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晶葉「出来たぞ助手! 森久保クローン製造マシーンだ!」
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1 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 11:48:33.99 ID:ILXcLw1B0
タイトル通りの内容です。
以前落としてしまった物を修正しつつ、投稿します。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1492224513
2 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 11:49:09.10 ID:ILXcLw1B0
モバP(以下P)「晶葉から妙に機嫌のいい声で研究室に来るように言われたけど……」
P「まあ、十中八九新しい発明品のお披露目だろうな」
P「今回はどんな発明なのか、楽しみだな」ワクワク
3 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 11:51:06.20 ID:ILXcLw1B0
☆池袋晶葉研究室☆
シュイーン
P「晶葉ー。来たぞー」
晶葉「む! ようやく来たか助手よ!」クルッストン
P(微妙に足が届いてない回転椅子でくるっと回って着地するこの動作……好きかも)
晶葉「さあさあ早くこっちに。見せたい物があるんだ!」グイグイ
P「分かった分かった。行くから引っ張るなって」
P「見せたい物ってのは、やっぱり新しい発明品か?」
晶葉「うむ。今回のはかなり自信作だぞ!」
P「今回のも、だろ?」
晶葉「……ふっ、ふっふっふ! ああその通りだとも! 流石私の助手、よく分かってるじゃないか」
4 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 11:54:05.61 ID:ILXcLw1B0
晶葉「これが新しい発明品だ」
P「こ、これは……!」
>洗濯機×2
P「……」
P「その、俺には……ただの洗濯機に見えるんだけど。ドラム式の洗濯機が2つ並んでるようにしか見えないんだが」
P(洗濯機同士は何やらチューブやら配線で繋がれ、全体的にゴテゴテしている。だが一見ただの洗濯機だ)
晶葉「ん? ああ、見た目はな。事務所で壊れたまま放置されていた洗濯機があったからな、それを譲ってもらって改造して再利用したんだ」
晶葉「どうだ? エコを忘れない私は偉いだろう?」フフン
P「偉い偉い」ナデナデ
晶葉「……ふへへ」
5 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 11:54:50.87 ID:ILXcLw1B0
P「で、この洗濯機に見える物は一体どんな発明品なんだ?」
晶葉「うむ、ずばり――クローン製造マシーンだ」
P「ク、クローン?」
晶葉「まず片方の洗濯機に生物を入れるんだ。そしてその生物の遺伝子情報を読み取る。それからまあ、Pには恐らく理解できないだろうから説明を端折るがアレコレ色々して、もう片方の洗濯機からその生物のクローンが生み出される、というわけだ」
晶葉「どうだ? 凄い発明だろう?」
P「す、凄いけど……クローンって法的にどうなんだ?」
晶葉「む、そうか。法的に問題があったか」ウムム
晶葉「じゃあコピー製造マシーンに改名しよう。よし問題解決!」
P(そういう問題じゃない気がするが、晶葉が楽しそうだしいいか)
6 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 11:57:20.30 ID:ILXcLw1B0
P(しかしクローン……いや、コピーか。凄い発明品だな……)
P「でも、何でこんな発明を?」
晶葉「え? あ、いや、それは……」
晶葉「その、なんだ。ほら、Pは色々と忙しいだろう? 膨大な量の仕事だけじゃなく、私達アイドル1人1人と過ごす時間まで作っている。休みなんてあったもんじゃない」ポリポリ
晶葉「だから、Pのコピーを作れば、その……少しはPの負担が減るんじゃないか……そう思って」
晶葉「それであわゆくば、私と過ごす時間も増えたらいいなぁ……なんて」モジモジ
P「あ、晶葉……お前……」ジワァ
晶葉「ま、待て待て! 感動してくれるのは嬉しいが、そういう意味ではこの発明品は失敗作なんだ!」
P「へ?」
晶葉「何度か実験したが、どうもコピーを作ることが出来る対象が限られているんだ」
P「対象って?」
晶葉「まあ……アイドルだ」
P「アイドル?」
晶葉「ああ、それもごく一部のアイドルに限られる」
晶葉「この機械は、何故かごく一部のアイドル対象じゃないと効果を発現しないんだ」
晶葉「恐らくは、最近私が発見した、アイドルのみが発する独自のエネルギーが作用していると考えてられるんだが……」
P「よく分からないんだが……」
晶葉「いや、いい。とにかくこの機械は使用できる対象が限られている。その原因を詳しく調べる為にも、とにかくデータが必要なんだ」
晶葉「というわけで例によって、Pには実験た……んんっ、協力者を連れてきてもらいたい。対象者はこのリストに書いてある」
晶葉「お願いできるか?」
P「オッケー博士!」
7 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 12:02:44.71 ID:ILXcLw1B0
・・・・・・・
・・・・・
・・・
シュイーン
乃々「お、お邪魔します……」オソルオソル
乃々「あれ? 部屋が真っ暗なんですけど……」
乃々「おかしいですね……。プロデューサーさんがランチに連れて行ってくれるから、ここで待ってるように言われたんはずなんですけど……」
乃々「あ、あのー、プロデューサーさーん。もりくぼ来たんですけどー」
ガチャン
乃々「ひぅっ!?」ビクッ
乃々「あ、あれぇ? は、入ってきた扉から何やら鍵がかかるような音が……」
乃々「えっと……あれ? あ、開かないんですけど……?」ガチャガチャ
パッパッパ
乃々「で、電気が急に……!?」
8 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 12:11:12.38 ID:ILXcLw1B0
シュゥゥゥゥ
乃々「ど、どこからか白い煙が……」
P「ふっふっふ……」
晶葉「くっくっく……」
乃々「ひっ! だ、誰ですか……!?」ビクビク
P「ようこそ乃々。よく来てくれたな、ふっふっふ……」ウデクミ
