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魁! IS学園
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2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:08:02.16 ID:GQKvgmrB0
一夏(これは……想像以上にきつい……。緊張して有機ELD式勉強机のタッチペンを持つ手も震える……)
カコン
一夏(あ!! タッチペンを落としてしまった!)
のほほん「……」 スッ
一夏「え‥‥……、あ‥ありがとう‥」
のほほん「……」 ニパァ
一夏(なんだ‥‥中には親切な子もいるんだな――)
のほほん「」 バキン
一夏「な!?」
のほほん「」 ボリボリボリゴックン
一夏「…………」
のほほん「」 アーン...
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:09:17.21 ID:GQKvgmrB0
一夏(た‥タッチペンを食った――。スティー○ン・セ○ールだってそんなことはしないだろ。とにかく普通じゃない…)
一夏(…………) ガラガラ
のほほん「………………」
一夏(…………)
のほほん「!」 ガボ
一夏「く‥‥食った‥‥!!」
のほほん「ごふ…」
一夏(いったい、この学園はなんだ? 本当にただの高校なのか? ‥‥っていうかコレは、女子高のノリってやつとかそういう問題ではない気もするけど‥‥)
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:09:22.44 ID:9Qjc8itL0
期待
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:13:39.90 ID:GQKvgmrB0
一夏(なぜこんなトコにきてしまったのか‥‥。思えば2年前、中2の頃‥‥。俺は女尊男卑の風潮に巻き込まれ虐げられる毎日だった‥‥)
女子A「ちょっと織斑くん、お金貸してよー」
一夏「え、でも……」
女子B「いいじゃん、織斑くんのお姉さんブリュンヒルデじゃん。マージン相当貰ってるんでしょ?」
一夏「う……」
鈴「ちょっとアンタ! そんなブサイク女共に金なんか出すコトないわよ!」
女子A「は? 誰アンタ」
女子B「誰がブサイクよ貧乳女!」
鈴「金欲しいんならエンコーでもすればいいじゃない!」
一夏(それが凰鈴音との出会いだった――)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:15:02.43 ID:GQKvgmrB0
鈴「いたた‥‥、やっぱあの鬼ババアの生徒指導キッツイわ‥‥」
一夏「友達でもないのになぜこんなコトを……。俺が金さえ出せばそれですむ話なんがから‥‥」
パシッ
一夏「う!!」
鈴「その金は家族の金でしょ! アンタがかせいだワケでもないのに偉そうなこと言ってんじゃないわよ!」
一夏「‥‥ありがとう、俺が‥‥間違ってたよ‥‥」
一夏(鈴は女尊男卑に負けない勇気をくれた)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:15:42.77 ID:oRV2Ytf/0
引き算ができれば入学できるIS学園
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:15:43.79 ID:GQKvgmrB0
一夏(時は流れ、受験の季節――)
一夏「何!? お前帰国するのか!?」
鈴「うん‥‥。父さんと母さんが離婚しちゃってさ」
一夏「だから親権を取った母親と中国に帰るって――だけどお前は『料理が上達したら、毎日あたしの酢豚を食べてくれる?』って言ってたじゃないか!!」
鈴「結局、女尊男卑には勝てないのよ。第一アタシの居場所なんてこの国のどこにも――」
一夏「IS学園へ行け! あそこならISに乗れたら日本に残れる」
鈴「ふざけないでよ! アンタの居ない学校になんて行ったってアンタとの距離は縮まらないじゃない!」
パシィ
鈴「う!! な、なにすんのよこの馬鹿!」
一夏「このあいだのおかえしさ。大切なのは距離なんかじゃない。互いを忘れなきゃどんな場所でも離れ離れになるわけじゃない」
鈴「一夏……う……ぐすっ」
一夏「鈴……」
鈴「うわぁぁぁぁ、一夏ぁぁぁぁぁぁ!」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:16:49.81 ID:GQKvgmrB0
一夏(この出来事が彼女をこの学園に行かせたのだ‥‥。‥‥俺は自分の行動を後悔していない‥‥。‥‥‥‥ただひとつの誤算は‥‥)
一夏(俺まで受かってしまったことだ‥‥)
一夏「藍越学園とIS学園って、似てるよな?」
鈴「一夏、今日のお昼ラーメンにしない?」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:17:37.34 ID:GQKvgmrB0
今日のテーマ 『私の適正高かった!!』自慢話大会
櫛灘「アタシはJCん時から高かったな〜〜〜」
谷本「へぇ〜〜」
九段下「とにかく手のつけようがねーって言われて‥‥『閃紅の魔女』って呼ばれてた」
谷本「それって、九段下さんが伝説の『魔女』なの!?」
九段下「おう‥‥」
櫛灘「アタシも名の通った高適正者だったよ! アタシは一度怒ると相手を致命領域対応にするまで止まんなくて……ついた通り名は『七月のサマーデビル』なんだ」
谷本「『七月のサマーデビル』‥‥!」
九段下「‥‥あんまりカッコよくねえな‥‥」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:18:49.15 ID:GQKvgmrB0
のほほん「私は高かったけど――、一度も試合したことないよー」
九段下「え、何だソレ?」
のほほん「私見た目がユルいから相手が勝手に嘗めて試合しかけてこないんだー。それで付いたアダ名が『不戦勝ののほほん』」
九段下「‥‥で実際試合は強ぇの?」
のほほん「ううん‥‥だから一度もしたことないから、わかんないんだー」
谷本「すごいのかすごくないのか、よくわかんないね‥‥」
セシリア「はっきり言って極東の島国というのは、こうまで未開の地だとわかってガッカリですわ」
4人「む‥‥」
セシリア「このわたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生……つまり、現時点で専用機を持っていますのよ。本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」
九段下「‥‥で、アダ名は何だったんだ?」
セシリア「え!? アダ名………………………………アダ名は‥‥………………」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:20:31.82 ID:GQKvgmrB0
セシリア「‥‥特にアダ名はありませんでしたわね‥‥」
3人「……」
九段下「‥‥じゃダメだ‥‥」
谷口「惜しい〜〜!」
櫛灘「それじゃ話になんないじゃん!」
セシリア「ちょっとお待ちになって! 別にアダ名なんて無くともよろしいでしょう!」
九段下「『七月のサマーデビル』とか『桜蘭の魔女』とかがなきゃ意味ねえだろ!」
谷口「そーだよ! 君影の埴御とか棗じゃ全然怖くないし‥‥」
櫛灘「ゼンゼンフツーだよね」
九段下「悪いけど、また次回挑戦してくれ」
セシリア「次回っていつですの!?」
鈴(……)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:21:41.00 ID:GQKvgmrB0
鈴「ねえ一夏!」 ガン
一夏「あいた、何だよ‥‥?」
鈴「アンタも中学生の時アダ名あったでしょ! 『ジジイDC』とか『朴念仁オブ朴念仁s』とか」
一夏「中学の時は『動く淫災』って呼ばれてたな」
鈴「うーん、間違ってないんだけど……」
のほほん「へー、おりむーって悪い事しそーなイメージないんだけどなー」
一夏「ああ‥‥ずっとバイト漬け生活だったからな。けど‥‥そんな俺でも一度だけ悪いことをしたことあるんだ」
相川「ま、織斑くんの悪さなんてたいしたことないんじゃない?」
鷹月「せいぜいパフパフ正面衝突とか?」
一夏「まあ‥‥ホントにたいしたことないんだけどな――」
鈴(もしかしてアレの事かな……?)
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:22:38.08 ID:GQKvgmrB0
一夏「今からさかのぼること幼少期、神社の境内の落ち葉を集めて焼き芋を作ろうって話になったんだ。その時は千冬姉も居なくて子供だけだったんだけど――」
女子「……」 ゴクリッ
一夏「――それで火をつけたんだけど、つい火力が足りないなと思って落ち葉を投入したら――」
鈴「ぼや騒ぎに発展したと」
一夏「あれ? なんで鈴知ってんだ?」
鈴「小学校高学年の清掃ボランティアん時も焼き栗騒動でやらかしたじゃない! ってかアンタ前科あったのね!」
一夏「はっはっはっ」
鈴「笑ってごまかすんじゃないわよ!」
女子「」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:23:14.91 ID:GQKvgmrB0
夕飯休憩
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 19:42:48.87 ID:Xlt+fnPco
IS世界寄りにしてマイルドにしてるのかと思ったら
のほほんさんだけ扱い厳しめで笑った
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:00:45.97 ID:GQKvgmrB0
相川「そろそろうちのクラスでも、クラス代表っていうの決めよー!!」
瀬名川「特にアタシらは個性が弱えから上でシキってくれるヤツがいねえとまとまんねえしな!!」
谷本「それはふつうのガッコウでいうところのクラス長みたいなものなの?」
のほほん「よくわかんないけど、たぶんそーだと思うー!」
鷹月「うーん‥‥ぜんぜん違うと思うんだけど‥‥」
九段下「けどいったいどうやってそのクラス代表を決めるんだ?」
風霧「まず、過去の試合実績をもとに何人かの女子をピックアップした。今からその生徒たちを紹介する!!」
女子「……」 ゴクッ...
