【Zガンダム×艦これ】クワトロ「無理は禁物だ」雷「はーい」【その6】

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1 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 07:56:10.84 ID:jC+W4sdf0
このスレは
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、寝癖が」クワトロ「……これが、若さか」【その5】
の続きです。

前スレから繋げられず、また期間も空いてしまいすいません。
更新は飛び飛びになりそうですが、またご覧になってもらえれば幸いです。

その1〜5

【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434969820/

【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、元気出して!」クワトロ「……うむ」【その2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435853250/

【Zガンダム×艦これ】雷「頑張ったわ、大尉!」クワトロ「すごいな」【その3】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436958531/

【Zガンダム×艦これ】クワトロ「私のケーキは?」雷「はい、大尉!」【その4】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438082983/

【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、寝癖が」クワトロ「……これが、若さか」【その5】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441634524/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477349770
2 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 07:57:56.79 ID:jC+W4sdf0
前スレのあらすじ。

※「サイド3において戦災孤児の少年、アンジェロとの出会いを通し、ついに『シャア・アズナブル』を、そして『キャスバル・レム・ダイクン』を名乗ることを決意したクワトロ。だが、アクシズを覆う闇は深く、ミネバ・ザビを擁しつつもザビ家への復讐をを誓うハマーン・カーンとの交渉はタウ・リンの暗躍もあり完全に決裂。見捨てられたミネバを連れアクシズを脱出した一行に、無数のMSを引き連れたハマーンのキュベレイが迫りつつあった……」

キャーコスギサーン
3 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 07:59:33.26 ID:jC+W4sdf0

>アクシズ 研究施設

「……騒動は収まったようだな」
「ええ、『こいつ』の調整に不備があってはなりませんから、ホッとしましたよ」
「全くだ、なにせ……」


タウ・リン「そいつには『赤い彗星』になってもらわんといかんから、な。ククク」


「誰だ! ……何だ、お前か」
「テロリストの来る場所じゃないぞ! お前は自分の役目を……!(パァン)が、ふ……っ!?」ドサリ
「き、貴様血迷ったか! 我々の支援がなければ貴様らなぞ……(パァン)」ドサリ

タウ・リン「用済みになったのはお前たちのほうさ。港湾、ゴミの片付けは任せる」

港湾「……ハイ」

タウ・リン「ふん、結果的にはシャアに感謝せんとな、こうしてどさくさに紛れて行動できたのだから。さて……待たせたな。起きろ」

《カプセルから身を起こす金髪の青年》

青年「……ようやくか、随分待たされたよ」

タウ・リン「悪いな、舞台を整えるのに手間取った。まあ、展開次第ではお前の出番はなかったのだが、な。クク」

青年「それは……僥倖、と思っておくべきかな? 『彼』のことを差し置いても、僕……『私』にも生きる理由ができたからな」

タウ・リン「……そうか」

青年「少し寄りたい場所がある。状況はそのあとで聞こう」

タウ・リン「わかったよ『赤い彗星』……sy「待て」」

青年「『彼』がいる今、その名はまだ早い。ならば私は……」



「……フロンタル。そう『フル・フロンタル』と呼んでくれ」


タウ・リン「『一糸纏わぬ者』? ク……クハハハ! そいつは奴にとって随分な皮肉だな!」

4 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 08:01:21.95 ID:jC+W4sdf0

>アーガマ ブリッジ


トーレス「Z、着艦を確認! ブレックス准将、ウォン代表を収容しました!」

カミーユ(通信)『こちらカミーユ! 前線の援護に向かいます!』

ブライト「頼むぞ! 増援、どうか!?」

サエグサ「依然増加中! このままですと……」

ブライト「侵海MSの出現もありえる、か……間宮、アーガマの出力上げろ! 頃合を見てパラライザーで足止め、戦域を離脱する!」

間宮「了解です! アーガマ、もう少し頑張って」



>戦闘宙域


カミーユ(Zガンダム)「大尉の援護に向かわないと……アンジェロ、本当に付いて来る気か?」

アンジェロ(ローゼンハンマ・PA)「大佐だけに負担をかけられるか! 心配しなくても後方からの援護に留める……おい北方! まだサイコア
ーマーのマッチング終わらないのか!」

北方(アンジェロの頭の上)「ンー、マダチョット合ワナイ。あすとなーじニヤッテモラッタラヨカッタ」ガチョンガチョン

カミーユ「はあ……仕方ない、無理はするなよ(ピキィィィン)っ! 離れろ、アンジェロ!」

アンジェロ「(ピキィィィン)っ! わかってる!」ゴォッ


バシューッ!!


北方「ワワワ!」

カミーユ「メガ粒子砲! かなりの出力だ。どんな奴が……」



マシュマー(ハンマ・ハンマ)「見つけたぞぉぉぉぉっ! 大人しく私の麗しきMSを返せぇぇぇぇ!!」



北方「ア、同類来タ」

カミーユ「同類? 確かに同型機みたいだけど」

アンジェロ「あんなのと一緒にするなっ!」

5 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 08:03:54.15 ID:jC+W4sdf0

>戦闘宙域 前線


・ガザC×21
・ガザD×7
・ドライセン×15
・ガルスJ×2
・ガルスK×1


ピシュピシュン
バシューッバシューッ
ドシュンドシュン


アポリー(シュツルムディアス)「多勢に無勢だってのに、容赦ないな全く!」バシューッ!

ロベルト(シュツルムディアス)「泣き言言う前にとにかく撃て!」ピシュピシュン


「ドムもどきが本家ドムの流れを汲むドライセンに勝てると思うな!」
「マニューバJ・S・Aだ! 一気に畳み掛けろ!」
「おうっ! 5小隊同時のジェットストリームアタック、躱したところでぇっ!」


アポリー「(ピピピピ……ピーッ)っ!? センサーが誤認を……ええい、避けるしか!」

ロベルト「いかん! アポリー!」

《ドライセンの影から現れるガルスK》

アポリー「しまっ……!」

「ハイパーナックルバスター……ゼロ距離! もらった!」


ザシュッ……ドガァァンッ!


「なっ!? う、腕が……(ガシャァァンッ)ぐうっ!」

ガトー(Zプルトニウス)「遅い! チェストォォォッ!」ズバッ! ザシュゥッ!

「うわぁぁぁっ!?」
「は、速っ……がぁぁぁっ!」

夕立改二「これもおまけっぽい!」ドパァンドパァンッ!

「うぉぉぉっ!?」
「や、やつは後ろに目でも付いてるのか!? ぐわぁぁっっ!」

「い……一瞬で13の小隊が戦闘不能……!?」
「や、やはりアクシズで見たのは記憶違いじゃない……あのMSのパイロットは……『ソロモンの悪夢 アナベル・ガトー少佐』……!」


アポリー「ガトー少s……大尉!」

ロベルト「助かりました、かたじけない」

ガトー「いえ、無事でなにより」

夕立改二「ぽい! ここは夕立と少佐さんにおまかせっぽい!」


6 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 08:08:32.58 ID:jC+W4sdf0

>アクシズ 近海


ハマーン(キュベレイ)「ふん……裏切り者が揃って首を差し出しに来たか」

キャスバル(ゾーリンソール)「待てハマーン! 自分が何をしようとしているのか、理解しているのか!」

ミネバ「ハマーン……お願い、話を聞いてくれ! 元の優しいハマーンに戻ってくれ!」

ハマーン「今更くだらぬ事をグチグチと……私の望む未来には貴様らが邪魔だと言っている!」

雷「そんなの嘘よ! ハマーンさんは意地を張ってるだけだわ!」

ハマーン「黙れ小娘が! その賢しい口、二度と開けなくしてやる! ファンネル!」シュパパパ キキキュン キキキュン

キャスバル「くっ……ソードブレイカー展開! 守れ!」


ビシューッ! バシィィン
ビシューッ! バシィィン


ハマーン「ぬ……機体性能に救われたか。だがそれも……」

キャスバル「もう止せ! 今の君のやり口は、嫌悪していたザビ家の行動そのものだぞ! そんなものに染まる必要などないんだ!」

ハマーン「ほう? ならばザビ家はザビ家に滅ぼされる形になる。それこそ痛快というものだ」

ミネバ「ハマーン……やめてくれ……そんなことを、言わないでくれ……ハマーン……」

ハマーン「安心しろ『ミネバ・ザビ』。私は『ミネバ・ザビ』は大切にするさ……『私の言うことを聞くミネバ・ザビ』は」

ミネバ「ハ、マー、ン……」

ハマーン「だから安心して……ここで『偽物』として死んでいけ」

キャスバル「ハマーン! いい加減に……!」

ハマーン「賢しいぞシャア!」ヴォン……バヂィィィン!

キャスバル「ぐっ……!」バヂバヂバヂ

雷「大尉!」

ハマーン「思えば、貴様は初めからそうだったな」

キャスバル「何?」

ハマーン「戦場を臆病風に吹かれて逃げ出し、小娘の口車に乗せられて舞い戻る。貴様はその繰り返しだ! そんなことではザビ家への復讐も半端

なものになって当然だ! 此度もその小娘に乗せられていい気になっているだけだろう!」

雷「ちょっと! わたしはそんなことしてないわ!」

ハマーン「どうだかな、そいつは子供を誑し込むのが上手いのさ。哀れだよ、お前は」

雷「哀れ?」

ハマーン「シャアは、その男は女を食いつぶして生きるのさ。それがわからない、ララァとかいう女も、お前も、その男のために無駄死にするのが

お似合いだ!」

――――プチン

雷「なっ……! ちょっと! 言わせておけば……!!」





キャスバル「今、なんと言った?」


7 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 08:09:58.16 ID:jC+W4sdf0

ミネバ「シャア……?」

雷「た、大……尉?」


ズズズズズズズ


キャスバル「ララァが無駄死にだと? 雷が哀れだと? ハマーン……君は忘れてしまったようだな」

ハマーン「なっ……何、だ、この、強大なプレッシャー、は……!」

キャスバル「人には触れてはならない思い出があると……汚してはならない領域があると……君がララァの記憶を見た時に、私は教えたはずだが?」

ハマーン「ひっ……!?」


コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛



キャスバル「ミネバ……すまないが、ハマーンには少し『おしおき』が必要なようだ」

ミネバ「う……うむ、よきにはからえ」

キャスバル「雷、デストロイモード開放を」

雷「りょ、了解よ!」


ゾーリンソール(デストロイモード)「」ギィンッ


ハマーン「う……く、うっ! 嘗めるな! ニュータイプとしての力なら、とうの昔に私は貴様より勝って……」




キャスバル「ハマーン。少し頭を冷やそうか」



ハマーン「……っ! ファ、ファンネル! 奴を……シャアを墜とせぇぇぇっ!!」

キキキュン キキキュン
キュィィ……

キキキュイン
ズガガガガガガガガガガッ!

