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スノーホワイト「ファブが逮捕された?」
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406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/20(火) 08:50:13.97 ID:rqgRRo290
あぁトップスピードついに逝ったか・・・
トップ生存ル—トだから逆にリップル逝くのかと思ったけど・・・(何言ってんだおれ?)
(もう見るのやめようかな・・・)
407 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:51:44.12 ID:yDNhF24h0
ショッピングモール内
友人たちを救うべく駆けだすリップル
そこにカラミティ・メアリが立ち塞がり銃口を向けた。
リップル「ちっ、何のつもりだ!?」
メアリ「いい加減、あんたが目障りになってきてねぇ、ここで始末するのさ」
リップル「今はそんな事をしてる場合じゃない!」
メアリ「やる気が無いなら結構、あたしがあんたに一方的に攻撃するだけさね」
リップル「糞ッ!」シュ
『ストライクベント』
メアリ「お前の手裏剣なんて通用するかよ」
リップル「その力は……」
メアリ「そうさ。あたしも契約者の力を得たのさ。もう誰の言いなりにもならねえ、誰にもナメた口は聞かせねえ」
メアリ「勿論、お前にもなァ!」
リップル「カラミティ……メアリィィィィ!!」
『ソードベント』
メアリ「接近戦なら勝てると思ったかい?甘いんだよ!」
リップル「うわっ!」
メアリ「死になぁ!!」
ルーラ「やめなさい!!カラミティ・メアリ!!」
メアリがアビスの力を使いリップルを追い詰めた所で
チームルーラが到着し、メアリと相対する。
408 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:52:54.66 ID:yDNhF24h0
メアリ「ああん?ルーラかい、また痛い目に会いたいのかい」
ルーラ「くっ、いつまでも私がビクビクしてると思ったら大間違いよ」
ミナエル「おお!言うじゃん、ルーラ」
ユナエル「ルーラマジクール〜」
タイガ「ねえ、あの魔法少女はルーラと何かあったの?」
ミナエル「かくかくで〜」
ユナエル「しかじかなのよ〜」
タイガ「そうなんだ」
ルーラ「それにカラミティ・メアリ、なんで貴女が契約者の力を使えるのよ?」
メアリ「ピーピー煩いねえ、おい二人とも、あいつらの相手をしてやんな」
インペラ―「任せてください!メアリの姐さん!」
ガイ「よぉタイガ、噂通り魔法少女側に付いたみたいだな」
メアリの合図によりインペラ―とガイが現れる。
契約者バトルを妨害しようとする魔法少女達を倒すべく彼らはメアリと共闘していた。
タイガ「この騒動って君達の仕業なの?」
ガイ「ああそうさ、さいっこうのショーだろ?」
タイガ「ふーん、なら君達のような悪を倒せば僕は英雄に近づけるかな」
ガイ「相変わらず訳分かんねえ奴だなお前、さぁ行ってこい兵隊共!!」
自動小銃を持った黒装束達「……」
たま「わわわっ!!」
スイムスイム「……ッ!?」
ルーラ「これは……囲まれたか!」
ミナエル「ヤバくね?」
ユナエル「ルーラチーム超ピンチって奴?」
ルーラチームの周囲に潜んでいた黒装束達が一斉に姿を現し銃口を向けた。
黒装束達は陽動だけが目的ではない、伏兵としても残していたのだ。
409 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:53:42.28 ID:yDNhF24h0
ガイ「流石の魔法少女達も全方位からの銃弾は躱しきれないだろ?」
インペラ―「芝浦やるじゃん!」
ガイ「ちゃんと頭を使わないとな、よし撃て!!」
ドガガガガガガガガガ!!!!
タイガ「危ない!」
ルーラ「東條!?」
弾丸の雨から守るべく、タイガはルーラに覆い被さりその身を盾とした。
体全体に浴びるであろう弾丸の苦痛から耐えるべく目を閉じ歯を食いしばった。
弾丸の音が響く中、予想とは違い肉体に一切ダメージが来なかった。
ルーラ「東條……大丈夫よ」
タイガ「え?」
ガイ「おいおいおい!なんだよこの液体は?」
ルーラチームを包むように広がった液体が黒装束達の弾丸を全て防ぎ切っていた。
この魔術の正体はルーラチームはよく知っている。
ケイネス「その程度の玩具で我が魔術を破れると思うなよ」
ガイ「何だこのハゲ?あいつも魔法少女なの?」
ケイネス「ハゲでは無い!!私は魔術師だ!!このクソガキ共め…生意気な口を聞きおって……」
ルーラ「貴方達、これはチャンスなのよ。今すぐ契約者バトルなんてふざけた真似は止めて降伏しなさい」
ルーラ「そうしたら貴方達の身の安全は保障してあげる」
ガイ「あんたらさ。初めて魔法少女になった時、どんな気分だった?」
ルーラ「何よいきなり」
ガイ「すっげードキドキしただろ?他の人とは違った特別な力を手に入れたってさ」
ガイ「それをわざわざ手放すと思うか?お前らだって魔法少女の力を手放したくないだろ」
タイガ「君達とルーラを一緒にしないでくれるかなぁ、ルーラはとても崇高な使命を持って行動しているんだから」
ガイ「様は世の為、人の為、だろ?それなら被災地でも行ってボランティア活動でもしてろよ」
ガイ「人間の身でもやろうと思えば出来るじゃん、でもそれをしないのはさ」
ガイ「魔法少女の力を楽しんでる訳でしょ?結局は俺達と同じ穴の狢って訳よ、分かる?」
ケイネス「くだらん、お前達ウジ虫と問答をする気は無い」
ガイ「お、俺とやる気?いいよ、かかってこいよハゲ」
ケイネス「よろしい!!貴様はこの私が直々に誅罰をくれてやろう!!」
挑発を繰り返すガイに怒りを露わにしたケイネスは月霊髄液に魔力を一気に注ぎ込み
ガイに向かって水銀の斬撃を討ち放つ。
