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スノーホワイト「ファブが逮捕された?」
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306 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:12:55.95 ID:stBEomdb0
パシャッ
ルーラ「――ッ!?」
スイムスイム「ルーラも水着になった」
ミナエル「アヒャヒャヒャ!ルーラがマイクロビキニ〜www」
ユナエル「ルーラ超セクシーwww」
たま「ああ…駄目だよミナちゃん」
ミナエル「次はスイムもマイクロビキニにしようね〜」
ユナエル「しようね〜」
ルーラ「ルーラの名のもとに命ずる!ミナエル、私を元の姿に戻せ!」
ミナエル「あーん、面白い所だったのに〜」
ルーラ「全然面白くない!」
ユナエル「ルーラのいけず〜」
たま「着せ替えごっこするならふりふりの綺麗なドレスにしようよ」
スイムスイム「綺麗なドレス、お姫様、着てみたい……」
ミナエル「いいね〜今日はコスプレパーティーだ!」
ユナエル「いえ〜い!」
ルーラ「あんた達ねえ……」
ウィンタープリズン「では、失礼する」
307 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:13:45.49 ID:stBEomdb0
王結寺から出た私は、調査の末、浅倉が収容されている刑務所を見つけて侵入することにした。
透明外套とシスターナナの支給アイテムである通り抜けフープがあれば
誰にも気付かれることなく侵入して、浅倉を殺害する事が出来る。
囚人達が就寝している深夜に行動を移した。
透明外套を身に纏い、通り抜けフープで刑務所内部へと入った瞬間、苦痛が全身に襲った。
刑務所全体が黄色い霧に包まれていた。
苦痛の原因はその酸の霧に触れたせいであった。
ウィンタープリズン(この霧はなんだ?それに異臭が酷い……)
歩いている内に異臭の原因を理解した。
霧によって焼き爛れた死体の臭いだ。
考えてみれば魔法少女ですら苦痛を感じる霧が常人に耐えられるはずがない。
牢の中で囚人達の顔が、身体が、酸によってドロドロに焼かれている。
霧の苦痛から逃げ出そうと爪が剥がれながら壁を引っ掻き続けて死んだ者。
呼吸器官に入った霧に体内を焼かれ、呼吸が出来ずに喉を掻き毟って死んだ者。
囚人を出来る限り救おうとして、いくつかの牢を開けてから死んだ者。
開けられた牢から非常口まで逃げようとして途中で力尽きた者。
死体、死体、死体、数え切れないぐらいの死体が刑務所内に散乱している。
依然として霧の痛みが続いているが浅倉を見つけ出さない限り帰るつもりは無い。
それに、この霧が出現した原因も見つけなければならない。
ぐちゃ、べちゃ
何かが潰れる音が奥の部屋から響いてくる。
ウィンタープリズンは気配を殺して、ゆっくりと音のする方向へ歩いた。
308 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:14:35.57 ID:stBEomdb0
王蛇「ああ……」
紫色のスーツを身に纏った男が職員達の亡骸を破壊していた。
どことなくキングコブラを思わせる仮面が返り血によって赤く染まっている。
王蛇は死体から噴き出る血を、その身に浴びて恍惚な声を出していた。
王蛇「糞の臭いがする。そこにいるのは誰だ?」
ウィンタープリズン(姿を消しているのに私に気付いたのか、それにその声は……)
自分の存在に気付いた事にも驚いたが、それ以上に王蛇から聞こえる声が心を揺さぶられた。
目の前にいる王蛇の正体が、菜々を傷つけた復讐するべき男、浅倉威だと気付いた。
透明外套を外して自分の姿を晒す。
王蛇「なんだお前……」
ウィンタープリズン「浅倉威、この虐殺はお前の仕業だな。なぜこんな事をした?」
王蛇「どいつもこいつも糞の臭いを撒き散らしていたからな。これで清々した」
ウィンタープリズン「そうか。貴様はまともじゃないな。ここで死んでもらう」
王蛇「……やってみろ」
ウィンタープリズン「はぁっ!」
王蛇「くくっ」
ウィンタープリズンの拳が王蛇の顔面を殴りつける。
王蛇は回避行動を一切取らずに顔面で受け止めた。
続いて放ったミドルキックが王蛇の脇腹に突き刺さる。
王蛇はウィンタープリズンの足を掴んで動きを封じる。
ウィンタープリズンが片手を地面に付けて魔法を発動。
壁が生えて王蛇の腹部に当たり天井まで押し込んで勢いよく挟み込んだ。
王蛇「なかなか楽しませる」
ウィンタープリズン「壁が溶けている、酸か」
王蛇の口元が開いた。
口内からギザギザの牙を覗かせた。
酸を吐き出して王蛇を拘束している壁を溶かして脱出した。
さらに続けてウィンタープリズンに向けて酸を放出する。
横に飛んで回避した、酸の浴びた個所がドロドロに溶解し崩れていく。
309 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:16:24.38 ID:stBEomdb0
ウィンタープリズン(当たれば魔法少女でもタダでは済まない、か)
王蛇「避けているだけでは俺は殺せないぞ」
続けて酸が吐き出される。
囚人の死体にかかり、骨すら残さず溶けていった。
もう一度、酸を吐き出すと同時に目の前で壁が出現した。
壁に阻まれて酸が飛ばずに終わる。
王蛇「小細工か…」
ウィンタープリズン(このタイミングで仕掛ける)
王蛇の視界は壁によってウィンタープリズンの姿は映っていない。
その隙を付いて壁ごと王蛇に攻撃を当てるべく飛び蹴りを放った。
ウィンタープリズン(浅倉が……いない!?)
王蛇「こっちだ」
ウィンタープリズン「あぐっ!」
壁で視界を塞いでの奇襲を察知した王蛇はすぐに距離を取り
ソードベント、ベノサーベルを出現させ、ウィンタープリズンを斬りつける。
鮮血が飛び、ウィンタープリズンは後退を余儀なくされる。
ウィンタープリズン(こいつ強い……凄まじく!)
王蛇「さぁ、もっと俺を楽しませろ!」
刑務所の外でパトカーのサイレンが響き渡る。
異常に気付いた警察達が出動したのだ。
王蛇は戦いに水を差され、ため息をついた。
王蛇「今日はもう終わりだ。次に会ったらもう一度、俺と戦え」
ウィンタープリズン「ぐっ……」
王蛇は鏡の中に入って消えて行った。
ウィンタープリズンは悔しさに歯を食いしばった。
復讐相手に逃げられたのにも関わらず、ほっとしている自分の我が身可愛さに腹が立った。
このまま戦い続けていれば確実に殺されていた。
それほど実力差は明確だった。
310 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:16:52.86 ID:stBEomdb0
ウィンタープリズン「こんな有様では私は復讐を果たすことが出来ない!」
ウィンタープリズン「済まない菜々……私は、私は……」
自分の無力さが恨めしい。
復讐を果たすだけの力が欲しい!
浅倉を殺す為なら自分の命を投げ捨ててでも!
その瞬間、私の身体は紫色の霧に包まれた。
後のやりとりは、スノーホワイトと大体同じだった。
菜々の回復を願いとして、浅倉威に復讐する為の力を得た。
契約モンスター、ダークウィングをその身に宿して契約者となった。
浅倉が変身する王蛇と比べて、私の姿はさほど大きな変化は無かった。
ダークウィングは、既に魔法少女として仮の姿を持っているからだと。
本来の姿を隠す仮面を付けているのが理由なのだと話していた。
311 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:17:26.90 ID:stBEomdb0
回想終了
ウィンタープリズン「そういう訳だ。私は浅倉を殺す為にも契約者を続ける」
ウィンタープリズン「例えシスターナナが無事だったとしてもあの男を放置しておけば、いつ襲われるかも分からない」
スノーホワイト「それなら私も契約者を続けます!」
ラ・ピュセル「危険だよスノーホワイト!」
アリス「そうです。スノーホワイトも契約者を続ける必要はありません」
スノーホワイト「私は契約者バトルを止めたい。願いを叶える為に殺し合うのは間違ってると思う」
ウィンタープリズン「……それだと、いつか私はスノーホワイトの敵になるかもしれない」
スノーホワイト「それでも、私は見て見ぬ振りは出来ません。殺し合う為に魔法を使うなんて」
ウィンタープリズン「やっぱりそうか。スノーホワイトなら、そう動くと思ったよ」
ウィンタープリズン「私の想いが叶うか、スノーホワイトの想いが叶うか、どちらにせよ恨みっこは無しだ」
スノーホワイト「はい」
312 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:18:18.70 ID:stBEomdb0
ドラグレッダー(戦いを止めるために戦うか。くくくっ、面白い)
スノーホワイト(ドラグレッダーは反対しないんだ)
ドラグレッダー(ああ、我々が契約違反と見なすのは戦いその物を完全に放棄した時だ)
ドラグレッダー(願いを叶える以外の戦いを選ぶのは構わんさ)
ドラグレッダー(それに、戦いを止めるのは勝ち残る以上に過酷な道のりになるだろうからな)
ドラグレッダー(貴様が今後どうなっていくか興味深い、せいぜい我を楽しませてくれ)
スノーホワイト(……嫌な性格)
ドラグレッダー(言うようになったな、さっきまで小動物のように震えていた小娘が)
スノーホワイト(…………)
ドラグレッダー(そう怒るな。我は貴様の味方だ。契約が続く限りいくらでも力を貸そう)
凶悪犯罪者、浅倉威は仮面契約者王蛇となりN市に解き放たれた。
だが敵は王蛇だけではない。
今後、複数の契約者がスノーホワイトの目の前に立ちはだかる事になるのであった。
???「魔法少女ですか……懐かしいですね。ええ、一度会ったことがあります。フフフ、私の力を示すのに相応しい相手ですよ」
オレンジ色のスーツを着た契約者は、いずれ戦うことになる魔法少女の存在に高揚感を募らせていた。
313 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/12(月) 19:34:15.06 ID:stBEomdb0
今回はここまで
浅倉が出てくるとさっきまで生命だったものが辺り一面に転がる話が多くて、精神が息苦しくなってくる。
このSSだとカードもデッキも無い仕様なのでサバイブは存在せず
デッキが壊されてカニったり、だしてえええええ!!な状況にもなりません。
契約者説明
仮面契約者 王蛇
装着者 浅倉 威
魔法
酸を出せるよ
魔法説明
契約者や魔法少女も溶かせる強力な酸を口から吐き出す。
また、酸を気化させて霧状にして吐き出す事で広範囲に攻撃が可能。
酸の霧は契約者や魔法少女にはスリップダメージを与えるだけで致命傷にはならないが
一般人がまともに浴びると致死量となる威力がある。
314 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:28:33.87 ID:zAwpkPVH0
魔法の国
ケイネス「……さて、行くか」
ファントム事件の後、ケイネスは笛木の娘である暦の墓参りに来ていた。
N市で滞在中に同居していたコヨミとの生活は冷徹な魔術師であったケイネスの心に深く残っている。
墓参りを済ませて家に戻る所で連絡が入った。
ケイネス『スノーホワイトか。どうした?』
スノーホワイトはその身に起こった不可解な出来事を語った。
鏡の中の世界、ミラーワールドが存在していること。
ミラーワールドに巣食う怪物、ミラーモンスターと契約して戦う仮面契約者達の存在。
契約者同士で殺し合い、最後の一人になるまで生き残ればどんな願いも叶える事が出来る契約者バトルが行われており。
自分も仮面契約者に選ばれた事を伝えた。
ケイネス『大変な事態に巻き込まれているんだな』
スノーホワイト『魔法の国の方からも調べてもらえると助かります』
ケイネス『分かった。すぐに調査班からミラーワールドの情報を集めさせるとしよう』
スノーホワイト『ありがとうございます。私は契約者バトルで人が死なないために戦いを止めようと思います』
ケイネス『うむ、気を付けたまえよ』
ケイネス「……ファントム事件が終わったばかりだと言うのに、あの町は呪われているのか?」
315 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:29:05.65 ID:zAwpkPVH0
ppp
ケイネス『凌馬か。何の用だ?』
凌馬『やあ、ケイネスさん。また大変そうな事件が起きているみたいだね』
ケイネス『なぜそれを?』
凌馬『それは私がハッキン…ゲフンゲフン、まぁそれよりもさ少しサバトに似ていると思わないかい?』
ケイネス『サバト……そうか?』
凌馬『元々サバトは賢者の石を精製するために行われた儀式だ。賢者の石を作る目的は笛木の望みを叶えるため』
凌馬『そしてスノーホワイトが言っていた契約者バトル、それに勝ち残った者はどんな願いも叶えられる。それは偶然だろうか?』
ケイネス『つまり今回の騒動も笛木が関係している可能性があると』
凌馬『あくまで可能性の一つとしてね。あの時の笛木は蛮野によって致命傷を負わされていたが死体は発見されていない』
ケイネス『テレポートの魔法でどこかへ行ってしまったからな』
凌馬『もしかしたらその時に笛木が何かを仕組んだかもしれない。調査する価値はあると思うよ』
ケイネス『そうか。笛木の研究資料を入念的に調べさせるとしよう』
凌馬『何かあったら知らせてよ。私が趣味で開発した秘密道具が役立つかもしれないからね』
ケイネス『あまり頼りたくないな。昨日聞いた話だとお前の道具のせいで魔法少女が一人、病院送りになったそうじゃないか』
凌馬『ヨモツヘグリアームズね。非戦闘員魔法少女の戦力アップに使えると思ったが副作用が強すぎたよ』
凌馬『まぁ魔法少女の命に別状は無かったのが幸いだよ。私は今でも謹慎中だがね。はっはっは!!』
ケイネス『笑いごとか!』
316 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:29:39.41 ID:zAwpkPVH0
その頃N市では……
最近、行方不明事件が立て続けに起こっていた。
神隠しが起きているとか、某国による誘拐事件だとか。
ネット上で熱い議論が繰り広げられている。
小雪宅
小雪「……宿題終わりっと、そろそろ行かなきゃ」
ドラグレッダー(待てスノーホワイト、魔法少女活動の前にしてもらうことがある)
ドラグレッダー(ミラーワールドへ入り、我の餌を用意しろ)
小雪(今じゃないと駄目なの?)
ドラグレッダー(時間が迫ってきている。期限が過ぎたら貴様の命を喰らわねばならない)
ドラグレッダー(我としてもかなり腹が減っている。可能ならば複数の餌が望ましい)
ドラグレッダー(ミラーワールドが怖ければ、適当な人間を魂喰いすれば事足りるが)
小雪(それは絶対にさせない)
ドラグレッダー(ならばミラーモンスターか契約者を狩るがいい)
小雪はスノーホワイトへ変身たあと、更に契約者の力も開放し。
衣装は鎧のような金属が装着され、一部分の色が赤く染まり、赤と白の魔法少女衣装へと変化した。
スノーホワイトが鏡の前に立ち、エンブレムをかざすとミラーワールドへの入り口が開かれて吸い込まれる。
317 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:30:17.11 ID:zAwpkPVH0
ミラーワールド内
ミラーワールド内には様々な形のミラーモンスターがいる。
昆虫、魚類、爬虫類、鳥類、ロボットのような生物もいる。
スノーホワイトの目の前に蛾の形をしたミラーモンスターが襲い掛かった。
蛾の怪物の攻撃を躱したスノーホワイトはソードベント、ドラグセイバーを出現させ構える。
唾液を撒き散らし、スノーホワイトを捕食しようと迫る蛾の怪物の首を切り落とした。
ファントムと比べれば、動きは単調で簡単に仕留める事が出来た。
首を失い、バタバタと鱗粉を撒き散らしながら動く体に近づき、生命エネルギーを吸い上げた。
生命エネルギーを失った蛾は動きが止まり、光の粒子となって消滅していった。
スノーホワイト(じゃ、帰るわね)
ドラグレッダー(待て!この反応、契約者だ。しかも二体いる)
ガイ(あんたが新しい龍騎か)
インペラ―(へぇ〜、噂の魔法少女の契約者ってこういう姿なんだね)
ドラグレッダー(奴らは仮面契約者ガイにインペラ―だ。油断するなよ)
スノーホワイトの前には二体の契約者が姿を現した。
サイをモチーフにした仮面契約者、ガイと
レイヨウをモチーフにした仮面契約者、インペラ―である。
318 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:30:48.66 ID:zAwpkPVH0
スノーホワイト(貴方達も契約者……)
ガイ(ねえ、あんたさ魔法少女だろ?何で契約者やってんの?)