晶葉「歓迎するぞ。ふっふっふ……」ウデクミ
乃々「プ、プロデューサーさんに晶葉さん?」
乃々「……」
乃々(あ)
乃々(これ、何かもりくぼが酷い目に会うパターンのやつです)
乃々(もりくぼは詳しいんです。……もう何度も同じような目にあってるので)
乃々「も、もりくぼ帰ります……! お家に帰りますから……!」ガチャガチャ
晶葉「おっと、大切な実験た……んんっ、協力者を逃がすわけはないだろう? その扉の鍵は私が許可しない限り開かないぞ」
乃々「ううっ……! プ、プロデューサーさぁん……!」ジワァ
P「すまん乃々。晶葉の実験に付き合ってくれ。後でちゃんとランチには連れて行くから」
9 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 12:15:45.56 ID:ILXcLw1B0
乃々「うぅ……酷いです。もりくぼを騙すなんて、プロデューサさんの鬼……悪魔……グスン」
P「ほんとスマン。ほら、こんな事頼めるの乃々くらいしかいなくてさ」
P「それに、ほら。前に言ってたじゃん? 俺に騙されるのが好きになってきたとか、なんとか」
乃々「こ、こういう騙され方は望んでないんですけど……!?」
乃々「む、むぅー」グヌヌ
乃々「……」
乃々「……はぁ。もういいです。分かりました。やりますよ……や、やればいいんでしょう?」
乃々「プロデューサーさんにいぢめられるのは、もう慣れましたから」
乃々「そ、その代わり、ちゃんとランチには連れて行って欲しいんですけど……!」
P「ああ、連れてくって。約束だ。わざわざ実験に付き合ってもらうんだから、結構高めの飯屋に連れてくよ」
乃々「……!」ハッ
乃々「……だ、だったら、そ、その……ディナーもお願いしたいんですけど。そ、それもオシャレな感じの……」
乃々「この条件を飲んでくれるなら、手伝ってあげても、いいかなぁって、思ったり思わなかったり……」チラチラ
P「へぇ、乃々がこんな風に駆け引きしてくるなんて珍しいな」
乃々「ど、どうなんですか……?」ドキドキ
P「いいよ。分かった。ランチとディナーをご馳走する」
乃々(や、やりました……! ま、まさかレナさんから教えてもらった駆け引きのテクニックがこんな風に役立つなんて……!)
乃々(ここは指南に乗っ取って、倍プッシュなんですけど……!)
乃々「じゃ、じゃあ……その……あ、朝ご飯もついでに、一緒に食べてくれたら……い、いいなぁって」
乃々「な、なんて! さ、流石にこれはもりくぼの癖に厚かましいですよねっ、今のは無かったことに……!」ワタワタ
P「いや、いいぞ。こんなに積極的な乃々は初めてだからな。何か感動した。アイドルとして成長したお陰か……」シミジミ
乃々(や、やりました……! 朝ごはんまで……! こ、これは夜明けのコーヒーも確定ということで、いいんですよね? も、もりくぼ悪女です……! プロデューサーさんを手玉に取っちゃったんですけど……!)
10 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 12:18:19.66 ID:ILXcLw1B0
晶葉「ふむ。話はついたかな?」
P「ああ。快く協力してくれるってさ」
乃々「で、でも痛いのとか苦しいのは嫌なんですけど……」
晶葉「その点は安心をして欲しい。同じ事務所の仲間にそんな酷いことはしない」
乃々「……ふ、普通は、事務所の仲間を実験に付き合わせたりはしないと思うんですけど」ジトー
晶葉「昔の偉い人は言っていた。科学の発展に犠牲はツキモノデース、と」
乃々「え……犠牲?」
晶葉「よし、じゃあこの中に入ってくれ」パカ
乃々「あ、はい。う、うぅ……こんな狭い洗濯機の中に閉じ込められて、もりくぼ何されちゃうんでしょうか……」
乃々「あ、でも以外と落ち着くかも……」
P(狭くて少し湿っぽい。洗濯機の中と俺の机の下は同じ環境なのかもしれないな)
P(しかし洗濯機の中にいる乃々……凄い絵面だな。とりあえず写メとっとこ)パシャパシャ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 12:36:08.95 ID:cCZcludto
ちなみに洗濯機に閉じ込められると中からは(サイズ的に入れないけど)大人の力でも蓋を開けられらません
12 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 13:03:59.38 ID:ILXcLw1B0
晶葉「ではスイッチを入れるぞ」ポチッ
ゴウンゴウンゴウン
P「お、回り始めたな」
乃々「……! ……!? ……っ!?」ドンドンドン
P「そして当たり前だが、中に入ってる乃々も回り始めたな」
晶葉「まあ洗濯機だからな。回るだろうさ」
ゴウンゴウンゴウン
晶葉「現在、森久保乃々の遺伝子情報を読み取っている。後は待つだけだな」
乃々「〜〜〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜っ!!!」ドンドンドン
P「中にいる乃々がヤバそうなんだが。涙目ですんげえ扉叩いてるわ」
晶葉「安心しろ。いざという時の為に、エチケット袋も一緒に入れている」
ゴウンゴウンゴウン
乃々「」
P「気絶した」
晶葉「エチケット袋の必要はなかったか……ん、そろそろ終了だ」
ピピーピピー
13 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 13:07:05.16 ID:ILXcLw1B0
晶葉「これでもう片方の洗濯機から、森久保乃々のコピーが洗われる……もとい、現れるわけだが」
晶葉「コピーと言っても、そのまま全く同じ森久保乃々が現れるわけではない」
P「ん? どういうことだ?」
晶葉「完璧なコピーではないということだ。まだまだ未完成だからな」
晶葉「あくまで森久保乃々の遺伝子情報を持った生き物が現れる」
晶葉「そうだな……森久保乃々っぽいナニカと言えばいいか」
晶葉「見た目は森久保乃々でも、身体的特徴や性格に何らかの差異が現れるはずだ」
プシュー
晶葉「まあ見てもらった方が分かるだろう。さあ……出てくるぞ」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 13:07:34.99 ID:fhejMjz6o
ダイジョーブ博士w
俺も随分と犠牲を払ったものだ…
15 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 14:45:07.76 ID:ILXcLw1B0
スポーン!
