【ガルパンSS】ガールズ&パンツァー 劇場版[大洗廃校ルート編]

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108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 09:10:06.55 ID:R1Pu5dEjO
桃ちゃんあたりは、西住が悪いと八つ当たりしそうな雰囲気しかぬい
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 21:45:48.97 ID:IJgXXJkQ0
「グデーリアン...?」


思わず、えっ?と声を漏らして私たちは振り向きます。

そこに立っていたのは紛れもなくエルヴィンさん、左衛門佐さん、おりょうさんです。


「エルヴィン殿っ!?左衛門佐殿に、おりょう殿まで!?」

「久しぶりだなグデーリアン...ん?隣に居るのは...」

「お久しぶりです、エルヴィンさん」


優花里さんはちょっぴり涙を浮かべて飛び跳ねて再会を喜びます。

私はペコリと頭を下げると、三人は驚いた顔をして大きな声で、


「西住隊長っ!?」


と、声を揃えてそう言います。

驚いた三人の顔を見て、私はにっこり笑います。

それと同時に、三人が着るジャケットはアンツィオ高校のパンツァージャケットであることに気がつきます。


「まさか西住隊長とグデーリアンに会えるなんて思ってもみなかった」

「私たちも嬉しいであります!ね、西住殿っ!」

「うん!みなさん元気そうでなによ...」


と、そこまで言いかけたところで、私はあることに気がつきます。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 10:20:08.73 ID:Sdpr/esK0
やはりアンツィオにはカバさんチームが来てたか
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 19:28:53.74 ID:dECbTX6NO
カエサルはひなちゃんと一緒かな?
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:40:55.60 ID:93XCtwU40
エルヴィンさん、左衛門佐さん、おりょうさん...

あれ、一人足りない...

最初から少し違和感はあったんですけど、改めて会話を交わすと違和感しかないような気がしてなりません。


「そう言えば、カエサルさんは?」


と、聞くと途端に三人は暗い顔をして俯いてしまいました。

あれ...何かまずいことを聞いちゃったかな...?

隣に居る優花里さんをチラッと横目で見ると、キョトンとした表情をしています。

優花里さんもカエサルさんの行方は知らないようです。

そんな重い空気を一変させたのは、ペパロニさんでした。


「そーいやー、転校してきた四人も大洗だったなー!ドゥーチェが言ってたな!ほら、ナポリタン五人前持ってきな!!」


ニシシっと笑ってペパロニさんが合計五人前のナポリタンを作ってくれました。

冷めるからお代はまた今度ー!と言って、店裏のテーブルに案内してくれました。

五人揃ってペパロニさんが作ってくれた特製ナポリタンを食べます。


「カエサルは、その...」


ナポリタンに舌鼓をうっていると、エルヴィンさんが低い声で語り始めました。

相変わらず暗い顔をされています。

もしかして、四人揃って転校できなかったのかな...
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 04:25:05.71 ID:riRSi3MCO
やってんのかな
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 21:16:27.25 ID:1EQVQEnNo
そういえばカルパッチョさんもいないなぁ(棒読み)
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/30(水) 22:44:44.61 ID:z2xWAC2k0
「カエサルは、その...なんだ...」

「徳川家三代目将軍、徳川家光のようにな...」


エルヴィンさんに続いて左衛門佐さんが口を開きます。

カバさんチームお馴染みの歴史人物に例えるあれです。


「縁起でもないぜよ...ただ、二人は仲がいいだけぜよ...」


と、おりょうさん。

うーん、どんどん暗い方向に話が進んで行っているような...

その時です。


「もー、たかちゃんったら!」

「あはは、すぐひなちゃんは騙されるんだから!」


笑い声と共にアンツィオ高校のジャケットを来た女の子が二人、やって来ました。

ペパロニさんのナポリタンを持って店裏のテーブルにやって来たのはカエサルさんと、カルパッチョさんです。

二人はすぐに私と優花里さんに気がつきます。


「あれ、西住隊長!?どうしてここに!?」


カエサルさんは私たちの顔を見てびっくりしてあわや、手に持ったナポリタンを落としそうになります。

私はにっこり微笑んで、お久しぶりですと声をかけます。


「驚いたなぁー、まさか西住隊長とグデーリアンが黒森峰だなんて...」

「うん、私も驚いたよ。四人がアンツィオ高校にいるなんて」


そこから、七人でナポリタンを食べます。

転向後の話とか、アンツィオ高校での話、あとカエサルさんとカルパッチョさんの話とか...
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/04(日) 03:40:09.57 ID:A7+llJe20
カルパッチョさんまずいですよ
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/13(火) 21:47:51.98 ID:9ZGgYxQJ0
「そろそろ試合だし、集合場所に行きましょうか。エルヴィンさんも左衛門佐さんも、おりょうさんも遅れないように来てくださいね」