《片っ端からソードブレイカーに撃墜されるファンネル》


ハマーン「……え?」

キャスバル「終わりかね? では……私の番だな」


――――ゴオオッ!!



8 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 08:11:10.86 ID:jC+W4sdf0


>アクシズ 廃棄施設


――――イタイ
――――イタイ


――――クライ
――――クライ


――――サムイ
――――サムイ



――――タスケテ


――――ダレカ
――――ダレカ……



「……待たせて、しまったね」


――――アタタ、カイ


「ア……アア……!」


――――キテ、クレタ


「まだ喋らないほうがいい。すまない……君しか、助けられなかった」
「ふん、死にぞこない相手に、よくやるもんだ……死なせてやったほうが、慈悲深いかもしれねえものを」
「黙れタウ・リン。こればかりは口出しはさせん」
「ちっ……好きにしろ。港湾、手伝ってやれ」
「ハイ」


――――ワタシノ、『テイトク』


「ウ……ア……」
「……足が『こう』では立つことも……私に捕まりたまえ」


――――テイトク、アタタ、カイ


「ナ……マエ」
「名前……? ああ、私の名はフル・フロンタル。君の、名は?」


――――ワタシ
――――ワタシノ、ナマエハ



「ハル、サメ」

9 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/25(火) 08:13:57.91 ID:jC+W4sdf0

今回はここまでです。
また感想など頂ければありがたいです。

あと本作はMSがスパロボ的インフレ気味なので「合わない」という方には申し訳ない。

できるだけコンスタントに更新したいです。では。
10 : ◆jIEqZKD2vo [saga sage]:2016/10/25(火) 08:33:20.37 ID:jC+W4sdf0
ちょっと修正……
H・N・BをガルスKが使ってますが変形したガザDとの連携ということで。
ガ・ゾウムはちょっと早いと思ったのとH・N・Bの人のSS見て出したくなったもので……

適当で申し訳ない。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 08:48:20.82 ID:DmjqSTXzo
戻ってきた!待ってた!
乙!
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 09:06:31.88 ID:zknf0hUfo
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 09:09:53.96 ID:6w9ZkpcNO
待ってたぜ
全裸にわるさめちゃんも参戦か
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/10/25(火) 09:53:44.69 ID:KkRLezlh0
ずっとまってたぜ。やったぜ。カトちゃん。乙。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 10:02:08.20 ID:8L+bSimSO
>>1
復帰乙です。そしてフロンタルと春雨がどう絡んでくるのやら
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 10:33:36.29 ID:phbaHFldo
どうせまたエタるだろ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 11:51:20.74 ID:ZYGeGFwCO
風呂敷広げすぎてエタったかと思ったが何より。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 13:01:58.46 ID:/mmE15+dO
スレ落ちてもいいから続いてさえくれればいい
別に一つのスレにどんどん書き続けるのが偉いとかそういう訳じゃないし
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 13:30:45.46 ID:l6N4CtRZo
待 っ て た !
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 19:23:45.27 ID:4IeyiuR1o
待ちわびたぞいっちぃぃぃ!
焦らずともいいので確実に話を紡いでくだされ!
21 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/26(水) 23:44:50.08 ID:EIMUpxDQ0
いきます。

※※※※※※


>戦闘宙域


・ハンマハンマ(マシュマー)
・ガザC×12
・ズサ×9

マシュマー「私があのMSを取り戻す! お前たちはガンダムを押えろ! 相手が相手だ、油断するな!」

「了解!」
「マシュマー様は指揮官としては有能なんだよなあ」
「あの独特な感性がなけりゃなあ……」

マシュマー「なんか言ったか!」

「「イエ、ナンニモ」」


カミーユ「狙いはアンジェロのMSか? アンジェロ、一旦下がって……」

アンジェロ「冗談! あんた一人残して下がれるか!」

北方「調整終ワッタ。かみーゆ、無茶スルナー」

カミーユ「はぁぁ……まあ、俺が人のこと言えたもんじゃない、か」

アンジェロ「来たよ!」


22 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/26(水) 23:45:28.40 ID:EIMUpxDQ0

バシューッバシューッ
ドシュンドシュン

ドドドォン!!


マシュマー「ズサ隊はミサイル絶やすな! 飽和攻撃で足止めすれば動きも鈍る!」

「マシュマー様、爆煙で敵が見えませんが……」

マシュマー「それは敵も同じだ! ガザ隊、私に続……(バシュンッ!)なぁっ!?」

《Iフィールドに吹き飛ばされる煙》

Zガンダム(メガシールド展開)「」

ローゼンハンマ(サイコアーマー広域展開)「」


カミーユ「この程度の火力じゃ墜ちないんだよな」

北方「エヘン。ホッポ、スゴイ!」

アンジェロ「隙だらけだ! これでも食らってろ!」シュパン バシューッバシューッ


「(ズガァァン)うわっ!」
「(ドゴォォン)ミ、ミサイルポッドが!」

「こいつめ!」
「まずはガンダムを!」

カミーユ「遅い! フィールド反転、シールド・プラズマリーダー!」


バリバリバリバリバリバリバリバリィィッ!!


「「あばばばばばばばば!?」」

マシュマー「ええい、何をしている情けない! 多少はやるようだがその程度! 見ていろ! ハマーン様の騎士、マシュマー・セロ参る! おおおおおおっ!」ゴォォォォッ!!


北方「タコヤキ、行ケ」

浮遊要塞「VO」


ガブリ


マシュマー「ぬわあああああああっ!? モニターが! モニターが死んだ!? 何も見えん! おのれ卑怯者ぉぉぉぉ!!」ジタバタ

浮遊要塞「VOー」ガジガジ

「ハ、ハンマハンマが食われている……」
「エゥーゴはなんて恐ろしい兵器を開発したんだ……」

カミーユ「……何か凄い風評被害を受けているような」

北方「?」

アンジェロ「くそっ、こいつらのせいで大佐の援護が遅れてしまったじゃないか」

マシュマー「ハマーン様ぁぁぁ! この無力な私をお許し下さいぃぃぃ!」


北方「ヤッパリ、同類」

カミーユ「ああ、納得」

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/26(水) 23:50:32.47 ID:WmPhG8zW0
続きが来た
24 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 00:47:03.75 ID:4cF5OL/T0
>アクシズ 艦艇ドック内 ヌーベルエゥーゴ輸送艦


タウ・リン「よう、ようやく格好がついたか。流石に病人服のままは情けないからな」

フロンタル(UCの衣装)「ああ……だが、これは随分ケレン味が強すぎると思うのだが?」

タウ・リン「『赤い彗星』になるんだろう? ならその格好も仕事のうちさ。役者は役者らしく、ってな、ククク」

フロンタル「……因縁も何も関係なく、純粋に『彼』を殴りたいと今思ったよ」


港湾「タウ・リン、コチラモ、終ワリマシタ」

「……テイ、トク」フヨフヨ


タウ・リン「ほう……出来損ないが、まあまあまともに見れるようになったじゃないか」

「……ッ!」シュッ

ガキィンッ!!

「オマエ……二度ト、ワタシヲ『出来損ナイ』ト呼ブナ……!!」ギリギリ

タウ・リン「怒ったか? だが、事実は事実で……(チャキッ)なんのつもりだ、フロンタル」

フロンタル「彼女に対する侮辱はやめてもらおうか。さもなくば……私はこの引金を引かざるを得ない」

タウ・リン「……チッ。了解だ」

フロンタル「結構。今後も良き関係でいたいものだ」

「テイトク……!」

フロンタル「大丈夫だ、今後は君を侮辱させはせんよ……体はもう、痛くないか?」

「ハイ……! 港湾棲姫サンガ治シテクレテ……!」

港湾「……デスガ、失ッタ足ハ再生デキマセンデシタ……ゴメンナサイ、力不足デ」

「充分デス、コウシテ、動クコトハデキマスカラ。アリガトウゴザイマス」

フロンタル「私からも感謝を……ありがとう」

港湾「ア……エト……」

タウ・リン「ふん、向こうが勝手に感謝しているんだ。させておけ」

港湾「ハイ……」

「テイトク、アイツ、キライ」ガルルル

フロンタル「言わせておけばいいさ。さて……どうやら、我々の出番もありそうな戦況だが?」

タウ・リン「そうだな……あの世間知らずの女帝気取りが奴の逆鱗に触れたらしい。哀れだから助けに行ってやれ。俺は俺で、やることがあるしな」

フロンタル「了解した。MSは?」

タウ・リン「アナハイムとの取引でせしめた奴の機体の試作型がある。使え」

フロンタル「相当な無茶振りをしているのは理解しているのかね?」

タウ・リン「出来るだろう? 『赤い彗星』なら」

フロンタル「……いいだろう。『彼』に対する戦端の狼煙にするとしよう」

「オ供シマス、テイトク」


タウ・リン「……フロンタル」

フロンタル「何か?」

タウ・リン「その『駆逐棲姫』を気にかけるのはいい。だが、最終目的に反するなら俺は貴様を……「春雨」」


フロンタル「この子は『春雨』だ。どれほど原型を留めていなかろうとも、そう主張する限り、な……私の、ように」

駆逐「テイトク……」

タウ・リン「……ふん、好きにしな」

フロンタル「ああ。行くぞ、『春雨』」

駆逐「ハイ!」
25 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 05:37:43.74 ID:4cF5OL/T0

>アクシズ 近海


バキィィン! バキィィンッ!
バシューッバシューッ!

