ナツメ「レッドが指名手配!?」

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346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:02:05.08 ID:nSt80KjU0
ヨウ「う…うん…」

ククイ「ははっガチガチじゃないか」

ククイ「まあ無理もないか、アローラ地方のチャンピオンとして会議に呼ばれたんだし」

ククイ「アローラとしては初めてだからね」

ククイ「まあがんばってくれ」

ハウ「俺たちは先にリーリエと待ち合わせの場所に行ってるからねー」

ヨウ「えっ誰もついてきてくれないの…」

ハウ「一緒に行きたいのは山々なんだけどーチャンピオンだけだからねー」

ククイ「そういうことなんだ悪いね」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:03:27.66 ID:nSt80KjU0
ヨウ「ふぅ…」

ヨウ「よしっ行くか」

ドンッ

ヨウ「わっ」

シルバー「すまん、大丈夫か?」スッ

ヨウ「はい…ごめんなさい、こっちこそボーッとしてて」

シルバー「……」

シルバー「ふっ…ああ、悪い…じゃあな」

ヨウ「…なんだったんだろあの人?」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:04:13.60 ID:nSt80KjU0
会議室

男「失礼します」

男「アローラ地方のチャンピオンが到着しました」

アクロマ「そうですか、ではチャンピオンのみなさん、この話は一旦ここまでで」

ミクリ「アローラ地方のチャンピオン?あそこはリーグと関係はなかったはずじゃ?」

ワタル「去年からアローラ地方にもリーグができた」

ゲン「そんな話は聞いてないけど」

ワタル「俺は誰にも言った覚えはない」

ワタル「そうことを伝えるのはお前たちの仕事じゃないのか」

アクロマ「仮に知っていたところで何も変わらないと判断したためです」

アクロマ「わたくしは無駄なことは好みませんから」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:05:23.00 ID:nSt80KjU0
カルネ「まあまあみなさん、いいじゃないですか」

カルネ「ちょうどイッシュチャンピオンも不在だったんですし、一人増えても」

ワタル「俺はかまわん、だがなぜさっきの話を中断した」

アクロマ「ヨウさんはまだ子供です」

アクロマ「この作戦には参加してもらいますが、目的を話す必要はありません」

アクロマ「なのでわざと集合時間を遅くしておきました」

ミクリ「…たしかに子供にはこの話は聞かせない方がいいかもしれませんね」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:06:36.43 ID:nSt80KjU0
ヨウ「えっと…この階の一番奥の部屋…」

グリーン「おい」

ヨウ「えっ…はい!」びくっ

グリーン「この先の部屋は今会議中だぞ」

ヨウ「あの、僕それに呼ばれてるんですけど…」

グリーン「…ああ、お前がアローラの初代チャンピオンか」

グリーン「悪かったな」

ヨウ「いえ…」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:07:31.66 ID:nSt80KjU0
グリーン「そうだ、悪いついでに一ついいか?」

ヨウ「?…はい」

グリーン「会議の中でレッドってやつの話が出たらどんな内容だったか教えてほしい」

グリーン「これは俺の連絡先だ」

グリーン「会議の終了後1時間以上時間を空けてリーグ以外の場所から連絡してくれ」

グリーン「頼めるか?」

ヨウ「いいですけど…あの、レッドってどこかで聞いたような…」

グリーン「レッドってのは…いや、それはここで話すことじゃないな」

グリーン「すまない、詳しくは後でだ」

グリーン「このことは誰にも言わないでくれ」

ヨウ「…わかりました」

グリーン「ああ、あと会議後にそこにいるやつらとはなるべく個人的な会話は避けるように」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:08:13.82 ID:nSt80KjU0
ギィィ

ヨウ「こんにちはー…」

アクロマ「ようこそ、ヨウさんお待ちしておりました」

ヨウ「アクロマさん?なんでここに」

アクロマ「実はわたくし、リーグの中でも少し偉い役職でね」

アクロマ「それよりも早く席についてください、みなさんお待ちですよ」

ヨウ「あっ、僕最後でした?ごめんなさい!」

アクロマ「いえいえ、みなさん気にしてませんよ」
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:09:57.14 ID:nSt80KjU0
アクロマ「では早速ですが作戦の続きをお話しましょう」

アクロマ「まずはカルネさんと、そうですねヨウさんが輸送時の周辺の警戒を」

アクロマ「ミクリさんとゲンさんは先に目的地に行き状況の確認を」

アクロマ「そしてワタルさんとわたくしでRを輸送します」

ヨウ「あの…すいません」

アクロマ「はい、なんでしょう」

ヨウ「Rってなんなんですか、それとこの作戦ってのはチャンピオンのみなさんが全員でやるようなことなんですか?」

アクロマ「……」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:10:55.39 ID:nSt80KjU0
アクロマ「すいません、実はわたくしもRがなんなのかよくわかってないんですよ」

アクロマ「それとこの作戦にはそれだけの戦力が必要だから集めているんですよ」

アクロマ「他に質問はありますか?」

ヨウ「いえ…」

ヨウ(なんか違和感があるな…)

ワタル「…アクロマ、輸送だけだとどれぐらいかかる予定だ」

ワタル「俺たちはさっき聞いたがヨウ君はまだよくわかっていないんだ、もっと詳しく話してやれ」

アクロマ「そうですね、わたくしとしたことが、失礼しました」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:11:50.85 ID:nSt80KjU0
30分後

アクロマ「ではこれにて会議を終了します」

ヨウ「……」

カルネ「どうしたの?難しい顔して、よくわからなかったの?」

ヨウ「あ、カ…カロネさん?」

カルネ「残念はずれ、あたしはカルネよ」

ヨウ「うへっ、ご、ごめんなさい!」

ヨウ「あっ!」

カルネ「どうしたの?」

ヨウ(あんまりしゃべらないように言われてたんだった…)

ヨウ「えっと…その僕この後待ち合わせしてるんでごめんなさいっ!」ダッ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:13:10.64 ID:nSt80KjU0
ヨウ「うーん…話しちゃだめだって言われてたけどカロネさんに失礼だっかな…」

ヨウ「そもそもあの人が誰なんだ?」

ヨウ「僕のこと知ってたみたいだけど、僕はあの人のこと知らないし…」

ヨウ「あ、エレベーターきた」

ヨウ「一階…っと」ポチッ

アクロマ「ああ、すいません待ってください」

ヨウ「アクロマさん…」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:13:59.51 ID:nSt80KjU0
アクロマ「ありがとうございます」

