【ガルパン】西住みほ「あの……私、戦車道、やめます……」【劇場版】

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172 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:55:13.47 ID:Cux6+xjZO
>>171訂正

エリカ「やっぱりそっちのポイントだったわね!3時方向から回り込みなさい!PANZER VOR!」
173 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:56:00.53 ID:Cux6+xjZO
黒森峰生「敵車両、向かってきます!枝が邪魔で撃てません!」

小梅「みほさん!どうしますか!?」

みほ(エリカさんなら……)

みほ「逸見さんは左側から回り込んできます!木をどかしつつ旋回、間に合いますか!?」

小梅「間に合わせます!」

ギャギャギャギャ!
174 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:56:36.08 ID:Cux6+xjZO
エリカ「発射!」

ドオン!……カキィン!

エリカ「浅い!でも、肉薄したわ!このまま攻めるわよ!」
175 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:57:13.25 ID:Cux6+xjZO
みほ「こっちも射撃!撃てっ!」

ドオン!……キインッ!

エリカ「次弾装填、急ぎなさい!」

みほ「後退!茂みから抜けます!」

小梅「どっちに抜けますか!?」

みほ「斜め右から……いえ!左側からお願いします!」
176 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:58:17.62 ID:Cux6+xjZO
エリカ(このあとは動きのとれない茂みから脱出しようとするはず……あいつなら……)

黒森峰生「敵車後退!茂みから抜けます!」

黒森峰生「発射準備完了!」

エリカ「砲塔、左側に10度旋回!発射!」

ドオン!

エリカ「外した!?……まだよっ!」
177 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:59:03.54 ID:Cux6+xjZO
みほ「発射用意!」

エリカ「来るわ!右旋回!」

ドオン!

エリカ「反撃!ファイア!」

ドオン!……ギィン!

みほ(強い!エキシビションにいたどの戦車より!)

エリカ(負けない!あんたには、負けない!)
178 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 22:59:44.49 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜

直下「すごい……エリカさん、西住さんを押してる……」

「でも、ブランクがあるのに副隊長とあれだけ戦えるなんて」

「さすが隊長と同じ西住流、ってこと?」

まほ「…………」

まほ(エリカ、辛い役回りを押し付けてすまない……みほ、どうか乗り越えてくれ)
179 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/21(金) 23:01:34.61 ID:Cux6+xjZO
本日は以上です。
ちなみにこっちのエリカはすでに後悔してそうな顔はしてません。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/21(金) 23:03:35.56 ID:1WLGueVSO
つらいわに
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/21(金) 23:03:35.66 ID:uAd8BhRh0
乙です
実に読み応えがありました、みほVSエリカがどう決着するか楽しみです
みほ梅をもっとマシマシでお願いしますw
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 13:18:32.72 ID:VvTVfeOso
乙です
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 15:11:39.63 ID:/djYzJyA0
うんこしながらトイレで読んだので、30レスまでしか読めなかったが、これは面白い。
話の持ってき方がおもしろい。
つぎのうんこが楽しみだぜ!
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 21:24:42.67 ID:6ewQFPfZO

エリカ・・・
185 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:24:16.75 ID:CSisvgHXO
ドオン! ドオン!

エリカ「装填、もっと速く!」

黒森峰生「は、はいっ!」

エリカ(隊長が、私が、どれだけあんたのことを心配したと思ってるの!)

エリカ「操車も!最短で指示に追随しなさい!」
186 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:25:03.32 ID:CSisvgHXO
エリカ(悔しいなら怒れば!苦しいなら声を上げればよかったじゃない!それを全部自分が悪いって諦めて!……なんでもっと、私達を頼らなかったのよ!)

エリカ「敵は西住流、一瞬たりとも気を抜くんじゃないわよ!」

エリカ(許さない!絶対に許さない!……だからこんな壁、越えてみせなさい!)
187 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:26:03.08 ID:CSisvgHXO
ドオン!

みほ「来ます!左に回避!」

小梅「はいっ!」

キキイッ!

みほ「可能な限り木を盾にして、側面をカバーしてください!」

みほ(エリカさん、反応が速い……!ずっと強くなってる!)
188 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:26:30.93 ID:CSisvgHXO
みほ「このまま旋回、敵車の頭を抑えてください!」

みほ(だけど……負けられない!私は戦車が好きだから!)

みほ「今です!」
189 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:26:59.52 ID:CSisvgHXO
黒森峰生「敵車正面!回避間に合いません!」

エリカ(この距離で撃たれたら……!なら!)

