C「なんだこいつ」
ロット「でも人質に取るには僕よりもっと小さな子を狙うべきだと思うがね?僕15だし」
賊B「は!いいか?ここの人間ってのはな、誰であれ若人には寛大なんだよ。てめえのような雑魚そうなガキには特にな!!」
慣れてはいるものの僕はそんなに弱々しそうに見えるだろうか?
あ、でもリゼさんにも同じことを言われたっけ
361 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 18:44:46.67 ID:IovC9HCy0
ロット「ところで何しに来たんだい君達は、幻の名刀?海図?」
賊B「あぁ?」
ロット「どこの情報に踊らされてここまで来たのかってことさ、きっと嘘っぱちだろうけどね」
すると3人はこそこそと話し始めた
耳をすませば聞こえてくるぐらいの声で
「……なんだ…?」
「…こいつ………知ってるのか…?」
図星を突いたらしい
ついでにもう一つ突こうか
ロット「それで薄々気づいてはいると願いたいけど、多分君達の軍団は勝てないだろうから逃げ帰った方がいいと思うよ?」
ロット「どうせただの寄せ集めだろう?別に通す筋もないじゃないか」
賊C「な!?」
ロット「おっと失礼、君達3人は長い付き合いかもね」
ロット「さっきトップが言った、村を3つ潰した云々がハッタリなのは自明として、共通点もなければ盗賊団としての常套手段すら見えてこないんだ」
ロット「真偽不明の情報を聞いた悪者達がどうやって集まったのかは知らないけど」
362 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 18:51:12.23 ID:IovC9HCy0
賊B「このガキャ生意気にベラベラと…!」
1人が勢いよく襲いかかってくる
賊B「ここまでわざわざ来といて手ぶらで帰ってたまるかってんだ!」ブン
振るわれた拳をサッと避け
ロット「抜剣・俊斬!」
レイピアを抜き切る
賊B「ん…ぐふぅ!!」バタ
賊A「な、なに!?」
363 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 18:56:13.83 ID:IovC9HCy0
ロット(いや本当簡単なお仕事…)ポキン
ん?なんだ今変な音がしなかった?
妙にレイピアを持っていた手が妙に軽い
目を移すと、どういうわけか刀身が短くなったものがそこに……
ロット「……あ」
賊C「ふへ…へへへ…」
賊A「どうしたんだよその情けねぇエモノはよ」
ロット(わ、忘れてたあああ!!!)
賊B「こ、この野郎」ヨロッ
ロット(わぁ、しぶとい…)
ロット「え、えっと…エスケープ!」
踵を返して走りだす
364 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 19:10:12.79 ID:nhQhfpuU0
僕のレイピアはスタット街で、女騎士の手によってヒビを入れられていた
僕はというとそんなことすっかり失念していた
いつだか誰かさんに「武器に愛着を持て」なんて言われた事があるけど、確かに一理ある
賊B「待てこらぁぁぁ!!!」
ロット(えぇ、なんで走れるの…?くそう、何かないか何かないか!?)
僕は走りながらも肩から下げているカバンに手を突っ込む
マッチ、包帯、ポーション(期限切れ)、針金、ルーペ、サングラス
果物ナイフ!
ロット(これでもいいけど、もっと良いものは…お、これは!)
僕は足を止めて向きなおる
365 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 19:19:32.63 ID:nhQhfpuU0
賊C「お、観念したのか??」
僕は格闘家をイメージしてファイティングポーズを取る
「札をちらつかせ勘弁してくださいからの騙しうち作戦」も考えたが、こっちの方が試してみたかった
賊A「おい、なんだそりゃ?」
ロット「僕が武道を心得てないと思う?まあ思うだろうね、試してみなよ」
賊B「今度は全員で滅多打ちだ!」
賊A「だらっしゃああ!!」
今度は3人でかかってくる、1人はナイフを持ってるからそれにだけ注意だ
息を吐きながら、いく数回の攻撃を避け下がる
賊C「!!」
ロット(今だ!)
366 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 19:32:29.19 ID:nhQhfpuU0
ロット「結氷拳!!!」(仮)
そんな言葉を叫びながら手に持っている「ソレ」を賊Cに叩きつけた
賊C「フガッ
カシーン
賊Cは凍った
賊A・B「」
ロット「ふっふっふ、どうだい?何を隠そう僕の本業は氷の格闘家なのさ」(手、冷たい!!)
僕は冷えた手をブラブラしながらそう言った
賊A・B「」
ちょっと効きすぎたな…
ロット「ほら、マッチあげるから炙ってあげなよ、死なないとは思うけどね」
というわけで僕は呆然とする2人にマッチ箱を投げつけ、鍛冶屋にダッシュする
367 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 19:41:34.39 ID:nhQhfpuU0
〜鍛冶屋〜
リゼ「お、来た来た。アンタやるじゃないか、まさか格闘家だったなんてねぇ。どうやったんだい?」
鍛冶屋に戻ると何人か打ちのめした後とみられる汗だくのリゼさんが待っていた
口ぶりからすると見ていたらしい
ここまで来る間にも、伸びていたり、逃げ出している賊の人影が何人か見えたので、そろそろ収束すると思われる
ロット「いえ…はぁはぁ」
少し息を整える
ロット「種明かしをすると大した話じゃないですよ。それっぽい技を叫びながら、ただの綺麗な石を押し付けただけです」
リゼ「石?」
ロット「ええ、ただ氷の魔法が封じ込められてるだけのね」
リゼ「あぁ、魔法ねぇ…なんだ」
あからさまにがっかりされた…
368 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/25(金) 19:42:36.45 ID:nhQhfpuU0
次ロットが使う武器を募集します
鍛冶屋に余ってる、比較的大したものではない武器です
↓3から選抜
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 19:44:17.28 ID:HRwhRmfa0
大小2つのカタナ(打刀と小太刀)
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 19:48:48.85 ID:BzIBaNHE0
チャクラム…と言いたいけど使い慣れていない武器使うのはどうかと思うし、そもそもなくしたら困る。
だから安価は「二刀小太刀(一本の鞘の両端に納め、一本の長刀に見せかけることができる)」で
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 19:52:34.84 ID:xRe5myskO
普通に扱い易そうな量産っぽいレイピアで
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 00:54:48.09 ID:Qmm+MCuc0
名前:アギト・クルセイド
年齢:24歳
性格:傲慢で血の気が多い性格。独善的
容姿:赤髪でオールバックのロングの男。目つきが鋭い
備考:職業は狩人(ハンター)で人間や魔物など全般が対象。
一匹狼で短期のためすぐに喧嘩になる。ただし、実力は本物。
大きく重い大剣を軽々と使い、色んなものを狩ってきた。付いた名が「鮮赤(せんせき)のアギト」。
彼の前には鮮血の赤い血が流れるからこの二つ名が付いた。
彼は本来体術の方が得意で、剣がない方が強かったりする。最も大剣がない分スピードが上がるのもあるようだ。
魔法も使え、媒体になるクリスタルを使い捨てのように使う。
使える魔法は、炎、爆発、雷、熱、強化、加速魔法、活性化etc…など攻撃的や強化系の魔法に偏っている。
過去経歴は不明だが、没落貴族の息子やらどこかの金持ちの息子で家出しているなど言われているがどれも憶測でしかない。
なぜかブラット=レイのことだけではなく、イヴのことを知っているようだが……
373 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/08/26(土) 07:36:30.33 ID:Iru+m+yC0
キャラが多くなって来たので一度キャラ募集を閉めます
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 08:29:35.90 ID:Qmm+MCuc0
>>1
が好きにキャラを選べばいいと思ったけど、選ぶのが大変になったか
まあ、今度は特定の村や町のキャラを募集してその中から選ぶ形式でもいいんじゃない?
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 21:23:57.97 ID:wKIp/YOS0
生存報告は欲しいな
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/09(土) 13:27:55.73 ID:OoNf8lupO
待ってる
377 :
◆YwfwH67PRHMh
[sage]:2017/10/02(月) 18:36:05.27 ID:cArRpc2/0
すいません生存してます
今日再開しようとも思ってます
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 00:58:16.00 ID:UukmVdC10
まってる
379 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 16:32:57.00 ID:POTHeo8j0
なんかもういろいろ申し訳ない
書きます
380 :
◆YwfwH67PRHMh
:2017/10/15(日) 16:42:38.10 ID:POTHeo8j0
〜あらすじ〜
舞台は政府とはまた違う自治体ギルドより町全体への支援の元、産業が独自の形で発展した職人の町「ツカーテ」。
元々産業や職人、その他価値のある物を目当てにやってくる賊の襲撃が多くあったこの町だが、
町の住民と外の人達の連携による、抜群の防衛力で今までも問題なく解決してきていた。
しかし、ここ最近になって何者かが流す事実無根の噂により、襲撃の頻度が激増。
この町を訪れたロットンとイヴ、ネコのキリュウの滞在中にも賊による襲撃に合う
ロットンは町にいた人達と一緒に賊の撃退に協力したのだった。
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 16:46:05.52 ID:LAyL4nKv0
待ってたよ!
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 16:47:25.56 ID:U+pHMcQj0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
383 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 16:56:27.99 ID:POTHeo8j0
「おら、大人しくしろ」
「くそぅ…」
僕は盗賊の奴らが次々とお縄にかかっていく様子を眺めていた
この分なら特に問題なく収束しそうだ
イヴ「ロットさん、大丈夫でしたか?」
ロット「ああ、とりあえずはね…イヴは平気かい?」
イヴ「ええ、エリスさんとキリュウさんが居てくれましたし、鍛冶屋の前はリゼさんが守ってくださいましたから」
まあ確かにあのハンマーを潜り抜けるのは並みの人間じゃ無理そうだ
グラン「ふーい、終わった終わった」
グランさんは肩を軽く回しながら鍛冶屋に戻ってきた
彼が戻って来れるなら後はもう流れ作業だろう
グラン「おーい、リゼ。ビール」
リゼ「あいよ」
エリス「おじいちゃん、帰ってきて早々それはどうなの?」
グラン「いけねえか?一仕事したら飲むって決めてるんだよ俺ぁ」
ロット「……」
グラン「ん?なんだボウズまだいたのか?」
ロット「ええ、まだ話は途中でしたから」
384 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 17:08:18.83 ID:POTHeo8j0
ロット「今までの襲撃もあの規模で?」
リゼ「まちまちだけどねぇ…どうだったんだい親方?」
グラン「ふん、あんなの屁でもねえよ、いくらでも来いってんだロクでなしども」
ガッハッハと笑う彼は、仕事を終えビールを流し混んでいるせいか上機嫌だ
おかげでイマイチ答えになっていない…
ロット「うーん…」
キリュウ「話にならn…!!
