【安価】 緑谷「いともたやすく行われる」  俺「えげつない行為」

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138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 18:05:09.09 ID:oPSgxvG70
一旦区切ります。 夕ご飯とお風呂の準備・・・ (._.)イソイソ
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 18:06:55.39 ID:r2a52avwo

とりあえず芦戸とこれからが無事でよかった
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 19:00:38.64 ID:oPSgxvG70
そうだどうせ区切るなら安価入れたほうがいいかな。






〜翌日〜



イレイザーヘッド「昨日の戦闘訓練お疲れ。 Vと成績見させてもらった」



イレイザーヘッド「緑谷」



飛鳥「はい」ビクッ



イレイザーヘッド「おまえもうあんな無茶苦茶はするな。 絶対に、ってわけじゃないが、


         敵役とはいえあくまで訓練だ。 何よりこれから一緒に学んでゆく仲間だろ。 そこらへんは弁えろ」



飛鳥「はい・・・・・」



イレイザーヘッド「そんで爆豪。 おまえはガキみてえなマネするな。 緑谷の騒動に隠れちゃいたが、


         だいぶ目立ってたぞ。 ・・・・・・二人とも、自分の能力は正しく使え。 卵だろうとお前らはヒーローなんだ」



爆豪「・・・・・・・・・わかってる」



飛鳥「すみません・・・・・」



イレイザーヘッド「それと。 緑谷はこれからオールマイトから話があるそうだ。


         至急、仮眠室へ来いだとよ」



・・・・・・・来たか。



後ろのドアから、教室を出る。 



ミドリヤニハアトデツタエルガ、ガッキュウイインチョウヲ・・・  ガッコウッポイノキター!!!




緊張しながら、仮眠室へたどり着いた。



オオ・・・



雰囲気、違うな。



中へ入ると、そこにはオールマイトが一人だけで、ソファに腰掛けていた。


141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 19:10:33.74 ID:oPSgxvG70
オールマイト「掛けたまえ」



支持通り、小さなテーブルをはさんでオールマイトと対面する。



オールマイト「・・・・・・昨日はすまなかった。 君を疑い、時間を取らせた。


       教師としての責務に圧され、ヒーローとしての本文を見失っていた。」



飛鳥「・・・・・いえ、妥当な判断だったと思います。 立場が逆だったら、俺もそうしたでしょうし」



オールマイト「そういってくれると助かるよ・・・・・。 本題に入ろう。


       君の"個性"についてだ」



【安価】オールマイトに『スタンド』のことを話しますか?





※ネタバレになりますが、「話す」でOFA継承。 「話さない」でACT4以上解禁。




それでは安価↓
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 19:13:23.44 ID:r2a52avwo
話さない
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 19:18:43.53 ID:r2a52avwo
話すでワンフォーオール継承も良いけどあくまでもスタンド使いとしてナンバーワン…にならなくとも少なくとも超上位になれるのは確実だしact4以降も気になる
それに下手したら原作ままになりそうだし
継承させたいと言う人がいるなら取り消しでもいい
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 19:28:45.61 ID:SQR1I6eWo
一度選んだら曲げない
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/25(金) 19:35:02.98 ID:1swKy3wJ0
継承してもデクみたいになるだけだしスタンドを極めた方がいいかな
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 20:03:45.13 ID:/4Lzp9Y3o
待て待て、話したうえでスタンドを極めるって選択肢はないのか!?


無いならないでいいけど
>>1のさじ加減もあるし
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 20:04:27.35 ID:/4Lzp9Y3o
連投すまん
用は信用を得るために話はするが、OFA継承はしないって行動をとりたいんだが
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/25(金) 20:07:51.15 ID:1swKy3wJ0
そうだな、話さないと疑われるからオールマイトにだけ話して、スタンドだけで良いってのがいいよな
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 20:13:28.29 ID:r2a52avwo
あー確かにそうだな
オールマイトの信用も得る、進化もさせる、両方やらなくちゃいけないってのが(ry
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/25(金) 20:14:49.59 ID:1swKy3wJ0
>>147
その行動がベストかな
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 20:25:49.89 ID:r2a52avwo
>>147
じゃあこれでオナシャス
安価取ったんだしいいよね…?
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 22:28:17.19 ID:oPSgxvG70
>>1の低脳がこの結果を生んだのか・・・・・・OTZ 少なくとも今構想しているストーリーの進行上、『オールマイトに信用されてしまえば、必ずOFAは継承さ


れ』、それに頼る主人公はエコーズを成長させることが出来ないのです。 本当にごめんなさい。


OFAの特性を思い出してみてください。 -----無理矢理奪われることはないが、『無理矢理渡すことが出来る』-----


そして、緊急時には『意志の尊重』をせずに行動しなくてはならないときがある。 ・・・・・・・・シビアだとリアルだ。と思い、


こうなったわけであります。 なにとぞご容赦くださいませ。m(_ _)m














オールマイト「私から聞いておいて、こんなことを言うのも忍びない! だが、どうしても君から先に


       聞かせてほしいんだ。 ・・・・・・・まず、その"個性"、由来はどこにあると思う?」



飛鳥「・・・・・・・・・」ウーン



オールマイト「・・・・・・わかった。 質問を変えよう。 ・・・・・君は『複数の"個性"持ち』かい?」



飛鳥「・・・・・いいえ、違うと思います」



オールマイト「・・・・・・そうか。 では、その"個性"は最初から君の物だった?」



飛鳥「・・・・・・・・・使えるようになったのは、ちょうど1年前からです」



オールマイト「ふむ・・・・・・・一年前・・・・・・・・・と、いうことは最初から・・・・つまり、4歳までに一般的に発言したものではない、と」



飛鳥「はい」



オールマイト「君の足の小指の関節の数は?」



・・・・・"無個性"かどうか、ということだろうか。



飛鳥「・・・・・・・2つ、です」



オールマイト「・・・・・最後の質問だ。 その"個性"、もしかして人工的に発言した、もしくはされたもの? されたとしたら誰に?」



飛鳥「・・・・・・わかりません。 ただ、さっきの質問、由来がどうとかって話は覚えがあります。 結びつくならそれしかない」



オールマイト「!! 詳しく頼む」

153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/25(金) 22:32:07.65 ID:1swKy3wJ0
話しちゃうのか、スタンドだけで行きたかったな
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 22:46:43.52 ID:oPSgxvG70

答えようと口を開く、が、そこで押しとどまってしまった。



『なんで俺は・・・・・あこがれの人に尋問なんかされてるんだろう。』



突如として沸いた、やり場のない感情。



くだらない反抗心だったのだろうか。



俺はそのまま、押し黙ってしまった。



オールマイト「どうしたんだい?」



飛鳥「・・・・・・まだ、あなたのことを聞いていませんよ


   オールマイト。 ・・・どうしてそこまで気にするんですか


   学会から調査依頼でも受けているんですか? 次は俺が質問する番でしょう」



オールマイトの表情がひきつる。



そんなにも隠しておきたいことがあるのだろうか。



オールマイト「・・・・・・そう、だな・・・・・・・いづれにしても、そろそろ時間だ。


       ・・・・・・・・見ればわかる」



ブワ・・・   シュウウウウ・・・・・



!? なんだろう。 蒸気だ。 オールマイトの体から、蒸気が出ている。



飛鳥「オール・・・マイト・・・・・?」



オールマイトが完全に蒸気に包まれた。 数秒後、そこに現れたのは・・・・・。



一言でいえば、ガイコツ。 青紫の顔色をして、重度の拒食症患者のような体つきをしている。



骨格までさっきまでいた人物とは別物だ。



飛鳥「え!? さっきまで・・・え!? ニセ!? ニセ者!? 細ー!!」ギャーギャー



衝撃的過ぎて、取り乱してしまった。 骸骨が口を開く。



???「私はオールマイトさ」ドバ
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 23:02:28.51 ID:r2a52avwo
嘘だー!!
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 23:11:03.40 ID:oPSgxvG70
AFOってお父さんが奪う、お母さんが渡す個性だったのかな。 それなら弟に渡すだけの力があるって納得できゆ。










血反吐をまき散らしながら、ガイコツはしゃべった。



飛鳥「嘘つけっ!!」ガタッ



オールマイト(仮)「プールでよく腹筋力み続けてる人がいるだろう? アレさ!」



飛鳥「だから嘘つけっ!!!」バンッ



オールマイト「・・・・・・」ス・・・



オールマイトは、無言で服をたくし上げた。



そこにあったのは、左半身の肋骨下部あたりを中心とした、放射線状の縫い後。



直線状ではない。 相当広範囲に深い傷を負ったのだとわかる。



オールマイト「呼吸器半壊、胃袋全摘。 度重なる手術と後遺症で憔悴してしまってね。


       私のヒーローととしての活動限界は今や一日約三時間ほどなのさ」



飛鳥「・・・・・・そんな・・・馬鹿な・・・」ガタガタ



オールマイト「これは世間に公表されていない。 公表しないでくれと私が頼んだ。

 
       人々を笑顔で救い出す"平和の象徴"は・・・決して悪に屈してはいけないんだ」



飛鳥「・・・・・・・!」



オールマイト「・・・・・・・話を戻そう。 この傷のことだ。 これを私に刻んだヴィラン・・・・・


       『オール・フォー・ワン』。 人から"個性"を奪い、自身で重複的に使用、さらに人に


       与えることもできる。 ・・・・・・5年前、私は確かに奴を打ち取った! が、もし


       も君が複数の"個性"持ちならば、奴が生きていることになる。 "不老"の力も持つため、


       半永久的に生き、そして多くの者を恐怖に陥れ、あるいは支配する。 ・・・教えてくれ!!


