見滝原に微笑む刹那(まど☆マギ×ネギま!)

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652 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 22:47:57.98 ID:LSWEkX6H0

ーーーーーーーー

「ティロ・フィナーレッ!!!」

ひなた荘上空で、砲弾が分厚い砂壁を粉砕する。
巴マミが肩にかけていた単発の大砲が消滅する。
その時には、柏手と共にマミの周囲に展開されたマスケット銃の一群が
マミの周囲を回転しながら発砲し、
フェイト・アーウェルンクスの放つ石針を砕きながら消滅する。
空中ですれ違った二人が一度屋根に着地し、
双方の遠距離攻撃を交わしながら地面へと降下する。

「!?」

ばいんっ、と、マミが黄色いバネに弾き飛ばされた。
それは、とっさに張ったリボンの渦巻き防御が、
地面から突き出した石の槍をギリギリでガードした結果だった。

「くっ!」

更に、空中のマミの前方でリボンが渦を巻き、
そのバリアを帯びたリボンが
フェイトの放った光線を受けて石化して砕け散る。

「ふむ」

フェイトは、目の前で石の剣に貫かれた巴マミの姿が
一滴の流血も無くリボンのバネと化すのを目の当たりにする。
フェイトは振り返り様、
しゅるしゅると自分に絡み付いていたリボンに石剣を叩き付ける。
マミは弾力のあるリボンからさっと手を放し、
リボンが瞬時に石に変化して砕け散る。
653 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 22:53:04.32 ID:LSWEkX6H0

ーーーーーーーー

「おいおい………っ!」

佐倉杏子の口からは、乾いた笑いも出なかった。
近くの空中で、フェイトが石針を、石剣を放ち、
マミがそれを交わし、使い捨て魔法で呼び出すマスケット銃で撃ち砕き、
フェイトが飛んで来るマスケットの銃弾を交わしながら
双方ひなた荘の館から館、茶屋、樹上、あちらこちらへ跳躍する。
そして、マスケットと石剣でガン、ギン、ガン、と撃ち合い砕き合いながら
双方ヒット無しで殴り合い、
又、バババッ、と、大量の銃弾と石針が空中で殺し合う。

「ティロ・フィナーレッ!!!」

降って来た巨大な石柱がマミの大砲の一撃に粉砕された時には、
マミとフェイトはそれぞれ、
空中で身をよじって銃弾と石剣を交わしている所だった。
それを下から眺めた佐倉杏子が大汗を浮かべ、槍を振るう。

「二刀連撃斬鉄閃っ!!」
「野郎っ!」

月詠が小太刀から繰り出す「気」の連続攻撃を、
杏子は大槍の一閃で弾き飛ばす。

「烈蹴斬、弐の太刀いっ!!!」

ずざざあっ、と、杏子の足が後ろへと滑る。

「やっぱ武器は選ばずかよっ」

杏子は、勢いに倒されそうになりながらも、
手槍サイズに縮めた槍の柄で月詠の蹴りを受け止めていた。
654 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 22:55:28.45 ID:LSWEkX6H0

「その大槍でうちの動きに付いて来る事が出来る、
いいですなぁ、もっともっとうちの事楽しませておくれやすぅ」
「戦闘狂かようぜえっ!!」

元々自覚的な功利主義者の杏子にとって、
最も面倒臭いタイプに絡まれた面倒がひたすら鬱陶しい。
もっとも、只の功利主義者だけなら
そもそもここにいない事はこの際無視している。

「小太刀の二刀流、ってのがアレだが、
てめぇも神鳴流かよ。
やたら強いし動きも似てやがる」
「そうですなぁ、あの人がなかなかかもうてくれんから
あんたで我慢しとくわ。
なんか、初めておうた気しませんしなぁ」
「てめぇなんか知るかっ!!!」
「そうですかぁ?」

と、意味不明な供述とこの状況で意味不明な甘々ファッションに身を包み、
それでいて意味不明な強さの剣術で襲撃して来る
フェイトのこの際腐れ縁な「月詠」を、
佐倉杏子はひたすら槍を振るって対抗する。

「ざーんてーつせーんっ!!」

跳躍した月詠を、鞭に変化した槍が鎖に変化しながら巻き取ろうとするが、
月詠の小太刀二刀から放たれた「気」がそれを弾き飛ばす。

「ざーんがーんけぇーんっ!!」
「とおっ!」

そして、着地した月詠にびゅうっ、と振るった杏子の槍はひょいと交わされ、
「気」を帯びた爆弾の様な一撃を、
持ち直した槍でバリアを張りながら辛うじて飛び退いて回避する。
655 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 22:57:44.13 ID:LSWEkX6H0

「ええですなぁ、まだまだ及ばんけど久しぶりになかなかの手応えや。
あの人かもてくれへんからうちもうたまらんさかい、
もっともっと楽しませておくれやすぅ」
「本気で、うぜぇ………」

杏子が次々繰り出す槍の高速刺突を、
何処ぞのダンスボーカルユニットを一人でやってる様な残像を残しながら、
色白の京女の頬をピンクに染め唇の端から液体を垂らして
ひょいひょい交わしている月詠を前に、
佐倉杏子は、右手の小太刀の柄頭を腹から下に押し付ける様な姿勢で
体をくなくな震わせている大量の月詠の残像から、
魔女とも違う背筋に来る何かを察していた。