?「……」ベチョ
P「お、出てきた!」
晶葉「うむ、成功だな。見た目は……特に変わったところはないな」
P「そうだな……ん? 何か頭に付いてないか? 黒い……触角?」
?「……」ペタペペタ
晶葉「近づいてきたぞ。む、よく見ると……目にハイライトが無いな」
P「それは元の乃々でもよくある」
?「……と。……ごと」ブツブツ
P「何だ? 何か言ってるけど」
?「仕事……仕事しないと……。働かないと……誰か仕事をください……」
P「乃々にあるまじき事を呟いてるぞコイツ」
16 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 14:48:47.99 ID:ILXcLw1B0
晶葉「なるほど。分かったぞP。この黒い触覚、感情を読み取れない虫のような眼光、そしてこの社畜的発言から考えるに……」
P「ア、アリだー!」
晶葉「そうだな、アリだな。この子は、森久保乃々にアリの性質が加わった存在のようだな。それも働きアリだ」
P「乃々っぽい存在ってそういう意味なのか」
P「アリの森久保……蟻久保だな」
蟻久保「いっぱい働かないと……昼夜問わずに……休憩時間とかいらないですから……不眠不休で……」
蟻久保「でも……蟻久保何の為に働くんでしょうか……わからない、わからないですけど……仕事をしてる間は、そんなこと考えなくてもいい……」
P「思考が完全に社蓄のそれだな」
蟻久保「あ、どうも……蟻久保ですけど……」
蟻久保「な、なんでもいいので……何でもするから、蟻久保にお仕事を下さい……!」グイ
P「お、おいおい胸倉掴むなって」
蟻久保「何でもいいんです……! 他の人がやりたがらない仕事でもいいですか……! バンジージャンプだってスカイダイビングだって何でもしますから……!」グググ
P「お、落ち着けって」グググ
P「う、うおっ!? ちょっ、俺、持ち上げられてない!? 何だこの力!?」
晶葉「ふむ。蟻は自分の体重の100倍以上の物を持ち上げられるらしいからな。一般的な成人男性なら、軽々と持ち上げられるだろう」
P「アリは全部の虫の中で一番力持ち……デイ○ス艦長が言ってたのは本当だったのか……」ビリビリ
P「って裂けてる裂けてる! スーツが! スーツがオシャカになる!」パンパン
17 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 14:49:48.37 ID:ILXcLw1B0
晶葉「P! 何でもいいから仕事を与えるんだ!」
P「お、おう。え、えっと……掃除! そう掃除だ!」
蟻久保「……おそうじ?」
P「そうだ。この研究室の中を掃除してくれ。それが仕事だ!」
蟻久保「……」キョロキョロ
蟻久保「この広くて、よく分からない機械で滅茶苦茶に散らかってるこの部屋を……掃除」
晶葉「汚くて悪かったな」
蟻久保「……」
蟻久保「あーりぃー。すっごく、やりがいがあるかも……」
蟻久保「では蟻久保、お掃除してきます!」ピュー
P「凄い活き活きと駆けて行ったな……目は死んでるけど」
18 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 14:50:38.98 ID:ILXcLw1B0
晶葉「とまあ、コピーの具合はこんな感じだ」
P「何かこう……俺が考えてたのとちょっと違うけど」
P「これはこれで面白いな」
晶葉「そうだろうそうだろう」
晶葉「さ、まだまだ来るぞ」
P「え? まだ来るの?」
晶葉「ああ。コピーを作る原料が無くなるまでは、ノンストップで生まれ続けるぞ」
晶葉「ちなみに原料は水35L、炭素20s、アンモニア――」
P「いや、いい。聞きたくない」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 15:56:00.24 ID:6onA9bn7O
どっかで見たことあるぞ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 15:56:38.15 ID:cCZcludto
>>19
>>1
を読むんだ
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/15(土) 16:26:18.26 ID:AU6AJ7l9O
晶葉の左足が持っていかれそうな原材料
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 17:30:14.69 ID:Kj/lqBjy0
ならPは全身持っていかれるのかな?
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 18:22:55.21 ID:fFuUT8R7O
代わりのPヘッドに錬成陣書いて魂定着させればヘーキヘーキ
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 18:31:25.65 ID:Gw3q8vthO
あれって落ちたんだっけ?完結したような気がするが…あれ?