       奴が生きているのかどうかってことだけでもっ!!」ガタッ



飛鳥「・・・・・・すみません。 その・・・なんて言ったらいいのかわからないけど・・・期待にはこたえられないと思います。」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 23:14:18.69 ID:r2a52avwo
隕石にぶつかって死んだら転生してたんだし知るわけないんだよな
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 23:32:26.99 ID:oPSgxvG70

オールマイト「緑谷少年っ・・・・・!!」



飛鳥「もう、行きますね。 取り敢えず俺には関係のない話です。 きっとそいつも死んでいますよ・・・では、失礼しました」ガララ



オールマイト「むう・・・・・!」ゴホゴホ



根津「どうやら、失敗だったみたいだね」ピョコン



オールマイト「彼は・・・・・本当に何も知らないんでしょうか」



根津「・・・・・最初は、素直に質問に答えてくれていたけど、途中から不自然なまでに口を開かなくなった。


   ・・・・・・・・引き続き、彼には警戒が必要だね。 ・・・もし彼が奴の関係者ならば、僕たちは『賭け』


   に負けたことになる。 敵対者に弱点を教えてしまったってことだからさ」



オールマイト「・・・・・結局、願うばかりか・・・・! 奴が生きていないように、と!


       彼が裏切者でないように・・・と!! 情けない・・・・・っ!!」ゴボ







オールマイトの怪我、オール・フォー・ワンの存在。 信じたくないことが一度に押し寄せて、



つい飛び出してしまった。



・・・・・・・いづれにせよ、"個性"以外の超能力、このことは黙っていたほうがよいだろう。



疑われようとも構わない。 俺は俺に従う。



教室に戻った時、皆が一斉にこちらを振り向いた。



切島「おう緑谷!! 今、学級委員長の最終考査なんだけどよ! 投票で飯田と八百万が並んだんだ!!


   飯田9票で八百万9票だ! お前次第でどっちか決まる!! さあ! どっちだ!!」



飛鳥「1票多くね?」



イレイザーヘッド「白黒つけるために、俺も入って奇数にしたんだ。 どっちでもいい。 早よ選べ」



八百万「・・・・・」ジー  飯田「・・・・・」ジー



常闇「急かしてやるな。 緑谷は対人戦闘訓練の公表もVTRも自分の分しか知らない。」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/25(金) 23:47:53.99 ID:oPSgxvG70

飛鳥「・・・・・・飯田、かな」



八百万「なっ!」ガーン



飛鳥「・・・・・・どれだけいいところがあるか、ではなく、どれだけ悪いところが少ないか、で決めた。


   ・・・・・・・・・リーダー・・・・・・ってのは完璧が求められるから」



そう、完璧でないといけない。



だからこそ、みんな彼に憧れたのだ。



・・・・・・なのに。



麗日「緑谷君? 顔色悪いよ?」



飛鳥「・・・そう・・・か?」



飯田「皆に期待され、任された聖職・・・・・!! なんとしてでも義務は果たさねば・・・・!!」グッ



八百万「うーん悔しい・・・」






〜昼休み〜



【選択安価】 誰と一緒に食事をとるか、選択してください。



1、飯田AND麗日  2、芦戸   3、口田



安価↓
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/25(金) 23:47:55.46 ID:1swKy3wJ0
誰を後継者にするんだろうか
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/25(金) 23:48:20.04 ID:r2a52avwo
芦戸と
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 00:07:59.87 ID:/+6u1Sln0
>>160 被ったので>>161 で




昼休みだ。 どうしても、話をしなくてはならない人がいる。



飛鳥「芦戸さん・・・・・」ソロ〜



芦戸「えっ!!? な、なに!!」ビクンッ



やっぱり・・・・・。



飛鳥「その・・・・・ちょっと話したいんだけどさ。 食堂でおごるから、一緒に食べない?」



芦戸さんの顔が曇った。 やっぱり、トラウマになってる。



飛鳥「だめならその・・・・・別にいいんだけどさ。 ただ、どうしても言いたいことがあって・・・・・」ウツムキ



芦戸「・・・・・・わかった。 一緒に食べよ」



〜食堂〜



教室では皆慣れてくれたが、やはり食堂では俺のブレザーは目立つ。



芦戸「えっと・・・昨日のヤツの・・・・・ことでしょ?」



飛鳥「・・・・・・っ!! ごめんっ!!! 俺、その、ただ気絶するの待ってただけで・・・・


   芦戸さんに恨みはなかったんだ。 本当に反省してる!! やりすぎてたと思う!! 


   許さなくてもいい。 ただ、俺個人として謝りたい、反省していると伝えたかった・・・っ!

   
   本当に・・・・・悪かった・・・・・・・っ!!!」



芦戸「・・・・・・・」



飛鳥「・・・・・・・」



芦戸「・・・・・・・・・今までも、あーゆう戦い方してきたの?」



飛鳥「・・・・・・人には言わないでほしいんだけど、実は入学初日で、除籍宣告の後イレイザーヘッドと戦った。


   そのときも同じようなこと・・・・・・苦しませて・・・相手が気絶するまで待って、・・・・・・・・た」



芦戸「そっか・・・・・」


163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 00:13:14.94 ID:/+6u1Sln0
ちょっと野暮用。 次が今日最後の(もう明日だけど)更新です。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/26(土) 00:17:57.90 ID:kdYXrs1bo
うぃっす
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/26(土) 00:39:47.59 ID:kdYXrs1bo
つーかイレイザーヘッド戦自体は向こうが気絶するまでって言ってるし仕方ない気もする
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 01:25:19.77 ID:/+6u1Sln0
飛鳥「・・・・・・・・」



芦戸「じゃあ、これからはもっといい方法、探していこ!」



飛鳥「へ・・・?」



芦戸「ホンットに怖かったんだから! 胸は苦しいし、


   緑谷は助けてくれないし!! ホントに死ぬかと思ったよー」



飛鳥「ご、ごめん・・・」



芦戸「でもさ! 最後に・・・・・部屋の隅まで運んでくれたのは嬉しかった。


   一見、考えてることはよくわかんないけど、やっぱりここにいる人たちは


   皆優しいんだなって! いいじゃん、そんなに落ち込まなくたって。


   こうやって話し合えてる時点で、もう友達でしょ?」



飛鳥「・・・・・・許して・・・・くれんのか」



芦戸「そーゆーの気にするんね。 男子って。 許さないわけないじゃん!


   もっと楽しくいこーよー」



飛鳥「・・・・・・ありがとう」



芦戸「はい!」スッ



おもむろに手を差し伸べられた。



飛鳥「・・・・・?」



芦戸「仲直りの握手!!」グイッ



薄紫の両手で、右手を握られた。



芦戸「えっとじゃあ、これからもよろしくってことで!! 緑谷!!」ニカッ



飛鳥「・・・うん。 ・・・・・・・よろしく」ニコ



不思議と、気恥ずかしさはなかった。



手を握り返し、生まれて初めて、感謝を込めてほほ笑んだ。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/26(土) 01:30:49.27 ID:kdYXrs1bo
やっぱ芦戸ちゃんいい子だなあ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/26(土) 12:12:31.43 ID:kdYXrs1bo
今日の更新はいつ頃かな
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 23:50:23.06 ID:/+6u1Sln0
ウウー〜



突如、校舎内に最大音量の警報が鳴り響いた。



飛鳥「警報!?」



芦戸「え!? 何!? 何々!!?」



『セキュリティ3が突破されました。 生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください。』



校内放送が繰り返される。 セキュリティ3ってなんだ?



飯田「セキュリティ3て何ですか?」



ちょうど離れた席にいた飯田が、同じことを上級生に聞いていた。



先輩さん「校舎内に誰か侵入してきたってことだよ! 三年間でこんなの初めてだ!!


     君らも早く!!」



どわっと、危機を察知した生徒たちが一斉に出入り口に向かい走り出した。



麗日「いたっ!! 急に何!!?」



飯田「さすが最高峰!! 危機への対応が迅速だ!!」



迅速すぎてパニックに陥っている。 二人とも生徒たちの波にもまれていた。



芦戸「うわっ!! ちょっ皆落ち着いて・・・!!」



芦戸さんも何とか皆を説得し、落ち着かせようとするが効果は薄いようだ。



取り敢えず、団子になっている原因の後方を止めておくことにした。



芦戸さんを抱え、エコーズで食堂の後ろ側へ宙を飛び跳ねていく。



芦戸「わああ緑谷! だ、大丈夫だからっ!! 降ろして降ろしてー!」バタバタ



飛鳥「エコーズッ!!」



芦戸「ふぇ?!」


170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 23:51:00.49 ID:/+6u1Sln0
『落ち着いて!!』 『安心して!!』 『押さないで!!』



エコーズで最後尾の人間から、順に脳内に言葉を反復させてゆく。



取り敢えず、流れが緩やかにはなった。



飛鳥「芦戸さん! 窓から何が起こってるか、確認してくれないかな!!」



芦戸「えっ!? あ、うん!! オッケー!!」ダッ



芦戸さんが窓に駆け寄っていった。



飯田『大丈ー夫!!』ズギャアアン



飯田も前で何かしているし、取り敢えずパニックは収まっただろう。








〜放課後〜




飛鳥「なんか・・・入学初日から三日しか経ってないのに・・・・・いろんなことがあったな」



【選択安価】一緒に帰る人を選んでください。


1飯田AND麗日 2芦戸 3口田 4一人で帰る
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 23:55:37.54 ID:0jumT6iXo
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 00:01:20.41 ID:0//Hi9h/o
act2,3は原作緑谷の覚醒と同じくらいのタイミングかな
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 00:18:27.97 ID:MjLHf9Kg0
飯田「緑谷君!!」



帰ろうとすると、不意に、後ろから呼び止められた。



麗日「駅まででしょ? 一緒に帰ろー」



飛鳥「飯田、と麗日さんか・・・」



三人で、駅まで歩くことにした。



芦戸(あれェ、飯田たちと帰るんだ・・・・・まだ言いたいことあったのに!)



