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曜「千歌…ちゃん?」 高坂「……」
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52 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/09(日) 16:17:33.05 ID:MA+i/lvT0
曜「千歌……ちゃん……? あれ? どうしてここに…千歌ちゃんが…いる……の?」
高坂「……」
理亞「チカ? 曜さんは高坂さんの事をチカさんって言った?」
聖良「幻覚まで見えているの…?」
曜「千歌ちゃん、チカちゃん……うん、やっぱり千歌ちゃんだぁ♪ なんかちょっと幼くなった気がするけど、間違いなく千歌ちゃんだね♡」ニタァ
高坂「もう止めよう? あなたは…曜ちゃんはそんな事する人じゃないよ」
曜「でも、おっかしいなぁ〜…千歌ちゃんはもう死んでるのに、どーして目の前にいるの〜〜?」
曜「あ、そっか」ポンッ
曜「これは夢なんだね。私は、いつの間にか眠っちゃったんだ。これはいつも見ている夢の中、だから千歌ちゃんがいるんだね!! あはははははっ」ケラケラ
高坂「…夢?」
曜「そうだよ〜♪ 星人に寄生された千歌ちゃんがぁ、梨子ちゃんや果南ちゃん、ダイヤさんに善子ちゃん、鞠莉ちゃんと花丸ちゃんにルビィちゃんを殺しちゃうのー」ニコニコ
曜「最後は私と戦ってぇ〜、千歌ちゃんが死んだら目が覚めるんだぁ♪ あのね、これって実際に私が経験した出来事なんだよ!! こんな夢を毎晩見ていたらさ…私、壊れちゃった♪」
高坂「……っ」ギリッ
53 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/09(日) 16:18:24.46 ID:MA+i/lvT0
曜「…でもぉ、これが夢ならマズいな〜。だって今ミッション中でしょ? 早く起きて、私は星人を皆殺しにしないといけないのに……困ったなぁ」ウーム
曜「――あぁ、千歌ちゃんが死なないと覚めない夢だったね」ニタァ
高坂「……え?」
曜「なんかいつもと場所も様子もおかしいけど、まあいっか! というわけで……今回も死んで? ちーかちゃん♪」
その言葉をきっかけに、曜は高坂へ斬りかかる
突然の攻撃にギョッとした高坂だったが、咄嗟にZガンで初撃を防ぐ
高坂「くっ!! やめてよ、曜ちゃん!!!」
曜「どうしたのさ? いつもみたいに殺しにきなよ!!」
高坂「っっっ!!!」ドゴッ!
高坂は曜を海へ蹴り飛ばす
海中に落ちたが、すぐに襲い掛かってくるだろう
鹿角姉妹も急いでこっちに向かってきた
54 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/09(日) 16:19:15.20 ID:MA+i/lvT0
理亞「高坂さん、大丈夫ですか!?」
高坂「平気だよ…」
聖良「どうやら曜さんは、高坂さんの事をチカさんだと思い込んでいるみたいですね…更にこれを夢だとも思っている」
高坂「聖良さん、この武器渡すね?」
高坂はZガンを渡し、ホルスターからガンツソードを展開させた
聖良「へ? いや、でも……」
高坂「あの様子だと、曜ちゃんは星人に操られているんだと思う。昔、そんな能力を使う星人に操られた仲間があんな感じになっていた」
高坂「多分、今回の星人はもう残り少ない。倒し切れば転送が始まって、曜ちゃんはあのまま部屋に帰る事になっちゃう」
高坂「だから、二人には制限時間ギリギリまで星人を全滅させないようにして欲しい。それまでに、私が曜ちゃんを取り戻す」
理亞「取り戻すって…そんな短時間で出来るの? 今の曜さんに言葉が届くとはとても……」
高坂「やり方は戦いながら考える。だから……だから、私に時間を頂戴!!」
聖良「…レーダーを見る限り、残りは梨子さん達が向かったホテル方面の星人だけ。しかも残りは一体……急がないと終わってしまうわ」
理亞「…ごめんなさい、本当なら同じ部屋のメンバーである私達が解決すべき問題なのに……初めて会った高坂さんに押し付けてしまって……」
高坂「…いいの。それに、まるっきり関係ないわけではないし……」
理亞「…え?」
曜「ぷはぁ!! 結構吹っ飛んだねえ!!! ビックリ、ビックリ♪」
高坂「さあ行って!! 後は任せて!!!」
鹿角姉妹はホテル方向へ走り出す
それを見送った高坂は、曜の方へ振り返る
高坂「……二人きりになったね、曜ちゃん?」
曜「……」ニコッ
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/09(日) 20:26:37.90 ID:xlMGdS1Eo
待ってた
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/09(日) 21:23:21.85 ID:96xnOjAMo
ゴミ展開
57 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/09(日) 23:55:55.31 ID:MA+i/lvT0
〜〜〜〜〜〜
凛は、梨子と真姫に重症を負わせた星人に再び接近戦を持ち込んだ
強力な溶解液を所持している星人には出来るだけ近づかない方が得策なのだが、梨子を救出した際にホルスターに収めていたXガンを溶かされ、武器を失っていた
星人はひょうたんをちらつかせ、凛の動きを牽制する
凛(ただでさえ動きが巧いのに、あの液体は厄介だよ!! 隙を見て引くべきか!?)
星人「っっっ!!!?」ザッ!
