【ガルパンSS】ガールズ&パンツァー 劇場版[大洗廃校ルート編]

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82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/30(日) 12:33:27.63 ID:YDp88mYv0
「しかし、西住さんは黒森峰に行かれたのですね」

「はい、他の転校先の学校もあったんですけど、戻った形になっちゃいまして…」

「そうでしたか。私も久しぶりにお会いできて嬉しいであります」


そう言って敬礼をする西さんの会話の中に不思議な点がありました。

西さんは“私も”と言ったのです。

私は西さんに尋ねました。


「ああ、西住さんはまだお知りではなかったのですね…と言う事はまだお会いになってない…」

「えと、と言いますと…?」

「おーいっ!福田はいるかぁー!?」


くるりと私に背を向け、西さんは知波単学園の集団が居るほうを向き大声で手を振ります。

すると集団の中から、一際背の低いお下げで眼鏡の女の子が駆け寄ってきます。


「す、すみません西体長っ…どうされたでありますかっ!?」

「ちょっと福ちゃん、まだバレーの続きなのにいきなり駆け出してどうしたのさ」


あっ!と私は思わず声を上げてしまいました。

それは紛れも無く、アヒルさんチームのバレー部の皆さんでした。


「バレーボールと言うものがあんなに過酷だとは思わなかったであります!大体、一方的に顔面にボールをぶつけられるだけのスポーツなど…」

「いやぁー、福ちゃんがしっかり受け止めてくれないからさぁー」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/30(日) 12:45:06.54 ID:3FgbDZ+/0
おおっ!
バレー部の4人は知波単か
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 14:30:44.06 ID:4gRxBOZHO
バレー部は八九式だったからねぇ。
知波単が丁度いいか。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 16:59:26.93 ID:C3MnvvRcO
典子の胃に穴が空きそうだが
しかし皆楽しくやってんのは若干寂しい
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 20:37:54.17 ID:Nmslt4U0O
バレー部と知波単は相性抜群すぎる…w
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:51:23.75 ID:bQ/jCBvN0
福田さんの隣で笑顔いっぱいの部長だった磯辺さんは頭をかきながら答えています。

それに対し、地団駄を踏みながら半べそをかいて怒る福田さん。

ちなみに磯部さん以外の三人は私に気付いているようでしたが、磯部さんがいつ気付くか、そしてその反応を見るがために二人の後ろでクスクス笑っています。


「おい磯辺…今日はバレーではなく戦車道の大会だと言っただろう…福田も眼鏡をしっかりかけ直せ」

「えー、でも私たちは心にいつでもバレーボールをモットーにやっていますからっ!」

「はあー…それはそうと、久しぶりじゃないのか磯辺」


久しぶり?誰が?そう呟いてようやく磯辺さんと目が合いました。

あっ!と磯辺さんの声が聞けた瞬間、私と残りのバレー部の三人で声を出して笑います。


「西住隊長っ!?どうしてっ…って言うかその服は!?…じゃなかった、いつから!?」

「最初からここに居たよ、全然気付かないんだもん磯辺さん」

「あ、私だけじゃないんですよほら他の三人も一緒で…」


磯辺さんはそう言うと後ろを振り返り、バレー部の三人を指差します。

指を指されて、三人はよりいっそう大きく笑います。


「部長、ぜんっぜん気付かないんですもん」

「私たちは最初から気付いてましたよ」

「そーですよ、部長ずっと福田ちゃんとバレーコントしてて」


気付いてたなら教えてくれ、と今度は磯辺さんが地団駄を踏みます。

その様子を見て私と西さんもよりいっそう大きな声で笑います。


「西住隊長が黒森峰の服を着ていると言うことは、今日はライバルとして戦うんだな…」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 23:14:12.13 ID:bQ/jCBvN0
磯辺さんがボソッとそう呟きました。

心がチクリと痛みます。

そして改めて知波単学園のジャケットを着たアヒルさんチームの皆さんを見ると、少し泣きそうになってしまいました。


「そうだな…だが、試合は試合だ。でも、昨日の敵は今日の盟友と言うだろう」


西さんはにっこり笑って磯辺さんを見てそう言います。

それから私に向き直って同じ笑顔をくれます。


「よしっ、バレー部の力を西住隊長に見せてやれっ!バレー部ーぅ…」


磯辺さんがそう言うと、他の三人が磯辺さんの周りに集まって来ました。

そしてみんな揃って大きな声で、


「「「「ファイトーっ!!!」」」」


いつものやつです、不思議と元気がもらえます。

福田さんは相変わらずムスッとした表情でそれを眺めていました。


「ほら、福ちゃんも一緒に…」

「絶対嫌でありますっ!大体、バレー部じゃないであります!」


また大きな笑いが起きました。

その後、西さん、磯辺さん、福田さん、近藤さん、河西さん、佐々木さんによろしくねと言って試合の待機位置へと向かいます。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 07:50:21.37 ID:CKhxzoqIO
いいですね
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/05(土) 22:58:29.71 ID:XKcpQR9E0
試合はこう言ってはなんですけど、黒森峰の一方的な展開になりました。

磯辺さん率いるアヒルさんチームの皆さんに二両、そして今や知波単名物となったと言われる総突貫で二両、合計四両はやられましたが、エリカさんの慌てず的確な指示のお陰で危なげなく初戦をものにしました。

ただ、当のエリカさんは四両も撃破されてしまったことに多少の不満と、自分自身の指示の判断を悔やんでいるようでした。

私自身、撃破されることは仕方ないと思うし、むしろ四両の被害で殲滅戦ではなく、フラッグ戦の試合で全車両を撃破出来たことは十分すぎる戦果だと思いました。

エリカさんは大体毎回こんな感じなので、私も周りも特にフォローは入れません。

お姉ちゃんでさえも「そうだな」の一点張りです。


でも、これは決して煙たがっている訳ではなく、エリカさんの向上心をみんな認めているからです、知ってのことなのです。

少なからず、そんなエリカさんに憧れる後輩もいると聞きます。

私自身もエリカさんのあの向上心はちょっぴり羨ましいです。


試合後のミーティングの後、優花里さんが私とエリカさんのところへやって来ました。


「先ほど二回戦の抽選がありまして、次の対戦相手の発表がありました」

「さすがだね優花里さん」

「はっ…ま、また西住殿に褒められてしまいまし…」

「いいから早くいいなさい…!」


エリカさんは優花里さんをギロリと睨みます。

その顔つきに思わずビクッとなってしゅんとなる優花里さん、エリカさんもそんなに睨まなくても…


「え、えぇーっと…次の相手はアンツィオ高校のようですね」

「アンツィオ高校…アンチョビさんか…」

「懐かしいでありますね!」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/05(土) 23:38:56.14 ID:XKcpQR9E0
アンツィオ高校…

