魁! IS学園

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198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 00:12:00.97 ID:SBfFEkgE0
みてるぞ
199 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:01:43.95 ID:Soj4Qh5s0
 私の名前は乗り物酔い――いや織斑千冬だ。IS学園の実質的リーダーだ。
 ISの実力と人望の厚さにおいて右に出る者はいない。
 今日は北九州へファスト・ボール・ランの会場に出場する為に生徒たちを引率して

レースに臨むつもりだ。
 しかし試合に臨むには私のただ一つの弱点『乗り物酔い』を克服せねばならない。
 私は教え子によるカウンセリングを受けた結果、この日のために特訓を重ねてきた

‥‥。
 止まっている車に乗ったり、新幹線のホームで動く列車を眺めたり‥‥何もかも完

璧であり、何一つ落ち度はなかった。
 しかし‥‥まさか飛行機だったとは‥‥。気づくのが遅かった。心底後悔している


 しかもそれだけではない‥‥問題は――。

スコール「どうかしら、ブリュンヒルデ? たかがテロリスト風情に手玉にとられた気

分は?」

 亡国機業にハイジャックされているという事だ――。
200 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:04:24.38 ID:Soj4Qh5s0
またメモ帳ミスった‥‥(´;ω;`)  ウッ…
201 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:04:55.87 ID:Soj4Qh5s0
 だが、不幸中の幸いというか、とりあえず飛行機は離陸できない状態だ。
 このままいけばファスト・ボール・ラン行き自体中止になるだろう。
 国際IS委員会に対し借りはできてしまうが‥‥さすがに飛行機はドイツ行きでもう懲りた。
 まだ電車やタクシーも満足にクリアしていないのに空はないだろう‥‥。
 ISに無縁だった少年がいきなり代表候補生とタイマン張るぐらい無茶だ。
 どの道ハイジャックなど一夏たちが解決してくれるだろうし、飛行機が飛ばなければ私も苦しまずにすむ。

M「おい、スコール。この便に織斑一夏は乗っていないぞ」

千冬・スコール「え?」

M「さっき、そこらの生徒に聞き込みをしたんだが、織斑一夏は病欠で休んでいるらしい。ここに居ても意味が無いぞ」

スコール「ちょっと待ちなさい。じゃあ何をしに私たちはここに来たの?」

M「もうここは放っておいて学園に行かないか? 専用機持ちも全員オータムに任せればいいし」

オータム「おい、今何つったコラ」

千冬(ちょっと待て!! それは少し早すぎないか!?)

 まずい、下手を打つと今コイツらに学園に行かれたらファスト・ボール・ラン行きが再開するんじゃないか?
 だが‥いくらなんでもハイジャック直後にそれはないだろう‥‥。
 ――いや、このIS学園ならやりかねない!!
 かと言ってコイツらをけしかけて事件を長びかせるマネはできん‥。
 いくら束の悪事を傍観していはいても犯罪に加担するほど腐ってはいない!!
 そう‥やはりココは専用機持ちによる解決を信じるべきだ、一教師として!!

スコール「――そうね‥‥貴女の言い分はわかったわ」

オータム「じゃあ‥‥!?」

スコール「ええ、ではとりあえずこのまま会場まで飛ばして現地で暴れて織斑一夏を誘き出しましょう」

千冬「ちょっと待て!!」

スコール・オータム・M「え?」
202 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:06:20.99 ID:Soj4Qh5s0
千冬「『え?』じゃないこの馬鹿者ども!! 今の話の流れからすれば学園に攻め込んで織斑一夏を攫いに行く方がいいという話になっていくべきだろう!! スコールとか言ったか? 『よくわかった』と言っておきながら『飛行機を飛ばそう』と言って、全く話がつながっていないだろうが!! ヒコーキだけに話がとんでるなどとは通用しないからな!!」

スコール「ごめんなさい‥実は私飛行機に乗るのは久しぶりだったから気が動転してしまって」

オータム「いつも貨物船の密航メインだったもんな」

千冬「何? そうだったのか‥‥気持ちはよくわかるぞ。まあ一度冷静になって話を進めてみろ」

スコール「そうね。けれど私‥‥人の多い場所にいると緊張してしまって‥‥」

M(だから会議もいつも少数人数でやってたのか‥‥)

オータム「つーわけだからよー、できれば人の少ねー所でナシつけねーか?」

千冬「よし、なら私にいい考えがある」
203 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:07:17.32 ID:Soj4Qh5s0
谷本「う〜、どうしよう‥‥」

相川「私たち、どうなっちゃうのかなぁ?」

箒「‥‥」 スッ

鷹月「し、篠ノ之さん?」

箒「みんな、少し待っていてくれ」

谷本・相川・鷹月「え?」

セシリア「行きますわね」 ガタッ

鈴「ったく、遅いのよ!!」 スタッ

ラウラ「このまま思い通りにさせてなるものか」 トッ

ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」 ズン

谷本・相川「みんな‥‥!!」

鷹月(デュノアさんはあの状態で戦えるのかな‥‥?)

谷本「でも、相手はこの間学園に忍び込んだテロリストなんだよ‥!?」

相川「そうだよ! ケガなんかじゃ済まないよ!!」

箒「ならどうする? ここでガタガタ震えて怯えたままか?」

鈴「そんなの嫌だからね、アタシ」

セシリア「では、参りますわよ!!」

千冬「待て」 ガチャッ

全員「織斑先生!!」

千冬「お前たちはここで降りろ。ここは私が引き受ける」

ラウラ「き、教官お一人で!?」

鈴「そんなの無茶よ!!」

ホイットニー(シャル激情態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア!!」

セシリア「そうですわ!! ISも無しにテロリストと戦うなんて‥‥!!」

千冬「私を嘗めているのか?」

セシリア・鈴・ラウラ・ホイットニー「!!」 ビクッ

箒「先生‥‥理由を聞かせてください」

千冬「‥‥一夏がな、笑うようになったんだ」

ヒロインズ「?」
204 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:07:55.84 ID:Soj4Qh5s0
千冬「この10年間、月に1度ほどしか帰って来れなかった所為もあったがな、アイツの笑う顔など見た事がなかった。色々、あの小さな背中に背負わせ過ぎたからな‥‥」

ヒロインズ「‥‥」

千冬「だがな、先日アイツの笑顔を見て心臓が跳ね上がりそうになったよ。『ああ、コイツもこんな顔ができたんだな』とな。我ながら、姉のくせに恐ろしい事を感じたものだ」

ヒロインズ「先生‥‥」

千冬「それは思うに、お前たちのおかげだと思う」

ヒロインズ「!!」

千冬「アイツの孤独に価値を与えてくれたお前たちに、私は感謝している。だから、だからこそ、お前たちはアイツの元へ戻ってやってほしい」

ヒロインズ「先生ぇ‥‥!!」 ブワッ

千冬「頼んだぞ」 バタン

箒「‥‥!!」 フルフル

鈴「‥‥聞いたわね、アンタたち!?」 グシグシッ

全員「‥‥うん!」 ガタッ

セシリア「帰りますわよ、皆さん!!」 ポロポロ

全員「うん!!」 ボロボロ

ラウラ「‥‥」 ビシッ

ホイットニー(シャル激情態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア!!」




千冬「――という感じで全員降ろしたんだが、どうだ?」

スコール・オータム「グッジョブ!!」 グッ

M(なんか目的がズレている気がするんだが‥‥)
205 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:25:01.09 ID:Soj4Qh5s0
スコール「ふぅ〜、人が居なくなったおかげでホッとしたわ」

オータム「オータムは人見知りするからな‥‥」

M「それはよかったな」

千冬(……というかなんで私は飛行機から降りなかったんだ?)

スコール「なんだか貴女がいると心強くなってくるわ」

千冬「え?」

オータム「そうだぜ!! コイツの言う事を聞いてりゃ無敵だぜ!! もう撤収する気なんざサラサラなくなってきたぜ!!」

千冬(いかん‥いつの間にか共犯者みたいになっている‥‥。しかも撤収どころかテロリストが私に指示を仰ごうとしてるし‥‥)

M「で、これからどうするんだ姉さん? ちなみに私たちはやる気マンマンだ」

千冬「ね、姉さん……?! ちょっと待て‥‥えーと‥‥」

スコール・オータム「‥‥」

千冬「よし!! では政府にとんでもなく無理な要求をしろ!!」

オータム「よっしゃぁぁぁ、了解!!」

スコール「では米国に揺さぶりをかけて新型機をせびってやろうかしら」

千冬「コレでいい。無理な要求をすれば国も簡単にはOKが出せない。時間を稼いでおけば自衛隊なり在日米軍なりが動いてくれるはずだ!! 私も飛行機から降りられる‥‥」

スコール「――あっさり取引を打診してきたわ‥‥」

オータム「ウソだろ!?」

千冬「ちょっと待てアメリカ!!」
206 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:40:34.54 ID:Soj4Qh5s0
――アメリカ合衆国 ネバダ州

 今さら言うのも何だが、私の名は織斑千冬。ISの強さと人望の厚さでは右に出る者はいない。弱点といえば乗り物酔い程度だ。
 とにかく強いのでIS学園で実質的責任者をつとめてきた。
 だが、それも今となっては過去の話。
 一体‥‥この道はどこまで続くのだろう。そして‥‥ここはどこなのだろう。

 思えばふとしたきっかけで亡国機業に寝返ったと勘違いされてこんな逃亡生活の日々を送るハメになった‥‥。
 幸運にも脱出できた後、国際IS委員会にかけあって誤解を解いて日本へ帰ろうかとも考えたが、いずれにしろもうヒコーキには乗りたくない‥‥

 今ごろ学園では私の話題で持ち切りだろうな‥‥。ガラにもなく淋しくなってきてしまった。
 そういえば、亡国機業の連中は取引は上手くいったんだろうか? 元はといえばアイツらのせいだが‥‥妙に憎めないヤツらだった。

 …………何て星がキレイなんだ‥‥。
207 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 20:58:37.29 ID:Soj4Qh5s0
――日本 IS学園

一夏「本当に先週は大変だったみたいだな‥‥。ファスト・ボール・ランに出場するはずが飛行機がハイジャックされて」

鈴「んで、当のアンタは鼻水すすりながら実家で五反田たちと誕生日会やってたなんてね」

セシリア「まったく、大急ぎで戻ってきて損をしましたわ!!」 プンプン

シャル「まあケガ人も出ないでみんな無事だったっていうのが何よりだよ‥‥」

ラウラ「しかし、みんな何か忘れ物をしている気がしないか?」

一夏「ああ。その場にいなかった俺が言うのも何だけど、みんな何か忘れてないか?」

箒「あっそうだ!! 参加費を返してもらっていない!!」

ヒロイン「それだ!!」

一夏「けど俺はカゼで休んだから途中キャンセルって事で半額しか返ってこなかったぞ‥‥」

鈴「バカ!! アンタは自分の都合で休んだんだから半額でもありがたいと思いなさいよ!!」

セシリア「私たちはアチラの都合でレースが中止になったんですのよ!! 全額戻ってきて然るべきですわ!!」

シャル「アッチの都合っていうか、ハイジャックの都合だけどね‥‥」

箒「――なあ‥少しいいか?」

全員「ん?」

箒「参加費の件もさる事ながら、私達はもっと大事な何かを忘れているような気がするんだが‥‥」

シャル「うーん‥‥? 何を忘れているんだろう、ボクたちは‥‥」

一夏「何か忘れてたっけ、千冬姉?」

マドカ「いや‥‥いつも通りだろう‥‥」

鈴「すごく言いたい事あるんだけど‥‥言っていいのかしらアタシ‥?」
208 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/24(火) 21:01:33.68 ID:Soj4Qh5s0
夕飯休憩
タイプミス多くて困る‥‥
>>197原作中〜後期って一番ダレる時ですやんやだー
ノシ
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 22:09:29.70 ID:h4wpdJnto

実の姉の顔を忘れてるとかクロ高の奴等よりひどいな一夏!
210 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 09:25:43.79 ID:Cl7IIhlZ0
 前略、千冬姉。誕生日会を終えた翌週、なぜか千冬姉が小さくなっていました。

女子「カワイ〜!! 千冬サマカワイ〜!! どうなってんのこれ〜!?」 キャッキャッ

マドカ「や、やめろ!! ころがすぞ!!」

3年生「事情は聞かせてもらったけれど‥‥」

鈴「何でああなったのよ‥‥」

セシリア「そんなの私に聞かれましてもわかりませんわ‥‥」

一夏「まあ、そんな事はどうでもいいんじゃないか?」

シャル「唯一の肉親なのにそんなスタンスでいいの!?」

メカ無『一夏くん、いる?』 ガララー

一夏「あ、メカ無さん!! どうしたんですか?」

メカ無『……紹介したい子がいるのよ』

一夏「え‥‥誰ですか?」

メカ無『私の妹のメカ無β――通称メ簪ちゃんよ』

メ簪『メカラッタ』

全員「な!?」
211 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 09:26:40.07 ID:Cl7IIhlZ0
箒「メ‥‥メカ無さんの妹だって!?」

鈴「ここへ来て薫子さん、虚さんに並ぶ第3の眼鏡っ娘ですってぇ!?」

ラウラ「耳も鼻もないのに生意気な!!」

3年生「えっと‥‥何からツッコめばいいのか‥‥」

メカ無『こう見えてもメ簪ちゃんは日本の代表候補生でね、打たれ強いっていうのかしら、私の血を引いてるだけの事はあるわ‥‥』

鈴「日本の代表候補生‥‥!!」

一夏「流石メカ無さんの妹‥‥!!」

メカ無『何なら今度のタッグマッチで誰かと戦ってもらおうかしら? な〜んて、フフフフ』

ゴーレムI『ラーランラーラララーラララー♪』 ガラララ

シャル「あ、ゴレ美ちゃん。おはy」

メ簪『メカラ゙ッ』 グシャァッ

メカ無『な!?』

全員「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 踏んじゃダメだよゴレ美ちゃん〜〜!!」
212 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 09:27:32.83 ID:Cl7IIhlZ0
――数日後