星人は凛への攻撃を中止し、強引に首を後ろに引いた
余りにも不自然な動きに困惑する凛だが、この隙を見逃すわけにはいかない
的確に打撃攻撃を加える
隙を作ったのは、善子の狙撃による攻撃だった
善子(……ブツブツ)ギョーン!ギョーン!
58 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/09(日) 23:58:25.08 ID:MA+i/lvT0
――――――――
――――――
真姫『いい? 臨戦態勢かつ自分の位置を知られている状況で星人の急所を正確に狙うのは、私でも難しい』
真姫『更に、この銃は着弾からダメージが入るまでの時間が実弾より圧倒的に遅い』
善子『なら、一旦姿を眩ませてから狙撃すればいいのですね』
真姫『それがセオリーだけど、立地的にあのホテルの屋上くらいしか場所がないし、その移動時間に凛がやられる可能性が高いわ』
善子『……』
真姫『一発で仕留めなくていい。銃口の向きで、発砲音で、着弾による爆発で動きをコントロールしなさい。一発一発に意味を持たせるの』
真姫『あとは自分の腕を信じて引き金を引く事、わかった?』
善子『自分を信じる……』
59 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/10(月) 00:16:33.24 ID:8Q3LDPNZ0
――――――――
――――――
善子(凛さんの攻撃で後ろに仰け反るから、狙いを修正――)ギョーン!
――星人は上空に回避する
善子(着地点は多分ここ。着弾時間を考えれば…タイミングは――)ギョーン!ギョーン!
――着地と同時に足元の地面が爆発、凛の飛び蹴りが星人の頭部に炸裂した
善子(ここで体を狙って数発撃ち込めば――)ギョーン!ギョーン!ギョーン!
――星人は身体を反らし、無理やり回避
善子(…重心が残った、今度は避けられないでしょ?)ギョーン!ギョーン!ギョーン!
善子「凛さん!! 一旦離れて!!!!」
凛「分かった!!」ダッ!
――ババン!!!
星人の持っていた ひょうたん と重心が残った左足が吹き飛んだ
ひょうたん内の液体が星人の体に降りかかり、一瞬で蒸発する
善子「はぁ…はぁ……、や、やった…やった!!!」
凛「善子ちゃん、まだだよ!! もう一体現れた!!」
善子「了解よ! 援護は任せなさい!!」
60 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/10(月) 00:46:16.28 ID:8Q3LDPNZ0
近々また投稿します
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/10(月) 00:48:16.41 ID:TljWEmaNo
乙!
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/22(土) 19:09:48.24 ID:sKujRR0W0
まだかな
63 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/24(月) 01:14:51.61 ID:YT9YLtcz0
書き溜めていた文章が消滅してしまったので、投稿が遅れています…
申し訳ございません
64 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:27:46.02 ID:GFaK/v4+0
〜〜〜〜〜〜
曜の怒涛の斬撃が高坂を襲う
狂気に身を任せた彼女だったが、敵を殺すための最適な動きで徐々に追い詰める
高坂「このっ……ぐぅ!!」
曜「おらああ!!!」ブンッ!
辛うじて防ぐ
曜からの攻撃を避けたり、刀で防いだりはしているが
攻める気配は全く無かった
曜「どうしたのさぁ!! さっきから防戦一方だけど、やる気あるの!!?」
高坂「…っ!!」ガキン!
高坂(流石は曜ちゃんだね…海未さんや凛さんに鍛えられていなかったら一瞬でやられていたよ)
高坂(スーツを壊せば一撃で意識は奪える。でもそれじゃ、曜ちゃんを救う事は出来ない…かと言って悠長に戦いを続けても時間切れになっちゃう……ならっ!)
高坂は武器破壊を狙ってガンツソードの柄に斬り込む
…が、簡単にはいかない
曜は刃を掴み取り、足で腹部を蹴り飛ばす
65 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:29:09.04 ID:GFaK/v4+0
高坂「ごふっ!!?」
曜「危ない危ない…柄を狙うなんて、器用な事するね?」
高坂(武器を奪うのは無理か…だったら――)
高坂「曜ちゃん!! 私の話を聞いて!!!」
曜「話ぃ? 今更何を話すっていうのさ!! 千歌ちゃんが死ななきゃ終わらないんだから死ねよ!!」
攻撃を続ける曜
それでも続けて呼びかける
高坂「私は今の曜ちゃんが言っている“千歌”じゃない! 私の名前は“高坂”なの!!」
曜「高坂ぁ…?」
高坂「そう、だからこれは夢なんかじゃない。現実なの!」
曜「高坂…コウサカ? だって、その顔は間違いなく千歌ちゃんだよね? でも、千歌ちゃんはもう死んでいるし……でも目の前には千歌ちゃんがいて…でもその人はコウサカで……」ブツブツ
高坂(攻撃が止まった……?)
曜「――いや、やっぱりあなたは千歌ちゃんだよ、私には分かるもん。だからこれは夢の中……」
高坂「へ?」
――ドゴッ!
曜の攻撃が高坂に直撃する
スーツはまだ壊れていないが、これ以上受けるのは危険である
66 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:30:13.00 ID:GFaK/v4+0
高坂「くっ!! 曜ちゃん!!」
曜「………違う…夢じゃない……これは現実、戦う必要は………あは♪ 死んでよ、ちーかちゃん♪ ……止めろよ!」
高坂「……え?」
頭を抱え、悶え苦しむ曜
明らかに様子がおかしい
曜「止めろっ!! どうして、こんな事……! 黙って殺せよ!! 全部壊すんだよ!!」
高坂(洗脳が解け始めている…?)