とりあえずキリュウの口を塞ぐ
口は災いの元と言うが、キリュウはその元だ
イヴ「あれ?エルヴィンさんはどうされたんですか?」
グラン「ヤツの事なんか知らん、帰ったんじゃねえのか?」
エリス「父は多分すぐには戻って来ませんよ。いろいろと後処理があるので」
ロット「後処理?あ、そうか、あの賊の人達どうするんですか?」
エリス「間も無く、連絡しておいた騎士の人達が拘束しに来ると思います」
ロット「え……騎士…?」
キリュウ「んだヨ、結局捕まえるだけかヨ、ツマンネ」
385 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 17:28:07.98 ID:POTHeo8j0
イヴ「……」
イヴに目を移すと気持ち表情がぎこちなくなっている
リゼ「なんだい坊や、やましい事でもあるんかい?」
ロット「いえ、その…ギルドが騎士団と協力していた事に少し驚いたもので」
それは事実だった、ギルドは政府と険悪な仲だ、つまり騎士団との関係も同様
騎士を名乗る者をやすやすと町に入れたりしないと僕は記憶していた
グラン「まあな、こっちもゴタゴタ言ってられねえ状態なんだよ。ロクでなし供を全部捕まえてたら町が賊で埋め立てられちまう」
エリス「騎士団の方もこの件に対しては協力的と父から聞きました」
ロット「な、なるほど」
キリュウ「じゃあ、政府の奴らが悪人どもをけしかけて、この町を潰そうとしてんじゃねえのかヨ」
イヴ「確かにその流れで、盗賊の方達も捕まえられますね」
ロット「どうだろ、もしそれが目的なら協力なんてせずに、耐えかねたギルドが政府に助けを求めてくるのを待ちそうなものだけど…」
キリュウ「……お前意外と発想がエグいヨ」
ロット「なんだい、君の推理を検討しただけじゃないか」
でも確かに、噂を流している張本人の目的が掴めないと解決しない気がするなこれは…
386 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 18:01:22.23 ID:POTHeo8j0
リゼ「あ、例の騎士が来たみたいだね」
リゼさんは窓の外を覗きこんでそう言った
賊達を回収しに来ただけなら、とりあえずここにいれば僕達の存在は見つからずに済みそうだけど
ロット「少し探ってみるか…」
イヴ「ロットさん?」
ロット「イヴ、少しだけ帽子を返してくれるかな?」
・
・
・
エルヴィン「ああ、今日はざっとこのぐらいだ」
騎士「毎度ご苦労様です。いっそ我々も直接警備したいぐらいですが、上の意向でこれ以上の協力は…」
エルヴィン「構わないさ、あんた達が悪いわけじゃないし、この町にはギルドの流儀がある」
騎士「左様ですか、こちら収容所も随分手一杯になって来ました、そろそろ終息して欲しいところですが」
ロット(なるほど、少なくともこの件では友好的な関係が築けているみたいだ)
賊達はどんどん町の外に連れ出されて行く
ロット(さて…あの人かな)
騎士(指揮者)「どうだ、まだいるか?あれらで全部だな、なら満員になった所から収容所に戻ってくれ。…はぁ」
ロット「すみません、少しよろしいですか?」
騎士(指揮者)「はい?」
深く帽子を被った僕は指示出していた騎士に話しかけた
ロット「僕はロン・スクヤードと申します。少しこの件について聞きたいことが」
騎士(指揮者)「なんだい?ジャーナリストか何かかい?」
ロット「ええ、そんな感じです」
キモン「ふーん……、僕はキモンだ。何が聞きたい?」
ロット「いえ、なにぶんたまたま居合わせたもので、状況をあまり把握してないのですが、この襲撃者達はどうされるんですか?」
キモン「どうすると言っても、最寄りの『ヤスクワルト収容所』に収容するんだ、処分は後ほどだ。ツカーテへの襲撃が止んだらまとめて処理するんだろう」
法的措置は後回しか、さっきエルヴィンさんと話していた騎士も手一杯と言っていたが、収容所がいっぱいになってしまっているんだろう
キモン「おかげで、ウチ勤務の騎士達は疲れ果ててるよ。僕も上に応援を頼んじゃいるんだけどね…はぁ」
ロット「頼む…あなたはその収容所の?」
キモン「ああ、所長をやってるよ。と言っても異動して来たばかりだけどね」
ロット「なるほど、それは災難でしたね」
キモン「おっと、それじゃ我々も引き上げないと…ではまた…」
387 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 18:07:54.89 ID:POTHeo8j0
ロット「あ、最後にいいですか?」
キモン「なんだね?」
ロット「最近スタット街で一騒ぎがあったみたいですが、ご存知ですか?」
キモン「ああ、なんか魔物が住み着いてたらしいね。大騒ぎだったらしいけど被害はそこまで出なかったって聞いたよ」
ロット「そうだったんですか、良かった。実はスタット街に友人がいた者で」
キモン「それなら教える事ができて幸いだ、それでは」
ロット「ありがとうございました」
その人を見送った
ロット「ふぅ……」
僕達の事はそんなに騒がれていないのか?
それとも機密扱いで一般人に公表はしないのか
とにかく帽子を被っただけで正体が割れないなら、直ちにどうという事はなさそうだ
そしてヤスクワルト収容所…行ってみたら何かわかるだろうか?
388 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 18:17:18.23 ID:POTHeo8j0
エルヴィン「おう、どうした」
ロット「あ、エルヴィンさん。どうも」
僕は脱帽しながら、振り向いた
ロット「いえ、少し聞き込みを。それにしても驚きました」
エルヴィン「ん?ああ、俺たちが騎士団と上手くやってる事か?あの収容所の連中は話がわかるから今だけ休戦してるんだ」
ロット「お互いよくその気になれましたね?」
エルヴィン「まあ、ある差し金があったからな」
ロット「差し金?」
エルヴィン「おっと、俺は本部に戻ってやる事がある。鍛冶屋に戻るなら娘に早めに戻るよう伝えてくれ」
ロット「あ、はいわかりました。お疲れ様です」
彼はスタスタと去って行く
差し金については分からず終いだ
ロット(妙に話を切り上げられたような気がする…)
389 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/10/15(日) 18:30:23.48 ID:POTHeo8j0
〜鍛冶屋〜
キリュウ「お、戻って来たヨ」
リゼ「おう、おかえり坊や」
ロット「えっと、ただいまです」
そろそろ坊やはやめてほしい
イヴ「どうでしたか?」
ロット「うん、そこまで焦る必要もなさそうだ」
帽子を返しながら答える
イヴ「そうでしたか、安心しましたわ」
ロット「まあ油断は禁物だけどね」
イヴ「もちろんですわ」
そういうと彼女は帽子を被り直した
キリュウ(すっかりその帽子も持ち主が変わったみたいだヨ)
リゼ「なんだい、あんたらやっぱり何かしたのかい?」
エリス「そんな風には見えないですけど……」
ロット(さて、どう言い訳するか)
グラン「……まあ、事情はあるんだろうよ。それより坊主、その腰に刺さってるやつ、まだ使えるのか?」
ロット「え、なんで気づいたんですか?」
僕は折れたシルバーレイピアを見せた
グラン「俺が何年この道でやってると思っとるんだ。そんなナマクラでこれからもやってくつもりなのか?」
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 12:30:52.13 ID:gfgMXIzWO
待ってるよ
391 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/18(土) 15:58:56.91 ID:jbWa+deco
ロット「いえ、流石にこれをこの先も使っていくわけには…、果物ナイフとしてなら使えるかもしれませんが」
アハハ、と笑いながらそんな返答をしてみる
グラン「はん、バカ言ってんじゃねえ、そんなもんで切ったリンゴが食えるかってんだ。それよりマシなもんなんか、探しゃいくらでもあるぞボウズ」
僕とは対照的にガハハと笑うグランさん
ロット「え、ええ…そりゃごもっともで」
キリュウ「探す必要もねえんじゃねえのかヨ?」
キリュウがそう言うとグランさんは笑い声を止め、ニヤリとした
ロット「ん?」
イヴ「あ、そうですわ!鍛冶屋を営んでらっしゃるんですよね?」
ロット(あ、そうか。ここは鍛冶屋…)
色々あったせいで、すっかり忘れていたけど、グランさんはここの親方という話だった
なるほどなるほど、この折れたレイピアの話題を持ちかけてくるわけだ
キリュウめ余計なことを…
リゼ「お、坊や何か持ってくかい?自慢の一品だらけだよ、ここの武具は」
ロット「えー、生憎、高品質な武器に見合うほど手持ちが…」
と両手をヒラヒラさせる
グラン「へ、なんだそんなことか、期待しちゃいねえよ」
こっちも期待していなかった返答が返ってくる
リゼ「坊やはさっきの人騒ぎに加勢してくれたからねえ、そういうことだろ親方?」
グラン「おうよ、働き者ってのは見合う報酬があってこそだ、ここは鍛冶屋であって武具屋じゃねえ、なにか考えてやってもいいぞ?」
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 16:08:44.20 ID:gPui3oPA0
更新待ってたよ!