エリカ「前進!撃たれる前に懐に潜り込みなさい!」

ギャギャギャ……! ガァンッ!
190 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:27:45.45 ID:CSisvgHXO
みほ「くっ……!大丈夫ですか!?」

黒森峰生「はい、問題ありません!」

小梅「でも、この状況……」

ギギギ……
191 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:28:41.22 ID:CSisvgHXO
エリカ(お互いの砲塔の内側に入り込んだこの体勢……これじゃ、どっちも撃てないわね)

みほ(同じ戦車、同じエンジン……同じ出力じゃ、押し合っても勝負は付かない)

エリカ(所詮この試合はデモンストレーションのみたいなもの。これ以上続ける意味はないわ)

みほ(なら、ここで終わりにする?ううん、そんなこと……)

みほ・エリカ((できるわけがない!))
192 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:29:31.64 ID:CSisvgHXO
エリカ「……どれだけ腑抜けたかと思ったら、意外にやるじゃない」

みほ「私は負けません。勝ってチームへの復帰を認めてもらいます」

エリカ「決着を付けるわよ。3つ数えたら、お互いに全速で後退するの。どう?」

みほ「受けて立ちます。3つ、ですね」
193 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:30:19.63 ID:CSisvgHXO
エリカ「1!」

エリカ(わかってる。試合に勝つなら相手だけ動かして、自分は動かずに狙いを付ければいい)
194 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:30:49.20 ID:CSisvgHXO
みほ「2!」

みほ(私達の会話なんて誰も聞いてない、後で相手が何を言っても、負け惜しみにしか思われない)
195 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:31:21.87 ID:CSisvgHXO
みほ・エリカ「3!」

みほ・エリカ(でも、この勝負には負けたくない!)

みほ「全速、後退!」

エリカ「後退しなさい!」
196 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:32:33.79 ID:CSisvgHXO
ギャギャギャギャ……キキイッ!

エリカ(この間合い、パンターの傾斜装甲を撃ち抜くには!)

エリカ「ターレットリングを狙いなさい!」
197 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:33:05.88 ID:CSisvgHXO
みほ「……俯角最大!地面を狙ってください!」
198 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:33:35.37 ID:CSisvgHXO
エリカ「ファイア!」

ドオン!

みほ「発射!」

ドオン!

……シュボッ!
199 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:35:00.11 ID:CSisvgHXO
まほ「試合終了!勝者、5号車……西住みほ!」
200 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:35:37.39 ID:CSisvgHXO
みほ「うまくいった……皆さん、ありがとうございました!」

小梅「みほさん!やりましたね!」
201 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:36:08.41 ID:CSisvgHXO
エリカ「砲弾を地面に当てて、跳弾で車体下部を狙うなんて……やっぱり、遠いわね」

黒森峰生「でも、西住さん相手にここまで戦えるなんて凄いですよ!」

エリカ「ブランク明けで本調子じゃなかっただけよ。でも、見てなさい。また同じチームになったからには、すぐに追い抜いてやるんだから」

黒森峰生「……副隊長、負けたのに喜んでません?」

エリカ「……っ!バカ言わないで!」
202 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:37:16.18 ID:CSisvgHXO
〜〜〜〜

小梅「エーリーカーさんっ!」

エリカ「……何よ。あんた、雑用は終わったわけ?チームに戻ったとはいえ、新入生と同じ待遇って言われたでしょ?」

小梅「はい。伊達に中学からやってませんよ。効率のいいやり方とか色々身に付けてますから」

エリカ「ふん。少しでも不備があったら、副隊長権限で遠慮なく処罰を……」

小梅「えいっ」ピトッ

エリカ「ひゃぁぁっ!……な、何するのよ!」
203 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:38:25.26 ID:CSisvgHXO
小梅「ノンアルコールビールです。キンキンに冷えてますよ?」

エリカ「いきなり顔に押し付けないでよ!」

小梅「試合の後で火照ってるかな、って思って。一緒に飲みませんか?今日のお礼です」

エリカ「受け取れないわ。お礼をされるようなことなんてしてないもの」

小梅「またまたー。あんなことを言って勝負なんてさせたのは、みんなにみほさんの実力を見せるためだったんでしょう?」

エリカ「……何のことかわからないわね。頭でも打ったの?」
204 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:39:15.46 ID:CSisvgHXO
小梅「エリカさんがわからなくても、私にはわかりますよ。だってエリカさん、またみほさんと同じチームで戦車道をやりたがってたじゃないですか。……3番目に」

エリカ「はあ!?だいたい、何よ3番目って!」

小梅「隊長、私、エリカさん。ほら、3番目です」

エリカ「隊長はともかく、あんたの下ってのは納得いかないわ。2番に訂正しなさい」

小梅「認めるんですか?みほさんと同じチームになれて嬉しいって」

エリカ「違うわ!それが何でも、あんたの下ってのが納得いかないだけよ!」

小梅「うーん、却下です」
205 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:39:49.61 ID:CSisvgHXO
エリカ「あんたねえ!……まあいいわ。くれるって言うならもらってあげる。ほら、よこしなさい」