410 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:55:06.71 ID:yDNhF24h0
『コンファインベント』
ケイネス「っ!?魔術が……使え…?ごはっ」
ガイ「思った通り、その術が使えなきゃただのおっさんだな」
突如、魔術を封じられた事で月霊髄液がただの液体と化し
ケイネスが狼狽えた所を見計らってガイのパンチが腹部へと入り
彼の意識はそのまま途絶えていった。
ルーラ「まずい…このままじゃ!」
ガイ「おい佐野!こいつらを足止めしとけ、良い事を思いついたぜ」
インペラ―「オッケー、任せてよ」
ガイがケイネスを担いで離れていく間
十数体のインペラ―がチームルーラに向かって駆けだした。
ルーラとたまを後方に下げ、タイガとスイムスイムが前衛になり
ミナエルとユナエルは戦闘に適した変身をして迎撃に入った。
タイガ「一人一人は大した事無いけど数が多いね」
拳銃を持った黒装束「……」パンパンパン
ミナエル「うわ、こいつらも攻撃してきた!」
ユナエル「ちょっと数多すぎじゃん!」
ルーラ「くそ!本物を捕まえて私の魔法で解除させれば纏めて消せるのに…」
チームルーラとインペラ―達の目の前に鉄パイプが勢いよく投げ込まれた。
鉄パイプは黒装束の一人の胸に突き刺さる。
ビクンビクンと何度か痙攣を繰り返し、息絶えた。
浅倉「ここか…祭りの場所はぁ…」
ルーラ「あいつは!」
たま「きゃあああああ!!」
インペラ―「や…ヤバい!!」
浅倉の出現により、過去に腕を喰い千切られたたまと、ヘタレのインペラ―は恐怖した。
奴にとっては魔法少女も契約者も関係無い。
全て捕食すべき対象であり、全ての生物の敵である。
411 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:55:58.08 ID:yDNhF24h0
浅倉「俺も混ぜてもらおうか、変身」
王蛇「ああ……」
浅倉が王蛇へと変身すると口から酸の霧を吐き出して、周囲を猛毒の空間へと変異させる。
魔法少女や契約者ならともかく操られた一般市民である黒装束達には致死量となる毒であり
もがき苦しみながらバタバタと倒れて行った。
『ソードベント』
王蛇「戦え……俺と戦えぇぇ!!」
インペラ―A「うぎゃー!」
インペラ―B「あがぁ!」
ユナエル「ひっ!」
分身体である二体のインペラ―を瞬殺した王蛇は続けてユナエルへ迫る。
ミナエル「させるかぁ!」
王蛇「ふん」
槍へと変身したミナエルが王蛇へと突っ込むも片手で捕まれ動きを止められる。
王蛇が手に力を込めるとミシミシと槍が軋み、激痛のあまりミナエルの変身が解けた。
ミナエル「うわああああああ!!いだい、いだい、いだいよぉぉぉ!!」
ユナエル「お姉ちゃぁぁぁぁぁん!!」
タイガ「させない!」
スイムスイム「助ける」
王蛇「はははぁ……」
ミナエル「いや…やだ……お願い!殺さないでころさないでころさないでぇぇぇ!!」
三者が王蛇へ攻撃を仕掛けるも、全て躱され、片手で迎撃してミナエルを救うことができない。
王蛇は乾いた嗤いを繰り返しながらミナエルの方へ顔を向け大口を開いた。
ミナエル「やだやだ!死にたくない!死にたくない!しにたぐぅえええ!!」
王蛇は頭蓋骨ごとミナエルの頭を噛み砕いた。
ボリボリと骨を砕く音と、グチュグチュ、ブチブチと肉を噛み、何かが潰れる音を下品に響聞かせた。
ごくん、と飲み干すと残った胴体を喰い始めた。
412 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:58:03.19 ID:yDNhF24h0
ユナエル「おねぇぇぇちゃぁぁぁぁん!!うああああぁぁぁぁぁっっ!!!!」
ルーラ「何てことを……」
インペラ―「な、何で人を喰えるんだよ!訳分かんねえよ!!」
王蛇「ああ?殺したもの喰って何が悪い?相変わらず魔法少女の肉は他の人間よりも美味いな」
ルーラ「まさか……他にも魔法少女を襲って……」
王蛇「喰ったぜ。パジャマ姿の魔法少女をな。美味かったぜ」
ルーラ「っ!?ねむりん……貴方、絶対に許さない」
王蛇「ならかかってこい、お前らも喰ってやる」
ユナエル「殺してやる!お前だけは私が殺してやる!」
王蛇「ははは!もっと俺を楽しませろ!」
月霊髄液の斬撃が王蛇とルーラを切り裂いた。
攻撃の飛んできた方向にはケイネスとガイが立っている。
ルーラ「ぐぅっ」
タイガ「ルーラ!」
スイムスイム「大丈夫?」
ルーラ「ええ、かすり傷よ」
ガイ「よぉ佐野、時間稼ぎご苦労さん、ってこの霧は何?おかげで俺の兵が皆死んでるんだけど」
インペラ―「王蛇が来たんだよ!それで手当たり次第に攻撃してきてさ!」
ガイ「邪魔だなぁ、先に二人で王蛇を殺ろうぜ」
インペラ―「え?(無理無理無理!!)」
ガイ「おっさんは魔法少女達の相手をしててよ、味方相手なら向こうも躊躇するだろうさ」
王蛇「いいぜ。纏めて蹴散らしてやる」
『ファイナルベント』
王蛇「はっはっはぁ……」
ガイ「やばっ!」
413 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 16:58:48.03 ID:yDNhF24h0
『コンファインベント』
王蛇「あん?つまらねえ真似をするな…」
ガイ(この攻撃食らってたらやられる所だった)
インペラ―「ねえ芝浦、今日はもう引こうよ!」
ガイ「……この状況はちょっと分が悪いか、仕方ない行くぞ」
王蛇「帰るのか?もっと俺と戦え!」
インペラ―「俺の分身達!あいつを足止めしろ!」
数体の分身達が王蛇を取り囲み、一斉に飛びかかる。
どちらが勝つかなんて答えなくても分かる。
ただ逃走の時間さえ稼げればそれでよかった。
王蛇の唸り声に怯えながらインペラ―は必死に走って逃げた。
ケイネス「…………」
ルーラ「目を覚ましなさい!ケイネス!」
スイムスイム「聞こえてないみたい」