インペラ―(それ俺も気になった。俺達と見た目全然違うし、やっぱ特殊な存在なのかな?)
スノーホワイト(私は……契約者バトルを止めに来ました。だからこんな事はもう続けないでください!)
ガイ(はぁ?それ本気で言ってんの?こんな面白いゲーム止められる訳無いでしょ)
スノーホワイト(ゲームって……人が死ぬんですよ!そんなの遊びじゃない!)
ガイ(だから面白いじゃん。殺すか殺されるか、命を賭けた勝負してんだからさ)
スノーホワイト(そんなの間違ってます!)
ガイ(お前ウザいわ。良い子ちゃんぶって綺麗事並べてる奴がいると盛り上がらないからさ。さっさとリタイアしなよ)
インペラ―(悪く思わないでよ、魔法少女ちゃん。こっちも勝たなきゃいけない理由があるんだよね)
スノーホワイト(絶対に止めてみせます!)
ガイ(出来るもんなら、やってみろよ!おい佐野)
インペラ―(はいはい、給料分働きますよっと)
インペラ―は固有魔法を発動した。
数がどんどんと増えていき、十数体のインペラ―がスノーホワイトを取り囲んだ。
スノーホワイト(インペラ―の数が増えた)
ドラグレッダー(多数の分身を作り出すのがインペラ―の魔法の様だな)
インペラ―(驚いたでしょ〜。俺って結構強いんですよ〜)
ドラグレッダー(ガードベントを使って包囲を突破しろ)
319 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:31:27.77 ID:zAwpkPVH0
スピンベントを発動しガゼルスタッブを装備した多数のインペラ―がスノーホワイトへ飛びかかる。
スノーホワイトはガードベント、ドラグシールドを装着して、三体のインペラ―を突き飛ばしながら
二人の契約者から距離を取り、すぐさまストライクベントを発動する。
スノーホワイト(直撃させない様に、二人の足元で爆発させれば……)
スノーホワイトの周囲に熱気が集まり、温度が急上昇していく。
ドラグクローファイアーを装着した腕から火球が出現した。
二人に向かってスノーホワイトは拳を突き出した。
ガイ(やらせないよ)
ガイは固有魔法、コンファインベントを発動。
火球が弾け飛び、スノーホワイトの魔法は強制終了された。
スノーホワイトが再び火球を作り出そうとするも魔法は全く発動する事が出来ない。
スノーホワイト(魔法が使えない?どうして!?)
ドラグレッダー(おそらくガイの魔法の影響だろう。我の魔法は使用不能になっている)
スノーホワイト(そんな……)
ドラグレッダー(ここは分が悪いな。撤退しろスノーホワイト)
スノーホワイト(……っ!)
インペラ―(おっと逃がさないよ)
インペラ―の群れが退路を塞いだ。
数に物を言わせた攻撃に丸腰のスノーホワイトは対抗できない。
必死に回避行動を取るが次々と繰り出されるガゼルスタッブの攻撃を避ける事が出来ず
衣装は斬り裂かれ、生傷が増え、至る所から血が滴り落ちる。
320 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:32:25.18 ID:zAwpkPVH0
スノーホワイト(っ……痛い、だけど、まだ……)
インペラ―(もう勝負は決まったからさ。降参しなよ)
ガイ(おい佐野、トドメは俺がやるから下がってろ)
インペラ―(オッケー、任せた)
魔法の重力操作によってガイの体は宙に浮き、姿勢を整えると。
スノーホワイトのいる方向へ自身を落下させる事で、突進を放つ。
それがガイのファイナルベント、ヘビープレッシャーである。
ガイ(これでゲームオーバーだ)
スノーホワイト(駄目…よけきれ)
一陣の風が吹いた。
ミラーワールドには風が吹かない。
風が吹くとすれば、それは何者かの魔法によって作られた風である。
風を作り出した者によってガイのヘビープレッシャーの軌道が逸らされ。
スノーホワイトの命は救われた。
風を作り出し、スノーホワイトを助けた者は上空にいた。
背からは天使を思わせるような白い翼が生え。
花嫁が着るウェディングドレスのような純白の衣装を着た可憐な少女。
その少女の名は……
スノーホワイト(ラ・ピュセル!!)
ラ・ピュセル(スノーホワイト……こんなに傷だらけで……)
スノーホワイト(大丈夫だよ。これぐらいの傷なら)
インペラ―(えっ?えっ?魔法少女の契約者は龍騎とナイトだけって高見沢さん言ってたのに〜)
ラ・ピュセル(お前達がスノーホワイトを傷つけたんだな。許さない!)
インペラ―(まぁいっか。ついでに君も倒しちゃうよ)
インペラ―達の脚部に魔力が集中する。
強化された脚力によってインペラ―の速度、ジャンプ力が飛躍的に向上し。
ラ・ピュセルに向かって一斉に飛びかかった。
それがインペラ―のファイナルベント、ドライブディバイダーである。
321 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:33:13.93 ID:zAwpkPVH0
ラ・ピュセル(はぁああああああああっっっ!!!!)
インペラ―(か、風がっ!?うおわああああああ!?)
ラ・ピュセルは魔力を高め、竜巻のような強風を作り出してインペラ―達を飲み込んだ。
インペラ―達が竜巻の渦の中で足掻く中、ラ・ピュセルは剣を巨大化して構える。
ラ・ピュセルに向かってインペラ―達が落ちてくるように風を操作し
巨大な剣を思いっきり振るい、剣の横っ腹に直撃したインペラ―達が次々と叩き落されていった。
インペラ―(いったぁぁぁぁぁい!!滅茶苦茶いてえ!!)
ラ・ピュセル(契約者バトルを辞めろ!そうじゃないと次はもっと痛い目に会うぞ!)
ラ・ピュセルのファイナルベント、ミスティ―スラッシュによって迎撃されたインペラ―は
大ダメージによって分身達は消滅し、本体は背中を強打した事でじたばたともがいている。
ガイ(おいおい佐野、何やられてんだよ)
インペラ―(芝浦だってファイナルベント外したでしょ!それよりどうする?もう俺の分身消えちゃったよ)
ガイ(仕方ねえな。ここは引くか)
ガイ(おい魔法少女共、契約者バトルを妨害するって事は、俺達、契約者を敵に回したって事だからな)
ガイ(もうあんたら、長生き出来ないぜ。じゃあな)
インペラ―(ちょっと置いて行かないでよ芝浦〜)
322 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:34:06.23 ID:zAwpkPVH0
そう言い残して二人の契約者はミラーワールドから出て行った。
残されたスノーホワイトはラ・ピュセルの方へ振り向いて
契約者として変化して衣装をじろじろと見つめる。
ラ・ピュセル(どうしたの?)
スノーホワイト(そうちゃんの格好すっごく可愛い……ずるい)
ラ・ピュセル(そんな事言われても、スノーホワイトの鎧もカッコイイよ)
スノーホワイト(かっこよくなんてなりたくない)
ドラグレッダー(我の姿をモチーフに変化しているのだぞ。不満か)
スノーホワイト(すっごく不満)
ドラグレッダー(解せんな。ラ・ピュセルの契約モンスターより高性能だと言うのに)
スノーホワイト(そうだ。どうしてそうちゃんも契約者になってるの?)
ラ・ピュセル(ウィンタープリズンさんの話を聞いて解散した後、僕の前にも紫の霧が現れたんだ)
ラ・ピュセル(それで小雪の力になりたいと願ったら契約者の力を手にしたんだ)
スノーホワイト(そんな、そうちゃんまで契約者にならなくても)
ラ・ピュセル(小雪一人に契約者バトルを任せて待つなんて僕には出来ないよ)
ラ・ピュセル(だからお願いだ。僕にも手伝わせてほしい)
スノーホワイト(そうちゃん……ありがとう。一緒に契約者バトルを止めようね)
ラ・ピュセル(ああ、僕はどこまでも小雪を守る剣であり続けるさ)
323 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/06/23(金) 18:36:54.10 ID:zAwpkPVH0
今回はここまで
ちょっと投下が遅れました
原作で浅倉にベノクラッシュされた小物であるガードベントとサノマン登場
ファムポジションはやっぱ一番可愛い子にやらせるべきだと思って選んだ
契約者説明
仮面契約者 ガイ
装着者 ???
魔法
相手の魔法は使わせないよ
魔法説明
対象となる契約者を選び、発動する事で相手の魔法を封じることが出来る。
一度の戦闘で二回使用が可能となっており、敵の戦力をそぎ落とす事が出来る。
使用者であるガイが戦闘から離脱すると封じられた魔法が使えるようになる。
仮面契約者 インペラ―
装着者 ???
魔法
たくさんの自分の分身を増やせるよ
魔法説明
自らの分身を十数体ほど召喚して戦わせる事が出来る。
分身体は一人一人が本体と意思が統一されており
ナイトの分身とは違い、複雑な指示や連携も可能となっている。
一度、分身を出すだけでかなりの魔力が消耗されるため
連続で多数の分身を作り出す事が出来ない。
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/23(金) 21:17:00.01 ID:uhc3RHmJ0
果たしてプロフェッサーは介入できるのか
325 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:39:39.10 ID:iaJnyYBd0
その頃……アリスは街の見回りの為に外を飛び回っていた。
ネット内では行方不明になった人物達の情報からして
一部地域で密集して消えている事件だと噂されている。
アリス(行方不明者は皆、夜の外出中に消えている)
アリス(この時間帯に見回れば何か見つけられるかもしれない)
建築物の屋上から別の屋上へと飛び移りながら進んでいる中
目立たない路地裏を歩く人間を発見した。
帽子にロングコートにグラサンにマスクと、全身を覆い隠した男の姿であった。
アリス(私の感が、あいつは怪しいとビンビンに告げています。追いましょう)
???(…………)
男を追跡する事にしたアリス。
路地裏から出た男が歩き続けて、辿り着いた場所はアンティーク店だった。
男はポケットから鍵を取り出して店内へと入って行った。
アリス(このお店の店長さんでしょうか?)
アリス(……明かりも付けずに何をしているのか気になります……中を確認してみましょう)
アリスは男に気付かれない様、ゆっくりとドアを開けて店内へ入って行った。
お店は何日も営業していないのか商品や棚は少し埃が被っていた。
魔法少女の視力は常人より遥かに優れている。
明かり一つ無い状況でも周りの商品にぶつかることなく奥へ進んでいく。
326 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:40:26.53 ID:iaJnyYBd0
アリス「あの人は……んぐっ!?んんっ!」
背後から何者かがアリスを羽交い締めにして口を塞いだ。
じたばたと暴れて必死に抵抗するアリス。
外見にそぐわないアリスの怪力で拘束が緩んだ所を腹部へひじ打ちを叩き込む。
思わぬ反撃に相手よろけ、距離を取った。
アリス「けほっ……貴方は契約者ですね」
シザース「…………」
アリスに奇襲を仕掛けた者は蟹をモチーフにした
オレンジ色のメタリックボディーに身を包んだ契約者であった。
契約者は何も言わず、ただアリスを見つめていた。
アリス「貴方の目的は分かりませんが人を襲っているのなら私は戦います」
シザース「…………」
契約者は動き出したかと思えば、近くにある鏡に飛び込んで姿を消した。
人目を避けて路地裏を歩いていた男と店内で襲ってきた契約者は恐らく同一人物だとアリスは推測した。
ここら辺を嗅ぎ回られては何か不都合があるから自分を殺しに来たのだと考えた。
327 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:40:58.94 ID:iaJnyYBd0
ドンドンドン
須藤「誰かいるんですか!?出てきなさい!!」
ドアからノックの音がした後、ライトを持った男が店内を覗いていた。
店内の入り口は一つしかなく今にも入ってきそうな男から隠れるのは不可能だと判断し
アリスは男の指示通りに店内から出ることにした。
男は警察手帳を見せて自分の正体を明かした。
男の名は『須藤 雅史』N市の刑事である。
須藤「大きな物音が聞こえたから来てみれば、貴女はここで何をしていたのですか?」
アリス「それは……不審な人が店に入っていくのを見たので追跡を……」
須藤「そうですか。そういう事は我々警察の仕事です。二度とこんな危険な事はしないように」
アリス「はい」
須藤「では、貴女のお家まで送りますのでお名前と連絡先と住所を教えてください」
アリス「大丈夫です。私は魔法少女なので一人で帰れます」
須藤「はいはい、魔法少女でも何でも未成年がこんな時間帯でうろついていれば補導されるんです」
須藤「疑いたくありませんが、貴女がこの店で何をしていたか詳しく知る必要があるんですよ。早くお名前を」
アリス「私の名前はアリス……ハードゴア・アリスです」
須藤「ふざけないでちゃんと答えてください」
アリス「いいえ、ふざけていません」
須藤「……まぁいいでしょう。連絡先と住所は?それは真面目に答えないと保護者の方々に厳しく言ってもらうように忠告しますよ」
アリス(魔法少女の正体を知られる訳には行きません。このまま帰りましょう)
アリス「それは教えることが出来ません。失礼します」
須藤「あっ、こら、待ちなさい!全く……」
アリス(契約者に出会ったことをスノーホワイトに伝えなきゃ)
328 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:41:25.72 ID:iaJnyYBd0
その後、スノーホワイト達と連絡を取ったアリスはアンティーク店に現れた契約者の情報を伝え
またスノーホワイトがミラーワールド内で契約者達に襲われ
契約者になったラ・ピュセルが助けに来た事を知った。
スノーホワイト「そうなんだ……アリスの所にも契約者が……」
アリス「はい。オレンジのスーツを着た契約者でした」
ラ・ピュセル「スノーホワイトだけでなくアリスを襲う契約者も現れるなんて……」
アリス(私も契約者になってスノーホワイトのお役に…)
スノーホワイト「契約者になんてならないで!これはきっと、よくない力だと思うから」
ラ・ピュセル「契約者バトルは最後の一人になるまで戦い続けなければならないと言われているしね」
ラ・ピュセル「もちろん私は契約者バトルに参加するつもりは無い。だけど恐ろしく感じるんだ」
ラ・ピュセル「もし、スノーホワイトが命を落としたら私は願いを叶える為に戦うかもしれないと」
スノーホワイト「ラ・ピュセル……」
ラ・ピュセル「分かってる。そんなことスノーホワイトは望まない、だから絶対に契約者バトルは止める」
アリス(スノーホワイトは死なせません。私が命に代えても守ります)
スノーホワイト「ねえアリス、自分の身を軽く考えるのは止めて、ラ・ピュセルもアリスも失うのはとても悲しくなるから」
ラ・ピュセル「契約者が直接導けば、契約しなくてもミラーワールドへ入れるって私のモンスターが言ってる」
ラ・ピュセル「だからどうしてもアリスが契約者になる必要は無いってさ」
アリス「分かりました。もう契約者になりたいとは言いません」
329 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:41:52.14 ID:iaJnyYBd0
次の日
アリスを襲った契約者が行方不明事件に関わっている可能性があると考えた魔法少女達は
自宅で自殺未遂を起こし、スノーホワイトに契約を譲渡した榊原耕一に接触を図る事にした。