393 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/18(土) 16:15:41.02 ID:jbWa+deco
ロット「あの、それは大変ありがたい限りなのですが…」
―――――――
イヴ「・・・・・」
キリュウ(あーあ、始まったヨ)
エリス「あの、ロットンさん、なんというか困っているように見えるんですが、何かご事情が?」
ロト坊の態度に違和感を感じたらしい、まあ普通の奴なら願ってもねえ話だろうヨ
こっちの鍛冶屋娘は商売熱心ってわけじゃねえみたいだヨ
イヴ「ええ、私にもわからないのですが…ひょっとしてあのレイピア気に入っていらしたんでしょうか?」
キリュウ「気にいる?とんだ冗談だヨ、あいつが剣を気にいる訳がないだろヨ」
イヴ・エリス「?」
イヴ「えっとつまりは?」
キリュウ「あいつ安もんが好きなんだヨ」
エリス「もちろん私は戦わないからわからないけど…武器って良いものに越したことはないものなんじゃ」
キリュウ「武器だからだヨ」
エリス「どういうことなの?子猫ちゃん?」
キリュウ「あ??」
イヴ「キリュウさん!」
キリュウ「ちっ…あいつの本業はあくまで探偵、戦うことは本職じゃないヨ」
キリュウ「それに、戦闘で何か手に負えないことに直面したときはさっさと撤退する事を念頭に置いてるんだヨ」
394 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/18(土) 16:26:32.52 ID:jbWa+deco
キリュウ「そんな時、例えば剣を弾かれてしまった時なんかに、わざわざ拾いに行きたくなるような武器は欲しくないんだとヨ」
エリス「あー、なるほど…」
イヴ「あんなにお強いのに…」
キリュウ「ワレ様もどうかと思うけどヨ」
キリュウ「あ、ちなみにワレ様が首にかけている魔法媒体は、一級品のラピスラズリだから話は…」
エリス「おじいちゃん!リゼさん!そんな急にお話を持ちかけてもお客さんは困惑しちゃうでしょ!」
リゼ「あー、うん。そうかもねぇ…」しょんぼり
グラン「なんだよ、ありがてぇ話じゃねえか?なぁボウズ」
ロット「いえ、少し考える時間が欲しいと言うか…ほら、まだ剣も見てませんし」
エリス「ほーら」
グラン「うっ…」
キリュウ「話、まだ途中だったのにヨ」
イブ「まぁまぁ!!」
395 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/18(土) 16:39:26.06 ID:jbWa+deco
―――――――
エリスさんが助け舟を出してくれたおかげで、なんとか商売熱心な二人から逃れることは出来そうだ…
どうやらエリスさんには腕っぷしの立つ二人も、弱いみたいだった
ロット「とはいえ…」
僕はもう一度折れたレイピアに目をやる
新しいものを用意しないといけないことには全く反論の余地がない
できればレイピアか細身の剣がいいなぁなんて思いながら、この鍛冶屋を少し見回してみると
気になるものが…
ロット(あれ、もしかしてこれ…)
大きな箱、そこにはさほど価値のなさそうな武器が乱雑に置かれていた
なにより…
リゼ「あれ、なにやってるんだいあいつは?」
エリス「どうか、されましたかロットンさん?そこにあるのは、売り物にならない失敗作や、ここで直接武具を買っていった人達が置いて行ったものなんですけど…」
キリュウ「おい、小娘。荷物をまとめておけヨ」
イヴ「え??」
396 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/18(土) 16:50:11.74 ID:jbWa+deco
グラン「「「出ていけこのロクでなしどもが!!」」」
店から叩きだされたのはそれから、間もなくのことだった
ロット「……なんで??」
イヴ「あたりまえですわ!」
ロット「え?」
イヴ「彼ご自慢のもっといいお品物がたくさん置いてあるなか、たまたま置いてあった使い古しのシルバーレイピアに目を輝かせていれば不機嫌にもなります」
ロット「ああ、なるほど、そういうことか…悪い事したなぁ」
初めてイヴに怒られた気がする
鍛冶屋にはあまり縁がなかったからなぁ…
キリュウ「まったくヨ」
ロット「…まあ、武器はなんとかするさ。まだ全然買い物してないし、ついでに手ごろなものを調達しよう」
今日は一度宿に戻ることにした
旅の支度と、頻発的襲撃事件の調査は明日に持ち込みだ
397 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/18(土) 16:56:46.24 ID:jbWa+deco
更新が途絶えてしまって申し訳ありません
↓1〜3夜自由行動選抜
※なんでもありです。誰かに出会うでも、戦闘イベントでも、買い物でも。詳しく書いてもらっても簡単に書いてもらっても構いません。これからこの自由行動系の安価を増やそうと思います
何もでなかった場合はこちらで進行します
パーティ
・ロットン
>>257
より 職人と冒険者の町【ツカーテ】
冒険者や職人を支援するギルドを中心とした町。
石造りの家屋と市場に集う屋台。絶えず響く鍛冶屋の鎚の音が印象的。
二つの大きな街道の交差点に位置し、東側には海に向かう大河が流れており、交通の要所としても有名。
宿、商店、鍛冶屋などなど、「ツカーテに来て揃わぬものなし」と言われるほど商業が発達していると同時に、多くの情報が集うため情報屋の激戦区でもある。
町全体を通して自立意識が高く、ギルドの組織している自警団は騎士団や国とのいさかいを起こすことが多い。その為国とは仲が悪いが、多くの冒険者や商人達を味方につけているため国としても手を出しづらい町である。
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 17:00:13.42 ID:983I8Omw0
ロットンがイヴと夜に2人で街を散策
(キリュウは空気読んでかはいない)
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 17:02:41.18 ID:gPui3oPA0
自警団のリーダーのジャック(≫290)が「手伝ってくれた礼がしたい」と尋ねてくる。
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 17:11:01.78 ID:AmkH+ZfmO
今のうちに情報屋を探しておこうと裏通りへ
そのなかで腐れ縁の情報屋(
>>34
)と出逢い情報交換することに
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 17:16:03.40 ID:983I8Omw0
個人的には
>>1
には書かれたキャラ全員使わなくていいと思う。使えるキャラだけ選んで
402 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/20(月) 09:51:10.31 ID:IYSwyNE70
〜宿〜
一騒ぎ終え、僕たちは適当に夕食を取り宿に戻った
まだ暖かい季節なので、日が落ちるまでにはもう少し猶予がある
僕は、メモ帳とペンを片手に考え事をしていた
ロット(ふむ、『ヤスクワルト収容所』と…これで関係図はまとまったかな?収容所については詳細を調べるとして…そういえばエルヴィンが気になることを言ってたような)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>388
ロット「いえ、少し聞き込みを。それにしても驚きました」
エルヴィン「ん?ああ、俺たちが騎士団と上手くやってる事か?あの収容所の連中は話がわかるから今だけ休戦してるんだ」
ロット「お互いよくその気になれましたね?」
エルヴィン「まあ、ある差し金があったからな」
ロット「差し金?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ロット(差し金とは一体…?)
キリュウ「ロト坊、考え事なら口に出さずにやれヨ。うるせーヨ」
ロット「キリュウ、襲撃の時その要素を遠くからずっと見てた奴とかいなかったかい?」
キリュウ「たくさんいたヨ、戦えねえくせに様子は気になる野次馬なのか、単に心配で眺めてるのか」
ロット「ああ、そうかたくさんいるかぁ」
キリュウ「…んで?謎解きの時間かヨ」
キリュウが僕の考えを知りたい時は決まってこう聞いてくる
ロット「いや、まだ何もさ。強いて言うなら、何度もこの街を襲撃させて、その要素を観察」
ロット「この体制の穴を見つけた本命の盗賊団のご登場。とかだろうかね」
キリュウ「でもしっくり来ねえのかヨ」
ロット「まあ無理だと思うから、参加してみてわかったけど、ここの防衛力は凄まじいよ、役割分担もしっかりしてる。穴があったとしても、並の盗賊団じゃ戦力が足りないさ」
ロット「仮にツカーテ自警団が全員休んだって、常に多くいるこの街にやってきた滞在者(戦士たち)だけで事足りるよ」
403 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/20(月) 10:32:59.07 ID:IYSwyNE70
>>402
訂正:
要素→様子
404 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/20(月) 10:46:23.64 ID:IYSwyNE70
ロット「問題なのは滞在者の方だよ。この街にいる人は1日で目まぐるしく変化する。当然戦い方もひとによって様々だ」
キリュウ「例えば?」
ロット「大きな得物を担いで大声を上げながら軍勢を蹴散らしていく戦闘狂のような輩もいれば。僕みたいに誤魔化すのが得意な人もいる」
キリュウ「いやお前みたいのは、他にはいないと思うんだがヨ」
ロット「静かにしたまえ。何人かでパーティを組んでここに訪れている人達だって当然いるんだ。その全体の性質は日によって違うから、そもそも攻略法を立てることが現実的じゃない」
ロット「……まあ、まだ何も分からないんだけどさ」
キリュウ「へー」
ロット(相変わらず問うてきた割には、興味なさそうに聞くなぁ…)
キリュウは僕の話を聞きながら、砥石爪の手入れをしていた
爪でシャキン!と引っ掻いたりとかしない癖に
コン…コン
話がひと段落したいいタイミングで、部屋のドアからノック音
ロット「どちら様ですか?」
イヴ「私です。イヴです」
僕はそれを聞くや否や、少し早足でドアを開けた
405 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/20(月) 14:34:09.28 ID:Y5Rm7HNX0
ロット「や、やぁごきげんよう!」
イヴ「こんばんわ…ひょっとして間が悪かったでしょうか?」
ロット「とんでもない!いつでも歓迎さ」
自分の家でもないくせに歓迎してどうする
ロット「それで、どうしたんだい?」
イヴ「よろしければ、少しお出かけしませんか?」
お出かけ?
正直予想もしていなかった
ロット「構わないけれど、もう日が落ちるところだよ?」
イヴ「ええ、でも部屋に引きこもるにも少し早いかと思いまして。夕食も済んでいますし…その、まだ街のお店もやっていますし、見て回りたいと言いますか…」
確かにそれはある。普段の僕なら、この時間はまだうろついているものだ
つまるところ…暇なのだろう
無理もない、彼女はそこそこ好奇心のある方だと見えるし
ロット「うん、わかったよ。キリュウはどうす…ん?」
さてキリュウはというと窓を開けて外に出ようとしていた
ロット「行かないのかい?」
キリュウ「ワレ様はいけ好かねえモグラに会ってくるヨ、勝手に二人でいけヨ」
そう言ってピョイっと外に出て行った
だから何者なんだそのモグラ
イヴ「昨夜のモグラの方に会っていたみたいですが」
ロット「たまにいるんだよ、変な友達が」
406 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/20(月) 15:43:16.78 ID:Y5Rm7HNX0
〜街中〜
まだ比較的明るい商店街を、僕の探偵としての経験を話しながら歩いた
ロット「ああ、それでそのお爺さんの隠し財産の場所が突き止めることができたんだよ。結局教えなかったんだけどね」
イヴ「ふふ、色んな事件があるんですね」
ロット「何しろ穏やかな世の中じゃないらしくてね。皇帝と愉快な仲間達のお考えはよく分からないし、騎士団にも妙な奴らがいるみたいだし、王国の方から悪い人達が密入してるとかいう噂もあるし」
うーん、そう考えると悪情勢はもうじきピークを迎えそうな気がする
イヴ「………ロットさん」
ロット「何だい?気になるお店でもあったのかね?」
気軽に振り向きながらそう聞くと
立ち止まったイヴは、話を楽しんで聞いてくれていたさっきの雰囲気を一転させていた
至極真剣な顔をしている
やはり美人…ゔぉっほん!!凛々しい表情だ!!
イヴ「あの、ロットさんはなぜ探t…「「おい、あんちゃん!」」
しかしその真剣な声は、不愉快な大声で遮られた
???「おい、あんちゃん。兄ちゃん。お前さんだよお前さん」
繰り返しそう呼びながら、おっさんがだいぶ遠くから上機嫌で駆け寄ってきた
ロット「……やっぱり僕の事ですか」
???「他に誰がいるってんだ」
ロット「たくさんいると思いますが…」
大声だったものだから、すっかり注目を浴びてしまっている
そして話を遮られたイヴは少々むくれている
???「まあ細けえこたぁいいじゃん」
良くない
???「ちょっと面貸してくれや」
できるなら貸したくないが
何もかもを御構い無しに肩を組んでくる
ロット(酒くさ!!)
???「お、嬢ちゃんお連れさんかい?どうだ、嬢ちゃんも一杯やらねえか?」
イヴ「いえ、あの…その…困ってしまいます」
ロット「ええぃ!どちら様ですか!!?というか、本当に僕が誰だかわかって近寄って来たんですか??」
この酔っ払いようだと、僕を友人か何かと勘違いしていてもおかしくはない
当然僕は知らない
407 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/20(月) 20:01:21.67 ID:+9kMQT2z0
???「あぁん?探偵ってのはお前だろぉ?違わねえ筈だぞ?」
残念彼は知っていた
悪寒がする
ロット「どうして知ってるのさ……」
イヴ「お、お知り合いですかロットさん?」
ロット「いや、そんなはずは…」
???「ふぃ、親方がそう言ってたんだよ」
イヴ「親方さん?」
ロット「なるほど、グランさんだ」
合点が行く
僕は余りの酒臭さから、軽い頭痛を憶え
顔に手を当てながらそう言った
どうやらここの住人はみんなグランさんの事を親方と呼ぶらしい事が判明
この酔っ払いは僕達が去った、いや追い出された後にそこ(鍛冶屋)にお邪魔したのだろう
そこで僕の話をするグランさんはビールを飲んでいたはず
で、流れで飲みまくったと…
イヴ「という事はあの鍛冶屋さんの、お弟子さんでしょうか?」
親方と呼ぶくらいだからそう考えるのは当然だ
でも…
ロット「いや、違う。多分グランさんの事を親方と呼ぶ人は他にもたくさんいる筈だよ。非常に信じ難い事だけどこの人…」
僕は空いた手の指を彼の袖に向けた
その指の先には立派な腕章が付いている
ロット「わかるかい?」
イヴ「これ自警団の人達が付けていたものと……いえ、似てるでしょうか??」
イヴは若干離れた場所からその腕章を確認していた
ロット「うん、戦っている時に気づいたんだけど、この腕章、二つの種類に分かれているみたいなんだ」
ロット「一つはここの住民でもある団員、そしてもう一つが短期間雇われた外からの団員、旅人とかだね」
この二つは区別できるようにしてあったのだ
ロット「だけどこの人の腕章はそのどっちとも違う、つまり……!?」
???「ヒック」
この人どんどん体重かけてきてるような…重い!