小梅「はい、どうぞ。それじゃエリカさん。また、よろしくお願いします」

エリカ「……ええ。こちらこそ。あんたが戻ってきてくれて嬉しいわ。あいつの側に付いていてくれて、ありがとう」

小梅「いえいえ。それこそお礼を言われるようなことじゃないですよ」

エリカ「そう……乾杯」

小梅「乾杯!」
206 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:41:05.75 ID:CSisvgHXO
〜〜〜〜

Prrrr……Prrrr……Prrrr……

みほ(コール音が、長く感じる。早く出てほしいような、このまま出ないでほしいような……)

みほ「落ち着いて、深呼吸、深呼吸。吸って、吐い……」

しほ『はい』

みほ「……!っげほっ!げほ!」

しほ『……なぜ電話に出ていきなり娘が咳き込むのを聞かされなくてはならないの?』
207 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:42:17.51 ID:CSisvgHXO
みほ「はぁ、はぁ……ごめんなさい、ちょっと心の準備ができてなくて」

しほ『それで、何の用?』

みほ「お母さん……私、戦車道、やります。もう一度、チームに戻ります」

しほ『……その意味、わかっているわね?西住の名を背負うものがその道を選ぶ。もう二度と、戦車道を辞めることは許さないわよ?』

みほ「私わかったんだ。戦車が好きなんだって。だから、もう辞めないよ」

しほ『もう一度あの時と同じ状況になったとしたら、あなたはチームメイトを見捨てられるの?』
208 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:43:36.48 ID:CSisvgHXO
みほ「ううん。それはきっと、できないと思う。私はまた助けに行くと思う」

しほ『まだわかっていないの?西住流は何があっても前に進む流派。強きこと、勝つことを尊ぶのが伝統。それを理解していないのなら、あなたの復帰を許すわけにはいきません』

みほ「……でも、お母さん。私は、誰かを助けようとすることが後ろに戻ることだとは思わない。みんなで勝とうとする気持ちが、弱いとは思えない。だから私はきっと、また助けに行く。助けに行って、今度はみんなで勝ってみせる」

しほ『そんなことができると思うの?』

みほ「私はそうやって勝てるよう、前に進みたい。犠牲がないと大きな勝利が掴めないって最初から決めつけるなんて、そっちの方が諦めてる。……前に進むことを、捨てちゃってるよ」
209 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:46:20.16 ID:CSisvgHXO
しほ『それが、あなたの答えなのね』

みほ「うん。……まだお姉ちゃんみたいに、自分の戦車道、って自信を持っては言えない。けど、そういう道を私は見付けたい。だから、チームに戻ることを許してください」

しほ『……及第点、ね。私にそこまでの大言壮語をしてみせた度胸、認めるわ。大洗の会長から学んだの?』

みほ「大洗のみんなは、本当にどうにもならないような状況になっても、誰も諦めようとしなかったんだ。だから私も、ああなりたいって思えた。どうするのが前に進むことなのか、考えることができたんだ」
210 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:47:02.18 ID:CSisvgHXO
しほ『大洗には借りを作ってしまったわね。大きな借りを』

みほ「お母さん……お願いします。どうか、大洗の皆の助けになってあげてください」

しほ『あの会長に言ったことが全てよ。私は西住流の名を貶めたままにするつもりはない。それだけ』

みほ「お母さんも素直じゃないんだね……今の言い方、逸見さんみたい」

しほ『……仕送り、減らされたいの?』

みほ「ご、ごめんなさい!」
211 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/23(日) 09:47:54.72 ID:CSisvgHXO
しほ『みほ。あなたのやろうとしていることは、西住流の伝統を否定することよ。道は険しいわ……でも、負けることは許しません』

みほ「負けないよ。私は、お母さんの娘だもん」

しほ『……そう』
212 : ◆8DlJds//22 [sage]:2016/10/23(日) 09:52:42.01 ID:CSisvgHXO
本日は以上です。

小梅「やば……これ、ノンアルありませんでした……」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 10:06:33.95 ID:ynw0UBMf0
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 11:22:15.95 ID:KZdDXb1mO
乙。みほしほの会話シーンは最終章で見られるのかなあ

あとベロンベロンになって色々ぶちまけちゃったエリカさんはよ
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 12:26:06.29 ID:roDFCnW+o
乙です
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 15:58:26.27 ID:9lO06u+wO
みぽりん復活しちゃったらもう消化試合じゃん
終わりでよくね?
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 17:48:08.74 ID:DwHsU9HfO
乙乙
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 07:35:55.84 ID:pgwONoyGO
今日の9時から投下します。
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 16:21:42.82 ID:5fNRKxA00
更新楽しみ
220 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:03:16.93 ID:viC8bTMvO
〜〜〜〜