風霧「この3人だ」
セシリア「……」
鈴「……」
一夏「」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 20:05:24.90 ID:+NL462AK0
ところで、誰かいないような・・・
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:20:32.13 ID:GQKvgmrB0
一夏「ちょっと待ってくれ‥‥。何で俺がノミネートされてるんだよ‥‥」
九段下「バカヤロウ、コッチのセリフだ!! さっさと下がらねえとブッころがすぞ!!」
箒「一夏を推薦したのは私だ」
鷹月「え!! 篠ノ之さん!?」
箒「私たちは女尊男卑の世界に生きてきたから、ただ単に萌えるとかブヒれるキャラを見ても魅力を感じなくなってしまった。むしろ一夏のような普通の男子にこそ魅力を感じてしまう」
相川「篠ノ之さん、ムリしてない‥?」
箒「ていうかぶっちゃけ幼馴染だから推したい」
一夏「サッパリ意味がわかんねえよ!」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 20:31:51.78 ID:+NL462AK0
いたわ箒さん
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:36:09.53 ID:GQKvgmrB0
鷹月「‥‥で、そのクラス代表を決めるための方法はどうするの?」
相川「やっぱ試合だよ!」
九段下「あたり前だぜ、ビームの撃ち合いしかねえだろうが!?」
この後、数時間に渡る激論の末に『ガマン強くて艶かしい背中を持ったエロいヤツ』がクラス代表という事になり、その条件を満たす勝負で決める事になった。
フォルテ「先輩、今一年一組でクラス代表を決める勝負をしてるらしいっすよ」
ダリル「そいつぁおもしれーな! 見学すっか!」
薫子「はいはーい、新聞部でーす。クラス代表決定戦を取材に来まs」
3人「な!?」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:44:13.13 ID:GQKvgmrB0
鈴「ふっ、うぅっ、あっ、ひっ」 ガクンガクン
セシリア「あぁんっ、あっあっ、はぁん!」 ビクンビクン
一夏「うっ……くっ……はぐっ」 ギシッギシッ
フォルテ「こ、れは……」
ダリル「……オイルマッサージ?」
鈴「飛ぶぅッ!!」
セシリア「死んでしまいますわ〜〜〜!!」
一夏「か、勝ったーーーー!!」
箒「……指、疲れた……」
女子「…………な〜んか納得いかない‥‥」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:56:28.25 ID:GQKvgmrB0
一夏は、何とかこの学園を建て直したいという考えを日増しに強めていた――
だがそんな一夏をアザ笑うかのように、学園の女尊男卑は止まる所を知らなかった‥‥
一夏「だけど‥‥あきらめずに前へ進めばきっと光は見えてくるはずだ‥‥」
箒「それはムリな話だな‥‥」
一夏「ほ‥‥箒! 言葉を返すようだけど‥‥あきらめるのはカンタンだ。けど、それじゃ何も始まらない――」
箒「もしお前が『アイツ』を倒すことができれば、この学校も変わるかもしれない。‥けどそれはムリな話なんだ」
一夏「『アイツ』って?」
箒「1年3組にいるんだ、とんでもないヤツが‥。アイツがいる限りココは毎日がギャルのモンド・グロッソ状態だ……」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:06:15.38 ID:GQKvgmrB0
一夏「‥‥でも、そんなヤツがいたら九段下さんが黙ってないだろ‥‥」
箒「……あまり大きい声では言えんのだが‥‥、ダブリの九段下さんは勝負を恐れて逃げ回っている――」
一夏「え!!」
一夏(し、信じられない‥‥。あのダブリの九段下さんが背中を見せるほどの敵……!)
一夏「と、とにかくその子に会ってみるよ‥‥。で、名前は何ていうんだ?」
箒「いや‥‥名前は知らない‥‥」
一夏「知らないってどういうことだよ!? 名前もわからないんじゃ、行っても会えないじゃないか!」
箒「行けば‥‥わかる‥‥」
一夏「え?」
一夏(行けばわかる‥‥どういうことだ?)
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:20:12.61 ID:GQKvgmrB0
一夏(1年3組‥‥ここか‥‥。ここに『ヤツ』がいる‥‥!) ガララ...
紗奈「あ。おはようございます、織斑さん」
クルル「……」
一夏(たしかに、このクラスの女子はレベルは高い‥‥。けど、みんな見慣れた女子‥‥。ひと目見ればわかるというほどの女子などドコにもいやしない‥‥。俺も幾多の修羅場をくぐっているうちにこのレベルの女子にはドギマギしなくなっている)
凛「……」 ネコミミピコピコ
一夏(今の俺なら口説いても落とせそうな気さえする。時間のムダだ‥‥帰ろう‥‥。たぶん箒が何か勘違いしたんだろう。この1年3組に、『アイツ』はいない!!) ガラララ
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:33:59.48 ID:GQKvgmrB0
一夏(いた‥‥!!)
???「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
一夏(ま、間違いない!! この子だ! ‥‥けどひとつ気になることがある!!)
???「ウィィィィラァァァァウェイズラァヴュゥゥゥゥゥゥゥ」
一夏(本当にこの子は高校生なのか? ‥‥というより、日本語が通じるのか!?)
???「……?」 ピタッ
一夏「は、はじめまして。‥‥1年1組の織斑と申します」
???「…………」
一夏「あの‥‥お名前は‥‥?」
???「…………」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:47:29.82 ID:GQKvgmrB0
一夏(自分の素性を明かしたくないのか、それとも‥‥本当に日本語が通じないだけなのか――)
山田「さあ、皆さん授業を始めますよ〜〜〜」 ガラララ
一夏(せ、先生が来た‥‥!! ‥‥ということは‥‥!?)
???「……イィィィフ、アァァァァイ……」 ボソッ
一夏(この子は『先生』じゃないのか!!)
???「シュゥゥゥゥドゥ、ステェェェェェィ……」 スタスタ
一夏(一縷の望みが絶たれてしまった。ひょっとして『先生』じゃないかという考えもあったけど‥‥。まあ『先生』だったとしてもそれはそれで問題あるけど‥‥一体この子は何者なんだ……? そしてどこからやってきたんだ‥‥?
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:59:33.90 ID:GQKvgmrB0
一夏「……結局、『アイツ』に会っても何もわからなかった」
箒「そうか、恐ろしい女だ‥‥」
セシリア「先月編入してきたらしくて生徒名簿にも名前がのってありませんでしたわ」
鈴「‥‥て言うか、ホントにウチの生徒なのアレ‥‥」
一夏「そこで俺は、『アイツ』の名前を考えてみたんだ」
3人「・・・・・・どんな?」
一夏「――『ホイットニー』でどうだろう?」
箒「ホイットニー?」
一夏「ホイットニー」
鈴「ホイットニー?」
一夏「ホイットニー」
セシリア「カヴァー元の『ドリー』でなくて?」
一夏「ホイットニー」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 22:10:37.26 ID:GQKvgmrB0
一夏「敵と戦う前には、まず、その敵のことを知る必要があると思う」
セシリア「なるほど‥‥ホイットニーのことをもっとよく調べろ、というコトですわね」
箒「今、ホイットニーに関してわかっていることと言えば『肌の色が濃い』ということぐらいしかないな」
鈴「しょせん、アタシたちは高校生だからね‥‥。難しい情報を集めるのはムリがあるわ。とりあえずカンタンな情報から集めてみましょう!」
箒「まずIS適正値から調べよう! 私の姉は篠ノ之束だから一発で当てる自信がある」
鈴「適正値〜?」
セシリア「あまり意味がないと思いますけれど…」
一夏「そうだな‥まず、できることから始めていかないと先へは進めない!!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 22:25:48.23 ID:GQKvgmrB0
鈴「いた?」
一夏「おう‥‥教科書を読んでる」
ホイットニー「ユゥゥゥゥ、マイダァァァァリングュゥゥゥ」
一夏「意外とマジメだなーーー」
鈴「心なしか唇少し厚くなってない?」
箒「勉強家は適正値Bの確率が高い‥‥」
セシリア「いえ、お待ちを! よく御覧なさい!」
一夏「き、教科書がさかさまになってる!!」
箒「おっちょこちょいは適正値B+に多いぞ!!」
セシリア「おっちょこちょいというか‥‥読んでいないではなくて!?」
一夏「あ、あれは!?」
鈴「どうしたの!?」
一夏「いきなり腕立てを始めたぞ!」
ホイットニー「ビィタァァァァスィィィィィトゥ、メェェェモリィィィィィィズ」 ググッ
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 22:44:54.97 ID:GQKvgmrB0
箒「いきなり腕立てを始めるのは適正値Aの可能性が高い!」
鈴「それホント!?」
一夏「おい、アレを見ろ!」
セシリア「どうしましたの!?」
一夏「まだ腕立てを開始して一回目だってのに‥‥早くも挫折してるぞ!」
ホイットニー「……………」
セシリア「な、なんて根気の無い方ですの!」
一夏「箒、『根気の無い子』は適正値いくつ?」
箒「……すまない、研究書に載ってない」
鈴「『腕立て』があんのに、何で『根気の無いヤツ』が載ってないのよ!」
一夏「あ、あれは!?」
セシリア「え!?」
一夏「こ、古武術の無拍子を‥!!」
ホイットニー「ゾォォットイズオォォァル、アアァァイムタゥキング」 スッスッ
鈴「箒! 古武術の無拍子は!?」
箒「無拍子をするヤツは間違いなくAだ!」
セシリア「箒さん、その文献どこから引っ張ってきましたの?」
一夏「あれを見ろ!!」
鈴「……今度は何よ!?」
一夏「教科書をカバンに入れてる!!」
鈴「フツーでしょ!!」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 23:03:51.14 ID:GQKvgmrB0
4人「…………」 ジーーッ
ホイットニー「…………」 ガララ
鈴「……昼休みだからか教室を出たわね」
一夏「行動にまるで一貫性が無い‥‥」
セシリア「やはりあなどれない方ですわね……」
鈴「適正値ならわかると思ったけど‥‥これじゃ難しいわね‥‥」
箒「ホイットニーの適正値がわかったぞ――」
一夏「え!? ホントに!?」
鈴「アンタ、テキトーに言ってない?」
箒「勉強家でおっちょこちょいで、なおかつ腕立てと無拍子の連続技をあやつる女性‥‥」
3人「……」 ゴクリ
箒「このタイプは統計上67%の確率で適正値Bだ!!」
一夏「適正値B‥!!」
鈴「そっか! Bだったのねホイットニーは!!」
一夏「ホイットニーはBだったのか‥‥」
セシリア「‥‥そうでしたのね‥‥」
4人「………………」
セシリア「――で‥‥この適正値をもとに何をすればいいんですの、私たちは?」
箒「………………」
一夏「………………」
鈴「………………」 グゥゥゥゥ
箒「‥‥昼餉にするか」
一夏「そうだな」
鈴「この時間混むわよ」
セシリア「……戦うのではなくて……?」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 23:25:02.65 ID:GQKvgmrB0
食堂
4人「」
谷本「ホント面白いねデュノアさんって! お腹が空いちゃうとソウルシンガーみたいになっちゃうの?」 パクパク
シャル「うん‥‥そうなんだ。おかしいよね、ハハ‥‥」 モグモグ
のほほん「そんなことないよー、もっと食べる〜?」 グッチャグッチャ
シャル「ありがとう。でもスニッ○ーズはもういいかな‥‥」
4人「………」
セシリア「なんですのこのオチ」
鈴「アタシたちの努力って一体……」
箒「わ、私……は、もうISは……使わない……」
一夏「いや落ち込み過ぎだろ箒」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 23:44:42.27 ID:vCE9W5ugo
今のシャルだったんか!?