「(まとめて)薙ぎ倒おぉすっ!!!」
「あはっ、大振りっ」
「!?」

杏子の横殴りの槍を月詠が跳躍して交わす。
そこまでは普通に予測出来る事だったが、
月詠はたんたーんっとばかりに
「宙を蹴って」杏子の視界から逃れにかかる。
確かに、杏子を含め人間の段階を超えた領域の世界では
あり得る事だと杏子も分かっているが、
訓練された月詠の移動は想像以上に鋭い。

「ちいっ!」

びゅうっ、と、
振り返り様に振るった槍の柄が斬り裂いたのは、残像だった。
杏子が槍を引き、突きの姿勢に入る。
月詠が、その一撃をするりと交わし、懐に入る姿勢に入る。
双方が必殺の一撃を意図した、刹那の時間が重なる。

「!?」
「おや?」

そんな二人に飛来する炎を帯びたブーメランの様な武器を、
杏子はざっと交わし、月詠は小太刀で弾き飛ばす。

「新手のマギカさんですかぁ?
えらい鼻息荒ろうおますけど」
656 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 23:04:31.79 ID:LSWEkX6H0

ーーーーーーーー

「このっ!」

さやかが放った剣の一群が、
地面から突き出した木の根にドガガガッと突き刺さる。
その木の根を飛び越えてさやかに向かった炎の塊を、
さやかは剣を振るって牽制する。

「あっつっつっつっつっ!!!」

そして、自分の周囲で着火する空気を二刀流の剣で振り払いながら、
さやかはその大元である「焔」に向けて駆け出す。

「回復魔法を使いながらの突撃。
だが、斬る事に躊躇があるのか?」
「いちお、怪獣ぐらいはぶった斬れる真剣だしね」

さやかの振るう剣を交わしてバラバラと炎をまき散らす
ツインテール少女「焔」の言葉に、さやかは吐き捨てる様に言った。

「所詮、平和な世界の甘ちゃんか」
「否定はしないけど、でも、ま、色々あるんだわっ!」

焔が跳躍し、さやかが放った剣がその下を突き抜ける。
びゅうっ、と、炎の帯と剣が交錯し、
ざっと距離をとって睨み合うさやかと焔。
657 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 23:05:53.07 ID:LSWEkX6H0

「大体、なんであたしが二対一なのよっ!?」
「貴様如き私達で十分と言う事だ」
「………まあ、理解は出張る、けどさあっ!!!」

宇を舞う黄色い先輩が
ドンドンドンドンドンと巨大なマスケットを上空へと発砲し、
空から降り注ぐでっかい石柱が砕け散り、
更に巨大なマスケットと言うかなんと言うか
大砲の一撃と共に大量の砂が爆散し
黄色い先輩のマスケットと学ラン白髪の石剣が
ガンギンガンと砕き合う天空の1シーンをさやかはチラッと伺い、
さやかの振るった二刀が放つバリアが焔の炎を弾き飛ばす。

「こんのっ!!」

そして、地面を突き破りさやかを締め上げにかかった木の根を、
さやかの剣が回転二刀流で破片に変える。

「あいつは?」

その瞬間の攻撃を覚悟していたさやかの目が、
「焔」を探して周囲を伺う。
658 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/04/21(土) 23:07:02.83 ID:LSWEkX6H0

「ふんっ!」

三節棍の何倍かも分からない多節棍が
じゃららーっと一つにまとまり、槍へと変化する。

「こっちの方は、少しは出来るのか?」
「ま、あのヒヨッコよりはな。
ついでに言っとけば、そこそこハングリーだし」

焔の言葉に、槍を担いだ杏子が言葉を反してニッと笑った。

「なんだ、へばってんのかよ?」
「だからー、にーたいいちだってーの。
大体あんた、あっちはどうしたの?」
「ああ、通りすがりの武者修行に任せて来た」

肩で息するさやかの問いに、杏子が親指を後ろに向ける。

「いいからいいから私に倒されっチャー!」

「あはははっ! その動きも猪さんですなぁ、
勢いあって意外とお利巧。
牡丹鍋ぐらいは楽しめそうやっ!!」

さやかと杏子は、背中合わせになる。

「じゃあ、あいつの事頼める?」
「あんたは?」
「あっち、片付けて来る」

何が気に入らないのか、
既に得体の知れない植物ゾーンと化した一角の向こうに
さやかが剣呑な視線を向け、
杏子は唇の端に笑みを浮かべて跳躍した。

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今回はここまでです>>647-1000
続きは折を見て。
659 :mita刹 ◆JEc8QismHg [sage]:2018/05/09(水) 22:41:26.91 ID:lTpqgo6B0
生存報告です
660 :mita刹 ◆JEc8QismHg [sage]:2018/05/29(火) 21:56:46.92 ID:W8x2w7zu0
生存報告です
661 :mita刹 ◆JEc8QismHg [sage]:2018/06/24(日) 02:37:35.75 ID:lFB6LBQq0
生存報告です
662 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:06:34.90 ID:fABXASRb0
お詫びと訂正です