――戦車道チーム・一時転校先――

杏(あんなことを言っといて、結局何の成果も得られなかった。みんなに合わせる顔がないや……だけど、動揺や落胆を見せるわけにはいかない。みんなの士気を維持しないと)

杏「ただいまー!いやー、こんな場所でも帰ってくると安心するもんだねぇ!」

柚子「会長!おかえりなさい!」

桃「かいちょう、がいぢょぉぉう!」ダキッ

杏「おー、よしよし。久しぶりー。……あれ?二人だけ?」
221 : ◆zDZBg4K1Bg [saga]:2016/10/26(水) 21:05:20.02 ID:viC8bTMvO
柚子「はい。みんなは今、ちょっと……」

杏(おかしい。学校に誰もいない、戦車もない。……まさか、文科省がまた何かを!?)

杏「一体なにがあったんだ!」

柚子「お、落ち着いてください会長!みんなもそろそろ帰ってきますから!」

杏「そっか……てっきり、またなんかされたのかと思ったよ……それで、みんな揃ってどこに行ってんの?」

桃「それは……」
222 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:06:23.74 ID:viC8bTMvO
ギュラララララ……

エルヴィン「カバさんチーム、ただいま帰還したぞ!」

梓「うさぎさんチームも、戻りました!」

典子「アヒルさんチーム、到着!」

沙織「あんこうも帰ってきました!もう汗だくだよー!早くお風呂に入りたい!」

杏「あれ、聖グロと練習試合したときのデコレーションだ。あんなんでどこいってたんだか」

柚子「それじゃさっそく、皆を臨時生徒会室に集めますね。ぜひ、みんなの口から聞いてください!」
223 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:13:19.70 ID:viC8bTMvO
杏「皆、ただいまー!」

左衛門佐「会長!首尾は如何に!」

杏「いや、それがさー……まだ、なーんにも」

あけび「そうなんですか……」

杏「ごめんごめん。でも、絶対何とかしてみせるから。それよりもさ、皆でいったいどこに行ってたのさ?遠足?」
224 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:16:25.85 ID:viC8bTMvO
沙織「私たち、会長が帰ってきたら渡そうと思って準備してたものがあるんです」

杏「武部ちゃん、どうしたの?あいにくだけど、恋文なら間に合ってるかな」

沙織「違います!……ゆかりん!」

優花里「これです!」ドン!

杏「これ……ノート?それも、こんなにたくさん」
225 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:17:41.05 ID:viC8bTMvO
優花里「はい!父や戦車ショップの店員の方々……色々な方に手伝ってもらって学園艦で働いていた人たちから集めた、大洗女子学園廃校反対の署名です!」

カエサル「それだけじゃないぞ。我々が街に出て書いてもらった署名もだ」

あや「他のクラスの皆とも連絡を取って、あちこちで集めました!」

杏「……そっか、それでみんな学校にいなかったんだね」
226 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:20:46.89 ID:viC8bTMvO
華「それでは、私からはこちらを」

杏「五十鈴ちゃん。これは?」

華「五十鈴流でお世話になっている先生に頼んで考えてもらった、学園の経営改善案です。小山先輩や麻子さんに書類や計算の面で手伝っていただいたのですが……不備がないか、改めていただけますでしょうか」

麻子「おかげで寝不足だ……寝かせてくれ」

沙織「あんた、署名集めの間ずっと寝てたじゃん」

麻子「うるさい。頭を使うと眠くなるんだ。ふぁぁ……」

そど子「冷泉さん!あんたまさか、居眠り運転なんかしてないでしょうね!」

麻子「そんなことしたら一発で免停だ。するわけないだろう、そど子」

そど子「だから、そど子って呼ばないで!」
227 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:21:33.73 ID:viC8bTMvO
杏「わかった。目を通しとく。しっかしすごい量だね。しかもグラフやら表やら、こんなにいっぱい」

華「ええ。『内容によっては今後の付き合いは考えさせてもらう』とお伝えしたら、一晩で仕上げてくれました」

杏「そ、そうなんだ……」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/26(水) 21:23:06.24 ID:AiKP8X790
華さん、黒いし怖いでぇ…
229 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:25:21.98 ID:viC8bTMvO
沙織「私からは、これです!」

杏「これは……学校のパンフレットだね」

沙織「少しでも入学希望者が増えればと思って。それと、桃ちゃん先輩と協力してホームページも新しくしたんですよ!」

杏「ホントだ。リニューアルされてる……『祝!高校戦車道全国大会準優勝!』かぁ」

沙織「戦車道連盟やダージリンさん、カチューシャさんにもお願いして、それぞれのホームページからリンクをつなげてもらいました。色々な学科の写真とかは新しいものを撮れないから皆が持ってるデータを使うしかなかったんですけど……でも、今までのよりずっと良くなってると思います!」
230 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:26:34.72 ID:viC8bTMvO
杏「へー。チームごとにコラムなんて書いてるんだね」