根津「・・・・・・」ジイー



芦戸「校長先生じゃん! 何してるんですか?」



根津「もちろん見回りさ! 立場上、終始デスクワークをしているわけには行かないのさ!!」



芦戸「超緑谷のほう見てましたよね!!」



根津「お互い様だね! それは!!」



HAHAHAHAHAHAHA・・・・・








麗日「今日のお昼やばかったよねーつぶされるか思ったもん」



飯田「結局マスコミが押し寄せただけだったが・・・・・やはり、オールマイトの人気は圧倒的なのだな・・・」



二人が、今日の昼の事件について、話題を振って来た。



飛鳥「・・・・・・そう、いえばさ」



飯田「どうした? 緑谷君」



飛鳥「・・・・・・雄英には、三段階の防衛システムがあるんだ。 一言でいえば、門、シェルターだよ。


   それなのにどうやって入って来たんだろうって・・・・・・」



本題に入ってみた。



飯田「うむ。 俺もそれは考えていた。 許可のない人間であれば、センサーが反応し、門が閉まるはずだ。 現場は見ていないが、故障だろうか」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 00:22:22.37 ID:0//Hi9h/o
これは明日の帰りにマックルー…相澤先生、こっち睨まないで下さい
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 00:35:31.57 ID:MjLHf9Kg0
取り敢えず今日はここまでです。 少なくてごめんなさい<(_ _)>





麗日「う〜ん・・・空、からかなあ?」



飯田「それだと校舎内、というのはおかしくないか? セキュリティ3は校舎内、完全に壁か天井に囲まれていたはず!」



飛鳥「うん。 マスコミは中庭まで来てた・・・・・。 そのあたりの上空は、特に監視が厳しいはずだ・・・・・」



麗日「う〜ん・・・・・・じゃあ何なんだろ・・・・・・」



飯田「確かめようにも、今回突破された区域は閉鎖されているぞ。 偽造IDカード・・・などだろうか」



二人が頭を抱える。 残る可能性は、地中を掘り進めたか門が破壊されたか・・・だ。



飛鳥「・・・・・・・確認、してみる?」



麗日「え!? でも、封鎖されてるし・・・・・」



飯田「帰り道はなるべく寄り道せずにまっすg」



飛鳥「それだけか? 謎を諦める理由って」



二人の表情が固まった。



飛鳥「・・・・・・俺たちはヒーローだろ。 少しでも怪しいところがあるなら、知っておくべきなんじゃないのか


   気になったら、率先して調べなくちゃいけないんじゃないか? ・・・・・・・そもそも、この学校だって、


   俺たちに隠していることが多すぎる・・・・・」



恐らく、オールマイトの弱体化は校長含め、ほとんどの教師陣が知っているのだろう。



オール・フォー・ワンのことは流石にオールマイトと校長しか知らないようだったが。



麗日「緑谷君・・・・・」



飯田「・・・・・・・・」ウーム



少し沈黙してから、飯田が口を開いた。



飯田「・・・・・・確認、だけだぞ。 もし確認する方法が見つからないのなら、


   その時点であきらめる。 それなら、それだけなら、少し目を瞑ろう」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 00:37:22.72 ID:0//Hi9h/o

50メートル包囲されてなきゃ見れるな
見れたところでどうにもならんけど
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/27(日) 00:37:34.81 ID:Vqjn567O0
ますます怪しまれるぞ
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 00:47:00.24 ID:0//Hi9h/o
怪しまれたのなら怪しまれたでいいじゃない
オールマイトがどうにしろ結局ヒーローへの決意は変わらないんだし行動でしめしゃいい
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 20:59:42.87 ID:0//Hi9h/o
マダー?
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:30:40.45 ID:MjLHf9Kg0
ミス発見。>>26雄英高校は私立ではなく国立高校でした。 >>68飯田君は太ももではなくふくらはぎに排気塔があります。






〜雄英バリアー前〜



飯田「やはり、封鎖されているな・・・・・」



問題の門には暗幕がかけられ、工事中の立て札があった。



飛鳥「・・・・・・・エコーズ」



麗日「?」



スタンドと視覚を共有し、暗幕の中に入らせる。



・・・・・思った通りだ。 



門は完膚なきまでに破壊されていた。 瓦礫が積もり、山になっている。



やはり、ただのマスコミが入って来ただけではなかった。



二人に報告しようと後ろを振り返った。



根津「やあ! そこで何をしているんだい!?」ピョコン



いきなり視界の外から現れた根津校長に面喰った。



飯田「!! こ、校長先生!! 失礼いたしました! 今回の騒動について、気になったので


   閉鎖区域に近寄ってしまいましたっ!!」バッ



麗日「わわわ・・・」



二人の反応を横目で見た校長は、そのまま無言で暗幕に近づいていった。



そして独り言のように呟いた。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:31:07.57 ID:MjLHf9Kg0
根津「・・・・・・・・・見たいものは見れたかい?」ボソ



飛鳥「・・・・・・・・はい」



根津「そうか。 ・・・・・君はどう思う?」



門を壊した者の正体、目的のことだろうか。



わかりません、とだけ答えておく。



根津「・・・・・・・・・」



飯田「話は済んだのかい? 緑谷君」



飛鳥「うん・・・帰ろうか」



麗日「え? もういいの?」



飛鳥「ああ。 もう、いい」



飯田「・・・・・・?」



そのまま、無言で3人とも駅へと向かった。



帰ってから飯田にのみ、携帯で事実を伝えておいた。



内密にしておくよう、くぎを刺して。


182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:31:39.35 ID:MjLHf9Kg0


1週間後 水曜日


PM0:50



イレイザーヘッド「今日のヒーロー基礎学だが・・・」



        「俺とオールマイト。 そしてもう一人の3人体制で見ることになった」



なった、という言い方は、何か特例なのだろうか。



瀬呂「ハーイ! なにするんですか!?」



相澤先生が、RESUCUEと書かれたパネルを取り出した。



イレイザーヘッド「災害水難なんでもござれ。 ・・・人命救助訓練だ!!」



上鳴「レスキュー・・・今回も大変そうだな」



芦戸「ねー!」



切島「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!? 鳴るぜ!! 腕が!!」



蛙水「水難なら私の独壇場ケロケロ」



イレイザーヘッド「おいまだ途中」ギロッ



各々しゃべりだした生徒達を睨んで止める。



そしてリモコンを取り出し、コスチューム入りの棚を出現させた。



イレイザーヘッド「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。


         中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。」


        「訓練場が少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。 以上、準備開始」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:32:53.02 ID:MjLHf9Kg0
(U)←あれに見えるけどご容赦を。






〜駐車場〜



麗日「ん」



救助訓練。 直接ヴィランを倒すことではなく、災害時などでのノウハウを養う訓練だ。



麗日「緑谷君普通の体操服だ。 この前の派手なのは?」



飛鳥「戦闘訓練で穴だらけになっちゃったから・・・」



飛鳥「修復を学校がしてくれるらしくてね。 それ待ちなんだ」コスチュームハモウスグデキルッテ



ッピピ〜ピッピッ



引率の笛の音だ。 ・・・・・・飯田だった。



飯田「バスの席順でスムーズにいくよう、番号順で二列に並ぼう」



キバってんなあ。



十分ほどして、演習場についた。



そこには、まるでアトラクションのような施設が多くあった。



破壊されつくした廃墟、燃え盛る町、切り立った崖、勢いよく流れ出る滝とその下にある渦。



???「水難事故、土砂災害、下記・・・・・・etc.」


   「あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。 その名も・・・・・・


    ウソの(U)災害や(S)事故(J)ルーム!!」



紹介をしてくれたのは、災害救助でめざましい活躍をしている、紳士的なヒーロー!



スペースヒーロー:13号だった。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:33:20.68 ID:MjLHf9Kg0

"個性"『ブラックホール』 どんなものでも指先から吸い込んで塵にしてしまう。



宇宙服のようなものを着込み、声は変声器で高い。



麗日「わーーー 私好きなの13号!」ウオオオ



麗日さんのテンションが上がった。



イレイザーヘッド「13号。 オールマイトは? ここで待ち合わせるはずだが」



13号「先輩それが・・・」



飛鳥「?」



13号が声を潜め、ひっそりと指を三本立てたのが見えた。 エコーズと聴覚を共有し、話を聴く。



13号「通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで。 ・・・仮眠室で休んでいます」



イレイザーヘッド「不合理の極みだなオイ」


        「・・・・・・・・・仕方ない始めるか」



13号の説明を聞き、いざ訓練に入ろうという時だった。



ズズ・・・ズ・・・ズズ・・・



イレイザーヘッド「一かたまりになって動くな!!!」



飯田「え?」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:34:00.04 ID:MjLHf9Kg0

ズズ



広場の空間に突如、黒い渦が発生し、何十人もの見知らぬ人間が出てきた。



切島「何だアリャ!? また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」



相澤先生がゴーグルをかけ、叫んだ。



イレイザーヘッド「動くなあれは!! ヴィランだ!!!!」



ゾゾゾゾゾゾ



黒い靄のような渦が収束し、白い瞳を持った人の形となった。



???「13号に・・・イレイザーヘッドですか・・・先日頂いた教師側のカリキュラムでは、


    オールマイトがここにいるはずなのですが・・・」



黒い靄がしゃべった。 "個性"はワープゲートだろうか。



イレイザーヘッド「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」



思わず、飯田と顔を合わせた。



???「どこだよ・・・せっかくこんなに大衆引きつれてきたのにさ・・・


    オールマイト・・・平和の象徴・・・いないなんて・・・」









子どもを殺せば来るのかな?