ヨウ「いえ…」

アクロマ「どうでしたか、チャンピオンのみなさんは?」ポチッ

ヨウ「実際に見てみるとすごそうな人ばかりですね」

ヨウ「ちょっと緊張しました」

チーン

アクロマ「そうですか、みなさんの実力は本物ですからね」

アクロマ「では、わたくしはこれで」

ヨウ「はい」

ヨウ「…!?」

ヨウ「今のはもしかしてルザミーネさん…?」

ヨウ「でもまさか…」

ヨウ「……」

ヨウ「見間違いかな…」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:14:44.83 ID:nSt80KjU0
プルルルル

ヨウ「もしもし博士」

ククイ「おー、ヨウか、終わったのかい?」

ヨウ「はい」

ヨウ「リーリエとは会えました?」

ククイ「うん、もうリーリエと会えたよ」

ヨウ「じゃあ僕も今からそっち行きますね」

ククイ「ああ待ってるよ」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:16:15.88 ID:nSt80KjU0
ヤマブキシティ

ハウ「おーいヨウー」

リーリエ「ヨウさん…」

ヨウ「久しぶり、リーリエ」

リーリエ「はい、お久しぶりです」

リーリエ「その…私…」

ハウ「ねえねえヨウ、博士があっちにおいしいお店があるって言って先に行ってるんだ」

ハウ「俺たちも早く行こうよ」

ヨウ「うん」

リーリエ「私ずっとヨウさんに会いたかったです…!」

リーリエ「あれ…」

ヨウ「おーいリーリエ、早く早く、置いてっちゃうよー」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:17:49.14 ID:nSt80KjU0
ヨウ「ねえリーリエ」

リーリエ「なんですか」むすっ

ヨウ「あれ…どうしたの…?」

リーリエ「別になんでもありません」

ヨウ「…じゃ、じゃあいいけど」

ヨウ「…そういやルザミーネさんはどうなの」

リーリエ「お母様はたぶん…いえきっと大丈夫なはずです」

ヨウ「?…まるで最近会ってないみたいな言い方だね」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:19:00.54 ID:nSt80KjU0
リーリエ「はい実は…」

リーリエ「最初は予定通りマサキさんという方のところを訪ねました」

リーリエ「ですがマサキさんではどうすることもできなかったそうです」

リーリエ「そのかわりにマサキさんはある団体を紹介してくれました」

ヨウ「ある団体?」

リーリエ「はい、えっと…名前忘れちゃいましたけど、お母様は今そこにいるはずです」

ヨウ「名前忘れたって…それ大丈夫なの?」

リーリエ「…た、たぶん、でもマサキさんは信頼できるところだって言ってました」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:19:54.55 ID:nSt80KjU0
ヨウ「じゃあやっぱり見間違いか…」

リーリエ「何が見間違いなんですか?」

ヨウ「いやいや、なんでも」

ヨウ「ルザミーネさんよくなるといいね」

リーリエ「はい」

ヨウ「あっ!」

ヨウ「忘れてた…」

リーリエ「ど、どうしたんですか…びっくりしたじゃないですか」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:20:53.32 ID:nSt80KjU0
ヨウ「ちょっと電話しないといけなかったんだ、ごめん待ってて」

プルルルル プルルルル

グリーン「はい、もしもし」

ヨウ「あ、もしもし、あの…今日リーグで会ったヨウです、その…アローラの」

グリーン「ああ、お前か」

グリーン「そういや俺の名前を言ってなかったか」

グリーン「俺の名はグリーンってんだ」

ヨウ「グリーン…さん」

グリーン「で、会議の内容について聞きたいんだが今一人か?」

ヨウ「今は友達が…」
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:22:13.24 ID:nSt80KjU0
ヨウ「あれ、ハウは…?」

リーリエ「ハウさんならもう博士のところに行ってると思います」

ヨウ「いつの間に…」

ヨウ「えー…今は友達が一人います」

グリーン「……」

ヨウ「グリーンさん?」

グリーン「なら聞かれない程度の大きさで話してくれ」

ヨウ「はい…わかりました」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/27(火) 01:24:17.15 ID:nSt80KjU0
グリーン「つまり何かはわからないがそのRってやつをチャンピオン全員でリーグからシンオウのテンガン山まで運ぶと」

ヨウ「はい」

グリーン「そうか…」

グリーン(そのRってのは俺が集めた情報をまとめるとほぼレッドってことだろう)

グリーン(だがレッドが捕まったというのは聞いていない)

グリーン(いや、俺には伝えられていないだけか…)

グリーン「運ぶ場所はテンガン山とだけで他に言われてなかったか?」

グリーン「たとえばテンガン山頂上とか」

ヨウ「あー…たしか頂上って言ってたような」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 06:42:50.73 ID:jzmUnMVmO
期待してる
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/02(月) 01:00:22.80 ID:GiRJOJTm0
ホウエン地方のどこか

シルバー「……」

シルバー「…どうやらあの人に関することはあまりわからなさそうだな」

ゴールド「それにしてもお前いつの間にこんなこと」

シルバー「リーグ本部の前でアローラのチャンピオンにわざとぶつかってその時に盗聴器をつけた」

コトネ「アローラってどこ?」

ハルカ「知らない」

トウヤ「ちょっと遠いけど…あ、地図があった、これ」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:01:28.73 ID:GiRJOJTm0
ユウキ「でもなんでそのアローラってとこのチャンピオンに盗聴器なんかつけるんだ」

ゴールド「たしかに、普通に聞いてたけど、どうレッドさんとつながるんだ?」

シルバー「お前ら本当にさっきまで聞いてたのか?」

シルバー「さっきまでのは録音してたやつだからもう一度聞かせてやる」

ゴールド「いやいい、めんどくさい」

ユウキ「うんうん、簡単にまとめて」

シルバー「ちっ」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:01:57.98 ID:GiRJOJTm0
シルバー「さっきグリーンさんも言ってたろ」

シルバー「会議の中でレッドという話が出たら教えてくれと」

シルバー「つまりグリーンさんも少なくとも関係はあると考えてるわけだ」

コトネ「じゃあリーグに直接聞けばいいじゃん」

シルバー「それはだめだ」

シルバー「さっきのをちゃんと聞いてたやつならわかると思うが、アクロマというやつが出てきてただろ」

ユウキ「なんか聞いたことある名前だな」

シルバー「…俺が悪かった、ここにはバカしかいなかったもんな」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:02:48.68 ID:GiRJOJTm0
シルバー「お前が戦った相手だろ」

シルバー「トウヤにいたってはキュレムをとられたんだろ」

トウヤ「ぼ、僕はちゃんと覚えてたし…」

シルバー「そのアクロマがリーグでも少し偉い役職だと言っている」

シルバー「これは俺の想像でしかないが2つ考えられる」

シルバー「1つはアクロマ個人、もしくはレッドさんを倒そうという組織に入っている」

シルバー「2つ目はアクロマの行動はリーグの意思だという可能性」

シルバー「つまりリーグがレッドさんを倒す…いや消そうとしている可能性だ」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:03:17.59 ID:GiRJOJTm0
ゴールド「リーグがレッドさんを消す…?」

