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魁! IS学園
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:07:13.35 ID:GQKvgmrB0
一夏(前略、千冬姉。晴れて私は、IS学園へ入学できました。一日も早く学校に慣れて、健やかな学園生活を送りたいと思います。…………ですが……)
山田「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」
女子「……………」
一夏(クラスに男が俺一人で、いささかとまどっています…)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1483524433
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:08:02.16 ID:GQKvgmrB0
一夏(これは……想像以上にきつい……。緊張して有機ELD式勉強机のタッチペンを持つ手も震える……)
カコン
一夏(あ!! タッチペンを落としてしまった!)
のほほん「……」 スッ
一夏「え‥‥……、あ‥ありがとう‥」
のほほん「……」 ニパァ
一夏(なんだ‥‥中には親切な子もいるんだな――)
のほほん「」 バキン
一夏「な!?」
のほほん「」 ボリボリボリゴックン
一夏「…………」
のほほん「」 アーン...
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:09:17.21 ID:GQKvgmrB0
一夏(た‥タッチペンを食った――。スティー○ン・セ○ールだってそんなことはしないだろ。とにかく普通じゃない…)
一夏(…………) ガラガラ
のほほん「………………」
一夏(…………)
のほほん「!」 ガボ
一夏「く‥‥食った‥‥!!」
のほほん「ごふ…」
一夏(いったい、この学園はなんだ? 本当にただの高校なのか? ‥‥っていうかコレは、女子高のノリってやつとかそういう問題ではない気もするけど‥‥)
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:09:22.44 ID:9Qjc8itL0
期待
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:13:39.90 ID:GQKvgmrB0
一夏(なぜこんなトコにきてしまったのか‥‥。思えば2年前、中2の頃‥‥。俺は女尊男卑の風潮に巻き込まれ虐げられる毎日だった‥‥)
女子A「ちょっと織斑くん、お金貸してよー」
一夏「え、でも……」
女子B「いいじゃん、織斑くんのお姉さんブリュンヒルデじゃん。マージン相当貰ってるんでしょ?」
一夏「う……」
鈴「ちょっとアンタ! そんなブサイク女共に金なんか出すコトないわよ!」
女子A「は? 誰アンタ」
女子B「誰がブサイクよ貧乳女!」
鈴「金欲しいんならエンコーでもすればいいじゃない!」
一夏(それが凰鈴音との出会いだった――)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:15:02.43 ID:GQKvgmrB0
鈴「いたた‥‥、やっぱあの鬼ババアの生徒指導キッツイわ‥‥」
一夏「友達でもないのになぜこんなコトを……。俺が金さえ出せばそれですむ話なんがから‥‥」
パシッ
一夏「う!!」
鈴「その金は家族の金でしょ! アンタがかせいだワケでもないのに偉そうなこと言ってんじゃないわよ!」
一夏「‥‥ありがとう、俺が‥‥間違ってたよ‥‥」
一夏(鈴は女尊男卑に負けない勇気をくれた)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:15:42.77 ID:oRV2Ytf/0
引き算ができれば入学できるIS学園
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:15:43.79 ID:GQKvgmrB0
一夏(時は流れ、受験の季節――)
一夏「何!? お前帰国するのか!?」
鈴「うん‥‥。父さんと母さんが離婚しちゃってさ」
一夏「だから親権を取った母親と中国に帰るって――だけどお前は『料理が上達したら、毎日あたしの酢豚を食べてくれる?』って言ってたじゃないか!!」
鈴「結局、女尊男卑には勝てないのよ。第一アタシの居場所なんてこの国のどこにも――」