おりょう「我々の歴史コラムは大人気ぜよ」

ナカジマ「いやいや、私たちの自動車コラムだって」

沙織「その道のマニアからしか反響ないじゃん……やっぱ、私の恋愛相談ページが!」

あゆみ「成功した、ってお礼は一件も来ないですね」

沙織「もー!なんでよー!」

優季「恋愛経験ゼロだからじゃないですかー?」

杏「あはは。それで、どこのチームのが一番人気なの?」

典子「それが、実はぶっちぎりで……」
231 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:28:32.63 ID:viC8bTMvO
バアン!!

ねこにゃー「すいません!遅れました!」ムキッ

ももがー「申し訳ないナリ!」ムキムキッ

ぴよたん「集中しすぎてトランス状態に入ってたっちゃ!」ムキムキムキッ

杏「う、うん……なんかアリクイさんチーム、大きくなった?」

華「アリクイさんチームの『ヒキオタから始める肉体改造』なんですよね……」

典子「プロテイン飲み比べ、戦車を使った斬新な筋トレ、素手での砲弾投げチャレンジ……すごい根性を感じます!」

優花里「書籍化の話が来てるレベルですからね……」

麻子「あれを読んで入ってくる新入生とはあまり付き合いたくないけどな」
232 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:30:03.59 ID:viC8bTMvO
沙織「と、とにかく!アクセス数も10倍以上に増えて、資料請求の電話もたくさん来てるんですよ!」

梓「やっぱり、決勝戦で全国中継されたのが大きかったみたいです」

桂利奈「署名を集めてると、たまにお菓子もらえます!」

あけび「あとは、がんばれー!って声をかけてもらったり」

カエサル「ああ。我々の戦いは、会長たちの頑張りは、無駄じゃなかったんだ」
233 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:31:55.44 ID:viC8bTMvO
杏「……そっか。ところでこのパンフレット、戦車道のページのここに大きな空白があるけど」

柚子「そこは会長が帰ってくるまで埋められなかったんです。会長。校庭に行きましょう!」
234 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:33:27.21 ID:viC8bTMvO
沙織「ほらほら、皆もっと笑顔!麻子!あんたこんなときまで眠そうな顔しないで!」

杏「埋められなかった、ってこういうことかぁ。でも、どうせ私達は来年いないんだから撮っちゃえば良かったのに」

桃「はい。……ですが武部が、絶対にチーム全員で、戦車をバックにした集合写真を載せたいと」

杏「そのためにわざわざデコってあったんだね」

桃「どうせならばインパクト重視の方がいいと思いまして」
235 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:35:47.94 ID:viC8bTMvO
沙織「アリクイさんチーム、すごくいい!個性が出てるよ!」

ねこにゃー「そ、そうですか……?」ムキイッ

ぴよたん「ふんっ!」ムキイッ

ももがー「それっ!」ムキイッ

エルヴィン「我々も負けていられないな」

カエサル「うむ、ここはやはり月桂冠を」

左衛門佐「では拙者もこれを」

そど子「あんたたち、何考えてるの!公式なパンフレットなんだから、仮装は禁止よ!」

おりょう「やっぱりうるさいぜよ……」
236 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:37:35.52 ID:viC8bTMvO
典子「『バレー部員募集中!』って戦車に貼ろうか?」

忍「キャプテン、名案です!」

妙子「ただでさえユニフォームなのに、何がなんだか本当にわからなくなっちゃいませんか?」

そど子「いい!?風紀委員としての威厳が出るようなポーズにするのよ!」

ゴモヨ「はいっ!」

パゾミ「それってどんなポーズ?」
237 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:38:44.55 ID:viC8bTMvO
梓「私たちはどうしよっか?」

桂利奈「これ!」

優季「あー、そのポーズ」

あゆみ「ビッグジョー曹長だね!」

桃「何の話をしてるんだ?」

あや「あっ、桃ちゃん先輩、このポーズ真似してみてください!」

桃「む……こうか?」

桂利奈「コルト少将だ!」

桃「そうか、私は将軍か!やっとお前たちもわかったみたいだな!」

優季「ぴったりですよー、桃ちゃん先輩!」

ツチヤ「私らは作業着で写るのが一番アピールになるかな」

スズキ「ザ・自動車バカ!って感じ?」

ホシノ「言えてるかも」
238 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:39:51.08 ID:viC8bTMvO
沙織「それじゃ皆、タイマー押すからね!……よし、オッケー!」