コトネ「なんでそんなことをする必要があるのよ」

シルバー「そんなこと俺が知るわけないだろ」

シルバー「それにこれは俺が勝手に考えた可能性の一つだ」

コトネ「私のレッドさんに何かあったらどうなるかわかってんの!」

シルバー「いや、俺に言われてもだな…」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:04:26.98 ID:GiRJOJTm0
シルバー「とにかく俺の持ってる情報じゃこれが限界だ」

シルバー「レッドさんをどうにかされたくなかったらお前らも情報を集めろ!」

シルバー「てかこれだけいて誰も何も調べてないんだよ」

トウヤ「じゃあ僕が」

シルバー「よし、言ってみろ!」

トウヤ「関係あるかどうかはわかんないけどロケット団ってのが最近活動してるみたいだよ」

ゴールド「おい…」

シルバー「…いやロケット団は関係ないだろう」

シルバー「あの男がレッドさんに対して復讐なんてこと考えるはずはない」

シルバー「もし部下のやつらがあの男を呼び戻すためにやってるなら、それはロケット団じゃねえ」

シルバー「あと俺の前じゃロケット団の話はしないようにしてくれ…」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:04:52.27 ID:GiRJOJTm0
コトネ「よし、決めた」

コトネ「私カントーに行ってみる」

コトネ「ほら行くよ、トウヤ」

トウヤ「え、ああ…うん…え?なんで」

コトネ「キュレム取り返さないとだめでしょ」

コトネ「それにトウコもN君も心配だし」

トウヤ「うん…」

ゴールド「じゃあ俺も行くよ」

コトネ「そ、じゃあがんばってね」

ゴールド「……」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:05:20.35 ID:GiRJOJTm0
翌日

ナツメ「着きましたけど、バレないですかね?」

クロイロ「大丈夫ですよ、どこからどう見てもナツメには見えません」

クロイロ「どこから行きますか?」

ナツメ「そうですね…」

ナツメ「そうだ、その前に少し携帯貸してもらっていいですか」

クロイロ「?…いいですけど…」

ナツメ「ありがとうございます」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:05:49.11 ID:GiRJOJTm0
ピッ ピッ ピッ

ナツメ「……」プルルルル

エリカ「はい、もしもし」

ナツメ「……」

エリカ「あの…もしもし?」

ナツメ「エリカ…ナツメよ」

エリカ「ナツメさん…!?」
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:06:24.12 ID:GiRJOJTm0
エリカ「本人ですか…?」

ナツメ「ええ、もちろん」

ナツメ「でも私も今は指名手配されちゃってるみたいだし、私の話を聞かず今きってもらってもいいわ…」

エリカ「私はナツメさんのことは親友だと思ってます」

エリカ「指名手配されるような悪い人とは思えませんし、もちろん信用してます」

ナツメ「…ありがと」

ナツメ「なら今からいう私の質問には正直に答えてほしい」

エリカ「はい…」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:07:05.94 ID:GiRJOJTm0
ナツメ「レッドは今どこ」

エリカ「…いえ…私にはわかりません」

ナツメ「……」

ナツメ「そう…」

ナツメ「じゃあタケシはどこにいるかわかる?」

エリカ「タケシさんですか…?」

エリカ「その…実はタケシさんは今行方不明だそうで…」

ナツメ「行方不明…!?」

ナツメ「なんかそういうの多くない…?」

エリカ「それはまあ…」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:08:02.06 ID:GiRJOJTm0
ナツメ「知らないんだったらしょうがないね、ありがとう」

ナツメ「それじゃあ…また会うことがあったら…」

エリカ「待ってくださいよ」

エリカ「ナツメさんは今どこにいるんですか」

ナツメ「……」

ナツメ「ごめん…エリカ、私もあなたを信用してる」

ナツメ「…でもあなたに教えるわけにはいかない」

ナツメ「今私がどこで何をしているかも」
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:08:58.07 ID:GiRJOJTm0
ナツメ「ありがとうございます…」

クロイロ「いえ、何かわかりましたか?」

ナツメ「すいません、何も…」

クロイロ「そうですか」

クロイロ「結局どこに行くかは決まらないままですね」

ナツメ「はい…」

クロイロ「……」

クロイロ「ナツメはたしかヤマブキのジムリーダーでしたよね」

ナツメ「そうですけど…」

クロイロ「ではまずヤマブキシティに行きましょう」
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:09:43.46 ID:GiRJOJTm0
ナツメ「えっなんでですか?」

クロイロ「なんとなくですよ、特に理由はないです」

ナツメ「でも…」

クロイロ「心配することはないですよ」

クロイロ「何回も言いますけど絶対バレませんから」

ナツメ「それはわかってるんですけど…」

クロイロ「これは私の勘ですが意外と遠回りに思えても実は近道かもしれませんよ」
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:10:41.32 ID:GiRJOJTm0
2日後 どこかのレストラン

ナツメ「あの先生」

クロイロ「なんですか」もぐもぐ

ナツメ「いつになったらレッドのことがわかるんですか」

クロイロ「そうですねー…」もぐもぐ

ナツメ「一回食べるのやめてもらっていいですか」

ナツメ「レッドに関することが全然手に入らないんですけど」

クロイロ「…ごめんなさい」

ナツメ「いえ…すいません…強く言っちゃいました」
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:11:15.18 ID:GiRJOJTm0
ナツメ「……」

クロイロ「あの一つ聞いてもいいですか」

ナツメ「はい」

クロイロ「どうしてそこまでレッドを?」

ナツメ「レッドをって何がですか」

ナツメ「どうしてそんなにレッドを探すのかって聞いてるですか?」

クロイロ「ではそれで」

ナツメ「それでって…」

ナツメ「別に…ただレッドとは友達ですし、友達が困ってるような状況なら助けるのは当たり前じゃないですか」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:11:52.48 ID:GiRJOJTm0
クロイロ「ふっ…そうですね」

クロイロ「聞く意味のない質問でした」

コテッ

ハウ「わっ!」

バシャッ

クロイロ「……」びしょびしょ

ナツメ「せ…先生…」

ハウ「ご…ごめんなさい!」

ハウ「乾かすもの…乾かすもの…」

ハウ「あっブースター!」ボウッ
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:12:22.27 ID:GiRJOJTm0
ナツメ「燃えてる燃えてる!」