彼なら契約者達の情報を何か知っているかもしれない。
彼の入院していた病院の受付で榊原の容態を訪ねたが既に手遅れだった。
治療を受けて順調に回復していたが、突然ベットから起き上がって鏡やガラスを割りはじめ
窓ガラスを割った勢いそのまま七階の病室から落下して亡くなっていた。
榊原耕一の悲惨な最期が、契約者の顛末を見せられているようでスノーホワイトは恐怖を感じた。
いつか私もこうなってしまうのではないかと。
その様子に気付いたのか、ラ・ピュセルとアリスはスノーホワイトの手を握り「大丈夫」と励ましてくれた。
自分は一人じゃない、仲間がいる、それがとても心強くて温かかった。
次はアンティーク店の調査を開始した。
アンティーク店の店長は加賀友之という眼鏡をかけた中年の男で、しばらく店を開けていないという。
もしかしたら加賀友之が契約者なのかもしれない。
彼を探し出し、契約者かどうかを確かめる必要がある。
行方を見つけるべく、私達はアンティーク店へと侵入し何か手がかりが無いか探す事にした。
330 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:42:26.27 ID:iaJnyYBd0
アンティーク店
ラ・ピュセル「なんだか泥棒してるみたいだな…」
アリス「これも調査の為です。正当な魔法少女活動です」
スノーホワイト「二人とも……あれ」
スノーホワイトが指した壁は他の壁と比べて僅かに色が違っていた。
それに表面が少しひび割れており、後から壁を塗り直したような跡であった。
アリス「壊してみましょう」
ラ・ピュセル「ちょっとアリス!」
ラ・ピュセルが止めるよりも早く、アリスの手刀が壁に刺さり砕いた。
砂山を掘る様にザクザクと壁を掘り進むと壁の破片と共にメガネが床にこぼれ落ちた。
壁を掘っていたアリスの手の上に誰かがぺたっと触れた。
突如触れてきた手の感触にアリスは驚き、後方へ下がった。
スノーホワイト「きゃあ!」
ラ・ピュセル「し、死体!」
アリス「……加賀友之」
壁を掘った事で、中に埋められていた加賀の死体の姿が現れ
支えを失った右腕だけが外に向かって倒れたのだった。
加賀友之は契約者では無かった。
ラ・ピュセル「加賀さんは殺されていた、ということは……」
アリス「私を襲った契約者は、この死体を発見されたくなかった」
スノーホワイト「じゃあ、加賀さんを殺したのはアリスを襲った契約者ってこと?」
そう考えると納得がいく。
契約者は死体を発見されていないか確認のために何度かアンティーク店へ出入りをし
真相を知ろうとする者を見つけ次第、殺害していたのだろう。
ラ・ピュセル「その推測が正しいなら一刻も早く契約者を見つけないと」
アリス「犠牲者はどんどん増えていきます」
スノーホワイト「私の魔法なら犯人を見つけ出せる。必ず捕まえよう!」
331 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/02(日) 04:44:07.93 ID:iaJnyYBd0
今回はここまで
アンティーク店の店長を殺して壁に埋めたり
真相に近づいたアリスに襲い掛かった極悪な契約者は一体誰なんだろうな
332 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:42:00.54 ID:fTRUkqRE0
その後、通報を受けた警察達はアンティーク店で加賀友之の死体を発見。
パトカーが何台も集まり、周囲は封鎖され多数の警官と野次馬が集まっていた。
スノーホワイト達は人目の付かない近くの場所で見張り、心の声を聞き続けた。
犯人が現場に来ているかもしれないからだ。
しかし数時間待ったが犯人らしき人物の心の声は聞こえなかった。
スノーホワイト「駄目……犯人は来ていないみたい」
ラ・ピュセル「犯人は必ず一度、現場に戻るというけど上手く行かないか」
アリス「私達の行動に気付いているのかもしれません」
ラ・ピュセル「これ以上は収穫が無さそうだから別の場所を探そう」
スノーホワイト「……うん」
ラ・ピュセル「落ち込まないでスノーホワイト、犯人は確実に追い詰められてる筈だから」
アリス「時期に尻尾を見せる筈です」
スノーホワイト「二人とも……ありがとう」
333 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:42:39.10 ID:fTRUkqRE0
夜
街の探索を続けたが、一向に犯人の情報は掴めなかった。
夜も遅くなり、また明日に活動を再開しようかと提案を出した所で女性の助けを求める声が聞こえた。
『いや!離して!』『誰か、助けてぇ!』
スノーホワイト「近い、二人とも来て!!」
ラ・ピュセル「ああ!」
アリス「すぐに助けましょう」
スノーホワイトが向かった先にはロングコートを着て帽子とグラサンで顔を隠した男がいた。
男の手には意識を失った若い女性を抱えている。
犯行を見られた魔法少女達に対し、男の焦燥した心の声が漏れた。
『くっ…見つかってしまいました』『仕方ありません。彼女達も始末しましょう』
アリス「彼です。私に襲い掛かってきたのは」
スノーホワイト「アンティーク店で加賀さんを殺したのも貴方ですか?」
男「…………」
『そんな事まで知っているのですか』『尚更生かしておく訳にはいきませんね』
男は言葉を発さない、だがその邪悪な思考は心の声となってスノーホワイトの耳に届く。
間違いない、一連の犯行は彼の仕業である。
スノーホワイト「二人とも!!加賀さんを殺したのはあの人で間違い無い!!」
ラ・ピュセル「犯人め!素顔を見せろ!!」
男「……!?」
334 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:43:10.22 ID:fTRUkqRE0
ラ・ピュセルの手から突風を発して、男の防止とグラサンを吹き飛ばした。
男の素顔が晒され、アリスは気付いた。
アリスにとって男は一度、出会った事があるからだ。
アリス「昨日の刑事さん」
須藤「……やれやれ、バレてしまいましたか。流石は魔法少女、といった所でしょうか」
スノーホワイト(あれ?あの刑事さんとはどこかで会ったような……)
須藤「すぐにでも貴女達を始末しておきたい所ですがこの数では分が悪いですね」
ラ・ピュセル「逃げられると思っているのか!」
須藤「逃がすつもりは無いと……ではこうするのはどうでしょう?」
須藤は気絶した女性の首を掴んで魔法少女達に見せつけるようにかざした。
首を掴まれた女性はうめき声をあげて苦しんでいる。
須藤「貴女達が下手な動きをすると私は彼女の命を奪います」
ラ・ピュセル「くっ、卑怯だぞ!」
須藤「生憎、私は卑怯もラッキョウも大好物なんですよ」
刑事A「そこまでだ須藤!」
刑事B「大人しく投降しろ!」
須藤「何ですか?一体」
刑事A「加賀友之の店内で我々警察署の押収物がいくつか発見された」
刑事A「そして加賀友之とお前が何度か接触している証拠も掴んでいる」
刑事A「加賀友之の殺害及び、押収品横流しの容疑でお前を逮捕する!」
刑事B「余計な抵抗はするな!」
須藤「そこまで調べが付いていましたか。元はと言えば加賀の奴が分け前をもっと寄こせだなんて言うから」
須藤「頭に来て、つい殺してしまったんですよね。馬鹿な男ですよ加賀は」
刑事B「白状したな」
須藤「本当は死体をミラーワールドの中へ破棄したかったんですよ」
須藤「でも時間が経った死体はミラーワールドへ入れられないみたいでね」
須藤「おかげで私の足が付く結末になってしまいましたよ」
刑事A「何を言っている?須藤」
335 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:44:01.77 ID:fTRUkqRE0
須藤の言葉は刑事達にでは無く、魔法少女達に語り掛けていた。
追い詰められている筈の須藤の表情は未だに余裕を保ち、笑みさえ浮かべている。
スノーホワイトは気付く、その笑みの意味を、これから始めようとする凶行を。
須藤「ですが私はこんな所で捕まる訳には行きません!!」
須藤「契約者バトルで私は勝ち残るのです!!」
刑事A「早く人質を解放して手をあげろ―ッ!!」
スノーホワイト「逃げてッ!!刑事さん!!」
須藤は人質にしている女性を魔法少女達に向けてぶん投げた。
ラ・ピュセルが女性を受け止めてる間に須藤は刑事達の方向へ振り向き
手の甲に刻まれたエンブレムを輝かせ、仮面契約者シザースに変身した。
シザースが二人の刑事の首を掴み、生命力を根こそぎ奪い取りながら
近くにあるガラスに向かって飛び込み、ミラーワールドへと逃亡した。
ラ・ピュセル「あいつ、なんてことを!」
スノーホワイト「アリス!この人を病院へ!」
アリス「分かりました」
スノーホワイト「行こう、ラ・ピュセル!」
ラ・ピュセル「ああ、絶対逃がす訳には行かない」
336 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:44:35.20 ID:fTRUkqRE0
ミラーワールド
シザースを追いかけてミラーワールドへ入った二人が目にした物は
大量のミラーモンスターがシザースの元へ集まって何かをガツガツ食べている姿であった。
よく見るとミラーモンスターが食べているのは先ほどシザースが引きずり込んだ二人の刑事だった。
次々に刑事の死体に食らいついたミラーモンスターは獲物を奪い合う様に引っ張り合い。
全身がバラバラに千切れ、あっという間に食いつくされた。
スノーホワイト「酷い……」
シザース「来ましたか。この子達は私の契約モンスターではありませんが」
シザース「魂喰いをした後の死体を捨ててる内に懐いてしまいましてね。私の事を飼育員とでも思ってるんでしょうかね」
シザース「まぁ私としても、死体のリサイクルになり、戦力も増えて一石二鳥ですけどね」
ラ・ピュセル「ふざけるな!!あんたみたいな奴は私は絶対許さない!!」
シザース「ならば力を示す事ですね。力無き正義は無力ですよ」
シザース「さぁミラーモンスターの皆さん、ご馳走ですよ。彼女達を喰らいなさい!!」
シザース「ここは彼らに任せて私は退散しましょう」
ラ・ピュセル「シザースを逃がす訳には行かない!スノーホワイトは先に向かうんだ!」
スノーホワイト「でもラ・ピュセルが……」
ラ・ピュセル「大丈夫、私の魔法は多数の敵を倒すのに向いているから」
スノーホワイト「……気を付けてね!」
ラ・ピュセル「こいつらを片付けたらすぐに追いかけるさ」
シザースを追いかけるスノーホワイトに襲い掛かろうとするミラーモンスター達が風の斬撃によって斬り裂かれた。
ラ・ピュセルの剣の魔法とファムの風魔法は相性が良く、組み合わせた攻撃は強力な切れ味を誇っていた。
337 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:45:38.73 ID:fTRUkqRE0
ラ・ピュセル「スノーホワイトが心配だからね。悪いけど一気に決めさせてもらう!うおおおおおおお!!」
ラ・ピュセルはファイナルベントを発動させた。
竜巻がミラーモンスター達を襲い、上空へと巻き上げる。
ラ・ピュセルの剣が巨大化し、竜巻によって落下場所を固定されたミラーモンスター達は
一刀によって全てが真っ二つに切断された。
インペラ―の時は峰内によってダメージを抑えたが、これが本来のミスティ―スラッシュの威力である。
ラ・ピュセル「ミラーモンスターは倒した。早くスノーホワイトを追いかけなきゃ」
スノーホワイト「…………」
ラピュセル「スノーホワイト?シザースは…?見失ったの?」
スノーホワイト「ラ・ピュセル……」
ザシュッ
スノーホワイトの手に持っていたドラグセイバーがラ・ピュセルの胸を突き刺した。
一撃で心臓を貫き、致命傷を受けたラ・ピュセルは何一つ抵抗出来ないまま地面に倒れ伏した。
必死に目を動かしたスノーホワイトの顔を見上げると、彼女は死に行く自分を嘲笑った表情をしていた。
ラ・ピュセル(小雪……?違う、小雪じゃない……)
ラ・ピュセル(逃げて……小雪、このままじゃ、僕だけでなく、小雪も……殺され………)
仮面契約者ファム、ラ・ピュセル 死亡
338 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/04(火) 04:47:33.18 ID:fTRUkqRE0
今回はここまで
まほいくキャラで最初の死亡者が出ました
ラ・ピュセルくんを暗殺した奴は一体何アーサーなんだ……
339 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:15:56.22 ID:VBckhTQl0
その頃
シザース(ここまで逃げれば十分ですね。もう追いかけっこは止めましょう)
『ストライクベント』
スノーホワイト(!?)
シザース(理解出来ましたか?一対一に持ち込むために逃走をしていただけなんですよ)
スノーホワイト(来る……防がなきゃ!)
『ガードベント』
シザースの攻撃をスノーホワイトはドラグシールドで受け止め続ける。
ファントムやミラーモンスターとは違い、中身が人間である契約者を殺害する覚悟は
スノーホワイトにはまだ持てる事が出来ずにいた。
シザースの猛攻にダメージは蓄積していき、ついに盾が弾き飛ばされた。
シザース(戦う覚悟が無いならこのまま死になさい!)
スノーホワイト(う、うわあああああ!!)
『ソードベント』
カキン!
スノーホワイト(あうっ…)
シザース(死にたくない、程度の意思で武器を振った所で明確な殺意を持った私には勝てませんよ)
スノーホワイト(本気で殺すつもりじゃないと勝てない……でもそんなの……)
シザース(貴方は契約者に相応しくない。さよならです)
340 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:16:24.66 ID:VBckhTQl0
『ナスティベント』
シザース(…っ!?)
ウィンタープリズン(ここは下がれスノーホワイト、奴の相手は私がする)
スノーホワイト(私は……)
ウィンタープリズン(お前は契約者バトルを止めたいんだろう。ここで奴に殺されるべきではない)
シザース(邪魔者が増えましたか。ならば先にナイトから始末してあげましょう)
ウィンタープリズン(出来る物ならやってみろ!)
『ソードベント』
ナイトとシザースの武器がぶつかり合い、火花が散った。
何度か斬り合った後にウィンタープリズンは魔法を使い、壁を生やしてシザースを翻弄し
隙を付いてウィングランサーの突きをシザースに食らわせ吹き飛ばす。
ウィンタープリズン(今だ!)
好機と見たウィンタープリズンの追撃がシザースに迫る。
突如、シザースの目の前で巨大な泡が浮かび上がり、ゴムのような弾力でウィングランサーを押し返した。
ウィンタープリズン(泡だと!?)
シザース(魔法を使えるのは貴女だけでは無いんですよ)
今度は小さな泡がマシンガンのように高速で射出され
ウィンタープリズンに直撃し、次々と爆発が起きた。
341 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:16:57.72 ID:VBckhTQl0
ウィンタープリズン(ぐっ…そんな隠し玉を持っていたか)
シザース(最初はそんな大した泡が作れなかったんですけどね)
シザース(何人も、何十人も、人間の魂を喰らい続けている内にこれだけの魔法を得ることが出来ました)
シザース(私は、更に強力な魔法を手にして見たい……更に人を喰らいたいんですよ……)
ウィンタープリズン(残念だが、そのお前の望みは叶わない。お前はここで死ね!!)