35 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 00:05:28.29 ID:Zj2/k8Z/0
IS学園には魔物が棲む‥‥
一夏「俺はそうゆう超常現象のたぐいは信じない‥‥。そうゆうのは思い込みとかヒトの心が原因だったりするのが多いから科学的に説明がついちゃうからな」
箒「別に私はそういう話をしているのではない!」
一夏「じゃ、どういう話なんだよ?」
セシリア「まあ、ここで話していてもラチがあきませんわ‥‥。まず確認してみないコトには‥‥」
鈴「じゃ、いくわよ」
4人「せーの」 ガラララ...
ゴーレムI「………………」
箒「ほら」
3人「」
36 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 00:22:29.25 ID:Zj2/k8Z/0
一夏「アイツってたしか5月に攻めてきた不明機だよな」
鈴「何でフツーに教室にいんのよ‥」
箒「たしかにIS学園は世界中のギャルが集まってくる‥‥が‥しかし‥‥」
ゴーレムI「………」
箒「アンドロイド萌えか‥‥」
セシリア「萌えではありまんわ! っというか人間ではないでしょうアレは!!」
一夏「いくらうちの学校がザル警備だといっても、機械を入学させるとは思えない‥‥。となればアイツは人間だと考えるべきじゃないか……」
ゴーレムI「……」 プシューーッ
一夏「深くため息つくなんて人間らしいじゃないか‥‥」
箒「きっと友人関係で悩んでいるんだろうな、わかるぞ‥‥」
鈴「ただの放熱機構でしょ!!」
37 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 00:39:05.31 ID:Zj2/k8Z/0
セシリア「アナタたち何を根拠にアレを人間だと言い張るんですの!?」
一夏「だって腕時計してるぞ」
鈴「ウソ!! しかもホワイトゴールドカラーのフルスペック腕時計じゃない!」
セシリア「ですが‥‥時計をしてるからといって人間と認めるワケには‥」
鈴「て言っても、何を基準にアイツが人間かどうかを計るのよ‥‥」
一夏「あ‥‥電話かけてる」
2人「え゙え゙え゙!!」
ゴーレムI「………」
シャル「へぇ〜、そうだったんだ。それでその後どうしたの、ゴレ美ちゃん?」
一夏「シ、シャル(ホイットニー満腹形態)も電話してる!!」
鈴「ゴレ美!?」
セシリア「ま、まさか彼女が不明機に電話をしていますの!?」
箒「よく番号を知っていたな!!」
一夏「腕時計して電話かけてるんだから人間として認めてあげてもいいんじゃないのか!?」
セシリア「いいえダメですわ!」
鈴「逆に電話かけられない機械って何!?」
箒「お前たちも強情だな」
38 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:04:57.88 ID:Zj2/k8Z/0
シャル「じゃあこういうのはどうかな?」
一夏「うわっシャル! いきなりどうした?」
シャル「今LINEをゴレ美ちゃんに勧めたんだけど、これからボクがゴレ美ちゃんにいくつかスタンプを交えた会話をするよ」
鈴「それでスタンプの意味を理解したゴレ美? が人間らしく答えられるかテストする――と」
セシリア「なるほど、LINE式チューリングテストですわね!」
箒「‥‥で、そのチューイングテストとは何だ?」
セシリア「シャルロットさん! さっそく実験開始ですわ!!」
シャル「うん。えーっと、『使い勝手はどう、ゴレ美ちゃん?』と」
鈴「そーゆーまどろっこしいのいいから、さっさとスタンプ貼って!!」
シャル「ええ? ‥‥じゃあ、これ」 ピッ
一夏「よし、これでアイツが人間か機械かハッキリするぞ!!」
セシリア「答えられるものなら答えてみなさい!!」
39 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:14:39.85 ID:Zj2/k8Z/0
鈴スタンプ『察しなさいよね、ばかぁ』
5人「………」
シャル「さっそく課金してる・・・・・・」
4人「っていうか販促!?」
しゃべるIS インフィニット・ストラトス \240
40 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:33:51.33 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ・ボーデヴィッヒ 正式名称「C-0037」
ドイツ軍が誇る軍用デザイナーチャイルドの1人――
少佐の階級を持ちIS操縦者のみで構成される特殊部隊「シュヴァルツェア・ハーゼ」を率いる隊長でもある――
ラウラは敬愛する教官がモンド・グロッソの決勝戦で棄権を余儀なくされた原因である織斑一夏に復讐するためIS学園に転校してきたのだった――
ラウラ「む‥‥ここがIS学園か。薄汚い所だ‥‥」
3年生「あら? アナタ噂の転校生? よかったら道案内を――」
ラウラ「大衆はブタだ!!」
3年生「ヒッ!?」 ビクッ
ラウラ「無能なブタどもに我々の理想を叩き込み、支配するのだ!!」
3年生「あ、あの‥‥」
ラウラ「おいそこの、1年1組はどこにある? さっさと案内しろ」
3年生(えらい子と鉢合わせしちゃった‥‥)
41 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:52:44.18 ID:Zj2/k8Z/0
3年生「こ、ここが1組よ」
ラウラ「フッ‥ここからは私一人で十分だ。お前はそこで待ってろ。この私の前では、この学校も有象無象の一つでしかない」
3年生「は、はあ‥‥」
ガラララ...
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
ラウラ「」
ホイットニー(シャル空腹形態)「ウィィィィラァァァァウェイズラァv」 カラララ... ピシャッ
3年生「ど、‥‥どうしたのキミ? 顔色が悪いわよ‥‥」
ラウラ「‥‥私の視力は1.5だ。今ソウルシンガーみたいな奴がいた気がしたが‥‥目の錯覚など‥‥」
3年生「まあ‥‥この学校は世界中の子が集まってるから‥‥」
ラウラ「いや‥‥国家とか人種とかそういう次元の話ではない!!」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 02:00:25.98 ID:iAkM50U1o
名前欄ミスってない?
トリップになってない普通の文字列になってるけど
43 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 02:16:32.84 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ「何てたとえたらいいのか――、宇宙飛行士の試験で10人分の点呼を取ったら妙に船の構造に詳しい11人目がいたような‥‥」
3年生「何だか余計にわかんないけど‥‥別に怯えることなんてないわよ。落ち着いて入りなさい」
ラウラ「‥‥それもそうだな‥‥。だが‥今度はお前も一緒に見るんだぞ!! 絶対!!」
3年生「‥‥はいはい」 ガラララ
一夏「ホイットニー! そこは俺の席だろ!!」 ペチペチペチペチペチ
箒「‥っと言うかお前、ウチのクラスではないだろう!!」 ペチペチペチペチペチ
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」 ペチペチペチペチペチ
2人「…………」 ピシャ...
3年生「何か‥‥頭ハタかれたわね‥‥」
ラウラ「ああ‥‥私も今、本気で驚いているところだ――」
3年生「でもイジメとかケンカっていうより単なるスキンシップっぽかったし、きっと優しい子なのよ‥多分」
ラウラ「いいや、そんなハズはない!! あれは私をあざむくためのカモフラージュだ!!」
3年生「大丈夫よ! もし人間関係でトラブルが起こったら、先生がケアしてくれるわ」
ラウラ「だが‥‥そんな事して告げ口したと逆恨みされたらどうしよう‥‥」
3年生「……思ったより心配性なのね‥‥」
ラウラ「‥っと言うかそれ以前に、何であんなヤツが入学できるんだ?」
3年生「この高校、入試は模擬戦だけだから‥‥」
44 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 02:19:27.42 ID:Zj2/k8Z/0
>>42
指摘サンクス
45 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 02:31:15.18 ID:Zj2/k8Z/0
3年生「とにかく落ち着いて‥‥どんなに相手と自分が違ってても、結局は同じ人間よ。そう思えば何も怖くないわ」
ラウラ「――ニンゲン、か」
3年生「さあ、ドアを開けましょう!! 自信を持って!!」
ラウラ「ああ‥」
ガラララ
ゴーレムI『ラーランラーラララーラララー♪』 プッシュゥゥゥゥゥ
2人「」
ゴーレムI『ラーランラーランラーララr』 ピシャ...
3年生「‥‥人間、じゃなかったわね」
ラウラ「クラリッサか!? すぐに来てくれ大至急だ!!」
46 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 03:02:07.48 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ(私の名はラウラ・ボーデヴィッヒ――ドイツ軍のデザイナーズチャイルドだ。自分で言うのも何だが私は優秀であった。性能面において、最高レベルを記録し続けた。一度は失敗作の烙印を押される事もあったが、教官の厚意により私は救われ返り咲いた。我が恩師の恥辱はこの手で雪がなければならない!!)
3年生「え、じゃあキミ織斑くんに会いたかったの? だったら最初からそう言ってくれればよかったのに」
ラウラ「う、うるさい‥‥」
3年生「彼が、その織斑一夏くんよ」
一夏「え、何ですか?」
ラウラ「貴様か…どんな奴かと思えばつまらん男だ」
一夏「ちょっと、待ってくれよ‥‥一体何の話だ?」
バシンッ!
一夏「う?」
ラウラ「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」
一夏「いきなり何しやがる!」
ラウラ「貴様がいなければ教官が大会二連覇の偉業をなしえただろうことは容易に想像できる。だから、私は貴様を――貴様の存在を認めない」
一夏「……! あの時の――」
鈴「ちょっとー、シャルがまたス○ッカーズ欲しがってるわよー」
47 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 03:16:01.90 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ「この私の前では、貴様も有象無象の一つでしかない。我がドイツ軍の精鋭部隊であるシュヴァルツェア・ハーゼが直々に消してやろう」
一夏「てめえ――」
箒「ちょっといいか?」
ラウラ「む‥‥何だチョンマゲ」
箒「ウチの学校は法律上でも国際上でも『どこの国でもない土地』だぞ? 一軍事組織が介入できるものか」
ラウラ「‥‥え?」
シャル(食事中)「特記事項第21、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする。生徒手帳にキッチリ書いてあるよ」 モグモグ
ラウラ「え」
セシリア「つまり実質的にアナタは――」
鈴「――孤立無援ってことね」
ラウラ「」
48 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 03:29:58.16 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ(どうしよう‥‥編入手続き済ませてるし‥‥この学校じゃ我が軍の精鋭が使えない――)
箒「傷むか、一夏?」
一夏「いや全然、蚊が刺したかと思った」
ラウラ(だが、ここまで言った手前もはや引っ込みがつかん‥‥!!)