それは、全国戦車道大会の二回戦で戦った高校です。

知波単学園との試合前もそうでしたが、最近ことあるごとに大洗女子学園でもことを思い出してしまいます。

いけないな、と思っているとエリカさんの声で今は黒森峰なんだと現実に引き戻されます。


「アンツィオ高校はたしか…イタリアの戦車を使う高校だったわよね?」

「そうであります!豆戦車ことCV-33、カルロベローチェの軽快な走りとその機動力を活かした…」

「他の戦車は?」


優花里さんがカルロベローチェの話で盛り上がろうとしているところに蓋をするようにエリカさんが話をさえぎります。

ちゃんと聞いてあげればいいのに、と私は少しだけ苦笑いします。

優花里さんはがっかりした顔で、質問に答えます。


「CV-33が大多数を占めていますが、他にはM41型セモヴェンテ…それと重戦車のP40ですね…」

「わかったわ、もう下がっていいわよ」

「ああぁー、西住殿ぉぉぉー…逸見殿に不当な扱いを受けましたぁぁぁ…」


優花里さんが私に泣きついてきます。

それを見てエリカさんはニヤリと不敵な笑みを浮かべます。


「後で戦車の話、しようね」

「ああぁー、さすが西住殿ですぅぅ…逸見殿とは違いま…」

「ちょっとあなた、気持ちが変わったわ、二人で反省会する?」

「か、勘弁してくださいでありますぅー…」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/08(火) 10:23:25.72 ID:/8YFcxV00
一回戦の知波単学園との試合の三日後、二回戦のアンツィオ高校との試合があります。

試合の翌日はミーティングが行われました。

チーム全体としての反省点、それから各中隊に分かれての細かいミーティング。

小梅さんが言っていたように昔と違って和気藹々とした雰囲気の中でも、内容はとても締まったミーティングが行われました。

その翌日には、前日から戦車の整備を行う機甲科の整備部門を担当する方々に混じり、各戦車の調整を行いました。

ここでは優花里さんの戦車トークが炸裂です。

整備部門の担当の方顔負けのマニアックな知識が次から次へと披露されます。

試合を翌日に控えた試合前日は陣形や作戦の入念な確認と、練習後に再び細々とした整備に時間を当てました。


黒森峰戦車道では日々その日の活動内容を日誌にまとめ、保管する事が決まりになっています。

最終日の担当は私、活動内容の欄に作戦内容の確認と記入し、改行して戦車整備と書き込みます。

最後に記入者の欄に西住みほと書いて、日誌の棚にしまいます。

先ほどまで騒がしかったミーティングルームも今では静まり返ってしんとしています。

そんなミーティングルームを後にしたところでエリカさんとすれ違います。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/08(火) 11:29:10.00 ID:/8YFcxV00
「あなたまだいたの?」

「うん、日誌の記入があったから。エリカさんは?」


戸締りよ、とエリカさんは言うとポケットから鍵を取り出しミーティングルームの扉に鍵ををかけます。

鍵をかけ終わると、左手に持っていた校章の入った黒のカバンに鍵をしまって、エリカさんは私に向き直ります。


「あなた、少し時間ある?」

「う、うん...問題ないけど...?」

「そう、なら付き合いなさい」


そう言うと、そそくさと歩き出すエリカさん。

慌てて私はエリカさんの後ろについて行きます。


「それにしても、エリカさんが誘ってくれるなんて...」

「なに、何か文句ある?」


少しにやけたのかな、私の顔を見てムスッとして答えるエリカさん。

ちょっぴり嬉しくて、と答えるとエリカさんは何も言わずに歩く速度を上げます。


エリカさんと向かったのは、小梅さんに誘われた時と同じお店でした。

学校からも近いし、みんなよく利用するお店だったので落ち着く店です。

いつもより少し遅い時間という事もあって、小梅さんと来た時よりも店内は落ち着いていて、本来の雰囲気が漂っています。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 21:31:09.89 ID:JiZh45BS0
「あなたは何にするの?」


注文票とにらめっこするエリカさんに尋ねられ、私は前回と同じくノンアルコールビールとチーズケーキを注文します。

エリカさんはコーヒーとチョコレートケーキを注文します。

ちょっぴり大人っぽいです。


「あっ、お金...」

「今日は私が付き合わせたんだから気にしないで」

「いやでも...」

「何か文句ある?」


前回も小梅さんに出してもらったから、と言うとならなおさらよと言われました。

お礼を言って私は出し掛けた財布をバックにしまいます。


「じゃあ今度は小梅さんと三人で、優勝祝いだね」

「あなたの奢りで戦車道全員貸切でお願いするわ」

「えぇぇー...!?」


ニヤリと笑うエリカさん。

何だか冗談に聞こえないよ...


通された席に座って無言のまま、一口私はノンアルコールビールを、エリカさんはコーヒーを飲みます。


「どう、学校には慣れたかしら?」


沈黙を破ったのはエリカさんの方でした。

しかも、ちょっぴり意外な質問で。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 21:58:34.73 ID:JiZh45BS0
「うん、みんな仲良くしてくれるし優花里さんもいるし...もちろんエリカさんも」

「秋山優花里はどう?」


気恥ずかしそうに私の話題と目を逸らすエリカさん。

フフッと自然と笑みがこぼれます。


「優花里さんもみんなに馴染んでいるみたいだよ」

「そう」

「心配してくれて、ありがとね」

「べ、別にそんなんじゃないわよ!ただ...そう、疑問に思っただけよ!」


照れ隠し、なのかな?