一夏「IS学園へ行け! あそこならISに乗れたら日本に残れる」
鈴「ふざけないでよ! アンタの居ない学校になんて行ったってアンタとの距離は縮まらないじゃない!」
パシィ
鈴「う!! な、なにすんのよこの馬鹿!」
一夏「このあいだのおかえしさ。大切なのは距離なんかじゃない。互いを忘れなきゃどんな場所でも離れ離れになるわけじゃない」
鈴「一夏……う……ぐすっ」
一夏「鈴……」
鈴「うわぁぁぁぁ、一夏ぁぁぁぁぁぁ!」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:16:49.81 ID:GQKvgmrB0
一夏(この出来事が彼女をこの学園に行かせたのだ‥‥。‥‥俺は自分の行動を後悔していない‥‥。‥‥‥‥ただひとつの誤算は‥‥)
一夏(俺まで受かってしまったことだ‥‥)
一夏「藍越学園とIS学園って、似てるよな?」
鈴「一夏、今日のお昼ラーメンにしない?」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:17:37.34 ID:GQKvgmrB0
今日のテーマ 『私の適正高かった!!』自慢話大会
櫛灘「アタシはJCん時から高かったな〜〜〜」
谷本「へぇ〜〜」
九段下「とにかく手のつけようがねーって言われて‥‥『閃紅の魔女』って呼ばれてた」
谷本「それって、九段下さんが伝説の『魔女』なの!?」
九段下「おう‥‥」
櫛灘「アタシも名の通った高適正者だったよ! アタシは一度怒ると相手を致命領域対応にするまで止まんなくて……ついた通り名は『七月のサマーデビル』なんだ」
谷本「『七月のサマーデビル』‥‥!」
九段下「‥‥あんまりカッコよくねえな‥‥」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:18:49.15 ID:GQKvgmrB0
のほほん「私は高かったけど――、一度も試合したことないよー」
九段下「え、何だソレ?」
のほほん「私見た目がユルいから相手が勝手に嘗めて試合しかけてこないんだー。それで付いたアダ名が『不戦勝ののほほん』」
九段下「‥‥で実際試合は強ぇの?」
のほほん「ううん‥‥だから一度もしたことないから、わかんないんだー」
谷本「すごいのかすごくないのか、よくわかんないね‥‥」
セシリア「はっきり言って極東の島国というのは、こうまで未開の地だとわかってガッカリですわ」
4人「む‥‥」
セシリア「このわたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生……つまり、現時点で専用機を持っていますのよ。本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」
九段下「‥‥で、アダ名は何だったんだ?」
セシリア「え!? アダ名………………………………アダ名は‥‥………………」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:20:31.82 ID:GQKvgmrB0
セシリア「‥‥特にアダ名はありませんでしたわね‥‥」
3人「……」
九段下「‥‥じゃダメだ‥‥」
谷口「惜しい〜〜!」
櫛灘「それじゃ話になんないじゃん!」
セシリア「ちょっとお待ちになって! 別にアダ名なんて無くともよろしいでしょう!」
九段下「『七月のサマーデビル』とか『桜蘭の魔女』とかがなきゃ意味ねえだろ!」
谷口「そーだよ! 君影の埴御とか棗じゃ全然怖くないし‥‥」
櫛灘「ゼンゼンフツーだよね」
九段下「悪いけど、また次回挑戦してくれ」
セシリア「次回っていつですの!?」
鈴(……)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:21:41.00 ID:GQKvgmrB0
鈴「ねえ一夏!」 ガン
一夏「あいた、何だよ‥‥?」
鈴「アンタも中学生の時アダ名あったでしょ! 『ジジイDC』とか『朴念仁オブ朴念仁s』とか」
一夏「中学の時は『動く淫災』って呼ばれてたな」
鈴「うーん、間違ってないんだけど……」
のほほん「へー、おりむーって悪い事しそーなイメージないんだけどなー」
一夏「ああ‥‥ずっとバイト漬け生活だったからな。けど‥‥そんな俺でも一度だけ悪いことをしたことあるんだ」
相川「ま、織斑くんの悪さなんてたいしたことないんじゃない?」
鷹月「せいぜいパフパフ正面衝突とか?」
一夏「まあ‥‥ホントにたいしたことないんだけどな――」
鈴(もしかしてアレの事かな……?)
