【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン

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745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/09/24(金) 23:07:15.44 ID:ik+gqKsF0
>>744訂正
×コブラはサイコエネルギーやっためたらに撃つしかなかった。
◯コブラはサイコエネルギーをやたらめったらに撃つしかなかった。
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/25(土) 10:24:30.63 ID:qbwJCHo0o
うお来てた
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/25(土) 13:19:05.75 ID:d4MiPiCb0
おお、来てた。
なんか、力量というより相性的な問題で、闇とか深淵とかにやたら弱いっぽいのよね、ダクソ世界の神族。
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/26(日) 04:34:02.05 ID:CMI2fw+DO
敵側が強すぎる
オンスタで駄目なら灰の人とか主人公クラスの味方が居ないとキツそう
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/09/27(月) 10:21:16.28 ID:X1PAicHe0
コブラ「今だレディ!上昇しろ!」


闇の魂たちがサイコエネルギーにかまけ、それらを食らい尽くしている隙をつき、レディは船体のバランスを整える。

レディ「コブラ!みんなにしっかり掴まっているように言って!」

コブラ「みんな掴まってろ!飛ぶぞ!」

ジークマイヤー「っ!」ギュッ


レディはマニピュレーターにロックを掛けると、出力値を低く設定したまま、タートル号をようやく浮上させた。
出力を抑えているとはいえ、コブラいわく宇宙屈指の逃げ足を持つ船が生み出す推力は、クローに掴まれている者たちに強い圧迫をもたらした。
不死達は由来の知れぬ強烈な目眩をこらえ、オーンスタインは苦しげに傷口を抑える。
そしてやはり、闇の者たちは追撃の手を緩めなかった。


「ウオオオオーーッ!!」


理性のかけらさえも感じさせぬ獣声が響き、レディは我が眼を疑った。
宙を飛び上がる宇宙船に、追いつく者を見たからである。
肉色の魂を身に纏ったその怪老は、フロントガラスに左手をつけ、右手に握った大剣を振り下ろした。

レディ「くっ!」ガクンッ

レディは咄嗟に舵を切り、船体を揺らして、怪老の体勢を崩す。しかし怪老は振り落とされず、崩れた体勢から無理矢理に大剣を振るった。


ドグァーーッ!!

レディ「オオーッ!」


振るわれた大剣は、小型ミサイルを跳ね除けるフロントガラスを貫通し、船内に肉色の魂をなだれ込ませるに足るだけの大穴を作った。
痛みか飢えか、安楽か悦楽か、由来の判別がつかぬうめき声を怪老があげる。
にわかに怪老のマントが脈打つように蠢きはじめ、数多の声が漏れ始める。
レディは決死を覚悟し、舵を限界まで切った。


ドガァーーッ!!


タートル号は上昇しながらも錐揉みに回転し、強力な遠心力をもって怪老の身体を伸ばし、岩壁に叩きつけた。
しかし奴隷騎士は剥がれなかった。怪老の肉体は、今や岩などとは比べようもなく堅牢となっていたのだ。
フロントガラスに指を突き刺した左手だけで身体を船に繋ぎ止め、その身に激突した岩の方が砕けてしまったほどに。


レディ「そんなに離れたくないなら、せいぜい掴んでいることね!」


レディは整備点検用のコンソールを開くと、システムが活きていることを確認し…


カチッ!


フロントガラスの交換用のボタンを押した。
歪んだフロントガラスの四隅を接着している固定具は、デュナシャンドラからの攻撃により損壊し、フロントガラス同様に歪んでいたが、歪みに逆らって無理矢理にロックを外し、バチバチと火花を散らした。
ガラスごと船体から切り離された怪老はマントをなびかせ、再びタートル号に接近する。
レディは怪老の接近を制するべく、再び舵を切った。


ドガッ!! ガガガガガガガ!!