エリカさんは慌てて答えます。

コーヒーカップを握り直し、勢いよくカップを傾けて、


「熱っ...!!」


もう、慌てすぎだよエリカさん。

手に持ったコーヒーカップをコースターに起き、急に真剣な表情を浮かべ、エリカさんは私の目を見て尋ねました。

96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/16(水) 22:32:37.03 ID:wzDZ9EPa0
「もしも...もし、また去年の決勝のようなことがあったらあなたはどうする?」


どうしてそんなことを聞くのか、私は不思議に思いました。

でも、手に持ったままだったグラスを私もコースターの上に置いてエリカさんの目を見て答えます。


「きっと、また助けると...思うかな...」


そう、とボソッと答えるとエリカさんは顔を伏せます。

前髪に隠れてエリカさんの視線は見えません。


「どうしてそんなこと聞くの?」


私はエリカさんを見たまま聞きます。

でもエリカさんは顔を上げずに伏せたまま、視線もおそらく上げずに低い声で答えます。


「別に意味なんて無いわよ...ただ、聞いてみたくなっただけよ」


なんとなく、ですけどその答えは何かを隠した答えだったと思います。

私はそれ以上追求することはしませんでした。

代わりにこう言います。


「お姉ちゃんがね、私は私の戦車道をしたらいいって言ってくれたんだ...だから、エリカさんもエリカさんの戦車道をしたらいいと思う...」


そう伝えてもエリカさんは顔を上げません。

やっぱり何か悩んでいるのかな...
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/16(水) 23:53:36.49 ID:wzDZ9EPa0
「ちょ、ちょうどこの店のあそこらへんの席で...」


と言うところまで言うと、ガバッとすごい勢いでエリカさんは顔を上げます。

身を乗り出して、私に食いかかる勢いで一気にエリカさんの顔が近づきます。


「隊長に!?いや、隊長も来たの!?あなたっ、ズルイわよ!」

「ええー...そこなの...?」


後に聞いた話だと、小梅さんに誘われた日エリカさんも誘われたそうです。

ですが、エリカさんは大会への手続き等の処理が残っていたために参加できなかったそうです。


あーあ、お姉ちゃんが言うとかっこいいセリフなのに、私が言ったらこんな感じになるのか...

と、ちょっぴり残念な気もしました。

ですが、エリカさんはなにやら吹っ切れた感じのようでしたので、結果オーライです。


それから元気を取り戻したエリカさんはとにかくお姉ちゃんの話ばかりでした。

お姉ちゃんのかっこいいところ、優しいところ...

自分のお姉ちゃんのことなのに、なんだか私も嬉しくなります。

それが吹っ切れてのものなのか、それとも本心を隠すためなのかは結局のところ分かりませんでした。


結局9割型お姉ちゃんの話で終わりを迎え、それぞれ帰宅します。

お礼を言って、それから...


「明日はよろしくね!」

「なに言ってるの、あなたも副隊長としてしっかり中隊をまとめなさい」

「うん!絶対勝とうね!」


エリカさんは不敵な笑みを浮かべます。

そして私を指差して声高々に言います。


「絶対優勝よ」


私も声高々に、もちろん!と答えて手を振り別れました。

いよいよ明日は二回戦、対する相手はアンツィオ高校です!
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 01:35:08.74 ID:b3CGS6DsO
乙です。
みほも結構なじんできましたね。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 02:18:19.44 ID:vy+Orjrv0
アンツィオは誰が行ったんだろう…
やっぱ沙織と…、あと1年かな?
期待。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 07:17:28.51 ID:+vvYiqM6o
アンツィオといえば食
食といったらあのひとだろ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/17(木) 07:41:55.47 ID:/TWGhXUf0
食べ物が美味しいし、CVが大好きで生け花の器にしたいとかいってたしねぇ
しかし華がアンツィオに行ったら食事代が…誰かがストッパーにならないとな

あとはひなちゃんがいるからカエサルかな?ほかの歴女3人は付いていくかどうかはわからんけど
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 08:14:24.74 ID:0x0HsnqF0
乙です
みほもエリカと良い関係でよかった
次はアンツィオか…戦車の性能が圧倒的だけどどうなるかな?

アンツィオにはたかちゃんは居そうだが他の3人は居るかな?
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/18(金) 19:54:57.56 ID:0EqmAIYi0
試合会場に到着するやいなや、なにやら美味しそうな匂いが食欲を刺激します。

やっぱりと言うか案の定と言うか、予想通りといいますか...

会場には所狭しとアンツィオ高校の生徒がお店を出店しています。

パスタにピザ、デザートのお店など戦車道の大会と言うよりは軽いお祭りのようです。


「アンツィオ高校はいつもこんな感じらしいですよ」


試合開始時間が一時間程度遅れるとアナウンスがあったので、会場内を優花里さんとぶらぶらします。

特に行きたい場所もあるわけではなかったので、本当の意味でぶらぶらです。

一応、財布をポケットに忍ばせてはいます。


「ペパロニ殿の作るナポリタンは絶品なんですよ!」

「すごく美味しそうだったもんね!」


優花里さんがトロンとした顔で、アンツィオ高校の偵察に行った時に食べたペパロニさんのナポリタンを語ります。

うーん、思い出したらお腹が減って来ちゃった。


試合開始までまだまだ時間があると言うことで、優花里さんおすすめのペパロニさんのアンツィオ特性ナポリタンを探しに行くことにします。

広い会場内を歩いていると一際大きな声を張り上げてお客さんを集めているお店がありました。

手際の良いその仕事は、動画で見たそれです。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/18(金) 20:42:44.70 ID:ys2jPXf80
さあ、誰が来るのか・・・
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/18(金) 21:38:30.54 ID:0EqmAIYi0
「アンツィオ名物、特性ナポリタンだよーっ、ささっ並んだ並んだーっ!!」


次々とお客さんが吸い込まれるようにして行列を作って行きます。

手早いその仕事ぶりは、まるで本場の料理人のようで驚きます。

私も優花里さんとその列に並びます。


たくさんの人が並んだ行列も、あっという間にはけていきます。

あの仕事ぶりを見るとそれも納得です。


「はいはいっ、次々っ!」


ペパロニさんの掛け声とともに、私たちの番がやってきます。

正面に立つ形になったのですが、ペパロニさんはその手を休めることはしません。

その手は忙しなく動き続け、パスタをサラッと鍋に投入します。


「あれっ、アンタたちは」

「お久しぶりです、ペパロニ殿!」


チラリと私と優花里さんを横目で見たペパロニさんは、その時初めて手を止めました。

ひたいの汗を手の甲で拭い、蛇口を捻って手を洗います。


「たしか...大洗の秋山優花里と西住みほ!...だったかな?」


「正解であります!」


優花里さんの顔が、それこそお花が咲いたようにパッと明るくなります。

それとは対照的に、ペパロニさんはキョトンとした表情で私たちの顔を見つめます。


「いや、なんでまたそれは黒森峰のジャケットなのに...コスプレかなにかかい?」

「違いますよぉ...我々は廃校に伴って黒森峰に転校したんでありますよぉ...」


優花里さんは悲しげな表情でそう答えます。

それにしてもコスプレって...