箒「メ簪がやっと直ったぞ!!」

メ簪『メカラッタ』

鈴「すっご!! キレイに直ってんじゃないのよ!!」

一夏「さすが倉持技研の腕はたしかだな」

セシリア「‥‥けれど‥‥前より小さくなっていませんこと?」

メ簪『メカラッタ』

一夏「いいんじゃないか? ケータイも新しい機種になればなるほど小さくなるし」

ラウラ「む‥‥そういえば姉のメカ無さんはどうしたんだ?」

3年生「それが‥‥今回の事件が相当ショックで寝込んじゃったらしくて‥‥」

一夏「むしろそっちの方が心配だな‥‥」

箒「なあ‥‥今ふと思ったんだがな‥‥メ簪がいればどんな強いヤツと試合しても負けないんじゃないか?」

鈴「そう?」

3年生「メカ無さんも自信ありげだったけれど‥‥」

セシリア「電化製品は意外に壊れやすいものですわよ?」

箒「いや! 私は今コイツの秘めたる可能性を発見した!! 試してみよう」

一夏「一体この子を使って、どうやって試合に勝てるんだ?」

箒「ちょっと貸してみろ」

一夏「おう」

箒「死ねぇぇぇぇぇぇッ!!」 ブオンッ

一夏「うわ!!」 サッ

セシリア「キャアアッ!!」 サッ

ゴーレムI『!!!!』ガンッ

シャル「ゴレ美ちゃんっ!?」
213 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 09:28:30.28 ID:Cl7IIhlZ0
箒「これで試合に勝てるだろう?」 ドヤ

一夏「人を投げるやつがあるか馬鹿!!」

箒「馬鹿とは何だ、馬鹿とは!!」

セシリア「だいたい、ここに居る全員が遠隔攻撃手段を持っているのですから意味がないのでは‥‥」

箒「あ」

メ簪『メ゙ガラ゙ッ゙ダ‥‥』 ジジッガーガーガージジッ

鈴「あーあ、ヘコんじゃった‥‥」

ラウラ「どんどん形が変わっているぞ‥‥」

シャル「大丈夫? ゴレ美ちゃん」

ゴーレムI『‥‥』 シクシク

3年生「こっちもヘコんじゃってるわね‥‥」

一夏「う〜ん‥‥もし戦いに役立てるんなら、メ簪の特性を活かせないとダメだよなあ‥‥」

ラウラ「その通りだ。考え方を少し変えてみよう」

一夏「ラウラ……」

ラウラ「コイツは一応知能を持っている。そして歩行もできるし身体のサイズも小さい‥‥となれば使い道はひとつしかあるまい」

メ簪『メカラッタ』

一夏「何だよそれ?」

ラウラ「スパイだ」

全員「……スパイ!?」
214 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 09:29:22.62 ID:Cl7IIhlZ0
セシリア「まさか‥‥ジェームズ・ボンドじゃあるまいし‥‥」

鈴「今時スパイなんて単語使うヤツいないわよ‥‥」

ラウラ「工作員として敵対クラスに忍び込ませて、あらゆる情報を拾ってこさせるのだ。敵の行動パターンをすべて把握できるぞ」

一夏「けどな〜、ゴレ美の一件もあったワケだし誰かに踏まれるんじゃないか?」

ゴレ美『‥‥』

シャル「大丈夫!! ゴレ美ちゃんは何も悪くないよ!!」

3年生「それに情報を拾うどころか、誰かに拾われてお持ち帰りされちゃうんじゃ‥‥」

ラウラ「大丈夫だ。そういう事はちゃんと言って聞かせておく‥‥。何事も教育が大事だ、一から教え込めば一ヶ月程度で‥‥」

一夏「おい……ラウラ‥‥下、下!!」

ラウラ「む‥‥?」

メ簪『』

ラウラ「」
215 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 10:15:01.76 ID:Cl7IIhlZ0
――翌日

一夏「メカ無さんが無事回復したからメ簪を迎えにきたいって言ってんだけど‥‥」

鈴「どうすんのよ!? メ簪は明日まで修理かかるって倉持技研に言われたわよ!!」

一夏「う〜ん、妹思いのメカ無さんの事だから、メ簪がまた壊れたと知ったらきっと怒るだろうな‥‥」

箒「ああ‥‥あの人の怒った顔が目にうかぶぞ」 ズッ

鈴「怒ってもあんまり表情変わんないけれど」 ズズッ

チェルシー「皆様、お茶請けが入りました」 ガチャッ

ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」

セシリア「あの‥‥なぜまた私の別荘に集まっているのですの?」

箒「まあ安心しろ。私に名案がある」

3年生「え‥?」

箒「セシリア、ちょっとそこの筒状デスクトップPC借りるぞ」

セシリア「な、何をしますの‥?」

箒「‥‥」 キュ、キュ

全員「‥‥」

箒「よし、できた!!」 ゴトッ

一夏「落書きしただけじゃねーか!!」

セシリア「そのPC、棗コーポレーション製の試供品なんですけれども!?」
216 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 10:16:43.20 ID:Cl7IIhlZ0
箒「こうやって遠くに置けばわかるまい!! 今日一日ごまかして明日すり替えればオッケーだ!!」

一夏「……大丈夫なのかよ……」

箒「いいか、メ簪の話題には絶対に触れるな‥‥!! たとえ向こうが話をふってきても全力でかわせ‥‥何としてもだ!!」

全員「‥‥」 ゴクリ

3年生「何か‥‥犯罪でもしてるみたいな気分ね‥‥」

鈴「縁起でもない事言わないでよ‥‥!!」

ピンポーン

全員「!!」 ビクッ

鈴「メカ無さんじゃないの‥‥!?」

チェルシー「私がお迎えにあがります」 バタン

全員「‥‥」

チェルシー「こちらです」 ガチャッ

メカ無『久しぶり〜、遅くなってごめんなさいね』

一夏「い‥‥いえ。ど、どうぞおかけになってください‥‥」

箒「いやあ、元気になってくださって何よりですよ‥‥」
217 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 10:17:24.45 ID:Cl7IIhlZ0
メカ無『本当にごめんなさい、心配かけたわね。ところで、ウチのメ簪ちゃんは?』

全員「!!」 ギクゥッ

箒「だ、大丈夫です!! ココに元気で座ってますよ!! まあそんなことより、自分の家だと思ってくつろいでください」

セシリア(ここ私の別荘なのですけれども‥‥!!) ビキビキ

3年生(今は抑えて‥‥!!)

メカ無「そう、箒ちゃんは良い子よね‥‥。融通が利かないように見えて実はすごく気遣いがあったりして‥‥」

箒「やめてください‥‥そう言われると気を遣わずにはいられませんよ――」

一夏(よかった‥‥何とかバレずに済m)

箒「そういえば静かで落ち着きませんね! 何か曲をかけますか? フラッシュメモリ持って来てるんですよ!!」 ブスッ

メカ無『それどういうア○ルプレイ!?』

全員「馬鹿ぁぁぁぁぁぁっ!!」
218 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 10:30:54.29 ID:Cl7IIhlZ0
メカ無『ちょっと!! よく見たらそれデスクトップPCじゃない!! ウチのメ簪ちゃんはどうしたの!?』 ガタッ

一夏「今、入院中です‥‥」

鈴(倉持技研にね)

メカ無『こんな物とすり替えるなんて、貴女ふざけてるの!?』

箒「い、いいじゃないですか。たいして変わりませんし‥‥」

一夏「おい、箒!!」

メカ無『人をナメるのもいい加減にしなさい!!』

箒「ええい、もうまどろっこしい!!」 ポチッ

メカ無『!!!?』 ピーーーー、ガガガガガッ

全員「!?」

メカ無『NO DATA』

箒「ふぅ‥これでよし」

一夏「何してんだよ!!」

チェルシー「とりあえずクローゼットに仕舞っておきましょう」 ガタガタッ

3年生「いよいよ犯罪ね‥‥」

セシリア「とんでもない事になりましたわ‥‥」
219 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 10:37:14.78 ID:Cl7IIhlZ0
ちょい休憩
どんどん間隔が開いてて申し訳ない
ノシ
220 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 13:16:20.83 ID:Cl7IIhlZ0
――翌日

一夏「妹のメ簪は無事修理が完了したぞ」

箒「コッチの方が扱いやすくていいな」

ラウラ「コンパクトで持ち運びにも便利だしな」

3年生「ねえ、ちょっといいかしら?」

一夏「何ですか?」

3年生「みんなフツーにしてるけれど‥‥そもそもこのメカ無一族って一体何なの? みんなは疑問に思わないの?」

全員「…………」

一夏「‥‥まあ、今さらそんな事言われてもなあ」

3年生「いや、今だから話し合うべきじゃないかしら!? 妹まで出てきちゃった今こそ!! このままじゃズルズル引きずっちゃうわよ!!」

全員「う〜ん‥‥」

3年生「家はどこなの!? 親はいるの!? ‥‥というより誰が作ったの!? いろいろ疑問あるでしょ!?」

箒「……『誰が作った』って、先輩‥‥」

3年生「なんでみんなハッキリ言わないのよ!! だって、どう見たってこの子たちはロボッ‥‥」

箒「やめてください!!」

3年生「どうしてよ? 何を怯えているのよ?」

箒「先輩が言おうとしてる事はメカ無さんに対するイジメです。いいですか‥‥時として私たちは対立します。けれどイジメは絶対にしない。そうだったんじゃないんですか?」

3年生「‥‥ごめんなさい。もうそれは口にしないわ‥‥」

一夏(昨日円筒型PCと大して変わんないって言ったヤツがよく言えるな)

ラウラ「だが、メカ無一族の素性というか正体は気になるところだ‥‥。何か目的があってこのIS学園に乗り込んできたとも考えられる」





マドカ・ダリル「ヘックシ!!」

フォルテ「大丈夫すか、先輩?」

山田「風邪には気をつけてくださいね、織斑先生」
221 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 13:17:21.45 ID:Cl7IIhlZ0
箒「くだらない‥‥こんなちっぽけなオモチャみたいなヤツに目的なんてあるワケないだろう。考えすぎだ」

シャル(舌の根も乾かないうちに‥‥)

一夏「でも携帯電話だって進化するほど小さいし、ひょっとしたらコイツだってとんでもない能力があるかもしれないぞ」

鈴「何言ってんのよ。何でもかんでも携帯電話と一緒にすんじゃないわよ、馬鹿!!」

メ簪『コーノーソーラハーミライ、アーナータガソバーニーイーテークーレタラー♪』 ム゙ー、ム゙ー

箒「わっ!!」

鈴「な、何よコレ!?」

ラウラ「着信音!?」

シャル「ホントに携帯電話なの、コレ!?」

3年生「‥‥ていうか誰からの電話なの!?」

鈴「と‥とにかく誰か電話に出なさいよ!!」

箒「できるか!! 気味が悪い!!」

一夏「ハイ、もしもし」 ピッ

鈴「い、一夏!!」

3年生「さすが男の子!!」

一夏「…………はい」

全員「‥‥」 ゴクリ

一夏「11月26日? 5枚? 何の事です?」

全員(何かどっかで聞いた事のあるやり取りしてる!!)

一夏「‥! そうです。はい……はい、そうです。では失礼します」 プツッ

3年生「だ‥誰からだったの‥‥?」

一夏「間違い電話でした」

3年生「そんなのすぐ切ってよ!!」
222 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 13:18:18.16 ID:Cl7IIhlZ0
鈴「ねえ、ホントに今の間違い電話!? 何か意味深な暗号みたいに聞こえたけど!!」

一夏「何でだよ!? んなわけないだろ!!」

メ簪『コーノーソーラハーミライ、アーナータガソバーニーイーテークーレタラー♪』 ム゙ー、ム゙ー

鈴「ギャーッ!! また鳴ってるわよ!!」

箒「よし、では今度は私が出よう」

3年生「お願い、箒ちゃん‥‥」

箒「‥‥ハイ、もしもし……」 ピッ

全員「‥‥」 ドキドキ

箒「え!? ‥‥わかった!! 今すぐ行く!!」 プツッ

3年生「ねえ‥‥誰からなの?」

セシリア「病欠していたセシリアからだ! 何かあったらしくて別荘に来てくれと言っていたぞ!!」

一夏「セシリアが!?」

鈴「すぐに行くわよ!!」

ラウラ「あのセシリアが自分から別荘に来いと言うのは尋常ではないな‥‥」

3年生「‥‥ていうか、あの子はどこに電話をかけたのかしら?」
223 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 13:19:11.43 ID:Cl7IIhlZ0
――セシリアの別荘

セシリア「来ましたわね‥‥もう私、どう説明したらよろしいのか‥‥」

チェルシー「お嬢様、深呼吸を」

セシリア「スゥーー、ハァーー‥‥」

シャル「一体どうしたの? セシリア」

セシリア「‥‥さっき‥クローゼットを整理していたのですけれど‥‥」 ガチャッ

鈴「え‥‥!?」

一夏「メカ無さんがいなくなってる!?」

箒「これは奇怪だな‥‥しかもこんな短期間でいなくなるなんて」

3年生「一人で歩きだしたのかしら?」

シャル「粗大ゴミに出しちゃった‥‥とか?」

一夏「とにかくみんな落ち着こう!! あわてると余計わからなくなっちまう!!」

セシリア「――一夏さんの仰る通りですわ。少し落ち着きましょう……」

チェルシー「ちょうどお茶のお時間です。皆様もどうぞ」

3年生「あ、ありがとうございます」

鈴「アタシ、ウーロン茶」

箒「緑茶を頼む」

ラウラ「抹茶はないか?」

一夏「スポーツドリンクください」

シャル「じゃあ麦茶をお願いします」

セシリア「紅茶をくださいまし」

チェルシー「はい、かしこまりました」 ガチャッ

メカ無『』 ム゙オーーーー...