タートル号と岩壁に挟まれ、身を剃られた怪老は船尾まで押し転がされた。
怪老は全身を血に濡らし、なおもタートル号のロケットブースターに手を伸ばす。


レディ「悪いけど、しつこい殿方はタイプじゃないくってよ!」

レディ「出力を上げるわ!みんな掴まってて!」ガッ


シュゴオォォーーッ!!


レディが叩くようにして出力操作用のレバーを押すと、ブースターから噴き出す炎は一気に強まり、怪老の全身を焼いた。
怪老はなおも死なず、しかし爆発にも似た風に逆らえるほどの飛翔能力は持たなかった。
タートル号はついに奴隷騎士ゲールを振り切ると、火の炉の祭壇の広間に降りるために穿った大穴、火継ぎの祭祀場「跡地」から飛び出して、地面ぎりぎりに降りた。
しかし着地はせず、レディは船体をホバリングさせた。着地用のマニピュレーターには今、旅の仲間たちを掴ませているのだから。

レディ「みんな船に乗って!彼らが追ってくる前に空に逃げるのよ!」
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/09/27(月) 11:24:21.12 ID:X1PAicHe0
>>749
×レディ「悪いけど、しつこい殿方はタイプじゃないくってよ!」
◯ レディ「悪いけど、しつこい殿方はタイプじゃなくってよ!」

校正さんは偉大
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:56:13.85 ID:0HmHMvRho
気長に待ってる
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/25(土) 09:23:38.88 ID:S0I1LbMM0
マニピュレーターを伝ってタートル号の船内に入った不死達と神々は、疲れ切っていた。
周囲に広がる、見たこともない金属が作り出す幾何学模様。由来の知れぬ造形。未来や過去にも姿無き文明の結晶。
それら全てに関心や警戒心を払えず、ただもたれ掛かり、あるいは寝そべるしかないほどに。


グウィンドリン「礼を言うレディ。そなたの船が駆けなければ、今頃我らは死んでいただろう」


床に倒れ伏したオーンスタインに癒しの奇跡を施しつつ、暗月の君主は震える声で、操縦席に座るレディに感謝した。
かの神の手元に輝く光は、オーンスタインの鎧に穿たれた二つの穴を照らし消さんとするが、恐るべき威力により生じた傷は、その光さえも切り取るかのような暗さを崩さない。


レディ「礼を言うのはまだ早いわ。今はこの状況を切り抜けることだけを考えましょう」


レディが手元のコンソールを操作すると、タートル号は減速し、ゆったりとした航行に移行した。
操縦席から離れて、レディはメインデッキに倒れ込む仲間たちに語りかける。


レディ「タートル号の操縦をオートパイロットモードに設定したわ。私たちは遥か上空の雲の上。いくら彼らが強大でも、空は飛べないはずよ」

レディ「グウィンドリン、あなたはオーンスタインを医療室へ。彼をベッドに寝かせたら診断プロトコルが自動で立ち上がるわ。あとは治療プロトコルを…」

グウィンドリン「…プロ、トコル…?」


レディ「………」


混迷を極めた状況の中でただ一人冷静な判断力を保ち続けたレディも、内心はやはり掻き乱され、動揺していた。
グウィンドリンはタートル号の機能を何ひとつ知らない。
それどころか、奇跡や魔術による治癒でのみ負傷を癒す文化にあっては、医療などというものの概念にすら疎い。
奇跡や魔術に触れぬ者は、未開の人か、異端の者。もしくはとこしえに神都に入らぬ、辺境の怪物や獣たちぐらいであるのだから。


レディ「いえ、なんでもないわ。彼を安静にできる場所に連れて行きましょう」

真鍮鎧の騎士「私も手を貸そう。オーンスタイン様、お気をたしかに」


レディはグウィンドリンと火防女騎士とともにオーンスタインを支え、医療室の前に立つと、自動ドアの開閉スイッチの下に設けられた掌サイズのハッチを開け、中のボタンを押した。
押されたボタンは、大型医療機器を医療室内に運び込むために備えられた通路拡張機能を作動させ、自動ドアを壁内に収容し、出入り口と廊下の横幅を拡げた。
四者がその入り口を潜り、廊下を歩む様を、壁に寄りかかって座るローガンは眺める。