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:22:38.08 ID:GQKvgmrB0
一夏「今からさかのぼること幼少期、神社の境内の落ち葉を集めて焼き芋を作ろうって話になったんだ。その時は千冬姉も居なくて子供だけだったんだけど――」
女子「……」 ゴクリッ
一夏「――それで火をつけたんだけど、つい火力が足りないなと思って落ち葉を投入したら――」
鈴「ぼや騒ぎに発展したと」
一夏「あれ? なんで鈴知ってんだ?」
鈴「小学校高学年の清掃ボランティアん時も焼き栗騒動でやらかしたじゃない! ってかアンタ前科あったのね!」
一夏「はっはっはっ」
鈴「笑ってごまかすんじゃないわよ!」
女子「」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 19:23:14.91 ID:GQKvgmrB0
夕飯休憩
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 19:42:48.87 ID:Xlt+fnPco
IS世界寄りにしてマイルドにしてるのかと思ったら
のほほんさんだけ扱い厳しめで笑った
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:00:45.97 ID:GQKvgmrB0
相川「そろそろうちのクラスでも、クラス代表っていうの決めよー!!」
瀬名川「特にアタシらは個性が弱えから上でシキってくれるヤツがいねえとまとまんねえしな!!」
谷本「それはふつうのガッコウでいうところのクラス長みたいなものなの?」
のほほん「よくわかんないけど、たぶんそーだと思うー!」
鷹月「うーん‥‥ぜんぜん違うと思うんだけど‥‥」
九段下「けどいったいどうやってそのクラス代表を決めるんだ?」
風霧「まず、過去の試合実績をもとに何人かの女子をピックアップした。今からその生徒たちを紹介する!!」
女子「……」 ゴクッ...
風霧「この3人だ」
セシリア「……」
鈴「……」
一夏「」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 20:05:24.90 ID:+NL462AK0
ところで、誰かいないような・・・
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:20:32.13 ID:GQKvgmrB0
一夏「ちょっと待ってくれ‥‥。何で俺がノミネートされてるんだよ‥‥」
九段下「バカヤロウ、コッチのセリフだ!! さっさと下がらねえとブッころがすぞ!!」
箒「一夏を推薦したのは私だ」
鷹月「え!! 篠ノ之さん!?」
箒「私たちは女尊男卑の世界に生きてきたから、ただ単に萌えるとかブヒれるキャラを見ても魅力を感じなくなってしまった。むしろ一夏のような普通の男子にこそ魅力を感じてしまう」
相川「篠ノ之さん、ムリしてない‥?」
箒「ていうかぶっちゃけ幼馴染だから推したい」
一夏「サッパリ意味がわかんねえよ!」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 20:31:51.78 ID:+NL462AK0
いたわ箒さん
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:36:09.53 ID:GQKvgmrB0
鷹月「‥‥で、そのクラス代表を決めるための方法はどうするの?」
相川「やっぱ試合だよ!」
九段下「あたり前だぜ、ビームの撃ち合いしかねえだろうが!?」
この後、数時間に渡る激論の末に『ガマン強くて艶かしい背中を持ったエロいヤツ』がクラス代表という事になり、その条件を満たす勝負で決める事になった。
フォルテ「先輩、今一年一組でクラス代表を決める勝負をしてるらしいっすよ」
ダリル「そいつぁおもしれーな! 見学すっか!」
薫子「はいはーい、新聞部でーす。クラス代表決定戦を取材に来まs」
3人「な!?」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:44:13.13 ID:GQKvgmrB0
鈴「ふっ、うぅっ、あっ、ひっ」 ガクンガクン
セシリア「あぁんっ、あっあっ、はぁん!」 ビクンビクン
一夏「うっ……くっ……はぐっ」 ギシッギシッ