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 18:50:40.10 ID:vNOFlaLA0
は行までだった
26 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 19:12:39.81 ID:ILXcLw1B0
スポーン
?「……あぅ」ズルゥ
?「……えっと」キョロキョロ
?「ここは……」ソワソワ
P「帽子にサングラス、マスクにマフラー……不審者が出てきたぞ」
晶葉「ああ。それに異常なほど挙動不審っぷり。まず間違いなく職務質問の標的にされるだろうな」
P「あの不審者感丸出しの存在には、大いに見覚えがある」
P「撮影現場入りする時の乃々だ。つまり入久保だな」
晶葉「……いつもあんな格好で現場入りしているのか?」
P「ああ。だから大体テレビ局の警備員に止められてな。基本、俺が迎えに行ってから、現場入りしてるんだ」
入久保「……」ソワソワ
入久保「……あ!」
入久保「……っ、……っ」フリフリ
晶葉「こちら……というかPを見つけて、手を振ってるな」
P「必死で可愛いだろ?」
27 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 19:14:26.81 ID:ILXcLw1B0
スポーン
?「……」ストッ
?「……」キョロキョロ
P「今度の乃々は……見た目は普通だな。触覚も挙動不審なオーラも纏ってない」
?「……っ」タッタッタ
晶葉「部屋の隅に駆けて行ったぞ」
?「……っ、……っ」イソイソ
P「エプロンを着けて、シートを広げ始めたな」
晶葉「シートの上に何か並べているな。これはアレか? 店でも開くつもりなのか?」
?「……」チョコン
P「フリーマーケット的な店だな。ほら、シートの上に正座したぞ」
P「店を開く乃々……売久保か」
売久保「……よしっ」グッ
売久保「……」スゥ
売久保「……し、新装開店なんですけど……い、いらっしゃーい……や、やすい……やすいと思うんですけど……」ボソボソ
晶葉P「声ちっさ!」
28 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 19:21:12.71 ID:ILXcLw1B0
売久保「……か、開店セールで……そ、それないに安いと……お、思うんですけど、えっと……や、やっぱりそんなに安くないかも……」ボソボソ
売久保「そ、そんなに安くないって苦情を入れられたら困るので……や、安くないですよー、い、いらっしゃーい……あ、でもあんまりお客さんが来ちゃうといっぱいいっぱいになっちゃうので……い、いらっしゃってほしくなーい、来てもあんまりいい物はないんですけどー……」ボソボソ
晶葉「全く買う気がしないな。彼女には商才はないらしい」
P「まあ、とりあえずちょっと行ってみるよ」
ツカツカツカ
P「儲かってるか乃々?」
売久保「ぼ、ぼちぼちなんですけど……」
売久保「あ、お客さんさん……えっと、もしよかったら、何か買ってくれたら、嬉しかったり……」
P「そうさせてもらうよ」
P「どれどれ……この歯ブラシは?」
売久保「それ、私が使った歯ブラシなんですけど……」
P「……じゃあ、こっちの割り箸は?」
売久保「それも私が使った……」
P「この下着上下セットは?」
売久保「……っ」カァァ
売久保「そ、それも……そ、その……わ、私がさっきまで着けてたやつなんですけど……」モジモジ
P「なにこの店。全部、乃々の中古品ってわけか?」
売久保「は、はい……ぜ、全部100円ですけど」
P「あのなぁ……」ハァ
売久保「うぅ……そ、そうですよね。いくら安くても誰も私の中古品なんて欲しがらないですよね……も、もう売久保店を畳んで、お家に帰ります……」カタヅケ
P「――全部買おう」
売久保「えっ」
P「ここに並んでる商品、全部俺が買う」
P「並んでる物以外に、まだ何かあるのか?」
売久保「え? え、えっと……わ、私が小学生の頃に使ってた教科書とか、水着とか……い、いくら何でも売れるはずないものがありますけど……」
P「全部だ。売久保ォ!! そいつを全部寄越せェェェ!!!」
売久保「あ、はい。じゃあ……ま、まいどあーりぃー」
29 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 19:22:38.86 ID:ILXcLw1B0
売久保「あ……」
売久保「ど、どうしよう……ぜ、全部売れちゃったんですけど……」
売久保「困りました……う、売るものが無くなったら、売久保の存在意義が……」
売久保「ほ、他に売れるもの……売れるもの……」ゴソゴソ
売久保「……!」ピコーン
売久保「こ、こうなったら……!」イソイソ
P(なんだ? 自分に……値札を?)
売久保「こ、これが最後の手段――売久保自身が商品になることなんですけど……!」
P「ほぅ、値段は?」
売久保「へ? え、えっと……5……い、いや、3……1万円! 1万円なんですけど!」
売久保「さ、流石に私なんかに1万円払う物好きなんて……」
P「ほら。これでどうだ」ピラァ
売久保「しょ、正気ですか!? い、一万円ですよ? そ、それにほら、返品も不可なんですけど……!」
P「ああ、返すつもりはないからな。どうだ売るのか売らないのか?」
売久保「うぅ……こ、こんなに売久保を欲しがる人、初めて見ました……」モジモジ
売久保「分かりました。う、売久保……プロデューサーさんに買われちゃいます!」
売久保「た、大切にして下さいね……」スリスリ
30 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 19:24:18.60 ID:ILXcLw1B0
P「ただいま晶葉」
晶葉「お帰り。どうだった?」
P「買った」
売久保「か、買われちゃいました……」モジモジ
晶葉「何があった!?」
売久保「じゃ、じゃあプロデューサーさんに買われた売久保は、お家で待っているので……」
売久保「は、早く帰って来てくださいね……」カァァ
タッタッタ
P「いやぁ、いい買い物したなぁ! 前から家に森久保が居れば楽しいだろうなぁって思ってたんだよ」
晶葉「これ人身売買じゃないのか……」
31 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 19:31:07.70 ID:ILXcLw1B0
スポーン
?「……」キョロキョロ
?「……っ」ササッ
?「……」ジー
P「うーん、見た目は普通の乃々だけど……随分とこっちを警戒してるな。柱の陰に隠れてしまったぞ」
晶葉「ああ。明確にこちら側を睨みつけている」
P「近づいてこないようだし、こっちから近づくか」スタスタスタ
?「……っ!?」ビクッ
?「そ、それ以上近づかないで欲しいんですけど……!」キッ
P「いや、何もしないからそんな警戒するなって」
P(よく見たら、この乃々……マント着けてるな)
?「そこから1歩でも近づいたら……た、大変なことになるんですけど……!」
晶葉「大変なこと? ……ふむ、それは興味深い。よし行くぞP」ザッ
P「オッケー晶葉!」ザッ
?「ひっ!」
バサァ!