ハマーン「(バキィィィンッ!)ぐ……ううっ! ば、馬鹿な……こんな……こんな、ことが!」

キャスバル「驚く暇があるのなら、動いてはどうだ?」ヴォン

ハマーン「(ピキィィィン)っ! 後ろ!」ゴォッ


ザシュッ!


ハマーン「な……避けたはずだ! 躱したはずだ! ならば何故……キュベレイの腕が切断されている!?」

キャスバル「その程度の動きと反応、アムロやカミーユ……そしてあのタウ・リンと比べればスローモーションだ」

ハマーン「馬鹿に、してぇぇぇっ!」バシューッバシューッ!


バキィィン! バキィィン! 


ハマーン「あ……」

キャスバル「メガ粒子の斬り払い……ガトー大尉の真似だが、出来るものだな。まだ、続けるかね?」

ハマーン「う……五月蝿い! そんな決定権が貴様にあるものか! あってたまるかぁぁ!!」


ゴォッ バギィンッ!


ミネバ「凄い……これが、シャアの操縦なのだな。それに……ハマーンと戦っているのに、何かを教えようとしているようにも感じる」

雷「そうね。大尉は確かに怒ってるけど……ハマーンさんに間違いに気づいてほしい気持ちは変わってないから」



26 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 05:39:33.26 ID:4cF5OL/T0


戦闘開始より数分……


キュベレイ(満身創痍)「」バヂ……バヂ……


ハマーン「こ、こんな……これほどの、差が、私とシャアに……」

キャスバル「MSの性能の差、だけと思っていたか? 残念だが……これが現実だよ、ハマーン」

ハマーン「…………嬲るくらいならば、いっそ殺せ! そうして……貴様の思う通りにやればいい! その『ミネバ・ザビ』を使って! 望むままの世界を作ればいいさ!」

キャスバル「……ハマーン、私は君を拒絶などしない。前にも言ったが……私の勝手で面倒を押し付けた償いをしたい思いに変わりはないんだ」

ミネバ「ハマーン! ザビ家に恨みがあるなら私が償う! だから……だから、話を聞いてくれ!」

雷「ハマーンさん……みんな、あなたのことを心配しているの。一人だけで考えて、悩んで、思いつめないで!」

ハマーン「わ……私、は……」


バシューッ!!


キャスバル「っ!? 何者、だ……!? この、感覚、は……?」

雷「え……大尉と、同じ……? それに、これは……艦娘? 深海棲艦?」

ハマーン「……白い、MS?『援護に入る、下がってくれ』っ!? こ、この声は……シャア、だと!?」



シナンジュ・スタイン「」ゴォォォォッ!!



フロンタル「さて……見せてもらおうか『赤い彗星』の力というやつを!」

駆逐「テイトクノ敵……艦娘……ワタシガ、ワタシタチガ、破壊スル!」

27 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 07:08:12.82 ID:4cF5OL/T0


ゴォォォッ! バキィィンッ!!
ゴォォォッ! バシューッバシューッ!!

《宙域を縦横無尽に飛び交うゾーリンソールとシナンジュ・スタイン》


キャスバル「くっ、何者かは知らんが、巧い……! ミネバ、すまんが気遣う余裕がない! しっかり捕まっていてくれ!」

ミネバ「わ、わかった!」

雷「ねえ、接触回線で聞こえてるでしょ! そこにいる艦娘……あなたは誰なの!?」

フロンタル「流石は『赤い彗星』、凄まじい性能、凄まじい腕前……だが!」

駆逐「シナンジュ……テイトクノ為、モット力ヲ!」

シナンジュ・スタイン「」ギィンッ


ゴォッ!


キャスバル「っ! まだ加速する!? ならば!」

雷「ゾーリンソール! ソードブレイカーを!」

ゾーリンソール「」ギカァンッ


シュパパパパ
キュィィィ……!


フロンタル「オールレンジ! 少々、まずいか?」

駆逐「ヤラセナイ! シナンジュ!」


メキメキメキィ!

《シナンジュ・スタインの装甲が変形し現れる砲塔》

ズドンズドンズドォンッ!


雷「止められた!?」

キャスバル「だが本体が無事なら!」

フロンタル「いいぞ春雨! 止まりさえすれば!」ギュオッ!


ヴォン……ザシュウッ! ズバシュウッ!
バシュバシューッ!!

28 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 07:08:40.32 ID:4cF5OL/T0

ゾーリンソール(右肩損傷)「」バチバチ

シナンジュ・スタイン(左足・背中損傷)「」バチバチ


フロンタル「く……攻めきれなかったか。しかも追撃まで……まだ、私も不完全であると理解してはいたが」

駆逐「テイトク!」

キャスバル「……今の動き、攻め方……完全はないがまるで『私』のそれだ。クローン……とも違うような。ならば一体?」

雷「今の現象は深海棲艦のそれ……でもこの気配はわたしと同じ艦娘……どういうこと?」


駆逐「テイトクヲ、傷ツケタ……敵、許サナイ……許サナイ!」


シュゴォォォォォ……!!

シナンジュ・スタイン(赤色発光)「」メキメキメキィ……!


キャスバル「深海化か!」

フロンタル「いかん、春雨! 治りかけで無茶をするな!」

駆逐「テイトクノ敵、殺ス……ワタシガ、ワタシタチガ、コロス!」

ミネバ「あ、あああ……っ!? こ、怖い……なん、だ、これは……!?」

雷「っ! いけない、ミネバちゃんが!」

キャスバル「何!? くうっ……! やっかいなことに!」




シナンジュ棲機「SYUUUUUU……」フィィィィィィ



フロンタル「ぐっ……また、凄まじい感情の渦だな……だが……やってみるさ!」

駆逐「テイトク……マモル……敵……コロス!」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 07:26:39.56 ID:rsWRxaIOo
仲間になったら合体攻撃「赤い双星」とかやっちゃうんだろうな(XO並感
30 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 07:36:44.62 ID:4cF5OL/T0


ズガガガガガガガッ!!
バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!!


フロンタル「これだけの力ある機体でも互角がせいぜいとは、つくづく怪物じみた存在だな『赤い彗星』!」

キャスバル「ぬ、くっ……(時間をかければ勝てぬ相手ではない、しかし……)」

ミネバ「はっ……はっ……」

雷「う……ううっ……ダメ……向こうの思念が強すぎて、ミネバちゃんへの影響を抑えるので……精一杯……ごめんなさい、大尉……」

キャスバル「気にするな、ミネバを守ってやってくれ(このままでは、先に雷やミネバが……!)」

駆逐「壊レロ……壊レロ……テイトクノ敵、壊レロ!」


シナンジュ棲機(ハイパービームサーベル二刀)「WOOOOUUU……!」ヴォォォォォン……!!


フロンタル「……あまり時間をかけたくもない。決めさせてもらう」

キャスバル「っ! 来るか……ならばこちらも!」


ゾーリンソール(ハイパービームサーベル二刀)「っ!」ヴィィィィィン……!!


雷「ゾーリンソール……大尉を、守って……!」

駆逐「テイトクノ敵……壊セ! シナンジュ!」



キャスバル「おおおおおおおおっ!!」ドギュウンッ!!
フロンタル「はあああああああっ!!」ゴォォォォッ!!




フロンタル「ぐぶっ……!? がはっ!」

駆逐「ッ!? テイトク!」



――――バギィィィィィンッ!!



31 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 08:04:04.24 ID:4cF5OL/T0


シナンジュ・スタイン(右腰部大破)「」シュゥゥゥゥ……



駆逐「テイトク! テイトク!」

フロンタル「ぐ、うう…………ふふ、ははは……どうやら、私はまだ、春雨の力を使いこなせないらしい……すまないな、未熟な提督で」

駆逐「ソンナコトナイ! ゴメンナサイ、ワタシガ、敵ヲ倒スコトニ夢中ニナッタカラ……ゴメンナサイ、テイトク。ゴメンナサイ……」



ゾーリンソール(デストロイモードOFF)「」ガシュンガシュン……



キャスバル「しのぎ切れた、か……向こうの不調らしきものに助けられた形だが」

ミネバ「う、ん……あれ? 苦しく、ない?」

雷「ミネバちゃん! よかったぁ……」

キャスバル「……あの機体からの敵意は消えたが……さて、どう出る?」



シナンジュ・スタイン「……」

ゾーリンソール「……」



フロンタル「……ハマーン・カーンはサダラーンに戻れたようだな。我々の役目は終わった、帰投しよう」

駆逐「ハイ、テイトク」

フロンタル「『赤い彗星』……次は私ももう少しまともに戦えるようにしておこう、楽しみにしていてくれ」

駆逐「テイトクノ敵、艦娘……次ハ、必ズ殺ス」


――――ゴォッ!