あや「先輩、はやくー!」

沙織「わかってるって……きゃっ!」

華「沙織さん!?」

優花里「武部殿、大丈夫ですか!?」

沙織「うん、だいじょぶ……あっ!みんな、カメラの方見ないと!」

……パシャッ!
239 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:41:43.17 ID:viC8bTMvO
沙織「うーん、よし!すっごくいい写真が撮れたよ!これでパンフレットも完成したし、じゃんじゃん印刷して、ばんばん送ろう!」

華「会長。私達は会長が、生徒会が何とかしてくれると考えてました……ですが、会長も私達と同じ大洗の1生徒なんです。どうか、私達をもっと頼ってください。私達は会長に守られるだけではありません。会長の……仲間、なんですから」

優花里「五十鈴殿の言う通りです。私達も学園艦が大好きなんです!それに、もう頑張ったのに届かなかった、あんな思いをするのは嫌なんです」

杏「みんな……みんなっ……あり、がとっ、ぐすっ、ひくっ」

沙織「会長?」
240 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:42:49.06 ID:viC8bTMvO
杏「ごめん、ごめっ、ん……なんでだか、すっごく、嬉しいのに……な、なんでだろうね……」

桃「かいぢょう、かいぢょう……!」

柚子「みんなで……、みんなで、学園艦、取り戻しましょう!……っ!」
241 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:43:29.88 ID:viC8bTMvO
あや「あー、先輩たち、泣いちゃいました!」

エルヴィン「桃ちゃん先輩以外の泣き顔とは、珍しいな!」

優花里「それじゃ、皆で夕飯にしましょう!料理なら私にお任せください!」

桂利奈「私達の釣ってきたお魚、新鮮で美味しいですよ!」

杏「あはは。そりゃ楽しみだ……ん?何だろう」
242 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:45:07.09 ID:viC8bTMvO
バラバラバラバラ……

優花里「あれは、黒森峰のヘリ……」

エルヴィン「ああ。ドラッヘだな……おい、降りてきたあの人、もしかして」

杏「家元?どうしてここに」

しほ「蝶野から聞いたわ。あなた、私との約束を破ったそうね」

杏「いえ、そんなことは……」

しほ「いいえ。確かに約束したわね。『廃校阻止のために、何がなんでも突き進む』と。にも関わらず、まだ迷っているそうじゃない」

杏「…………はい」
243 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:47:50.02 ID:viC8bTMvO
しほ「高校戦車道連盟を、西住流を巻き込むのが怖い?そんなこと、あなたが気にする必要はありません。あなたは、何がなんでも突き進めばそれでいいの。そう約束したはずよ」

杏「でも、そこまでしていただくのは」

しほ「わかってないようね。私が、西住流家元が大洗に力を貸すと決めた。その時点で大洗の廃校阻止は私達の『勝利』になったの。そのために何かを投げ打つ覚悟ならとうにできています。あなたは西住流を負けさせる気なの?」

杏「そんなつもりはありません!……ありがとうございます。お力、改めて貸してもらいます」

しほ「いくら個人的に大きな借りがあるとはいえ、2度目はないわよ」

杏「わかりました。全力で助けてもらいます!……どうか、お願いします!」
244 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:49:11.61 ID:viC8bTMvO
沙織「あ、あの!みぽり……みほさんのお母さん!」

優花里「た、武部殿!?」

しほ「あなたは?」

沙織「大洗女子学園普通1課2年A組、武部沙織です!み、みほさんのことで、お話があります!」

しほ「そう、あなたが。言ってごらんなさい」

優花里(武部殿、まずいですよ!西住流の家元相手に……)

沙織(ううん。ゆかりん。私、これだけはどうしても言いたい!)
245 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:50:31.17 ID:viC8bTMvO
沙織「その……みほさんがおととしの決勝戦で、仲間を助けて負ける原因を作ったって聞きました。でも、みほさんにもきっと、思うところがあったと思うんです!だから……お願いです!もう一度、みほさんとお話をしてあげてください!私、一緒にエキシビションに出て……みほさん、すっごく楽しそうでした。きっと、やっぱり戦車道が好きなんだと思います!だから……お願いします!」

しほ「……残念だけど、その必要はないわ」

沙織「そんな!お願いします!」

優花里「ふ、普通1課2年B組、秋山優花里です!わ、私からもお願いします!どうか西住殿と……」

しほ「だから、その必要はないと言っているの。……あの子はもう、自分でチームへと戻ることを決断したと、私に伝えてきたわ」

沙織「みぽりんが!?」
246 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:51:40.67 ID:viC8bTMvO
しほ「みぽりん……そう。あの子はそんな呼ばれ方をしているの」