ナツメ「ヤドキング、消火!」

しゅー

ナツメ「大丈夫ですか先生!」

クロイロ「…はい」

ハウ「ごごごご…ごめんなさい!」

ククイ「どうしたんだ?ハウ」

ハウ「博士…実は…」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:12:49.44 ID:GiRJOJTm0
ククイ「本当にすいませんでした!」

クロイロ「頭を上げてください」

ククイ「でも服も燃えちゃって…」

クロイロ「少しですよ、新しいの買えばいいだけですから」

ククイ「それなら自分が、ああ後ここの会計も…えっとあと…」

クロイロ「いえいえいえ!いいですよ!」

ククイ「お願いします!僕に買わさせてください!」

クロイロ「…えっと」

ナツメ「そこまで言うならいいんじゃないですか…」

クロイロ「じゃあ…同じような服お願いします」

ククイ「わかりました買ってきます!」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:13:21.27 ID:GiRJOJTm0
ハウ「ほんと、すいません!」

クロイロ「気にしないでください」

クロイロ「それよりあなたは怪我してないですか?」

ハウ「いや俺は別に」

クロイロ「私はこれでも医者ですから、けが人は放っておけません」

クロイロ「少しすりむいてますね」

ブンッ

クロイロ「はい、これで治りましたよ」

ハウ「おおすげえ!」

クロイロ「ただ待ってるだけじゃ悪いですし、お子さんたち見てますよ」

ククイ「すいません…ありがとうございます」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:14:22.31 ID:GiRJOJTm0
ヨウ「あのお姉さん」

ナツメ「私?」

ヨウ「はい」

ヨウ「さっきのヤドキング、パッと見ですけど、すごいレベルでしたよね」

ヨウ「何してる人なんですか?」

ナツメ「いや、そんなたいしたことじゃなくて…」

ナツメ「……」

ヨウ「どうしたんですか?」

ナツメ「シッ…」

ポロッ パキッ グシャ
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 01:14:59.60 ID:GiRJOJTm0
クロイロ「どうしたんですか?」

ナツメ「この子の帽子に盗聴器らしきもの…いえ間違いなく盗聴器でしたね」

ヨウ「盗聴器!?」

ナツメ「何か心当たりない?」

ヨウ「ま、全く…」

ナツメ「……」

ナツメ「ちょっと頭の中覗いていい?」

リーリエ「ヨウさんの頭の中を覗く!?」

ヨウ「の、のぞくって…一体…」

クロイロ「ナツメ、そういうのは一応さっきの博士って方が戻られるのを待った方がよくないですか」
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/04(水) 19:17:53.68 ID:wRj4aHLmO
面白くて一気読みしてしまった
支援
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:04:10.97 ID:tGyTuLbl0
ヨウ「よくわかんないですけど、痛くないならいいですよ」

ナツメ「じゃあ一瞬だから…」

ナツメ「……」

ナツメ「うーん、誰がいつつけたかはわからないわね」

ナツメ「でも…いや」

ナツメ「先生、ちょっといいですか、こっちに」

クロイロ「はい」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:04:46.10 ID:tGyTuLbl0
クロイロ「何が見えたんですか?」

ナツメ「まずあの子はアローラ地方のチャンピオンだそうです」

クロイロ「へえ、あの年で…やるもんですね」

ナツメ「…レッドもあれぐらいでチャンピオンになりましたよ」

クロイロ「そうでしたね」

ナツメ「いや、レッドのことはよかったですね…」

ナツメ「えっと、あの子は三日前のチャンピオンの会議に出てるんですが」

ナツメ「その前にグリーンと会ってました」

ナツメ「どうやらグリーンもレッドのことをさぐってるみたいです」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:06:34.60 ID:tGyTuLbl0
クロイロ「グリーンも立場としてはチャンピオンたちと同格以上のはずですよね」

クロイロ「そのグリーンですらレッドのことをさぐっているとなればやっかいですね」

ナツメ「…一度グリーンと会ってみませんか?」

クロイロ「なぜですか?」

クロイロ「グリーンはあきらかにリーグ側の人間、つまり敵です」

クロイロ「そんな相手と会うのは危険ですよ」

ナツメ「危険でもレッドのことをさぐっているというのなら、何かレッドのことを知っているはずです」

ナツメ「私一人でも会いに行きますよ」
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:07:27.13 ID:tGyTuLbl0
クロイロ「……」

クロイロ「グリーンをどこかに呼び出すのですか?」

ナツメ「あの子を利用させてもらいます」

クロイロ「利用ってあの子はああ見えてもチャンピオンなんですよね」

クロイロ「だったらリーグの人間じゃないですか、そう簡単に利用できるんですか?」

ナツメ「全部私にまかせてください」

クロイロ「……」

クロイロ「わかりました、お任せします」
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:08:59.35 ID:tGyTuLbl0
ナツメ「お待たせ」

ククイ「お待たせしました!服買ってきました!」

クロイロ「…わざわざすいません、じゃあ早速」

ナツメ「ちょちょ…先生!ここで着替えるのは…」

クロイロ「…ああ、それもそうですね」

ナツメ「大丈夫ですか…?」

クロイロ「いや、少し疲れてるんですかね…」
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:10:10.69 ID:tGyTuLbl0
ナツメ「えっと、ヨウ君よね?」

ヨウ「はい」

ナツメ「ちょっとお願いしたいことがあるんだけど、いいかな?」

ヨウ「いいですよ、何したらいいんですか?」

ナツメ「グリーンって知ってるよね、その人に電話してほしいの」

ナツメ「それで、そうね…明日の13時ヤマブキシティのポケモンセンター隣にある喫茶店に来るようにって言ってほしいの」

ナツメ「えーその時に私の名前を出さないように、君が呼んだって形にしてほしいな」

ヨウ「わかりました」

ナツメ「詳しい会話は私が紙に書くから」
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:11:12.62 ID:tGyTuLbl0
プルルルルルルルルルル

グリーン「俺だ、どうした?」

ヨウ「もしもし、グリーンさん、あの明日の13時にヤマブキシティのポケモンセンター隣の喫茶店に来てもらっていいですか」

グリーン「なんだ、どうしたんだ?」

ナツメ(レッドについて見せたいものがある)サラサラ

ヨウ「えっとレッドって人について見せたいものがあるんです、だからお願いします」

グリーン「レッドについて…?」

グリーン「わかった、行こう」

ヨウ「ありがとうございます」

グリーン「…でもお前明日はチャンピオンのやつがあったんじゃないのか?」

ヨウ「あ…それは…」

ナツメ(翌日に延期された、だから大丈夫だ)サラサラ

ヨウ「えー、翌日に延期されたんです、だから大丈夫です」

グリーン「…わかった、明日の13時だな」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:11:52.51 ID:tGyTuLbl0
ナツメ「うん、ありがとう」