たま「はわわ…どうしよう!」
ユナエル「くっそー!あのハゲ!」
タイガ「……」
ケイネスは月霊髄液を駆使して魔法少女達に攻撃を繰り返す。
ガイの洗脳によって黒装束達と同じく命令に忠実に動く殺戮人形と化していた。
タイガ(あいつは僕の大切なルーラを傷付けた……許さない)
『フリーズベント』
ケイネス「……!?」
『ファイナルベント』
タイガ「クリスタルブレイク」
タイガの魔法によってケイネスの体は凍り付き、指一本動かなくなった。
更に発動した魔法によってタイガの足元から冷気を発し地面を凍らせ
ケイネスの元まで高速で滑りながら接近し、デストクローでケイネスの体を突き刺し、片手で持ち上げた。
デストクローから放たれる冷気がケイネスの体内へと流れ込み
血を一滴も垂らす事無く、全身を完全に凍結。
タイガが腕を振り下ろして地面に投げ落とすとケイネスの体はガシャン!という音と共に粉々に砕け散った。
414 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 17:00:01.64 ID:yDNhF24h0
ルーラ「と、東條……」
タイガ「ルーラ、敵は倒したよ」
ルーラ「殺さなくても無力化さえすればケイネスは…」
タイガ「ルーラはチームを導くリーダーなんだから絶対に生きて貰わなきゃ」
タイガ「だからルーラの脅威となる者は迅速に排除しないと」
ルーラ「それは、そうだけど…」
タイガ「ルーラの命を守る為なら僕は誰が相手でも戦うよ」
スイムスイム(東條はすごい……誰よりもルーラの命を最優先に考えている)
スイムスイム(まさにお姫様を守る騎士、東條はルーラの騎士に相応しい)
ルーラ(気持ちを切り替えないと、仲間が二人も死んだ今、これ以上戦い続けても犠牲は増すばかり)
ルーラ「撤退するわよ、たま!逃走用の穴を開けて!」
ユナエル「待ってよルーラ!王蛇を殺さないと私の気が済まないっ!!」
ルーラ「今は抑えるのよユナエル、後で絶対に仇を取らせるから」
ユナエル「ぐっ……ぐうううううっっ!!……分かったよルーラ」
ルーラ「皆急いで!」
タイガ「うん」
スイムスイム「……」コクリ
王蛇「あいつらぁ……逃げたか」
分身達を処理した時には既にガイ、インペラ―、チームルーラの姿は無い。
ならば別の獲物を狙えばいいだけ。
幸いにも近くでくのいち風の魔法少女とガンマン風の魔法少女が戦闘をしている。
王蛇「あいつらなら俺を楽しませてくれそうだ。さぁ……俺と戦えッ!!」
ミナエル 死亡
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト 死亡
415 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/23(金) 17:05:24.51 ID:yDNhF24h0
今日はここまで
ミナエルがマミりました お疲れ様です
>>406
あの世では蛮野や大量のファントムが待ってるし、お友達もきっと後からどんどんやって来て
トップスピードが寂しい想いせずに済みそうだから安心して読んでください
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/25(日) 09:44:36.20 ID:Axz4hoMv0
後々出るらしいがクラムベリーまだですかねぇ?
リップル・・・トップスピードの遺体を発見するなよ・・・
知らない方が幸せな事もあるんだ・・・
417 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:02:29.89 ID:jXkJjIzz0
王蛇の放った酸の霧はショッピングモール一階を完全に包み込み二階、三階へと立ち昇っていく
上の階では黒装束の襲撃から逃れるべく避難していた人たちがいた。
男性客「何なんだよこのガスは!」
女性客「きっとテロが撒いた毒ガスよ!あのガスを吸った人達が倒れていくのを見たわ!」
和菓子「このままだと煙がここにもやってくるわ!」
綾「探したけれど脱出ルートはどこもガスで充満していて通れないわ」
陽子「……こうなったら息を止めて突っ走るしか」
鬼島「それはお勧め出来ませんね」
陽子「鬼島大丈夫か!?その傷」
鬼島「防護服代わりにそこらの服を数枚厚着して通ろうとした結果がこれですよ」
鬼島「ガスに数秒振れただけで服がボロボロに溶けて皮膚が焼け爛れてしまいましたよ」
ココア「大変!すぐに手当てしないと」
男性客「もうダメだぁ!!俺達はここで死ぬんだ!!」
カレン「オゥ!そんな事無いデース!私達は助かるデース!」
アリス「カレンちゃん?」
カレン「前に私達がピンチになった時もくノ一の魔法少女が助けに来てくれまシター!」
カレン「信じていればきっとまた助けに来てくれるデース!」
こけし「そうですよね、皆さん信じましょう!」
陽子「信じる者は救われるって言うしな」
綾「こういう時こそ、希望を持たないとね」
ココア「弱きになったらお姉ちゃん失格だもん!」
和菓子「私も落ち込んでばかりじゃいられないわ」
鬼島「神でも仏でも魔法少女でも特撮ヒーローでもいいから来てくれると助かりますねー」
彼女達が祈る中、酸によって腐食した壁や天井の一部が崩壊した。
人形『おべんきょうしなきゃだめじゃない またせんせいにしかられるわよ』
人形『あたしねむくなっちゃった おにいちゃんこもりうたうたって うふふふ』
持ち主から置き去りにされ、崩れた瓦礫に埋もれた人形は
酸に溶かされながらただただ言葉を発し続けていた。
418 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:03:35.59 ID:jXkJjIzz0
リップル(…?どこかで声が)
メアリ「ほらほらほらぁ、よそ見何かしてる暇は無いよ!」
リップル「このっ」
クナイや手裏剣をメアリに向かって次々と投げつけるリップルだが