ペパロニさんはそれを聞いてビックリした表情で驚きます。

まるで大洗女子学園が廃校になったこと自体初耳だったかのように。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/18(金) 22:17:56.10 ID:0EqmAIYi0
「えっ!?廃校っ!?そんなことドゥーチェ言ってたっけなぁー...」


その驚き具合を見る限り、初耳のようでした。

目を大きく見開いて、あんぐりと口を広げて頭の中の記憶を探るペパロニさん。

一応は全国ニュースになってたんだけどなぁ...

戦車道優勝校・大洗女子学園廃校決定、って...


「あっ、いや...そーいや言ってたな!あれ、ドゥーチェだったかな...ま、いっか!」


頭をかきながら、ニシシっと笑うペパロニさん。

食べていきなよ!とそう言って、調理に戻ります。


大ぶりのフライパンに動画で言っていたようにケチケチせずオリーブオイルを流し込み、お肉を豪快に炒めます。

新鮮な卵を片手で割って手早くかき混ぜます。

そこからアンツィオ特性トマトペーストが加わると、一気に食欲を刺激する香りが辺りに広がります。

鉄板に乗ってやってきたパスタに合わせて、具材をパスタの上に盛りつけます。


「はいよっ、300万リラ」

「ええーっ、いつの為替レートですか!?」


と、優花里さんがお決まりのツッコミを入れます。

三人の間に笑いが起きます。

そこからもう一人前のナポリタンの調理をペパロニさんが始めた時に、後ろから声をかけられました。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/19(土) 02:25:54.29 ID:qCbdzVMQ0
会長は自責の念で自殺してそう
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 09:10:06.55 ID:R1Pu5dEjO
桃ちゃんあたりは、西住が悪いと八つ当たりしそうな雰囲気しかぬい
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 21:45:48.97 ID:IJgXXJkQ0
「グデーリアン...?」


思わず、えっ?と声を漏らして私たちは振り向きます。

そこに立っていたのは紛れもなくエルヴィンさん、左衛門佐さん、おりょうさんです。


「エルヴィン殿っ!?左衛門佐殿に、おりょう殿まで!?」

「久しぶりだなグデーリアン...ん?隣に居るのは...」

「お久しぶりです、エルヴィンさん」


優花里さんはちょっぴり涙を浮かべて飛び跳ねて再会を喜びます。

私はペコリと頭を下げると、三人は驚いた顔をして大きな声で、


「西住隊長っ!?」


と、声を揃えてそう言います。

驚いた三人の顔を見て、私はにっこり笑います。

それと同時に、三人が着るジャケットはアンツィオ高校のパンツァージャケットであることに気がつきます。


「まさか西住隊長とグデーリアンに会えるなんて思ってもみなかった」

「私たちも嬉しいであります!ね、西住殿っ!」

「うん!みなさん元気そうでなによ...」


と、そこまで言いかけたところで、私はあることに気がつきます。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 10:20:08.73 ID:Sdpr/esK0
やはりアンツィオにはカバさんチームが来てたか
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 19:28:53.74 ID:dECbTX6NO
カエサルはひなちゃんと一緒かな?
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:40:55.60 ID:93XCtwU40
エルヴィンさん、左衛門佐さん、おりょうさん...

あれ、一人足りない...

最初から少し違和感はあったんですけど、改めて会話を交わすと違和感しかないような気がしてなりません。


「そう言えば、カエサルさんは?」


と、聞くと途端に三人は暗い顔をして俯いてしまいました。

あれ...何かまずいことを聞いちゃったかな...?

隣に居る優花里さんをチラッと横目で見ると、キョトンとした表情をしています。

優花里さんもカエサルさんの行方は知らないようです。

そんな重い空気を一変させたのは、ペパロニさんでした。


「そーいやー、転校してきた四人も大洗だったなー!ドゥーチェが言ってたな!ほら、ナポリタン五人前持ってきな!!」


ニシシっと笑ってペパロニさんが合計五人前のナポリタンを作ってくれました。

冷めるからお代はまた今度ー!と言って、店裏のテーブルに案内してくれました。

五人揃ってペパロニさんが作ってくれた特製ナポリタンを食べます。


「カエサルは、その...」


ナポリタンに舌鼓をうっていると、エルヴィンさんが低い声で語り始めました。

相変わらず暗い顔をされています。

もしかして、四人揃って転校できなかったのかな...
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 04:25:05.71 ID:riRSi3MCO
やってんのかな
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 21:16:27.25 ID:1EQVQEnNo
そういえばカルパッチョさんもいないなぁ(棒読み)
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/30(水) 22:44:44.61 ID:z2xWAC2k0
「カエサルは、その...なんだ...」

「徳川家三代目将軍、徳川家光のようにな...」


エルヴィンさんに続いて左衛門佐さんが口を開きます。

カバさんチームお馴染みの歴史人物に例えるあれです。


「縁起でもないぜよ...ただ、二人は仲がいいだけぜよ...」


と、おりょうさん。

うーん、どんどん暗い方向に話が進んで行っているような...

その時です。


「もー、たかちゃんったら!」

「あはは、すぐひなちゃんは騙されるんだから!」


笑い声と共にアンツィオ高校のジャケットを来た女の子が二人、やって来ました。

ペパロニさんのナポリタンを持って店裏のテーブルにやって来たのはカエサルさんと、カルパッチョさんです。

二人はすぐに私と優花里さんに気がつきます。


「あれ、西住隊長!?どうしてここに!?」


カエサルさんは私たちの顔を見てびっくりしてあわや、手に持ったナポリタンを落としそうになります。

私はにっこり微笑んで、お久しぶりですと声をかけます。


「驚いたなぁー、まさか西住隊長とグデーリアンが黒森峰だなんて...」

「うん、私も驚いたよ。四人がアンツィオ高校にいるなんて」


そこから、七人でナポリタンを食べます。

転向後の話とか、アンツィオ高校での話、あとカエサルさんとカルパッチョさんの話とか...
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/04(日) 03:40:09.57 ID:A7+llJe20
カルパッチョさんまずいですよ
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/13(火) 21:47:51.98 ID:9ZGgYxQJ0
「そろそろ試合だし、集合場所に行きましょうか。エルヴィンさんも左衛門佐さんも、おりょうさんも遅れないように来てくださいね」

「そうだねひなちゃん。それじゃ西住隊長、試合は正々堂々いい試合を」

「うん、よろしくね」


ナポリタンを食べ終わって、カエサルさんとカルパッチョさんは一足先に待機場所へ向かいます。


二人の姿が見えなくなって、優花里さんがツンツンと私を突きます。

優花里さんの方を見ると、優花里さんは残された三人の方を見てと言わんばかりに視線を送ります。

そこにいたのはズンと重い空気を漂わせた三人でした。

そこで初めて三人の感情を理解した私は慌てて声をかけます。


「いや、ほら...二人は幼馴染なんだし、取られたとかそういうんじゃー...」

「「「はあぁぁぁ...」」」


逆効果でした。

三人の特大のため息です。

大丈夫かな、こんな調子で...