「そうだねひなちゃん。それじゃ西住隊長、試合は正々堂々いい試合を」

「うん、よろしくね」


ナポリタンを食べ終わって、カエサルさんとカルパッチョさんは一足先に待機場所へ向かいます。


二人の姿が見えなくなって、優花里さんがツンツンと私を突きます。

優花里さんの方を見ると、優花里さんは残された三人の方を見てと言わんばかりに視線を送ります。

そこにいたのはズンと重い空気を漂わせた三人でした。

そこで初めて三人の感情を理解した私は慌てて声をかけます。


「いや、ほら...二人は幼馴染なんだし、取られたとかそういうんじゃー...」

「「「はあぁぁぁ...」」」


逆効果でした。

三人の特大のため息です。

大丈夫かな、こんな調子で...


いよいよ、二回戦アンツィオ戦開幕です。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 22:01:43.73 ID:thPMf8nRo
今気付いたけど、家光のように、ってことは、尻奉公のことか?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 22:14:03.06 ID:RO+9Gx/A0
・・・イタリアにはな、試作戦車だが時速70キロもだした快速戦車がいるんだぜ・・・
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/12/15(木) 23:43:11.86 ID:ox5NDdWH0
試合の内容は...こう言ってはなんですが、圧勝でした。

一回戦には出場していたというP40の姿は無く、全15両中12両がカルロベローチェ、残りの3両はセモヴェンテと言う構成もあってか、黒森峰は一両の損害も出すことなく無傷で二回戦突破という結果になりました。


「いやぁー、まさか黒森峰に転向していたとは思わなかった。惨敗だが、いい試合だった」


試合後、アンチョビさんに声をかけられます。

両手で握手を求められます。


「いえ、こちらこそありがとうございました」

「ったく、P40があればもっとまともな試合が出来たのかもな」


ボソッと悔しそうに呟くアンチョビさん。

その後ろから頭の後ろをかきながら、ペパロニさんがやって来ました。


「P40、修理代が無くて間に合わなかったっすからねぇー」

「お前のせいだろ!!ったく、最後の試合だと言うのに...」


そうアンチョビさんが言うと、みるみるペパロニさんの表情が曇ります。

少し青ざめた感じが、と言うか血の気が完全に引いて涙を浮かべています。


「さ...いご...?」

「何度も言ってただろ!この試合が最後、私の高校戦車道の引退試合だって!ったく、ペパロニは...」


大きなため息をつきながらアンチョビさんはペパロニさんの表情にその時初めて気がつきます。

ペパロニさんのその表情を見たアンチョビさんは、慌てた表情に変わります。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 19:23:00.32 ID:ke2ROsAKo
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/07(土) 11:33:24.25 ID:Ap/x9qNQ0
「ぺ、ペパロニ...?」

「そんな...嫌だよドゥーチェ...嫌だ嫌だ嫌だ...!」


周りを憚らず泣きじゃくるペパロニさん。

ついに両手で顔を覆うようにして、大きな声をあげて泣き始めます。

それを見てアンチョビさんの目にも涙が溢れます。


「泣くな!そしてワガママを言うな!私だって...私だって嫌だ!」

「ドゥーチェより、もっとそれ以上に嫌だぁぁー...!」


そして二人は完全に抱き合って泣き叫びます。

野球で例えるならば最後の夏の甲子園、その試合が終わってしまったのです。

この大会が終われば、今シーズンの高校戦車道大会は終わりを迎えます。

それはつまり、アンチョビさんと共に戦える試合がもう無いことを意味します。


「やめろ、ペパロニ!私は...私は、お前達と共に過ごせたこの戦車道に未練なんてない!!」

「まだドゥーチェとやりたい事たくさんあったのに...!パスタ茹でてピザ作って食べて、他にもたくさん...」

「戦車道関係ないじゃないか!」


いつの間にか二人は笑顔になっていました。

ですが、目にはたくさんの溢れる涙。

なんだかとっても切ない気持ちになります。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 18:09:42.97 ID:jDnkF5oyO
良いですね
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 23:54:49.96 ID:w+adFvTS0
乙です
待ってた!
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/08(日) 22:19:58.49 ID:6Pd8Xjjr0
しかし沙織さん当たりは連絡先教えてくると思うが
黒森峰、携帯、PC禁止で外部との連絡は寮の古い黒電話一丁
事前申請して許可がおりないと使用不可とか
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 00:16:24.55 ID:CoybnBiE0
「随分と慕われていたようだな...私もあんな風にここを去れたらいいな」