ヨウ「あの…僕さっき言った時間は…」

ナツメ「わかってる、君はそっちに行けばいいから」

ヨウ「それとレッドって一体誰なんですか?」

ナツメ「レッドは…私の大切な人かな…」

ヨウ「お姉さんの恋人ってことですか?」

ナツメ「そ、そういうのじゃないんだけど…!」

ヨウ「じゃあ…好きな人ですか?」

ナツメ「ちょっ、ちょっと違う!ちょっと違う!」

ヨウ「なんで二回言うんですか」

ナツメ「レッドはその…レッドは…//」
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:12:37.42 ID:tGyTuLbl0
ハウ「博士おつかれさまー」

ククイ「今度から気をつけてくれよ」

ハウ「ごめんなさい」

クロイロ「あのー、一応買ってきていただいたもの全部着たんですけど…」

ククイ「あ、似たような服選んできたつもりだったんですけど…だめでしたかね…?」

クロイロ「いえそういうわけではなくて、白衣がないんです」

ククイ「白衣…あっ」

クロイロ「い、いいですよ、ありがとうございます」

ククイ「代わりに今着てる僕の…」

クロイロ「それは遠慮します」
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:13:52.63 ID:tGyTuLbl0
リーリエ「ヨウさんは何のお話をしてるんでしょうか」

ハウ「さぁ〜、お医者さんのお姉さんならわかるんじゃない?」

クロイロ「さて、なんのお話をしているんでしょうね、私にもわかりません」

リーリエ「お医者さんはなんだか不思議な方ですね」

クロイロ「?」

リーリエ「ウツロイドさんに寄生されたお母様…とは少し似ていますが、他の人とはあきらかに違う雰囲気ですね」

クロイロ「…そうですね、私はかなり特殊な人間ですからね」

ナツメ「先生、終わりました、そろそろ行きましょう」

クロイロ「はい」

クロイロ「ではありがとうございました、私たちはこれで失礼します」
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 02:17:57.48 ID:tGyTuLbl0
ヨウ「ねえ博士、レッドって誰か知ってますか?」

ククイ「レッド…ああ、もちろん知ってるよ」

ヨウ「どんな人ですか?」

ククイ「うーん、会ったことはないからどんな人かと聞かれてもね…」

ククイ「たしか元リーグ本部のチャンピオンでチャンピオンになった年はヨウと同じぐらいだったはずだよ」

ククイ「まだまだ若いが世界最強クラスのトレーナーだろうね」

ハウ「世界最強クラスってすげーなー」

ヨウ「うん、会ってみたいよ…」

リーリエ「ヨ、ヨウさんもきっとそういう人になれますよ!」

ヨウ「ありがとう、がんばるよ」
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/07(土) 02:37:08.47 ID:9ysW3hiO0
面白いじゃん 期待
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 02:43:23.07 ID:Q5oLJZ5YO
期待
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:35:03.50 ID:37tY90F90
翌日 ヤマブキシティ

クロイロ「グリーンが店に入っていきました」

ナツメ「それじゃあ私も行きます」

クロイロ「まだ13時までは3分ありますよ」

ナツメ「3分ぐらいいいですよ」

ナツメ「私はグリーンの真後ろに座りますから、ちゃんと見ててくださいよ」

クロイロ「はい」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:35:40.05 ID:37tY90F90
店員「いらっしゃいませー」

ナツメ「……」キョロキョロ

ナツメ「いた…」

グリーン「…あいつ遅えな」

ナツメ「アローラチャンピオンのヨウ君なら来ませんよ」

グリーン「?…なんだ」

ナツメ「振り向かないでください、そのまま動かない方がいいですよ」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:37:12.90 ID:37tY90F90
グリーン「お前は誰だ、それにヨウが来ないってどういうことだ」

ナツメ「私はロケット団です」

グリーン「なんだとっ!?」

ナツメ「大声を出さないでください」

ナツメ「大声だけじゃありません、今からは私の許可なく指一本動かすことも許しません」

グリーン「…ヨウはどうした」

ナツメ「さあどうなったんでしょうねえ」

グリーン「てめえ…」
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:38:15.57 ID:37tY90F90
グリーン「…何が目的だ」

ナツメ「わかりやすくていいですね」

ナツメ「私はただレッドについて知りたいだけです」

グリーン「レッドの?」

グリーン「ああ、それなら…」

グリーン「あいつはマサラタウン出身の男で、今は20歳だな」

ナツメ「そんなこと知ってるに決まってるでしょ、ふざけたこと言ってると…」

グリーン「レッドは俺の親友だ」

グリーン「いくら脅されたところでお前みたいなどこの誰だかわかんねえやつには教えることなんか何にもねえよ」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:39:16.57 ID:37tY90F90
ナツメ「そう、じゃあ知ってるやつならいいのかしら?」

ナツメ「例えば私とか」

グリーン「…!?」

ナツメ「どうせヨウ君は来ないし、前座るわね」

グリーン「ナツメ、今までどこに」

ナツメ「さっき言ったでしょ、ロケット団だって」

グリーン「お前本当に…」

ナツメ「動かないでって言ったでしょ」

ナツメ「私のほかにも仲間が今あなたを狙ってる、いくらあなたでも複数人じゃ勝ち目はないわ」

ナツメ「しぬわよ」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:40:05.59 ID:37tY90F90
グリーン「…レッドのことか?」

ナツメ「ええ、あなたが知っていること全部」

グリーン「なんでロケット団に入った?」

ナツメ「話をそらさないで」

グリーン「…今俺が教えたところでお前にレッドを助けられるのか?」

グリーン「言っておくがレッドはもうリーグに捕まってるはずだ」

グリーン「そこから助け出そうということは少なくともジムリーダー、四天王、チャンピオンどもを全部敵にするってことだぞ」

ナツメ「…そんなの私がロケット団にいる時点で全員敵よ」

ナツメ「それにできるできないじゃなくてやらないとだめなの」

ナツメ「もしレッドと二度と会えない結果になったとしても」
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:41:18.08 ID:37tY90F90
グリーン「……」

グリーン「なんでそんなにレッドを助けたいんだ?」

ナツメ「レッドは友達だし…」

グリーン「だけ?」

ナツメ「だけ」

グリーン「ほんとに?」

ナツメ「ほんとに…ってなんの話してんの!」

グリーン「なんかあやしいからな」

グリーン「そーいや、最初にレッドの場所探してもらおうと思った時もなんであいつが修行してるってわかったんだ?」

ナツメ「え?」

グリーン「だってあん時のあいつは俺とか以外には何にも言わず行っちゃったんだぜ」

ナツメ「そ、それはレッドならそうかなと思って」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:42:02.18 ID:37tY90F90
グリーン「レッドならそうって言ってもさ、あいつが旅立ってシロガネ山に籠るまでに会うのってさ2回ぐらいじゃないの?」