32 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 08:13:10.22 ID:4cF5OL/T0


キャスバル「……行ってくれたようだな」

雷「あのMSに乗っていた艦娘……すごく強い思いを感じたわ。それだけ、パイロットの人を思って……」

キャスバル「で、あろうな……雷、艦娘同士での戦いが辛いなら……」

雷「……ううん、大尉と一緒に戦うわ。彼女の正体もわからないし、説得の望みがないわけじゃないし……それに、どんなことがあっても……大尉と一緒に居たいから」

キャスバル「そうか……ありがとう、雷」


ミネバ「す、すまない、シャア、雷。私がいなければ、勝てたのだろう?」

キャスバル「いや、そうとは言えない……かなり手ごわい相手だった。それに、今回の目的はハマーンの説得……それを考えれば、そう悪い結果ではない」

ミネバ「そう、なのか?」

キャスバル「強引な手段ではあったが、話を聞く姿勢は見せていた……なら、繰り返し説得するまでだ」

ミネバ「そう……か、そうか! なら、私も諦めずハマーンに呼びかけてみるぞ!」

雷「その意気よミネバちゃん!」

ミネバ「うむ!」

33 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/27(木) 08:14:52.80 ID:4cF5OL/T0
ひとまずここまで。
今日中に続きを書きたいなぁ、と。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:38:36.81 ID:+mQ1N6w+0
待ってたよ!
戻ってきてくれて嬉しい!
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 21:41:58.78 ID:2YtqiE00o

フロンタルと今はスタインだけどシナンジュがいるって事はあれも出てくるのかな…
この世界だと大惨事の予感しかしない
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 22:37:28.30 ID:DU5S7E80O
ダイクン神拳でなんとかなる
37 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 00:00:54.60 ID:yROS4kTj0

>ラーディッシュ ブリッジ


ヘンケン「増援が収まってきたな」

リーゼント「押忍! クワトロ大尉とガトー大尉が前線を抑えてくれてアーガマ、ラーディッシュ両艦の直衛戦力が増えたので動き易いであります!」

ヘンケン「アーガマのパラライザーに合わせてこちらも離脱するぞ。後退の信号弾、タイミング間違うな!」

リーゼント「押忍!」


>戦闘宙域 前線


バチ……バチィ……

《戦闘不能状態で漂う無数のMS》


「う、嘘だろ……100機以上は居たってのに……」
「たった一機で……しかも、撃墜ではなく戦闘不能にして……」

「あれが……『ソロモンの悪夢』……!!」


ガトー(Zプルトニウス)「ふぅ……っ。攻めてこない、か。どうやら、こちらの気迫に臆してくれたようだな」

夕立改二「もう何機相手したか覚えてないっぽい! そうでなきゃ困るっぽい!」

ガトー「少々後ろに通してしまったが……カミーユたちが対応してくれたらしいしな。さて、頃合を見て、我々も……」

夕立改二「(ピーッピーッ)っ! また増援来たっぽい!? あれ? 一機だけ……?」

ガトー「何? 油断するな夕立。強者の可能性が……なっ!?」




リックドム・カスタム(カリウス機)「」ゴォォォ……



ガトー「カリウス……? どういう……」

夕立改二「あれカリウスさんのMSっぽい? じゃあ、味方になりに来てくれたんだ!」

ガトー「いや……ならば識別ビーコンをエゥーゴに変えているはずだ。通信も無い……」

夕立改二「え……? わかった! 別の人が乗って少佐さんを油断させようと……卑怯っぽい!」



カリウス(通信)『……ガトー、少、佐……』



夕立改二「え? え? やっぱり本人っぽい?」

ガトー「カリウス! 何故こちらに……(ピピピピピ)っ!?」←ロックオンアラート


バシューッ! バシューッ!!


夕立改二「撃って来たっぽい!? え……この、感覚、は……!」

ガトー「……まさか……まさか!」



カリウス『逃げ、て……くだ、さい……ワタシ、ノ 体、HA……モウ…………ガアアアアAAAAAAAッ!』

リックドム・カスタム(赤色発光)「」コォォォォォ……!



バシューッバシューッバシューッバシューッ!!

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 00:16:44.25 ID:eWEjcMu9o
ダイジョブ! フルサイコフレームGP03なら、サイコフレームの量では負けてないから!!
つうかそろそろアストナージ、OTでも十全に使えるサイコミュ開発しそうな勢いだな。
(インコムのような簡易サイコミュじゃなく、マンマシーンに搭載されてる物)

他に考えられるのは、ゾーリン・ソールにミノフスキードライブの搭載か……。
あの時代(U.C.0200年代)のミノフスキードライブは、光の翼みたいな無駄エネルギー出さないし。
一見すると普通のスラスターだから、誤魔化せる……よね?
39 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 00:33:51.00 ID:yROS4kTj0


>エンドラ級 ユーリー・ハスラー乗艦 艦内


タウ・リン「ククク……ハハハハハ! かつての仲間に襲われる気分はどうだ? アナベル・ガトー! 下らん理想に染まったテロリスト風情には似合いの末路だなぁ? ハハハハハ!」

ハスラー「貴様……! 義に殉じた漢たちの思いを踏みにじるか! 許さん……(ガッ)ぐあっ!」

タウ・リン「それ以上俺をイラつかせるその口を開くな……なんならここにいる貴様のシンパを皆殺しにしてもいいんだぞ? 事実、アクシズの裏切り者なのだからな」

ハスラー「スペースノイドの真なる開放の意味もわからぬ者に……(ズンッ)が……ふっ」ドサリ

タウ・リン「黙れよ。星の屑を実行した連中もクソだが、臆病風に吹かれて支援という名の日和見をしていた貴様もまさしくクソ虫だ」

ハスラー「う……ぐが……」ガクリ

タウ・リン「なぜ俺が貴様を殺さんか分かるか? アクシズの火種になってもらいたいからだよ……せいぜい理想だの大義だのを振りまいて……アクシズをガタガタにしてくれよ? 期待してるぜ、コ・シ・ヌ・ケ・ジ・ジ・イ」


ウィーン

ハウエル「ハスラー! 何が……っ! 貴様、何をしている!」

タウ・リン「落ち着けよ、俺は裏切り者の始末と、その協力者に制裁を与えただけだぜ?」

ハウエル「裏切り、だと?」

タウ・リン「今回の件、元デラーズフリートのアナベル・ガトーに元部下のカリウス・オットーが加担した。ユーリー・ハスラーは縁ゆえに断れず協力した……俺はハマーン・カーンからその後始末を任されたってわけだ」

ハウエル「……貴様の私刑に見えるがな」

タウ・リン「なにせ戦闘中だからな、荒っぽくなるのは仕方がない……『カリウス・オットーは責任を取ると言って自らアナベル・ガトーを討ちに向かった』。こういう次第さ」

ハウエル「……了解した、納得はせんがな。ハスラーの身柄を渡してもらおう」

タウ・リン「好きに持っていきな」


ハウエル「…………貴様がなんのためにアクシズに近づいたかは知らん。だが、勝手がまかり通ると思うな」

《ハスラーを担いで退出するハウエル》


タウ・リン「……イデオロギーの犬どもが! せいぜい仲間内で殺し合いやがれ!」

40 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 01:14:45.83 ID:yROS4kTj0

>戦闘宙域


ゴォォォッ! バキィンバキィン!
バシューッバシューッバシューッ!

リックドム棲機「GUAAAAA……」ビキビキビキ
リックドム・カスタム「UUUUU……」メキメキメキ

《深海化と逆転を繰り返すリックドム》


ガトー「カリウス!」

夕立改二「カリウスさん!」


カリウス『ガ、AA……少、佐……ワタシ、ハ、モウ……助かRA、ナい……せメて、少佐の、手DE……』


ガトー「馬鹿を言うな! 夕立! カリウスを深海化させている『核』があるはずだ! それを探れ!」

夕立改二「了解っぽい! ムムムム……!」


バキィンッ!


カリウス『ショ、U、佐……』

ガトー「今少し耐えろ! まだか、夕立!」

夕立改二「……あ……ああ……そん、な……」

ガトー「夕立!? 何が見えた!? 夕立!!」

夕立改二「『核』が……ない、の……どこにもないの! 深海化システムとか、そういうのが……なんにもないの! あるとするなら……カリウスさんの身体そのもの!」

ガトー「な、に……!?」


カリウス『ア……アNO男が……タウ・リンGA、言っテイMAシタ……ワタシの、無念、そのものWO……触媒ニ、スルTO……ワTAシの怒りガ、少佐を、殺SUと……』


夕立改二「そんな、ことって……」

ガトー「お……おのれタウ・リン! どこまでも人を嬲るかぁぁぁ!」


カリウス『グ……はぁっ! い、今こうしている間にも……私の全てが変わっていっています! 少佐への憎しみまで、感じてきているのです! だから……だから! グッ!? AAAAAAAAAA!!』


ガトー「カリウス!」

夕立改二「カリウスさん!」


カリウス『殺SIテ、クだ、SAイ……私、が、バケMOノに、成ル MAえ、ニ…………GOAAAAAAAAAAッ!!』


メキメキメキメキィ……!!





リックドム棲鬼「OOOO御雄雄悪悪悪汚汚汚OOO――――ッッ!!!」



41 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 01:43:11.34 ID:yROS4kTj0


夕立改二「あ、ああ……こんな、こんなのって……」


「ひっ……!? いぎ……がっ……!」
「ぐる、し……たす……」


ガトー「……夕立、やる、ぞ」

夕立改二「っ!? ま、待って! 少佐さんはソロモンでドズルさんの怨念だけを切れたじゃない! それなら、今度も……」

ガトー「無理、だ。それはお前のほうがよく理解しているだろう……カリウスは……その『本質』から変えられている! タウ・リンによって! 我々では……どうしようも出来ぬほどに!」

夕立改二「だって……だって! それじゃあ!」

ガトー「もはや猶予は無い! 見ろ! 我らが切り伏せたMSのパイロットたち……彼らがカリウスから発せられる悪意を受け続ければ死ぬ! そうなれば侵海MSの出現は避けられん! 我らが……我らが、斬るしかないのだ!」



リックドム棲鬼「SYOウ、SA……コロ、SI……」



ガトー「…………お前の、望み……聞き届けよう……夕立ぃ!!」チャキン

夕立改二「…………プルトニウス! リミッター解除! ビームセイバー……出力、全開ぃぃぃっ!!」



Zプルトニウス(リミッター解除)「」キュィィィィィィィ……!!


――――ゴォッ!!


リックドム棲鬼「ッ!! GAAAAAAAAAAAAAAAッ!!」バシューッバシューッバシューッ!


ガトー「カリウス……許せ、などとは言わん……いや……私を憎め! 私を恨め!!」

バキィン

ガトー「お前を殺す私を憎め!」

バキィンバキィン

ガトー「助けられぬ私を恨め!!」

バキィンバキィンバキィン

ガトー「お前を……導けぬ私を……この世の誰よりも憎め! カリウスゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィン!!!





ガトー/夕立改二「「うああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!」」



――――ザシュッ…………!!