メアリの放つ水圧のカッターにより全て撃ち落とされる。
メアリ「あっはははっ!!こいつは便利だねぇ」
リップル「ちっ、厄介な」
メアリ「これが普通の魔法少女と契約者の魔法少女との差って奴さ」
メアリ「諦めてさっさとあたしに殺されな」
リップルの眉間へ向けて拳銃を構える。
メアリが引き金を引くよりも早く王蛇の斬撃がリップルの背中を切り裂いた。
リップル「うわあああ!!」
王蛇「俺も仲間に入れろぉ……」
メアリ「てめえ……あたしの獲物に手を出すなんてよっぽど死にたい様だねえ」
王蛇「お前らも喰ってやる」
メアリ「喰えるもんなら喰ってみな!」
拳銃の銃弾と水圧のカッターを王蛇へ向けてひたすら乱射する。
王蛇はベノサーベルを振るうが何発かは弾く事が出来ずに被弾していく。
それでも王蛇の接近は止まらない、痛覚をまともに認識する精神では無いのだ。
王蛇が口を大きく開くと、メアリに向かって黄色い酸を勢いよく吐き出した。
メアリ「酸?くっ……武器が!」
王蛇「次はお前の体を溶かしてやるぜ、安心しろ、頭は残しておく。俺が喰うからな」
メアリ「調子に…乗るんじゃないよ!」
王蛇「こい!」
『ファイナルベント』
『ファイナルベント』
メアリのブーツに刃が生えると共に足場が瞬時に水に包まれる。
まるでサーフィンをしているかの如く水を乗り回したメアリが王蛇へと向かう。
同時に酸の濁流に乗って跳躍した王蛇もメアリへ特攻する。
二人のキックが衝突し爆発を起こした。
419 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:04:27.74 ID:jXkJjIzz0
その頃、外では
『助けてくれー!』『救急車はまだかよ!?』『うちの子が…うちの子がいないの!』
スノーホワイト「心の声がこんなに……急がないと!」
ウィンタープリズン「これも契約者の仕業か……酷いな」
アリス「あれは、ガス?」
ウィンタープリズン「この魔法が使えるのは、浅倉ぁぁぁ!!」
『魔法少女が三人も来たか、別れるまで様子を見るか』
スノーホワイト「ウィンタープリズンさん待って!契約者が近くにいます!」
ウィンタープリズン「何っ?」
『まさか…気付いたか?』
スノーホワイト「そこにいるのは分かっています。出て来て!」
ベルデ「くくくっ、この俺を見つけ出すとは中々やるじゃないか」
ウィンタープリズン「姿を消していたのか」
『トップスピードの様に始末してやろうと思ったがバレたなら仕方ないか』
スノーホワイト「トップスピードさんが!?」
ベルデ「俺の心を読んだか、トップスピードならあそこでくたばってるぜ」
ベルデ「妊婦の身で戦いの場に出るとは愚かな女だよ、クカカカカッ!」
ウィンタープリズン「貴様っ」
ベルデ「あ〜そうそう、ラ・ピュセルと言ったかな?スノーホワイトのパートナーは」
スノーホワイト「……!」
ベルデ「あいつを殺したのは……この俺だ」
アリス「……何てことを」
420 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:06:48.65 ID:jXkJjIzz0
『ソードベント』
スノーホワイト「うわあああああああ!!」
ベルデ「俺に挑むか、馬鹿め」
スノーホワイト「あうっ」
スノーホワイトの怒りに任せた大振りの斬撃をベルデは軽々と躱しながら
脇腹へ蹴りを放ち、怯んだスノーホワイトの顔面にパンチを叩き付けた。
『ソードベント』
ウィンタープリズン「こいつ」
ベルデ「壁を生やすんだろう、てめえらの魔法は知れてんだよ!」
アリス「……避けられた」
ウィンタープリズン「この契約者、戦い慣れているな」
ベルデは先を読んだ行動でウィンタープリズンの壁を躱し
アリスの特攻に合わせて後方へ跳躍する事で打撃技も回避する。
ベルデ「生憎、俺は契約者になる以前からずっと体を鍛え続けているんだよ」
ベルデ「三人がかりで突っ込めば楽に倒せると思ったか?俺をそこらの契約者と一緒にするなよ、魔法少女ォォォ!!」
『クリアーベント』
ウィンタープリズン「消えた…」
ベルデ(魔法で俺を探知できる?だったら対応できない攻撃を使えばいい)
『ファイナルベント』
ベルデ(最初に狙うのはスノーホワイト!貴様だぁぁ!!)
スノーホワイト「敵は私を狙っている……!」
ベルデ(俺の舌は弾丸以上のスピードと正確さを持つ、躱しきれるか)
アリス「させない」
アリスがスノーホワイトの体を突き飛ばすと同時に
まるで槍のように長く鋭い舌がアリスの体を串刺しにした。
ベルデが舌を通じてアリスの体内へと魔力を流し込み爆発した。
スノーホワイトの悲痛な悲鳴が聞こえる。
アリスの胸には爆発によって大きな風穴が空いていた。
421 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:07:32.13 ID:jXkJjIzz0
スノーホワイト「アリスゥゥゥ!!」
アリス「心配しないで、ください。わた…しの怪我は、治ります」
ベルデ「今の俺ではこいつらを殺しきれないか、ここは引くとしよう」
ウィンタープリズン「逃がすと思うか」
ベルデ「いつまでも俺の相手をしていていいのかぁ?魔法少女の本文は人助け、だろう?」
『ホイールベント』
ベルデ「安心しろ、その内ラ・ピュセルの元へ送ってやるぜスノーホワイト。クククッ…ハハハハハハッ!!」
バイドワインダーを高所に引っ掛けたベルデはワイヤーアクションの要領で上空へと飛び
あっという間にショッピングモールから遠くへと移動していった。
スノーホワイト「もう心の声が聞こえません、本当に撤退しました」
敵が近くにいない事を知ったスノーホワイトはベルデの指していた女性の遺体へと近づいた。
顔がグチャグチャに潰されて生前はどんな顔をしていたのかは分からない。
お腹の大きさで妊婦であるのは間違い無く、彼女だけでなくお腹の子供の命までも奪われた事実に胸が苦しくなる。
ウィンタープリズンが所持品を調べるとマジカルフォンが発見された。