ローガン「………」


しかし、ローガンにはその驚異的と言える技術に驚嘆する余裕などまるで無く、かの頭脳には暗き閃きが渦巻いていた。
闇、もしくは人間性と呼ばれるものは、人の本質を司り、あらゆるものを求める。
ローガンが人間性に対して抱いていた仮説はやはり正しかったが、その偽りなき有り様は、ローガンの求めたものではなかった。
人間性の化身。つまり闇の化身と呼べるであろう者達の、自らが求めたものをことごとく滅ぼして喰らい尽くすその様は、むしろローガンが求める真の叡智からは、遥か遠くにあるものだった。


ローガン(……学びを求めたがゆえに、学びを失い、また智慧を失う)

ローガン(そうか…まずは智慧を恐るるを知るべきであったか…)

ローガン「………」フフ…


智慧を求める者が闇に生まれし者ならば、求められた智慧も必ず闇に蝕まれ、喪われる。
ならば智慧を尊ぶ者は、智慧に触れてはならない。真理を見てはならない。啓蒙を得てはならない。
それらを尊いものとしたいのならば、知るに足るだけの真の光としたいのならば、魔術を大いなるものとしたいのならば、眼も耳も口も潰れねばならないのだ。
ローガンの旅は終わった。生きる理由とともに。



床に倒れたままのビアトリスとジークマイヤーは、疲労困憊の身を起こすことができず、ローガンが静かに壊れていくさまに気付けなかった。
そして、どさくさに紛れてタートル号に逃げ込んだ盗人に、見覚えがあることにも。


コブラ「………」スッ…


床に座り込んでいたコブラは、やおら立ち上がる。
しかし力は無い。足元に伸びているパッチにも、一瞥をくれてやるのみだ。
足取り重く、コブラは力無いままに操縦席に向かい、重くなった腰を席に降ろす。

眼前にある穴の開いたフロントガラスからは風は入らない。
タートル号の船体表面に張られたフィールドが突風を遮断し、ただ澄んだ青空と、暖かな陽光をガラスに映している。
先程までの混乱はどこにもなく、タートル号には不死達の小さな息遣いだけが、微かに響くばかりだった。
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 04:01:35.87 ID:L7UzDnfM0
ピッ


コブラが座席に備えられたキーパッドを指で叩くと、小気味のいい電子音とともにコンソールの引き出しが開かれ、中から葉巻でいっぱいのシガーボックスとジッポライターが顔を出す。
コブラはそこから葉巻を一本取ると、シガーカッターで先を切り、ジッポで火をつけるとそれを吸った。


コブラ「………」


久しぶりの葉巻は沁みた。
だが、その沁みは心地の良い感覚ではなかった。
虚しさや哀しみを酒や葉巻で紛らわせたことはある。
しかし、絶望的な敗北を喫した時には、いつも別の何かが必要だった。
葉巻や酒ではない別の何かが。

その別の何かとは、己の内に潜む精神の爆発。
迸る精神力は常に絶望を討ち払ってきた。

しかし、今回ばかりは己の精神力さえも打ち砕かれてしまった。
万策は尽き、サイコエネルギーはもはや敵を強める餌にすぎない。
ゆえにコブラは葉巻を吸った。のどかで雄大な、呆れるほど美しい空を眺めながら。



コブラ「…今度ばかりはボウイ、お前の勝ちかもな」



コブラの黄昏た目には、万物を喰らう人間の倒し方は浮かんでいない。
傷ついた戦士達を乗せて、タートル号は黄金色に照らされた雲の上を、あてもなく漂っていた。


754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/29(水) 06:39:22.89 ID:twaQ0+/NO
うお来てた
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/29(水) 07:11:21.29 ID:xjkVkqJ/0