「お姉ちゃん...」


フフっと笑ってお姉ちゃんが後ろからやって来ます。

そして、私の肩にポンっと手を乗せて、


「だが私はまだ引退するつもりもないし、泣いて引退するつもりもない」

「うん、分かってる」


頼むぞ、とそう言い残しお姉ちゃんは去って行きました。

その後、アンツィオ高校は盛大にアンチョビさんのお疲れ様会を夜遅くまで開き、大会関係者の方から盛大に怒られたそうです。


試合の翌日、知波単学園戦の後と同じように反省会、もといミーティングが行われます。

とは言っても、無傷で二回戦突破と言うこともあってか、これと言って反省点があるわけではありません。

どちらかと言うと、次の三回戦、準々決勝の対戦相手の発表とその相手に対する作戦内容の確定がミーティングの主題です。


「次の三回戦、準々決勝の相手が決まった」


全員が集合した後、エリカさんが足早に壇上に上がります。

空気がピンと張りつめます。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 01:14:30.04 ID:CoybnBiE0
「次の相手は、サンダース大付属。優勝候補の一角よ」


サンダース大付属...

ケイさん率いるアメリカの戦車を中心に構成された、リッチな学校です。

裕福さもさることながら、優勝候補と言われるだけあって実力も兼ね揃えた学校です。


「これまでの一回戦、二回戦の情報によると...M4シャーマンを中心にM4A1シャーマン、あとファイアフライの構成のようね」


どうやら、大洗女子学園と対した時と同じ構成のようです。

この中でも特に注意すべき戦車は...言うまでもありません。


「特に今大会では一回戦、二回戦共にファイアフライの活躍がめざましいようね...秋山優花里!」

「はいっ!一回戦、二回戦の情報によると...合計30両中、総撃破数の21両中、三分の二に当たる13両が二両投入されたファイアフライによって撃破されているであります!M4シャーマンを使った誘導作戦が今回のサンダース大の作戦のようでありまして、ファイアフライの有効射程距離が約3000mなのでその範囲内に誘導し撃破する、と言った作戦でありますね。ちなみに、ファイアフライはアメリカで開発されたシャーマンをイギリスが独自に改修を行い17ポンド砲を...」

「そこまでで結構よ」


名前を呼ばれた私の隣に座っていた優花里さんがサンダース大付属のファイアフライについての説明を行います。

マニアックな話に入る前にエリカさんが話に割って入ります。

しゅんと残念そうな顔をして静かに座る優花里さん。

なんだかんだこの二人は結構仲良しさんで、優花里さんはいつもエリカさんにいじられています。


「どこからそんな情報を仕入れて来たの?」

「はっ、西住殿!ファイアフライの話でありますか!?」

「いや...ファイアフライのマニアックな話の方じゃなくて...」


ミーティングの邪魔にならないように、小声で優花里の耳元で囁きます。

ファイアフライの話は前にも話してくれたよ優花里さん...
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 11:29:54.27 ID:CoybnBiE0
ミーティングの邪魔にならないように、小声で優花里の耳元で囁きます。

ファイアフライの話は前にも話してくれたよ優花里さん...


「戦車道新聞でありますよ、定期購読してるんですぅ!」

「あぁ...なるほど」

「あとでお見せしますねっ!あ、西住殿が一面でありましたよ」


え...?

私が...?

新聞の一面って言った?

急に顔が熱くなります。


「わっ、私が...?」

「はいっ!二回戦後のアンチョビさんと握手を交わすシーンが一面で、トップでした!」


顔から火が出そうとはこの事です。

なんなら湯気も上がって来そうです。


「ちょっと西住みほ!秋山優花里!話聞いてる!?」


エリカさんに名指しで怒られてしまいました。

この話はひとまず置いておいて、今はミーティングに集中します。


ミーティングが終わって、人数が減って来た頃に優花里さんが噂の戦車道新聞を持ってやって来ます。

もうその笑顔と言ったら、ニッコニコです...やめてよ優花里さん...