体中に『掌』をくっつけたヴィランがつぶやいた。

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:34:33.67 ID:MjLHf9Kg0

それを聞いてか、イレイザーヘッドが捕縛武器を展開した。



歪んでいる。



俺以上に。



・・・・・・同族嫌悪だろうか。



そのヴィランは、特別危険に思えた。



いずれにせよ、センサーが発動しないので、誰かが妨害しているのだろう。



イレイザーヘッドは避難指示を出し、一人でヴィランの中に突っ込んでゆく。



大丈夫なのだろうか。 多対一の戦闘は得意なのか。



少し心配になるが、指示に従うことにする。



飯田「こんなことに・・・! 早く避難を!!」



???「させませんよ」ゾワ



ワープゲートが避難経路に立ちふさがる。



???「初めまして。 我々はヴィラン連合。 せんえつながら・・・この度ヒーローの巣窟、


    雄英高校に入らせて頂いたのは・・・・・・・」


   「平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思ってのことでして」



一瞬、思考が止まった。 殺す? オールマイトを?



???「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ・・・ですが


    何か変更あったのでしょうか? まあ・・・それとは関係なく・・・」ユラァ〜〜



攻撃を察知し、13号が指の安全装置を外す。



???「私の役目はこれ」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:35:55.90 ID:MjLHf9Kg0
靄をしよ放散うとした、が。



SKLIT! BOOOOM!



切島「その前に俺たちにやられることは、考えてなかったか!?」



切島と爆豪だ。 切島の"個性"『硬化』と、『爆破』で攻撃を仕掛けたのだ。



???「危ない危ない・・・・・・・・・そう・・・生徒といえど優秀な金の卵」



13号「ダメだどきなさい二人とも!」



ワープゲートが、一気に展開した。





散らして・・・嬲り殺す





【選択安価】飛鳥のついた先は・・・・・?


1水難 2火災 3土砂瓦礫 4山岳 5倒壊 6何とか靄から逃れた。


ゾーンを選択してください。 安価↓
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 22:36:58.00 ID:0//Hi9h/o
6
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 22:46:28.94 ID:MjLHf9Kg0
安価了解です。 今日はここまで。 次回更新は 明後日の16時以降です。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/11/27(日) 22:53:28.28 ID:0//Hi9h/o

多分ここでact2成長だろうけど、黒霧を音で気絶させちまえばほぼ勝ち確定だな
いやオールフォーワン来て詰むか
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 16:40:08.02 ID:zADFYx8h0

飛鳥「くっそ・・・っ!」



上へ駆け上がり、何とか靄から逃れる。



靄が消えると同時に、生徒の半数が消えていた。



残ったのは13号、飯田、瀬呂、障子、砂藤。 そして麗日さんと芦戸さんだった。



飯田「皆は!? いるか!? 確認できるか!?」



障子「散り散りになってはいるがこの施設内にいる」



飯田の質問に、索敵に優れた障子が答える。



瀬呂「物理攻撃無効でワープって…! 最悪の"個性"だぜおい!!」



13号「・・・・・・・・・委員長」



13号が振り返り、飯田に作戦を伝える。 内容は、学校まで走りこの事件を伝える、ということだった。



飯田「しかしクラスを置いていくなど委員長の風上にも・・・」



砂藤「行けって非常口!!」



砂藤が飯田の背中を叩き、鼓舞する。



砂藤「外に出れば警報がある! だからこいつらはこん中だけでことを起こしてんだろう!?」



瀬呂「外にさえ出られりゃ追っちゃこれねえよ! お前の脚でモヤを振りきれ!!」



13号「救うために・・・"個性"を使って下さい!!」



麗日「食堂の時みたく・・・サポートなら私超出来るから! する!! から!!」



  「お願いね委員長!!」



各々飯田を説得する。



皆からの期待を感じ取ったのか、飯田の顔が引き締まった。



すると思い出したかのように、不安と期待の入り混じった顔を芦戸さんがこちらに向けてきた。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 16:50:57.55 ID:KytOFJLio
行け!見せてやれ飛鳥!
お前は正義だと!
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 17:07:38.10 ID:zADFYx8h0

飛鳥「・・・・・・・」ヤベエ



実をいうと、俺はさっきからこの黒靄に攻撃を仕掛けているのだ。



しかしどこから攻撃を仕掛けても、エコーズが別の場所へ送られてしまうだけなのだ。



この靄を吹き飛ばせるような風があれば・・・・・!! 情けないが、13号の吸引に期待するしかない。



???「手段がないとはいえ・・・敵前で策を語る阿呆がいますか」ズオ



ついに靄が接近してきた。



13号「バレても問題ないから、語ったんでしょうが!!」



13号もブラックホールを開放した。  ・・・が。



???「13号・・・災害救助で活躍するヒーロー。 やはり・・・」



芦戸「先生ー!!!!」



???「戦闘経験は一般ヒーローに比べて半歩劣る。 ・・・・・・自分で自分をチリにしてしまった」



恐らく効果範囲の差が勝負を決めたのだろう。 13号のブラックホールは靄に飲み込まれ、



13号の背後に転送された。 必然的に、13号は背中から塵に帰ってゆく。



麗日さんが顔が絶望に歪む。



麗日「・・・・・・・っ!!! 緑谷君!! 攻撃して!! エコーズで!! 時間稼いでっ!!」



芦戸「!! そーだよ! 緑谷!! エコーズッ!! 早くーっ!!」



麗日さんと芦戸さんが、泣だしそうな顔でこっちを見た。 



エコーズのことを恐らく『便利なよくわからないもの』、と思っているらしい。



飛鳥「あ、ああ・・・うん」アセアセ



といっても、どうしようもない。 仕方なしに、エコーズの尻尾を掴み、こん棒のようにして振りかざす。



その瞬間。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 17:11:52.11 ID:KytOFJLio
あっ…
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 17:34:16.10 ID:zADFYx8h0

ドッコオオオッ!!!



横から正体不明の衝撃を受ける。



何とか反応した左腕はぐしゃっとひしゃげて折れていた。 壁際に吹き飛ばされ、背中から壁に激突する。



振り回していたと言えど、 エコーズで死角を見張っていたはずなのに。 全く持って視えなかった。



飛鳥「う・・・・・ああ・・・・・・・」ドサッ



薄れゆく意識の中、俺のいた場所に立つ黒い肌の大男と、まるで錆びたかのように色をなくし、固まり死んでゆくエコーズが辛うじて見えた。








天哉「緑谷君っ!!?」バッ



砂藤「なん・・・だ? 何が起こったんだ・・・!?」



突如、広場から接近してきた黒い肌を持つ大男。 土煙をあげながら、何かを殴ったような姿勢でその場から・・・もとい、緑谷君の



いた場所から動こうとしない。 そしてその男の視線の先には、左腕がつぶれ、壁にぶつかり、もたれかかるような姿勢で気絶している緑谷君の姿があった。



芦戸「緑谷ーーー!!!」ダッ



13号先生を診ていた芦戸君が、焦って駆け寄ってゆく。



天哉「ダメだっ!!!! その男の前に立ってはいけない!!!」



出来る限り大きい声を出して、芦戸君を立ち止まらせる。



一瞬で人を、僕の友人を破壊した。 怒りもあったが、その時はそれ以上に恐怖が僕を支配していた。



???「脳無・・・? 命令もなしに単独行動を・・・・・?」



黒靄が何かぶつぶつ言っている。 どうすればいい。 どうすればいい!? こんな時、委員長として僕がまず動かねばならないんだ。



しかし、身体は動かない。 このモヤならばともかく、この大男から逃げ切るのは不可能だ。 さっきの一撃も、全力で殴っていたわけではないように思える。



恐らく、広場からここまでジャンプし、宙に浮いているときに殴打したからであろう。 威力は半減し、緑谷君は取り敢えず死なずに済んだ。 が、



危機的状況であることに間違いはない。 こんな時、兄なら・・・・・!! きっと、そうする。 まず相手を観察し、有効な策を考えるのだ。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/29(火) 17:38:39.58 ID:yiQky6vE0
なんで脳無は一人だけに攻撃してきたんだ?
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 17:43:47.42 ID:KytOFJLio
>>196
考える知能を持たない命令に従うだけの殺戮兵器みたいなもんだし丁度全員がいるところに向かう時飛鳥が殴りやすい場所にいただけかと
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 18:03:02.46 ID:zADFYx8h0
人員は緑谷君以外は無事。 敵は二人。 一人は物理攻撃が通用せず、もう一人は圧倒的な身体能力を持つ。



危険度でいえば、緑谷君を潰したヤツのほうか。 ならば・・・・・っ!!