ロット「はぁ…つまりこの人多分、リーダーなんだよ。自警団の」
イヴ「えぇ!?」
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/20(月) 23:18:05.70 ID:8vm4JjEM0
更新乙です。
409 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/21(火) 15:16:09.48 ID:5t5bVmGl0
さてこの呑んだくれはジャック・テンペルという方らしい
なぜ「らしい」なんて曖昧な表現を使うかというと
ジャック「ZZZzzZz……」
ロット「重い…」
僕に肩を預けたまま睡魔に打ち負けたおじさんが誰だか、どこに住んでるかは通りがかりの親切な方が教えてくれたからだ
イヴ「書いてくれた地図通りだとすると、ここがジャックさんのお宅、という事になりますわ」
ロット「う、うん」
リーダーという事だから水準以上の住処を構えているもの…なんて偏見があるが
そうではないにしても、お世辞にも綺麗とは言えない
口には出せないが年季の入ったボロっちい家だった
まあ僕の事務所も似たり寄ったりなんだけれど…
ロット「さて、どうするかな。ジャックさんに起きてもらえれば……」
そんな事を考えているところで、イヴが行動を起こしていた
コン…コン!
イヴ「ごめんくださいませ、どなたかいらっしゃいませんか?」
ロット「イ、イヴ?」
イヴ「あ、申し訳ありません勝手に…でも、起こさずに済むのでしたら、そうしてあげたいですわ」
確かにぐっすりと眠っているし、泥酔していた事も考えると
相当荒々しく起こす事になりそうではあった
ロット「うん、わかったよ」
彼女の気遣いに、僕は素直に感心した
…そろそろ肩が限界だけれど
410 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/21(火) 16:10:41.91 ID:5t5bVmGl0
キィィ…
イヴ「あら、突然すみません。ジャック・テンペル様のお宅はこちらでしょうか?」
???「こんばんはです。はい、確かにここなんですが、リーダーにご用事でしたら、いま不在で……」
中から出て来たのは小さな女の子だった
しかし、来客の対応には慣れているのか、この時間の突然の来訪者相手にも特に物怖じする様子はない
ロット「あ、そのリーダーなんだけど、この人かね?」
ジャック「ZZZ」
???「………ごめんなさい、すぐ戻ります」
と、状況を理解したのか、奥に入っていった
30秒くらいでまた急ぎ足で戻ってくる
???「はぁ…」
ため息を吐きながら戻ってきた彼女の手にはフライ返し
そのまま僕に前まで来ると、そのフライ返しを振り上げた
ロット「え…?いや、ちょ!?」
ベシーーーーン!!!
411 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/21(火) 17:55:42.01 ID:5t5bVmGl0
〜ジャックの家〜
ジャック「痛ってぇ、酔いが覚めちまった」
ミルカ「毎日毎日飽きもせず酔いどれるリーダーがいる??」
ジャック「んなこと言ったら、食いもん扱う道具で大人の事ぶっ叩くガキだっていやしねえよ」
ミルカ「ガキじゃありませんもん」
ジャック「ガキだよガキ、そう見えるとかじゃなくて10歳ぽっちだろうがテメェ」
ミルカ「そう決めてるだけで、本当は12か13ぐらいかもしれないじゃない!」
ジャック「……てぇして変わりゃしねえじゃねえか」
ジャックさんを叩き起こした、その娘ミルカは僕たちの事を家に招き入れてくれた
着々とお茶の準備を進めるミルカさんと、少し小さめなちゃぶ台を挟み、僕達の正面に座るジャックさんはずっとこの調子だ
ロット「あ、あの……」
ジャック「ん、ああ悪ぃな。あんちゃん賊退治に加わってくれたんだろ?礼がしたくてな」
少なくとも僕に用事があった事は確かなようだ
ロット「いえ、それには及びませんよ。僕が無力化したのなんて3人だけですし」
ジャック「3人??何言ってんだ?」
ロット「へ?」
412 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/21(火) 19:24:19.48 ID:5t5bVmGl0
ジャック「お前さんが賊の一人を立派な氷細工に変えたもんだから、それを見たバカな賊の何人かが戦意喪失したんだよ。敵さんの士気に多大な影響を与えたってこった。考えたな兄ちゃん」
ロット(うわ、偶然…あと呼び方統一してくれないかな)
ロット「でもあの程度、魔法都市シュトルベルンとその周辺では日常茶飯事ではないですか。賊に魔法の知識がある人いなかったんですか」
ジャック「ああ、誰もいなかった。今回の襲撃は脳筋ばっかりだったよ」
ミルカ「おとうさんもそうじゃない」
ジャック「う、うるせぇ!」
ミルカ「それにしてもお兄さん魔法使えるんですね!いいなぁ、私も剣とか斧とかは使えないけど、魔法があれば自警団員として戦えるのに……」
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/21(火) 22:05:55.79 ID:FTgkdiLK0
乙
明日もくればいいな
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/21(火) 22:37:19.91 ID:qQeIZeXK0
乙です
415 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/22(水) 10:00:28.52 ID:LE2xJgeI0
ジャック「……」
ジャックさんは、娘のその言葉を聞くと少し複雑な表情を浮かべた
危険を犯してまで戦って欲しくないのか
別の意図があるのかは分からない
あと横にいるイヴが(魔法…魔法ですか)と微かに呟くのが聞こえてきた
ミルカ「もしよければ、魔法を使う上での心得みたいなものを教えてくれませんか?いつか絶対覚えようとは思ってるんですけど、何からやればいいのか分からなくて…」
ロット「ううん、僕、魔法使えないんだよ」
ミルカ「え?」
ジャック「なんだ、じゃあありゃ手品か何かか?」
ロット「えっとジャックさん。あれは僕の…仲間の魔法の力で、実は僕自身は魔法はからっきしダメなんですよ」
ジャック「そういうもんなのか。この町にも魔法なんかを使う奴はそう多くねえから、よく知らなかった」
ロット「ええ、それに魔法を使えてもそれだけで戦っていくには相当極めた人でないと難しいと聞きます」
僕はミルカの方へ視線を移しながら続けた
ロット「魔法を使うっていうのは、武器を振るう事とは違う形で体力と精神力を消耗する。無理をするとそれ以上に体に負担がかかるらしい。極めるのは剣なんかよりも断然難しい」
イヴ「そうなんですか??」
ロット「うん、そして素質も大きく関わってくる。ちょっと見てて?えーと…」
僕は、鞄から小さな石を取り出す
イヴ「そちらは?」
ロット「ソーダライトっていう鉱石さ、キリュウがぶら下げてるラピスラズリの関係者……もう残り少ないな…」
416 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/22(水) 16:28:49.81 ID:FwuYTeNQ0
僕はそれを持った手を突き出し、一回深呼吸した
ロット(よし…)
ロット『凍てつく氷の盾よ!我が身を守…』
バチィィン!!
ミルカ「!?」
イヴ「きゃ!」
ジャック「おっと!」
僕の詠唱は途切れ、代わりに何かが僕の手で弾ける音が響く
3人の驚く声が重なった
ロット「痛てててて……全部言わせてすらしてくれないのか……」
イヴ「お怪我はありませんか!?」
ロット「うん、大丈夫だよ。でもこのソーダライトは…」
ジャック「粉々だな」
ミルカ「それに…さっきまで綺麗な青色だったのに、ただの石になっちゃったみたい」
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/22(水) 21:54:57.65 ID:S7ZVJ3J20
乙でした
418 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/23(木) 18:18:58.73 ID:4T7XpFYXo
ロット「一般的に魔法を使うって言うのは、魔力をこういった鉱石や宝石、人の手で作ったものだと、色々書いた魔導書などという『媒体』に一度蓄積させ、それを放つという事らしいです」
ロット「魔法を使えない人が使おうとするとこうなる。僕のソーダライトもただの石ころと化しました。これでは磨いて飾りにすることすらできません」
ジャック「分かっちゃいたが、あれってただ口上を覚えりゃいいってわけじゃないんだな」
ロット「はい、それこそ素質が関わる要素で、こうやって詠唱をしつつ、頭の中で、あらゆることを処理し、計算し、意識し、集中し、…僕らにはよくわからない感覚をつかむ必要があるらしいです」
ロット「素質のある人はその感覚を自然に身に着け、訓練した人では、詠唱なんかしなくても発動できる人だっています」
僕もスタット街で痛い目に合っている
ミルカ「…さっき、お兄さんが使おうとしてた魔法はどんな魔法なんですか?」
ロット「僕が唱えてた魔法は、氷の板を正面に展開して、敵の攻撃から身を守る『アイスシールド』、氷魔法を使う人なら基本中の基本らしい」
イヴ「じゃあ、キリュウさんは使えるのですか?」
ロット「キリュウに至ってはもっとすごい守る手段を何回も使えるから、もはや『アイスシールド』に用事はないよ」
イヴ「そ、そうなのですか」
ミルカ「…でも、努力すれば使えるようになるんですか?」
ロット「もちろん、僕なんかは少しだけしか練習してないからね。努力して覚えた人も数えきれないほどいるよ」
少しだけミルカさんの表情が明るくなるのに気づいた
何年か前に、魔法と言うものに憧れを持ったのは僕だって同じだ
文句を言いつつも付き合ってくれたキリュウを裏切るように
3日で投げだしたのを覚えている
ロット「でも、どれだけかかるかは分からない。シュトルベルンにある学校に通って、結局習得できなかったなんて例もあるからね」
ミルカ「そうですか……」
イヴ「そうですか…」
419 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/23(木) 18:40:13.80 ID:4T7XpFYXo
ロット「イヴ?」
イヴ「あ、いえ、なんでもございませんわ!もしよろしければ私もキリュウさんに教えを乞おうなどとは…」//
多分、奴は教えてくれないだろうけど…
ロット「いいかい二人とも?僕が話したかったのは魔法習得の難しさじゃない」
「二人」と聞いたイヴが少し恥ずかしそうにしている。
ジャック「ああ、そうだなロットン」
ロット「ロットとお呼びください」
ロット「最初に言ったけど、魔法は剣よりも体に負担がかかるものだ、限界が来れば初級魔術すら使えなくなるし、無理をすれば動けなくなってしまう事もある」
ロット「魔法が使えなくなってしまえば下がるしかなくなる、動けなくなってしまえば敵にとっては格好の的だしね」
ロット「過信は禁物なんだよ」
大切なのは魔法以外の攻撃手段を用意しておくことや、他人との連携ができるようになること
と言いたいところだけど
ロット「大切なことは自分にできることを全力でこなすことだよ、戦うこと以外にもたくさんあるんだからさ」
ミルカ「そう、ですね。リゼお姉さんみたいに戦ってみたいって少しは思ってたんですけど…私は今まで通り自警団のサポートを頑張ってみます」
イヴ「自警団のサポート?」
ミルカ「はい、こう見えて私色々…
ピィーーー!!