>>283
恭介が驚きの声を上げる隣で、
仁美が力強くこちらを見るのを刹那は見ていた。

地面に戻った後、恭介が驚きの声を上げる隣で、
仁美が力強くこちらを見るのを刹那は見ていた。

>>509

膨大と言ってもいいぬいぐるみが
夜の博物館の棚に陳列されている光景にマミと裕奈が言葉を交わした。

膨大と言ってもいいぬいぐるみが、夜の博物館の
棚やガラスケースに陳列されている光景にマミと裕奈が言葉を交わした。

訂正以上、すいませんでした。

それでは最終回投下、入ります。
663 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:09:06.11 ID:fABXASRb0

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>>658

ーーーーーーーー

(時間稼ぎ)

率直に言って、青山素子は哀れみを覚えていた。
暁美ほむらはスタン・グレネードを使って時間を稼ぎ、
素子から距離を取った。

客観的に言って、神鳴流剣士、
それも頂点にいる素子を倒すには白兵戦以外あり得ず、
現状のこの対戦での比較で言えば、
ほむらのそちらの素質、実力は絶望的だ。

先にも素子自身が言った通り、この実力差では、
例え一瞬、どんな隙があったとしても、
もちろん暁美ほむらのスタイル、能力を踏まえた上で、
ほむらが素子の髪の毛一筋触れた時点で
叩きのめされるのはほむらの方だ。

その僅かな時間稼ぎの間に、
ほむらは右手に持ったグリーフシードをしゅっと投げ捨てていた。
そして、ほむらが構えたのは木刀だった。
素子から見たそれは、見様見真似の正眼の構え、
それ以上でもそれ以下でもない。

とん、と、素子が跳んだ。
これで何度目か、周り一帯で爆発が起こる。
素子がすいと身を交わす。
大振りせず、脇構えからの突きを選んだ辺り、
流石に実戦経験だけはあると言う事か。

ではこちらも実戦で、と、素子はほむらの背中を無造作に蹴り飛ばす。
地面にダイビングしたほむらが木刀を杖に立ち上がるのを見て、
素子は構え直した。

「神鳴流奥義・ざんが………!?」
664 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:10:24.81 ID:fABXASRb0

ーーーーーーーー

「ティロ・フィナーレッ!!」

空中で、巴マミが抱えた大砲としか言い様の無いマスケットが
マミに迫る石柱を撃ち砕き、
マミの体はその反動で地面へと向かう。

「ヴァーリ・ヴァンダナ………」
「!?」

そして、水柱を上げて露天風呂に落下したマミが周囲を見回すと、
大量の掌がマミに掴みかかっていた。
それは、固形化した温泉で、
触手状に固形化した大量の温泉の先端に掌がついて
生物の様に蠢きマミに迫る。

「!?」

そして、マミは察する。
今ここに迫る灰色の霧に込められた禍々しい魔力を。

ーーーーーーーー

露天風呂が見た目観光間欠泉と化した爆発を目にしながら、
ファイト・アーウェルンクスが浴場にとん、と着地する。
その時には、空中に渦巻いた大量の石剣が
露天風呂を埋め尽くす勢いでドドドドッと降り注いでいた。

(ふむ)

そして、フェイトはするりと体をよじる。
その上を、強力な二発の銃弾が突き抜けた
665 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:11:56.95 ID:fABXASRb0

「紙一重だったわね、
もう少しで体ごと彫刻にされてたのかしら?」

マミが一挺ずつ両手に持ったマスケットが消滅し、
それと共に、マミの体にまとわりついていた灰色のリボンも砕け散る。
そしてフェイトは気付く。
露天浴場の中を、フェイトを包囲しながら
今尚増殖して埋め尽くす膨大な黄色いリボンを。

「まだだめよ、まだだめよ。
まだだめよ、まだだめよ。
まだだめよ………」

「契約により従え、奈落の王!!
地割れ来れ、千丈………」

ーーーーーーーー

「おい」
「ああ、うん、考えたら負けな奴だ」

ひなた荘前で、フェイトの従者「焔」と佐倉杏子が、
露天風呂の方向から察知した
天地を揺るがす何かに就いての見解をすり合わせる。
そして、相変わらずの不快音に顔を顰めた。

ーーーーーーーー

美樹さやかは、不快音と共にさやかを襲う衝撃波を
たんたんーっと交わしていた。
異様なジャングルと化しつつあるひなた荘周辺の一角で、
さやかの体がぶるるっと回転し、その両手に握られた刀が
地面から彼女を締め上げようと迫る木の根木の枝を斬り飛ばす。

「とおっ!」

そして、フェイトの従者「調」に身軽に迫るが、
さやかが調に飛び掛からんとしたそんな二人の間に、
ぼこっ、と樹木が突き上がる。
ぼん、ぼん、ぼんっと、地面から突き出す木々がさやかを襲い、
さやかはそれを交わし、斬り飛ばして調に迫る。
666 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:13:39.95 ID:fABXASRb0