『トリックベント』
シザース(決める気ですね。返り討ちにしてあげましょう)
5体に増えたウィンタープリズンがシザースに向かって特攻をする。
シザースは魔法の泡をバリア代わりに周囲に展開し、迎え撃つ。
トリックベントによる分身達が泡に衝突に次々と爆発を起こす。
爆炎に包まれたこの瞬間を狙い、二人は同時に切り札を発動した。
『ファイナルベント』
『ファイナルベント』
マントに包まれドリル状になったウィンタープリズンと
泡のクッションをジャンプ台に跳躍し回転したシザースのファイナルベントがぶつかり合う。
五体満足で着地するシザースと全身から血を流して地面に倒れ落ちるウィンタープリズン。
互いに切り札を使った勝負はシザースに軍配が上がった。
342 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:17:47.44 ID:VBckhTQl0
ウィンタープリズン(うぐっ…ごほっ…)
シザース(貴女も人間の魂を喰らい続けていれば結果は違っていたでしょうに、残念でしたね)
『ストライクベント』
シザース(何っ!?)
火球がシザースに直撃し燃え盛る。
ウィンタープリズンを殺させない一心でスノーホワイトが放った攻撃だ。
シザース(ほう、なかなかの攻撃ですね。ですが私には聞きませんよ)
スノーホワイト(そんな……)
シザースの鎧から小さな泡が次々と生産され
ドラグクローファイヤーから放たれた炎を殆どシャットダウンしていた。
スノーホワイト(戦わなきゃ……皆が死んじゃう……そうちゃんも、ウィンタープリズンさんも……)
『ファイナルベント』
スノーホワイト(戦わないと……戦わないと……うわあああああああああ!!!!)
シザース(このパワーは、まずい!)
『ガードベント』
空高く跳躍したスノーホワイトの周囲に炎の奔流が生まれ
炎の勢いに身を任せてシザースに向かって特攻した。
爆発的な破壊力によってシザースのシェルディフェンスを弾き飛ばし
蹴りがボディにめり込み、オレンジの鎧に亀裂を走らせた。
スノーホワイト(……!?私は、私は何でこんなことを……)
他の魔法少女達がシザースに殺される事を考えた瞬間に頭が真っ白になった。
気が付いたらファイナルベントが既に発動された後であり
目の前にはひび割れた鎧の隙間から血がドクドクと流れているシザースが倒れていた。
自分が怖くなった、無意識に人を傷付けていた自分の行動が。
これが契約者になった者の性なのかと。
343 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:18:41.65 ID:VBckhTQl0
シザース(ぐぐっ…私が貴女みたいな人に、ここまでやられるとは…)
スノーホワイト(生きていた!?……良かった……)
シザース(何を喜んでいるんです……戦いはまだ終わってませんよ)
スノーホワイト(もう止めてください!!どうしてそんなに力にこだわるんですか!?)
シザース(どうして?それを貴女が言いますか……)
『元はと言えば力を求める原因を作ったのは貴女ですよ』『力の無い者は何もするなと教えたのはね』
シザースの心の声が流れてきた。
それは須藤雅史の嘘偽りの無い、心からの叫びだった。
スノーホワイト(まさか、刑事さんは……必死にファントムと戦っていたあの……)
シザース(ええ、無様に正義を信じて無駄に足掻いていたその刑事ですよ!私は!)
スノーホワイト(どうしてです?なんであの優しい刑事さんがこんな酷い事を!)
シザース(心底がっかりしたからですよ。警察に関しても、力を持たなかった私自身に対してもね!)
シザース(ファントムのような恐るべき脅威からは目を反らし、弱者を救わず、金や権力を持つ悪人の肩を持つ)
シザース(そんな警察側に正義があると本気で信じていたんですよ私は、おかしな話でしょう)
シザース(そして私は気付いたのですよ。世の中は他人を蹴落とし、ずるく、賢く生きるべきだとね)
シザース(他の生物だってそうです。弱肉強食こそ世の摂理なのですよ)
シザース(だから私は決めました。他者を喰らい、全ての頂点に立とうと、その為ならどんな悪事だって働きましょう)
スノーホワイト(刑事さん!!お願い……元の優しい刑事さんに……)
シザース(無駄ですよ!力の無い者の言葉では私は止まりません!)
スノーホワイト(……っ!)
シザース(ごぼっ)
シザースの巨大な鋏がスノーホワイトに振り下ろされる寸前に
背後から突いたウィングランサーがシザースの身体を貫いた。
344 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:19:37.10 ID:VBckhTQl0
ウィンタープリズン(はぁ……はぁ……)
スノーホワイト(刑事さん!!)
シザース(……愚かな娘ですね。私は、貴女を殺そうとしたのに……)
スノーホワイト(きっと……きっとまたやり直す事が出来ます!)
シザース(ありえません……私は、余りにも、手を汚しすぎました…)
シザースの変身が解け、須藤雅史の姿に戻った。
身体から粒子が放出され、徐々に姿が薄くなっていく。
須藤(せいぜい、貴女は……私みたいにならずに、正義の道を、進み…続けて、ください…)
スノーホワイト(刑事さん…)
須藤の身体が完全に消滅した。
スノーホワイトは彼の死に際に語った最後の言葉を決して違えないよう生きる事を強く決心した。
その時、スノーホワイトは気付いた、未だにもう一人の魔法少女が合流していない事に
スノーホワイト(……ラ・ピュセル!ラ・ピュセルの所に行かないと!)
ウィンタープリズン(彼女もミラーワールドに来ているのか?)
スノーホワイト(はい!)
二人はラ・ピュセルを探しに走り出した。
嫌な予感がスノーホワイトの脳裏に過った。
それが最も最悪な形で的中する事になった。
345 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:20:19.29 ID:VBckhTQl0
颯太「」
ラ・ピュセルの変身前の姿である、岸辺颯太の死体が放置されていた。
刃物のような鋭い武器で心臓部分を貫いた外傷がある。
それが彼の死因であった。
スノーホワイト(そんな……そうちゃん……)
ウィンタープリズン(遅かったか……ラ・ピュセル……)
スノーホワイト(気付いていたんですか?)
ウィンタープリズン(ああ、過去に一度、元の姿を見た事がある)
スノーホワイト(ううっ…そうちゃん……私も残って一緒にミラーモンスターと戦っていれば……)
ウィンタープリズン(……違う。ラ・ピュセルはミラーモンスターに殺されたのではない)
スノーホワイト(えっ……?)
ウィンタープリズン(ミラーモンスターは私達を捕食する存在だ)
ウィンタープリズン(それが彼の胸だけを貫いただけで死体を放置する筈が無い)
ウィンタープリズン(つまりこの場には私達とシザース以外にも契約者が潜んでいたのだ)
スノーホワイト(そうちゃんが……契約者に……ううっ)
颯太「」
颯太の死体から粒子が漏れる、シザースの時と同様に。
ミラーワールドに死体は残らない、まるで初めから存在しなかったかのように細胞一つ残らず消滅する。
346 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:21:02.66 ID:VBckhTQl0
スノーホワイト(嫌だ……そうちゃん!消えちゃ嫌だよ!そうちゃああん!!)
颯太の肉体が消失していく事実に耐え切れないスノーホワイトは颯太の死体を抱えて走り出した。
死体はまるで中身が空っぽのように体重が軽かったのがとても悲しかった。
既にそれほどまでに存在が消えていたのだ。
ガラスの前に到着した頃には颯太の死体は完全に消えてしまった。
もう颯太の肉体はどこにも存在しないのだ。
スノーホワイト(そうちゃん、そうちゃん、そうちゃん……お願い、戻ってきて……そうちゃん!!いやあああああああ!!)
ウィンタープリズン(……辛いが、もう戻ろう。活動限界時間だ……)
スノーホワイト(待って!まだそうちゃんが帰ってきてない!)
ウィンタープリズン(もうラ・ピュセルは戻らないんだ!分かるだろ!)
スノーホワイト(いやだぁ!!そうちゃん!そうちゃあああん!!)
ウィンタープリズン(ラ・ピュセルの分まで生きなければ彼は無駄死になるぞ!)
スノーホワイト(…っ!!うっ、ううっ……)
ウィンタープリズンの手に引っ張られてスノーホワイトはミラーワールドから生還した。
しかし、その犠牲は決して小さな者では無かった。
仮面契約者シザース、須藤雅史 死亡
347 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/10(月) 10:24:31.96 ID:VBckhTQl0
今回はここまで
ゲーム版でボルキャンサーが泡を吐いていたので
シザースを泡魔法の使い手にしました
このSSで蟹刑事が闇落ちしたのはまほいく世界での警察の扱いが存外なせいでもある
次回は悪徳弁護士が出てきます
契約者紹介
仮面契約者 シザース
装着者 須藤雅史
魔法
色んな特性を持つ魔法の泡を作り出せるよ
魔法説明
体から泡を精製して飛ばす事が出来る。
応用性は高く、衝撃を吸収、ジャンプ台、爆弾、熱を防ぐ等
状況によって色んな性質の泡を使い分けられる。
見た目はどれも同じ泡なので他者が外見で判別するのは難しい。
348 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:26:31.17 ID:1o2Zwag/0
ラーワールド 教会
教会内にある無数の鏡からは、契約者達の戦いの姿が記録として映し出されている。
その中でラ・ピュセルとシザースが戦いに敗れる場面も映っていた。
黒い影(二人の契約者が脱落した、か)
ドラグブラッガー()
黒い影の周囲を旋回しながらドラグブラッガーは映像を見つめていた。
まるで死に行く契約者達の姿を見てほくそ笑むように唸り声をあげている。
黒い影(お前は早く契約者を見つけこい。お前を除き、全ての契約者は揃ったのだ)
黒い影(余計な邪魔が入る前に、戦いを終わらせなければならない)
既に殆どの契約者は決まり、至る所で契約者バトルが始まっている。
だが契約モンスターに選ばれたミラーモンスターの中でドラグブラッガーだけは
未だに契約者を見つけ出せないでいた。
ドラグブラッガーは好き嫌いが激しいために、彼の食指に合う契約者で無ければ
一向に契約するつもりは無いのである。
黒い影(サバトと同じ失敗を繰り返す訳には行かない)
黒い影(何としてでも蘇らせてみせるぞ……暦)
オーディン()
ミラーワールドの案内人である黒い影にも願いは存在している。
願いを叶える為に用意された契約者、オーディンを従え、ただ期を待つのであった。
349 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:27:04.65 ID:1o2Zwag/0
橋の下
真琴「あれ?おっちゃーん!……ねえ、この辺に住んでたおっちゃん知らない?」
ホームレスA「そういや最近見ないねえ」
ホームレスB「どこか仕事先でも見つかったんでべか?」
真琴「そっか、ありがと。じゃまたね〜」
真琴「仕事が見つかったんだとしたら喜ばしいわね。私も頑張りますか」
魔法の国、戦極凌馬の研究所
魔法少女「これが笛木の研究所から発見された資料です」
凌馬「ご苦労様、君達の働きで得た情報は私が有効に活用しよう」
魔法少女「大変だったんですよ。いきなりアラームが鳴ったと思ったらカプセル内のファントム達が動き出したり」
魔法少女「ファントムを捕食する別のファントムが乗り込んで来たりでもう……」
凌馬「私が言った通り、魔王塾から用心棒を雇って正解だったでしょ」
魔法少女「それはそうですが戦いの余波で怪我人も出たんですからね」
凌馬「ふむふむ……ほう、これは興味深い……」
魔法少女「駄目だ。資料を読むのに夢中になってる。では失礼します」
資料にはミラーワールドの情報が書かれていた。
凌馬は最初、ミラーワールドは笛木によって作られた世界だと想定していた。
事実は違っていた、ミラーワールドは遥か昔から存在していた。
どうして存在しているのかは笛木ですら掴めていなかったようだが
錬金術が栄えた時代には既に存在していたらしい。
つまり契約者バトルは昔から行われていたのだ。
契約者の力の研究資料にも目を通した。
そこは凌馬の好奇心を大いに刺激させた。
笛木は契約者を独学で開発、量産する事で願いを叶えようとしていたようだ。
350 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:28:02.17 ID:1o2Zwag/0
凌馬(なるほど、白い魔法使いは元々、仮面契約者の構造を参考にして開発されていたのか…)
凌馬(ファントム同様に人工的にミラーモンスターを製造すれば、契約者の力を得る事も理論上は可能)
凌馬(それがオルタナティブ計画か。非常に面白い……)
笛木の資料が確固たる証拠となりミラーワールド内で行われている契約者バトルの存在は
より明白に知られることになった。
しかし良いニュースばかりではない、契約者バトルによって一人の魔法少女が命を落とす惨事が起こった。
上層部は速やかに事件を解決するべく、対応を急がせたのであった。
ブラッドレイ「ケイネス君、お主は依然、N市の事件に関わりがあり現地の魔法少女達とも親しい立場だ」
ブラッドレイ「此度の事件の調査及び解決の任を命ずる。大変だろうが頼むぞ」
ケイネス「はっ!必ずや任務を遂行してみせましょう!」
ケイネス(この任務、例え命じられなかったとして、志願してでも私は参加するつもりだ)
ケイネス(こんな事、暦が望むとでも思っているのか?笛木め……)
笛木の蛮行を知り、怒りを燃やしながら廊下を歩くケイネス
彼の行く先を待ち受けるように戦極凌馬は立っていた。
ケイネスと対照的に凌馬はとても嬉しそうな表情をしている。
凌馬「やぁケイネスさん、またN市に行くようだね」
ケイネス(毎度毎度、耳が早いことだ)
凌馬「この先、契約者との戦闘もあるだろう、このエンブレムを受け取りたまえ」
ケイネス「貴様の力を借りたくないんだがな」
凌馬「まぁそう言わずに、これは身に着けてるだけで他の契約者の存在を探知できる道具なんだ」
凌馬「残念ながらミラーワールド内に侵入する効果は付属できなかったが外の世界で戦うなら問題無いだろう」
ケイネス「……分かった。ありがたく使わせてもらおう」
凌馬「理詰めで説明すれば聞き入れてくれる、その冷静な判断力は好きだよケイネスさん」
ケイネス「随分楽しそうじゃないか。こんな事態になっているというのに」
凌馬「『こんな事態』だからだよ、そうでも無ければこういった研究はとても出来ないからね」
ミラーワールドなんて本来なら禁忌として研究するだけで処罰される案件である。
今は事件の対応の為の解析として許されているだけなのだ。
賢者の石、聖杯など悪用すれば世界を傾けるような危険な物は存在するべきではない。
魔法の国ではそれが信条とされている。
事実、800年前にはとある小国の錬金術師達が作り出した兵器を用いて
神になり世界を支配しようとした王が存在した事件も起きていた。
凌馬「もしそんな法が生まれずに聖杯なんて作られていたらケイネスさんも戦死しただろうね。あっっっっっさりやられて」
ケイネス「喧嘩売ってるのか?お前は」
351 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:28:37.06 ID:1o2Zwag/0
その頃、王結寺では
ウィンタープリズン「私を呼び出して何の用だ?」
ルーラ「単刀直入に言うわ、貴女、私に協力しなさい」
ウィンタープリズン「悪いが君達に手を貸す暇は無い」
ルーラ「貴女は私達に借りがあるわよね、それを返す義務があるわ」
ウィンタープリズン(透明外套の件か)
ルーラ「心配しなくても時間は取らせない、一度ミラーワールドの案内をするだけでいい」
ウィンタープリズン「……それだけで済むなら手を貸そう」
ミナエル「張り切ってるね〜ルーラ」
ユナエル「この事件を解決するのはルーラチームだ!って言ってるもんね〜」
たま「でもでも……ラ・ピュセルが死んじゃったんだよ……私達で出来るのかな?」
スイムスイム「大丈夫、ルーラの言う事に間違いは無い」
N市の魔法少女達に最初の任務が届いた。
ミラーワールド事変を解決せよという指令だ。
それを受けて真っ先に行動を開始したのはルーラチームだった。
契約者であるウィンタープリズンの力を借りてミラーワールドへの侵入を試みるのであった。
ルーラ(ファントム事件ではそれほど目立った活躍は出来なかったけど)
ルーラ(今度こそ私達チームの有能さをアピールする時よ!)