42 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 02:06:52.14 ID:yROS4kTj0



リックドム棲鬼「GO……AGA…………」


バヂ……バヂ……
シュゥゥゥゥゥゥゥ……

《黒い霧となって分解していくリックドム棲鬼》



夕立改二「カリウスさん! 今なら聞こえるでしょ!? 少佐さんに伝えることがあるなら……カリウスさん? 返事をして!」

ガトー「……夕立、もう、いい」

夕立改二「どうして? なんで……なんで声が聞こえないの!? カリウスさんだけじゃなくて、リックドムの声も! こんなのって……こんなのってないよぉぉぉぉ!! うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

ガトー「夕立!」

夕立改二「ひうっ」ビクッ

ガトー「カリウスは……潔く、逝ったのだ……自らが、完全な怪物となる前に……それで……良しとしろ! そう、して、くれ……」

夕立改二「少佐、さん……」


ガトー「いつまで、だ……ケリー、ビスレィ、シーマ中佐、ドズル閣下、デラーズ閣下……一年戦争で、星の屑で死んだ諸々の人々……そして……カリウスも、また……」


ガトー「いつまでだ? いったい、いつまでだ!?」





ガトー「いつまで私は……屍の山を築き続けねばならんのだぁぁぁぁぁぁぁ――――っっ!!!」



43 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 02:43:59.94 ID:yROS4kTj0

>アクシズ旗艦 サダラーン


「ハマーン様、ご帰還!」
「キュベレイ、ワイヤー固定急げ!」
「医療班とタンカもだ!」

ハマーン「……ご苦労」

「ハマーン様! お怪我は……!」
「今タンカを」

ハマーン「いらん、自分で歩ける」

ハマーン(シャアに見逃された……気に食わんことだ。が、今それはいい。問題は乱入して来たMSのパイロット……)

タウ・リン「よう、無事に帰還できてよかったな」

ハマーン「……あのMSはやはり貴様の仕込みか、タウ・リン。答えろ! あれのパイロットは……!」

タウ・リン「落ち着きな。こんな人目のあるところでしていい話か……わからないほどショックだったか? ククク」

ハマーン「チッ……案内しろ」


>サダラーン 倉庫


タウ・リン「ここで落ち合うことになっている……来たな」

プシューッ

フロンタル「待たせてしまったかな?」

タウ・リン「いや、ピッタリだ」

ハマーン「っ! 貴様は……!」

フロンタル「お初にお目にかかる。私はフル・フロンタル、見ての通り『彼』の代理として生み出された存在だ」

タウ・リン「ククク……ミネバ・ザビを偽物にすげ替えるんだ。なら、『赤い彗星』も用意してあったほうが都合がいいだろう?」

ハマーン「……っ! なるほど、理解は出来る、出来るが……その声も姿も、私には苛立ちの元にしかならんな!」チャキッ

フロンタル「おや、お気に召さなかったらしい」

タウ・リン「クク……気をつけろよ、なんせそいつには……」


ヒュッ ガッ!!


ハマーン「がっ!? (ギリギリギリィ……!)がふ、ぐが……っ!」

駆逐「テイトクノ敵ハ、殺ス。オマエモ、敵カ」

タウ・リン「最強のボディガードがついてるんだからなぁ」

フロンタル「春雨、放してやりなさい」

駆逐「……ハイ、テイトク」

ハマーン「がふっ! ゲホゲホッ! またしても、艦娘か……そんなところまでシャアにそっくりだ!」

フロンタル「……っ」ピクッ

タウ・リン「ふん……で? どうするね?」

ハマーン「……使えそうなら使ってやる。だが、邪魔と感じたら即座に処分させてもらう」

フロンタル「了解。貴女の意向に従おう、ハマーン・カーン」

ハマーン「〜〜っ! ブリッジに入る! 貴様らは指示あるまでおとなしくしていろ!」プシューッ


タウ・リン「だ、そうだ……で、どうだった? 本家『赤い彗星』は」

フロンタル「ああ、流石に手強かったよ……今のままでは勝てんな……『今のままでは』」

タウ・リン「ほう、そう言えるってことは期待していいのか?」

フロンタル「やってみるさ」

駆逐「テイトクガ次コソ勝ツ」
44 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 03:16:33.69 ID:yROS4kTj0


>戦闘宙域


ハンマハンマ(虫食い)「」ボロボロ


マシュマー「はなせー! 私はまだ戦えるぞ! ローゼンハンマを取り戻すのだぁー!」ジタバタ

「いやもうその機体じゃ無理ですって」
「俺たちも撤退だけで精一杯なんですから暴れないで下さいよー」

マシュマー「ハマーン様ぁ! お許しをー!」


カミーユ(Zガンダム)「……戦えないのにしつこかったな、あのパイロット」

北方「ムシロ、ウルサカッタ」

アンジェロ(ローゼンハンマ)「ふんっ、往生際が悪いだけだろ」

北方「ア、ホッポ知ッテル! ソレ『どーぞくけんお』ダ!」

アンジェロ「なんだとぉ!」

カミーユ「ああもう……アンジェロ、ただでさえ無茶してんだから追加で大尉に叱ってもらえよ。俺も一緒に怒られてやるから」

アンジェロ「う、そうだった……」

北方「ホッポモ一緒ニ怒ラレルカラ、元気ダセー」ナデナデ

アンジェロ「頭撫でんな!」


――――ドパァン ドパァン


カミーユ「撤退信号だ、警戒しつつ下がるぞ。あと……」

アンジェロ「アーガマの射線に入るな、だろ?」

北方「バリバリドカーン、ガ来ル」

カミーユ「そういうこと……あ、ゾーリンソールとプルトニウスだ」


ゾーリンソール(右肩損傷・各部損耗)「」ゴォォォ

Zプルトニウス(損耗大)「」ゴォォォ


カミーユ「……さっき侵海MSの気配があったけど……あの損耗、かなりの激戦だったみたいだな」

アンジェロ「何!? 大佐のMSが! な、なんということだ……やはり援護に向かっていれば……」

北方「グラサントロン毛ガ苦戦スル相手ニ勝テルノ?」

アンジェロ「…………せめて盾ぐらいには!」

カミーユ「大尉に説教追加してもらおう。雷も追加で」

北方「ロン毛ニゲンコツ落トシテモラウ」

アンジェロ「すんませんっしたー!」

45 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 03:24:03.94 ID:yROS4kTj0


※「その後、アクシズの艦隊はアーガマに追いすがったが、アーガマから放たれたメガ粒子パラライザーにより航行機能が停止。アーガマ、ラーディッシュ両艦はアクシズの勢力圏内より脱出に成功するのだった」キャーコスギサーン

46 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/10/28(金) 03:27:01.89 ID:yROS4kTj0

今回はここまで。
次はシロッコとアクシズ。
その後アーガマの行先になりますかね?

ミネバinアーガマって展開を面白く書きたいです。
では。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/28(金) 07:08:27.41 ID:9S7+6qL80
乙でした。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 09:36:34.49 ID:/uENLnRSO
乙です
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 10:33:36.11 ID:wqgDPXeo0
乙!
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/10/30(日) 01:01:26.79 ID:3Q5tXtFO0
続きが楽しみです。乙。
51 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/05(土) 23:55:07.75 ID:fZEv42SJ0
いきます。

※※※※※※


>アクシズ 宇宙港


シロッコ「ようやく入港が許されたか……まあ、随分な大騒ぎだったようだし、な」

「……っ」

《落ち着かない様子のアクシズ兵たち》

ヤザン「ふん、どいつもこいつも湿気たツラぁしてやがる。兵士ならもっとドッシリ構えてろってんだ」

シロッコ「余人に君と同じ肝っ玉を期待してもしかたあるまい(正直な話、我々に交渉の機会が巡ってくるとは思わなかったが……それだけ事態を急変させる『何か』があった、ということか)」


サラ「パプティマス様!」

シロッコ「サラ。メッセンジャーの役目、ご苦労だったな」

サラ「いえ、パプティマス様のお役に立てたなら……」
ヤザン「おう、お疲れちゃーん!(バシーンッ!)」
サラ「痛っった! だからお尻を叩かないで下さいってば!」

シロッコ「ははは。さて、先方を待たせてもいけない。行くとしようか」


シロッコ「アクシズの、女帝どのの元へな」

52 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/05(土) 23:56:18.19 ID:fZEv42SJ0

>謁見の間


ハマーン「ミネバ・ラオ・ザビ王女殿下の御前である。一同、控えよ」


《平伏するシロッコ一同》


C(クローン)ミネバ「あ……う……」ビクビク

シロッコ(? 傀儡……だとしてもあの怯えようは妙だな)

ハマーン「さて……ティターンズの飼い犬がどんな話を持って来たと?(この感覚……こいつがあの危険なMSのパイロットか)」

シロッコ「ティターンズ、ではありません。私、パプテマス・シロッコ、がです。そこをお間違えなく」

ハマーン「ほう?」

シロッコ「私が連邦、そしてティターンズに所属しているのはあくまで最終的な目標のため……こうしてアクシズを訪れたのも、その一環」

ハマーン「ならば、貴様の目的とはなんだ」

シロッコ「地球圏の統一」

ハマーン「……っ。ずいぶん、大きく出たな。貴様が地球圏を支配すると?」

シロッコ「真逆。私ごときにそのような器があるはずもない。ただ、来るべき時に支配者の座にあるであろう方の力になりたいまでのこと」

ハマーン「それがミネバ様だと?」

シロッコ「私は戦後の地球を支配すべきは女であるべきと思っております。古代のクレオパトラや、中世のクィーン・エリザベスのように。宇宙世紀には、女性のたおやかさを持った支配体制が必要なのです」

ハマーン「(よく口の回る……だが、迂闊に敵に回せぬ相手であることも事実、か)……そこまで言うなら、この場でミネバ様に忠誠を誓えるか」

シロッコ「無論。このパプテマス・シロッコ、ミネバ様の御為ならこの身を滅ぼしてまでも尽くす所存にございます」

ハマーン「……いいだろう。ミネバ様、この男に下知を」

Cミネバ「う……よ、よく、わかった。パプティマス・シロッコ、余のためにその命、捧げてもらう、ぞ」

シロッコ「……身に余る光栄にございます、ミネバ王女(……もはやアクシズはハマーン・カーンによる独壇場、か)」


――――パチパチパチ


タウ・リン「いやあ、めでたいねえ。これで先に疲弊した戦力を補充する当てができたってもんだな? ククク」

ハマーン「……貴様に来いと言った覚えはないぞ、タウ・リン」

シロッコ(何だ、この男は……っ!? 私の中の『何か』が……こいつ相手にざわついている!?)