シャル「‥‥どうする?」
鈴「吊るす?」
セシリア「廊下引き回しの刑ですわ‥‥!」
ラウラ(よし!! 決定!! 無理を承知でこのままウソで押し切ろう!!)
3年生「ち、ちょっとみんな落ち着いて‥‥」
ラウラ「えーい貴様ら、よく聞けい!!」
全員「!?」
ラウラ「私はたかが復讐のためにこの学校に来たのではない!!」
全員「‥‥え?」
49 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 03:53:57.72 ID:Zj2/k8Z/0
箒「何が言いたいのだ、お前は‥‥?」
鈴「じゃ、何なのよ? おかしいわよアンタ」
セシリア「アナタが教官が〜云々と仰っていたんではないですの」
ラウラ「えーと‥‥ちょっと待て――私はな‥‥」
3年生「‥‥」 ハラハラ
ラウラ「世界の裏で暗躍する、旧第3帝国軍によって作り出された、クローンIS操縦者軍団の1人なのだー!!」
一夏「‥‥は?」
箒「第3帝国‥‥?」
鈴「クローンIS操縦者軍団〜〜?」
ラウラ「そうだ。歴史の闇に葬られた我らにとって、国際条約など紙切れ同然。その気になればこんな小国、いつでも焦土にできるのだ」
3年生(うわーやっちゃった〜。この子何てコト言うのよ‥‥。そんな出まかせ小学生でも――)
ΩΩΩΩ「な、なんだってぇぇぇぇぇェンダァァァァァァァア!?」
3年生「え゙」
一夏「第3帝国って‥‥最初にナのつくチョビヒゲが率いたあの鉤十字マークの!?」
箒「へ、平穏の裏でそんな連中が蠢いていたなんて」gkbrgkbr
鈴「馬鹿! 何でそんな大事なコトアタシたちに話したのよ!?」
ホイットニー(シャル激情態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア!!!」
3年生(信じてる‥‥)
ラウラ(自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。何とか収拾をつけなければ‥‥)
50 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 04:15:42.15 ID:Zj2/k8Z/0
一夏「‥‥で、その悪の秘密結社の少佐殿がこんな学校に何のご用で?」
3人「少佐殿! 少佐! 代行! 代行殿! 大隊指揮官殿!」
ラウラ「え‥だいたい!? あ‥私の事か!! えーと‥その何だ‥‥」
3年生「……」
ラウラ「その悪の第3帝国を滅ぼすために決まっているだろう!!」
箒「‥だが黒幕はお前の恩師だろう?」
ラウラ「あ!! そうか!! ‥‥それはそれでえーと‥‥」
4人「<●> <●>」 ジーーーッ
ラウラ「たとえ師といえど、女には正義のために戦わねばならん時があるのだ!! ツライがな‥‥」
一夏「……ひとついいか?」
ラウラ(まずい‥‥さすがにバレたか!?)
一夏「手伝わせてくれ!! 正義のために!!」
ラウラ「え‥‥ホ‥ホントか?」
箒「何を言っている、一夏」
鈴「アタシたちを忘れんじゃないわよ!!」
ホイットニー(シャル激情態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア!!!」
一夏「バカヤロー!! もちろんみんなも仲間だろ!!」
51 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 04:26:14.60 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ「よ‥よーし、役者はこれでそろったな――」
一夏「今日から俺たちは正義の仲間だな!!」
ラウラ「よーーし!! 明日からみんなでがんばろォォ!!」
全員「おおォォォッ!!」
◆
喫茶『ななつき』
絢音「あらあら、なんだか元気がないわねえあの子たち」
3年生「……」
ラウラ「……えらいコトになってしまった……」
52 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 04:27:32.62 ID:Zj2/k8Z/0
ちょっと一旦書き溜めます
ノシ
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 07:19:46.04 ID:iAkM50U1o
乙
ラウラ厨二病かわいい
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 08:52:51.91 ID:LoJ5d6ij0
男塾かと思った
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 09:06:29.45 ID:0DuyoJhy0
男塾なのに学力馬鹿描写がないと思ったらクロマティ高校だった
56 :
◆IM4j5.DbdY
:2017/01/05(木) 11:59:59.94 ID:Zj2/k8Z/0
転校先の学校に自国で控える精鋭部隊を呼べないという不測の事態に陥ってしまったドイツ軍の少女将校、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
衝撃的すぎるデビューを飾ってしまった彼女は保身を図るためにウソの上塗りを続け取り返しのつかない窮地に追い込まれてしまったのであった――
3年生「‥‥いくらなんでもクローンIS操縦者軍団っていうのは‥‥」
ラウラ「やめろ!! 部分的に事実も混ざっているのが余計にタチが悪い‥‥!!」
3年生「え!? ‥‥けど‥あのストーリーからすると、ボーデヴィッヒちゃんはこれからあの子たちと大隊を結成して悪の黒幕と戦わなきゃいけないのよね‥‥」
ラウラ「フン‥冷静に考えてみろ。あんな話を真に受ける有象無象どもだ。一日たったらキレイサッパリ忘れているに違いない」
3年生「確かに‥‥とんでもないぐらい信じ込んでたけど」
ラウラ「おそらく今頃、どこかで浮かれて遊んでいることだろう」
一夏・箒「少佐!!」
ラウラ「うわああああああああ!!」 ビクゥッ
3年生(フツーに憶えてたー!!)
57 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:01:29.68 ID:Zj2/k8Z/0
一夏(ドクコス)「いや〜〜探しましたよ少佐」
箒(大尉コス)「‥‥敬礼」 ボソッ
シャル(シュレディンガーコス)「Miauen///」 ネコミミピクピク
セシリア(リップバーンウィンクルコス)「ソノキレーナカオヲフットバシテヤリマスワー」 ガシャン
鈴(ゾーリンコス)「嫌いな食べ物? モミジおろし」
弾(ルークコス)「何で俺まで‥‥」
蘭(ヤンコス)「‥‥死なせて」 ボソッ
数馬(トバルカインコス)「挿絵皆無のキャラと厚着のキャラて相性ええね」
ラウラ「‥‥どこで買ってきたんだそんなコス‥‥」
3年生「しかも数が増えてる‥‥!!」
鷹月「何アレ‥‥」
相川「ショーサ?」
のほほん「おりむー何してんのー?」
谷本「こらっ、近づいちゃダメ!」
ラウラ(う‥‥凄く恥ずかしい!!)
58 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:02:53.24 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ「き、貴様ら。人前で少佐と呼ぶのは控えろ‥‥」
一夏「ナゼでありますか少佐!!」
ラウラ(マズい! コイツら本気だ‥何とかしないと‥)
ラウラ「‥‥とにかくあまり目立ってはダメだ!! だいたい何だその格好は! 迷彩効果が薄すぎるぞ!!」
一夏「ああ、コレですか。ダブリの九段下さんに相談したら目を輝かせながら嬉々としてコレら一式を快く手配してくださいまして」
3年生(ホマレちゃんんんんんんんん!!)
ラウラ「そもそも織斑一夏! 私がここに来たのはお前を――!!」 ハッ
一夏「俺を‥‥何です?」
ラウラ(そういえばそうだった‥‥。コイツらを警戒するあまり当初の本懐を忘れてしまうところだった――。私はコイツを消し教官の雪辱を果たすためにこんな島国に来たのではないか‥‥!)
一夏「少佐殿‥‥?」
ラウラ(見ればコイツはどうも本当に殴られた事も綺麗に忘れてすっかり頭を垂れている。ならばその愚臣ぶりを利用してやろうじゃあないか‥‥) ニヤァァァ...
59 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:04:20.06 ID:Zj2/k8Z/0
3年生「ボーデヴィッヒちゃん、大丈夫‥‥?」
ラウラ「‥‥お前を、護るためだ」
一夏「え?」
ラウラ「場所を変えて話そう。ここでは『ヤツら』に気取られる」
校舎裏
ラウラ「ここならば良いだろう」
一夏「少佐、一体なにを――」
ラウラ「目立つのを避けたのはお前たちに危害が及ぶのを防ぐためだったのだ」
3年生「危害?」
ラウラ「突然だが、我々の存在が彼のラストバタリオンの耳に触れるところとなった」
箒「何っ!? 敵の本隊にか!?」
シャル「Miauen!?」
セシリア「マーナントイウコトデスノー」
ラウラ「ラストバタリオン本隊は私がIS学園と接触したことに危機感を覚え、密かに量産体制を整えていた擬似IS『聖槍騎士団・ロングィノスXIII』の実戦投入を進めているという情報を掴んだ。おそらく明日にでもヤツらはこの日本に乗り込んでくるだろう」
3年生(うっわ〜〜またエライ事を言い出したわこの子‥‥。何よロングィノスXIIIって‥‥。プレステのゲームじゃあるまいし――)
鈴「ええっ!?」
一夏「擬似ISだって!?」
箒「ラストバタリオンの科学力、恐るべしだな!!」
シャル「Miauen!!」
ラウラ「………うん」
3年生(‥‥また信じてるし。って言うかデュノアちゃんは何でずっとネコ語なの?)
