【艦これ】伊58「黒く塗り潰せ」

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1 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:26:20.60 ID:Zy0z2Oka0




・艦隊これくしょんのssです


☆内容に関する重要なこと☆

・この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事等とは一切関係ありません

・独自設定あり

・ノムリッシュ要素あり(途中注釈を入れます)

・全方面に喧嘩を売る

・胸糞表現あり

・だいたいみんなひどい目に遭います

☆内容に関する重要なこと終わり☆


・伏字での規制あり

・意訳調の英語訳あり

・地の文、誤字脱字、駄文、妙なところで改行あり

・荒らしやコメ上の喧嘩は避けて頂くようお願い致します





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1488709580
2 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:28:15.29 ID:Zy0z2Oka0


水を裂く空気の音。

海が動く流れの音。

僅かな光が前を照らす。

彼女はその見慣れた光景を突き進んでいく。

3 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:32:36.66 ID:Zy0z2Oka0


こめかみまで響く血液の流れ。

脊椎と食道に蠢く恐怖の感情。

彼女はただひたすら突き進んでいく。

逃げ延びる為に。

命を長引かせる為に。


『奴ら』の手は海の底まで届かない。

しかし、『奴ら』は確実に自分を殺す。

『奴ら』は自分達を絶対に許さない。


たった一つの頼みの綱も、あっけなく無くなった。

『奴ら』は自分達を絶対に許さない。

だから次に殺されるのは自分だと、身体が脳に警告を出した。

4 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:35:23.30 ID:Zy0z2Oka0


だから彼女は逃げ出した。

そうしなければ、今度は何をされるかわからない。

だが最後にどうなるかだけは確信していた。

今度こそ、殺される。


だから彼女は逃げ出した。

罵倒され

否定され

搾取され

追い詰められ

それでも尚捨てられなかった生への執着が彼女を暴走させた。



先の事など今は何も考えられない。

ただ、その場を離れる事のみを考えて彼女は突き進んだ。


5 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:36:19.50 ID:Zy0z2Oka0



だが


6 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:47:19.67 ID:Zy0z2Oka0


彼女の頭のすぐ左隣から、海水に圧縮された爆音が襲い掛かる。

冷たい海の中で、彼女の身体が熱を帯びていく。

そして同時に感じる激痛。


続いて右隣。

激痛が彼女の感覚を奪っていく。

激痛が彼女の力を奪っていく。


右下。

彼女の身体は爆発に吹き飛ばされ左右に揺れている。

彼女は既に前に進む事ができなくなっていた。


左下。

四度目の爆風と水の圧力に彼女の身体が押し流される。


そして、彼女の動きが完全に止まった。

力が入らない。

否、力が入れられないのだ。


常人ならば意識が飛んでいる程の激痛

痛みと、それまでの逃亡によって乱れた呼吸

そして何よりも




彼女が己の力を入れるべき、その両手両足は



今、彼女の目の前に浮かんでいるのだから。



7 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:55:15.00 ID:Zy0z2Oka0


前に進む事も戻る事もできなくなった彼女は

何故か訪れた静寂の中で、自分の死期を悟った。




どうしてこんな事になったのだろう。


本当はあの時逃げていなければこんな事にはならなかったのだろうか。


この合間は一体何なのだろう。


こんな事になるのなら、お父さんとお母さんの言う事を聞いていればよかった。


艦娘になんて、ならない方がよかった。


死にたくない。


助けてお父さん。


助けてお母さん。


死ぬのは怖い。


死にたくない。


死にたくない。




疑問、後悔、恐怖、怒り。

黒い感情がこみ上げて、彼女の目から流れた涙は

一瞬で周囲の海水に飲み込まれ、溶かされ、消えてなくなった。

8 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 19:55:54.91 ID:Zy0z2Oka0



そして最後の爆発が起こった。


9 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 20:00:10.81 ID:Zy0z2Oka0


重さ、という概念が彼女の脳から消え失せる。


こめかみを叩く鼓動が一瞬にして消え失せる。


頭を締め付ける水圧だけが、自分がどんどん沈んでいる事を知らせている。




沈み行く彼女が最期に見たものは


遠くなっていく太陽の光と


逆光で黒く染まった




自分の



胴体



10 : ◆ZFgfLAc.nk [saga]:2017/03/05(日) 20:05:13.63 ID:Zy0z2Oka0


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11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 20:13:10.33 ID:LMMI/kBX0
タイトルでローリングストーンズを思い出した私はおっさん
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