タウ・リン「いやあ、なぁに……ほんの興味半分さ。ちょいとツラぁ拝んでおきたかったんだよ」



タウ・リン「クソッタレな『腕』を木星くんだりから持ってきやがったのはどこの阿呆なのか、ってな?」

シロッコ「っ!? な……なぜ、それを……っ!?」

タウ・リン「ふん、蛇の道は蛇ってことさ……せいぜい『操り人形』にならないように気をつけるこったな……ま、手遅れかもしれんが。ククク」

シロッコ(私が『操り人形』だと……!? ふざけるな! いかに『腕』の意思が強大だろうとも、私は扱えぬものではないのだ!)




『腕』のクリスタル「」キィィィィィィ……!!

53 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/05(土) 23:57:48.25 ID:fZEv42SJ0


>輸送艦 MSデッキ


《改装中のシナンジュ・スタイン》


フロンタル「『彼』の機体に匹敵する性能まで底上げするのはいいが……私の身体もそれまでに調整を終えねばな」

駆逐「テイトク、身体、モウ大丈夫?」

フロンタル「ああ……心配かけたな。春雨はどうだ? 負担はかかっていないか?」

駆逐「ワタシハ、モウ深海棲艦ダカラ、『霧』ガアレバ治ル」

フロンタル「そうか」

駆逐「……テイトク」ギュッ

フロンタル「春雨?」

駆逐「ワタシノ『力』……テイトクガ、モッテイッテ、イイカラ……死ナナイデ。イナク、ナラナイデ」ポロポロ

フロンタル「……傍にいるさ、ずっと、な。検体としての地獄の日々を……君が、『君たち』が耐え抜けたように、私もまた、君たちのおかげでここにいるのだから」

54 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 00:00:35.18 ID:8Svr3C7/0

>サイド6近海 エンドラ艦内


グレミー「アナハイムの輸送艦との合流地点はまだか!?」

「は、まもなくです」

グレミー「うむ」

プル「グレミ〜。それさっきも聞いたじゃない、何度確認してるの?」

グレミー「う、うるさい! 初の士官としての任務なんだ、緊張ぐらいする!」

プル「ま、いいけどね。にしてもさ、ハマーンもなんだってあたしたちにこんな役目任せたんだろね?」

グレミー「ハマーン様、だ。ハマーン様にも深い考えがあるのだろうさ。私もトト家の後継ぎとして、実績を積まねばならんしな」

プル「う〜ん……なんか、あたしたちをシャアに会わせたくなかっただけのような気が……」

プル(それに……この艦に『居る』って分かるんだよね……『もう一人のあたし』が)


「アナハイム輸送艦、確認しました」

グレミー「よし! 接舷及び搬入作業急げ! 私は代表との交渉に向かうぞ!」


>アナハイム輸送艦


ガゴンッ


アルベルト「うわっとぉ! 乱暴な接舷をするんじゃない! これだからアクシズなんぞに居た田舎者は嫌なんだ!」

「ビスト代表、搬出作業は開始してもよろしいでしょうか?」

アルベルト「そんなもんはそっちで判断しろ! 私は交渉が仕事なんだ! ほら、護衛! とっとと準備!」

「はっ」

「……ちっ、叔母の七光りが」
「親族企業だからしゃーないや」


アルベルト「……そんなこと、私自身がよくわかってるんだよ」

「代表、なにか?」

アルベルト「なにもない! 行くぞ!」

55 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 00:22:06.03 ID:8Svr3C7/0

>アーガマ 艦内会議室


ブライト「……交渉決裂、ですか」

ブレックス「残念だがね。キャスバル代表が言うにはザビ家に対する見解の相違ということだが……」

ウォン「しかし収穫もあった。ザビ家の末子であるミネバ・ザビが亡命してきているのは大きい」


「……あまり彼女を表舞台に出したくはありませんがね」


ウォン「来たか、キャスバル代表……なんだ、またその格好かね」

クワトロ「流石に肩が凝りますので。アーガマにいる時はクワトロでいさせてもらいたい」

ブレックス「ミネバ・ザビ……彼女は秘匿すると?」

クワトロ「……アクシズはすでに彼女のクローンを用意しています。こちらが彼女を表舞台に出せば水掛け論の掛け合いになる。それは混乱を助長するだけです」

ブライト「ならば……貴方一人で、全てを背負うと?」

クワトロ「ザビの名が使えぬ以上、ジオンの名だけで進めるしかないでしょう」

ブレックス「そう、か……負担ばかりをかけてしまうな」

クワトロ「今更ですよ。少々、手間が増えるだけです」

ウォン「君がそう言うならいいがね……それで、当の本人は?」

クワトロ「雷に任せてあります。子供たちも一緒ですから、彼女の気晴らしになるでしょう。アンジェロも……なんだかんだと、気遣っているようですしね」

ウォン「また『奥方』任せかね?」

クワトロ「……そうなりますかね。ダメ亭主ですので」

ブライト「はは……他人事に聞こえないな」

56 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 00:56:54.34 ID:8Svr3C7/0

>アーガマ 艦内


クム「こっちが食堂よ。雷お姉ちゃんがお食事用意して待ってるはずだけど……」

ミネバ「う、うむ。案内、大義である」

シンタ「なんか偉そうな口調だぞ、お前」

ミネバ「お前、ではない。私はミネバ・ザ……」


――――私はザビ家に復讐するのだ!
――――お前はもう、いらない
――――偽物として死んでいけ


クム「? どうしたの?」

ミネバ「――――っ。い、いや……わ、私は……ミネバ。そう、ただの、ミネバ、だ」

シンタ「おい、大丈夫か? 顔色真っ青だぞ!?」

ミネバ「へ、平気だ。何とも……(ゴンッ)痛っ!?」


アンジェロ「……いつまでしょげた顔してやがんだよ。迷惑だぞ、はっきり言って」

クム「アンジェロ兄ちゃん! 女の子にそんなのないでしょ……って、おっきいタンコブね」

アンジェロ(タンコブ)「大佐に修正を受けた結果だ」

シンタ「なんで自慢げなのさ」

ミネバ「い、いいのだ……その者の言うことに間違いは……「大佐を信じろって言っただろうが!」」

アンジェロ「お前が悩んでることなんて大佐が軽く解決してくれんだよ! わかったら雷姉さんのメシ食って寝ろ! 起きたらビシバシ働いてもらうからな!」

ミネバ「あ……う、うむ! そうだな、シャアがいるのだ! 悪くなりようがない! ありがとう!」

アンジェロ「ふん! しょぼくれた顔がいたらメシが不味くなるってだけだ!」

クム「ツンデレかな?」
シンタ「ツンデレだな」
アンジェロ「誰がツンデレだ!」

雷「あらら、アンジェロ君に出番取られちゃったかしら? はい、ご飯よ! お腹すいたでしょ、たっくさん食べてね!」

ミネバ「雷! うむ、たくさん食べるぞ!」

アンジェロ「『雷姉さん』だ!」


ミネバ「……? 雷、これはどうやって食べるのだ? ナイフもフォークもないが」←サバミソ定食

雷「あら、和食初めてだったの?」

アンジェロ「箸も使えねーのかよ」パクパク

シンタ「兄ちゃんも苦手だったじゃん」
クム「必死に練習したのよねー」
アンジェロ「うっさい!」

雷「うーん、フォークでサバミソは難しいかな……じゃあ、食べさせてあげるわね。はい、アーン」

ミネバ「う……うむ。アーン」モグモグ

雷「どうかしら?」

ミネバ「変わった味だが、おいしいぞ!」


アンジェロ「グギギギギギギ羨ましい妬ましい」
クム「アンジェロ兄ちゃんが血の涙を!」
シンタ「兄ちゃん……」
57 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 01:37:49.93 ID:8Svr3C7/0


>MSデッキ


アストナージ「……っと。調整終わりました」

ガトー「ああ、ありがとう」

アストナージ「ま、メカニックの本分ですし……にしても、どんな操縦してんです? クワトロ大尉のゾーリンソールより損耗が激しいですよ?」

ガトー「……無茶をせざるを得ないことが多くてな」

アストナージ「そうですか……ただでさえプルトニウスはマンポイントぶっちぎってるMSなんですから、ほどほどにして下さいよ? 夕立、いつも大尉が無茶する度に泣いてんですから」

ガトー「そう、だな」



ガトー「…………夕立、そこにいるのだろう。出てくるんだ」

夕立「ぽい……少佐さん、あの、もう……大丈夫、なの?」

ガトー「次の出撃に支障はな「そうじゃない!」……平静な心境、ではないさ。己の未熟さへの憤慨、タウ・リンへの怒り、カリウスを……斬った、後悔も」

夕立「……ほい」

ガトー「だが、ここで私が塞いでいて何になる。それに……ロザミアも、同様のことになっていないと、言えまい」

夕立「あっ! で、でも、それじゃあ……!」

ガトー「無論、助けられれば助ける。だが……もしもの事態には、覚悟をせねば……ならん……」ギリィッ

夕立「そ、そんな……そんなっ! そんなの 非道すぎ「案ずるな」……ぽいっ?」


ガトー「例え同様の事態になろうとも……今度は必ず、助ける。そのための調整をしてもらっていた」

夕立「っ! す、すごいっぽい! やっぱり少佐さんはさすが少佐さんっぽい! わーいわーい!」

ガトー「ふっ……なんだそれは。さあ、北方がお前のことを心配していたぞ。行ってやれ」

夕立「ぽい! 少佐さん! 夕立、少佐さんのドーナツ食べたいっぽい!」

ガトー「ああ、あとで持って行ってやろう」

夕立「はーい! 楽しみっぽい! 北方〜! 心配かけてごめんっぽい〜」



ガトー「…………すまん、夕立。だが……私の命一つで、この咎人の命で救えるものがあるのなら……」

――――生きな、ガトー

ガトー「シーマ中佐……私も、そうしたかった……だが……私はもはやただの戦鬼でしか……」



Zプルトニウス「……っ」ヴォン……


ガトー「プルトニウス……冥王の名を持つMSよ……その時がきたならば構わん……私の命を使え……!」

58 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 02:09:04.42 ID:8Svr3C7/0