全員「冷蔵庫に改造されてんじゃねーか!!」
224 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 13:20:54.25 ID:Cl7IIhlZ0
書き溜め休憩
いよいよ中盤〜終盤に来たぞ
ノシ
225 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:42:21.14 ID:Cl7IIhlZ0
 前略、千冬姉。待ちに待ったタッグマッチもまた無人機の襲撃に遭って有耶無耶になってしまいました。
 けれど、みんなの絆の力で無事に生還し、学園にも平穏が訪れています。

箒「いやいや、一時はどうなるかと思ったぞ‥‥」

ラウラ「一般生徒の顔を見ていてこれ程嬉しい気分になった事は今までなかったな」

一夏「とにかく、みんな無事で何よりだよ‥‥。むしろあの体験のおかげで、これからの日々を充実させて生きていけるような気がしてくる」

鈴「何かアタシ、無性に勉強したくなってきたわー」

セシリア「よく言いますわ‥‥フフフフ」

シャル「専用機は当分使えなくなっちゃったけれど、また今日から前と同じ学校生活を送るコトができるんだね‥‥」

一夏「ああ‥‥前と同じだよ‥‥。ま、しいて変わったコトがあるとすれば――」

ゴーレムI『‥‥』

ゴーレムIII『‥‥』

3年生「無人機が1機増えてる‥‥」
226 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:43:18.28 ID:Cl7IIhlZ0
ラウラ「あの片腕がブレードになってる禍々しい無人機、先日のタッグマッチに乱入してきた機体の内の1機だよな? なんでここにいるんだ」

鈴「またいつの間にか生徒になりきってるわね‥‥」

シャル「ゴレ奈ちゃんっていうのはどうかな?」

3年生「もう名前をつけ始めてる!!」

セシリア「とにかく、もうこんな変な教室はゴメンですわ!! 同じ無人機なんですからどちらか1機帰ってくださらないかしら!?」

箒「たしかに‥‥無人機が2機いても邪魔なだけだな。見慣れた古い方を残して新しいのは――」

ラウラ「いや待て、慣れているからといって古参ばかり優遇してはいつまでたっても新兵は育たない。多少賭けになるが新しいモノを取り入れる姿勢が大切だ。安全策に走って挑戦する心を忘れては成長などない」

3年生(新兵‥‥?)

ラウラ「それによく見てみろ!! 武装だけ見ればゴレ奈はゴレ美の完全な上位互換だ!! これは大きい!!」

箒「たしかにゴレ美に搭載されてるナックルやビーム砲はそのままに、鋭利な実体剣に強固なシールドビット、加えて反則スレスレのシールドバリア阻害システム。これだけの装備があれば並の敵は敵わないな」

鈴「実際メチャクチャ強かったしね‥‥」

セシリア「となりますと、ゴレ奈さんの方が有望ですわね」

ゴーレムIII「‥‥?」

シャル「期待してるよ、ゴレ奈ちゃん!!」

ゴーレムI「!!」 ガーン

ガラララ

3年生「あ!! どこに行くのゴレ美ちゃん!?」
227 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:44:19.74 ID:Cl7IIhlZ0
一夏「ダメだろ!! みんながゴレ奈ばかりもてはやすから、いじけちゃったじゃねえか」

箒「ちょうどいい‥‥捨てる手間が省けたな」

一夏「なんて事言うんだ! 友達だろ!!」

セシリア「友達…?」

鈴「一度ころがされそうになったのに何を今さら」

一夏「他人からつまはじきにされるヤツの気持ちを、みんなは知ってるはずだ!! 自分が同じ事をされたらどう思うか、思い出してくれよ!!」

箒「!!」



ガキ大将A『やーい、オトコオンナ〜』



セシリア「‥‥!!」



社交界の来賓客『アレを御覧なさい。没落寸前のオルコットの令嬢でなくて?』



鈴「‥‥!」



ガキ大将B『おらリンリン。笹食えよ笹、リンリン』



ラウラ「‥‥ッ」



軍高官『C-0037の性能は平均以下、か。廃棄処分も検討せねばな』



シャルル「‥‥」



継母『どうしてあの子じゃなくて、貴女みたいな泥棒猫が産まれてきたのよ!?』



3年生「‥」



一夏『え〜と、すみません。名前何て言うんでしたっけ?』



全員「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

一夏「な、みんな?」

鈴「あーもうっ! わかったわよ!! 探せばいいんでしょ、探せばぁっ!!」

セシリア「ホンッッットに一夏さんは他人の古傷をえぐってきますわね!!」

箒「こうなったら送られてきた塩の分まで働いてやる!! どこからだ!?」

一夏「みんな‥‥!!」

3年生(アレぇ? 私だけ結構最近なうえ犯人が目の前にいるんだけどー‥‥)
228 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:45:26.56 ID:Cl7IIhlZ0
――海浜公園

ラウラ「おーい、どこだゴレ美〜?」

シャル「いたら返事して〜!!」

鈴「ってかアイツって返事すんの?」

箒「ひょっとして海に身投げでもしてたらどうしよう‥‥」

鈴「ってかISがどうやって溺死すんのよ」

3年生「あ、あそこ!!」

全員「!!」

ゴーレム『‥‥』 チャポン

鈴「いたぁ!!」

ラウラ「海に石を投げている!!」

セシリア「よかった、みんなで行きましょう!!」 タッ

一夏「いや‥‥下手に刺激を与えたらまずい‥‥みんなで行くのはよそう」

3年生「じゃあ‥どうするの?」

一夏「――シャル、行ってくれるか?」

シャル「え、ボク?」

一夏「最初にアイツと話したのも、アイツに名前をつけたのも、俺たちの中で一番アイツと付き合いが長いのもお前だ。行ってやってくれ」

シャル「一夏‥‥」

鈴「おいしい役ゆずってやるっつってんのよ!」

セシリア「早く行きなさいな!!」

シャル「みんな‥‥うん!!」 ダッ
229 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:46:27.63 ID:Cl7IIhlZ0
ゴーレム『‥‥』 チャポン

シャル「こんな所にいたんだ」

ゴーレム『!』

シャル「隣、いいかな?」 スッ

ゴーレム『‥‥』

シャル「まだ気にしてるの? みんな心配してるよ‥‥」

ゴーレム『‥‥』

シャル「みんなだって、本気でいなくなってほしいからあんな事言ってたわけじゃないんだよ。ただ、あんまり突然の事で戸惑ってるだけなんだよ」

ゴーレム『‥‥』

シャル「傷つく気持ちはわかるよ‥‥。けれど、みんなも今は反省してるからさ」

ゴーレム『‥‥』

シャル「ねえ、許してあげてくれないかな?」

ゴーレム『‥‥』 コクリ

シャル「‥‥! みんな!!」

セシリア「ゴレ美さん!!」 ダッ
230 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:47:09.46 ID:Cl7IIhlZ0
ラウラ「すまない‥‥つい軽はずみな事を言ってしまって」

箒「ああ‥‥私たちが悪かった。この通りだ!」

鈴「ほ、本気にしてんじゃないわよ、馬鹿ぁ‥‥」

3年生「正直、今でも時々怖くなる時あるんだけどね‥‥」

一夏「‥‥」 コクリ

シャル「ね? ホントはみんなキミのコトが好きなんだよ。わかってくれるよね?」

ゴーレム『‥‥』 コクリ

シャル「だから、くよくよしないでよ。ね? ゴレ奈ちゃん!」 ポン

全員「え?」

ゴーレムIII『‥‥ッ』 ブオンッ、ドシュゥゥゥゥゥゥォ

子供A「すげー!! あのデカブツまた小石を何十回も跳ねさせてるぞ!!」

子供B「ナニモンだーっ、アイツ!?」

ゴーレムIII『‥‥///』 グッ

一夏「‥‥いつから気づいてたんだ、シャル?」

シャル「え‥‥じゃあみんなはずっと気がついてなかったの!?」

鈴「じゃあゴレ美はどこ行ったのよ〜〜〜〜っ!?」





――その頃、倉持技研

ゴーレムI『‥‥』

ヒカルノ「え? ドリルとかロケットパンチとか付けたい? 変形合体機能も? なにそれ怖い」
231 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 17:59:49.92 ID:Cl7IIhlZ0
買い物にいってきま
うん、矛盾とか酷いね徹頭徹尾
ノシ
232 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 19:08:05.23 ID:Cl7IIhlZ0
一夏「はい、はい、わかりました。すぐに伺います。はい、失礼します」 プツッ

メ簪『メカラッタ』 コトッ

一夏「ん、ありがとなメ簪」

鈴「すっかりケータイ感覚で使われてるわね、メ簪」

シャル「で、何て?」

一夏「ああ、やっぱり倉持技研に行ってたらしい」

鈴「何やってんのよアイツは!?」

セシリア「おおかた装備の調達に向かったのですのね。ゴレ奈さんに対抗心メラメラですわ」

箒「それで、すぐに出発するのか?」

一夏「ああ、俺とゴレ奈の2人で行ってくるよ」

鈴「え゙、ゴレ奈と!?」

一夏「どうも交換条件らしくてなあ、断れなかった」

3年生「交換条件って‥‥」

ラウラ「性能の高いゴレ奈の価値に目をつけたわけか」 チッ

一夏「とにかく行かないとラチがあかないからさ、行ってくるよ」

箒「き、気をつけてくれ!!」

一夏「ああ!!」 スタスタ

ゴレ奈『‥‥』 ズンズン

シャル「行っちゃったね‥‥」

ラウラ「ああ‥‥」

セシリア「思えばわたくし達、ゴレ奈さんとは、ほとんどお話できませんでしたわね」

箒「‥‥淋しくなるな」
233 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 19:08:45.75 ID:Cl7IIhlZ0
――倉持技研

一夏「どうも‥‥先ほど連絡させてもらった織斑です」

ヒカルノ「やあやあ待ってたぜぇ一夏くん!!」

一夏「うわっスク水の化け物」

ヒカルノ「ほ〜〜、いいゴーレムじゃないの〜♪」

一夏(いいゴーレムって何だ?)

ヒカルノ「じゃあこっちのお古は返しとくよ。約束だからね」

一夏「‥‥それじゃ2人とも。これでお別れになるけれど‥‥わかってくれるよな?」

ゴーレムI・III『‥‥』 コクリ

一夏「じゃ、ここで幸せに暮らすんだぞ、ゴレ奈」

ヒカルノ「おーい、そっち持って帰る方の機体だぞお一夏くぅん」
234 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 19:10:02.47 ID:Cl7IIhlZ0
――IS学園

鈴「――それはそれは変な所長さんだったわね」

一夏「まあ何にせよ、ゴレ奈も幸せに暮らしていけると思うよ」

箒「けれど、その前に念のためひとつ確認しておきたいのだが‥‥またゴレ奈とゴレ美を間違えて連れ帰ってきていないだろうな」

一夏「ハハハ、箒も心配性だなあ」

ゴーレムI『‥‥』

一夏「ホラ!! 間違いなくゴレ美だろ?」

シャル「あ〜〜〜よかったよかった。これでホッとしたよ」

セシリア「当たり前ですわ。いくら一夏さんでもそう同じミスを何度もくり返す訳ありませんわ」

一夏「それじゃ‥‥」

全員「改めてよろしく、ゴレ美ちゃん!!」

ゴーレムI『‥‥!』 プシューーーーッ

ゴーレムIII『‥‥』 ピロロロロロッ

ゴーレム?『‥‥』 グポーン

全員「」

鈴「な、何でゴレ奈も帰ってきてんのよ!?」

シャル「しかも更に1機増えてるし!!」

一夏「あっ、倉持技研からメールが」

ヒカルノ『すまん、やっぱムリぽ。手に負えないす』

全員「何じゃそりゃぁぁぁぁぁ!!」
235 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/27(金) 19:12:01.13 ID:Cl7IIhlZ0
書き溜め開始
今日はけっこうノリノリ
ノシ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/27(金) 19:16:52.65 ID:5KMFN7fGO
メ簪の語呂の良さ
237 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 12:57:10.71 ID:U46Y8RZB0
IS学園 身体測定

山田「では、こちらに並んでいる方は体操服を脱いで、下着姿になってくださいねー」

九段下「っだよ、かったり〜なあ」 ヌギヌギ

谷本「ホントに織斑くんが測定するの?」 ヌギヌギ

相川「ええええ、うそうそっ!? 私、昨日、ごはんおかわりしちゃったのに!」 ヌギヌギ

のほほん「やっほー、おりむ〜。へへー、めっちゃんさんの秘策炸裂だね〜」ヌギヌギ

箒「‥‥鈴。後でブラジャー貸してくれ」

鈴「何に使うのよ!?」

一夏(マ、マジで俺が測定するのか‥‥。千冬姉から目隠しもらったけれど、これ結局スケスケだから意味ねーんだよなあ)

山田「では最初の方、どうぞ〜」

一夏(うわっもう来た!!)

メカ無『ハァイ♪ ちゃんと測ってくれないと、お姉さん怒っちゃうゾ☆』

一夏(何で1年生じゃないアンタが来てんの!?)

メカ無「は・や・く♪」

一夏「は、はい。じゃあメジャーあてますのでちょっと冷たいですけれどガマンしてください」 マキマキ

メカ無『‥‥』

一夏「‥‥」

一夏(これってはたから見ると、俺のやってる事ってすごいバカみたいに思えるんだけど‥‥)

メカ無『‥‥織斑くん?』

一夏(いや、いかんいかん。邪心を振り払え!! 測定に集中するんだ!!)