ジャック「おっと、やかんか…」
イヴ「いいよ、座っててお父さん」
ジャック「お、おう」
420 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/23(木) 20:19:36.24 ID:4T7XpFYX0
すいません明日はもうちょっと書きます
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/23(木) 20:33:11.39 ID:1ctulIhWO
乙でした。
422 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/24(金) 11:12:49.57 ID:XpWjYrgY0
イヴ「あの子、見た目よりもずっと立派ですね」
ロット「ミルカさんって、娘さん…何ですか?」
ジャック「お、察しがいいな、どうしてそう思った?」
ロット「さっき10歳と決めてるだけだって、と言ってたので」
イヴ「はい、こちらでは歳を自分で決める文化でもあるのかと思いましたわ?」
ジャック「間違いなくそんな文化はねえが、なるほど、そりゃ変に思うわな」
ジャック「その通り、ミルカはどこのどいつが産んだのかすらわからねえ。そういう奴だよ」
ジャック「そもそも俺には嫁さんがいねえしな、ハッハッハ」
ロット・イヴ「……」
さっきまでの酔っぱらっていた状態のジャックさんを思い出す
まあとてもじゃないが女性は寄り付かなそうだ
ジャック「おい黙るなよ」
ロット「コホン、失礼しました」
ジャック「まあそんな事情もあり、俺が酒と女にだらしないせいか、苦労もかけちまってる。部下やギルド長にはよく、親子というより夫婦みてえだ。とからかわれる日々だ」
イヴ「でもそれだけ仲睦まじく見えてらっしゃるって事ですわよね?」
ジャック「さぁな…ま、これが続けばそれでもいいんだと思うけどな」
423 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/24(金) 11:32:17.07 ID:XpWjYrgY0
ジャック「そういう意味ではあんちゃん。アンタが話してくれた事はありがたかった。これでアイツが無茶な事をする心配が少しは減ったよ」
ロット「いえいえ、そんな」
ジャック「いや俺が言うより余所モンが言った方が聞くんだよこう言うモンはな。こりゃお礼は弾まねえと…な?」
そういえば元々そんな話だったような気もする…
ロット「あの今日の襲撃についてですが、本当にお礼なんてほどの事はしてませんよ?それに僕は自警団契約などしてませんから」
ジャック「だからこうやってわざわざ探し出したんじゃねえか。勝手に加勢するくらいなら、自警団に入っててくれてればもっと円滑に報酬を渡して終わりだったんだよ」
ああ…なるほど
でもそんな僕をわざわざ探し出す辺り、義理堅い組織である事は確かかもしれない
ロット「わざわざ探してくれただけで十分ですよ。ここはお気持ちだけと言う事で…」
ジャック「いいや、アンタにはこれからもっと厄介な事に首突っ込んでもらうんだ。何かしら渡しておかなきゃ気が済まねえ」
ロット「へ?…あの、一体どう言う?」
ジャック「とぼけたちゃいけねえよ。親方から聞いたんだ。よく言ってくれた。てぇしたもんだ」
話がイマイチ飲み込めないが、グランさんが何か言っていたとするなら
イヴ「あの、ひょっとして襲撃についての調査の事ではないでしょうか??」
ロット「うん、多分そうだね。ジャックさん」
ジャックさんは大きく頷く
424 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/24(金) 11:55:44.98 ID:XpWjYrgY0
なるほど、つまりは着手金を渡したいという事だろう
僕が途中で投げ出しにくくなるようにと…
ジャック「とりあえずはここに商店街の割引チケットやら商品チケットをたんまり用意しておいた、役立ててくれ。金が欲しいなら言ってくれればいくらか工面…」
ロット「いえ、結構です」
ジャック「おっと?」
ロット「問題が解決するまで報酬は一切受け取りません。それは僕が探偵として仕事をする上でのポリシーなんです」
ロット「心配しなくても、僕は受けると決めた以上、無責任に放ったらかして消えたりはしませんよ。もしも、本当に手に負えなくなってしまったらその事を正当な理由と共に、正直に打ち明けます」
ジャック「ほーう、なんか兄ちゃんが無責任じゃねえ根拠はあるのか」
ロット「僕、やりたい事しかやらない主義ですから」
ジャック「つまりこの問題に自分から突っ込んでいくってわけか。どうだ嬢ちゃん、こいつは信用に足る人物かい?」
イヴ「え、私の意見でしょうか?」
ジャック「おう」
イヴ「え、えっと…」
彼女は僕にチラッと視線を流す
ロット「好きなように答えてくれ、レディ」
イヴ「……はい、では僭越ながら」
イヴは少し呼吸を整え、そして満を持して切り出す!
425 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/24(金) 12:28:49.94 ID:XpWjYrgY0
イヴ「わかりません」
僕はちゃぶ台に突っ伏した
ミルカ「お茶持ってきましたよ〜。お、お兄さん大丈夫ですか!?」
ジャック「ハハハ、ズコーっていったな、ズコーって」
ロット「イヴさぁん…」
僕史上今世紀最大に情けない声が出る
イヴ「ごめんなさいロットさん、でも…」
ロット「ううん、分かってるよ。むしろ正解」
正直な感想としてはこれが当たり前だ
ただキッパリと言われると色々と来るものがある
ロット「実は僕たち一緒にいますけど、出会って間もなくて…」
ミルカ「そ、そうなんですか!?」
ジャック「全く面白い奴らだな。で、嬢ちゃん、話まだ途中だろ?」
イヴ「はい」
僕はミルカさんが出してきたお茶をずずっと啜りながら続きを聞く
イヴ「信用で言えば、むしろ私の方がそれに足らないと思うのです。私、事情があって素性をほぼ明かせない身でして…だから私の意見など当てになりませんわ」
凄いかわし方だ、嘘は言っていないし、それでいて自分の意見を述べることを巧みに避けている
イヴ「でも、私が彼の事とても頼りにしている事は確かですわ」
よし、もっと頑張ろう
ジャック「まあどこのどいつか分からねえ奴なんかこの町には山程いるから、全く問題にはならねえが。なんだ、アンタらも色々と込み入ってるらしいな」
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/24(金) 23:27:07.61 ID:PRVlvYqk0
更新乙です。
427 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 09:22:59.98 ID:kxXrhUxr0
すいません、どういうわけか
>>17
>>251
でロットンが「17歳」となっていますが、正しくは「15歳」です
おそらくレス番号(
>>17
)から何かの間違いが発生したものと思われます
訂正します
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 09:32:46.32 ID:a8H9yrRa0
えっ…今更?17歳だと都合悪いことでも……?
てか、イヴよりも年下かよ!?
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 10:38:59.80 ID:GtogCnD2O
この段階で修正か
この15歳に何かあるのか、それともただ単に
>>1
の拘りか気になる所
430 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:15:35.42 ID:t9r16lAw0
ロット「ええ、まあ…あはは…」
ミルカ「お父さん、どうなの?」
ジャック「まあ主観になっちまうが悪いことする奴らには見えないな、他にお仲間さんは?」
ロット「あと猫が一匹います」
ジャック「ハハハ、いいねぇ。じゃ、改めてよろしく頼む。必要なら収容所の騎士にも話を付けとくが…」
ロット「それにも及びません。すでに収容所の隊長らしきキモンさんとはお話しましたので」
もちろん素性を隠してではあるが
ジャック「行動も速えと来たか、ガキのくせにうまくやるもんだ。ん、今いくつなんだ?」
431 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:19:11.83 ID:t9r16lAw0
ロット「僕は15です。僕達を子供扱いするのは構いませんが、ジャックさんもお酒飲んでばかりいると老化の進行が早くなるのでご注意を」
ジャック「げっ」
ミルカ「言われちゃってる」
イヴ「ふふ…」
後はお茶を頂きながら、たわいもない話をし、お茶飲んでけから始まり、風呂ぐらい入ってけ、泊まっていけとエスカレートするお誘いをはねのけてお暇した。
僕達は宿に戻るため夜道を歩く。
ロット「結局お店はたいして回れなかったね」
イヴ「いえいえ、機会はまたありますわ。それに、代わりに貴重な経験もできました」
ロット「貴重な経験ってどんなところが?」
432 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:21:27.53 ID:t9r16lAw0
イヴ「だって今日だけで、この街のギルドのトップ、元ギルドのトップで鍛冶屋の親方さん、それに自警団のリーダーさんまで、3人も凄いお方にお会いしたのですから」
ロット「…うん、たしかに。冷静に考えると凄いかもしれない」
3人とも会う機会自体はあるかもしれないが、一日でまとめてとなるとやっぱり珍しいというのも頷ける。
イヴ「それにしてもロットさん、私より一個下だったんですね。同い歳だと思っていましたわ」
ロット「え?それは…えっと、すみませんイヴさん」
確かに、なんとなく歳上ではないだろうかという疑問は持ちつつも、対等な話し方をしていた僕だが、はっきりしてしまうと少々バツが悪い。
言ってしまえば、むしろ2歳ほど歳上じゃないかと思っていたぐらいだ。
433 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:23:59.37 ID:t9r16lAw0
イヴ「いえ、お気になさらず、どうか今まで通りお話しください。私は誰と話すときもこの話し方ですから」
ロット「えっと、じゃあ……うん。ここでの滞在期間は予定より長くなりそうだけど。付き合ってもらって悪いね。何か不都合はあるかな?」
接し方についてはイヴが良いと言うのだから気にせず行こう、今更だ。
イヴ「いえ、絶対解決させましょうね!この街にも子供が多く見受けられますし」
ロット「うん、全力を尽くすよ」
宿に戻るとキリュウは既に爆睡していたので、僕もそれに倣ってベッドに横になった。どちらかと言えば寝つきは悪い方だけど、今日はすぐに眠れそうだった。
434 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:26:00.39 ID:t9r16lAw0
〜早朝 見張り台〜
「よぉ、見張りご苦労さん。交代だ」
雇われ自警団の男が一人見張り台に登ると、今まで見張りを務めていた男に声をかける。
「ん?あと二人はどうしたんだ?こっちの早朝見張りは3人だろ?」
「別に俺が早く来すぎただけだよ。二人もじきに来るだろう。上がっちまいなよ。集会所の婆ちゃんがコーヒー淹れてくれてるからよ」
「お、いいな。薄着しちまったから思ったより寒かったんだよ」
「じゃ、俺も上がらせてもらうわ。ふぁ〜寝みぃ」
「俺も今日中にベルマールに向けて出発するから、戻って旅支度だぜ…じゃ、あとよろしく」
三人は降りていく、時間にルーズな他の早朝見張り二人はまだ来ないまま、その男は一人になった。
435 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:30:06.25 ID:t9r16lAw0
「お疲れさん…と、とりあえず一服するか」
男は巻きタバコに火を付ける。
見張り台から町の外を見渡し、遠くの方に魔物の群れがちっと見えるなぁなんて考えながら、一度吸い込んだ煙を吐き出した。
「ふぅ…ん?」
魔物が見えた反対側に視線をやった途端に彼は異変に気付く。
「な、なんだ!?あの大軍は!」
大軍、その言葉通り、いやそれ以上かもしれない。
子供だけでなく大人も多くがまだ寝静まっているような朝早くに、明らかに良識を持っていない柄の人間達がこの町に向かってきていた。
言わずもがな例の襲撃だが、その規模は今までと比べ物にならない。
「くそ、やべえ!他の二人はまだかよ!三人とも帰らせるんじゃなかった。早く鐘を……」
しかし、鐘が響くことはなかった。
「が、はぁ……!そん…な…矢が…!あん…な……遠く………がら……」
男は無念にも危険を住人や滞在者に知らせることもできないまま、息絶えた。
436 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/27(月) 15:36:00.55 ID:t9r16lAw0
一旦ここまで、
ところで設定(キャラ、舞台、その他諸々)の募集でスレがいっぱいになってしまう事を恐れて、一度募集を打ち切っていますが。
自分としても何かしら材料は欲しいものですし、設定を書きたい人もいると思います(いればいいなぁ)
なので、こことは別の場所、ツイッターの方で募集するというのはどうなのでしょうか?