60 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:05:23.66 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ「本音を言うとだな、私は最初みんなと大隊を結成する事は望んでいなかった。IS適正を持っているとはいえ、平和な国で生まれ育ったお前たちを巻き込みたくなかったんだ」
一夏「それで最初はあんなに邪険だったのか」
ラウラ「ああ」
箒「見晴らしの良い場所では格好の的だったからここに場所を移したのだな」
ラウラ「そうだ」
鈴「シャルロットが楽しみに取っておいたスニッ○ーズを黙って食べたのも毒殺を危ぶんだからなのね」
シャル「Miauen‥‥!」
ラウラ「えっ!? あ‥‥うん、その通りだ」
セシリア「――それで、これからどうしますの?」
ラウラ「決まっている、ここでお前たちとは手切れだ。この大隊を解散する。累が及ぶのは私独りでいい」
一夏「なっ――!!」
鈴「何言ってんのよ!! アンタ一人で置いていけるわけないじゃない!!」
箒「そうだぞ! まだ結成してから半日も経っていないんだぞ!!」
シャル「Miauen!!」
ラウラ「わからないのか!! 相手は一夏を誘拐した張本人なんだぞ!!」
一夏「」
61 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:06:17.33 ID:Zj2/k8Z/0
鈴「え?」
箒「どういう、事だ?」
ラウラ「――第二回モンド・グロッソで教官、織斑千冬が決勝戦で棄権した事は知っているな?」
箒「ああ、知っている」
鈴「たしか機体とメンタルの不調が原因って報道されてたけど‥‥まさか!?」
ラウラ「そのまさかだ。教官はさらわれた一夏を救うため決勝戦を捨てざるをえなかったのだ」
箒「そんな‥‥」
鈴「嘘、よね?」
一夏「――本当だ」
箒・鈴「」
ラウラ「一夏にあんな恐怖をもう二度と味わわせたくない。だから、みんなとはもうこれっきりだ」
全員「…………」
ラウラ(ククク、誘拐の件こそ事実だが誰がお前をかどわかしたのかまでは知らん。せいぜい自分の罪に苛まれながら潰れて逝け)
一夏「わかった。お前とはもうこれっきりだ。ここで別れよう」
ラウラ「ああ」
一夏「ならここからは俺が大隊を継ぐよ」
ラウラ「‥‥は?」
62 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:06:59.98 ID:Zj2/k8Z/0
箒「な、何言ってるんだ一夏! 相手はお前のトラウマそのものなんだぞ!!」
鈴「そうよ! アンタ自分が言ってる事わかってんの!?」
一夏「‥‥怖い」
箒・鈴・ラウラ「え?」
一夏「あの日を思い出すのは怖い。夢に見ればもう二度と目を瞑れなくなる。けど、俺は戦うより逃げる方が怖い」
ラウラ「何を‥‥」
一夏「逃げたら、もう俺には戻れない気がするから」
ラウラ「………」
箒「フーーーッ‥‥」
鈴「何でアンタはそういつも針のムシロに向かいたがるのよ」
一夏「男の子だからな」
箒「まったく、私が言いたかった事を全部言うな。馬鹿者」
鈴「こうなったら地獄の底まで付き合ってやるわよ、バーカ」
シャル「Miauen♪」
セシリア・弾・蘭・数馬「え」
一夏「そういう事だ。オサラバです少佐殿。いずれ地獄(リンボ)で」 ビシッ
ラウラ「…………」
63 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:08:18.19 ID:Zj2/k8Z/0
寮への通学路
3年生「あーあ。ホントに行っちゃったね、織斑くん。よかったの? ホントの事言わなくて」
ラウラ「‥‥何故だ」
3年生「ん?」
ラウラ「何故ヤツはああまで愚直に他人を信じる事ができる? ヤツは本物の馬鹿なのか?」
3年生「――そーね。少なくとも私でもすぐにわかる嘘を真っ正直に受け止めちゃうぐらいにはお馬鹿さんかもね」
ラウラ「‥‥」
3年生「それにしてもあの子たちも大変よねー。真っ直ぐに他人を信じちゃう彼を持っちゃうと他人の嘘にも付き合わなきゃいけないんだもの」
ラウラ「な!?」
3年生「あれ、気がつかなかった? 周りの子たちはとっくに気がついてたわよ?」
ラウラ「ば、馬鹿な! では何故すぐに私を糾弾しない!?」
3年生「さあ? 面白がって付き合ってたのか、一夏くんの純真な心を壊したくなかったのかしらね」
ラウラ「‥‥わからない。何故ヤツらは私を見逃す? 何故私を捨て置く?」
3年生「キミってよっぽど酷い競争社会で生きてたみたいね。人って考えてるよりもずっと他人に無頓着な生き物よ。特に平和なほどとっても」
ラウラ「………………」
3年生「キミの事も織斑くんの事も詳しくないけれど、キミたちって案外似たもの同士だったりするのかもね」
ラウラ「私が‥‥ヤツと!?」
3年生「キミたち2人はあのエックスデーを境に、同時に織斑先生に救われた。織斑くんはテロリストに監禁された恐怖から、キミは昔の尊厳を追われる程の競争から。でもきっと、2人の見ている方向は違う」
ラウラ「見ている方向?」
3年生「織斑くんは『救ってくれる人への憧れ』、キミは『救われる前の悲惨な常識』。昨日と明日、それぞれ互いに見つめている方向に縛られている」
ラウラ「‥‥」
3年生「わかりやすく言ってあげよっか。どちらかといえば織斑もキミに負けず劣らずウソツキだよ。おんなじぐらいわかりやすいウソばっかりつく」
ラウラ「ウソ? ヤツが?」
3年生「『俺がみんなを守る』、『みんなを脅かすやつはみんなやっつける』。実際に彼が成し得た事なんてだいたい未遂かオコボレ、実力も全然及ばないしとっても頼りない。でもねアタシ見てみたいんだ」
ラウラ「見たいって、何を?」
3年生「あの子のついてきたウソが、いつかホントになる瞬間」
ラウラ「‥‥」
3年生「ああいうウソはね、言い換えると『夢』って言うんだよ」
ラウラ「夢‥‥」
3年生「だからキミも、どうせなら夢をつけるウソツキになりなさい」
ラウラ「‥‥」
64 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:09:45.24 ID:Zj2/k8Z/0
3年生「もうすぐ寮ね。3年の寮はあっちだからこれで」
ラウラ「私は、明日ヤツに本当の事を打ち明ける」
3年生「!」
ラウラ「その後、ドイツに帰る。ここは、私には眩し過ぎる」
3年生「‥‥そうね。ここは西日がキツいから、その赤い目には堪えるかもね」
ラウラ「それでは、さようなら」
3年生「うん。またね」
ラウラ「‥‥!」
寮
ラウラ(『またね』‥‥か)
ラウラ「ふふっ」 ガチャッ
一夏「おかえり」
ラウラ「」
65 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:10:45.77 ID:Zj2/k8Z/0
箒「うむ、先に上がっているぞ」
セシリア「ふぅっ。あらボーデヴィッヒさん、シャワーお借りしましたわ」
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
鈴「ちょっと! 冷蔵庫の中身乾パンしかないじゃない! 悪いけどホイットニー、これでガマンして」
ゴーレムI「………………?」
ラウラ「‥‥なぜ、ここにいる」
一夏「今日から泊りがけで、お前を守る事にした」
ラウラ「‥‥」
一夏「大隊指揮官として、お前だけを犬死にさせる訳にいかないからな‥‥」
4人と1機「大博士(グランドプロフェッツォル)殿! 大博士! 代行! 代行殿! 大隊指揮官殿!」
ラウラ「……ありがとうございます、大隊指揮官殿――」
◆
喫茶『ななつき』
絢音「あら? あの子今日は一人なのかしら」
ラウラ「ますますえらいコトになった‥‥」
66 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:12:14.02 ID:Zj2/k8Z/0
IS学園 臨海学校
真夏のビーチに餓えたギャルどもを乗せ、バスは一路花月荘へ向かう
そのバスの後部座席で一人、息をひそめる女――織斑千冬、24歳。
千冬(私は現在、実質責任者としてIS学園の1年を仕切っている。ISの実力、人望の厚さ――というか狂信ともいえる崇拝――、どれをとっても右に出る者はいない。学園長さえ一目置く存在だ‥‥)
一夏「シャル、そのブレスレットそんなに気に入ったのか?」
シャル?「うん、とっても嬉しいyユゥゥニィィィィィィィドゥ」 グゥゥゥゥ
箒「一夏、シャルのお腹が空き始めたぞ」
一夏「しょうがないなー」 ゴソゴソ
千冬(だが‥‥そんな私でさえも、ひとつの大きな悩みと闘っていた。その悩みとは――)
セシリア「一夏さん、シャルロットさんにばかりズルいですわ! 私にも――」
一夏「お? セシリアもお腹空いたのか?」
セシリア「違いますわ! 私にもお土産を‥‥でもいただきますわ」
千冬(私は‥‥『非常に乗り物酔いしやすい』ということだ――) ウプ......
67 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:32:12.41 ID:Zj2/k8Z/0
千冬(しかし旅行は大好きだから欠席するワケにはいかない。特に花月荘のサービスは一線級だ。旅館の和室からビール片手に青い海をながめているだけで優雅な気分にひたることができる‥‥)
谷本「ねえ、見てよー。織斑先生ったら臨海学校なのにハシャぐどころか眉ひとつ動いてないよ」
相川「クールだなぁ、憧れるなあ」
のほほん「私たちもおりむーせんせーを見習ってしーっだね♪」
千冬(私は小学校の時からこの苦難を気合いと根性で乗り切ってきた。自慢じゃないが、まだ一度も吐いたことはない)
一夏「なぁぞらぁえたぁぁ、こたぁえなぁんて、ここにひつよぉぉないからっ、っちびょぉぉに、みぇたせっかいをぉぉぉ、つぅぎぃえぇぇぇ♪」
ラウラ「ほう、上手いものじゃないか」
一夏「まあな、これでもけっこう鳴らしたクチだぜ」 ドスッ
箒「おい、一夏‥‥」 ガタガタガタガタ
一夏「ん?」
千冬「」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 12:39:38.90 ID:W5Hz1/Dd0
汚れちまった方じゃなくてそこを退く方か
面白いです
69 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:40:57.75 ID:Zj2/k8Z/0
一夏(や、やべえ!! 入学以来、順風満帆にやってきたのに、ここにきて取り返しのつかないコトをーー!!)