天哉「砂藤君!! 緑谷君の保護をっ!! 今から俺がこの男を捕まえる! 麗日君はそのあと、こいつを浮かせてくれ!! その瞬間、芦戸君は

   
   溶解度、粘度を最大にして攻撃を!! 瀬呂君と障子君は靄を牽制してくれ!!」DRRR



???「・・・敵前で策を語る・・・・・先ほども言いましたが、愚か。 ・・・・・・脳無も結果的には良いタイミングで来てくれましたね」



瀬呂「無茶ぶりだろっ!! 俺ら二人だけでどうしろってんだよ!!!」



障子「人員不足はどこも同じだ!! それでもやらなくては! 俺が何とかしてヤツの弱点を暴く!! お前は・・・・・」



???「敵前で・・・いや、もうよしましょう。 いかに雄英高校と言えど結局は高校生と教師だ。 ここまで無様なのも納得できますよ」ズアッ



瀬呂「うおお! 来たって!」



???「申し遅れました・・・・・私は黒霧。 君たちは・・・・・そうですね。 太平洋に落とす・・・なんてどうでしょうか。


    相手の名と、自分の終わり方くらい把握してから死んでくださいね」ズズウ・・・









天哉「トルクオーバー!」






レシプロバースト






トルクと回転数を無理矢理上げ、爆発力を生む。 反動でしばらくするとエンストするが、こいつを捕まえるには、これしかない。



二回、地面を蹴って脳のむき出しになった黒い大男・・・・・脳無といったか。



相変わらず立ち呆けているそのヴィランとの距離を一気に詰めた。 そのまま蹴りを入れ、動きを止めようとする。



ドフッ!!



脇に入った! 体を回転させ、今度は顎に向かって蹴りを入れる。



天哉「やった・・・・・!」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/29(火) 18:19:24.26 ID:yiQky6vE0
やったか!?
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 18:38:40.51 ID:zADFYx8h0
脳無「・・・・・・」



天哉「な・・・・・・に・・・・・・・?」



脳無は、微動だにしなかった。 次の瞬間、視界からその姿が消える。



天哉「くっ・・・!!」ギュルルッ



落ち着いて行動するんだ。 レシプロが切れるまであと5秒はある! その間に! 決め・・・・・・・



そこで、僕の意識は途切れた。







芦戸「飯田ー!!」



そんな。 最後の希望だったのに。



脳みそヴィランは、飯田君の蹴りを受けてなお、微動だにせず、飛び上がって飯田君を一瞬のうちに踏みつけ、地面へと叩きつけた。



障子「くっ・・・・・!! 向こうに応援に行きたいが・・・・・っ!!」ババッ



黒霧「お好きにどうぞ。 辛うじて私のワープゲートを躱している君らがむかったところで、どうにもならないでしょうが・・・」



瀬呂「いってえぇ・・・・・! 岩転送してきて落とすとか反則だろ・・・!!」



瀬呂君と障子君たちのところも余裕なさそう。 もう、私と芦戸さんだけしかのこっとらん・・・!!



ズン・・・・・!



脳みそヴィランが、私と芦戸さんの正面に立ちふさがる。



芦戸「うう・・・ぐ・・・・! 無理だよぉ・・・・・・こんなん・・・・・・・・!」ヘタ



芦戸さんがヴィランを見上げ、泣きながら膝をつき、へたり込んでしまった。



正直、私だってそうしたい。 っていうか、いまにもそうなりそうだ。 膝が笑ってるし、頭がクラクラしてる。



ヴィランが拳を固め、腕を持ち上げた。 ついに私たちもつぶす気だ。 目を瞑りたいのに、その拳から目が離せない。 



多分今の私の姿は、芦戸さんとそう変わらんだろう。 たぶん恐怖から涙と鼻水を流し、両足の間から粗相をしているはずだ。



ヴィランが、動いた。                   『ピシピシパッキイイイイインッ・・・!!」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 18:41:20.66 ID:KytOFJLio
act2って脳無にも効くのかなと思ったけど自動操縦のシアハートアタックに効いてるし考えるだけ無駄か
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 19:09:16.23 ID:zADFYx8h0
>>199 やった→やってない 常識となりつつあるこのくだり。 一旦区切りまする。




飛鳥「・・・・・凍った・・・か・・・・・・なるほど」



芦戸「・・・・・・? ふえ・・・?」



障子「ハアッハッ・・・! なんだ? ヴィランが凍ったぞ・・・・!!? ハアッ。 轟か・・・・・!!」ゼエゼエ



麗日「・・・・・・?」



おそるおそる、固まった視線を下に移してみる。



そこにあったのは、今にも私に殴りかかろうとしている脳みそヴィランの姿。



ただ、少し違ったのはヴィランはそのままの姿勢で凍てつき、氷漬けになって固まっとったこと。







折れた左腕と肋骨の痛みを気合で封じ込め、フラフラと足を前に出す。




『ブォワアアアアンッ」



背中から衝撃波を放たれ、黒霧とかいうヴィランに向かって吹っ飛んでゆく。 



凄まじいスピードで、黒霧の横を通り抜けてゆく。



黒霧「ぬう・・・っ!!」



靄が風ではがれた。 作戦通りだ。



飛鳥「砂藤おおおおっーーーー!!!」



砂藤「うおおおっっしゃああああっ!!!」



砂藤 力道"個性"『シュガードープ』



糖分10gにつき3分間パワー5倍! しかし、糖をパワーに使うと次第に脳機能がダウンしてくので糖分を摂り続ける必要がある。



十分だ。 砂藤に伝えた作戦はこうだ。 あのワープゲートヴィランは、おそらく黒靄のワープゲートに出来る箇所が限られており、(少なくとも頭と両腕)



ワープゲートの黒靄で実体のある部分を覆っているのではないかと予想し、俺がモヤを吹き飛ばすので砂藤は実体を殴りつけろということだった。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:01:43.27 ID:zADFYx8h0
ドコッ!!



鈍い音が響き、黒霧が広場までふっ飛ぶ。



???「黒霧! 脳無は・・・・・」



黒霧「・・・・・・凍らされました。 私も、ゲートで衝撃を減らしたもののダメージが大きいです・・・・・一旦引きますか? 死柄木」



死柄木「は?」



死柄木「なに・・・・・・ほざいてんだ? 13号もイレイザーヘッドも倒したんだ。 中ボスは全クリだぜ? あとはラスボスが来てくれるのを


    待つだけだろ・・・・・ガキ殺しながらよ」



黒霧「そうですか・・・・・脳無はどうしますか?」



死柄木「呼べば来るさ・・・なあ。 脳無」



バッキャッ!



飛鳥「!!?」



脳無、と呼ばれたヴィランは、己の身体が割れるのにもかまわず、複数の手首を装着したヴィランと黒霧のところまでジャンプしていった。



ズグ



欠損した個所から、繊維が飛び出し身体を修復していく。 ・・・・・"個性"は『超再生』か。



死柄木「・・・・・・あいつ・・・ああ、そうかあいつか。 脳無と先生以外で複数の"個性"を持つってやつ」ピッ



死柄木と呼ばれたヴィランが、俺を指さして何かボソボソ言っている。



死柄木「そーだな・・・・・やっぱ・・・脳無にやらせとくか。 俺は他の子供をあしらう。 あと三分でレアボスがこなけりゃリトライだ」



黒霧「では、三分後に・・・・・私は散らした構成員を回収しておきます」ズオオ



脳無と死柄木が、こっちを向いた。 来る。



成長したエコーズで上空に駆け上がった。



エコーズACT2  前よりも人型に近づき、少し小さくなったようだ。 こいつが現れた瞬間、本能で使い方は理解した。



尻尾だけはさらに長くなり、先端に中東の壺のふたのようなとがった飾りがついている。
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 22:27:49.73 ID:KytOFJLio
はよ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:38:40.01 ID:zADFYx8h0
スピード、パワーは普通の人間並みにはなっただろうか。 前のように一々踏まずとも、乗るだけで宙に浮くことが出来た。 つくづく不思議な力だ。



新たな能力は、前のように対象に音を貼り付けたのち、その擬音を実際に体感させるというものだった。



造形が完全に、緑色で尻尾のあるカーb・・・・・



『ピィッタアアア・・・・』



身体に触れると動きが止まるよう、擬音を貼っておく。 ・・・・・ピタリと止まると思いこの音にしたが、貼り付く音にも聞こえる。 ・・・仕様だろうか。



脳無が消える。 やはり目で追えない。 素でオールマイトと張る身体能力ということだろうか。 ならばなぜ、そんな大物がこんな雑な作戦を遂行しようとす



るのか。



考え事をしてるうちに、目の前に黒い物体が出現していた。 効果あったみたいだ。 俺に殴りかかる姿勢のまま、時が止まったように動かないでいた。



死柄木「・・・・・・?」



取り敢えずそのまま、空中に浮いておくことにした。 膠着状態のまま、数分が過ぎる。



ズアアッ



突然、ワープゲートが死柄木と脳無を持って行った。 ・・・残念だが、今は脳無を倒す方法が見つからない。



なにより腕と脇が痛い。 今日のところは見逃すか。 下に降りて麗日さんに介抱してもらっていると、A組の面々が集まってきた。



全員取り敢えずは無事なようだ。 重症なのは、俺と飯田、相澤先生に13号だけか。 ・・・・・とりあえずホッとした。






数分後、雄英の教師陣や、警察が息を切らして駆け込んできた。 なん十人もの人間が慌ただしく出入りし、途端にうるさくなった。



重傷者は病院か、保健室に運び込まれた。 敵は丸々取り逃がしたが、無事だっただけ良いと思う。 オールマイトは悔しそうにしていた。



っして、本当にリカバリーガールは偉大だと思う。 保健室で俺と飯田の怪我を、ものの数時間で治してしまった。



礼を言い、その日はベッドの上で警察の事情聴取に答えて終わった。




〜翌日〜

【選択安価】雄英高校は臨時休校となりました。 せっかくなので出かけることにします。 出会う人を次に中から決めてください。 


口田 砂藤 蛙水 青山 瀬呂 上鳴 耳郎 葉隠 峰田 芦戸 安価↓

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 22:42:07.26 ID:OWf1g7JA0
葉隠
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:47:17.25 ID:zADFYx8h0
安価了解しました。 今日はここまでです。 次回更新は土曜日の9時以降です。 リアル忙し(´・∀・`)
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 22:48:01.21 ID:KytOFJLio