「これでありますよ、西住殿っ!」


優花里さんが言っていた通り、二回戦のアンツィオ高校戦の後、アンチョビさんと握手を交わす私が一面トップでデカデカと掲載されていました。

再び顔が熱くなります。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/09(月) 15:15:12.52 ID:CoybnBiE0
「『王者不在の国体高校戦車道大会、優勝候補はやはり黒森峰か!?』...ふーん、なんだか気に入らないわね」

「「っ...!?」」


後ろから音もなく忍び寄って来て新聞の見出しを読んだのはエリカさんでした。

その顔はムスッとしていて、言うまでもなく不満そうです。

慌てて優花里さんが話します。


「え、えと...対サンダース戦の情報収集であります!」

「だいたいなんで隊長じゃなくて、あなたの写真なのよ...」

「そこですか!?」


エリカさんの言葉に笑いながら仰け反る優花里さん。

その通りだよ...私じゃなくてお姉ちゃんだったらよかったのに...


「それにしても、2両で21両中13両撃破って凄いね」


さらに後ろからひょっこり顔をのぞかせてやって来たのは小梅さんです。

小梅さんも会話の中に入って来ます。


「サンダースにはナオミとか言う優秀な砲撃手が居たわよね?」


エリカさんは腕組みをして考えます。

大洗女子学園での戦いでも、ナオミさんの乗車するファイアフライに何両もやられました。


「ナオミさん以外にも優秀な砲撃手を育てたのかな?三軍まであるって聞いたことあるし、その選手がついに花開いたとかかな…?」


小梅さんも唸りながら考え込みます。

やはり、ナオミさん以外に優秀な砲撃手がいることは数字からして明確です。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 16:24:23.56 ID:st0C3Zfl0
最近みほ梅分が足りない
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 11:18:15.58 ID:ay+6a0ySo
元大洗の人か?
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/21(土) 13:01:24.43 ID:WwMAV81N0
砲撃の名手、サンダースは何もかもアメリカンサイズだから食べ物も当然アメリカンサイズ
つまり・・・
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/29(日) 15:59:46.67 ID:fISxicir0
「西住殿がいれば敵無しですよねっ!ねっ、西住殿っ!」

「いやぁー…それはどうかなー…」

「そうよ、この子が一撃で撃破されるってことだってありえるんだから」

「なんですとっ!?」

「何?冷静な分析だと思うけど?」

「まあまあ、二人とも落ち着いて」


プンプンの優花里さんと、済ました顔のエリカさんを間に入ってなだめながら苦笑いする小梅さんです。

いつもの流れですね。


「まあ、みほ以外にも誰がいつ撃破されてもおかしくない。冷静な判断が勝敗を分けるだろう」

「お、お姉ちゃん!?」

「隊長っ!?」


どこからとも無く音もたてずにお姉ちゃんが後ろからやって来ました。

まったく気がつかなかった…


「隊長はやめろエリカ…私のことは、せめてさん付けか先輩にしてくれ」

「わかりました隊長!」


まったく変わってない…

これもいつものやつです。

そしていつものようにお姉ちゃんはため息を漏らします。


「ちょうどいい、明日の作戦について少し話し合いたいと思っていたところだった。このファイアフライだが…」


そこからお姉ちゃんも交えて、5人で明日の作戦の入念な話し合いが始まりました。

そしていよいよ準々決勝、相手は優勝候補の一角、サンダース大学付属高校です!
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/04(土) 16:46:06.05 ID:+LUOlwySO
>>7

135 :GAP ◆SFvhMvS7IY [saga]:2017/02/04(土) 17:26:27.55 ID:+4x4cHFzO
(○・▽・○)モチョダヨー
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/04(土) 17:27:44.55 ID:w+E3nEuH0
ddd
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 15:38:43.10 ID:H1ELR/Weo
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/12(日) 09:37:20.71 ID:T5si+1fBo
このスレも廃校になったのか・・・
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 00:23:17.99 ID:bOfMNnsW0
まだだまだ終わらんよ
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 11:15:57.19 ID:IHvvRhcT0
ho
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/20(月) 23:58:27.81 ID:MlDGasaB0
まだかなー
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 11:27:20.11 ID:+IEYx8kb0
ho
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/10(月) 11:42:29.36 ID:AZiLDbxX0
ho
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/17(月) 14:41:29.88 ID:ZYYfPLYd0
ho
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/24(月) 10:41:05.41 ID:OTB1bxZ90
ho
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 16:59:23.73 ID:IKGch95e0
ho
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/12(金) 17:57:30.48 ID:nVFgRnie0
ho
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/15(月) 01:47:30.60 ID:HttvubKm0
更新途切れてしまいまして申し訳ありません
仕事の関係で急遽海外の方へ行っておりましたので、更新できませんでした