>談話室


間宮「皆さん、お疲れ様。お茶とお菓子ですよー」

フォウ「やったー、間宮のお菓子大好き!」

カミーユ「ありがとうございます。アクシズじゃいろいろあったからなぁ……」

ファ「ほんと心配ばっかりかけるんだからカミーユは」

カミーユ「いや俺だけってわけじゃ……まあいいか」


夕立「お菓子のにおいがするっぽい!」

北方「夕立、食べスギハ、ヤメルンジャナカッタ? アト、ロン毛ガドーナツ持ッテクルンジャ?」

夕立「いっぱい動いたからエネルギー補給っぽい! ドーナツは別腹っぽい!」

北方「マタ、太ル」

タコヤキ機「ヴォ」


カツ「……アクシズとティターンズが、手を組むとか、ありえるのかな」

カミーユ「モウサ居住区で会った女の子のことか? ティターンズから来てたっていう」

カツ「い、いや違……わなくも、ない、けど。でもさ、アクシズは旧ジオン公国なんだから、仮にも連邦のティターンズと組むとか……ない、よね?」

カミーユ「……どうかな。おおっぴらじゃなくて、一部の部隊とか……あの時、戦闘を仕掛けてきた、パプテマス・シロッコ……あの男なら、やるかもしれない」

カツ「それって、ニュータイプの勘?」

カミーユ「どうかな。なんとなくってだけだけど……でも、どちらにしろ戦闘は避ける方針でいくはずさ。人死にが増えたら、深海棲艦はその怨念から生まれてくる……大尉たちは、それを防ぐために動いてるんだからさ」

カツ「だと、いいけど」

ファ「そんなに気になる女の子だったの? どんな子?」

カツ「え? ええっと……」



カツ(あれ? なんかオッパイ押し付けられたことしか思い出せないぞ?)



サラ「…………なんだろう。なんかものすごく馬鹿にされた気がする」

シロッコ「? どうした、サラ?」

キャラ「はーい、お客様はこっちの部屋だよー」バインボイン

59 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 02:28:35.02 ID:8Svr3C7/0


>クワトロ自室


クワトロ「……ふう、ようやく一息つけるか」

雷「お疲れ様ー。お茶とケーキ、用意してあるわよー」

クワトロ「ああ、ありがとう……ミネバの世話も任せてしまってすまないな。今、どうしてる?」

雷「やっぱり疲れてたみたい。ご飯食べたら眠くなったみたいで……子供たちの部屋で一緒に寝てるわ」

クワトロ「無理もあるまい、まだ8歳だ……何かを背負うには、幼な過ぎる」

雷「……大尉も無理しないでいいのよ? 任せられるお仕事は、割り振ったほうがいいんだから」

クワトロ「お見通しか……だが、それは艦内の仕事を率先してやっている雷に言われたくはないが?」

雷「あっ、ひどーい。フフッ」

クワトロ「はは……ともかく、アクシズの力を借りられなくなった件を伝えるためにサイド3に行く必要がある……コロニー間会議の最終調整もあるしな」

雷「……ゾーリンソールの操縦みたいに、大尉の力になれたらいいのに」

クワトロ「雷が居てくれるだけで、私の何よりの応援さ」

雷「そ、そう? じゃ、じゃあ……エールを送るわね! 大尉、がんばれっ! がんばれっ!」

クワトロ「あ、ありがとう(……かわいい)」

60 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/06(日) 02:30:36.38 ID:8Svr3C7/0
今回はここまでで。

サイド3到着まで日常編を書こうかと。
あとはサイドストーリーになるジェリドやジュドー、カイの話も書ければ。
では。
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/06(日) 06:51:47.64 ID:1+IAJKxe0
乙です
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 09:17:32.60 ID:CJ5/vnJeo

今更だけどアンジェロがフロンタルと戦う可能性あるのか…
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 09:48:32.02 ID:768Q9S9SO
乙です
今の所種死のラクスとミーアみたいにミネバとクローン同時に公の舞台にってのは無さそうだね

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/10(木) 22:51:41.03 ID:dQp+Yxhk0
コノシュンカン(連載再開)ヲマッテイタンダー! 長らく見逃してた……、悔しい。
ガトーさんやっぱり捨て鉢だぁ。カリウスを[ピーーー]ことを強いられてるし、実質最後のデラーズ・フリートだから死んで楽になりたいというのが強いのかも。
65 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 02:33:16.06 ID:sfncnwDF0
いきます

※※※※※※

>アーガマ艦内


アンジェロ「それじゃあ、今日から俺たちと一緒に艦内の仕事をやってもらうぞ。ジオンのお姫様だったからって特別扱いなんかしないからな」

ミネバ「うむ、承知している。よろしく頼む」

クム「って言っても、お手伝いばっかりだから大丈夫よ」

シンタ「兄ちゃん、大げさなんだよなー」

アンジェロ「黙ってろ。まずは洗濯物の回収だ。居住区からだな」



カミーユ「お? 洗濯物取りにきてくれたのか」

クム「うん、溜まってるー?」

カミーユ「そんなでもないな。ミネバちゃんもやってんのか、頑張れよ」

ミネバ「うむ! はじめてだがなかなか面白い」

アンジェロ「ほれ、次いくぞー」


雷「あ、アンジェロ君。ちょうど今出すところだったの」

クワトロ「いつもご苦労だな」

アンジェロ「いえ! 大佐のお役に立てれば!」

シンタ「……クワトロ大尉、結構溜めてるね」

雷「そーなの! 大尉ったらめんどくさがって洗濯物溜めちゃうから……もっとこまめに出してって言ってるのに!」

クワトロ「むう……すまん。つい後回しにしてしまってな」

ミネバ「……シャアも怒られるのだな、びっくりだ」

アンジェロ「言っておくが、それができるのは雷姉さんだけだからな!」

66 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 02:36:06.60 ID:sfncnwDF0

>MSデッキ


アストナージ「おー、回収に来てくれたか。ご苦労さん」

クム「はーい。あ、ミネバ、作業服は重いから気をつけてね」

ミネバ「ん? ここは無重力だろう、気にすることでは……うわわっ!?」

シンタ「あーあー、重いもんは持った時に振り回されるんだよ」

アンジェロ「まったく! 忠告は素直に聞け!」

ミネバ「す、すまぬ……(ポヨン)む?」


タコヤキ機「ヴォ」


ミネバ「わぁっ!? な、何者だお前は!?」

北方「ダイジョウブ?」

クム「ホッポちゃんがタコヤキくんクッションにしてくれたんだ。ありがとねー」

タコヤキ機「ヴォー」

ミネバ「タ、タコヤキ……とな?」

北方「ン、コレ、ホッポノタコヤキ」

タコヤキ機「ヴォ」

ミネバ「そ、そうか……助けてくれて、感謝する」

北方「ン、イーヨ」


アストナージ「おーい北方! ちょっといいか?」

北方「ナニー?」

アストナージ「船外に出てるやつが工具忘れちまったらしくてな、ちょうど壁の真裏ぐらいだ。持ってってくれるか?」

北方「ワカッター。エエット……ココノ裏ニイルノ? あーがま、チョット『潜ル』ネー」ズブズブ


《壁に潜り込んでいく北方棲姫》


ミネバ「え……? なななななっ!?」

シンタ「あー。北方は深海棲艦だからさ、MSとか戦艦の中に潜れるんだよ。宇宙空間でも平気だし」

ミネバ「深海、棲艦……それは、敵、ではなかったのか?」

アンジェロ「話して、分かり合える奴もいるってことだよ。カミーユもそういう深海棲艦に会ったって言ってたしな」

ミネバ「そう、なのか……」

67 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 02:38:09.72 ID:sfncnwDF0


>アーガマ船外


ズブズブ


北方「ハイ、忘レ物ダヨ」

「お! サンキューな、ホッポちゃん」

「いやあ、すぐ来てくれるから助かる……(ピーピー)っ!? げ、酸素残量がヤバ……」

「点検してなかったのかよ!」

「悪い! 一旦戻って……」

北方「タコヤキ、酸素ダッテ」

タコヤキ機「ヴォー」ガブリ

「わあっ!? なんでバックパックに噛み付いて……あれ? 酸素残量が増えてる?」

北方「足リル?」

「お、おう……すまない、マジ助かった。ありがとな」

北方「ン。ジャアホッポハ戻ルネー」ズブズブ

「……今度からホッポちゃんに足向けて寝られない件」

「あとで食堂のケーキぐらい奢っとけよ」


68 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 02:53:07.58 ID:sfncnwDF0

>食堂


クム「たくさん運んだからお腹すいたー。ミネバ、今日はどうだった? 疲れた?」

ミネバ「うむ。しかし、なにか心地よい疲れだ。労働の喜びというやつなのだろうか」

シンタ「そのぶんご飯が美味いってね。食堂、今日は間宮姉ちゃんが当番だったかな」

アンジェロ「そのようだな……見ろ、フォウさんがいる」


フォウ「間宮のごはん、うまうま」モグモグ

ファ「フォウ、そんなに掻き込んで食べなくても」

間宮「ふふっ、ご飯は逃げませんよー」

フォウ「何言ってるの! 私はこの美味しいご飯を実験体の間ずっと食べられなかったんだから! その分を取り返すのよ!」クワッ


アンジェロ「……強化人間は体調不安定だって聞いてたけど、明らかに治ってるよな」

シンタ「間宮姉ちゃんのご飯に回復効果でもあんじゃない?」

クム「雷お姉ちゃんのご飯も美味しいけど、間宮お姉ちゃんのご飯もスッゴク美味しいもんね!」

ミネバ「いい匂いだな。私も早く食べたいぞ!」


69 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 03:12:53.44 ID:sfncnwDF0