「このっ!」

さやかが右手から放った刀が、地面から突き上がった樹に突き刺さる。
それを楯にした調がささっと移動し、
不快音と共にさやかに向けて衝撃波を放った。

身をよじったさやかを衝撃波が吹き飛ばし、
さやかの背後に現れた樹にさやかの背中が激突する。

「つ、っ………このっ!!」

ずるずると頽れたさやかを、
地面から伸びた硬い蔦の群れが拘束しようとする。
さやかは、剣を両手持ちにして力任せにそこから逃れる。
そこに襲い掛かる調からの衝撃波を、さやかは大きな跳躍で交わした。

(デタラメな)

跳躍したさやかが遥か上空から放つ剣に、調は心の中で呟く。
果たして、ヒュンヒュンと降り注ぐ剣は
調が呼び出した植物や地面に悪戯に突き刺さるだけだ。
さやかの着地を狙った衝撃波を、さやかは横っ飛びに交わす。

「!?」
「見えて来たんだよねー」

そして、さやかは、さやかを縛るために伸びる太い木の根に
刀の刃を叩き込み、更にその勢いで飛び上がる。
さやかは、魔法少女の馬鹿力を利用して、
次々とさやかを襲う木の根に刀を叩き込み、食い込んだままの刀を梯子代わりに
ひらりひらりと巨大植物の上へ上へと舞い上がっていた。

「くっ!」
「あらよっ!!」

その事に気付いた調が放った衝撃波も、
さやかは手近な植物を足場にひらりと交わす。
667 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:17:08.44 ID:fABXASRb0

「あんたのリズムっ!!」

そして、地面に突き刺さった刀の柄から柄へとたんたーんっと跳躍していた。

「く、っ!」
「そいっ!」

勢いをつけて跳躍をしたさやかを調が狙う、
その時には、さやかは調の背後に回って
調の脚を刀の棟ですぱーんと払っていた。

「つっ………」
「あんたはあたしを怒らせた」

そして、さやかは竜の角を誇るフェイトの従者、調から
得物を取り上げ仁王立ちして見せた。

ーーーーーーーー

「なん、ですか?」

京都桂川の川辺で、綾瀬夕映が呻いた。
そこでは、美国織莉子が両手を上げ、微笑んでいた。
それを見て、織莉子と対峙していた宮崎のどかもふっと力を抜く。

「流石に、厳しかったわね」

たった今までのどかの前に延々と無言で突っ立っていた織莉子が
使用したグリーフシードをひゅっと放り捨てる。
そして、織莉子の前に延々と無言で突っ立っていたのがのどかだった。

「で、これどうするの?」

腕組みした朝倉和美が言い、その隣で長谷川千雨が額に手を当て嘆息する。
二人の前では、フェイト従者の猫耳娘「暦」と呉キリカが、
「暦」が自分の得物を突き出し
キリカが飛び掛からんとしている状態で静止していた。
668 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:18:21.25 ID:fABXASRb0

「大丈夫ですか、のどか?」
「う、うん、大丈夫」

夕映に支えられ、のどかがよろりと立ち上がる。
単純戦闘力だけで言えば、夕映が介入する隙は幾らでもあった、
と言うか、実際夕映が動いた事もあるのだが、
その度に水晶球による完璧なカウンターを返され
却ってのどかを危険に晒した、と言うのが実際だった。
そんなのどかに、織莉子がざっ、ざっ、と接近する。

「大丈夫だから」

のどかは、夕映を制して織莉子に静かに近づく。
だが、織莉子とのどかがすれ違った途端、
のどかはすとん、と、膝をついた。

「のどかっ!!」

駆け寄った夕映は、真っ青な顔で荒い息を吐くのどかを見た。

「のどか? どうしたですか? 何かされたのですかっ!?」
「け、ないと………」
「?」

「すけ、ないと………ネギせんせー、
ネギせんせー、これから、ずっと、ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっとネギせんせーの事………」

「え、ええ、そうです、ネギ先生の事を、
私達がネギ先生の事を支えて、支え続けてっ」
669 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:20:24.83 ID:fABXASRb0

「おいっ!」

長谷川千雨が、のどかから離れた織莉子にざっと駆け寄る。

「本屋をどうかしたのかっ!?」
「世界の真実に近づいたのでしょう」

織莉子が、つらっと言った。

「彼女は強い娘なのですね。
それが彼女の世界の全てなら、
彼女は彼女の救世を貫くのでしょう。
私は、私の救世を成し遂げる」

通り過ぎる美国織莉子を、千雨は見送る事しか出来ない。

「のどかー、ユエー」
「ハルナっ!?」

聞こえて来た声に、のどかと夕映が振り返る。
そちらからは、手を振る早乙女ハルナと
にこにこ微笑む近衛木乃香が姿を現していた。

「朝倉から聞いてね、あんたらがこっちに来てるって。
それで、一っ飛びでこっち来てぶらぶらしてたんだけど、
あんたら見つけたって報せがあってさ」
「そうでしたか」

ハルナの説明に、夕映とのどかがははっと乾いた笑いを見せる。
670 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:22:26.63 ID:fABXASRb0

「で、用事は済んだ?」
「うん」
「そっか」

のどかの返事に、ハルナはニカッと笑った。

「じゃ、新京極で餡蜜でも食べてこっか」
「そうですね」

夕映がふっと笑ってハルナに答える。
そして、同じクラスの図書館探検部が四人、
合流してわちゃわちゃ楽しそうに歩き出す。
その様を眺め、千雨は呟いた。

「………これで、良かったのか?
ネギ先生? ………」

親し気な旧知のグループ、長谷川千雨の学園生活には、
少なくともつい最近迄は余り縁の無かったもの。
そんなものに背を向けた千雨が、つと天を仰いだ。

「神楽坂のいない世界。
死ぬ程世話が焼けそうだ」

ーーーーーーーー

「な、っ………」

素子が、瞬時にほむらとの間の距離を詰める。
ほむらの体は、素子の放った斬岩剣によって甚だしく吹き飛ばされていた。

(まともに食らった、いや、無策に突っ込んで来ただとっ!?)