フォルテ「こ、れは……」
ダリル「……オイルマッサージ?」
鈴「飛ぶぅッ!!」
セシリア「死んでしまいますわ〜〜〜!!」
一夏「か、勝ったーーーー!!」
箒「……指、疲れた……」
女子「…………な〜んか納得いかない‥‥」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 20:56:28.25 ID:GQKvgmrB0
一夏は、何とかこの学園を建て直したいという考えを日増しに強めていた――
だがそんな一夏をアザ笑うかのように、学園の女尊男卑は止まる所を知らなかった‥‥
一夏「だけど‥‥あきらめずに前へ進めばきっと光は見えてくるはずだ‥‥」
箒「それはムリな話だな‥‥」
一夏「ほ‥‥箒! 言葉を返すようだけど‥‥あきらめるのはカンタンだ。けど、それじゃ何も始まらない――」
箒「もしお前が『アイツ』を倒すことができれば、この学校も変わるかもしれない。‥けどそれはムリな話なんだ」
一夏「『アイツ』って?」
箒「1年3組にいるんだ、とんでもないヤツが‥。アイツがいる限りココは毎日がギャルのモンド・グロッソ状態だ……」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:06:15.38 ID:GQKvgmrB0
一夏「‥‥でも、そんなヤツがいたら九段下さんが黙ってないだろ‥‥」
箒「……あまり大きい声では言えんのだが‥‥、ダブリの九段下さんは勝負を恐れて逃げ回っている――」
一夏「え!!」
一夏(し、信じられない‥‥。あのダブリの九段下さんが背中を見せるほどの敵……!)
一夏「と、とにかくその子に会ってみるよ‥‥。で、名前は何ていうんだ?」
箒「いや‥‥名前は知らない‥‥」
一夏「知らないってどういうことだよ!? 名前もわからないんじゃ、行っても会えないじゃないか!」
箒「行けば‥‥わかる‥‥」
一夏「え?」
一夏(行けばわかる‥‥どういうことだ?)
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:20:12.61 ID:GQKvgmrB0
一夏(1年3組‥‥ここか‥‥。ここに『ヤツ』がいる‥‥!) ガララ...
紗奈「あ。おはようございます、織斑さん」
クルル「……」
一夏(たしかに、このクラスの女子はレベルは高い‥‥。けど、みんな見慣れた女子‥‥。ひと目見ればわかるというほどの女子などドコにもいやしない‥‥。俺も幾多の修羅場をくぐっているうちにこのレベルの女子にはドギマギしなくなっている)
凛「……」 ネコミミピコピコ
一夏(今の俺なら口説いても落とせそうな気さえする。時間のムダだ‥‥帰ろう‥‥。たぶん箒が何か勘違いしたんだろう。この1年3組に、『アイツ』はいない!!) ガラララ
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:33:59.48 ID:GQKvgmrB0
一夏(いた‥‥!!)
???「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
一夏(ま、間違いない!! この子だ! ‥‥けどひとつ気になることがある!!)
???「ウィィィィラァァァァウェイズラァヴュゥゥゥゥゥゥゥ」
一夏(本当にこの子は高校生なのか? ‥‥というより、日本語が通じるのか!?)
???「……?」 ピタッ
一夏「は、はじめまして。‥‥1年1組の織斑と申します」
???「…………」
一夏「あの‥‥お名前は‥‥?」
???「…………」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:47:29.82 ID:GQKvgmrB0
一夏(自分の素性を明かしたくないのか、それとも‥‥本当に日本語が通じないだけなのか――)
山田「さあ、皆さん授業を始めますよ〜〜〜」 ガラララ
一夏(せ、先生が来た‥‥!! ‥‥ということは‥‥!?)
???「……イィィィフ、アァァァァイ……」 ボソッ
一夏(この子は『先生』じゃないのか!!)
???「シュゥゥゥゥドゥ、ステェェェェェィ……」 スタスタ
一夏(一縷の望みが絶たれてしまった。ひょっとして『先生』じゃないかという考えもあったけど‥‥。まあ『先生』だったとしてもそれはそれで問題あるけど‥‥一体この子は何者なんだ……? そしてどこからやってきたんだ‥‥?