彼女こそがトップスピードの本来の姿である事実は否定しようが無かった。
スノーホワイト「トップスピードさん……」
ウィンタープリズン「今は感傷に浸っている暇は無い、急ごう」
スノーホワイト「……っ、はい」
422 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:08:20.51 ID:jXkJjIzz0
三人の魔法少女がショッピングモール内へ突入した頃
メアリ「ぐぅっ!くっそがぁぁぁ!!」
王蛇「ごふっ、はぁ〜……はっはっはっ」
メアリのアビスダイブが王蛇のベノクラッシュの蹴りを上回り
王蛇の胸に大きな裂傷を与えるダメージを与えたが
彼女の体に多量の酸が付着し、肌を焼く激痛を負った。
王蛇「くっくっく、殺すか殺されるかの命の奪い合い、それこそが俺が生きてる実感を与えさせくれる」
メアリ「この、これ以上付きあっていられるか!だけどその前に……」
メアリ「リップル!お前だけでも殺しておくよ!」
リップル(っ!?動け、私の体……)
『スイングベント』
突如現れたピンク色の鞭がメアリの指に命中し。拳銃を叩き落した。
メアリ「誰だい?アタシの邪魔をするのは」
ライア「彼女は殺させない」
メアリ「面倒な奴が現れたねぇ」
王蛇「ほう、お前も契約者か」
ウィンタープリズン「浅倉ァァァァァァ!!」
王蛇「あの時の魔法少女か。久しぶりだな」
スノーホワイト「リップルさん!酷い怪我……」
リップル「私の事はいい!それよりも、私の友達が来ているんだ!助けないと!」
スノーホワイト「分かりました。必ず助けます」
王蛇「せっかく魔法少女達が集まったんだ。俺と…」
ベノスネーカー『撤退だ浅倉よ』
王蛇「邪魔するな。俺はまだやりたりねえ」
ベノスネーカー『広範囲による酸の霧の長時間維持、二度に渡るファイナルベントの使用』
ベノスネーカー『我の魔力が限界だ。もうじき変身も解ける』
王蛇「……お前ら、今回はお預けだ。次会った時に俺と戦え」
ウィンタープリズン「何だと」
メアリ「そらよ」
王蛇「……!」
王蛇に視線を向けられた隙を狙い、メアリはスタングレネードを投げ込んだ。
強烈な音と光が発せられる直前に、王蛇は危険を察知して体の向きを変えて後方へと下がる。
魔法少女達の聴力と視力が回復する頃にはメアリと王蛇の姿は無かった。
423 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:08:57.07 ID:jXkJjIzz0
ウィンタープリズン「くそっ!逃がしたか!」
アリス「霧が晴れてます」
リップル「今の内に皆を探さないと!」
スノーホワイト「その傷では無茶です!」
リップル「じっとしてはいられない!」
ライア「俺にも協力させてほしい」
スノーホワイト「貴方は?」
ライア「俺は仮面契約者ライア、この契約者バトルを止めようとしている者だ」
ウィンタープリズン「本当なのか?」
ライア「ああ、今は人命救助に専念して落ち着いた後で続きを話そう」
ウィンタープリズン「分かった。今は信じよう」
魔法少女達による人命救助は始まった。
スノーホワイトの魔法により、効率良く次々と救出していった。
ショッピングモール内にいる助けを求める声の主がいなくなるまで救出を繰り返したが
リップルの友達の姿は依然見つからないままだった。
リップル「どこだ?どこにいるんだ!」
スノーホワイト「もう心の声は聞こえません、もしかしたら既に自力で脱出したのかもしれません」
リップル「そうか、そうだよな」
リップル(なにか、なにか胸騒ぎがする……そうだ)
リップル「トップスピードは?あいつはどこに行ったんだ?」
スノーホワイト「トップスピードさんは……その……」
ウィンタープリズン「……契約者と戦って、命を落とした」
リップル「……っ!?誰が、誰が殺したんだ!!」
スノーホワイト「……っ」
リップル「その顔は知ってるんだろう!?教えてくれよ!!頼むからさっ!!」
スノーホワイト「……ベルデ」
リップル「ベルデだな!殺してやる!今すぐに殺してやる!」
ライア「駄目だ。ベルデは狡猾で強い、迂闊に戦うべきではない」
リップル「離せ!!離さなければお前を殺す!!」
ライア「それで落ち着いてくれるなら俺は構わない」
リップル「ぐっ……」
ウィンタープリズン「ベルデはトップスピードだけではなくラ・ピュセルも殺害している」
ウィンタープリズン「苦しいのはスノーホワイトも同じだ」
リップル「……今は怒りを抑えるよ。ねえ、トップスピードに会わせて」
ウィンタープリズン「それは出来ない。遺体の損傷が酷く、君が見たら冷静ではいられなくなる」
リップル「お願いだ!最期に、最期にトップスピードに会わせてよ……お願いだから」
リップル「トップスピードに別れの言葉を言わせてよ……お願い」
ウィンタープリズン「……分かった」
424 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:09:32.83 ID:jXkJjIzz0
リップルはウィンタープリズンの案内によってトップスピードの亡骸を発見した。
バイオテロの警戒によってレスキュー活動が遅れている為、まだ現場に残されていたままだった。
リップル「……あっ、ああ、あああああぁぁぁぁっっ!!」
過去に一度、トップスピードが語った話を思い出した。
あと半年は死ねないと言っていたトップスピードの言葉を。
その意味が今分かった、トップスピードのお腹にいるもう一つの生命。
半年後に生まれる我が子の為に死にたくなかったのだと。
リップル「何で!?何で!?何でっ!?何で私に付いてきたの!?」
リップル「私なんかを放って置けば、トップスピードが死なずに済んだかもしれないのに!」
リップル(もしかしたらグレムリンとの戦いでも命を落としていたかもしれない)
リップル(私がトップスピードを死地に呼んだんだ!私のせいでトップスピードは死んだんだ!)