ミナエル「すっごいやる気だねルーラ、目が炎になってるよ」
ユナエル「やる気満々だねー」
スイムスイム「ルーラ、素敵」
たま「大丈夫かな…」
352 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:29:24.58 ID:1o2Zwag/0
ミラーワールド
ウィンタープリズン(着いたぞ。どこに敵が潜んでいるか分からない、迂闊に動き回るなよ)
ルーラ(任せなさい、渡された情報はしっかり目を通してあるわ)
たま(ルーラ!あれ……)
ゾルダ(おやおや、魔法少女がこうもごちゃごちゃと、うっとおしいねぇ)
ルーラチームは緑の装甲を身に纏った契約者ゾルダと遭遇する。
ゾルダは魔法少女達に向かってマグナバイザーを構えると引き金を引いた。
ミナエル(うわぁ!撃ってきた!)
ユナエル(ルーラ、どうする?)
ルーラ(昨日伝えた作戦通りにやるわよ。スイムスイム!)
スイムスイム(……)
ゾルダ(蜂の巣になりなよ)ズドドド
スイムスイム(効かない…)
ゾルダ(ちっ、面倒だな)
『シュートベント』
ゾルダの両肩にビーム砲『ギガキャノン』が装着される。
両肩から放たれたビームがスイムスイムに向かって放たれた。
スイムスイム(ぐっ…!?)
ゾルダ(どうやらこの攻撃は通じるようだね。決めさせてもらうよ)
ミナエル(させるかぁー!)
ユナエル(うちのスイムスイムに何すんだてめー!)
353 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:29:51.94 ID:1o2Zwag/0
バグに変身したミナエルがチェーンソーでゾルダの身体を斬り裂き
チーターに変身したユナエルが爪や牙を用いて飛びかかる。
二人の攻撃でひるんだゾルダだったが、重戦車のような装甲と火力を持つ彼に対して有効打にはならず
双子天使の動きを見切って迎撃していった。
ミナエル(わぁー!)
ユナエル(きゅう……)
ゾルダ(まぁ君達にしては頑張った方なんじゃないかな)
たま(えーい!)
ゾルダ(何!?)
突如、地面に大穴が開いた。
ゾルダは穴に落ちる寸前に飛ぶことで地面を掴んでよじ登る事に成功した。
よじ登った先には透明外套を身に纏ったルーラが先回りしていた。
ルーラ(ルーラの名の元に命ずる)
ゾルダ(いつの間に…!)
ルーラ(降伏し貴方の持つ個人情報を全て教えなさい!)
ゾルダ(誰がそんな事……俺の名前は北岡秀一、30歳、仕事は弁護士をしている)
彼の意思とは裏腹に名前、住所、連絡先などあらゆる個人情報が
包み隠す事など全て防露されていった。
ウィンタープリズン(なかなか恐ろしい魔法だな。ルーラは)
ゾルダ(くそ!何で俺がお前らにそんな情報を……)
ルーラ(これで目的は果たしたわ。次は外の世界で会いましょう)
ゾルダ(何だって!?)
ルーラ(お前ら、退散するわよ。じゃあ外への案内頼むわねウィンタープリズン)
ウィンタープリズン(分かった)
スイムスイム(ごめんなさいルーラ、途中でやられちゃって)
ルーラ(気にするな。それぐらいの事故は想定範囲内だ)
ミナエル(それにしてもスイムスイムにもすり抜けない攻撃があるんだね)
ユナエル(ビーム系の攻撃は当たるっぽいね)
たま(でも大きなケガしなくて良かったよ)
354 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:30:23.07 ID:1o2Zwag/0
北岡の家
ウィンタープリズンの手引きでミラーワールドから脱出したルーラチームは
仮面契約者ゾルダの装着者である北岡秀一の自宅へと早速訪問するのであった。
ピンポーン
ルーラ「先ほど貴方と戦った魔法少女よ。入れてちょうだい」
インターホンからルーラが名乗りあげ、数秒経ってからドアのロックが解除された。
ルーラ達の侵入が許可されたのだ。
ルーラ「お邪魔するわよ」
北岡「いらっしゃい、魔法少女さん達」
北岡はランチを取っていた。
ランチと呼ぶには豪華すぎるフレンチで
フォアグラを重ねたステーキの上にたっぷりと生ウニがかかっている。
双子天使が「お゛い゛し゛そ゛う゛」言いながら唾を飲んでいる。
ルーラ「…………っ!!」
ルーラは一瞬、心を奪われかけた。
今まで出会った人間の中で北岡は最も整った容姿をしていたからだ。
すらりとした長身で小さな顔、彼自身が美術品と呼んでも過言ではない綺麗な造形をしている。
外見だけでなく立ち振る舞いや仕草の全てが気品に満ちており、生まれ持った資質の違いを理解させられた。
容姿端麗とされる魔法少女達ですら、彼の持つ美しさの前では引き立て役に落ちてしまう。
それが北岡秀一である。
355 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:31:45.75 ID:1o2Zwag/0
ルーラ「単刀直入に言うわ。私達は契約者バトルを阻止するために来たの」
ルーラ「だから貴方もすぐに戦いを棄権する事、いいわね?」
北岡「悪いけど、それは出来ない相談だね」
ルーラ「どうして?他の人を殺してまで叶えたい願いがあるって言うの?」
北岡「ああ、あるね」
たま「自分の願いの為に人を殺すなんてそんなのよくないよ…」
北岡「世の中にはね。正しい事なんか何も無いんだよ。犬のお嬢ちゃん」
ミナエル「こんな何でも買えそうな良い暮らししてる癖に何が欲しいんだよ!」
ユナエル「欲しいんだよ!」
北岡「確かに俺は何でも持っている、見ての通り容姿端麗、頭脳明晰、年収も君達より遥かに多いだろう」
北岡「彼女も8人ほどいて、そっちの方面でも全く不自由していない」
北岡「父方のご先祖は旧華族の出身で血筋も申し分ない」
北岡「仕事も順調で若手弁護士の中では間違いなく俺がナンバーワンだ」
北岡「人は俺を天才と言うが俺に言わせればそれはまだ控えめな褒め言葉で本当は大天才と言って欲しい」
北岡「そんな完璧な俺でさえも一つだけ手に入らない物があるから俺は契約者になったんだ。それは」
ルーラ「永遠の命、とでも言った所かしら?」
北岡「君はなかなか冴えてるね、俺という存在はこの日本にとって、いや世界にとって多大な価値のある宝だ」
北岡「たかが十数人の命でそれが存続出来るなら、これ以上に無いほどお得な条件じゃないか」
北岡「理解出来たなら、君達も俺が勝ち残る為に協力してくれるとありがたいんだけどね」
ルーラ「それは出来ないわね。魔法少女としての任務が最優先よ。長生きしたかったら健康にでも気を遣う事ね」
北岡「…交渉は決裂か」
吾郎(…………)
たま「ひっ!」
北岡の秘書兼執事兼料理人の由良吾郎が北岡を庇うように魔法少女達の前に現れた。
たまが小さな悲鳴をあげる、それは無理もない事であった。
ルーラが今まで出会った人間の中で、最も醜い容姿をしていたからだ。
その醜い風貌から発せられる威圧感は魔法少女ですら怖気づいてしまう。
吾郎の顔をより不気味に見せているのは紫色の分厚い唇だった。
吾郎は喋る事が出来なかった、その唇は金色の糸で縫合されていたからだ。
356 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:32:54.97 ID:1o2Zwag/0
北岡「大丈夫だよ。下がって吾郎ちゃん」
吾郎(はい、先生)
北岡「このまま突っぱねても、また君達が妨害するだろうし」
北岡「俺の言う条件を聞き入れてくれたら、俺も契約者バトルを諦めるよ」
ルーラ「何?その条件って」
北岡「俺はある契約者に手を焼いていてね、そいつに契約者バトルを諦めさせるよう説得出来たら君達に従おうじゃないか」
そう言って北岡はメモとペンを用意してさらさら〜と住所と行き方の地図を書いてルーラに手渡した。
ルーラ「山に住んでいるの?分かったわ、その代わり約束を違えたら」
北岡「約束は守るよ。なんなら誓約書でも作ろうか?」
ルーラ「そこまではしなくていい。行くわよ貴女達」
スイムスイム(……なんかこの人、嫌い)
その後
吾郎(先生が渡したメモに書かれてる人って…)
北岡「浅倉威だよ。あの怪物を説得なんて俺でも不可能さ」
北岡「魔法少女達が浅倉をどうにか出来ればそれで良し、魔法少女達が殺されたとしても煩いのが消えるだけってね」
吾郎(先生……素敵です!)
357 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/15(土) 21:34:11.12 ID:1o2Zwag/0
今回はここまで
スイムスイムが北岡先生の事嫌いなのは
「お姫様ってのはさ…お姫様になろうとした瞬間に失格なのよ、つまりお前は最初っからアウトって訳」
と煽りそうな人だから
契約者紹介
仮面契約者 ゾルダ
装着者 北岡秀一
魔法
様々な重火器が使えるよ
魔法説明
火力に物を言わせた強力な武器を駆使して戦うことが出来る。
遠距離攻撃は勿論の事、近接用の武器や盾も装備可能。
特にファイナルベントは契約者の中でも最大火力を誇る。
ただしモンスター以外の殺傷率は物凄く低い。
358 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/18(火) 13:07:57.74 ID:+9mlcSVz0
北岡に渡された地図の場所
たま「うわぁ!ムカデふんじゃったぁ!」
ミナエル「うぎゃー!クモの巣引っかかった!」
ユナエル「本当にこんな山奥に人が住んでんのー?」
ルーラ「取り合えず行って見ないと判断は出来ないわね」
スイムスイム「もし嘘だったらあいつ許さない」
浅倉「……」ZZZ
ミナエル「寝てる、こいつが契約者」
ルーラ(どこかで見たような……)
ユナエル「おーい!お前起きろー!」
たま「きゃあ!!」
ルーラ「どうした、たま?」
たま「あ、あれぇ……」
たまの指した方向には焚き木の上に渡された鉄串があった。
鉄串には三匹の犬の首が刺さっていて、周辺には肉のこびり付いた無数の骨が散らばっている。
359 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/18(火) 13:08:30.66 ID:+9mlcSVz0
スイムスイム「あの人、犬食べた?」
ミナエル「うげげげぇ〜」
ユナエル「おい!犬食い男!早く起き」ガシ
浅倉「なんだぁ?お前ら……」
ユナエル「ギャー!!放せぇー!!」
たま「ユナちゃん!」
ルーラ「私達は契約者バトルを止めるためにやってきた魔法少女よ」
ルーラ「貴方は契約者ね?速やかに戦いを中止するよう伝えに来たの」
浅倉「魔法少女……?はははぁ……お前達もそうか」
浅倉は彼女達を見て乾いた嗤いを響かせながら掴んでいたユナエルの腕をやっと放した。
人間と魔法少女の身体能力には格差が有るはずなのにユナエルの腕に痣が出来ていた。
浅倉「なぁ、魔法少女。俺を楽しませてくれ、血の匂いを嗅がせてくれ」
ルーラ「何を言って…」
浅倉「変身」
王蛇「俺を楽しませろぉ!うがぁぁぁぁ!!」
獣が吠えた。
最初に戦った魔法少女であるウィンタープリズンは中々愉しませた。
こいつらもきっと愉しませてくれるだろう。
360 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/18(火) 13:09:08.47 ID:+9mlcSVz0
たま「きゃあああ!!」
ミナエル「こいつヤバいよ!説得なんて無理だって!」
ユナエル「やっちゃおう、やっちゃおう」
ルーラ「仕方ない、行くわよ!」
スイムスイム「ルーラの障害になる者は取り除く」
『ソードベント』
王蛇「はっはぁ!」
スイムスイムの放つ鉄球をベノサーベルで弾きながら王蛇は接近した。
ベノサーベルの振るった一撃がスイムスイムの体をすり抜ける。
王蛇「あぁ?」
スイムスイム「いま…」
王蛇「ごふっ……くくっ…はははっ……」
すり抜け魔法によって出来た隙を付いてスイムスイムは王蛇の首めがけて手刀を突き刺した。
一瞬よろける王蛇であったがさほどダメージを受けている様子は無い。
嗤いながら大口を開けた王蛇の口内から酸の霧が放出され、周辺の木や草が枯れていく。
ミナエル「ううっ……なにこれぇ……」
ユナエル「体がひりひりするよぉ……」
スイムスイム「――ッ!?」
霧で王蛇の姿が見えなくった瞬間、スイムの背後から強烈な一撃が入り倒れる。
彼女達に気取られないよう気配を消した王蛇による攻撃である。
倒れたスイムの頭をかち割るように振ったベノサーベルの攻撃を魔法で回避する。
361 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/18(火) 13:10:07.98 ID:+9mlcSVz0
スイムスイム(攻撃のタイミングさえ分かれば避けられる)
王蛇「っはぁ!!」
ミナエル「うぎっ」
ユナエル「ぎゃふっ」
スイムスイムを狙った所を見計らって奇襲した双子の攻撃も回避され
カウンターの斬撃が双子を叩き落した。
王蛇「ぷんぷん臭うんだよ……糞の臭いがよぉ!」
ルーラ「がっ……」
ベノサーベルの突きが透明外套ごとルーラの体を突き刺した。
姿を消した所で王蛇の異常な嗅覚から身を隠す事が出来なかった。
王蛇「もっと、もっと俺を楽しませろぉ……」
たま「うわああああああああああ!!!!」
王蛇「ははぁ…」
仲間達が次々とやられていく中でたまは勇気を振り絞って王蛇に向かって飛び出した。
腕を振り下ろすも回避され、爪は王蛇に当たる事なく、地面を斬り裂いて無駄な穴を作った。
地面にすっころんだたまの腕を掴むと王蛇は唾液を撒き散らしながら耳まで裂けた王蛇の口が開く
たま「いや、いやああああああああああああああ!!!!」
たまの悲痛な悲鳴が響き渡った。
王蛇はたまの右腕に噛み付いたのだ。
サメのようなギザギザの牙が、たまの腕の肉に食い込んでいく。
みしみしと骨が軋み、溢れ出る血をすすり上げる。
362 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/18(火) 13:11:19.94 ID:+9mlcSVz0
たま「はなして!!はなしてぇえええ!!」
スイムスイム(たまを助けないと…)
ぶちっ
王蛇「くちゃくちゃ……ブフゥ――!!」
スイムスイム「うっ」
王蛇は食い千切ったたまの肉片を咀嚼して毒霧のように吐き出した。
スイムスイムの顔面に吹きかけて視界を奪う。
その瞬間、ベノサーベルの斬撃を受けて腹部が斬り裂かれる。
スイムスイム(ルーラだけでも……守らないと……)
スイムスイム(それがお姫様に仕える者の役目……)
王蛇「まだだ……まだやりたりねえ……もっと戦え!!」
全員満身創痍のルーラチーム、その中でルーラだけでも生かそうとスイムスイムは立ち上がる。
そんな彼女の望みを容赦無く打ち砕こうと接近する仮面契約者王蛇。
腹部からの出血が激しく、魔法の発動も困難なスイムスイムに向かって王蛇はベノサーベルを振り上げた。
『フリーズベント』
王蛇「ああっ!?」
???「魔法少女達、逃げて」
スイムスイム「貴方は……?」
???「早く逃げた方がいいよ」