一夏「じゃ、次はウェストを測りまーす」

メカ無『そこはもうすでにヒップよ?』

一夏「な!?」

一夏(それって‥‥3サイズ全部一緒って事か‥‥!?)
238 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 12:58:25.63 ID:U46Y8RZB0
一夏(もういい‥‥気を取り直して次にいこう)

マドカ「お願いします」

一夏「いや教師は病院で測定してもらえよ千冬姉!!」

マドカ「黙って測れ。ころがすぞ」

一夏「えー‥‥」

マドカ「‥‥」

一夏「‥‥じゃあとりあえずちゃんと脱いでくれないか?」

マドカ「ブラもショーツも脱げというのか? ころがすぞ」

一夏「そのいっつも展開してるハイパーセンサー取れっつってんの!!」


……
………

山田「次の方どうぞ〜」

?「……」

一夏(ん? 誰だコイツ?)

?「早く‥‥測ってくれ‥‥」

一夏(はて、鈴とラウラ以外に貧乳の女子なんて居たっけか?) マキマキ

?「‥‥」

一夏「えーと、バスト72cm‥‥」

?「なぜ声に出して言う!?」 ガタッ

一夏「いや記録になんねえだろ!!」

?「残すな!!」

一夏「なんでだよ!?」

山田「ええと、篠ノ之さん。もう少し静かに――」

一夏「ええっ!? お前、ほうk」

箒「うわぁぁぁぁっ(泣)!!」 ゴッス

ドサッ
239 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 12:59:18.97 ID:U46Y8RZB0
山田「大丈夫ですか、織斑くん?」

一夏「は、はい‥‥。次の、女子は――」

山田「え? いえ、今のゴレ美ちゃんで最後です」

一夏「え」

山田「だいぶ記憶が飛んじゃってるみたいですね‥‥今日はゆっくり休んでください」

一夏「あの‥‥内容を全然憶えてないんですけれど‥‥」

山田「‥‥その方がいい気がします」

一夏「?」





一夏「――で、あの後冷静になって思い出そうとしたんだが‥‥」

箒「ああ」

一夏「ゴレ美の体位測定をした憶えしかない」

箒「自業自得だな」

一夏「やっぱり俺、何かしたのか‥‥?」

箒「知らん」

一夏「????」
240 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 13:56:43.87 ID:U46Y8RZB0
放課後 IS学園 屋上

鈴「それじゃ箒はお父さんに顔似てんのね‥‥ちょっと見てみたいけれど」

箒「ああ‥‥けれど父さんは巨乳ではないぞ」

ラウラ「そんな父親いてたまるか」

鈴「そう言えばあのビデオを見て思ったけれど、セシリアは絶対お母さん似でしょ」

セシリア「ええ! 皆さんもご存知の通りですわ。このヘアースタイルは亡き母を想って模ったものですの」

箒「やっぱりな」

鈴「そう言えば……え〜〜と……」

3年生「‥‥」

鈴「‥‥アンタは、お父さんとお母さんどっちに似てんのよ?」

3年生(ア‥アンタ……!?)

3年生「ううん‥‥私はおバアちゃんに似てるから‥‥」

鈴「なぁ〜〜んだおバアちゃんかあ、アハハハハ」
241 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 13:57:29.02 ID:U46Y8RZB0
箒「ところで、子供の頃の夢ってあったよな? ラウラ、お前は何だった?」

ラウラ「私か? 立派な夫だ」

セシリア「慎ましいですけれど、それを言うなら妻では?」

箒「シャル、お前は子供の頃どんな夢があったんだ?」

ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」

鈴「もう何言ってんのよ。この状態のシャルに何聞いても無駄よ。‥‥聞けても暗い過去しか出てこないだろうし」

箒「――それで、え〜〜と‥‥」

3年生「………………」

箒「先輩は‥‥」

3年生「いい加減にしてよ!!」

全員「!?」

3年生「さっきから貴女たち私のことを『アンタ』とか『先輩』だとか呼んでるけれど、お願いだからちゃんと名前で呼んでよ!!」

鈴「名前って言ったって‥‥」 チラッ

箒「なあ‥‥」 チラッ

3年生「まさかと思うんだけれど‥‥私の名前を知らないなんてコトないよね‥‥?」

箒「‥‥」

セシリア「‥‥」

鈴「‥‥」

ラウラ「‥‥」

ホイットニー「‥‥」

3年生「‥‥」

全員「‥‥ごめんなさい‥」

3年生「え、ウソ!? 知らないの!? 私、もうすぐみんなと半年の付き合いになるのに!?」
242 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 13:58:41.55 ID:U46Y8RZB0
ガラララ

メカ無『あら、みんなここにいたの』

メ簪『メカラッタ』

箒「メカ無さん、メ簪!!」

3年生「メカ無ちゃん〜〜!!」 ダッ

メ簪『メカラ゙ッ』 ドゲシッ

鈴「あっメ簪が蹴り飛ばされた!!」

3年生「メカ無ちゃん‥‥メカ無ちゃんは長いつきあいだし、いくらなんでも私の名前知ってるわよね?」

メカ無『‥‥』

3年生「‥‥」

メカ無『Access to databank』

3年生「データバンクにアクセスしないと分かんないってどういう事!?」

メカ無『!?』 ビーッビーッビーッ

全員「!?」

3年生「何? どうしたの!?」

メカ無『‥‥データが壊れてて読み込めない』

3年生「何で!?」

鈴「‥‥3年生全体のデータが?」

メカ無『いいえ‥‥なぜかこの子のデータだけ破損してる‥‥』

3年生「ピンポイント過ぎない!?」
243 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/28(土) 14:00:13.74 ID:U46Y8RZB0
ちょっと反動がキたので休憩‥‥
ようやくやりたかったネタが――
ノシ
244 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/31(火) 18:25:46.84 ID:RXJr2OrH0
3年生「もういいわ、わかったわよ!! じゃあ改めて自己紹介するわ!! 私の名前は‥‥」

箒「‥‥ところで話は変わるが‥‥一夏はどこ行った?」

鈴「ゴレ奈の事で倉持技研に直談判しに行ったみたいよ」

3年生「ちょっと!? いくらなんでもそれはないでしょォ!?」

セシリア「お二方‥‥確かに今のはひどすぎますわ‥‥」

ラウラ「ああ‥‥ここは黙って先輩の名前を聞いてやるべきだろう」

鈴「まぁ‥‥確かにアタシも大人気なかったわよ‥‥」

箒「すみません、先輩‥‥」

3年生「ありがとう――って言うのもおかしいけれど…じゃあ自己紹介させてもらうわ‥‥。私の名前は‥‥」

バシャ

セシリア「キャッ! ホイットニーさんがジュースをこぼしてしまいましたわ!!」

ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァ‥‥」 ベト...

3年生「あぁ〜〜っも〜〜!! どいてっ!! 私が拭いてあげるから!!」
245 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/31(火) 18:26:46.58 ID:RXJr2OrH0
――1分後

3年生「どう!? キレイになったでしょ!? もう汚さないでね!!」

ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァ‥‥!!」 ピッカピカ

鈴「すっごい‥‥ちょっとしたコツだけでキレイになるもんなのね‥‥」

箒「先輩‥‥主婦に向いてるんじゃないですか?」

3年生「そりゃどうも‥じゃ、言うわよ‥‥。私の名前は‥‥」

ラウラ「む‥もうジュースがないぞ」

セシリア「ノドがかわいて死んでしまいそうですわ〜〜」

3年生「わかったわよ!! 今すぐ買ってくるから!!」

――5分後

3年生「30本買ってきたわ!! お金は要らないから大事に飲んでね!!」

箒「先輩‥‥もうお母さんみたいですね‥‥」

セシリア「自身の名前を言うためだけにここまで必死になる方は初めて見ましたわ‥‥」

3年生「よーし!! じゃ、言わせてもらうわよ!! 私の名前は‥‥」

ピピピッピピピッ

全員「!?」

鈴「ちょっと‥‥これ先生からの専用回線よ!?」

セシリア「何かあったのかしら‥‥」

3年生「」
246 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/31(火) 18:27:49.49 ID:RXJr2OrH0
山田『皆さん聞こえますか!? たった今、本校は所属不明部隊の襲撃を受けています!! 一般生徒は既に大半が緊急シェルターに避難を開始しています!! 各学年の専用機持ちの皆さんは至急マップの誘導に従い移動してください!!』

ブツッ

鈴「みんな聞いたわね!? すぐに向かうわよ!!」

全員「応ッ!!」 ダダダッ

3年生「‥‥」

メカ無『さあ先輩!! 急いでシェルターへ――』

3年生「‥‥ふっふふふ――」

メカ無『何してるんです!? さあ早く――』

3年生「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

メカ無『!?』

3年生「そう‥‥そんなにみんなは私の名前を聞きたくないの‥‥?」 ユラァ

メカ無『せ、先輩‥‥?』

3年生「‥‥いいよ? いいよいいよいいよ!? 別にいいよォォォォ!?」 グリン

メカ無『』

3年生「‥‥そっちがその気なら、こっちにも考えはあるもの」

メカ無『‥‥』

メ簪『メ、メカラッタ‥‥』
247 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/01/31(火) 18:31:27.09 ID:RXJr2OrH0
ようやく上がったのにまた休憩
頭痛がする は…吐き気もだ…
くっ…ぐう な…なんてことだ…この◆IM4j5.DbdYが……気分が悪いだと?
この◆IM4j5.DbdYがあの寝不足に頭を破壊されて…立つことが…立つことができないだと!?
ノシ
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/05(日) 06:41:28.40 ID:/GfrPAJNo
ファーストクラスの乗客に酒とキャビアをサービスするように乙
249 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:35:09.07 ID:5Nfzihms0
――IS学園 廊下(封鎖区域)

ドカァァァン

アンチネイムドA「‥‥防壁の爆破完了。この先は一直線です」

アンチネイムドB「ブリーフィング通りだ。障害となる勢力には実力行使で対応、その

まま地下特別区画を目指す」

アンチネイムドA「了解」

アンチネイムドC「分隊長、多少遊んでも構いませんね?」

アンチネイムドB「‥‥ヴェイル4、我々は特殊部隊であって虐殺者ではない。余計な私

刑は極力避けろ」

アンチネイムドC「‥‥」

アンチネイムドB「ただ“汚す”のは構わん。それぐらいのガス抜きは許す」

アンチネイムドC「ははっ、そうこなくちゃ!」

アンチネイムドD「ヴェイル4、独り占めはよしてくださいよ?」

アンチネイムドE「俺らだって溜まってんだ。分け前は残してくれよ」

アンチネイムドC「当たり前だろ? 女ってのはちゃんと人数分相手にできるような身体

になってんだからなぁ」

下衆野郎共「ギャハハハハハ!!」

アンチネイムドB「私語は慎め。ヴェイル3、アイツらを黙らせろ」

アンチネイムドA「」

アンチネイムドB「ヴェイル3? 復唱しろ」

アンチネイムドC「あれぇ? アレ、誰です?」

アンチネイムドB「?」

3年生「‥‥」
250 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:36:33.74 ID:5Nfzihms0
アンチネイムドE「何だアイツ?」

アンチネイムドC「警戒されている専用機持ちの中にはいねえぞ」

アンチネイムドD「って事は、逃げ遅れた生徒ですかねえ?」

アンチネイムドB「‥‥」

アンチネイムドD「どうしたの、お嬢ちゃん? ちゃんとシェルターに避難しなきゃダメだろう?」 スタスタ

3年生「‥‥」

アンチネイムドD「先生の言う事をキチンと聞かなきゃ、悪いヒトに乱暴されちゃうじゃないか‥‥」

アンチネイムドB「‥‥」

アンチネイムドA(だった何か)「」 ブラン...

アンチネイムドB「」

アンチネイムドD「何とか言えよガキィッ!!」 グイッ

3年生「ッ!!」 ドスッ

アンチネイムドD「」 ドサッ

アンチネイムドC「え?」

アンチネイムドE「ヴェイル5?」

アンチネイムドB「ヴェイル2、ヴェイル4‥‥戦闘態勢をとれ」

アンチネイムドC・E「はい?」

アンチネイムドB「わからんのか!! アレは敵だ!!」 ガチャッ

3年生「シィッ!!」 ゴォァッ
251 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:37:30.87 ID:5Nfzihms0
アンチネイムドC「くっ」 ドガガガガガガガッ

3年生「ッ!!」 ドンッ

アンチネイムドE「何だコイツ!? 弾が当たらねえ!!」

アンチネイムドC「この動き‥‥まさかハダリ!?」

3年生「‥‥!!」 グンッグンッグンッ

アンチネイムドE「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

3年生「シャッ!!」 ビシュッ

アンチネイムドE「」 ドシャッ

アンチネイムドC「ヴェイル2ぅぅぅぅぅ!!」

アンチネイムドB「今だ!! 前が空いた!! 急いでエレベータへ向かうぞ!!」

アンチネイムドC「ら、ラジャー!!」 ダッ

3年生「‥‥ッ」 ドドドドドドドドドドドドッ

アンチネイムドB「くっ‥‥!!」 ダダダダダッ

アンチネイムドC「ヒィィィィィッ!!」 ドタドタドタッ

3年生「シィィィィィッ!!」 ドドドドドドドドドッ

アンチネイムドC「も、もうダメだぁぁぁっ!!」

アンチネイムドB「見ろ、エレベータだ!! アレに乗り込むぞ!!」

カチカチカチカチ

アンチネイムドB「早く来い早く来い早く来い早く来い早く来い!!」

3年生「グァァァァァァァァァァァァッ!!」

アンチネイムドC「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ポーン ガララ

アンチネイムドB「来た!! 乗れっ!!」

アンチネイムドC「わっ!!」

3年生「‥‥!!」 ガラララララ

ピシャッ

アンチネイムドB「ふぅ‥‥これでもう大丈夫だ」

アンチネイムドC「くそっ!! F○ck、f○ck、f○ck!!」

ガシャァッ

アンチネイムドB・C「!?」

3年生「オォォォォプン、セスァミィィィィィ‥‥!!」 ギギギギギギギッ

アンチネイムドC「キャァァァァァァァドラキュラァァァァァァ!!」

アンチネイムドB「くそっ、何なんだお前はぁぁっ!!」 ガチャッ

3年生「‥‥きたい?」

アンチネイムドB「!?」

3年生「私の名前を聞きたい?」 ニマァァァ

アンチネイムドC「あは、あははははははは」 ガタガタガタガタ

アンチネイムドB「あああああああああああああ!!」 ダンッダンッダンッ

3年生「私の名前は――」 ガララララ

ピシャッ
252 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:38:34.98 ID:5Nfzihms0
――アンチネイムド キャンプ