>MSデッキ


雷「えーっと、こっちのネモからはスラスター抑え目がいいって。それとそっちのジムIIはOSを狙撃用にカスタムしたほうがいいって言ってるわ」

「なるほど、調整してみるか」
「いやー、雷ちゃんがMSの『生の意見』を聞いてくれるから助かるぜ」

雷「えへへ……もっと私に頼っていいのよっ」

「いやー、でもなー」
「クワトロ大尉を差し置いて、ってのも気が引けると言うか」

雷「えっ! も、もう! 何言ってるのよっ!」

「「あ、クワトロ大尉が!」」

雷「え、どこどこ!? ……いないじゃない、ってこっちもいない!?」


(作戦は?)
(あと5秒。4、3……)


雷「っんもう! そりゃあ、私は大尉のことが好きだけど、みんなの役にも立ちたいのに……」

クワトロ「私がどうかしたか、雷?」

雷「ふえっ!? た、大尉! えと、あの、その……な、なにか手伝えることないかしらっ!?」

クワトロ「ふむ、ゾーリンソールの調整は終わったし……とりあえず、食堂に一緒にどうだ?」

雷「お供するわ!」


(作戦成功!)
(今日もクワトロ大尉×雷ちゃんのツーショット頂きました! あざっす!)

70 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 03:35:48.94 ID:sfncnwDF0

>ブリッジ


トーレス「航路順調。追手はまだ確認できません」

ブライト「そうか……むしろサイド3に入ってからが問題かもしれんな。アクシズがジオンの正統を誇示して軍事的恫喝をかけてくるやもしれん」

サエグサ「月に航路を取るわけにはいかないんですか? 補給の観点から見れば……」

ブライト「それも道理だがな。クワトロ大尉……キャスバル代表をジオン本国に送っておかねば、コロニー代表会議もその求心力を失う。痛し痒しさ」

トーレス「まずは、アーガマに気張ってもらわなきゃならない、ってことですね」

ブライト「そうなる……ふう、そろそろ休憩か。行ってくる。アーガマがある程度反応してくれるとはいえ、警戒は厳にな」

トーレス/サエグサ「「了解」」



夕立「少佐さんの〜ドーナツぽいぽい〜。あ、艦長さん!」

ブライト「夕立か」

夕立「ぽい! これからお昼ご飯っぽい?」

ブライト「そうだな。ガトー大尉は?」

夕立「少佐さんは厨房でドーナツ作ってるっぽい! 夕立はこれから北方さがして一緒に遊ぶっぽい!」

ブライト「……あまり騒ぎにはしないでくれよ(悪い子ではないのだが……どうもトラブルメーカー気質だからな、彼女は)」

夕立「ぽい? 艦長さんお疲れっぽい? じゃあ、ドーナツ一つどうぞっぽい!」

プライト「ああ、頂こう」

夕立「ぽい! じゃあ失礼しますっぽい!」


ブライト「無邪気なものだ。さて、ドーナツか……(モグモグ)うん、これはなかなか。ミライへの土産に、今度私もガトー大尉に教えてもらうか」

71 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 05:29:30.59 ID:sfncnwDF0

>サイド4 建造中コロニー


カイ「はるばる宇宙まで来たと思ったら、こんな建造中のコロニーが目的地だって?」

ジャック「まあ、普通は考えられんわな。だが……このコロニーはアナハイム肝入りの最新型コロニービルダー『メガラニカ』の初建造コロニーだ。その裏にはもちろん……」

カイ「……ビスト財団、ひいては連邦の思惑が絡んでいる、そういうことか」

ジャック「そうだ、それに……知り合いに調べてもらったが、ここの搬入物資、その中に明らかに場違いなものが混じっている」

カイ「場違い?」

ジャック「研究所クラスのサイコミュ関連装置」

カイ「っ! そいつは……ビンゴ、ってことか?」

ジャック「俺の見立てではな。だが、まずは……正面から揺さぶってみる。そのためにアポも取った」

カイ「よく先方が受けたな」

ジャック「なに、最近売り出し中のリカルド・マーセナス議員と対抗馬のレイニー・ゴールドマン議員の件でちょいとつついてみたのさ……さて」


ジャック「ビスト財団現当主、カーディアス・ビスト……どんな人物なのやら」

72 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 05:31:10.02 ID:sfncnwDF0

>ビスト邸


ガエル・チャン「こちらになります……カーディアス様、お客様をお連れしました」

カーディアス「ああ、通してくれ」


ジャック「この度はありがとうございます。ジャーナリストのジャック・ウッドワードです」

カイ「フリールポライターのカイ・シデンです」

カーディアス「一年戦争の予見者と、元ホワイトベースクルーの来訪とは。お噂はかねがね……それで、次期首相選について、でしたかな?」

ジャック「ええ、融和の方針で行くマーセナス議員と、排他的意見の多いゴールドマン議員……今の世相から言って、ゴールドマン議員が時流のはず、しかし……」

カーディアス「……知ってのとおり我々ビスト財団はアナハイムとの繋がりが強い。宇宙事業を蔑ろにしかねないゴールドマン氏より、マーセナス氏に期待・支援するのは不自然ではないと思いますが? 政治献金にしても、何ら後ろ暗いことのない真っ当な手続きによるものです」

カイ「ティターンズのジャミトフ・ハイマンが強行案を次回のダカール議会で提出・承認をしようとしている現状で、ですかい? 腑に落ちない話だな」

カーディアス「……質問の意図がわかりませんな。私に何を聞きたい……いえ、『何を言わせたい』のです?」

ジャック「っ。率直に聞きましょう、連邦はハイマン氏を……ティターンズを『斬る』決定をした。そう、通達があった。そうではありませんか?」

カイ(!? 率直すぎねえか!?)

カーディアス「…………さて、通達、と言われましてもね……そのような報告は聞いておりませんな。それに、政治は水物。いかに我々ビスト財団の後ろ盾があっても……落ちるときは、落ちるもの。始まってみなければ、わからないでしょう」

ジャック「っ! なるほど……それは、貴重なご意見です」

カーディアス「要件はそれだけですかな? では私も仕事が詰めてますので……ガエル、お客様をお送りしてくれ」

ガエル「はっ」

カイ「えっ? おい、ちょ……」

ジャック「カイ、いいんだ」

カイ「へ?」



カーディアス「Mrウッドワード。貴方方はまだ『鍵』をお持ちではないようだ……『宇宙世紀元年』。そこで、隠されたものが見つかるやもしれませんな」

ジャック「っ!! わかりました、ご協力に感謝を」

73 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 05:33:07.34 ID:sfncnwDF0

カイ「おい、いいのかよあんなんで。結局話はぐらかされちまったし……」

ジャック「……カーディアス氏は財団の関与を快く思っていない、少なくとも個人的にはな。それが知れただけでも大収穫だ」

カイ「何!?」

ジャック「『プラン』の真相へのヒントもくれた……『宇宙世紀元年』……『ラプラス事件』か?」

カイ「おいおい、一人で納得してないで、俺にも……」


タタタ……ドンッ


カイ「ん、子供? 大丈夫か坊主」

「あいたた……ありがと、おじちゃん」

カイ「おじっ……! 俺りゃまだ20代だ!」

ジャック「わめくな、みっともない」


「パナージ!」

パナージ「あっ、母さん」

「もう……お客様に失礼でしょ。すいません、この子が……」

カイ「いやいや、子供は元気なほうがいいですよ。坊主、パナージってのか?」ガシガシ

パナージ「うん! パナージ・リンクス!」

アンナ「アンナ・リンクスです。今、お帰りでしたか? おもてなしも出来ず……」

ジャック「いえ、こちらも急なアポイントでしたから……それで、貴女と、この子は……」

アンナ「……この子は、あの人の……カーディアスの子です。私は、その……」

ジャック「いえ、それ以上は結構。ご苦労があるでしょうが……いつか、報われる日が来ますよ」

アンナ「……ありがとうございます」

ジャック「では、長居してもいけないので、我々はこれで」

カイ「パナージ、母ちゃんを大事にな」

パナージ「うん! バイバーイ!」



カイ「……っ」

ジャック「どうした、カイ」

カイ「あの、パナージって坊主……アムロに、似た感じがした」

ジャック「何? ニュータイプとか、そういうことか?」

カイ「どうかな。俺はそのへん鈍いからな……けど、さっきサイコミュ研究機材が搬入されてるって言ってたろ? それ……アイツに使われてんじゃないかって……そんな気がすんだよ」

ジャック「……案外、カーディアス氏の葛藤もそこにあるのかもしれんな。急いで調べるぞ、あの子のためにもな」

カイ「っしゃ!」

74 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 05:35:07.41 ID:sfncnwDF0


カーディアス「……行ったか。はたして、彼らが『箱』の存在まで辿りつくのか……今は待つとしよう」

ガエル「カーディアス様、それは……」

カーディアス「言うな、ガエル。父、サイアムから始まった我ら一族の呪縛……解ける日を望むことぐらい、いいだろう? そして……」




カーディアス「その日が、来るのかもしれない……私の『たった一つの望み』が叶う日が」



75 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 05:39:12.78 ID:sfncnwDF0
今回はここまで。

ガエル氏の呼び方がはたして合っているのか……間違ってたら脳内補完でお願いします。
サイドストーリーとの合流時期を合わせようと微調整中。頑張ります。

では。
76 : ◆jIEqZKD2vo [saga]:2016/11/12(土) 05:43:30.03 ID:sfncnwDF0
修正

正 祖父、サイアムから

誤 父、サイアムから


間に一人いたんだった……orz
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/12(土) 07:16:49.77 ID:H0b6wixd0
乙です。
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