遠いなあ楽しみにしてるぞ
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/03(土) 21:31:53.35 ID:fDkitjuv0


飛鳥「寝不足だ・・・・・」フアア



引子「飛鳥。 今日は水道屋さんが修理に来る日なんだけど・・・・・」



飛鳥「へ・・・・・・? ・・・あーそうだったかな。 休みたかったけど・・・タイミング悪いな


   出かけるよ」



引子「7時には夕飯出来るからね。 気をつけてね」



飛鳥「うん」



昨日の襲撃の件が、テレビで放送されている。 今頃校門前はマスメディアで溢れているのだろう。



雄英からは外出時は注意するように、と呼びかけがあるだけだった。 取材陣の対応に追われて忙しいのだろうか。



生徒が命を狙われたというのにもかかわらず、どうも警戒されていない。



この世界の人間は、おそらく俺は異世界から来たのでわかるのだろうが、どことなく楽観的だ。



テロが日常茶飯事に発生しているの、に皆それを眺めるだけだ。 幸せそうに群れ、平和を謳歌している。



俺からすれば、証拠の掴めない超能力を誰しもが持っているのに誰も警戒なんてしない、異様な世界。



無理矢理慣れた、もしくはヒーローが出てきてしまったせいだろうか。 ヴィランが発生することさえパフォーマンスに思っている節がある。



飛鳥「・・・・・・怖い、な」



自然と、口から言葉が漏れた。










葉隠「あれー!? 緑谷じゃん! 何してるの?」ブンブン



商店街を歩いていると、面識(視えはしないが)のある女の子に声をかけられた。



飛鳥「葉隠さん?」



葉隠「やっぱり緑谷だ! 偶然だね!」


210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/03(土) 21:39:58.66 ID:DOMaZ/5Po
きたー
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 21:55:18.38 ID:fDkitjuv0
葉隠 透(はがくれ とおる) "個性"『透明化』



生まれた時から透明なのか、常に"個性"を発動しているのかはわからない。



下手をすれば芦戸さんより活発な子だ。 失礼な言い方にはなるが芦戸さんより知能が高い。



それにアクティブなだけで良識があるので、誰からも好かれる性格をしている。



飛鳥「なんでここに? 静岡に住んでんの?」



葉隠「ううん。 東京。 ここら辺に美味しいスイーツ店があるらしくてさ! 来ちゃいました!」テヘッ



無意味なまでの仕草は、透明人間としてのコンプレックスの現れだろうか。



飛鳥「そう・・・か。 昨日の今日にあんなことがあったばかりだってのに・・・元気なんだね」



葉隠「むう・・・! そういう緑谷は元気ないよね。 ヴィランごときに私生活の邪魔されちゃだめだよ!」ビッ



飛鳥「あ・・・あー・・・・・なるほど。 そういう感じか」



葉隠「?」



飛鳥「・・・なんでもない。 じゃあ、またな。 一応気をつけて」ザッ



話を一方的に終わらせ、その場から立ち去ろうとする。



葉隠「ちょぉぉっとまったああ!!」ガッシイ



後ろから羽交い絞めにされた。



飛鳥「おふっ! な・・・・・・に?」



葉隠「おっかしいなあー! 私今話したそうにしてたよね!? 共に戦った戦友に、その態度はおかしくない!?」グググ・・・



飛鳥「・・・うぐっ! は・・・なれ・・・ろ・・・。 そんな距離感じゃなかったハズ・・・!」クビシメンナ



葉隠「わざわざ東京から県を越えてやってきた女の子に偶然出会ってちょっとあいさつしただけで立ち去ろうとするなんておかしいよね!? 


   なんかもうちょい交流してもいい気がするなぁーー!!」ムニュッ



飛鳥「おお・・・お・・・の・・・れ・・・・。 学校じゃダメなのか・・・!?」ムネアテルナ



その日は夕方まで葉隠さんにつき合わされ、何故かスイーツ代も奢らされていた。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/03(土) 22:00:32.68 ID:DOMaZ/5Po
葉隠さんは中身がどうでもモテる気がする
…ただ情報が少なくてなあ
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 22:18:12.50 ID:fDkitjuv0

飯田「皆ーーーー!! 朝のHRが始まる席につけーーー!!」



瀬呂「ついてるよ。 ついてねーのおめーだけだ」



クラスの皆は全員無事に登校し、集まっていた。



イレイザーヘッド「お早う」ス・・・



ドアから、顔と両腕を包帯でこれでもかというくらいにぐるぐる巻きにした相澤先生が入って来た。



よろよろと、どうにかこうにかという感じで檀上についた。



飯田と麗日さんが、先生の安否を声に出して確認する。



イレイザーヘッド「俺の安否はどうでも良い。 何よりまだ戦いは終わってねぇ」



爆豪「戦い?」



飛鳥「まさか・・・」



峰田「まだヴィランがーーー!!?」ガタガタガタ



教室が緊張感に包まれる中、相澤先生が一呼吸おいて口を開いた。



イレイザーヘッド「雄英体育祭が迫ってる!」



皆「クソ学校っぽいの来たあああ!!」ホッ







相澤先生が話した内容をまとめると、開催によって、先日の襲撃によって高まった世間の不安に対して、危機管理体制が盤石であることを



示そうということらしい。 警備は例年の五倍に強化するそうだ。



そして何より、雄英の体育祭はヒーローの卵にとって最大のチャンス。 葉隠さんが言ったように、ヴィランごときで中止してよいものではないとのこと。





雄英の体育祭とは、現在日本のビッグイベントの一つだ。



"個性"の発現により、規模も人口も縮小し形骸化した「かつてのオリンピック」に代わる催しだ。



八百万「当然、全国のプロヒーローも観ますのよ。 スカウト目的でね!」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 22:37:15.47 ID:fDkitjuv0

開催に肯定的な峰田に、八百万さんが口を挟んだ。



上鳴「資格習得後はプロ事務所に相棒(サイドキック)入りがセオリーだもんな」



サイドキックとは、端的にいうとヒーロー見習いのことである。 他のヒーロー事務所に勤め、一定期間ノウハウを学んだあとで



独立し、自分の事務所を立ち上げる。 知名度も上がりにくく、報酬は貰えないが



雇い主のヒーロー事務所が潰えない限り一定の給金が受け取れ、方針による存亡の責任が降りかからない等、メリットもいくつかある。



耳郎「そっから独立しそびれて万年サイドキックってのも多いんだよね。


   上鳴あんたそーなりそう。 アホだし」



上鳴「くっ!!」ズウゥン



イレイザーヘッド「当然、名のあるヒーロー事務所に入ったほうが経験値も話題性も高くなる


         ・・・・・・時間は有限。 プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ」



イレイザーヘッド「年に一回・・・計三回だけのチャンス。 ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ!」



飛鳥「・・・・・・・」







【選択安価】午後になりました。 一緒に昼食をとる人物を決めて下さい。


1 口田



2 飯田&麗日



3 芦戸



4 一人で食べる
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/03(土) 22:38:46.78 ID:7PEQLXRTo
1
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 22:39:21.48 ID:fDkitjuv0
ミス発見 開催に肯定的な峰田 否定的な峰田に脳内変換しておいてください。 安価↓
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 22:39:55.75 ID:fDkitjuv0
間に合わなかったOTZ 安価↑了解
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/03(土) 22:40:09.51 ID:DsjkrbmU0
4選ぶとどうなんの?
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 23:05:40.49 ID:fDkitjuv0
>>218 ※ヒント 一人だけだと食べ終わりが早くなります。 



〜食堂〜



飛鳥「・・・最近は制服で目立つのも慣れてきたな・・・・・」



空いている席に座ることにした。



すると、窓際の端っこで校内で放し飼いにされている鳥に餌をやりながら、パンを食べている男を発見した。



緑谷「・・・よう、口田。 ここ、座ってもいいかな」



口田「!!」



口田 甲司(こうだ こうじ) "個性"『生き物ボイス』



声に意志をのせて生き物を操る・・・だったっけ。 意志の強い生物、



人間なんかにはほとんど効果がないらしいが・・・・・。



入学の日に喋って(?)以来だな。



飛鳥「・・・・・・」



口田「・・・・・・」



・・・会話が続かない。 イエスかノーで答えられる質問形式での会話が性に合うようだ。



飛鳥「一昨日は大変だったな・・・お互い」



口田「・・・」コクコク



飛鳥「常闇と一緒だったんだろ?」



口田「・・・」コクコク



飛鳥「USJ・・・特にお前のいた突風・・・嵐ゾーンにはほとんど動物がいなかったろ・・・。


   囮とかそんな感じか? 常闇が待ち伏せといて」



口田「・・・」コクコク


220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/03(土) 23:14:56.61 ID:fDkitjuv0
ミス発見 嵐ゾーンではなく暴風・大雨ゾーンでした