曜「みんなの事を…本当に憎んでいた訳じゃ……ない! 嘘だね……違うっ!!! ふは、あははははははは」
曜は攻撃を続けるが、動きに先ほどまでのキレは無かった
心と体があべこべになり、支離滅裂となっている
曜「コロシ…テヤル……タス…ケテ、壊す、全部…全部ぶっ壊す!!!」カチャッ
高坂「……」カチャッ
曜は刀を構え直し、高坂に斬りかかる
高坂も応戦しようと構えるが……
67 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:31:30.50 ID:GFaK/v4+0
高坂「……必要ないよね」ボソッ
持っていた刀を放り投げる
そして斬りかかってくる曜の手首を掴み取り
もう片方の腕で優しく彼女を抱きしめた
曜「んな!? 放せっ!! 放せよおおおおお!!!!」ジタバタ
高坂「……っ!」ギュッ
必死に抵抗する曜
背中を殴りつけたり、首筋に噛みついたりした
そして、遂には耳の一部を噛み千切った
苦痛に顔を歪ませる
それでも、高坂は曜を離さない
そして、曜は徐々に抵抗の意思が弱くなっていった
曜「このっ!! いい加減に……しろ…よぉ……」ジワッ
高坂「…大丈夫、大丈夫だから……抱え込んでいる事を全部ぶちまけちゃおうか?」ナデナデ
曜「はぁ、はぁ…どうして……よ」
高坂「曜ちゃんにとって、千歌ちゃんは大切な人だったの?」
曜「あんたに…関係……」
高坂「…お願い、教えて?」
68 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:35:23.26 ID:GFaK/v4+0
曜「……だったよ…」ボソッ
曜「……大切…だったよ! 千歌ちゃんがいてくれれば、それだけで良かった!! 隣で笑ってくれるだけで元気になった、傍にいてくれるだけで幸せだった……!!」
曜「この先もずっと……ずっと一緒だと思っていたのにっ!! どうして死んじゃったのさぁぁぁ!!」ポロポロ
高坂の腕の中で、泣き崩れる曜
さっきまでの狂気じみた雰囲気はもう無くなっていた
高坂「……そっか、寂しかったよね?」ナデナデ
曜「ぅ……ひっぐ……ぁ、うん…寂し……がった……っ」
曜「受け入れたつもりだった……もう会えないのは分かっていたぁ……っ」
曜「でも……やっぱり無理だよぉ……千歌ちゃんがいないと……生きているのが…辛い……」
高坂「そっかぁ……」
曜「うぅ、うぇ、ちか……ちゃん……」
高坂「――…千歌ちゃんに会いたい?」
曜「……え?」
高坂「曜ちゃんは、死んだ千歌ちゃんに会いたい?」
曜「…それは…勿論………ぅ」ズキンッ
曜(頭が……痛い…――)
69 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:36:28.91 ID:GFaK/v4+0
――――――――
――――――
千歌『――だからね、これは私のワガママなんだけど……曜ちゃんにはみんなをもう一度生き返らせて欲しいの』
千歌『――それに、私は曜ちゃんにこの先も生きて欲しいと思ってる。見えるところに私はいないけど…ずっと傍にいるからさ』ニコッ
70 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:37:42.11 ID:GFaK/v4+0
――――――――
――――――
曜(……あぁ、そうか…どうして忘れていたんだろう…千歌ちゃんならずっと――)
高坂「……曜ちゃん?」
曜「……ううん、会わなくても大丈夫……約束を思い出したから……」
高坂「約束?」
曜「千歌ちゃんは…私に生きて欲しいと言ってくれた……生きて、代わりにみんなを生き返らせて欲しいとお願いされたの」
曜「それに…千歌ちゃんなら、私の心の中で生きている。私が死んだり、記憶を消して解放されたりしたら……今度こそ千歌ちゃんは死んじゃうからさ」
高坂「……そっか、曜ちゃんの中で千歌は今も生き続けているんだね」
曜「…うん」
曜「千歌ちゃんは大切な友達…でも、だからと言って梨子ちゃんや善子ちゃんが二番、三番っていう訳じゃない。私にとって二人も同じくらい大切な人……比べられないし比べちゃダメなんだよ」
曜「悪夢のせいとは言え、二人には色々酷い事しちゃった……許してくれるかな…」
高坂「どうかな? 言った言葉の度合いにもよるんじゃない?」
曜「ぐぅ…大丈夫……かな………?」
高坂「ふふ、冗談だよ、大丈夫。二人ともきっと許してくれるよ――」
71 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:40:27.79 ID:GFaK/v4+0
〜〜〜〜〜〜
聖良「あっ!! 梨子さん!? その足は!!?」
梨子「…聖良ちゃん……へへ、やられちゃった……」
真姫「ん? あなた達が残りのチームメイトなの?」
聖良「そ、そうですけど……あなたも東京チームの方ですか?」
真姫「…あなた“も”ですって?」
理亞「そうだ…梨子さん、大変なんです!! 曜さんが星人に洗脳されたんです!!」
梨子「!!!?」
聖良「今は東京チームの高坂さんが洗脳を解く方法を考えながら曜さんと戦っています! だから、曜さんを救うまで星人の殲滅は待って欲しいんです!!」
梨子「…高坂? 穂乃果さんは死んでいるハズじゃ…? そもそも東京チームは真姫さんと凛さんの二人しかいないって……」
真姫「……そっちのツインテのあなた、名前は!!?」
理亞「は、はい!? り、理亞です!!」ビクッ
真姫「理亞、私の代わりに梨子をお願いするわね」
真姫「聖良…でいいのよね? あなたは私と一緒にホテル方面に戻るわよ!!」
聖良「戻るって…片腕が無いじゃないですか!? そんな大怪我で戻るのですか!!?」
真姫「問題無い。それより早くしないと、二人が星人を倒しかねない!!」
聖良「で、ですが……」
理亞「……ん? 向こうから誰か走ってきたわよ?」
真姫「あれは……善子?」
梨子「……んな!? みんな、上を見て!!!」
聖良「上? ……はぁ!?」ゾワッ
72 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:44:13.81 ID:GFaK/v4+0
〜〜〜〜〜〜
凛「はぁ…はぁ……っくはぁ…」キュウゥゥゥン
凛と善子は新たに現れた星人と対峙していた
鷲のような風貌のその星人は、その強力な握力で凛の利き腕を捻じ曲げた
無数の羽を飛ばすことで善子の狙撃を妨害する
凛のスーツは無力化され、善子もいつ壊れてもおかしくない状況だった
凛(や、ヤバイ…次の攻撃は受けられない!! 避けられなかったら……死ぬ!!!)