もう、読んでくださる方いらっしゃらないかもしれませんが、続き書かせてください
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/15(月) 01:49:02.20 ID:HttvubKm0
準々決勝の試合開始前、私の隣にいるのはお姉ちゃんでもなく優花里さんでもなく、エリカさんでも小梅さんでもなく、対戦相手のサンダース大付属の隊長ケイさんでした。


「まあまあ、ミホー!楽しんでってよ!」


バンバンと肩を叩かれる私...

私の前の大きな机の上に並べられているのはフライドチキンやポテトと言ったいかにもアメリカの食事と言った食べ物と2リットルのコーラ。

試合が始まる前にもかかわらず、すでにパーティがサンダース大付属の待機所では始まっていました。

そもそもなぜ私がサンダース大付属の待機所にいるかと言う話は、二時間前に遡ります。



その日、試合会場が近かったと言うこともあってか試合開始の三時間以上前に会場入りしました。

学園艦からティーガーTにティーガーU、ヤークトティーガー、エレファント、マウス...

出場する全ての車両を会場に下ろします。

それから最終整備を済ませてもまだまだ時間が余ります。

作戦の最終確認を全体で行ってもまだ時間を持て余します。


「だいぶ時間余っちゃったね」


隣で待機している優花里さんにボソッと声をかけます。

私の声とは裏腹に、ウキウキした声で優花里さんは答えます。


「私はこの試合前のピンと張り詰めた空気も好きですよ!なにせ準々決勝ですからね、ベスト4を決める戦いですよ!」


優花里さんのその答えに、胸の辺りがキュッとなります。

胸に手を当てるとドキドキしていて、その鼓動が身体中に響いています。

緊張...してるのかな...

私は胸に手を当てたまま立ち上がります。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 06:23:48.48 ID:jyxj6YhCo
続き来てホント良かった
楽しみにしてたんよ
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 08:08:24.79 ID:AbKiCujPO
待ってた。乙。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 09:19:17.90 ID:JVA2ObSMo
大洗は潰れたけど、日本にとっては
解散したホワイトベース隊みたいな頼もしさを感じる
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/17(水) 10:13:58.10 ID:Phqw1M7s0
「ちょっと...散歩してくるね」

「え...あ、はい...私も付き合いましょうか?」


表情に出てたのかな...?

私の気持ちを汲み取るように優花里さんは不安げな顔で心配してくれます。

ううん大丈夫、と答えてそそくさとその場を立ち去ります。

心配かけちゃったかな。

でも、試合前に更に余計な心配をかけたくなくて一人で気持ちを落ち着かせに行きます。


波打つ鼓動を胸に、賑やかな会場を後にして拓けた道路に出ます。

両側にある少し寂しくなった木々を横目に、ゆっくり鼓動を落ち着けるように歩きます。


準々決勝、ベスト4...

優勝、引退...

いろんな言葉が頭の中を駆け巡ります。


優花里さん、エリカさん、小梅さん、お姉ちゃん...

みんなの顔が次々に思い浮かびます。

落ち着こうとする気持ちとは反対に、どんどん胸の鼓動は速さを増して、体中からその音が溢れ出てきそうです。


急にはっと我に帰ると、目の前にコンビニが見えて来ました。

とにかく何か飲み物でも、と思ってコンビニに駆け込みます。

勢いよく、コンビニに駆け込んでしまって入り口で買い物を済ませた方とぶつかってしまいました。


「ごっ、ごめんなさい...!!」


私は相手の顔も見ず、謝罪の弁を述べ深々と頭を下げます。

やっちゃった...
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/18(木) 03:18:45.79 ID:k4DgwFFg0
待ってた乙
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/18(木) 11:49:52.16 ID:0YRrGw3q0
「Wow!びっくりした、ミホじゃない!」


あれ、私の名前を...?