沙織「あっ、それは、えーと……」

しほ「引っ込み思案のあの子が、私相手に堂々と言い返してきた。正直、驚いたわ。……やはり、エキシビションに参加させたのは正解だったようね。……武部さん」

沙織「は、はい!」

しほ「これからも、みほと仲良くしてあげてね」

沙織「……はい!たとえ離れてても、みぽりんは私達の大切な友達ですから!」

しほ「ありがとう。……さあ、敵の頭を叩きに行くわよ」
247 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:52:41.91 ID:viC8bTMvO
〜〜〜〜

ーー聖グロリアーナ・学園艦ーー

ダージリン「皆さん、お集まりいただき感謝するわ」

カチューシャ「まあ、どうしてもこのカチューシャの力が必要って言われたらね!ダージリン、やっぱりわかってるじゃない!」

ケイ「へー、ここが紅茶の園ね。コークはないのかしら?」

オレンジペコ「申し訳ありません、紅茶以外の飲み物は……」

絹代「恐縮至極であります!」

アンチョビ(もしかして、P40の修理費用を出してくれる気になったのか?)

まほ「それで、何の用なんだ。まさかこれだけのメンバーを集めておいてただのお茶会、というつもりではないだろう」
248 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:55:03.57 ID:viC8bTMvO
ダージリン「あなたたち、大洗女子学園が廃校になるという話は既にご存じよね?」

カチューシャ「当たり前じゃない!カチューシャに知らないことなんてないんだから!」

ダージリン「でも、おかしいと思わない?なぜ一度決まった日程を前倒しする必要があるのか」

まほ「それは……予算編成の都合じゃないのか」

ダージリン「いいえ。学園艦の半期運用にかかるコスト規模の予算編成ミスなんて、大騒ぎになるレベルよ。でも、そんな話はない」

アンチョビ「何か文科省を怒らせるようなことをしたとか」

ダージリン「あり得ないとは言えない。でも、さすがにそんな理由で決定を覆すことは非現実的だわ」

絹代「うーん、皆目見当も付きません!」
249 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/10/26(水) 21:56:37.70 ID:viC8bTMvO
カチューシャ「どうせGI6を使って全部わかってるんでしょ?答えを言いなさいよ」

ダージリン「文部科学省の狙いは、高校戦車道の体制そのものの破壊よ。それも、既にかなりのところまで手は伸びていると考えていいわ。……今日の集まり、本当は全国大会に出場した高校全てに参加を呼び掛けていたの」

ケイ「体制の破壊って、また大きく出たわねー……」

ダージリン「だけど、そう考えるしかないのよ。私達は大洗の廃校を、絶対に阻止しなくてはならないの。自分達の戦車道を守るためにね。協力していただけるかしら」

アンチョビ「自分達の戦車道を守る、かぁ……。一つ聞きたいんだが」

ダージリン「何かしら?」

アンチョビ「その舌、本当に1枚なんだろうな?」

ダージリン「ええ。もちろんよ」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/26(水) 21:56:43.93 ID:AiKP8X790
P40壊したのダー様なんだから、アンチョビはもっと強気に請求してもいいと思うのだが
251 : ◆8DlJds//22 [sage]:2016/10/26(水) 21:59:47.86 ID:viC8bTMvO
本日は以上です。
お読みいただきありがとうございました。

「大洗女子学園の活躍により少子化にも歯止めがかかるだろう」って公式で言われてるらしいですね。
紗希ちゃんがips細胞でも実用化するんでしょうか。
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 22:20:19.86 ID:sGi06syzo
乙です
え?紗希ちゃんが単位生殖に成功したって?
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 22:25:29.72 ID:efu+yjiOo
乙です
高校戦車道の体制破壊が
弱い戦車しか保有していない学園に対する支援策を含んでいるのであれば、
色んな意味で風向きが変わってくるかもしれませんけど、その辺りはどうなんでしょうかね。



254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 01:04:57.14 ID:NVxhLAQTo
乙でしたー
原作だとあの魔改造カールなんてものを許可した時点で高校戦車道どころか日本戦車道自体が終わりかねないよね……
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 04:49:30.07 ID:lvrDiQIbo
乙です
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/27(木) 18:46:47.87 ID:vqpc9d990
どの道プロリーグなんてやるならアニメで示された戦車道なんて
残れたとしても学生の内のモラトリアム扱いされそうだけどね
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 20:25:48.95 ID:4sB3MOPeo
P40破壊したダー様どの辺だっけ
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/27(木) 21:11:34.45 ID:ZDfE3aRc0
>>257
全国大会〜劇場版までの間であることは確定
劇場版で戦車道ニュースwebの画面が映るシーン、右上に『P40の長期入院にアンツィオ高校が寄付を呼びかける』と書いてある
事の顛末はドラマCDの4巻聴けばわかるかも
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 23:41:09.39 ID:5YgKPM7U0
結局大学選抜戦やる流れか
わざわざ続編やるまでもなかったな
早いとこ終わって、どうぞ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 03:52:47.95 ID:JxjkZnPFO
「劇場版」なんだからやらない訳ないだろ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 05:48:40.00 ID:3R4lfsmKo
>>258
ドラマCD聞いてなかったからてっきり試合後の修復資金と思ってた
ダー様何やってんだよ……
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 13:13:41.51 ID:jaTuJ01do
ドラマCD聴いたけどチョビが壊すなよ!絶対に壊すなよ!言ってた事しか覚えてないんだが
結局壊したんだっけ?
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 18:27:54.50 ID:revhx4eOO
うん、ダージリンの荒っぽい運転がトドメ刺した
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 12:14:23.92 ID:C3MnvvRcO
体制の破壊って何なんだ?
ssでそういうのは大体地雷だが
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 22:49:19.59 ID:+6IuAXcL0
なるほど戦車道にクレイモア導入か…
確かにそれは一気に体制がかわりそうだな
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 07:39:39.02 ID:2pPin0+gO
クレイモア(特殊カーボン加工ベアリング使用)
267 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/11/02(水) 21:01:47.58 ID:rISphW2T0
〜〜〜〜