リップル「ごめんなさいトップスピードぉ……ごめんなさい、ごめんなさい」
リップル「私のせいで……わたしのせいでぇ!!」
ウィンタープリズン「行くぞリップル!」
ウィンタープリズンはリップルを抱えてショッピングモールを後にした。
人気の無い場所へ移動して落ち着かせるべきだと判断した。
数時間後――。
ウィンタープリズン「落ち着いたか」
リップル「少し……ありがとう、トップスピードに会わせてくれて」
ウィンタープリズン「もし私が逆の立場だったらシスターナナに会わずにいられなくなると思ってね」
ウィンタープリズン「例えショックで取り乱すと分かってでも会う事で自分の心に整理が付くはず」
リップル「ああ、私はもう決めたよ。ベルデを殺す」
リップル「魔法少女失格となろうが私の意思は変わらない」
ウィンタープリズン「私も王蛇を殺すつもりだ。例え自分の命と引き換えにしても」
リップル「何だか似てるね。その目的が叶う事を祈るよ」
ウィンタープリズン「私も、君の成功を祈るよ」
リップル「これから用があるから私は行くよ」
ウィンタープリズン「分かった。気を付けて」
425 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/02(金) 03:10:41.41 ID:jXkJjIzz0
病院
メールを送ってもカレン達の反応は一切来ない。
気になったリップルは変身を解いてショッピングモールで負傷した人達が搬送される病院へ向かった。
病院内は治療の為に駆け回る医師達と苦痛に呻く負傷者達で溢れており
まるで野戦病院のような凄惨な光景だった。
華乃(皆が怪我を負っているならここにいるはず……)
患者達の顔を一人一人確認していく華乃だが友達の姿は見えない。
ここにいないという事はもしかしたら助かったのかもしれない。
何か理由があってメールが使えないだけなのかもしれない。
記者「お、死亡者発表だ。ちょっとすいません」
華乃(……まさか)
不安を押し込めて、華乃は死亡者が書かれた表を見に向かった。
死亡者リストの前に集まった人達が悲鳴をあげ、泣き叫んでいる・
リストから家族や友の名を発見した人々の悲しみであった。
無事であってほしかった。
信じたくなかった。
華乃(そんな……そんな事って……)
大宮 忍
アリス・カータレット
小路 綾
猪熊 陽子
九条 カレン
保登 心愛
宇治松 千夜
鬼島 夏児
大切な友達の名が死亡者リストに一つ残らず書かれている事実に
華乃は膝から崩れ落ち涙を流した。
華乃「なんで……なんでぇっ!!いやぁぁぁ!!」
その時、病院に設置された鏡が泣き崩れる華乃を引きずり込んだ。
一瞬にして景色が変わった事に驚いた華乃は周囲を見渡すと
巨大な黒龍が華乃を見下ろしているのに気付いた。
ドラグブラッカー『貴様の嘆き、苦しみ、憎しみ、気に入ったぞ』
ドラグブラッカー「我と契約しろ。さすれば貴様の願いを叶える手伝いをしてやろう」
華乃「願い……?だったら力を貸せ!!私の大切な人達を奪った奴らを、全員殺せる力を私に寄こせ!!」
ドラグブラッカー『良かろう!契約は結ばれた、これより我は汝の使い魔として力を貸そうぞ!』
仮面契約者リュウガがここに生まれた。
426 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2018/03/02(金) 03:17:16.42 ID:jXkJjIzz0
今日はここまで
ライアが登場しました
>>416
今回のリップルはちょっと不幸だけどリュウガになれたから良い事もありました
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/02(金) 10:19:19.09 ID:lKp0UbEK0
そもそもリップル=華乃は小学生の頃から不幸だし
序に原作だと母親は自分の娘をある意味見ていない
正直可哀そうだ・・・
(やっぱタイミングがムズイのかなクラムベリーをだすのは?)
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/02(金) 22:24:29.38 ID:srswRkmSO
とうとう日常系からも死者が
正直やり過ぎでは?と思う
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/03(土) 09:27:12.39 ID:NjtZxyUP0
どうでもいいけど俺の小説では〈投稿しないけど)
クラムベリーはリップルの実父にしてる
そう言えばメアリの過去にでたあの子供って没設定の名残かな?(ラピス・ラズリーヌ?)
430 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/07(水) 05:29:49.46 ID:xvsbUhF30
ショッピングモールでの戦闘は終わった。
結末は魔法少女達の大敗である。
カラミティ・メアリの裏切りによって内情を知った契約者達が待ち伏せており
魔法少女達が罠にかかる形で襲撃を受けた。
そのせいでトップスピード、ミナエル、ケイネスが戦死した。
その後、魔法少女達は現状を魔法の国へ報告した。
魔法少女はともかく魔術師の死亡は魔法の国としても
事態をより一層重く受け止める事態となった。
魔法の国
イオク「なんという事だ!我らが同士であるケイネス殿の命が失われるとは!」
イオク「こうなれば、この私がN市に出向いて憎き契約者達を討ち果たそうでは無いか!」
凌馬「その気持ちはありがたく受け取っておくよ。だけどN市に関しては私に任せてくれないかな」
イオク「ぬぅ……、分かった。何か困ったことがあればいつでも私に頼ってくれたまえ!」
凌馬「もちろん、その時が来たら協力を頼ませてもらうよ」
凌馬(正直、足手まといだから来られる方が困るんだけどね)
凌馬(それにしてもケイネスさんが死ぬとはね、それなりに利用できる人だから失ったのは少々手痛いな)
凌馬(笛木の資料を基に開発したオルタナティブは完成した。後は契約者だが)
凌馬(周りには私の発明品の実験体になってくれる魔法少女がいないんだよね。まぁ私のせいだけど)
凌馬(仮にケイネスさんが生きていても機械嫌いだから断るだろうし、イオクさんじゃ宝の持ち腐れになる。あとは……)
431 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/07(水) 05:30:30.12 ID:xvsbUhF30
キークの研究室
凌馬「やぁ、キークちゃん!」
キーク「帰れ、戦極凌馬」
凌馬「連れないなぁキークちゃんは、ねえ私の研究のお手伝いをして見ないかい?駄賃は弾むよ」