?「フ、フシャァー!」バサバサッ
P「なんだ? マントを広げたりして」
?「フシャァァ……! ど、どうです? こ、怖いでしょう? だ、だからこれ以上、近づいてこないて欲しいんですけど……!」バサバサ
晶葉「ふぅむ。これは……威嚇行動か?」
P「威嚇行動?」
晶葉「ああ。生き物の中には、ああやって体を大きく見せるような行動をとることで、敵対生物を威嚇する種がいるんだ」
P「へー」
P「大丈夫だ、何もしないぞ。ほら怖くない怖くない。怯えてるだけだよな?」ニコニコ
?「ふ、ふしゃぁ! ふしゃぁぁぁ! ……はぁ、はぁ。しゃぁぁぁぁ! ……ふぅふぅ」
晶葉「全く気を許す気配がないな」
32 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 20:16:51.82 ID:ILXcLw1B0
ピンポーン
晶葉「ん? 誰か来たようだな。ロックを解除して、と」
ウィーン
菜々「おっじゃましまーす。晶葉ちゃんにお届け物でーす」ピョコン
晶葉「ん、ウサミンか。ああ、注文していた商品を持ってきてくれたのか。ありがとう」
菜々「いえいえ。あ、プロデューサーさん! お疲れ様です!」
P「おう菜々もお疲れ様」
菜々「キャハっ! もう全然疲れてないですよー。何てたって菜々はJKですからね! レッスン後でもこんなに元気☆」グッ
P(可愛いポーズをとった拍子に、肩の湿布が見えてしまった……)
菜々「あれ? そっちにいるのは乃々ちゃんですか?」
?「ふ、ふしゃぁ……ふしゃぁ……はぁはぁ」1バサナサ
菜々「わっ! なつかしー! それアレですよね! エリマキトカゲの物真似ですよね!」
晶葉「ん? ああ、そうか。どこかで見たと思ったら……エリマキトカゲだったのか。しかしウサミン、よく分かったな」
菜々「菜々が学生の頃すっごいブームがあったんですよ! みーんなああやって真似をして……あぁ、懐かしいですねぇ」シミジミ
晶葉「エリマキトカゲがブーム? ふむ、聞いたことがないな」
菜々「うっ、さ、流石に晶葉ちゃんは知らないですよね。ま、まあこれくらいのジェネレーションギャップは許容範囲です」
菜々「でも、プロデューサーさんは知ってますよね! CMでいっぱい流れてましたし。歌とかも色んなの出てましたしね!」
P「いや、すまん。俺も……分からん」
菜々「えっ」
菜々「そ、そぉなんですかぁ!? へ、へー! あぁ、はいはい! ま、まあそうですよね! な、菜々もほら、お、お母さんから聞いたことがあるだけですし!」
P「……」
晶葉「……」
エリ久保「え、でも今、菜々が学生の頃って……」
P「おいっ! エリ久保! 空気を読め!」
エリ久保「ひ、ひぃ!? ご、ごめんなさい!」バサァ
晶葉「マントに包まってしまったな」
33 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 20:20:28.73 ID:ILXcLw1B0
パカ
?「ふ、ふぅ……ひ、酷い目にあったんですけど……うぇっぷ」ヨジヨジ
?「はぁ、ふぅ……う、生まれて初めて三途の川というものを見てしまったんですけど……。で、でも川の向こうにもりくぼがいっぱいいて、何だかちょっと楽しそうだったかも……」
P「ん? おい晶葉。新しいコピーが出てきたぞ」
晶葉「そのようだな。どれどれ、見た目は……」ジー
P「うーん、特に普通と変わらないな」ジー
?「な、何ですかいきなり。そ、そんなに見つめらたら……うぅ」カァァ
P「この反応。性格もまんま元の乃々っぽいな」
晶葉「ああ。となると、見えない部分に何か特徴があるかもしれないな。触覚は……無いな」サワサワ
?「へ? な、何ですかいきなり、頭を撫でたりして……」
P「尻尾とか生えてないかな」ピラリ
?「〜〜〜〜〜〜っ!?」
?「なっ、なっなっ……何するんですか! プロデューサーさん……!」スカートオサエ
?「い、いぢめですか!? こ、こういうエッチないぢめは、いつもみたいに幸子さんにして欲しいんですけど……!」
34 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 20:25:58.42 ID:ILXcLw1B0
晶葉「なるほど分かった。これはコピーではなく、元の森久保乃々だ」
P「ああ、そっか。つまりはアレか。オリジナルの森久保乃々――オリ久保か」
晶葉「そういうことになるな」
オリ久保「な、ならないんですけど……も、もりくぼはもりくぼですけど……」
オリ久保「って……何ですかこの部屋。もりくぼがちょっと眠ってる間に、知らない人が増えてるんですけど……」
蟻久保「……ふ、ふふふ……お仕事楽しいんですけど……労働最高……」イソイソ
入久保「ひ、ひぃ!? ち、違うんです違うんです! い、入久保は怪しいものじゃないですから……!」
エリ久保「ふしゃあ! じゅ、十分に怪しいんですけど! こ、こっちに来ないで下さい……!」バサバサ
オリ久保「な、何だか変わってるけど、可愛い女の子達ですね、プロデューサーさん。あ、新しいアイドルの人たちですか……?」
P「えっ」
晶葉「まあ、自分と同じ顔を見ても、意外と自分だと分からないものなんだろうな」
晶葉「恐らく森久保乃々は、普段から鏡で自分の顔を見そうにないし」
P「なるほど……」
P(自分のことを可愛いって言う乃々……ナル久保か。幸子とキャラが被るな)
35 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/15(土) 20:26:34.57 ID:ILXcLw1B0
乃々「え……あ、あの人たち、もりくぼのコピーなんですか?」
乃々「つ、つまりもりくぼは、自分のことを可愛いなんて、自意識過剰なことを……」プルプル
乃々「う、うぅ……も、もりくぼ、恥ずかしすぎて、穴があったら入りたいんですけど……」カァァ
乃々「というか、いいところに穴があるので、入るんですけど……」ヨジヨジ
P「待て待て。洗濯機の中に戻ろうとするな」グイグイ
晶葉「おい2人共。次のコピーが来るぞ」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 23:09:49.58 ID:4vzsl58NO
は行であれ終わってたのか
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 01:37:31.07 ID:xFYvdzKAo
もりくぼの次はヤりくぼか……
えっちだ
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 01:41:55.55 ID:d1P0ir5tO
クリくぼ……クリ…くぼ……
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 01:57:49.66 ID:4LWy3CTDO
「ろ」以外のら行よりも「も」をどうクリアするのか気になる
本人そのものをオリ久保として登場させたし
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 12:47:41.93 ID:tdnE+cvoo
盛久保だろう
何を盛ってるかは知らないが
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 13:26:34.65 ID:6J9DKL5/O
てっきりバファローズファンの森久保が出て来るとばかり…
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 13:32:00.60 ID:tL8bbXH5o
>>39
ラリ久保(おクスリ中)、リリ久保(CDリリース中)、るり久保(ゼルダに詳しい)、れり久保(?)、ロリ久保(文字通り)
森久保(みんなのイメージ通りの森久保)
みたいな?