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 21:59:33.90 ID:GQKvgmrB0
一夏「……結局、『アイツ』に会っても何もわからなかった」
箒「そうか、恐ろしい女だ‥‥」
セシリア「先月編入してきたらしくて生徒名簿にも名前がのってありませんでしたわ」
鈴「‥‥て言うか、ホントにウチの生徒なのアレ‥‥」
一夏「そこで俺は、『アイツ』の名前を考えてみたんだ」
3人「・・・・・・どんな?」
一夏「――『ホイットニー』でどうだろう?」
箒「ホイットニー?」
一夏「ホイットニー」
鈴「ホイットニー?」
一夏「ホイットニー」
セシリア「カヴァー元の『ドリー』でなくて?」
一夏「ホイットニー」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 22:10:37.26 ID:GQKvgmrB0
一夏「敵と戦う前には、まず、その敵のことを知る必要があると思う」
セシリア「なるほど‥‥ホイットニーのことをもっとよく調べろ、というコトですわね」
箒「今、ホイットニーに関してわかっていることと言えば『肌の色が濃い』ということぐらいしかないな」
鈴「しょせん、アタシたちは高校生だからね‥‥。難しい情報を集めるのはムリがあるわ。とりあえずカンタンな情報から集めてみましょう!」
箒「まずIS適正値から調べよう! 私の姉は篠ノ之束だから一発で当てる自信がある」
鈴「適正値〜?」
セシリア「あまり意味がないと思いますけれど…」
一夏「そうだな‥まず、できることから始めていかないと先へは進めない!!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 22:25:48.23 ID:GQKvgmrB0
鈴「いた?」
一夏「おう‥‥教科書を読んでる」
ホイットニー「ユゥゥゥゥ、マイダァァァァリングュゥゥゥ」
一夏「意外とマジメだなーーー」
鈴「心なしか唇少し厚くなってない?」
箒「勉強家は適正値Bの確率が高い‥‥」
セシリア「いえ、お待ちを! よく御覧なさい!」
一夏「き、教科書がさかさまになってる!!」
箒「おっちょこちょいは適正値B+に多いぞ!!」
セシリア「おっちょこちょいというか‥‥読んでいないではなくて!?」
一夏「あ、あれは!?」
鈴「どうしたの!?」
一夏「いきなり腕立てを始めたぞ!」
ホイットニー「ビィタァァァァスィィィィィトゥ、メェェェモリィィィィィィズ」 ググッ
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 22:44:54.97 ID:GQKvgmrB0
箒「いきなり腕立てを始めるのは適正値Aの可能性が高い!」
鈴「それホント!?」
一夏「おい、アレを見ろ!」
セシリア「どうしましたの!?」
一夏「まだ腕立てを開始して一回目だってのに‥‥早くも挫折してるぞ!」
ホイットニー「……………」
セシリア「な、なんて根気の無い方ですの!」
一夏「箒、『根気の無い子』は適正値いくつ?」
箒「……すまない、研究書に載ってない」
鈴「『腕立て』があんのに、何で『根気の無いヤツ』が載ってないのよ!」
一夏「あ、あれは!?」
セシリア「え!?」
一夏「こ、古武術の無拍子を‥!!」
ホイットニー「ゾォォットイズオォォァル、アアァァイムタゥキング」 スッスッ
鈴「箒! 古武術の無拍子は!?」
箒「無拍子をするヤツは間違いなくAだ!」
セシリア「箒さん、その文献どこから引っ張ってきましたの?」
一夏「あれを見ろ!!」
鈴「……今度は何よ!?」
一夏「教科書をカバンに入れてる!!」
鈴「フツーでしょ!!」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 23:03:51.14 ID:GQKvgmrB0
4人「…………」 ジーーッ
ホイットニー「…………」 ガララ
鈴「……昼休みだからか教室を出たわね」
一夏「行動にまるで一貫性が無い‥‥」
セシリア「やはりあなどれない方ですわね……」
鈴「適正値ならわかると思ったけど‥‥これじゃ難しいわね‥‥」