グリーン「ジム戦するときと、チャンピオンになったよーって挨拶するときぐらいだよね」

グリーン「もしかしてちょくちょく会ってた?もっと言えばシロガネ山でも会ってたりした?」

ナツメ「…状況わかってる?」

ナツメ「ふざけたこと言ってると死んじゃうかもしんないのよ」

ナツメ「私本気よ」

グリーン「いやそれはない…お前には無理だな」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:44:09.12 ID:37tY90F90
グリーン「わざわざ俺に直接聞きにきたってことはもうお前にはレッドのことを知る方法がないんじゃないのか?」

グリーン「それにお前がナツメってわかった時点で俺の考えてることを読むのは無理だしな」

ナツメ「そのフーディンね…」

グリーン「そっ、俺のフーディンはボールの中からでもお前の超能力を妨害できる」

グリーン「最後にレッドは自分のためにロケット団に入ってるなんて知ったら悲しむよ」

ナツメ「それはもうレッドも知ってる」

グリーン「あ、そうなの?」

ナツメ「でも最初の二つは本当だから教えてもらわないと困る、お願い」
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:44:59.49 ID:37tY90F90
グリーン「そーだなー、どーしよっかなー」

ナツメ「……」

グリーン「そんな怖い顔すんなよ」

グリーン「じゃあ俺に何もしないってんならいいよ」

ナツメ「わかった」

グリーン「ああ、そうだ!お前とレッドの昔の話聞きたいな」

ナツメ「昔のって…?」

グリーン「ナツメとレッドのジム戦が終わったぐらいからかな」

グリーン「もうそん時ぐらいから仲良かったの?」

ナツメ「別に…」

グリーン「詳しく聞きてえなー」

ナツメ「詳しくってほんとに昔のレッドは無口だから、それほど…」

グリーン「ほんとかよ、ちゃんと話せよ」

グリーン「もっっと詳しく話さないと教えねえ、一応ロケット団なんだからそれぐらいしてもらわないと」

ナツメ「……」

ナツメ「じゃあちょっと長いけど…」
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:46:05.29 ID:37tY90F90
約10年前 ヤマブキジム

ジムトレ1「そこまで!勝者チャレンジャーレッド!」

ナツメ「ふぅ…負けちゃった、強いわねあなた」

レッド「……」ぺこっ

ナツメ「じゃあこれが私に勝った証のゴールドバッジ、それとこの技マシンも」

レッド「……」

ナツメ「どうしたの?受け取らないの?」

レッド「……」スッ

ナツメ「?」

レッド「ご飯粒ついてますよ…」ぼそっ

ナツメ「えっ…?」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:47:00.60 ID:37tY90F90
ナツメ「えっ…えっ…」

レッド「逆…」スッ ポロッ

レッド「とれた…」

ナツメ「あ…ありがと…もうっ!?」

レッド「ごはん残しちゃだめですよ…」

ナツメ「えっ…と…」

レッド「……」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:48:30.79 ID:37tY90F90
現在

ナツメ「こんな感じだったはず…」

グリーン「……」

グリーン「はぁ?」

グリーン「なんであいつはそんなことするんだよ」

グリーン「人の頬についてるご飯粒とって口に突っ込むって」

ナツメ「言ったからいいでしょ、教えてよ」

グリーン「だめだめ」

ナツメ「なんでよ」

グリーン「今のがきっかけで仲良くなったと思えない、もっとだ」

ナツメ「はぁ…」
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:49:14.69 ID:37tY90F90
約10年前 タマムシデパート屋上

レッド「……」ピッ ガコンッ ぷしゅ ごくごく

レッド「……」ごくごく

レッド「なくなった…」

ナツメ「あれ、レッド君?」

レッド「ナツメさん…」

レッド「俺のこと覚えてたんですね…」

ナツメ「ええ、もちろんよ、だってあなたは(悪い意味で)一番印象の強いトレーナーだったから」

レッド「……」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:51:07.31 ID:37tY90F90
レッド「ナツメさんは何しにここに…?」

ナツメ「年もそんなに変わんないんだし、さんなんてつけなくていいわよ、もちろん敬語もいらない」

ナツメ「君は少し変わってるけど、いいお友達になれそうだから」

レッド「……」

ナツメ「私はねたまーにだけど海が見たくなるの」

ナツメ「結構ジムって忙しくて直接海まではなかなか行けないの」

ナツメ「でもこのデパート屋上からなら海がよく見えるから週一ぐらいでここに来るの」

レッド「……」

ナツメ「そういやレッド君はバッジ何個集まったの?」

レッド「7つ…」

ナツメ「すごいじゃない、あと一つね、がんばって!」

レッド「うん…」

ナツメ「さて、そろそろ戻らないと、ほんとにちょっとしか見る時間ないのよね」

レッド「あ…」

ナツメ「どうしたの?」

レッド「俺にも君ってつけないくていい…」

ナツメ「わかった、またねレッド」
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:51:46.73 ID:37tY90F90
一週間後

レッド「……」ピッ ガコンッ ぷしゅ ごくごく

レッド「……」ごくごく

レッド「なくなった…」

レッド「……」

ナツメ「レッド?」

レッド「…偶然」

レッド「今日も海…?」

ナツメ「うん」
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:52:18.39 ID:37tY90F90
ナツメ「最近いいこと少なくて、嫌なことが多いのよね」

ナツメ「でもあの広い海を見ると少しだけどスーッとするの」

レッド「……」

ナツメ「レッドはいいことあった?」

レッド「……」がさごそ

ナツメ「えっこれ」

レッド「全部そろった…」

ナツメ「すごいじゃない!もう私より強いかもしれないわね」

レッド「……//」
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:53:15.54 ID:37tY90F90
3年後

レッド「……」ピッ ガコンッ ぷしゅ ごくごく

レッド「……」ごくごく

レッド「はぁ…」

ナツメ「ため息なんかついてどうしたの?」

レッド「うわっ、びっくりした」

ナツメ「お待たせ」

レッド「今日は来ないかと思っちゃった」
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:54:25.61 ID:37tY90F90
ナツメ「ねえレッド」

レッド「ん?」

ナツメ「あまり迷わないで自分が本当にやりたいことをやった方がいいよ」

レッド「?」

ナツメ「超能力を使わなくてもあなたが何を考えてるかだいたいわかるわ」

レッド「……」

レッド「その、聞いてもらってもいいかな?」

ナツメ「うん、いいよ」

レッド「実はチャンピオンやめようと思って…」

ナツメ「そう」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:55:30.47 ID:37tY90F90
レッド「驚かないの?」