灼熱の地底に現れた熔鉄の城。
その城の正門から現れた「煤けた白騎士」は、斧槍を持ったまま崩折れ、片膝をついた。
蜘蛛魔女のクラーグは蜘蛛腹に不死達を乗せたまま、煤けた白騎士に近付き、その者を見下ろす。


クラーグ「何者だ?すでに廃都とはいえ、貴様に我が故郷を潰せなどとは頼んではおらぬぞ」


焼けた白騎士は重々しく頭を上げ、重厚に過ぎた兜のスリットを通して、炎の蜘蛛を目にした。
混沌を纏いし魔女は炎の剣を持ち、混沌の餌とするためか、背に不死達を乗せている。
白騎士は、かの魔女こそがまさに己が主を誘惑した怨敵であると確信した。


ガッ!

クラーグ「………」

今まさに力尽きんとしていた白騎士の両脚に力がみなぎり、かの騎士は立ち上がった。
妄執にも似た使命感が、消えかけた命に最後の隆盛を呼び起こしたのだ。

ビキビキビキ!!

クラーグ「!」

白騎士が構えを取ると、煤けた鎧には白い薄氷が張り巡らされ、その全身から目に見えるほどの冷気を立ち昇らせる。
灰色にくすんだ斧槍にさえも白い輝きが宿り、往時の力を取り戻すかのように鋭くなった。

ソラール「結晶ゴーレムか!?」

グリッグス「いや、こんな種類は見たことがないが…」

クラーグ「結晶ではない」


戦意を燃やす騎士を前にしたまま、クラーグは一人納得すると、剣に纏わせた炎を消した。


戦士「!? おい!何やってんだ!?」

クラーグ「白い騎士よ、我らは敵同士ではないようだ。矛を引け」

煤けた白騎士「………」


言葉が通じないのか、声を発せないのか、あるいは思慮しているのか。白騎士は矛を収めはしないものの、斬りかかることもない。


ラレンティウス「…相手が何者か見切られたのですか?」

クラーグ「此奴が纏っているのは氷だ」

ラレンティウス「氷…?」

戦士「そんなばかな…水がこんなところでこお…」

クラーグ「凍るわけがない。だが、此奴の冷気は炎に耐える力を持っている。鎧も得物も、質が良い」


クラーグ「そのような者がここに現れたということは、混沌を封じるために此奴に武具を与え、此奴を鍛え、この地へと送った者がいるということだ」

クラーグ「ならば混沌を敵とする者同士、ここで斬り結ぶのも不毛であろう?」


戦士「…そりゃあ、そうかもしれんが…」

グリッグス「たしかに、向こうにも迷いがあるように見える。しかし、言葉は通じるのだろうか…」

クラーグ「炎の魔女の指輪の力を侮るな。指輪を持たぬおぬしらは此奴とは話せぬが、指輪を持つ我が望めば、我が言葉は此奴の耳にも届く」

クラーグ「騎士よ、同じ敵を討たんと欲するならば、名を名乗るがいい。それともやはり斬り合うか?」


魔女の提案を聞き、白騎士はしばしの間を置くと、兜を脱いでその亡者頭を晒した。
白く乾いた皮膚は骨に張り付き、喉は枯れて目も落ち窪んでいるが、長白髪はある種の気品を残しており、その瞳には強い意志の輝きが保たれている。
そして、白騎士は声無き喉をそのままに、乾き切った口を動かした。


クラーグ「…ロイエスの騎士?…それは名ではなかろう。我は名を聞いておる」


ロイエスの騎士「………」


クラーグ「名は忘れたか。たしかに亡者であるらしい。…しかしなおも使命は忘れぬとは、見上げた忠義者よ」フフフ…
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/29(水) 07:55:40.10 ID:NYzGPuGdo
まさかのロイエスの騎士
白王もどこかに…
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/29(水) 13:46:37.75 ID:SjH94s+DO
123入り乱れてワクワクする
これなら味方も集まるか
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/14(月) 23:30:11.64 ID:xHJb4II30

凄く良かったので、更新待ってる
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:04:10.30 ID:7L0HGD+lo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/20(日) 13:04:53.08 ID:Q4vidJth0
今や見る影もなく荒廃した火継ぎの祭祀場には、底の見えない大穴が開いている。


バオオーーッ!!