凛(集中しろ……僅かな動きでも次の攻撃を察知しろっ!! 集中……集中、し――)
星人はノーモーションから最速で、翼を羽ばたかせた
無数の羽が凛を襲う
凛(――ぁ、死………)
善子「凛さん!!!」ガバッ!
凛「!!?」
――後ろから飛びついた善子のおかげで、羽は全て二人の頭上を過ぎていく
すぐさま凛を担ぎ上げ、銃で牽制しつつ、全力で走り出した
73 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:45:13.43 ID:GFaK/v4+0
凛「ご、ごめん……助かったよ」
善子「はぁ、はぁっ! このまま振り向かずに逃げるから、代わりに撃って!!」
凛「わ、分かった!」ギョーン!ギョーン!
善子(私に負傷した凛さんを守りながら戦える実力は無い……鹿角姉妹と合流するまで逃げないと!!)
凛「よ、善子ちゃんもっと急いで!!!!」
善子「は、はぁ!? これ……ゼェでも、全力なん……ゼェ、です…けど!!?」
凛「飛んできた!! あいつ、飛びながら追って来てるよ!!」
善子「か、勘弁…してよ……」ゼェゼェ
74 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:46:38.12 ID:GFaK/v4+0
〜〜〜〜〜〜
高坂「良かった…もう落ち着いたみたいだね」
曜「あ、あの…ごめんなさい……星人のせいとは言え、私本気で……」
高坂「ううん、気にしないで。曜ちゃんを助ける為だったんだからさ! ……まぁ、耳を噛み千切られたのは流石に痛かったけど」アハハ…
曜「……本当に申し訳ない」
曜(改めてよく見ても…千歌ちゃんにそっくりだな……見た目だけじゃなくて、声も似ているよ)
曜(――本当にこの人は、別人なの?)
高坂「さて…レーダーを見る限り、星人は残り一体。みんなもそこに集まっているね」
曜「…あ、あのっ」
高坂「ん?」
曜「あなたは…千歌ちゃんじゃないんですか!? その顔も、声も、抱きしめられた感覚も……千歌ちゃんと全く同じだった」
曜「教えて下さい……あなたは、一体誰なんですか?」
高坂「………」
75 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:48:20.16 ID:GFaK/v4+0
彼女は答えない
足元に落ちていたYガンを拾い上げ、曜に差し出す
高坂「…残念だけど、私は曜ちゃんの言う“千歌”じゃない、全くの別人だよ」
曜「……そう、ですか」シュン
高坂「もう、がっかりした顔しないで? 私が“千歌”じゃなくても、曜ちゃんはもう大丈夫でしょ?」ニコッ
曜「……うん、そうだね」
高坂「さあ、このミッションを終わらせて、千歌との約束を果たそうか!」
曜「……はい!!」
76 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:50:15.42 ID:GFaK/v4+0
〜〜〜〜〜〜
上空から高速で急降下してきた星人が理亞の体へ突っ込む
メキメキと鈍い音が響き、背負っていた梨子もろ共、遥か後方まで吹き飛んだ
理亞「……あがぁ…がぁ……ぁあ………」
梨子「ぐっ……しっかり…して……!」
聖良「理亞っ!!」
真姫「あの程度なら死んでない!! 星人に集中しなさい!!悪いけど、倒す気で戦わない死ぬわよ!!」ギョーン!ギョーン!
真姫はXガンを、聖良は受け取ったZガンを連射する
射程も短く、三発でチャージタイムが入り撃てなくなるXガン
さらに、今の真姫は利き腕を失っている為、狙いが上手く定まらない
真姫(…体が…重い……それに頭もくらくらする…銃で弾いた時の出血が多すぎた…!)
――バン!
星人の左翼の一部が吹き飛ぶ
善子の攻撃が命中したのだ
77 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:53:49.10 ID:GFaK/v4+0
善子「よしっ!!」
真姫「よくやった! このまま押し切――」
――星人は大きく振りかぶる
吹き飛んだのは翼の一部、腕を動かすには差し支え無かった
強力な腕力から繰り出される投石は、善子の構える武器と肩を貫いた
善子「〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!?」ブシュッ!