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 13:34:30.74 ID:7Gztu6CSO
ネタ潰しやめよう
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/16(日) 15:48:22.58 ID:3++nLSxGO
この手のスレでネタ潰しとかいい度胸だな?
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 17:17:08.32 ID:i7zGdbEuO
もはオリ久保が大量発生してPがハッピーになるんだよ!
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 18:30:58.12 ID:nz+kYzWnO
モだったらモジ久保もしくは文字久保だ
モジモジしてる森久保か文字遊びで会話する森久保か…
モジ久保はありだが文字久保はないな
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 18:33:20.91 ID:peHB+MYco
頭文字50音順って決まっててネタの選択肢が狭いんだからネタ潰しはやめてくれよ…
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 20:19:37.57 ID:709JkW3J0
ネタ潰ししまいと思って盛りくぼって書くのを必死に我慢した俺の努力を返せ
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 20:22:30.34 ID:bEHuKMDrO
モジ久保はなんでモジモジするんですかねぇ(ゲス顔)
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 20:26:23.97 ID:3gSohpvA0
…ののぺったん?
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 20:37:21.83 ID:ebwEsTWao
>>47
もりくぼのの で6文字だから、50^6通りネタがあるのでは
52 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:42:53.41 ID:n45+pLlj0
スポーン
?「……」
乃々「あわわ……ほ、本当にもりくぼそっくりな女の子が出てきたんですけど……非現実的な光景過ぎて、眩暈が……」
晶葉「お、近づいてきたぞ」
トコトコトコ
?「あ、あの……い、いきなりでとても失礼なんですけど……」モジモジ
?「そ、その……お、お手洗いを借して欲しいんですけど……」モジモジ
晶葉「あ、ああ。トイレならそっちだ」
?「じゃあお借りします……!」フラフラ
P(生まれて即効トイレに行く乃々か……。漏久保かな?)
53 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:45:59.25 ID:n45+pLlj0
ジャー
バタン
?「ありがとうございました。本当に助かりました」
?「あ、あの、そこの人、その……私、ハンカチを持ってなくて、貸してもらえませんか」
P「ん? ほらどうぞ」スッ
?「ありがとうございます」フキフキ
?「えっと……オリ久保さん」
乃々「森久保です」
?「あの……私、おなかが空いてて、でもお金持ってなくて……その、できれば同じ顔のよしみで、少しお金を……」
P(同じ顔のよしみって凄い言葉だな)
乃々「え……は、はい。どうぞ」スッ
?「えっと、そこの……プロデューサーさん、でいいんですよね? 私、ご飯食べたらすぐに眠くなっちゃうんです。だ、だからその……もし、よかったらプロデューサーさんの家でお昼寝してもいいですか?」
P「ああ、構わないよ。ほら鍵だ」スッ
?「え、えへへ。ありがとうございます。それでは失礼しますね」
バタン
54 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:47:29.58 ID:n45+pLlj0
P「……」
乃々「……」
晶葉「……」
P「はっ!? 家の鍵を貸してしまった!?」
乃々「も、もりくぼ、会ったばかりの子にお金を……!」
晶葉「私もトイレを……ってこれは普通か。ふむ、何故か全く躊躇せず、貸してしまったな」
P「あ、ああ。不思議だ。むしろあげちゃってもいいやとさえ思ってしまった」
乃々「あぅ……も、もりくぼのお金……か、返してくれるんでしょうか」
晶葉「借りるのが上手い森久保乃々……借久保か?」
55 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:53:24.99 ID:n45+pLlj0
バタン
ヘレン「それは違うわ!」ヘーイ
P「うわ、ヘレンさん。いきなりどうしました?」
ヘレン「世界レベルのオーラを感じて来たのだけど……どうやら、擦れ違ってしまったみたいね」
ヘレン「そう易々と世界レベル同士の邂逅は許されない……つまりはそういうこと」ファサッ
乃々「あのもりくぼ、何言ってるか全然分からないんですけど……」
ヘレン「久しぶりに他の世界レベルを感じて機嫌がいいから、説明してあげるわ」
ヘレン「あの森久保乃々が纏っていたのは、間違いなく世界レベルのオーラ」
ヘレン「彼女はありとあらゆる、万物全ての事柄を借りる事で済ませるプロ」
ヘレン「借りて済ませる――いわばカリスマ!」
ヘレン「つまりカリ久保。オーケー?」
P(ダジャレだ……)
晶葉(ダジャレだな……)
ヘレン「そして彼女は狙った物を借りるまで、決して諦めない。さながら熟練した狩人の如く! カリスマで狩人、つまりはそういうこと」
P(しかも被せてきた……!)