「おいっ!? ………!?」

ほむらに覆い被さった素子は、次の瞬間、
ほむらの右手を掴んでいた。
素子は見ていた。カッ、と、見開かれた暁美ほむらの目を。
その時、近くの空が鋭く裂ける気を素子は察する。
671 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:24:34.77 ID:fABXASRb0

「う、ぐ、っ………」
「まだ動くっ!?」

ほむらの腕の力が、むしろ強まったのを素子は感じていた。
それでも、素子はほむらの腕の動きを簡単に封じ込め、
ざんっ、と、空から降りて地を踏みしめた脚を素子が見た時には
どんどんどんっ、と響く銃撃と共にほむらは首を横に折っていた。

「ゆーなさんっ!? これって、まさかっ!?」
「大丈夫、麻酔みたいなもん。
なんかしぶといから象でも倒れるって感じでやったけど、
マギカなら大丈夫でしょ」

「元の傷の方が問題だ、
マギカだから生きてはいるが、中身は見た目以上にまずい事になってる。
外傷が限界と言う事は、ソウルジェムも限界を超えるぞ」
「分かったっ!! ちょっと待ってよ転校生っ!!」

駆け寄ったさやかが明石裕奈と素子からの説明を受け、
慌てて対処を始める。

「魔法協会か?」
「はい。明石裕奈です」
「青山素子だ、助かったよ」
「って!? ちょっと、その腕っ!?」
「大した事はないさ………彼女に比べれば尚の事だ」

素子がぶらんと下げた左手の指先から伝い落ちる赤いものに裕奈が気づき、
座ったまま後ろを見たさやかも目を見開く。

「これ、か」
「エンゲージしては物騒だね」

さやかがほむらの右手薬指に気付き、
駆け寄った裕奈が、そこから伸びる折り畳み鎌刃に顔を顰める。
その手は、十分過ぎる血に染まっていた。
672 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:26:42.11 ID:fABXASRb0

「神鳴流には飛び道具は通用しない。
彼女は、私の斬岩剣に敢えて突進して来た」
「………自爆技?」

ほむらに向けて青い光を向けながらのさやかの呟きに
素子が頷いた。

「そっか………魔法少女は痛みを完全に消せる、
体が幾ら壊れても修復出来る………」
「優しいんだな」
「?」
「君が痛そうだ」

素子の言葉に、さやかは小さく頭を下げた。

「それじゃあ、素子さん腕出して」
「ああ、助かる。実際の所結構痛い」
「いや、色白美人ってレベル
通り越し始めてるから、早くしてあげて」

冗談ともなんともつかぬ言葉を交わしていた
三人が首を動かした視線の先で、低空飛行の火の玉と1BOXカーが
猛スピードの正面衝突ルートで突っ込んで来ていた。

間一髪、1BOXカーは奇妙な圧力で正面衝突を回避し、
明後日の方向へと消えて行く。
火の玉は一度お星様になる勢いで斜め上に上昇してから
車の後を追う様に戻って来た。
673 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:28:49.35 ID:fABXASRb0

ーーーーーーーー

「おい、大丈夫かっ!?」
「ええ、何とかね」

辛うじて痕跡を留めている露天風呂の中で、
佐倉杏子の声を聞きながら巴マミは頭を振っていた。

「なぁにやってんだよっ、
魔女の結界じゃあるまいに加減ってもん考えろ」
「考えてたら、今頃私はブロンズ像か肉片ね」

マミがキッと視線を向けた先では、
半ば煤の塊と化したフェイト・アーウェルンクスが
余り実戦向きではない従者である栞から
恭しく差し出されたスマートフォンを受け取っていた。

「我々が戦う理由は無くなったらしい」
「あらそう」
「まー、正直関りたくねー」
「賢明だな」

嘆息した杏子の言葉にフェイトの従者「焔」が言い、
マミは、鼻を鳴らして差し出した杏子の手を遠慮なく掴む。

マミの背後で、露天風呂が落下物の水柱を上げた。
少し離れた場所で、何かを言う間も無く突入して来た1BOXカーが
フェイトの右手の前で強制停車する。

マミがくるーりと振り返ると、
眼鏡の男が湯の中から顔を出す所であった。
マミの左手がちゃきっ、と、マスケットを掲げ、
杏子が槍を小脇に抱えた。
674 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:31:17.47 ID:fABXASRb0