その大穴の闇そのものが盛り上がると、闇から黄金色の輝きが迸り、祭祀場の焼けた土に足をついた。


クリスタルボウイ「ふん、コブラめ。相変わらず逃げ足の速いやつだ」ピシュッ!


宿敵を嘲笑いつつ、クリスタルボウイは二つの暗紫結晶を石畳に放つ。
放たれた結晶は暗い輝きとともに闇を放ち、その闇からは二人の『人間』が姿を現した。
その祭祀場に急遽浮上した強大な闇に吸い寄せられたのか、大穴の周りにはいつのまにか幾人もの亡者、幾体もの骸骨が群がり、それに混じって髑髏鎧の騎士や、子の仮面の悪霊の姿もあった。


デュナシャンドラ「我が王よ。あのような卑小なる者が、まことにあのコブラなのですか?」


ゲール「………」



骸の貴婦人とでも言うべき痩躯の者は、クリスタルボウイ同様にコブラを嘲ったが、怪老は一言も発さず、ただ重々しい息をもらすだけである。


クリスタルボウイ「あなどるな。貴様はコブラの最も警戒すべき点をまだ見ていない。ヤツはここからがしぶとい」

デュナシャンドラ「そうは申しますが、あの者は呪われた不死ですらない、定命の者でございましょう?神の器をも手にし、闇のソウルの因果をその身に束ねられた貴方様を、いかに煩わせるというのです?」

クリスタルボウイ「その認識が甘いと言っているのだ」

デュナシャンドラ「………」


クリスタルボウイ「不死身という言葉はヤツのためにあるようなもの。ヤツの存在は一握の灰ほどもこの世に残してはならんのだ!」

クリスタルボウイ「お前たちに命令する!アーリマンの力に惹かれた者たちを引き連れ、ヤツらよりも先に王のソウルを集めろ!」

クリスタルボウイ「そしてコブラを発見したならば、この俺を呼べ!ヤツの首は俺が直々に狩りとる!」

クリスタルボウイ「ゆけーっ!!」


ザザザーーッ!


クリスタルボウイの一声とともに、闇に群がり仕えし者どもは一斉に散り、二人の人間のうちの一人は闇に沈み込んで姿を消し、もう一人は肉色のソウルを纏って嵐の如く飛翔していった。


そして刺客たちを放ったクリスタルボウイは、ひとり石階段を降り、古い昇降機の置かれた石部屋に立つ。

目指すは忌み地にして闇の苗床。
かつて自らが堕とした人の亡国、小ロンドの遺跡である。
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:20:36.83 ID:SHUxHxf6o
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 12:14:52.56 ID:fZKL+a8FO
>>760
来てた
ボス同士の会話熱い
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/03(木) 21:33:04.58 ID:rL+e0MDDO
奴はここからがしぶといとかコブラのことある意味信頼してるとすら言えるクリボーの評価にほっこりする
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/09(月) 02:57:58.92 ID:Qv/Z+nTlo
保守
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/19(木) 12:16:48.75 ID:41MGYa+6o
3ヶ月ルールまだあるっけ
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/06/12(日) 02:19:26.12 ID:9sMPyAz/O
待ってます
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/12(日) 19:20:05.16 ID:p3JpPPYU0
待ってません
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/19(日) 15:08:11.93 ID:qv3mgGJH0
闇に生き、闇を求め、闇に還りし者たちは、今やロードランの隅々に蔓延り、大路を跋扈している。
そのさまは緑の茂る、精霊たちの封地も例外ではない。