ミナエル「助かったぜ、見知らぬ人」
ユナエル「見知らぬ人、マジクール」
たま「あ、ありがとうございます!」
ルーラチームのピンチに突如現れた契約者。
ダメージが大きく自力で動けないルーラをお姫様だっこで抱えた彼を見て
何故かスイムスイムは童話に登場するお姫様を救う存在を思い出していた。
スイムスイム「王子様……?」
???「……君も動けないみたいだね。掴まって」
王蛇「待てぇっ!まだだ!もっとやらせろぉ!!がぁあああ!!」
王蛇の口から酸が垂れ流しになっている。
自分の体が酸で焼かれようとも凍結の拘束を外そうとしていたのだ。
ルーラチームを救った契約者は右手にルーラを、左手にスイムスイムを抱えて急いで下山した。
363 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/18(火) 13:15:10.80 ID:+9mlcSVz0
今回はここまで
この浅倉は小説版設定だからTV版よりもやることエグイ
凶悪な犯罪者から魔法少女達を救った契約者は正に英雄に相応しい行為です
364 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 17:58:35.67 ID:kbv0Co5T0
英雄
それは優れた能力を持ち、偉業を成し遂げた人物を指す言葉である。
創作物では正義のヒーローが悪の秘密結社と戦い
勇者が魔王と戦い、勝利して世界に平和をもたらした人物が英雄視されている。
また現実の逸話においても戦争で国を勝利に導いた人物が英雄として評価されている。
彼ら、英雄の武勇伝は多数の人間の心を動かし、尊敬されていった。
東條 悟
彼もまた、英雄達の武勇伝に心躍り、魅了された人間である。
幼い頃から勇者が魔王を倒すRPGにのめり込み
特撮ヒーロー物のビデオが擦り切れるほど視聴を繰り返した。
東條母「あらあら、悟ったら本当に英雄物が好きね」
東條「だって英雄って凄いんだよ!皆の為に悪い奴をやっつけて困ってる人達を助けるんだ」
東條「僕もそんな英雄になって街の平和をまもりたーい!!」
東條母「そうね、悟が良い子にしてたらきっとその願いは叶うわよ」
東條「うん!!僕、良い子になって英雄になるよ!」
365 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 17:59:13.38 ID:kbv0Co5T0
東條は英雄を目指すようになった。
木の枝を拾っては修行と称して、必死に枝を振るって強くなろうとしたり
近所の子供達と勇者ごっこで遊んだりもした。
東條「怪人め〜!覚悟しろー!!」
リュウタロス「うわ〜やられた〜」
ロストアンク「おのれ〜勇者め〜」
ドラス「覚えてろ〜!」
東條「もう一回、勇者ごっこしよー」
リュウタロス「悟くんばっかり勇者役やってずるいー!」
ロストアンク「もう怪人役飽きたよー」
ドラス「僕達にも勇者役やらせてよー」
東條「えー、皆は怪人役の方が似合うよー」
リュウタロス「そんなのつまんないよ、僕お家帰る!」
ロストアンク「僕もコアメダル探さなきゃ」
ドラス「お兄ちゃん探しに行こうっと〜」
東條「皆、行っちゃった……つまんないの」
東條は思いやりに欠ける部分があり、自分の目的の為なら他人を考慮しない性格だった。
そのせいで友達は少なく、自分の殻に籠りがちになっていった。
小学校を卒業をしても英雄願望は一向に消える事無く、中学、高校と進んでもそれは変わらなかった。
東條「英雄……英雄にさえなれば、皆が僕を見直して僕の事を好きになってくれる筈……」
東條「だけど、どうすれば英雄になれるんだろう?」
366 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:00:13.51 ID:kbv0Co5T0
この現代社会では世界征服を企む悪の秘密結社も、人類を滅ぼそうとする魔王も存在しない。
英雄とは主に、戦いの中で生まれる存在であるが倒すべき敵がいない。
東條は英雄になれる方法が見つからないまま月日が流れた。
N市にある都市伝説が流れた。
魔法少女という人助けを繰り返す正義の味方の存在。
それが彼の心を動かした。
東條(魔法少女……皆が彼女達を噂して褒め称えている)
東條(彼女達こそ、この世界の英雄と言える存在なんだ)
東條(でも魔法少女って女の子がなる存在だから僕には無理だ……)
特撮ヒーローが大好きだが魔法少女物には関心が無い東條。
それでも彼女達の生き様は自分が英雄になる為のヒントがあるかもしれない。
東條は魔法少女と接触するべく噂を頼りに探し回った。
東條(どこにいるんだろう……魔法少女)ゴツン
綾名(…………)
東條「大丈夫……だよね?」
綾名「…………」コクリ
結局、魔法少女は見つからなかったが奇跡は起こった。
ミラーワールドの世界へ入った僕は仮面契約者タイガになり
願いを叶える為の力を手にした。
367 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:00:44.87 ID:kbv0Co5T0
タイガ「これが……僕?」
タイガ「すごい、すごいすごい!!かっこいい!!これだけの力があれば僕は英雄になれる!!」
タイガ「あははっ……はははははははは!!!!」
契約者になった僕は英雄になる為に他の契約者と遭遇し、戦った。
それで分かった事がある、他の契約者は皆、最低な連中ばかりだった。
正義の為に戦ってる契約者は僕だけ。
後は遊び感覚で戦っていたり、他人を陥れたり殺人を楽しむクズ達だ。
僕は理解した、彼らのような悪党を倒すために僕は契約者として選ばれたのだと。
僕以外に新たな契約者が生まれた。
都市伝説になった魔法少女達が契約者になってミラーワールドにやってきたのだ。
魔法少女達の目的は契約者バトルを止める事だと言う。
それが本当なら魔法少女達がいると僕の願いが叶わなくなってしまう。
でもあの極悪な契約者達と敵対して戦っている魔法少女達の方が正しいのではないか?
僕は真意を知る為に魔法少女と接触を図る事にした。
契約者バトルで勝ち残って願いを叶えるべきか、魔法少女達と協力して戦いを止めるべきか。
ついに発見した。
凶悪犯罪者である浅倉が魔法少女達と交戦をしていた。
浅倉は契約者の中でも最も凶暴で、魔法少女達が追い込まれている。
僕はすぐに魔法を使って浅倉の動きを止めて、その隙に魔法少女達と共に撤退した。
その後、僕は魔法少女達のアジトに案内してもらい、自己紹介を済ませた後、話をする事になった。
368 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:01:27.84 ID:kbv0Co5T0
王結寺
ルーラ「……つまり魔法少女の事が知りたくて、私達と接触しようと考えたのね」
タイガ「うん、契約者バトルを止めようとしてるみたいだけど」
ルーラ「それが魔法の国から与えられた使命、私達はその為に動いてるのよ」
タイガ「……難しいと思う。戦いを放棄した契約者は死んじゃうから」
ミナエル「じゃあ邪魔する契約者みんなやっちゃおうよ」
ユナエル「お姉ちゃんさえてるぅ〜」
たま「乱暴だにゃ…」
ルーラ「それは最後の手段よ。犠牲者は双方共、最小限に抑えないと、んで、貴方は何の願いで契約したの?」
タイガ「僕は、英雄になるため」
ルーラ「英雄?」
タイガ「英雄は皆の憧れだから、英雄になれば皆が僕の事を好きになってくれる」
英雄?くだらない理由だとルーラは思った、だがそれを口に出すつもりは無い。
彼は本気で言っている、本気で目指している、そんな声をしていたからだ。
相手の意思が本物なら、誠意をもって答えなければならない。
それもルーラ(リーダー)の務めである。
369 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:02:09.34 ID:kbv0Co5T0
ルーラ「だったら私が貴方を英雄にしてあげる」
タイガ「え?」
ルーラ「それだったら契約者バトルで願いを叶える必要は無くなるでしょ」
ルーラ「その代わり、私に協力しなさい」
タイガ「本当に?本当に僕を英雄にしてくれるの?」
ルーラ「私に二言は無いわ。貴方が立派な英雄になるまで最後まで面倒見てあげるわ」
タイガ「……僕はルーラに従うよ、それで英雄になれるなら何だってする」
ルーラ「決まりね。よろしく頼むわね東條」
ミナエル「ルーラチーム新メンバーいえーい!!」
ユナエル「いえーい!!」
たま「一緒に頑張ろうね」
スイムスイム「……よろしく」
タイガ「皆……よろしく」
ミナエル「ねえ東條、素顔見せてー」
ユナエル「見たい見たい!!」
ルーラ「貴女達ねぇ……」
タイガ「…いいよ」
タイガの変身が解除された。
ダウナー系の内気な表情をした青年の姿が現れた。
年上の女性に好まれそうな外見をしている。
370 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:03:00.68 ID:kbv0Co5T0
東條「…………」
ルーラ(なかなか若いのね)
ミナエル「おお〜!結構可愛い顔してるじゃん!」
ユナエル「ねえ、君〜いくつぅ〜」
東條「……25歳」
ミナエル&ユナエル「ええーーーーーッ!?」
ルーラ(私より年上!?童顔過ぎるわよ……)
たま「驚きだにゃ…」
スイムスイム(東條……どこかで会ったような……)
東條「皆の事も知りたいな。魔法少女の事をもっと教えてよ」
ミナエル「私達の元の姿が知りたいって?でも私達って実はかなり美人だからぁ〜」
ユナエル「惚れちゃうかもよぉ〜東條くぅ〜ん」
東條「元の姿?」
ルーラ「魔法少女は仮の姿で中身は普通の人間なのよ。これは秘密だけどね」
東條「見たい」
ルーラ「それは駄目よ」
スイムスイム「魔法少女たるもの、誰にも正体を知られてはならない、ルーラが言ってた」
ルーラ「そうね、他者に知られるとそれが弱点に繋がるのよ」
東條(僕の姿は見せたのに……)
東條「もし知られたらどうするの?」
スイムスイム「正体を知られたら魔法少女失格になる」
ルーラ「だから変身を解除する時は慎重にやるのよ」
東條「そうなんだ。じゃあ見せない方がいいね」
ルーラ「今日はこれで解散にするわ。次の作戦はまた後日に連絡するわ」
ルーラ「皆はそれまでに安静をして傷の回復に専念しなさい」
371 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:03:44.88 ID:kbv0Co5T0
ミナエル「今日のルーラはご機嫌だったね」
ユナエル「部下が増えたからかな」
東條「ルーラって凄い立派な人なんだね」
たま「うん、ちょっと怖いけどとっても優しいよ」
スイムスイム「ルーラはかっこよくてとても素敵な憧れのお姫様」
東條「スイムスイムはルーラに憧れてるんだ」
スイムスイム「うん、私はルーラみたいなお姫様になりたい」
東條「じゃあ一緒に頑張ろうね。僕は英雄に、スイムスイムはお姫様になれるように」
スイムスイム「……頑張る」
ミナエル「ヒューヒュー!」
ユナエル「二人ともお熱いね〜」
東條&スイムスイム「……?」
たま「ミナちゃんユナちゃん、からかっちゃ駄目だよぉ」
372 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/20(木) 18:05:09.83 ID:kbv0Co5T0
今回はここまで
ソラ×リップルも好きだがスイムスイム×タイガタイガも好き(カプ厨並みの発想)
ファントム編では因縁のキャラがおらず空気だったルーラチームもこれから目立ちそうです
契約者紹介
仮面契約者 タイガ
装着者 東條悟
魔法
相手を動けなくするよ
魔法説明
発動と同時に対象の敵の肉体を凍結する。
魔法の性質上、回避行動は不可能であり
対応策を持たない場合、一方的に相手を攻撃する事が出来る。
373 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:43:27.68 ID:FJmm7yKE0
とある田舎のアパート
浅倉母「……ごめん……ごめんねぇ…」
浅倉威は糞尿の中から生まれた。
N市から遠く離れた田舎のアパートで一人暮らしをしていたまだ高校生の母親は
村のほとんどの男と関係を持ったせいで父親の分からない浅倉を汲み取り式の共同便所に産み落とした。
浅倉は夥しい糞尿の中で産声を上げた。
浅倉「おぎゃあ!おぎゃあ!」
浅倉「ふぎゃあ!!あううう!!んぎゃあ!!」
浅倉母「うう……ごめんなさい……ごめんなさい……」
便所の中に放置された浅倉は三日間、泣き続けた。
母親は頭から布団を被って耳を塞いで謝罪を繰り返した。
四日目……
浅倉母「……はぁ、やっと、終わった……」
便所から浅倉の泣き声が聞こえなくなり、母親はほっと胸を撫で下ろした。
浅倉の声を聞きながら眠らなければならない悪夢は終わったのだ。
374 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:44:01.24 ID:FJmm7yKE0
七日目……
ズルリ……ズルリ……
浅倉母「ん……何?何の音?」
ズルリ……ズルリ……
浅倉母「ひっ!?」
七日目の夜中、奇妙な音を聞いて母親は目を覚ました。
窓からの月明かりに照らされた黒い塊がスルッズルッと畳の上を這ってくる。
浅倉母「んごぉっ!?」
浅倉母(こ、これは……)
浅倉「あう〜」
恐怖で動けなくなった母親の口にその黒い塊が頭を突っ込む。
その時になって母親はそれが糞尿に濡れた浅倉であることに気がついた。
浅倉は糞尿を食べて生き残り、汚物タンクを這い上がって母親の元にやって来たのだ。
浅倉はもう一度胎内に戻ろうとするように母親の口から食道を通って胃袋に落ちて体を丸めた。
浅倉母「ひぐっ、痛、や…やめっ…いぎ…ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
浅倉「はふぅ…」
だが、すぐに息苦しくなって母親の腹を引き裂いて顔を出した。
こうして浅倉は自らの力で第二の誕生を完遂した。
浅倉は生まれた時から怪物だったのだ。
母親の死体を発見したのはアパートの大家だったが
駆けつけた駐在も死体の傍ですやすやと眠っている赤ん坊が犯人だとは想像すらできなかった。
375 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:45:06.87 ID:FJmm7yKE0
児童養護施設
その後、浅倉は施設に引き取られた。
浅倉が6歳になって次の惨劇が起こった。
莉奈「ねえたけしくん、一緒に遊ぼう!」
浅倉「…………」
男の子「無理だよ。りなちゃん、たけしの奴、誰とも遊ぼうとしないんだぜ」
莉奈「えー、でもぉ…」
男の子「今夜はりなちゃんの誕生パーティーなんだよな、今の内に沢山遊んでお腹空かせようぜ」
莉奈「うん!じゃあ鬼ごっこしよー」
男の子「わーい!」
浅倉「…………」
浅倉(あっちいけよ!俺の顔にくっつくなよ!)