楓(カリ久保ちゃんはカリーライスが好き……ふふっ)
P(楓さん脳内でダジャレ呟くのやめて)
56 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:57:55.66 ID:n45+pLlj0
スポーン
?「……」ユラリ
?「ふ、ふふふ、ふふふふ……今宵の蘭子丸は……血に飢えてるんですけど……」キラリ
P「お、セーラー服着てるぞ。結構似合うな」
乃々「そ、それよりも刀……刀持ってるんですけど……!」
晶葉「ついでに言うと、目つきが確実に何人か人を殺しているそれだな」
?「うふ、うふふ……やっと見つけましたぁ……私の運命の人……ふふふ」フラフラ
P「え。俺?」
斬久保「斬久保が……いっぱい、いっぱい愛してあげますからねぇ」
57 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:58:43.12 ID:n45+pLlj0
乃々「あ、あわわ……プ、プロデューサーさん……! に、逃げないと斬られちゃいますよ……!」ガタガタ
P「うーん、セーラー服に日本刀の乃々……アリだな」
乃々「い、言ってる場合ですか……!?」
斬久保「えへへぇ……隙アリなんですけど……!」ブゥン
乃々「プロデューサーさん、危なっ――って、ひぃっ!?」サッ
斬久保「ちっ、もう少しだったのに……」
乃々「な、何でもりくぼを狙うんですか!? な、流れ的にプロデューサーさんを斬って自分だけの物にするとか、そういう感じじゃないんですか!?」
斬久保「うふふ……やっと出会えた運命の人にに酷いことなんてするわけないんですけどぉ……」ユラリ
斬久保「それよりオリジナルのアナタを斬って、私がオリジナルの森久保乃々になるんです……うふふ」
斬久保「そしていつまでもプロデューサーさんと一緒に……うふふ、うふふふ……!」
乃々「ひ、ひぇぇ……」
晶葉「ほぅ、自分殺しか。いずれそういった感情を抱く固体が出てくるとは思っていたが、思いのほか早かったな」
P「ペ○ソナみたいな展開だ」
58 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 20:59:42.20 ID:n45+pLlj0
乃々「そ、そんなこと言ってないで、助け――ひぅ!?」サッ
斬久保「もう……動かないで下さいよ。動いたら上手く乃/々に出来ないんですけど……」シャッ
乃々「う、うぅっ、も、もりくぼだってまだまだやりたいことがあるんです……! こ、こんな所でやられはしないんですけど……!」サッ
斬久保「な、中々やりますねぇ……でも、これでどうです……!」シャシャッ
乃々「ふっ、ふっ……!」サッサッ
斬久保「なっ! い、今のを避けるなんて……はぁはぁ……い、今の動き……!」
乃々(まさかこんな風に卯月さんから教えてもらった横ステップが役立つなんて思いもしなかったんですけど)
斬久保「はぁ、はぁ……い、いい加減に斬られて欲しいんですけど……。か、刀って重いから……はぁはぁ……つ、疲れるんですけど……」ゼーゼー
乃々「はっ! チャンスなんですけど……! えいっ、えいっ」ポカポカ
斬久保「いたっ、いたいいたいっ! や、やめて……!」
乃々「この、このこのっ」ポカスカ
斬久保「や、やめてってばぁ……! ひ、酷い……! い、いぢめないでぇ……!」ウルウル
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 21:00:13.96 ID:3gSohpvA0
この流れ、知ってるのに笑うわ
60 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/16(日) 21:00:47.25 ID:n45+pLlj0
乃々「えい、えいっ。みくさん直伝の猫パンチを受けてみるんですけど……!」ペニャペニャ
斬久保「うぅ、うぅぅっ……!」ジワァ
斬久保「……っ!」ダダッ
ギュッ
斬久保「プ、プロデューサーさぁん……! オ、オリ久保さんがいぢめるんですけどぉ……!」
P「おお、よしよし」ナデナデ
晶葉「ふむ。どうやらしっかりとレッスンに励んでいたオリジナルが基礎体力の面で勝利したようだな」
P「おい森久保。あんまり自分のコピーを苛めるなよ」
乃々「なっ……! も、もりくぼもう少しで真っ二つにされちゃうところだったんですけど……!?」
P「いや、だってお前。これおもちゃの刀だぞ」ペラペラ
乃々「あ、本当です」
斬久保「えへ、えへへぇ。プロデューサーさんの胸、あったかい……」グリグリ
乃々「か、勝ったのはもりくぼなのに……な、納得いかないんですけど……! うぅ……」ジワァ
ポン
ヘレン「乃々。あなたは勝負に勝って試合に負けた。つまりはそういうこと」
乃々「ま、まだいたんですか……」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 21:48:28.50 ID:fk/82BUOO
笑うって言うより見ててほんわかする
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 10:21:48.86 ID:gRI0tNePO
どちらかというと試合に勝って勝負に負けたのでは
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 16:49:38.66 ID:BOspIbkTO
>>62
お前世界レベルさんに文句あるのか!