「あ、どうも、お久しぶりです」

もう一度、露天風呂に水柱が上がった辺りで、
露天風呂に飛び込んで来た火の玉が、
リットル記号を描く様に上空に飛び上がり、
戻って来てようやく着地した。

「何やってんだ、お前?」

杏子が、しごく簡単な問いを発する。

「やぁーっと止まりました。大至急の到着の為に
無理くり魔力供給して来たもので。
あ、どうも、お久しぶりです」

今にも胃袋が引っ繰り返りそうな顔で
ふらふらと近づいて来た佐倉愛衣が
薄目を開けながらもぺこぺこ頭を下げていた。

ーーーーーーーー

「ひいいいっっ!!!」

さっき1BOXカーが突っ込んだ方向から戻って来た眼鏡男の姿に、
裕奈が悲鳴を上げて後ずさりする。

「余力があるならあっちも頼めるか?」
「りょーかい」

それに対して、素子は慣れた口調でさやかに頼む。
取り敢えず治癒魔法とグリーフシードでほむらの窮地を脱して
素子の治療も済ませたさやかもそれに応じて、
頭からダクダクダクと流血しながら接近して来る眼鏡男を迎えた。

「ああ、有難う」
「どうも」

成人過ぎの年上の男性のお礼にさやかもぺこりと頭を下げるが、
当たり前に治癒魔法を受けている辺り、
只者ではないともさやかは思う。
675 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:33:16.96 ID:fABXASRb0

「素子ちゃん、頼まれてたもの。
伝承の中の天変地異の記録を
その解釈から調べ直したら色々出て来たよ」
「そうか、有難う。助かったよ」
「ん?」

露天風呂を出てさやか達に合流しようとした杏子は、
隣のマミが浮かべた生温かい微笑みに気付く。
視線の先にいるのは青山素子、
先程露天風呂に突っ込んで来た眼鏡男に資料を渡され、
ぶっきらぼうに形式的なお礼を述べている様にも見えるが。

「確かに」

杏子も、ニッと笑みを浮かべた。
杏子の心の目にも、
素子の柔らかな微笑みが透けて見えていた。

「ん、んっ」

素子の咳払いを聞き、
マミは臍下丹田に根性を込めて真面目な顔を作る。

「そこまでですっ!!!」

杏子とマミが、最近聞き慣れた声に振り返る。
果たしてそこにいたのは佐倉愛衣で、
杏子達を追って来て、丸で箒に縋り付く様にしながらも
精一杯の大声を張り上げていた。

「ああ、久しぶりだな」
「お久しぶりです」

素子の言葉に、愛衣が頭を下げた。

「戦闘を中止して下さい、もう無意味です」
「中止以前に終了してるみたいだけどな」

杏子の言葉を聞き、愛衣は右見て左見てこほんと咳払いをする。
676 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:35:38.51 ID:fABXASRb0

「葛葉刀子先生を仲介に、桜咲刹那さんが正式に投降を申し出、
東西近衛家もそれを了承して計画は正式に中止しました。
「白き翼」から単独行動をとっていた
綾瀬夕映さん、宮崎のどかさんの離脱も確認。
これ以上の抵抗は無意味です」

「承る。御苦労だった」
「有難うございます」

素子の凛とした言葉に、愛衣が改めて頭を下げた。

「本当に、決着なのかしら?」
「そうだな」

マミの問いに素子が答えた。

「これから、近衛家と協議して改めて釘を刺す事になるだろうが、
組織として、近衛家として計画を進める事は最早不可能だ。
君達魔法少女には随分と迷惑を掛けて済まなかった」

「あなたは偉い、立派な方なのだと思います。
だから申し上げ難いのですが、この様な事は無い様にお願いします。
組織立って動いているあなた達を見て改めて思いましたけど、
魔法少女はそれぞれが自分達の為に願いを叶えて力を使っている本当の子ども。
私達だから未だ良かった事で、
今後、こんな事があれば今度こそどうなるか分かりません」

「耳が痛い。魔法、呪術に関わる者が申し訳なかった」
「いえ、こちらこそ生意気を言いました」

素直に応じて頭を下げる素子とそれに倣う愛衣を前に、
マミも頭を下げて応じる。
677 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:37:59.30 ID:fABXASRb0

「それから………」
「ん?」

「難しいかも知れませんが、桜咲刹那さんの事。
私から見て、その大半は本心だったのだと思います。
魔法少女を利用した、と言いながら、
私達を一時期の仲間と思って共に命を懸けた事も」

「大事な友達を助けるため、只それだけのために。
そのためならまどかや魔法少女に恨まれても
ルール違反で組織から追及されても、
あの真面目で優しい刹那さんがそれでもやろうとした。
それだけ大事な友達だったんだって」

マミの言葉に、さやかも続く。

「彼女にとっても、そうだったのかな?」
「詳しくは聞いてないけど、多分………」

素子が意識を失い横たわったままのほむらに視線を向け、
さやかもそれに同意した。

「分かっている………
刹那には、生まれた時から幾度も重いものを背負わせて来た。
刹那はそれに応えてくれた、本当にいい娘だ。
そんな刹那が、命懸け、その気高い心を汚してでも我が儘を通そうとした。
穏便に収めてくれた事、改めて礼を言う」