千冬「(『早くどけ』と言いたいが口を開けると吐きそうになるので何も言えない)」
一夏「あ! そうだ!!」
千冬(どいてくれるか、そうか)
一夏「マイク回すの忘れてた。次、九段下さんですよね」
九段下「お、おう‥‥」
千冬(‥‥バスからおりたらぜったいころがす)
70 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 12:55:49.57 ID:Zj2/k8Z/0
アナウンス『左右に激しく揺れますので、ご注意下さい』 キキィー
一夏「あ‥」 グラッ
千冬「一夏っ!」 ガシッ
ラウラ「教官!」
一夏「あ、ありがとう、千冬n」
千冬「」
一夏「ち、千冬姉ぇ!? 顔色真っ青だぞ、しっかりしてくれ!!」 ユサユサ
千冬(頼むからもう私にさわらないでくれ‥‥)
一夏「ひょ‥ひょっとして千冬姉‥‥って『アレ』なのか!?」
千冬(ああそうだ! 車酔いだ! お前何年の付き合いだと思って聞いているんだ)
一夏「ごめん、千冬姉。俺、ずっと傍にいたのに気づかずに‥‥。でも、大丈夫! そういう時のためのとっておきをみんなにも勧めてたんだ」
71 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 13:04:17.21 ID:Zj2/k8Z/0
一夏「プリン作ってきたんだ」
千冬「」
一夏「腹減ってるんだろ‥‥。旅館だからスイーツ無いと思って作ってきたんだよ。‥‥ちょっとぬるくなっちゃったけど――」
セシリア・シャル「」 チーン
千冬「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 グワッ
◆
鈴「はぁ!? セシリアとシャルと千冬さんがプリン食べて失神したぁ!? どういう事よ!?」
全員「………………」
一夏「いざ、海に着いたら十一時(オーシャンズ・イレブン)!」
72 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/05(木) 13:05:39.76 ID:Zj2/k8Z/0
昼食休憩 兼 書き溜め開始
ノシ
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 19:03:45.93 ID:X3Y46svUO
乙
ISは平気なのに車で酔うのか……というか弟なのに車に弱いこと知らなかったのか一夏ww
74 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 10:27:38.82 ID:KCwgp96D0
一夏「はい、お茶」 コトッ
シャル「ん、ありがと」 ズズッ
鈴「あ゙〜〜〜、やっぱ夏は麦茶よね!」 ガンッ
ラウラ「そうだな‥‥」 カラン
3年生「涼しい風の入るコテージもあいまって、風流よね!」
ゴーレムI「…………?」
箒「さて。今日、みんなに集まってもらったのは他でもない――」
5人・1機「‥‥」 ザッ
箒「私達の中で、最強のヒロインは誰なのか――をハッキリさせたいのだ‥‥」
ラウラ「フン‥チョンマゲもたまには良い事を言う‥‥望むところだ。私はいつ誰の挑戦でも受ける!!」
一夏「俺は誰がヒロインでもいいんだけどなあ、そんなに重要か?」
鈴「アンタ、少しは主人公の自覚持ちなさいよ」
セシリア「……お待ちになって‥‥」
箒「‥‥何だ?」
セシリア「誰が一夏さんにふさわしいかを決めたいという考えはよくわかりました‥‥。その気持ちは私もよくわかりますわ。けれど、一言だけアナタがたに言っておきたい事がありますの‥‥」
ガチャッ
チェルシー「皆様、お茶請けのケーキが仕上がりました。どうぞご賞味を」 コトッ
3年生「わぁ、美味しそう!」
鈴「来た来たぁ!」
ゴーレムI「‥‥!」 プシュゥゥゥゥッ
ラウラ「ふむ‥‥これがケーキか」
シャル「どっちかっていうと、ボクはヒロインの座よりこっちが目当てだったんだよね」 ジュルリ
一夏「えっ、なにそれちょっと傷ついた」
チェルシー「では、失礼します」 バタン
箒「‥‥で、言っておきたい事とは何だ、セシリア」
セシリア「ヒロインの座を競うのであれば、別に私の別荘でなくてもよろしいでしょう‥‥?」 プルプル
75 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 10:29:18.23 ID:KCwgp96D0
箒「‥‥なぜお前はいつもいつもいいところで水をさすんだ?」
セシリア「フローリングを補修したばかりですのよ!!」 ダンッ
シャル「ケーキの前には、これだよね!」 ムシャムシャ
セシリア「食前にス○ッカーズを開けないでくださる!?」
ゴーレムI『67/100%』 ビビビビビビ
セシリア「他人の家の電力を盗らないでくださいまし!!」
一夏「あっ! ここクマが出没するらしいぞ!!」
セシリア「どうしてそんな場所に別荘を建てましたの!?」
鈴「‥‥そりゃアンタの勝手でしょ」
箒「それはそれとして、誰がヒロインかを決めるにはやはりISが一番だな」
3年生「でも、許可なしでISを展開しちゃマズいんじゃ‥‥」
ラウラ「私有地であれば問題あるまい」
鈴「んな車じゃないんだから」
箒「では、試合表を発表する! 第1試合はセシリアvsゴレ美だ!」
ゴーレムI「‥‥!!」 プシューーーーッ
セシリア「ですからっ、なぜ勝手に決めますの!?」
3年生「なんか、オルコットちゃんが大声あげるとこ初めて見たかも」
セシリア「当たり前ですわ!! ここは私の敷地ですわよ!! とにかくっ、迷惑ですからここで展開されるのは絶対におやめくださいまし! どうしてもやりたいなら屋外でおやりなさい!!」
箒「だってクマ出るっていうし‥」
セシリア「これ以上何か仰いましたらケーサツを呼びますわよ!!」
一夏「じゃあ話し合いで決めようぜ。それなら誰にも怒られずに済むだろ」
箒「な、何故だ!? 私はとにかく紅椿を試したいのだ!! ここで!!」
セシリア「箒さん? ほんとにころがしますわよ?」
76 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 10:47:11.95 ID:KCwgp96D0
一夏「今までの試合・実戦の実績・対戦内容・武勇伝を調べていけば、おのずとヒロインが誰かわかるんじゃないか?」
ラウラ「―――よし‥!! では早いところ『ラウラ・ミレニアム』の中で最強のヒロインは誰なのか、ハッキリさせてやるとするか」
シャル「…………え?」
鈴「…………ラウラ・ミレニアム?」
箒「ラウラ‥‥お前ドサクサにまぎれて何というコトを言うんだ‥‥」
ラウラ「え? 違うのか!? だってあの時少佐殿って――」
3年生「待って、ラウラちゃんはある意味リーダー向きだよ‥‥」
ラウラ「お前――」
3年生「この世界――整合性はさておき『とにかく言ったモン勝ち』っていうのはアリだと思うの!!」
ラウラ「いや‥‥私はそんなつもりで『ラウラ・ミレニアム』と言ったワケではないのだが――」
箒「けれど、それではこの2人の立場がないだろう」
ゴーレムI「‥‥」
シャル「ん、おいし♪」
3年生「うーん‥‥この二人はどう考えても別枠じゃない?」
鈴「って言うか、アタシは未だにこの無人機がホントにウチの生徒なのか疑問なんだけど‥‥」
77 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 11:03:21.07 ID:KCwgp96D0
箒「そんな事ではいつまでたってもヒロインなど決まらんぞ」
ラウラ「ああ‥‥やる気が無くなってきた‥」
セシリア「だったら早いところお帰りいただけないかしら‥‥」
一夏「まあ‥ぶっちゃけそんなのどうでもいいんじゃないのか?」
鈴「アンタ、またそういう事を――」
一夏「だって、ここにいるみんなが集まれば『怖いもの無し』なんだからな」
全員「‥!」
3年生「よく考えたら、凄いメンバーだもんね。何しろアタシ以外みんな専用機持ちだよ?」
シャル「ゴレ美ちゃんも居るしね」
ゴーレムI「‥‥///」 プヒュッ
一夏「そういう事だ。このメンバーなら、どんな凶悪な敵にも勝てるに決まってる!!」
箒「‥‥そうだな。私たちにとって、この世に怖いモンなんかありはしない!!」
クマ「フゴッ」
全員「」
78 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 11:28:51.52 ID:KCwgp96D0
一夏「クマだー!!」
鈴「一夏っ! ベルト外して投げつけて! クマはヘビが苦手なのよ!!」
一夏「よ、よし‥‥!」 カチャカチャ
シャル「‥‥」 モグモグ
3年生「シャルちゃん!? ノンキしてケーキ食べてないで逃げるよ!!」
シャル「大丈夫ですよ。だってIS使えばイチコロじゃないですか」
全員「‥‥あ」
クマ「フッフッ」
鈴「フッフッフ‥‥覚悟しなさいよ熊公!!」 ジャキンッ
セシリア「私たちの力を見せてあげますわ!!」 ヴゥゥン
ラウラ「ふっ、やっとIS二次らしくなってきたな!!」 ガシャコンッ
箒「紅椿! 見せてみろ‥‥お前の力を!!」 キィィンッ
ゴーレムI「!!!!」 ガゴォォォォン
一夏「ち、ちょっと待て! 俺何のためにベルト外したの!?」 ヨチヨチ
シャル「‥‥」 モグモグ
3年生「シャルちゃんも食べてないでIS展開して!! 私唯一生身なの!!」
クマ「ガァァァァァァァッ!!」
チェルシー「指先ひとつでダウンです」 スッ
全員「え?」
クマ「うわらばっ」 ドバッ
全員「」 ドチャドチャッ
79 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 11:36:45.25 ID:KCwgp96D0
チェルシー「まぁ、新鮮な熊肉が採れました。この後は熊鍋をお出ししますね」 ニコッ
全員「」
チェルシー「それでは、ごきげんよう」 バタン
全員「………………」
セシリア「そういえば、チェルシーはアジアでツボ押し師の資格を取得していましたわね‥‥」
全員「すっげぇ怖え〜!!」
80 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 11:56:16.44 ID:KCwgp96D0
数時間後 廊下
セシリア「まったく、今日は散々な1日ですわ!!」
チェルシー「あら、まだ日も落ちていないうちにお怒りのようですね」
セシリア「当たり前ですわ!! 返り血の所為で部屋の大掃除に駆り出される身にもおなりなさい!!」
チェルシー「生身だった一夏様とシャルロット様、3年生の方は泡を食っていましたね」
セシリア「本当に何故こんな事になったのかしら‥‥」
チェルシー「フフ‥‥」
セシリア「何を笑っていますの!?」
チェルシー「いえ、お嬢様がこんなにも楽しそうにしていらっしゃるのは久しくお見受けしませんでしたので」
セシリア「え‥‥」
81 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 12:10:38.77 ID:KCwgp96D0
チェルシー「それに‥別荘とはいえ邸宅に財産の話題に触れない方を招いたのも、このチェルシーはオルコット家にお仕えしていて初めて目の当たりにしました」
セシリア「‥‥それも、そうですわね」
チェルシー「さあ、次は最大のメインディッシュが待っていますゆえ、お嬢様はお部屋にお戻りください」
セシリア「熊鍋の後にまだ次がありますの?」
チェルシー「はい。それも特上かつ最高級の皿をご用意いたします」
セシリア「えらく力を入れますのね。では私もお手伝いして――」
チェルシー「お嬢様のお手が加わりますと暗黒物質が出来上がってしまいますのでお戻りください」
セシリア「メインディッシュを秘密にしたいからってその方便はあんまりではないかしら」
チェルシー「お・も・ど・り・く・だ・さ・い」
セシリア「わかりました!! わかりましたから凄まないでくださいまし!!」 タタタ
チェルシー「‥‥」 ピッ...