間髪入れず、無傷の右翼から無数の羽を発射
真姫と聖良の体に突き刺さる
聖良「痛っっっ…! あれ…腕に力が入らない……?」
真姫(最悪だ……聖良も私も刺さった羽のせいで健が切られた! これじゃ武器を握れない…!)
星人の標的は遠くで倒れている理亞と梨子へ移った
二人の元へ駆け出す
真姫(マズい……理亞は瀕死、梨子は片足欠損で動けない!! もう一度注意を引かなきゃ……っ!?)ガクンッ
78 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:55:07.10 ID:GFaK/v4+0
真姫(な……何で、何で立てないの…!?)チラッ
真姫「……くそっ!! どうしてアキレス腱にも刺さってるのよ!!?」
真姫「梨子っ!! 何でもいい、逃げてええ!!!!」
梨子(片足じゃ理亞ちゃんを連れて逃げるのは無理……一か八か…一撃で倒すしかない!!)カチャッ
チャンスは一度だけ
間合い、タイミング、抜刀速度、どれか一つでも足りなかったり遅かったりすれば終わり
しかし、星人には中距離からの攻撃方法を持っている
刀の間合いの遥か後方から、その攻撃の予備動作に入る
梨子(……っ!? なら、せめて理亞ちゃんだけでも――)ガバッ
理亞を庇うように覆いかぶさる
善子「――リリぃぃぃぃ!!!!?」
79 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:56:33.76 ID:GFaK/v4+0
――バシュ! バシュ!
二発のレーザーアンカーが星人の真横から襲い掛かる
ギリギリで察知した星人は身体をねじり回避、一旦距離を取った
曜「――ごめん、遅くなった!!」
梨子「……え? 曜……ちゃん…!?」
曜「色々心配させちゃったけど、もう大丈夫……完全復活だよ!」ニコッ
聖良「曜さん、気を付けて下さい!! その星人の攻撃は危険です!!」
曜「……大丈夫、こっちには最強の女の子がいるからね」ニヤッ
聖良「え?」
――曜の後ろから、一人の少女が高速で駆け抜けた
善子「ちょっ……あの顔…ウソでしょ!?」
真姫(あーあ…)ヤレヤレ
少女の接近に対し、星人は再び羽による範囲攻撃を繰り出した
スーツの防御力を上回るこの攻撃を受けるわけにはいかない
…が、少女は構わず突っ込んだ
避けきれない羽は刀で弾き、最小限の動きで搔い潜る
聖良「す、凄いっ!! あの速度の攻撃を完全に見切っている!」
流石の星人も焦る
刀の間合いまで詰め寄せられれば一撃で倒されかねない
攻撃が見切られている事が分かった瞬間、さらに後ろへ下がった
80 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:58:03.76 ID:GFaK/v4+0
――少女は、にやりと微笑んだ
直前まで斬りかかる体勢を取っていたが、急に体を横にひねる
同時に、背後からレーザーアンカーが飛び込んできた
曜が死角からYガンを発射したのだ
回避不能なギリギリのタイミング
星人を完全に拘束し、その場に固定した
曜「聖良ちゃーん!! トドメ、お願いできる?」
聖良「……え? 私です…か……??」
曜「うん、その銃でズドンってやっちゃって?」ニヤッ
聖良「――了解です! 任せてください!!」ギョーン!ギョーン!ギョーン!
――ズドドドン!!!
曜「――…よしっ! これで終わったね」
高坂「タイミングばっちりだったよ! 流石曜ちゃん♪」…スッ
曜「…へへ、ありがとう!! 高坂さんもカッコよかったよ♪」
パチンっとハイタッチを交わす二人
その姿を見ていて聖良は安堵の表情を浮かべていた
聖良「高坂さん……リーダーを…曜さんを救ってくれて、ありがとうございます」ウルウル
高坂「救うだなんて大げさだよ、曜ちゃんは自力で戻って来てくれた」
真姫「ったく、来るのが遅いのよ。もう少し早く来れなかったわけ?」
高坂「これでも大急ぎで……ええ!? 真姫さんその腕で戦っていたんですか!!?」
真姫「こんなの大したケガじゃないわ。両腕失っても戦い続ける人に比べたらね」
81 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 21:59:54.02 ID:GFaK/v4+0
善子「ちょっと、あれって……千歌さん? 千歌さんよね!!?」
凛「い、いや……あの子は高坂さんだよ? 穂乃果ちゃんの妹で――」
善子「高坂? そんなわけないでしょ!? どっからどう見ても……でも、有り得ないか…だって千歌さんはこっちのガンツに保存されているわけだし……」ブツブツ
凛(どどどどどうするのさ!? これ以上誤魔化すのは無理だよ!!)