ナツメ「あなたのことだからチャンピオンは退屈だとかもっと強くなりたいとかいう理由でしょ」

レッド「せ、正解…」

レッド「超能力使ってないの?」

ナツメ「うん、でもわかるよ」

レッド「やめていいのかな…?」

ナツメ「あなたはもうやめても後悔しないんでしょ?」

レッド「…うん」
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:56:24.47 ID:37tY90F90
ナツメ「やめたらどうするの?」

ナツメ「というよりどこ行くの?」

ナツメ「その、もし…もしもだけど決まってないんなら」

レッド「シロガネ山に行こうかなと思ってる…」

ナツメ「そ…そう…決まってるんだったらね…」

ナツメ「いつやめるの?」

レッド「今から言いに行こうと思う」

レッド「それでそのままシロガネ山に行くつもり」

ナツメ「だったら…」
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:57:14.57 ID:37tY90F90
現在

ナツメ「…って感じかな」

グリーン「…なんか最後きれてない?」

ナツメ「ああ、普通にがんばってって言っただけ」

グリーン「ええ…なんかあっただろ」

ナツメ「ない、早くレッドのこと教えなさい」

グリーン「あとレッドの『…』があきらかに減る過程が知りたいな」

ナツメ「……」

グリーン「ああ…いいかな、もう十分聞けたし」
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:57:59.07 ID:37tY90F90
グリーン「レッドはチャンピオンたちによってリーグ本部からシンオウ地方のテンガン山まで運ばれる」

グリーン「テンガン山の頂上には槍の柱っていう神殿の遺跡がある」

グリーン「そこで何かするんだろうな」

ナツメ「それはいつなの?」

グリーン「ヨウの電話じゃ一日延期されたって言ってたし、明日だな」

ナツメ「えっ!?」

ナツメ「あれだったの…」

ナツメ「じゃあ今じゃないの!」
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/11(水) 02:58:33.61 ID:37tY90F90
グリーン「えっ今!?」

ナツメ「あんなの私が仕組んだことってわかるでしょうが!」

ナツメ「なのにダラダラと話させて!」

グリーン「ダラダラと話してたのお前だろ!」

ナツメ「私のせいにする気!?」ぎにぃぃ

グリーン「いだだだだだだだだ!ひっぱんだ!」

ナツメ「こんなことしていられない、シンオウまで行かれたらめんどうだわ」

グリーン「今から行くのか?行ってもどうにもできないだろ」

ナツメ「方法があるから行くんでしょ…」
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/11(水) 05:50:48.71 ID:vWkoDvRQO
これでグリーンもロケット団やな
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:10:20.07 ID:WGceowwn0
ポケモンリーグ本部

レッド「あー、あー」

レッド「どうもみなさんこんばんはー」

レッド「なんか俺自分に関する記憶のほとんどなくなっちゃったみたいなんですよー」

レッド「でもみんなは俺のことレッドって呼ぶんで、たぶん名前はレッドっていいまーす」

レッド「最近あったことは、ごねてたら目隠しとってくれましたー」

レッド「それと正面の牢に人が入りました」

レッド「目がめちゃくちゃ細い俺より少し年上の男です」

レッド「でもぐったりして全く動きません」

レッド「あれ生きてるのかどうかも謎だ」
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:11:21.16 ID:WGceowwn0
アクロマ「まったく…うるさいですね」

レッド「あ、どうも!こんにちはー!」

アクロマ「…そうやって頭がおかしくなったら自分に用はなくなり解放される」

アクロマ「そんなことを考えてるんじゃないですか?」

レッド「…ちっばれてたのか」ぼそっ

レッド「じゃあそこまでわかるなら早く出してくれよ!」

アクロマ「いいですよ」

レッド「え、マジで!?」
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:12:02.71 ID:WGceowwn0
レッド「いやー、やっとわかってくれたんだなー」

アクロマ「というより出てもらわないと困るんですがね」ガチャ

レッド「…あれ、あのまだ椅子に固定されたままなんですけど」

ワタル「牢からは出すが、その後逃げられる可能性があるからな」

レッド「あ、マントの人」

ワタル「俺はワタ」

アクロマ「あなたが来たということは早くしろと言っているのですね」

アクロマ「彼は昔からせっかちすぎる、今来たばかりだというのに」

アクロマ「ん?今は彼女ですか」
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:12:33.69 ID:WGceowwn0
ワタル「それは外見だけの話だろ」

アクロマ「たしかに、本体は変わってませんからね」

レッド「?」

アクロマ「おっと、こんな話をしてる場合じゃなかったですね」

アクロマ「さあ行きましょう」

レッド「だからちょっと、椅子から離れさせて!」

レッド「背中かゆい!」

アクロマ「我慢してください」

アクロマ「それ以上騒ぐのなら口もふさがなければいけませんよ」
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:13:39.46 ID:WGceowwn0
???「アクロマ」

アクロマ「…やれやれ、ワタルさんの次は本人が来ましたか」

アクロマ「もう連れて来てますよ」

???「そんなことは見ればわかります」

アクロマ「ではなんの用で?」

???「今までどこかにいた図鑑所有者のうち二人がカントーに入ったとのことです」

アクロマ「ええ、そんなことならわたくしも知っています」

???「知っているなら、何か対策をしなさい」

???「図鑑所有者どもは全員といっていいほどレッドの味方です」

???「そんなことはわかっているはずでしょう」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:15:21.23 ID:WGceowwn0
アクロマ「あなた自身でどうにかしなくていいんですか?」

???「…どういうことですか」

アクロマ「カントーに来た図鑑所有者の一人はトウヤ君だそうじゃないですか」

レッド(トウヤ…そういやあの時目が覚めた時にそんなやつが…)

???「ええ、そうですね」

レッド「ねーねー、おねーさん」

レッド「なんかよくわかんないけど、そいつらに手は出さないでもらえる?」

???「あなたがおとなしく言うことを聞いてくれれば出す必要がないんですよ」

レッド「おおやさしい、じゃあおとなしくしてる」
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:17:29.84 ID:WGceowwn0
???「ただし」

レッド「?」

???「こちらは何もしなくても向こうから何かした場合は知りませんがね」

レッド「……」

アクロマ「あなたが何もしなにのなら後は全てわたくしがやっておきましょう」カキカキ

アクロマ「ワタルさん、すみませんがこれをラムダに渡してきてもらえますか」

ワタル「なんだこれは?」

アクロマ「ただ指示を書いただけです」

アクロマ「ああ、中は見ないでくださいね、一応極秘ということにしてますから」

アクロマ「急いでくださいね、あなたが戻ってきたらすぐ出発しますよ」
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:18:35.64 ID:WGceowwn0
一時間後