賛同者がいればこのスレ用のアカウントを作ります。
こちらのままで良いという事であれば、また募集する機会を設けます。
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 15:43:15.99 ID:Aga4JFQO0
乙
現状でもデータ(特にキャラデータ)たくさんありますし無理に募る必要もないのでは?
個人的にはこのままで何か欲しい設定ができたときに募集する形でいいと思います。
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 16:27:52.68 ID:a8H9yrRa0
>>437
に決定。ノーソンのキャラが少ないから困ったら募集すれば?
(Twitterやったことがないからアカウントを作ってないというのは内緒)
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 16:46:13.55 ID:Edyp/MU4O
キャラや設定に関しては別のスレ建てて募集したほうが人も集まると思うけどなぁ
あと自分は編集したことないから分かんないけど、ここのwiki使って設定をまとめたりするのはどう?
具体的な名前は出さないけど、こことは別のSSが設定をまとめるのに利用してたし
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 18:03:33.04 ID:ns6Wm3M40
>>438
決定じゃなくて賛成だろ
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 18:09:50.25 ID:a8H9yrRa0
>>440
スマン…素で間違えた
442 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:16:22.61 ID:Psv+YpN+0
飛び起きた時にはもう既に、外が尋常じゃないほど騒がしくなっていた。
怒号や悲鳴、窓ガラスの割れる音や、銃声、爆発音。少なくともただ事ではない。
ロット「な、何が起きたんだ…?おい、キリュウ!起きてくれ!!」
堪らずキリュウを揺する。
キリュウ「…あぁ?なんだヨ…?」
我が相棒は目を覚ましてくれたものの、みょーんと体を伸ばし、呑気にあくびをかいてなんかいる。
ロット「ああもう!この騒ぎになんとも思わないのかい!?」
キリュウ「分かってるヨ…んでロト坊?なんでこうなったヨ?」
ロット「いや、分からない。また賊かなんかの襲撃なんだろうけど、それにしたって異常事態だ。一度宿の周り、ぐるりと様子を見てきてもらえるかい??」
ドンドンドン!!
443 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:17:50.38 ID:Psv+YpN+0
あ、募集については今まで通りまた募集する機会を設けます。
ツイッターのアカウントも一応作りましたがまあいい活用法が見つかるまでは放置します(多分使いません)
444 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:21:10.77 ID:Psv+YpN+0
部屋のドアから激しいノック音がした。僕は反射的に叫ぶ。
ロット「誰だ!!」
イヴ「私です!イヴです!!」
ロット「入って!鍵は開いてるから!」
イヴは部屋に入ると振り返りもせずにすぐにドアを閉めた。
バタン!!
ロット「ふぅ…」
イヴ「はぁ…」
二人とも大きくため息をつく
イヴ「おはようございますロットさん。何が起きているんです?」
イヴは顔を強張らせながらも挨拶を忘れない。
彼女の顔を無事見れたこともあって、僕はほんの少しだけ気が緩んでしまう
445 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:23:41.88 ID:Psv+YpN+0
ロット「お、おはよう…じゃなくて!」
ロット(気を抜くな僕!)
一度自分の頬をピシャリと叩き気合いを入れる。
ロット「僕も気がついたらこの状況だったんだ。キリュウ!」
キリュウを掴み上げ窓を開ける、外には火の手すら見え始めていた。
キリュウ「オーケイオーケイ、行ってくるヨ。……ったく、とんだ目覚めだヨ…」
それを返事として受け取り、窓の外に放り投げた。
イヴ「ロットさん、どうされるのですか?」
ロット「さぁ、まだ何とも言えないけど……嫌な予感がする」
騒音は止む気配がない。
この短時間で様々な音を聞いたけれど、その中でも一番耳を劈いた音は、悲鳴でも怒号でも、物音でもない。
恐らく敵と思われる人の声だった。
446 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:25:19.05 ID:Psv+YpN+0
ロット「じっとしてるわけにはいかないか、行こう」
イヴ「キリュウさんは!?」
ロット「大丈夫」
僕はバックから銀貨を一枚取り出した。
ロット「緊急時の合図でね、面はその場で待機、裏側は後で合流の意味なんだ」
窓の側に裏側を上に向けて置く、これでよし!
ロット「行こう!」
イヴの手を掴み駆け出した。
イヴ「は、はい!」
447 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:27:22.49 ID:Psv+YpN+0
〜エントランス〜
玄関扉が軋む音がする。
給仕「あれま、どうしましょどうしましょ!」
ロット「給仕さん!宿にいた他の人達はどうしたんですか?」
給仕「みんな出て行っちまったよ、戦いに行ったのか逃げたのか知らないけど…」
ガタガタ!!
イヴ「ロットさん!玄関扉がもう壊れそうですわ!」
鍵はかかっているのだろうけど、いつ破られるか分かったもんじゃなかった。
ロット(くそぅ、レイピアもないのに!)
僕は仕方なく扉を抑える。
ロット「給仕さん、フライパンを火にかけてください!思いっきり強火で!」
448 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:29:48.26 ID:Psv+YpN+0
給仕「え?フライパン?ええ?」
ロット「いいから早く!」
給仕「あ、あい分かったよ!」
給仕さんはアタフタしながら厨房へ走って行った。
灯油が無いとか言わないでくれて本当に良かった。
ガタガタ、ダンッ!ダンッ!
「「オラ、開けろオラァ!!」」
「往生際が悪ぃぞオイ!!!ウヒヒヒ」
イメージ通りの怒鳴り声、最後の下品な笑い声はなんだ。
ロット「開ける…わけ…ないだろ!」
イヴ「ロットさん!これを取っ手に!」
しめた!閂にちょうどいいモップを取ってきてくれた。
ロット「ありがとう、助かるよ!」
素早く取っ手にモップを通すと、抑えなくてもとりあえずは開かないらしい
449 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/11/28(火) 20:31:18.67 ID:Psv+YpN+0
が、この一本の木製の棒がいつまで持つかわからないのには変わりない。
ロット「よし、今のうちに……」
・
・
・
ミシミシ…バキ!
いよいよ扉が破られた。
斧を手に持つ屈強で悪そうな人が何人かなだれ込んで来きそうだ。
「ヒャッハー!ガキと女は来…」
ロット「大火傷にご注意くださーい!」
威勢の良い文言を言い終わるのなど待たずに、僕は火にかけてあったフライパンで思い切り殴りつけた。
ガーン!!スキンヘッドに命中
「痛!!!アチィィィイイ!!」
450 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga&]:2017/11/28(火) 20:31:47.54 ID:Psv+YpN+0
一旦ここまで
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 20:36:27.45 ID:FOunb+DG0
乙。
452 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:19:04.77 ID:ra8FGmy70
男は鈍い衝撃と、やけどに悶えている。痛そうだ…
ロット「うわ、ジューっていった…」
ならず者「テメェ舐めた真似しやがって!!」
奥にいる他のならず者が睨んできた。
ロット「最近こんな輩ばかりな気がするなぁ…みんな雰囲気が似てると言うか…」
ロット(それにしても、一人、二人、三、四、五…六七八…)
ロット「多いね!!?」
この宿を制圧するためだけに10を超える人間がここに来るのだから、外は相当酷いことになっていそうだ。
ならず者「よそ見してんなよ!!!うら!破岩撃!!」
ロット「おっと、危ない」
僕は床に亀裂が入るほど勢いよくふり降ろされた斧ををかわし、えぇい!とフライパンを振るう。
453 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:20:30.65 ID:ra8FGmy70
ならず者「ちぃ!」
男は思わず手でフライパンを抑えてしまう。
当然これは刃物でもなければ、打撃武器ですらないただの調理道具なのだが。
ジュー…
ならず者「あああ熱いいいぃぃぃいいいい!!!!!」
まあこうなるわけで…
男は手を冷やせる場所を求めてだろうか?逃げていった。
我ながらえげつない武器だ。
ロット「ほらほら、道をあけないと。熱いよ?」
ロット(できればフライパンが冷める前になんとか突破したいけど…!!)
ジュ〜!ガン!ジュ!ジュ―!!ガーン!
454 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:22:06.41 ID:ra8FGmy70
ならず者「ヒィイ!」
ならず者「痛ぇ!!」
ならず者「熱い!!」
攻撃を受けながらも、何人か撃退することに成功する。
フライパンは強い武器だ。
ロット「ゼェ…ゼェ……だいぶ人数は減ってきたけど…えい!」
また近くにいた男に振りかざす。が…
ならず者「よっと」
ロット「な?掴まれた!」
男の手には分厚いガントレットが、なるほどこれじゃいくらフライパンが熱くても影響ない
ならず者「ちょっと、調子に乗りすぎたみたいだなクソガキが!」
455 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:24:41.02 ID:ra8FGmy70
僕は呆気なく組み伏せられ、フライパンも手を離れてしまった。
ロット「ぐっ…!!まずい!単純な力量差じゃ勝てっこない!!」
ならず者「そういうこった。じゃあ、まず手を潰すかなぁ、このあついあつーいフライパンでよぉ!」
するとその男はフライパンを慎重に手に取った。
どうもまだ冷めちゃいないらしい。
ロット「……でも、戦略では勝てるんだなこれが」
僕はきつい体制ながら視線をそのガントレット男に向けてニヤリと笑った。
ならず者「は?」
ロット「今だ!!玄関扉めがけて!!」
給仕「せぇぇい!!」
イヴ「はい!」
僕の声で給仕さんとイヴが、奥からなにかの粉が入った袋をいくつも投げ込んでくる、袋口が空いた状態で
ぶつけられたならず者たちはたちまち粉まみれになる。
456 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:27:28.12 ID:ra8FGmy70
ならず者「ケホッ…なんだこりゃ…、小麦粉??」
分けも分からず、男は僕に組み付きからの脱出を許してしまうのだった。
ならず者「あ、テメ!」
ロット「忠告はしたからね!」
ポケットに入れてあったマッチを一本、火をつけて投げながら、玄関から離れる。
ロット「伏せて!!」
給仕さんとイヴを抱えて奥に伏せた。
ドッカァァァァァアアーン!!!