いよいよ、二回戦アンツィオ戦開幕です。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 22:01:43.73 ID:thPMf8nRo
今気付いたけど、家光のように、ってことは、尻奉公のことか?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 22:14:03.06 ID:RO+9Gx/A0
・・・イタリアにはな、試作戦車だが時速70キロもだした快速戦車がいるんだぜ・・・
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/15(木) 23:43:11.86 ID:ox5NDdWH0
試合の内容は...こう言ってはなんですが、圧勝でした。

一回戦には出場していたというP40の姿は無く、全15両中12両がカルロベローチェ、残りの3両はセモヴェンテと言う構成もあってか、黒森峰は一両の損害も出すことなく無傷で二回戦突破という結果になりました。


「いやぁー、まさか黒森峰に転向していたとは思わなかった。惨敗だが、いい試合だった」


試合後、アンチョビさんに声をかけられます。

両手で握手を求められます。


「いえ、こちらこそありがとうございました」

「ったく、P40があればもっとまともな試合が出来たのかもな」


ボソッと悔しそうに呟くアンチョビさん。

その後ろから頭の後ろをかきながら、ペパロニさんがやって来ました。


「P40、修理代が無くて間に合わなかったっすからねぇー」

「お前のせいだろ!!ったく、最後の試合だと言うのに...」


そうアンチョビさんが言うと、みるみるペパロニさんの表情が曇ります。

少し青ざめた感じが、と言うか血の気が完全に引いて涙を浮かべています。


「さ...いご...?」

「何度も言ってただろ!この試合が最後、私の高校戦車道の引退試合だって!ったく、ペパロニは...」


大きなため息をつきながらアンチョビさんはペパロニさんの表情にその時初めて気がつきます。

ペパロニさんのその表情を見たアンチョビさんは、慌てた表情に変わります。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 19:23:00.32 ID:ke2ROsAKo
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 11:33:24.25 ID:Ap/x9qNQ0
「ぺ、ペパロニ...?」

「そんな...嫌だよドゥーチェ...嫌だ嫌だ嫌だ...!」


周りを憚らず泣きじゃくるペパロニさん。

ついに両手で顔を覆うようにして、大きな声をあげて泣き始めます。

それを見てアンチョビさんの目にも涙が溢れます。


「泣くな!そしてワガママを言うな!私だって...私だって嫌だ!」

「ドゥーチェより、もっとそれ以上に嫌だぁぁー...!」


そして二人は完全に抱き合って泣き叫びます。

野球で例えるならば最後の夏の甲子園、その試合が終わってしまったのです。

この大会が終われば、今シーズンの高校戦車道大会は終わりを迎えます。

それはつまり、アンチョビさんと共に戦える試合がもう無いことを意味します。


「やめろ、ペパロニ!私は...私は、お前達と共に過ごせたこの戦車道に未練なんてない!!」

「まだドゥーチェとやりたい事たくさんあったのに...!パスタ茹でてピザ作って食べて、他にもたくさん...」

「戦車道関係ないじゃないか!」


いつの間にか二人は笑顔になっていました。

ですが、目にはたくさんの溢れる涙。

なんだかとっても切ない気持ちになります。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 18:09:42.97 ID:jDnkF5oyO
良いですね
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 23:54:49.96 ID:w+adFvTS0
乙です
待ってた!
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/08(日) 22:19:58.49 ID:6Pd8Xjjr0
しかし沙織さん当たりは連絡先教えてくると思うが
黒森峰、携帯、PC禁止で外部との連絡は寮の古い黒電話一丁
事前申請して許可がおりないと使用不可とか
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 00:16:24.55 ID:CoybnBiE0
「随分と慕われていたようだな...私もあんな風にここを去れたらいいな」

「お姉ちゃん...」


フフっと笑ってお姉ちゃんが後ろからやって来ます。

そして、私の肩にポンっと手を乗せて、


「だが私はまだ引退するつもりもないし、泣いて引退するつもりもない」

「うん、分かってる」


頼むぞ、とそう言い残しお姉ちゃんは去って行きました。

その後、アンツィオ高校は盛大にアンチョビさんのお疲れ様会を夜遅くまで開き、大会関係者の方から盛大に怒られたそうです。


試合の翌日、知波単学園戦の後と同じように反省会、もといミーティングが行われます。

とは言っても、無傷で二回戦突破と言うこともあってか、これと言って反省点があるわけではありません。

どちらかと言うと、次の三回戦、準々決勝の対戦相手の発表とその相手に対する作戦内容の確定がミーティングの主題です。


「次の三回戦、準々決勝の相手が決まった」


全員が集合した後、エリカさんが足早に壇上に上がります。

空気がピンと張りつめます。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 01:14:30.04 ID:CoybnBiE0
「次の相手は、サンダース大付属。優勝候補の一角よ」


サンダース大付属...