頭を下げる素子の言葉に、マミとさやかも礼で応じる。

「だが………」

ふと天を仰いでの素子の言葉に、マミ達は身構えた。
678 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:39:35.32 ID:fABXASRb0

「星が告げている」
「もしかして、陰陽術ですか?
星占いの?」

マミの言葉に、素子はふっと口元を綻ばせる。

「見滝原、なんだろうな」
「いい星?」

素子が呟き、マミの問いに素子は首を横に振る。

「大きく、禍々しいものが見滝原に迫っている。
神鳴流の歴史の中でも幾度か見られたものだ」

マミ達の表情が強張る中、
素子は、もう一度ほむらの顔を見た。

「………自分の願い。
未だ幼い身と心で、己の真実のために契約し、
命を懸けて魔法を使う少女達。
その道の先輩として、大人として人として、
不干渉、とばかりも言っていられないかも知れないな」
679 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:54:40.00 ID:fABXASRb0

 ×     ×

「あれっ?」

平和な放課後、麻帆良学園女子中等部エリアの一角で、
柿崎美砂は発見していた。

「ネギ君とアスナ?」
「あ、ホントだー」

隣にいた椎名桜子が美砂の視線の先を見ると、
確かに、ヨーロッパ風石畳の歩道を、
見知った可愛い男の子と長い付き合いのツインテール同級生が
仲良さそうに談笑して歩いていて、
そこにもう一人学ランの男の子も加わっている。

「ネギくーん、アスナー」
「あ、桜子さん」

桜子が快活に呼びかけて手を振ると、
ネギ・スプリングフィールドがそれに返答して神楽坂明日菜もそれに倣う。
「しばらく、アスナ、ネギ君」
「しばらく、柿崎」
「戻りました、留守にしてすいません」

ぱたぱたと合流し、美砂とネギ、明日菜が言葉を交わした。

「よっ、くぎみー姉ちゃん」
「くぎみー言うな」
「コタロー君も一緒に?」
「いや、さっきおうた所や」

桜子達と一緒にいた釘宮円と犬神小太郎の掛け合いを後目に
美砂がネギに尋ね、小太郎が説明した。

「ネギ先生、明日から学校?」
「はい、少ししたら又出張になりますが」

美砂の質問へのネギの返答に、
チア三人組はきゃーっとハイタッチする。
680 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:56:35.69 ID:fABXASRb0

「んー、又いなくなっちゃうのネギ君?」
「担任なのに申し訳ないです」
「まあー、ネギ君の事だからあんまり無理しないでよ」
「はい、有難うございます」

桜子、円とネギの会話をにこにこ眺めていた明日菜が、
右肩をぽんと叩かれて振り返る。

「これ、こないだメールで言ってたの」
「ありがとー、聞きたかったんだ。
ちょっと長く借りる事になるけど」
「いーよいーよ、こっちのちゃんとあるし」

明日菜が美砂からMDを受け取り、少しの間続く会話に、
明日菜もネギも他愛も無いと言う事の価値を噛み締めていた。

ーーーーーーーー

「ん? 夏美姉ちゃん?
ああ、帰ってる………買い物? ああ、分かった」

小太郎が、途中で手にしたスマホの通話を終える。

「ああ、ちょっと約束入ったさかい」
「分かった」
「行ってらっしゃい」

かくして、明日菜は小太郎と分かれ、ネギと共に歩き出す。
そして、ダビデ広場に差し掛かった辺りで、
ネギがたたたっと駆け出した。

「?」

明日菜がネギの行先に視線を向け、くすっと笑みを浮かべる。
かくして、神楽坂明日菜は、メガロ饅頭が後頭部に炸裂し、
最強の魔法の英雄が絶好調のチサメパンチに宙を舞う夫婦漫才を
大汗を浮かべて眺めていた。
そして、明日菜はこちらを向いた長谷川千雨に笑って手を掲げ、
千雨は、ちょっと首を傾げる様にして、照れた様にはにかんだ。
そんな千雨を背伸びする様に眺めていたネギに千雨が向き直り、
千雨がぷいっとそっぽを向くのにネギがつつつと合わせて移動する。
681 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 03:58:06.83 ID:fABXASRb0

「アースナッ!」

そんな様子をにこにこ眺めていた明日菜が、
幼馴染の朗らかな声を聞いて振り返った。

「只今、このかっ!」
「お帰りアスナ」

振り返り、元気良く手を振った明日菜に、
木乃香も元気良く、それでいて何処か品よく返事を返す。

「只今、刹那さん」
「お帰りなさい、アスナさん」

神楽坂明日菜は、温かな微笑みに迎えられた。

「見滝原に微笑む刹那」 −了−
682 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 04:01:12.05 ID:fABXASRb0

==============================

―後書き―

冒頭でお断りした変更点は、季節の事です。
まどかマギカは初夏なのですが、
ネギま!側はストーリー的に夏休み明けが必須でしたので、
後者に合わせさせていただきました。

さて、何を思って本作に手を付けたのかと言えば

流石に是は、ちょっとばかし叛逆したくなりました

「ネギま!」と「まど☆マギ」の組み合わせは
何時かやってみたいな、とは思っていたのですが、
「UQ HOLDER!」12巻ラストに当たるものを連載で見た時に、
これは、行くしかないなぁアハハハハ、
と、こちらの勝手で完全に不退転スイッチが入った次第。