――文部科学省――

杏(具体的にどうやって廃校撤回まで持っていかせるか……プロリーグ設置委員長の打診を利用することも考えたけど、こっちには『優勝を果たせなかった』という負い目がある。それじゃあ戦車道連盟全体の協力を得るには足りない可能性が高い。せめて、向こうの狙いがわかれば……)

しほ「悩んでいても仕方がないでしょう。あなたたちは相手に対して、常に十分な戦力を持って試合に臨めていたの?」

杏「いえ。いつも戦力では負けていました」

しほ「それと一緒よ。相手を上回る戦力を用意するのが最上。でも、それが叶わないからといって逃げるという道が取れるほど、物事は甘くない」

杏「はい……前進あるのみ、ですね」

しほ「そうよ。少しはわかってきたようね」
268 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/11/02(水) 21:03:07.37 ID:rISphW2T0
杏(そうだ。みんなで協力してここまで来れた。あとは考えるよりも行動するしか……)

ドン!

「ああ、すみません!」

杏「あいたた……いえ、こっちこそ考え事しながら歩いてて……確か、聖グロの?なんでそんな恰好でこんな場所に?」

アッサム「お久しぶりですね、生徒会長。それと、お初にお目にかかります、西住流家元。聖グロリアーナ戦車道チーム所属、アッサムと申します。時間がないので手短に。本日は我がチームの隊長よりの伝言を伝えに参りました」

杏「ダージリンからの伝言?」

アッサム「『文科省の目論見はおおよそ把握しました。対抗策も準備しています。あとはもう少し今のままで時間を稼いでもらえれば、状況は変わります』と」
269 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/11/02(水) 21:04:53.60 ID:rISphW2T0
杏「……!なるほど。さすがは聖グロの情報処理学部だね。どれくらい稼げばいいのさ?」

アッサム「およそ、一週間と」

杏「それだけの間廃校の計画を前に進ませなければ、状況は変わるんだね」

アッサム「ええ。聖グロリアーナの名にかけて、必ず」

杏「……わかった。なんとかしてみる」

アッサム「お願いします。これは、高校戦車道そのものを守るための戦いでもあるのです」
270 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/11/02(水) 21:05:20.76 ID:rISphW2T0
しほ「高校戦車道そのものを……やはり文科省の動きには裏があったというわけ。詳しい説明は聞かせてもらえるのかしら?」

アッサム「ええ。ホテルに部屋をとってありますわ。話し合いが終わったらこちらにお越しください」

杏「何から何までありがとう。ダージリンにもお礼を伝えておいてほしい」

アッサム「確かに。それと、もう一つ伝言が。『決して屈するな。決して、決して、決して』」

しほ「ウィンストン・チャーチルね」

杏「わかってる。私は……ううん、大洗は、絶対にあきらめない」
271 : ◆8DlJds//22 [saga]:2016/11/02(水) 21:06:24.09 ID:rISphW2T0
〜〜〜〜

――学園艦教育局――

辻「そちらから来てくれるとは手間が省けました。ちょうど転校先の振り分けがある程度終わったところです。可能な限り各々の事情を考慮しましたよ」

杏(やっぱり、か。これを受け取れば後はなし崩しに進められる……)

杏「それはどうも。でも、それを受け取るわけにはいきません。大洗の廃校、撤回してもらえないでしょうか」

辻「何度来られても変わりません。大洗女子学園は廃校です」

しほ「若手の育成なくして、プロ選手の育成はなしえません」

辻「それはその通りです。こちらとしても『優勝すれば廃校を撤回する』という段取りをつけ、各所との交渉を行うのに大変な労力を費やしたのですが……残念ですが結果は準優勝。これでは廃校の撤回を認めることはできません」
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