――ジジジジジ
真姫「ふぅ、やっと始まったわね。理亞と梨子もちゃんと転送されている」
高坂「ケガはしちゃったけど、どちらのチームも犠牲者ゼロで終われましたね!」
真姫「ええ、点数も稼げたし、これでμ’sのメンバーも――」
曜「――高坂さん!!」
高坂「……」
真姫「……呼ばれているわよ。行かなくていいの?」
曜「こっちを向かなくてもいい、そのままでいいから、最後に教えてください!!」
曜「――あなたの、高坂さんの名前は……何ですか?」
高坂「……」クルッ
くるりと振り返る
人差し指を口に当て、にっこりと笑いながら答えた――
高坂「それは内緒♪ またね、曜ちゃん!」ニコッ
82 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 22:01:18.35 ID:GFaK/v4+0
〜〜〜〜〜〜
〜GANTZの部屋〜
梨子「…ねえ、あの“高坂”って人……」
善子「リリーもそう思った? 千歌さんにそっくりだったわ……」
理亞「曜さんも最初そんな事言っていたわね。そこまで似ているの?」
梨子「ちょっと待って……ほら、この写真の子なんだけど」
理亞「どれどれ……えっ!? そっくりってレベルじゃ無いじゃない! 同一人物でしょ!?」
聖良「でも……高坂さんの方はもっと幼い顔立ちでしたよね?」
梨子「確かに…高校生には見えなかった」ウーン
善子「曜さんは……どう思う?」
曜「……そうだね、みんなの言う通り高坂さんは千歌ちゃんにそっくりだった。ううん、もしかしたら本人だったのかもしれない」
曜「でも、あの人が自分の事を“高坂”だって名乗ったからには、きっとそうなんだよ。千歌ちゃんとは別人…だよ」
梨子「…東京チームにいる事は分かっているんだから、会いに行けばいいんじゃない?」
聖良「そうですよ! ミッション中は時間が取れなかったけれど、直接会いに行けば……」
曜「うーん……」ポリポリ
善子「それは無理でしょ…? だって曜さんは今回で解放を選ぶことになっているんだから」
理亞「記憶を消されれば今夜の出来事も忘れる……」
曜「……」
GANTZ『ヨーソロー 37点 TOTAL121点』
曜「100点か……」
83 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 22:02:42.48 ID:GFaK/v4+0
画面が切り替わる
100点メニュー
1.記憶を消されて解放される
2.より強力な武器を与えられる
3.メモリーの中から人間を再生する
聖良「凄い……本当にこの中から選べるんですね」
曜「……色々考えたんだけどさ」
曜「毎晩悪夢にうなされるのは辛いし、いつ終わるか分からない命懸けの戦いを続けるのは正直言って嫌だ」
曜「……でも、私は約束したんだよ。千歌ちゃんが殺してしまった、千歌ちゃんの大切な人達を生き返らせるって。これはどうしてもやり遂げたい、誰かに任せっきりにしたくないんだよ」
理亞「だとしても、この先も悪夢を見続けるかもしれないのに……曜さんの心は耐えられるの?」
曜「…それは、自力で乗り越えていくしか――」
梨子「それは違う、一人で乗り越える必要はないよ!!」
曜「…梨子ちゃん?」
善子「リリーの言う通りよ! そもそもどうして最初から私達に相談してくれなかったの!?」
梨子「私達じゃ千歌さんの代わりになれない事は分かっている…それでも、曜さんの力になりたかった……大事な友達だと思っていたからっ!!」
梨子「日に日に病んでいく曜ちゃんをただ見ている事しか出来なかった自分が……情けなかったし、悔しかった……っ!」ポロポロ
曜「……ごめんね、相談するべきだとは思っていたんだけれど……どこから話せばいいか整理出来なかったんだ」
曜「――…本当に馬鹿だよね? こんなに素敵な仲間が近くにいるのに、勝手に抱え込んで、気を狂わせたんだもん……バカ曜だよ」
理亞「全く…あの時の曜さんは冗談抜きで怖かったわ……」ブルブル
曜「あはは…」
曜「まぁ、夢については自力で何とかするしかないと思うよ。…でも、少しでも辛くなったら……その時は相談に乗ってくれると嬉しいな」ニコッ
梨子「……うん! いつでも頼ってね!!」
善子「24時間365日受け付けるわ!!」
曜「ふふ、それなら安心できるね」
84 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 22:03:45.40 ID:GFaK/v4+0
理亞「あー…水を差すようで悪いんだけど…そろそろメニューから選んだ方がいいんじゃない?」
聖良「そ、そうですよ! 時間制限とかがあるのでは!?」アセアセ
曜「あー…そうだったそうだった」
梨子「今回は誰を生き返らせるの?」
善子「戦力的に考えれば……果南さん?」
曜「実はもう決めているんだ。戦力も大切だけど、やっぱりいつまでも学校の理事長が不在っていうのは良くないと思うだよね」
梨子「となると……」フム
善子「あの人ね!」
曜「――三番、小原 鞠莉を再生して!!」
――ジジジジジ
85 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 23:36:43.22 ID:GFaK/v4+0
――――――――
〜ガンツの部屋〜
――ジジジジジ
「……」キョロキョロ
真姫「…久しぶりね。まあ、絵里にとっては会ったばかりだと思うけど」
絵里「…なるほど、私は死んでいたのね。あれからどのくらい経ったの?」
凛「ええっと……二か月ちょっとくらいかな? 見ての通り、あのミッションで生き残ったのは、この三人だったんだ」
絵里「えっ!? 海未と穂乃果も死んでいるの!!? …だったら二人のどちらかを優先して生き返らせるべきじゃ――」
真姫「穂乃果に関しては本人の意向よ。即戦力で考えれば海未になるけれど、今のメンバー的に相性が悪いのよ」
凛「近距離でも中距離でも強いのが絵里ちゃんだからね」
真姫「……まぁ、絵里を選んだ本人はそんな事考えていなかったと思うけど」
絵里「…え? 真姫が再生してくれたんじゃないの?」
真姫「残念ながら私と凛は今回100点まで届かなかったのよ」
「今回は私が100点に到達してたので、絵里さんを選びました!」