82 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 12:27:46.88 ID:KCwgp96D0
セシリア「まったく、どうして私の周りにはおかしな方しか居ないのかしら‥‥」
セシリア(――チェルシーの言う通り、思えば家に他人を招いたのはあの日、お母様の遺産相続の会議の日以来ですわね。あれ以来、誰も我が家に踏み入る者はおりませんでしたわ‥‥。もう、3年も経ちますのね)
ガヤガヤ
セシリア「ん? 何か騒がしいですわね」
一夏(いいか。始めるのは『せーの』って言ってからだぞ)
箒(『せーの』の『の』と言った瞬間か? それとも『の』と言った後か?)
鈴(ちょっと! タイミングが重要なんだから妙な勘ぐりやめなさいよ!!)
ラウラ(では間をとって『n』と『o』の間で撃つか)
3人(それどうやって見計らうんだよ!?)
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
3年生(ウソでしょ!? さっき肉をたらふく食べたくせにシャルちゃんがもうホイットニーになった!?)
ゴーレムI(………………!)
セシリア「ちょっと!! 私のいない間に今度は何をお始めになりましたの!?」 ガチャッ
パンッ
セシリア「」
83 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 12:43:07.72 ID:KCwgp96D0
箒・ラウラ「ハッピーバースデー、おのれ〜♪」
鈴「ハッピーバースデー、アンタに〜♪」
一夏「ハッピーバースデー、親愛なる〜――」
全員「セシリア〜〜〜〜〜♪」
セシリア「」
3年生「ハッピーバースデー、アナタに〜♪」
セシリア「………」
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
一夏「よっしゃ、上手くいったぁぁ!!」
鈴「サプライズ大成功ね!!」
箒「いやあ、土壇場で成功したな!!」
セシリア「あ、アナタたち――」
ラウラ「なんだ、私達が本気で今頃ヒロインの座を談義しに来たと思っていたのか?」
3年生「みんな、この日のために仕込みをしてたんだよ」
シャルスタンプ『やったね!』
セシリア「………………」
84 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 12:56:04.26 ID:KCwgp96D0
箒「よし!! 今日はハメをはずすぞ!!」
一夏「ちょっと待てよ箒、無礼講だからってお前‥‥」
セシリア「いえ‥‥構いませんわ」
一夏「‥え!?」
セシリア「今日は私のために集まってくださったのでしょう? 私が怒る理由は何ひとつありませんわ。好きなだけお騒ぎくださいな」
3年生「セシリアちゃん、キミ‥‥」
鈴「最初GBL(グレートブリテンレイシスト)女なんて思ってゴメンね」
箒「お前と親友でよかったよ」
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
セシリア「けれど‥‥アナタがたにひとつだけ言いたい事がありますわ――」
一夏「なんだよ、改まって」
箒「なんでも言ってくれ」
セシリア「今日は私の誕生日ではありませんわ」
全員「え」
セシリア「それどころか、正確に言うと今日は私の両親の3回忌ですわ」
全員「」
85 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 12:57:21.82 ID:KCwgp96D0
昼食休憩
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/06(金) 13:26:48.02 ID:ccs/KkF3O
乙
87 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 16:09:39.58 ID:KCwgp96D0
セシリア「けれど、間違えてしまっただけなのでしょう? 悪気があったワケではない事はわかっていますわ――」
一夏「そ‥そんな‥‥!」
箒「せっかく人気アイドル『みな林栗美』さんのサイン色紙をプレゼントに持ってきたのに‥‥」
鈴「誰なのよ、今日が誕生日だって情報流したの!!」
シャル「ま、待って! よく見たら、このあいだボクらに一斉送信されたメールには今日が誕生日だとは書いてないよ!」
ラウラ「い、いつの間にかシャルに戻ってる‥‥」
セシリア「え? 一斉送信?」
3年生「うん、このあいだ誰のものかわからないアドレスから『この日に集まってセシリアのサプライズパーティを開け』ってメールが私たちのケータイに届いたのよ」
一夏「てっきり誕生日だと思ってたんだけど‥‥一体誰が何のために――」
セシリア「このアドレス、見覚えがありますわ‥‥!」
全員「え!?」
セシリア「このアドレスは‥‥けれど、そんなハズ‥‥!!」
チェルシー「あら、これはどういう事でしょうか?」
全員「!?」
88 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 16:23:03.08 ID:KCwgp96D0
チェルシー「たしかに今日この日を祝うようご進言いたしましたが、なるほど。そういう事でしたか」
一夏「チェルシーさん‥‥!?」
箒「まさか、貴女が!?」
セシリア「チェルシー‥‥」 ズカズカ
鈴「ちょ、セシ――」
パシィ
全員「!!」
セシリア「アナタ、何故このような真似をしましたの!? いくらなんでも悪趣味が過ぎますわよ!!」
チェルシー「‥‥」 ツー...
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/06(金) 16:44:35.47 ID:KCwgp96D0
鈴「ちょっと、落ち着きなさいよセシリア!!」
シャル「ともかく、話だけでも聞こうよ! ね?」
セシリア「ッ――」 フーッ フーッ
チェルシー「‥‥この日を置いて他に」
セシリア「!」
チェルシー「旦那様と奥様をお祝い申し上げるのは忍びないと思いまして」
セシリア「ッ!!」 グアッ
鈴「ちょ、ストップストーップ!! いいから落ち着いて聞きなさいよ!」
セシリア「今日はッ、お母様がお父様と共に死んだ日ですのよッ!? それを、アナタは!!」
鈴「あーもうっ、ラウラ! アンタもボサッと見てないで押さえるの手伝いなさいよ!!」
ラウラ「‥‥チェルシー殿。私も大概だがアナタの言葉足らずも酷いと思う。そろそろ本題に入ってはどうだ?」
チェルシー「‥‥そうですね。実を言うと、どう切り出そうか悩んでおりました」 スッ
一夏「それは、デジカメ‥‥?」
シャル「古い型だね。‥しかも潰れちゃってる」
箒「見事なまでに粉砕されているな。これは一体‥‥」
チェルシー「旦那様と奥様が遭遇した越境鉄道横転事故における、お二人の最後の遺品です」
セシリア「な‥‥!?」
90 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 17:01:02.42 ID:KCwgp96D0
チェルシー「3年前、お二人がかの地に向かった際に記録された全てが、このカメラに入っておりました。故に、真実を巡り相続権の政争に利用される事を避けるため、わたくしめが隠匿しておりました」
箒「な、中身は‥‥?」
チェルシー「記録媒体は粉々になっており、当初データの復元は困難であると言われました」
一夏「じゃあ、何で今これを?」
チェルシー「‥‥そのデータの復元が、先日ようやく完了いたしました」
鈴「できたのね!! あーもう何ではっきり言わずのらりくらりと回りくどくすんのよアンタは!?」
チェルシー「これが現像できた唯一の写真です。どうぞ」 スッ
セシリア「‥‥これが‥お母様の‥」
チェルシー「はい」
セシリア「‥ふざけたサプライズでしたらその顔を潰しますわよ」
チェルシー「ご心配は無用ですが、お気に召すままに」
セシリア「………」
ペラッ
セシリア「これは‥!?」
91 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 17:22:55.51 ID:KCwgp96D0
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1116102.jpg
一夏「夕日‥‥?」
箒「他には、何も映っていないぞ?」
鈴「なんなのよ、これ?」
セシリア「これは‥‥見た事がありますわ」
ラウラ「なに!?」
3年生「どこで!?」
セシリア「たしか、お母様の寝室の棚に、同じような構図の写真が飾られていたのを憶えていますわ。けれど、あの写真は遺品整理の時に処分されてしまって――」
チェルシー「この写真は、奥様が旦那様をお見初めした場所と同じ場所で撮られたものです」
セシリア「‥‥え?」
一夏「見初めたって、セシリアの両親ってたしか――」
鈴「うん。前に聞いたけど、父親が不甲斐なさ過ぎて母親が愛想尽かして冷め切ってたって話だけど」
チェルシー「とんでもない。お二人はとても親密な関係でした」
セシリア「‥‥嘘よ」
チェルシー「お二人のご婚約は、けっして政略のためではなく互いの深い愛情ゆえでした」
セシリア「嘘よッ!! でしたら、なぜお母様はあんな目でお父様を見ていたの‥? なぜあんなお父様を愛したの‥?」
箒「セシリア‥‥」
セシリア「ずっと怖かった‥‥。あの情けない父の姿を見る母の目がとても怖かった。自分はあんな目で見られたくない一心で、私はずっと――」
ゴーレムI「ピーーガガガッ!!」
全員「!?」
92 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 17:32:17.13 ID:KCwgp96D0
ゴーレムI「ガガッピーーピーピーボボバッ」 ガクガクガク
シャル「ゴレ美ちゃん!?」
鈴「ちょっと‥‥いきなりバグったわよコイツ!?」
チェルシー「失礼しました。ちょうど良い映写機がありましたので少々お借りします」
3年生「ハッキング!? そんな芸当まで‥‥」
箒「というか、ISをハッキングできるって一体‥‥」
一夏「映像が出るぞ――」
ゴーレムI「B、A、@、……」 ジーーー...