とっさに勢いよく顔を上げると、そこには笑顔で手をヒラヒラと振るケイさんがいました。


「どうしたの、そんなに慌てて?」

「いや、えっと...」

「立ち話もなんだし、外のベンチで話しましょ!」


とりあえずコンビニでお茶を買って、ケイさんの待つ外のベンチへと向かいます。

こっちこっちー!とケイさんは笑顔で大きく手を振ります。


ベンチに腰掛け、とりあえず一口買って来たお茶を流し込みます。

ふぅ、と息を吐くとケイさんはそんな私を見て心配そうに顔を覗き込みます。


「大丈夫?落ち着いた?」

「はい...大丈夫、です」

「そう、よかった!」


ニカッと笑って、手に持ったコーラの缶をプシュッと開けるケイさん。

それを一口飲むと、長い脚を組んでから、大空を見上げます。


「ミホがあんなに慌てるなんて珍しいわね」

「あはは...すみません」

「なんかあったの?」


視線はそのまま、ケイさんは私に問います。

私は素直に胸の内を語りました。

急に準々決勝という言葉を聞いて、優勝を意識して、お姉ちゃんが引退することを再認識して、勝手に緊張して...
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/19(金) 11:24:36.57 ID:4Dcx8Ofw0
それを聞いたケイさんは大笑いして笑い飛ばします。


「アッハハハハ!そんなことで悩んでんの!?」

「そ、そんなことって...」

「いい、ミホ?That's 戦車道!これは戦争じゃない、楽しんだ者がwinnerよ!」


その言葉を聞いて、正確にはその言葉を聞いてかどうかわからないけれど、私の鼓動はすっかりおさまっていました。

楽しんだ者が勝ち...


「それでもまだ不安?」

「いえ、だいぶ落ち着きました」

「そう...それはまだ本調子じゃないってことね」


そう言うとケイさんは、ポケットからケータイを取り出し素早く操作すると、それを耳に当てます。

言うまでもなく電話です。

しばらくするとケイさんの電話の相手が出たようで話し始めます。


「あ、アリサー?ええっとねー、今さっきのコンビニにいるんだけど、ちょっと迎えに来てくれない?そうそう、よろしく頼んだわよー」

「えと、じゃあそろそろ私は...」


お茶を手に持ったまま、私は立ち上がろうとしました。

ですが、私の腕をグッと掴んでそれをケイさんが阻止します。


「まあまあ、待ちなよミホ。なんなら送ってって上げるから。それに、一人で帰れる?ここからだと、黒森峰の待機所までだいぶあるよ?」

「そ、そうなんですか...?」


その疑問は送ってもらえることに対するものではなく、黒森峰の待機所からだいぶ離れていると言うことに対する疑問です。

そう言えば...

考え事をしていたせいで、帰り道がわかりません...

迷子です。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 07:34:38.70 ID:Nj7WztEOo
サンダースには誰が来てるんだろう…
どこで会えるんかな
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/22(月) 20:05:02.82 ID:Rzdgsb3d0
そんな会話をしていると、ケネディジープに乗ったアリサさんがやって来ました。

聞いた話によると、一応会場内ではあるので運転許可が下りていることと、軍用車両であるため区分を戦車としているので運転できるそうです。


「さあ、ミホ!Here we Go!」


グイッと腕を引っ張られ、私はアリサさんの運転するケネディジープに(半ば強制的に)乗り込みます。

乗り込むとすぐにケイさんは、


「アリサ!飛ばして!!」

「Yes mum!」

「ちょっ...待って...いやぁぁぁぁぁ!!」

「アッハハハハ!さいっこうにExcitingね!」


と、言う風にして連れ去られて今に至るわけなんです。

さすがは三軍まであると聞くサンダース大付属、多くの選手がパーティを楽しんでいます。


「さあーミホ、楽しんでってー!」

「は、はぁ...」

「そうねー...気分が落ち込んだ時は...髪型でも変えてみたらどうかしら?ね、アリサ!」


ケイさんはそう言うと、アリサさんと私の両側に立ちます。

慌てて二人の顔を見る私、嫌な予感がします。


「行くわよ、アリサ」

「Yes mum!ヘアサロン車はあっちです」

「え、あ...いや、ちょっと...」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/23(火) 21:49:57.21 ID:Mz6tmRkJ0
結局ズルズル引きずられるようにしてヘアサロン車まで連行されます。

戦車道の試合前に、しかも準々決勝の試合前にヘアサロンなんて...