キーク「私は知っているんだぞ!お前の実験体にされて怪我した魔法少女が何人もいる事を!」
凌馬「多少の事故じゃないか。現に死者は誰も出てないし結果オーライさ」
凌馬「それに私の発明品によってこの国の技術は進歩している。些細な被害だよ」
キーク「私はお前のそういう所が大っ嫌いだ!自分の研究の為なら他者を平気で使い潰せるその性格がな!」
キーク「これ以上、魔法少女達を実験体にしてみろ。お前を電脳空間に一生閉じ込めてやる!」
凌馬「おー怖い怖い、それじゃあ退散するとしますか」
キーク「もう来るなよ」
凌馬「……所で、私が部屋に入った時に画面隠したよね?何やってたの?」
キーク「来るな!近づくな!触るな!出ていけぇーーー!!」
凌馬「秘密にされると知りたくなるのが研究者の性ってね。んん?ゲームかな、これ?」
キーク「ヤーメーロー!見るな!くっつくな!ガルルルル!!」
凌馬「いたたた!何も噛み付かなくてもいいじゃないかキークちゃん」
凌馬「そうだ。ゲームなら私の知り合いで腕の良い開発者がいるけど紹介しようか?」
キーク「いらん。お前の知り合いなら変人に決まっている」
凌馬「そこまで邪険にされると私も傷付くなぁ。さてキークちゃん弄りも楽しんだし本当に帰るとするよ。じゃあね」
キーク「……」イライライラ
凌馬(刑務所から仮出所させる手続きが面倒だけどやっぱりあの人に頼むかな)
凌馬(N市の元試験官である、あの魔法少女なら契約者達が相手でも後れを取る事は無い筈さ)
432 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/07(水) 05:31:18.36 ID:xvsbUhF30
N市では……
スノーホワイト「本当ですか?契約者バトルを止める方法を知っているって」
手塚「ああ、ミラーモンスターを生み出すコアミラーを破壊すればミラーワールドも消滅するらしい」
ウィンタープリズン「らしい?確証は無いのか」
手塚「コアミラーを破壊した前例は無いからな。ただ一つだけ分かっているのは」
手塚「コアミラーの周囲には常にミラーモンスターが徘徊しており、さらに黄金の契約者が守護している事だ」
手塚「それほど厳重な監視がされている以上、奴らにとって重要な存在であるのは明白だ」
ルーラ「つまり、私達全員がミラーワールドに侵入して防衛する敵を倒してコアミラーを壊せばいい訳ね」
手塚「そうだ。俺一人ではとてもコアミラーまで辿り着くことが出来ない。魔法少女達の力を貸して欲しい」
東條「契約者バトルを止めるのは願いを諦めるって事だけど君は叶えたい願いは無いの?」
手塚「……俺は仮面を付けるのが怖くなったんだ。俺が俺で無くなっていくようで」
東條「どういう意味?」
手塚「あの仮面は人を人で無くす……。顔を覆い隠すことにより逆に人の本能を剥き出しにする」
手塚「仮面契約者として戦い続ける内に闘争を、殺戮を望む自分の悪意が増大していくのを感じるんだ」
手塚「君達も感じた事は無いか?仮面契約者になってから己の中の残酷な本能が日に日に増していく感覚を」
スノーホワイト「……あります」
リップル「スノーホワイトが?」
スノーホワイト「シザースと戦った時に無意識の内に彼を殺そうとしました。気付いた時にはとても怖かった」
手塚「その恐怖を忘れてはならない。闘争本能を抑え込まなければ彼ら達の様に殺戮を楽しむ存在に堕ちてしまうだろう」
スノーホワイト「闘争本能を……抑える」
手塚「誰かを殺そうとする意志よりも魔法少女の使命を最優先に考えるんだ」
手塚「こんな戦いは速く止めなければならない、俺達、契約者は戦い続ける内に人で無くなり」
手塚「あのミラーワールドに住むモンスターの様になってしまうかもしれないと考えている」
スノーホワイト「契約者がモンスターに?」
手塚「もしかしたらあれは契約者の人の心の成れの果ての姿なんじゃないかと思えてくるんだ」
リップル(例え、契約者が呪いの力だったとしても復讐を果たす為なら、私は喜んで使う……)
東條「僕はよく分からないけど、英雄になるためなら契約者の力も捨てられる」
433 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/07(水) 05:32:24.14 ID:xvsbUhF30
ユナエル「ねえ、コアミラーを壊したら王蛇は私達が殺すからね」
ウィンタープリズン「それは出来ない相談だな。王蛇はシスターナナの仇だ」
ユナエル「私だってお姉ちゃんをあいつに殺されたんだ!」
手塚「まて、王蛇は魔法少女達の力を終結しなければ倒せない、と占いで出ている」
たま「占い?」
スイムスイム「当たるの?」
手塚「俺の占いは当たる」
マジカロイド「遅れて到着して申し訳無いデス。話は聞きましたがこの際、早い者勝ちで良いんじゃないデスか?」
リップル「マジカロイド!!貴様ァ!!」
マジカロイド「何なんデスか?苦しいデス!離してくだサイ!」
リップル「何で……何でお前だけショッピングモールに来なかった!?来ていれば彼女達は死なずに……」
マジカロイド「ヤバそうな予感がしたので近づかないでおいたのデスよ」
マジカロイド「案の定、契約者達が待ち伏せしていてワタシの判断は正解だったデスよ」
リップル「戦わなくてもいい!一般市民の避難だけでもしてくれていれば結末は変わった筈だ!!」
マジカロイド「誰が亡くなったのかは知りませんが、それは八つ当たりデスよ!」
ウィンタープリズン「もう止すんだリップル、誰かに怒りをぶつけても失った人は帰ってこない」
リップル「……悪かったマジカロイド」
マジカロイド「分かりまシタ。次の任務では私もご一緒しマスからこの件は水に流してくだサイ」
東條(他の魔法少女は仲間が死ぬと復讐に走るか八つ当たりする人ばかり)
東條(だけどルーラは違う。ルーラは私情に駆られずにやるべき事を冷静に考えられる人だ)
東條(この街で最も魔法少女に相応しいのはやっぱりルーラだ)
434 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/07(水) 05:33:24.71 ID:xvsbUhF30
高見沢グループビル本社
社員「お帰りなさいませ!!」
高見沢「うむ、皆さんご苦労」
男「おい会長!!」
高級車から降りた高見沢の目の前に中年の男性が飛び出してくる。
両手には包丁がしっかりと握られており、目が血走り完全に冷静さを失っている。
社員「何をしている!!早く警備員を!!」
高見沢「まぁ待て、そこのお前、そんな刃物を持ちだして何が目的だ?」
男「俺はこの会社で20年も身を粉にして働いてきたんだ!!」
男「それを一つのミスを犯しただけでいきなりリストラとかふざけるなぁー!!」
高見沢「ふん、ふざけてるのはお前だ。そのミスのおかげで一つの取引が潰れたんだ」