ケイさん率いるアメリカの戦車を中心に構成された、リッチな学校です。

裕福さもさることながら、優勝候補と言われるだけあって実力も兼ね揃えた学校です。


「これまでの一回戦、二回戦の情報によると...M4シャーマンを中心にM4A1シャーマン、あとファイアフライの構成のようね」


どうやら、大洗女子学園と対した時と同じ構成のようです。

この中でも特に注意すべき戦車は...言うまでもありません。


「特に今大会では一回戦、二回戦共にファイアフライの活躍がめざましいようね...秋山優花里!」

「はいっ!一回戦、二回戦の情報によると...合計30両中、総撃破数の21両中、三分の二に当たる13両が二両投入されたファイアフライによって撃破されているであります!M4シャーマンを使った誘導作戦が今回のサンダース大の作戦のようでありまして、ファイアフライの有効射程距離が約3000mなのでその範囲内に誘導し撃破する、と言った作戦でありますね。ちなみに、ファイアフライはアメリカで開発されたシャーマンをイギリスが独自に改修を行い17ポンド砲を...」

「そこまでで結構よ」


名前を呼ばれた私の隣に座っていた優花里さんがサンダース大付属のファイアフライについての説明を行います。

マニアックな話に入る前にエリカさんが話に割って入ります。

しゅんと残念そうな顔をして静かに座る優花里さん。

なんだかんだこの二人は結構仲良しさんで、優花里さんはいつもエリカさんにいじられています。


「どこからそんな情報を仕入れて来たの?」

「はっ、西住殿!ファイアフライの話でありますか!?」

「いや...ファイアフライのマニアックな話の方じゃなくて...」


ミーティングの邪魔にならないように、小声で優花里の耳元で囁きます。

ファイアフライの話は前にも話してくれたよ優花里さん...
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 11:29:54.27 ID:CoybnBiE0
ミーティングの邪魔にならないように、小声で優花里の耳元で囁きます。

ファイアフライの話は前にも話してくれたよ優花里さん...


「戦車道新聞でありますよ、定期購読してるんですぅ!」

「あぁ...なるほど」

「あとでお見せしますねっ!あ、西住殿が一面でありましたよ」


え...?

私が...?

新聞の一面って言った?

急に顔が熱くなります。


「わっ、私が...?」

「はいっ!二回戦後のアンチョビさんと握手を交わすシーンが一面で、トップでした!」


顔から火が出そうとはこの事です。

なんなら湯気も上がって来そうです。


「ちょっと西住みほ!秋山優花里!話聞いてる!?」


エリカさんに名指しで怒られてしまいました。

この話はひとまず置いておいて、今はミーティングに集中します。


ミーティングが終わって、人数が減って来た頃に優花里さんが噂の戦車道新聞を持ってやって来ます。

もうその笑顔と言ったら、ニッコニコです...やめてよ優花里さん...


「これでありますよ、西住殿っ!」


優花里さんが言っていた通り、二回戦のアンツィオ高校戦の後、アンチョビさんと握手を交わす私が一面トップでデカデカと掲載されていました。

再び顔が熱くなります。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 15:15:12.52 ID:CoybnBiE0
「『王者不在の国体高校戦車道大会、優勝候補はやはり黒森峰か!?』...ふーん、なんだか気に入らないわね」

「「っ...!?」」


後ろから音もなく忍び寄って来て新聞の見出しを読んだのはエリカさんでした。

その顔はムスッとしていて、言うまでもなく不満そうです。

慌てて優花里さんが話します。


「え、えと...対サンダース戦の情報収集であります!」

「だいたいなんで隊長じゃなくて、あなたの写真なのよ...」

「そこですか!?」


エリカさんの言葉に笑いながら仰け反る優花里さん。

その通りだよ...私じゃなくてお姉ちゃんだったらよかったのに...


「それにしても、2両で21両中13両撃破って凄いね」


さらに後ろからひょっこり顔をのぞかせてやって来たのは小梅さんです。

小梅さんも会話の中に入って来ます。


「サンダースにはナオミとか言う優秀な砲撃手が居たわよね?」


エリカさんは腕組みをして考えます。

大洗女子学園での戦いでも、ナオミさんの乗車するファイアフライに何両もやられました。


「ナオミさん以外にも優秀な砲撃手を育てたのかな?三軍まであるって聞いたことあるし、その選手がついに花開いたとかかな…?」


小梅さんも唸りながら考え込みます。

やはり、ナオミさん以外に優秀な砲撃手がいることは数字からして明確です。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 16:24:23.56 ID:st0C3Zfl0
最近みほ梅分が足りない
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 11:18:15.58 ID:ay+6a0ySo
元大洗の人か?
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/21(土) 13:01:24.43 ID:WwMAV81N0
砲撃の名手、サンダースは何もかもアメリカンサイズだから食べ物も当然アメリカンサイズ
つまり・・・
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/29(日) 15:59:46.67 ID:fISxicir0
「西住殿がいれば敵無しですよねっ!ねっ、西住殿っ!」

「いやぁー…それはどうかなー…」

「そうよ、この子が一撃で撃破されるってことだってありえるんだから」

「なんですとっ!?」

「何?冷静な分析だと思うけど?」

「まあまあ、二人とも落ち着いて」


プンプンの優花里さんと、済ました顔のエリカさんを間に入ってなだめながら苦笑いする小梅さんです。

いつもの流れですね。


「まあ、みほ以外にも誰がいつ撃破されてもおかしくない。冷静な判断が勝敗を分けるだろう」

「お、お姉ちゃん!?」

「隊長っ!?」


どこからとも無く音もたてずにお姉ちゃんが後ろからやって来ました。

まったく気がつかなかった…


「隊長はやめろエリカ…私のことは、せめてさん付けか先輩にしてくれ」

「わかりました隊長!」


まったく変わってない…

これもいつものやつです。

そしていつものようにお姉ちゃんはため息を漏らします。


「ちょうどいい、明日の作戦について少し話し合いたいと思っていたところだった。このファイアフライだが…」


そこからお姉ちゃんも交えて、5人で明日の作戦の入念な話し合いが始まりました。

そしていよいよ準々決勝、相手は優勝候補の一角、サンダース大学付属高校です!
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/04(土) 16:46:06.05 ID:+LUOlwySO
>>7

135 :GAP ◆SFvhMvS7IY [saga]:2017/02/04(土) 17:26:27.55 ID:+4x4cHFzO
(○・▽・○)モチョダヨー
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/04(土) 17:27:44.55 ID:w+E3nEuH0
ddd
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 15:38:43.10 ID:H1ELR/Weo
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/12(日) 09:37:20.71 ID:T5si+1fBo
このスレも廃校になったのか・・・
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 00:23:17.99 ID:bOfMNnsW0
まだだまだ終わらんよ
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 11:15:57.19 ID:IHvvRhcT0
ho
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/20(月) 23:58:27.81 ID:MlDGasaB0
まだかなー
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 11:27:20.11 ID:+IEYx8kb0
ho
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/10(月) 11:42:29.36 ID:AZiLDbxX0
ho
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/17(月) 14:41:29.88 ID:ZYYfPLYd0
ho
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/24(月) 10:41:05.41 ID:OTB1bxZ90
ho
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 16:59:23.73 ID:IKGch95e0
ho
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/12(金) 17:57:30.48 ID:nVFgRnie0
ho
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/15(月) 01:47:30.60 ID:HttvubKm0
更新途切れてしまいまして申し訳ありません
仕事の関係で急遽海外の方へ行っておりましたので、更新できませんでした

もう、読んでくださる方いらっしゃらないかもしれませんが、続き書かせてください
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/15(月) 01:49:02.20 ID:HttvubKm0
準々決勝の試合開始前、私の隣にいるのはお姉ちゃんでもなく優花里さんでもなく、エリカさんでも小梅さんでもなく、対戦相手のサンダース大付属の隊長ケイさんでした。


「まあまあ、ミホー!楽しんでってよ!」


バンバンと肩を叩かれる私...