箒「ホイットニーの適正値がわかったぞ――」
一夏「え!? ホントに!?」
鈴「アンタ、テキトーに言ってない?」
箒「勉強家でおっちょこちょいで、なおかつ腕立てと無拍子の連続技をあやつる女性‥‥」
3人「……」 ゴクリ
箒「このタイプは統計上67%の確率で適正値Bだ!!」
一夏「適正値B‥!!」
鈴「そっか! Bだったのねホイットニーは!!」
一夏「ホイットニーはBだったのか‥‥」
セシリア「‥‥そうでしたのね‥‥」
4人「………………」
セシリア「――で‥‥この適正値をもとに何をすればいいんですの、私たちは?」
箒「………………」
一夏「………………」
鈴「………………」 グゥゥゥゥ
箒「‥‥昼餉にするか」
一夏「そうだな」
鈴「この時間混むわよ」
セシリア「……戦うのではなくて……?」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/04(水) 23:25:02.65 ID:GQKvgmrB0
食堂
4人「」
谷本「ホント面白いねデュノアさんって! お腹が空いちゃうとソウルシンガーみたいになっちゃうの?」 パクパク
シャル「うん‥‥そうなんだ。おかしいよね、ハハ‥‥」 モグモグ
のほほん「そんなことないよー、もっと食べる〜?」 グッチャグッチャ
シャル「ありがとう。でもスニッ○ーズはもういいかな‥‥」
4人「………」
セシリア「なんですのこのオチ」
鈴「アタシたちの努力って一体……」
箒「わ、私……は、もうISは……使わない……」
一夏「いや落ち込み過ぎだろ箒」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/04(水) 23:44:42.27 ID:vCE9W5ugo
今のシャルだったんか!?
35 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 00:05:28.29 ID:Zj2/k8Z/0
IS学園には魔物が棲む‥‥
一夏「俺はそうゆう超常現象のたぐいは信じない‥‥。そうゆうのは思い込みとかヒトの心が原因だったりするのが多いから科学的に説明がついちゃうからな」
箒「別に私はそういう話をしているのではない!」
一夏「じゃ、どういう話なんだよ?」
セシリア「まあ、ここで話していてもラチがあきませんわ‥‥。まず確認してみないコトには‥‥」
鈴「じゃ、いくわよ」
4人「せーの」 ガラララ...
ゴーレムI「………………」
箒「ほら」
3人「」
36 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 00:22:29.25 ID:Zj2/k8Z/0
一夏「アイツってたしか5月に攻めてきた不明機だよな」
鈴「何でフツーに教室にいんのよ‥」
箒「たしかにIS学園は世界中のギャルが集まってくる‥‥が‥しかし‥‥」
ゴーレムI「………」
箒「アンドロイド萌えか‥‥」
セシリア「萌えではありまんわ! っというか人間ではないでしょうアレは!!」
一夏「いくらうちの学校がザル警備だといっても、機械を入学させるとは思えない‥‥。となればアイツは人間だと考えるべきじゃないか……」
ゴーレムI「……」 プシューーッ
一夏「深くため息つくなんて人間らしいじゃないか‥‥」
箒「きっと友人関係で悩んでいるんだろうな、わかるぞ‥‥」
鈴「ただの放熱機構でしょ!!」
37 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 00:39:05.31 ID:Zj2/k8Z/0
セシリア「アナタたち何を根拠にアレを人間だと言い張るんですの!?」
一夏「だって腕時計してるぞ」
鈴「ウソ!! しかもホワイトゴールドカラーのフルスペック腕時計じゃない!」
セシリア「ですが‥‥時計をしてるからといって人間と認めるワケには‥」
鈴「て言っても、何を基準にアイツが人間かどうかを計るのよ‥‥」
一夏「あ‥‥電話かけてる」
2人「え゙え゙え゙!!」
ゴーレムI「………」
シャル「へぇ〜、そうだったんだ。それでその後どうしたの、ゴレ美ちゃん?」
一夏「シ、シャル(ホイットニー満腹形態)も電話してる!!」