玄関が豪快に吹き飛んだ。
ロット「……ほらね、大火傷にご注意って言ったでしょ?二人ともケガはないかい?」
イヴ「ええ、わた…くしは大丈夫です」
イヴは立ち上がって、服をパッと払った。
457 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:32:06.87 ID:ra8FGmy70
給仕「な、何が起きたの??」
給仕さんは腰が抜けたらしく、立ち上がれずにいる。
ロット「お手を」
給仕「あぁ、どうも…これ魔法なのかい?」
僕に引き起こされた給仕さんが聞いて来た。
イヴ「ロットさんやはり魔法を使えたのですか?」
ロット「ううん、昨日言った通り魔法はからっきしさ、これは魔法じゃないよ」
使えたとして、こんな爆破魔法なんて恐れ多くて扱おうなんて思わない。
ロット「聞いた事ないかい?『粉塵爆発』って言うんだ。」
給仕「フンジンバク…ハツ?」
ロット「はい、宙に舞った小麦粉の粉粒の一つ一つに次々と火が引火する事により爆発を引き起こす。僕が投げたマッチ一本が火種となってね」
イヴ「あ、聞いたことがありますわ!建物も吹き飛ばすという…」
ロット「まさかここまでうまく行くとは思わなかったけど…」
宿の立派な玄関は、扉だけでなく壁ごと吹き飛び、見るも無残な様子だ。
ならず者達も同様、生死についてはあまり考えたくはない。
ロット「あ、考えなしに玄関吹き飛ばしてごめんなさい。修理費については…」
458 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:34:15.83 ID:ra8FGmy70
給仕「そんなもんまた後でいいよ、逃げましょ、ほら!」
ロット「すぐに出ないで!」
外に出ようとする給仕さんを引き戻し、ゆっくりと外の様子を伺った。
ロット「酷いな、これじゃまるでそこそこの規模の戦場じゃないか…避難する場所は決まってますか?」
敵の数が視界で捉えられるだけでも目に見えて多い、どっからこんな戦力が…
給仕「ええ、避難所があるよ。みんなそこに逃げ込んでるはずさね」
ロット「……いや、できるならここで隠れてた方がいいかも知れない」
給仕「ここに!?」
ロット「この中を一人で避難所まで行くのは現実的ではありません。外に出るなら僕の側を離れない事、その代わり僕は避難所には行きませんし、どんな戦闘に巻き込まれるか未知数です。だったらむしろここで倉庫か何かに隠れていた方が安全という事もあるかも」
459 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/02(土) 22:37:28.51 ID:ra8FGmy70
給仕「そんな事言われても……」
ロット「何より僕には避難所が安全であるか…もっと言えば無事であるかすら疑わしいです」
そう告げると、給仕さんは困った様子で黙り、考え込み始めた。
イヴ「ロットさん、ロットさん」
ロット「うん?」
イヴ「どこに向かうおつもり…でしょうか?」
ギルド本部に向かってみたいところだけど、鍛冶屋やジャックさんの家も心配だ。どこかにいるキリュウも探さなくちゃいけない。さてどうするか?
※
↓3までコンマが一番大きいもの(コンマ00は100とする)
1、ギルド本部
2、ジャックの家
3、鍛冶屋
4、その他(内容は後ほど自由安価)
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/02(土) 22:39:17.08 ID:VJCp0Q810
3
もしかしたら武器をくれるかもしれないしね
さすがにこんな状態の街でロットンを素手のままにしないだろう……たぶん
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 22:39:33.61 ID:En5mJ1vj0
2
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 22:42:18.24 ID:PVV9zw1wO
1
武器持っても強い訳じゃないし
戦える人の近くでかき乱しつつ情報集めた方がいい気がする
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 22:44:25.18 ID:VJCp0Q810
ジャックの家かー
ジャックの強さによるけど、無事にギルドに連れてってくれるかもしれないからなー(家にジャックがいるとは限らない)
464 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 07:48:29.18 ID:kI984W8w0
ロット「ジャックさんの家に向かおう。単純に心配だ。あの人二日酔いかも知れないし」
イヴ「はい、ミルカちゃんも心配ですしね!」
イヴは両手で握りこぶしを作り、少し大きな声で賛同してくれる。
よし、方針は決まりだ。
〜外〜
給仕は結局倉庫の奥底に隠れる事にするという。
どうにか恐怖に打ち負けないで欲しいが、事が済んだら真っ先に様子を見に来るとしよう。
それはそうと……
ならず者「ぐへへへ」
ならず者「よう坊主、こんなとこで可愛子ちゃんとデートってか?」
ならず者「よくもまあやってくれたな、何人もてめーのせいで伸びちまってるよ」
465 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 07:50:05.26 ID:kI984W8w0
その他数名確認、全員こちらに敵意
ロット「イヴさん、一度戻ろうか…」
イヴ「は、はぁ…」
ならず者「おいおいそんな事が許されると思ってんのかよ?」
ならず者「冗談だよなぁ?」
ならず者「なぁおい?」
もう、なんでこう、ウジャウジャと…
ロット「……も、もうどうなっても知らないぞ!!」
466 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 08:09:34.03 ID:kI984W8w0
〜ジャックの家〜
敵「ぎゃ!」バタッ
悪い奴「こ、このオッサン強ぇ…」
ジャック「ったく、かったるい。何人いやがるんだ、あぁ?」
ミルカ「お父さーん、大丈夫ー??」
ジャック「あぁ、俺は平気だ。いいから引っ込んでろ〜」
ミルカ「でも、他の人達が心配で…なんとか本部に行かないと…」
盗賊「所詮マッチョはノロマだろうが!!うらぁ!!」
ジャック「うるせぇ!」ブン!
盗賊「あれぇ!!??」バタッ
ジャック「…確かにな、どうしたもんか」
ジャックさんは、息一つ上がった様子はないが、一人で長い時間戦っていたようだ。
467 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 08:10:45.18 ID:kI984W8w0
周りには彼が大剣で倒したと思われる悪者達が転がっている。
ロット「ジャックさん!!」
ジャック「お!あんちゃん、譲ちゃんも…」
ロット「ゼェ…ゼェ…だ、大丈夫ですか。こっちは…」
ジャック「なんだ、えれぇボロボロじゃねえか」
イヴ「ロットさん、かなり無理をなさってしまって…」
ジャック「…武器はフライパンだけか!??丸腰も同然じゃねえか、良くここまで来れたな」
ロット「えぇ、まぁ…。敵陣をフライパンと塩コショウとそこらの瓦礫とマッチとモップと柱時計とトイレットペーパーで潜り抜けてきたもので…ゼェ…」
ジャック(ああ…コイツなんでも使うタチか…)
ミルカ(塩コショウとか柱時計とか何に使ったんだろ…)
468 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 08:18:54.52 ID:kI984W8w0
ジャック「…とりあえず、これ飲め。消費期限ギリギリだけど、ポーションビタミンB+だ」
ビンの蓋を開けて手渡して来たので、遠慮なく頂く事にする
ロット「ありがたく!!…ゴクッ」
ジャック「お前さんもいるか?ベッピンさん」
イヴ「い、いえ…幸い私は無傷なので。どうぞジャックさんがお使いください」
ジャック「そうかぁ」
ジャック(……ん?この敵陣で大した武器もなしに、譲ちゃんを守り抜いたのか?)
ロット「ゴクゴク…プハァ!それで、どういう状況ですか?」
ジャック「ああ、おかげ様で俺が自警団の頭だって事は知られてるみたいでな。正直身動きは取れない状況だよ」
頭を抑えにきた…か
ロット「なるほど、確かにここは宿よりも敵が密集してる気はしますね…」
ジャック「なんとかミルカの奴を本部に連れてってやりたいんだがな、じゃねえとあいつも仕事ができねえ」
469 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 08:28:02.52 ID:kI984W8w0
自警団のサポート…、そういえば昨日そんな事を言っていた。
そこそこ重要な事らしい。
ロット「なんとか敵を減らすしかないでしょうね。僕も加勢します」
ジャック「いや、加勢って兄ちゃん武器…しゃあねぇ。ミルカ!!家の奥から適当に武器持ってこい!」
ミルカ「了解!!」
ロット「いいんですか?」
ジャック「どう考えたってその平べったいのよりぁマシだろ。なんか知らんが使いもしねえエモノが溜まってんだよ、気にすんな」
確かに、流石にフライパンでは心許ない。
ロット「イヴ、ジャックさんの家まで下がってくれ。ミルカさんと一緒にいてくれないかい?」
イヴ「はい、わかりました!」
ジャック「…なんでガキに『さん』付けなんだ?」
ロット「レディに対しての礼儀…というのは冗談で、昔からどうも呼び慣れてないと…」
470 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 08:38:18.08 ID:kI984W8w0
「「てめぇらぁ、いつまで無駄話吹かしてやがるんだおぉい!!?そんなに舐めてんのかおおおいい!!」」
前方からの大声だ。力を入れて叫んでいる表情でもないので、彼は普段からこんな話し方なのかもしれない。
ロット「血気盛んですねぇ…」
ジャック「ああ、ああはなりたくねえだろ若人」
ロット「愚問ですよ。えい!」
僕はフライパンを、ズガズガと近づいてくるその無駄に活力あふれた大声男に投げつけてみる。
大声男「アウ!!」ガーン!
ロット(えぇ、なんで避けないの…?)
大声男「……フフフ、そうかそうか、じゃあてめえから潰すぅぅぅぅ!」
するとその男は鎖鉄球を振り回し始めた。
471 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 09:09:07.01 ID:kI984W8w0
大声男「がぁああああああ!!!!」ドスドスドスドス!!!!
ズガズガ…からドスドス…と足音を大きくしながら向かってくる。そして意外と速い…
ロット「うわわわわ…!!」
僕はとりあえず背を向けていたほうへと走りだす。
大声男は腕の届く範囲に入ったジャックさんすら素通りして僕を追っかけてきた。
ジャック「……あいつ本当に大丈夫なのか??」
ロット(完全に僕狙いになったらしい、これ以上下がるとジャックさん家に近づいてしまう…)
ミルカ「お兄さん!!」
しかし、僕が走っていく方から僕を呼ぶ声が聞こえた。
ミルカ「お兄さんに合いそうな武器です!えぇい!」
イヴ「こちらもどうぞ!」
472 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 18:50:29.85 ID:qM6Xb1OH0
ロット(もう用意できたのか!)
僕はガシャガシャと音を立てながら投げ込まれた武器の中で一番近いものを手に取った。
とりあえず両手にあるのは、ゆるやかカーブした刃身を持つ、見慣れない剣だ。
短い物を左手に、長い物を右手で握る。
ロット(これはどっかで見たような…サーベルかな??いやでも…ちょっと違うような?)