と言うよりも、さすがはサンダース大付属と言ったところです。


ヘアサロン車に連れ込まれ、すぐに車内の椅子に座らされます。

椅子に座らされるや否や、隣にある小さなテーブルに氷の入ったストロー付きのお茶が準備されます。

もう美容室みたいです、ヘアサロン車だと言うことを忘れさせられます。


「そーいえば、オットボール軍曹は元気ー?」

「あ、優花里さんですか?はい、元気です」

「彼女のフワフワのあの髪はすごくcuteなのよね!」

「は、はぁ…はわわわぁ…」


ケイさんはそう言いながら、私の髪の両サイドをクシャクシャとして、頭を左右に振ります。

私はそのせいでうまく話せません。


「そうね!ミホとユカリはbest friendみたいだし、お揃いにしてみたらどうかしら!」

「え?あ、ちょっと…」

「さあ、決まったところで Let's go!」


ケイさんはそう言うと、自分のポケットからケータイを取り出し、すばやく操作して、画面を美容師に見せます。

それから、あっという間に美容師さんにカールヘアーアイロンでグルグルに髪の毛を巻かれます。

ほ、本当にこれで大丈夫なのかな…

そう思っていると、手早くヘアーワックスで髪の毛をグシャグシャにされたかと思うと…


「Wow!ミホ、すっごく似合ってるわよー!」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 11:43:58.58 ID:f66SBRvd0
ho
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/31(水) 11:12:41.42 ID:SJ589HX50
本当に一瞬の出来事でした。

そのタイミングでケイさんが少し大きめの鏡を持ってやってきました。

通常美容室のいすの前には鏡があるのが普通なのですが、このヘアサロン車は目の前に外の風景が広がっています。

なので、私はケイさんの持ってきた鏡で初めてその自分の姿を見ることになりました。


その鏡に映った私の髪形は、まんま優花里さんの髪型そのものでした。

優花里さんの特徴でもある両サイドもそのまま再現されています。


「こ、これが…私…?」


なんだか本当に優花里さんになったみたいです。

自然と、いえ不思議と口元がほころんでしまいます。

そのときです。

胸のポケットがブルブルと震えているのに気がつきます。


「あ、電話…」


私はそう呟いて、胸のポケットからケータイを取り出します。

表面の表示には“優花里さん”の文字が表示されていました。

慌てて通話ボタンを押し、耳に受話器を当てます。


「も、もしもし…優花里さ…」

「西住殿ぉぉぉ!!どちらにおられるのですかぁぁぁ!?」


もうその声だけで優花里さんが慌てているのが想像できます。

髪の両サイドをクシャクシャにしてあちこちを駆け回って私の名前を叫びまわってそうな勢いです。


「お、落ち着いて優花里さ…」


と言ったその瞬間でした。

私の手の中にあったケータイはその中から無くなっていました。

はっと後ろを向くと、ケイさんが私のケータイに耳を当てていました。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 10:13:55.07 ID:x1/1FSiF0
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 11:39:01.73 ID:/UC5suXH0
ho
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 20:01:08.89 ID:yGXgAsw20
ho
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/18(日) 23:14:34.35 ID:X8MBLTAe0
ho
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 15:24:24.62 ID:un1wGCrX0
ho
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/24(土) 16:02:55.12 ID:myoFANZL0
ho
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 17:35:03.28 ID:WUBgMLn1o
mo
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 15:42:29.95 ID:YHC5rYoE0
ho
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 15:58:03.63 ID:hermyt+6o
>>1以外の保守は月一でいいよ
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 15:15:00.52 ID:quaj5QdF0
保守
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 15:48:06.20 ID:DK2lLYuS0
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 17:45:36.04 ID:QcX0V0/So
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 14:40:53.16 ID:Ce2gSpP70
ho
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 16:15:48.40 ID:/3eQaX+Fo
mo
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 14:21:05.51 ID:damkH8uP0
保守
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/23(月) 06:12:08.20 ID:/dDBWwYbo
このSS好きなんだがなぁ…
このまま落ちるの惜しいし
ハーメルンあたりに上げ直すとかどうですかね
作者さんもうここ見てないかもしれんけど
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 15:50:02.82 ID:yzXUQXOF0
保守
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 18:12:25.98 ID:v4ZK87Ug0
保守
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 11:20:03.71 ID:ee9hJPwh0
保守
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 11:39:14.29 ID:zw3rEK4iO
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182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 00:57:04.66 ID:GtyOwDn60
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