オペレータ「チーム・ヴェイル!! こちらHQ、チーム・ヴェイル!! 応答せよ!!」

幹部A「一体何が起きているんだ‥‥」

幹部B「‥‥ボス、どうしますか?」

千冬「‥‥」

 マイネームイズ織斑千冬。私は、とある特務部隊の幹部となっている。
 しかし相変わらず乗り物には酔いやすい。
 思えばこれまでいろいろあった‥‥。
 短期間でここまでのし上がるのは大変だった。
 海路はゆっくりしてるから苦しみが長引きそうで嫌だったので空路で帰ってこれたが、まさか超亜音速ステルス輸送機に乗るハメになるとは‥‥死ぬかと思った。
 だがそんな私にも今では私を慕ってくれる部下がたくさんいる。

隊長「ボス、顔色が優れないようですが‥‥」

 そしてその部下の一人が、この『ヒューストン』だ。

千冬「なあ、ヒューストン‥‥私はかつて日本にいたんだが‥‥日本で何度かお前を見かけたような気がしてならないんだが‥‥」

ヒューストン「お言葉ですがボス、我々はパーソナルデータの一切を捨てた一装置に過ぎません。そして任務のために己を練磨してきた身ですが、私は日本は初めてですし日本の事は知りません。むしろ日本は嫌いです」

千冬「そうか‥‥それでは日本、あるいはフランスに姉妹とか親戚はいないか?」

ヒューストン「ボス、私は冗談を解しません。我々は既に存在しない人間です。親類縁者など最早意味を成しません」

千冬「そうか‥‥では、この話はもうヤメにしよう」
253 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:39:43.94 ID:5Nfzihms0
アンチネイムドB『‥‥こ、こちらヴェイル1‥‥』 ジジッザー

オペレータ「!! こちらHQ!!ヴェイル1、どうしました!!」

アンチネイムドB『て‥敵襲‥‥至急‥‥増援を要請‥‥』 ジージジジッガー

オペレータ「よく聞こえません!! 敵の装備、数は!?」

アンチネイムドB『は‥‥ハイスクール‥スチューデント‥‥』ザーザザッガーーー

ブツッ

オペレータ「‥‥」

幹部A「ハイスクール、スチューデント‥‥!?」

幹部B「一体何が‥‥」

千冬「‥‥私が出る」

幹部A「な‥‥ボス自ら!?」

幹部B「危険過ぎます!! いくらボスといえど‥‥!!」

千冬「私を侮るなよ」

幹部A・B「‥‥!!」

ヒューストン「ボス、私もお供します」

千冬「わかった。頼むぞ」

千冬(よし!! これで上手い事学園に帰れる!! 早いとここんな掃除屋集団から足を洗って再び教師に戻ろう‥‥)

ヒューストン「整備班!! 機体の準備は?」

整備班「隊長!! いつでも行けますよ!!」

ヒューストン「よし、出撃!!」

千冬(待っていてくれ、一夏!!)




――輸送車両

千冬「」
254 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:40:30.26 ID:5Nfzihms0
千冬「ヒューストン‥‥お前にだけは言ったハズだ。とにかく私は乗り物に弱い。タクシーで酔うのに輸送車両はないだろう!!」

ヒューストン「ご心配なく、ボス。ボスのハンガーは比較的後部座席に近づけましたし、酔い止めの薬も持ってきました」

千冬「……お前は本当に細かい所だけは気づくな‥‥」

ヒューストン「そういえば昔聞いた事があるのですが、乗り物酔いはヘソに梅干しを貼っておくと平気になるそうです」

千冬「それはすでに試した事がある‥‥だが単なる迷信だった。というか、お前の話を聞いているとどうも日本の事を知っているとしか思えんのだが‥‥」

ヒューストン「ボス、やはり日本が恋しいのですか?」

千冬「ああ‥‥たまに一夏が作ったお茶漬けを食べたくなる」

ヒューストン「ボス。私はブルックリンで野垂れ死にそうになっていた所をボスに助けられた時から、いつもそれを考えていました。いつかボスが日本に帰ってしまうのではないかと‥‥我々と決別する日が来るのかもしれないと‥‥。この感情をどう表現したら良いのでしょうか」

千冬「それはな、『淋しい』というんだ」 ゴトゴトゴト

ヒューストン「『淋しい』‥‥」 ガタガタガタ

千冬「‥‥というか、さっきから揺れが激しくなってきてるんだが学園にはまだ着かんのか!?」 ガガガガ

ヒューストン「いえ、もうすでに学園内部に侵入しています。地下特別区画まで突き進みます」 ドドドドドド

千冬「馬鹿かお前は!? ここまで来たならもうエネルギー温存も何もないだろう!?」 ゴガンゴガンゴガン

ヒューストン「昔から『果報は寝て待て』というじゃありませんか」 ズンガズンガ

千冬「お前やっぱり日本出身だろう!?」 ドゴンドゴンドゴン

ゴガァァァン

千冬・ヒューストン「!?」

ギギギギギギ

3年生「ハァイ♪」

千冬・ヒューストン「」
255 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:41:28.84 ID:5Nfzihms0
3年生「あれぇ? 織斑先生じゃないですかあ♪ どうしたんですかあ、こんなゴッツイ車なんかに乗っちゃってえ」

ヒューストン「くっ‥‥下がっていてください、ボス!!」 ガチャッ

千冬「よせ!!」

ドンッドンッドンッ

3年生「‥‥?」 シュゥゥゥゥ

ヒューストン「な‥‥歯で受け止めた、だと!?」

3年生「アレアレぇ? ホイットニーちゃんまでいるぅ。ひょっとしてぇ、デート?」

ヒューストン「うおおおおっ!!」 ヒュバッ

3年生「キャハッ、邪魔しちゃったかなぁ?」 ガシッ

ヒューストン「な!?」

3年生「ねぇ、センセ? 私の名前、覚えてますかぁ?」

千冬「何‥‥!?」

3年生「みぃんな酷いんですよぉ? 一夏くんも箒ちゃんもセシリアちゃんも鈴ちゃんもラウラちゃんも会長も、みんなみぃんな私の名前を覚えてくれなかったんですよぉ?」

千冬「‥‥ッ」

3年生「ねえセンセ、私の名前呼んでみて♪」

千冬「‥‥!!」

3年生「ねぇせんせ〜、早く呼んでぇ♪ じゃないとぉ〜‥‥」

ヒューストン「!?」

ボギッ

3年生「壊しちゃうから‥‥♪」

ヒューストン「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

千冬「倉嶋!!」

3年生「?」

千冬「いや、赤星? いや結城だったか‥‥」

3年生「‥‥」

ボギャッ

ヒューストン「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

千冬「ま、待て!!」

3年生「酷いです、先生。先生ならきっと、私の名前を覚えてくれてるって信じてたのに‥‥」

千冬「‥‥!!」

3年生「し ん じ て た の に」
256 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:42:19.95 ID:5Nfzihms0
3年生「う‥‥う〜〜ん?」

鈴「あ、気がついた!!」

箒「先輩!! 私たちがわかりますか? 先輩!!」

3年生「‥‥鈴ちゃん、箒ちゃん?」

セシリア「よかった‥‥無事でしたのね!!」

シャル「一時はどうなるかと思いましたよ‥‥!!」

3年生「みんな‥‥一体、何が‥‥?」

箒「一夏が撃たれたメカ無さんと一緒に先輩を抱えて医務室まで連れて来てくれたんです。その後一夏は電脳ダイブした私たちを助けてくれて‥‥」

鈴「でもその後、敵の罠にハマって一夏も昏睡状態になっちゃったのよ!!」

セシリア「織斑先生もなぜか大きくなって戻ってきていて、しかも意識不明の重体なんですの‥‥!!」

ラウラ「教官‥‥!!」

千冬「う〜ん‥‥」

鈴「あとついでに、何故かシャルとホイットニーが分裂しちゃってるし‥‥」

シャル「誰なんだろう、アレ‥‥」

ヒューストン「う〜ん‥‥」

3年生「そう‥‥大変だったのね、みんな‥‥」

箒「はい。でも、みんな命に別条がなくて何よりです」

3年生「で、他には?」

全員「え?」

3年生「他に事件は無いのね?」

箒「せ、先輩?」

シャル「は、はい。一般生徒たちも、みんな無事です」

3年生「そうじゃなくて!!」

全員「!?」

3年生「他に私の名前を言う邪魔をする事件はないのね!?」

全員「」
257 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:43:21.30 ID:5Nfzihms0
3年生「もう他に事件はないのね!? 私が全部解決してあげるから今の内に言って!!」

全員「……ありません……」

3年生「よーし‥‥これで問題は全部片付いたわね‥‥。もうこれ以上はないでしょう。これでやっと心おきなく私の名前が言えるわ‥‥」

鈴(どんだけ自己紹介したいのよ、この人‥‥)

シャル(シッ!)

3年生「いい!? よ〜く聞いてっ!! 私の名前は‥‥」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

鈴「な、何!?」

箒「地震か!?」

シャル「み、みんな見て!! 窓の外!!」

ラウラ「あ、アレは‥‥!?」

???「‥‥」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

セシリア「お、大きな段ボール箱‥‥!?」

鈴「何がどうなってんのよ!?」

3年生「ふ、ふふふふふふ‥‥」

シャル「せ、先輩!?」

3年生「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

全員「!?」
258 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:44:31.37 ID:5Nfzihms0
3年生「いいわっ!! たとえ相手が神であろうと‥‥私の邪魔はさせない!!」 カッ

バカッ

鈴「ギャアアアアアアアアッ、アタシのお腹から目ん玉みたいなの出てきたぁぁぁ!!」

箒「う‥お‥‥!?」 バカッ

セシリア「これは‥‥!!」 バカッ

ラウラ「待機状態のISが‥‥」 バカッ

シャル「共鳴してる!?」 バカッ

メカ無『』 バカッ

メ簪『メカラッタ!?』 バカッ

千冬「」 バカッ

一夏「」 バカッ





――教室

ダリル「こ、これは‥‥!!」 バカッ

フォルテ「先輩!!」 バカッ

九段下「うぅ‥‥」 ドサッ

ダリル「ッ!! 九段下!!」

フォルテ「先輩!! 周りの生徒たちも‥‥!!」

ドサッ ドサッ

ダリル「こりゃあ‥‥!!」





――地下特別区画

バカッ

マドカ「まさか‥‥!!」

黒崎「特別区画最奥部より、正体不明の高エネルギー体が急速接近中!! シールドバリア確認!!」

山田「まさか、また敵!?」

マドカ「いや違う………」

3年生に似た巨人「」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

黒崎「ヒト! 人間です!!」

山田「ひ…」

3年生に似た巨人「」 ズズズズッ

山田「ぎゃああああああああああああああ!!」
259 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:46:15.93 ID:5Nfzihms0
――地表

ドオッ

???「!」

ピシッ ギィィィィィィィィィィィ

???「‥‥」

ギギギギギギギギギギギ

3年生に似た巨人「ああああおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

???「‥‥」 ピシッ

3年生に似た巨人「神よ、我が名を呼べ!!」

ギギギギギギギギギギギギギ バカッ

3年生に似た巨人「さあ!!」

浮き輪を持った犬のようなモノ「!!」 ゴゴゴゴゴゴ





――教室

谷本「」

鷹月「」

相川「」





――喫茶「ななつき」

絢音「」





――倉持技研

ヒカルノ「」





――五反田食堂

弾「」

源「」

蓮「」

蘭「一夏‥さん‥‥」





――アメリカ合衆国「イレイズド」

ナターシャ「」

イーリス「」





――某所 亡国機業本拠地

スコール「」

オータム「」
260 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:46:58.63 ID:5Nfzihms0
――IS学園 地下特別区画

黒崎「」 ドサッ

山田「名前が‥‥みんなの名前が消えていく‥‥。これが答えなの‥‥? 私の求めていた――」

カタカタカタカタカタ

山田「え!?」

千冬「‥‥」

山田「‥‥ッ!! 織斑先生!! 先生、先生、先生、先生、先生先生先生せんせいせんせいせんせいせんせ」

ドサッ

端末『Shoot my heart.』
261 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:48:09.46 ID:5Nfzihms0
――地表

浮き輪を持った犬のようなモノ「‥‥!!」 ドガガガガガガガ

3年生に似た巨人「誰か…名づけよ、我が名を…断末魔の叫びからでも、哀惜の慟哭からでもなく、静かなる言葉で…誰か、我が名を呼んでくれ…」

浮き輪を持った犬のようなモノ「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHH!!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

3年生に似た巨人「我が名は『3年生』にあらじ。我が、呼ばれたき名は…」





3年生「!!」 ガバッ

シーン...

3年生「ここは‥‥寮の部屋?」

シーン...

3年生「なぁに? 夢ぇ? あ〜気持ち悪い夢だった〜」

シーン...