絵里「…へぇ、希か花陽を選ばなかったのは意外ね?」
「……私も迷ったんですけど、花陽さんは凛さんが、希さんは絵里さんが生き返らせてくれると思いまして」
凛「かよちんに早く会いたいのは山々なんだけど…次のミッションでも生き残る為には絵里ちゃんが必要なんだにゃ」
真姫「そういう事だから、次からキッチリ働いてもらうから。あと、薬品の調達もよろしく」
絵里「…ええ、このエリーチカに任せなさい」
絵里「それと、私を生き返らせてくれて感謝するわ……“千歌”」ニコッ
千歌「……へへっ///」
真姫「…千歌、話は変わるんだけどさ」
千歌「何ですか?」
真姫「ミッションが終わる前、曜に名前を聞かれていたじゃない? あの時どうして教えてあげなかったの?」
凛「そう言えばそうだよ! なんか、ほとんどバレてたみたいだし……打ち明けても良かったんじゃないかにゃ?」
千歌「……いいんですよ」
千歌「あそこで打ち明けたところで、私は曜ちゃんの知っている“千歌”とは別人。曜ちゃんにとって“高海千歌”の存在はとても大きいみたいで…とてもその代わりになれそうにありませんでした」アハハ…
真姫「…代わりねぇ」
千歌「それに、今の私にはここでやるべき事が残っていますし」
86 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 23:38:06.71 ID:GFaK/v4+0
絵里「なら、全部終わったら会いに行きなさい」
千歌「え?」
絵里「どうせ千歌の事だから、本音はあそこに私の居場所は無いって思っているんでしょう?」
千歌「ギクッ」
絵里「いい? 千歌の居場所は間違いなく沼津にもあるのよ」
千歌「…そう……ですか?」
真姫「まあ、千歌を目撃したあの子達の様子を見た限り、あっちから会いに来るかもね」
凛「そっか、凛達が東京チームだって事は知っているわけだもんね」
千歌「……あっ」ダラダラ
絵里「あら、そうなの? だったら、その時はキチンと説明しないとね♪」
千歌「えぇ…隠す気ゼロなんですか!?」
絵里「冗談よ。ただ、どうするかは千歌に任せる。じっくり考えなさいね?」
千歌「……はい」ニコッ
87 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 23:42:14.03 ID:GFaK/v4+0
――――――――――――
――――――――――
――――――――
――――――
――――
――
曜「……ぅう、ふぅ…」ソワソワ
善子「むぅ……」イライラ
曜「っ……ふぅ」ウロウロ
果南「……あはは」ヤレヤレ
曜「うぅぅぅ」ソワソワソワ
善子「だあああぁぁもうっ!! 少しは落ち着きなさいよ!? 穂乃果さんから連絡があってからずっとソワソワしているじゃない!!」
果南「気持ちは分かるけどね」アハハ
曜「だ、だってさぁ……」
善子「でも、違う人が来るかもしれないじゃない。凛さんとか真姫さんとか」
果南「確かに、誰とは言ってなかったもんね」
曜「えぇ!? そ、その可能性は考えていなかったよ……」ガーン
善子「冗談よ。十中八九、あの人でしょう?」
果南「でもまあ、どんな感じになっているんだろうね? ちゃんと生き残って成長していれば今は高校二年生になっている頃だよね」
曜「高校二年生かぁ…懐かしいね」
善子「果南さんが出席日数足りなくて留年したのも今は笑い話よね〜」ニヤニヤ
果南「んな…/// だ、だって鞠莉がさっさと100点取ってくれなかったから…仕方ないでしょ!?」
88 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 23:44:46.68 ID:GFaK/v4+0
―ジジジジジ
「……?」キョロキョロ
善子「あ、来た来た」
果南「へぇ、小さい頃みたいにロングヘアにしたんだね?」
曜「……っ」
「あ、あれ? この三人しかいないのですか?」
曜「……違うよ、他のみんなは別の部屋で仮眠してる」
「そっか…久しぶりだね、曜ちゃん」
曜「……うん、久しぶり」ニコッ
「えぇーっと…二人は初めまして、だよね? 私は東京チームの――」
果南「大丈夫、あなたの事は知ってるよ。……全部ね」
「へ?」
善子「少し前にそっちのチームの絵里さんから話を聞いたのよ。だから変な気を使わなくてもいいのよ?」
果南「まぁ、知ってるのはまだこの三人だけだからこの後びっくりするメンバーは多いけどね」
「……そうですか。もう知っているんですね」
89 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/26(水) 23:50:33.36 ID:GFaK/v4+0
曜「……ぁ」モジモジ
「……曜ちゃん?」
果南「もう、何モジモジしてるの? 二十歳の大人が、高校生相手に恥ずかしがってるんじゃないの」
善子「…ヘタレ」ボソッ
曜「う、うるさいな! 別にヘタレてる訳じゃ…」
善子「だったら、さっさと伝えなさいよ」
果南「…言いたい事があるんでしょ?」
「そうなの? 曜ちゃん??」
曜「あー…うん、いや、大した事じゃないんだけど……」モジモジ
曜「……ふぅ、……あのねっ!!」
曜「――ずっと会いたかった……おかえり、千歌ちゃん」ニコッ
「………」
千歌「――うん、ただいま!」
【完】
90 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/27(木) 00:03:52.82 ID:lfpOrXRq0
おまけ 嘘予告 カタストロフィ編
『ラストミッションから数日後、世界の空は真っ赤に染まった』
曜「――遂に来たね」
梨子「これが…カタストロフィなの?」
地上に降り立つ、未知の巨大生物――
理亞「で、デカい!?」
善子「くっ…なんなのよあの武器! 喰らったら終わりよ!!」
――――
果南「あの部屋に行こう。きっとみんな集まっているハズ!」
ダイヤ「ええ、急いで向かいましょう」
『再び集う、歴戦の少女達』
曜「このメンバーで出来るだけ多くの人々を救おう」
千歌「東京チームから来ました。高坂千歌です」
ダイヤ「……は? ええぇぇぇぇ!!? ちちちちちち千歌さんんんん!!!!?」
果南「……ダイヤ、驚きすぎ」ハァ
――――
ルビィ「ひぃ!? 人が加工されているの!?」ゾワッ