私の前の大きな机の上に並べられているのはフライドチキンやポテトと言ったいかにもアメリカの食事と言った食べ物と2リットルのコーラ。

試合が始まる前にもかかわらず、すでにパーティがサンダース大付属の待機所では始まっていました。

そもそもなぜ私がサンダース大付属の待機所にいるかと言う話は、二時間前に遡ります。



その日、試合会場が近かったと言うこともあってか試合開始の三時間以上前に会場入りしました。

学園艦からティーガーTにティーガーU、ヤークトティーガー、エレファント、マウス...

出場する全ての車両を会場に下ろします。

それから最終整備を済ませてもまだまだ時間が余ります。

作戦の最終確認を全体で行ってもまだ時間を持て余します。


「だいぶ時間余っちゃったね」


隣で待機している優花里さんにボソッと声をかけます。

私の声とは裏腹に、ウキウキした声で優花里さんは答えます。


「私はこの試合前のピンと張り詰めた空気も好きですよ!なにせ準々決勝ですからね、ベスト4を決める戦いですよ!」


優花里さんのその答えに、胸の辺りがキュッとなります。

胸に手を当てるとドキドキしていて、その鼓動が身体中に響いています。

緊張...してるのかな...

私は胸に手を当てたまま立ち上がります。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 06:23:48.48 ID:jyxj6YhCo
続き来てホント良かった
楽しみにしてたんよ
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 08:08:24.79 ID:AbKiCujPO
待ってた。乙。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 09:19:17.90 ID:JVA2ObSMo
大洗は潰れたけど、日本にとっては
解散したホワイトベース隊みたいな頼もしさを感じる
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/17(水) 10:13:58.10 ID:Phqw1M7s0
「ちょっと...散歩してくるね」

「え...あ、はい...私も付き合いましょうか?」


表情に出てたのかな...?

私の気持ちを汲み取るように優花里さんは不安げな顔で心配してくれます。

ううん大丈夫、と答えてそそくさとその場を立ち去ります。

心配かけちゃったかな。

でも、試合前に更に余計な心配をかけたくなくて一人で気持ちを落ち着かせに行きます。


波打つ鼓動を胸に、賑やかな会場を後にして拓けた道路に出ます。

両側にある少し寂しくなった木々を横目に、ゆっくり鼓動を落ち着けるように歩きます。


準々決勝、ベスト4...

優勝、引退...

いろんな言葉が頭の中を駆け巡ります。


優花里さん、エリカさん、小梅さん、お姉ちゃん...

みんなの顔が次々に思い浮かびます。

落ち着こうとする気持ちとは反対に、どんどん胸の鼓動は速さを増して、体中からその音が溢れ出てきそうです。


急にはっと我に帰ると、目の前にコンビニが見えて来ました。

とにかく何か飲み物でも、と思ってコンビニに駆け込みます。

勢いよく、コンビニに駆け込んでしまって入り口で買い物を済ませた方とぶつかってしまいました。


「ごっ、ごめんなさい...!!」


私は相手の顔も見ず、謝罪の弁を述べ深々と頭を下げます。

やっちゃった...
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/18(木) 03:18:45.79 ID:k4DgwFFg0
待ってた乙
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/18(木) 11:49:52.16 ID:0YRrGw3q0
「Wow!びっくりした、ミホじゃない!」


あれ、私の名前を...?

とっさに勢いよく顔を上げると、そこには笑顔で手をヒラヒラと振るケイさんがいました。


「どうしたの、そんなに慌てて?」

「いや、えっと...」

「立ち話もなんだし、外のベンチで話しましょ!」


とりあえずコンビニでお茶を買って、ケイさんの待つ外のベンチへと向かいます。

こっちこっちー!とケイさんは笑顔で大きく手を振ります。


ベンチに腰掛け、とりあえず一口買って来たお茶を流し込みます。

ふぅ、と息を吐くとケイさんはそんな私を見て心配そうに顔を覗き込みます。


「大丈夫?落ち着いた?」

「はい...大丈夫、です」

「そう、よかった!」


ニカッと笑って、手に持ったコーラの缶をプシュッと開けるケイさん。

それを一口飲むと、長い脚を組んでから、大空を見上げます。


「ミホがあんなに慌てるなんて珍しいわね」

「あはは...すみません」

「なんかあったの?」


視線はそのまま、ケイさんは私に問います。

私は素直に胸の内を語りました。

急に準々決勝という言葉を聞いて、優勝を意識して、お姉ちゃんが引退することを再認識して、勝手に緊張して...
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/19(金) 11:24:36.57 ID:4Dcx8Ofw0
それを聞いたケイさんは大笑いして笑い飛ばします。


「アッハハハハ!そんなことで悩んでんの!?」

「そ、そんなことって...」

「いい、ミホ?That's 戦車道!これは戦争じゃない、楽しんだ者がwinnerよ!」


その言葉を聞いて、正確にはその言葉を聞いてかどうかわからないけれど、私の鼓動はすっかりおさまっていました。

楽しんだ者が勝ち...


「それでもまだ不安?」

「いえ、だいぶ落ち着きました」

「そう...それはまだ本調子じゃないってことね」


そう言うとケイさんは、ポケットからケータイを取り出し素早く操作すると、それを耳に当てます。

言うまでもなく電話です。

しばらくするとケイさんの電話の相手が出たようで話し始めます。


「あ、アリサー?ええっとねー、今さっきのコンビニにいるんだけど、ちょっと迎えに来てくれない?そうそう、よろしく頼んだわよー」

「えと、じゃあそろそろ私は...」


お茶を手に持ったまま、私は立ち上がろうとしました。

ですが、私の腕をグッと掴んでそれをケイさんが阻止します。


「まあまあ、待ちなよミホ。なんなら送ってって上げるから。それに、一人で帰れる?ここからだと、黒森峰の待機所までだいぶあるよ?」

「そ、そうなんですか...?」


その疑問は送ってもらえることに対するものではなく、黒森峰の待機所からだいぶ離れていると言うことに対する疑問です。

そう言えば...