3年生「いっけない、もうこんな時間じゃない!! 早く教室に行かなきゃ!!」 タタタタッ
262 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:49:12.96 ID:5Nfzihms0
――廊下

3年生「あれぇ?」






――食堂

3年生「‥‥」 モグモグ





――教室

3年生「‥‥」

シーン...

3年生「なんか、妙に静かね‥‥」

シーン...

3年生「‥‥」

シーン...

3年生「チャイムも鳴らないし先生も来ない‥‥」

シーン...

3年生「あっ、そっか! 今日は日曜日だった!! あーもう恥ずかし〜〜!!」

ザザーン...

3年生「‥‥?」

一夏「」

メカ無『』

3年生「アレって、一夏くんと会長? 何で浜辺なんかに居るんだろう?」

ザザーン...

3年生「よし!! ヒマだし今日は2人と遊ぼうかしら!! お〜い、一夏くん、会長〜!!」 ダッ

ザザーン...

真っ二つに割れた3年生に似た巨人「」 ザザーン...ザザーン...
263 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:51:40.51 ID:5Nfzihms0
第8章『3年生編』終了!!
また脱線しまくってオマージュネタに走ってしまった‥‥
次からはちゃんとクロマティに戻ります
ノシ
264 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/15(水) 16:37:58.48 ID:EmWa3JJe0
IS学園 大運動会 第一種目 100m走

 セシリア・オルコット(16)。私は物心ついた頃からセレブでしたけれど、足が速い事も自慢でしたわ‥‥。
 IS学園に入学して以来、今一つ目立てませんでしたがようやく脚光を浴びる日が来ましたわ。
 足の速さならば誰にも負けない、絶対に誰にも負けませんわ‥‥誰にも――。
 ‥‥と、さっきまでは思っていましたけれど――。

メカ無(バイク形態)『ブルンブル〜ン‥‥』 ドッドッドッドッドッドッドッ

セシリア(――いくら何でも、アレは反則ではなくて‥‥?)

山田「い、位置についてぇ。よ〜〜い――」

バン

メカ無(バイク形態)『ブロォォォォォ!!』 グォォッ

九段下「ぎゃああああああああああ!!」 バキャッ

ティナ「ぐええええええっ!!」 ドコッ

キキィッ

山田「い、1位はメカ無さんです‥‥」

3年生「‥‥今、二人くらいひかれなかった‥‥?」

セシリア「当たり前ですわ!! どう見てもバイクではありませんの!! 誰か止めてくださいまし!!」
265 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/15(水) 16:39:43.67 ID:EmWa3JJe0
3年生「たしかにどう見てもバイクね‥‥。けれど、ついこの間までは制服を着て私達と一緒に授業を受けてた仲間だし‥‥ムゲに『貴女バイクじゃない』ってツッコミ入れるのはさすがに抵抗あるでしょ‥‥」

セシリア「‥‥というかメカ無さんがああなってしまったのは、先日の所属不明部隊の襲撃以来でなくて?」

3年生「そうね。あの時メカ無さんが敵の攻撃を受けて怪我をして、保健室に運び込まれて‥‥」

セシリア「その後――」

二人「‥‥」

3年生「何が起こったんだっけ‥‥?」

セシリア「私もここ数日の記憶が抜け落ちていますわ‥‥」

3年生「まあそんな事より、次の競技はさすがのメカ無ちゃんでも楽にはクリアできないでしょ」

山田「続いての競技は、走り高跳びで〜す」

セシリア「高飛び‥‥」

3年生「走るだけならあの子の独壇場だけれど‥‥高飛びとなればあの子でも手も足も出ないわね」

セシリア「‥‥手足ありませんけれど」

メカ無(バイク形態)『ブロォォォォォ!!』 グォォッ

セシリア「人間誰しも得手不得手という物がありますわ‥さあメカ無さん、先輩面していられるのも今の内ですわよ‥‥」

メカ無(バイク形態)『ブロォォォォォ!!』 ゴォォォォォォォォッ

セシリア「とべるモノならとんでごらんなさい!!」

メカ無『V/STOL機構、作動シマス』 ガシャコッ

セシリア「え」

メカ無(飛行形態)『』 キィィィィィィン

セシリア・3年生「」

箒「とんでる‥‥」

鈴「もうIS要らないじゃない!!」
266 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/15(水) 16:40:58.65 ID:EmWa3JJe0
買い物行ってきます
ノシ
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 16:08:02.89 ID:1ZT8ENlzO

少し目を離した隙に三年生による神話が創成されていた
何を言っているのかわからねーと(ry
メカ無さんとかバイクとかに変形するくらい普通じゃん?と思えてきた
268 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/05(日) 09:08:04.56 ID:NpFg06750
瀬名川「会長さんよ、ちょっといいか‥‥」

メカ無『なあに?』

瀬名川「こないだアタシら、バイト中にチンピラとモメちまってさ‥‥下手打ったらバイト先に迷惑かけちまいそうなんだ」

メカ無『私にどうしろっていうの‥‥?』

瀬名川「え‥‥ホラ、アンタけっこう社会的に顔が利くだろ? ナシつけてくんねーかなって――」

メカ無『瀬名川さん、権力というものはそう簡単に振りかざして良いものじゃないの。それにもうすぐ修学旅行よ。あまりモメ事は起こしたくないわ』

瀬名川「‥‥」

メカ無『助けてあげたいのはやまやまだけれど、私にだってできる事とできない事があるわ』

瀬名川「け、けどよ、お前しか頼る奴がいねーんだよ」

メカ無『瀬名川さん‥‥前から言ってると思うけれど、貴女が周りに壁を作っているからそんな事になるのよ。言うなれば自業自得よ』

瀬名川「‥‥おい、そりゃ言い過ぎじゃねえかメカ無さんよ‥‥!」 ビキッ

メカ無『もっと言ってあげましょうか‥?』 ギュィィン

九段下「よせよ、やめろ二人とも!!」

メカ無『九段下さん‥‥』

九段下「メカ無の言う通りだとアタシも思うぜ。アタシらはいつもメカ無にオンブにダッコだ。テメーのケツはテメーでふけって事だ‥‥そうだろメカ無?」

メカ無『ありがとう、九段下さん。貴女は本当に私の良き理解者よ‥‥。私は貴女を無二の親友だと思っているわ』

九段下「メカ無‥‥」

メカ無『けれど、ひとつだけ貴女に言っておきたい事があるわ……』

九段下「?」

メカ無『‥‥貴女が今私だと思って話しかけているのは自動販売機よ』

九段下「あ!!」
269 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/05(日) 09:27:37.70 ID:NpFg06750
メカ無『とにかく‥‥貴女たちは私に頼り過ぎなのよ。そんな事じゃいつまで経っても一人立ちできないわ』

瀬名川「何だよ‥エラソーな事言いやがってよ‥‥。結局会長も頼りになんねーじゃねーか」

メカ無『貴女のために言っているのよ‥‥。それがわからないのなら私は帰らせてもらうわ。言いたい事があるのなら勝手に言いなさい』

瀬名川「そうかよ!! じゃこの際言わせてもらうぜ!! お前には前から言いたい事があったんだよ!!」 ガタッ

メカ無『だからそれは私じゃないわよ!!』





――職員室

山田「外出届け‥ですか?」

メカ無『はい‥‥よろしいでしょうか』

山田「もちろんですよ! このところメカ無さんも働き詰めでしたから、少し休んでください!」

メカ無『え‥ええ。ありがとうございます――』 ガシャ、ガシャ...

山田「‥‥? せっかく外に出られるのに、何だか淋しそうな?」

黒崎「ワカーホリックなところがありましたからね、彼女。委員会の仕事が居場所みたいな物だったのに、そこから逃げ出したがっている自分を認め切れずにいる自分がいる‥‥気持ちはわかります」

山田「‥‥時々忘れてしまいそうになりますけど、メカ無さんも思春期の女の子なんですよね」

千冬(メカ無‥‥)
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 14:17:43.33 ID:fiSd6j8eo
このメカ無さんは楯無さんと比べて格段に人間が出来ていて……人間?
271 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/05(日) 15:41:40.33 ID:NpFg06750
――パチスロ屋

メカ無『よし!! クインテット・ストラトスきたッ!! 今日は稼ぐわよ‥‥!!』 チンジャラジャラジャラジャラ

モブA「おい‥アレ未成年じゃねえの?」 ザワザワ

モブB「ほっとけよ、別にチクって玉貰えるワケじゃねえんだし‥‥」 ヒソヒソ

メカ無(‥‥何やってるのかしら、私。あんな風に説教した手前、こんな姿絶対に見せられないわね)

筐体『私を狙えッ!!』 ガシャンッ

メカ無(亡国機業には何度も辛酸を舐めさせられ、無人機との戦いでも十二分に力を発揮できなかった‥‥。これじゃ17代目メカ無の名前なんて‥‥)

筐体『インフィニット・チャレンジ!!』

メカ無(‥‥もうどうでもいいわ。こうなったら堕ちる所まで堕ちてやる‥‥) ポチッ

シーン...

メカ無『あ、アレ?』 ポチッ、ポチポチッ

店員「どうかなさいましたか?」

メカ無『下のボタンを押してるのにゲームが進行しないんだけれど‥‥』

店員「申し訳ございません。今、見てみますので少々お下がりください」

メカ無『ええ‥‥』 ガシャン

店員「うーん‥‥どうやら配線の接触が悪いようでして……」 ガチャガチャ

メカ無『――いやそれ私なんですけど!?』

モブC「あれ‥‥玉出ないぞ‥‥」 コン、コン

メカ無『パッキーカードを押し付けないで!!』
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 20:16:43.64 ID:fiSd6j8eo
未成年って分かるんだ……
273 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/22(水) 19:19:27.49 ID:TKE4U3I90
店員「困ったなあ‥‥ちょっとバイトくん、手伝ってくれないかな」

一夏「はい!」

メカ無『い、一夏くん!?』

一夏「へ、メカ無さん!?」

店員「え? 何、君たち知り合い?」

メカ無『ち、ちょっとこっちに来なさい!!』 グイッ

一夏「え、あ‥ちょっと!?」

店員「お客さん! 玉〜!!」





――アーケード街

一夏「――いやあ、寮で衣食住は賄ってるし学費も無償なんですけど、やっぱり千冬姉の給料の足しになれればなあって思って‥‥」

メカ無『だからってパチンコ店のアルバイトなんてしてたらダメじゃない!! どんだけブラックなのあの店!?』

一夏「そういうメカ無さんこそ、何であんなお店にいたんですか?」

メカ無『うっ』

二人「‥‥」

メカ無『と、とにかく! あんな所に2人揃って居たなんて学校中に知られたら、私達停学どころじゃ済まないわよ』

一夏「そうですね‥‥特に千冬姉にバレた日にはどんな目に遭わされるか‥‥」

メカ無『何とか上手く誤魔化せないものかしら』

一夏「う〜ん‥‥あ!」

メカ無『何か良いアイデアでも思いついたの!?』

一夏「はい! 俺はともかく、メカ無さんがあそこに居た言い訳なら成り立ちそうな気がします」

メカ無『ならさっそく実行しましょう。どうすればいいの?』

一夏「デートしましょう!」

メカ無『』
274 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/22(水) 20:24:44.03 ID:TKE4U3I90
危うく1ヶ月空けそうになったので更新がてら消化報告
・第1章「入学編」
#1 不良上等
#2 ワル自慢だよ人生は
#4 ファイトクラブ

・第2章「EU襲来編」
#7 ラヴァー・ボーイ
#11 ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル
#13 野望の帝国
#14 帝国の逆襲
#15 北斗暗殺計画

・第3章「臨海学校編」
#8 センチメンタル・バス

・第4章「夏休み編」
#22 キラー・クイーン
#23 前田最良の日
#41 We are the world

・第5章「学園祭編」
#17 未来世紀クロマティ
#18 ブレード・ランナーズ・ハイ
#25 会議は踊るよどこまでも
#187 Father's Little Helper
#EX ヒーロー☆伝説ニャンざぶろう(ハチミツとクローバーより)
#5 明日に向かってパシれ
#137 SPANISH BOMB
#138 RADIO MAGIC
#20 ロスト・イン・クロマティ

・第6章「キャノン・ボール・ファスト編(誤字ってレベルじゃなかったよ‥‥)」
#33 スカイ・ハイ
#34 LIVING IN AMERIKA(原文ママ)

・第7章「ヒーロー編」
#90 TWISTED BROTHER
#91 TOYS IN 前田家
#99 Beat It

・新章「学園襲撃編」
#102 ZOO STATION
#26 You know my name
#? ELEVATOR ACTION(HELLSINGより)
#47 日本男児 in N.Y.
#? 世界の中心(鋼の錬金術師より)
#? うしおととらの縁(うしおととらより)
#? まごころを君に(新世紀エヴァンゲリオンより)

・第9章「大運動会編」←今ここ
#56 RUN RUN RUN
#52 Born to be wild

乞うご期待
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 13:03:02.16 ID:AoUXAN3IO

デート……デート?
276 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:17:25.65 ID:lnM+MSE60
メカ無『ねえ、一夏くん‥‥。貴方パソコン持ってるんでしょう?』

一夏「‥‥は‥‥はい‥‥」

メカ無『学園で貴方が一番パソコンに詳しいって言うから‥‥貴方に一から手取り足取り教えてほしくって‥‥♪』

一夏「は‥‥‥‥‥はい‥‥」

メカ無『‥‥ちょっと一夏くん、ボ──ッとし過ぎ!! 一緒に選んでくれなくちゃデートにならないじゃない!!』

一夏「え‥‥あ‥いや、すみません」

メカ無『もう‥‥これが最善の解決策だっていうからここに来たのに‥‥』

一夏(そうだ‥‥俺はともかくメカ無さんなら何となくあのパチンコ店に居ても筐体だと思われるだろうし──実際思われてたし──、店に専門の修理を頼まれてここに持ち込んだと言えばメカ無さんへの追求は免れる!! ‥‥ハズだ。自分でも何考えてるか分かんないけれど)

メカ無『ちゃんとお願いね? なにしろ私、パソコンにさわった事もないんだから』

一夏「ええっ!?」
277 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:18:29.29 ID:lnM+MSE60
一夏(『パソコンにさわった事がない』!? それはある意味『IS操縦者が一次移行も済ませていない』というのに等しいんじゃないのか!? ‥‥というより今さらこんな事言うのもなんだけれど、彼女は一体何者なんだ!?)