飛鳥「入試でも思ったんだけど・・・自在に直接的な攻撃力の高い攻撃が出せないと、何かと不利だよな・・・・・


   やっぱ身体鍛えとくしかないかなあ」



口田(・・・うん。 一応僕も鍛えてるよ・・・・・)シパパパ



ジェスチャーで会話を試みてきた。



何故か理解できてしまう。



そのほかにも適当に会話をし、訓練が始まるまで更衣室でダベッた。




訓練が終了し、下校時間となる。



【選択安価】 一緒に帰る人を選択してください。



1 飯田&麗日



2 芦戸



3 口田
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/03(土) 23:16:38.26 ID:hHh1xFIHO
2
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/04(日) 00:27:39.44 ID:SBY+ss0b0
お風呂入ってきました。 また安価↓ つけるの忘れてた・・・・・OTZ 基本的に安価の次スレが採用されます。  今回4番目の選択肢、一人で帰るがなかっ


たのは、選択が後々ルートに関係してくるからです。





ザワ・・・ザワ・・・ザワザワザワザワザワザワザワ



帰ろうとすると、教室前にクラス外の生徒たちが数十人ほど集まっていた。



ヒーロー科ならまだしも、ほかの科は6時間授業だから1時間早く終わっているはずなのに。



授業終了まで待機していたのだろうか。



デレネージャン! ナニシニキタンダヨ  テキジョウシサツダロ、ザコ



芦戸「♪」チョイチョイ



芦戸さんが肩をつついてきた。



飛鳥「? 芦戸さん・・・どうした」



芦戸「ちょっと、駅まで一緒に行かない? おとといのことで聞きたいこともあるし!」



飛鳥「・・・? わかった」







〜帰り道〜


芦戸「っていうかホントヤバかったよねー!」



飛鳥「一歩間違えれば死んでたよ。 特にあの・・・脳無? だっけか。 あいつがヤバかった」



芦戸「それ! あの時緑谷が復活してなかったら麗日と私絶対死んでたもん」



飛鳥「色々と不思議なヴィランだったな・・・・・俺としては皆がさほどトラウマを抱えてないことが、よっぽど不思議なんだけれども」



芦戸「だってヴィランだよー!? そんな奴らにビクビクして過ごしても人生もったいないじゃん!」



飛鳥「・・・・そっか。 そうだな」ウンウン



芦戸「・・・・・・・」ジー



飛鳥「? なんだよ」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/04(日) 00:29:39.54 ID:nhX2tBP7o
芦ちゃん可愛い
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/04(日) 01:10:08.82 ID:SBY+ss0b0

芦戸さんが意味深なほほ笑みで、顔を覗き込んできた。



少し声のトーンを落として言葉をかけられた。



芦戸「ホントに・・・ありがとね。 緑谷。 食堂の時から助けてもらってばっかだし」



飛鳥「・・・・・・ヒーローだから」



目を逸らして答えた。



そこにしか理由は無いはずだ。



オールマイトをみて、いつも思っていたこと。



本物の英雄は、孤独だ。



誰からも心配などされないのだろう。



対等な者がいないのだ。



だからこそ、芦戸さんみたいな人がヒーローになれば、



追い抜いた、抜かれた、というようなヒーローではなく、隣に立ち、手を差し伸べられる



英雄になれるかもしれない。 



芦戸「そーいえばさ! 話変わるけど、もうすぐ体育際だよね」



飛鳥「相澤先生も言ってたな。 体とエコーズを鍛えとかないと」



芦戸「それなんだけどさー。 私の"個性"って鍛えにくいんだよねー。 あんまりやると肌がズタボロになるし」



飛鳥「芦戸さんの肌・・・"個性"の影響でそんな感じなんだっけ」



芦戸「うん・・・で、こっからなんだけどさ! 私の"個性"ってどうにか鍛えらんない? 出来れば楽して早く強くなれるほうこーで!!」



飛鳥「・・・・・いきなり難題ぶつけてきたな」



芦戸「うぅ〜〜〜やっぱ無理かあ。 地道に鍛えるしかないかなあ・・・・・」ショボン



飛鳥「・・・・・・出来ないこともない」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/04(日) 01:29:17.01 ID:SBY+ss0b0
今回の投稿はここまでです。 本編でもっとサブキャラに喋って欲しい。



芦戸「!!」



飛鳥「芦戸さんの"個性"は、上鳴と同じで使い方によっては何十倍も強力になれる。 知識と発想さえあれば、ね」



芦戸「教えて教えてー! 早く!」ワクワク



目をキラキラさせてせがんでくる。 



最近は、この肌にも、目にも慣れてきた。



飛鳥「まず、芦戸さんの掌。 酸への耐久を弱くしてみて」



芦戸「強くするんじゃなくて?」



飛鳥「うん。 酸を出すとき、多少なりとも無意識にその部分の耐久力を上げてるはずだ」



芦戸「う〜ん・・・」



飛鳥「あくまで掌の表面だけ、だよ。 ・・・どう?」



芦戸「あっ! 出来たー! ほら! ここだけ普通の肌の色だけになってる!!」



飛鳥「・・・・・こっからだ。 そのまま、掌の耐久力を上げないようにして、ほんの少しだけ強酸を出してみて。


   ドバッて感じじゃなくて、ジワッ・・・と。 汗みたいに」



芦戸「こう?」ジワッ



飛鳥「そこから、力いっぱい両手を合わせるんだ」



芦戸「・・・・・・? そいや!」バチン



BOOOOM! 小さく爆発が起こった。



芦戸「エッ!? ええーーー!!?」



飛鳥「かっちゃ・・・・・・爆豪のお父さんの"個性"を真似てみたんだけど・・・・・うまくいったかな」



芦戸「すごいっ!! ありがとーーーー!! 緑谷ーーーっ!!」ブンブン



興奮のあまり、そのまま手を振りながら駅に向かって走り去ってしまった。 ・・・俺も早く帰ろう。
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 20:19:59.92 ID:ZqiQUl6so
次はいつ頃?
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/09(金) 18:18:33.92 ID:WH5NHYjP0
遅くなりました申し訳ありません(m´・ω・`)m 今週ホントに忙しかった・・・! 






〜翌日〜



飛鳥「・・・・・・」カラ・・・



教室に着き、黙って戸を引いた。



いつも通りこの時間帯は特に騒がしい。



最近はもっぱら襲撃のことや体育祭のことで盛り上がっていたが、今日はどうも空気が違う。



いつも道理上鳴と芦戸さんが会話の中心にいたが、どうも様子がおかしい。



因みに轟や爆豪は俺と同じようにして、着席してケータイを弄っていた。



蛙水「・・・・・本当に大丈夫なの? 本当に自分のせいでそうなったの?」ケロォ・・・



芦戸「もー! ホント−だってーー! 心配しすぎ!! もう治癒してもらったし! ほら、大丈夫だから!」ブンブン



八百万「しかし・・・今までのようなちょっと皮がめくれた、ような怪我ではありませんわ。 包帯を巻いている時点で


    軽いものではありませんし、何より負傷箇所がおかしいですわ。 ・・・・・もっと私たちのことを信用してくれてもよいではないですか。


    悩みがあるならば、真摯に相談に乗りますわ・・・」ギュッ



麗日「でも、怪我の原因くらいゆうてくれても・・・・・。 自分のせいでこうなった、とかだけで、余計心配なるよ」ギュウ・・・



耳郎「三奈・・・あんた、嘘が下手だからさ。 わかっちゃうんだよ。 ああ、これは誤魔化してるなって。 あんたは無意味に隠し事


   なんてしない奴だからさ。 ・・・・・かばってるんでしょ?」



芦戸「!!」ビクッ



葉隠「三奈ちゃん、顔に文字描いてるみたいだね・・・・・! 大丈夫だよ! 誰にもバラしたりなんてしないから! そいつは


   女子全員でとっちめてやるけど・・・・・!! お願い! 相談して!?」



芦戸さん・・・・・! 誰かに虐待でもされているのか? 会話の内容的にそう聴こえる。



エコーズを芦戸さんを囲んでいる女子の円陣の中に入らせる。



・・・・・・・火傷だ。 それもかなり深そうな。 掌に包帯を巻き、一応リカバリーされてあるが、酸の身体に治癒が難しかったのか血が滲んでいる。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 18:19:51.14 ID:KN/oDQIuo
てめえのせいだろ飛鳥ァ!!
あ、>>1さんお疲れさま楽しみにしてる
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 18:22:47.79 ID:JZVGlMdi0
必殺技を作ろうとして使いすぎたんだかな
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/09(金) 18:54:52.67 ID:WH5NHYjP0
荒らしってスレだけじゃなくて掲示板そのものにも来るんやな・・・! (゚д゚)




飛鳥「!! 芦戸さんそれっ・・・!」ガタッ



芦戸「! あーー・・・ッハハハ・・・・・緑谷・・・・」ウツムキ



麗日「緑谷君・・・! なんか知ってるの?」



蛙水「・・・三奈ちゃんの様子もおかしいわ。 昨日何かあったのね」ゲコ



峰田「緑谷・・・・・! お前・・・! お前!! もしかして一人で先に大人の階段上っちまったんじゃねえだろうなっーー!


   芦戸をむりやり使ってよおおーーっ! チックショオオ許せねええぇーーっ!! オイラも混ぜr」スパアンッ



耳郎「なっ・・・!!」バッ



耳郎さんが愕然とした表情で振り返る。



八百万「そうなんですかっ!? 緑谷さん!!」ガシッ!