鈴「ゴレ美!?」
セシリア「ま、まさか彼女が不明機に電話をしていますの!?」
箒「よく番号を知っていたな!!」
一夏「腕時計して電話かけてるんだから人間として認めてあげてもいいんじゃないのか!?」
セシリア「いいえダメですわ!」
鈴「逆に電話かけられない機械って何!?」
箒「お前たちも強情だな」
38 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:04:57.88 ID:Zj2/k8Z/0
シャル「じゃあこういうのはどうかな?」
一夏「うわっシャル! いきなりどうした?」
シャル「今LINEをゴレ美ちゃんに勧めたんだけど、これからボクがゴレ美ちゃんにいくつかスタンプを交えた会話をするよ」
鈴「それでスタンプの意味を理解したゴレ美? が人間らしく答えられるかテストする――と」
セシリア「なるほど、LINE式チューリングテストですわね!」
箒「‥‥で、そのチューイングテストとは何だ?」
セシリア「シャルロットさん! さっそく実験開始ですわ!!」
シャル「うん。えーっと、『使い勝手はどう、ゴレ美ちゃん?』と」
鈴「そーゆーまどろっこしいのいいから、さっさとスタンプ貼って!!」
シャル「ええ? ‥‥じゃあ、これ」 ピッ
一夏「よし、これでアイツが人間か機械かハッキリするぞ!!」
セシリア「答えられるものなら答えてみなさい!!」
39 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:14:39.85 ID:Zj2/k8Z/0
鈴スタンプ『察しなさいよね、ばかぁ』
5人「………」
シャル「さっそく課金してる・・・・・・」
4人「っていうか販促!?」
しゃべるIS インフィニット・ストラトス \240
40 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:33:51.33 ID:Zj2/k8Z/0
ラウラ・ボーデヴィッヒ 正式名称「C-0037」
ドイツ軍が誇る軍用デザイナーチャイルドの1人――
少佐の階級を持ちIS操縦者のみで構成される特殊部隊「シュヴァルツェア・ハーゼ」を率いる隊長でもある――
ラウラは敬愛する教官がモンド・グロッソの決勝戦で棄権を余儀なくされた原因である織斑一夏に復讐するためIS学園に転校してきたのだった――
ラウラ「む‥‥ここがIS学園か。薄汚い所だ‥‥」
3年生「あら? アナタ噂の転校生? よかったら道案内を――」
ラウラ「大衆はブタだ!!」
3年生「ヒッ!?」 ビクッ
ラウラ「無能なブタどもに我々の理想を叩き込み、支配するのだ!!」
3年生「あ、あの‥‥」
ラウラ「おいそこの、1年1組はどこにある? さっさと案内しろ」
3年生(えらい子と鉢合わせしちゃった‥‥)
41 :
GQKvgmrB0
:2017/01/05(木) 01:52:44.18 ID:Zj2/k8Z/0
3年生「こ、ここが1組よ」
ラウラ「フッ‥ここからは私一人で十分だ。お前はそこで待ってろ。この私の前では、この学校も有象無象の一つでしかない」
3年生「は、はあ‥‥」
ガラララ...
ホイットニー(シャル空腹形態)「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア」
ラウラ「」
ホイットニー(シャル空腹形態)「ウィィィィラァァァァウェイズラァv」 カラララ... ピシャッ
3年生「ど、‥‥どうしたのキミ? 顔色が悪いわよ‥‥」
ラウラ「‥‥私の視力は1.5だ。今ソウルシンガーみたいな奴がいた気がしたが‥‥目の錯覚など‥‥」
3年生「まあ‥‥この学校は世界中の子が集まってるから‥‥」
ラウラ「いや‥‥国家とか人種とかそういう次元の話ではない!!」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/05(木) 02:00:25.98 ID:iAkM50U1o
名前欄ミスってない?
トリップになってない普通の文字列になってるけど
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