64 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/17(月) 23:14:16.61 ID:bxyBeC2K0
スポーン
?「……あぅ」ゴロン
?「……んしょ、よいしょ」ジタバタ
P(栗だ……)
晶葉(ああ、これは間違いなく栗だな……)
乃々(大きな栗に、手足が生えて、もりくぼの顔が付いてるんですけど……)
P(形が形だけに、ニコ〇ャン大王みたいだ……。でもよかった栗で。クリだったら確実にモザイクが必要だっただろうからな。自分でも何言ってるか分からんけど)
栗久保「あうぅ……お、起き上がれない……」ジタバタ
栗久保「あの……誰もいいんで、起こして欲しいんですけど。栗久保、こんな体ですから、1度倒れると1人じゃ起きられないんです」ジタバタ
P「お、おう」ヨイショ
栗久保「……ありがとうございます」
栗久保「……」
栗久保「栗久保、こんな体で生まれて、これからどうすればいいんでしょうか。この先の人生、夢も希望もないんですけど……」
P「うっ、そ、それは……」
晶葉「なんだろう……今更ながら、自分達がやってることが恐ろしく罪深いことに思えてきた」
乃々「う、うぅ……自分のことながら、泣けてくるんですけど……」グスン
65 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/17(月) 23:15:11.85 ID:bxyBeC2K0
シュイーン
仁奈「本当にこっちで合ってるでやがりますか?」
芳乃「ええ。こっちでしてー。確かにこっちから良い気を感じるのでしてー」
P「あれ? 仁奈に芳乃? どうしたんだ?」
P「それにその格好……蟹と蜂の着ぐるみか?」
仁奈「あっ、P!」タッタッタ
仁奈「どうでやがりますこれ? 蟹さんの気持ちになってるですよ! カニカニー♪」ギュッ
仁奈「可愛いでごぜーますか?」
P「おお可愛い可愛い」
仁奈「えへへー♪」スリスリ
芳乃「そなたー、わたくしの蜂さんはどうでしてー」グイグイ
P「いい感じに似合ってるぞ。つーか芳乃が足丸出しにしてるの初めて見たな」
芳乃「大胆になってみたのでしてー」ポッ
66 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/17(月) 23:16:00.40 ID:bxyBeC2K0
P「で、その格好は?」
仁奈「仁奈たち、今度のぼーねんかいで、劇をすることにしやがりました!」
芳乃「ええ。そういうわけで、今は劇団員を探している途中でありましてー」
仁奈「臼はきらりおねーさんがやってくれるですよ」
仁奈「お猿さんも愛海おねーさんが『劇中に猿が柿と間違えて全員のお山を揉むシーンを入れてくれたらいーよ、うひひ……』って言って、手伝ってくれるでごぜーます」
P「晶葉、今のセリフ」
晶葉「うむ。録音して早苗に送っておいたぞ」
芳乃「後は馬糞役と栗役が必要で、探しておりましたらこちらから良い気を感じ、来たのでしてー」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/17(月) 23:18:46.33 ID:zdamBFSIo
最近は馬糞いないことも多いんだってね……
68 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/17(月) 23:18:55.29 ID:bxyBeC2K0
栗久保「はぁ……こんな体で、栗久保はこれからどうすれば……こうなったら、文字通り身を削って生計を立てるしか……」
栗久保「いや、こんな栗久保の体なんてお金を出してまで欲しがる人はいないですよね……。そうだ、旅に出よう……旅先でお腹を空かせて困ってる人に、栗久保を体を分けてあげるんです……うふふ……」
仁奈「ああー! 栗でやがります! 乃々おねーさんが栗の着ぐるみを着てるでやがります!」
芳乃「ほー。誘う前に準備をしているとは用意周到なのでして」
栗久保「え、な、何ですか? く、栗久保に何か用ですか……?」ビクビク
仁奈「仁奈たちの劇に出て欲しいでやがりますよ! おねげーします!」ペコリ
芳乃「この通りでしてー」ペコリ
栗久保「え……」
栗久保「く、栗久保を必要としてくれるんですか……?」
栗久保「こ、こんな……私を……?」
仁奈「超必要でごぜーます! 乃々おねーさんしか頼れる相手がいねーですよ!」
芳乃「神様仏様乃々様でしてー」ナムナム
栗久保「う、うぅ……く、栗久保、こんなに頼りにされたの、生まれて初めてなんですけど……」ウルウル
栗久保「こんな栗久保でよかったら……何でもお手伝いするんですけど……!」
仁奈「わーい! メンバーが増えやがりました!」ピョンピョン
芳乃「では早速行くのでしてー。次は馬糞役……こちらから良い気を感じるのでしてー」
仁奈「じゃあP、晶葉おねーさん! さよならでごぜーます! 仁奈たちの劇を楽しみにしやがってください!」
ワイワイガヤガヤ
P「これが本当の適材適所か。いい話だなー」
晶葉「ああ、そうだな。掛け値なしに」
乃々「も、もりくぼ、それよりも馬糞役が誰になるか、気になるんですけど……」
69 :
◆qvf.IClkDc
[saga]:2017/04/17(月) 23:19:52.83 ID:bxyBeC2K0
スポーン
?「……」
?「……」ツカツカツカ
晶葉「脇目も振らずにこちらに来たな」
乃々「うっ、目つきが鋭いんですけど……当社比、3倍くらいなんですけど……」
?「……」ジー
晶葉「Pの目の前で止まって、Pを睨みつけてるな」
P「どうした? 俺に何か用か?」
?「……っ」ゲシッ
P「いたっ。お、おい、いきなりなんだよ。言いたいことがあるなら、口で……いたっ」
?「……っ、……っ」ゲシゲシ
晶葉「ひ、ひたすらPの脛を蹴り続けているな。蹴久保……でいいのか?」
蹴久保「……っ」ゲシリ
乃々「あ、あの……何が気に入らないのか分からないですけど、そんなに蹴るとプロデューサーさんが困っちゃうので……」オソルオソル
蹴久保「……っ!」キッ
乃々「あ、はい。何でもないです……はい、好きなだけどうぞ」スッ
晶葉「弱いなオリジナル」
晶葉「しかし参ったな。これじゃまともにコミニュケーションもとれないぞ」
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