飯田「聞き捨てならんぞ! 事情を説明してもらおう緑谷君っ!!」ガッシイ



なかなかにケイオスな状況になってきた。 峰田が蛙水さんに舌でひっぱたかれ、飯田と八百万さんが俺の肩を鷲掴みにし、クラス



全員に凝視されている状況だ。 一部、汚物を見るような視線が既に混じっているのはなぜだろうか。



芦戸「ちょっ皆待ってよ! 緑谷は関係ないって!!」ガタッ



あまりの展開に呆然としていた芦戸さんが、ようやく助け船を出した。



蛙水「三奈ちゃん・・・」



芦戸「緑谷は確かにいろいろ私に教えてくれたよ! でも、このけがは完全に私のせいだから!! 上手くできなかったから・・・!


   "酸"の粘度間違っちゃったから・・・!! 緑谷は悪くないよ。 ちゃんと言うこと聞かなかった私が悪いんだし・・・・・!」グス



教室が静まり返った。 何とか皆の誤解を解いたようだ。



瀬呂「・・・・・卑猥な意味に聴こえるのは俺だけか?」ボソッ



峰田「ローションプレイ失敗s・・・」スッパアアアアンッ!!



再度峰田が蛙水さんにひっぱたかれる。 前言撤回。 事態はさらに深刻なものとなった。
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/09(金) 19:24:06.15 ID:WH5NHYjP0
一旦区切ります。



爆豪「クソ下らねー」



イレイザーヘッド「予鈴が鳴ったら席に着け。 何度も言わせるな」



切島「先生・・・!」



相澤先生が教室へよろよろと入ってきた。 取り敢えず全員、席へと落ち着く。



イレイザーヘッド「 ! 芦戸。 お前その手どうした」



芦戸「ええっと・・・」アセアセ



芦戸さんが口ごもる。 何故はっきり言わないのだろうか。



イレイザーヘッド「・・・・・授業は受けれるのか」



芦戸「休んでいいんですか!?」



イレイザーヘッド「自己判断だ。 休むなら保健室に行っとけ。 ・・・次だ。 全員聞け。 今日から放課後、市街地演習場・・・今日は運動場γが


         解放される。 各々自主トレーニングに励みたい奴は使え。 以上」



イレイザーヘッド「芦戸は休むなら強制的に自主トレーニングだ」



芦戸「ウソだろ」( ゚Д゚)



その日の午前中は、肩身の狭い思いをしながら授業を受けた。



〜昼休み〜



【選択安価】 『昼飯を誰かと食べようか』 現時点で会話できる人物は以下の通りです。



1飯田&麗日 2芦戸 3口田 4蛙水 5耳郎 6葉隠 7峰田 8ボッチ飯



突発的ですみません安価↓
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 19:25:57.94 ID:KN/oDQIuo
2
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/09(金) 23:23:32.36 ID:WH5NHYjP0
お風呂入ってご飯食べてきた。 三角コーナー丼(゚д゚)グロウマー




昼休みだ。 取り敢えず一番気になる人物と話をしてみよう。



飛鳥「芦戸さん・・・」



芦戸「緑谷。 なにー?」



飛鳥「ごはん・・・一緒に食べよ?」ズイ



麗日「乙女や!!!」ブファ



飯田「麗日君!」



蛙水「・・・・・・」ケロケロ





〜食堂〜




飛鳥「あそこ空いてるな。 座ろう」



芦戸「じゃあ私食券買ってくるから。 席とっといてねー」



窓際の対面で座れる席を確保する。 



しばらくすると、芦戸さんが二人分の昼食を運んできた。



飛鳥「ありがとう」



芦戸「こんくらい大丈夫!」



手をふき、二人で向かい合って食べ始めることにした。 そこで話を切り出す。



飛鳥「芦戸さん・・・その手のことなんだけど」



芦戸「・・・・・」



飛鳥「具体的に、どうやって怪我したのか教えてくれないかな」



芦戸「うん・・・」



それは、昨夜のことだった。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 23:39:46.83 ID:2EDsDZq5o
でもこれで芦戸ちゃんと仲良くなれるといいな
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/09(金) 23:47:19.84 ID:WH5NHYjP0
芦戸さんは、さっそく俺が教えたことを練習し始めたらしい。



最初のほうは調子が良かったが、1時間もすると、手に血が滲み、激痛に襲われたそうだ。



急いで病院に行き、かかりつけ医に手当を受けたらしい。 



医者のほうも驚いていたようだ。



見る見るうちに、芦戸さんの手が抉れていったのだ。



取りあえず芦戸さんに酸の耐久度を上げてもらい、リカバリーガールも緊急で呼んで傷を治したらしい。



しかし、朝からまた血が出始めたので包帯を巻いてきたというわけだ。



・・・・・少なくとも7割は俺のせいだな。



芦戸「すっごい発見だと思ったんだけどなあ。 身体が慣れてなかったのかなー」プラプラ



飛鳥「・・・・・・ごめん」



芦戸「緑谷が謝ることないじゃん! 私が考えなしにやったからだし・・・」



飛鳥「俺のせいだよ。 昨日、追いかけてでもデメリットを説明しとくべきだった。 本当に、ごめんっ!!」



芦戸「おーい」



芦戸さんは謝らなくてよいと言っているが、治ったとはいえ女の子の身体に傷をつけたのだ。 芦戸さんの両親に殴られていてもおかしくない。



芦戸さんがはっきり原因を皆に伝えなかった理由も、俺を庇うためだろう。



芦戸「緑谷って・・・・・と、言うより男子ってやっぱそーゆー変な責任感あるんね。 嫌いじゃないけどさー。


   もうちょっとこっちのことも責めてくれてもいーのに!」



飛鳥「・・・・・・・ごめん」



芦戸「もー!」



始終、謝り続けていた。 戦闘訓練での反省を全く持って生かせていなかったのだから。 





飛鳥「・・・・・そもそもあの爆発は、酸と有機物・・・・・つまり、芦戸さんの肉を削って生み出すものなんだ。


   その気になればかっちゃんの数倍の威力を出せるけど、自身の身体も消費する諸刃の剣。 最後の最後の奥の手として考えたほうがいいんだよ」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/10(土) 00:33:34.72 ID:C5dR1f2F0
飛鳥「そのうえ、酸、爆破の熱、衝撃なんかが加わって骨や筋肉、皮膚がイかれ出す。 かっちゃんはその掌が生まれつき強いんだけれども・・・」



芦戸「そっかぁ・・・」



しばらくの間、沈黙が流れる。 



芦戸さんとしては、ガックリ来たに違いない。



しかしそれでも、無理矢理にでも使用をやめさせるべきだろうか。



そうかと思うと、今度は昨日の芦戸さんの嬉しそうな顔が浮かんでくる。



俺が逡巡していると、芦戸さんが口を開いた。



芦戸「これから、だよ」ボソッ



飛鳥「え?」



芦戸さんは、真っ直ぐに俺の目を見て、両拳を自分の胸に持ってきて、ちょっと息を吸ってから。



芦戸「ついこないだ、緑谷に出会って、見捨てて、殺されかけて、正直、全然好きになれなかった・・・・・!

    
   それでも緑谷のほうから謝って、仲直りして・・・・・・今は、一緒に強くなれる方法考えてる。


   ・・・・・これからだよ! 今回は失敗しちゃったけどさぁ! 私たちならできるって! 緑谷は、私にケガさせちゃったこと


   すっごい後悔してんでしょ!? なら、なおさらくじけてちゃダメだよ! 自分や友達が傷つくからって、前に進むの止めちゃ


   ダメじゃん!! ヒーローなんだから! 全力で当たってこーよ!! PLUS ULTRA! だよー!! 」ブンブン



一気にまくし立てた。 



本当にタフな人だと思う。 弱気になっていたのは、俺のほうだった。



飛鳥「そう・・・だったな! 苦難上等だった!!」



芦戸「そーそー!! その意気その意気!!」ギュウ



つられて俺も元気が出てきてしまった。 



芦戸「あっ! そーいえばまだみんなの誤解といてなかった!」



飛鳥「授業開始まで5分弱か・・・・・・走る?」



芦戸「当然!! 急ぐよー!」ダッ    芦戸さんに手を引っ張られながら、食堂を後にした。
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/10(土) 00:54:12.95 ID:C5dR1f2F0
今日の最終更新です。




〜2週間後〜



プレゼント・マイク『群がれマスメディア! 今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬・・・


          雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ!!??』



ついに、雄英体育祭が始まった。



参加選手は、クラスごとに控室にて待機している。



時計を確認していた飯田が、全員に号令をかける。



飯田「皆 準備は出来てるか!? もうじき入場だ!!」



芦戸「コスチューム着たかったなー」



尾白「公平を期す為、着用不可なんだよ」



それもそうだろう。 体育祭は全員、基本は体操服で出場する。



アイテムの持ち込みは、プレゼント・マイクや青山のように装備が無くては日常生活に支障をきたす者のような特例か、



自身のPRの為、自身の開発したものを装備できるサポート科だけだ。 といっても、入学して1月もたたずにそんなにたくさんの



装備を作れるはずもないが。



上鳴「一人だけ、ど派手アイアンマンカラーだけどここじゃあうらやましく思えてくるぜ。 緑谷。 それ、どうやったら手に入るんだ?」



芦戸「いいよねー! 私も飛鳥みたいな体操服がよかった!!」



飛鳥「そういえばまだちゃんとした理由訊いてなかったな・・・あとでオールマイトに訊いてみようかな」アイザワセンセーハシャベラナソオ



不意に、話しかけられた。



【選択安価】 話しかけてきた人は・・・!?



1飯田 2麗日 3轟 4爆豪 5口田 6三奈 7オールマイト
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