ロリセシリア『おかあさまー!』
セシリア「!!」
93 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 17:45:49.26 ID:KCwgp96D0
鈴「あれ‥‥小さい頃のセシリア?」
箒「カールじゃなく直毛だ!」
一夏「いや箒、驚くとこはそこじゃないだろ」
セシリア「これは、いつ‥‥?」
ラウラ「現像できたのはその1枚だけじゃなかったのか? チェルシー殿」
チェルシー「ええ。なにせ値が張りましたので、他のデータはデジタル情報に留める他ありませんでした」
3年生「ずいぶん被写体が遠いね。どこから‥‥」
シャル「あ! ズームアウトするよ!」
セシリア「ここは‥‥あの人がいつも入り浸っていた――」
チェルシー「はい。旦那様お気に入りの庭園です」
鈴「どうしてこんな遠くから‥‥?」
シャル「あ、映像が変わった!!」
恰幅の良い男性「すばらしい、セシリアちゃん!! キミのバイオリンの音色はまるで天からの福音だ!!」
鈴「‥‥誰?」
一夏「セシリアの親父?」
チェルシー「こんな肥えた豚と旦那様を一緒にしないでください」
3年生「急に辛辣!?」
94 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 18:01:42.48 ID:KCwgp96D0
豪著な女性『まったくですわ!! この場に立ち会えたわたくし達は幸せ者ね!!』
恰幅の良い男性『ええ、本当に。では奥様、これからも我が○○財団をよろしくお願いしますよ‥‥!』
豪著な女性『我が△△コーポレーションも、是非ご贔屓に!!』
鈴「‥‥ああ。たしかに豚ね、コイツらは」
ラウラ「金に貪欲なハイエナどもとも言えるな。演奏会にかこつけてコネを得にやってきたといったところか」
3年生「美辞麗句ばかり並べて、まったく嫌になるわ」
一夏「‥‥で、奥様って呼ばれたこの綺麗な女の人が――」
セシリア「お母様‥‥!」
セシリアの母『――セシリア、よくできたわね』
ロリセシリア『‥‥! はい、おかあさま!!』
セシリア「‥‥この時の事は憶えていますわ。周りの方の圧に押され、緊張しながらも演奏を終えて褒められたのがすごく嬉しかった‥。けれど――」
チェルシー「はい。この時は奥様とお嬢様だけが向かい、わたくしめは邸宅の掃除をしておりました」
セシリア「では‥‥誰が!?」
チェルシー「他に居ないでしょう?」
セシリア「まさか――!?」
95 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 18:17:59.49 ID:KCwgp96D0
???『あ、やべっ』 ガタタッ
全員「!?」
???『‥‥う〜ん、やっぱ涙腺にクるなぁ、こういうの。周りの連中が居なけりゃもっと良かったけど‥‥それはそれで正気を保っていられたかどうか……』
セシリア「嘘よ!!」
セシリアの父『えーと、記録を切るには‥‥あれ? どうするんだったけかな。機種変したばっかだからわかんないや』 ガチャガチャッ
一夏「これが、セシリアの‥‥親父?」
鈴「冴えない顔だけど、なんだかあったかそう‥」
セシリア「違うっ!! こんな人わたしは知らない!!」
箒「セシリア‥‥」
セシリアの父『む‥‥? あっもしもし、ママ? いやあ、あんまり素晴らしい演奏だったんでボク感動しちゃって――』
電話『――ッ!! ――――ッ!?』
セシリアの父『ッ!! わかってるわかってる‥‥。ちゃんと撮れてるよ。‥たぶん』
電話『―――ッ!?』
セシリアの父『ダァーッ!! わかった、告白するよ! 実はビデオの切り方がわかんなくってさ‥‥え? うん、映ってるよ、今』
電話『――ッ!!』
セシリアの父『‥‥‥ッ!! 大きな声を出すんじゃない。セシリアに気づかれたらどうするんだ‥‥』
鈴「‥‥絵に描いたようなダメ親父ね」
箒「冷え切ってるというか、尻に敷かれてる?」
セシリア「ちがう‥こんなの知らない‥‥!!」
96 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 18:35:43.05 ID:KCwgp96D0
セシリアの父『バレたらボクは今後どうやってセシリアの成長の記録を撮っていけばいいんだい』
セシリア「え‥‥!?」
電話『‥‥‥‥。‥‥‥‥。……?』
セシリアの父『‥うん。そうだね。それがボクらの『家族のカタチ』だ』
一夏「『家族のカタチ』‥‥」
セシリアの父『キミに出来ない事をボクが、ボクができない事をキミが。ずっとそうやってきたもんな』
電話『‥‥。…? ‥‥‥』
セシリアの父『あ! そうだった。えーっと、スタートボタンを押してそのあt』 ブツッ
シャル「次の映像になる‥」
セシリア「‥‥」 ジリッ
一夏「駄目だ」 ガシッ
セシリア「!?」
一夏「逃げちゃ駄目だ。最後まで見届けなきゃ」
セシリア「ッ!! 離してッ!!」 バタバタッ
チェルシー「織斑様の仰る通りです、お嬢様」
セシリア「ッ!?」
チェルシー「これは貴女が、最後まで見届けなくては意味の無い、お二人の真の遺言なのです」
セシリア「ッ――」
鈴「もう観念しなさい、セシリア」 ガッ
セシリア「鈴さん!」
箒「これは明らかに、お前に宛てた彼らの最期のメッセージだ」
ラウラ「‥‥」
シャル?「エン‥‥エン‥‥」 ウズウズ
3年生「シャルちゃん‥‥偉いわ。そのまま持ち堪えて」
セシリア「みなさん‥‥」
97 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 18:52:03.93 ID:KCwgp96D0
セミロリセシリア『‥‥』 パンッ
一夏「鳩を撃った!?」
ラウラ「VRのライフル競技だ。それにしてもあの距離を当てるとは」
鈴「自己記録更新って‥‥凄いじゃないアンタ!!」
セシリア「‥‥」 プイッ
箒「お前、まだそんな態度を――」
チェルシー「ッ」 ブホッ
全員「!?」
チェルシー「‥‥いえ、失笑でした。なまじこの先を知っていますもので、つい――」
一夏「この先?」
スタッフ『記録更新おめでとうございます、セシリア選手!! ‥‥おや? どうしました?』
鈴「え!?」
箒「泣いてる‥‥!?」
スタッフ『どうかしましたか!? どこか痛むのですか?』
セミロリセシリア『――とが――』
スタッフ『?』
セミロリセシリア『――はとがかわいそう‥‥』
全員「」 ズギュンッ
98 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 19:03:25.68 ID:KCwgp96D0
セシリア「違いますのよ!? 違いますの!!」
鈴「いや、その――」 トゥンクトゥンク
箒「ピュアァァァァァッ!!」 ボカァァァン
ラウラ「箒!?」
シャルットニー「エンダッ、エンダッ」 ググググッ
3年生「シャルちゃん、頑張って!!」
一夏「いいじゃんか、セシリアにもああいう頃があったって事だろ?」
セシリア「」 ガスッ
一夏「いてえッ」
セシリア「――お母様が来なかったのが悲しかったなんて、言えるものですか」
鈴「え?」
箒「では、これは――」
セシリアの父『』 グズッ グジュッ
全員「あ」
セシリアの父『ママァァ、凄いよぉぉぉぉ。ウチのセシリアが『鳩が可哀想』って‥‥とっても優しい子だよぉおぉぉぉ!!』 ボロボロボロ
全員「‥‥」 チラッ
セシリア「」 カァァァァァッ
チェルシー「」 プルプル
99 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 19:12:32.81 ID:KCwgp96D0
セシリアの父『ねえっ、ママ見てる!? ママァァァァァッ!!』
警備員『ヘイッ、ォワットゥァユドゥゥイング!?』 ダダダダダ
セシリアの父『あっやべえッ!!』 ブツッ
一夏「これは……想像以上にきつい……」
鈴「アタシ、こんな親父が居たら死ねるわ」
箒「激しく同意する‥‥」
チェルシー「」 ブブッホォォォォォ
セシリア「チェルシィ!?」
3年生「あっチェルシーさんだ」
チェルシー「!?」
ロリチェルシー『だんなさま、なにをなさっているのでやがりますか?』
全員「やがっwww」 ブホォォッ
チェルシー「」 カァァァァッ
100 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 19:26:42.45 ID:KCwgp96D0
ロリチェルシー『おくさまにいいつけやがりますですよー?』 ガタガタッ
セシリアの父『わっチェルシー!? ダメダメッ触んないで!!』 ガタッガタタッ
ラウラ「――内容は把握していたのでは?」 プススー
チェルシー「‥‥これは消去したはず‥‥」
ゴーレムI『ゲッゲッゲッゲッゲッ』
鈴「今笑った!? アイツ!!」
箒「最後の抵抗で復元させたのか!!
3年生(ただのノイズだと思いたい‥‥)
一夏「ちょっと待て? 時系列的にチェルシーさん幼すぎないか?」
ラウラ「うむ。今20代前半だと仮定してこれは少々年齢が‥‥」
チェルシー「わたしとお嬢様は3つしか違いませんっ!」
全員「え!?」
鈴「じゃあこん時アンタ10歳前!?」
チェルシー「‥‥そんなに年増に見えましたか?」 カチン
101 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/01/06(金) 19:45:12.81 ID:KCwgp96D0
セシリアの父『‥‥他の使用人さんたちには内緒だよ? バレたらボク、セシリアを撮れなくなっちゃうから』
ロリチェルシー『‥‥なぜだんなさまはおじょうさまをとーさつしてやがるのですか?』
セシリアの父『どこで覚えたんだいそんな言葉。違うよ、成長の記録。ママがカメラ片手にセシリアをおっかけまわしてたらサマになんないだろう?』
ロリチェルシー『そうなのでやがりますか?』
セシリアの父『ああ。ママにはママのやるべき事が、ボクにはボクのできる事があるのさ』
チェルシー「‥‥あとで知ったのですが、この頃はISが実戦配備された事もあいまって奥様は通常の倍のスケジュールを要求されておりました。そしてここだけの話なのですが、この時点で既にお嬢様はIS操縦者候補として注目されていました」
セシリア「え‥‥」
鈴「聞こえはいいけど要は体のいいモルモットって事ね。大人ってどこまで‥‥」
チェルシー「奥様はその激務の中、お嬢様を庇って負担に軋む身体を押してずっと研究機関の追及をせき止めておりました。その間、旦那様はせめて自分だけは影ながら『普通の家族』であろうと務めたのです」
一夏「これがその末にできた、『家族のカタチ』‥‥」
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