黒森と呼ばれ、心持つ者たちに恐れられたその地もまさに、闇の手に堕ちようとしていた。


東国の戦士「気狂いどもめ…狩猟団を敵に回し、何を得るつもりだ」

東国の戦士「貴様らの求めるものなど、この地には無いぞ」


同胞をことごとく斬られ、大業物をも弾き取られた男は、鉄の盾を構えて侵入者と相対している。
男の懐のエストはもはや尽きており、残り少ない狩人たちも、敵が連れてきたダークレイス達に手を焼き、助力できない。


闇霊「我々が求めるものなど、お前如きに分かるはずもない」

闇霊「我々は侵し、殺し、奪うまで」


封地を荒らす者達の長、赤黒いソウルを纏いし騎士は、黒騎士の斧槍を中段に構えて東国の戦士ににじり寄る。
そして東国の戦士の脳裏には、盾で斧槍を絡め弾くという選択は浮かばなかった。
一度敢行した際に、手の内を読まれて発火を合わせられてしまい、その時の負傷が残り少なかったエストを枯渇させてしまったのだ。


ダッ!


地を蹴って、侵入者が東国の戦士との間合いを詰める。
東国の戦士は盾を構えてはいるものの、その盾は命を長らえさせるだけで、戦士に勝利をもたらすものではない。


ドスッ!


そして、一刀が鎧を貫いた。
しかし、東国の戦士は盾を構えながらも、呆気にとられた。
東国の戦士は古今東西を歩き、多くの武具を見聞きし、あるいは使い、蒐集してきた。
その眼にかなう業物が、侵入者の背を貫いて、胸部から覗いていたからである。


闇霊「グッ!」


短く息を漏らす侵入者を、業物の持ち主は蹴り飛ばし、地に伏せさせる。
そして起き上がりぎわに一閃を入れ、そのまま沈黙させた。


東国の戦士「なにっ…!?」


剣と剣とを使いこなす、二刀流によって。




黒森に生き、そして黒森を目指す者は、知ることになる。
新たな戦士の到来と、闇に一石が投じられたことを。

二刀で侵入者の首を撥ねた獅子鎧の騎士は、東国の戦士に背を向け、歩きだす。
そして森を抜け、不死教区を歩き、かつて竜が居た大橋で出会う。
その者は、獅子騎士と同じく、やはり疑問を抱いていた。

確たる真理を見たというのに、何故我らは闇に呼ばれたのか、と。




769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/19(日) 15:40:48.47 ID:qv3mgGJH0


しかし、獅子騎士と同じく、その者の口も言葉は無く、眼前の者への敵意も無い。



互いにあらゆる敵と戦い、その全てを制し、世の真理を見て、正しき道を選んだことを知っている。
その道が壊れ、歪んでいたと知っていたとしても、道を歩き通したのである。
例え全ての道が、ひとつの滅びに行き着いていたとしても。



そして、滅びの道の末に、見るべき灯を見つけたのだ。
原初の闇と、原初の火。原初の無がある世界を。







過去も未来も、光をも捨てた者。
フォローザに生まれ、今やただひとりとなる獅子騎士には、アン・ディールにより与えられし忌み名がある。










そして、全てを終わらせし者。
火無しの灰騎士にも、火防女からの言葉があった。









絶望を焚べ、火を閉じた者達は、再び闇に導かれ、己の意志で戦いに身を投じる。

常に不変であった者…

闇を、変えるために。








770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/19(日) 16:45:29.27 ID:2n6hxnEDO
あんまり記憶に無いアルバートと…
ついに灰の人か
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/05(火) 16:28:59.60 ID:vfkWEp/jO
うお来てた
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/05(火) 23:51:33.60 ID:4DVYUFGdo
>>769
まさか2と3主人公が…
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/24(月) 04:43:56.39 ID:tq4he4YNo
気長に待ってる
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/17(金) 23:22:25.84 ID:VIf+M5HnO
保守
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/11/22(水) 05:23:35.42 ID:Lwlw0rTs0
エタったか
楽しみだったけど仕方ない
今までありがとうございました
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/22(水) 20:51:56.29 ID:PJdSvuLr0
エタったスレわざわざ上げるとか馬鹿なの?
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