トウヤ「ねえ、なんでリーグに来たの?」

コトネ「レッドさんの捜索にあんたを倒した科学者にリベンジ、それにトウコとN君も探さなきゃいけない」

コトネ「これら全部をやるのにあって困らない、むしろあるべきもの」

コトネ「それは戦力!」

トウヤ「なんで?よくわかんない」

コトネ「だからまずはあんたのキュレムを取り戻さないと」

トウヤ「えっ無視ですか?」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:19:18.53 ID:WGceowwn0
コトネ「あれ?」

トウヤ「なになに、どうしたの?」

コトネ「ドアが開かない」

トウヤ「ポケモンリーグに休みとかあったっけ?」

コトネ「知らない、でもここまで来て帰るわけにはいかないわ」

コトネ「メガニウムにぶち破ってもらいましょ」

トウヤ「ええっやばいよ!そんなことしちゃ…」

ガシャーン

コトネ「よーし」

トウヤ「あーあ…」

トウヤ「やっぱやめない…?やばいよ」

コトネ「ドア蹴破った時点でもうやばいんだから、ここでやめても一緒よ」

トウヤ「そう…だけど」

コトネ「さぁレッツゴー!」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:22:08.27 ID:WGceowwn0
トウヤ「ほんとに人いないね、本部ってこんなものなの?」

コトネ「私一回しか来たことないけど、その時でもちゃんと人はいたわね」

コトネ「こっちでいいの?」

トウヤ「たぶんそっちは四天王のいるところへの道だよ」

コトネ「じゃあどこにキュレムのボールがおいてあるの?」

トウヤ「僕ここに来たことないんだし、わかるわけないじゃん」

トウヤ「こういうのは分かれて探した方がよくない?」

コトネ「い、一緒に来たんだから一緒に探せばいいでしょ!別れる必要ないじゃない!」

コトネ「それとももし私が襲われたりしてもいいっての!?」

トウヤ(コトネなら返り討ちにしちゃいそうだけど…素手で)
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:23:45.59 ID:WGceowwn0
トウヤ「これだけ探しても普通のボールすら見つからないね」

トウヤ「人もいないし、なんか不気味だなぁ」

コトネ「なんか…こう…わかんないの?」

トウヤ「なにが!?」

コトネ「俺とあいつはたとえどれだけ離れていても魂でつなかってる、だからどこにいるかわかるんだってならないの?」

トウヤ「そんなことができたら最初からやるでしょ」

コトネ「とりあえず一回やってみよ」

トウヤ「やってみよってどうやんの」

コトネ「目をつぶって、心を落ち着かせて」

トウヤ「……」

コトネ「どう?」

トウヤ「…わかんない」
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:26:31.18 ID:WGceowwn0
トウヤ「ていうかこんなことで…」

トウヤ「今人の声が…」

コトネ「えっそういうのやめてよ」

トウヤ「いやほんとほんと」

トウヤ「それにまだ昼間だし幽霊とかじゃないと思うよ」

コトネ「ゆ、幽霊って言わないで!おばけって言いなさい!」

トウヤ「あれ、コトネってそういうのダメだった?」

コトネ「そ…そうだけど…」

トウヤ「へぇ〜」にやっ

トウヤ「で、どうする?声のした方行ってみる?」

コトネ「ほんとにおばけじゃないよね…?」

トウヤ「だからこんな真昼間に幽霊なんて出ないって」

コトネ「お!ば!け!」

トウヤ「いやその人に聞こえるような声出さないでよ…」

コトネ「つい…」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:27:04.80 ID:WGceowwn0
トウヤ「この先から聞こえる」

コトネ「この先って壁じゃん」

トウヤ「でもコトネも聞こえたでしょ?」

コトネ「まあ聞こえるけど」

トウヤ「どこかに隠し扉とかあったりして」

コトネ「壊しちゃえば?」

トウヤ「すぐそうやって楽しようとする」

コトネ「メガニウム」ドーン

コトネ「ほんとだ部屋がある」

トウヤ「……」
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:27:48.50 ID:WGceowwn0
トウヤ「電気もついてないし、雰囲気もなんだか不気味だね」

コトネ「……」

トウヤ「なんか急にしゃべらなくなったね、怖いの?」

コトネ「こ、怖くないし!」

トウヤ「そのわりに近いね」

コトネ「こ…これは…その…トウヤ寒そうだからあっためてあげようと思って」

トウヤ「僕全然寒くないよ」

コトネ「遠慮しなくていいから!」

トウヤ「……」

コトネ「……」

トウヤ「わっ!」

コトネ「ひゃうっ!?」

トウヤ「ぷっ…ふふふ」

コトネ「あ、遊んでる場合じゃないでしょ!」
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:29:01.37 ID:WGceowwn0
トウヤ「痛い…」ひりひり

コトネ「次やったらこんなんじゃすまないから」

トウヤ「気をつけます…」

コトネ「わかればよろしい」

トウヤ「あっ」

コトネ「ぎゃひっ!?」

コトネ「この…さっき言ったばっかでしょうが!」

トウヤ「違う違う!驚かしてんじゃないよ!」
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:31:46.86 ID:WGceowwn0
トウヤ「これ牢屋だよ」

コトネ「それが何よ」

トウヤ「ポケモンリーグに牢屋があるなんておかしくない?」

トウヤ「それにここたぶん隠し扉があったようなところだし」

コトネ「たしかに…」

トウヤ「ポケモンリーグってこんなところじゃないよね…」

コトネ「……」

トウヤ「一度ここから出よう」

トウヤ「それでコトネはみんなのところに」

トウヤ「後は僕一人でやるから」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:32:37.68 ID:WGceowwn0
コトネ「な、なんでよ!?」

トウヤ「なんとなくだけど危ない気がする…」

コトネ「嫌よ、私も行く!」

トウヤ「だってコトネ、怖いの無理でしょ」

コトネ「無理じゃない!」

トウヤ「幽霊でるよ」

コトネ「ゆ…おばけなんて怖くない!」

コトネ「トウヤに何かあったときの方が怖いもん」

コトネ「お願いだから一人でなんて言わないで…」
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/17(火) 01:33:29.97 ID:WGceowwn0
トウヤ「…うーん、じゃあほんとに危なかったら僕を置いてでも逃げてね」

コトネ「え…でも…」

トウヤ「それが約束できないなら無理やりでも…」

コトネ「うん…わかった」

トウヤ「僕だってコトネには無事でいてほしいから…」

コトネ「トウヤ…」

コトネ「よーし、じゃあレッツゴー!」

トウヤ「え…」

コトネ「何ぼかーんとしてんの、ほら行った行った」
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