考え事をしていたせいで、帰り道がわかりません...

迷子です。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 07:34:38.70 ID:Nj7WztEOo
サンダースには誰が来てるんだろう…
どこで会えるんかな
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/22(月) 20:05:02.82 ID:Rzdgsb3d0
そんな会話をしていると、ケネディジープに乗ったアリサさんがやって来ました。

聞いた話によると、一応会場内ではあるので運転許可が下りていることと、軍用車両であるため区分を戦車としているので運転できるそうです。


「さあ、ミホ!Here we Go!」


グイッと腕を引っ張られ、私はアリサさんの運転するケネディジープに(半ば強制的に)乗り込みます。

乗り込むとすぐにケイさんは、


「アリサ!飛ばして!!」

「Yes mum!」

「ちょっ...待って...いやぁぁぁぁぁ!!」

「アッハハハハ!さいっこうにExcitingね!」


と、言う風にして連れ去られて今に至るわけなんです。

さすがは三軍まであると聞くサンダース大付属、多くの選手がパーティを楽しんでいます。


「さあーミホ、楽しんでってー!」

「は、はぁ...」

「そうねー...気分が落ち込んだ時は...髪型でも変えてみたらどうかしら?ね、アリサ!」


ケイさんはそう言うと、アリサさんと私の両側に立ちます。

慌てて二人の顔を見る私、嫌な予感がします。


「行くわよ、アリサ」

「Yes mum!ヘアサロン車はあっちです」

「え、あ...いや、ちょっと...」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 21:49:57.21 ID:Mz6tmRkJ0
結局ズルズル引きずられるようにしてヘアサロン車まで連行されます。

戦車道の試合前に、しかも準々決勝の試合前にヘアサロンなんて...

と言うよりも、さすがはサンダース大付属と言ったところです。


ヘアサロン車に連れ込まれ、すぐに車内の椅子に座らされます。

椅子に座らされるや否や、隣にある小さなテーブルに氷の入ったストロー付きのお茶が準備されます。

もう美容室みたいです、ヘアサロン車だと言うことを忘れさせられます。


「そーいえば、オットボール軍曹は元気ー?」

「あ、優花里さんですか?はい、元気です」

「彼女のフワフワのあの髪はすごくcuteなのよね!」

「は、はぁ…はわわわぁ…」


ケイさんはそう言いながら、私の髪の両サイドをクシャクシャとして、頭を左右に振ります。

私はそのせいでうまく話せません。


「そうね!ミホとユカリはbest friendみたいだし、お揃いにしてみたらどうかしら!」

「え?あ、ちょっと…」

「さあ、決まったところで Let's go!」


ケイさんはそう言うと、自分のポケットからケータイを取り出し、すばやく操作して、画面を美容師に見せます。

それから、あっという間に美容師さんにカールヘアーアイロンでグルグルに髪の毛を巻かれます。

ほ、本当にこれで大丈夫なのかな…

そう思っていると、手早くヘアーワックスで髪の毛をグシャグシャにされたかと思うと…


「Wow!ミホ、すっごく似合ってるわよー!」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 11:43:58.58 ID:f66SBRvd0
ho
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/31(水) 11:12:41.42 ID:SJ589HX50
本当に一瞬の出来事でした。

そのタイミングでケイさんが少し大きめの鏡を持ってやってきました。

通常美容室のいすの前には鏡があるのが普通なのですが、このヘアサロン車は目の前に外の風景が広がっています。

なので、私はケイさんの持ってきた鏡で初めてその自分の姿を見ることになりました。


その鏡に映った私の髪形は、まんま優花里さんの髪型そのものでした。

優花里さんの特徴でもある両サイドもそのまま再現されています。


「こ、これが…私…?」


なんだか本当に優花里さんになったみたいです。

自然と、いえ不思議と口元がほころんでしまいます。

そのときです。

胸のポケットがブルブルと震えているのに気がつきます。


「あ、電話…」


私はそう呟いて、胸のポケットからケータイを取り出します。

表面の表示には“優花里さん”の文字が表示されていました。

慌てて通話ボタンを押し、耳に受話器を当てます。


「も、もしもし…優花里さ…」

「西住殿ぉぉぉ!!どちらにおられるのですかぁぁぁ!?」


もうその声だけで優花里さんが慌てているのが想像できます。

髪の両サイドをクシャクシャにしてあちこちを駆け回って私の名前を叫びまわってそうな勢いです。


「お、落ち着いて優花里さ…」


と言ったその瞬間でした。

私の手の中にあったケータイはその中から無くなっていました。

はっと後ろを向くと、ケイさんが私のケータイに耳を当てていました。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 10:13:55.07 ID:x1/1FSiF0
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 11:39:01.73 ID:/UC5suXH0
ho
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 20:01:08.89 ID:yGXgAsw20
ho
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/18(日) 23:14:34.35 ID:X8MBLTAe0
ho
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 15:24:24.62 ID:un1wGCrX0
ho
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/24(土) 16:02:55.12 ID:myoFANZL0
ho
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 17:35:03.28 ID:WUBgMLn1o
mo
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 15:42:29.95 ID:YHC5rYoE0
ho
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 15:58:03.63 ID:hermyt+6o
>>1以外の保守は月一でいいよ
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 15:15:00.52 ID:quaj5QdF0
保守
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 15:48:06.20 ID:DK2lLYuS0
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 17:45:36.04 ID:QcX0V0/So
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 14:40:53.16 ID:Ce2gSpP70
ho
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 16:15:48.40 ID:/3eQaX+Fo
mo
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 14:21:05.51 ID:damkH8uP0
保守
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/23(月) 06:12:08.20 ID:/dDBWwYbo
このSS好きなんだがなぁ…
このまま落ちるの惜しいし
ハーメルンあたりに上げ直すとかどうですかね
作者さんもうここ見てないかもしれんけど
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 15:50:02.82 ID:yzXUQXOF0
保守
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 18:12:25.98 ID:v4ZK87Ug0
保守
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 11:20:03.71 ID:ee9hJPwh0
保守
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 11:39:14.29 ID:zw3rEK4iO
保守
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