ジャージ「やっぱこの寸胴良いよな‥‥チェンゲ最高」

ヤブ「はぁ? この青みは鉄人だろjk」

ヒ○コー「アレ? これゴッドスクランダーどこよ? 別売り?」

メカ無『ちょ、ちょっと‥‥』 タジ...

一夏「それは売り物じゃありません!!」

ヒ○コー「うおっ!!」

メカ無『一夏くん!!』

一夏「おっさん、アレはDX超合金でもなければリボルテックでもありません。‥‥おとなしく帰ってください‥‥」

ヒ○コー・ジャージ・ヤブ「お、おう‥‥」

メカ無『‥‥何だったのかしら、あのデブとジャージとチョンマゲ?』

一夏「き、気にする事ありませんよ‥‥。たぶん何かの間違いですから‥‥」
278 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:19:29.46 ID:lnM+MSE60
 ふ〜〜、あぶないあぶない‥‥。
 メカ無さんと行動を共にするのは凄く緊張感がある‥‥。
 そもそもあの人と電気店に来るというのはある意味最も危険な行為じゃないか‥‥。

メカ無『どれにしようかしら‥‥』

 ‥‥て言うか、別にオレもそんなにアセる事ないよな‥‥。
 考えてみりゃあの人は値札つけてここに並んでてもおかしくない‥‥。

メカ無『ねえ一夏くん。この数字の横についてる『TB』って何かしら? なんだか数字が多い程値段も高いんだけれど‥‥』

 いや‥‥違う!!
 彼女はれっきとした人間なんだ!! 何だかそんな気がしてきた‥‥!!
 今メカ無さんをかばってやれるのはオレしかいない!!
 何かそういう使命感が湧いてきたぞ!!

メカ無『この回線‥‥速度? これが速いと何がお得なのかしら‥‥』

 そうだ、あの人は同じ仲間じゃないか!!
 常識と友情ならあえて友情を取る!!

メカ無『あら‥‥? 何か背中がかゆいわね‥‥。一夏くん、ちょっと背中をかいてくれないかしら♪』

一夏「…………」

 ──以前なら「んなワケねーだろ」ってツッコんでるところだけれど、もうそんなツッコミは入れない!!
 この人は本当に背中がかゆいだけなんだ‥‥。

一夏「こ‥‥この辺ですか?」

メカ無『ん〜〜♪ もうちょっと下かしら‥‥♪』

一夏「はい。‥‥!?」

メカ無『どうしたの?』

一夏(こ‥後頭部にスイッチがついてる!!)

メカ無『何? どうしたのよ?』

一夏(‥‥‥‥‥‥‥‥押してみたい──)
279 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:20:26.45 ID:lnM+MSE60
 これはある種、他人のカサブタを見て「はがしてみたい」と思う心理に似ている。
 ‥‥けれど、断りもなく他人のカサブタをはがすのはとても失礼な事だ‥‥。
 それと同じで彼女に無断でこのスイッチを押すのはいけない事だ──。

メカ無『ねえ、ホントに何!? 虫!? 虫なの!?』

 けど押してぇ〜〜!!

メカ無『ヤダヤダヤダ!! 私、機械も苦手だけれど虫もダメなのよ!! 早く取ってちょうだい!!』 ガシャバタガシャバタ

 いや、待て!!
 そんな事どうでもいい‥‥落ち着いて平常心を取り戻すんだ‥‥。
 メカ無さんの頭にスイッチがついてるからといって、それが何だっていうんだ!!

メカ『嫌嫌嫌ァァァァッ!! 一夏くん気づいてるんでしょう!? 意地悪しないで早く取ってェェェェ!!』 ガッシャンバッタンガッシャンバッタン

 ‥‥ひょっとしたらオレが気づいてないだけで、オレの頭にもスイッチぐらいついているかもしれないだろ!!
 世界は広い、そういう人も三人くらいはいるに決まってる!!

メカ無『イヤァァァァァァァァッ!!』 ガシャンッ

ポトッ

一夏「あれ‥‥メカ無さん、何か落ちましたよ」

メカ無『えっ。ウソ、取れた!? あーよかった〜〜!』 ヘナヘナ...

一夏「!?」

メカ無「えっ、今度は何!?」

一夏(バネ!?)
280 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:21:07.98 ID:lnM+MSE60
 まずい‥‥!! オレとメカ無さんの友情がゆらぎ始めてきたぞ!!
 いくらなんでもバネは‥‥。

ピピピッ、ピピピッ

メカ無『‥‥? 秘匿回線! このアドレスは‥‥』

 いや!! 落ち着け!! 世の中は広い!!
 バネがついている人間くらいいくらでもいる!!
 現にセシリアの側頭部にデカいのが二つついてるだろ!!
 こんな事でメカ無さんとの友情は壊れない!!





──寮
セシリア「‥‥クシュンッ!!」

ルームメイト「大丈夫? 花粉症?」

セシリア「大丈夫ですわ‥‥。って言うか花粉症は春ですわ。今は秋ですわよ?」
281 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:21:46.69 ID:lnM+MSE60
一夏「メカ無さん‥‥。たとえまわりがどう思おうと、オレはメカ無さんを人間だと思っています‥‥」

メカ無「」

一夏「そりゃ、オレも貴女の事を誤解した時もありました‥‥。だけれど、それは過去の事です‥‥」

メカ無「」

一夏「今では貴女が親友のように思えてきたくらいですよ‥‥。そう‥貴女は人間です──」

店員「あの‥‥お客さん」

一夏「はい?」

店員「それ洗濯機なんですけれど‥‥」

洗濯機「」

一夏「」

作業員「はぁい、搬出準備できましたぁ!」

店員「わかりました。お願いします」

作業員「では行ってきまぁす」 ブロロォ

メカ無『‥‥』 ガタンガタン

一夏「ああっ、出荷されてる!!」
282 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:22:32.59 ID:lnM+MSE60
──在日米軍基地 港湾部

米軍兵「オーライ、オーライ」

士官A「‥‥しかし凄い量の荷物だな。こんなに積みきれるのか?」

士官B「余計な心配すんなよ。みんなあの最新型強襲揚陸艦『アルジェント』が何事もなく掻っ攫っちまうさ」

士官A「しっかし、何だって上はこんな時期にその新型空母をこの横須賀に寄越したんだ? あんなデカブツが寄港してたら大騒ぎだろ」

士官B「その上層部がジャップのお偉いさんに圧力かけて黙らせてんだと。全く、ホワイトハウス様々だな」

士官A「‥‥それって要は俺達にも黙れって言ってるって事だよな」

イーリス「そういうこった。無駄な詮索はやめて下士官とっととは持ち場に戻りな」

士官A「な‥‥イーリス・コーリング特務大尉殿!?」 シャキッ

士官B「もう、お身体はよろしいので‥‥!?」 シャキキッ

イーリス「おう! この通りピンピンしてるぜ。ナタルも呼ぼうか?」

士官A「い、いえ‥‥ご勘弁を‥‥」

イーリス「ハハハッ! 冗談に決まってんだろ。そら、鬼軍曹にシゴかれたくなきゃさっさと戻んな」

士官A・B「イ、イエス・マム!!」 ザッザッザッザッザッ

イーリス(‥‥しかしまぁ、士官どもの言う事もモットモだ。何だってアタシら『イレイズド』を駆り出してまでこの艦をここに泊めてる?)

検問「スタァップ、ハヴユゥライセンス?」

イーリス(運び込まれてる荷物も荷物だ。表向きは『E.O.S.用の電装品の調達』っつー話だが、どうもキナ臭い匂いがしてならねぇ)

検問「‥‥オケェイ、ゴォゥアウェェイ」 ブロロォ

イーリス(何事もなけりゃ、良いんだけどな‥‥)

メカ無『‥‥』 ガタンガタン

イーリス「」

メカ無『‥‥』 ガタガタガタン...

イーリス(‥‥どっかで見なかったか?)
283 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:24:59.96 ID:lnM+MSE60
買い物行ってきま
いつ帰るかは不明
みんなも季節の変わり目だから花粉症や風邪には気をつけような
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 19:53:30.10 ID:AoUXAN3IO

風邪が長引くなと思ったら花粉症だった……あると思います
285 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 22:31:28.17 ID:lnM+MSE60
──1時間後、沖合

スコール「──以上が、我が組織が得た英国の動向です。如何でしょうか、大佐?」

大佐「素晴らしい。流石は亡国機業、『国崩しを織り成す者』と言うだけはある」

スコール「お褒めに預かり光栄です。では、品物は‥‥」

大佐「ああ。大した事のないガラクタばかりだが、君の言う『魔法使い』が居れば全く段違いの代物に変わるのだろう?」

スコール「ええ。それも原初の魔法を扱う、飛び切りの‥‥」

大佐「しかし‥‥まさか『エクスカリバー』とはな。核抑止時代の遺物を持ち出すとは、向こうも相当焦っていると見える」

スコール「弾道兵器技術に疎かった欧州連合がこの10年で世界の覇者に成り代わった今、連合離脱を断行した英国は自前のノウハウを活かして次代の王国へと返り咲かんとしている‥‥。貴方がた米国もそのクチでしょう?」

大佐「ハッ、VHS全盛時代にレーザーディスクを買うような連中と一緒にされてはかなわんね。我々はもっと賢い手段で世界を取る」

スコール「無人IS技術‥‥ですか」

大佐「RQ-1『プレデター』‥‥アレは我が国が誇る最高の発明品だよ。人が血を見る時代は終わりつつある。次なる戦争は、機械同士が勝手に潰し合えば良い」

スコール「‥‥」

大佐「その為に是非とも、無人IS開発の協力を取り付けてくれたまえ」 ギュゥ...

スコール「‥‥はい、勿論」 ニコリ

ナターシャ「‥‥」





──密会所外部 『アルジェント』通路

メカ無(‥‥これで決まりね。米国は亡国機業とグルだった。国際テロ組織と特務部隊が癒着して世界経済を牛耳ろうとしていたという情報は入っていたけれど、まさかここまで根深いなんて‥‥) ガサゴソ

兵士A「おい、何だあの箱?」

メカ無(!!)

兵士B「ちょっと見てこい」

兵士A「ああ」 カッカッカッカッ

メカ無(‥‥)

兵士A「よっ‥こら‥‥」 ガタッ

メカ無『』 ゴロン

兵士A「‥‥」

メカ無『‥‥』

兵士A「なんだ、備品か」 ガポッ

メカ無(‥‥) ホッ

兵士B「異常なしか。次、行くぞ」

兵士A「ああ。‥‥しかし何であんな所に備品が置いてあるんだ?」 スタスタスタ...

メカ無(‥‥何とか撒いたわね。次は──)

ガタッ

メカ無『!!』 ギュイィィィィィン

一夏「わあっ!! こんな所で何してるんですか、メカ無さん!?」

メカ無『』
286 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 22:33:21.04 ID:lnM+MSE60
一夏「とにかく、そんな危ないモノしまってくださいよ! 怪我したらどうするんですか!!」

メカ無『一夏くん!? どうしてここに居るの!?』

一夏「‥‥!! メカ無さん、こっち!!」 グイッ

メカ無『!?』 ダッダッダッ

イーリス「‥‥ん〜〜? この辺で声が聞こえた気がしたんだけどなぁ」 スタスタ

一夏(ッ‥‥)

メカ無(‥‥!!)

イーリス「‥‥気のせいか」 スタスタスタ...