浅倉は、浅倉にしか見えない黒い手と戦っていた。
黒い手は無数の蝶のようにいつも浅倉のまわりを浮遊していた。
そして次々と舞い落ちて浅倉の口を、鼻を塞いだ。
黒い手は糞尿の匂いそのものだった。
その匂いがギュッと凝縮され、黒い手になって襲い掛かる。
この世界は糞尿の匂いで充満していた。
誕生日パーティーが終わり、その夜……
莉奈「すやすや」
浅倉「…………」シュ
莉奈「うっ!?」ブシャアア
台所から包丁を持ち出して部屋に忍び込んだ浅倉は莉奈の腹を裂いた。
殺した相手にはこれと言った特別な理由があったわけではない。
強いて言えばその日が莉奈の誕生日だったからだ。
浅倉「っ!?ああ……」
浅倉(糞の匂いが消えた……黒い手はどこにもいない……)
莉奈の体から噴き出した鮮血が無数の黒い手を消し、糞尿の匂いが霧散した。
血の香りが糞尿の匂いを駆逐したのだ。
しばらくの間、浅倉は陶然としてその場で深呼吸を繰り返した。
376 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:46:30.94 ID:FJmm7yKE0
朝になり……
指導員A「おーい、朝食の時間だぞー莉奈……うわああああっ!!」
死体を発見した指導員はそのあまりの惨たらしさに卒倒した。
死体はほとんど原型を留めず、夏の日の庭に水を撒くように
血や内臓がそこら中に散っていたからだ。
警察は指導員による快楽殺人を疑い尋問を繰り返したが
決定的な証拠を得ることなく外部からの侵入者の犯行と結論した。
また他の児童が誕生日をを迎えた日、浅倉は同じ手口で部屋に内臓をばらまいた。
再び施設は騒然となったが、この時は指導員の一人が浅倉に疑いを向けた。
指導員A「ん?」
浅倉「…………」
指導員A「威、その口に付いてる血はなんだ?」
浅倉「あぁ…」ザシュ
指導員A「ぐっ…うぎゃあああ!!」
指導員B「なんだ!?」
浅倉「はっ」ドス
指導員B「がふっ…」
浅倉(…もうここにはいられない)
隠し持っていた包丁で指導員達を殺害した浅倉は施設から姿を消した。
それから月日は流れ、浅倉は住処を変えながら殺人を繰り返していた。
血の匂いが黒い手を消し、糞尿の匂いから解放されるがそれも一時的な効果に過ぎない。
また黒い手が現れて、浅倉を掴んでくる。
浅倉の殺人衝動は止まらない。
25歳になり警察によって逮捕され、二度と凶行は繰り返されないと思われたが
仮面契約者となって脱獄し、いよいよ警察ですら手の負えない獣となった。
377 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:47:35.27 ID:FJmm7yKE0
そして現在
魔法少女達との戦闘を繰り広げながらも未だに生存し血を求めていた。
クラムベリーの小屋
浅倉「……戦い足りねえ、ああっ!!」ガシャン
タイガによって戦闘を中断され、フラストレーションを溜めた浅倉は
小屋の中にあるピアノを素手でハンマーの様に拳を振り下ろして叩き壊した。
浅倉「つまらねえ、寝るか」
浅倉「…………」zzz
浅倉の夢の世界
浅倉「ここは……またか」
そこは汚物タンクの中である悪臭に満ちた世界だった。
この夢は何度も出てくる。
糞尿の匂いに満ちた世界で生きる浅倉の心情風景そのものだ。
ねむりん「うう、酷い匂いだね…」
浅倉「なんだお前?」
ねむりん「どうも〜、ねむりんで〜す」
ねむりん「君の事はニュースで見たよ〜」
浅倉(ムカつかせる喋り方だな)
ねむりん「それにお友達が言ってたよ。君は契約者なんだよね」
浅倉「ほう、それを知ってるって事はお前、魔法少女か」
ねむりん「契約者なんてやめて自首して罪を償おうよ。ね?」
浅倉「戦い足りなくてイラついてた所だ。俺と戦え……変身!」
ねむりん「ごめんね……ケガさせてでも君を止めさせるよ!」
378 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:48:20.66 ID:FJmm7yKE0
『ソードベント』
王蛇「今度は逃がさず仕留めてやる」
ねむりん「うお〜!ねむりんキィーック!!」
王蛇「ぐっ…!?」
ねむりん「ねむりんび〜むっ!!びびびび」
王蛇「ごふっ…はははぁ、もっとだ!もっとお前の力を見せろ」
ねむりん「ねぇ、血がいっぱい出てるよ、痛いでしょ?もう降参しようよ」
王蛇「まだだ、まだ足りねぇ…もっと戦い続けろ!」
ベノスネーカー『この世界なら俺様に任せろ!早く召喚するがいい!』
王蛇(いいぜ、暴れて来い)
『アドベント』
ベノスネーカー「シャアアア!!」
ねむりん「うわぁ!何か出た〜」
ベノスネーカー「シャッ」
ねむりん「うわあああああ!!顔がぁ、焼けるよぉ…」
紫色の大蛇型ミラーモンスター、ベノスネーカーがねむりんの顔に酸を吐いた。
ねむりんの愛らしい顔がじゅううっと焼き爛れる。
すぐさま魔法を発動し、顔の火傷を治療しようとするが効力が薄かった。
ねむりん(なんで……?なんで魔法が効かないの?)
ミラーモンスターは眠らない。
眠っている相手には無敵の力を発揮するねむりんであったが
眠らずに夢の世界への介入を果たしたベノスネーカーはねむりんの魔法効果を無効化していた。
ベノスネーカー「シャアア」
ねむりん「あがっ!」
ベノスネーカーがねむりんの体に巻き付いて締め上げる。
ボキボキと音を鳴らしながら背骨をへし折った。
379 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:49:37.58 ID:FJmm7yKE0
王蛇「あとは俺がやる」
ねむりん「ひゅぅ……ひゅぅ……痛いよぉ」
王蛇「くくく……死にな」
ねむりん「や、やめて……お願い、やめ、て……ひっ」
王蛇はねむりんのパジャマを掴んで引き裂いた。
ねむりんの体はパンツを一枚履いただけのほぼ全裸な姿で晒される。
ねむりん「いやぁ!もうやめてぇ、許して……あああああっ!!」
王蛇はベノサーベルを使ってねむりんの腹を斬り裂いた。
血がどくどくと溢れだし、ねむりんの目からは大粒の涙がこぼれる。
ねむりん「いたい!いたい!いたい!いたい!いた、い…ぎゃあああああああ!!!!」
腹の傷口から王蛇は手を突っ込んで内臓を掴むと、勢いよく引っ張り
ぶちぶちと体内で千切れる音を響かせながら腸を抜き取った。
おっとりとした性格のねむりんからとは思えないほどの大きな悲鳴が響き渡る。
王蛇「さぁ餌だ!食え!」
ベノスネーカー「ガツガツガツ」
ねむりん「…………」
自らの体内から抜き取られた腸を喰らうベノスネーカーの姿をねむりんはぼんやりと見ていた。
常人だったら既に絶命している負傷だが、魔法少女として生命力の強い存在であるが故、未だに生存していた。
だが、それはねむりんにとってただ悪戯に苦痛を長引かせるだけに過ぎない。
王蛇「美味そうに食うなお前……」
王蛇(そういや、あの犬の魔法少女の腕を食い千切った時、なかなかいい味がしたな)
王蛇(もしかしたら魔法少女は……)
ねむりん(来ないで……もう、これ以上ねむりんを傷付けないで……)
380 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:50:31.08 ID:FJmm7yKE0
ぶちっ
王蛇はねむりんの右目に指を突っ込んで引き抜いた。
引き千切った眼球を口に含んで、少し舌で転がして楽しんだ後に噛み砕いた。
ぶちゅっと眼球が潰れて液体が口内に広がっていく。
王蛇「美味い、美味いなこれ……おい、お前も食ってみろ」
もう片方残っていた眼球も抜き取られてベノスネーカーの口へと投げ入れた。
王蛇(……まだある。他に美味い部分が)
獣の本能か。
とびっきりに美味い所がまだ食べられていないのを察知した。
ベノサーベルを持ち上げてねむりんの頭へと叩きつけた。
頭蓋骨を砕いて、頭の中へと手を伸ばすとそれは見つかった。
王蛇「はぁ……はぐっ、くちゃ…もにゅっ…ごくん」
灰色の脳を口に押し込んで咀嚼する。
とてつもなく濃厚な風味が舌を魅了した。
これはベノスネーカーにも渡せない味だ。
更に手を伸ばした王蛇は一欠片も残さず、ねむりんの脳を喰らいつくした。
王蛇「こんな美味い物を食ったのは生まれて初めてだ……もっと食べたい」
既にねむりんは息絶え、夢の世界は崩壊していく。
ミラーモンスターに近い特性をその身に宿し。
人の味を覚えた獣は、更に危険な存在へと変貌していった。
合歓宅
合歓母「合歓!凄い悲鳴が聞こえたけど大丈夫!?合歓!」トントントン
ガチャ
合歓母「――ッ!?いやっいやあああああああっっ!!ねむぅう!!いやああああ!!」
母親が見たものは、辺り一面に血が飛び散り、腹が引き裂かれ、腸は飛び出ており
両目がくり抜かれ、頭蓋骨が砕かれ、ぐちゃぐちゃになった脳味噌が滴り落ちた愛娘である合歓の姿であった。
ねむりん 死亡
381 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/07/22(土) 13:54:02.77 ID:FJmm7yKE0
今回はここまで
生後一週間で人殺せる小説版浅倉はそこらの怪人なら生身で倒せそう
ねむりんに関しては某ドーパントみたく眠らずに夢の世界に介入すれば対処できる理屈です
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 21:31:42.81 ID:eVx2o5MXO
開始時は優しい世界だと思っていたのに、どうしてこうなった
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/26(水) 10:47:06.75 ID:otVKqF0t0
良くも!こんなキチガイ文章を!之はジェラル星人のせいに違いない!(意味不明)
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/27(木) 10:49:48.51 ID:DwyYjp8V0
この人は目玉くり抜き好きだな・・・(リップルでもやったし・・・)
所でクラムベリーが釈放されて展開が変わるとかアリか?
(戦闘強と言う意味で救いそう)
385 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/08/05(土) 08:52:32.05 ID:kP6mMz9l0
落ちないように1レスだけ書き込み
>>382
ウィザードならともかく龍騎と絡んだ時点で犠牲者は仕方無い
>>384
クラムベリーは後々出てくる
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 11:07:45.84 ID:2LK/jOD70
お〜い!某所で完結されちゃいましたよ〜!
スレタイ変えてたのち続きをよろしくお願いします。(出来ればだけど・・・)
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 11:40:58.48 ID:GiboZMKP0
そもそもアニメ事態がある意味でキチガイだから違和感ないぞ!泉研と思われる人よ(笑)
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/19(日) 06:47:31.00 ID:d4gsmL4r0
あげ
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/19(日) 06:53:12.05 ID:d4gsmL4r0
あげ
390 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/12/18(月) 19:21:08.48 ID:ngPZnzD60
次の日
クラムベリーの小屋
浅倉(腹が減った……)
浅倉(食い物は、干し肉と缶詰がある、それを食うか)ガツガツガツ
浅倉「うぐっ!げほっげほっ……なんだこの味は」
便所の中で糞尿を喰らい生存する程の異常な浅倉の適応力が
ミラーモンスターとの適合率を最大にまで高め
その結果、ミラーモンスターの特徴である『他者の命を喰らって強化する』性質を
偶然にも浅倉は引き継いでしまった。
ミラーモンスターは人間と同じ物は食べない。
浅倉はもう常人が食す物を胃に取り込めない体質に変化していた。
ならば浅倉が次に取る行動は決まっている。
山道
そんな凶悪犯罪者がこの山に潜伏してる事も知らずに
山菜採りを楽しみにやってきた親子がはしゃいでいた。
息子「父さーん、これ食べられる〜?」
父親「ああ、この山菜は鍋に入れて食うと美味いぞ〜」
息子「わーい♪」
浅倉「よぉ…」
息子「ひっ!」
父親「な、なんだね君は!」
浅倉「腹が減った」
父親「そうか、私達の弁当を渡す、だから近づくのはよせ!」
浅倉「弁当はいらねえ、その代わり」
父親「やめろ!離せ!」
浅倉が男の体を掴んだ、男は抵抗するが異常な力でとても振り切れない。
大きな口を開けた浅倉が男の喉元を噛み付き、食い千切った。
息子「うわあああああ!!父さーん!!」
391 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/12/18(月) 19:22:05.50 ID:ngPZnzD60
N市高校
カレン「ヘーイ、華乃ォ〜帰りにショッピング行きましょう!」
華乃「ごめん、最近は色々用事があるから」
カレン「そうですかー、じゃあ用事が終わったらまた一緒にお買い物するデース」
華乃「うん、終わったら必ず伝えるね」
烏丸先生「おい生徒共、最近物騒なニュースが多い、早く帰れよ」
男子A「はい!ヒット先生!」
男子B「分かりました!正座おじさん先生!」
男子C「レオイマジン先生も気を付けて〜」
烏丸先生「お前ら…ぶちのめすぞ」
和菓子「そういえば色々おっかないニュースが流れてるわよね」
こけし「刑務所から凶悪犯が脱獄したとか」
アリス「怖いですね…」
ココア「うう〜チノちゃんが心配になってきたよ〜」
陽子「なーに!もしそんな奴が現れたら私がぶっ飛ばすから心配すんな」
綾「もう陽子ったら、無茶しないでよ」
鬼島「陽子さんがいれば心強いですね。アタシも落語の小道具を買いたいのでご一緒させてもらいましょう」
陽子「いやいや、お前は男なんだから私達を守るぐらいかっこつけろよ!」
鬼島「アタシは喧嘩が苦手でしてね。荒事は陽子さんに任せます」
カレン「鬼島が蟹怪人になったら心強いのにデース」
こけし「大丈夫です いざって時は鬼島さんが狙われた所を見計らって逃げましょう!」
鬼島「えー……」
392 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/12/18(月) 19:22:38.32 ID:ngPZnzD60
小雪の家
小雪「…ぐすっ…そうちゃん……」ポロポロ
小雪「もう会えないなんて…やだよぉ…」ポロポロ
ドラグレッダー(いつまでメソメソしている?スノーホワイトよ)
小雪「…………」
ドラグレッダー(分かっているのか?ラ・ピュセルが死んだのは貴様のせいでもあるのだぞ)
小雪「…っ!」
ドラグレッダー(貴様が躊躇せずに手早くシザースを仕留めていればラ・ピュセルは殺されずに合流出来たかもしれなかった)
小雪「……黙って」
ドラグレッダー(いつまで塞ぎ込んでいるつもりだ?後手に回っている内にまた魔法少女の犠牲者が増えるぞ)
ドラグレッダー(こちらの犠牲者を減らす唯一の手段は他の契約者を殺害すること、それ以外には無い)
小雪「煩い」
ドラグレッダー(貴様に戦う意思が無いならハードゴア・アリスにでも契約を譲渡するがいい)
ドラグレッダー(あの娘なら貴様の為に命でも差し出すだろうな)
小雪「……悪魔」
ドラグレッダー(我は契約に基づいて行動しているだけに過ぎん、契約者を戦いに駆り立たせる為なら強引な手も使わせてもらう)
ppp
小雪「緊急連絡?……嘘、そんな…ねむりんが……」
ドラグレッダー(貴様が戦う事で救えたかもしれない魔法少女の命がまた一つ消えたな)
小雪「――っ!!」
ドラグレッダー(悲しいか?憎いか?ならばその感情を闘志に変えて戦え!スノーホワイト!)
ドラグレッダー(そうしなければ貴様の仲間達は次々に命を落としていくぞ!)