大声男「しんねぇえええ!!!」
気が付くとすでに追いつかれていた。
ロット「くっ!」
二振りの剣をクロスして振り回された鉄球をなんとか受け止める。
大声男「凌いでんじゃねええええ!!!」
473 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 18:52:48.06 ID:qM6Xb1OH0
ロット「…双連斬!!」
受け止めた鉄球をそのまま流しつつ、二連撃を浴びせようとする……が。
大声男「ぬああああ!!!」
男は、僕が流した筈の鉄球を再度振り回し、そのまま今度は僕の攻撃を凌いだのだ。
ロット「凌がれた…!?」
大声男「ふんぬううう!!」
ロット「ぐっ…!!」
今度は鉄球攻撃をもろに食らい、吹っ飛ばされてしまった。
転げる僕とともに大きく砂煙が立つ。
ジャック「って、おいあんちゃん!」
ならず者「おっとおっさんの相手は俺たちだぜ???」
ジャック「ちっ!湯水のように湧いて出やがって…」
大声男「ざまぁねえなあああああ!!!……ああ?」
474 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 21:02:50.24 ID:qM6Xb1OH0
ロット「まだまだ…こんなものならね」
砂煙が止み、まだ立ち上がれる僕を見て、奴は顔をしかめた。
ロット(思い出した…この剣はカタナって言ったかな。意外と重い…、それに両刃じゃないから、少々扱いづらい)
僕はカタナを手放し、転げてる途中でつかんだもう一つめの武器。2個で1セットのチャクラムを構える。
前に見た、この武器を使って戦っていた人を思い出す。
ロット「これも初めて、見よう見まねだけど…デュアルスロウ!!!」シュ!
スナップを効かせながら、その男に向けて両方一緒にに投げた。
大声男「おおおう!!」
男はそれも避けた、そこそこ不意をついた遠距離攻撃だったはずだが
ロット(ただ大声出すだけじゃないみたいだね…、他の人達より戦い慣れはしてるみたいだ)
空を切ったチャクラムが手元に戻ってくる。
ロット「…それ!」
475 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 21:04:43.84 ID:qM6Xb1OH0
僕は戻って来るチャクラムをキャッチし、もう一度投げた。
大声男「舐めんじゃねえええ!!ふん!!!」
カキン、カキン!
今度は二つとも撃ち落とされた。
ロット「お見事」
しかし、そうなることは大体予想していたので、今度は驚くことはない。
奴がチャクラムを撃ち落とす隙に、こっちは「お目当てのもの」に手を伸ばす。
ロット「うん…やっぱりこれだね」
細身で、カタナよりかは軽い。
手になじむそれは普通の【ショートレイピア】だ。
ロット「準備万端だよ。かかっておいで?」
大声男「なぶり殺しにしてやるぅぅぅ!!!」
476 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 21:05:44.61 ID:qM6Xb1OH0
ロット(この人、攻撃の後の隙をカバーする芸当は持ち合わせてるらしい。流石にレイピア一本じゃあの鉄球をいなすのも無理があるだろう)
大声男「ぬがあああああああ!!!」
ロット(だったら…!)
男の鉄球は振り下ろされることなく決着がついた。
ロット「……月昇剣」
僕が出した結論は、重い鉄球の攻撃前の隙をに突き上げるだけだった。
大声男「がはっぁあ」バタッ
ロット「ふぅ……勝負あり、かな?」
477 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/06(水) 21:06:21.01 ID:qM6Xb1OH0
一旦ここまで
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 21:09:05.12 ID:uRwKiYol0
乙
やっぱ武器は使いなれた物が一番なんやなって
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/06(水) 21:10:49.04 ID:nG7rb62N0
乙
レイピアでも高いレイピア選んでおけば武器屋で追い出されずに済んだものも…
480 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 22:57:36.43 ID:l/Gn45V40
ロットンはレイピア以外も使えないわけではないのか
器用系なのかね
481 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 21:53:36.95 ID:AUfmuumu0
ジャック「兄ちゃん、やるじゃねえか。大したケガもねえみてえだし」
ロット「ええ、まぁ…」
ロット(あばら骨が2本ほど折れるかと思った…)
ジャック「腕っ節ってよりかはあれだ。スマートって言えばいいか?」
ロット「お褒めに預かり光栄です。小細工が得意なだけですが……あれ?さっきの賊達は?」
ジャック「ん?ああ、そこに積み上げてあるけどどうした?」
ロット(人が山積みになってるぅぅぅ!!?)
おかしい、30人は居たはずだ。仮に僕が相手したのだけが、その中で強い方だったとしても。
あの量を一人で??
しかも撃退じゃなくてKO!!?
ジャック「ま、何はともあれだ。とりあえずギルドに行ってみるか。あっちは大丈夫だと思うけどよ。しっかしなんなんだこの軍勢は?どっかで見たような顔も居た気がーー」
482 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 22:27:00.09 ID:AUfmuumu0
ジャックさんはそこで突然固まった。いや側から見れば、僕も同じような反応を示しているはずだ。
僕がここに来るまでに凌いで来た人数、ここで倒した人数、その他見かけた何人もの敵達。
それだけでも十分軍隊並みだった筈だ。
しかしそれと同等とも思える軍勢が、たった今町の門から入って来たのだ。
ジャック「おい、マジで、あとどんだけいるんだって……」
さっき…ジャックさんが言いかけた、いや、言っていた事が僕は激しく気にかかっていた。
ロット「……さっき、知った顔が居るようなって言っていましたよね?」
ジャック「ああ、なんか知らんがずっとそんな気がするんだよ。は、これもあれか?酒飲みすぎの影響なのかねえへへへ」
どうやら思い当たる節があるようだ。
ロット「ええ、それが飲み過ぎの影響ならいいんですけどね…」
483 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 22:33:25.29 ID:AUfmuumu0
ジャック「??」
「おい、あいつだあいつ自警団のリーダーだ」
「あの時の借りを倍返ししてやるぜ」
「この人数がいれば八つ裂きに出来るだろ!一斉に行け!!」
ジャック「あの時の借りだぁ?何言ってーー」
ロット「ねえ君たち、一つ聞きたいんだけどね。ひょっとしてヤスクワルト収容所……」
僕は間を空けて言った。
ロット「陥落したのかい?」
ジャック「な!?兄ちゃんそりゃどういう?」
ロット「収容所は捕まえた襲撃者達で一杯一杯、騎士も酷く疲弊していたと聞きました。ありえない話ではないかと」
484 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 22:45:54.86 ID:AUfmuumu0
「ああご名答だよ!!あそこの騎士さんたちは楽しい奴らだったなぁ」
「ほぼ全員ぶっ殺してやったよ!ヒャハハハ」
ジャック「ああそうかよ、騎士ってのは本当に肝心な時にーーあんちゃん、収容所から出てきた奴らが全部こっちに流れるってわけか?だいぶ狂った戦力になるぞ!!」
ロット「はい、マズイかもしれません」
相当戦える人ならなんとかなるかもしれないけど、向こうにだって何人か強敵は居るはず。
加えて戦力的アドバンテージ、僕達は一般市民を守りつつ戦わなきゃいけない。
さらに頭を抑えられてこの状況では自警団の統制も取れていない、みんなの状況も分からずじまい。
485 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 22:50:28.83 ID:AUfmuumu0
そして…
ロット「考える時間すらない!!」
前方から何人もこちらに向かってくる。標的はジャックさんに定まっている様子だ。僕達が退けば、イヴやミルカさんにも危害が及ぶ可能性が…
ジャック「兄ちゃん構えろ!こうなった以上死ぬ気でやるしかねえぞ!」
ロット「はい!」
「おい人間どもヨォ、そこ、滑るから気をつけろヨ?」
「お、なんだ?足が滑って…!」
「止まらねえ!!」
「うぎゃあ!」
全員すっ転んだ。
486 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 22:52:39.46 ID:AUfmuumu0
ジャック「……壮観だな」
これは氷魔法『ビルドスケートリンク』。
本来は氷魔法を強化するための陣地を形成する『ホワイトフィールド』に若干の性質変化を加えたオリジナル魔法!つまりは…
ロット「キリュウ!ナイスタイミング!最近調子いいじゃないか」
キリュウ「はぁ?我様はいつも絶好調だろがヨ」
キリュウ「つーか、お前どっか行く時はコインだけじゃなくて行先残してけヨ!」
ジャック(これが噂に聞く喋る動物とやらか…珍しいもん見たな)
ーーーーーーーーーーーーー
ミルカ「しゃ、喋ってる!?」
イヴ「ええ、あの猫さんが、昨日話していたキリュウさんです」
ミルカ「凄い……、あでも、猫でも魔法使えるんですね、私できないのに…」シュン
イヴ「あ、あはは……」
ーーーーーーーーーーーーー
487 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 22:53:49.62 ID:AUfmuumu0
ジャック「つっても敵さんまだまだいるぞ!」
ジャックさんはそう言うと大剣を構え突撃する。
僕もそれに続かなくては
キリュウ「へ!腕がなるヨ。ロト坊、ワレ様は何すればいいヨ?」
ロット「よし、それじゃあイヴとミルカさんを頼んだ!あの家にいるから!」
僕は後ろに建つジャックさんの家を指差した。
キリュウ「よっしゃ!フルボッコにしてやる……え?」
ロット「じゃ、任せたよ!」
キリュウ「……なんだヨ、ワレ様、小娘達のお守りかヨ」
488 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/11(月) 23:09:12.44 ID:AUfmuumu0
ロット(出来る限り接近戦にはしたくない、とりあえず牽制しながら、あのチャクラムを拾うことを目標にしよう)
ロット「3連かまいたち!!」シュ!
「うぉ、こいつ小癪な攻撃ばかりしやがって!」
ロット「あいにくと、まともに戦ってたら誰にも勝てやしないんでね!」
「そいつはモーニングスターのカズを倒した奴だ。気をつけろ!」
ならず者の1人が、僕が先ほど倒した男を指差してそう言った。
あの鉄球モーニングスターっていう武器らしい。
ジャック「ほいっと」
「うぎゃ!」
ジャック「あらよっと」
「いぎぃ!」
ジャック「ふぅ…あのなぁ、ただ数を揃えただけじゃなぁ……ゼェ」
「そう言いつつ息上がり始めてるように見えるが??」
ジャック「っ!うるせえ!」
僕より遥かに多くの量の敵を相手にしてるジャックさんにも若干だが疲れが見え始めた。
489 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 23:56:58.85 ID:PJVXhRTY0
乙
490 :
◆YwfwH67PRHMh
[saga]:2017/12/12(火) 00:18:59.15 ID:VGShGU+k0
奥にアーチャーらしき隊列が見えた。
おそらく敵側の人間だ。
なんだろう、妙に考えられてるような…
ロット「ジャックさん!弓です!!」
ジャック「わかってらぁ!隆起壁!!!」
ジャックさんが大剣を地面に叩きつけると、その衝撃で地面が割れ、僕達の前に壁のようにせり上がった。
ロット(うわぁ、凄い…)
僕達は2人でその壁の影に隠れると、かすかに矢が風を切る音が聞こえる。
ジャック「おお放ってんな〜」
ロット「回り込んでは…来ないようですね」
ジャック「壁はすぐ沈む、そう長くは持たないぞ」
ロット「はい、これが沈んだら、正面はチャクラムで牽制します」
ジャック「おうよ」
ズズズ……
壁になってくれた地面が元に戻っていく
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/26(火) 01:40:11.87 ID:yuTiUOKY0
続きはまだかなぁ……
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/26(火) 18:40:29.40 ID:sdTEqHUhO
待ってます
493 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 17:36:52.86 ID:HaB3qz2AO
待ってます
494 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/12(月) 11:44:49.77 ID:XTB9VKuE0
待ってます
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/02(金) 01:49:00.85 ID:wtXG5V6S0
ゆっくり待とう
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