一夏「──ふぅ、行ってくれましたね。一時はどうなるかと‥‥」

メカ無『一夏くん、貴方その格好‥‥』

一夏「へ? ああ、これですか。なにしろずっと泳いできたもんで」 ビチャビチャ

メカ無『泳いで‥‥って、陸からこの距離をずっと!?』

一夏「んなワケないじゃないですか。 この艦が離れ始めたところをササッと‥‥ヘブシッ!!」

メカ無『なんて無茶な事を!! どうしてそこまで‥‥!!』

一夏「だって‥‥助けたかったから」

メカ無『』

一夏「このままヘタしたらどこの国かわからない所に連れて行かれるかもしれないってのに、放っておけないじゃないですか」

メカ無『貴方は‥‥もう、本当にバカ』

一夏「さ‥帰りましょう、メカ無さん」

メカ無『‥‥ごめんなさい。私はまだ帰れないわ』

一夏「へ?」

メカ無『いいえ、運が悪ければ二度と貴方達と会えないかもしれない』

一夏「な‥‥どういう事ですか、メカ無さん!?」

メカ無『‥‥かいつまんで状況を話すわ。場所を変えましょう』

一夏「え‥‥はい!」 タタタッ

イーリス「‥‥」
287 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 22:37:00.01 ID:lnM+MSE60
2点リーダが多い‥‥
書き溜め開始
こっから糞つまんないにわかミリタリと他作品パロディとテコ入れ入ります
閲覧注意
288 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:04:18.73 ID:KG1JXB5x0
──強襲揚陸艦「アルジェント」 ボイラー室

一夏「‥‥敵の組織とアメリカの特殊部隊が結託!? 何でそんな──」

メカ無『まだ断片的な解釈だけれど、あの部屋に居たであろう将校は核抑止時代からの米軍の重鎮よ。彼の狙いはおそらく、合衆国を再び世界のトップに押し上げる事』

一夏「そんな無茶苦茶な‥‥」

メカ無『ここ10年で世界のパワーバランスは大きく変わり‥‥いいえ、大きく狂い始めたわ。世界一の核保有国だった合衆国は『白騎士事件』によって多くの弾道兵器を失い、その信用も失墜したわ。他の核保有国も同じように被害を被ったけれど、一番の痛手を負ったのは米国だった』

一夏「その為に次に手を出したのが、無人機技術だった‥‥?」

メカ無『再び列強ヨーロッパ時代を獲得した欧州連合に勝つ為に、米軍は自国を滅ぼしたISの無人化研究に着手したわ。けれど、その全てが徒労に終わった』

一夏「滅んだって‥‥まだアメリカはピンピンしてるじゃないですか!! 現に学園だって、あの国の圧力があってできたんでしょう!?」

メカ無『一夏くん。IS学園の設立は確かに米国の要請あってのモノだったけれど、彼らはIS開発に勤しむ欧州連合のメッセンジャーに過ぎなかったの。IS運用協定をアラスカで締結させたのは彼らがロケーションを用意したからだけれど、実際に事を有利に進める事ができたのはユーロの首脳陣だけ。ISに関わる技術を持った国家という意味では、米国は最早瓦解寸前なのよ』

一夏「だからって、その為に悪の秘密結社と手を組むっていうんですか!?」

メカ無『‥‥こんな話を知ってる? ある企業は政府との軍産複合体を形成して、巨万の富を得ていたわ。けれど、もはや敵の居ない政府に新たな兵器は必要ない。仮想敵国相手に従来の兵器で延々と訓練を続け、太平の世の中軍縮を続けていくの』

一夏「それじゃあ、会社は需要を失くしていつか捨てられるかもですよね。シャルの会社が良い例だ」

メカ無『そんな企業が、自社を延命させる為に何をしたと思う?』

一夏「え‥‥」

メカ無『反政府組織を支援して武器を売りつけたのよ』

一夏「」
289 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:05:23.00 ID:KG1JXB5x0
メカ無『企業はある程度の水準を持った兵器を敵に売りつけ、今度は政府にその兵器に勝てる兵器を売りつけるの。あとは延々とイタチごっこを繰り返して、どちらかが音をあげるまで“商売”を続ける。自分達が作った物だもの、突け入る欠点なんて熟知してるわ』

一夏「そんな‥‥バレたら一巻の終わりじゃないですか!!」

メカ無『それはどちらも同じ事よ。例えば政府が企業に条約で禁止されている武器の製造を依頼するわ。それを一度でもすれば、企業にとっては最高の脅迫材料になる。敵も同じ。誰も企業に口出しできなくなる』

一夏「‥‥ちなみにその企業や政府って、モデルがあるんですか?」

メカ無『挙げればキリがないわよ。尤も、ほとんど好き者がでっち上げた都市伝説みたいな扱いでしょうけれどね』

一夏「‥‥」

メカ無『私が思うに、亡国機業は複数の国家を母体に持つ試作兵器の実験部隊よ。戦争を起こしたいとまでは思わないまでも、自国の軍事力を高める為に都合の良いテロ組織を捏造して兵器の性能をテストさせる。場合によっては複数の国家で共通の敵を潰すという美談も作れるからね』

一夏「そうなる事をわかってて、敵も国とつるんでる?」

メカ無『言ったでしょう? 脅迫のネタがあるのよ』

一夏「‥‥」

メカ無『話を戻すわ。米国の無人IS開発はそのどれもが水の泡になった。かつての大国の復権を見失う寸前、彼らは大いなる光明を見出したのよ』

一夏「大いなる、光明‥‥」

メカ無『それは今でも、私達の学園でのんびり暮らしているわ』

一夏「」 ジィィィィィィィィッ

メカ無『何で私を見るの?』

一夏「え、違うんですか?」

メカ無『根拠が見えないけれど全然違うわ。もっと身近にそれらしい子がいるでしょう?』

一夏「‥‥あっ!!」

メカ無『そう、全て始まりに繋がるのよ』

一夏「ゴレ美達‥‥!?」
290 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:06:41.10 ID:KG1JXB5x0
メカ無『学園は緘口令を敷いたけれど、どうやらそれも筒抜けだったみたいね。先日の所属不明部隊も、恐らく彼女達を狙った米軍の命令よ』

一夏「‥‥根拠は?」

メカ無『この弾丸。私のお腹に残っていた物だけれどね、調べた結果この口径の弾丸を使う軍事組織は限られていて、しかもこれは燃焼薬莢式の最新モデル。これを使う組織はもっと絞られてきて、行き着いた国はひとつだった』

一夏「だったら、すぐにIS委員会に告発して部隊を摘発すれば‥‥」

メカ無『ゴレ美ちゃんやゴレ奈ちゃんをモルモットに差し出す事になるわ。できる?』

一夏「う‥‥」

メカ無『彼女達は現行のIS技術を遥かに超越したオーパーツよ。もし彼女達が委員会の手に渡ったら、最悪ネジ一本に至るまで解剖されてその技術は全世界に拡散される。ただ単純に友達を喪うだけじゃない。あの時学園で起こった悪夢が世界中で引き起こされるわ』

一夏「どうするんですか」

メカ無『そうならない為に、別の脅迫ネタでこの部隊を摘発するわ。幸い今は亡国機業と取り引きをしている。これは各国にとって共通の商売相手であり暗黙の了解だけれど、出し抜きたい国家としては一時的に制裁対象にしてくれるかもしれない。そうなれば少しの間だけれど米国の暴走を止められるかもしれない』

一夏「メカ無さん」

メカ無『なあに?』

一夏「貴女は一体何者なんですか」

メカ無『‥‥』
291 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:08:16.35 ID:KG1JXB5x0
一夏「国やテロの内情を訳知り顔で口にして、冷静な表情で恐ろしい事を考えて、こんなの普通じゃない。メカ無さんはなんなんですか」

メカ無『‥‥更識家はね、代々日本の国防を影で支えてきたカウンタースパイの一族なのよ』

一夏「‥‥」

メカ無『ある時は東京への原爆投下を未然に防ぎ、ある時は国内での9月11日を予見し回避した。私はその17代目を継いだ次期当主。今度は私がこの国を守らなきゃいけない』

一夏「たった独りで、ですか」

メカ無『一人じゃないわ。布仏家も私達更識家のオブザーバーを務める一族よ。彼女達が拾った情報を頼りに私達一族は』

一夏「独りで戦わないでくださいよ!!」

メカ無『!?』

一夏「何が国防だよ、くそったれ‥‥。こんなちっぽけな背中にどれだけの物を背負わせてるんだ‥‥」

メカ無『一夏、くん‥‥?』

一夏「そんなの認めない。そんなの、まるで人間じゃないみたいじゃないですか!!」

メカ無『‥‥そうよ。私達は国を護る為の装置だもの』

一夏「──ッ!!」 パシッ

メカ無『ッ!?』

一夏「オレが人を殴るのは、これで二度目です」

メカ無『一夏く──』

一夏「横暴に聞こえるかもしれないけれど、大切な人にだからこそオレは殴るんです」

メカ無『!!』

一夏「だから帰りましょう、メカ無さん!! 俺は親友の貴女を、たかが国なんかの為に死なせたくない!!」

メカ無『一夏‥‥くん──』

ヒュッ

メカ無『ッ!? 危ない!!』 ガバッ

一夏「!?」 ドサッ

カッ

一夏「ナ、ナイフ!?」

イーリス「良い話じゃねえかよ。ロマンチックで泣けてきたぜ」

メカ無『‥‥!! 『イレイズド』のイーリス・コーリング!!』

イーリス「アクビを噛み殺した所で宣言するぜ。お前達はみんなの所には帰れない」 チャキッ

メカ無『くっ‥‥!!』 ギュィィィィィン

一夏「行ってください、メカ無さん!!」

メカ無『ッ!? 一夏くん──』

一夏「勝てると思う程には自惚れてません。けれど、貴女を生かす自信ぐらいはあります!!」

メカ無『なんで‥‥!!』

一夏「聞く暇あったら生きてくれよ!!」 キィィィィンッ

メカ無『!!』

イーリス「へぇ、それが『白式』ってやつか。イカスじゃねえか。上が欲しがるワケだぜ」 ヴゥゥン

一夏「来るなら来い!!」 ジャキン

イーリス「お前にゃ用はねぇ!!」 キィィィィィンッ

メカ無『一夏くん!!』

一夏「ここから‥‥」 ドヒャウッ

イーリス「ッ!!」

一夏「でていけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 ドガァァァァァァァッ

メカ無『‥‥ッ!!』 ダッ
292 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:09:47.57 ID:KG1JXB5x0
──「アルジェント」 データベース

メカ無『‥‥着いたわ。ここがこの艦のデータベース‥‥』

端末『Entry Passcode』

メカ無(‥‥一夏くんには悪いけれど、ここで最低限のデータを吸い上げる!) カタカタカタカタッ

端末『Wait......Complete』

メカ無(けれど、何故かしら‥‥。裏切り・騙撃なんて朝飯前なのに──) カタカタカタッ

端末『Serching...』

メカ無(こんなに胸が痛むのは‥‥何故なの?) タンッ

端末『No Data』 ビーッ

メカ無『!?』

端末『No Data』

メカ無(どうして!? 確かにスコールはかつて従軍していたはず‥‥!!)

端末『Serching...』

メカ無(‥‥)

端末『Her Dead』

メカ無『』

端末『Dead』

メカ無(死んだ‥‥!? だって彼女は現に‥‥)

端末『Die』

メカ無『!?』

端末『DieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDie』

メカ無『何なの‥‥!?』

端末『Die Everyone.』

メカ無『“みんな死んじゃえ”‥‥!?』

ズドォォォォォォォン

メカ無『!?』

アナウンス『第5エンジンルームで火災発生!! 航行の維持に支障あり!!』

メカ無『システムトラップ‥‥!? この艦もろとも消す気!?』

スコール「その通りよ、更識の狗」

メカ無『ッ!! 貴女は!!』

スコール「消えなさい」

ズドォォォォォォン
293 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:10:45.33 ID:KG1JXB5x0
ドヒャウッ

メカ無(くっ、誤算だった!! まさか新鋭艦のシステムまで掌握していたなんて)

ズズズズズズズズ...

メカ無(艦が沈んでいく‥‥、一夏くんは!?)

一夏「食らえッ、『月穿』!!」 ビュィィィィィィィッ

メカ無(よかった!! まだ無事だったのね‥‥!!)

イーリス「ちげーよ、ネオ・ジオングのメガ粒子砲はここから始まってだな‥‥」

一夏「違いますよ、アレはネオジオンの紋章の軌跡を描いてるんですよ。イーリスさんのメチャクチャじゃないですか」

メカ無『』

大佐「コーリング特務大尉ィィィ!! てめっ艦が沈みそうだってのに何やってんだァァ!! ジュニアハイスクールの休み時間かァァ!!」

イーリス「大佐、昔OVAでやってたガンダムU.C.の技! アレこうですよね?」

一夏「大佐!! ガツンと言ってあげてください、やっぱりこの人バカです!!」

イーリス「んだとぉ!?」

大佐「二人ともバカだろーが!! ちなみにアレはジオン公国の国旗だ! アニメ全部劇場で見てた!」

メカ無(ホントに何してるのあの人たち!?)
294 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:14:16.95 ID:KG1JXB5x0
今夜はここまで
明日できたら更新すr
         _,,..,,,,_ . _
        ./ ,' 3 /   ヽ--、
        l   /        ヽ、
       /`'ー/_____/
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       スヤァ...
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 01:17:41.22 ID:IU0q0NIKo

一番のオーパーツはメカ無さんじゃねとか自分の外見的特徴便利に使ってるなメカ無さんとか言おうと思ったけど最後のとこ見てゲーセンでEXVSでもやって友情にヒビ入れてればいいんじゃないかなコイツらという感想に落ち着いてしまった
296 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 21:55:45.26 ID:gR+sA8/10
大佐「くっ! かくなるうえはデータだけでも回収して‥‥!!」

ナターシャ「こちらにあります、大佐」

大佐「おお、でかしたナターシャ・ファイルス特務大尉!! では早く脱出を‥‥」

ナターシャ「‥‥」 ジャコッ

大佐「な、何を‥‥!?」

ナターシャ「貴方の愛国心には敬意を表します、大佐。しかし、テロリストとの迎合には賛同しかねます」

大佐「貴様‥‥!!」

ナターシャ「イレイズド特務大尉として、テロリズム幇助の現行犯で貴方を拘束します」

イーリス「ったく、遅えんだよナタル!!」

一夏「これって‥‥一体‥‥!?」

イーリス「悪ぃなボウズ、茶番に付き合わせちまってよ」

一夏「え‥‥!?」

イーリス「アタシらはあの狸親父に網張っててな、おかげで捕まえる事ができそうだぜ」

一夏「芝居だったんですか!? じゃあ、ガンダムが好きなのは──」

イーリス「いや、それはホントに好き」

一夏「あ、そうですか」
297 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 21:57:15.04 ID:gR+sA8/10
イーリス「ムカつく事に荷物は全部回収されちまったが‥‥敵のアタマ押さえりゃお釣りがくるさ」

一夏「アタマ‥‥?」

イーリス「そら来るぜ、今回のラスボスがよぉ!!」

ドガァァァン

一夏「ふ、艦から何かが出て──!?」

イーリス「おいおい、コイツはエラいのが出てきたな‥‥!!」

ナターシャ「アレは‥‥!!」

大佐「金色の装甲、陽光の輝き、『ゴールデン・ドーン』‥‥!!」

一夏「じゃあ、アイツが!!」

イーリス「そうよ。コイツが今回の主犯、『土砂降りのスコール・ミューゼル』だ!!」

スコール「‥‥」
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