高見沢「いくら損害を被ったと思ってるんだ。てめえ如きが汗水働いた程度じゃ返せる額じゃねえんだよ」
男「必死に頭を下げて謝ったのに許せない……ゆるせないー!!」
高見沢「んで?いつまでもお前に構ってるほど俺は暇じゃねーんだよ。見逃してやるからさっさと消えな」
男「貴様ぁーーーッ!!」
高見沢「はん」
高見沢の蹴りが男の手に持つ包丁に当たり、押し上げられて宙を舞った。
更に上空の包丁へ視線を向けた男の顔面にハイキックを叩き込み男は倒れると
高見沢は男の右膝を思いっきり踏みつけて砕いた。
男「ぎゃああああああああああ!!!!」
高見沢「そこに寝られると迷惑だ。片付けて置け」
社員「はい!!」
仮面契約者ベルデの装着者、高見沢逸郎は巨大企業・高見沢グループの総帥である。
彼はその類稀なる手腕を持ってライバル会社を次々と蹴落とし、吸収し、傘下に収め
圧倒的な権力や財力を手にしていた。
だがそれでも高見沢の欲望は尽きる事は無い。
権力も財力も彼の野心を満たすには至らない。
特に彼が求めて止まなかったのはどんな強者も屠り去る事が出来る暴力であった。
権力や財力は月日が経つに連れ、増やす事は出来るが暴力はそうは行かない。
食生活による栄養バランスや日々のジム通いによって強靭な肉体と格闘技術は身に付いたが
プロの格闘家達を相手に優勝できる力で無ければ彼は満足できなかった。
そんなある日、高見沢は黒い影の声によってミラーワールドへ誘われ
超人的な力を手に入れるのを願いとして仮面契約者になった。
仮面契約者になった時点で願いは叶ったとも言えるが
彼にとっては勝ち残って最強の力を示さない限り、野心は満たされないだろう。
仮面契約者となった後も鍛錬は欠かす事無く
バイドワインダーを自分の手足の様に正確に操作出来る程の技術も会得した。
邪魔となる魔法少女達も手駒を使い、機を見計らって二人の魔法少女を殺害した。
次はどんな手で魔法少女を追い詰めてやろうかと考えてる所で鏡から音が聞こえてくる。
高見沢「なんだ?」
黒い影「魔法少女達が不穏な動きを見せている……契約者達を教会へ集めるんだ」
高見沢「そうか。契約者達に伝えておこう」
高見沢(魔法少女め。痛い目に会ったばかりだと言うのに行動が速いな)
435 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/03/07(水) 05:34:40.87 ID:xvsbUhF30
北岡の宿泊しているホテル
ルーラ達によって自宅を知られた北岡秀一は現在この高級ホテルに泊まっていた。
高級な食材をふんだんに使ったフルコースを口にして、やっぱり吾郎ちゃんの料理の方が好きだよと吾郎に囁いた。
デザートを食べ終わろうとした所で吾郎は薬を用意した。
北岡「もう薬はいいよ、吾郎ちゃん。全然効いてないじゃん」
吾郎(そう言わずに飲んでください。ドクターの指示ですから)
吾郎(治る事はなくても病気の進行は遅くなっている筈です)
北岡「そうだといいね」
北岡はとても病気が遅くなっているとは思えなかった。
どんどん物忘れが激しくなりむしろ、日々、酷くなっている。
まぁ、これも契約者バトルが終わるまでの我慢だ。
俺は常に勝ってきた。小学校の運動会のリレーでも優勝し
高校の弁論大会でも優勝し、大学在学中の司法試験でもトップの成績を収めた。
北岡「弁護士になって最初の裁判も勝ったんだよな」
吾郎(はい、今の私があるのは全て先生のおかげです)
吾郎は強盗障害の罪で告訴されていた。
それを北岡は金に物を言わせたり、脅迫めいた取引を持ち掛けるなど
相当強引な手を使って黒を白に変える手腕を見せた。
晴れて無罪になった吾郎は以後の全ての人生を北岡に捧げる決心をした。
勾留中に何度も面接を重ねる内に吾郎は北岡の情熱に打たれ
生まれて初めて他人に心を開いた。一度開いた扉は二度と閉じる事は無い。
北岡の病気を知った吾郎は、沈黙を誓い願をかけた。
北岡の快癒を願い、その代わりに言葉を捨てると神に誓った。
完全に言葉を封印するために吾郎は金の糸で唇を縫い合わせた。
飲食は僅かに開く唇の間から摂取出来るものに限られた。
金の糸を選んだのは沈黙をより神聖なものとするためだった。
吾郎の沈黙は神に捧げたものだ、だから神聖でなければならない。
北岡「吾郎ちゃん、俺、他の全部を忘れても、吾郎ちゃんの事は忘れないからさ」
吾郎(先生なら契約者バトルでも勝ち残って病気を治す事が出来ます)
病気が治れば吾郎は金の糸を切り、北岡と共に祝いの酒を飲むだろう。
そう吾郎は決意していた。
北岡「そろそろ晩飯にしようか吾郎ちゃん、俺腹減ってきちゃったよ」
もう食べたとは言えなかった。
北岡は二度目の夕食を注文した。
436 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2018/03/07(水) 05:40:21.83 ID:xvsbUhF30
今日はここまで
コアミラーを壊せば戦いは止まるのか?
ミラモンの説は漫画版龍騎で手塚が言ってた台詞です
>>427
刑務所に入ってるクラムベリーを誰が出すんでしょうね
>>428
主人公の所属する隊員や身内が全滅する子供向けの番組もあるし
無差別に人を押そう敵が出てくる作品で一般人の犠牲が出るのは仕方ない
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/19(月) 11:29:49.64 ID:OBV8u9hk0
かなり序盤に出たブロリーとパラガスは何に?(消えたけど)
ドラゴンボール的な物でも出るのかな?
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/21(水) 08:27:11.33 ID:9uDXdwbo0
ミラモン?フジ系でやってるあの番組の略ですか?
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/08(日) 08:14:56.31 ID:cXgz5G8g0
動いてくれないとまとめ速報の方が『完結』されるんだけど・・・
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/12(土) 09:48:48.78 ID:qDRL44nj0
こんな事言うのもなんだが‥ハーメルンの方が動いてるぞ?
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/01/25(火) 01:15:15.06 ID:lu6TDRAao
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