小雪「いい加減にして!私は契約者バトルを止めるために戦うの!」
ドラグレッダー(その虚勢がどこまで続くか、見ものだな)
小雪「……っ」
393 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/12/18(月) 19:23:16.44 ID:ngPZnzD60
その頃
北岡の家
ミナエル「北岡いないねー」
ユナエル「秘書もいないねー」
たま「引っ越したのかな?」
ルーラ「私達に捕まるのを恐れて逃げたんでしょ!馬鹿たま!」
たま「あうう……」
東條「北岡がルーラ達と浅倉を殺し合わせるように仕向けたんだね……許せない」
東條「あいつは口先で人を騙して、遠くから攻撃してくる卑怯な奴だから気を付けてね」
ルーラ「そうみたいね。次会ったら問答無用でとっ捕まえるわ」
東條「もしルーラが撃たれそうになったら僕が盾になるから…」
ルーラ「東條、あまり無茶な事はしないように、私のチームで死者なんて許されないんだから」
東條「はい」
スイムスイム(東條はルーラの忠実な王子様……やっぱりお姫様に王子様は似合う)
スイムスイム(シスターナナにはウィンタープリズン、スノーホワイトにはラ・ピュセルが傍にいたように…)ジィー
東條「どうしたの?」
スイムスイム「東條はルーラの事、好き?」
ルーラ「ちょっとこんな時に何言って」
東條「……好き」
たま「はわわ!」
ミナエル「わーお!」
ユナエル「言うねえ!」
東條「僕にこんなに優しくしてくれたのはルーラが初めてだから…」
スイムスイム「それならルーラの王子様になってほしい、お姫様には王子様が必要」
東條「それが英雄になる為に必要なら、僕は王子様になるよ」
スイムスイム「東條、ありがとう」
ルーラ「そこ!勝手に盛り上がってないで移動するわよ!」
ミナエル「照れてますなールーラ」
ユナエル「赤くなってますなールーラ」
ルーラ「そこの双子、黙れ!」
ppp
ルーラ「何よ……ってケイネスがこの街に?丁度いいわ東條、他の魔法少女達に貴方を紹介してあげるわ」
東條「他の魔法少女……どんな人達か気になるかも……」
394 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/12/18(月) 19:24:16.56 ID:ngPZnzD60
集合場所
ケイネス「ラ・ピュセルとねむりんの事はとても気の毒だ、事態は想像以上に悪化しているようだな」
東條「あの人も魔法少女?」
ルーラ「彼は魔法使いだから違うわよ」
ケイネス「見ない顔がいるな」
ルーラ「彼は東條悟、私達に協力を申し出た契約者で味方よ」
スノーホワイト「契約者……」
リップル(私と同じか年下ぐらいの歳か?)
トップスピード「へぇ〜結構若い子が契約してるんだなぁ」
東條「僕、25歳だけど」
リップル「っ!?」
トップスピード「え?マジで!?見えね〜」
マジカロイド「合法ショタデスね」
ケイネス「我々は契約者に対する情報が不足している、取り合えず君達の知り得る情報を共有してもらおう」
情報の提示が始まった。
スノーホワイトは龍騎、ウィンタープリズンはナイト、ラ・ピュセルはファムとして契約したこと。
彼女達が接触した契約者はガイ、インペラ―、シザース、王蛇であること。
シザースはウィンタープリズンの手でトドメを刺したがラ・ピュセルとねむりんの死亡原因は不明であること。
ケイネス「ふむ、そうか辛かっただろうなスノーホワイト」
スノーホワイト「うう……」ポロポロ
アリス「スノーホワイトさん……」
東條「僕の知っている契約者はガイとインペラ―はよく一緒に行動をしている」
東條「特にガイは契約者バトルをゲームと呼んで遊び感覚で楽しんでるから絶対に降りないと思う」
東條「ゾルダは口がよく回って人をすぐに騙してくるから信用出来ない」
東條「現にルーラ達を騙して王蛇に襲わせてたから」
ウィンタープリズン「待て、ルーラ達は王蛇と戦っただと?どこで戦った?」
東條「山奥の方にいたけど……」
ウィンタープリズン「具体的な場所を教えてほしい、奴は私が倒さなければならない」
ルーラ「地図なら渡すから落ち着きなさい!」
東條「あの人どうしたの?」
ルーラ「彼女の大切なパートナーが浅倉に襲われたのよ」
東條「そうなんだ」
『復讐目的の為に戦うなんて英雄らしくない行動かも』
スノーホワイト(英雄?)
ウィンタープリズン「早速ですまないが先に失礼する」
ケイネス「おい待て!!仕方ないスノーホワイトとアリスの二人は後を追え!一人で行かせるのは危険だ!」
スノーホワイト「はい!」
アリス「分かりました」
395 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2017/12/18(月) 19:25:11.62 ID:ngPZnzD60
ケイネス「全く……続きを教えてくれ東條」
東條「他にはライアは契約者バトルを止めようと独自に行動していた」
東條「話し合えばきっと僕達に協力してくれるかも」
東條「それと魔法少女達による契約者バトルの介入を誰よりも先に知っていたのがベルデで」
東條「魔法少女の事をよく把握しているみたいだった、気を付けた方がいいかも」
ケイネス「そうか。貴重な情報をありがとう」
ミナエル「あれ?カラミティ・メアリいなくね?」
ユナエル「ほんとだ。いないし」
トップスピード「マジカロイドならメアリの居場所知ってるんじゃないか?」
マジカロイド「さぁ、ワタシにはわかりかねマス」
ドォォォォォン!!
たま「にゃ!?」
スイムスイム「爆発?」
離れた場所でテロか何かが起きたような爆発音が響き渡った。
音のした方向を見てみると大きな建物から煙が出ているのが見えた。
リップル「あの場所は……トップスピード!!」
トップスピード「しっかり掴まってろよ!飛ばすぜ!」
リップル(爆発の起きた場所はショッピングモール……あそこには私の友達が!!)
ケイネス「我々も後を追うぞ、契約者が暴れている可能性が高い」
ルーラ「ええ、行くわよ皆!!」
ミナエルユナエル「おう!」
たま「はい!」
スイムスイム「……」コクリ
東條「うん」
396 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2017/12/18(月) 19:30:44.52 ID:ngPZnzD60
ものすごく久しぶりの投下終了
ライアは良い奴です
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 11:31:17.93 ID:AnmaEjB+0
おぉ生きてたんですねぇ
398 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 04:55:28.48 ID:GX+qw2sa0
山道
ウィンタープリズン「この辺りか」
スノーホワイト「ウィンタープリズンさん!待ってください!」
ウィンタープリズン「なぜ付いてきた?」
スノーホワイト「ケイネスさんが単独行動は危険だって…」
ウィンタープリズン「余計なお世話を」
アリス「……これは?」
アリスが発見したそれは地面や木々に飛びかかった血痕であった。
周囲を見渡すと何かが引きずられたような跡が地面に残っている。
スノーホワイト「まさか……浅倉が……」
ウィンタープリズン「……追うぞ、注意しろ」
399 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 04:56:06.51 ID:GX+qw2sa0
クラムベリーの小屋
ウィンタープリズン(跡はここで止まっている)
アリス(この中にいるとしたら……)
ウィンタープリズン(私が中に入る。二人はここで待機だ)
スノーホワイト「はい、気をつけてください」
ドン!
ウィンタープリズン「ぐっ!?」
ドアをぶち破った瞬間、おぞましい光景が目に映り、むせ返るような悪臭に表情を歪めた。
テーブルの上には中年男性と少年の死体が無造作に寝かされていた。
二人の死体は獣に食い千切られたかのような歯形が至る所に付けられ
腹部は切り裂かれて臓器は食いつくされており
頭部の上半分は砕かれ、脳が無くなっていた。
ウィンタープリズン(何だこれは?……食べたのか?この死体を?)
ウィンタープリズン(浅倉は……いない。どこかへ行ったのか)
スノーホワイト「……ウィンタープリズンさん?」
ウィンタープリズン「見るな!遅かったか」
スノーホワイト「あ……ああ……」
アリス「これは一体……」
ウィンタープリズン「こんな事を出来る奴は人間じゃない……怪物だ……」
ppp
その時、三人のマジカルフォンからショッピングモールへの出動命令が下された。
ここは既にもぬけの殻だ、彼女達は小屋から出るとすぐさま目的地へと向かった。
400 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 04:57:12.49 ID:GX+qw2sa0
回想シーン
N市の中で最も力に渇望し、力にこだわり、力を求めた魔法少女はカラミティ・メアリだろう。
ファントムとの戦いの中、フェニックスを撃破こそして見せた物の完全に命を奪う事は出来なかった。
いくら酒を仰ごうともメアリのイラつきは収まらない。
ファズこと蛮野天十郎に取引を持ち込まれた。
蛮野はメアリを利用する気だろうが逆に利用してやろう。
賢者の石を奪い、誰にも私に逆らえない程の力を得てやる。
結局、賢者の石は手に入らずファントムとの戦いは終わった。
報酬として正式な魔法少女になれたがそんな物では私は満たされない。
スーパー弁護士を名乗り、得意げにTVに映る男の顔が気に食わない。
鏡から音が鳴り響くと思って近づいたら鏡の世界に引きずり込まれた。
影の男が願いを聞いてきた「世界中の人間が私に跪く程の力」と冗談半分で書いた。
そして私は契約者になった、仮面契約者『アビス』に。
ミラーモンスターアビソドンと契約した私は圧倒的な力を手にした。
とても気分がいい、私が初めて魔法少女になった日を思い出す。
これなら好き勝手出来る。邪魔する奴は誰だろうと容赦しない。
近隣のヤクザを従わせてる私の手腕を聞きつけて一人の契約者がやってきた。
ベルデと名乗る契約者はヤクザですら用意できない程の大金と武器を渡す代わりに。
報酬として私に魔法少女の情報や力を要求してきた。
ベルデは面白い男だった、私の要求する物を与えてくれるが決してへりくだった態度は取らず。
要件が済めばいつでも敵対関係になっても構わない程の冷酷さも秘めている。
魔法少女達の特徴や魔法を伝えたベルデの行動は速かった。
「ラ・ピュセルを殺した」とベルデは笑いながら語っていた。
呆気なさ過ぎて拍子抜けしたぐらいだと余裕を見せている。
その後、ガイが起こす騒動に乗じて魔法少女達を仕留める情報を教えてくれた。
それなら私が次にやるべき行動は決まっている。
メアリ「リップル、お前は私が直々に殺してやるよ」
401 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 04:57:59.35 ID:GX+qw2sa0
ショッピングモール
ガイ「皆来たね、あと3分で始まるから見ててよ」
インペラ―(ここ俺のバイト先じゃん…)
メアリ「何を始める気さね?」
ガイ「それは秘密、すっげー面白い事が起きるから楽しみにしてよ」
ベルデ「例の発明を見せてもらうぞガイ」
インペラ―「あれ?ゾルダは?」
ガイ「なんかミラーワールドの外で戦うのに不向きだから今回はパスだって」
ベルデ「抜け目ない奴の事だ。最もらしい理由を付けて俺達と魔法少女の潰し合いを狙ってるのだろう」
インペラ―「ずるいなぁ」
ガイ「時間だ。始まるぞぉ〜」
ショッピングモール一階紳士服売り場
黒装束集団「……」
男性客「なんだあれ?何かのイベントか?」
黒装束「……」チャキ
男性客「銃?……それ、ほんも」
パンパンパンッ!
女性客「き、きゃああああああああああ!!」
店員「ひいいいいい!!」
ショッピングモールへ乗り込んで来た黒装束の人間達。
銃や鈍器や刃物を手に持った彼らは手当たり次第に人を襲い続けた。
402 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 04:58:41.69 ID:GX+qw2sa0
インペラ―「ちょ、ちょっと!!何が起きてるんだよ!!」
ガイ「どうだ。すっげーだろ!俺が作ったこのソシャゲをプレイした人は皆こうなるのさ」
インペラ―「ソシャゲで?」
ガイ「そのソシャゲには俺秘伝の洗脳プログラムが組み込まれていてね」
ガイ「洗脳されたら最後、俺の指示一つで人間は殺戮マシーンになるのさ」
メアリ「へえ、その為に私に武器の強化を頼み込んだって訳かい」
ガイ「兵隊として魔法少女達の相手をやらせるには普通の武器が役不足だからね」
インペラ―(俺のバイト先が地獄絵図に……)
ベルデ「さて、そろそろ魔法少女が感づく頃だろう。俺も動くとするか」
メアリ「分かってるだろうね。リップルはあたしの獲物だよ」
ベルデ「もちろん、約束は守るさ」
ガイ「あははは!!ゲームみたいに人が死んでいくぜ」
インペラ―(次のバイト先探さないと……)
ショッピングモール三階
アリス「きゃああああああ!!」
カレン「大変デース!早くここから出ないと!」
陽子「待て!ここから降りたらあいつらに見つかる!」
綾「そうね、どこかに隠れた方がいいわね」
鬼島「ここは関係者用の入り口に向かいましょう、そこなら隠れられる場所も多いでしょう」
こけし「それがいいですね。鬼島さんもたまには役に立つんですね」
和菓子「怖いわ……」
ココア「大丈夫だよ!きっと魔法少女がまた助けに来てくれるよ!」
カレン「その通りデース!信じる者は救われるデース!」
403 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 04:59:22.57 ID:GX+qw2sa0
ショッピングモール外
トップスピード「到着したぜー!って何なんだよこれ……」
リップル「あいつらぁ……!!」
マシンガンを持った黒装束「……」パラララ
男「ごふっ!」
リップル「やめろぉぉぉぉっっ!!!!」ドゴッ
マシンガンを持った黒装束「」ドサ
日本刀を持った黒装束「……」
拳銃を持った黒装束「……」
大鎌を持った黒装束「……」
リップル「こいつら、一体?」
トップスピード「非殺傷設定にして…食らえ!マスタースパーク!!」
黒装束達「」ガク
トップスピード「今の内に行くぞ!リップル!」
リップル「ああっ!」
リップル(無事でいてくれ……皆ッ!!)
トップスピード「んぐっ」
クラスメイトの姿を思い浮かべながらリップルはショッピングモールへと侵入する。
それに続いてトップスピードも向かおうとした所で、顔の周りに透明な何かが絡みついた。
声を出そうにも顔の締め付けが強くて声が出せない。
404 :
◆kJur2.rMxfRZ
[saga]:2018/02/10(土) 05:00:23.18 ID:GX+qw2sa0
ベルデ「人命救助は結構な事だけどよ、契約者達に命を狙われている事を忘れるな」
光学迷彩を解除したベルデがトップスピードの目の前に現れた。
顔を絞めつけていた物の正体は彼の異常な長さの舌による物だった。
トップスピード(こいつは……契約者、マスタースパークで)
ベルデ「させねえよ」
トップスピードがミニ八卦炉をベルデに撃つよりも早く
ベルデのバイドワインダーがニ八卦炉を叩き落した。
更にお返しとばかりにみぞおちに拳を叩き込む。
トップスピード(しまっ、ごふっ……)
ベルデ「速さが自慢の魔法少女も捕まっちまえば大した事ねえな」
舌を振り回してトップスピードを地面に叩きつけると
ベルデは彼女の腹部に向けて勢いよく膝蹴りを放ち、そのまま押し倒した。
トップスピード「がぁっ!!お腹は……いやっ」
ベルデ「そうかい、じゃあ望み通りにしてやるよ!そらぁっ!!」
馬乗りになったベルデの拳がトップスピードの顔面へ振り下ろされる。
鼻が砕け、血がドクドクと溢れて拳を赤く染めながらも更に拳を振るった。
トップスピード(嫌だ!俺が死んだらお腹の子も、だから俺は絶対に死ぬわけにはいかないんだ!!)
ベルデ「はははっ、暴れた所で俺のマウントからは逃れられねえっ!!」
生への執念で必死に抜け出そうとするトップスピードを嘲笑うかのように
ベルデは彼女の顔面にひたすら拳を降り続けた。
にちゃり……と打撃音が粘着染みた音に変わり始めてから彼女の抵抗は弱まり、そして動かなくなった。
ベルデの攻撃が止まった時にはトップスピードの端麗な顔はグチャグチャに潰れ、既に原型は失っていた。
ベルデ(圧倒的な力を持つ魔法少女ですら屠れる強さ、これこそが俺が求めていた暴力だ!!)
ベルデ(リップルの方はメアリが足止めしているおかげで楽に殺せたぜ)
ベルデ「フフフ、ファハハハハハ、ハァァァハッハッハッハッハッハッ!!!!」
トップスピード 死亡
405 :
◆kJur2.rMxfRZ
[sage saga]:2018/02/10(土) 05:05:12.40 ID:GX+qw2sa0
今日はここまで
トップスピードお疲れ様でした
メアリも契約者になりアビスの力を得ました
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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