しがない二次書きとしても少々思い入れのある二つの作品で、
涙を呑んだ娘と、決して諦めなかったが為に悪を成し悪に成った娘、
そんな物語がぎくしゃくと連結して
いっぺんやってみたくなった、と言う事です。

若干の楽屋話をしますと、
「駒が不足しましたからね」と言うのは正にその通りで。
この流れだと動かせる人間は限られる。結果、やはり確実なのは
「全知全覚コンビ」と言う事で、おおよそ考えた人選でも直接的な部分で
駒が足りない。それで辿り着いたのが本作の布陣と言う事で。
それでよくよく考えて見ると、内容から言ってあのグループ以上の適任者は
実はいなかったと言う行き当たりばったりぶり。

思惑の絡むストーリーで、出来るのは帳尻合わせだけ、はい、マジすいません、
な感じでキャラを動かし話を進めて行く内に、
なんか折々読み返すと色んな人のage sage乱高下が想像以上の弾けっぷりで
我ながら大丈夫か? となったり、最終決戦では懐かし過ぎる原作の二次を
うろ覚えでやるとこうなる、と言うのを覿面にやらかしてしまったり。
683 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/21(土) 04:03:16.29 ID:fABXASRb0

本作を作ると決めた時には2017年夏迄には、と考えたりもしましたが、
この手の予定が当たった試しがない私が、色々と頭を抱えっぱなしの
凸凹進行と言う事になりまして。

そんなこんなでこちらがもたもたしている間に、
UQの原作の方が本命確定やらBADENDやらで
大変な事になってしまいましたが。

プロットは大方出来ていた筈なのですが、個人的事情もあって
本作最終回前に筆が止まり、UQ17巻分の原作に触れて
ようやく何かが腑に落ちての一挙投下作となりました。
何よりも、頭に浮かぶ微笑みの場面を文字にしようとする度に、
私の筆の力不足を痛感するばかり。
原作の偉大さを改めて仰ぎ見ながら、なんとかかんとかここまで漕ぎ着けた。
とにかく今回は、どう動く? 本当にそうするのか? 
二次としても把握出来ているのか? と、しまいまで迷いっぱなしで、
後はもう読む方が感じる事、と言うのが実感です。

少々お喋りが過ぎました。ここまで読んで下さった読者様と
勝手にお借りした原作に敬意と感謝を込めて。
縁がありましたら又何処かでお会いしましょう。

本作はここまでです。HTML依頼は折を見て。
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 15:14:47.40 ID:Mk+b7hTIO
拡散希望
【SS掲載拒否推奨】あやめ速報、あやめ2ndは盗作をもみ消すクソサイト



SSを書かれる際は掲載を拒否することを推奨します


概略1

現トリップ◆Jzh9fG75HAは

混沌電波(ちゃおラジ)なるSSシリーズにより、長くの間多くの人々を不快にし

また、注意や助言問わず煽り返す等の荒らし行為を続けていたが

その過程でついに、ちゃおラジは盗作により作られたものと露呈した



概略2

盗作されたものであるためと、掲載されたシリーズの削除を推奨されたSSまとめサイト「あやめ2nd」はこれを拒否

独自の調査によりちゃおラジは盗作に当たらないと表明

疑問視するコメント、および盗作に当たらないとの表明すら削除し、

盗作のもみ消しを謀る


概略3

なおも続く追及に、ついにあやめ2ndは掲載されたちゃおラジシリーズをすべて削除

ただし、ちゃおラジは盗作ではないという表明は撤回しないまま

シリーズを削除した理由は「ブログ運営に支障が出ると判断したため」とのこと




SSまとめサイトは、SS作者が書いたSSを自身のサイトに掲載し、サイト内の広告により金を得ている

SSまとめサイトは、SSがあって、SS作者がいて、はじめて成り立つ


故に、SSまとめサイトによるSS作者に対する背信行為はあってはならず、

SSにとどまらず創作に携わる人全てを踏みにじる行為、盗作をもみ消し隠そうとし

ちゃおラジが盗作ではないことの証明を放棄し、

義理立てすべきSS作者より自身のサイトを優先させた

あやめ速報姉妹サイト、あやめ2ndを許してはならない



あやめ速報、あやめ2ndは盗作をもみ消すクソサイト


SSを書かれる際は掲載を拒否することを推奨します
685 :mita刹 ◆JEc8QismHg [saga]:2018/07/23(月) 23:49:13.03 ID:KF09Niap0
やらかした………確認したら過去作でも同じミスってた………
執筆のラストランで糸が切れて勢いで入れ替わったなこれ………

訂正です。

>>680
==============================
かくして、明日菜は小太郎と分かれ、ネギと共に歩き出す。
そして、ダビデ広場に差し掛かった辺りで、
ネギがたたたっと駆け出した。

かくして、明日菜は小太郎と分かれ、ネギと共に歩き出す。
そして、世界樹広場に差し掛かった辺りで、
ネギがたたたっと駆け出した。
==============================

すいませんでした。

それでは今度こそ失礼します
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