鞠莉「酷い…人間を何だと思っているの……!」ギリッ
花丸「許せないっ!」
梨子「助けられる人は急いで助けないと!!」
善子「この調子なら楽勝ね〜」
91 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/27(木) 00:06:16.92 ID:lfpOrXRq0
『全ては順調に進んでいると思っていた――』
イザベラ「何だこいつら!!? 突然部屋に転送されて来たぞ!!?」
ルビィ「う、うわああああああぁぁぁ!!」
乗っ取られたガンツ、爆破される部屋――
――――
曜「ここは……どこ?」
鞠莉「部屋に転送されない…?」
ダイヤ「ガンツに…何かあったのですか……!?」ゾワッ
果南「マズイ!? 敵が来たよ!!」
襲い掛かるかつての強敵達――
善子「このっ! 沼津港ではよくもやってくれたわね!!」
ダイヤ「その液体には当たりませんわ!」
梨子「やっぱり、このうちっちーは……キモチワルイ…」
――――
千歌「んな!? Zガンが効かない!!?」
曜「ダメだ! こっちの武器が通用しないよ!!!」
梨子「逃げて!! 触れられただけでスーツごと持っていかれる!!」
突きつけられる、圧倒的な絶望―――
理亞「う、ウソ……この死体の山って…全部……」
エマ「…他のガンツチームの方々……ですね」
花丸「マル達じゃ…この文明に勝てない……」
果南「あはは…思いあがっていた……最初から戦いにもなっていなかったんだ! 私達アリが、人間に勝てるわけがなかったんだよ!!」ポロポロ
92 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/27(木) 00:08:49.01 ID:lfpOrXRq0
蘇る最悪の敵――
天狗「……」
曜「な、何で……何でお前が生きている!!?」
チカ「あは♡ 会いたかったよ、よーうちゃん♪」
――――
千歌「みんなは先に行って。こいつは私が一人で倒す」
ダイヤ「どうして!? わざわざ戦う必要など…」
千歌「私は……私自身と決着をつける」
衝突する、本物と偽物――
チカ「偽物が本物に勝てると思っているの? 身の程を知れ!!!!」
千歌「いつまで眠っているつもり?……いい加減目を覚ませよ………高海千歌ァァァ!!!」
――――
鞠莉「果南は私が守るから…だから、生きる事を諦めないで?」
ダイヤ「この戦争が終わったら…みんなで海に行きましょう。約束です」ニコッ
果南「…大丈夫、もう折れない……もう…絶対に希望は捨てない!!」
――――
花丸「善子ちゃん!? 何をしているの!!?」
善子「……全く、わざわざみんなで死ぬ必要は無いでしょ?」
梨子「このドアを開けなさい!! 早く開けてよっちゃん!!! ……善子おおおおおおおおおおお!!!!!」ドンドン!
善子「今までありがとう、……花丸、梨子――」
――――
イザベラ「振り返るなルビィ!! そのまま走れ!! 今仲間を救えるのはお前しかいないんだよ!!!!」
ルビィ「お願い……間に合って!!」
93 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/27(木) 00:13:11.39 ID:lfpOrXRq0
【―――そして、少女は決意する】
千歌「――人類を守るとか、世界を救うとか、そんな事はどうでもいい。私は、身近にいる大切な人を守る為ならどんな敵にだって立ち向かいますよ。軍神だろうが、文明だろうがね」
穂乃果「…今回ばかりは、本当に死ぬかもよ?」
千歌「死ぬ気は全くありません。約束しましたから……もう、曜ちゃんや…みんなを悲しませるような事はしません。――必ず、生きて帰ります!!」
穂乃果「……そっか、安心した」
千歌「――それじゃ、行きましょうか。私達の、みんなの明日の為に」
――――カタストロフィ編へ続く
94 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/04/27(木) 00:18:15.20 ID:lfpOrXRq0
以上でこの作品は完結です
かなり蛇足気味になりましたが、楽しんで頂けたのなら幸いです
p.s 誰か代わりにカタストロフィ編まで書いてくれないかなぁ〜|ω・)))ちらっ
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/27(木) 00:20:57.84 ID:54QEKXS90
本気で楽しみにしてるからカタストロフィ編超期待
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/27(木) 14:28:55.23 ID:sojcTyfP0
おつ
ようちかに幸あれ
続編期待
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/28(金) 01:49:48.53 ID:WWG4qodJo
乙!
>>1
の書くカタストロフィ編、待ってるよ!
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/28(金) 23:33:40.18 ID:hp6CLjpY0
カタストロフィ編立てたら貼ってくれ
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 22:10:51.88 ID:g8BUkjySO
ようそろ…
100 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 01:17:49.41 ID:eX5gz9H+0
カタストロフィ編を書き始めました。
宜しくお願い致します。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497714031/
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/18(日) 07:02:44.90 ID:W9G57KWSO
なん…だと…
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